希「にこっちの…」 絵里「本命チョコ…!」 (46)

―――――――――――放課後、部室

希「にこっち!」バーン!

にこ「うぉお!?何よ希…びっくりしたぁ」

希「あんなあんな!お願いがあんねん!」

にこ「お願い?珍しい、言ってみなさいよ」

希「チョコちょーだい!チョコ!」

にこ「…ああ、バレンタインだものね。はいはい、ちょーっと待ってて…」ゴソゴソ

にこ「はい、これ。にこにー特製なんだからぁ、喜びなさいよね♪」キャルン

希「そういうんええわ。あとこれとちゃう」

にこ「ああ?違うって…」


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希「ふふふ…ウチは知っとるよ…」

にこ「な、なにがよ…」

希「にこっちのカバンの底の底…教科書で埋もれたチョコの存在を…!」

にこ「!?」ビックゥ!

希「もー!照れへんでええのに!それ本命やろ?今ここには二人しかいないんやで?もったいぶらずにほら!ギブミー!」

にこ「ちょっ、なんで知ってるのよ!べ、別に本命とかじゃないわよ!つーかだとしても希にあげるかどうかは…」

希「だ・か・ら、照れんでええってば!わかっとるわかっとる!雰囲気も確かに大切や。でもな、今一番大切なのは、そのチョコを、ウチに、渡す、ゆーことや!」ガシッ

にこ「照れてないしなんにもわかってないじゃない!こら、ふざけんな!離せ希ぃ!」ガシッ

希「うぎぎ…はよせんと…はよせんとあかんねん…!」

にこ「なにを焦ってるのか知らないけどっ…今あんたに渡すわけにはいかないのよぉっ…」

希「しゃらくさい!どうせウチ宛やろ…!」

にこ「に゛こ゛ぉ゛…」グヌヌ

??「あーら希、なーにをやってるのかしら?」

希「…!この声は!」パッ

にこ「うぎゃっ!?」バタン!

絵里「わ・た・し・の…にこに対して、いささか乱暴が過ぎるみたいじゃない?」

希「くっ…間に合わんかったか…」ギリッ

にこ「いてて…ちょっと希!急になんなのよ!…って絵里」

絵里「はぁいにこ!会いたかったわ!チョコレート頂戴!」

にこ「う、うん…」スッ

絵里「…ふむ」

にこ「…?」

絵里「確かにこのチョコレートにもにこの想いはかっ詰まってる…」

にこ「想いって…」

絵里「でも違う!私がほしいのは…にこ!」ビシッ

にこ「!」ビクッ

絵里「そのかばんの底にある本命よ!」バーン!

