アイリ「ナイトレイド?」切嗣「あぁ」 (47)

アイリ「それって…、あの帝国戦争の?」

切嗣「あぁ、そうだよアイリ。本来彼等は裏の世界に生きる存在であり、こうして僕たちがしるような存在になる事はなかった。しかし記録には残ってなくても記憶には鮮烈に残っている」

アイリ「それを民達が好きなように記録して受け継いだってこと?」

切嗣「そうだね。そしてその好き勝手に書かれた記録を見かねた革命軍の幹部級の者たちが、しっかりとした記録を残したんだ」

アイリ「だから、こうして信用ある英霊として呼び出すことができる」

切嗣「そういうことさ。……さて始めようか」

アイリ「それが聖遺物?見たところ剣としての形は保っているように見えるけど、宝具としての力はまだのこっているの?」


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切嗣{いいや。この宝具は持ち主の伝説として昇華しているし、剣としての能力自体も風化している。あるのはこの武器の素材である竜の、桁違いの生命力を持ち主に宿すくらいさ」

アイリ「ふふっ」

切嗣「?どうしたんだいアイリ」

アイリ「あぁ、いえごめんなさい。ただ、なんだか切嗣が嬉しそうに見えたから」

切嗣「そう、見えるかな?」

アイリ「えぇ、やっぱり、戦争を止める。ただそれだけに動いた英霊を呼び出すのが嬉しいのかしら」

切嗣「まぁ、ほかの英霊よりはその点ではマシかな。……本当に戦場は何もうまない。あそこなあるのは地獄だけだ。その戦場を、さもこの世で一番というような英霊という存在は、僕は我慢がならない」

アイリ「切嗣……」

切嗣「……無駄話が過ぎたかな。今度こそ始めよう。少し離れてアイリ」

切嗣「――ふぅ」

アイリ「……」

切嗣「素に鉄と銀―――――」

切嗣「―――――抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

アイリ「――ッ!」

ぱっ。と光が弾けた。反射的に目を覆うアイリ。再び目を開けたその先には

??「……問おう」

切嗣「……」

タツミ「貴方が俺のマスターか」

自分達の命運を握る、聖杯戦争最強の切り札が立っていた

クラス:アーマー

真明:タツミ

性別:男性

身長:165cm

属性:中立 善

パラメーター▼

筋力:B

耐久:B

敏捷:A

魔力:E

幸運:B

宝具:??

クラス別スキル▼

対魔力:C

保有スキル▼

素質:A+
呼び出された一個体が座に戻るまで、英霊と化しても成長し続ける力

帝具(宝具)の混身:A
帝具と混じり合った身体。肉体強度が大幅に上がり、毒等もほぼ無効にする。Aを超えると死に至る

暗殺集団(ナイトレイド):B
夜にのみ限り、アサシンとしてのクラスを付与する

年上キラー:B
年上の女性に好かれやすい

原作終盤のタツミであるため、少し雰囲気が大人っぽいというか重い

アカメ期待してた人はごめん

ーー
ーーー
ーーーーー

イリヤ「あ。見つけた!」

切嗣「お、早いなイリヤ。でも僕は二つ見つけたぞ」

イリヤ「え?あれクルミじゃないよ切嗣」

切嗣「実はあれもクルミの一種なんだよ」

イリヤ「ずっるーーい!」

楽しそうに外で遊ぶマスターとその娘。それを城の窓からずっとタツミは見ていた

アイリ「切嗣のああいう姿は意外かしら?」

タツミ「あ、いや。少し、生前の事を思い出して」

アイリ「そうなの?殺し屋ってもっと殺伐してるのかと思ったけれど、
ああやって遊んだりしてたんだ」

タツミ「そういった意味では殺し屋らしくなかったですね。夜なんて姐さんとか兄貴とか馬鹿みたいに酒飲んでたし。ラバとか風呂を除きに行ったり」

アイリ「ふふっ。……ねぇアーマー」

タツミ「はい?」

アイリ「貴方から見て、切嗣ってどんな人に見える」

タツミ「…とても不器用な人で、けど、どうしようもない程に優しい人です。壊れてしまいそうなくらい」

アイリ「そっか…」

タツミ「最初、マスターが俺と同じ殺し屋って聞いた時から違和感があった。マスターは、俺たちナイトレイドと、殺す意味が違いすぎる。」

アイリ「……」

タツミ「ああいう人を死なせたくない。俺が勝たせます。絶対に」

アイリ「……ありがとね。アーマー」

タツミ「はいっ」

イリヤ「アーマー!」

タツミ「イリヤ!?どわっ」

話が終わった途端、勢い良く部屋のドアが開けられ、イリヤがタツミの胸に飛び込んだ

イリヤ「アーマー遊ぼ!前みたいに肩車して、いーーっぱいスピード出して!」

タツミ「それはいいけど、急にあんな風にドア開けちゃダメだぞ?危ないだろ」

イリヤ「はーい!気をつけまーす!」

タツミ「おう。それじゃアイリさん、マスター、行ってきます」

イリヤ「行ってくるね!」

ID違うけど同じ人よん

切嗣「あぁ。日が落ちたらもう一度作戦の確認をするから、その時までには戻ってきてくれ」

アーマー「了解。よし行くぜイリヤ!振り落とされるなよ!」

イリヤ「わーい!アーマー号発進!」

アイリ「気をつけてねーー!」

切嗣「……」

アイリ「もしかして、聞いてた?」

切嗣「何のことだい、アイリ」

アイリ「いーえ。ふふっ」

ーー
ーーー
ーーーーー

切嗣「話はこれで終わりだ。何かあるかい、アイリ、アーマー」

タツミ「ないです」

アイリ「私も」

アイリ「よし、じゃあ明日飛行機で日本に向かう。疲れを残さないようにして今日はゆっくり休んでくれ」

タツミ アイリ「了解!」

ーー
ーーー
ーーーーー

アイリ「アーマー!早く早くこっち!」

タツミ「ちょ、アイリさん!あんまり離れないでくださいよー!」

アイリ「ふふっ。解ってるけど、少し楽しすぎて、ね」

タツミ「……もしかして、外の世界は始めてだったりするんですか」

アイリ「えぇ、そうよ。だから今凄く新鮮な気分なの!」

タツミ「……気の済むまで付き合いますよ。次はどこに行きますか?」

アイリ「ありがとね、アーマー」

タツミ「いえ、こういうのは慣れてるんで」

タツミ(……いや本当に。マインの買い物は長かったよなぁ)

ーー
ーーー
ーーーーー

アイリ「うわぁ…!海って綺麗ねぇ」

タツミ「はい!すっげーー…」

アイリ「アーマーも海は始めて?」

タツミ「いえ、無人島に行った時とかに見たりしました」

アイリ「あら、修行かなにか?」

タツミ「いえ、敵にワープされ……」

タツミ「ーーーーーッ」

タツミ(……サーヴァントの気配?何考えてやがる、こんなに堂々と。誘いか?マスターからの命令は目立つこと。……乗ってやるか)

アイリ「アーマー……?」

タツミ「サーヴァントの気配です。今からそこに向かいます。準備はできてますか」

アイリ「……えぇ!いつでも大丈夫よ」

タツミ「なら、行きましょう」

ーー
ーーー
ーーーーー

街灯だけが仄かに薄暗く照らす、倉庫に囲まれた一本道。そこにそいつは立っていた。

ランサー「……来たか。どいつもこいつも誘いに乗らんような腰抜けばかり。その闘気、セイバーと見受けるが如何に」

タツミ「生憎だが、ただのアーマーだ。……だが、後悔はさせねぇよ」

ジャカッ。甲高い金属音と共に腰の鞘から剣を引き抜くタツミ。

ランサー「ふっ。その言葉、撤回するなよ?」

ランサーも同様に呪符を纏った2本の槍を構える。

タツミ「……行くぞ」

ランサー「来い」

地面を抉る程の蹴り足でランサーに迫るタツミ。向かい打つランサー。ここに、聖杯戦争が始まった。

ライダー「どうやら始まったようだのう」

ウェイバー「ひぃいい!高いぃいい降ろしてくれぇええ」

その闘いを、少し離れた橋の上(文字通り)から観察する2人組がいた。ライダー陣営である

ライダー「おい、うっさいぞ坊主。静かにせんか」

ウェイバー「あでっ!?」

喚くマスターにデコピン一発。

ライダー「さぁて、どうなるのかのう。先ずは見物といかしてもらおうか」


タツミ「うおおおおおおおッ!」

ライダー「はあああああああッ!」

一人が剣を振るい、もう一人が槍を振るう。圧倒的速度で放たれる二つの鋼。それ等がぶつかり合う度に空気が歪み、周りの倉庫が風圧によって凹む。

タツミ(こいつの槍捌き…!下手すりゃ兄貴以上か)

ランサー(俺の槍の速度に平然とついてくるか…!それに筋力だけでは説明がつかん、この一撃一撃の異様な重さ。まるで元から人でないような)

タツミ「ふっ!」

タツミが力任せに剣を叩きつけ、ランサーが槍でそれを受ける。その衝撃でランサーの身体が少し後ろに下がる。

タツミ(あれも受け切られるか。強ぇな、こいつ)

ランサー(このままでは埒があかんな。……仕方が無い)

ランサー「主よ!宝具の解放の許可を!」

タツミ(来るか)

ランサー「…さて、行かせてもらうぞ」

槍を覆っていた呪符を解くのと同時に、もう一つの槍を地面に捨てる。

アイリ(やはり、アレは宝具ではなくただの槍だったのね)

タツミ(……って考えるのが普通なんだが、どうも怪しいな。一応気には止めとくか)

ランサーがタツミの元へ駆け出し、再び戦闘が始まる。

タツミ(さっきと余り変わってる様子はない。この赤い槍、肉体強化用の宝具じゃなく、当たったら何かが起こる用な宝具か)

タツミは剣で一つ一つの刺突を弾きながら分析いていく。

ランサー「ぐっ」

槍を弾かれた衝撃によってバランスを崩すランサー。

タツミ(隙ーーーー!)

だが、それはランサーの罠だった。ランサーは足元に捨ててあった槍を蹴り上げ、手に持ってくる。その勢いのままタツミを穿つーーーー!

アイリ(まずい!槍の場所まで誘導された!?)

アイリ「アーマー!」

タツミ「"周囲には気を配れ"だ」

ギィン!

ランサー「ぐっ!?」

アイリ「なっ…」

驚愕の声が、敵からも味方からもあがる。それもその筈。ランサーが必殺のつもりで放った一撃を、タツミはなんなく避けあまつさえ反撃までしてランサーに傷まで負わせたのだ。

ライダー「ほぅ……中々やるのう彼奴」

遠くから観察していたライダーも同様に感嘆の声をもらす。

ライダー「さて、と」

ウェイバー「ライダー?」

ライダー「行くぞ、坊主」

ウェイバー「い、行くって帰るのか?」

ライダー「んなわけあるか、たわけ。戦場にだ」

ウェイバー「は、はぁ!?何でだよ!」

ライダー「少々ランサーの分が悪い。あのままでは脱落してしまう」

ウェイバー「だ、脱落してしまうって…?あいつらが潰し合うのを待つ作戦じゃなかったのかよ!」

ライダー「あのなぁ坊主。何を勘違いしておったのが知らんが、余にそんなつもりは全くない。確かにランサーの呼びかけに、他のサーヴァントが来んものかと期待しておったが」

ウェイバー「じゃ、じゃあなんで?」

ライダー「一人ずつ相手にするよりも、まとめて相手にした方が手っ取り早いではないか」




ウェイバー「は、はぁ!?まとめて!?」

ライダー「応とも。様々な時代から呼び出された猛者共と、戦える機会なぞこれを逃してあるまい」

ライダー「それに、だ」

ウェイバー「なんだよ」

ライダー「あの二人からして胸が熱くなる益荒男共だ。余の軍勢に欲しいぞ。殺すにはちと惜しい。」

ウェイバー「はぁ!?ホントなに言ってんだよお前!聖杯戦争は殺し合いぶっ!?」

最後まで言えずに自身のサーヴァントにデコピンで遮られる。

ライダー「勝利して尚滅ぼさぬ。制覇して尚辱めぬ。それこそが真の征服である」

己が騎兵として呼び出された所以となる宝具を呼び出すべく、剣を引き抜いた。

ーー
ーーー
ーーーーー

タツミ(チャンスと思っていいなコレは。恐らくあいつの切り札は今の宝具同時解放。……まぁそれに)

一瞬自身の「鍵」となる愛剣を見やる。

タツミ(万が一乱戦となる初戦であれば、許可は降りてる。四回の内の一回は使ってもいいと。……そうと決まれば)

