京子「娯楽部スマブラ大会をやろう!」(84)

結衣「なんでまたいきなり……」

京子「ちなみに64ね!」

ちなつ「え~っ、64はコントローラーが使いづらくて嫌です~」ブーブー

京子「結衣もやるよなっ?」

結衣「え、私はいいよ……下手くそだし……」

あかり「うわぁ~面白そう! あかりもやる~」

京子「あかりもやるって言ってるし、みんなで遊んだ方が楽しいじゃんか~。
   やろうよ結衣~やろうよ~」

結衣「しょうがないな……分かったよ」

京子「よっしゃ! というわけで開催決定ー!」

結衣「大会ってことは賞金とかあるのか?」

京子「あるよ!」

ちなつ「賞金!? いくら貰えるんですか?」

京子「それは秘密だよ~。ちなみに負けたら罰ゲームもあるからね」

結衣「罰ゲームか……賞金はどうせ大したことないだろうけど、負けたくないな」

京子「むっふっふ」

結衣(あの顔を見るかぎり、どうせロクでもないこと考えてるんだろう……)

あかり「大会の形式とか、ルールはどうするの?」

京子「ん~? まあ適当でいいんじゃない?」

結衣「適当じゃだめだろ!」スパーン

京子「だってスマブラ64はタイマン戦だけじゃ実力が分かんないじゃん。
   アイテム有り無しとか、4p対戦も考慮にいれなきゃ不公平だよ」

ちなつ(4pもいいけど私は結衣先輩とガチタイマン張りたいです)ムフー

京子「まあ大会は後々考えることにして、とりあえず対戦しようぜ~」

ジャーン

結衣「い、いつの間に部室に64が……」

京子「コントローラーもなるべく新しいのを用意したぞ!」

ちなつ「私ピンクのコントローラーがいいです!」ババッ

あかり「あ~! あかりもピンクがよかった~!」

ちなつ「あかりちゃんはピンクローターで十分でしょ」

あかり「ローター? なにそれ?」

結衣「まあ振動パック付いてるから出来ないこともないけど……って言わせるな!」スパーン

京子「いてっ。なんで私!?」

結衣「ご、ごめん。つい……///」

京子「ちなつちゃんはスマブラ得意なの?」

ちなつ「本業はdxですけど、64でも近所では負けナシでしたよ。
    小学校の上級生をボコボコにしたりジュースおごらせたり……」フフン

京子「フーン……まあ本当に強い人は強さを口で説明したりしないからね。
   口で説明するくらいなら牙をむくんだよ。私今まで一度も負けたことないから」ドヤァ

ちなつ「じゃあ私が初めて京子先輩を負かすわけですね」

京子「ちなつちゃんも、負けた時の言い訳を今のうちに考えておきなよ~」

バチバチバチ

あかり「な、なんだか二人とも怖いよぉ~」

京子「……まあ最初は4p対戦でいいよね。いきなりタイマンなんて興ざめだし」

ピッ

スマーッシュ ブラザーズ

あかり「わあ~久しぶりだなぁ。キャラは何を使おうかな……」

ちなつ「ファルコン以外ありえない」ピッ キャプテーンファルコォーン

京子「私はネスにしよ~っと」ピッ ネェス

結衣「えっ、えっ、みんな決めるのはや……」

あかり「う~ん迷うなぁ……」

結衣「ど、どれにしよう……4p対戦なんてやったことないし……」

あかり「決めた! ヨッシーにしよう!」ピッ ヨッスィー

結衣「じゃあ私は……マ、マリオで……」ピッ マーリオゥ

京子「タイム制5分、アイテム有り、ステージランダムね。公平に公平に」

ピッ

ワァァァァ

結衣(うわ、き、緊張してきた……)

あかり「ピーチ城上空だね!」

 スリー!

ちなつ「京子先輩には絶対に負けません」

 ツー!

京子「ちなみに最下位は一発芸をやること!」

 ワン!

結衣「ちょっ、京子!? そんなの聞いてないぞ!」

 go!!

ちなつ「先制攻撃ッ」ガシッ

京子「わっ、スタート硬直につかみとか卑怯だぞー」

ちなつ「問答無用ッ」ブオン

あかり「あっちで殴り合ってるうちに、私たちもやろ♪」

結衣「ひ、ひぃ~」


タイム制はストック制と違い、逃げ回るだけでは勝てない!
積極的に攻撃を仕掛け、敵を蹴落とした者が有利になるのがこのルール!
加えてピーチ城上空はお互いのスタート位置が極めて近いため、最初に流れを作らなければ
あっという間にポイントを取られてしまうシビアなステージ

ドォーン!

ちなつ「京子先輩討ち取ったり!」

京子「くっそ~。だけどまだまだ行けるよ~!」

あかり「あかりも混ぜて~」

京子「うわっ、あかり危ないぞ!」

ドォーン!

結衣「あ! …………私がやられちゃった」

ちなつ「ち、違うんです結衣先輩! 今のはあかりちゃんが避けたのがいけないんです!」

あかり「ええっ!? あかりのせいなのぉ!?」

順当に撃墜数を稼ぐかに見えたちなつのファルコン!
しかし開始一分過ぎ、戦局は少しずつ変わり始める!

