【咲】モモ「あなたへの依存」【京桃】 (292)

彼と出会ったのは全くの偶然だった。


私と彼は見知った仲でもない。


彼が話しかけてこなかったら、きっと二人の道が交わることもなかった。


でも、私たちの決められた道は交わってしまった。重なってしまった。


これを運命と呼ぶのだろう。


なら、私はこの運命を逃さない。


彼を――須賀京太郎を離さない。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455546738

・京モモ。キャラ崩壊の可能性があるので苦手な人は注意。

・何番煎じな京太郎スレ。苦手な人は気を付けて。

・マイペース更新。一週間以上、投下なくても気にしないでください。

・それでもよろしければお付き合いください。

「はぁ……」


ため息をついて、ブランコをこぐ。


さびれた金属音が寂しさを一層深くした。


私は――昔から影が薄い。


生まれ持った体質なのか、誰にも気づかれないのだ。


他人はもちろん家族にも。友人と呼べる親しい存在はいない。


今だって夜になっても誰も迎えになんて来ない。夜中の公園に独りぼっちだ。

「やっぱりダメっすか……」


中学一年の夏。変わった環境に抱いた希望を打ち砕かれた私は途方に暮れていた。


もう放課後から4時間。


誰にも見つけられない悲しみはいつまで経っても慣れない。


誰とも触れ合えない寂しさはいつまで経ってもぬぐえない。


あぁ……遠くで談笑する声が聞こえる。楽しそうな笑い声が耳に残った。


目をやれば笑顔の男子。その瞬間、いろいろな感情がこみあげてきて、顔を伏せた。


私もあんな風にしゃべりたい。笑いたい。日々を過ごしたい。


つらい……。つらいっすよ……。


誰か、誰か私を見つけ出して……!

「……あの、大丈夫ですか?」


なんだ、誰が声をかけてきて――かけて?


「――っ!?」


勢いよく顔を上げる。すると、眼前に一人の男子の顔があった。


金髪。整った顔立ち。あっ……。


さっき、そこを通りかかった男子っす……。

「…………」


「……えっと……そのもう夜遅いから帰った方がいいと思うぞ。お節介なのは分かってるけどさ」


「……あの……」


「ん?」


「私が見えるっすか……?」


男子は頭に疑問符を浮かべていた。でも、苦笑いしながら答えてくれる。


「見えてるぞ、ちゃんと。えっと黒髪に制服着てて……こんな感じでいいのか?」


「………………あ……あ……」


涙が頬を伝う。


やっと……やっと…………見つけた。


私を見てくれる人を……!

「――――っ!!」


「っ!? え!? あれ!?」


気が付けば抱き着いていた。彼は驚き、慌てふためく。


当然っすね。


彼は見知らぬ人。私も彼にとって見知らぬ人。


そんな二人がこうして出会った。私は思った。


これは運命だ。そう、運命に違いない。


なら、私はこの運命を逃さない。


彼を離さない。

とりあえず、出会い編。
学年は中学一年ということにしてます。

次は明日、明後日。
進むにつれてドロドロすると思う。

では、おやすみなさい

「……懐かしいっすね」


私は奇跡ともいえる出来事を思い返しながら、ベッドから起き上がった。


ふと視界に入ったカレンダーを見ると今日の日付に大きく○がついてある。


「ふふっ……一周年記念っす」


彼――須賀京太郎と出会って早くも一年が経とうとしている。


結論から言えば、彼は私にとって宝物だった。


大げさにいえば神様が私に恵んでくれたプレゼントなんじゃないかと錯覚するほどに。


突拍子もない行動。信憑性のない話。醜い過去。


その全てを聞いてくれて、受け入れてくれて、包み込んでくれた。

あれから私と彼は会うことが激増した。彼が絶対に休日に会う約束をしてくれたから。


私のために都合をつけてくれる。私と会うことを最優先にしてくれている。


そんな事実がまた私を喜ばせた。


「さて、着替えてお弁当作らきゃ…」


本日も彼と出かける約束をしている。男を捕まえるには、まず胃袋から、と言うっすからね。


寝ぼけ眼をこすって眠気を払うとキッチンへと向かった。

場所は変わって駅前。待ち合わせ場所に着くと、すでにお目当ての彼が立って待っていた。


中学生ながら身長の高い彼はオシャレをすると、なお格好良く見える。


私は気づかれないように背後から近づくと、そのたくましい背中にとびかかった。


「京さーん!」


「うおっ……て、やっぱりモモか」


「あー、なんすか、その態度はー? 私じゃ不服っすかー?」


「頬つつくのやめなさい。あと、抱き着いてくるのも」


「いいじゃないっすか。どうせ誰にも見えてないっすよ」


「………モモはそれが嫌なんだろ?」


「……確かに嫌でしたけど……今はこうして京さんと出会えたから。私を見てくれる人を見つけたから……問題ないっす」


「……嬉しいこと言ってくれるじゃねーか、このヤロー」


「きゃあー。乱暴されちゃうっすー」


「おい、待て。なぜ自分から脱いでいこうとする。バカ、やめろ!」

楽しい。


毎日が充実している。


京さんとのやりとりの中で私はずっとそんなことを考えていた。


中学が違う私たちはこうして毎週の休日に集まっては遊んでいる。


彼の家に行っては夕食までお世話になり、泊まりも多くなった。


本当は私の家に連れて帰りたいっすけど、ややこしいことになりそうなので断念した。

「今日はどうするんだ?」


「もちろん、泊まりっすよ! いっぱい荷物持ってきたっすから!」


「そっか。母さんも楽しみにしてるよ。娘が出来たみたいだって」


「それは良かったっす! 迷惑になってないか心配だったから……」


そう言うと私は表情を隠す様にうつむく。


『こうすれば』京さんが慰めてくれるのを知っているから。


「……いつでも歓迎するって言ってるだろ。それに嫌なら泊まらせたりしないって」


彼の温かい手が頭を撫でてくれる。


その瞬間、私は幸福を感じるのだ。

「ん……。なら、今日も世話になる分、頑張ってお手伝いするっすよ!」


「おう。モモの料理はおいしいからな。期待してる」


「料理っていえば今日もお弁当作ってきたっす!」


「お、本当か? なら、今日はショッピングモールでも行くか。フードコーナーは自由に使ってよかったはずだし」


「はい! 買いたいものもあったから丁度いいっすね!」


「そっか。荷物持ちくらいならやるよ」


「ありがとう! じゃあ、出発っすよ―!」


「お、おい! 手を引っ張るなって!」


私は京さんの手を握って歩き出す。


楽しいデートの始まりだ。

多くの感想ありがとうございます。

もう少しだけ投下しようと思いますのでお付き合いください

「ただいまー」


「お邪魔します」


夕日に照らされて茜色だった空も今は真っ暗に染まっている。私たちは当初の予定通り、京さんの自宅に帰ってきていた。


挨拶をすると、リビングから一人の女性が姿を現す。


金髪を後ろで一まとめにしてエプロン姿の女性は京さんのお母さんで、私のお義母さんになる人。


こちらを見るなり笑顔になって、お出迎えしてくれる。

「おかえりなさい。今日もモモちゃん来てくれたのね!」


「はい! 今日もお世話になります!」


「いいのよ、いいのよ! 私も娘が増えたみたいで嬉しいんだから! 入って、入って」


「改めてお邪魔します」


靴を脱ぎ、そろえて置くとお義母さんのあとについていく。


すると、隣を並ぶ京さんが顔を近づけてきた。

「な? 全然迷惑じゃないだろ?」


「……はい。モモは幸せ者っすね」


「これくらいで大げさだって」


「そんなことないっすよ。モモはもう京さん抜きでは生きていけないっす」


「……ま、モモがいいなら構わないさ。それに俺はモモとずっと友達だからな。心配しなくていいぞ」


「京さん……」

そう言って笑う彼の横顔はとても眩しい。


普段から優しい彼はこうして人と触れ合い、魅了していくのだろう。


……でも、ちょっと女心を理解できていないっすね。


ずっと友達は、嫌だ。


私はそれ以上になりたい。


でも、中学生になったばかりの京さんにはまだ考えたこともないっすよね。将来のことなんて。


安心してください。私がちゃんと導いてあげるから。


私たちの幸せな結末まで、しっかりと。時間をかけてでも。

「京太郎はモモちゃん用の新しい布団出してきて。モモちゃんは料理手伝ってくれる~?」


「わかったよ」


「おまかせくださいっす!」


お義母さんの指示で京さんは空き部屋に、私はバッグからエプロンを取り出してキッチンに向かう。


そこからはお願いされた通りにお手伝いをこなしていった。


「モモちゃんは料理も出来るし、本当にいい子ね~」


「えへへ。京さんに喜んでほしいっすから」


「あらあら~。本当に京太郎にはもったいない」


「そんなことないっす! 京さんこそ私にはもったいないくらい良い人で……」


私がそう言うと、お義母さんはニッコリと満面の笑みを浮かべた。


まるでイタズラが成功した子供のように。

「じゃあ、モモちゃんに京太郎の面倒みて貰おうかしら」


「え!? いいんすか!?」


「ええ。実はね……」


そこからお義母さんが話してくれたことは私にとって千載一遇のチャンス。


京さんと私の仲は恋愛感情のない友人。私はともかく、京さんは少なくとも似たような感覚を持っているはず。


だから、今回の機会で書き換える。


私のことを女として意識するように。


もちろん、一線は越えない。せっかく得たお義母さんの信頼は壊したくない。


将来を考えれば我慢は容易いことだ。


……ふふっ。待っていてくださいね、京さん。


あなたの中を私で染め上げるっす。


私をあなた一色で埋め尽くしてくれたように。

今日はここまでっす。
次は2,3日後くらいに。

お付き合いありがとうございました。

おやす宮永照ちゃんの誕生日は明日だよ!

