島風「長波ー」長波「なにー?」 (777)


その一


島風「長波―」

長波「なにー?」

島風「駆けっこしよー」

長波「やだ」

島風「即答!?」

長波「こんな寒い中外に出たくない。天津風に頼めばいいだろ」

島風「天津風は遠征でいないんだもん」

長波(だからあたしのところに来たのか)

島風「ねーねー」

長波「分かったから落ち着け! 着替えるから待ってろ」

島風「うん!」

――――
――


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454900532


長波「んじゃ、さっさと済ませるぞー」

島風「おー!」

長波「と言っても、このままだと島風が勝つのは分かりきってるから、ハンデを付けさせてもらうぞ」

島風「ハンデ?」

長波「ちょっと準備するから待ってろ」

島風「はーい」

――――
――


長波「島風、あそこにあるのは何かわかるよな?」

島風「ハードルが五つとゴールフラッグがあるね」

長波「そうだ。とりあえずルールは50m先のゴールフラッグに先にタッチした方が勝ち。ただし島風はハードルをすべて飛び越えて触れないといけない。いいな?」

島風「オッケー!」

長波(どれだけ早かろうと、ハードルを飛び越えながらあの速さは出せない……と思いたい)


長波「始めるぞー。位置についてー」

島風「……」

長波「よーい、ドン!」ダッ

島風「」ダッ

長波(スタートはほぼ同時。ここからハードルで少しずつ減速して勝てる)

長波(そう思っていたあたしがバカだったんだ)

――――
――


島風「私の勝ちー!」

長波「はぁっ……はあっ……マジかよ」

長波(島風はただ走るのが早いだけではなかった。ハードルを飛び越える時、ほとんど無駄の無い綺麗なフォームで飛び越し、全速力のあたしとほとんど距離を離さなかった)

長波(そしてハードルをすべて飛び越えた島風は一気に加速し、あたしと人二人分の距離を離したままゴールフラッグに触れた)

長波「島風……お前ハードル走したことあるのか?」

島風「えっ? 無いよ」

長波「……だよなー」

長波(もしかして、陸上競技に関しては天賦の才でもあるんじゃないのか? ハードル走したことないのにあの速さだし)


島風「立てそう? 疲れてるなら肩貸すよ?」

長波「へ、平気だ。あたしだって艦娘なんだしさ」

島風「でも、少し苦しそうだよ?」

長波「平気だっての……ハードル片付けてさっさと帰るぞ」

島風「うん……」

――――
――


長波「よし、これで片付いたな。帰るぞ」

島風「……」グイッ

長波「だ、だから平気だって言ってるだろ」

島風「そういう訳じゃなくて、ちょっと寒くなってきたからくっつきたいの」

長波「なんじゃそりゃ……」

島風「……ほら、早く部屋に戻ろう?」

長波「……仕方ないなあ」

長波(……ありがとな、島風」ボソッ

島風(反応すると振りほどかれそうだから黙っておこっと)

――――――

メシ食うからちょい離れる


その二


島風「長波ー」

長波「……」

島風「おーい」

長波「……聞こえてるって。今マンガ読んでるから構ってる暇が無いけど」

島風「どれくらいで読み終わるの?」

長波「後これくらいだよ」

島風「オッケー」ポスッ

長波(当然のように隣に座ってきた。大人しくしてくれればいいけど)


長波「……」ペラッ

島風「……」ジーッ

長波「……」

島風「……」ジーッ

長波「……」ペラッ

島風「……」ジーッ

長波「……島風、これ貸すから覗き見するのやめてくれるか?」スッ

島風「ご、ごめん……」

――――
――


長波(で、貸したら覗き見る事は無くなったけどさ)

島風「……」ペラッペラッ

長波(あたしより集中してマンガをどんどん読み進めている。そろそろあたしの読んでいるところまで読み進める勢いだ)

島風「……」パタン

島風「はい」スッ

長波「まだ読むか?」


島風「んー今はいいかな。ちょっと疲れてきちゃった」

長波「そうだろうと思ったよ。間宮にでも行こっか」

島風「うん!」


長波(この日以降、島風もたまにマンガを買うようになり貸し借りして読むことが多くなった)

長波(マンガに関しては話相手がいなかったから、少し嬉しかった。島風には秘密だけど)

――――――

とりあえず今はここまで
島波はいいぞ

IDチェック

またID変わったけど一本だけ投下する


その三


hey!セロリQueen~


島風「長波―」

長波「なにー?」

島風「このアニメのヒロインって、何となく秋雲っぽいよね」

長波「恍惚としているときは確かに似てるかもな」


島風「でもね、声だけ聞くとちょっとだけ長波っぽいとも思うんだよね」

長波「いや似てないだろ」

島風「そうかなー? 長波がHey!セロリQueenを歌ってみたら分かるかも」

長波「何であたしが歌わなきゃいけないんだよ」

島風「似てるかもしれないって検証のためだよ」

長波(どうせここで頑なに歌わないって言ってもしつこいのが目に見えてるんだよなー)


長波「仕方がないな」

長波「……へ、へーい、せろりくいーん」

島風「棒読み気味じゃダメだよ! もっと気持ちを込めて!」

長波「……Hey!セロリQueen!」

長波「……ど、どうよ」

島風「うん、とても上手かったよ!」パチパチ


長波「お、おう……じゃなくて、似てたか?」

島風「うーん、キーを一つ下げたくらいの差はあったけど似てたよ」

長波「なんか微妙な評価だな……」

島風「似てるか否かの判断が少し難しいラインだったから……」

長波「そうか。何なら今度は秋雲にでも歌わせてみるか?」

島風「そうしよっかー」


秋雲(たまたま部屋の前まで来たらいいこと聞いちゃった。交換条件考えておこーっと)


長波(後日、秋雲に歌うよう頼むと交換条件として絵のモデルをすることになった。あたしと島風がとても恥ずかしい思いをしたので詳しいことは言わないけど)

長波(ちなみに秋雲の歌はとても上手かった)

――――――

夜になったらまた投下する
島波はいいぞ

またIDチェック
二本投下する


その四


島風「長波ー」

長波「なにー?」

島風「一緒に間宮行こう?」

長波「オッケー。ちょっと待ってて」

島風「はーい」

――――
――


長波(間宮に着くと、あたしはストロベリーパフェ、島風はチョコレートパフェを注文した)

長波(ここのストロベリーパフェは本当に美味しい。けど食べるのは週に二回だけにしている。太りたく無いし)

島風「……」ジーッ

長波「……こっちのパフェも食べてみたいか?」

島風「うん」


長波「仕方ないなー。ほれ」

島風「ありがとー。あーん」パクッ

島風「……おいしーい!」

長波「だろう?」ドヤッ

島風「じゃあ私からも……はい」


長波「お、くれるの? じゃ遠慮無く」パクッ

長波「……甘くて美味しいな」

島風「ふふん。私のイチオシだからね」ドヤッ

長波(今年一番のドヤ顔だな。見てて清々しいまである)

長波「……たまには違う味のパフェを食べるのもいいな。もう一口いいか?」

島風「いいよ。はい」

長波「あーん」


間宮(微笑ましいですね)

伊良湖(はい、そうですね)



天津風(遠征から帰投して島風を探したらまさかこんな光景を見るなんて思わなかったわ)

天津風(長波とあんなに仲がいいなんて知らなかったわ。一人ぼっちになってないか心配だったけど、その必要は無いみたいね)

天津風(でも……長波が少し羨ましいわ)



秋雲(これはいい絵になりそうだからスケブに書いとこー)


長波「……何か見られてる気がする。別にいいけどさ」パクッ

島風「?」

――――――

その四からPCのJune使ってるけど重すぎ

次行く

回線不調でルーター再起動したからIDチェック


その五


長波「島風ー」

島風「なにー?」

長波「ちょっと連装砲ちゃんを一……一匹連れて来てくれるか?」

島風「いいよ。ちょっと待ってて」バビュン

長波「……」


島風「ただいまー」バビュン

連装砲ちゃん[・ω・]

長波(相変わらず早いな)

島風「で、何で連装砲ちゃんを?」

長波「連装砲ちゃんってよく分からないから、これを機に触れ合ってみたいと思ってさ」


長波「とりあえず、撫でてみるか。砲塔のちょっと後ろでいいのかな?」ナデナデ

連装砲ちゃん[*´ω`*]

長波「おっ、何か喜んでるみたいだな。今度は膝の上に乗っけて……」ヒョイ

連装砲ちゃん[*>ω<*]

長波「また変わったな。何か面白いや」ナデナデ

島風(私でもあまり表情の変化を見たこと無いんだけど……)

――――
――


島風「まさかあんなにも長波が連装砲ちゃんを気に入っちゃうとは思わなかったなー」

島風「返してもらった時も満面の笑みだったし、また愛でさせて欲しいって言うし……あんな長波初めて見たよ」

連装砲ちゃん[・ω・?]

島風「……私も真似してみようかな。例えば膝に置いたり」ヒョイ

連装砲ちゃん[//ω//]

島風(照れてる……自分の艤装なのによく分からないや)

――――――

今日はここまで

こういう感じで書いていく
何も浮かばなくなったら終わりにするんでよろしく



>>40
>>1がイベ掘りで荒む悲劇が起きそう

投下開始


その六

島風「長波ー」

長波「なにー?」

島風「みかん取ってー」

長波「はいよ」ポイッ

島風「ありがとー」パシッ


島風「この時期のみかんは美味しいよね」

長波「そうだなー。でもこんな箱いっぱいあっても困るんだけどな」

島風「どこからこんなに仕入れたんだろうね。はい」

長波「ありがと」パクッ モグモグ

長波「……まあ、あたし達には傷んだらドンマイと思って食べ続けるしかないけどな。何を言ってもどうしようもないし」

島風「そうだねー。はい」

長波「んっ」パクッ モグモグ


長波「……さっきからあたしに食べさせてるけど島風は食べないの?」

島風「だ、大丈夫だよ。さっき食べたし……はい」

長波「んっ、そうか」パクッ モグモグ

島風(みかん渡すと喜んで食べる長波が可愛くて面白いから……って言ったら二度とできなくなりそうだし黙ってよっと)

――――――

飯食べてくるので次の投下は待って


その七

島風「長波ー」

長波「なにー?」

島風「髪触っていい?」

長波「唐突だな……いいけどさ」

島風「ありがとー」


島風「それにしても、綺麗な髪だよね」

長波「そうか?」

島風「うん。黒とピンクって独特な組み合わせだけど、私は好きだなー」

長波「あたしは初めて鏡で見た時、何だこの髪って思ったけどな」

島風「そうなんだ」

長波「だって普通は一色だろ。金だろうが銀だろうが黒だろうが緑だろうが、大体の艦娘は一色だけじゃん」

島風「そうだね」


長波「だから終戦後は髪をどっちかの色で染めようと思ってるんだよな。多分黒にすると思うけど」

島風「うーん、何かそれはそれで勿体無い気がするかな」

長波「何でだよ」

夕雲「長波さん、それは聞き捨てなりません!」パリーン

島風(え、ええ!?)

長波「おい、窓ガラス破って入ってくるな!」

島風(確かにそれもそうだけど……夕雲自体何かおかしいよ)


夕雲「窓ガラスは後で直せますが、長波さんが髪を染めてしまうとその奇跡のバランスが崩れて二度と今の髪には戻れなくなるんですよ!? これが何を意味しているか分かってないのですか!!」

長波「分かってたまるか!」

夕雲「このわからず屋……こうなったら、長波さんに自分の髪の素晴らしさを叩きこむしかないですね」

長波「やれるもんならやってみろ!」

島風(な、なんかもうよく分からなくなってきた……これは夢、だよね?)

夕雲「あーだこーだ!」

長波「あーだこーだ!」

島風(ああ、二人が暴れてどんどん部屋が壊れて……)


島風「――って言う夢を見たんだ」

長波「意味がわからねえ」

――――――

昼はここまで
今まで酉付きで投下してたから今回はなしでいくつもり


その八


☆長波の現在の装備

頭:猫耳カチューシャ
服:普段着
手:肉球手袋
足:猫足スリッパ
アクセ:猫尻尾


長波「……」

秋雲「いいよいいよー! 今度はこういうポーズでお願い!」

島風(長波が可愛いけど何か可哀想になってきた)

長波「秋雲……後で覚えてろよ」ギロッ

秋雲「ば、罰ゲームだから仕方ないって!」


長波(どうしてこんな事になっているかと言うと――)


――
――――


秋雲「負けた方には罰ゲームが待ってるよ―?」

長波「煽るな。気が散る」

島風「……」

長波(あたしの手札はこの一枚。対して島風は後二枚……ここでジョーカーを引かなければ勝てる)

長波(どっちだ……どっちが正解だ?)


島風「……」

長波「こっちにしようかなー」ソーッ

島風「……」

長波「それともこっちにしようかなー」ソーッ

島風「……」

長波(くそっ、ポーカーフェイス決められて揺さぶりがきかない)


長波(……もうこうなったら、運にかけるしか無い)