京子「きた!ビームサーベルきた!メイン武器きた!これで勝つる!」

京子のネスが手にしたビームサーベルは振って良し、投げて良しの優秀アイテム!
多人数プレイではアイテムの使い方で実力が測れると言っても過言ではない!

京子「ほいっ! ほいっ! ほいっ!」バシッ バシッ バシッ

ちなつ「範囲広すぎですよ、それ! ずるいです!」

京子「アイテムに文句をつけるのは3流の証なんだよ~!」

ドォーン
ドォーン

結衣「あ、巻き込まれて死んじゃった……」しょんぼり

京子「ごめんごめん、見えなかったー」アハハ

結衣(まだ一人も倒してない……このままじゃ負けちゃう……)

あかり「とぉっ」ドン!

結衣「うわ、なんか飛んできた」バシ

ドォーン
ドォーン

ちなつ「やられた! しかも京子先輩と一緒にふっとばされた!」

京子「2体同時バーストとは……やるじゃん、あかり」

あかり「……違うよ二人とも、良く見てよぉ」

京子「?」

ちなつ「!」

結衣「ポイントが私に入ってる……!!」

あかり「ふっとばした時に偶然結衣ちゃんの攻撃がかすったんだねぇ。
    あ~あ、惜しかったなぁ」

倒した時のポイントは最後に攻撃した者に与えられる!
そのためタイム制ではバースト寸前の敵に攻撃を当てることで
ポイントを横取りするテクニックがあるが、飛び道具で狙うのが基本である!

結衣のマリオがポイントをゲット!
しかし戦況は依然として京子がトップ!
上位を蹴落とさなければ勝利はできない!

ちなつ「……ッ! 結衣先輩、京子先輩を狙いましょう!」

結衣「え? え?」

ちなつ「今は自分の撃墜数を稼ぐより、相手の落下数を増やすんです!
    京子先輩の独走を許しちゃ駄目です!」

結衣「わ、分かった!」

ちなつ「あかりちゃんも!」

あかり「うん!」

京子「お前たち卑怯だぞ! よってたかって可憐な乙女をいたぶるなんて……」

ちなつ「盛者必衰ッ」

3人がかりで京子のネスを執拗に狙う!
が、しかし……!

京子「ふふん、そうやって3人仲良くまとまってちゃあ狙って下さいと言わんばかり……」

pkサンダァー 

結衣「あ、なんかやばい」

ちなみ「結衣先輩あぶない!」

あかり「あかりがみんなを守ってみせる!」

ドォーン ドォーン ドォーン

結衣「…………」

ちなつ「何も3人とも死ぬことないでしょ! あかりちゃんしっかりしてよ!」

あかり「ごめんなさい~」

混戦はネスの得意分野!
あもりにも卑怯すぎる攻撃判定と高威力のpkサンダーアタックで
相手をまとめて倒すことができる!

ちなつ(あと2分……! こうなったら安全パイでいくしかない!)

京子「ちなつちゃん、逃げるのかい?」

ちなつ「私は罰ゲームなんて嫌ですからね。仕方ないので2位に甘んじておきます」

結衣「私も罰ゲームは嫌だ!」

あかり「あかりも嫌だよぉ~」

キャラ性能で言えば今回はマリオが圧倒的に不利!
速さのファルコンと数のネス、そしてあかりのヨッシーは復帰力こそないものの
爆発力と決定力は並ではない!
マリオの勝ち筋はもはやアイテムにしか残されていない!

結衣「! ハンマーが!」

京子「おっと、ハンマーは渡さないぞ」ヒョイ

ちなつ「ああっ、ネスがハンマーを……」

京子「ワタシムテキー! わっはっは……ってアレっ!?」ツルッ

ズドォーン

京子「足を滑らせて落ちたー!?」

結衣(……! 違う……今のはヨッシーの卵が当たったんだ! 見えないところから……)

あかり「結衣ちゃん、ホームランバットだよ!」

結衣「こ、今度こそ!」

ちなつ「バットは私が――!」

カッキーン!! ズドォーン

ちなつ「嘘、やられた……」

結衣「やったッ! ファルコンを倒した!」

あかり「すごい! ジャストミートだよぉ!」

京子「バットを寄越せぇ~」

結衣「う、うわっ」ピカッ

カッキーン!! ズドォーン

京子「また死んだー!」

結衣「や、やった! 逆転した!」

残り時間は30秒!
奇跡的に逆転した結衣だが、まだ油断はできない!
終盤で最も気を付けなければいけないのは、相手のポイントをこれ以上増やさないことである!
%が溜っている敵は何がなんでも自分が倒さなければならない!
当然ながら自分の身も守りつつ、あくまでも攻め続けるのである!

京子「一番おいしそうな獲物は……あかり! お前だぁーっ!」

ちなつ「あかりちゃんは私のものです! みなさん手を出さないで下さい!」

結衣「あ、あかりは私が守るっ」

あかり「みんなの目が怖い~!」


 タイムアップ!

