男「」ﾊｧﾊｧ

男の娘「」ﾊｧﾊｧ

男の娘「……うん。説明不足だったねゴメンね？」

男「言うな、何も言うな」ｸﾞｽﾝ

男の娘「『友チョコ』なんだよ、全部。ボクへの本命チョコなんて一個もないんだよ」

男「でも貰ってるじゃん」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ

男の娘「義理チョコでもないんだよ？」

男「義理チョコさえ無かった俺はどうしろと」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ

男の娘「……男のボクへのチョコじゃないんだもん」ｼｮﾎﾞﾝ

男「……ん？」

男の娘「……ボクだって、欲しいよ、本命チョコ」

男「男の娘……」

男の娘「『男の娘クンって女の子にしか思えない』って笑われながら友チョコ貰うの、正直ちょっと辛いよ」ﾊｧ

男「……うん」

男の娘「もしかしたら、そんな言葉に『本命』隠してる女の子もいるかもしれないけど……」

男「」ｸﾞﾇﾇ……

男の娘「だったら、ちゃんと言って欲しいよ……」

男「……でもさ」

男の娘「なぁに？」ｸﾋﾞｶｼｹﾞ

男「そのチョコ、全部本命なんだろな」

男の娘「……なにそれ？」ｷｮﾄﾝ

男「男の娘はさ。その、なんだ。見た目女子っぽいし優しいから、女子が側に居やすいんだよ、きっと」

男の娘「……うん」ｺｸﾘ

男「話しやすくて、一緒にいやすくてさ。多分、見た目普通の男子よりハードル下がってんだろ」

男の娘「うん」

男「女子は男の娘と、沢山話するんだろ？」

男の娘「多分……普通の男子よりは」

男「話して打ち解けて、気がつけば一番身近にいた男子は男の娘ってことだろ」