勇者「互いに全力で戦おう!」魔王「どちらが最強か、決着をつけようぞ!」 (17)

勇者「やっと会えたな、魔王」

魔王「うむ、待ちわびていたぞ。勇者よ」

勇者「お前は世界に多くの悲しみと絶望をもたらした諸悪の根源だが……」

勇者「不思議な話だが、そこまでの憎しみは抱いていない」

魔王「ほう?」

勇者「それよりもむしろ、お前という強敵と戦えることに高揚感を覚えている!」

魔王「ふっ……奇遇だな、ワシとて同じ気持ちだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455714759

魔王「貴様にはワシの計画を邪魔され、多くの部下を倒されたが……」

魔王「不思議と憎しみは少ない」

魔王「それよりも、初めて全力を出せる相手に出会えたという喜びがまさっておる」

勇者「ここまできたら、思想のぶつけ合いや、技の出し惜しみや温存はなしだ!」

勇者「互いに全力で戦おう!」

魔王「どちらが最強か、決着をつけようぞ!」

魔王「それではステージを変えるとしよう」

勇者「ん?」

魔王「世界最強を決める場が、こんな石造りの味気ない部屋ではもったいないからな」

魔王「はあっ!」バッ



勇者「!」

勇者「無数の魂が……うごめいている……!? なんだこの空間は……!」

魔王「ここは此度の戦いで散った命が全て集まる空間……“魂の間”よ」

魔王「やはり世界最強を決める場には、大勢の証人がいなければなるまい!」

勇者「最終決戦に相応しい舞台だ……では、参る!」

勇者「はああああああああっ!!!」バチバチバチ…





魔王「ぬおおおおおおおおっ!!!」ズゴゴゴゴゴ…

勇者「先手ッ!」

勇者「体力と魔力を消費して放つ大技――雷神覇王烈斬ッ!」

ズガァァァァァンッ!



魔王「なんのおっ! 我が魔力の結晶を撃ち出す魔技……暗獄滅殺獅焔弾ッ!」

ドゴォォォォォンッ!

勇者「まだまだァ! そんなもので倒れはしない!」

勇者「超音速で敵を切り刻む絶技――百花繚乱閃皇桜花斬ッ!」

ズザザザザザザザザッ!



魔王「やりおるわ! ならば無数の亡者を召喚し、貴様を攻撃させてくれる!」

魔王「無明亡者憎怨百鬼夜行……!」

ウオォォォォォン……

勇者「だったら奥義を使わせてもらう!」

勇者「だあああああっ! ――剣神之一太刀!」

ズアシュッ!



魔王「面白くなってきたわ!」

魔王「封印されし、全てを圧縮消滅する暗黒技! 暗黒奈落(ダークネス・ホール)!」

ズオアァァッ!

勇者「さぁ、まだまだこれから――」



勇者「うっ!?」ビクッ

魔王「むうっ!?」ビクッ



勇者「な、なんだ!? 急に……体が思うように動かなくなった……!」

魔王「む、貴様もか……! これは一体どういうことなのだ!?」

勇者「全力を尽くし合ってる俺たちに干渉できるような者が、この世にまだいるのか!?」

魔王「バカな、そんなことはありえん!」

魔王「ワシらこそが最強のはず! この戦いこそが世界最強決定戦のはず!」

勇者「俺だってそう思いたい……そう信じたい……けど!」

勇者「じゃあどう説明するんだ!? 俺たち二人の動きが急激に鈍ったこの現象を!」

魔王「う、うむう……」

魔王「認めざるをえんようだ……」

魔王「この世のどこかに、ワシらよりもずっと強い者が存在することを……」

勇者「仮にいるとして、何故よりによってこのタイミングで戦いを邪魔するんだ!?」

勇者「お前たちの戦いなど子供の遊びとからかっているのか!?」

勇者「くそっ、どこであざ笑っていやがるんだぁぁぁっ!!!」



………………

…………

……

プレイヤー「せっかくのラストバトルだってのに、なんだよこれ……」

プレイヤー「背景が派手だし、勇者と魔王も演出が派手な大技を連発してるせいか……」

プレイヤー「処理落ちがひどいなぁ……」







おわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom