【艦これ×バキ】大和「地上最強の親子喧嘩……ですか?」 (41)


「ねえパパ、どうして深海棲艦は普通の人には倒せないの?」



「そうだな……やっつけられる武器が無いから、かな」

「イージス艦、ジェット機、核ミサイル……どれも深海棲艦を倒すために開発(つく)られたものじゃない」

「モチロン深海棲艦をやっつけられる武器もある。だけど、それを扱えるのは艦娘さん達だけなんだ」



「……よくワカらないけど、パパでもやっつけられないの? パパの拳骨、アレ凄く痛いのに」


「ン~~~~~~……チョット無理かな。深海棲艦は、岩よりもずっと硬い体を持っているからね」




「でもパパは、そんな深海棲艦を拳骨で倒す人を二人も知っているんだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455638370


「ホント!? それってパパの友達!? どんな人達なの!?」



「ハハ……残念ながら友達じゃない。その二人が喧嘩しているところを見ただけさ」

「この目で見ているのに信じられない――まるで御伽噺のような闘いをね」



「ねえパパ、その人達のことをもっと教えてよ!」



「ああ、いいとも。話してあげよう」






「『地上最強の親子喧嘩』のことを――」


・『艦隊これくしょん -艦これ-』と『バキ』のクロスオーバーです

・バキ特有のガバガバな捏造アリ

・片方の作品しか知らない、という人もなるべく楽しめるよう書くつもりです。その分説明が多くなりますが、ご容赦ください


 【鎮守府】


大和「地上最強の親子喧嘩、ですか?」

提督「知らなくたって無理はねェさ。まだ艦娘も深海棲艦も居ない頃のハナシだ」



 ※『範馬刃牙』最終話……2012年8月16日発売号に掲載

  『艦隊これくしょん -艦これ-』……2013年4月23日より正式サービス開始



大和「いえ……そういえば聞いたことがあります。数年前、機動隊や自衛隊さえ出動させた親子喧嘩があったと」

大和「ですがあくまで小耳に挟んだという程度で。いま提督が仰るまで、すっかり忘れてしまっていました」


提督「そうかい。そいつはちいとばかし勿体ねェことだなァ」

大和「もったいない、とは……どういう意味でしょう?」


提督(画像はイメージです)



大和(大和型戦艦一番艦)


提督「なァ大和よ。おめェさんも知ってのとおり、ここ数年でとんでもねえ事件が立て続けに起きた」



提督「数年前、突如深海から謎の艦艇群が出現(あらわ)れる」

提督「そいつらは世界中の海で暴れまわり、あっという間に人類から制海権をブン捕っちまった」

提督「のちに人類は、それらの艦艇を『深海棲艦』と呼称するようになる」


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提督「その脅威に対抗すべく登場したのが、おめェさんをはじめとする『艦娘』だ」

提督「一見ふつうの女性達だが、その正体は第二次世界大戦で活躍した軍艦の生まれ変わりであり」

提督「艤装(ぎそう)と呼ばれる装備を身に着けることにより、かつての軍艦だったころと同等以上の戦力を持つ」


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提督「俺(おい)ら達『提督』の指揮のもと、艦娘たちは数多の激戦に勝利を刻み」

提督「ついに深海棲艦から幾つもの海域の制海権を奪回し、現在に至る」

提督「いまだ戦いの終わりは見えねェものの、ひとまずは小康状態といったところか」



提督「よ~~するに、欠伸(あくび)なんざしたくても出来ねェような数年間だったってことだ」


大和「私がこの鎮守府に着任したのは比較的遅い時期ですが……最初期の混乱ぶりは耳にしています」

大和「着任してからも、次々に現れる新型の深海棲艦や敵の奇襲攻撃など、息をつく暇もありませんでしたね」



提督「その通りだ。しかし、世の中ってのは広いもんでよ」

提督「毎日がビックリドッキリだった激動の数年間も霞んじまう」

提督「そんな途轍もないシロモノも存在する」




提督「それが『地上最強の親子喧嘩』ってワケだ」






大和(え~~~~~~~……)