長波「あたしは……こっちを引くぜ!」パシッ

島風「!!」

長波「……」ピラッ

ジョーカー「オッスオッス」

長波「」

~~~~~~


長波(その後、あたしは島風に負けて罰ゲームを受けることになった)

秋雲「ということで、長波には罰ゲームを受けてもらいます!」

長波「ぐぬぬ……」

秋雲「まずは頭にこれをつけてねー」


長波「えっ、これ猫耳のやつじゃ」

秋雲「猫耳カチューシャだよ。さ、頭に装着するんだ長波君」

長波「……こ、こうか?」

秋雲「オッケー。次はこれを履いてね」

島風(猫の足みたいなスリッパだ……こんなのあるんだ)

長波「……履いたぞ」

秋雲「じゃあ次はこれー」

島風(今度は肉球をイメージした手袋!?)

長波「……も、もうこれで終わりだよな?」


秋雲「ノンノン。最後は秋雲さんがこの玉s――」

長波「そんなもん持ってくんな!」ドゴォ

秋雲「あべし!!」

長波「はあっ……はあっ……」

秋雲「じょ、冗談だって……ほ、本当はこっちのピンで留めるタイプを使うつもりだったからさ」プルプル

島風(凄い音がしたのによく喋れるね……)


――――
――

秋雲「ふふふ……おかげでいいスケッチが出来たよ。ありがとー」

長波「……」

秋雲「あっ、そのセットは長波にプレゼントするから返さなくていいよ。じゃあねー」

島風「……止めなくていいの?」

長波「今はそれどころじゃない。恥ずかしくて死にそう。今日は部屋から出たくない」


島風「あらら……とりあえずそれ外すね」

長波「……ありがとう」

島風(……ところであそこに置いてある尻尾はどうやって使うんだろう? 引っ掛ける場所無いし)

島風(長波が落ち着いたら、聞いてみよっと)


長波(例のアレについては、絶対に誰にも聞かないよう言い聞かせてあたしがこっそり処分した)

――――――

今日はここまで
島波はいいぞ


その九


長波(なんか鎮守府が静かだな。何かあったっけ)

長波(ああ、今日は二月十日だから提督が大本営に行ってるのか。仕事もないし、どっか遊びに行ったりしてるのかもな)

長波(……あたしも暇だし久々にあそこに行くかな。着替えよっと)

――――
――


島風「長波ー」

長波「何だ? あたしは今から近くのバッティングセンター行こうと思ってるんだけど」

島風「そうなんだ……私も一緒に行っていい?」

長波「えっ?」ジーッ

島風「……さすがに着替えてから行くって」

長波「だ、だよなー。そんじゃ待ってるから着替えてこい」

島風「うん!」

――――
――


長波「とりあえず、140から始めるか」

島風(長波は左打ちなんだ)

島風「140って早いの?」

長波「素人からすれば早い方だと思うぞ。ま、あたしには――」

ヒュン カキーン

長波「――これくらい楽だけどな」

島風「おー」パチパチ


長波「驚くのはまだ早いぞ。この後もっと速くして打つからな」

ヒュン

長波「おっと」 カキーン

島風「よく打てるねー」

長波「長波サマには余裕余裕」

ヒュン カキーン

ヒュン カキーン

ヒュン カキーン

――――
――


長波「じゃ、ここの最高速度でもやるか」

島風「どれくらい早いの?」

長波「155。さっきのよりは確実に打ちにくい」

島風「15の差って結構違うの?」

長波「見てりゃ分かるさ」


長波「……」

長波(集中集中……)

ギュオッ

長波(やっぱ140とは違って速い。でも、打てないわけじゃない!)ブン

カキーン

長波「……よし」

島風「す、すっごーい!」パチパチパチパチ


長波「ま、長波サマにはこれくらいなんてことないさ」

長波(と言っても、百発百中ではないけどさ)

ギュオッ

ブン カキン

長波「……思いっきり横に飛んだな」

島風「ありゃりゃ」

長波「……ま、次当てりゃいいんだ――」

ギュオッ

長波「――よ!」ブン

カキーン

ギュオッ カキーン

ギュオッ カキーン

――――
――


長波「……約七割ってところか。やっぱ155は打ちにくいな」

島風「充分凄いと思うけど?」

長波「あたしは九割を目標にしてるから、七割じゃまだ喜べないのさ」

島風「へー……そこまで行けたらいいね」

長波「だなー。で、島風はやらないのか?」

島風「うーん、少しやってみようかな」

長波「んじゃ、まずはフォームを教えるとしよう」

――――
――


島風「……」

長波(右打ちを教えてみたけど、あれで合ってるか不安なんだよな)

長波(球速も80だし、コツさえつかめりゃ打てるとは思うけど……)

ヒューン

島風「えいっ!」スカッ

長波「早く振りすぎだ。もう少し遅くていいぞ」

島風「はーい」


ヒューン

島風「……えいっ!」スカッ

長波「バットを降る位置が高いから少し低くしてみろ」

島風「うん」

ヒューン

島風「……えいっ!」カキッ コロコロ

長波「おっ、当たるようになったな。後は微調整して前に飛ばせ」

島風「うん、頑張ってみる!」


ヒューン

島風(落ち着いて、引き付けて――ここ!)ブン

カキーン

島風「……や、やったあ!」

長波「いいぞー! その調子で残りも打っちまえ」

島風「うん!」

長波(……教える事って、思ったより面白いんだな)

島風「えいっ!」カキーン

長波(こうして成長していく様子を見ると、自分のことのように嬉しいな)

――――
――


島風「楽しかったー」

長波「初めてで半分以上打てるなんて、やるじゃん」

島風「えへへ……」

長波「汗もかいたし、帰ったら風呂に入るか」

島風「うん!」

――――――

とりあえずここまで

投下しといて今更だけどその八は島波メインって感じしないから投下保留しとけばよかった気もする


その十


島風「あー極楽極楽ー」

長波(おっさんか)

島風「こんな時間に利用できるとは思わなかったね。お風呂」

長波「そうだな。おかげで汗を流せて良かった」

島風「だねー。あ、そう言えば長波って、いつお風呂に入ってるの?」


長波「んー、二二〇〇より後だな」

島風「結構遅いんだね。駆逐艦は遅くても二一〇〇までには皆入るのに」

長波「駆逐艦が入る時間帯は騒がしかったりしてのんびり入れないから、あえて避けてるんだ。それに秋雲と一緒のタイミングだと高確率であたしにちょっかい掛けてきて相手が面倒だし」

島風(本音はそっちだよね、絶対)


長波「まあ、遅くても戦艦の人たちや空母の人たちがいるけど、ちょっかい掛けてくるわけではないし、話しかけられるだけならあたしも嫌じゃないし、気楽だな」

島風「へー。ちょっと興味があるかも。でも天津風に誘われてお風呂に行くことが多いから無理かな」

長波(ふーん。いつも風呂の時は誘われてるのか)

長波「ま、誘ってくれる相手がいるなら断ってまで遅らせる必要も無いし、今こうしてのんびり出来てるんだからいいんじゃな――」

伊19「隙ありなのね!」ザバーン

長波←飛沫が顔面に直撃

島風←とっさに顔をガード

呂500「ざばーん!」パシャン

長波「……」

島風「び、びっくりしたー」


伊19「んふふー、ドッキリ大成功なの!」

長波「……お前ら、いつからここにいた」

呂500「元々はろーちゃん達が潜水するために入ってましたって」

伊19「たまたま二人が入ってきたからろーちゃんと一緒に隠れて驚かせる計画を立てて、実行したの」


島風「入浴剤でお湯の色が変わってたから全然気づかなかったよ」

長波(入浴剤入りのお湯の中で潜水して大丈夫なのか? この二人)

伊19「ところで、二人は何でこんな時間にお風呂に来たの?」

長波「さっきバッティングセンターでバッティングして汗をかいたから入りに来たんだ」

呂500「バッティングセンター?」

島風「あれ、ドイツには無いの?」

呂500「うーん、ろーちゃんが居たところには無かったと思うって」

長波「へー、普通にあるもんだと思ってた」

伊19「カルチャーショックを感じるのね」


呂500「バッティングセンターって、何をするところ? ろーちゃん、すっごく気になります!」

長波「うーん、簡単に説明するとお金を払って練習したい球速を選び、ひたすらバッティングをするところ……だな」

伊19「それだけ聞くと、野球選手以外がわざわざ行く必要を感じないのね」

長波「ま、まあ確かにそうかもしれないけど、速い球を遠くに飛ばせるようになると楽しいぞ」

島風「私も今日初めて行ったけど打てるようになると楽しいよ」

呂500「ふんふん。ろーちゃんもちょっと行ってみたいと思いますって」

長波「それじゃあ今度暇な時に行く?」

呂500「はい! 是非とも行きます。はい!」


伊19「……ところで、二人はどれくらいの速さの球を打てるの?」

島風「私は80だよ」

長波「155だ」

伊19「155!?」

呂500「ナガ・ナミーすっごーい」

長波「いや、普通に呼んで欲しいんだけど」

呂500「ご、ごめんね長波」シュン

長波「お、怒ってないしちゃんと言い直してくれたから謝らなくてもいいって」

島風(長波が珍しく慌ててる)


伊19「ナガ・ナミー」

長波「イクは絶対に許さない」

伊19「扱いが酷いのね!?」

ワーワーキャーキャー

島風(……少しぼーっとしてきた)

――――
――


長波「うう……」

伊19「なの……」

呂500「クラクラするー」

島風「熱い……」

伊168「二人が帰ってこないから見に来たら全員のぼせてるとは思わなかったわ」

伊58「まったく、人騒がせでち」

――――――

今日はここまで

あまり深く気にしないことにしたから今後もこんな感じで色々艦娘出すかも


その十一


長波「zzz……んっ」

長波「ふああ……」

長波(何で寝てたんだっけ。確か今日はバッティングセンター行って……ああ、その後の風呂でのぼせたんだったな)

長波(確かイムヤとで……ゴーヤが助けてくれて、その後どっちかがあたしをここまで運んで……そのまま寝ちゃったんだっけ)

長波(二人には後でお礼しないとな。その時は一緒に聞いておかないとな)



島風「zzz」

長波(……何で島風が一緒に寝てるんだよってな)


島風「zzz」ギュッ

長波(何故かあたしにしっかり抱きついて寝てるから、起こすか無理矢理腕を引き離さないとベッドから離れることすらままならない)

長波(時間は……もうすぐ二〇〇〇か。さっさと起こさないと飯が食えなくなる可能性も出てくるな)

長波「おい島風、もう夜だから起きろ」ユサユサ

島風「んっ……zzz」ギュッ


長波「おいおい、今起きかけたのに何でまた寝るんだよ」ユサユサ

島風「んんっ……」ギュウッ

長波(こいつ、意地でも起きないつもりだ。こうなったら徹底抗戦だ)

長波「ああもういい加減起きろって! ベッドから出れないだろ!」ユサユサユサユサ


オキロッテ!

天津風「島風がいるって言うから来てみたけど、騒がしいわね」

天津風「長波、島風が居るって聞いたから来たんだけど――」



長波「離れろって言ってるだろ!」

島風「んんっ!」

天津風(……予想通りの状況だったわ)


天津風「長波、なんとかしてあげるから一旦落ち着いて」

長波「わ、分かった」

島風「……」ギュッ

天津風「理由はよく分からないけど、この子は誰かと一緒に寝ているとその人に抱きついて寝る、引き離そうとすると逆に強く抱きついてきて中々離れることが出来ないのよ。私も何度か同じ経験があるわ」

長波「天津風もあるのか……あたし達以外で他にされた人は?」

天津風「多分居ないと思うわ」


長波「そうか。天津風は今までこれをどうやって引き離したんだ?」

天津風「実はね、島風には弱点があるの」

長波「弱点?」

島風「……」ピクッ



天津風「実は背中がとても弱くて、指でなぞると驚いてすぐ逃げ出すくらいなの。今から試してみ――」

島風「お、起きるからそれだけはやめて!」ガバッ

長波「うおっ!?」

天津風「……ほらね?」

島風「」ガクガクブルブル

長波「……壁に背をつけて震えるくらい苦手なのか。まあ何にせよ助かった」


天津風「これくらい、お安い御用よ。それに、お風呂でのぼせたって聞いたけど元気みたいだし私は部屋に戻るわね」

長波「ああ、分かった。今度間宮で何か奢るよ」

天津風「別にいいわよ。私が遠征で忙しい時に島風と居てくれれば、それで十分よ」

長波「そ、そうか」

天津風「それじゃあね」


島風「」ガクガクブルブル

長波「……おい、島風。あたしはご飯食べに行くけど行くか?」

島風「う、うん……」

長波「……別に今アレをやろうとしないからそんな怖がるなって。な?」

島風「うん……」

長波(それにしても、どうしてあそこまで頑なに離れたがらないんだろうな。大した理由じゃ無いならいいんだけどな)

――――――

忙しかったんで今日はここまで

島波はいいぞ


その十二


長波「……大規模作戦が始まってるってのに、暇だな」

島風「今は練習巡洋艦の二人や夕張さん達が対潜哨戒してるからね」

長波「対潜哨戒なのに駆逐艦が誰一人選ばれないなんて思いもしなかったな。遠征もしばらく担当じゃないし、何するよ」

島風「うーん。思いつかないね」

秋雲「そーんな暇そうな二人に、秋雲さんが頼み事をしに参上!」ガチャ


長波「……却下で」

秋雲「まだ何も言ってないのに!」

長波「だってなー……」

島風「この前みたいに恥ずかしい格好させられて、変なポーズ取らされるんでしょ?」

長波(島風の場合はいつもと大差無いと思うんだけど)


秋雲「ノンノン、今回は露出が少ない服装だし、ポーズも至って普通だから大丈夫大丈夫。それにモデルしてくれたら健全で面白いマンガ貸してあげるからさー」

長波「……」ピクッ

島風「……」ピクッ

長波「……詳しく聞かせてくれ」

秋雲「おっ、ちょっとその気になってくれた? じゃあとりあえず部屋までついてきてー」

――――
――

御飯食べてくる


長波「……」

島風「……」

秋雲「……」ジーッ


長波(秋雲がおすすめしていたマンガは、大人気だけどなぜか生産数が少なく、書店ではほとんど見かけないレアな作品で、興味を持っていたあたしは読ませてもらいたいがために引き受けることにした)

長波(秋雲から受け取った指定の衣装に着替える。衣装は秋雲が前に読んだマンガで気に入った高校の制服らしい。これに加えて、あたしと島風は二人で一つのマフラーを首に巻いている)

長波(ポーズは立っている状態で、身を寄せ合いあたしの左手と島風の右手を絡め合うように繋ぐ。秋雲が言うには恋人繋ぎって言うみたいだ)

長波(顔に関しては隣を見ることが無いよう反対側に少し向けるよう言われる。これは照れのせいで素直になれない様子を表したいらしい)

秋雲「……」ジーッ

長波(この前は気持ち悪い笑い声を発しながら描いてたのに、今日はやけに真剣に描いてるな。顔は見れないけど、きっと真剣なんだろう)


島風(うーん。何かいつも天津風と手を繋ぐのと全然違う。指を絡ませてるから、指の間にも熱を感じる)

島風(それに、この繋ぎ方って手を解くにはお互いに離そうとしないとまず外れることは無さそうかな)

島風(ずっと手を握っていたいと思えるくらい好きな人とするものだから"恋人繋ぎ"なのかな? 私にはまだ好きな男の人って居ないけど、いつかこうやって手を繋ぐ日が来るのかな?)

――――
――


秋雲「……よし、完成! 二人とも、もう動いて大丈夫だよー」

長波「や、やっと終わりか……疲れた」

島風「私もー」

秋雲「お疲れちゃん。二人のおかげでとてもいい絵が描けたよ~」

長波(秋雲は満足仕切った表情であたし達にPCの画面を向ける)


長波「……すごいな。色々とあるけど特にお互い恥ずかしがっている表情がとても自然だ」

秋雲「でしょー? ここだけはモデルを見ながらじゃ出来ないから苦労したんだよねー」

島風「私、この絵欲しいな」

秋雲「オッケー。修正済ませたら後でプリントしてあげるよ」

島風「わーい!」

秋雲「長波=サンは欲しい?」

長波「……一応、貰っとく」

秋雲「オッケー!」


長波(その後、マンガを受け取ったあたし達は部屋に戻りマンガを読み過ごした)

――――――


後日


島風「おはよー」

天津風「おはよう。さ、食堂まで行きましょう」スッ

島風「うん」ギュッ


天津風(こ、これは恋人繋ぎ!? 昨日まで普通に繋いでいたのに何で?)

天津風(も、もももしかして、島風は私のことを……い、いや落ち着くのよ私)

天津風(最近は長波と一緒にいることが多いこの子が長波を差し置いて私に恋人繋ぎをするとは思えない。これが何を意味するか……まさかふ、二人とも!?)

島風「……おーい」


天津風(後で聞いてみたら、秋雲にモデルを頼まれた時に知って、一度私としたらどうなるのか気になってやったみたい)

天津風(それを聞いて、私は安心したけど島風から色々追及されて答えるのが大変だったわ)

――――――

昼はここまで


その十三


長波「遂に礼号作戦が発令されたな。二人とも、無茶はするなよ?」

朝霜「長波は心配症だなー。あたいの事なら心配要らないって!」

清霜「清霜はちょっと不安だけど……生きて帰ってこられるよう頑張るね!」

大淀「二人とも、そろそろ出撃しますよ」

朝霜「はーい! じゃ、行ってくるぜ! 期待して待ってろよ!」

清霜「長波姉さん、行ってきまーす」

長波「頑張れよー!」




長波「……ふう、他の姉妹はほとんど遠征やら支援艦隊に参加して出払ってて、見送れるのがあたしくらいだなんてついてないなあ」

長波「ま、見送れなかった皆の分もエール送ったし、後は無事作戦が成功するのを祈るとするかな」

長波「……部屋に戻るか」

――――――


長波「……」ソワソワ

島風「さっきから落ち着かないの?」

長波「そんなところだね」

島風「……」ナデナデ

長波「どういう風の吹き回しだ?」

島風「少しは落ち着くかなと思って」


長波「いつもは甘えてくる側なのに、こういう時はそうじゃないんだな」

島風「長波がそんな状態で、いつも通り遊ぼうなんて言えないよ」ナデナデ

長波「まあ、それもそうか」

長波「島風、悪いけど落ち着けるまで……少し甘えさせてくれ」

島風「うん、いいよ」

長波「悪い……いや、ありがとう」ギュッ

島風「どういたしまして」ナデナデ

島風(いつもは大人びて、精神的にも強そうな長波もこういう一面があるんだね。私なんかが少しでも支えになればいいけど……)

――――
――


朝霜「長波ー、敵主力の旗艦倒してきたぞー! あたいじゃなくて大淀さんがだけど」

長波「お、やったじゃん、お疲れ。清霜は?」

朝霜「中破しちゃったから入渠中」

長波「そうか。後で会いに行くかな」

朝霜「それがいいさ。清霜も長波に会いたくて仕方なかったみたいだし」

長波「はいよ。朝霜もちゃんと休んで、次に備えておきなよ?」

朝霜「言われなくても、間宮で甘味を食べて力を蓄えておくって。んじゃ、ちょっと行ってくる!」



長波「当たり前だ。過去にも勝利をおさめた礼号組が欠員を出すわけがないって、信じていたからな」

島風「でも、さっきまで中々落ち着けなかったよね?」

長波「うぐっ……」

島風「安心して、誰にも言わないからさ」

長波「あ、当たり前だろ! 言ったら絶対に許さないからな!」



夕雲(……長波さんも、気を許せる相手が見つかって良かったですね)ジーッ

夕雲(でも、姉の事も少しは頼って欲しいと思ってしまいますね。性格的に期待は出来なそうですけどね……うふふ)

――――――


その十四


島風「どうやら集積地の破壊に苦戦してるみたいだね」

長波「そうらしいな。急に装甲が厚くなって中々砲撃が通らないって朝霜が愚痴ってた」

島風「相手もそれだけ必死って事だよね。なるべく早く勝負が決まればいいけど……」

ピーンポーンパーンポーン


『霧島、榛名、蒼龍、飛龍、長波、島風、今すぐ執務室に出頭しろ。繰り返す――』

長波(このメンツか……まさかね)

島風「突然の出頭要請? 一体何だろう」

長波「行けば分かるさ。急がないと怒られそうだから急ぐぞ」

島風「うん!」

――――
――


長門「全員揃ったようだな。これから六人には決戦支援艦隊としてオートロ島マーマレード湾沖の支援任務を行ってもらう」

長波(予感的中か……)

長門「各自、装備を整えてすぐ向かってくれ」

六人「「はい!」」

長波(……まさか、こんな形で出番が来るなんてね)

長波(妹達のために、頑張らないとな)

――――――


長波(あたし達支援艦隊は、マーマレード湾沖の主力艦隊が捕捉できる地点まで踏み入れた。現在は航空戦が繰り広げられているため待機中だ)

長波(すぐに殴り込みに行きたいが、不意打ちで損害を与えなければ意味が無い。だからぐっと堪えて待つ)

蒼龍「そろそろ私達の出番よ。各自、支援の準備を!」

長波(旗艦の指示で、全員砲を構える。空母は艦爆隊を発艦出来るよう弓を構える)

島風(皆が今どんな状況か分からないけど、絶対に外さない!)

連装砲ちゃん[ ・`ω・´]


蒼龍「…………航空戦が終わった。今よ!」

飛龍「攻撃隊、発艦!」

蒼龍「江草隊、発艦!」

霧島「全砲門、斉射!」

榛名「主砲、砲撃開始!」

長波(空母二人の発艦と同時に霧島、榛名が砲撃。二人の砲撃は補給艦に向かって一直線に飛んで行く)


ワ級A「グワァァ!」

ワ級B「ギャァァ!」

長波(どっちも一撃で大破……さすが戦艦の砲撃だな)

江草隊妖精「バクゲキカイシ!」

六〇一空妖精「アトニツヅク!」

集積地棲姫「コッチニクルナ! ウットウシイ!」

長波(艦爆隊は旗艦の集積地棲姫に向かって爆撃か……対する姫は陸爆で迎撃しようとしてこっちに意識は向いてない……突撃するなら今しかないな)


長波「島風、今から突入して魚雷艇を叩くぞ!」

島風「了解! 行くよ、連装砲ちゃん!」

連装砲ちゃん[ ・`ω・´]ゞ

長波(戦況は……敵側は補給艦二隻が大破、魚雷艇が三隻ともまだ無傷。旗艦は爆撃を受けて少しずつダメージを追ってるな)

長波(味方側は……げっ、朝霜と清霜が中破してるじゃないか。大淀と霞は辛うじて小破で踏みとどまって、足柄と筑摩が小破未満ってところか)

長波(さっさと魚雷艇をぶっ潰して、有利な状況にしないと)


PT1「ミ、ミー!」

PT2「ミミ、ミー!」

PT3「ミミミ、ミー!」

長波「当たれ!」

長波(あたしは魚雷艇に出来る限り近づいて砲撃する。ビビっていたのか回避すること無く砲弾が直撃した)

PT1「ミーッ!」

長波「よし、撃沈成功!」


島風「連装砲ちゃん、いっちゃってー!」

連装砲ちゃん[ #゚д゚ ]

PT2「ミミーッ!」

長波(連装砲ちゃんの怒りの砲撃でもう一体も一撃で撃沈する。顔怖え……)


長波「よし、さっさと離脱するぞ!」

島風「うん!」

長波(二人と話す時間が無いのが残念だけど、ここまで削ればきっと大丈夫だろう)

長波(……勝ってこいよ、朝霜、清霜)

――――――


長波「……中々帰ってこないな」

島風「夜戦までもつれ込んでるのかもね」

長波「……寒いな。帰投を待ち始めて今何時間経ってるんだ?」

島風「三、四時間くらいかな」

長波「もうそんなに経ってたのか。一旦部屋に戻って温まってから――」

オーイ ナガナミー
シマカゼチャーン

長波「……帰ってきたか!?」

島風「そうみたい!」

長波「よし、迎えに行くぞ!」

――――
――


朝霜「いやー悪い悪い。あの後結局二人して大破しちゃってさー」

清霜「魚雷艇の残りは倒せたんだけどね……」

長波「そっか。でも、ちゃんと帰ってこれて良かったよ」

島風「それで、結果はどうだったの?」


朝霜「ふふん、大淀さんが追い詰めて、足柄姐さんが見事にとどめを刺して勝利したぜ!」

長波「おっ、遂に勝てたのか。やったじゃんか!」

島風「おめでとう!」

清霜「勝てたのは支援艦隊のおかげだよ。あれだけ多くの敵艦を倒してくれたから勝てたって、霞ちゃんも言ってたし」


長波「へー、あの霞が素直に褒めるなんて珍しいな。そう言えばどこに居るんだ?」

朝霜「旗艦だから報告に行ってるぜ」

島風「それじゃあ、声をかけるのはもう少し後になりそうだね」

清霜「きっと喜ぶと思うから、後でちゃんとお祝いしてあげてね! 清霜達は入渠してくるから」

朝霜「あたいも行くよ。ここまでありがとうな」

長波「どういたしまして。ゆっくり休めよ」



長波「……じゃ、あたし達も部屋に戻るか」

島風「うん」

――――
――


長波「今日は久しぶりにまともに戦闘した気がする」

島風「あまり出撃に出てなかったからね。お疲れ様」

長波「ああ、お疲れ」

長波「……そういえばさ、今日って艦娘になって初めて、島風と共闘した気がする」

島風「確かに、艦娘になってからは長波と一緒に戦った事は無かったね」

長波「だろ? それでさ、なんか楽しくなかったか?」

島風「うーん、言われてみればそうかも」


長波「やっぱりか? こうして久しぶりに共闘して、あたしはもう少し戦いたかったなって思ったな」

島風「……きっと、また来るよ。今度は実戦で戦場を駆け巡る事になるかもね」

長波「そんな時が来ればいいな。夕雲型にも島風型にも改二が来てない現状じゃ期待出来ないけどさ」

島風「そうだね」

長波「もしまた共闘することがあったら、お互い頑張ろうな」

島風「うん!」


長波(あたし達は固い握手を交わして、その後一緒に寝ることにした)

――――――

今日はここまで
明日はあのネタを書きます

あまり関係ないけど凄いドラマチックな展開を目撃した

ttp://i.imgur.com/Wvq3PMH.png
ttp://i.imgur.com/lcRNA0z.png



バレンタイン特別編
島風「チョコクッキーと」長波「チョコケーキ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1455381514/)

演習更新前の投下


その十五


長波「……」パタン

長波「えっと、続きはどこかな……ん?」

長波「何だこの少女マンガ。あたしはこんなもの買ったこと無いぞ」

長波「……今ちょうど居ないし、問い詰める前にちょっとだけ読んでみよ」パラッ

長波「……」パラッ


――――
――


島風「やっほー長波」

長波「よっ。ちょうど島風に聞きたいことがあったんだ」

島風「何?」

長波「最近さ、あたしの部屋に見に覚えのない物が色々と増えてる気がするんだ」

島風「」ギクッ

長波「島風は何か心当たり無いか?」

島風「……な、ナイヨー」


長波「そうかー。じゃあこのマンガも見覚えは無いよな?」スッ

島風「う、うん……ナイヨー」

長波「たまたま読んでみたけど面白くてな、女子高生の主人公が同じクラスの男子高校生に恋するんだけど、そこからのアピールの仕方が奇抜で面白いんだ。例えば――むがっ」

島風「だめぇ! 嘘ついてたけどそれ私が置いたのだしまだ読んでないからネタバレはやめてえええ!」


長波「わはっは、わはっはははふひほふはふほはへほ!(分かった、分かったから口をふさぐのやめろ!)」

島風「……絶対に言わない?」

長波「ひははひ!(言わない!)」

島風「……」パッ

長波「まったく……素直に私のですって言えば良かったのに。なんであたしの部屋に私物置いてあるんだよ」

島風「じ、実はね……」

――――――


長波「島風の部屋に初めて来たけど、こんなに本があるのか」キョロキョロ

島風「色々な人におすすめされたのを買い集めてたらつい……」

長波「読んでない本はこの中にあるのか?」

島風「無いよ。強いて言えば長波の部屋に置いたアレだけ」

長波(これだけあってよく暇があるな……)


長波「あたしと同じで、一人部屋なんだな」

島風「うん。ちょっと色々あって一人なんだ」

長波「ふーん。陽炎型の誰かと相部屋する気は無いのか?」

島風「皆、私が来る前から決まっちゃってたからね。そこに途中から入るのも気が引けるし」


長波「どんな振り分けがされてるんだ?」

島風「えっと……まず第十六駆逐隊で天津風と時津風、初風と雪風で分かれてるよ」

長波「ふむふむ」

島風「次に第四駆逐隊で萩風と嵐、舞風と野分で分かれてて、第十七駆逐隊繋がりで磯風と浜風、谷風と浦風で分かれてたかな」

長波「これで十二人は確定か。後は陽炎、不知火、黒潮、秋雲だからこれで部屋分けすればちょうど二人ずつになるな」

島風「そう思うでしょ? でも実際は違うんだよね」

長波「どういうこと?」


島風「まず、秋雲は創作に集中したいがために一人部屋なんだ。何度か長波は訪れてたんから知ってると思ってたけど」

長波「……言われてみれば確かに同居人がいる感じの部屋じゃなかった気がする。残りの三人は?」

島風「陽炎達は初期の頃に居たから、他の姉妹より少し広い三人部屋なんだ。それでも二人で使うよりは少し狭いけどね」

長波「その中で誰か相部屋してもらえたりしなかったのか?」

島風「……い、色々あって」

長波「色々?」

島風「……」