>もちろん、一線は越えない。
相手に越えさせる分には問題無いわけか

ちょっと重いけど何もなかったら平和に終わりそう。
なにも起きないわけないけどww

こんばんは。
キリの良いところで切りたいから2、3レスだけ更新するね。

お義母さんとの約束から数日後。


軽やかなチャイムが鳴ると私は姿を確認して玄関までカギを開けに行く。


ドアを開けば私の愛しい人が驚愕した表情で立っていた。


ふふっ、作戦成功っすね。


「おかえりなさい、あなた。ご飯にするっすか? お風呂? それとも……わたし?」


「……えーと、ご飯で」


「じゃあ、私はデザートってことでいいっすか?」


「よくねーよ! っていうか、この状況について説明を求める!」


「この状況?」


「ああ! なんで平日なのにモモがいるんだよ!」


ふむふむ。将来のお嫁さんが実家にいるのは何かおかしいことか。


と、冗談はそこまでにしておき、私は京さんに一枚の紙切れを手渡した。

「ん? なんだ、これ?」


「お義母さんからのサプライズプレゼントっす」


「……嫌な予感しかしないけど……あ、やっぱり」


京さんに渡した紙には『お義母さんとお義父さんが二泊三日の旅行に行くので、その間の面倒を私に見てもらう』という旨が書かれている。


これが以前、お義母さんがくれた距離を近づけるチャンス。


今日は金曜日で、明日からは休日。なにも妨げるような用事はない。

「というわけっすから、家事は私に任せてくださいっす、あなた」


「納得いかないけど、よろしく頼むよ、モモ」


「あ、荷物持ちますよ」


「大丈夫。部屋に置いて着替えてくるから。そしたら夕食にしよう」


「はーい」


京さんは諦めた様子で階段を上っていく。


私はそれを見届けると、新妻のように夕餉(ゆうげ)の準備を始めるのであった。


……本番は夜っすから、ね。

―京太郎side―



モモとの食事を終えた後、俺は彼女の勧めで風呂に入ることにした。


どうやら今日の夜は遊び倒すらしい。


だから、先にやるべきことは済ませておきたいようだ。


あれだけウキウキした様子で計画を話されては断れん。


まぁ、俺もモモと一緒にいるのは楽しいからいいか。


「はぁ……疲れた」


中学二年で湯船に浸かった第一声がこれなのはどうかと自分で思うが、疲れているのだから仕方がない。


ハンドボール部の練習はハードなのだ。


……今回ばかりはそれだけじゃないが。

東横桃子。


去年出会った黒髪の女の子。誰にも気づかれないステルス体質が特徴の……はっきりいえば可愛い女友達だ。


俺のことを慕ってくれていて、世話までしてくれる。


胸も徐々に膨らんできて、だんだんと俺好みのスタイルに……げふんげふん!!


よこしまな考えを追っ払い、頭まで一気に沈むと汚れた感情を洗い落とした。


――とはいえ、とはいえ、だ。

俺といて『幸せ』と屈託のない笑顔を見せてくれる彼女に俺はずいぶんと魅了されてしまっている。


それに関しては自覚がある。


モモが横にいないと妙に落ち着かなかったり、


クラスの女子を間違えて『モモ』と呼んで恥ずかしい目にあったりする程度には彼女は俺にとって『不可欠な存在』になっていた。


そんな彼女と二人きり。それが三日間。


不味い。


マズい。

「母さんも一言告げてくれたらいいのに……」


「私が秘密にしておいてってお願いしたっすよ」


「なるほどなぁああ!?」


浴室に響く高い声。


入り口にはモモがバスタオル一枚を巻いた姿で立っていた。


ボディラインがくっきりと浮かび上がっており、中学生とは思えない色気を放っている。

「お、おい!? 何してんだ、モモ!?」


「何って……風呂に入っているだけっすけど」


「いやいやいや! おかしいだろ! 俺たちもう中二だぞ!?」


「……それがどうしたっすか?」


キョトンと首を傾げるモモ。


なんで俺が変な奴みたいになってるんだよ。


おかしいのはモモの方なのに!


は、恥ずかしい! どうして俺がこんなこと言わないといけないんだ!

「お、女の子が裸を見せるのは不味いだろ!?」


「水着とほとんど変わらないっすよ。去年も今年も河に遊びに行ったじゃないっすか」


「そ、それはそうだけど……」


「それとも――」


モモは一気に距離を詰めてくる。


浴槽から上半身を乗り出していた俺と彼女を隔てるものは無い。


吐息が聞こえる近さにまで接近し、彼女の無垢な黒瞳に吸い込まれる。


体温の上昇で赤らむ頬。柔らかいであろう唇。


水が滴り、髪が張り付いたうなじ。さらされた健康的な鎖骨に垂れる液体は中心にできた大きな谷間に落ちていく。


彼女のすべてが扇情的に映った。

「京さんは私の裸を見たいんすか?」


「――ッ」


思わずつばを飲み込んだ。見たくない男がいるわけがない。


俺の反応を面白がってか、眼前の乙女は口端を吊り上げて続ける。


「……いいっすよ。京さんになら見られても」


そう言って彼女は人差し指で俺の首筋をなぞると流れるようにバスタオルにかけた。


「京さんはどうしたい……っすか?」


甘く誘惑する声。耳元でささやかれた俺は、オレは、おれは――

2,3レスって言ったな。あれは嘘だ!

というわけで今日はここまで。次は月曜日か火曜日の予定。

でも、次回登場の咲さんの部分が上手く書けたら日曜日の更新は可能性ありっす。

では、おやすミョンファ。

>>40 せやな(今回の更新の内容そのまんま)

>>46、47 自分を京太郎と離そうとするライバルが登場したらすぐやで

書きながらですけど、更新始めるぞい

咲に関係ないけど、デレステで加蓮が限定確定で泣きそう

「どうしてあそこまでして本番がないっすかね……」


結局、あの後は彼とそういうことは致さなかった。


『襲う』のはダメでも『襲われる』のは問題ない。


だから、あのような行動に出たというのに……。


……まぁ、でも、前進はしましたし、これで許してあげるっす。


鏡を見ながら首もとを撫でる。


不自然に一ヶ所だけ赤くなっている肌。


京さんがつけた証。


そして、この唇にも……。

「…………あはっ」


不意に漏れてしまう笑い。


仕方ない。仕方ないのだ。


お義母さん、ありがとうございます。おかげで私たちは友だち以上の関係になれました。


「おーい、モモー? 早くしないと夜が明けるぞー」


「あっ、今すぐ戻るっすよー!」


京さんに呼ばれて隣に座る。


去年よりもまた体がたくましくなった気がする。


肩にそっと頭を預けて、スリスリとこすりつける。

前戯はしましたしに見えた

「何してんだ、モモ?」


「んー、マーキング?」


「犬か!」


「わんわんっ」


コテンと彼の膝へと倒れこむ。服に染みついた彼の匂いが安心感をもたらす。


「モモは京さんのものだから犬でも問題ないっすね」


「……よく恥ずかし気もなく、そんなこと言えるなぁ」


「えへへ。それだけ愛しているってことっすよ」


「……ったく、お前はー!」


「きゃっ」


京さんは脇腹へと伸ばすと指をわきわきと動かす。


こそばゆかったので、こちらも仕返しとばかりに腹をなめてやった。


変な声をだす京さんは可愛かった。


時折そんな風にじゃれ合いながら、時を過ごしていく。


いつまでもこんな時間が続けばいい。


そう思った。

>>74 えっち!

じゃあ、今から続きを書いてまた投下します
ちょっとだけ待っててね

おつ
今のところ雰囲気めっちゃいいけどスレタイ的にここからヤンヤンしちゃうのか?

乙です
>>73
> 「…………あはっ」
が、病んでる感半端無いの

不穏……最後の二文がひたすら不穏ッ!