足に渾身の力を込め、止めを刺そうと駆け出そうした瞬間、それは戦場に鳴り響いた。

ライダー「ALaLaLaLaLaLai!!」

タツミ ランサー「!?」

ズズン。

ライダー「ふぅーー……」

けたたましい轟音と共に、戦車に乗って戦場に舞い降りた巨漢。タツミ、ランサー共に男の一挙一動に注意して身構える。

ライダー「我が名はイスカンダル!此度の聖杯戦争ではライダーのクラスを持って顕現した!!」

ランサー「何…だと…」

アイリ「真名を……」

タツミ(名乗っただと…?)

ライダー「さて、うぬらとは聖杯を求めて相争う巡り合わせだが……矛を交えるより先に、まずは問うておくことがある。うぬら各々が聖杯に何を期するのかは知らぬ。だが今一度考えてみよ。その願望、天地を喰らう大望に比してもなお、まだ重いものであるのかどうか」

タツミ「……何が言いたい?」

ライダー「うむ、噛み砕いて言うとだな、ひとつ我が軍門に降り、聖杯を余に譲る気はないか?さすれば余は貴様らを朋友として遇し、世界を征する愉悦を共に分かち合う所存でおる」

ランサー「…残念だが、この身は当に今世での主に預けると誓った身だ!貴様にではないぞライダー!!」

タツミ「俺もだ。この身はマスターの為にある。それにイスカンダルって名乗ったな。俺はお前みたいな暴君が大っ嫌いなんだよ」

ライダー「こりゃー交渉決裂かぁ。勿体ないなぁ。残念だなぁ」

ウェイバー「おい!仲間にならなかったじゃないか!」

ライダー「いや、まぁ、“ものは試し”と言うではないか」

ウェイバー「ものは試しで真名バラしたのかよお前!」

ケイネス「おやおや、君だったのかね。私の物を盗んだ輩は」

ウェイバー「ッ!?」

ライダー「む?」

ケイネス「全く、自分の身の丈にあった人生を送ってればそれで良かったのに。わざわざ私に殺される為にこんな所に出てきて、ご苦労な事だ」

ウェイバー「うっ、うぅ…」

ライダーの戦車の中で外界の声を閉ざすように蹲るウェイバー。

ライダー「ふぅー……」

ウェイバー「えっ……?」

蹲っていたウェイバーの肩に、ぽん。と手が置かれた。

ライダー「おい、ランサーのマスターよ。話を聞いとれば、どうも貴様が余を呼び出すつもりだったらしいな」

ケイネス「……」

ライダー「はっ!笑わすではない。余のマスターとは、余の隣にいて共に戦場を駆ける者でなくては務まらぬ。それこそ、貴様の様なコソコソして姿を見せん様な者には逆立ちしたって無理だ」

ケイネス「……っ!」

ライダー「それに…」

アイリ「?」

ライダー「おい!他にもおるだろ!コソコソしとる者が。誇りある真名を持ちながら拍子抜けだわな。よもや、あれだけの清澄な闘気に当てられて、出てきたのが余一人というわけではあるまい!!」

ライダー「聖杯に招かれし英霊共よ!今!此処に集うがよい!!それでも尚、出てこん者はこの征服王イスカンダルの侮蔑を免れぬものとしれ!!」

ビリビリと、ライダーが発した声により、空気が震える。それが静まるのと同時に

セイバー「言ってくれるではないか、ライダーよ」

戦場に一人のサーヴァントが疾駆してきた。



ライダー「む?なんだ小娘。いま、意外と遠い所から来たな。霊体になって近くで見とるものだとばかり思っていたが」

セイバー「そんなことはどうでもいい。貴様小娘と言ったな、この身は貴様と同じ王。それもブリテンを預かった身だ。それ以上の侮辱は死を覚悟しろ」

ライダー「ほぅ…。貴様がかの騎士王か」

セイバー「あぁ、そう……」

ライダーの言葉に応じようとした時、先程のライダーの叫びにも劣らない絶叫が戦場に響き渡った。

バーサーカー「■■■■■■■■■■■ーーー!」

ランサー「なっ!?」

セイバー「バーサーカー!?」

バーサーカー「■■■■■■■■■ー!」

突如戦場に現れたバーサーカーは、他のサーヴァントには目もくれず、セイバーに拾った鉄パイプで斬りつける。

セイバー「くっ!?」

とある下水道の下。フードを被った一人の男が笑う。

雁夜「くくく…。ああははははははは!」

雁夜(間違いない。あいつは、昨日遠坂邸の周りの使い魔を狩っていたサーヴァントだ)

