【艦これ】木曾「俺だって……スカートくらい!」 (79)




―――建造時―――


木曾「……木曾だ。お前に最高の勝利を与えてやる」

提督「わぁ……強そうな人だなぁ」

提督「これからもよろしくお願いしますね」

木曾「あぁ、よろしくな」


球磨「…………」





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―――戦闘時―――


木曾「弱すぎるッ!」

ガッ
チュドーン

木曾「お前ら、大丈夫か!?」

吹雪「は、はい!」

まるゆ「……ポッ」



―――昼休み―――


木曾「なぁ今から昼飯か?」

提督「はい、少し牛丼食ってきます」

木曾「牛丼か……俺もいくぜ!」

提督「あ、いいですよ」


球磨「…………」






―――休暇中―――


ホラホラホラホラ(ハクシン)

ヤメテクレヨ…(ゼツボウ)


提督「きたない」

木曾「これは草だな!」



―――執務室―――


ポフッ

提督「あ……す、すみません!」

提督「後ろ見て無くて……」

木曾「へへっ、気にすんなよ」

木曾「まぁスキンシップも大事だな!」



球磨「…………」

球磨「はぁ~」






木曾「姉さん、どうしたんだ?」

木曾「いきなり改まって……」

球磨「……単刀直入に言うクマね」



球磨「木曾の将来がものすごーく!」

球磨「……心配だクマ」

木曾「え?」



とりあえずこの提督が男か女か、そこから聞こうか




木曾「おいおい、そりゃないぞ姉さん!」

木曾「俺は艦娘として立派にやってるつもりだ」

球磨「それは分かってるクマ!」

球磨「でもね、木曾」

球磨「今の君が将来、艦娘じゃなくて普通の女の子に戻ったとするクマ」

木曾「…………あぁ」






球磨「今君が着てる服。それは分かるクマね?」

木曾「あぁ、支給品のセーラーとスカートだな」

球磨「思えば君が生まれてからスカートをはいたのは、それが初めてだったクマ……」

木曾「そうだな……スースーして落ち着かなかったが、今はもう慣れたよ」

球磨「君の姉さん達はみんな、その姿を見て心底安心していたクマ」

球磨「かくいう私もクマ」

木曾「ん、どういうことだ?」



木曾嫁勢として期待




球磨「昔っから男っぽくてガサツだった君は、友達も女の子より男の子の方が多くて」

球磨「母さんも将来君の孫が見られるかどうか、すごく心配していたクマ」

木曾(小さい時から孫の心配をされるとは……)

球磨「……でも、君は変わらなかったクマ……」

木曾「あぁ、俺は俺だ」

球磨「私も、君の個性にとやかく言いたくなかったクマ……」

球磨「でも今の君のままで将来、一人の女として幸せになれるか」

球磨「私はとても、不安なんだクマ……」

木曾「…………」



スカート穿いた

球磨ねーさんが人の事を言える立場にいるのだろうか




球磨姉さんは一通り言いたいことを言ってしまうと、申し訳なさそうに目を逸らした。

俺に伝えたかったことはよく分かる。なにも姉さんは悪くねぇ。

将来の事から、目を逸らしちゃいけないもんな。

どこかで母さんを安心させてやらなきゃ。

でも……今更女の子らしくするなんて……。



一体、どうすりゃいいんだよ。



いい歳してクマクマにゃーにゃー言ってる女の子もちょっと……

球磨ネキのしゃべり方がプニキっぽいな




………………
…………
……


木曾「今日は非番……か」

木曾「つっても、やることねーんだよなぁ」

木曾「提督は外出してるし、姉さん達は今入渠中だし」

木曾「…………」


木曾「スカート、か」

木曾「これじゃ、だめなのか……」ピラッ






木曾「姉さん達はスカートをはいた俺を見て」

木曾「安心してくれたんだよな」

木曾「……しゃーねぇ」

木曾「……街、久しぶりに出てみるか」



木曾「とにかく今はジャージしかねぇからこれでいいとして」

木曾「……どういう所で買えばいいんだろうな、スカートって」

木曾「まぁ街まで出りゃ分かんだろ、へへっ」






俺はさっさと外出許可書を書いて、大淀にそれを渡した。
笑顔で受け取る彼女。その笑顔がなんだか眩しいぜ。
俺はいつものジャージ姿。どうせ、またコンビニにでも行くんだと思われているのかな。

……へへっ、みんな見てな。
俺だって、一人の女なんだ。

洒落たスカートを履きこなして、姉さんたちを驚かせてやるんだ!



