爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(千里山~鹿老渡編) (321)



~プロローグ~


みなさんこんにちはっ! 咲-saki-界で一番カワイイみんなの天使、三箇牧高校の荒川憩ちゃんですよーぅ!

えっ、なんでウチがこのクソアフォらしいSSの冒頭に出てくるのかって? フフフッ、それはやねぇ、今回の主役はこのウチだからですよーぅ!

あの獅子原さんが、ついに私たちのホームタウン、北大阪に来たとあっちゃあ・・・ ウチもアイサツしに行かなあかんからねぇ・・・。

まぁ、獅子原さんなんか、ウチにかかれば赤子の手をひねるようなもんやで… こっからは、「荒川憩の麻雀部探訪記!」に改名やなっ!ww


爽「待てよ憩ちゃん! このSSの主役は私だぞっ? 乗っ取る気か?」

憩「あれ、獅子原さん、龍門渕病院以来やなぁ~? あいかわらず一日6回うんこしとるん?」

爽「あ、その節はお世話になりました・・・ って、主役の座なんか譲らねーからなっ!」

憩「ふ~ん? 姫松編では洋榎さんよりセリフの数少なかったくせに、よう言うね~ぇ?」

爽「な、なんだとぉ…? こ、こうなったら勝負だっ! 勝った方がこのSSの主人公だぞっ!!」

憩「望むところやでぇ~。 どんなバトルやろうと…ウチが負けることはあらへんでっ!」クックック・・・


憩「仁義なきガチクソ麻雀バトル・・・ 開幕やでっ!」カッ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454750353


・1作目→ 爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(前編)
      爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(前編) - SSまとめ速報
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・2作目→爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(宮守~越谷女子編)
     爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(宮守~越谷女子編) - SSまとめ速報
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・3作目→爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(白糸台~清澄編)
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・4作目→爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(風越女子~池田家編)
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・5作目→爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(臨海女子~阿知賀編)
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・5.5作目→ もこ「…」ブツブツ 咲「対木さんはこう見えて実は…」 爽「へぇー…」(一部安価)
       もこ「…」ブツブツ 咲「対木さんはこう見えて実は…」 爽「へぇー…」(一部安価) - SSまとめ速報
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・6作目→爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(大阪編)
     爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(大阪編) - SSまとめ速報
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・閲覧注意…きわめてトイレ・うんこなSSです。 どうしてもかなり過激な表現が出てくる時があります。 読まれる方は十分注意して下さい… 

・トイレやうんこに対して独自の哲学を持っている美少女 獅子原爽 が、実に清々しく爽やかにひたむきに排泄道を邁進するお話です。

・こんなSSですが、キャラをdisったり、読み手を不愉快な気持ちにさせる意図は決してありません。
 キャラとトイレの魅力を表現し、楽しく読んでもらいたいです。

・多少の悪ふざけありますが、基本的には真面目なSS、の、つもり…
 ときどき理屈っぽい場面があります。

・文句、意見、荒らし、支援、叩き、非難etc.どんな内容の書き込みも歓迎します。 読んでいてイヤになるようなお話はなるべく書きたくないので、忌憚のない批判ももらえたら嬉しいです。

・ありとあらゆるうんこ・トイレ情報、常に大絶賛募集中。

・喫煙で停学くらった爽が、さまざまな高校のトイレを訪問してさまざまな人々とクサイ関係を築いていきながら成長していきます。
 果たして彼女は日本を縦断し、最終の地鹿児島永水まで辿り着けるのか…?