あかり「な、なんとか逃げ切れたよぉ……」

京子「さて、順位はどうかなー?」

1位 ネス(京子)
2位 マリオ(結衣)
3位 ヨッシー(あかり)
4位 ファルコン(ちなつ)

ちなつ「えぇっ!? ちょ、ちょっと待って下さい! 私がビリっておかしいです!
    ビリはどう考えてもあかりちゃんじゃないですかぁ!」

結衣「いや、どう見てもビリはちなつちゃんだぞ」

京子「得点を見ると、ちなつちゃんは撃墜数が多いけど落下数も多いね。
   あかりは撃墜数こそ少ないけど、落下数をかなり抑えてる……」

ちなつ「そんなぁ……攻めたら勝てるんじゃなかったの?」

あかり「それはあくまでも自分が落下しないことが前提だから、
    決して守りを疎かにしていいわけじゃないんだよ」

ちなつ「でもあかりちゃんの使ってたヨッシーって、復帰力が弱いんじゃ……」

あかり「え? あ、あはは……運が良かったんだよぉ」

京子「っとゆー訳で! ちなつちゃんには一発芸をやってもらいましょー!」

ちなつ「ま、待って下さい! このまま負けて引き下がるちなつではありません。
    明日またここに来て下さい。本物のファルコンをお見せしますよ」

京子「そうやってごまかすなー!」

結衣「ちなつちゃんも嫌がってるし、罰ゲームはやらなくていいんじゃないか?」

京子「えーそれじゃつまんなーい!」プクー

ちなつ「結衣先輩……私を庇ってくれるんですね」ジーン

あかり「ねえねえ、次やろうよ~」

ちなつ「うん、やろうやろう!」

京子「ちぇ~、いい感じに流されちゃった」

結衣「まあそうゴネないで……」

わいのわいの……

その後も対戦を続けた4人!
勝者は毎回めまぐるしく変わり、常に接戦の好試合が繰り広げられた!
実力や知識では京子とちなつが明らかに抜きん出ていたが、結衣やあかりが上手く立ち回り
アイテムを駆使してなんとか喰らい付いていた!

ちなつ(でも、いくらアイテムで逆転の余地があるからといって……)

京子(こうも毎回結果がバラつくなんてこと、あるのか?)

カンのいい結衣は次第に気付く!

結衣(……この試合運びは私たちに気付かないところで巧妙に操作されている……。
   一番下手な私がピンチになると必ず流れが私のところにくる。決して一方的な試合にはならない……。
   違和感……なんだ? 不自然すぎるんだ……アイテム、相手の立ち位置、動き……。
   この中でそんなことが出来る人は……いや……まさか……!?)

結衣「あかりが…………?」

あかり「~♪ あっ、またやられちゃった~」テヘ

京子「よっしゃあ! 1位はもらいだぜ~」

ちなつ「京子先輩にポイントあげるなって言ったでしょー!」

あかり「ごめんごめん~」

結衣(……まさかな。そんな超人的な技術、不可能……)

京子「よそ見してると痛い目見るぞ~」

結衣「ってうわ! ちょっと待っ……」

スコーンスコーン

京子「うお!?」

ちなつ「二人まとめて緑の甲羅の餌食よ!」

あかり「~♪」

結衣(!! まただ……)

結衣(今のこの状況で京子が私を倒したらバランスが崩れる。
   それを邪魔したのは、あかりではなくちなつちゃん……。
   だけど、あかりはこうなる前にアイテムカプセルの近くにちなつちゃんを誘導したんだ……!
   加えてちなつちゃんは今4位……私と京子をまとめて倒すことでバランスが保たれる。
   あかりは頃合いを見計らって自分の撃墜数と落下数を調整しているんだ……!!)

あかり「結衣ちゃん」

結衣「へっ!? な、なに?」

あかり「集中しないと、負けちゃうよ?」ニコリ

結衣「…………」ぞくり

結衣(あかりは気付いている! 私があかりの仕業だと見抜いたことを……
   このスマブラは今、あかりの掌の上で自由自在にコントロールされているんだ!
   下手に逆らえばどうなるか…………いや、逆らってもあかりなら……)

あかり「…………」カチャカチャ

 タイムアップ!

京子「うっしゃ、ギリギリ1位!」

ちなつ「2位! 調子が上がってきた!」

結衣「な、なあみんな……」

京子「じゃあみんな温まってきたことだし、次負けた人罰ゲームな~」

結衣「!?」

あかり「よ~し、次は負けないからね~」

結衣(やられたッ……京子とちなつちゃんを調子に乗らせることで罰ゲームの流れを作りやがった……っ
   まずい……あかりがその気になれば私を最下位にするなんて容易い……どうする……!?)

あかり「よーし、ちょっと本気出しちゃうかな~」ピッ

サムゥス

ちなつ「サムスってさ……弱くない?」

あかり「えーっ、そんなことないよぉ。かっこいいお姉さんだよ?」

京子「サムスって女の人だったの!?」

わいのわいの

結衣(サムス……恐らく罰ゲームを賭けたこの試合であえて弱キャラを選ぶことで
   油断を生じさせ、ゲームコントロールを奪うつもりだ)

結衣「わ、わたしだって本気を出すぞ! えいっ」ピッ

キャプテーン ファルコォン

ちなつ「お揃いですね、結衣先輩♪」

結衣「ああ……頑張ろう、ちなつちゃん」

結衣(あかりがゲームを支配しているというなら、それを逆手にとる……っ
   同じキャラを使い、ちなつちゃんと似たような動きをすることであかりを混乱させる……
   そしてあわよくばちなつちゃんのファルコンだけを落としていく……ごめん、ちなつちゃん)


スリー ツー ワン go!