にこ「な、なんで絵里までこれのこと知ってるにこぉ…」

希「そうはいかん!先に約束したのはウチや!えりちとちゃうもん!」

にこ「約束なんてしてないけど…」

絵里「違うって言ってるわよ?希は強引だから…さぞにこを困らせたでしょうね」

にこ「困ってるなうなんですけどぉ…」

希「ふふ…えりちも困らせてるみたいやで?えりちこそエゴの塊!悪の根源!ポンコツーチカ!」

絵里「なっ、ポンコツーチカってなによ!恋は盲目なの!自分勝手になるものなの!エゴイスト上等よ!このスピリチュアルキャラ!」

希「あー!キャラ言ったな!ロシアかぶれだってキャラ作りのくせに!」

絵里「言わせておけば…!」

希「えりちだってロシア語ハラショーしか言わへんやん!亜里沙ちゃんにおかし思われとるで!」

絵里「あ、亜里沙は関係ないでしょ!だいたいハラショー以外も知ってるわよ!」

希「へー!?ほな言うてみ!何を知っとるんや!ネイティブなロシア語言うてみいや!」

絵里「うぐ…そ、それは…」

希「ほら見たことか!やーいやーいエセロシア!」

絵里「なによぉ!希だって関西弁テキトーじゃない!」

希「てっ、適当ちゃうわ!バリバリ関西弁やもん!」

絵里「へーそう!じゃあ両親との会話の録音みんなに聞かせてもいいんだ!標準語のかわいいのんたん見せてもいいんだ!」

希「そっ、それは卑怯とちゃうか!ダメダメ、絶対ダメダメマイダーリンや!」

絵里「名作同人誌のタイトルなんか言ったって騙されないわよ!私はのぞえりじゃなくてにこえり派だものねぇー!」

希「そんな言うたらウチだってにこのぞ派やもんねぇー!硝子の花園とかあほちゃうか!餃子の匂いするっちゅうねん!」

絵里「…」ハァ…ハァ…

希「…」ハァ…ハァ…

希「…」

希「ごめん、えりち。どうかしとったわ…」スッ

絵里「…」

絵里「こっちこそ、いろいろ言ったの、ごめんなさい。ついヒートアップして言い過ぎたわ…」ガシッ

希「うん…でもな」

絵里「?」

希「にこっちの本命チョコはウチのやで?」ニッコリ

絵里「あら、それは違うわね。私のよ」ニッコリ

絵里「じゃあ、こうしましょう…にこにふさわしいのはどっちか選んでもらう」

希「望むところやん。まぁ9割9分9厘ウチやけど」

絵里「ふん、100%私よ。揺るがないわ」

希「…」ニヤリ

絵里「…」ニッ

絵里・希「「さぁ、にこ(っち)! どっちを…」」

絵里・希「「っていないし!!!!!!!」」ズコー!

――――――屋上

にこ「はぁ…なんか変な言い争いが始まったから、うまく逃げれたわね…」

にこ「にしても、あいつらなんでこれのことを…」スッ

にこ「…っていうか、これ、今日中に渡さなきゃだし…」

にこ「でもあいつらがあんなだと…渡し辛いったらありゃしないわね…」

にこ「…」ハァ…

ヴーヴヴッ!

にこ「ん、携帯…」スッ

にこ「…穂乃果からか。『にこちゃん以外は部室にいるよ?どこいるのー><』…」

にこ「…」

にこ「いま、行く、っと」

にこ「はぁ…まぁみんないればおとなしいでしょ、あいつらも」

にこ「…問題はこれをいつ渡すか…」

にこ「…」

にこ「あーあっ♪にこにーは人気者すぎて困っちゃうなー♪」

にこ「…」

にこ「はよ行こ…」スタスタ

―――――――――再び、部室

穂乃果「にこちゃん遅いよーっ!」プクーッ

にこ「悪かったわよ」

海未「珍しいですね、にこが遅いなんて」

ことり「何かあったの?」

にこ「別にそういうわけじゃないけど…」チラッ

絵里「?」ニコニコ

希「?」ニコニコ

にこ「…」ハァ

ことり・海未「「?」」

花陽「にこちゃん、これ。みんなにはもう配ったから。にこちゃんの分」ハイ

にこ「ん。ありがと、花陽。美味しそうなチョコね」

凛「凛のもあるよー!にこちゃんにあげるにゃー!」ポイッ

にこ「凛…作ったの?」

凛「うん!かよちんと一緒にねー!」

にこ「それなら大丈夫そうね!」

凛「あっ、失礼だにゃー!」

にこ「冗談よ、ありがと」ナデナデ

凛「~♪」

真姫「…」

にこ「…あれ?あれれぇ~?」

真姫「…ナニヨ」

にこ「真姫ちゃんはぁ~チョコとかないのかな~?」キャルン

真姫「う…あ、アルケド…」

にこ「えぇ~?じゃあにこもほしいなぁ!真姫ちゃんのチョ・コ♪」

真姫「~~~~!」

真姫「はい!これ!」グイッ!

にこ「おっ…と!」パシッ

真姫「べ、別ににこちゃんのために作ったわけじゃなくて!みんなに作っただけだから!勘違いしないでよね!」クルクル

凛(本当にそうなのに…)

花陽(ツンデレにしか聞こえないなぁ…)

