宇宙人がママチャリで旅をする話 (58)





『貴官に課せられた任務は惑星“テラ”の調査デス』

『“テラ”における知的生命体との接触を図リ』

『居住可能領域の環境調査を行ってくだサイ』

『尚、当惑星の知的生命体“ヒト”は我々と遺伝子上の共有点多シ』

『目視において、外見の差異は無シ』

『種の起源を我々と同じとする可能性高シ』






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1455115933




『文明水準の隔たりを考慮シ、“テラ”到着以後の航宙船の使用は禁じマス』

『“自転車”という原始的な加重移動を用いた移動装置を用いてくだサイ』

『マタ食料調達には“通貨”が必要デス』

『そのタメ、貴官には“テラ”の通貨50,000円の支給シ』

『自動翻訳装置、ポジトロンレーザー機銃、記録装置一式の所持を許可しマス』

『現段階で“テラ”のデータは不足の状況に有リ、当調査記録に期待』



『それデハ、健闘をお祈りしマス』






満天の星空を望む。先ほどまで自分のいた場所。
その下で、彼女は生まれて初めて異星の土を踏んだ。


生まれた星より、ここの酸素濃度はやや高いと聞いていた。
大きく息を吸い込んで、それを自身の肺組織で確かめる。

彼女の足元を中心に広がる“植物”とよばれる緑の群生生物。
これらの生み出す酸素が、彼女のこの星における生存を約束してくれた。



それがこの惑星“テラ”で受けた、初めての歓迎であった。






母星における惑星間航行技術の結晶である“航宙船”は、ここの上空30000mで待機している。
光学投影によって、30日以内に発見される確立は0.0028%。問題は無い。


彼女はほんの少しの間をおいて、右にあったそれを注視する。

“自転車”だ。
この極めて原始的で簡素な乗り物を、彼女は今後頼ることとなる。


そう思い、彼女は頭を抱えた。






「ダカラ、私は嫌だったんダ」

オンになっていた翻訳装置が作動する。
時間差はなく、非指向性スピーカーからそういった声が漏れた。


彼女は、母星の調査機関において最も優れた隊員候補生であった。
だがそれは、自身の夢のためではなかった。
遺伝子異常をきたした母のために、報奨で最新の医療装置を家に導入するためだ。






晴れて調査隊の一員となった彼女が受け持った、はじめての任務。

それは、近年発見されたハピタブルゾーン内における植民可能惑星の探索。

そして、生命体の存在が確認された、“テラ”の単独実地調査だった。




これはこの地球で多くの未知と出会った、彼女の物語。



期待


さすがにSS一本書いたあとなので、今日はここで寝ます。

明日からがんばります。

カシオレの人か、期待




体温の低下。彼女は身震いした。
日照環境下を想定した装備のためだ。

堪えられず、左腕手首の腕時計のような端末を右手指で操作する。
すると間もなく、何もない空気中よりこの星では“コート”と呼ばれるものがすっと現れる。
それは地べたに落ちて、ボスンと音を立てた。