長波(どうやら、この話題はこれ以上触れない方が良さそうだな)


長波「ま、誰かと一緒だったらここまでマンガを買い込めなかったかもしれないし、一人のほうが気を使わないで済むから楽だよな」

島風「うん。でもたまに寂しいから天津風達と一緒に寝たりすることもあるけどね」

長波「へー」

長波(島風型が自分しか居ない事もあって、やっぱ姉妹ってのに憧れるのかね。姉妹がいるあたしにはよく分からない悩みだから何も言えないけどさ)


長波「……ま、島風はとりあえずこの本の山を整理して、あたしの部屋の本棚に置かなくて済むようにしてからまた買うようにしとけ。いっその事、本棚を増やしてそこに入れてしまえばいいし」

島風「うーん、どうするか考えてみるよ」

長波「要らないマンガが見つかったら、あたしに言ってくれ。本の買い取りしている店を教えてあげるからさ」

島風「うん、分かった」


長波(次の日、読まないマンガが三十冊以上見つかり、半分ほどあたしも持つのを手伝って古本屋に売りに行った)

――――――

今はここまで
海風掘りに行きながらまた書いてくる

今更だけどコメントありがとう

>>41の悲劇なんてなかった
短いの投下


その十六


島風「「長波ー!」」

長波「なに……!?」

島風A「どうしたの?」

島風B「そんな驚いて」


長波「いや驚かない方が無理あるだろ……まさかどちらかは今日建造されたばかりの島風か?」

島風A「何を言ってるの?」

島風B「今まで私達三人で遊んでたじゃん」

長波「そんな訳ないだろ! あたしの記憶には本物の方としか遊んでない!」


島風A「長波がおかしくなっちゃったね」

島風B「そうだね。記憶喪失なのかもしれないね」

島風A「こうなったら、元の長波に戻すためにいつものしちゃう?」

島風B「うん、そうしようか」


長波「な、何をする気だ?」

島風A「何をするって? こうするの」ギュッ

島風B「逃がさないよ」ギュッ

長波(しまった、左右から抱きつかれて逃げられない!)


島風A「そしてまずは耳の中に息を吹きかけたり」フーッ

長波「ひゃっ!」

島風B「耳たぶを甘噛みしたり」カプッ

長波「ひいっ!」

島風A「可愛いよ、長波……」

島風B「ふふっ、今日もいっぱい愛してあげるね……」

長波「や、や……やめろおおおおおお!」

――――
――


長波「やめろおおおおお!」ガバッ

長波「な、なんだ……夢か」

長波「良かった……島風が二人になったりあんなことするわけないもんな」ドキドキ

長波「……寝汗でシーツが湿ってるな。気持ち悪いからシャワー浴びるか」

――――
――


島風「長波ー!」

長波「な、なに?」

島風「久しぶりにかけっこしよ?」

長波「あ、ああいいぞ。き、着替えるから待っててくれ」

島風(……なんか今日一日、距離を置かれてる気がする。何でだろう?)


島風がこの夢について知ることは無かった

――――――

今日はここまで
ホラーチックなの書いてたつもりが迷走

島波はいいぞ

昼の投下


その十七


長波(今日は遠征かー。島風には伝えてなかったけど天津風がいるだろうし退屈することは多分ないだろう)

長波(集合場所は……あそこか)タッタッタ

天津風「あら、今日は長波も居たのね」

長波「え、天津風もあたしと同じで遠征のメンバーなのか?」

天津風「ええ、そうよ」

長波「そ、そうか」

長波(マジか……伝えとけば良かった)

――――――


島風(天津風は遠征で居ないのは知ってるけど、長波まで居ないとは思わなかったからどうしよう)

島風(うーん、確か雪風と時津風、初風は居たと思うからそっちに行こうかなー)

??「あら、島風じゃない」

島風「あっ……陽炎」


陽炎「久しぶりに一人でいるみたいね。天津風と長波は遠征?」

島風「うん。長波の方は話聞いてないから多分だけど」

陽炎「それなら久しぶりに私の部屋でお話しましょ? 色々聞きたいこともあるし」

島風「ま、まあいいけど……」

陽炎「決まりね! 早速行きましょ」

――――
――


陽炎「久々に島風を連れてきたわよ!」

島風「お、お邪魔します……」

不知火「あら、珍しいわね」

黒潮「ほんまやなー」

陽炎「天津風と長波が遠征に行ってて暇してたんだって。だから連れて来ちゃった」


島風「ところで、私に話って何?」

陽炎「そうねーその前に、頭を撫でながら話してもいいかしら?」

島風(やっぱり……)

島風「え、えーっと」チラッ

島風(黒潮の方は別にいいけど、不知火がいるのがなー。でも断ると陽炎が落ち込んじゃうし……)


島風「す、少しだけなら……」

陽炎「ありがと! じゃあ少しだけ」ナデナデ

島風「んっ……」

島風(……不知火の反応は)チラッ

不知火「……」ジーッ

島風(やっぱり睨まれた! 相変わらず目が怖いよ)ブルブル

不知火(また撫でられて……不知火は羨ましいです)ジーッ

黒潮(これはまた島風に誤解されてそうやなあ)


陽炎「ん? 身震いしてどうしたの?」ナデナデ

島風「な、なんでもないよ。それより話って何かな?」

陽炎「そうだったわね。最近長波と仲いいけど、何してるのか気になったのよ」ナデナデ

島風「何って……かけっこしたり、バッティング教えてもらったり、マンガの話をしたり、一緒に間宮に行ったり……そんなところだよ?」

陽炎「バッティング?」ナデナデ

島風(少しって言ったのに止まる気配が無さそう)


島風「う、うん。長波と近くのバッティングセンターに行って、その時に色々と教えてもらったんだ」

陽炎「へー、おもしろそうじゃない。良かったら今度私も連れてってくれる?」ナデナデ

島風「うーん、休みがあったらその時に誘うよ」

陽炎「分かったわ。楽しみにしてるわね!」ナデナデ

島風「う、うん」


黒潮「陽炎姉さんの溺愛癖は相変わらずやな。癒やされすぎて表情もだらしなくなっとるし」ゴニョゴニョ

不知火「そうね。実の姉妹の雪風や時津風、姉妹でもない島風に対してばかりで羨ま……ちょっと度がすぎる時もあって見てるこちらはハラハラしますが」ゴニョゴニョ

黒潮(本音が隠せてないで、不知火姉さん)

陽炎「二人とも、そこでこそこそしてないで混じってもいいのよ?」ナデナデ

島風(陽炎はそろそろ手を止めてくれないかな……)

――――
――


島風(や、やっと解放された……)

島風(皆悪い人じゃないんだけど、相変わらずちょっと苦手かも)

島風(陽炎はいつもスキンシップが多くて、不知火は陽炎からスキンシップされてると睨んで来て、黒潮は特に無いけどあまり会話したこと無いからよくわからないんだよね)

島風(次こそ陽炎にちゃんと言ったほうがいいのかな。でもあんなに嬉しそうにされると言い難いんだよね)

島風(長波に言うのもあまりいいとは思えないからこの前は黙ってたけど、相談したほうがいいのかな? うーん……)

――――――

昼はここまで
方言キャラは難しい

昼投下


その十八


ピピピピピ

島風「……んっ、朝か」

島風「んんー」

タタタタタ ガチャ

長波「起きてるかー島風?」

島風「今起きたとこだけど……突然どうしたの?」

長波「着替えてすぐ支度しな。遊びに行くぞ!」

島風「え?」

――――
――


島風(私が急いで着替えると、集合場所とやらで長波と誰かを待つことになったんだけど……寒い)

島風「……で、何で突然街の方に遊びに行くことにしたの?」

長波「ほら、あたし達って普段は休みがあっても遠くまで行くことは許されてないだろ?」

島風「そうだね」

長波「それが今回の大規模作戦で全海域を制覇して全艦娘が揃った事を理由に今日明日だけ解禁されたんだよ。だったら外に行かないわけないだろ?」

島風「そうなんだ……でも昨日までそんな話聞かなかったけど?」


長波「今日の朝に外に遊びに行きたい艦娘が提督に許可を取りに行ったんだ。そしたらOKしてくれたもんだから艦娘にどんどん広がっていったんだ。そのクチであたしも知ったんだ」

島風「そうなんだ。でも私達以外に待ってる理由がよくわからないんだけど」

長波「提督が言うには駆逐艦、潜水艦だけで外出させるのは万が一何かあったら大変だという理由で軽巡以上の艦娘を一人つけて外出しないといけないって言い出したから、その人を待っているんだ」

島風「へー。で、その艦娘って一体――」

??「お待たせー!」


島風「へ、鈴谷さん?」

長波「鈴谷さん、ちーっす」

鈴谷「ちーっす! 島風ちゃんも一緒だったんだー」

長波「せっかくなんで誘ってみました。多いほうが楽しいですし」

島風(長波が敬語で話してる……別人みたい)


鈴谷「そうだねー。あっ、今日はよろしくね!」

島風「よ、よろしくお願いします」ペコリ

長波「じゃ、早速行きましょうか」

鈴谷「よし、しゅっぱーつ!」

島風「お、おー」

――――――


ダァ シエリイェス!!
ガシャン

島風(ひ、人がぎゅうぎゅう詰めで痛い)

鈴谷「やっぱ上り線は混むねー」

長波「ですねー。背が小さいから掴まれるところも殆ど無いですし」

島風「た、倒れそう……」

鈴谷「倒れそうなら鈴谷に掴まってて大丈夫だよ?」

島風「ま、まだ大丈夫です」


コノサキ デンシャガユレマス
グラグラ

島風「きゃっ!」グラッ

鈴谷「おっと」ガシッ ギュッ

島風「あ、危なかった……ん?」

島風(今私、鈴谷さんの胸が顔に当たってる状態……だよね?)

鈴谷「大丈夫? 後もう少しだから無理せず掴まっていいよ」

島風「あ、ありがとうございます……」

島風(お、大きい……重巡って凄いなー)ドキドキ

長波(島風が男だったら俗に言うラッキースケベだなこれ)

――――――


鈴谷「やっと着いたねー」

島風「もう疲れてきた……」

長波「おいおい、これくらいでへばってたら楽しめないぞ」

島風「そ、そうだけどさ……」

鈴谷「お二人さん、まずはどこに行きたい?」


島風「うーん……二人に任せます」

長波「……」

島風「あれ、どこか行きたいところがあるんじゃないの?」

長波「実は……何も考えてなかった」

島風「ええっ!?」


鈴谷「それならまずは映画でも観に行かない? この時間ならまだ始まる直前で入れそうだし」

長波「いいですね! 映画館に行きましょう!」

島風「私も映画でいいですよ」

鈴谷「決まりだね。それじゃ、映画館へレッツゴー!」

――――
――


コノイノチニカエテモ オマエヲマモル
ウオオオオオオオオ


長波(この主人公、提督の何倍もカッコイイな!)

島風(マンガでよくある王道バトルモノだけど、演出が派手で面白い!)

鈴谷(二人とも見入ってて可愛いなー。こうしてみると年相応って感じがするよ)ニヤニヤ


サイゴニオマエヲマモレテヨカッタ……グフ


長波(マジかよ……ここで助からずに死んで終わりって救いはないのかよ)ウルウル

島風(えっ、これで終わり!? この後なんだかんだ生きてると思ったのに!)

鈴谷(長波ちゃんが泣いてるなんて珍しい……島風ちゃんは納得いかないみたいだね。鈴谷もちょっとこの終わり方は微妙だったかなー)

――――――


島風(映画を見終わった私たちは、昼食を食べるため飲食店に入ったよ)

鈴谷「やっとお店に入れたねー」

島風「どこも混んでてびっくりしましたね。うちならこんなに待たなくても入れるのに」

長波「あの食堂はあたし達専用ですからね。いろいろな人がいる都会とはやっぱ違いますよ」

鈴谷「そうだねー」

島風(会話をする時は、艦娘だとバレないように気をつけろと言われているらしいの。三人とも鎮守府だとか艦娘と言った特定される可能性が高い単語は控えている)


店員「ご注文はいかがですか?」

鈴谷「このシーフードパスタを一つ」

島風(えっと……とりあえずこの店で人気あるメニューにしてみようかな)

島風「私はこのドリアで」

店員「畏まりました」


長波「うーん……どっちにしようかな」

島風「どれで悩んでるの?」

長波「このミックスグリルとハンバーグプレートのどちらにするか悩んでるんだ」

島風(昼から凄いガッツリしてる……)

島風「それならこっちのミックスグリルのほうが色々食べられていいんじゃないかな?」

長波「そうだな。じゃあこのミックスグリルのAセットで」

店員「畏まりました」

島風(ご飯と日替わりスープ付きって、凄いガッツリしてる……)

鈴谷(食べ盛りだなー。でもうちには昼からもっと食べる艦娘いるから普通に感じちゃうかな)

――――――


赤城「くしゅん」

加賀「風邪ですか?」

赤城「いえ、そうではないですが……誰かに噂されているのかもしれませんね」

加賀「はあ……そうですか」

赤城「それより、次はどこに行きますか?」キラキラ

加賀「そうですね……」

加賀(本当によく食べますね。私はそろそろキツイのですが……)

――――――

昼はここまで
夜に続き投下予定

続き投下


島風(昼食をとった私たちは、服飾店を色々見てまわった)

島風「……に、似合ってる、かな?」ドキドキ

長波「おっ、可愛くなったじゃん」

島風「そ、そう?」

鈴谷「おーっ、さすが島風ちゃん。鈴谷のコーディネートを着こなせてるよ!」

島風「そうかな……えへへ」

長波(かわいい)

鈴谷(かわいい)パシャ


鈴谷「次は鈴谷の番です。じゃーん!」

島風「おおーっ!」

長波「セクシーですね!」

鈴谷「ふふふ、そうかなー?」

長波「でも冬には寒そうだなこの服」ゴニョゴニョ

島風「そうだね」ゴニョゴニョ

鈴谷(島風ちゃんの制服の方がこれより寒いと思うよ)


長波「……」

鈴谷「長波ちゃーん、出ておいでー」

島風「もう着替え終わってるんでしょー?」

長波「……やだ」

島風「えー」

鈴谷「絶対似合ってるから! 笑わないから姿を見せてよ!」

長波「……本当ですか?」

鈴谷「ホントホント!」


長波「……分かりました」シャーッ

長波(ゴスロリ)「……」カァァ

島風(かわいい)

鈴谷(かわいい)パシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ

長波「連写するな!」

島風(いつもの長波から想像出来ない可愛さ……秋雲が見たら大変なことになりそう)

長波(何でまたあたしはコスプレさせられるんだよチクショー!)


長波のゴスロリ服だけ、鈴谷が購入し長波にプレゼントされた

――――――


島風(恥ずかしさから拗ねた長波を宥めて、次は長波の提案でゲームセンターに行くことになった)

島風「ひ、広いね」

鈴谷「はぐれたら中々合流出来なさそう」

長波「いいねえー、これくらい広ければ色々と遊べそうじゃん」

島風(長波の機嫌がもういつも通りに戻った)

鈴谷「とりあえず、中をゆっくり見て回ろっか」


鈴谷「クレーンキャッチャーがたくさんあるねー」

長波「景品もファンシーなものからマニアックなものまで幅広いですね」

島風「……」ジーッ

鈴谷「ん? この景品が欲しいの?」

島風「はい。でもやったこと殆ど無いから……」

鈴谷「それなら、鈴谷におまかせだよ!」


鈴谷「さーて、どう取ろうかなー」

鈴谷(景品が落ちる穴に対して小さいぬいぐるみがびっしり積まれて坂みたいになってるね。これはそこまで難しくなさそうかな)

鈴谷「島風ちゃんが欲しいのってどれかな?」

島風「少し奥の犬っぽいやつです」

鈴谷(あれかー、二、三回くらいで取れそうかな)

鈴谷「オッケー。それじゃ一回目、いってみましょう」チャリン


鈴谷(まずは横方向っと……よし、これくらいで)

鈴谷(次は奥まで……これくらいかな)

島風「その位置じゃ取れない気がしますけど?」

鈴谷「まあまあ、見てみれば分かるよー」


ウイイイイイン ガシッ

島風「……」

ウイイイイン ポトッ

ゴロンゴロン

島風「!?」

ゴロンゴロン ゴトン


鈴谷「……ふふん、こうやって取る方法もあるんだよ」

島風「すごーい!」パチパチ

鈴谷(一回で取れると思わなくて驚いてるけど内緒にしとこ)

鈴谷「ん? そう言えば長波ちゃんはどこ行ったんだろう」

島風「いつの間にいないですね……探しましょう」

鈴谷「そうだね。遠くに行ってないといいけど……」

――――
――


長波「……」

ウイイイイイン ガシッ

長波「……」ゴクリ

ウイイイイイン ゴトン

長波「……よし!」

長波(結構使っちゃったけど、取れてよかったー)ムギュッ


鈴谷「あらあら、長波ちゃんが大きな猫のぬいぐるみ取れて喜んでますよ」ニヤニヤ

島風「いつもはあまり女らしくない長波が可愛らしい笑顔でぬいぐるみ抱きしめてますね」ニヤニヤ

長波「なっ!?」カァァ

鈴谷「別に恥ずかしがることじゃないと思うよ? ただとてもレアな光景を見たものだから思わずにやけちゃってるだけだし」ニヤニヤ

島風「そうそう、別に笑ってるわけじゃなくてとても嬉しそうだったからつい私達もにやけちゃってるだけだよ」ニヤニヤ

長波「絶対にバカにしてるだろ! そのにやけ顔やめろぉ!」

――――
――


島風(その後もホッケーやガンシューティング、太鼓のような筐体を叩くゲームとかを色々やって過ごした。そして最後は――)

鈴谷「長波ちゃんが真ん中でその猫抱きしめたらいいと思うんだけどどうかな?」

長波「ぜ、絶対にそんな事しないぞ!」

島風(気づいたら長波が敬語使わなくなってる……)

鈴谷「冗談だって。ほら、撮影始まるよー」


島風「おっと、もう少し近づかないと私がウツラナソウダー」

長波「別にくっつくのは構わないけどわざとらしい棒読みは要らないぞ」

鈴谷「それじゃあ鈴谷は反対側からくっつこーっと」

長波「あっはい」

長波(もう突っ込む気力も湧かないな)


島風(プリクラで撮影した後は私と長波で落書き合戦が始まり、カオスな物が仕上がり鈴谷さんが苦笑いしていた)

――――――


ダァ シエリイェス!!
ガシャン

鈴谷「今日は楽しかった?」

島風「はい!」

長波「一部を除けば楽しかったです」

島風(いじられたことまだ引きずってるみたい……)


鈴谷「また次もこんな機会があるといいね。今回はこうして許可をくれるとは思わなかったし」

島風「そうですね」

長波「今回の件で問題が無ければ解禁してくれたらいいけど、あまり期待は出来ないかな」

鈴谷「してくれたら嬉しいね」

島風「そしたら、今度はもう少し他の人も誘いたいなあ……」

島風(その後は今日のことについて話しながら、鎮守府へと帰った)

――――――


長波「島風は今日、出撃してるのか……暇だな」

長波「……」チラッ

長波「……」



長波(ゴスロリ)「……やっぱ着てみると恥ずかしいな」

長波「……」ファサッ

長波「さすがにあたしがやると変だなこれ」


秋雲「長波ー! 遊びに来t」ガチャ

長波「」

秋雲「」サッ

長波「描こうとするのやめろおおおお」ドゴォ

秋雲「うわらば!」


この後、秋雲は長波にボコボコにされた

――――――

今日はここまで

島波はいいぞ

今書き終わったので昼投下


その十九


島風「長波ー」ガチャ

高波「し、島風さん!?」カァァ

長波「あっ、来ちゃったか」ナデナデ

島風(高波が長波に抱きついて頭を撫でられてる……意外)


高波「な、長波姉さま。高波は十分満足したのでもう大丈夫かも、です!」

長波「ん、そうか」

高波「ま、また今度お願いするかも、です! ではまた今度かもですー!」ガチャ

島風「……何か邪魔しちゃったみたいだね。ごめん」

長波「島風に何も教えてなかったから今のは仕方ないって。飲み物取ってくるから座って待ってな」

島風「うん」

――――
――


島風「……」

長波「……島風はさっきの事が気になるか?」

島風「うん」

長波「だよな。特別に教えてあげるけど、秘密にしろよ?」

島風「うん、分かった」


長波「……高波があたしに甘えてくるのは、今日だけじゃないんだ。あたしが一人でいる時に頼んでくる。回数は忘れちゃったけど」

島風(やっぱり一回だけじゃないんだ)

長波「二人きりになれる所であたしに抱きついて、あたしは頭をそっと撫でてやるんだ。すると悩み事や楽しかったこととかをあたしに報告してくれるんだ」

長波「こっちから解決方法を言ったりすることはほとんど無いけど、話を聞いてもらえれば充分らしい」


島風「ふむふむ……悩み相談もしてるんだ高波は長波を慕ってるみたいだね」

長波「一応艦娘になる前は一緒に戦った事もあるけど、慕ってるのかは分からないな」

島風「そうなんだ……私には高波が長波を慕ってるのが何となく分かる気がするかな」

長波「それは気になるな。話してくれないか?」

島風「うーん、ちょっとだけ高波と同じ事してくれたらいいよ」

長波「何故島風まで……別にいいけどさ」


島風「なら早速お願いするね」ギュッ

長波「はいはい……」ナデナデ

島風(何か心地いいかも。ゆっくりと頭を撫でられて、長波の体温を肌で感じられて、安心する)

島風(もしかしたら包容力があるのかも。それを高波も感じてこうして甘えさせて貰ってるのかもしれない)

長波「……そろそろいいか?」

島風「うん。ありがとう」


長波「それで、高波があたしを慕う理由ってなんだ?」

島風「えっとね……頼りがいがあって、包容力もある姉だからじゃないかな?」

長波「あたしに頼りがい? 包容力? いやいや、無いでしょ」

島風「私がそう感じただけだからね。高波が同じとは限らないし」

長波「……ま、他人から見たあたしとあたし自身のイメージは違うところがあるか」

島風「そうだね」

島風(でも、頼り甲斐のある姉だと思ってるはずだよ。高波は)

――――――

昼はここまで
そろそろ二十だけどどこまで続けようかね

(高波が長波慕ってるのついさっき知った)

予定より六時間遅れで投下
その二十は事情により休みの何処かで投下予定


その二十一


長波「ほれ」

島風「あーん」パクッ

島風「……間宮さん達が作る甘味はいつ食べても美味しいね」

長波「食い過ぎると後が怖いけどね。あ、そっちのパフェちょっと頂戴」

島風「いいよ。はい」

長波「あーん」パクッ


??「あらあら、お二人さんは今日も仲がいいわね」

島風「あっ……陽炎と不知火」

長波「……何か用か?」

陽炎「席がほとんど埋まってるから探してたのよ。そしたら丁度見かけたから相席させてもらえたらいいなと思って来たけど、いいかしら?」

島風「えーっと……」チラッ


長波「……別に構わないけど、あたしは島風の隣に移動させてもらうよ」

陽炎「島風は?」

島風「別に、いいけど」

陽炎「そう。じゃあ私は島風の前にしよ」

不知火「不知火は陽炎の隣に」

長波(この前話されなかったから気になってたけど、こんな形で確認する機会が来るとは思わなかったからついOKしてみたわけだけど――)

長波「……」チラッ

島風「……」パクパク

長波(――さっきまでと比べるとちょっとテンションが下がったように感じるな)


陽炎「二人って本当に仲いいわね。さっきもパフェ食べさせあったりして」

長波「まあね」

陽炎「この前の外出許可出た時も一緒に出かけたんでしょ? どこまで行ったの?」

長波「ちょっと遠い都会の街だ」

陽炎「そうなんだ。色々買ったりしたのかしら?」

長波「そうだな……服を少し買って、映画観て、ゲーセンで遊んだりして過ごしたな。陽炎達はどこに行ったんだ?」


陽炎「私達は姉妹で有名な遊園地に行ったわ。でも秋雲は来なかったのよねー」

島風「断られたの?」

不知火「はい。秋雲曰く何よりも行かねばならないところがあるとか」

島風「へー」

長波(きっとあの街だろうな……)


長波「それで、遊園地では何乗ってきたんだ?」

陽炎「ジェットコースターに観覧車、お化け屋敷にフリーフォール、後は絶叫マシン系が多かったわ」

不知火「絶叫マシンが苦手な何名かはメリーゴーランドや映像を観ながら進んでいくアトラクションを乗っていましたね」

島風「色々と乗れたんだね。遊園地って人気のアトラクションだと数時間待つらしいし」

不知火「それにつきましては、人気の高いアトラクションを先に乗ることで対処しました」

陽炎「ジェットコースターを最初の方に回して確か一時間半待って、午後になったら三・四時間くらいになってたからうまく行ったのよね」

長波「成る程……てかそんな待たされることあるのか」


陽炎「人気があるところだからこれくらいふつーよ普通」

長波「へー」モグモグ

長波(今のところは普通に会話してるだけだから何も問題無さそうに見えるな。となるとちょっと聞いてみたほうが早そうだな)

長波「陽炎」

陽炎「何?」


長波「あたしや天津風が居ない時って、たまに陽炎達が島風といることがあったりするのか?」

島風「……」ピクッ

陽炎「ええ、この前も一緒に居たわ」

長波「その時って、何して過ごしてるんだ?」

陽炎「そうねー、お話したり、ゲームとかで遊んだりしてるわ」

不知火「陽炎が島風に対してやたら撫でたりすることもありますね」

島風「……」ピクッ

長波(撫でたりの辺りで今物凄い嫌そうな反応してたな)


長波「やたら撫でるね……そうなのか、陽炎」

陽炎「ええ。島風が可愛くてつい……本当は今も撫でたいけど」ニヤニヤ

長波(陽炎がここまでにやけているのは珍しいな。それくらい島風とスキンシップするのが好きみたいだが――)

島風「え、えっと……」オロオロ

長波(島風の方は慌ててるというか怯えているというか、何か嫌そうな反応してるんだよな)

陽炎「まあ今はしないけどね。パフェ食べてるし」

不知火「食べてなくても部屋以外では控えた方がいいかと。たまにエスカレートしますし」

陽炎「あはは……ついやっちゃうのよね」

長波(……これはもう少し詳しく聞いてみるとするか)

――――
――


不知火「そろそろ部屋に戻りましょうか」

陽炎「そうね。あ、長波と島風も一緒に来る?」

長波「丁度いいからあたしは行くけど、島風は外させてもらっていいか?」

島風「え?」

陽炎「何で?」

長波「いろいろ聞きたいことがある。ただ島風がいるとちょっと話しにくい内容でね」


不知火「……どうしますか、陽炎」

陽炎「ええ、構わないわよ」

長波「という事で、島風には悪いけどあたしは二人について行く。暇なら部屋のマンガを読んでも構わないから」

島風「うん……」

陽炎「それじゃ、行きましょ」

不知火「はい」

長波(さーて、ここからどうなる事やら)

――――――


陽炎「ここが私たちの部屋よ」ガチャ

黒潮「おかえりー」

陽炎「あら、黒潮じゃない。遠征から帰って来たばかり?」

黒潮「せやで」

不知火「お疲れ様ね」


長波「お邪魔しますよっと」

黒潮「長波が来るなんて珍しいなー。どないしたん?」

陽炎「何か私と不知火に聞きたいことがあるんだって」

長波「もしかしたら黒潮に聞くこともあるかもしれないけど」

黒潮「うちにも?」

不知火「とりあえず、話を聞かせてもらいましょうか」

長波「分かった」


長波「この前、島風と話していたら陽炎型の部屋割りがどうなってるのかって話になって、そこで色々と訊いた時に何故か陽炎達三人の事については話すのを戸惑ってたんだ」

陽炎「え?」

不知火「……」

長波「その時は何も聞かなかったけどさっき間宮で相席した時に島風の様子が少しおかしかったから、陽炎達と島風の間で何かあったのかと思ったんだ」

長波「だから二人に色々と聞きたいがためにわざわざここまで来たんだ。二人は気づいてなかったわけじゃ無いよな?」

不知火「確かに、少し元気が無かったような気がしますね」

陽炎「でも、お出かけの話の時は話に加わってたし、そこまで元気が無いようには見えなかったわよ?」


長波「その時は陽炎の言うとおりだな。でもその後話が変わってからまた様子がおかしくなってた。確かその時はここで島風と何してるかって話だったはずだ」

不知火「そうでしたね」

長波「で、心当たりがあるとすれば陽炎のエスカレートするスキンシップに可能性があると見たんだが――」

陽炎「ちょ、ちょっと! 私が原因だって言うの!?」

長波「……まだ分からないから、今ここで試しに島風にしたようにあたしにそのスキンシップをして貰おうと思ってたんだけど」

陽炎「そ、そう」


長波「てなわけで、早速試してくれ」

陽炎「わ、分かったわ。まず最初は頭を撫でていいか聞いてから撫で始めるわね」ナデナデ

長波「ほうほう」

長波(一応許可は取ってるのか。でもそれだけならあんなに嫌そうにはしないと思うけど)

陽炎「話しながら撫でつつけてるとだんだんテンションが上がって、こうして島風に抱きつくわね」ギュッ

長波「ふむふむ」

長波(この時点で陽炎が一方的に飛びつくのか)

陽炎(えっ、この子結構大きい!?)


長波「で、この次は?」

陽炎「えっ、これくらいよ?」

長波(嘘付いてるのか記憶に残ってないのか分からないけど、これだけで終わりなはずは無いと思う)

長波「……不知火と黒潮、もし見ていたならこの後どうなるか教えて貰いたいんだけど」

不知火「……そこから更に頬ずりを始めたり、変な笑い声をあげたり……酷い時は涎を垂らしかけてたりしましたね」