中学二年の夏休み。京さんと恋人になってはや一ヶ月。


ここまで順調に来ていた。だからこそ、このような可能性は捨てきれなかった。


いつか起こるだろうと思っていたけど、ついに発生してしまった。


「み、宮永咲です……」


京さんの背後に隠れながらあいさつをしてくる小柄な女の子。


どうして私に向かって喋っているだけで涙目になっているとか、怖がっているのか聞きたいことは山ほどにある。


とりあえず、思考がまとまるまでは笑顔を張り付けておこう。

来てた、ここのモモホント好き

「モモ。こいつは宮永咲って言って俺と同じクラスの文学少女だ」


「へぇ……。その文学少女さんがどうして京さんの家に……?」


「ひぅっ!?」


「睨むな、睨むな。あー……で、それなんだけどさ……」


京さんはポリポリと頬をかくと、私を連れて部屋の隅に寄る。


何やら言いにくい事情でもあるのだろうか。


「どうしたんすか?」


「その、な……? こいつもいないんだ、友達」


「あっ」


その気まずそうな一言ですべてを察してしまった。


ぼっちなのだ、彼女は。


確かに初対面の私への反応を見るからに人見知りなのはわかるし、こんな様子じゃ話すのもままならない。


妙に納得してしまう自分がいた。

「……つまり、京さんは私にこの子と友達になってほしいと?」


「そういうこと」


「……わかったっす。……でも」


「でも?」


「私と言う彼女がいるんですから、あまり女の子を家に連れ込んだりしないでください。心配したじゃないっすか」


「うっ……すまん」


「わかってくれたならいいっす。……さて」


世話焼きの彼にくぎを刺した私はクルリと振り返ると、自己紹介をすることにした。


「私は京さんの幼馴染の東横桃子っす! よろしくお願いしますね、咲ちゃん」


「お、お願いします……!」


下の名前で呼ぶとパァと笑顔を咲かせる宮永さん。


うんうん。よくわかるっすよ。私も『モモ』って呼ばれるとかなり嬉しかったのを覚えている。

……今のところ宮永さんは京さんに特別な感情を抱いていないように思える。


でも、今後好きにならないとは限らない。彼は魅力的な人だから。


なら先手を打とう。枠組みにはめ込んでやる。


宮永咲を『仲良し三人組の一人』のただの友達という枠に。


「じゃあ、咲ちゃん。せっかくここまで来たんすから一緒に遊びませんか?」


「え、えっと……その……」


「あ、これとかおすすめっすよ! 二人プレイもできますし、初心者でも楽しめるっす!」


「……じゃ、じゃあちょっとだけ……」


「……俺は?」


「京さんは飲み物でも汲んできてください。私は咲ちゃんとガールズトークで盛り上がるので」


「はいはい、仰せのままに。お姫様」


「わかればよろしいっす!」


京さんは執事のふりをしてお辞儀をすると部屋を出ていった。


要望通りドリンクを用意しに行ったのだろう。それと同時にチョンチョンと肩をつつかれた。

「と、東横さん……」


「……? どうかしたっすか?」


「その……京ちゃ……京太郎くんとは付き合っているんですか?」


京ちゃん……? もうあだ名呼びっすか。馴れ馴れしい。


……ですが、私も京さんに嫌われたくないですし、似た境遇ということでそこまでは妥協しよう。


というか、京さん。手が速いっす。彼女もう落としたんすか……。


前言撤回。モテる男の彼女は辛いっすね。


それにいきなりこんな質問をぶつけてくるあたり、案外図太いのかも。


でも、現実を突きつければ、彼女もすぐに諦める。


入ってくる余地はない。


彼と私で世界は完結していて、その端っこを親切で貸してあげるだけということに。

「はい、付き合ってるっすよ。もうラブラブっす」


「……あ。や、やっぱりそうなんですね」


「はいっす。……でも、最近……」


わざとらしくため息をついて、宮永さんの気をひく。


案の定、彼女はオロオロし始めた。


当然だ。


見知っていきなり、こんな話題を持ち出されても困るに決まっている。


まぁ、そのまま私の流れに引き込んじゃうっすけど。


「そうだ! 咲ちゃん! 手伝ってほしいことがあるっす!」


大きな声で彼女に提案すると、その小さな手を掴んで懇願のポーズを取る。


宮永さんは鳩が豆鉄砲を食ったように慌てていた。

「う、うぇ!? わ、私!?」


「そう! 最近、京さんが相手をしてくれなくて……。それで咲ちゃんからもっと気をかけるようにそれとなく言ってほしいっす!」


「えっ……そ、それは……」


「咲ちゃんを友達と見込んでお願いするっす!」


「と、友達……えへへ……」


「だから、頼みます、咲ちゃん!」


「……う、うん、わかったよ。私も頑張るね……」


「ありがとうっす!」


私がお礼を言うと宮永さんも笑って返してくれた。


「――これからも『私達』がずっと恋人でいれるように協力してくださいね!」






――瞬間、時が止まったような錯覚にとらわれる。




満ちていた明るい声と笑顔は何もなかったかのように消え去った。


手を握りあいながら、視線を外さない。


先とは大きく異なった仮面のような笑顔。開いた瞳。


「……うん! だから、私に好きな人が出来た時も協力してね!」 


「もちろんっすよ。……ふふっ」


「……あははっ」


そのまま私たちは京さんが部屋に戻ってくるまで手をつなぎ続けていた。


互いに譲らない想いを加えながら、ずっと。


>>77 ヤンヤンさせたいっすねぇ。ヤンデレ好物なの

>>78 乙ありです。うん、こんな感じで病ませていきたい

>>79 不穏なことになっちゃいましたね(白目)

>>81 ありがとうっす。こういうの本当にモチベ上がる。気にしないでくださいね


今日はここまで。
徐々に無自覚に病んでいく描写をするっていうのが理想なんだけど、難しい
次は木曜日か、金曜日っすよ!


おやすミョンファ



果たして病むのはモモか咲さんか、それとも両方か……

乙です
両方病んで刺し合いになりそう…
それを乗り越えた場合、共同所有になる予感

こんばんハオ

八時過ぎからちょこっとだけ更新します

―京太郎side―


「じゃあ、咲送ってくる」


「はい。気を付けてくださいね」


「お邪魔しました」


玄関でモモの見送りを受け、俺は咲の家に向かっていた。


二人は思ったより馬が合ったらしく、ずっと仲良くしていた。


隣同士で座っていたし、ニコニコ笑ってたし。


そう考えると連れてきたのはやっぱり正解だったな。


名采配、俺!

「……なんでドヤ顔してるの、京ちゃん?」


「え? 顔に出てた?」


「うん。もう鼻高々って感じで」


「そうか……。ちょっと考え事をしていてな」


「……彼女さんのこと?」


「なっ」


「あっ、やっぱり。今も手を振ってくれているもんね」


「えっ、マジで」


咲に言われて振り返ると確かに玄関でモモが大きく手を振っていた。


浮かべる微笑。その姿は良妻。


……あいつ、可愛さに磨きがかかったよなぁ……。

「あー、やっぱり見惚れてる」


「……別にいいだろ? 俺の彼女なんだから」


「……それはそうだけど……」


むーっと頬を膨らませた咲。どうやらお怒りのようだ。


でも、理由がわからん。あれか? 俺がのろけたからか?


「どうしたんだよ、咲」


「……京ちゃんはもっと周りに目を向けてみるべきだよ」


「周り?」


……本当にどういうことだ?