空間圧縮技術を駆使した、彼女の母星が生み出した運搬方法だ。


ここは緩やかな丘陵地帯において、比較的高い位置にある。
そのため、日の出ると言われている方角の眼下には、“ヒト”達のコロニーが生む光の海が見えた。


地べたに落ちたコートを着て、彼女は無言で自転車の簡素なサドルに跨った。
いよいよ、行動開始である。






ガシャン

いきなりこけてしまった。
彼女は呻きをあげて、カラカラと空転する車輪を睨む。


母星でこれの乗り方についての説明はあったが、重力環境の違いから実際に乗るのは初めてだった。
受け身が取れず、痛んだ左肘を撫ぜる。

彼女は栄えある調査隊員なのだ。ここで挫折することは許されないと思った。
彼女は果敢にママチャリというじゃじゃ馬と戦った。






日が昇り、この星の“鳥”たちがさえずる爽やかな朝。
赤く染まる空が映った彼女の目に、感動は無かった。

丘陵の上からヒトのいる町に来るまでに、彼女の身体は傷だらけになってしまった。
それでも尚、このじゃじゃ馬を扱うまでには至れていない。

この星の日照リズムに合わせてか、自然と空腹感までもがおこる。


彼女は大地に降り立ってさほど経たぬ間に、完全に参ってしまった。






カラカラと自転車を押し、黒いコートを着たヒトの群れの動きに逆らって移動する。

食料調達のためだ。
事前調査によって、この星のヒトが摂取する食糧については大まかな検討がついている。
後は通貨による取引を行う施設を探すだけだった。


ビルの鏡面ガラスに、自転車を押すボロボロの自分が映る。
長い黒髪の、色白な若い女。露出した手の平は、赤くなっていた。






やがて、彼女は小さな箱型の建造物に辿り着いた。
それは我々の言う、コンビニだった。


中に入る。入口近くで紙媒体を眺めていた“オス”とぶつかりそうになった。

金属の什器に様々な商品が並び、その奥ではヒトとヒトが“手動”で取引を行っている。
彼女はあれが、ホストとゲストの関係だと、すぐさま理解した。


「肉が欲しイ。ありまマスか」

彼女は、この店のホストであるヒトに要件を伝えた。
そのヒトは一瞬戸惑って、

「どれのことでしょうか?」

と答えた。






「肉デス、肉」

「えっと……」


このようなヒトの反応は、まったくの想定外だった。
訓練では、欲しいものを端的に伝え、すぐに通貨取引に移った。
だが、事前調査資料では欲しいものを指名する際の商品名について、何も触れられていなかったのだ。

困惑する若いオスの店員の様子に合わせて、彼女もまた焦りを感じた。
あまりに不審な振る舞いはしたくなかったからだ。

ここで万が一、自分が異星人であることがばれた場合、この任務は即終了となる危険があった。
ヒトに捕獲されるような事態があっても、仲間は助けに来られないからだ。






「すみませんが、後ろのお客様がお待ちなので、少し下がってはいただけませんか……」

「ハ、ハイ……」


彼女はシュンとして、後ろのメスに順番を譲った。
陳列されている商品を手に取り再びホストの下に行こうとしたが、それは叶わなかった。
なぜなら彼女は字を読むことができず、ヒトの話す言後の通訳だけが頼りだったからだ。

ここを諦めるという選択肢も生まれたが、空腹はどうしようもない。
彼女の心に一種の心細さが生まれつつあったとき。

さきほどの若いメスがホストにこう言った。


「ファミチキ、二つ」






商品名を伝えるのか……なるほどな。
そう彼女は思った。

では私も……と、再び列に並ぼうとしたとき。
先ほどの若いメスが、こちらに向かって手をクイクイとさせている。

こちらに来いということだろうか?

彼女はこの任務の「知的生命体との接触」という優先事項に則り、それに応じた。


施設の外に出ると、その若いメスは白い袋をがさっと探っていた。






「はいこれ」

「こ、これ、なんデスカ?」

「あんたの分」


差し出されたのは、高温の油分に浸したと思わしき物体と、それを包む紙。
彼女は心底驚いたが、そのメスが「んっ」と言って、それをさらに近付けた。
彼女は素直に受け取ることとした。