 タイムアップ!

京子「よし! 多分ビリにはならない!」

結衣(一応頑張ってちなつちゃんに張り付いていたけど……上手くいったんだろうか。
   全然手応えがなかったけど……)


 サドンデェス!


結衣「!」

ちなつ「誰と誰だろう? ――って全員!?」

結衣「!!!」

結衣(なん……だと……! バカな、有り得な……)


 go!






京子「……というわけでビリはあかりでしたー!」

ちなつ「罰ゲーム♪ 罰ゲーム♪」

あかり「そんなぁ~!」

結衣(結局サドンデスはあかりが最初に死んで、ちなつちゃんが1位になった……
   ……2分もかけて)

京子「それにしてもサドンデスであんなに時間かかったのは初めてだったな~。
   もうテンション上がりまくりだよ」

結衣(私たち全員、死なないように操られていたんだ……
   あかりがやられてから勝負は決まった……)

結衣「……あかりは自分から進んで最下位になったんだな」

あかり「えっ?」

京子「そうなのか? あかり」

あかり「ううん、私は本気でやったよぉ」

ちなつ「まあ本気でやったから私たちと互角に戦えたんでしょ~ね。
    最後の最後で経験の差が出たみたいだけど」ププ

あかり「結衣ちゃん、どうしてそんなこと言うの?」

結衣「い、いや……なんでもないんだ、ごめん」

結衣(あかりは優しいのか……それともただ遊んでいただけなのか……)

あかりの罰ゲームは只のモノマネだった!
娯楽部はこうして今日も平和な一日を終えたが、結衣の心にはまだわだかまりが残る!
結衣は家に返ったあと、真相を知るためにあかりに電話した!

結衣「もしもし、あかり?」

あかり『どうしたの? 何か悩みごと?』

結衣「いや……今日のスマブラさ。あれ全部あかりがやったのか?」

あかり『…………』

結衣「もしかして……言えないのか?」

あかり『……うん』

結衣「……理由も……教えてくれないのか?」

あかり『……今日、結衣ちゃんの家に遊びに行ってもいい?』

結衣「どうしたんだよ急に」

あかり『直接、話したいから……』

結衣「……分かった。待ってる」

ガチャ

結衣(そんなに深刻なことなのかな……)

数分後、息を切らして玄関口に立つあかりの姿!
その手には64とコントローラー二つ、そしてスマブラのソフトがあった!

結衣「あかり、それ……」

あかり「今からスマブラやろう! おじゃまします!」

結衣「え ちょ、ちょっと……」

バタバタ

結衣「あかり、さっきの話……言えない理由があるって」

あかり「…………」ピッピッピッ

結衣「聞いてるのか……。 !?」

あかりはソフトを起動すると、チーム戦、3人のcpuレベル9にハンデを付け始めた!
スマブラーならば誰もがやってみようと思う定番のネタプレイである!
しかしその難易度はおよそ小学生には想像もつかないような鬼畜を誇る!
3対1、しかもハンデを背負ってプレイするのは孤独感や理不尽さも相まって
勝つことはおろか最後まで遊ぶことすら苦行の道である!

あかり「……よく見ててね」

スリー ツー ワン go!

あかり「…………」カチャカチャ

ドォーン ドォーン ドォーン

結衣「す、すごい……3対のcpuがまるで人形のようにお手玉されている……!」

あかり「…………」カチャカチャ

結衣「な、なんだこれ……っ!? cpuの%は溜っているのにバーストしない……
   殺されることすら出来ずに痛めつけられているっ……むごい……」

ステージはいにしえの王国!
キャラはフォックスを使い、あかりは壁とブラスターを利用して半永久コンボを繰り出し続ける!
その間あかりは全くの無傷! 流れるようなプレイングに無駄は一切ない!

結衣「……うっ! おぇっ……」

バタバタ オエェェ…

あかり「…………」

結衣はその惨すぎる試合とフォックスの動きに心底恐怖し、吐き気を催した!
涙目で便器を抱える結衣は、悪魔のようなあかりを想像して再び吐いた!

結衣(気持ち悪い……気持ち悪いッ! あのフォックスの動きの全てがッ)

あかり「……結衣ちゃん」

結衣「ハッ! あ、あかり……」

あかり「これが本当の姿……その気になれば結衣ちゃんだって……壊せるくらい……」

結衣「わ、私の傍に近寄るなぁッ」

あかり「……ごめんね……気持ち悪いよね……? でもこれが本当のあかりなの……
    みんなが知ったら、きっとあかりを避ける……そう思って誰にも言わなかった」

結衣「!」

あかりの頬に一筋の涙が伝う!

あかり「でもそれももう終わり。結衣ちゃんに正体バレちゃったから……
    もう友達じゃいられない……」

結衣「そんなことないっ!」

あかり「っ……!」

結衣「……さっきはごめん。吐いたりなんかして……友達なのに、おびえたりして……
   でもあかりはあかりだよ! スマブラが異常に上手いとか関係ない。
   だからさ……そんな友達でいられないとか、悲しいこと言うなよ……」

あかり「結衣、ちゃん……っ!」だきっ

結衣「あかり!」だきっ

茶番終わり!
結衣は何故あかりがこんなにもスマブラが上手いのか問いただした!

