野崎「いよいよバレンタインデーか……」 (20)

野崎「去年はネタを探すためにあちこち走り回ってたな……お陰で途中でバテかけてしまった」

野崎「今年はそういうのが起こらないように事前に準備をしないとな……」

野崎「……そうだ」











野崎「若松!! あと5周だ!!」タッタッ

若松「は、はい!!」タッタッ

若松(野崎先輩が俺の練習に付き合ってくれるなんて……もしかしてバスケ部に帰ってくるのかな?)

野崎(バレンタインデー当日はあちこち走るから長距離でも保てるように走る練習をしておかないとな……)

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バレンタインデー当日

御子柴「バレンタインか……いつも誕生日と一緒にされるんだよな」

佐倉「みこりんおはよう!!」

御子柴「……おー佐倉か、おーっす」

御子柴(……こいつのことだから知らねえと思うけど……)

御子柴「……なぁ佐倉、今日は誰の誕生日か知ってるか?」

佐倉「勿論!! 当たり前でしょ!? 忘れるわけないよ!!」

御子柴「!!」

御子柴(も、もしかして……覚えてくれてたのか!?)

佐倉「マミコのクラスの担任の先生の誕生日だよね!!」

御子柴「寧ろよくそっち覚えてたな!!」

佐倉「ご、ごめん……みこりんの誕生日だとは知らなくて……」

御子柴「お、おう……なんとなく聞いただけだし……別に気にしなくてもいいぜ」

女「御子柴くーん!! 誕生日おめでとーー!!」

御子柴「!!」

女「私のチョコレートあげるーー!!」

女「私の誕生日プレゼント受け取ってーー!!」

佐倉「みこりんモテモテだなぁ……」

御子柴「……おいおい、こんなチョコレートじゃ納得しねえよ」

女「えっ?」

御子柴「俺は欲しいのは……お前らという名のチョコレートだぜ☆」

サッサッサッサッ!!

女「見て!! 御子柴くんが物凄い勢いで私達のチョコレートを受け取ってる!!」

女「いっぱい持ちすぎて顔が見えないわ!!」

佐倉(チョコレートで赤面隠してるんだろうなぁ……)

女「若松くん!! これあげる!!」

若松「あ、ありがとう!!」

若松(そういえば今日はバレンタインだったな……)

若松(……瀬尾先輩ほどバレンタインが似合う人もなかなかいないよなぁ)

瀬尾「よー若!! はいこれ、バレンタイン!!」

若松「!!!!?」

瀬尾「お? どうした? 感動してんの?」

若松「……すいません、貴女は瀬尾先輩ですか?」

瀬尾「お前目見えねえの?」

若松「せ、瀬尾先輩がくれるなんて……」

瀬尾「早く開けてみなよ」

若松「は、はい!!」

若松(先輩もこの一年で……変わったんだなぁ……)

パカッ

若松「こ、これは!!」

『馬鹿』

瀬尾「わーい引っかかったー」

若松(信用した俺が馬鹿だった……!!)

瀬尾「冗談、はい」

若松「最初から普通に渡してくださいよ!!」

鹿島「今年は堀先輩のためにお店のチョコに見せかけた手作りチョコを三つも作っちゃった!! 早速あげよっと!!」










鹿島「堀先輩!! チョコレートどうぞ!!」

堀「おう、サンキューな」

鹿島「……あげません」サッ

堀「は? なんだよ急に」

鹿島「先輩……素直になりましょう」

堀「いや、なんの話だよ……」

鹿島「ヒロイン役やるって言ってくれたらあげますよ!!」

堀「じゃあいらねぇ」

鹿島「えっ!? ま、待ってください!! だったらスカートもあげますから!! 卒業前に一回でも先輩の願いを叶えさせてあげたいんです!!」

堀「いらねぇしやりてえなんて言ってねぇよ!!」

タッタッタッ……

堀「ん? 誰か来たな」

女「鹿島くーん!! 私、チョコ作ったの!!」

鹿島「本当!?」

女「これ……受け取ってもらえるかな?」

鹿島「……勿論だよ。 この手作りチョコを君が僕に対する気持ちだと思って……じっくり味わうことにするよ」

女「鹿島くん……///」

堀「待て、受け取るな」

女「えっ?」

鹿島「ほ、堀先輩?」

堀「鹿島、お前ならもっと感情を込めれるはずだ。 あともう2センチ近くてもいいな。 もう一回だ」

鹿島「ここで演技指導ですか!?」

佐倉「早くこれを……野崎くんにあげなきゃ!!」

佐倉「だって……今日しかないもん!!」

野崎「……」スタスタ

佐倉(いた!!)