<その20 ~北大阪千里山女子 セーラ「獅子原、おもろい所につれてってやるで」爽「ほお…?」の巻~>



 ゴトンゴトン、  ゴトンゴトンゴトン・・・・・


クソ7との激闘を終えた翌日の夕方… 爽、セーラ、竜華の3人は、阪急電鉄千里山線に揺られながら、ある所へ向かっていた…


爽「なぁ江口ちゃん、おもしろい所って、一体なんなんだよ?」

セーラ「ふふん、それは着いてからのお楽しみやで… ま、ちょっくらバイトに行くだけやわ」

爽「バイト・・・?」


ところが、その時


 キュキュキュキュキュ・・・・  ガタァンッ


爽「ん?!」


急にスピードを落とした千里山線が、突然停止してしまったのである…



 タダイマ、キンキュウテイシシンゴウガ・・・  シャリョウノテンケンヲ・・・・


セーラ「なんや、駅でもないのに止まってまったな…?」

竜華「踏み切りに人でも入ったんとちゃう? たまにあるんよね…」

爽「……」






15分後…


 タイヘン、ゴメイワクヲ・・・ モウショウショウ、オマチクダサイ・・・・


セーラ「・・・なかなか動かへんな! くそっ、イライラしてきたで…」

竜華「まぁ、ババヌキでもしてのんびり待とうや。 ・・・ん?」

爽「……」プルプルプルプル

竜華「どうしたんや獅子原? 気分でも悪いんか?」

爽「いや、その、な・・・ うんこしてーんだよ…」プルプル


セーラ「止まった電車ん中でうんこの波か… はぁ、ウンの悪いやっちゃなまったく… 今日は紙パンツじゃないんか?」

爽「いつもはいてるわけじゃねーよ…」ガタガタ

竜華「あんた、昨日クソ7の柏木さんに“電車ん中でうんこしたくなったらもらせばいい”って偉そうに言うとったやない。 はよ実行せえや」ニタニタ

爽「… キサ、マ…!」フルフル

竜華「冗談やって♪ 連結部分行ってこっそりうんこすればバレないんとちゃう?」


爽「無理に決まってんだろ… お前ら… 私というマブダチがこれだけのピンチに立たされてるっつーのに… よくも… そんな、ヘラヘラと…!」ブルブル

セーラ「いつからマブダチになったんや。 自業自得やろが」フン

爽「・・・薄情者! …この、人でなし!! あぁ、くそっ、私にも、UNKOテレポーテーションが使えたら…!!」ガタガタ

竜華「分かった分かった。 うちがなんとかしたるわ…」スッ

爽「?」


竜華は、ポケットからスマホを取り出した。


セーラ「…? 何する気や、竜華」

竜華「うん、これでみんなにヘルプを出してな、アドバイスを求めるんや」ポチポチ

セーラ「なるほど… 文明の利器はうんこもらしにも対応できるんやな…!」


竜華「Twitterは・・・やめとこか。 2chの掲示板に… えーっと、タイトルは・・・『助けて! 電車ん中でうんこ漏れそう!』でええか…」ポチポチ

爽「…?? そんなんで、本当にまともなアドバイスが来るのか…?」

竜華「さーね? オッ、早速レス来たで…!」

セーラ「ガンガン来るなおい…!」


ID:Kyaputenlove「いいから早くもらすし!」

ID:Okkake・RI-CHI「脱糞警報ちょー発令中だよー!ww」

ID:SUTERUSU「もらしていっすよ。 私が許すっす」

ID:Kouichi_Saikyou「ブリブリッ! ブリョリョリョリョリョリョリョブリュリュッチョスゥッ!!」

ID:HAITEI_RAOYUE「早くもらして事後報告をしろ」

ID:teruteru「脱糞速報はよ」


爽「」


爽「全然まともなのねーじゃねーか!」=3

セーラ「まあこうなるやろなw」

竜華「はいはい、じゃあ、“マジレスだけ頼みます”っと…」ポチポチ・・・

セーラ「オッ、キタでっ!」

竜華「どれどれ、今度はどんなレスが…?」


ID:SharpShooter「とりあえず気持ちを落ち着けよう。 素数を数えてみてはどうだろうか?」


爽「…?? 何これ、何を数えろって…?」

竜華「ソスウやな。 フナQがなんか言うとったで。 えっとな、素数ってのはつまり… あぁ説明がめんどくさいでっ!」

セーラ「オッ、まだまだクルで!」


ID:SUBARA「ビニール袋は持ってらっしゃいますか?」

ID:JyoinJyoin「ええ方法があるで。 『この中にスカトロマニアの方いらっしゃいませんか!』って叫ぶんや。 おればそいつに引き取ってもらえるで」

ID:ETOPEN「誰かの手首をつかんで『この人痴漢ですっ!』と叫んでみてはどうでしょう。 そうして騒ぎが起きた隙に漏らして、『この人が私に浣腸をしてきて…』と言い訳すればなんとかなるかと」


爽「よ・・・よしっ! これしかねぇ!」ガシィッ!

セーラ「は?!」

爽「 この人チカンですっ!! 」


 ザワザワ・・・  ガヤガヤガヤ・・・  ナ、ナンヤ?  イッタイ・・・?


爽「くっそ…! 誰も相手にしてくれねー…」

セーラ「当たり前や! 俺は女やぞっ! 何するんやいきなりっ!」=3

竜華「アッ、またレス来たでー♪」

爽「マジレスたのむぜ… 私の… いや、ここでもらしたらきっと、同じ車両の人たちが地獄を見ることになる…!」

セーラ「ん? これは…?」


>>13

なんだかんだ言ってもう駅に到着するんじゃないか?