「あ、ありがとうございマス」


自身の口から出たのは、彼女が最も好きな地球言語だった。






「あんた外人?」

「ガイジン……いえ、該当しまセン」

「……あっそ」


そう言って、そのメスは“ファミチキ”に口をつけた。
彼女もそれを真似て、おそるおそる口にした。

少々塩味が強いと思ったが、美味だと感じた。
この星の食糧については、今後も問題はなさそうだ。
彼女はこの星に来てはじめての安堵を覚える。


このメスは、紺のセーターと薄黒いスカートに身を包んでいた。
資料で見たことがある。
この恰好はテラにおいて“学生”と呼ばれる身分の物だった。

だが、その資料に書かれた内容と現状は異なる。
今の時間は学生がこのような施設に居るはずはないのだ。






「食べまシタ」

「はやいね」

「空腹でしたカラ」

「そう」

「感謝しマス。では、これデ」

「うん」



空腹の満たされた彼女は調査を続行しようとし、サドルに跨る。


ガシャン


そしてメスの目の前でこけてしまった。






「あはは!ダッサ!」


メスに笑われてしまった。初めて見たメスの笑顔。
だが彼女はそれどころではなく、涙を目に浮かべ、痛みを堪える。


「あんた自転車も乗れないの?」

「ウゥっ……」



「……ちょっと跨ってみて。押したげる」






それから地球時間に換算して一時間ほど。
自転車に跨る彼女と若いメスは、コンビニの駐車場をグルグルしていた。

たまに車が入って来たが、まばらで支障はなかった。

彼女は必至の形相でハンドルをよたよたさせる。
その姿を見てをメスが笑う。

この繰り返しだった。



「ハ、離さないでくだサイッ」

「えー?そろそろいーじゃん!」






そして……


「の、乗れタ……!乗れまシタ!」

「おぉ~やったじゃん!」


彼女はついに、じゃじゃ馬の制御に成功した。
一人でペダルを漕ぎ、少しよたつきながらも、その周りをクルクルと回ってみせた。






「あ、ありがとうございマス、これでもう分かりまシタ!」

「そか。……じゃ、あんたも今から仕事をしないとね」

「はい、任務を続行しマスっ」

「そっ。じゃあ……わたしも“そうしてみる”よ」

「?」

「……ほらほら、行った行った」

「は、はい!ありがとうございまシタ!」






そう言って、彼女はメスを背にどこかへ向かっていった。

遺されたメスには、彼女の尻からなにか尻尾のようなものが見えていた。



「ぷっ」

「面白いこともあるもんだね」

「がっこ……行ってみようか」



そう一人ごちて、カバンを拾い上げたメスもまたコンビニを後にした。

彼女は、今回の出来事を心の中に留めておくことにした。



一旦仕事にいきます。

夜にまた書きますね。

なんか平和になった世界で深海棲艦が都会に出る艦これss思い出した

ケータイからすみません

>>28
一応同一作者です(共通の酉で書いてます)
はじめはそれのリメイクのつもりで書こうとしていましたので、恐らくその名残です

一旦乙
ファミチキくださいが異文化コミュニケーションの第一歩になりつつある




それから半日が経った。
きこきこと音を上げ、彼女は田園を走っている。

収穫後の田でそよぐ風が張られた水を撫で、綺麗な波紋を作る。
その線上で合鴨が虫を食べる様を、彼女はありのままに記録した。


彼女に組み込まれた機械化眼球によって、網膜がそのままカメラのレンズとしての役割を果たす。
視覚情報は常に圧縮空間内の記憶媒体に送り込まれ、必要な情報を自動で選別し、保存する。
あとはそのつど、手動入力で端末に報告書を記入する。彼女の仕事はそれでおしまい。

だが、彼女はとても真面目だ。
気乗りのしない仕事だったが、やるからにはやる。
彼女は詳細な記録を残すべく、彼女はたくさん走った。






やがて街から郊外を離れ、所々で傾斜のある場所に出た。

ヒトの住むコロニーは数を減らし、植物が幅を利かせる狭い道を彼女は行く。
健康な木々は、どれも母星で見たことのないものばかりだ。

落葉樹の周りに、黒々とした水たまりができている。
彼女はそこに自転車を止め、パシャパシャと踏んでみた。

硬度可変式の炭素繊維でできた靴の裏に、ふやけた落ち葉と泥がつく。


はたから見ればその様はまるで子どものようで、その場にいた若いオスの目に止まった。






「あ、ちょうどいいとこにいたー」

「!?」


彼女は、オスの接近に気付かなかった。
こんな林の奥にヒトがいるとはまず思わなかったからだ。
ひとまず、訓練通りに挨拶をしてみる。


「こ、こんにちハ」

「こんにちは」

「ゴ、御用件はなんでショウ?」


一度受けて、すぐ要件を聞く。
それが彼女の母星の会話の基本だった。
それに対し、ヒトのオスが答える。


「あはは、実は…………」



すみません、死ぬほど眠いのでまた早朝に書かせてください。

許してください!なんでもしますから!