あかり「なんでって……お姉ちゃんに教えてもらったから」

結衣「ってことはあかりのお姉さんはあかりよりも強いってことか……?」

あかり「う~ん、どうだろ? 今は同じくらいかなぁ?」

結衣(お、恐ろしい姉妹だ……)

あかり「……お姉ちゃんとやるときは全力を出せるんだけどね。
    でもお友達と一緒に遊ぶときに全力出しちゃうと……怖がられるんだ。
    気持ち悪いとか、頭がおかしいとか……だから人前では何も知らないふりをしてるんだぁ」

結衣「そうだったのか……」

結衣(確かにあのプレイを見ちゃうと……戦おうと思う人はあまり居ないだろうな)

あかり「……そうだ!」ピコーン

結衣「?」

あかり「結衣ちゃんもあかりと互角に戦えるように練習しようよ!」

結衣「へ!? む、無理無理無理! 無理に決まってるだろあんなの!」

あかり「そ、そうだよね……ごめん……変なこと言って」シュン

結衣「あ…………えっ……と」

結衣(これ以上、あかりを落ち込ませるわけにはいかない……
   それにあかりは私に秘密を打ち明けてくれたのに、私がこのまま知らないふりをしていいのか?)

結衣(……やるっきゃない。あかりのためにも!)

結衣「分かったよあかり! 私やってみる!」

あかり「ほんと!?」パァ

結衣「よし、今日は泊りがけで特訓だ!」

あかり「おー!」

―――――
―――
――

翌日の放課後!

ガラッ

ちなつ「遅くなりました~……ってまたスマブラですか?」

京子「よっ……ほっ……はっ……うわーまた負けた~!」

結衣「崖キャンに警戒してないから……あ、ちなつちゃん」

ちなつ「あれ? 結衣先輩が勝ったんですか?」

京子「ちなつちゃ~ん! 結衣がめちゃくちゃ強くなってるんだよォ~」

結衣「負けた人は交代だぞ」

京子「ちぇ~っ、はいちなつちゃん。私のかたきを取ってくれ!」パス

ちなつ「え、え? 私と結衣先輩がやるんですか!?」

結衣「ごめんな、4人揃うまでちょっと1対1の練習したくて……」

ちなつ「私は大丈夫ですけど……あの、手加減できませんよ?」

結衣「いや、むしろ本気でかかってきて欲しいんだ。そうじゃないと練習にならない」

ちなつ「分かりました……ちなつ100%で行きます」

ゴゴゴゴ……

京子(自分でゴゴゴって言ってる……かわいい)

結衣「ちなつちゃんはやっぱりファルコンを使うの?」

ちなつ「はい。やっぱり安定しますから」ピッ キャプテンファルコォーン

結衣(ファルコンか……ここはあえて苦手なキャラを使ってみよう)

ピッ ドォーンキィコォーング

ちなつ「どどどどドンキーですか!?」

結衣「え? 何かおかしかった?」

ちなつ「い、いえ……その フルボッコにしても怒らないでくださいね?」

結衣「うん。怒らないよ」

結衣(ちなつデータ、煽り◎、ハッタリ○……と)


スリー ツー ワン go!

ちなつ(結衣先輩には申し訳ないけど……さすがにドンキーには負けたら恥だよね)

フォンフォンフォン ←ファルコンが高速で動きまわっている音

結衣(さすが動きにキレがあるな……でも……)

スッ ガシッ

ちなつ「えっ、この距離でつかまれた……!?」

結衣「ドンキーの掴み範囲は相当広い。それにちなつちゃんのファルコンは動きに無駄が多いから
   攻撃を当てやすいんだ。ごめんね」

ブォン バシッ バシッ

ちなつ「え? え? え?」

ドォーン!

結衣「1ストック先制だよ」ニコ

こえぇぇぇぇえ
あかりちゃんこえぇ…

ゾクッてした

ちなつ「全然動けなかった……今のは……」

京子「結衣のドンキーよく動くなぁ。ちなつちゃんもほら、反撃しないと」

ちなつ「わ、分かってます!」

フォンフォンフォン

結衣「ステップ反転も着地キャンセルも出来てないんじゃ私には勝てないよ」

ちなつ「なっ……!?」

バシッ バシッ バシッ

ドォーン!

京子「あ、またやられた」

ちなつ「…………!!」


 ゲームセット!