>>13「なんだかんだ言ってもう駅に到着するんじゃないか?」

爽「ふぇ?」


 ゴトンゴトン、 ゴトンゴトンゴトン・・・


セーラ「おっ、ほんまやな。 気がつかんうちに動いとったわ」

爽「よ、よし、もうひとふんばり…!」ハアハア


ツギハーカンダイマエー… カンダイマエー・・・


次の駅で降りた爽は光の如き速さでトイレに駆け込み… なんとか車内でのうんこもらしを回避できたのであった…


しかし、


<竜華のスマホ>

ID:HAITEI_RAOYUE「おい、うんこはどうした?」

ID:teruteru「もらす勇気をもて。 私は応援しているぞっ!」

ID:SUTERUSU「気分はどうっすか?どのくらいうんこ出たんっすか?」

ID:Kyaputenlove「どうなったし!早くうんこついたパンツ見せるし!」


竜華「・・・みんな人の不幸大好きやな…」

セーラ「蜜の味やからな」

 






30分後…


セーラ「着いたで、獅子原」ピタッ

爽「ん…?」


そこは… さびれた商店街の一角… 古い喫茶店の横に、地下に降りていくレンガ造りの階段があった。


セーラ「行くで、獅子原…」カツンカツン・・・

爽「……」

竜華「大丈夫やで? 取って食うたりせえへんから♪」カツンカツン・・・


照明がなく薄暗いその階段の下へと、吸い込まれていくセーラと竜華・・・


爽の、長い夜の始まりだった。



 カツンカツンカツン・・・・


爽「…む?」ピタッ


階段を降りると、鉄の扉の上に麻雀牌がチカチカ光っている電飾の看板があった。

どうも雀荘らしい。


 ガチャッ カランカラン・・・


マスター「いらっしゃいませ、あ、セーラちゃん…」

セーラ「マスター、今日は北海道から来た最高の逸材を連れてきたで」ニタッ

マスター「へえ…?」


金髪で上背があり、黒いエプロンをしている女が、爽をジロジロとねめつける。


マスター「ふーん…? こっちの方も?」クイッ


牌をつまむ動作をしてみせる女…


セーラ「たりめーや! さ、遅れてまったで、早いとこあの部屋に案内してや」


コツ、コツ、コツ・・・


爽「おい… 江口ちゃん、これって… 賭け麻雀か? 私にカケマをやらそうってことか?」

セーラ「ん~…? そやな、ある意味賭け麻やけど、金銭を賭けるんとちゃうで」

爽「… じゃあ、何を…」

セーラ「部屋に入れば分かるで」


 ガチャッ


マスター「ほらよ、どうぞ…」

爽「っう・・・?」


異様な空間だった。

LIVEハウスのような部屋の中に、大勢の観客らしき集団がおり… ステージでは、4人の少女がギラついた目で雀卓に向かっていた。


那岐「ふぅ、ふーっ、 ふ―――……っ!」ハアハア


爽(…? あの腰に日本刀さげてる奴、どっかで見たな…?)

竜華「えーっと最下位は… ふぅん、岡山讃甘の新免那岐か…」


ステージ上のモニターに、局状況と各自の点数が映されている。


セーラ「せやな、トップは誰や…?」


美幸「ひひっ、今日はツモーが調子いいよ!もー!♪」コトッ


セーラ「へぇ、劔谷の椿野…! 運がええな獅子原、ちょっと手応えのあるヤツがおるで」


那岐「・・・ポ、ポン!」

美幸「…リーチ」コトッ

那岐「っく…? と、通れっ!」カチッ!

美幸「はい残念でした、ロンww タンヤオ三色ドラ1… 12000!」パララ・・・

那岐「ぐっはぁ…!?」

美幸「ふふっ、新免さんのトビですね」

那岐「く・・・! こ、こうなったら、腹を切って…」チャキッ

美幸「もー違うでしょ新免さん? おナカなんか切ったって私には一銭の得にもならないよ? ラストの人がやらなきゃいけないことはさぁ…」


美幸「うんこでしょ?」ニタッ






那岐「んーっむぅ…! 無念なり……!」ブリブリッ!  ブリョリョリョリョリョリョリョオォ・・・・


オォ――ッ!  エエウンコヤ・・・  ナイスウンコォ――ッ!!  ワーワ――ッ! ・・・・


ステージの上のガラスケースの上で排便を始めてしまった那岐…


爽「なっ、こ、これは・・・??」

セーラ「獅子原… お前も話には聞いたことあるんやないか?」

爽「え?」

セーラ「あれが、脱衣麻雀ならぬ・・・“脱糞麻雀”や!」


爽「脱糞麻雀・・・!?」

セーラ「せや。 ルールはシンプルやで… 半荘打って、ラス、あるいはトビになった人間が、ステージ上でうんこをする… そしてそのうんこを観客内でオークションにかけ、そのアガリを、トップになった人間が店と折半できるっちゅう寸法や」

爽「オークション…? おいおい、うんこ売買は違法じゃねーのか?」

セーラ「いや、拘束して無理やりとかじゃなければ違法ではないんやで。 俺と竜華はな、チューボーん時から、たまにこの脱糞麻雀で儲けてきたんや… 今まで、一度もうんこする羽目になったことはないんやで」ニヤ