真姫「ちょっと凛!花陽!その顔はなによ!」

花陽「ええっ!?何でもないよぉ」

凛「右に同じにゃー」

真姫「まったく…」ブツブツ…

穂乃果「にこちゃん!」

にこ「うわっ!?急に大声出さないでよ!びっくりするじゃない!」

穂乃果「ごめんごめん…はい、ハッピーバレンタイン♪」スッ

にこ「ありがと…ってこれ、ポッキー?」

穂乃果「うん!海未ちゃんとことりちゃんと三人で作ったんだ!」

にこ「へぇー…作れるのねこれ…」

ことり「ビスケットを細長く焼いて、チョコにつけたんだ♪大変だったけど、上手にできました!」フンス

海未「ことりに頼りっきりでしたけど…なんとか人数分作りました。きっと美味しいですよ」クスッ

にこ「すごいわね…あ、これ穂乃果のでしょ。他のより太いわよ」

穂乃果「えー?…あ、それは海未ちゃんのだよ!」

にこ「へ?ふーん…」チラッ

海未「なんですか!お菓子作りは慣れてないんですっ!」プイッ

にこ「はぁ…あんたはほんっっっっとに…かわいいわね」

海未「かっ、からかうのはやめてください!急に何を…!」

ことり「わかるよにこちゃん!海未ちゃんはかわいいよね!」チュンチュン

穂乃果「うんうん!にこちゃんもわかってるね!」

海未「穂乃果ぁ…ことりぃ…」

にこ「ふふっ…仲睦まじいわねぇ」

にこ「…で」

希「待ってました!」ガタッ

絵里「とうとう出番ね!」ガタタッ

にこ「う…嫌な予感…」

希「にこっちにはぁ、特別なウチの愛の形を…」モジモジ

絵里「だまらっしゃい!にこには私の想いの丈が入りすぎた特製チョコを…」モジモジ

にこ「だぁっ!貰ってやるから普通に渡さんかい!」

希「ちぇっ、にこっちのいけず~」

絵里「ぶーぶー」

にこ「やかましいわ!」

希「…じゃあはい、これ」スッ

にこ「ん…希にしては、何というか…ずいぶん普通ね」

希「見た目はそうかもやけど…気合入りまくっとるんよ?」

にこ「…そ」

絵里「私のも、はい」スッ

にこ「絵里…のも…そんな変なところはなさそう…」マジマジ

絵里「当たり前じゃない!変なものをにこに渡すわけないでしょ?」

にこ「…2人とも、ありがと」ボソッ

希「にへへー」

絵里「どういたしましてっ!」ニカッ!

にこ「…」

にこ「さー!みんなににこにーの特製チョコレートをお返しするにこっ!ありがたく受け取りなさい!」

ズガタカイニャー ヌワンデヨッ! モラッテアゲルカラハヤクダシテヨ グヌヌ…

ワイワイガヤガヤ

絵里「…あっ」

希「…んぁっ」

絵里「あ!にこ!私があげたのは家で食べて!」

希「ああっ!ウチのもや!ウチのも!」

ワイワイガヤガヤ…

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穂乃果「はー…今日はこれでおしまいにしない?」

海未「食べるだけ食べて…と言いたいところですが、時間が時間ですしね」

ことり「おいしかった~みんなのチョコ!」

花陽「うん!でも運動しないと…」ハワワ…

凛「じゃあ走って帰る?」

真姫「ヴェェ…それは遠慮したいわね…」クルクル

絵里「…希」コソッ

希「…なんや、えりち」コソッ

絵里「にこの本命チョコ、誰かにあげたのかしら」

希「いや、ウチの見とる限りでは誰にも…」

絵里「…ってことは、この後…?」

希「その可能性は大いにアリや…」

絵里「…」

希「…」

穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃん!帰るよー!」

絵里「えっ、ええ!私と希はちょっと話があるから、先に帰ってていいわよ!」

穂乃果「そう?じゃあまた明日ねー」

希「ほななー」フリフリ

穂乃果「うん!」ブンブン

絵里「…行ったわね」

希「行ったな」

にこ「まだいるわよ」

絵里「ひえっ!?」

希「に、にこっち!?」ビックゥ!

にこ「…そんなに驚かなくても、ずっとここにいたわよ」

絵里「そ、そう…」

にこ「…」

希「…?にこっち?」

にこ「…あの、さ」

絵里「?」

にこ「ちょっと2人に…その…」

にこ「…」モジモジ

希「…!」キュピーン

絵里「…!」キュピーン

希(これは…)

にこ「ぅ…」カァッ

絵里(もしかして…)

にこ「…」モジモジ

希・絵里((告白っ…!))