雁夜「それが時臣のサーヴァントだぁ…。殺せぇ!バーサーカァア!!」

バーサーカー「■■■■■■■■ー!」

雁夜の叫びに応じるように、剣戟の威力を増していくバーサーカー。まるで怨念を叩きつけるかのように、セイバーの剣に己の武器を叩きつける。

セイバー「ッ!」

タツミ「……」

タツミ「【マスター】、これ程の乱戦となると流石に読めません。ここは引きましょう」

アイリ「え、ええっ?ち、ちょっと待ってね。アーマー」

アイリ「ーーーーー」

アイリ「……えぇ、解ったわ。ーーー引きましょうアーマー」

ライダー「なんだ、マスターを抱きかかえて。引くのか?英霊にしては随分と潔い引き際だな」

タツミ「生憎俺は、英霊である前に殺し屋だ。臆病でなきゃやってけねぇんだよ」

ライダー「そうか。余は騎士王よりも、俄然貴様に興味が湧いたわ。次の戦場で相間見えるのを楽しみにしておくぞ」

タツミ「勝手にしてろ。じゃあな」

ーー
ーーー
ーーーーー

ホテルマン「ケイネス エルメロイ アーチボルト様ー!いらっしゃいませんかー?」

切嗣「はい。私がケイネス エルメロイ アーチボルトです」

ホテルマン「え……?」

切嗣(暗示ーーーー)

ホテルマン「……。はい、ケイネス様ですね、失礼致しました」

切嗣「さて……」

自信のサーヴァントに無線で連絡を取る。

切嗣「聞こえるかいアーマー。作戦開始だ」

タツミ『了解』

数分後、切嗣がいたホテルは爆発によって木っ端微塵に破壊された。

切嗣「爆破、確認完了した」

タツミ『了解。では、煙が充満して辺りに人が来ない内に』

切嗣「あぁ」

魔術で視界を強化し、煙が充満してる中でも目を効かす。そして、探していたソレはあった。思っていたのとは違っていたが。

切嗣「死体を確認しにきたつもりが、こんなものを見つけるとはね。アーマーの忠告を聞いていて正解だったよ」

切嗣の眼前にあるのは丸い銀色の物体。液体で作られているような、個体でしっかり作られているような変な物体。それに対して、切嗣は懐からある銃を取り出す。

切嗣「持ってきて正解だったな…」

切嗣「ーーーー起源弾」

乾いた銃声の音が辺りに少し響いた。その後に次ぐのはーーー

ケイネス「がぁあああああああああああああ!!」

絶叫。

ランサー「主!?」

魔術防御を行って居たはずなのに、突如苦しみ始める、自身の主。明確な経緯は解らなかったが、原因は解った。目の前にいる魔術師だ。

ランサー「貴様ァ!!」

怒りに任せて、切嗣に槍を振るおうとする。だが。

タツミ「言ったろうが、周囲には気を配れって」

ランサー「なっ!?」

ランサー(気配遮断ーーー!?)

寸前まで気配を感じられなかったアーマーに、切嗣に向けていた体制を立て直し対処しようとする。

タツミ「あめぇよ」

先程戦った経験から、ランサーという英霊はこの不意打ちにも対応してくると解っていた。なので、一太刀目は囮。剣戟を途中で止め、ガードしている槍を思いきり横から薙ぎ払う。

ランサー「ぐぅ!?」

タツミ「じゃあな」

槍が弾かれたランサーに剣を止める術は無く、躊躇なく剣はランサーの首に突き刺さった。

ランサー「がっ、はぁっ……!」

突き刺した剣を更に横薙ぎに払い、首と体を両断した。

タツミ「マスター、任務完了です」

ランサーの体が霧となって消えていく。

切嗣「あぁ、こっちもケイネス、連れている女、共に死亡を確認した。後は協会の連中に任せよう。令呪があるとは言え、アイリと舞弥が心配だ」

タツミ「はい」

ーーーーー残り陣営、6組。

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