爽「ほう…」

セーラ「どないや? お前なら挑戦してみたくなると思うて、連れてきたんやけどな…」

爽「……」


爽(…脱糞麻雀か…… さすがはトイレの先進地大阪… 麻雀においても実に革新的な文化があるんだな…)

爽(ちょうど、宮守でバイトして稼いだお金が底をつき始めてて… 旅行資金が欲しいとこだったんだよね…)

爽(ふふ… お互いのうんこを賭けた麻雀… 私にとっちゃ、おあつらえむきじゃねーか!)ニヤッ

爽「・・・いいぜセーラ・・ やったろうじゃん。 私のこの雀力で… かわいい女の子たちをうんこの海に沈めまくってやるぜ…!!」

セーラ「…ほう、ええ心掛けやな!」ニタア・・・


美幸「ひひ… 新免さんのうんこに4万か… 私は2万のもうけね… ふん、こんなのはした金だね…」ニタニタ

セーラ「おう椿野、久しぶりやな。 近畿大会以来か?」

美幸「ん? げっ、江口セーラ…!」

セーラ「芦屋のお嬢さんがこんなとこで何しとるんや?」ニヤニヤ

美幸「うるさいね、もー… 私みたいのがギャンブルしてたらいけない?」

セーラ「別にええで。 どうせお前は金やなくてスリルを求めて来とるんやろ? …どうや、久々に打とうや。 竜華と、北海道の獅子原もおるでメンツは揃っとるで?」

美幸「…望むところだよ……!」ゴゴゴォ・・・

>>22

爽「わっ! なんだこれナンダコレ!!」ブッ!

セーラ「あかん・・・やばいのが来たで・・・!」

爽「おおおぉぉすげえすげええぇぇっっ!!」=3=3

竜華「何喜んどるんや獅子原…」






30分後…


セーラ「ツモや! 2000・3900!!」ドッ!

美幸「あぁ――っ! もぉ―――っ!!」ウガァーッ!

竜華「半荘終了やな。 一位セーラ、二位がうち、三位が獅子原で、ラスは椿野さんやな……」ニタア・・・

美幸「っぐ・・・!」

爽「あっぶねあっぶねー… 最後親っかぶりでラス免れたわ…」


セーラ「椿野… 罰則の10万払えばうんこせんでもええんやで…?」

爽「バロッ! 何言ってんだセーラ! ここは当然うんこの流れだろーが! 椿野しゃん! もちろん、ここは一発、爽快にお嬢様うんこですよね…?」ハアハア

美幸「… 10万払うよ、もー…」

爽「はっ? WHY?!」=3

セーラ「ふふっ、俺に5万か。 ボロい儲けやな…」ニタッ



そのあと・・・ セーラ、竜華、爽の3人は、対戦相手を変えながら、次々とステージにうんこの雨を降らせていった・・・


セーラ「ロン! 7700や!!」カッ

寺崎遊月「く・・・ 富山から出稼ぎに来たのに… このザマか…!」ブリブリブリイィ・・・

竜華「ロォーン! カン裏のって・・・ 18000やっ!!」ゴォッ!

数絵「イ、インパチ…!? うぅ、お祖父様、ごめんなさい・・・!」ブリョリョリョリョリョリョリョオォ・・・

爽「よ、よっしゃツモツモオォッ! メンチン・・・8000オールゥ!!」=3

やえ「ぬぅ…! ならばお見せしよう… 王者の、HAISETSUを・・・!!」ムリッ ムリリリリリリリイィ・・・!!


爽「よっしゃトップだぜ…! みんな、ちゃんとうんこしてくれるなっ!」

セーラ「10万も罰金払う奴は、金持ちの椿野くらいや」

爽「しかしすげーなここ… 全国からいろんな女子高生が来てんだね」

セーラ「自分のうんこを賭けて闘う脱糞麻雀は麻薬みたいな常習性があるんや。 脱糞麻雀のイベントを開催しとる雀荘は全国でも数えるくらいやから、いろんなトコから人が集まってくるんやで」


その時だった



 ガチャァ・・・・



?「…へぇ、江口さん…… モブを叩いてそのうんこでボロ儲けとは… 楽しそうやね~ぇ?」ユラア・・・


扉から、突然、白いナース服を着た少女が現れたのである・・・!