木曾、初めての女装

木曾は時折かわいいことを言うから
キャラクター把握しづらくて困る




こうして、俺は街に出たんだ。

久しぶりの街だ。うちの鎮守府が海沿いに建ってから、ここも景気がよくなったらしい。
駅周りには大きな商業ビルが建って、今やここらのヤングが一番集中する場所だとか。

なら、俺もそこに行かない理由はねぇな。
あそこなら、何かあるだろう。


……ん、こうやって立ち止まってちゃ、ただの田舎者みたいじゃないか。

とにかく俺は歩を進める。ジャージ姿の俺。
道行く奴らが、なんだか避けて通ってる気がするが……。
まぁ気にしないでおこうぜ。






そういえば、ちょうど昼飯時だな
スカートを買う前に、腹ごなしと行こうぜ。


俺は牛丼屋を探す。駅前とあって、まぁすぐに見つかった。

外から見ると、中はやはり混んでいた。
この時間、そこらのリーマンたちが一斉にやってくるんだからまぁ当たり前だな。
慌ただしく盆に載せたどんぶりを運ぶおばちゃん。
立ち代り入れ替わり、どんぶりの中身をかっこむおっさんたち。

熱気を感じるぜ。女の立ち入る隙なんかねえよな。


……俺は、たまには他の所に行こうと思った。






目についたのは、道に置かれた黒板。
そこらのビルの一階に入っていた店のものだ。

外観に木だとか使い古したような金属なんかをあしらってる。
ブラウンのイメージに統一されたその店は、どうやらカフェというものらしい。

たしか、姉さん達が度々行ってるようなところだな……。


……決めた、今日はここに行ってやろう。



>>13
クレイジーサイコレズもいるしな




店員に案内され、俺は店の奥の二人用席に着く。
俺だけかもしれないが、ソファ席はあまり落ち着かない。
深く座るより、今みたいな平らな椅子に浅く座りたいんだ。

そう思った矢先、店員がおしぼりと水を持ってきた。
カフェだからといって、紙ナプキンや大きさの違うフォークが並べられたりするわけじゃないんだな。
よかったよ。


店員「ご注文お決まりでしょうか?」

木曾「あぁ、じゃあこのAランチを頼む」

店員「かしこまりました」






……にしても、感じて仕方がない。なんなんだこの視線は。

ここの客層は牛丼屋とうって変わって、俺と同じくらいの若いねーちゃんたちがたくさんいる。
でも、明らかに俺が浮いているのか。
先ほどから感じる目線はそのせいだろう。