提督「おいおい大和よう、その反応はねェだろうよ。恥ずかしがらずにもっと驚きなって」

大和「いえ、さすがにそれは無いです。あと前フリが長いです」ジトー

大和「深海棲艦との戦争よりスゴい親子喧嘩って……。駆逐艦の娘たちでも冗談だと分かりますよ」

提督「いやいやホント、大マジだよう。あ、そうだ」ポン



提督「どうでえ、今から一緒にその親子喧嘩の動画を見てみるかい」


提督「『史上最強の艦娘』と呼ばれるおめェさんが『地上最強の親子喧嘩』をどう見るのか」

提督「こいつは何とも興味深いところだぜ」


大和「はあ……提督がそう仰るなら構いませんが」



 <司令室の家具一覧>

  ・椅子+机……マホガニーの机

  ・床……ダンベル&ミット on 絨毯

  ・装飾……サンドバッグ

  ・家具……ベンチプレス



大和「この部屋に映像機器は置いてないですよね?」

提督「酒保にいる明石から何か借りてくるかァ……」


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【視聴後】


提督「いやァ~~~~……何度見てもたまらねえ喧嘩だぜ」

提督「特に虎王が極まるシーンなんざ、今でも震えが止まらねェ」

提督「どうだい大和、感想は――おっと」







大和「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッッ!!??」ブルブル



提督「ハハハ、しばらく待たなきゃ口も利けねェか」

キリのいい所まで投下したかったのですが、夜も遅いのでとりあえずここまでです

艦これ×バキは現行で一つありますが、そちらとはネタも登場キャラも被っていないっぽいので、うまく住み分けていけるかと

マイペースでやっていくので、よろしくお願いします


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シュル…(バキ特有の上品にお茶を飲む音)