止まります。
安価あざした!
また、多分来週書いていきます。


セーラ「・・・荒川!?」

憩「奇遇やね、江口さん♪ に、竜華さん・・・に、えっ、獅子原さん!?」

爽「憩ちゃん…!」

憩「久しぶりやな~ぁ? やっと大阪まで来たんやな。 てっきりどっかで野垂れ死んどるもんやと思ってましたよーぅww」

爽「・・・相変わらず口悪いな憩ちゃん… ま、確かに2、3回死にかけたけどね。でも私は鹿児島に着くまでは絶対くたばらねーよ! 冗談キツいぜ?」

憩「え? ウチは冗談なんて生まれてこのかた言うたことないですよーぉ?ww」ニコニコ


セーラ「なんや、二人とも面識あるんか?」

憩「ウチが長野に看護の実習に行っとった時、爽さんが入院してたんですよーぅ。 ふふっ、あの時は竜華さんも同じ病室におったんやよね♪」

竜華「せやな。 思い出したくもないで…」


爽「そうだ憩ちゃん、退院したらデートする約束だったよな! 明日USJでも一緒に行こうぜ?」

憩「ハ? 何言うとるん爽さん? 頭に隕石の直撃でも食らったん?」

セーラ「ははっw それコイツならほんまにありそうやなw」

爽「ぬぬ… じゃ、じゃあ、勝負だ憩ちゃん! この脱糞麻雀で半荘打って… 順位の低かった方が、相手の言うことを一つ聞く… てのはどうだよっ?」

憩「へぇー・・・ ウチに麻雀でガチンコ勝負…? 別にええけど…」


憩「爽さん、アンタが勝てる確率は・・・ 多分1%もないで」ニタア・・・


セーラ「おい待て、おもろそうやなそれ・・・ 俺も仲間に入れろや」ゴゴゴォ・・・

竜華「うちを抜いて話を進めんでくれるかな…?」ズモモモォ・・・・


結局… 4人で半荘打ち、トップになった人間がその他の3人に一つだけ命令を出すことができる… という取り決めで行うこととなった。



セーラ「よし、じゃあルールの確認やで。 基本的な麻雀のルールは、赤ドラが無いこと以外は大体インハイの個人戦と一緒や…」

セーラ「あと、言うまでもないことやけど、協力プレイは一切なしな。 一人一人がガチで勝ちにいくこと」

セーラ「ラスの奴がうんこをする脱糞ルールは当然そのまま… 10万の罰則金を払っての拒否はなしや。 ラスは必ずここでうんこしてもらうで」

セーラ「それに加えて、トップの人間は2~4位の奴らに一つ命令を出すことができる… 命令の拒否はその内容に関わらず不可能。 それでええな?」

憩「OKですよーぅ」ニコニコ

竜華「スリルがあってええな! 麻雀はやっぱこうでなくっちゃなー♪」

爽(うぇひひひ・・・ ここで私がトップ、憩ちゃんをラスに沈めれば、天使のうんこを見れるだけでなく… セーラをパシリにして、清水谷と憩ちゃんで両手に花・・・ やべっ、想像しただけでヨダレが…ww)グフォフォフォフォ・・・


ニヤニヤとしまりのない笑いを浮かべる爽・・・

このあと、自分が地獄の淵を彷徨うことになることなど、この時は微塵も考えていなかった・・・



竜華「・・・何ニヤついとるんや獅子原。 えっとな、一つだけ忠告しとくけど、こないだみたいに“サマ”を使うことだけはやめとくんやで?」ヒソヒソ

爽「え?」

竜華「お前病院で対局した時に、イカサマで勝とうとしてたやないか。 ここは卓の周りにカメラもあるし、サマがバレたら罰金&出禁にさせられるで、絶対やったらあかんで?」

爽「はいはい、大丈夫ダイジョーブ! 分かってますって…」





         憩

        ___   
       |   | 
席順→ セーラ|   |竜華

       |   |
        ―――
         爽(起家)


東一局:親・爽


場決めが終わり、席についた4人… 大阪四天王のうちの3人と、北海道最強の女の命運をかけた半荘戦の火ブタが切って落とされた…


爽(私が親か… オッ、ダブ東が暗刻で揃ってる上に、ドラも一つある… よっしゃ早速稼がせてもらうぜ…!)カチャカチャ

爽(ヒヒ… ここまで私は本気出してねーからな。 雲もカムイも完全に温存してる… いくらこの3人が相手でも、本気の私は止められねーぞ!w ・・・ん?)カチャカチャ、 ピタッ

憩「……」ニコニコ

爽「…憩ちゃん、何、理牌しなくていいの?」

憩「ふふっ、心配せんでええでーぇ♪ もう全部ココに入っとるから」トントン


憩は人差し指で自分の頭を軽く叩いてみせた。


爽「……」



対局開始・・・


 ザワザワ・・・  カチャッ  パシッ  タァンッ  ガヤガヤガヤ・・・  カチャッ  パシッ  タァンッ・・・・


ざわつく観客席をよそに、静かに牌を操作し始めた4人…

そこへ、


 ガチャッ・・・


フナQ「ふぅ、遅くなりました…」

怜「ったく、ジャンケンで勝ったからて、病人を残して先に行ってまうなんて… ハクジョウやで竜華」

泉「園城寺先輩はずっとソファで寝とったやないですか・・・ って、え?!」



爽・竜華・憩・セーラ「「「「・・・・・・・・」」」」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・・・!!