長波「……だそうですよ?」

陽炎「……え、そんな事した覚えないわよ!?」

黒潮「不知火姉さんの言うておることはあっとるで」

陽炎「嘘っ!?」

長波「……陽炎、大変申し上げにくいけど、相当嫌がられてるぞ」

陽炎「そんなっ!?」ガーン


長波「とりあえず原因は分かったから陽炎は一旦終わりにして……次は不知火だな。何か心当たりは?」

不知火「不知火は……特に思い当たるフシがありません」

黒潮「うちは何となく分かるで」

長波「話してくれ」


黒潮「えっとな、陽炎姉さんが島風の頭を撫でとると不知火姉さんがめっちゃ怖い顔になるで」

不知火「……そんな怖い顔でしたか?」

黒潮「長波にみせてみ?」

不知火「はあ……確かこんな表情で島風を見ていましたね」ジーッ

長波「怖っ!!」

不知火「……そ、そこまでですか?」

黒潮「せやで」

不知火「……不知火に落ち度があるとは」ガーン


長波「不知火は本人の知らぬ間に怖がらせていたと……黒潮は?」

黒潮「うちはなあ……島風とそない話さへん」

長波「え」

黒潮「いつも陽炎姉さん達とおるから、二人で話す機会がほとんどあらへん」

長波「……なるほどな。でも島風が嫌そうにしてるなら止めても良かったんじゃないか?」


不知火「その……いつも見てる時は嫌がってるようにはあまり見えなかったんですよね」

長波「え?」

黒潮「そやかて、本気で嫌やったら、陽炎姉さんを振りほどけばええやないか。せやけど島風はそれをしなかったんや」

長波「マジか……」

長波「ま、とりあえずあたしから言えるのは陽炎が暴走しないようにすることと暴走してきたら止めるようにした方がいいって事だ。不知火は目つきに注意な。後は抵抗しなかった島風に対してもこっちから聞いてみるよ」

不知火「分かりました」


長波「話はこれで終わり。あたしは島風に色々聞いてくるから部屋に戻るぞ」

長波「もし休みが被ったらその時は遊ぼうな」

不知火「ええ、そうしましょう」

陽炎「その時は、できれば島風も……」

長波「どんだけ島風好きなんだよ……」

――――
――


長波「――と言う感じで、三人と話してきたわけだ」

島風「そ、そうなんだ……巻き込んでごめんね」

長波「巻き込まれたわけじゃないから別にいいよ。それより島風、あの時にこの件話せよ!」グイーッ

島風「いだいいだい!」

長波「あれだけ話したくない雰囲気出してたから深刻なことになってると思ってたのに理由があれだぞ! 相談してくれればすぐ解決できたってのに」


島風「だ、だって巻き込みたくなくて……」

長波「巻き込みたくないと思う気持ちはわかるが陽炎にやめてと言えないなら相談するしかないだろ。一人で抱え込んで何になるっていうんだ」

島風「そ、そうだとは思うけど……」

長波「よーし、次からなんか困ったことがあったら必ず話して共有する。絶対ね」

島風「ええっ!?」

長波「そうでもしないと今回みたいにまた抱え込みかねないからな。そういう相手を作っとかないと苦労するらしいからその練習と思って諦めなさい」

島風「……わ、分かったよ」

長波「分かればよろしい」

島風「えっと……ありがと、長波」

長波「どういたしまして」ニカッ

――――――


島風「今日は出撃かー、足引っ張らないように気をつけなきゃ」

陽炎「島風ー!」

島風「どうしたの?」

陽炎「今まで過剰なスキンシップしてゴメン! 」

島風「えっ?」


陽炎「今まで抵抗してこなかったから受け入れられてると思って好き放題してたけど不知火達からもやりすぎって言われて反省したの。これからはやりすぎないように気をつけるし、嫌だと思ったら遠慮なく断ってくれていいからね」

島風「う、うん」

陽炎「また休みが重なったら遊びましょ。出撃頑張ってね!」

島風「うん、行ってくるね」

陽炎「行ってらっしゃい!」

島風(まさかこのタイミングで謝ってくるとは思わなかったからびっくりだよ)

――――――


島風「……今日は不知火も一緒なんだね」

不知火「ええ、そうね……島風」

島風「何?」

不知火「今まで陽炎にスキンシップされてる時に怖がらせてごめんなさい。自分自身では羨ま……微笑ましいと思って見ていたつもりだけど、睨まれてるように見えたらしいわね」

島風(羨ましかったんだ……)

島風「う、うん。でも怒っていたとかそういう訳じゃなくて良かった」


不知火「そう……目つきがあまり良くないのは自覚しているから、今後は気をつけるけど、また睨んでいるように感じたら素直に言ってちょうだい」

島風「うん。分かった」

不知火「……そろそろ出撃の時間ね。行きましょう」

島風「うん。今日は頑張ろうね!」

不知火「ええ、頑張りましょう」


島風(この日の出撃は、心の荷が少し軽くなったせいか少しだけ身体が軽くなったような気がした)

――――――

今日はここまで
島波はいいぞ

(イベント一週間過ぎましたがどうですか?)

昼更新は今日はなしです

と思ったが投下の隙があるので投下


その二十二


ヒーカーリヲーヨービーサマースー
イーノリー

長波「秋雲がBlu-ray貸してくれたから見たけどこれはびっくりだな」

島風「うん。まさか死の描写があってその後にその力の正体があんなものだったなんてね……」

長波「正義の味方が絶望して敵側になってまた正義の味方に倒されて……そんな事知ったらやりきれないだろうな」

島風「……何となく、私達艦娘と深海棲艦みたいかも」


長波「どうしてそう思うんだ?」

島風「私達は艦として戦っていた時の記憶を持って転生した存在って言われてるでしょ? それに対して深海棲艦は沈んだ艦の恨みとかが具現化した存在だって言われてる」

島風「それに轟沈した後の艦娘がどうなったのかについては一切情報がないよね。ここではまだ出てないけど他の鎮守府では少しだけいるらしいけど、その後潜水艦が付近を探しても見つからなかったらしいし」

島風「……もしかして、深海棲艦は過去に沈んだ艦だけじゃなくて、轟沈した艦娘もこのアニメの敵みたいに姿を変えて転生しているのかもって思ったんだけど」


長波「……その考察、面白いじゃん。まあそんな事があるとは思いたくないけどな」

島風「そうだね。どちらにしろこのアニメ観てこんな可能性あるのかなーってちょっと考えてみただけだし、そんな事はないと私も思ってるよ」

長波「だよなー。見知った艦娘が絶望して深海棲艦になって襲い掛かってきたら怖いよな。島風はあたしがそんな事になったら遠慮なく沈められるか?」

島風「……絶対無理。尻尾巻いて逃げると思う」

長波「……あたしもそうかも知れないね。島風が目の前で深海棲艦になったらパニックになってまともに戦え無さそうだし」


島風「……」

長波「……」

島風「とりあえず、続き見よ? もしかしたら少しは救いがあるかもしれないし」

長波「……だな」


その後、最終話を観て驚愕した二人だった

――――――

昼はここまで

時間はまだあるんで掘りしてる人は諦めず頑張って手に入れましょ

沖波可愛いよ

その二十の準備が出来たので初月レベリングしながら投下する


その二十


長波「さて、ここにトランプがあるわけだが何をするよ」シャッシャッシャ

島風「うーん、私は何でもいいかな」

天津風「私も島風と同じよ」

秋雲「おやおや、なら秋雲さんが決定しちゃうよー? いいのー?」

長波「全員の同意が得られたらな。で、何がしたいんだ?」シャッシャッシャ


秋雲「ブラックジャック!」

長波「ブラックジャックか、あたしはルール知ってるけど、二人は知ってるか?」

島風「マンガでちょっとだけ」

天津風「私は知らないわね」

長波「秋雲は当然知ってるよな?」

秋雲「もち!」

長波「なら簡単にやり方とカードの役割について説明するぞ」

――――
――


長波「――と言う感じでざっと説明したけど、大丈夫か?」

島風「えっと……”22”以上にならないように気をつけながらカードを引いて”21”に近づけるんだよね。そしてディーラーよりも合計値が”21”に近ければ勝利だね」

天津風「カードは”2~10”がそのままで”J~K”は全て”10”として扱う。”A”は”21”未満なら”11”で”22”を超える時は”1”で扱う……これでいいんでしょ?」

秋雲「うんうん。これだけ分かってればもうプレイできるでしょ?」

長波「そうだな……二人はブラックジャックで決定していいか?」

島風「うん」

天津風「ええ、やるわ」


長波「じゃ、まずディーラーを決めるか。誰にする?」シャッシャッシャ

島風「……」ジーッ

天津風「……」ジーッ

秋雲「もうトランプをシャッフルしてる長波でいいじゃん」

長波「そんな決め方ありかよ……まあいいけどさ」


秋雲「あっそうだ、チップとかってあるの?」

長波「あたしの部屋には無いな。別に今回はただの遊びだし無くてもいいと思うけど」

秋雲「それもそっか。じゃあ勝敗制にして罰ゲーム導入しよっか」

島風「えっ、また今回もするの?」

天津風「ちょっと、変な提案するのやめなさいよ」

秋雲「えーっ、その方が面白いじゃん」


長波「ディーラーになったあたしもちゃんと罰ゲームの条件決めてくれないと不利になりそうで怖いな」

秋雲「うーんと、この三人のうち二人以上に敗北したら罰ゲームとか?」

長波「厳しいような、そうでないような……微妙だな」

島風「え、何で長波まで乗り気なの!?」

長波「この前負けて受けたから、リベンジしたいんだ」

天津風(長波がフラグを立てたわね)


秋雲「まあまあ、さすがに罰ゲームとして度が過ぎてるものは却下するし、もっと真剣にプレイできて楽しいと思うから罰ゲームありでやろうよ」

長波「あたしはありでいいぞ。さあどうする?」シャッシャッシャ

島風「反対だよ」

天津風「反対よ!」

秋雲「じゃあ、賛成派と反対派から一人ずつ出てじゃんけんしよう!」


長波「じゃあ秋雲に任せる」

島風「ど、どうする?」

天津風「……わ、私が出るわ!」

島風「ありがとう」

秋雲「それじゃいくよー。じゃーん」

天津風「けーん」

「「ぽん!!」」

秋雲:チョキ
天津風:パー


秋雲「やったぁ! じゃ罰ゲーム有りで11回戦までやろっか」

長波「回数まで勝手に決めるのか……」

天津風「ごめんなさい、負けちゃったわ」

島風「ううん。私の代わりに出てくれてありがとう」

秋雲「ということで、罰ゲームブラックジャック、始まるよー」

長波「その前に、罰ゲームの条件についてはメモしとこうぜ」

秋雲「そだねー。んじゃ、天津風メモよろしく~」

天津風「何でこの流れで私がメモ係!?」

――――
――


罰ゲームメモ――――――――――――


☆勝負回数:九回

☆勝敗判定
・プレイヤー:ディーラーに五回以上勝利
・ディーラー:プレイヤー一人につき五回以上勝利

※敗北が確定した時点で以降のゲームに参加不可能

☆罰ゲームの条件
・プレイヤー:ディーラーに敗北
ただし三人全員負けた場合は勝率が最も高い一名は罰ゲームなし
・ディーラー:プレイヤー三人のうち二人に敗北

――――――――――――――――――


秋雲「こんなところかな」

天津風「これで二人が罰ゲームを受けて二人はセーフになるけど、何で二人になるよう条件を調整したのかしら?」

長波「この人数なら最悪負けてももう一人してくれる相方が居るんだ。一人で受けるよりは少しはマシになると思ってね」

島風(前回の罰ゲームのことでちょっとトラウマになってるのかな……)


秋雲「まあ、秋雲的にはその方が楽しそうだからありだけどねー」

天津風「あなた、そう言って負けたらどうするつもりよ……」

長波「ま、今から気にしたって仕方ないから始めようぜ」

島風「そうだね。でも初心者だから勝てるか不安だなー」

秋雲「ということで、罰ゲームブラックジャック、今度こそ始まるよー」

――――――

書き溜めはここまで
ここからは実際にやりながら投下するので投下遅くなる


第一回戦


長波「じゃ、早速配るぞー。ほい」サッサッサッ

秋雲「いいハンドだといいなー」ピラッ

島風「……」ドキドキ ピラッ

天津風「ありがとう、長波」ピラッ

http://i.imgur.com/fSXczpw.png



天津風(これは非常に数字が小さいから引くしか無いわね)

天津風「ヒット……でいいのかしら?」

長波「合ってるよ。ほら」サッ

天津風「……」ピラッ

天津風(3って……まだ全然足りないじゃない)


島風(11……10が出れば21になるし、引くしか無いよね)

島風「ヒット!」

長波「ほらよ」サッ

島風「ドキドキするー」ピラッ

島風(8ってことは……19だね)

島風「私はステイするね!」


天津風「ヒット!」

長波「ほい」サッ

天津風(次は……Aが来たわ! 合計は19……もう引く必要は無いわね)

天津風「私もステイするわ」

長波「了解。秋雲はまだ何もしてないけどどうするんだ?」


秋雲「うーん……ヒットするよ」

長波「はいよ」サッ

秋雲(4ね……全員19で並ぶって面白いなー)

秋雲「秋雲もステイだよー」

長波「よし、じゃああたしが引く番だな」


長波(でもアップカードが2とか勝ち目無さそうなんだけど。ホウルカードは……3かよ)

長波「3枚めは……2か。次は……げっ、Aかよ」

島風「ディーラーは17以上になると強制的にステイだったよね」

天津風「そして長波の手は18……あたし達三人とも勝利ね」

秋雲「プレイヤーの完全勝利Sだね!」

長波「くっそー……」


第一回戦結果
http://i.imgur.com/jwFhrbT.png

――――――


>>311
画像の天津風のスペード11はスペード1の間違い


第二回戦


http://i.imgur.com/U1EbevA.png

長波「おっ、今回はいい感じだな」

島風「私はステイしよー」

天津風「び、微妙ね……」

秋雲「うへー、さっきより酷くなーい?」



秋雲「ヒット!」

長波「ほらよ」シュッ

秋雲「いきなり投げないでよ!」

秋雲(うわっ、9ってまた微妙なところじゃん……)

天津風「私はこれでステイするわ」

長波「了解。後は秋雲だが、どうする?」ニヤリ

秋雲(アップカードがQだからっていい気になって……ここはいっちょ仕掛けますかね)


秋雲「ヒット!」

長波(マジか。天津風と違って攻めるな)シュッ

秋雲「あっ……バストした」

長波「残念だったな」

天津風(あ、危なかったわ……)


長波「んじゃ、あたしのホウルカードは何でしょうー……よし、10だ!」

天津風「うっ……」

島風「今度は全滅だね……」

長波「よーし、連敗だけは免れたな!」


第二回戦結果
http://i.imgur.com/FMIqiNJ.png

――――――



第三回戦


http://i.imgur.com/QtlYybT.png

長波「……」

天津風「……」

秋雲「あのさ、これちゃんと混ざってるの?」

長波「さっき散々やったつもりで居るんだけど、これは予想外だ」

島風「ええ……私だけ負ける予感がするんだけど」



秋雲「ステイだよ」

天津風「あたしもステイね」

島風「……一か八かでヒット!」

長波「よく引こうとするな……ほい」スッ

秋雲「何で島風の時は投げないのさ」

長波「何となく」

秋雲「何となくで差別するのやめてよー!」


島風「……」ピラッ

島風「7だった……6だったらよかったのに」シュン

長波「惜しかったな。でも勝つために勝負をすることはいいと思うぞ。じゃ、ホウルカードをオープンするぞ」ピラッ

長波「Kか……島風以外は引き分けだな」

島風「どっちにしろ勝ち目なしだったんだね」

天津風「だ、大丈夫よ。きっと次は秋雲か私が負けて並ぶかもしれないし」

秋雲「秋雲まで巻き込まないでよ!」


第三回戦結果
http://i.imgur.com/xxGKyDZ.png

――――――


>>317の天津風のハートKはダイヤKの間違いでした


第四回戦


http://i.imgur.com/Yb7uvfz.png

長波「……なんで天津風と秋雲のカードが連番で並んでるんだ」

秋雲「やっぱシャッフルが不足してたんじゃないの?」

天津風「その可能性が濃厚になってきたわね」

長波「じゃあこれ終わったら一回混ぜ直すか?」

島風「それでもいいと思うよ」

秋雲「秋雲もさんせーい」

天津風「そうね。これはちょっとね……」

長波「分かった」



天津風「今回はこのままね……ヒットするわ」

長波「はいよ」スッ

天津風「あっ……」

秋雲「ありゃりゃ、J引いちゃったかー。23はバストだね―」

天津風「さっきの一言が良くなかったのかしら」

長波「ま、こういうこともあるさ」ニコニコ

島風(長波が途端に嬉しそうにしてて怖い)


島風「私はステイかな」

秋雲「秋雲さんはー……」

秋雲(ここまでに結構な10カードが消費されているはずだし、さっき天津風が引いてくれたからチャンスかな)

秋雲「ヒット!」

長波「ほいよ」スッ

秋雲「ありが……ええっ!? ここでJはないでしょ!!」

長波「天津風のセリフ通りに二人ともバストか……見事なフラグ回収だな」


秋雲「でも長波がバストする可能性だって十分あるもんね。一緒にバストしよう!」

長波「それはこのカード次第だな」ピラッ

長波「……島風、これでちょうど並んだな」

島風「引き分けかー。勝てると思ったんだけど」

秋雲「そこでA引くとか運良すぎぃ!」

天津風「何故か勝率が綺麗に並んでるわね……」


第四回戦結果
http://i.imgur.com/wC2nZEg.png

――――――


ちょっと休憩する

再開する
それにしても勝負が拮抗してるというか何というか


第五回戦


長波「まだ四回なのにもう山札のトランプが九枚しかないぞ」

天津風「それ配ったらもう無くなるじゃない」

秋雲「捨てたトランプも混ぜあわせて仕切りなおしたほうがいいんじゃない?」

長波「いや、先に八枚だけは配ってから混ぜなおそうと思ってる」

天津風「そこはディーラーに任せようかしら」

島風「私もお任せで」

秋雲「二人がそう言うなら長波に任せようかなー」

長波「じゃ、一度混ぜなおしてから配るぞ」シャッシャッシャッ


長波「ほい」サッサッサッ

秋雲「何が出るか――おっ、いい感じ!」

天津風「まあ、悪くはないわね」

島風「また微妙なところだ……」

長波「アップカードは7か。じゃ、捨て札全部混ぜるぞ」シャッシャッシャッ

http://i.imgur.com/XVdWfyF.png

――――
――



長波「よし終わり、さあ引くかどうか選べ」

天津風「ヒットよ」

長波「はいよ」

天津風(9以上が出ればいいけど……運良くKが来たわ)

秋雲「秋雲はステイでーす」

天津風「私も20だからステイするわ」

島風「むむむ……不安だけどステイするよ」


長波「よし、ではあたしの番だね。ホウルカードは……げっ」

天津風「8だからこれで15ね」

秋雲「これはヒットしなきゃいけないから……かなり難しそうだねー」

長波「こ、ここであたしが6以下を引けばいいだけだ……えいっ!」ピラッ

島風「4かー……引けば良かったよ」

天津風(良かった、ギリギリ勝利ね)

秋雲「また引き分けじゃん。そこは空気読んでバストしようよー」

長波「ディーラーにそんな注文されても困るんだけどね。次行くぞ」


第五回戦結果

http://i.imgur.com/kc1dvWN.png

――――――



第六回戦


http://i.imgur.com/2s4nmVX.png

長波「おっと、これは中々よさ気だな」

秋雲「うげっ……」

天津風「極端に低いわね……」

島風「うーん、Aは嬉しいけど18かー」



天津風「ヒットするわ」

長波「はいよ」サッ

天津風「……10だからこれで15ね」

島風「私はステイしようかな……怖いし」

秋雲「うーん……ここは逆転信じてヒット!」

長波「はいよ」サッ


秋雲「……いやーJが来るのはちょっとありえないかなー」

島風「24だからバストだね」

長波「さて、天津風はどうする?」

天津風「……ヒットするわ」

長波「ここで勝負仕掛けてくるのか。ほいよ」サッ


天津風「……Qが出たわ。バストね」

長波「よし、これであたしの番だな」ピラッ

島風「6って事は、引かなきゃいけないんだね」

長波「げっ……これはさっき以上に分が悪いな」

秋雲「バースート、バースート」

長波「流石にうるさいぞ」スッ ピラッ


長波「残念ながらAだったぞ。17だからこれで止めて島風の一人勝ちだな」

島風「やったー!」

秋雲「こんなことなら引かなきゃ良かった……」

天津風「ええ、全くだわ……」


第六回戦結果
http://i.imgur.com/JkyuNnJ.png

――――――


疲れたのでここで中断
単調になってきたから何回分か結果だけ表示する形にするかも

最後まで書けたので再開


第七回戦


長波「カード配るぞー」サッサッサッ

秋雲「うーん、これまた微妙なところだねー」

天津風「悪く無いわね」

島風「さっきから微妙な手役ばっかりだよ……」

http://i.imgur.com/EzI4aV1.png



天津風「私はステイするわ」

長波「了解。二人はどうする?」

秋雲「ヒット!」

長波「はいよ」サッ

秋雲「むっ……微妙なところ来ちゃった」

天津風「3だから合計で16ね」

島風「うーん……私はステイかな」

秋雲「秋雲もステイしよー」


長波「次はあたしの番か……ホウルカードは2か。10でも来てくれればいいけど」ピラッ

島風「Qって事は17だね……負けちゃった」

秋雲「げっ!? こんなことならヒットしとけば良かった」

天津風「私がギリギリ勝利ね。良かったわ」

長波「島風と秋雲がピンチだな。それに対して天津風はまだ一回は負けても平気だけど」

島風「ど、どうしよう」

秋雲「次は絶対に勝つ!」


第七回戦結果
http://i.imgur.com/qDtahfE.png

――――――



第八回戦


秋雲「あと一回残ってるんだからこんなところで負けたくはないなー」

島風「そうだね。今回はいいハンドになればいいな」

天津風(勝敗に関わらず、私は九回目まで確実に残れるけどここで勝っておきたいわね)

長波「じゃ、カード配るぞ」サッサッサッ

http://i.imgur.com/oVkXgSq.png



秋雲「12とか言う微妙なハンドやめてよおおおおおおおおおお」

天津風「10ね。引くものによるけどまともだとは思うわ」

島風「18かー、私はステイしよっと」

長波「二人はどうする?」

天津風「ヒットよ」

長波「ほい」サッ

天津風「Qね。先にヒットして良かったわ」

秋雲(危ない危ない。先にヒットしたら負け確定とか怖すぎるって)


長波「天津風はステイ安定だろうから……秋雲、お前は引くのか?」

秋雲「当然、ヒット!」

長波「ほれ」サッ

秋雲「……3かー、まだ15と微妙だからどうしよっかなー」

島風(3だったら欲しかったなー)

長波「さあ、秋雲はこの次はどうする? 引かないとあたしがバストしなかったら負け確定だぞ」ニヤニヤ

秋雲(コイツ、勝てそうだからってニヤニヤして……秋雲さん怒っちゃったよー!)


秋雲「……ヒットする! でもその一枚は秋雲さんに引かせて欲しい!」

長波「別にいいぞ。ほれ」

秋雲「……」

秋雲(6来い6来い6来い6来い6来い6来い)

秋雲「ドッロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオっ!」シャッ


秋雲「……」ピラッ

7「オッスオッス」

秋雲「」

長波「……22でバストだな」

秋雲「あああああああああああああああああああああああああああああああ」


島風「秋雲、うるさいよ」

秋雲「……ごめん。でも、これだけは言わせて」

秋雲「……これが人間のやることかよぉぉぉぉぉ」

長波「……秋雲は無視して、あたしの番始めるぞー」

天津風「ええ、そうしましょう」


長波「アップカードは8。ホウルカードは……おっ、3じゃん」

天津風「11ね……長波にとってはかなり有利なハンドね」

島風「私が勝つには7以下のカードを引いて貰わないといけないね。でも秋雲がさっき7引いちゃったからな出なさそう」

長波「よし、行くぞ」サッ

長波「……」ピラッ

島風(長波が私に見えないように確認してる。一体何が出たんだろう)ドキドキ

長波「……島風、どうやらあたしの勝ちだ」ピラッ


島風「……9か。合計20で私の負けだね」

天津風「私も20だから引き分け……これで決着がついたわ」

長波「だな。後一回やっても天津風は4勝または4敗だからやる意味も無さそうだし、これでゲーム終了だな」

長波「……よっし、前回のリベンジ達成だ!」

天津風「ふう、回避できてよかったわ。ちゃんと勝ってないから物足りないけど」

島風「悔しいー」

秋雲「」

最終戦結果
http://i.imgur.com/6NsZmA2.png

――――
――



長波「ということで、今回の罰ゲームは秋雲と島風に決定しました」

秋雲「ぐぬぬ……」

島風「この前とは逆になるとは思わなかったよ」

長波「さて、罰ゲームと言っても二人もいるんだからそれぞれには別な事をしたいと考えているわけだが……天津風、島風に対しての罰ゲームを任せていいか?」

天津風「え、私!?」


長波「秋雲に対して考えるよりは思いつくだろうと思ってさ。それに……」

天津風「それに?」

長波「……秋雲と違って思いつかないんだよな。何かやりたいと思わないというかさ」ゴニョゴニョ

天津風「そ、そういう事なら私が引き受けるわ……私もそんな思いつかないけど」ゴニョゴニョ

長波「ありがとう。んじゃ、秋雲が逃げないよう捕まえときながら考えてくるわ」

天津風「え、ええ……」


天津風(と言っても、何も思いつかないのよね。困ったわね)チラッ

島風「……」

天津風「……」

天津風(そう言えば最近、私の部屋に来ないのよねこの子。長波と一緒に居ることが多いから仕方ないかもしれないけど寝る時くらい来てくれたっていいと思うわ)

天津風(いつでも来れるようにスタンバイはしてるのに無駄になることが多いし、私だっていつも起こす時が大変なこと以外は楽しいのよ)

天津風(……こんなこと考えてたら、ちょうどいいものを思いついたわ)


天津風「……」ギュッ

島風「天津風?」

天津風「……」ツツー

島風「ひゃんっ!!」ビクッ

天津風(悪いとは思うけど、もう少しだけするわ)ツツー

島風「あっ……天津風……ひゃっ……や、やめ……んんっ!」ビクビク

天津風「罰ゲームだから我慢しなさい」

天津風(ちょっと楽しんでるけど)


長波「……あっちは何か見てはいけない雰囲気漂ってるな」

秋雲「そうだねー。でもこれはぜひともスケッチすべきシーンだからちょっとスケッチブック取りに行ってく――」

長波「そう言って、罰ゲームから逃げようと考えていたんだろう?」ガシッ

秋雲「そ、そんな事無いよー本当だよー」ギクッ

長波「どちらにしろ、罰ゲーム受けるまで部屋から出さないからな」

秋雲「ぐぬぬ……」


天津風「はい、これで罰ゲームは終わりよ。よく頑張ったわね」

島風「はあっ……はあっ……天津風のばかぁ」

天津風「これくらいしか罰ゲームっぽい事が浮かばなかったのよ」ナデナデ

島風「むぅ……」

長波「終わったようだな。あたしも思いついたから今から始めるぞ」

秋雲「頼むから暴力的な内容はやめてね。長波の鉄拳を何度も受けたあの時は――」

長波「心配しなくても、痛めつけるような真似はしないから安心しなって」ニヤッ

秋雲「その笑顔が怖いよ!」

――――
――


秋雲「あのー、長波サマ」

長波「何?」

秋雲「何で秋雲は両腕を上に上げた状態で吊るしあげられてるんですかね。て言うか吊るしあげるためのこれらはどうやって入手したんですか?」

長波「それは秘密だ。それより何故吊るしあげられているかというとだな……」ワキワキ

秋雲「あの、そのなめらかに動く指は何ですか怖いので止めていただけますと――」

長波「今から罰ゲームをするためのウォーミングアップだから無理だね。で、罰ゲームの内容だけど……秋雲は分かるか?」

秋雲「……く、くすぐりとか?」


長波「正解。まあ簡単だったかもしれないけどさ」

秋雲「その……正解したしちょっとくらい緩くしてもらえると嬉しいんですが」

長波「そうだなあ……三分間しようと思ったけど疲れそうだし、二分で妥協してあげるか」

秋雲「いやいや、二分も十分長いから! しかもこんな体勢じゃ堪えられないから!」ジタバタ

長波「さーて、そろそろ始めるぞー。覚悟しとけー」

秋雲「い、いやあああああああああああ!!」


島風「何でだろう、秋雲が可哀想に感じるよ」

天津風「ええ、そうね」

――――――

二十ここまで