……なんだってんだ。ジャージを見たことないのか、こいつらは。


いや、それともこの“右目”のせいかな。






木曾「……足りねえなあ……」


俺はAランチを平らげた。
献立はサラダに小さな二つのパン、上品に盛られたシーフードパスタだったよ。
その後のドリンクはいらねぇと言った。

なんでか分からんが、俺は早くそこを出たかったんだ。



今居たビルから歩くこと300mほど、駅前の商業ビルに着いた。

自動ドアが開く。コンビニで見るような、あんなのじゃない。
でっけえ筒みてえな、よく磨かれたガラスのドアだ。


木曾「洒落てんな」


俺は吐き捨てるように、一人ごちた。






清掃の行き届いた煌びやかな商空間。
近日のバーゲンを知らせるポップな広告が、色とりどりの風船で飾られている


俺はエスカレーターに乗った。
前にはいちゃついたカップルがいる。
別にうっとうしくはない。幸せなのは、いいことだろ。

対する俺はジャージ姿。
前の女を、今の俺に置き換えてみる。


……あはは、想像できねぇな。






レディースカジュアルと書かれた案内板が見える。


木曾「“レディース”、ね」


じゃあこの階がそうだろう。
俺はさっそく、スカートが置いてありそうな売り場を探してみることにした。

とはいっても、それはすぐに見つかった。
店の名前は覚えていない。横文字でそれらしいものが書いてあっただけだ。



ジャージの前ジッパーにはロマンがあるのに…




中の客はまばらだ。まぁ平日だしな。
むしろ、今はその方がいい。

店員のねーちゃんが店内を見回っている。
そこらで何を買うか迷ってる客に、オススメを教えているようだ。

スカートの並ぶコーナーまでやってきた。
色とりどりで、サイズもいろいろ。
デニムの短いスカートや肌触りのいい黒一色のスカート。
俺はいくつかを選んでみた。



眼帯してジャージの男勝りな雰囲気の女

>>31
いいな……




木曾「すまん、これ試着できるか?」

店員「……はい、できますよ」

店員「こちらをお使いください」



白一色の箱の中に入る。
ごゆっくりどうぞの声とともにカーテンがピシッと閉められ、中は俺一人になる。

これが試着室か……。
へへっ、なんだか落ち着くなぁ。

そういいながら、俺はジャージの下を脱ぎ、一つ目のスカートに足を通した。






…………俺は、あることに気が付いた。


木曾「上がジャージのままじゃ、意味がないじゃないか……」


俺は慌てて試着室を出る。
そして、そこらのTシャツやらブラウスやらを適当にあさった。

ガサゴソ ガサゴソ

慌ただしいったらありゃしねぇな。
近くにいた他の客と店員がぎょっとして俺を見ていたのが分かった。






試着室に戻った俺は、それらを合わせてみることにした。


……深いため息が出る。

今まで女らしさ=スカートなんて安直な考えでいた。
だから、全身のコーディネートにまで頭が回らなかったんだ。


どう組み合わせても、俺が思うような“女らしい自分”が鏡に映ることはなかった。
俺は焦りを感じていた。このままでは、帰れない。

そしてなぜだろう。
俺は、今まで感じたことのない悲しさすら覚え始めたんだ。






そうだ、あいつにも聞いてみよう。
外出中でも、メールぐらいは見られるかもしれない。
俺は今の状況を端的に文章にして、送信した。

もちろん、なぜ状況に今に至ったのかは書かないでおいたが。


だが、待てどもメールは帰ってこなかった。
だから俺は考えた。


木曾「あいつ、そういえばあんなことを言ってたな……」






俺は、店の隅にあったマネキンの着るそれを見た。

以前にあいつが言ってた。

「実際にこれを着た女の子と歩いてみたいです」

……と。

俺は勇気を振り絞って、それをマネキンから脱がせてやった。



ええぇ..




それは、白のワンピースだ。

肩紐が胸元のすぐ上まで降り、裾周りにフリルのついたシンプルなもの。

これが男の憧れなのか。
見れば見るほど、やっぱり小恥ずかしい。

だが、これなら上下を合わせなくて済むしな。

それに……。


これなら俺だって。






鏡に映ったのは、今まで見たことのない可憐な女性の姿。

白めの肌に、自然に合わるワンピース。伸びる健全な肢体。

ほんとの年齢よりも、幼さを演出する純白のそれは






右顔を大きく覆う黒の眼帯を、はっきりと目立たせた。



すこしはなれます

30分ほどでもどります

乙きそー

眼帯外さないならもう黒のゴスロリしかねーな

傷がある上にオッドアイ(義眼?)だからな、外しにくいのかも

それはそうとほんとに筆が速いねあんたって人は!?