これでも結構気は使って生きている。だから、咲とも仲良くできたし、モモとも出会えた。


ハンドボール部でもエースやらせてもらって……うん。

「俺ほど周囲に目を配っている奴はいないと思うぜ!」


「…………はぁ」


決め顔で言ったらため息を吐かれた。


「なんで!?」


「がっかりしたからだよ。そうじゃなくてさ」


咲はそこまで言って何かを言い淀む。


口をパクパクとさせてはうつむいた。

「咲? 何か言いたいことがあったら言えよ?」


「……うん。その、ね? 東横さんとのことなんだけど」


「モモか?」


「うん。……その京ちゃんはなんとも思わないの?」


「なにが?」


純粋に質問の意図がわからないので、聞き返す。


そんな俺の態度を見てどう思ったのかは知らないが、咲は『なんでもない』と言って会話を終わらせる。


無言の状態が続き、気が付けば咲の家の前についていた。

「じゃあ、ありがとう。京ちゃん」


「おう、気にすんなよ。俺もモモに言われるまで気づかなかったし……」


「……京ちゃんの中心は東横さんで回っているんだね」


「まぁ、彼女だしな。それにあいつには俺が居てやらないとさ」


「……そっか。……でも、京ちゃんに覚えておいてほしいことがあるの」


そう言うと咲の顔が急に近くなって、頬に柔らかい感触を感じた。


……え、あっと、これは……。


混乱する思考。


ただ一つだけはっきりとしているのは目の前の少女から向けられた感情。

「あなたには東横さん以外にもあなたのことが好きな女の子がいるってこと」


「…………咲」


「じゃあね、京ちゃん。また明日」


短くつぶやくと足早に彼女は家の中へと入っていく。


……どうしてだろう。


唇が触れた箇所を手でなぞり、考える。


咲に対しての……戸惑いとか、嬉しさよりも。


立ち尽くす俺の中では『モモ』への様々な感情だけが溢れ出ていた。

一旦ここまでー。
しばしの私用を済ませてからまた投下しまする

>>94 大丈夫ですよー。『未来デパート』初見の時は安価さばきで天才かと思ったのが未だに印象に残ってます

>>97 共同所有……分割……うっ、頭が……

咲SSの書き手さんが思ったより見てくれているみたいで、なんか感激。
読者様の感想や合いの手も当然、感激。

「海だー!」


「やってきたー!」


「ふ、二人とも落ち着いてよ~」


長野から遠出して私たちは海に来ていた。これも京さんの家族の計らいのおかげである。


お家デートの際に京さんが『モモと海に行きたい』と言っていたのを聞かれていたらしく、不憫に思ったお義母さんが連れ出してくれたのだ。


滅多に見れない海を楽しむことにしよう。

「モモ!咲! 泳ぎにいこうぜふっ!?」


「ダーメっす。ちゃんと準備体操してから」


「わ、わかったからパンツから手を離してくれ!」


お風呂場でパンツよりスゴいものを見られているのに、京さんてば恥ずかしがりやさんっすねぇ。


「わかってくれればいいっす。じゃあ、咲ちゃんもやりましょう」


「そうだね。海は危ないもんね」


「その通りっす。もし京さんが死んじゃったら悲しむ人はたくさんいるんすから。私なんかきっと生きていけなくなっちゃう自信があるっすよ」


「お、おう……その、すまん。……俺もモモと居れなくなったら……」


「ん。なら、しっかり運動するっすよ」


「……むー」


そんなわけで始まったラジオ体操。


途中、京さんが弾む私の胸に目がいって宮永さんに叩かれていたりしたが、何事もなく終わる。

「それじゃあ改めて……」


「海だー!」


「やってきたー!」


「お、おー」


全速力で駆ける私たち。


勢いそのままにキラリと煌めき、透き通った海に体を沈めた。


冷たい水が気持ちいい。普段は嫌いな日射しも今だけは好きになれそうだ。

「ぷはぁっ! あー、最高だな、海!」


「京さん! ピーチボールで遊びましょ!」


「わ、私は遠慮しておこうかな……」


「咲ちゃんも! やるんすよ!」


「運動は苦手なのー!」


嫌がる宮永さんも無理やり参加させる。


あの夜、考え直した私は基本的にはこの子を恋敵として見ないことにしたのだ。


恋人なのは私だし、京さんもだんだんと……だし。


ずっと気張るのも疲れるっすもんね。

「モモー! いったぞー!」


「咲ちゃん! パス!」


「わわわっ!」


「うおっと!」


「あっ! ちょっと京さん、どこに飛ばしてるっすきゃあっ!?」


オーバーヘッドしたボールを追いかけて腕を伸ばすが、僅かに届かない。


それどころかバランスを崩した私は大きな水しぶきを立てて倒れてしまった。


……あっ。これはもしや……。


先程まで違う感覚を覚えた私は視線を下に落とす。


すると、やはりなかった。


水着がなかった。


「これは……これは……」


ナーイス、ハプニンーグ!

ハプニングが起きたところで今日はここまで
一応、続きは完成してるけどちょっとイベント部分書き直したい
しっかりエロくしないとね

今回は平和(?)だったけど、次はちょっとあれかもしれんね

投下予定はちょっと日が空いて月曜日か火曜日になります。

では、おやすミョンファ!

こんばんハオ

八時三十分くらいから始めるのでよろしくお願いしますー

「大丈夫か、モモ……ってお前!」


心配して近づいてきた京さん。


どうやら私の現状に気づいたみたいだ。


なら、絶好の機会!


「京さーん!」


正面から彼に抱き着いて、胸を押し当てる。


当然、まだ童貞の彼は赤面して私の肩を掴んだ。

「バ、バカ! お前、何してんだよ!」


「だってぇ……こうしないと胸が丸見えっすよ……」


「うぐっ……」


ふふっ、動揺してるっすね。


よくよく考えれば私の姿は誰にも見えないってわかるのに。


人目? 気にならないっす。


ここはグイグイ攻めていく……!

「私……そんなのは嫌っす」


さらに密着して耳元に口を寄せる。腰に回した手で背中をスッとなぞった。


「私が全てを晒すのは京さんだけって決めてますから」


「……ったり前だろうが」


「え?」


「お前は俺のものなんだから。誰にも見させやしねぇよ」


京さんは急に私の体を力強く抱きしめる。


こ、この展開は予想していなかったっす!?  


京さんが積極的とか今までなかったのに、なんすかこれは!?


男の眼で見つめてきて……。


こ、こんなたくましい腕できつくされちゃ……我慢できないっすよぉ。

「おい? おい、モモ?」


「……へっ、あ、ど、どうしたっすか!?」


「おぶってやるから背中にしがみついておけ。……一応、聞いておくけど水着は本当に流されたんだよな?」


「私もこんな羞恥プレイはしないっすよ! 偶然、脱げてどっかにいっちゃったっす!」


「そっか。じゃあ、ほら」


「……し、失礼するっす」


しゃがんだ京さんの背中に体を預ける。


一気に持ち上げられた。


その瞬間、電撃が走る。

「――っ!?」


太ももの付け根をがっちりとつかまれて変な感覚が全身を襲うが必死に我慢した。


きょ、京さん……そんなお尻の近くは今は……!


しかも、水で濡れているせいで手の位置がズレる。


その度に持ち直そうとする京さんの五指が臀部に食い込む。


ギュット。揉みしだかれる。

「咲! タオル持ってきてくれないか?」


「なんで――って、あわわっ!? わ、わかったよ!」


「ちょっと走るぞ、モモ!」


「んんっ……!」


今、揺れて気づいた。


京さんが動くたびに……その、胸のさきがこすれている。


それもそうだ。だって、秘部を覆う布は海のどこかへ消えていったのだから。


さらされた桃色の突起は直接、触れる。

「ハァ……ハァ……♥」


不味い、マズイ。絶対荒い息づかい聞かれちゃってる。


でも、力が入らなくて倒れこむように、体を預けてしまっている私にはどうしようもできない。


固くしてるのバレちゃう。


濡れているのも垂れてきてるっすぅ……。


私、京さんに淫乱な女だって思われてる……!


このままじゃ……おかしくなっちゃう……!!


――――――――――

――――――

―――

「……あれ?」


目が覚めたら私は寝転んでいた。


背には青シート。


まだ外は快晴で、賑やかな喧噪が耳に届く。


……夢、だったっすか?


そ、そうっすよ! 


私があんな淫乱な真似するわけないっすし! 


それにあんなハプニングはいつもの私の妄想の中でしか起こりませんって!

中途半端だけど、今日はここまで。
仕事が朝早いから、いつもこの辺が限界なのよー。

次は金曜日か土曜日で予定

京桃終わったら京宥とか京キャプ書きたいなぁ。

おやすミョンファ

乙です
その2つも凄く楽しみ

すばらでした
京キャプや京宥も楽しみにしてるよ

こんばんハオ。

ちょこっとだけどやるよー

10分後くらいから投下します

>>140から



「それに京さんがあんなに積極的になるなんて奇跡っすからね!」


「ヘタレで悪かったな」


「ひゃう!?」


ピタッと首筋に冷たい感触。


急に京さんが隣に来たのも相乗して飛び退いてしまった。

「きょ、きょ、京さん!? 聞いてたっすか!?」


「おう。お前の看病してたからな、ずっと」


「あっ……」


「気にするなよ? 俺が好きで――」


「好きで、私の体をいじくりまわしたんすよね!」


「してねぇよ!? ……はぁ。その様子なら本当に問題なさそうだな」


「うあ~~」


グリグリと京さんは頭を撫でまわす。


私はそれを甘んじて受け入れる。


……でも、ということはさっきのは夢じゃなかったってことっすよね?


じゃ、じゃあ、私がイッたことも……?

「きょ、きょ、京さん!? 聞いてたっすか!?」


「おう。お前の看病してたからな、ずっと」


「あっ……」


「気にするなよ? 俺が好きで――」


「好きで、私の体をいじくりまわしたんすよね!」


「してねぇよ!? ……はぁ。その様子なら本当に問題なさそうだな」


「うあ~~」


グリグリと京さんは頭を撫でまわす。


私はそれを甘んじて受け入れる。


……でも、ということはさっきのは夢じゃなかったってことっすよね?


じゃ、じゃあ、私がイッたことも……?

「……きょ、京さん」


「なんだ、顔真っ赤にさせて……って、あー。そういうことか……」


バツが悪そうに彼は頭をかいた。


視線のそらし方がわざとらしくて、気を使っているのがまるわかりだ。


つまり、気づいていた。


私が感じていたことに。


……ひゃぁぁぁぁぁ。

「きょ、京さ~ん」


「し、仕方ないだろ!? あれだけ密着してたら流石に気づくから!」


「……み、見たっすか?」


「…………見てない」


「ダウト!」


「み、見てないって! 本当だから!」


「今見るならどうして一緒にお風呂入った時に見ないんすか!? あの時ならいくら凝視しても問題なかったのに!」


「だから、見てないって! それにあの時はまだ恋人じゃなかったし……」


「……じゃあ」


私は体を乗り出してもう半歩、接近する。


胸を強調するようにポーズをとって、彼の手を掴んだ。

「……じゃあ、恋人になった今なら、構わないっすよね?」


温かさが残る手を後ろで結ばれた紐へと誘導する。両端の位置を伝えた。


これを引っ張れば、全てが露わになる。


「そ、そそそそそうだな」


「もちろん私はいつでもいいっすからね?」


いつも私はそう言っている。


この体も心も全て京さんに捧げて後悔はない、と。


彼はこの一年間、その言葉を聞き続けていたから私に何も問うことはしない。


関係も恋人になって、もう私達を隔てる障害は存在しなかった。


交わった視線は逸れることなく、彼もまた覚悟したのがうかがえた。

「……じゃあ、恋人になった今なら、構わないっすよね?」


温かさが残る手を後ろで結ばれた紐へと誘導する。両端の位置を伝えた。


これを引っ張れば、全てが露わになる。


「そ、そそそそそうだな」


「もちろん私はいつでもいいっすからね?」


いつも私はそう言っている。


この体も心も全て京さんに捧げて後悔はない、と。


彼はこの一年間、その言葉を聞き続けていたから私に何も問うことはしない。


関係も恋人になって、もう私達を隔てる障害は存在しなかった。


交わった視線は逸れることなく、彼もまた覚悟したのがうかがえた。

「……いくぞ?」


「…………はい」


恥ずかしさはもちろんある。


けど、目線をあげて彼と見つめ合う姿勢をとった。


どんどん体が火照っていく。


比例してほどけていく細い水色の紐。


あ、あと、もうちょっとで…………。


3秒。2秒、1……。








「京ちゃーん! 東横さーん! もう体調は戻ったのー!?」












「はわわっ!?」


「うおおっ!?」


咄嗟にお互いを押し飛ばして、距離を取る。


み、見られてないっすかね!? 