>>34
ん?

ん?今

ヲ級の読んできた激しく期待

え、それは…


今から再開します。

当初、以前書いた艦これSSを、艦これを知らない人に向けた作品にしなおそうとしたのですが、それ自体は没になっています。
それだと前作を読んで下さった方に対してに失礼な気がしたので、これ自体は新しい話として書いています。

この辺りは気を付けますが、万一既視感を感じられた場合はご了承ください……





ヒト一人分重くなった自転車を漕ぐ彼女。
母星で鍛えているとはいえ、慣れない重力環境化で70㎏近いものを自転車で運ぶ。
ましてや坂道が連続するため、それは容易ではなかった。

母星の愛車のスピーダーに乗れば、もっと楽なのにな。
そう心で愚痴りながらもオスの願いを断れなかったのは、彼女たちの種族性からだった。
それを知ってか知らずか、オスは常にニコニコしている。

目指すはこの星の最高学府。
それが、彼女の背後に跨るオスの目的地だ。


「大丈夫ですかー?」

「ツ、疲れまシタ」

「ありがとう、そろそろ代わるよー」






その一声を待っていた。
彼女は自転車の速度を落とし、キッと音を鳴らして止まった。


「ここからは坂がきつくなるからね」

「スミマセン」

「こちらこそ。家の車のバッテリーが上がっちゃって困ってたんだ」

「バッテリー……」

「お袋が前照灯をつけっぱなしにしてくれてね」


なんて先時代的な話なんだろう。
彼女の星では、そんなことはあり得なかった。


「あんな場所じゃロードサービスも来れないしねー」

「そう、デスカ」






ギッギッと音を上げ、オスはサドルから腰を浮かしながら重いペダルを漕いでいた。
木々を縫った木漏れ日が、彼らの身体に白と黒の模様を映す。

坂道はやがて舗装された道と合流する。
交通量は少なく、何年も整備されていないところだが。

その道の錆びついたガードレールの向こう側は、陽の光が白く光る大海が広がっていた。


「ワァ……!」


母星の大運河と似ていたが、目に映るそれは手つかずの大自然であった。

機械化眼球が煌めく。それはみなもの反射か、はたまた彼女の心を映しだしたものか。





「ふう……ここらで休憩しよう!」


オスは汗を拭い、坂の頂上に設けられたベンチのすぐそばに自転車を止めた。
白のペンキが剥がれ、乾燥して割れた木質の露出したベンチ。
それがただ一つぽんと置かれ、周囲には自販機と白みを帯びたプラのごみ箱が一つ。

背後に山々を。そして眼下に打ち寄せる飛沫を望む場所だった。


掃除のされていない落ち葉まみれの場所だが、彼女はここを何故か好きだと思った。






「はい、これ!」

「これ……ハ?」

「ここまでのお礼だよ」


晴れ渡る空の下、手渡されたのは冷たい金属の筒。
隣に座ったオスは、それのつまみを上げてプシュッと鳴らした。

口をつけ、美味しそうに喉を鳴らすそれを見て、彼女はこれが飲み物だと理解した。
“缶”と呼ばれるそれをまじまじと見たおかげで、記憶媒体には缶の詳細な情報が送られる。


「……ゴフッゴフッ!」

「あ、もしかして炭酸だめだった!?」


彼女の種族にとって、炭酸がダメだという事はない。
ただ、むせただけだった。






「アナタの行く学校……どういう所なんデスカ?」

「えっとねー……」


彼女はここでも、自身の仕事を忘れなかった。

オスの話によると、彼はこの先の“大学”という場所で物理工学を学んでいるらしい。
将来は航空宇宙工学に携わり、この星の人々をいつか宇宙に上げてあげたいと、彼は言った。