部室の片付けをまかされていて遅れてやって来た3人が、部屋に入った時・・・ ステージの上はただならぬ雰囲気に包まれていた。


泉「えっ、アレって… 荒川憩?!」

フナQ「なんでまた荒川憩と…」

怜「…始まったばかりみたいやな。 こらおもろいモンが見れそうやわ」


セーラ「フナQ… ありがとな片付け。 俺らは今見ての通りや。 終わるまで話しかけるんじゃないで」チャッ  タァンッ

竜華「怜… うち集中したいで、悪いけど静かに見守っててな…?」チャッ  タァンッ


泉「・・・なんか、いつもと違って二人ともメッチャ真剣な顔してますね」ヒソヒソ

怜「そらそうや。 何しろ相手は荒川憩なんやから…」

フナQ「大人しくモニターで観戦させてもらいましょか…  ん?」

泉「アッ、獅子原さんが…!」


 八巡目


爽(よしっ、張った…! ダブ東メンホンドラ1… ダマでもハネ満… リーチかけて一発か裏が乗れば親倍だぜ…!)

爽(八巡目でメンホン張ってるとは誰も思わねーだろな…w しかも待ちは二・五・八索待ちの三メンチャン…!)

爽(うむ… リーチかけたいとこだけど、ここはちょっとダマで出和了り期待だな… ひひ… 振り込み待ってるよ皆さん…!)タンッ


表情がゆるみそうになるのをこらえながら牌を切った爽・・・

しかし


 「その待ちじゃ和了れませんよ? 爽さん」


爽「え?」


頭の中で、ささやくような声がしたような気がした爽は、顔を上げて正面を見た。


憩「……」ニコニコ

爽「…憩ちゃん? 今なんか言った?」

憩「へ? 何も言うてませんよーぅ?」

爽「……」


 九巡目


爽(確かに憩ちゃんの声がしたと思ったんだけどな… 変だな、気のせいか…?)チャッ

爽(あれ、ドラが来た… んー… でもここは待ちの多い現状維持で… まだ誰も張ってねーよな?)タンッ


 「…あれ、そのドラ抱えて張り替えた方が良かったのに」


爽「?!」ガバッ

憩「……」チャッ タンッ


今度は爽には目もくれず、何気ない様子で牌をツモ切る憩・・・


セーラ「なんや? どないしたんや獅子原」

爽「ん? あ、いや、えっと・・・ いや、なんでもない…」チャッ

爽(… 今の絶対憩ちゃんの声だよな…? でも、横の二人は気付いてない…? どういうわけだ… 幻聴か…?)


 十五巡目


セーラ「リーチ!」タンッ!

竜華「ここでリーチ? 誰も出さへんで?」

セーラ「うっさいわ。 自分でツモるでええんや」


爽(・・・おっかしいな? 全然当たり牌こねー… 八巡目で3メンチャンって、他家に和了られない限り普通和了れるぞ…?)チャッ タンッ


しかし… 結局最後まで待ち牌は出ず… 場は流局となった。


爽「… テ、テンパイ…」パラララ

竜華「ノーテン… わっ、獅子原ハネ満張っとったんかい」

憩「テンパイやでー♪」カチャカチャ  パラララ

セーラ「あぁくそっ、テンパイや」パラララ


爽「・・・ ?!?!」ギョッ


何気なく憩とセーラの手牌を確認した爽は、頭がサッと冷たくなるような感覚を覚えた。


爽(・・・憩ちゃんの手牌に二索と八索が3つ・・・ そしてセーラの手牌に五索が3つ・・・? 八巡目までに、二索と八索は一つずつ河に出てたから…)

爽(もしかして… 張ってた時点で本当に和了り目が無かったのか…?)ゾオオォ・・・


憩「……」



   爽:26000点
   憩:26000点
 セーラ:25000点
  竜華:22000点  供託:1000点


泉「…流局ですね。 獅子原さん、八巡目で3メンチャンで張っとったのに、結局和了れませんでしたね」

フナQ「・・・荒川が握り潰しとったからな」

泉「え?」

フナQ「江口先輩は最後まであの五索の暗刻は必要やったけど… 荒川は二索と八索を切る選択も十分考えられた」

怜「せやな。 タンヤオからジュンチャンに移行できそうな時あったで」

泉「・・・でもそれはしなかった… ってことは、二・八索が獅子原さんの和了り牌やって分かっとったってことですかね」

フナQ「和了り牌どころか… 13牌全部を分かってたかもしれんで」

泉「は?!」


泉「13牌全部…? そんな、まさか…?」

怜「そのまさかがアイツには通用しないんや。 荒川憩の読みの精度の高さは多分全国一やで」

泉「でも、八巡目で相手の手牌を全部透かして見るなんて、人間業じゃないですよ… 荒川も何かのオカルト持ちですか?」

フナQ「違うな。 荒川の読みの精度の高さを支えとるのは、オカルトやなくて人間的な力・・・ 私の分析では大別して4つある。 『記憶力』と『洞察力』と『読心術』・・・そして『バイタルの読み取り』や」