さ、流石に同性に男を誘惑しているところをみられるのは私でも拷問っすよ!?


ちらりと声の主である宮永さんを見るが、彼女は手に持ったカメラの中をのぞいていて


こっちには目をくれていなかった。


よ、よかった……。


ま、まだ心臓がバクバクいってる……。


こ、この人、タイミングが悪すぎるっすよ……!

「ど、どうしたんだ、咲? 大声出して珍しいな?」


「うん、集合写真撮るから二人も呼んでおいでって京ちゃんママに言われたから!」


「そ、そうか。そういうことならいくか、モモ?」


胸を隠す様に座り込んでいる私の手を取って立ち上がる京さん。


つられるように私も立つと、ゆっくりと歩いていく。


「じゃあ、私は先に行って準備してくるねー!」


「おう! ありがとうな、咲」


「えへへ。気にしないでっ」


宮永さんは破顔させると、普段の内気っぷりからは信じられない速さで走っていく。


その途中でこけたのは、もはや様式美っすね……。


あんな姿見せられたら流石に毒気も抜けてしまうっす。


……あれも演技だったら話は別ですが。

「……拗ねるなよ、モモ」


「……わかってるっすよ、咲ちゃんは何も悪くないっす」


「そうそう。こんなところで、あんな破廉恥なことしていた俺達が悪い」


「で、でも、せっかくヘタレの京さんが勇気を出してくれたのに……」


「やかましい。……だけど、その、なんだ。こういうことは、さ? 大人になってからにしないか? 俺達はまだ中学生なんだから」


「……大人までなんて、待っていられないっすよ」


「……大丈夫だよ」


京さんは不貞腐れる私をあやすように頭を優しく撫でる。

「……俺はいつまでもモモといるから」


「――っっっ!!」


な、なんて恥ずかしいセリフを、なんて笑顔で言うんすか、この人は!


嬉しい。


嬉しいけど…………めちゃくちゃ恥ずかしいっす……!


「も、もう! そこまで言うんなら、待ってあげるっす! しょうがなくっすからね!?」


「はいはい。じゃあ、いこうか、お姫様?」


「……はいっす!」

はい、一旦ここまでー。また10分前後に2,3レス投下よー

次から一気に時系列飛ぶから気を付けて
中学三年になります
んで、一気に雲行きが怪しくなります

書いといてなんだけど、この二人まだ中学二年なのか……

―咲side―




「ふふっ。そういえばこんなこともあったな……」


部屋を整理している途中で出てきた写真。


そこに写っているのは幸せそうな恋人同士。


海で手をつないでいる、集合写真の前にこっそり取った一枚の写真。


……私には二人のお友達がいる。


須賀京太郎くんと東横桃子ちゃん。


人見知りで付き合いの苦手な私とも嫌な顔見せずに遊んでくれるいい人たちだ。


……だからこそ、なんだと思う。






二人に嫉妬してしまっている自分がいるのは。






京ちゃんと東横さんは恋人同士だ。


特別な関係。切っても切れない繋がりがある。


でも、私はどう?


友達。それで終わりだ。


今年が終われば、離ればなれになってしまう。


だって、京ちゃんは東横さんと一緒の鶴賀高校に行くつもり。


でも、私は鶴賀まで距離も遠いし、お父さんにそんなわがままを言える状態でもない。


じゃあ、別れるの?

――嫌だ。


絶対に嫌だ。


京ちゃんは閉じ籠っていた私に声をかけてくれた人。


外の世界の楽しさを教えてくれた人。


私の……私の初恋の人。


あの時はとっさに行動しちゃったけど、我慢なんて出来ない。


誰かに取られるくらいなら、奪い取る。


東横さんに恨まれたって構いやしない。


どちらかと別れなければならないなら、私は京ちゃんを選ぶ。


彼は優しい。


その優しさが時には毒になる。

……うん。


京ちゃんと東横さんはずっと一緒に時間を過ごしすぎだよ。


たまにはお互いに距離を置かないとね。





だから――その間に関係が変わってしまっても、仕方ないよね?





私の手には細かく裂かれた紙切れだけが残っていた。

今日はここまでー。
次は月曜日を予定。

みなさん、乙ありがとー。
やっとドロドロしてきたね……

>>144
>>149 こんなの予定


俺には義理の姉さんがいる。

同じ金髪で、左右で違う色の瞳を持つおっとりとした少女。

特長をまとめると、そんな感じの姉さんは母性の塊だ。

優しい性格も、魅力的な微笑みも、甘い声も。

そんな姉さんは小さい頃から俺の世話を焼いてくれた。


「京太郎くん。はい、あーん」
「京太郎くん。大丈夫? けがはない?」
「京太郎くん。お姉ちゃんが勉強教えてあげるわね?」


だけど、ある時からそれは変わっていった。


「京太郎くん。お姉ちゃんと一緒にお風呂入りましょう?」
「京太郎くん。……今日から京太郎って呼んでもいいかしら? その、私も名前でいいから……ね?」
「京太郎……一緒に寝よう?」


『一人の弟』への愛情は。

『一人の男』への愛情に。

まるで病んだように俺のことを想う姉。


「ふふっ……こうして体を結んでしまったらいつまでも一緒に居られるわね?」
「もう私のもの……」
「いっぱい愛し合いましょう……?」


だけど、俺の姉さんは――。


「美穂姉……」
「なに? 京太郎?」
「自分も一緒に縛ったら何もできないと思うんだけど」
「はぅっ」


――ちょっとだけポンコツだ。

京依存かな?

こんばんハオ

今日はいつもより帰りが遅いので9時スタートでお願いします

じゃあ。そろそろ始めていきますん

中学三年の夏。


大都会は極暑に苦しんでいるみたいだけど、長野は比較的涼しい。


川のせせらぎが聞こえる河川敷で私は京さんと二人で歩いていた。


「なんだかモモと二人で遊ぶのは久し振りの感じがするよ」


「最近は咲ちゃんも一緒が多かったっすからね」


……本当にあの子は邪魔でしたね。


最近は何やらこっそりやってるみたいですし。


京さんにアピールしているのもバレバレっす。

「どうかしたか、モモ?」 


「……なんでもないっすよ」


「でも、今一瞬だけど苦しそうだったぞ?」


「気のせいっすよー。モモは京さんといるだけで幸せだっていつも言ってるじゃないっすかー」


「……なら、いいんだけど」


……危ない。どうやら表情に出てしまったみたいっすね。


京さんに心配をかけてはいけない。


しっかり自分を抑えないと。


それからは特に会話もなく、ゆっくりと時は過ぎる。


……聞くなら今しかタイミングはなさそうだ。


そこで私は今日、彼を呼び出した本題を切り出した。

「ねぇねぇ、京さん」


「ん? なんだ?」


「京さんは志望校。どこにしたっすか?」


そう。私たちも来年には高校生だ。


そろそろ志望校を決める時期である。


中学は仕方がなかったが、高校は違う。


一緒に通えるのだ。


「私は前から言っていた通り、鶴賀っす」


本当なら自由に選びたい。


しかし、私も両親に食わしてもらっている立場だ。


あまり遠い場所は通えない。ギリギリの位置にあるのが鶴賀学園。


京さんの家からも通えない距離じゃない。


学力も足りている。


だから、以前から推してきた。

「京さんはどこにするっすか?」


口ではそう尋ねるものの本当は彼の本心を知っている。


鶴賀のパンフレットをお義母さんに見せていることも聞いた。


だから、高校は毎日が楽しくなる!


そう信じていた。


この時までは。

「俺か? 俺は……」


なぜか彼の回答は歯切れが悪い。顔には迷いが生じている。


苦虫を噛み潰したような表情で彼は言葉を続けた。


「……清澄高校にするよ」


「……えっ」


唐突にガラガラと音を立てて崩れ落ちる明るい未来。


どうして。


なんで。


そこから私は何をしたのか、何を話したのか。


全くとして覚えていなかった。

――やっと意識が覚醒したのは、京さんの家でお義母さんに声をかけられた時だった。


「……モモちゃん?」


「…………あ、はいっ」


「大丈夫? なんだかボーとしていたけど……」


「も、問題ないっす! ちょっと考え事していて……。何かお用事ですか!?」


「えっとね、京太郎、呼んできてくれる? さっきから呼んでるんだけど部屋から出てこないのよ」


「了解っす!」

話の内容が面白くなるほど出会いのてきとーさが際立ってしまう……

元気なことをアピールするために大げさに敬礼すると私は京さんの部屋に行く。


……そうだ、大丈夫。今ならまだやり直せる。


京さんを説得して鶴賀学園に希望を変更してもらおう。


何か不安があるなら私が取り除いてあげる。


あなたが悲しみを消し去ってくれたみたいに。


驚かせようとそっと階段を上っていく。


そして、ドアを開けようとしたその瞬間だった。
私が『東横桃子』でいられた最期の時が訪れる。

「――本当にこれで良かったのか、咲?」


『うん。東横さんは京ちゃんに依存しているところがあると思うの』


「でも、あいつとは恋人なわけで別に依存ってわけじゃ……」


『もし、そうだとしても、だよ。東横さんはいつまでも京ちゃんと居れるかわからないんだから、外の世界と関わりを持たないと』


「俺はいつまでもモモといるつもりだぞ」


『……京ちゃんは、さ。東横さんと結婚できる? 責任取れる? 面倒見れる?』


「…………それは」


『そういうことだよ。だから、高校は別々でいいの』


「…………」


『寂しがらなくても大丈夫だよ。京ちゃんならたくさん友達できるし――私は同じ高校なんだから』

進学先ってただの友達が口出ししていいもんか?恋人差し置いて

プツリ。


何かが自分のなかで切れる音がした。


ずっと抑えてきた醜い感情が暴走する。


「……ああ。なるほど……そういうことだったっすか、宮永咲……ふっ、フフフ」

あははははははははははははははははははははははははははははははは
あははははははははははははははははははははははははははははははは
あははははははははははははははははははははははははははははははは
あははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!

