西垣「空を飛びたくはないか……?」 (9)

櫻子「え……?」

櫻子「そりゃ、飛んでみたいですけど……」

西垣「以前私も構想を練ったことがあるんだが、自宅が半壊してしまってな……」

西垣「まあいろいろあってその時はやめにしたんだが、今度鳥人間コンテストが開催されることになってな」

櫻子「コンテストってことは、勝ったら何かもらえるんですか?」

西垣「勘が鋭いな 聞いて驚け……優勝賞金は、500万だ」

櫻子「ご、ごひゃくまん……! ピザ何枚たべれるかなぁ」

西垣「そうだな、だいたい2000枚くらいになるんじゃないか?」

櫻子「うわー……///」じゅるり

櫻子「で、何でその話を私に?」

西垣「うむ その鳥人間コンテストに 大室、お前に出てほしいんだ」


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櫻子「ええぇーー!?」

櫻子「でもどうして私が?」

西垣「まず、空を飛ぶためには……どうあるべきか分かるか?」

櫻子「うーん……羽がついてること?」

西垣「まあ、それもそうなんだが……とにかく軽くあるべきなんだ」

西垣「大室、お前は身長も低く軽い上にどちらかというと筋肉質だ」

櫻子「と、いうと?」

西垣「おいおい、ここまできて私に言わせる気か?」

西垣「……まあいい、私の知っている中でお前が1番の適任なんだ、大室」

櫻子「私が……1番……!」ぱぁっ

西垣「どうだ、やってみないか? 」

櫻子「うーん、どうしよっかな……」

西垣「優勝すれば500万だぞ……!」ぼそっ

櫻子「!!」じゅるり

櫻子「やりますやります! ピザ!」

西垣「よし、決まりだな」

櫻子「そうだ、この計画に何か名前つけましょーよ!」

西垣「そうだな……プロジェクトT なんてのはどうだ?」

櫻子(……どこかで聞いたことあるような……でも)

櫻子「いいっすね!かっこいー!」

西垣「だろう?」どやっ

西垣「よし、そうと決まればさっそくトレーニングの準備を……」

櫻子「トレーニング……?」

西垣「そうだ、今日はもう時間がないが、明日から放課後は私が考えた厳しいトレーニングメニューで体重をギリギリまで減らす」

櫻子「えーっ!? そんなの聞いてないよー! やだー!」

西垣「いくら軽くても今のお前じゃ到底飛べない 私の計算じゃさらに体重を5キロほど落とす必要がある」

櫻子「5キロ?!」

西垣「いいか大室 本物の鳥は骨の中まで空洞になっている そこまで軽量化しないと飛ぶことはできないんだ」

櫻子「おお鳥よ……今まで君たちのことをばかにしていたよ……」

西垣「努力なしに空を飛ぶことなんてできないんだ」

西垣「あ、ピザがほしくないんなら別にやめてもいいんだがな、ああ残念だ、大室にもピザ分けてやろうと思ったのになぁ」

櫻子「や、やだなぁ先生ー! やめるなんてひとことも言ってないじゃないですかー!」あせあせ

西垣「じゃあしっかりトレーニングもするな?」

櫻子「……はい」

西垣「よしよし」

西垣(食べ物は大室には効果てきめん……と)

西垣「じゃあ帰る前にちょっとこの機械のなかに入ってくれるか?」がしゃーん

櫻子「なにこれ」

西垣「身体のデータを余すところなく計測するマシン YRスキャン-V2だ」

西垣「これで大室の身体のデータをとる」

櫻子「……爆発しないですよね」

西垣「大丈夫だ、心配するな ほらさっさと入ってくれ」

西垣「あんまり動かないでくれよ」

櫻子「OKです」

西垣「閉めるぞー?」ばたん

ウィーン ピロロロロ……

櫻子「ねー先生まだー?」

西垣「もう少しだ、ちょっと待ってろ……」

ピー

西垣「よし、終わりだ ご苦労ご苦労」がちゃ

櫻子「なんかすごいくすぐったかったー!」

西垣「超音波のせいだな、こればかりは仕方ない」

櫻子「ねーねーもう一回やっていい?」

西垣「だめだ おもちゃじゃないんだぞ、壊したらどうする」

櫻子「ちぇ……」

西垣「さて、今日は生徒会もないんだろう? 早く帰ってさっさと寝ておけ」

櫻子「はーい 明日からよろしくお願いしまーす!」

西垣「うむ 非常に楽しみだな 気をつけて帰れよ」

櫻子「さよならー」ばたん

西垣「ふふふ……私が指導するからには絶対優勝させてやる……!」

西垣「私なりに確証をもって選んだんだ」

西垣「期待に応えてくれよ、大室!」



こうして西垣先生と櫻子の鳥人間への挑戦、“プロジェクトT”が始動したのであった……


第一章 始動 完

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