希(やっぱりあの本命チョコはウチのためのもんやったんやな!にこっちったらもう…)モンモン

絵里(そんなもったいぶって…かわいいわねにこは!抱きしめちゃいたいわ!)モンモン

にこ「~~~~~!!」

にこ「これっ!」ババッ

希「!」

絵里「…え?!」

にこ「ふっ、2人に…にこから、チョコレート…」

希「ウチとえりちに…」

絵里「1つずつ…?」

にこ「そうよ!あ、ありがたく思いなさいよね!」マッカッカ

希(…これは)

絵里(いったい…)

希(…見た目は同じ、割と大きい)

絵里(きれいにラッピングされてる…)

ハッ!

希(…だとしたらっ!)

絵里(…もしやっ!)

希「…」

希「…」ペリペリ

にこ「!」

絵里「…」

絵里「…」ペリペリ

にこ「ちょ、ここで開けるなっ!家で!家で開けて!」

希「それは無理やな」ガサガサ

絵里「ええ…これはあれだものね…」ガサガサ

にこ「あれ…?」

希「そう…」

希・絵里「「どっちかが本命で外見はカモフラージュのパターン!」」

にこ「へ?へ?」

絵里「悪いわね希ィ…敗北する前に言いたいことがあったら聞いてあげるわよ…」ガサッ

希「それはウチのセリフや…えりちこそ泣いても知らんで…」ガサッ

にこ「ちょっ!待っ…!」

絵里「…!」キラン

希「…!」キラッ

絵里・希「「せーのっ!」」

バッ!!!!!

絵里「…え」

希「…これは」

にこ「ああぁぁあああぁ…」カァッ











希 絵里 にこ 仲良し三年生!









希「…にこっち」

絵里「…にこ」

にこ「っ…」

にこ「だから嫌だったのにぃ…」マッカッカ

希「…」フルフル

絵里「…」ワナワナ

にこ「…っ!?」

希「にこっちぃ!にこっちにこっちにこっちぃいぃぃいいい!!!」ガバッ!

絵里「にこー!!!!にこにこにこにこにこにこーーー!!!!!」ガバッ!

にこ「わぷっ!?」

希「うわーん!ウチも!ウチも仲良しや思ってるからぁ~」グスグス

にこ「希!?なに泣いてんのよ!落ち着きなさい!」

絵里「にこぉ~!私…わたしぃ~」エグエグ

にこ「絵里まで!勘弁してよもう!」

絵里「ごめんなさいぃ~!昔目の敵にしてごめんなさいぃ~!」ボロボロ

にこ「いつの話よ!?刹那で忘れたわそんなの!」

希「にこっちぃ~!見守るしか出来んくてごめんなぁ~!ウチカッコつけてたかもしれん~!」ポロポロ

にこ「知らないわよ!希はできることしてただけでしょ!?」

絵里「うえーん!にこ大好きぃ~…」ギュッ…グスグス

希「ウチも…ウチも!うわーん!」ギュッ…グスグス

にこ「…」

にこ「…」ハァ

にこ「…」

にこ「しょーがないわね…」ポン…

ウアアアアアアアン!ビェエェエエエエエエエエエ!

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にこ「ただいまぁ~」ガチャッ

にこ「はぁ…結局泣き止むまで30分もかかって…」

にこ「…」

にこ「…ま、いっか」

にこ「さて、カバン置いてごはん作らなきゃ…」

にこ「…」

にこ「あ、そういえばあの2人のチョコ、どんなのかしら」

にこ「気になるし、見るだけ見てみましょ…」ゴソゴソ

パカッ

にこ「…」

にこ「…ふふっ、メッセージカードか…」

にこ「なによ…あいつら」

にこ「考えることは一緒じゃない…」

にこ「…」

にこ「しょーがないやつらね…まったく…」

ニコニー!

にこ「…はいはーい!今行くにこー!」パタパタ






にこへ

私たちずっと 三年生三人組! 絵里




にこっちへ

ウチらナカヨシ三年生!むかうところ敵なし!やで! 希



終わり

バレンタイン間に合った気がする!

恋は儚いけど友情は不滅みたいな?

お粗末様でした。

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