罰ゲームの艦娘が八でする側だった二人になると思わなかった

初月やらZaraレベリングしてたら長波サマたくさん来たので投下


その二十三


島風「今日は何の日k――」

ネノヒダヨー

島風「……」

長波「……」

島風「何の日k――」

ネノヒダヨー

島風「……ちょっと待っててね」バビュン

長波(子日……いいやつだったよ)

――――
――


島風「長波は今日が何の日か知ってるかな?」

長波「いや、知らないな。二が三つあるだけで何かあるのか?」

島風「今日は日本では猫の日なんだって!」

長波「へー、どういう由来なんだ?」

島風「猫の鳴き声のにゃんにゃんにゃんと日本での二の読み方の語呂合わせなんだって」

長波「へー……日本人らしい発想だな。で、それがどうかしたのか?」

島風「えっとね、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけど――」

――――
――


・長波

頭:猫耳カチューシャ(白)
服:cat_keyhole_bra(白)
手:肉球手袋(白)
足:猫足スリッパ(白)

・島風

頭:猫耳カチューシャ(黒)
服:cat_keyhole_bra(黒)
手:肉球手袋(黒)
足:猫足スリッパ(黒)


長波「……こんなことだろうと思ってたよ」ハァ

秋雲「長波ももう慣れてきちゃった?」

長波「慣れたくもないわこんな事! 正直寒いし恥ずかしいからはよ描け!」

秋雲「じゃあなるべく動かないでねー」


長波「島風にも言いたいんだけどさ……確かにあの激レアな漫画のDVD付きって聞いたら読みたいしDVDも見たくなるのは分かる。でもこんな格好してモデルやってまで欲しいか?」

島風「だって読みたかったんだもん……」シュン

長波「でもなあ、こんなところ秋雲に見られてるだけでも恥ずかしいってのに、他のやつに見られたらどうするんだ。秋雲がうっかり描いた絵を投稿でもしたら、あたし達外も歩けなくなるレベルなんだぞ」

島風「私は普段着があれだから気にしないけど」

長波「巻き込まれたあたしが気にするんだよ!」

秋雲「ほらそこ、動かなーい」

――――
――


秋雲「はーいおしまい! 着替えていいよー」

長波「や、やっと終わった……」

島風「でもこれで、約束の漫画を貸してもらえるね」キラキラ

秋雲「勿論貸すよー。でもその前に出来栄えをどうぞ!」サッ


長波「……うわぁ、男なら好みそうだけどこれは色々と狙いすぎじゃないか?」

島風「……何かとんでもない絵になってるね」

秋雲「いやーこれくらい際どく描かないと旬が過ぎてきてるこのネタは使えないと思ってさー」

長波「まあ、これは秋雲とあたし達の間で秘密にしていればいいけどさ……絶対に誰にも教えるなよ?」


秋雲「分かってるって、秋雲さんは口は固いからねー! あっ、その下着もプレゼントするよ!」

島風「使い所が無さそうだけど……」

長波「……厳重に管理しとくか」


結局、二人とも例の下着を捨てずに持ち帰った

――――――

昼はここまで

夜投下


その二十四


長波「あ、枝毛」

島風「何してるの?」

長波「枝毛探し。これ見られると夕雲がうるさくてな」チョキン

島風「そうなんだ」


長波「自分の髪じゃないってのに何か口うるさいんだよ。見かけると確かに気になるけど」チョキン

島風「大変だね」

長波「まあな」チョキン

島風(あっ、よく見たら白髪っぽいのが一本ある。取ってみよ)


長波「島風、何してるんだ?」

島風「白髪を見つけたから取ろうかと思ったの。おっと、白髪を指で摘んで……」

長波「島風、間違えても絶対に抜こうとするなよ?」

島風「え?」プチッ

長波「いてっ……言った傍から抜くなよ!」

島風「ご、ごめん」

長波「次からは見つけたら言ってくれ。ハサミ渡すから」

島風「うん」


島風「~♪」

長波(あたしの髪を掻き分けて白髪探して何が楽しいのかね……)

長波(まあ、別にいいけどさ……ん?)

長波(あたしの髪を触る手が増えた気がするな。ちょっと後ろを確認するか)

長波「……」クルッ

早霜(顔隠し)「……」

長波「う、うわぁ!?」ビクッ


早霜「落ち着いてください、長波姉さん」ファサッ

長波「お前なあ……いつも突然現れるのやめろ! あと髪で顔を隠すな!」

島風「早霜なら私が白髪探している時に物音建てずに入ってきたよ」

長波「お前もそれ伝えてくれよ!」

早霜「島風さんには内緒にするようジェスチャーしていたので、悪く無いですよ」ニヤッ


長波「ったく、お前の脅かしも最近は無かったから油断したぞ……」

島風「前にも似たような事があったの?」

早霜「はい。一時期だけ長波姉さんとは同室だったのですが……あまり会話が多くなかったので脅かすことがよくありました」

長波「あの時は本当に心臓に悪かったんだぞ……頼むからもうやめてくれ」

早霜「ふふっ……考えておきますね」

長波「絶対止める気無いだろ……」

島風(……何かちょっと羨ましいかも)


早霜「ところで、島風さんは何をしていたのですか?」

島風「長波の白髪を見つけてたの」

早霜「そうですか。てっきり枝毛のカットでも手伝って居たのかと思いました」

長波「最初はそのつもりだったんだが、島風がハマってたから止めてたんだよ」

早霜「なら、私も手伝いましょうか? 枝毛の方を」

長波「……何も企んでないよな?」

早霜「企んでませんよ。私は部屋からハサミを取ってきますね」

長波「はいよ」


島風「……早霜って、思ったよりお茶目な感じなんだね」

長波「あたしからすればまだ不気味なイメージがあるよ。ほら、髪で完全に顔を隠すとさ、貞子っぽく感じてさ」

島風「妹を貞子扱い……」

長波「今までやられっぱなしだったから少しくらい愚痴ったって許されるだろ。それくらいにこっちはだな――」

早霜(般若面)「ハサミを取ってきました」ガチャ

長波「うわぁ!?」

島風(どこからそんなものを……)


この後、長波の白髪と枝毛をたくさんカットした

――――――

枝毛を見て何となく書いたらこうなった

投下できたら後で二十五も投下予定

昼投下


その二十五


長波「朝か……ん?」

長波「何か身体がだるいな……頭も痛いし寒気もする」

長波「……風邪引いたかもしれないな。体温計で計らないと」

長波「何かフラフラするな……歩けなくはないけど」

長波「確かここに……あったあった」

長波「ベッドに戻らないと……おっと」フラッ

長波「危ねえ……こりゃ深刻かもしれないな」

――――
――


ピピピピピッ

長波「……38.3度か。咳は出てないけど安静にしてなきゃダメだな」

長波「寝てれば多分治るだろう……休みで良かった」

長波「…………」

長波「ダメだ、全然寝れない」

長波(せめて頭を冷やせれば違うんだろうけど、この部屋に冷却シートや氷のう、氷枕とか無いんだよな)

長波(さすがに誰か来てくれないと辛い。頼むから来てくれ)


島風「長波ー!」ガチャ

島風「……どうしたの、風邪でもひいた?」

長波「そうみたい……さっき計ったら……38度越えてた」

島風「ええっ!? すぐなんとかしなきゃ!」

長波「氷枕とか……冷却シートみたいなものを……探してくれないか」

島風「了解!」バビュン

――――
――

途中だけど飯食べてくる


島風「こうして貼って……どう?」

長波「ひんやりして気持ちいい……ありがとう」

長波(安心したら、何か少し腹が減った気がする)

島風「他に何かしてほしいことある?」

長波「……少し、腹が減った」

島風「了解、待っててね!」バビュン

長波(……何も言ってなかったけど、おかゆがちゃんと来るよな?)

――――
――


島風「夕雲がおかゆを作ってくれたよ!」

夕雲「島風さんから話を聞いてびっくりしましたよ」

長波「……」

長波(夕雲に助けを頼んじゃったか。まあこの際仕方ないか)


島風「えーっと、少し冷ましたほうがいいよね」フーフー

島風「はい」

長波「……んっ」パクッ

夕雲「お味はどうですか?」

長波「……美味しいよ」

夕雲「お口にあって良かったです」ニコッ


島風「もう一口食べる?」

長波「……もらう」

島風「オッケー」フーフー

島風「はい」

長波「んっ」パクッ

夕雲「うふふ」ニコニコ

長波(夕雲に見られながらはちょっと恥ずかしいな……)

――――
――


長波「ごちそうさん」

夕雲「お粗末さまでした。それにしても、聞いた話通りね」

島風「どういうこと?」

夕雲「長波さんって、私が食べさせようとすると恥ずかしがって顔を背けてしまうんですよ。でも島風さんが食べさせようとすると普通に食べていたのでびっくりしました」

島風「へー、こういうの気にしてないと思ってたよ」


長波「……余計なことを言うな、バカ」

夕雲「あら……つい口が滑ってしまいましたね」ニコニコ

長波(絶対わざとだ)

夕雲「私は風邪に聞く卵酒を作って来ますけど、お薬はありますか?」

長波「……無かったと思う」

夕雲「なら、卵酒が出来たら一緒に持ってきますね。少し待っていてください」

長波「……了解」


夕雲「島風さんは、長波さんの事を見ていてあげてください。一人では心細いでしょうから」

島風「うん!」

夕雲「では、行ってきますね」ガチャ


長波(……行ったか。まったく、余計なこと喋るなって)ゴロン

長波(……汗でベタベタして気持ち悪いな。これじゃ気になって眠れない)ムクリ

長波「……島風」

島風「何?」

長波「その……汗を拭いてくれないか?」

島風「オッケー!」

長波「タオルはそこの引き出しに……入ってるから」

島風「はーい!」ガラッ

長波(ついでに後で着替えも用意してもらうか……ボタンだけは自分で外そ)プチップチッ


島風「背中から拭くよー」

長波「おう」

島風(凄い汗……ちゃんと拭いてあげないとね)フキフキ

島風(髪も少しベタついてるなー、こっちも拭いた方がいいのかな?)フキフキ

島風「髪も拭いた方がいいかな?」

長波「……いや、身体だけでいいかな」

島風「はーい」フキフキ

島風(背中はこれくらいで良さそうかな)

島風「前も拭くね」

長波「はいよ」


島風(……服着てる時は目立たないけど、大きいなー)フキフキ

島風(たまにかけっこするけど、走る時大変そう……どうなんだろ?)フキフキ

長波(かけっこの時大変そうとか思ってそうだな。まあちょっと大変だけどさ)

長波(最近あまりやってないし、治ったらまたするかね)

島風「終わったよー」

長波「……ありがとさん。ついでで悪いけどそこの引き出しから着替えも取ってくれないか?」

島風「はーい」

――――
――


夕雲「――ではそろそろ遠征の準備をしなければいけないので、行ってきますね」

長波「風邪ひかないように気をつけろよ」

夕雲「うふふ、心配してくれるんですね」

長波「……あたしの看病をしてくれたんだ。伝染る可能性があるんだから当たり前だろ?」

夕雲「それもそうですね……後は島風さんにお任せしますね」

島風「うん!」

夕雲「では、行ってきます」ガチャ バタン


島風「……薬と卵酒も飲んだし、そろそろ寝る?」

長波「そうするよ」ゴロン

島風「私は寝るまで居たほうがいいかな?」

長波「……そうだな、出来ればその……手を握って居てくれると嬉しい」

島風「いいよ」ギュッ

長波「……ありがとう。これで一安心、だな」


島風「何か心配事でもあったの?」

長波「その……島風が来てくれるまで不安だったんだ。誰も来なかったら薬も頭を冷やすものも無いし……寂しいし」

島風「……じゃあ、今日は長波が寂しくないように私が一緒に居てあげるね」ニコッ

長波「……ありがとう」


長波(あたしが寝るまで、島風はずっと手を握って見守ってくれていた)

――――
――


長波「……よし、36.5度まで下がったな。一応予防のためにマスクは欠かせないけど」

長波「島風に伝染ってないか心配だな。ちょっと様子でも見てくるか」



長波「島風、入るぞ」ガチャ

島風「あっ、長な――くちゅん」

長波「……風邪か?」

島風「多分そうかも……くちゅん」

長波「伝染っちゃったか……よし、病み上がりだけどあたしが看病してやるよ」


この後、めちゃくちゃ看病した

――――――

昼投下は以上
長波の本がなかなか見当たらない

夜投下


その二十六


呂500「わあっ、ここがバッティングセンターですか?」

長波「そう。あたしの暇潰し場所の一つさ」

島風「こうして来るのも久しぶりだね」

長波「だな。それにしても……ゴーヤが付いてきたことにビックリなんだが」

伊58「イクはあまり興味が無いらしくてパスしたんだって」

島風「じゃあ何でゴーヤは来たの?」

伊58「ろーに誘われてちょっとだけ興味があったからついてきたんだ」


長波「そういう事か。それにしても……」

島風「うーん……」

伊58「二人とも、どうしてゴーヤの事を凝視するの?」

長波「いやだってさ……」

島風「でちって言わないから違和感が……」


伊58「ゴーヤはそこまででちって言わないでち! かもかも言ってる飛行艇母艦と違って語尾じゃないからね!」

長波(今でちって言ったじゃん)

島風「そ、そうだったっけ?」

伊58「そうなの! 特に街中ででちでち言ってたら変なやつに思われかねないから、鎮守府の外では特に控えてるんだってば!」


呂500「でっちも大変なんですってー」

伊58「ろーもでっちって言うのやめるでち!」

島風「ゴーヤも苦労人なんだね」ヒソヒソ

長波「そうみたいだな」ヒソヒソ

伊58「生暖かい目で見るのやめてよぉ!」

――――
――


長波「と言うことで、お二人には長波サマが直々にフォームを教えてやるぞー」

呂500・伊58「「はーい!」」

長波「その前に……島風、右打ちのフォームは覚えてるか?」

島風「えっと……こうだよね?」ビシッ

長波「よし、ちゃんと覚えてるな。じゃ、そのまま80で一球打ってみて」

島風「ええっ!?」


呂500「ぜかましー頑張れー!」

島風(読み方逆だって)

伊58「応援してるで……してるよー」

島風(わざわざ言い直さなくていいと思うよ!)

ヒューン

島風(来た! ゆっくりだからなるべく引き付けて……打つ!)ブン

カキーン

呂500「すっごーい!」

伊58「プレッシャーに負けず打てたみたいで……だね」

長波「まっすぐ飛ばせてるな。その調子で頑張れ」

島風「うん、頑張る!」

――――
――


長波(フォームを教えたので早速二人にバッティングに挑戦させることにした)

長波「じゃ、早速挑戦してもらうとして……島風と同じ80でいいか?」

伊58「大丈夫で……だよ!」

呂500「はい!」

長波「OK、どっちから挑戦する?」

伊58「ゴーヤがいくよ!」

長波「よし、行って来い」

伊58「行ってくる!」


伊58「かっ飛ばすでち!」ビシッ

長波(ゴーヤは何故か右打ちだと変な感じがすると言ってたから左打ちのフォームを教えた。バットを振ったところしっくりくるだとか)

ヒューン

伊58「えいや!」カキン

呂500「当たった!」

長波「でも横に飛んでったな。実際ならファールかな」

ヒューン

伊58(さっきは一応当たってたからタイミングはいいはず、今でち!)ブン

カキーン

長波「おっ、しっかり前に飛んだな」

呂500「やったあ!」

ヒューン

伊58「何となくコツが掴めてきたで……きたよ!」カキーン

長波「……ゴーヤはもう大丈夫そうだな。次はろーちゃんの番だな」

呂500「はい、頑張りますって!」

――――
――


呂500「が、頑張ります!」ビシッ

長波(ゴーヤが左打ちなのに対し、ろーは右打ちだ。正直なところ、イメージ的に逆だと思ったわけだが……ま、いいか)

ヒューン

呂500「えーい!」スカッ

長波「完全に遅れてたぞー。もう少し早く振って大丈夫だ」

呂500「はい!」

ヒューン

呂500「えーい!」スカッ

長波「今度は早過ぎちゃってるぞー」

呂500「うー、難しいですって」

伊58「中々苦戦してるみたいで……みたいだね」

長波「こればっかりは本人次第だから仕方ないんだよな……」


ヒューン

呂500「えーい!」カキン ゴロゴロ

伊58「バットに当たった!」

長波「いいぞー、あともう少しだ」

ヒューン

呂500(え、えーっと……落ち着いて……えーい!)ブン

カキーン

長波「おおっ」

伊58「ちゃんと前に飛ばせたでち!」

呂500「や、やりましたー!」

長波「よし、その調子でたくさん打つんだぞ!」

呂500「はい、頑張ります!」


伊58「ゴーヤもまた挑戦してくるでち」

長波「おう」

長波(ついに訂正すらしなくなったな)

長波「……さて、あたしもそろそろやろうかね。打率九割への挑戦を」

――――
――


島風「あー今日はいっぱい打てて良かったー」

長波「お疲れ。ろーは楽しめたか?」

呂500「はい! 慣れたらいっぱい打てて楽しかったです!」

伊58「ゴーヤも楽しめたでち。いつかは爆雷を魚雷で打ったりしてみたいでち」

長波「いやいや無理だろ……」


島風「この後どうする?」

呂500「ろーちゃん、汗いっぱいかいたからお風呂に入りたいですって」

長波「あたしもお風呂かなー」

伊58「二人に同意でち」

島風「じゃ、私も入るー」


この後、皆で仲良くお風呂に入った

――――――

今日はここまで
今後は頻度減るかもしれない
休日は特に

島波はいいぞ

ゴーヤに喋らす時にでちがないと違和感ある不思議

昼投下


その二十七


秋雲「うーん、中々終わりが見えてこない……」

島風「秋雲ー入るよー」ガチャ

秋雲「島風じゃん。一人で来るなんて珍しいねー」

島風「長波が遠征だったからね。ところで漫画借りてもいい?」

秋雲「いいよー」


島風「どれにしようかなー」

秋雲「……うーん、駄目だー」

島風「どうかしたの?」

秋雲「今さー、原稿が進まなくてねー。しかも新しいネタ思いついてそっちが描きたくなってさー」

島風「へー、それってマンガ?」

秋雲「そうそう。途中だけど読む?」

島風「うん!」


島風「へー、結構描き込まれてて面白そう」

秋雲「でしょー? 普段はもう少し手を抜くけど、これは本気で描きたいから頑張ってるのよー」

島風「その分大変だから中々描く気が起きないとか?」

秋雲「そうそう。そこに新しいネタが閃いちゃったからどうしようかなーって」

島風「その新しいネタについて、聞かせてもらってもいいかな?」

秋雲「いいよー。話の展開を説明するとねー」

――――
――


秋雲「――と言うお話なんだ」

島風「……そ、そうなんだ」

秋雲「ん? あまり面白くなかった?」

島風「いや、話としては面白そうって思ったよ。でも……その……」

秋雲「言葉を詰まらせてたら凄い気になるじゃないのー。教えて欲しいなー」

島風「じゃあ、言うよ……つまり、その話は別なマンガで見た内容とほとんど同じだったんだよ!」

秋雲「な、なんだってー!」ガビーン


秋雲「作品名おせーて!」

島風「えっと……――って作者の――ってマンガだよ」

秋雲「……聞いたことない」

島風「マイナーな作品らしいからね」

秋雲「何で島風はそれを知ってるの?」

島風「暇な時に色々と探して見つけたんだ。何でマイナーなのか分からないくらい面白いのかったよ」

>>429 訂正

>島風「暇な時に色々と探して見つけたんだ。何でマイナーなのか分からないくらい面白いのかったよ」



島風「暇な時に色々と探して見つけたんだ。何でマイナーなのか分からないくらい面白かったよ」


秋雲「それ秋雲にも読ませて! 気になって作業出来無さそうだから!」

島風「……二十巻まで出てるから、読み始めちゃうと原稿進まなくなりそうだけど?」

秋雲「うげっ……さすがにそこまであると原稿に支障が出ちゃう」

島風「じゃあ頑張って原稿終わらせてから読もうよ。そしたら私も秋雲のマンガ読めるし」

秋雲「なるほど、そうすればお互いwin-winだね! よーし、新しいマンガのネタは無かったことにして、頑張るぞー!」


島風「じゃ、私は邪魔にならないように部屋に戻ってるね。マンガ借りていくよ」ガチャ

秋雲「りょうかーい」

島風「じゃ、原稿頑張ってねー」バタン


秋雲「……待っている人がいると思うと、早く見せてあげたいって気持ちが湧いてくるねー。いっちょ本気で取り組みますかー!」


脳汁ドバドバになった秋雲は、約六時間ほどでオリジナルマンガを描き終えた

――――――

昼投下ここまで
秋雲の汎用性いいよね

昼投下


その二十八


長波「えっ、長時間遠征?」

島風「うん。明日の昼過ぎから西方海域に行って約二日間、任務をこなすんだって」

長波「何で島風が抜擢されたんだ?」

島風「よく分からないけど、練度の高い駆逐艦が必要だったみたい」

長波「練度の高い駆逐艦ね……」

長波(あたしより出撃機会多いから可能性は十分にあるか)

島風「そういうわけで、二日間遊べない分も一緒に遊ぼう?」

長波「ああ、いいぞ」

長波(この日、島風がやりたい遊びにあたしはとことん付き合った)

――――
――


長波(次の日、あたしは島風を見送るために港までついていった)

島風「行ってくるね」

長波「ああ。気をつけろよ」

島風「分かってるって。二日後にまた迎えに来てね」

長波「分かった。行ってらっしゃい」

島風「行ってきまーす!」


長波「……もう見えない距離まで進んだみたいだな」

長波「寒いし、そろそろ部屋に戻るか」

――――
――


長波「……」ペラッ ペラッ

長波「……何か、読む気にならないな」パタン

コンコン

『長波姉さま、居ますか?』

長波「いるぞー」

高波「お、お邪魔します」ガチャ


長波「別にノックしなくてもいいんだぞ。で、用件はいつもと同じかな?」

高波「は、はい」

長波「ほら、おいで」

高波「あ、ありがとうございます」ギュッ

長波「それで、何があったんだ?」ギュッ


高波「あの、秘書艦になった時にあったことなんですが……書類を運ぶ時に躓いて床にばら撒いてしまったんです」

長波「あー、たまにやっちゃう艦娘がいるんだよな。提督はどんな反応してたんだ?」

高波「司令官は怒らずに自分の仕事を中断して、高波と一緒に書類を拾ってくれました。本当なら怒られて当たり前なのに……申し訳ないと思いました」

長波「高波はその時、ちゃんと謝ったんだよな?」ナデナデ

高波「は、はい。謝りながら書類を拾ってました」

長波「ならきっと大丈夫だろ。何度もやらかさなければ基本的に怒らないし」


高波「そうだったらいいなと思うかも、ですが……」

長波「それに、高波のフーカデンビーフが気に入ってるみたいだし、あれ食わせとけば大丈夫だろ」

高波「そ、そんな事で大丈夫なのですか?」

長波「さあ? でも提督ってよっぽどのことがない限り怒らないじゃん。きっと大丈夫だって」ナデナデ

長波(でもセクハラは多いんだよな。高波はどうなんだろ?)


長波「ところで高波、提督に変なことされた事はあるか?」

高波「へ、変なことですか?」

長波「そう。例えば突然身体触ってきたとか」

高波「えっと……頬を突っつかれたりしたことは何度もあるかも、です」

長波(いたずら好きな子供かよ)

長波「……まあ、あたしの時よりは大したこと無いみたいで良かったよ」


高波「長波姉さまは、どんなことをされたのですか? 高波は気になるかも、です」

長波「あたしの時は『書類書かなくていいから好きな時に頭撫でさせて』とか『チャーハン作ってあげるからちょっと身体触らせて』とかそんな感じだったな」

高波「えっ……」

長波(高波が見たこと無い表情でドン引きしてる)

長波「あまりにもうるさかったから頭撫でるくらいは許可したけど、それ以外は蹴り入れて黙らせたよ」

高波「そ、そこまで深刻だったんですね。司令官の事、どう見ればいいか分からなくなってきかも、です」

長波「変態だってことを覚えておけばいいと思うぞ」

――――
――


長波「それでな……って、もうこんな時間か。結構話してたんだな」

高波「……」

長波「ん? あたしの顔をそんな見てどうした?」

高波「長波姉さまが何だか、いつもより元気がないように見えるかも、です」

長波「えっ? あたしはいつも通りだぞ?」

高波「声は確かにそうですが、何だかちょっとだけ違う気がするかもと思っただけ、です」

長波(この時のあたしは、高波の言っていることがよく分からなかった。疲れとか気だるさも無いし、落ち込んでいるわけでも無かったから)


長波「そうか……なあ高波、今日は一緒に間宮行くか?」

高波「高波が姉さまにご一緒にですか?」

長波「ああ。誰かと一緒じゃないとあまり行く気にならなくてさ」

高波「そういう事なら、高波もご一緒します!」

長波「よし、じゃあ早速行くか」

高波「は、はい!」

――――――


長波「~♪」

高波「長波姉さま、その歌は何ですか?」

長波「これか? 前にテレビのCMで流れてた歌なんだけどつい口ずさんじゃって……ん?」

沖波(どうしよう……一人だとちょっと入りにくいな)オロオロ

高波「沖波が間宮の前で立ち止まってますね。入るのに戸惑っているのかも、です」

長波「そうみたいだな。ちょっと声掛けてみるか」


沖波(うーん、間宮さんの甘味食べたいけど……うーん)

長波「おーい、何やってるんだ?」

沖波「あっ……長波姉さん」

長波「入らないのか? 間宮」

沖波「あっ、その……入ろうとは思っているのですが、一人じゃ入りにくくて」

高波「それなら、高波達と一緒に入りましょう。そうすれば入りにくくないかもですし、長波姉さまもいいですよね?」

長波「あたしもそのつもりだったんだが、沖波はどうする?」

沖波「えっと……じゃあご一緒します」

長波「よし、決まりだな」

――――
――


沖波(うーん、間宮さんの甘味食べたいけど……うーん)

長波「おーい、何やってるんだ?」

沖波「あっ……長波姉さん」

長波「入らないのか? 間宮」

沖波「あっ、その……入ろうとは思っているのですが、一人じゃ入りにくくて」

高波「それなら、高波達と一緒に入りましょう。そうすれば入りにくくないかもですし、長波姉さまもいいですよね?」

長波「あたしもそのつもりだったんだが、沖波はどうする?」

沖波「えっと……じゃあご一緒します」

長波「よし、決まりだな」

――――
――


長波「ところで、沖波はパンケーキで良かったのか? さすがにアイスは時期的にきつくても、パフェとかケーキとかもっと甘いのあるのに」

沖波「初めて食べた時にとても美味しくて……たまにまた食べたくなるんです」

長波「へー。ちょっともらってもいいか?」

沖波「あ、はい。切るのでちょっと待ってください」


長波(あたしは沖波が慎重にパンケーキを切る様子をぼーっと眺める。何故かメープルが多くかかっているところを切り分けてくれているところに沖波の優しさを感じた)

沖波「……ふう、切り終わったぁ」

長波「……」

沖波「長波姉さん? 切り終わりましたよ」

高波「……」ジーッ

長波「ふぇっ? あっ、ごめんぼーっとしてたわ。ありがとう沖波」プスッ パクッ

長波(やべっ、いつもの癖で食べさせてくれるの待ってしまったな。変に思われてなきゃいいけど)


長波「……うん。これは甘さ控えめだけど中々美味しいな」

沖波「そうですよね。皆あまり食べないみたいなので何でだろうと思うんです!」

高波「ここの皆さんはパフェやケーキとかのもっと甘い物を好む人が多いので、見た目ではあまり甘く無さそうなパンケーキに興味を示さないのかも、です」

長波「確かに……ここだとパフェ、アイス、ケーキが大人気だもんな」

沖波「そうなんですか……どこかに居ないかな、パンケーキ派」

長波「見つかるといいな、パンケーキ好き」

高波「そうですね」


長波(談笑しながら、間宮でのひと時をあたし達は楽しんだ。ただ、朝霜が居ないことが少し残念だったけど)

――――
――


長波「あー疲れた。と言っても遠征行ったりしたわけじゃないが」

長波「……さっさと寝よっと」モゾモゾ

長波(久々に妹達と一緒に遊んだりしたけど、中々楽しかったな。高波の成長とか沖波の変わったところとか知れて。普段あまり会話しないから分からないことだらけだ)

長波(……どうしよ、何だか眠れないな。何か落ち着かないというか、物足りないと言うか。とにかく変な感じがする)

コンコン

『長波姉さま、起きていますか?』

長波「起きてるぞー。どうした?」


長波「あー疲れた。と言っても遠征行ったりしたわけじゃないが」

長波「……さっさと寝よっと」モゾモゾ

長波(久々に妹達と一緒に遊んだりしたけど、中々楽しかったな。高波の成長とか沖波の変わったところとか知れて。普段あまり会話しないから分からないことだらけだ)

長波(……どうしよ、何だか眠れないな。何か落ち着かないというか、物足りないと言うか。とにかく変な感じがする)

コンコン

『長波姉さま、起きていますか?』

