ミリマス日本昔ばなし「ロコ太郎」 (22)

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

美奈子「わっほ~い!おじいさんですよ~」

ひなた「おばあさんだよ~」

おじいさんは山へ柴刈りに……は行かずに小さいながらもそれなりに繁盛している中華料理店を切り盛りし、

おばあさんはそんなおじいさんのお店を手伝ったり、家の仕事をしたりして仲良く暮らしていました。


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ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川上から大きなロコアートがロコナイズロコナイズと流れてきました。

ひなた「あれまぁ、川にものを捨てるだなんてひどいことする人もいるんだねぇ……」

そう言っておばあさんはそのゴm……ロコアートを処分するために家に持って帰ることにしました。

おじいさんのお店の営業も終わり、ふたりでゴミの分別をしていると……、

ロコ「ベイビーかと思いました?残念、ロコでした!!」ジャーン!

なんと、中からかわいい女の子が生まれてきたではありませんか。

ひなた「うわぁ、こんなにかわいい子が生まれてくるなんてびっくりだねぇ」

美奈子「そうだ!この子うちで育てちゃいましょう!」

ひなた「それがいいねぇ。美奈子さ……おじいさんはどんな子に育ってほしいんだべか?」

美奈子「そうだなぁ、うちで出す満漢全席を残さず食べてくれるような子がいいなあ」

ひなた「そ、そうかい……」

おばあさんは内心そんな人この世にいないだろうなあと思いました。

美奈子「ひなたちゃ……じゃなくておばあさんはどうですか?」

ひなた「あたし?そうだねぇ……、平凡でもいいから人としての道をしっかり歩んでくれる子になってほしいなぁ」

女の子はそう願いを込めて『路子』と名付けられました。

おじいさんとおばあさんの愛情(という名のカロリー)を一身に受けたロコ太郎はスクスクと育ち、

あっという間に平均的な15歳より少々小柄な女の子に成長しました。

そんなある日、ロコ太郎はおじいさんとおばあさんに向かってこう言いました。

ロコ「シティでは悪いオーガが財宝や食べ物をセフトしているという情報をシェアしました!」

ロコ「ロコはそんなオーガをパニッシュするために旅に出ようと思います!」

ロコ太郎の突然の宣言に2人はたいそう驚きましたが、

美奈子「そっか、ロコちゃんがそう決めたんなら私たちは何も言わないよ」

ひなた「でも無理はいけないよ。私たちにできることがあったら何でも手伝うからねぇ」

ロコ太郎の固い決意を見て、協力を申し出てくれました。

ロコ「ふたりとも気遣いサンキューです!早速ですがおばあさんにお願いがあります」

ひなた「なんだい?」

ロコ「ハングリーではバトルは出来ぬです。おばあさんにはロコの為にきび団子を作ってほしいのです」

美奈子「胡麻団子だね!ちゃちゃっと作っちゃうから少し待っててね!」

ロコ「…………今のはおばあさんに言ったのですが……、まあいいや」

ひなた「あのう、あたしは何をすれば……」オロオロ

ロコ「えーっと、それじゃあおばあさんはロコの為にバトルコスチュームを用意してください」

ひなた「おめかしだね、ロコちゃんがかわいくなるように精いっぱい頑張るよぉ」

こうしておばあさんセレクトの全身コーデに身を包んだロコ太郎は、おじいさんお手製の胡麻団子(30人前)の入った風呂敷を抱え、

そして『日本一の人気者(アイドルマスター)』と書かれた旗を手に旅立っていきました。

しばらく歩いていると、前方から犬と猿と雉がやってきました。

可奈「ロ~コたろさんロコたろさ~ん♪」

亜美「今ならお団子をくれると亜美たちが仲間になっちゃうっぽいよ~」

海美「でも今私たちお腹すいてるから1個だけじゃ物足りないかなー?」

ロコ「本当ですか?!実はおじいさんの胡麻団子がまだたくさん残ってて……一緒に食べてくれると助かります!」

海美「……やっぱり1個ずつでいいカナー?」

こうして3人はロコ太郎のお供になりました。

途中犬がシャツを裏返しに着ていたり、猿のイタズラに引っかかったり、雉が船を使わず泳いで海渡るとか言い出したりもしましたが、

ロコ太郎一行はなんとか鬼ヶ島まで辿り着きました。

ロコ「いいですか3人とも!まずロコがみんなにオーガに勝つためのオペレーションを伝授します!」

ロコ「まずカナは思いっきりバークしてオーガたちを怯ませてください!」

ロコ「次にアミはオーガたちを自慢のネイルでスクラッチしてやっつけてください!」

ロコ「ウミは辺りオーバールックしてロコたちオーガたちのムーブメントをティーチしてください!」

ロコ「ライフはインポータンスです!決して無理せずサポートしあってオーガをパニッシュしましょう!」

3人「……?」

ロコ太郎の作戦は3人にはいまいち伝わりませんでした。

連携の取れないロコ太郎たちはあっという間に鬼に捕まってしまいました。