「といっても、僕はそこじゃ下から数えた方が早い成績なんだよね」

「私知ってマス!“アホウ”って言うんデスネ!」

「はっきり言われると、傷つくなぁ……」


彼はシュンとうつむいてしまった。
彼女には、理由が分からなかった。






岩場に打ち寄せる波の音をバックに、オスは嬉々として話をした。
惑星テラにおける、宇宙の話を。


宇宙空間に対する、この星のヒトの知識や認識。
それに纏わる力学の話。

ロケットという推進装置の仕組み。
それの発達を促した戦争の歴史。

衛星の大地に初めてヒトが降り立った時の話。
将来的な、同星系の他惑星のテラフォーミングの話。


いずれも、彼女達が遥か太古に通過したものにすぎなかったのだが。
中には、彼女の文明では既に“誤ったもの”だとされている常識や理論も見受けられた。

だが、彼女はオスの話を“馬鹿な話”だとは思わなかった。
オスの明朗快活ながらも、ひたむきで真剣なまなざしを見たからだ。






一通り話したいことを話した彼は、彼女の方を見て一言尋ねた。


「君は……宇宙人って信じる?」

「ハイ、信じていマス」


自分がそうだとは、もちろん言えなかった。


「本当!?嬉しいなぁ、僕もなんだよ!」


そのオスは嬉々として握手を求めてきた。
彼女は一瞬戸惑ったが、たしか資料には応じよと書いてあった。

ふと微笑み、オスの手のひらを握った。






それからしばらくして……。




自然に囲まれた丘陵地帯に似つかわしくない、白く立派なコロニー。
それの鉄のフェンスの前で、彼はキキッと自転車を止めた。


「着いた!」

「ココが、大学……」

「そうだよ。今からここで5コマ目の授業を受けるんだ」

「そうデスか。頑張ってくだサイ」

「ありがとう!」


そう言うと、彼は大学の中へ入って行こうとした。
が、ピタッと止まってもう一度、彼女の方を向いた。
少し間をあけて、口を開く。


「また、会えるかな」





「また、会えマスヨ」


その言葉に、嘘偽りはなかった。




私達の持つ技術を彼らに授けることはできる。
でも、その必要はないと彼女は思った。


彼らが自分たちの力で私たちの星にやってくる日は、そう遠くないと思ったから。




一旦、ここまでです。

今日は早く上がれるので、昨日のような寝落ちは多分ないと思います(ないとは言っていない)


ありがとうございます。

理解したのです
…そうか、ファミチキの人だったのか






彼との出会いを機に、彼女はこの星の事を少しずつ理解し始めていた。


二日目の朝に、漁から帰ってきた漁師と、漁港で話をした。
そこで、彼女はテラの人々が摂取する食糧のことを知った。

三日目の昼は、建設現場近くの喫茶店で休憩をとっていた型枠職人と出会った。
この日は、テラにおけるコロニーのことを学んだ。

四日目の夜は、場末のスナックから出てきたサラリーマンと意気投合した。
彼からは、ヒトが辛いことを忘れるための遊びを教わった。






仕事は、きわめて順調に進んでいた。

だが、彼女に与えられた通貨は残り少しとなっていた。
滞在も一週間を数えた時のこと。そろそろ帰還に備えなければならない。


そう思っていた矢先だった。






彼女は自転車に慣れ、はじめは避けていた夜道のサイクリングを行うようになっていた。

航宙船に帰還するためには、はじめに降り立った小山に戻らなければならなかった。
そのため、可能な限り先を急ぐ必要があったのだ。

この星のルール、無灯火で走ってはいけないことを先日、巡回中だった警官に教えてもらっている。
だから彼女は安心しきっていた。


虫の音が響き渡るあぜ道にて。
彼女は不意に飛び出してきた猫を避けられなかった。




話を途切ってしまい、申し訳ありません。

現時点で書き溜めた分は以上になるのですが、モチベーションの都合上、
少しばかり他のSSに寄り道してもよろしいでしょうか……

読んでいただいている方に対して大変失礼なことだと、重々承知しております。
大変申し訳ありません。
こちらも完成は近々絶対にさせますので、どうかよろしくお願い致します。


二つ並行くらいならまだいいんじゃないかね

本当にすみません。
ありがとうございます。

遊びを教わる(意味深)

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