長波「起きてるぞー。どうした?」


高波「その……高波の部屋で、一緒に寝ませんか?」ガチャ

長波「また突然だな……眠れないのか?」

高波「はい……何だか寝付けなくて、長波姉さまが一緒だったら安心して眠れそうかも、です」

長波「……ま、あたしも何か眠れなかったし、いいぞ」

高波「あ、ありがとうございます」

長波「それじゃ、枕だけ持って……よし、行くぞ」

高波「はい!」

――――
――


長波(部屋に入ると、既に同室の早霜は寝ていて、あたしは高波のベッドに一緒に入ることになった)

高波「温かいですね」

長波「そうだな」

長波(高波は人目が無いとすぐ抱きつくな。昔ほど遠慮しなくなったのはいいけどさ)


高波「ふあっ……んんっ」

長波「もう眠そうだな」

高波「はい……こうしていると安心するからかも、です」

長波「そっか……」ナデナデ

高波「んっ…………zzz」

長波(あっという間に寝ちゃったな。本当に寝付けなかったちょっと気になるところだけど……気にしてたら眠れなくなりそうだ)

長波(あたしもさっきよりは眠たく感じてきたし、このまま目を閉じて寝るかな)

長波(少しすると、あたしも眠りについた。先ほど感じた妙な落ち着かなさや物足りなさは消えていたけど、何だったのかはわからずじまいだった)


――――――

昼ここまで
高波のかも率低すぎたかな

昼投下出来なかったから夜に投下


その二十九


長波(次の日、あたしは午前中は出撃し鎮守府近海の哨戒を行った。駆逐艦や潜水艦は雑魚ばっかだったけど久しぶりの出撃だったから暴れまわって楽しんだ)

長波(昼になると昼食を姉妹達と食べ、そこから休憩を挟んで午後は遠征に参加した。ドラム缶をたくさん担がされて大変だったけど、暇は潰せたからそこまで苦では無かった)

長波(遠征が終わり、あたしはすぐにお風呂へと向かった)

――――
――


長波(今日は疲れすぎてすぐ眠れそう。ぼーっとしてたらこの中でも寝ちゃいそうだし)

長波(何で今日に限ってこんな忙しかったんだろう。駆逐艦なんて他に幾らでもいるってのにさ)

長波(あたしは出撃できたから良かったけど……)

長波「……zzz」

「長波さん、お風呂で寝たら危ないですよ?」


長波「……夕雲か」

夕雲「はい。珍しくお風呂で見かけたので声を掛けてみました」ニコッ

長波「見かけたからって、わざわざこんな遠くまで来るかね普通」

長波(あたし達が入っている湯船は、隅っこの方にあり身体を洗う場所から遠い。だから殆どの艦娘は近くの湯船を使うのが普通で、のんびりしたい人くらいしか来ない)


夕雲「長波さんが寝かけていたので、寝ないように見てあげるべきだと思って来ました」

長波「そのおかげで、助かったよ。ありがとさん」

夕雲「どういたしまして。長波さんはかなりお疲れのようですね」

長波「出撃と遠征の両方を午前午後でこなしてたからな。おかげでいつも以上に疲れた」

夕雲「それなら後で髪を乾かしたり、マッサージをしてあげましょうか?」

長波「……別にいい」


夕雲「もう、疲れているんですから任せてくれてもいいじゃないですか」

長波「あたしは別に自分で出来るからいらない。他の妹達にでもしてやってくれ」

夕雲「いつも通りですね。強情と言いますか……」

長波「夕雲もいつもの事なのに諦めが悪いな」


夕雲「私は姉として、長波さん達のお世話をするのが好きですから」

長波「やれやれ、あたしには過保護な母親って感じがするよ」

夕雲「あらあら」ニコニコ

長波(こんな事言ってもにこにこしてるから逆に怖い)


長波「……とにかく、あたしの世話をする必要は……無いって……zzz」

夕雲「……」フーッ

長波「ひゃっ!?」ビクッ

夕雲「寝てましたよ?」ニコニコ

長波「お、起こし方にも方法って物があるだろ! 分かっててやりやがって!」


夕雲「相変わらず左耳が弱いんですね。でもこれで眠気は飛んだでしょう?」

長波「うっ……」

長波(やり方はどうであれ、話してる途中で寝ちゃったあたしが言い返せる立場じゃないな……)

長波「さ、サンキューな。でも、頼むから左耳に息吹きかけるのはやめてくれ」ゴニョゴニョ

夕雲「うふふ、それは時と場合によるかもしれませんね。例えば今みたいな事があったらまたしてしまうかもしれませんね」ニコッ


長波(夕雲はあたしの左耳が弱いことを知っている唯一の人だ。過去に夕雲と二人きりの時に耳掃除をしてもらい、その時に判明した)

長波(夕雲は黙ってくれてはいるが、今みたいに二人きりでいるとたまに左耳を刺激する事があるので、あたしは警戒するようになってしまった)

長波「……アイツの前では絶対にするなよ?」

夕雲「はい、勿論です。私達二人の秘密ですから」ニコッ

長波(不敵の笑みって感じがするな……全く、困った姉だよ)

――――――


長波(風呂から出て食事を済ませた後、また高波と同じベッドで寝ることになった。高波はまたすぐに寝たけど、あたしは何だか眠れなかった)

高波「zzz」

長波(眠れねえ。昨日より疲れてたからすぐ眠れると思ったんだけどな)

長波(島風は明日帰ってくるんだよな。帰ってきたら何て声をかけようかな)

長波(……何だか落ち着かないな。何も考えず目を閉じるか)

長波(…………全然眠気が来ない)


長波(あたしが眠りについたのはそれから一時間後だった)

――――――


長波「……もうそろそろだと思うんだけどな」

秋雲「長波ー!」

長波「……秋雲か、どうした」

秋雲「長波が部屋に居ないと思って探してたんだよね。そしたらここで帰りを待つ長波を見つけてさー」

長波「島風との約束だからな。秋雲はあたしになんの用だ?」


秋雲「昨日夕雲が部屋に来てさ、『長波さん、少し元気が無いように見えましたけど何か知りませんか』って聞いてきたんだ。で、秋雲さんが直々に確認しに来たけど……そんな事無さそうだね」

長波「夕雲のやつ……あたしは昨日出撃と遠征があって疲れただけだし、寝たからもう平気だ」

秋雲「そっかー。島風が居なくて寂しがってたりするのかなーとか思ってたけど、そういうわけじゃなかったなら秋雲の心配は無用だったって事だね」

長波「……あたしがそんな寂しがるわけ無いだろ。アイツが来ないから暇をどう潰すか悩んだりはしてたけどさ」


秋雲「それなら秋雲の部屋に来てマンガでも読めば良かったじゃん。またはモデルとか」

長波「マンガは何か読む気にならなかったんだ。それと、モデルはよっぽどのことがない限り絶対にやらないからな」

秋雲「へー、そうなんだー。まあモデルの方無理にとは言わないけどさ」

長波「やらないぞ……次は何が来ても絶対にやらないからな!」

秋雲「えー、それは残念だなー」

秋雲(また読みたくなりそうなレア物手に入れておこーっと)

――――
――


長波「……ん? あそこに見えるのはもしかして……」

秋雲「あっ、何か一人手を振ってるね。島風じゃない?」

長波「やっと帰ってきたか……良かった」

秋雲「良かったじゃーん。元気そうだし」

長波「そうだな」


長波(さて、何て声をかけようか……シンプルにおかえりでいいかね?)

ドドドドドド

長波(いや、先にお疲れ様くらい言ったほうがいいかな? うーんどうしよう……)

ドドドドドド

秋雲「長波、前!」

長波「ん?」

島風「長波いいいいいいいい」キキーッ

長波「ちょっ、危なっ!」サッ

島風「うええっ!?」スカッ


長波「……」

秋雲「……」

島風「……避けられた」シュン

長波「あんな速度で迫られたら避けるだろ!」

島風「い、一応ブレーキ掛けて調整したんだけど……」

秋雲「いやいや、そういう問題じゃないと思うよ?」

長波「やれやれ……ほら、来いよ」バッ

島風「……うん!」ギュッ






長波「――おかえり、島風」ギュッ

島風「――ただいま、長波」ニコッ





秋雲(そろそろ邪魔になりそうだし、先に帰るかな)

秋雲「……さーて、秋雲さんはそろそろ退散するねー。んじゃ」

島風「秋雲も迎えありがとー!」

秋雲「どういたしましてー!」


長波「……ところで、他のメンバーはどうしたんだ?」

島風「旗艦の古鷹さんから許可をもらって先にここまで来たからそろそろ来るんじゃないかな?」

長波「じゃあそろそろ離れておくか?」

島風「ううん。もう少しだけこのままで」

長波「……仕方ないなぁ」


夕立「島風ちゃんと長波が抱き合ってるね。夕立も横から加わってみたいっぽい」

時雨「夕立、せっかくの再会だからそっとしてあげよう」


綾波「そうしましょう。せっかくの再会ですから」ニコニコ

古鷹「そうですね。」ニコニコ

加古「あたしは早いところ報告済ませて寝たい」ウツラウツラ


長波(皆から見られてるんだけど……でも離す気無さそうだし我慢しよ)カァァ

島風「♪」スリスリ

――――
――


長波(その日の夜、あたしと島風は久しぶりに一緒に寝ることにした)

島風「ふふーん」ギュッ

長波「今日のお前はやけに抱きついてくるな……」

島風「だってやっと落ち着ける場所に帰ってこれたんだもん」

長波「あっちではあまり落ち着けなかったのか?」

島風「うん。仮眠取るための設備とかもあまり良くないし、私自身、メンバーの大半とあまり話したことがなかったから……」


長波「設備はともかく、同じ艦娘なんだから話せばすぐ仲良くなれるだろ?」

島風「その話の内容が、私には……」

長波「……島風、なんかその、悪かった」

島風「長波は何も悪くないよ。ついでに加古さんも話に乗らず寝てたし」

長波「……何となく想像がつくな」

島風「……」

長波「……」


長波(何か微妙な空気になったな。話題を変えてどうにかしよう)

長波(うーん……そうだ、あの事について相談するか)

長波「……島風、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

島風「何?」


長波「島風はこの二日間で、やけに落ち着かなかったり何かが物足りない……そんな気分になった覚えはないか?」

島風「うーん……無かったと思うよ?」

長波「そうか。ならいいんだけどさ」

島風「長波は、今言ったような事があったの?」


長波「……ああ、うん。でも今は平気だな」

島風「そうなんだ。病気とかじゃないんだよね?」

長波「調べてもらってはないけど多分それはないと思うぞ」

島風「そこまで大事でもないんだね」

長波「多分な」

島風「多分って……」


長波「まあ、今は平気なんだからきっと大したことじゃないって。それよりもう遅いから寝ようぜ」

島風「……また似たような事があったらちゃんと教えてね」

長波「分かった。約束する」

島風「ならば良し。おやすみ、長波」

長波「おやすみ、島風」


長波(この二日間で、あたしの中で芽生えたこれは一体何なのか? 気になりながらあたしは眠りについた)

――――――

今日はここまで
今後長波サマをどっち方面にもってくか決めるまでは更新出来るか分からない

(イベントそろそろ終わりだけど戦果はどうですかね)

島波はいいぞ

昼過ぎ投下

大和と夕雲に限定ボイス実装と聞いて長波サマに期待が高まる


その三十


チュンチュン

長波「ん……朝か」

島風「zzz」

長波(今日もがっしり抱きついたままか)

長波「おーい、起きたいから腕離してくれ」ユサユサ

島風「んんっ……zzz」ギュッ

長波(いつも通り、これだけじゃ起きないと)


長波「おーい」ツンツン

島風「んんっ……」

長波「早く腕をどけろー」ビヨーン

島風「んん~っ!」

長波(頬を突っついたり引っ張ったりすると嫌そうにするのに離れないんだよな。あたしならここまでされたら起きるってのに)


長波「……そろそろ離れてくれないと、背中を指で弄るぞ?」

島風「……お、おはよう。長波」バッ

長波「おはようさん」

長波(色々と試してダメだったらこれを言うとすぐに目が覚める。この弱点が島風に無かったら起こせる気がしないから助かっているけど……どうしてここまでしないと起きないのかについてはまだ分かっていない)


長波「……そろそろ離れてくれないと、背中を指で弄るぞ?」

島風「……お、おはよう。長波」バッ

長波「おはようさん」

長波(色々と試してダメだったらこれを言うとすぐに目が覚める。この弱点が島風に無かったら起こせる気がしないから助かっているけど……どうしてここまでしないと起きないのかについてはまだ分かっていない)


島風「……眠い」

長波「今日が休みなら寝てていいけど、あたしは遠征があるからしばらく居ないぞ」

島風「そうなんだ……じゃあ二度寝しないで起きよっと」

長波「そうか。さて、着替えて準備するか」

島風「……」ウツラウツラ

長波「……おいおい」クスッ

――――
――


長波「ただいま」ガチャ

島風「おかえりー」

長波「さすがにちゃんと起きてたか」

島風「さすがにこんな時間まで寝たりはしないよ」ムッ

長波「ははっ、そうだよな。悪い」ナデナデ

島風「んっ……」


長波「ところでずっと気になってたんだけど、島風は朝弱いのか?」

島風「うーん、どちらかと言えば弱いかも。一人の時は頑張って起きてるけど」

長波「一人の時は今日の朝みたいにならないのか……じゃあ何であたしや天津風と一緒の時は中々起きられないんだ?」

島風「うーん……安心してるから?」

長波「安心?」


島風「うん。誰かの温もりがあると落ち着いて、気持よく眠れるんだ」

長波「だからって、あたしを巻き込んで二度寝しようとするのはちょっと問題だと思うぞ?」

島風「そ、そこは……私もほとんど無意識でやってて……」

長波「なんだそりゃ」

島風「今日も突かれたりした事は何となく覚えてるけど、その後またすぐ眠って意識が途切れ途切れになってるんだよね」


長波「……早朝から任務をやれと言われた時に苦労しそうだな」

島風「そうだね。うちはそんな事がまだ無いからいいけど」

長波「将来的には苦労しそうだけどな」

島風「うん……だから将来的に考えると一人で寝て朝ちゃんと起きられるようにした方がいいと思うけど……」ジトー

長波「な、何でそんなジト目で見てくるんだ」


島風「だって最近、長波がよく一緒に寝ようって誘ってくるから一人で寝る機会がかなり減ってるんだよ。少し前まではこんな事なかったのに。私は不思議で仕方がないんだよね」

長波「えっ……そ、そんなだったっけな?」

島風「ほぼ毎日のように誘っておいて覚えてないのは不自然だと思うよ?」

長波「あ、あはは……」

島風「……長波、最近ちょっと変だよ? 何か悩み事があるんじゃないの?」

長波「……」


島風「私にはちゃんと話して共有しろ、って言ったんだから、長波もちゃんと話してくれないと不公平じゃないかな?」

長波(うっ、そう言えば前に島風に言ったな……)

島風「私だって長波が一人で抱え込んでいるのは嫌だから、何かあるなら私を頼ってよ。今こうして逆の立場になって、長波の言いたいことが分かってきたし……」

長波(……ここまで言われると、あたしも話さないわけにもいかないよな……)


長波「分かった。島風の時と比べると確定とは言えないけど、一応話すよ」

島風「うん」

長波「……島風が長時間遠征をした日から、一人だと中々寝れない事があったんだ。でも島風が帰ってきて一緒に寝たら普通に寝れたから……多分平気だろうとは思ってるんだけどさ」

島風「それって、前に話してくれた……落ち着かないだとか、物足りない感じがするって言うやつのことかな?」

長波「うん、それの事。それがまた出てきたら嫌だから……島風を誘って一緒に寝るようにしていたんだ」


島風「そうだったんだ……私と一緒に寝た日は平気なの?」

長波「ああ。何故か分からないけどな」

島風「うーん、長波が寂しがり屋になったとか?」

長波「……いやいや、それは無いと思いたいんだけど」

島風「何となくそう思っただけだよ。でも、前よりは一緒にいる時間が増えてるし、長波の中で変化があるのかもしれないね」

長波「……その可能性も、あるかもしれないな」

長波(あたしの変化ね……もしかしたら、本当に寂しがり屋になってしまったのかもしれないな)

――――
――


長波「結局、今日も誘っちまって悪いな」

島風「別に謝らなくてもいいよ。温かいから寝やすいし」ギュッ

長波「そうか」

長波(……そろそろ前向きに検討してみてもいいのかもしれないな、島風とどっちかの部屋を一緒に使うって事を)

長波(でも、島風はいいと言ってくれるかな。それに、本の収納とかで揉めかねないし、なんて言って誘えばいいのか分からないし)

長波(……まあ、まだいいか。今でも十分だしな)


長波(あたしはそんな事を考えながら、今日も眠りにつくのだった)

――――――

夜は更新できないので今日はここまで
気づけば三十も書いてかつ500超えと今までで最長っぽい

(長波サマは14秋E2で早霜掘ってたら道中ドロップした記憶)

イベントお疲れ様
昼更新


その三十一


長波(うわー、手が乾燥してる)スリスリ

島風「何してるの?」

長波「手が乾燥してるからこうして手を擦り合わせてるんだ」

島風「へー、ちょっと触らせて貰っていいかな?」

長波「別にいいぞ。ほれ」

島風「長手袋外すから待ってて」シュルッ

長波(そう言えば島風の手袋って長いやつだったな)


島風「これでよしと、じゃあ触るよー」ピトッ

島風「おー、すべすべして冷たいね」

長波「手袋してるから当然だけど、島風の手は温かいな。ついでに手を温めてくれ」

島風「うん」ギュッ


長波「これ……少女マンガで見た事あるな」

島風「長波も知ってたんだ。これ温まりそうだなーって思って試してみたけど、どう?」

長波「温かいぞ」

島風「にひひ、そうでしょー?」


長波(男がされたらドキッと来るんだろうな。あたしはなんとも思わないけど)

長波(提督はこうされたら間違いなく嬉しくて空いた手で頭を撫でたりしそうだな。あの提督にこんな事したがる艦娘は稀だろうけど)

長波(少女マンガだと、主人公が好きな男がこうして手を温めていたな。手袋をつけずに寒そうにしているところにあんな事されたらキュンと来るんだろうな)

長波(それに比べてあの提督がしてきたら……警戒心しか沸かなそうだ)


島風「考え込んでどうしたの?」

長波「いや……もしこうしてくれているのが提督だったらと言う変なことを考えてた」

島風「へー……でも別に好きなわけじゃないよね」

長波「一応優秀だから信頼はしてるけど、そういう感情はないな。急に手を握られたら警戒するし……島風が同じ状況になったらどう思う?」


島風「うーん……私もちょっと警戒しちゃうかも」

長波「だよなー……」

島風「だねー」


長波(あたし達は他愛もない話をしながら、のんびりと過ごした)

――――――

昼ここまで
島風の手袋であれを思い出した

長波サマボイスで笑わせて頂いた
昼投下


その三十二


長波「席は……ここにするか」コトッ

島風「私は長波の隣にしよ」コトッ

秋雲「秋雲は島風の前にしよーっと」コトッ

長波「じゃ、早速食べてみようか。いただきまーす」

島風・秋雲「「いただきまーす」」


長波「……美味いな、この牛丼」

秋雲「期間限定の新メニューって聞いて頼んでみたけど、大当たりみたいだねー」

島風「定食だから味噌汁やサラダも付いて、肉ばかりに偏らないのもいいところだね」

長波「だなー……それにしても、今まで無かったのが不思議なくらいだな。こんな美味しい牛丼作れるならもっと早く作れば良かったんじゃないかと思うよ」


秋雲「何か裏事情がありそうだねー。丼物の仲間とも言えるカツ丼定食とか親子丼定食とかはあったし」

島風「うーん……今までは牛肉があまり多く仕入れられなかったけど、最近になってたくさん仕入れることが出来るようになったとかかな?」

長波「仕入れの関係か……可能性としてはありそうだよな」

秋雲「でもさー、うちは弱小鎮守府ってわけでもないし、牛肉を中々仕入れられないって事はあまり無さそうな気がするんだよねー。強いところは色々優遇されるとは聞いてるけどさ」


島風「うーん……提督なら何か知ってるのかな?」

秋雲「そうかもねー。後で突撃して訊いてみる?」

長波「そうしてみるか。その前に、冷めないうちに食べないとな」


間宮「……」

伊良湖「……」

鳳翔「……」

――――
――


間宮「今日はほとんどの人が牛丼定食を選んでましたね」

伊良湖「そうですね。喜んで貰えたのは嬉しいですが……」

鳳翔「提督が食材にこだわるタイプですから、食材の費用の関係で中々出せなかったんですよね」

伊良湖「高級な牛肉となると恐ろしい値段が付きますから、期間限定品と条件を付けなかったらこんな事出来ません」

間宮「鎮守府からお金が無くなるような自体に陥らなければいいのですが……」

鳳翔「提督は平気だと言ってますが、本当に大丈夫なのか不安で仕方ありませんね」

三人「「はあー……」」

――――――

昼飯食べてくる

昼飯食べ終わったから投下


その三十三


長波「遠征の報告書を届けに来たぞー……ってあれ?」

島風「お疲れー」カキカキ

長波(今日の秘書艦は島風だったのか。通りで見かけないわけだ)

長波「ありー。で、提督は?」

島風「キジ撃ちしてくるって言ってたよ」

長波「なるほど、じゃあここで待つとするか……おっ、雛壇が組んであるじゃん」


島風「昨日の夜のうちに提督が組んだんだって。昨日の秘書艦も知らなかったみたい」

長波「へー、そうなんだ。よく出来てんなあ」ジーッ

島風「長波って、こういう行事に興味あるんだ……意外かも」

長波「あたしだって一応女だからな。それにしても艦娘の特徴捉えてて出来がいいなあ。これとかさー」ヒョイッ


ガチャ

島風「あっ、提督……」

長波「」


――――
――


長波「……その、いつまであたしは提督の膝の上に座ってなきゃならないんだ」

長波「……書類が全部終わるまで? さすがに長すぎるし、提督も膝が痛くなってこない?」

長波「そんな事は無いって……艦娘の身体触るためなら苦労も惜しまないんだな」

長波「……服越しとはいえあまりお腹周りさわらないで欲しいんだけど。太ったわけじゃないけど凄い恥ずかしいから」


ガチャ

大和「提督……またあなたは駆逐艦の子にセクハラをしているんですね」ニコッ

長波「」

長波(す、救いの女神が来た……でも目が笑ってないから怖いって!)

島風「い、今のうちにこっちに!」

長波「お、おう!」ダダダッ

島風「大和さん、私達は話が終わるまで出てますね!」

大和「そうしていただけると助かります。では提督、お話をしましょうね」ニコッ

長波「し、失礼しましたー!」バタン


長波「よ、良かった……噂には聞いてたけど、あそこまで怖いとは思わなかったぞ」

島風「私も初めてだよ……いつもは見惚れるくらいの笑顔なのに、修羅場になるとあんな怖いだなんて……」

長波「きょ、今日の事は忘れようぜ。あんな怖い大和さんは居なかったんだ。いいな?」

島風「う、うん!」


長波(その後、大和さんが部屋から出た後に島風が入ると、提督はぐったりしていたそうだ)

――――――

昼投下終わり
憲兵がとっちめに来ると大和にとっては都合が悪い模様

そこは各人にお任せ
久々夜投下


その三十四


ニャーン

長波「ん? 何でこんなところに猫がいるんだ」

島風「黒猫だー。おいでー」

黒猫「にゃーん」トコトコ

島風「よしよし」ナデナデ

黒猫「にゃーん」


長波「人懐っこいな、こいつ」

島風「そうだねー。長波も撫でてみる?」

長波「そうだな、せっかくだし……」ソーッ

黒猫「にゃーん」サッ

長波「あっ、コイツ避けやがった!」

島風「私の後ろに隠れちゃったね」

長波「何で島風は良くてあたしはダメなんだよ! こうなったら撫でさせてもらえるまで追い回してやるか」

島風「や、やめなよ……」


??「あっ、オスカーだ!」

長波「ん? レーベ……だったっけか」

Z1「うん、そうだよ。オスカーを探してたんだけど、二人と一緒にいたんだね」

島風「オスカーって、この黒猫の事?」ヒョイッ

オスカー「にゃーん」


Z1「うん、そうだよ。お風呂で洗ってあげようとしたら逃げちゃったから、探してたんだ」

長波「なるほどな。レーベには懐いてるのか?」

Z1「うん。たまに膝の上に乗ってきたりするよ」

島風「ほんと!? いいなあ」

Z1「島風は猫が好きなんだね。オスカーと遊びたかったらいつでも部屋に来ていいよ」

島風「いいの? ありがとう!」


Z1「もちろん、長波も来ていいよ」

長波「おう。でもなあ……」ジーッ

オスカー「……」プイッ

長波「何かあたしにはこんな反応なんだけど、本当に人懐っこいのか?」

Z1「あはは……その筈なんだけどね」


島風「長波は男勝りな所あるから、そのせいだったりして」ニヤニヤ

長波「なっ……性格は関係ないだろ!」

ワーワーキャーキャー


Z1「……二人はとても仲良しみたいだね、オスカー」ボソッ

オスカー「にゃーん」

――――――

今日はここまで
島波はいいぞ

中途半端な時間だが投下


その三十五


長波「……おし、ターゲットが現れたな」

島風「……ロックオン完了。いつでも撃てるよ」

長波「オッケー。じゃ、合図したら行くぞ」

長波「……今だ!」


パァン!パァン!パァン!パァン!パァン!

パァン!パァン!パァン!パァン!パァン!

ダダダダダダダダダダダダダダダダダァン!

ターゲット『グオオオオオオオオオオッ!』

『mission complete』


長波「おーし、クリアだな。何秒だ?」

島風「九秒だって」

長波「滅茶苦茶早く終わったんだな。この調子でやってけば、全ミッションのハイスコア更新も簡単そうだ」

島風「数は多いけど、不可能じゃなさそうだね」

長波「そうだな。さて、次始めるぞ――」

――――
――


長波「んーっ、さすがにやりすぎて疲れてきたから休むか」

島風「そうだねー。目がしぱしぱするー」

長波(……この前考えてたこと、話してみるか)

長波「……なあ、島風」

島風「何?」


長波「島風、相部屋してみたいと思ったこと、あるか?」

島風「……うん、あるよ。でも今はマンガのせいでスペース取りそうだから誘われても困るかも」

長波「またマンガが増えたのか……よく考えて買えって言っただろう?」

島風「だ、だって読みたかったんだもん……」

長波「やれやれ……なんとかしないと、いつまで経っても相部屋出来ないままだぞ?」

島風「うっ……が、頑張ります」

長波「おう、頑張れよ」


島風「……何で長波は私にそんな質問をしたの?」

長波「ただあたしが、島風の意思を確認したかっただけ。おかげで、どうするか決まったんだけどさ」

島風「……もしかして、長波は私と相部屋をしたいの?」

長波「そういう事。島風といると楽しいし……寂しさも無くなるしな」

島風「寂しさ?」


長波「そう……今までみたいに一人で何かしてても、何も楽しく感じなくなって……一緒に居てくれる人を求めちゃうんだ」

長波「誰でもってわけじゃなくて、同じ夕雲型の姉妹と、あたしと仲の良い友達に限るけどさ。どうしてこんな事になっちまったのか、分からないけどさ」

島風「……今まであまり他の人と積極的に話したりしなかったんだっけ?」

長波「ああ、そうだな」

島風「だからじゃないかな? 誰かと一緒に遊んだり、話したり……そう言う楽しみを長波が覚えたから、一人でいることが辛く感じちゃうようになっちゃったのかも」

長波「そっか……あたしが変わったって事か」

島風「うん、長波は変わったと思うよ」


長波「そう……今までみたいに一人で何かしてても、何も楽しく感じなくなって……一緒に居てくれる人を求めちゃうんだ」

長波「誰でもってわけじゃなくて、同じ夕雲型の姉妹と、あたしと仲の良い友達に限るけどさ。どうしてこんな事になっちまったのか、分からないけどさ」

島風「……今まであまり他の人と積極的に話したりしなかったんだっけ?」

長波「ああ、そうだな」

島風「だからじゃないかな? 誰かと一緒に遊んだり、話したり……そう言う楽しみを長波が覚えたから、一人でいることが辛く感じちゃうようになっちゃったのかも」

長波「そっか……あたしが変わったって事か」

島風「うん、長波は変わったと思うよ」


長波「……先が思いやられそうだけどな、一人で寝れないところとか特に」

島風「確かに、長波の場合は極端かもね」

長波「だよな……」

島風「でも、私がそばにいてあげるよ。この前のような事がない限りね」

長波「……そう言ってくれて嬉しいよ。ありがとう、島風」

島風「にひひっ、どういたしまして」


長波「……さて、まだ答えを聞いてないけど、島風はあたしと相部屋する気はあるか?」

島風「もちろん!」

長波「よし、じゃあこれからお互いに、相部屋出来るよう整理を始めないとな」

島風「うん。でも……明日からでいいよね?」

長波「そうだな……急いでやることでもないし、明日から頑張るか」

島風「よーし、明日から本気出すぞー!」