結衣「ふぅ……」

京子「すごいな結衣! 完封だぞ!」

ちなつ「…………」プルプル

京子「ちなつちゃん、さっきまでの威勢の良さはどこへ行ったのかな~?
   ドンキーに完敗したけど、今どんな気持ち?」

ちなつ「こ、今回はたまたま調子が悪くて100%出なかったんです!
    それに私はこれが初戦なんですよ? 調子が出ないのも仕方ありません!」

結衣(京子、煽り△……ちなつ、言い訳◎……ちなつちゃんは場外乱闘派か)

京子「いやぁ~、それにしても結衣強いな~!
   昨日はあんなに弱かったのに、どうしてそんなにいきなり強くなったんだ?」

結衣「ネットで上手い人のプレイを見て練習したんだ」

結衣(嘘だけど)

ちなつ「……それでこんなに上手くなれるなんて……はっきり言って信じられません」

結衣(私も信じられないよ……あかりの教え方が上手かったのかな)

ちなつ「…………結衣先輩! もう一回やりましょう!」

京子「んなっ!? ずるいぞちなつちゃん、次は私の番だ~!」

ちなつ「このまま負けて引き下がるちなつではありませんー!」

ワーワーギャーギャー

ガラッ

あかり「あ、スマブラやってるね~」

京子「む~!」←ちなつのほっぺをぐりぐり

ちなつ「む~!」←京子のほっぺをぐりぐり

あかり「……これ、どうしたの?」

結衣「次に私と対戦する順番で揉めてるんだ」

あかり「結衣ちゃんモテモテだねー」

結衣「……全員揃ったし、4人対戦やろっか」

京子「駄目だっ、次は私と結衣がやるんだー!」

ちなつ「京子先輩に結衣先輩は渡しませんー!」

結衣「おいおい……」


あかり「……結構コテンパンにやっつけちゃったの?」ボソボソ

結衣「うん……少しやりすぎたかなぁ……」ボソボソ

あかり「……じゃああかりも本気出しても大丈夫かな?」ボソボソ

結衣「え!? そ、それはちょっと……」ボソボソ

あかり「でもあかり20%くらいなら……」ボソボソ

京子「そこぉー! 何をコソコソ話してるんだー!?」

結衣「い、いや何でもな……」

あかり「はいはーい! 次はあかりの番でーす!」

ちなつ「あかりちゃんが結衣先輩の相手を? 私でさえ勝てなかったのにあかりちゃんになんて……」

ピッ ルィージ

ちなつ「ってもう勝手に始めてるし!」

あかり「二人ともよーく見ててね♪」

京子「……?」

あかりちゃんの20%がどれくらいなのかww

結衣「あかり、ホントに大丈夫なのか?」

 スリー

あかり「うん。今の結衣ちゃんならあかり10%と互角くらいだから」

 ツー

結衣「……お手柔らかに頼むよ」

 ワン

京子「さっきから何の話ー?」

 go!

ステージはプププランド!
ルールはアイテム無し、3ストックの1対1!

結衣(ルイージと来たか……まだ対策できていないキャラを使ってくるとは、あかりも意地悪だな……)

対する結衣のキャラはドンキー!
ドンキーは体重が重いためコンボを決められやすい!
ドンキー使いは特に間合いに重点を置いて立ち回りを研究する必要がある!

ヒョイッ スカッ

京子「二人とも全然攻撃が入ってないぞー。もっとガンガン攻めろー!」

煽る京子!
しかしドンキーもルイージもお互いガン攻めするキャラではない!
今回ルイージは手加減してファイアボールを撃っていないため、ドンキーが攻めに転じるのも可能だが
コンボ精度に自信がない結衣は守りに徹することを選んだ!

あかり「来ないならこっちから行くよ~」

先に仕掛けたのはルイージ!
実力差を抜きにキャラ相性を考えると、コンボ決定力の高いルイージはドンキーに対して
かなり有利と言ってもいい!

あかり「えい! えい! とお!」

ドドドド……

結衣「くっ……!」

京子「上手い! っていうか何今のコンボ!?」

あかり「とどめはファイアー昇竜っ!」

カッキーン!!

京子「当てた!!」

ちなつ「えっ何これメチャクチャ上手くね?」

ルイージのとどめに上b近接当ては基本である!
しかし京子やちなつにはマグレ以外で当てるという発想がなかった!
二人はかなりビビった!

ちなつ「あれ? もしかしてこれ相当上手い?」

京子「……うん。たぶん私勝てないわ」

あかり「まだまだ行くよ~」






 ゲームセット!

ドンキー vs ルイージ
   0 ― 1

あかり「やった! あかりの勝ちだね♪」

結衣「負けちゃったか」

京子「…………」ポカーン

ちなつ「…………」ポカーン

あかり「……えへへ、実はあかり、結構強いのでした~……なーんて……」

結衣(結構どころじゃないけどな)

ちなつ「じゃあ昨日は手加減してたってこと?」

あかり「う、うん……」ドキドキ

ちなつ「……むっきー! あかりちゃん如きに手加減されるなんて許せないっ!」

あかり「えぇっ!?」

京子「もしかして結衣がすごく上手くなったのは、あかりに教えてもらってたから、とか……?」

結衣「……ま、まあそういうことになるかな……」

京子「ずるいずるいずるいーっ! 私も上手くなりたいのにーっ」

結衣「へ?」

京子「あかり! 私にもスマブラの極意を教えてくれっ!」

ちなつ「私にも教えろーっ」

あかり「えぇっ、うえぇぇっ!?」

結衣「……良かったじゃないかあかり、これでみんなもっと上手くなるぞ」

あかり「……私のプレイ、変じゃない? 気持ち悪いとか、思わないの……?」

ちなつ「気持ち悪かったけど、このまま負けたままなのはもっと気が済まないの!」

結衣(気持ち悪いとは思ったのか)