佐倉「の、野崎くん!!」

野崎「! 佐倉か……」

佐倉(渡さなきゃ!!)

佐倉「こ、これ! どうぞ!!」

野崎「!! こ、これは……」

佐倉「さっき学校の裏でチョコをもらって告白されてる子がいたからその二人の会話メモしといたの!!」

野崎「ありがとう佐倉!!」

「おい!! 橋口がまたチョコもらったぞ!!」

「井上が太田にチョコ渡したぞーーーー!!!」

野崎「はぁ……はぁ……」

佐倉「バレンタインに走り回ってるのって私達ぐらいだよね……」

野崎「そうだな……」

佐倉(……そうだ!! 渡すの忘れてた!!)

佐倉「の、野崎くん!! これ!」

野崎「!! これは……」

佐倉「チョコレート!!」

野崎「佐倉……」

佐倉「え、ええとね……これは……その……」

野崎「いかにもマミコが作りそうなチョコレートだが……資料用に作ってくれたのか?」

佐倉「そ、そうなの!! よかったら使って!!」

野崎「ありがとう佐倉!!」

佐倉(なんで私は正直に言わないの!!!)

小林「おいまーくん!! なんで今日学校来ねえんだよ!! 風邪ひいたのか!?」

真由『……今日はサボる』

小林「はぁ!? サボる!? バレンタインにか!?」

小林「……あ!! さてはお前、バレンタインにチョコもらえないのが怖くて学校行かないんだな!?」

真由『……』

小林「心配すんなって!! 男の俺から見ても十分イケメンだっての!!」

真由『もらったらホワイトデーにお返ししないといけなくなるから行かない』

小林「おい」

女「ねえねえ!! 夢子は誰にあげるの!?」

夢子「私? 私は真由くんとお兄ちゃんだけだよ」

女「えーー!? 好きな人とかいないのーー!?」

夢子「うーん……いないなぁ……」

夢子「あーあー……こういう時に夢野先生が男の人だったらなー」











野崎「ハクション!!」

佐倉「野崎くん大丈夫!? 風邪!?」

遼介(今日はバレンタイン……もしかしたら都からチョコがもらえるかもしれねぇ)

都「遼介くん……これ……いる?」

遼介「!!!」

遼介(き、来た!!!)

都「その……いらなかったらいらないって言って欲しいんだけど……」

遼介「い、言うわけねぇだろ!! もらうぜ!!」

都「本当!? ありがとう!!」

遼介(ふっ……やっぱあの高校生より俺の方が好きだったというわけか……)

都「じゃあこれ!! タヌキの人形!! 知り合いからもらいすぎて置く場所がなかったの!!」

遼介「」

「前野さん!! チョコどうぞ!!」

前野「うわーー!! ありがとう!!」

宮前「金山さん……前野さんチョコ沢山もらってますね」

金山「そっか……宮前さん知らないんでしたっけ」

宮前「?」

金山「前野さん、『チョコは宮前くんが太る原因になっちゃうから宮前くんの分も僕がもらう』って……」

宮前「お前だよ原因は」

野崎「今年のバレンタインもいっぱいネタが手に入ったな」

佐倉「そうだね!!」

野崎「佐倉……この後は時間あるか?」

佐倉「えっと……アシスタント?」

野崎「違う……お前に食べてほしいものがあるんだ」

佐倉「えっと……夕飯が残ってるの?」

野崎「違う」

佐倉「!!!」

佐倉(も、もしかして……一足早いホワイトデー!!?)


















野崎「御子柴がチョコをもらいすぎてな……」パクパク

御子柴「わりい……俺一人じゃ食べきれなくてよ……」パクパク

佐倉(私の馬鹿……そんなわけないじゃん!! そんなわけないじゃん!!)パクパク

〜終わり〜

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