しんのすけ「俺とオラ」 (13)

あの時ああすれば...
もしも...ああしていれば.. あの悲劇を止められたんじゃないのか...

俺の人生で間違いなく一番後悔したあの日...
その日を境に、オラは俺になった

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___朝か...
俺は、眠たい目を擦りながらパジャマからジャージに着替えた

時刻は午前5時
これから俺の日課が始まる

しんのすけ「昨日は下半身だったから、今日は上半身かな...」

そうつぶやきながら
台の上に仰向けになり呼吸を整える

しんのすけ「まずは60×10を3セットだな」

俺は台の上にあるバーベルを握りしめ
ベンチプレスを始めた

そう、俺の日課は筋トレだ




しんのすけ「次は75×10の3セットか」

台から起き上がり、新たなプレートをつけた

しんのすけ「よし」

俺はベンチプレスを再開した

こんな朝っぱらからなにが楽しくて筋トレなんかしてるのかと疑問に思うかもしれないが

俺にとってこの日課は生活の一部になっていた








俺が筋トレを日課にしたのは 今から約5年前...
小6の夏休みからだった

最初の頃は腕立てや腹筋ばっかやってたっけか...

よく母さんが心配そうに見ていたのを思い出す

そんな母さんとは反対に
父さんは協力的だったっけ...

俺は部屋を見渡し始めた

しんのすけ「あれもこれも、全部父さんが買ってくれたんだっけ...」

この部屋にはいろんなトレーニング器具やサンドバッグがある

どれも父さんが自分の給料から俺のためになにも言わず出してくれた...

ガキのころは確かに裕福とは程遠い野原家だったが
この不景気でも変わらずに母さんが専業主婦をしている所を見ると
案外父さんの給料はいいんじゃないかと思う

しんのすけ「もう6時か...そろそろ起きてる頃かな」

俺はベンチプレスをMax重量の110につけかえてから階段を下りた

しんのすけ「おーいひまわり、起きてるか?」

ひまわり「はいはい起きてますよ...どうせまた補助につけでしょ?」

しんのすけ「おう。流石は俺の妹、話が早い。」

ひまわり「ったく...どこの世界に朝っぱらから妹に筋トレ手伝わせる兄がいるのよ!」

しんのすけ「まぁまぁ、そんなに怒ると母さんみたいにシワがふえるぞ」

ひまわり「余計なお世話よ...つーか汗臭いよお兄ちゃん」

しんのすけ「お兄ちゃんに対して汗臭いはひどいじゃないか...それに補助だって、昔お前から手伝うっていったんだぞ?」

ひまわり「はいはいそうでしたね。いいからさっさとしてよ。私だって暇じゃないんだから。」

そう言いながら階段をさっさと上っていくひまわり

しんのすけ「まったく、素直じゃないな」

そんなこんなでひまわりの補助もあり
日課の筋トレを終わらせた俺は
シャワーを浴びに風呂場へ向かった

しんのすけ「おはよ父さん」

ひろし「おーしんのすけ、トレーニングは終わったのか?」

髭を剃りながら父さんが訪ねてくる
シャワーを浴びる前の父さんとのこの時間も
俺の密かな楽しみなのだ

しんのすけ「うん。うるさくなかった?」

ひろし「うるさいもんか。俺もみさえもお前のトレーニングが目覚まし代わりみたいなもんさ」

しんのすけ「そっか...」

ひろし「それより今日は高校に部活見学でいくんだろ?」

しんのすけ「見学じゃなくて練習だよ父さん」

ひろし「そうだったそうだった!いやぁー流石は俺の息子だ!スポーツ推薦であの春日部学院高校にはいっちまうんだからな!」

しんのすけ「みんなのお陰だよ」

そう、俺こと野原信之介は
4月から春日部学院高校にボクシングのスポーツ推薦で入ることが決まったのである

スポーツ推薦ということで
入学式前から練習に参加しているのだが
父さんはよく見学とまちがえるみたいだ

しんのすけ「んじゃ、俺シャワー浴びるから父さんも仕事頑張ってよ」

ひろし「...」

しんのすけ「どしたの父さん?」

何故か反応しない父さん
しかし、何故か満足そうな表情をしている

ひろし「しんのすけ」

しんのすけ「ん?」

ひろし「あの日からもう5年か...」

しんのすけ「...うん」

ひろし「よく頑張ったな!」

しんのすけ「...これからはもっと頑張らなくちゃね」

ひろし「そうこなくちゃな!じゃ父ちゃんは仕事いってくるわ!」



しんのすけ「5年...か」

シャワーを浴びながら5年前のあの日を思い出す俺

しんのすけ「いや、やめとこう...今は部活に集中だ」

シャワーを浴び終えてから服に着替えて
俺は食卓へと向かった

しんのすけ「おはよう母さん」

みさえ「おはようしんちゃん。ごはん冷めないうちに食べちゃいなさい」

しんのすけ「はーい」

ひまわり「お兄ちゃんボクシングやってんのにそんな朝から食べていいの?」

みさえ「そうねぇ、減量どか大変なんじゃないの?」

しんのすけ「平気平気。体重には気を付けてますから」

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