京子「私は変とか気持ち悪いとか思わないぞー。っていうかそんなに上手いのに隠すなんてもったいないよ!」

あかり「……ぐすっ。みんな……ありがとう」ポロポロ

京子「ちょっ な、なんで泣くの!?」

あかり「あかり嬉しくてぇ……みんなに引かれないかと思ってぇ……」ポロポロ

ちなつ「引く? この程度じゃ引くも何もないと思うけど……」

結衣(あかり100%見たら卒倒するだろうけどな……)

京子「泣いてる暇はないぞあかり! 今日から毎日スマブラ特訓するんだからな!」

ちなつ「あかりちゃんに勝てるまでやるからね!」

あかり「うん! みんな、頑張ろう!」

結衣「やれやれ……こりゃ当分スマブラ部だな」

あかり超人編 おわり

ちなみにルイージの基本コンボはこんな感じになります
http://www.youtube.com/watch?v=z71ayyqlths


おつおつー

あかり可愛かった

これ続くのかな

次 娯楽部特訓編

結衣(あれから1ヶ月経った……スマブラ特訓は続いてるけど、あかりはまだあかり100%を
   披露しないままだ。たぶん実力の半分も出してないだろう)

結衣(ちなつちゃんなんかはだいぶ上手くなって、すでに私なんか軽々超えてしまった。
   操作精度なら今やあかり30%と同等くらいかもしれない……)

結衣(でも勝率で言えばトップは京子なんだよな……)

京子「おーい結衣ー? どうしたんだそんな難しそうな顔して~」

結衣「ん? いや、なんでもないよ」

あかり「次は結衣ちゃんの番だよ」

ちなつ「今日は調子が良いです♪」

結衣「ちなつちゃんが相手か……」

スリー ツー ワン go!

結衣(ちなつちゃんは相変わらずファルコンを使うけど、最近はピカチュウやカービィもよく使うみたいだ。
   強キャラでガンガン攻めてくるタイプだけど、立ち回りに隙があるんだよなぁ)

ちなつ「てい! てい! これでどうだっ」カチャカチャ

結衣「あっ あっ そ、そんなところ……ん……あぁっ……///」

ちなつ「ゆ、結衣先輩ヘンな声出さないで下さいっ///」

ドォーン!

結衣(……駄目だったか。場外から精神攻撃を仕掛けたくらいじゃミスしないな。
   コンボ始動技が入ったらもう何があっても抜けだせないとすると……。
   ……全部避けるしかない)

ヒョイヒョイッ

ちなつ「あれ……くそ~、全然攻撃が当たらない……」カチャカチャ

結衣(各キャラの対策はバッチリ取れてる。もちろんちなつちゃんの癖もね)

スッ

結衣(ここだ……っ)

ガシッ バシ バシ

ちなつ「あぁっ、やられちゃう!」

スカッ

結衣「げ、ミスった」

ちなつ「もらいましたっ!」

ドォーン!

ちなつ「勝った! これで3連勝♪」

結衣(……データには自信あるんだけど、肝心のプレイが下手だからなぁ……
   私ちなつちゃんに一番負けてるかも……)

京子「次私な~」

ちなつ「あれ、京子先輩サムス使わないんですか?」

京子「たまにはフォックスでも使おうかと思ってね~」

ピッ ワァァァ

結衣(京子のフォックス対ちなつちゃんのファルコン……あまり見ない組み合わせだな)

スリー ツー ワン go!

京子「ほいっと!」シュピン

結衣(!! あれは……リフ絶……!)

リフ絶とは!
リフレクタ―を一瞬で出すだけの技である!
ただし使いこなすのはめちゃくちゃ難しい!
そして使いどころもかなり難しい!
この技を身に付けて得するのは上級者同士の闘いに限るだろう!

ちなみにリフ絶だったか絶リフだったかリフキャンだったか名前が色々あってあまり覚えていない!


ちなつ「ちょっと京子先輩! ふざけないでくださいよ」

京子「ふざけてないよ~ん」シュピンシュピンシュピン

結衣(まあふざけてるだろうな……しかし京子もだいぶ操作精度が上がったな)

結衣(もし京子がリフ絶をマスターしたとしたら対フォックスの戦術も変わってくるな……。
   といっても注意すべきなのは飛び道具持ち限定だろうけど……)

京子「ピチュンピチュンピチュン」

ちなつ「もう、さっきからうっさい! ブラスターの声真似しなくていいですから!」

結衣(2連ブラスター出来るのか……これかなりめんどくさいんだよなぁ……
   一回あかりにやられて近づくことすらできなかったっけ)

京子「隙ありっ!」ドォーン!

ちなつ「ああっ!? ひ、卑怯ですぅ!」

京子「卑怯じゃないも~ん」

結衣(立ち回り重視の京子はちなつちゃんに相性がいい……
   それにしても京子の間合いの取り方はちょっと真似できないな。
   ああいうのをセンスとか才能というんだろうか)


 ゲームセット!