長波「それ、頑張らないやつの言い訳だぞ」

島風「ええっ!?」


長波(こうして、あたしと島風の相部屋生活が始まろうとしていた)

――――――

今日はここまで
連投ミスすまぬ

島波はいいぞ

昼投下


その三十六


長波「えーっと、この本は残してこの本は売って……よし、後は要らない本を売れば片付け完了だな」

長波「そう言えばまだベッドの事とか決めてなかったな。島風の片付けを手伝いながら聞くとするか」

長波(あたしの予想が正しければ、今頃あいつは……)

――――
――


島風「うーん、売ろうと思ったけどこれも読み返すと面白いし、どうしよう」ペラッ

長波『おーい、島風ー』コンコン

島風(げげっ……まだ全然片付いて無いのに、長波がもう来ちゃった)

島風「はーい」ガチャ


長波「よっ、そっちの整理が大変そうだから手伝いに来たぞ」

島風「あ、ありがとう」

長波「……にしても、よくこれだけ集めたな。勧めたあたしでもこんなにのめり込んでないってのに」

島風「あはは……気になって衝動買いしたものばっかだけどね」

長波「衝動買いか……それなら要らないものも結構あると思うし、手分けして頑張ろう」

島風「うん、頑張ろう」


長波「……この推理マンガってあまり評価高いほうじゃ無かった気がするんだよな」

島風「怖いもの見たさで値引きされてたから買ったけど、設定の破綻が多くてダメダメだったよ」

長波「じゃあこいつは要らないな。次は……この少女マンガだな」

長波「……肩に芋けんぴのパクリしてるじゃねーかこれ」

島風「それもあるけど、後半になるとヒロインが痛々しいキャラになってて見てられなかったよ」

長波「じゃあ読み返す気にはならないよな?」

島風「うん。一周でお腹いっぱい」

長波「じゃ、これも売る本に仕訳と」


長波「次は……何だこれ、クロスオーバー物にしてはやけに皆はっちゃけてるけど」

島風「そのマンガは元ネタを知ってるととても面白いよ。私はどれもシリーズ読んでから手を付けたけどキャラ崩壊の酷さに笑いが止まらなかったし」

長波「へー、原作の方はどれくらいあるんだ?」

島風「ここにある分だよ」


・作品A:全十巻
・作品B:全八巻
・作品C:全二十巻
・クロスオーバー:全五巻

長波「……多いな」

島風「多いけど、私としてはどれもおすすめだよ」

長波「うーん……気になるし、保留にしとくか」


長波(あたし達はこんな感じで少しずつ、本の取捨選択を行っていった)

――――
――


長波「よし、これで終わりだな」

島風「うん。でもこれ一度に持っていったら、凄い時間が掛かりそうだね」

長波「そうだな……」

長波(あたしの部屋からは二十冊、島風の部屋からは約五十冊ほどの本が売るものになった)


島風「こんなにあると私達だけで持つのは大変そう。どうする?」

長波「どうするったって……二、三回に分けて持ってくしか無いだろうな」

島風「そうだよね……でも今日は疲れちゃったから無理」

長波「あたしもだ……明日はあたしは休みだし、その時に持っていくよ」

島風「ありがとう、長波。私は出撃で行けないけど、一人で無理しないでね」

長波「平気平気。あたしには手伝ってくれるつてがあるからな」

島風「?」

――――
――


秋雲「……何で秋雲が運ぶの手伝わなきゃいけないのさ」

長波「スランプ気味なんだから気分転換になるだろ?」

秋雲「ま、まあ確かにそうだけど……幾ら何でも重すぎるって」

長波「それくらいでへこたれてたら戦闘で大変だぞ。休みの時に引きこもってないで少しは外に出て身体を動かすんだな」

秋雲「ぐぬぬ……」


長波(この後、秋雲に無理矢理運ばせたマンガと、自分のマンガを合わせて売り上げは一万円を超えた)

――――――

昼はここまで


その三十七


武蔵「この本棚は、ここに置けば良いのか?」

島風「はい!」

武蔵「よし、分かった」ゴトッ

武蔵「次はこのクローゼットだな。どこに置けばいい?」

島風「えっと……長波のクローゼットの隣にお願いします」

武蔵「了解だ」ヒョイッ


長波「すげえ、あんなに容易く持ち上げられるなんて」

清霜「かっこいいなー」キラキラ

武蔵「これくらい、私には出来て当然……さ」ゴトッ

武蔵「……後は何か動かす家具はあるか?」

長波「いえ、特に何もないっすよ」

島風「武蔵さんのおかげで助かりました。ありがとうございます!」ペコリ


武蔵「礼は受け取っておこう。また何か、力仕事で困っていることがあったら、遠慮なく私に言ってくれ」

長波・島風「「はい!」」

武蔵「私は部屋に戻るとしようか……またな」ガチャ

島風「ありがとうございました!」

バタン


長波「いやー、時間が掛かると思ってた模様替えもすぐ終わったな」

島風「そうだね。ダメ元で頼んだら協力してくれるとは思わなかったよ」

長波「今度、何かお礼しないとな……清霜、武蔵さんはもう部屋を出ていったぞ」

清霜「はっ!? 見惚れてたらいつの間にかいない!?」


島風「清霜も相変わらずだね」

清霜「だってカッコイイんだもん!」

長波「まあ、清霜の気持ちも分からなくはないけどな」

清霜「清霜も、武蔵さんみたいになれるかな?」


島風「うーん、運動して規則正しい生活すればいいんじゃないかな?」

長波(あたし的には、武蔵さんみたいになった清霜はあまり見たくないけどな……)

清霜「うーん、それだと結局今すぐになれるわけじゃないんだね。清霜、戦艦目指して頑張るぞ!」

島風(かわいい)

長波(かわいい)


清霜「清霜も部屋に戻るね。長波姉さん、島風ちゃん、バイバーイ」ガチャ

島風「バイバーイ」

バタン

長波「……さて、本棚を置けたし、本を収納するかー」

島風「うん。たくさんあるけど、頑張ろー」

――――
――


島風「よし、これで、終わりぃ!」コトン

長波(比叡の真似か)

長波「これでやることは全て終わりだな。お疲れ」

島風「お疲れー。これでやっと、相部屋生活が始まるんだね」

長波「そうだな……でも、ベッドは本当に一つで良かったのか?」


島風「うん。だって別々のベッドで寝ても長波が寂しくてこっち来るかもしれないし」

長波「うっ……否定しきれない」

島風「夏が困りどころだけどね。風邪ひくからクーラーガンガンには出来ないし」

長波「そ、そこまでには治ってるさ……きっと」


島風「そうだといいけどねー」ニヤニヤ

長波「なっ……ニヤニヤしてるんじゃねーよ!」

島風「そう言われても、長波が寂しがり屋って言うところが可愛すぎてねー」ニヤニヤ

長波「……一緒に寝てると勝手に抱きついて離れないやつには言われたくないわ!」グイッ


島風「いだいいだい!!」

長波「……ふう、これで少しは懲りたか」

島風「ごめんなさい……頬痛い」

長波「ま、さすがに強く引っ張りすぎたとは思ってるよ、悪かった」ナデナデ


島風「な、撫でられてすぐ許すつもりなんて無いんだからねっ!」プイッ

長波「ほうほう、このまま髪をかき回してボサボサにしてもいいんだぞ?」ニコッ

島風「嘘ですごめんなさい調子に乗りました」

長波(変わり身早っ)


長波「別に本気でやるつもりは無かったけどさ……それより、これから間宮でも行くか?」

島風「あっ、もうこんな時間なんだ。うん。行こう!」

長波「よし、決まりだな。じゃあ行くぞ」

島風「うん!」


長波(全ての準備が整い、私達の相部屋生活が始まりを告げた)

――――――

今日はここまで
昼投下をやめて夜だけにするか悩む


その三十六・五


長波「んじゃ、この本の査定お願いしまーす」

店長「あいよ」


秋雲「つ、疲れた……まったく、長波は人使いが荒いなーもー」

長波「丁度頼めそうな人が秋雲しか居なかったから仕方ない」

秋雲「そういう所も相変わらずだねー。秋雲さんに何かお礼の一つくれたっていいんじゃなないのー?」


長波「お礼か……」

長波(そう言えば、今まで秋雲に対してはお礼したことって無いな)

長波「じゃあ、あたしの売った本の売上の三わ――」

秋雲「ちょっ、冗談だから本気で考えなくていいって!」

長波「ん、いいのか?」


秋雲「だって、いつも秋雲の方が巻き込んでるくらいだし、これくらいで見返り求める気は無いよー」

長波「それでもあたし達に頼む時はは見返りあるじゃん」

秋雲「そりゃあモデル頼んでるんだから、何かしら見返りないとダメでしょー。秋雲さんはお仕事を頼んでいるわけで、長波のはお手伝いなんだし」

長波「なるほどな」


秋雲「それに、長波は秋雲の面倒事に何だかんだ付き合ってくれるんだし、秋雲だってこれくらい付き合ってあげるさー」

長波「でも、運んでる最中は愚痴ってたよな」

秋雲「こんな重い物持たされたら、文句の一つくらい出るでしょー。秋雲が長波に同じこと頼んでたら、長波だってめんどくさいとか言いたくなるでしょ?」

長波「間違いなく言う。何ならこれ見た瞬間に言える」

秋雲「だよねー」ケラケラ


長波「……お互い、こんなやり取りに慣れてるんだから不思議だよな」

秋雲「そうだねー。だから、今後もガンガンモデルを頼むから付き合ってよねー」ニヤニヤ

長波「変な衣装じゃなければ考えておく……あたしも、今回みたいにこき使うことがあるかもな」

秋雲「ひゃあっ、長波サマったらドエスぅ!」



長波「……何かイライラしてきた。帰ったら一発いいか?」

秋雲「ぼ、暴力はダメだって!」

長波「冗談だ」

アハハ ヤメテー

店長(やれやれ、この二人も相変わらずじゃのう)

――――――

補完話は以上

次から本投下


その三十八


長波「……」ペラッ

天津風「島風、ほら」

島風「あーん」パクッ

島風「……甘い!」


長波「……」ペラッ

天津風「長波」

長波「なに?」

天津風「みかん剥いたけど、食べる?」

長波「ああ、もらう」

天津風「分かったわ……はい」

長波「んっ」パクッ


長波「……あのさ、いつから部屋に居たんだ?」

天津風「ついさっきよ。ドアをノックして島風に入れてもらったの」

長波「……全然気づかなかった」

天津風「マンガにどれだけ没頭してるのよ、あなた」

長波「面白くてつい夢中になってたんだ」


島風「マンガを集中して読んでいる時は、声掛けるか触れるかしないと中々気づかなくなるんだよね」

天津風「はあ……島風は長波がマンガを読んでる間、暇じゃないのかしら?」

島風「その時は、私もマンガを読むからそこまでじゃないかな。その気がない時は長波に絡むけどね」

長波「逆に島風が読んでる時は、マンガを読むかテレビ見るか軽く筋トレするかして適当に過ごしてるな」


天津風「……マンガを読んでる時は、お互いそこまで干渉しないようにしてるのね」

島風「うん。だって一度読んだら続きが気になって、読み進めたくなるんだよね」

長波「あたしも同じだな。まあ島風が絡んできたらそっち優先するけど」

天津風「ふーん……まあ、お互いにそれで納得してるなら私からは何も言わないわ」

天津風(ほとんど気を遣わないで居られる関係みたいね……何だか羨ましいわ)


島風「天津風、何か浮かない顔してるけどどうしたの?」

天津風「別に、ちょっと考え事していただけよ。心配することでもないわ」

島風「そうなんだ……何かあったら、遠慮無く話してね」

天津風「ええ」

島風「私はちょっとお花摘みに行ってくるね」タッタッタ


天津風「……」

長波「……なあ、天津風」

天津風「何かしら?」

長波「その……天津風は島風と相部屋したかったって思ったことはあるか?」

天津風「変なことを聞くのね……一応、あるわよ。誘った事もあるし」


長波「マジか……でも、断られたのか」

天津風「ええ、そうよ。でも島風は私と時津風の部屋に自分が入ると狭くなって大変だから一人でいい……そう言っていたわね」

長波「あいつらしい理由だな」

天津風「そうね。でも、夜は良く一緒に寝てたわ。中々離さなかったから大変だったけど」

長波「あーそれについてだけど、この前島風が理由を話してくれたんだよな」

天津風「あら、聞かせてもらってもいいかしら?」


長波「確か――説明中――って感じだったな」

天津風「やっぱり朝は弱かったのね、あの子。それに……私やあなたに安心感を抱いていたからって言うのもびっくりだわ」

長波「安心して眠りから中々覚めないせいで、こっちは苦労してるんだけどな」

天津風「私の方にはもう来ないと思うから、長波が毎朝頑張りなさいよね」

長波「天津風直伝の起こし方がある限り、大丈夫だ」


天津風「結局、脅しが一番効くのね……出来る限りなら普通に起きてほしいところだけど」

長波「一応、何とかしたいとは思っているみたいだし、一人の時は目覚まし使って何とか起きれるし……本人の頑張り次第では改善されそうだけどな」

天津風「改善されるのはきっと数年後でしょうけど」

長波「だな」クスッ


天津風「……私達、あの子の話しかしてないわね」

長波「そうだな。お互いに島風と付き合いがあるから、共有できるんだろうけど」

天津風「そうね。十六駆の皆と同じくらい、私にとっては大事な存在よ」

長波「あたしも、そう思ってるぞ。それにしても、こんな所本人に聞かれたら大変だよな」

天津風「そうね。きっと恥ずかしくてたまらないでしょうね」


島風(ど、どうしよう……凄い入りにくい)

――――――

昼ここまで
秋雲に対して長波がお礼するなんて発想無かったから目から鱗だったからつい拾った

昼投下どうするかに関しては需要あるか確かめる意味で書いてただけで辛くはないから今までどおりやってく予定
最近色々書いてるから忙しいけど

いろいろサンクス
では昼投下


その三十九


長波「うーん、これにするか」スッ 【スペード2】

島風「じゃあ私はこれ出そーっと」スッ 【クラブQ】

陽炎「……パス」

不知火「不知火もパスです」


長波「二人ともパスか。じゃあ次はこれにするか」スッ 【ダイヤJ】

島風「うーん……これにしよっと」スッ 【ダイヤQ】

陽炎「パス……もう後が無いわね」

不知火「……パスです」

長波(この二人はパスを使い切ったな。きっと二人ともハートの5以下と9以上が固まってるから動けないんだろう)

長波(多分あたしと島風が怪しまれてそうだけど、ハートの6と8を止めてるのはあたしじゃないんだよな)

長波(一番有り得そうなのは島風だけど……ポーカーフェイスを貫いている不知火も少し怪しいな)


長波「んー、じゃこれで」スッ 【ダイヤ4】

島風「私はパスするね」

長波(ここまでパス0だった島風がパス? どちらにしろこれで陽炎は……)

陽炎「ああもう! パスできないから私の負けよ! 誰よハートの6と8持ってるのは!」ムキーッ

長波(なるほど、陽炎はハートの5と9を含めほぼ全部ハートだったのか)


不知火「……では、そろそろ出しましょうか」スッ 【ハート6】

陽炎「あ、あんた……何で出してくれないのよ!」

不知火「これは勝負ですからね。時には非常になることだってあります」ニヤッ

長波(目のせいで非常に悪人面に見えるな)

長波「んじゃ、あたしはこれにしよっと」スッ 【ハート4】

島風「それじゃあ私も出しちゃおっと」スッ 【ハート8】

陽炎「8は島風だったのね……くっそー」ガクッ


不知火「なるほど、反対側は島風が持っていましたか。てっきり長波だと思っていましたが」

長波「パスしてなかったし、疑われても無理ないよな。ちなみに、あたしは島風が二枚とも持ってると思ってたよ」

島風「私はハート6を長波が持ってると思ってたよ。不知火がパスしてまで出さなかったのは意外だったし」

不知火「戦略の内ですから」キリッ

陽炎「……不知火、早く次のカードを出したらどうかしら? 待ってるのは退屈なのよ」

不知火「そうですね、では続けましょう」

――――
――


長波(残り三人での勝負は続き、全員パスを使い切った結果、最後にはあたしが一位になった

不知火「パスを早々に使い切ってしまったのが仇となりましたね……」

島風「惜しいな―、あと少しで一位だったんだけど」

長波「島風とあたしの勝負は残りカードの関係であたしの確定勝利だもんな。不知火に関しては陽炎を追い詰めてくれたから感謝してるけど」


陽炎「もう、皆して酷いじゃない! 傷ついたから島風に抱きつく!」

島風「えー……」

陽炎「凄い嫌な顔された……もうおしまいよ」シクシク

不知火「陽炎……代わりになるか分かりませんが、不知火に抱きついても構いませんよ」ドキドキ
陽炎「……さっきの勝負の時にハート6出してくれなかったからやだ」プイッ

不知火「なっ……」ガーン

長波(ショックで不知火が見たこともない表情をしてる……)


長波「ま、まあ七並べはただカード出してればいいゲームじゃないから仕方ないって。次は陽炎がやりたいゲーム決めていいからさ」

陽炎「私はいいわ……どうせ負けるから」

長波(こいつ……めんどくせえ。仕方ない、二人に手伝ってもらうか)

長波「不知火、島風。ちょっと」クイクイ

不知火「?」

島風「なに?」


長波「いいか、二人は陽炎に――をしてやれ。きっと元気が出るはずだ」ゴニョゴニョ

不知火「はあ……一応してみましょう」

島風「う、うん」


不知火「か、陽炎姉さん。その……陽炎姉さんも一緒に遊んで欲しいのですが」ナデナデ

島風「お姉ちゃん、一緒にトランプ、しよ?」ユサユサ

陽炎「……」

長波(いけると思ったんだが……やっぱり駄目か?)

陽炎「……もう、お姉ちゃんって言われたら……やるしか無いじゃない!」ガバッ


島風「うわあっ!?」

不知火「び、びっくりしました……」

長波「復活したか。で、何がしたいよ?」

陽炎「今度は神経衰弱にしましょ! 記憶力にはそれなりに自身があるから、今度は負けないわ!」

長波「了解。じゃ、シャッフルするから待っててくれ」

――――
――


不知火「不知火にかかればこれくらいはいけますよ」 【10組】

島風「不知火は凄いなー。私も結構頑張ったけどね」 【7組】

不知火「島風の順番の時はヒヤヒヤしましたね。ところでお二人の方は?」

長波「ま、まああたしはこれくらい取れたぞ……」 【6組】

陽炎「……ええ、私が最下位よ」 【4組】


島風「あっ……」

不知火「……」

長波「……」

陽炎「……ちょっと、何か言いなさいよ」

長波(この微妙な空気で言えるわけねえ!)


その後、間宮で甘味を食べたら元気になったそうな

――――――

昼は以上

【2:625】 島風「長波ー」長波「なにー?」

↑若しも鷲提督に神と縋った10円

日本人の子等虹子等

輪かもとボイス淫中芳香バルーン黒歴史入れて日本人のイナイ神聖オーストラリア帝国に罰金がに宇宙に華て

憑き看討つ木ちゃんに凪祓宇宙で遣れ

1 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga ]:2016/02/08(月) 12:02:12.12 ID:h+TdyAxIO


その一


島風「長波―」

長波「なにー?」

島風「駆けっこしよー」

長波「やだ」

島風「即答!?」

長波「こんな寒い中外に出たくない。天津風に頼めばいいだろ」

島風「天津風は遠征でいないんだもん」

長波(だからあたしのところに来たのか)

島風「ねーねー」

長波「分かったから落ち着け! 着替えるから待ってろ」

島風「うん!」

――――
――

↑ズル北上市の身長ディソード

天津風

↑ゆめおち

(`艸´;)(*´Д`*)

ジャスコ往くの

【0:628】 島風「長波ー」長波「なにー?」

↑戦乱モグラ声優☜家畜化【課金厨禁止怜】

筑和( ˘ω˘ )笑えてくる

【0:630】 島風「長波ー」長波「なにー?」

↑若しかして秋雲栗キライ

うんこ○出すな禿

2 名前:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga ]:2016/02/08(月) 12:03:04.96 ID:h+TdyAxIO


長波「んじゃ、さっさと済ませるぞー」

島風「おー!」

長波「と言っても、このままだと島風が勝つのは分かりきってるから、ハンデを付けさせてもらうぞ」

島風「ハンデ?」

長波「ちょっと準備するから待ってろ」

島風「はーい」

――――
――

↑絶対に御絞り牛な鉢巻き

長波「ちょっと準備するから待ってろ」

↑罰ゲーム惑星の検索

ゴーヤ出血

長波「分かったから落ち着け! 着替えるから待ってろ」

↑映画上演描くから待ってろ

ラビリンスプレイステーション終了課金厨←皆錦秋

天津風

↑無調夢無理ゲー

阿寒子コンセント

44採算

何惑星髪の毛ネタ

禁止だ豊

夜投下


その四十


長波「なあ、島風」

島風「ん、なに?」

長波「このあと寝る時さ……あたしに抱きつかないで寝てくれるか?」

島風「どうして?」

長波「……その、最近夜中に行きたくなることがあってな。島風に抱き着かれていると行く時に大変なんだ」

島風「それは大変だね。じゃあ今日は普通に寝ることにするよ」

長波「サンキューな」

――――
――


島風「zzz……んっ」

島風(あれ、なぜか目が覚めちゃった。長波は……お花摘みかな?)

島風(あれ? ページを繰る音がする……長波は起きてるのかな)チラッ

島風(……電気スタンドをつけて、何かを読んでるみたい。何を読んでるんだろう?)

島風(……こっそり近づこうにも音で気づかれそうだし……いや、こっちに気づくまではゆっくり近づいてみよ)


島風(まずはベッドから脱出……)モゾモゾ

島風(…………完了! 気づいてないみたい)

島風(あとはゆっくりと四つん這いで近づくかな)ソローリ ソローリ

長波「……」ペラッ

島風「……何を読んでるの?」ボソッ


長波「」サッ

島風「ちょっと、なんで隠すの?」ジリジリ

長波「か、かか隠してないぞ……見間違いだって」アタフタ

島風「そんな訳ないもん。ページを繰る音が聞こえてたし」

長波「……だ、ダメだ。島風にはまだ早い」


島風「そう言われるとどうしても読みたくなるんだよね」グイッ

長波「ちょっ……のしかかるなっ」

島風「暴れても無駄だよ……いただき」パッ

長波「なっ……そ、それは……」

島風「こ、これは……」

島風(嘘……この女の人と男の人……えっ、な、ななっ……)

島風「……」プシュー

長波「し、島風!?」

――――
――


長波「……だから言ったろ、お前には早いって」

島風「う、うん……思い出しただけでも恥ずかしさが」カァァ

長波「……あたしがあんな本読んでて……引いたか?」

島風「……そんなことは無いけど、こっそり読んでいたことには驚いたよ」

長波「そ、そうか……引かれてないならよかった」


島風「……」

長波「……」

島風「……長波は、相部屋する前からああいう本を読んでたの?」

長波「……まあ、たまにだけど」

島風「そうなんだ。でも、何で持ってるの?」

長波「……悪い、それだけは内緒だ」

島風「そっか……なら、これ以上は聞かないことにするよ」

長波「そ、そうか……」


長波(よ、良かった……あまり知識がなくて)

長波(もし知識あったら確実にアウトだった……とりあえずバレただけで済んで良かった)ドキドキ

島風「……そろそろ寝ないとね」

長波「そ、そうだな。明日に響くし……おやすみ、島風」

島風「うん……おやすみ」ギュッ


島風(衝撃的なものを見た私は、ドキドキしてなかなか眠れなかった)

――――――

今日はここまで
相部屋ってこういう時大変そう

島波はいいぞ

一週間近く放置してたのか
投下


その四十一


島風「急に執務室に呼び出されたけど、何でだろう?」

長波「一人だけを呼び出すなら分かるけど、二人一緒に来いって言うのが不思議だよな」

島風「この前みたいな事にならなければいいけど……」

長波「さすがにまた同じようなことをしでかすとは思いたくないけど……ま、さっさと入るか」コンコンコン


「――」

長波「長波と島風だ」

「――」

長波「島風、先に入っていいぞ」ガチャ

島風「ありがとう、長波」

島風「提督、一体何のようで……す、すごい」

長波「一体どうした……包装された菓子が山積みだな。一体何だそれは?」


「――」

長波「……ホワイトデーのお返し?」

島風「そういえば、今日はホワイトデーだったね。私もすっかり忘れてたよ」

「――」

島風「まずは私から? はーい」


「――」

島風「……提督、ホワイトデーのお返しありがとう」

「――」

島風「もらったお菓子、大事に食べるね……にひひ」

「――」


長波「良かったな、島風」

島風「うん。ちゃんとお返しくれるなんて思ってなかったから、嬉しいよ」

「――」

長波「……え、あたしも?」

「――」

長波「いいのかよ、あたしが貰って」


「――」

長波「なんか、悪いなあ提督」

「――」

長波「大丈夫だ、来年……来年はバッチリだから! ……多分」

「――」

長波「わ、忘れないから! ちゃんと作るって約束するから!」

「――」

長波「うっ……そこまでしてあたしからのバレンタインチョコ欲しいのかよ。まったく、こう言うところはいつもろくでもないな」

長波「でも……ありがとな」

「――」

――――
――


島風「来年は作らないといけなくなったね、長波」ニヤニヤ

長波「ホントだよ……島風がいる前で貰えなくて悲しかったなんて言いやがって。絶対計算ずくでやってるだろ」

島風「あはは……この前はセクハラで大変な目に遭ったけど、日頃の感謝の気持ちって事で作ってあげればいいんじゃないかな?」

長波「感謝の気持ちか……まあ、提督の指揮だけはしっかりしてるおかげで何とか生きているしな。ま、来年は頑張ってみるか」


島風「……そうだ。次のバレンタインまでの間にセクハラを何度か受けたら、ビターチョコ作って渡してあげればいいんじゃないかな?」

島風(と言うのは冗談だけど)

長波「なるほど、その手があったか……来年が楽しみだ」ニヤッ

島風「えっ……あの、冗談のつもりだったんだけど」

長波「ビターチョコって言っても、うんと苦くするとどうなるんだろう……後で間宮に行って二人に聞いてみるか……」ブツブツ

島風(駄目だ、聞く耳を持たなくなってる……)


この後も島風は説得を試みたが、無理だと悟り諦めた

――――――

今日はここまで
長波のホワイトデーボイス良かったけど島風に無くて残念だ


その四十二


夕雲「クッキーが出来ましたよ」コトッ

巻雲「わーい!」

島風「おいしそー!」

夕雲「うふふ、たくさんありますからどんどん食べてくださいね」ニコッ

島風・巻雲「「はーい!」」


島風「」モグモグ

巻雲「」モグモグ

長波「わざわざ作ってくれてありがとな、夕雲」

夕雲「いえいえ、私が好きでやってることですから」

長波「そうか」パクッ モグモグ

長波「……うん、美味いよ」

夕雲「長波さんに喜んで貰えて良かったわ」ニコッ


島風「ところで、夕雲達は何で私達の部屋に来たの?」モグモグ

巻雲「それは巻雲が説明します!」

巻雲「長波が島風と相部屋することになったので、様子を見に来るためです!」

長波「それならわざわざクッキー焼いて振る舞わなくてもいいんじゃないか?」パクッ

夕雲「こうしてお菓子を食べながらのほうが、話が弾むでしょう? それに――」

島風「それに?」


夕雲「四人もいれば"これ"で楽しく遊べると思ったんですよ」スッ

長波「なるほど……よし、今からやろうじゃないか」

島風「私も賛成!」

巻雲「巻雲はもちろんやりますよ!」

夕雲「ふふふ、それじゃあ早速始めましょう」ニコッ

――――
――


島風「うーん、これにしよっと」 【黄9】

夕雲「ふふふ」 【黄8】

巻雲「色を変えますよー」 【緑8】

長波(記号カードもワイルドも出ないせいで地味だな。あたしはどれにしようかな……)


夕雲「長波さん」

長波「ん、何だ?」

夕雲「島風さんと一緒に過ごし始めて、何か変わりはありましたか?」

長波「えっ、それ島風がいる前で聞くのか?」

夕雲「あらあら、何か島風さんに対してやましい気持ちがあるのかしら?」

長波「そういう意味じゃなくてな……」

島風「?」


長波「まあいいか……一人の時よりも手間が増えた事はあるな。島風を起こしたりとか」

島風「うっ……」

夕雲「あらあら」

長波「でも、一人の時より楽しくなったと思うよ。夜とかは特にな」

夕雲「そうなんですか、島風さん」

島風「うん。相部屋するようになってからは夜眠れない時によく話すようになったよ」

長波「ついつい長話して睡眠不足になりがちだけどな……」

夕雲「うふふ……寝不足は感心しませんが、楽しく過ごしているなら安心ですね」


長波「夕雲が安心したならいいけどさ。さて、そろそろ続きをするか」

島風「そうしよう。長波で止まってるし」

長波「まあちょっと待ってろ……じゃ、これで行くか」 【緑ドロー2】

島風「今回ってドロー2で流してもいいの?」

巻雲「……」ピクッ


夕雲「はい、もちろんいいですよ」ニコッ