♪かーなーしみのー

滑稽で笑いがこみあげてくる。


バカっすねぇ、本当に。


あんたならもしかしたらと思っていましたが……それは悪手だって気づいていない。


京さんのことを考えず、自分の感情を優先するからそんなことになるのだ。


……そっちがその気なら構わない。


会話で京さんの段階が進んでいるのも再確認した。


ここからはほんの少しだけ強引にいこう。


あの雌豚の思い通りにはいかない。


私と京さんは運命で結ばれているのだから。

今日はここまでー

>>180 最初はスレタイそれやったわ(笑) 
>>190 すまんの。もうちょっと頑張る
>>194 イッチは結構そういう相談乗ってたんやけど違うのかな。それはすまぬ
>>198 むこーへとー♪

そろそろエンディングが見えてきたっすね
次の更新は三日後だから木曜日かな。

おやすミョンファ


まあモモのためっていう建前を聞かされたらなあ

京太郎も薄々モモが依存してることには気づいてただろうしな

こんばんハオ

今日はゆっくり9時スタートで
明日休みになったから、深夜くらいまでのんびり投下したい

よろしくお願いします

「はぁ……」


あれから時が過ぎ、気がつけば春になって俺は清澄高校の生徒になっていた。


窓から見える澄みわたった空を眺めながらため息をつく。


あの日から半月以上。


俺の日常は退屈なものだった。


モモは今までのペースで遊びにこなくなったし、泊まることもなくなった。


別れてもいないし、仲が悪くなったわけじゃない。


モモは泣きながらも俺の選択を受け入れてくれた。


俺も清澄に入ったのは間違いではないと思っている。


だけど、後悔はしていた。

いつも隣で笑って、からかって、喜びを分かち合った最愛の彼女はいない。


それだけなのに俺の心はずいぶんと沈んでいる。


……会いたい……モモに会いたい……。


でも、どんな顔をして会いにいけばいいのか。


俺から距離を置こうと言ったのに、この体たらく。


……本当に情けなくて呆れる。

「……京ちゃん? どうかした?」


「……あ、いや、ちょっと気分が優れなくてな。……悪いけど今日は部活休んでもいいか?」


「えー、京ちゃんいないと文芸部は私だけなのに」


「すまん。なんか、今日はダメだ」


「うーん……仕方ないなぁ」


「わりぃ」


もう一度謝罪の言葉を述べると、咲は笑って許してくれた。


俺はゆっくりとした足取りで校門を出て、自宅へと向かう。


道中、モモのことを考えて何度もため息をついた。

「はぁ……」


玄関前。以前ならインターホンを鳴らせば、モモが迎えに出てくれた。


それくらい彼女は俺の生活に溶け込んでいて、不可欠な存在になっていたのだろう。


ピンポン、と軽やかなチャイムが鳴る。


でも、当然いつまで経ってもドアが開くことはない。


「……なにやってんだか、俺は」


自嘲すると鍵を出してドアを開ける。

「ただいまー」


「おかえりなさいっす、京さん」


「おー、モモ。遊びに来てたの…………え?」


リビングへと向かおうとして、振り返る。


見慣れた黒髪。モデル顔負けのスタイル。独特な喋り方。


間違いない。


モモが玄関で、制服姿でいた。

「なんでって……彼女が彼氏の家に遊びに来るのはおかしなことっすか?」


「お、おかしくない! 普通だ!」


「っすよね? おかしな京さん」


そう言って彼女は微笑む。


その笑顔に心が満たされていくのを感じる。


「な、なにする? ゲームか? それとも買い物か?」


「なんでそんな興奮してるんすか、京さん? あ、もしかして私に会えなくて寂しかったとか?」


「そ、そんなことは……」


否定しようとして、今日までの自分を振り返った。


そして、今の俺は間違いなく楽しさを感じている。

「やっぱりそうだったすね。もう……それなら連絡くれたらよかったのに」


「……すまん。その……あんなことしておいて俺から連絡はしにくくて……」


「私達は恋人なんですから気にしなくてよかったっすよ」


「で、でも、ほら! モモも全く連絡をくれなくなったから……その嫌われたのかなって」


「そんなことあるわけないじゃないっすか」


いつもの輝く笑顔を浮かべた彼女はそっと俺に近寄り、その豊満な胸に俺の顔をおしつける。


ぽっかりと空いた穴を埋めるように安心感が到来した。

「私は京さんのことを嫌いになるなんてありえません。私はいつだって京さんのことを考えていますよ」


「…………モモ」


「少し準備に手間取って時間が取れなくて連絡できなくて、本当は寂しかったす。毎日、枕を濡らしたっすよ」


「……大げさだろ」


「それだけあなたのことが好きってことですよ」


「――――」

至極どうでもいいけどモモってビジュアル的にホラー度高いよね

モモの素直な気持ちが俺の胸に突き刺さる。


彼女はいつだって俺のことを想ってくれていた。


依存? そんなの気にしなくていいじゃないか。


本当に好きなら俺が好きならそばにいてやればいい。


ああ、情けない。情けない男だ、俺は。


咲にもそう反論すればよかった。


だって、だって。






モモには俺が必要で、俺にはモモが必要なのだから。

>>206 >>208 モモが依存しているのはよくないって思っているからね、京ちゃんは。
       でも、彼も徐徐に……

>>219 本当にどうでもよくて草。でも、いきなり背後にいたら驚いて、気絶してモモの大きなモモに倒れこみたい


近すぎた距離が急に離れると寂しくなって、恋しくなるのってあるよね
さぁ、京ちゃんもだんだんとモモに……してきたなぁ

とりあえず、一旦休憩。
11時30分くらいまでには再開させたい

「さ、何しましょうか?」


「そうだな……。今日は家で遊ぶか。モモがなかなか来ない間に新しいゲーム買ったんだ」


「ほんとっすか! じゃあ、それやりましょうよー!」


「わかった。わかったから……そろそろ離してくれ」


「とか言いつつ楽しんでるんじゃないっすかー? ほれほれ」


「……モモ、また大きくなった?」


「京さんのエッチ!」


「理不尽!?」

「よっしゃー! 俺の勝ちー!」


「も、もう一回!もう一回やるっす!」


「ええー、モモ弱いからなー」


「京さんが強すぎるっすよ!ていうか、私は初心者なのに大人げないっす!」


「勝負に情けなんてないのさ!」


「くっ、こうなったら」


「お、おい、モモどうしたいきなり後ろに回ってきて……って、お前なぁ!」


「どうっすか? これでも平常心を保てるっすかねぇ?」


「あ、ちょ、くっつくな!」


「ほらぁ。次はここを攻めちゃいます。ふぅ」


「み、耳はやめろお……」


「このまま……ね?」


「ストップ! 母さん見てるから! ここリビングだから!」

「やっぱりモモの飯はうまいな!」


「喜んでもらえて嬉しいっすよ」


「母さん、おかわり!」


「あらあら? すっかり元気になっちゃって。やっぱりモモちゃんがいないとダメみたいねぇ」


「もうお義母さんってば言い過ぎっすよ」


「私的にはいつでもウェルカムよ~。最近、モモちゃん来なかったから寂しかったんだから。京太郎なんて電話がかかってくるたびに『モモ?』って確認してたんだから」


「か、母さん!? 嘘はダメだと思うぞ!?」


「あ、あの京さんが……面白いこともあるもんっすね」


「ち、違うからな!?」


「はいはい。そういうことにしてあげるっすよ」


「モモー!」

「わぁ。京さんの部屋が久しぶりで変な感じっす」


楽しい夕食の後。


モモを連れて自室に来ていた。


モモが珍しく俺の部屋に行きたいと言ったからだ。


彼女は初めて出会った時のように部屋の中を眺めている。


「って、なんでベッドの下を見てんだよ」


「いやー、そういう本がないかと思ってですね」


「まさか、それが目的か!」


「まぁ、一つではありましたけど、本当は違うっす」


スッと彼女は立ち上がり、俺を見つめてくる。


前までなら特に意識もしなかったのに、久しぶりなせいか妙に照れくさい。


少しずつ鼓動が速くなるのを感じて、浮き足立っている。


「なんだよー? 変なことじゃないよな?」


「ええ、そんな失礼なことはしないっす。真面目な話です。京さん――」






「――別れましょう」







「…………は?」


モモの吐いた言葉に思考が途切れたような感覚に襲われて、時が止まった気がした。

いくらなんでもそれでいいのか……モモ

というわけで、今日はここまで
久しぶりに疲れたけど楽しかったのよー。

この後、どうなるのかは月曜日まで待って

明日は京キャプ更新する

では、おやすミョンファ

>>229 ごめん、わかりにくい終わり方だったけど、もちろんもう一波乱ある
   
   このまま引き下がるわけなくって感じ


ドラマの引きみたいだな

(咲ちゃんと)別れましょう
ですね分かります。

♪別れましょ私から 消えましょうあなたから くやしいでしょ 明日から自由になれる

こんばんハオ

9時30分くらいから始めるのよー

今日も投下速度はゆっくりやります
あと、気分が乗ったらエロシーン入るかも

てか、多分、入れないといけないんじゃないかなぁ

上手くいけば今日中に完結。

というわけで、よろしくお願いします

>>232  こういう終わり方、結構好きなのよー

>>233 怖い(震え)

>>235 愛してる 私はね 傷ついてる 本当はね だけど


ってわけで、始める

え?