京子「や~い、私の勝ちだ~!」

ちなつ「連勝記録がぁ~……はい、次はあかりちゃんの番」

あかり「京子ちゃんのフォックス強いね~。あかりのマリオで勝てるかなぁ?」

結衣(……あかりは最近マリオをよく使うな。標準的なキャラ性能ではあるけど、その分強みが少ない。
   まあ手加減しやすいってことなんだろう……)

京子「多分あかり50%までなら勝てると思うんだよなぁ」

あかり「……!」ドキッ

ちなつ「らしくない謙遜ですね。珍しく弱気というか」

あかり「そ、そうだよ京子ちゃん。あかりが全力でやっても勝てるかどうか……」

京子「そうかな~……なんだかあかりって、まだ全然実力を出し切ってない気がするんだよなあ~」

結衣(……京子のやつ、あかりの実力を見抜いてる……!?)

京子「ま、とにかくやりますか!」

あかり「う うん……」

スリー ツー ワン go!

京子「…………」カチャカチャ

あかり「…………」カチャカチャ

ちなつ「ずいぶん集中してますね」

結衣「マリオとフォックスは飛び道具による牽制が勝負のカギだからね……。
   常に相手の隙を見ていなきゃならない」

結衣(それでも京子が対戦中黙ってるのは珍しいな。本気を出してるってことなのか……)


京子のフォックスはまだコンボが甘いため、マリオの反撃を警戒して慎重になる!
しかしあかりのマリオも動きが鈍い!
お互い決定的なチャンスをことごとく外し、まさしくグダグダな勝負のように見える!

ちなつ「あ! 今の復帰阻止あかりちゃんらしくないミス……」

あかり「…………っ!」カチャカチャ

結衣(ペースは京子だけど……あかりのマリオ、様子が何かおかしい……?)


マリオが何度か凡ミスを繰り返すと、それに釣られるかのようにフォックスもミスをする!
勝負は結局グダグダなまま終わった!


 ゲームセット!

あかり「負けちゃったぁ」

京子「…………」

結衣「……京子?」

京子「あかりさ……やっぱり手加減してるでしょ?」

あかり「……う~ん……ほんのちょっと、ね」

ちなつ「えっそうなの!? 別に手加減する必要なかったんじゃ……」

京子「多分だけど、今の状態であかりは実力の半分も出してなかったんじゃないかと思うんだ。
   つまり本気出したらゲームにならないから手加減した……とか」

あかり「!!」ドキドキッ

結衣「京子、なんでそんなことが分かるんだ?」

京子「さっきの勝負でさ、牽制し合ってる時にあかりの動きを先読みしてフェイントかけたりしたんだ。
   だけどあかりは釣られなかった。 それどころか更に私の先を読んだ動きを繰り出してきたんだ」

結衣「な……に……!?」

ちなつ「さっきの闘いでそんな高度なことやってたんですか!?」

あかり「…………」

京子「私は相手の2手先を読むのが限界だけど、あかりはその更に上……5手先まで読んだ動きをするのが分かった。
   これは不確定要素も含んだ上での立ち回りだから、普通に考えたら無理に決まってるんだけど。
   だけど、どう試しても最低3手先は読んでるんだよね。あかりって実は私たちが思ってるよりずっと強いんじゃね?」

あかり「ほ、ほら交代しよ! 次はえーっと、結衣ちゃんの番!」

ちなつ「ごまかした……」

結衣「……いや、次はちなつちゃんが京子の相手してやってくれ。
   私じゃ練習相手にもならなそうだしな」

ちなつ「いいんですか?」

京子「えーっ結衣をボコボコにしたいのにー!」

ちなつ「弱い者いじめはこのちなつが許しません! リベンジです!」


キャッキャッ

結衣「……あかり、あかり」コソコソ

あかり「? なあに、結衣ちゃん?」

結衣「さっきのだけど……」

あかり「えへへ、ちょっと失敗しちゃった」

結衣「失敗したって……京子に勘付かれたことが?」

あかり「京子ちゃんもすごいよねぇ。まさか私の心を読んでくるなんて思わなかったよぉ」

結衣「心を読む……?」

あかり「京子ちゃんの立ち回りの上手さは、相手の行動を先読みする能力のおかげなの。
    相手の心理から次の行動を限定していくんだけど、それを極めると読心術にまで発展するんだよ」

結衣「読心術……!? そんなことが出来るのか!?」

あかり「京子ちゃんは私が手加減してるっていう心理状態まで辿りついちゃったみたいだね。
    私も負けじと京子ちゃんの無意識にまで探りを入れたんだけど、そうすると今度は加減が難しくなっちゃって……」テヘ

結衣「もうなんだかスマブラ関係なくなってきたぞ……」

結衣(……でも、そうか。様子がおかしいと思ったのは、あかりの手加減の仕方が不自然だったからだ。
   凡ミスでしか手加減できなくなるまであかりを追い詰めるとは……京子もとうとうあかりに追い付いてきたか)

あかり「ただ、無我の境地になると心理掌握なんて無意味になっちゃうんだけどね」

結衣「……へ? 今なんて……」

あかり「ちなみに京子ちゃんの読心術もまだ完全じゃないよ。私が読めるのは5手先じゃなくて7手先だし……」

結衣(もうついていけない)

ここでやる気が途絶えた
テニヌばりの超能力展開を考えたけどもう収拾つかないわこれ

なんでそこで諦めるんだよ。楽しく読ませてもらってるんで頑張って続けて下さい

まあやる気ないんじゃ仕方ない。次は事前に話考えて書いてくれ

頑張れ

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