提督「少しは落ち着いたかい」

大和「はい……申し訳ありません。提督の仰ったとおりでした」コト…



大和「カメラ越しの映像でもハッキリと理解(わか)ります」

大和「艤装どころか寸鉄さえ帯びない、生身の身体であるにも関わらず」



大和「あの親子の戦力は、戦艦や空母の戦力をはるかに凌駕しています」


提督「だろう? おいらも初めて見た時、数日はカレーの味もワカらなくなっちまってよう」ハハハ

提督「だが、おめェさんもただの戦艦じゃねえ。世界最強の戦艦『大和』の生まれ変わりだ」




提督「なあ大和よう」

提督「おめェさん、あの親子と闘り合ったとしたら勝てるかい」





大和「」シュル…


大和「」コト…





大和「これは、あくまで仮定ですが」



大和「おそらく、勝負にならないのではないでしょうか」


提督「ほう」

大和「正確には、戦闘そのものが発生しない、というべきでしょうか」



大和「彼らは地上での徒手格闘、私は海上での砲撃戦」

大和「戦闘スタイル、用いる空間のスケール――全てが違いすぎて、まったく噛み合いません」

大和「噛み合わない者同士が戦った場合、何が起こるか……提督ならご存知でしょう」



提督「なるほど、『猪狩・アライ状態』かい」


提督「1976年、マホメド・アライVSアントニオ猪狩の異種格闘技戦が行われた時のことだ」

提督「『グレイテスト』ボクサー・アライを相手に、猪狩が採った作戦とは」

提督「リング上に寝転がり、寝技(グラウンド)に徹するというもの」


提督「お互い、相手の土俵に上がれば敗北は必至。それゆえ試合は完全な膠着状態となり」

提督「一時間あまりのにらみ合いの末、ついに無決着。のちにこの試合は『世紀の凡戦』と称されることになる」



提督「おめェさんと親子の関係は、この猪狩とアライに似るというワケだ」


大和「その通りです。先ほど私は、あの親子の戦力は戦艦に勝ると言いましたが」

大和「対等の条件で戦うという状況は、現実にはほぼあり得ません」


大和「もし、あの親子と戦うとすれば――いかにこちらの有利な条件で戦うか」

大和「つまり、作戦や状況作りこそが肝要になるのではないでしょうか」



提督「ふむ、つまりさっきのアライや猪狩で例えりゃ」

提督「アライの息子(ジュニア)を人質に取って、寝技勝負に誘い込めば猪狩の勝ち、ってことかい」


大和「その例えはどうかと思いますが……そういうことです」

大和「もっとも、あの親子が水の上を走れるならハナシは別ですが」クスッ



提督(十五メートルまでなら……ってのはナシだよなァ)


提督「しかしチョット意外だぜ。けっこうキチンと分析が出来てらァ」

提督「さっきの動揺っぷりからして、ムキになって否定してくるかなァ~なんて思ってたんだが」


大和「ふふっ……ありがとうございます。大和はこれでも、戦士の端くれですから」

大和「どんな時でも、戦力を分析するときは冷静になるよう努めています」


大和「……と言っても今は、こうして気を抜くだけで、震えが出ちゃうんですけど、ねっ……」



提督「ふむ……いい刺激になったかい」


大和「ご覧の通りです……ッッ」ブルブル


提督「そいつは良かったぜ。見せた甲斐があるってもんだ」





提督「ただし、まだ認識が足りねェ」


提督「大和よう。おめェさんは動画でしか見てねェから、ワカらなくても仕方ないんだが」

提督「あの親子の強さとは、そんなに底の浅いシロモノではない」

大和「……ッッ」



提督「確かに彼らは水の上は走れねえ。数十キロ先の相手に攻撃することも出来ねえ」

提督「それでもなお、たとえ戦場が海だったにせよ、たとえ相手が大和だったにせよ」


提督「どっちが勝つのかは、ぶっちゃけ俺らにもワカらねェ」



提督「それほどまでに、あの二人は強えのさ。特に父親の方はな」


大和「提督……? ひょっとして、この親子をよくご存知なのですか?」

提督「オウ、よ~く知ってるさ。父親とは以前、立ち会ったこともある」



提督「父親の名は『範馬勇次郎』。そして息子の名は『範馬刃牙』」

提督「艦娘たちの間にとっての『大和』がそうであるように」

提督「われわれ格闘士(グラップラー)にとって、この二つのビッグネームは絶対なのさ」



大和「範馬勇次郎……範馬刃牙……」





大和「…………え?」


提督「かーっ、いっぺんで良いんだがなあ。『大和』と『範馬』を同時に指揮(つか)ってみたいもんだぜッッ」

提督「現時点における陸海最強のそろい踏みだぜぇ? 一体どんな戦いになるのか、想像も……って」



大和「ぐうっ……」ガタガタガタガタ



提督「おいおいおい、武者震いにしちゃチョット震えすぎだぜ。具合でも悪いのかい」

大和「いえ……大丈夫です。何でもないです……ッ」フウ…


大和「……ああ、そろそろヒトキューマルマルですね。すぐにお夕食の準備をしてきます」ス…

提督「待った」


提督「ストップだ。今日はこのまま休みなさい。とても料理など出来る顔色じゃあねえ」

提督「それとも念のため医務室で診てもらうか。今ドクターに――」







大和「ホントに大丈夫ですからッッ!!」







大和「……ごめんなさい。今日は、休ませて頂きます……」


  ギイ……パタン




提督「…………???」ポツン


『翌日――鎮守府に接近する一群の深海棲艦が発見される』


『これに対し提督は、大和を旗艦とする迎撃部隊を編成』


『敵艦隊の脅威を排除すべく、ただちに出撃命令が下された』

とりあえずここまでが序章ということで。ここまでは一気に投下したかったなー

すみません、現在リアルの方が多忙過ぎてどうにもなりません。
このスレは一度落として、余裕が出来たら改めてスレ立てします。

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