泉「バイタル…?」

フナQ「理牌時や、打っとる時の相手の体温や脈拍、発汗、呼吸などを読み取って相手の手牌や心理を読んどるんや」

泉「あ… え、それって清水谷先輩の最高状態と同じですやん」

フナQ「せやで。 ナースである荒川は、シラフで常に“無極点モード”に入っとるようなもんなんや」

泉「…マジですか」


フナQ「でもバイタルの読み取りは荒川にとっては付随的な能力なんや。 あの人の雀力を支えてる最も基幹となる力は多分『記憶力』やで。 私は荒川は『共感覚』の持ち主なんじゃないかと思っとる」

泉「きょうかんかく…?」

怜「アレやろ。 航空写真を一目見ただけで、細かいとこまで全部把握して絵に描けるとか、そういうんやろ?」

フナQ「そうですね。 まあ俗に言う天才… サヴァン症候群とか言われることもありますが、常人離れした劇的な記憶力を持っとるわけです」

怜「荒川はいつも配牌時に手牌をサッと一目見ただけで理牌もせずに他家のこと観察しとるけど、アレって最初に一瞥しただけで全部記憶しとるみたいやな」

フナQ「はい。 でも記憶してるのは手牌だけじゃなくて、相手が何巡目でどの牌を捨てたか、ツモ切りだったか手出しだったか、手牌のどこらへんから切ったのか、その時の相手の様子は… といったことまで全部データとして頭に入れてくんです」

フナQ「さらには、荒川は一度対戦した相手やテレビで観戦しただけで、その打ち手の打ち筋や理牌の癖なんかを全て把握して記憶しとるみたいですね」

泉「・・・そんなことが、ほんまに人間にできるんですか?」

フナQ「それができてしまうんやな。 『共感覚』があれば・・・」

泉「えっと、すんません共感覚ってだからなんのことです?」

フナQ「一言で言えば、記憶をする際に普通とは違う感覚も使っとるっちゅうことや。 数字を見れば、数字一つ一つに特定の「色」や「形」が見えるとか、音を聞けば、音の高さによって特定の「匂い」まで感じたりすることができる人間がおるんや」

フナQ「そういった、五感を総動員して情報を脳裡に刻み込んどるから、一瞬にして大量のデータを記憶し、なおかつそう簡単に忘れることもないわけや」


泉「…ちょっとよく分からんのですけど…」

フナQ「ん~… 私も共感覚があるわけやないから、うまく説明できひんけど… そやな、例えば“merde”っていう単語… これどういう意味か知っとるか?」

泉「見たことないですね… 英語ですか?」

フナQ「フランス語で『うんこ』を意味する単語や」

泉「は?」

フナQ「共感覚がある人は、この“merde”っていう字の並びを見ただけで、うんこの臭いまで感じたり、本物のうんこが目に浮かんだりしてしまうわけなんや」

泉「あ… はぁなるほど… それなら確かにすぐ単語覚えられますね。 でもなんか大変そうですね共感覚って…」

フナQ「まぁ共感覚は常人には辿り着けん境地やけど… 人間はみんな、思ってる以上に感覚・・・つまり外界の刺激や情報をどう認知しとるかは一人一人でかなり違うんやで。 それが、人それぞれの個性や考え方の違いを生む要因・・・引いては争いを生む原因になることもあるんや」

泉「は、はあ…」

フナQ「例えば園城寺先輩の脳は、私の分析ではヒザマクラによって常人の20倍の快感物質が分泌されるようにできてるんや。 つまり私たちとは根本的に感覚が違うんやな」

怜「ちょい待ち浩子。 いつそんなデータ入手したんや?」

フナQ「機密事項なので教えられないんですわ」ムフフ・・・



泉「えーっと… じゃあこの半荘… トップになるのは誰やと予想してます?」

フナQ「・・・荒川憩や」

怜「まぁ多分荒川やろな」

泉「え、えぇ…? ちょっと、そこは身内の江口先輩か清水谷先輩を推すところじゃないんですか?」

フナQ「残念やけど、実際、荒川はあの二人との直接対決で勝ってきとるんや。 大阪四天王… 荒川憩・江口セーラ・清水谷竜華・愛宕洋榎は、中学の時から何度も公式試合でお互いに対戦してきとるけど… 荒川は残り3人に対する勝率… つまり順位が上だった割合が7割前後もあるからな」