え?


え?


なんで? 


「冗談だろ、モモ?」


「冗談じゃないっすよ。真剣っす」


「な、なんでなんだよ! 俺、何か悪いことでもしたか? 別の高校を選んだことなら謝るからさ」


「違うっすよ、京さん。私はこれ以上、京さんの重荷にはなりたくない」


「俺はそんなの感じたことなんて一切ない!」

彼女に詰め寄ると、その肩を掴んで抱き寄せる。


華奢な体は今にも折れてしまいそうな弱さがあった。


俺が勘違いさせてしまった。


俺が愛想をつかしたと勘違いさせてしまった。


また出会う前のモモと同じ痛みを与えてしまった。


優しい彼女は俺達に遠慮して我慢していたに違いない。


そして、俺以外にモモを認識できる人間はいない。


やはりモモには俺しかいないんだ。


俺しか……!

「でも、でも、京さんは清澄に行ったのってそういうことなんじゃ……」


「違うんだ。俺の思い込みで、清澄に勝手にしたんだ。俺もモモと一緒に鶴賀に行けばよかったのに……!」


「京さん…………」


モモが擦れた声で俺の名を呼ぶ。


弱弱しい力で腕を背中に回してきた。


「寂しかった……寂しかったすよ……」


「……ごめん。ごめん。俺、モモのこと考えてなかった」


「……じゃあ、一緒に鶴賀に通って下さい」


「それはちょっと母と相談を……」


「ふふっ。冗談っすよ。……こうやって触れ合えるだけで幸せっす。願わくばこれからも……」


「それくらいならお安い御用だ」


「……今日はずっと一緒にいてください」


「……ああ。もちろんだ」


今日くらいはわがままを聞こう。


俺が悪いんだ。せめてもの罪滅ぼし。


「……許してあげるっす」


「ごめんな、モモ。本当にごめん」


「今の私は『ごめん』より違う言葉が欲しいっすよ」


「……愛してるぞ、モモ」


「――満点」


そう言った彼女の綺麗な顔は目と鼻の先にあった。


唇に柔らかくあたたかな感触。


離れるまでわずか3秒が永遠のように感じられた。

「……ふふっ。じゃあ、早速私の家に行きましょうか」


「え……? モモの家?」


「はい。約束したじゃないっすか。今日はずっと一緒にいるって。当然、泊まりっすよ」


「いいのか? いきなり世話になって」


「大丈夫っすよ。偶然(・・)父の不倫がバレて偶然(・・)両親が離婚して、どっちともあの家から出ていってあそこには私が一人で住んでいるだけだから」


そう淡々とモモは告げたが内容は重たすぎる。


とても女の子が一人で抱えていい問題じゃない。


彼氏の俺が支えてやらなきゃ……。

「……そうか……」


「実はこれも絡んで、なかなか京さんと遊べなかったっすよ」


「それなら相談してくれたよかったのに……」


「心配かけたくないっすから。あ、安心してください。生活費はちゃんと振り込まれていますし、高校にも通っていますから」


「……なら、いいのか?」


「はい。今までも家では一人みたいなものでしたから。自由にできる分、やりやすさがあっていいっすよ」


「へぇ、憧れるなぁ、そういうの」


「まぁ、京さんは一人暮らしは出来なさそうですけどね」


「どういうことだよー?」


「だって、京さんのそばには私がずっといるから」

「…………」


「あっ、照れてるー」


「う、うるさい! ほ、ほら! 着替えるからちょっと下で待っててくれ!」


「あ、お気遣いなく。写真撮っておきますので」


「恥ずかしいからやめてくれないか!?」


「チェー。仕方ないので私はお義母さんに説明しておきますね」


「おー。頼んだ。モモが言った方が納得してくれそうだし」


「了解っす!」


彼女は部屋を出るとドタドタと階段を駆け下りていく。


『きゃー、お赤飯用意しなきゃー!』という母の声が聞こえたので、多分、説得にも成功したのだろう。


……モモの家か。


俺、理性保てるかな……。


そんなのんきなことを考えながらバッグに荷物を詰めていく。








「……ふわぁ。なんだか眠い……」

場所は変わって東横家。


「お邪魔しまーす……」


玄関すぐそばにあった階段を上がり、モモの部屋へと入る。


彼女の名前にピッタリなピンク一色でカラーリングされた女の子らしい部屋だ。


先に入っていた彼女は振り返ると、ニコリと笑う。


だけど、その瞳はまるで笑っていない。そんな普段とは違う雰囲気を感じられた。


「おかえりなさい、京さん」


「なんだそりゃ」


「えへへ。私の家でこうするのは初めてだったし、それに間違いじゃないっすよ」


「どういうことだ?」


「だって、ここはもうすぐ京さんの家に、私と京さんの愛の巣になるんすから」


彼女が薄ら笑みを浮かべると、刹那。視界から消える。


だけど、次の瞬間には俺は倒されて彼女は馬乗りの形で腹部にまたがっていた。

「モ、モモ?」


「何すか、京さん?」


「これは一体?」


「一体って……そのままっすよ」


モモはペロリと唇をなめる。


一つ、また一つとボタンを外して制服を脱ぎ捨てた。


下のカッターシャツから下着が透けて視える。


「京さんとのつながりを得る。絶対に離れない。誰にも負けない。永遠のつながりを」


腕を掴まれてグイっと顔が近づいた。見つめること数秒、唇を奪われる。


舌を入れて口内を犯すモモ。俺は何がなんだかわからない。


互いの唾液が絡み合う。


「んっ……っは」


口を離せば透明の糸が橋のようにかかる。


彼女の目はトロンと力が抜けていた。

「えへへ……京さん、京さん」


胸に飛び込んでくるモモ。


豊満な胸は形を崩すほどに密着している。


「モモ! そういうのは大きくなってからって」


「もう私達は十分に大きくなったっすよ」


「で、でもまだ高校生で」


「高校生だから、なんすか?」


「こう言った行為は危険……」


「安心して下さい。私もそれくらいは考えているっす」


「な、なんで……」


「さっきも言ったじゃないですかぁ」


もう一度、口をふさがれる。


「ここは愛の巣で、私達はずっと一緒にいるっす。もう二度と離れない。永遠に隣にいる。これはそのための契り」


首筋から舐めあげられ、頬へ至り、耳を甘噛みされる。


「……ね? いいことしましょう? 京さん」

難産! 絶対的難産!

今日はここまで
わかめにキンクリはさせない。

次の更新は17日or18日

おやすミョンファ

17か18日と言ったな、あれは嘘だ!
今日の9時からやるぞー

京キャプ? が、頑張る(震え)

あ、こんばんハオ

いきなりエロシーンから始まるから気を付けてね

というわけで、よろしくお願いします

何度も、何度も口づけを交わす。


反芻する彼女の言葉。


その中で感じる、自分の本音。


俺も、俺もモモと、つながりたい。


モモとずっといっしょに……!