可奈「あわわ、やられちゃいました~……」

亜美「ぐぬぬ、無念なり~」

海美「とほほ~情けない~」

そこに鬼の大将がやってきて何やら部下たちと話をしています。どうやら誰から食べるかを話し合っているようです。

海美「あれあれ?これってマズくない?」

亜美「やばいよ~!これってゼッタイゼツミョーのピンチってやつだよ~!」

可奈「うわーんお父さんーお母さんー!」

鬼の大将がロコ太郎を指さしました。どうやら食べる順番が決まったようです。

ロコ「ひっ!?ロコですかー!?」

縄で縛られ動けなくなったロコ太郎に鬼の大将が近付いていきます。

ロコ「う、うわ~ん!ロコは食べても全然デリシャスじゃないです~!誰か~ヘルプミ~!」

鬼の大将のスラリとした手がロコ太郎に伸び……るかと思いきや、ロコ太郎の抱えていた風呂敷を掴みました。

ロコ「……へっ?」

貴音「このなんとも言えぬ芳ばしい香り……中に入っているのは胡麻団子ですね?」

ロコ「そ、そうですけれど……」

貴音「ひとつ、頂きますね」

そう言って鬼の大将は胡麻団子をひとつ摘まむと口の中に放り込みました。

貴音「……この口の中に広がる胡麻の香ばしい味わい、そしてモチとした食感……誠に美味です。……ロコ太郎と言いましたね」

ロコ「ひゃ、ひゃい!」

貴音「お代わりを所望します」

鬼の大将は20人前以上はあった胡麻団子をぺろりと平らげました。

貴音「ご馳走様でした、誠に良い食事でした。お礼に皆を解放させましょう」

そう言うと鬼の大将は部下に指示をして4人の縄を解かせ、更に海の向こうの海岸まで連れて行ってくれました。

貴音「それにしてもあの胡麻団子は誠に美味でした。本当ならばもっと頂きたかったのですが……」

ロコ「すみません、ロコたちが持っていたお団子はあれが最後で……」

貴音「それは残念です……」

鬼の大将は少し寂しそうに言いました。

貴音「それではみなさん、ごきげんよう」

4人を見送った鬼の大将はそう言って立ち去ろうとしました。

ロコ「あ、あの……」

ロコ太郎が鬼の大将を呼び止めます。

貴音「なにか?」

ロコ「もしよかったらロコたちと一緒に来ませんか……?」

それからしばらくして、ロコ太郎一行はおじいさんとおばあさんの元へと戻ってきました。

美奈子「ロコちゃんおかえり~……ってそちらの方は」

ロコ「こちらはえーっと……」

貴音「はじめまして、四条貴音と申します。ここに来ればおじいさんの手料理を食べられると聞いて遥々鬼ヶ島からやって来ました」

ひなた「てことはこの人が例の鬼さんかい?えらいべっぴんさんだねぇ」

美奈子「そんな遠いところからわざわざ来てくれるだなんて嬉しいなー。よーし、腕によりをかけて満漢全席作っちゃうからね~」

貴音「満漢全席……!素晴らしいです、是非お願いします」

美奈子「おっ貴音ちゃんいけるね~。シメにラーメンとかもいっちゃう?」

貴音「らぁめん……!なんとも甘美な響きです……!」

こうして意気投合したふたりは店の中へと消えていきました。

P「……その後、鬼の大将というヘビーユーザーを得たおじいさんのお店は大盛況」

P「あの鬼の大将が足繁く通う店と口コミで評判になり、あっという間に押しも押されぬ超人気店となりました」

P「そして暇になったロコ太郎と犬・猿・雉、そしておじいさんのお店での食事代のほしい鬼の大将はおばあさんの勧めでアイドルユニットを結成」

P「おじいさんお店で曲を披露したところ大好評、その名は都にまで轟き名実ともにアイドルマスターとなり」

P「おじいさん、おばあさんとともに末永く幸せに暮らしましたとさ……めでたしめでたし」

ロコ「どうですか?ロコのクリエイトしたニューウェーブなおとぎ話は?是非シアターでの公演を……」

P「却下」

ロコ「あれー?」


以上です

ありがとうございましたー

おじいさんが濃い昔話とは斬新
乙でした

>>1
佐竹美奈子(18) Da
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木下ひなた(14) Vo
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>>2
ロコ(15) Vi
http://i.imgur.com/mNtOIvh.jpg
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>>6
矢吹可奈(14) Vo
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双海亜美(13) Vi
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高坂海美(16) Da
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>>9
四条貴音(18) Vo
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