島風「じゃあ私はこれにしよっと」 【青ドロー2】

夕雲「やっぱり持っていたんですね。では私も出しましょう」 【赤ドロー2】

巻雲「こ、これしかないよー」【ドロー4】

長波「げっ……巻雲、色は何だ?」


巻雲「えーっと……」

長波「……」ゴクリ

夕雲「うふふ……」

島風「……」ゴクリンコ

巻雲「……青です!」

長波「よし、回避出来たぞ!」 【青ドロー2】

島風「12枚も引きたくないから回避するよ」 【緑ドロー2】


巻雲(手札にドロー系のカードがもうありません。もし次に夕雲姉さんが何か出したら大変なことに……)

夕雲「……」ジーッ

巻雲「……どうして巻雲を見つめてるんですか?」ピクッ

夕雲「それはですね……心苦しいけどこうせざるを得ないからです」 【ドロー4】

巻雲「」

長波「うわあ……これで18枚か」

島風「巻雲、ドロー系のカードは?」

巻雲「……ないです」

夕雲「では、18枚引いてくださいね。巻雲さん」

巻雲「うわーん!」

――――
――


夕雲「無事に勝てましたね」【1位】

長波「くそっ……あと少しだったのに」【2位】

島風「巻雲に何度も飛ばされて時間かかったよ……」【3位】

巻雲「ふえーん、皆さん強すぎますー」【4位】


夕雲「楽しかったですね。クッキーも全部無くなってますし……また今度、しましょうね」

長波「……次は絶対勝ってやるからな」

島風「私も次は頑張るよ!」

巻雲「巻雲も夕雲姉さんに勝ってみせます!」

夕雲「ふふ……楽しみにしていますね」


長波「そう言えば、今何時だ?」

巻雲「えーっと……6時半ですね!」

島風「いつもならそろそろ夕食の時間だけど、あまりお腹減ってないよ」

長波「あたしもだ」

夕雲「多めに作ったクッキーを全部食べてしまいましたからね。私もあまりすいてません」

巻雲「このままでは夜中にお腹が減って大変ですー」


夕雲「……それなら、皆さんがお腹をすかせた時に私が何か簡単な物を作りましょうか?」

長波「作ってくれるなら、それがありがたいな」

巻雲「夕雲姉さんの手料理……是非食べたいです!」

島風「夕雲がいいならそうしよう」

夕雲「はい、分かりました」ニコッ


長波「じゃ、その間は……またこれでもやるか?」

夕雲「いいですよ」

島風「いいよ!」

巻雲「巻雲も参加します!」

長波「全員参加か……今度は負けないぞ、夕雲」

夕雲「ふふふ、受けて立ちますよ」

島風「次は私が勝つ!」

巻雲「今度は最下位にならないよう頑張ります!」

長波「……さて、第二回戦の開始だ!」


この後、また夕雲が勝利した

――――――

今日はここまで
もうそろそろ終わらせる予定

668で宣言したやつはもう投下済みです

最終回直前までは書けたので投下


その四十三


長波(今年は天気も安定せず心配していたが、無事に桜が咲いたので花見をすることが決まった)

長波(そして今日、あたし達は鎮守府の近くにある公園で花見をしている)


ワイワイガヤガヤ

島風「桜が綺麗だね」

長波「そうだな……」

島風「……長波、何か考え事でもしてるの?」

長波「ああ」


長波「……こうしてあたし達は三度目の春を迎えたけど、戦いは一向に終わる気がしないな」

島風「そうだね。でも長波は正確には二年だよね」

長波「まあ、そうだけどさ」

長波「……戦争が終わらないから今はこうして皆と一緒に花見を楽しめているわけだけど、いつ終わりになるんだろうな」

島風「うーん、私達や提督が考えても答えは出ないんじゃないかな? いくら倒したとしても突破した海域に定期的に深海棲艦は現れるし、深海棲艦の正体も分からないままだし……」


長波「だよな。ま、あたしはもう少し戦いたいからいいけどさ」

島風「長波はそんなに出撃すること無いけどね」

長波「うるせーぞこの野郎」グイッ

島風「痛い痛い痛い!」


長波「さて、これくらいにしといてやろう」パッ

島風「頬がヒリヒリする……」

長波「ちょっと力入れすぎたかもしれないな、悪い」

島風「ホントだよ。あまりの痛さにびっくりしたもん」


長波「遠征くらいしかしてないから力が有り余ってるんだ」

島風「そういう問題かな?」

長波「……多分な」

島風「多分って……」ジーッ


長波「ま、そこは深く考えるのはやめておくとして……もし、終戦を迎えたら島風はどうしたい?」

島風「唐突だね」

長波「さっきボーッとしてた時に色々と考えていたんだ。まず、艦娘自体がどうなるのか分からないけどさ」

島風「そうだね。でも……戦いが終わったら鎮守府の外で過ごしたいかな」


長波「お、島風もか。あたしもここから出て外で働いてみたいって思ってたんだ」

島風「働くって、どんな仕事をしたいの?」

長波「特に決まってないな。まずどんな仕事があるか分からないし、仕事するなら色々必要な事があるだろうし……終戦したとしても働けるようになるまでかなり時間が掛かるんじゃないか?」

島風「そうかもね。でも、今からやりたいことを見つけるのはありかも」

長波「だろう? 島風も外で具体的に何をしたいか、今から考えても良いんじゃないか?」

島風「うん。少しずつ考えていこうかな」

島風(私が外でしたいこと……いつか見つかるのかな?)


風雲「そこのお二人さん、今いいかしら?」

長波「風雲か。別にいいけど」

風雲「そう。今からあっちで駆逐艦だけでドッジボール大会をすることになってるけど、参加する?」

島風「参加する!」

長波「勿論、あたしも出るぞ!」

風雲「了解。それじゃ、早く向かいましょう」

島風「うん!」

長波「おう!」




島風(将来の事は今はまだ決められないけど、今はまだ大丈夫だよね?)

島風(長波が居て、天津風が居て、皆が居て……とても楽しいこの暮らしを、今は目一杯楽しみたいからね。にひひ)

――――――

今日はここまで

最後の話を投下する前に投下渋ってたやつを投下するか悩んでる

久々の昼投下

今回の話は本編と関係なし

おまけその一


長波「……今日は島風が遠征だから暇だ。ま、マンガがあるから平気だけどさ」

ドドドドド

秋雲「長波ー!」ガチャ

長波「うわっ、面倒な奴が来た」

秋雲「えーっ、せめて心の声に留めて欲しかったなー」


長波「……それより、要件は何?」

秋雲「さっき読んだネット小説があまりに酷かったからプリントして持ってきたんだ。読んで気持ちを共有しようよー」

長波「何だそりゃ……まあ仕方ないから一応読むけど」

長波「……」

――――
――


長波(小説の内容を簡潔に説明すると、L少佐と言う人物とMと言う彼の元部下がいて、少佐の方がなんやかんやあってMの事を好きになった。この時点でBLと呼ばれるジャンルなのは私にも理解できた)

長波(L少佐はMに会いたくて仕方がないが、彼は特殊能力を持ったせいで専用の学園施設にいる。そのせいで基本的には会うことが出来ない)

長波(それでも会いたいと思った彼は、学園長に連絡を取り色んな手を尽くして何とかMと面会する機会を手に入れる。そして三日後、二人は久しぶりに出会うんだ)

長波(そして業務連絡を済ませたL少佐はMを襲おうとして、そのあと唐突な爆発オチで終わった)

長波(期待させておいてこのオチはあたしでも酷いと思った。BLに興味があるかないかは関係なくだ)


秋雲「……どう? 酷いと思わない?」

長波「正直このオチはどうかと思ったかな」

秋雲「でしょー? 秋雲さんはイラッとして作者に対して"ちゃんと書いてハッピーエンドにしろ糞野郎"をかなり丁寧な文章にして送っちゃった」テヘッ

長波「そ、そうなんだ……」


秋雲「あ、ところでBLに少し興味を持った? 良かったら本を貸すよ?」

長波「興味が無いからいらない。マンガの続きを読みたいからさっさと帰って」

秋雲「えーつれないなー。貸して欲しかったら秋雲さんの部屋まで来てねー」ガチャ バタン


長波「……さーて、うるさいのが居なくなったし、続きを読むか」

長波「……」ペラッ

長波「このライバル、主人公好きすぎでしょ」

長波「"俺がこいつを殺して能力を奪うまで、誰一人殺させはせん"って言いながら主人公御一行の後をこっそりついていってピンチの時に助けるし、前なんて御一行がバラバラになった時は真っ先に主人公を安全なところに連れて行くし……これは絶対に主人公のこと好きでしょ」ニヤニヤ

長波「……あ、あれ?」


長波は 少しだけ 目覚めてしまった !

――――――

昼ここまで
夜にもう一個渋ってたの投下する

おまけ二投下

(急遽名前をイニシャルに変えたのは内緒)

おまけその二


島風(長波と天津風が遠征行ってるから暇だなー)

島風(こういう時、他の人とも仲良くするべきだと実感しちゃうよ)

秋雲「あれー? 島風じゃーん。どったの?」

島風「あ、秋雲。長波と天津風が居ないから暇なんだ。出撃とかも無いし」

秋雲「ふむふむ、なるほどねー」

秋雲(あっ、いいこと思いついたー)ニヤッ

秋雲「それならさ、秋雲の部屋に来る? 」

島風「へ?」

――――
――


島風「……」

島風(何か本棚と本の数が多い部屋だなー)

秋雲「んふふー、びっくりした?」

島風「う、うん。私もマンガを持ってるけどこんなにたくさんは無いから」

秋雲「へー、なんてタイトル?」

島風「――って言う本だよ」

秋雲「――!? それならここにあるよ」


島風「秋雲も読んでたんだ」

秋雲「そりゃあ王道モノで人気タイトルのこれは読まないわけにはいかないでしょー! お気に入りのシーンとかある?」

島風「うーん……主人公とライバルが四度目の戦いを繰り広げるところかな。絵が良くなってて迫力が増してたから」

秋雲「よく分かってるじゃん! あの死闘は作中で一、二を争う人気シーンなんだよね。いやー分かってくれる人がいて良かったわー!」

島風「あはは」


島風(秋雲がすごい興奮しながら話すからついていくのが大変だなぁ。長波とはもう少し落ち着いて話してるから尚更)

島風(……でも、話してて楽しいな。あまり話したことなかったけど、とても話しやすいかも)

秋雲「……あー、語りすぎて疲れた。ちょっと飲み物用意して来るね。島風はオレンジジュースで大丈夫」

島風「うん。大丈夫」

秋雲「りょうかーい。ちょっち待っててねー」

――――
――


秋雲「さて、喉を潤したところで――フレンドの島風にちょっと頼みたい事があるんだよね」

島風「頼み事?」

秋雲「そそっ。島風って小説に抵抗ある?」

島風「読んだことはないよ」

秋雲「そうなんだ。じゃあ小説初挑戦という事で秋雲さんが書いた小説を読んでみてくれないかな?」

島風「うん。いいよ」


秋雲「ありがとー。じゃ、プリントして頁番号振っといたから順番に読んでみてよ」

島風「うん」

島風(えっと……1って書いてあるここから読めばいいのかな。文字がびっしりしてるけど頑張ろ)

――――
――


島風「……読み終わったよ」

秋雲「お疲れちゃん。どうだった?」

島風「面白かったと思う。主人公と主人公の恋人になる人がお互いに悩んで、それを隠しながらも一緒にいて、恋愛ってよく分からないけど最後に結ばれて私も嬉しくなったよ」

秋雲「ふんふん……ところで読んでて変なところは無かった? 例えばこの話が唐突すぎてよく分からなかったとかさ」

島風「そういう所はなかったけど……」

秋雲「けど?」


島風「……何で二人とも女の子なの? 普通ならどちらかを男性にするべきじゃないのかな?」

秋雲「この話はこれでいいのだよ、ぜかまし君」

島風「……どういう事?」

秋雲「この話は女の子同士の恋愛を取り扱う通称"百合"なのだよ! 他には "GL"とも言うけど百合の方がよく言われてるかな?」

島風「そんなジャンルがあるんだ……」


秋雲「あるんだよねー。特に最近の作品だと女性キャラがたくさんいて、男が少ない作品が多いから作品のファンが女の子同士で恋愛させる創作をしたりとか良くあるんだ!」

島風「へー。でも秋雲って別に艦娘の誰かを好きってわけじゃないよね?」

秋雲「Loveの方ではいないねー。Likeの方ならいっぱいいるけど」

島風「それじゃあ何で百合のジャンルで書いてるの?」

秋雲「艦娘がたくさんいてネタにしやすいからさー」

島風「例えばどんな感じ?」


秋雲「んーとね、例えば加賀さんと瑞鶴さんってよく言い争いをしてるじゃん?」

島風「うん。よく見るね」

秋雲「あれは瑞鶴さんがMVP取って調子がいい時に加賀さんが水をさすような事を言うじゃない? そうすると瑞鶴さんはムッとして加賀さんに対して言い返して起こるわけよ」

島風「そうなんだー。でもそれだとただ仲が悪いだけに見えるけど?」

秋雲「そうだよね。でもここで加賀さん側は本当は瑞鶴さんの実力は認めているけど素直に褒めることが出来ずにあんな事を言ってしまうと言う解釈をしたら?」

島風「……!」


秋雲「瑞鶴さん側は先輩として尊敬はしてるし、加賀さんの言うことは正しいと頭の中では理解してる。けどMVPを貰えて嬉しいから冷静じゃない時に水をさされたからつい怒っちゃう。でもその後冷静になってまた口喧嘩をしてしまったと自室で後悔していると言う解釈をしたらどう?」

島風「……お互いの事は本当は好きだけど、どちらも素直じゃないから仲良くなれない関係が出来るね」

秋雲「そゆことー。後はここに恋愛要素を入れたりしていけば百合になるわけ。キャラクターは本人を使うわけに行かないから別途考えるけど、こんな感じで身の回りの出来事を題材にして書きやすいから百合を取り扱ってるんだ」

島風「成る程……でもそこまで解釈して作品に取り入れることが出来るってすごいね」

秋雲「これも秋雲の妄想力の高さが為せる業なのよー」

島風(妄想力って……)


島風「……一つ気になったんだけど」

秋雲「ん?」

島風「今まで書いた百合の創作の中に、私か長波を元にしたものってあるの?」

秋雲「んー……無かったと思うよ。あまり駆逐艦だとネタになる艦娘が居なくてさ―」

島風「そうなんだ」

島風(あるって言われたらどうしようかと思ったけど、無くてホッとしたかな)


秋雲「あ、この前のアレも題材にするつもりは無いから安心してね」

島風「わ、忘れてたのに思い出させないでっ!」

島風(こんな感じで、長波が居ない間を楽しく過ごした)

――――
――


長波「おっ、やっぱり居たか」

島風「おかえりー」

長波「ただいまっと。あたしが居ない間、暇だったか?」

島風「ううん。秋雲と色々話してたから暇じゃなかったよ」

長波「秋雲か……変なこと吹きこまれてないよな?」

島風「うん。マンガの話をずっとしてたから」

島風(さすがに百合の話については黙っておこっと)


長波「そうか、ならいいけど」

島風「……」ギュッ

長波「珍しいな。島風がスキンシップだなんて」

島風「何となくそんな気分だったから」

長波「何だそれ。まあ温まるからいいけど」ナデナデ

島風「んっ……」

島風(あまり自分からしたこと無いけど、心地よさや安心するくらいであんな感じにはならないかな)

島風(うーん。やっぱり私にはまだよく分からないかな)

――――――


秋雲(実は書きかけだけどあるにはあるんだよね。でも本人に見せるのは気が引けるから無いって言っちゃったけど)

秋雲(それにしても、短期間であんなに仲良くなるなんてねー。中々恋愛には結び付けられないけど、お互い許し合っている関係みたいな切り口で書けないかな―なんて)

秋雲(ま、今後ともこっそり見守らせてもらうよ、お二人さん)

――――――

今日はここまで
これ書いたのはどうやら二ヶ月前らしい

夜の投下


その四十四


人類と深海棲艦の戦いは、その後も終わること無く続いた

こちら側が強くなるごとに敵も強くなり、より一層戦いは激しくなっていく

そんな中、あたしと島風も更なる改装を行い、今まで以上に出撃の機会が増えていった

日々戦いに明け暮れ、休みになると遊び、また翌日戦地へと向かう……そんな休む間が無い日々を過ごしていくうちに、数年の時が経過していた

そして、五年後――

――――――


長波「遂にこの日が来ちゃったな」

島風「そうだね……駆逐艦だけの水雷戦隊でしかまともにたどり着けない海域って聞いたけど、本当に主力艦隊までたどり着けるか不安だよ」

長波「あたしも正直、不安で仕方がないさ。でも、今のあたし達はあの頃よりも圧倒的に強くなったんだ。きっとやれるさ」ポンポン

島風「……」


長波「まったく、お前がしょぼくれてると士気にが落ちるぞ。しゃんとしな」バシッ

島風「痛っ!」

長波「あっ、ちょっと強すぎたか?」

島風「うん。今のは結構効いたよ……ヒリヒリする」

長波「わ、悪い……」

島風「でも、不安は飛んでった気がするよ。ありがとう」

長波「どういたしまして」


??「お二人さんは相変わらず早いねー」

長波「秋雲か。まさかお前と戦う事になるとはな」

秋雲「ホントだよー。絶対に選抜されないって思ってたのにね」

島風「秋雲も強化されてたから、ここに選抜されたのかもね」

秋雲「そんな事言ったら、もっと強化された駆逐艦がたくさんいるじゃないのー」


長波「夕立、綾波、暁辺りは南方の作戦に備えて温存されてるからな。西方はあっちよりはまだ攻略難度は低いし、仕方がないだろうな」

秋雲「それなら、さっさと終わらせて帰投したいなー。描きたいイラストのネタがたくさんあって大変なんだよ」

長波「秋雲が真面目にやれば、さっさと終わらせられるかもな」

島風「こんな危険の多い作戦で不真面目にやる艦娘がいるとは思えないけどね」

秋雲「さすがに秋雲さんだって、仕事は真面目にやるって。イラストを描くために、頑張るぞー!」

長波「……理由はともあれ、頑張るならいいか」

島風「そうだね。あっ、残りの三人も来たね」


高波「長波姉さまー!」ギュッ

長波「おっと……今回は久しぶりの共闘だな。あの時みたいにならないよう、お互い頑張ろうな」

高波「はい、高波……姉さまと皆さんのために全力で全力を尽くします! 不安は少しあるかもですけど」

長波「なーに、この長波サマと島風達がいるんだ。何とかなるって」

秋雲「そうそう、周りと協力して戦えばきっと何とかなるよー」

長波「秋雲が一番の不安要素だけどな」

秋雲「えーっ、それはないでしょー」


天津風「遂にこの日が来たわね、島風」

島風「うん。今回は天津風も一緒で嬉しいよ」

天津風「私もよ。でも、速力の関係で島風が先行しないか心配ね」

島風「だ、大丈夫だって。随伴の時はちゃんと周りに合わせてたし」

天津風「今回はそうじゃないんだから、尚更気をつけないといけないわね」

島風「そ、そうだね……が、頑張る!」


夕雲「お話のところ悪いですが、そろそろ出撃のお時間ですよ?」

島風「あっ……本当だ」

長波「話してたらすっかり忘れてたな。出撃の合図は任せたぞ」

島風「うん!」


島風「私達はこれから、西方海域に出撃して主力艦隊の旗艦、駆逐水鬼を撃沈しに行きます」

島風「軽巡洋艦すら居ないから苦戦を強いられると思うけど、誰一人沈むこと無く、この作戦を完了させよう!」

秋雲「よーし、秋雲さんも頑張るぞー!」

夕雲「はい、頑張りましょう」

天津風「ええ、絶対に生きて帰るわよ」

高波「悔いの無いよう、全力で戦います!」

長波「どんなにやばい状況でも……ついてくぜ、"相棒"」


島風「うん。それじゃあ出撃するよ。皆ついてきてね!」

島風「西方海域攻略艦隊、旗艦島風、抜錨しまーす!」

長波「二番艦長波、抜錨する!」

天津風「三番艦天津風、抜錨よ!」

高波「四番艦高波、抜錨です!」

秋雲「五番艦秋雲、抜錨するよ!」

夕雲「六番艦夕雲、抜錨します!」


――私達は、駆け出した

暁の水平線に、勝利を刻むために!

――――――

一旦ここまで
次の投下は間に合ったら今日中にする

完成したので投下


「それじゃ、お先に失礼します」

「お疲れ様ー」

「お疲れ様です」


(今日も疲れた……あいつも待ってることだし、さっさと家に帰るか)

(お、ケーキ屋がついにオープンしたのか。あいつが楽しみにしてたっけ)

(……小さいやつだけでも買っていくか)

――――――


「ただいまー」

「あ、お帰りー。ご飯出来てるよ」

「お、じゃあ早速食べるか」

「オッケー」


「ご馳走様でした」

「お粗末さまでした」

「今日も美味しかったよ」

「良かったー。今回の料理は初めて作ったからちょっと不安だったんだ」

「初めてでこれなら上出来だと思うぞ。島風はどんどん料理に関しては上達してるし」


島風「えへへ。でも、どんどん上手くなっているのは長波が喜んでくれるからだよ」

長波「そうなのか?」

島風「うん。料理を教えてくれた間宮さん達が言ってたんだ。『料理を作る一番の楽しみは、食べてくれた人が喜んでくれること』だって」

島風「だから私は長波が喜んでくれるようにいろいろ作れるように頑張ってるんだ」


長波「そうか。ならあたしは島風の料理褒めまくっていろいろ作って貰えるようにしないとな」

島風「あはは……失敗した時は素直に言ってくれないと困るけどね」

長波「そこはきっちり言うから安心しろ。でも島風が料理失敗するとは思えないんだよな……」

島風「そんな事無いよ。私だって長波の居ない所で失敗するし」

島風「長波の失敗に比べれば取り返しがつくだけいいけどね」


長波「うっ……あ、あたしは島風がいるから作る必要はまだ無いし……」

島風「いつかは結婚して作ることになるんだから、簡単なものだけでも作れるようにしないと困ると思うよ?」

長波「……料理のできる相手を見つければ無問題だ」

島風「えー……」


長波「あたしはまだ、島風と別々になって暮らす未来が想像出来ないからな。いつかはこうして艦娘だった頃の名前を呼び合うことすら無くなるんだろうけど」

島風「そうだねー。いい加減戸籍上の名前で呼びあう事に慣れないと、離れ離れになってから再会した時に呼び間違えちゃうかも」

長波「かもな。でも、今は同じ学校に通ってるし、就職するまではルームシェアは続けるつもりだから別にいいんじゃないか?」

島風「それもそっかー。後何年くらい一緒なのかは分からないけどね」

長波「そうだな……あ、そう言えばケーキ買ったの忘れてた」


島風「え、ケーキ!?」

長波「ああ、工事していたケーキ屋が開店してたから買ったんだ。ほら」スッ

島風「ありがとう、長波! フォークとお皿用意するから待っててね!」タタッ

長波「おう、転ぶなよー」

島風「はーい」


長波(まさか本当に戦争が終わって、こうして二人暮らしするなんて思わなかったな)

――――――


ここで少し、過去の話をしよう


あたし達が西方海域を攻略して数年後、遂に深海棲艦のボスを見つけ、これの撃沈に成功する

その後、ボスを失い統率の取れなくなった深海棲艦と艦娘の間に穏健派の深海棲艦が現れ、降伏することを宣言した。これにより戦いは終わりを告げた

その後は人類と深海棲艦の間で停戦協定を結び、お互いに干渉しないことを誓った。この話はニュースで報道され、瞬く間に世界中に広まっていった


さて、ここであたし達艦娘はどうなったかというと、艦娘として海軍に残って働くか、解体されて人として生きるかを選択することになった。当然、あたしと島風は後者を選び今に至る

解体された元艦娘達はそれぞれ戸籍を与えられ、元艦娘専用の学校と専用の寮も用意してもらい詰め込み教育を受けることになった。学ぶべきことが多く大変だが、何とか頑張っている

しかし、企業や高校、大学等はまだ元艦娘を受け入れられる環境が整っていない所がほとんどだ。艦娘は学歴が無いので仕方のない事らしい

あたしみたいにアルバイトができている艦娘も居るが、猫の手でも借りたいくらい人が居ないところくらいしか受け入れてくれないらしく、まだまだ問題は山積みといったところだ

それでも、元艦娘達は音を上げずに日々、頑張っている。あたしも、島風も――

――――――


長波「……」カキカキ

島風「……」カタカタ

長波「……」チラッ

長波(もう十一時か……そろそろ寝るか)

長波「あたしはもう寝るけど、島風はどうする?」

島風「後少し書いてから寝るよ」カタカタ

長波「了解」

島風「……」カタカタ

長波(いい作品が出来るといいな)

――――
――


長波(鎮守府の時と違ってベッドは無く、床に布団を並べて敷いて寝ている)

長波(一人で寝れなくなってかなりの年が経過したせいか、また一人で寝られるようになっていた。島風も朝に抱きついて離れないと言う事が無くなった)


島風「長波ー」

長波「……なにー?」

島風「あ、寝てた?」

長波「……少し寝かけてた」

島風「ご、ごめん」


長波「別にいいよ。それより何か用か?」

島風「うん。長波は勉強の方は順調?」

長波「あまり芳しくないな。学校の授業だけじゃ足りない部分が多すぎて受験が成功してもついていけるか不安だ」

島風「それは予め言われたからね……高校生以上で行う内容は現状ではサポートしきれないって」

長波「それに加えてほとんどの学校は元艦娘の受け入れも対応してないしな……出来ていたとしても条件が厳しいし」


島風「茨の道だよね……私はそんな長波を料理で応援するけどね」

長波「ほんと、島風の料理には助けられてるよ。あたし一人だったら食生活がボロボロだったろうし」

島風「作れたとしても勉強時間のためにカップ麺とかやりかね無さそうだしね」

長波「……あたしにも容易に想像できたよ」クスッ


長波「ところで、島風の方は書けてるのか?」

島風「うん。4kくらいを予定していた章を何とか書き終えて後もう少しで完成しそう。明日もう一度読み返してチェックするつもりだよ」

長波「そうか……今度は選考に通るといいな」

島風「うん。次こそは最終選考まで残れるように頑張る!」

長波「そこは選考通るようにじゃないのか?」

島風「あ、そうだった」


長波「おいおい……それにしても、島風が小説家を目指すなんて当時のあたし達が知ったらびっくりだろうな」

島風「そうだね。鎮守府で相部屋した頃なんて創作自体に興味無かったし」

長波「マンガ読んで語ってるだけだった頃が懐かしいよ。気がついたら小説を色々読んで、小説の書き方学んだら書くのに没頭してさ。声を掛けるのも躊躇ったよ」

島風「今と違って、とにかく書くって感じだったからね……今は計画的に書いてるから料理したり、話したりする余裕が出来てるけど」

長波「プロになったら、また余裕が無くなりそうだけどな」

島風「どうだろうね。デビューしてみないとわからないよ」

長波「それもそうか」


島風「……」モゾモゾ ギュッ

長波「……暑いんだけど」

島風「ダメ?」

長波「ダメだ」


島風「えー、たまにはいいじゃん。明日の朝寒いみたいだし」

長波「えっ、マジ?」

島風「うん」

長波「……仕方ないな」

島風「ありがとー」

島風(ホントは嘘だけどね)


島風「それにしても、戦争が終わってすぐに長波が髪を染めちゃうなんてね」

長波「鎮守府の外でやってくならあの髪色じゃ悪目立ちするだろ」

島風「確かにそうだけど、夕雲が見たらショック受けそうだね」

長波「それは島風の夢の中だけだろ」

島風「それはどうだろう、もしかしたら本物もショックを受けるかもしれないよ?」

長波「……夕雲に会わないようにしようかな」

島風「あはは、冗談だって」

島風(ちょっと真に受けちゃうところが面白いなー)


長波「……話してたらもうこんな時間か。さっさと寝ないと遅刻しそうだ」

島風「いけない! 朝食も用意しないといけないのに……」

長波「あんまり凝ったものじゃなくていいよ。身支度もあるしさ」

島風「うん、分かった」

長波「おやすみ、島風」

島風「おやすみ、長波」


――――
――


次の日


長波「うーん、こんなもんか?」ジーッ

島風「長波、おっそーい」

長波「だーもうちょっと待ってろって」

長波「……よし、これでOKだな」

島風「じゃあ早く靴履いて行こうよ」

長波「はいはい分かってるって……よし」


島風「じゃ、行ってきまーす」ガチャ

長波「おいおい、部屋には誰も居ないんだぞ?」

島風「いいじゃん。何も言わず出るよりはさ」

長波「ま、それは確かに言えてるかもな」

島風「でしょう? じゃ、改めて――」




島風「――行ってきまーす!」

長波「……行ってきます」バタン ガチャリ


二人の少女は、青空の下を今日も駆け抜けて行った

――――――


島風「長波ー」長波「なにー?」 終わり

――――――


長いこと書いたこのSSもこれで終わりです
ここまで読んでくれた人はありがとう

最後に一言、島波はいいぞ


酉無しで書いた過去作

・バレンタイン特別編

島風「チョコクッキーと」長波「チョコケーキ」
島風「チョコクッキーと」長波「チョコケーキ」 - SSまとめ速報
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・その他

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