震える本能が高ぶり、野生を縛り付ける理性は全て消え去った。


彼女がたまらなく愛おしくなって抱き上げると、そのままベッドへと運ぶ。

「きゃっ」


モモは可愛らしい悲鳴をあげるが、その瞳には好奇を孕んでいた。


「嬉しそうだな、モモ?」


「愛する人との交わりを嫌と思う女はいないっすよ」


「照れるなら無理しなくてもいいんだぞ?」


「京さんが大胆になったから……」


そう言うとモモは真っ赤な顔をこちらに向ける。


その細く、小さな手は俺の股間に伸びていき、上から擦り始めた。


「……もう大きくなってるっすね 京さん?」


俺の返事も聞かず、モモはズボンを引っ張り下ろしていく。


ずりおちたトランクスも餌食になるのに数秒もかからない。


モモの目の前に俺の肉棒が現れた。

「ん……ちゅっ……ぷあっ」


モモはためらいもなく肉茎を口に含む。


「んんんぅ!」


モモは顔を突っ伏すように一身になめしゃぶっている。


まだ完全に勃起していない肉棒は簡単に根元まで飲み込まれてしまう。


口の中で舌でなめあげられる。


「モモっ……」


「ぅ、んふぅ……んくっ」


小さな鼻から熱い息が漏れる。


目を伏せて口いっぱいに肉棒を懸命に出し入れするモモの姿はとても扇情的だ。

「んっ、ふはぁ……京さん……とっても硬い。まだまだ大きくなるっすか……」


一度吐き出した肉棒の先をペロペロと舐めながらうっとりした表情になるモモ。


そんな彼女がたまらなく愛おしい。


「モモ!」


「ひゃぁ! もう……せっかちさん」


「それはどっちなんだか、な」


俺はモモの上着もろとも、下着まではだけさせた。


目に飛び込んでいるのは水色のブラ。それを外すと繊細な肌と桃色の突起が露わになる。


見るやいなや、すぐに飛び込み、乳房を吸い上げた。


「ぁあっ。もう子供みたいっすね……」


「俺が胸が好きなのは知ってるだろ? それに形もきれいだし」


モモの胸は膨らみがあって弾力があって、それでいて理想的な丘を描いている。


「あっ……あまり舐めちゃダメっ」


「ふーん。なら、こっちで相手してもらおうか」


乳首をこねくり回していた手をモモの下半身へとずらしていく。


すると、布の下がくちゅりと濡れていることに気がついた。

「エッチなモモはもう準備万端か」


「だ、だって、あんなの見せられたら……」


「本当にモモはエロイなぁ」


今度はズボン、ショーツと抜き取っていく。そして、細い脚を左右いっぱいに割り広げた。


「ぁ、ぁあ……。さ、流石に恥ずかしいっす……」


真ん中にぷっくりと切れ込みの入った肉裂だった。


すでにぐちょぐちょに濡れている。本当なら前戯も必要なんだけど、その必要はなさそうだ。


もう今すぐにでもこの猛った肉棒をモモの肉裂に突きこみたい。


その膣内に埋め込みたかった。

「モモ……わるい。色々としてあげたいんだけど……」


「う、うん。……入れて、いいっすよ。その……私も欲しい……っす」


かぁっと恥ずかしさが混じったモモは顔を手で覆う


ヌチュ……と肉棒を入口へとあてがった。


それだけでもう受け入れようと開いてくれる。


「じゃあ、いくぞ、モモ……」


「あっ……ぅう……ひうっ!!」


体重をかけて突き込んでいく。


多少の抵抗はあるものの、根元まで入りきった。赤い鮮血が漏れ出てくる。


「大丈夫か? モモ?」


「は、はい。初めてっすから……ちょっとビックリしちゃって……。でも、大丈夫っすから……ね? 続けてほしいっすよ」


手で顔を覆ったまま、そう言うモモ。


わずかに指と指のすき間から見える瞳が訴えてくる。

「わかった。……なら、もう遠慮しないからな!」


再びに肉棒に圧力をこめる。そして、一気に押し込んだ。


「ひゃ、ひゃうっ! ぁあああ!」


ズっ、ズチャ……! っと音が響く。


がっちりとモモの腰を掴みながら、肉棒を繰り出していく。


一度突いては引いて、また突き込む。一回ごとに少しずつ深くなっていく。


「ほら、入ってるぞ、モモ?」


「う、うん、入ってるのぉ! 京さんの……私の中に入ってる!」


モモの両足を抱え込む。


俺達の股間はぴったりと密着していて、全てが飲み込まれているのがよくわかる。

「そろそろ本格的に動かすけど、いいよな?」


コクコクと首を小さく盾に動かすモモ。


「激しくしていいっすから! 大丈夫っすから! もっともっと京さんを感じたい……!」


プツン。頭の中で何かが切れる音がした。


「……もう優しくなんて出来ないからな」


「あっ! ぅぅ……ひゃっん!!」


膣内へと肉棒が入り、リズミカルなピストンが始まる。


ズチュ、ズチャと蜜まみれの膣の音。それはモモの体の一部から発していた。


「(京さんの、太くて大きくてたまらないの! 変になっちゃうぅ!)」


膣の奥に肉棒が打ち込まれるたびに、新たな快感が湧き出してきて、モモの体を蝕んでいた。

「にゃっ、あう、ひぃぃう!?」


上下に腰を動かすたびに揺れる大きな乳。


俺はさらに攻めるように胸を両手で揉みしだいた。


むにりと柔らかく、押せば押し返してくる弾力もある形の整った乳房。


気が付けば虜になり、動きを止めることをしない。


「きょうさんぉっ! きょうさん……!」


「モモ、すごい締め付けっ……くう!」


胸を楽しんでいる間も激しいストロークでモモの膣をえぐっていく。


さっきまできつかった膣内を容赦なく叩き、突き上げると、軽いモモの体ごとずりあげる。


「あっ! はぅ、ぅ、ぁぁぁぁああん!」


反り返る背中。張り上げられる美乳がプルプルと震える。

「モモ、そろそろ俺……!」


「中で……!」


「えっ、でも……」


「中で出して! 受け止めるっすから!京さんの精子、全部! モモのここに射精して!」


「……わかった!」


一層、ピストンのスピードを上げる。全力で出すことだけを考えて。


そして。


「ぁっ!? き、きちゃうっす! しゅごいの、しゅごいのが……あ、あ、ぁぁぁあああっ!?」


ドスッと重々しい一撃はモモの膣奥に突き刺さり、白い炎を噴き上げた。


モモのお腹いっぱいに精液で染め上げ、ドクドクと刻み込むように注ぎ込んでいく。


「ぁぁぁぁぁああん! 出てる、出てるっす……。京さんの熱い精子。私の中、あなたでいっぱいなのぉ!」


ギュっと抱き着いてくるモモ。タラリと子宮から垂れる白濁。


荒い息づかい。汗とモモの匂いが混じりあい、自分たちが一心不乱に求め合ったことを認識させる。


俺も深くに肉棒を突き刺したままモモと共にベッドへと倒れこんだ。

「きょうさぁ……キス……して……」


トロンと垂れた瞳。口端から漏れ出ている透明の液体。


「おう……いくらでもしてやるよ」


「んっ」


抱き合ったまま顔を近づけ、唇を重ねる。


舌が侵入し、離れないように吸い付く。唾液をすすりあって鼻先も触れ合い、こすれ合う。


「チュ、ンっ……っはぁ……」


何度も、何度でも。


始まりのように、終わりなど無いように。


堕ちていく。


あぁ、堕ちていく。


胸に訪れる幸福感に。


人生で最も満たされた一瞬。彼女と共にいれることへの幸せ。


そして、ようやく気付いた。


依存していたのはモモだけじゃない。


俺もまたモモに依存していたのだと。



もう何もいらない。


モモ以外、何もいらない。

というわけで、今日はここまでー

明日、エピローグをちょこっと投下して完結っ! 感じになりそうです

あと、少しですのでお付き合い下さいませ。

じゃあ、ちょっと京キャプやってくる

おやすミョンファ

なんだ、座薬の人か

モモのドスケベボディは一度ハマると抜け出せない

>>276 座薬スレの人は松実館スレやってるよー。イッチは別人

>>277 イッチもハマりたい(迫真)

こんばんハオ

じゃ、ちょっとだけだけど、終わらせましょうか

あれから俺はモモと二人暮らしを始めた。


途中までだけど、一緒に学校に通う。だが、家を出る前にすることがある。


「行ってくるよ、モモ」


「行ってらっしゃい、京さん」


目を閉じてキスをする。


これで一日の元気を得る。


もちろん、母さんたちの許可も貰っているしバイトも始めた。


まだ慣れないけど幸せな生活を送っている。


部活も止めたが、すると咲も部活を止めた。


俺は毎日モモと帰宅しているのでわからないけど、噂によれば麻雀部に通っているみたいだ。


あいつも友達が出来て良かった、良かった。

『京さーん』


「モモ!」


休み時間になればモモとの通話を始める。


授業中はこれを楽しみにして乗りきっている感はあるな。


『今日は駅近くのスーパーでセールに寄るっすよ!』


「おう! 荷物持ちなら任せろ!」


『ふふっ、頼りにしてるっすよ、あなた』


「可愛い嫁さんに頼まれたら断れないな」


『えへへ~。じゃあ、またあとで』


「一時間後な」


そして、学校生活が終われば買い物をして一緒に帰る。


「ただいまー」


「ただいまっす!」


そして、二人で一緒に夕食を作り、舌鼓を打ち、風呂に入る。

「京さんの背中は大きいっすね~」


「これでも運動部所属だったからな」


「……ここも大きくしちゃって……」


「モモがそれを押し付けてくるからだろ!?」


「お風呂あがるまで我慢してくださいね?」


「な、生殺し……」


そうやって風呂に入ると、今日会った出来事を話す。


モモが不安にならないように携帯もチェックして余計なものは全て消す。


11時には寝室へ。


「京さんっ」


「可愛い奴め」


ベッドの上で抱き合いながら、口づけを交わす。


「今日も楽しませてあげるっすよ」


「今日もへばって、倒れるなよ?」


「が、頑張るっす!」


そして、毎日のように愛し合う。


周りから見れば狂っているように見えるのかもしれない。


だけど、そんなのは関係ない。


俺達に他者の存在は意味をなさない。


なぜなら、俺達の世界は――


「えへへっ。愛してるっすよ、京さん」


――二人で完結しているのだから。

カンっ!

約一か月間の間、たくさんの乙。ならびに感想をありがとうございました!

これにてこのスレは完結っす。

もう一個のぽんこつスレに集中していきたいと思います

京キャプも終わったら、次は長編書くかもなので、よかったらそっちの方もお願いします

本当にありがとうございましたー

おやすミョンファは言わないよ



おつ

なんか最後駆け足やな
普通ならまあそういうもんだと済ませるが、現行スレが終わってないうちに新スレ立ててるせいで、投げ出したのかと伺ってしまう

>>287 ごめんな。本当なら昨日の段階で終わらせるつもりやったのに変に区切ったからそう見えるのかも
   
   元々、はじめからこのENDです
   書く時は終わりから書くんや

   新スレもENDは決まっているんやでー

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