………………
…………
……


困ったなぁ。

木曾さんにメールをもらった時、たまたま近くにいたからここまで来てみたけど……。

あの人、一体どこにいるんだろう?
確か、お店はエスカレーターから二番目と書いてあった。

じゃあ……ここだな。この店だ。

えっと、木曾さんは……っと。






提督「木曾さん、開けますよー」


返事がない。ただの……いや、なんでもない。
たぶんだけど、ふざけてる場合じゃないって気がした。


ゆっくりとカーテンを開けた。
そこには……




白のワンピースを着て、膝を抱えてうずくまる木曾さんの姿があった。

鏡の前には、いつもの眼帯が乱雑に捨てられている。

ここで何があったか、僕はすぐに分かった。






提督「……すみません」

木曾「……なんで謝るの」

提督「……僕のせいですよね」

木曾「…………」

木曾「そんなこと無……」

木曾「……ねぇよ」






木曾「……おれ……」

木曾「…………」

木曾「……私」

木曾「……昔っからこうだ」

木曾「……好きな男の子がいても」

木曾「…………」

木曾「……この目だから」

木曾「……相手にされなかった」






木曾「……だから」

木曾「……俺、こうやって振舞うしか……」

提督「木曾さん」


それ以上はいけなかった。
この人が、これまでの自分を否定しようとしたから。
心にため続けた感情を、抜ききれずに。

顔を見せてくれない木曾さんを落ち着かせて、僕は店員さんに言ったんだ。



提督「すみません」

提督「これ、いくらですか」



六花みたいに白の眼帯なら合うんじゃね




………………
…………
……


外はすっかり暗くなっていた。

予想できたことだが、この姿は肌寒い。
俺は白のワンピースを着て、あいつと歩いていた。


木曾「なぁ……」

提督「はい」

木曾「……ありがとうな」

提督「…………」

提督「……ワンピース代、出世払いで頼みますよ」


そういうと、あいつは意地悪くはにかんで見せた。

その右目には、白い医療用眼帯がかけられている。






木曾「……そんなのつけなくても……」

木曾「……いいんだぞ」

提督「……花粉症対策です」

木曾「……右目だけか?」

提督「……嘘です」


くだらねーこと言いやがるな。
まったく。



十兵衛ちゃんみたくラブリー眼帯ってのもいいぞ。

>>14
ああ、何かわかるわ。




提督「今度服買いに行くとき、僕も行きますよ」

木曾「そ、それは悪いぞ……」

提督「また何時間も試着室を使って、鎮守府に苦情が来たら困りますからね」

木曾「それは……もうしねぇって」

木曾「……でも、頼むよ」

提督「はいっ」

提督「そうだ、せっかくですし今から飯いきましょうよ」

木曾「……一緒にいて」

木曾「……いいのか」

提督「もちろんです!」

提督「夢にまで見た白ワンピース姿の女性と」

提督「こうやって歩けたんですから」

木曾「……っ」



天龍ちゃんならどうなっていたんだろうか




まったく、お前というやつは……

不思議と微笑みが生まれる。
今まで感じたことのない充足感。

これは一体なんなんだ。

なんだかすごく……幸せだな。



提督「最近、球磨さんと多摩さんは語尾を付けずに喋ってくるんですが」

提督「何か、知りません?」

木曾「……さあ、知らないなぁ」

木曾「……なぁ」

提督「なんでしょう?」

木曾「俺……一度お前と……」

木曾「お洒落なカフェに行ってみたいんだ」



―――――――――fin――――――――――



木曽カワイイヤッター
次もあるよね|´-`)チラッ

このお話は、これで以上になります。

プニキはあんな喋り方しません!たぶん!

今日からイベントはじまりますが、皆さん頑張りましょうね。
僕も秋津州ほしいです。

ここまで読んでいただいた方、楽しく書かせていただきありがとうございました。

乙かわいい
本当に>>50の言った通りになっててワロタ

かわいいやったー!乙クマ

>>60
白眼帯付けてるのは提督で木曾じゃないゾ

>>60
そうだよ(便乗)

グエーッ(AA略)

プニキのしゃべり方って結構特徴的だよねってことだよ。
語尾にクマ、のところじゃないよ。

乙。


お洒落を意識し始める女の子はいいねえ

>>65
なるほどなのです

乙乙
イケメンな木曾もいいけどやっぱり女の子な木曾も好きだわ

おつ

白いワンピースで眼帯が~って言うけど元々の服も大概白(ry


木曾かわいい

パッと見スレタイがストーカーに見えたわ……

>>56
微妙に方向性がちがうからどうだろうね

木曾可愛いクマ~

天龍ちゃんだったら……

多分、ガチの隻眼だから眼帯外せないだろうなぁ

木曾は性根が男っぽいけどちらっと覗かせる乙女がとても可愛らしい、頼れる可愛い
時々詩的になるとこも可愛らしい
スカートよりパンツスタイルが似合うんだろうけどスカート履いてほしい

天龍は性根が女っぽい子が男らしく振舞おうとしてる可愛い

全然違うな

天龍は姉御系
木曽はイケメソ
って感じかなー
木曽ちんhshs

ワンピースに眼帯がイイと思う俺はセンス無いのか

>>78
白いワンピースなら最高にgood

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