フナQ「つまり四天王の中で、荒川だけがレベルが一ランク高いと見るしかないんや。 荒川と勝率が五分の人は、大阪では今んとこ園城寺先輩だけやで」

泉「あ… インハイ予選の団体戦決勝で、園城寺先輩は荒川に稼ぎ勝ってましたもんね」

怜「まあな… うちはあれが初対戦やったんや。 でもな、そのあとの個人戦での対戦では正直ボコられたで。 うち病弱やから個人戦ではあんま無理することできんかったっちゅうのもあるけど、そん時は一回もリーチ一発がキメれんかったんや。 リーチすると、必ず荒川が待ち構えたように鳴くか、他家を鳴かせて毎回ズラされてまったからな…」

フナQ「まるで“天の目”で見てるかのように卓全体を把握し、他家も使って自分が有利な方に持っていこうとするのも、荒川の打ち筋の特徴ですよね」

怜「せや。 アイツ虫も殺せんようなカオしとって、相当に嫌らしくえげつない打ち方するからな…」

泉「え、それはどういう・・・」

怜「見とれば分かるで、多分」


東一局一本場:親・爽


爽(…さっきのはなんだったんだ…? って、気になるけど、まだ私の親番… ここは集中しねーと…)

爽(半荘一回の勝負だから、親番は2回しかない… ならもう、ここで…)

爽(やるしかないか!!)ブワァッ!


竜華「!?」

セーラ「…ん?」

憩「……」


爽(雲もあるしカムイも連れてきてる… この半荘、総動員して勝ってやる…! まずは…)

爽(赤いの!)ボッ!


怜「…おっ、獅子原が仕掛けてきたみたいやな」

フナQ「北海道のオカルトデパート獅子原爽・・・ まずは何から… ん?」

泉「え、この配牌…」

怜「せやな。 字牌が偏っとるな…」






 七巡目


竜華(…? 手牌にも河にも全然字牌が見えんな… なんやこれ?)

セーラ(ふん、獅子原… 早速なんか使い始めたな…?)


爽(いししし…w 赤い雲は、相手の手牌に流れる字牌を完全にシャットアウトできるんだぜ…!)

爽(かつてアイヌの神が天地創造の際に、赤い雲を金銀財宝へと変えた…)

爽(麻雀の萬子、筒子、索子は全てお金やその単位などを表したものだから、赤い雲を相手に向ければ、数牌しか集まらない… つまり必然的に私のとこにだけ字牌が集まってくる…!)

爽(早くも張ったぜメンゼンで小三元…! あと發が来れば大三元に手替わりもできる…)

爽(待ちは二・五筒の両面待ち… ここもダマで出和了り期待だな…)

爽(でも、このメンツじゃさっきみたいに最後まで出ないことも十分有り得る…)

爽(よし、ここは念には念を入れて…)ゴゴゴォ・・・


爽(出でよ寿命の支配者・・・! パ コ ロ カ ム イ !!)ズオォッ!!


“パコロカムイ「……」ヌボアアアァァ・・・・”

憩「…?」ビクッ


老婆のような姿をした、真っ黒な闇のようなカムイが憩にまとわりつく・・・


爽(私にとって一番削りたい相手は当然対面の憩ちゃん…!)

爽(パコロカムイは当たり牌をつかむ呪い…! さぁ憩ちゃん、もう逃げられないぜ…? さっさと私に振り込めよな!ww)グヒヒヒヒ・・・


憩「……」


 八巡目…

憩「……」チャッ

憩「…ふぅーん?」パシッ  タンッ


 九巡目…

憩「…!」チャッ

憩「あぁ… はぁ、なるほどねーぇ…♪」パシッ  タンッ


爽(…? 何感心してんだ? ・・・ふん、パコロカムイに憑かれたら、その牌が余るまでつかまされ続けるんだぜっ! とっとと出せよ憩ちゃん!)


 十巡目…

爽「…」タンッ

憩「あ、それポンやでーぇ♪」パシッ


 十一巡目…

セーラ「ほいっ」タンッ

憩「またポンやで♪」パシッ


爽(…チッ、私のツモ番飛ばしやがって… 私より早く和了るつもりかな? でも今さら鳴いたって追いつくかよ… あの超早和了りの末原さんですら、この赤い雲とパコロカムイのコンボでは逃げ回ることしかできなかったんだからな…!)

爽(あの時は横からネリーに邪魔されて結局和了れなかったけど、今回は和了ってやる…! さぁ早く振り込めよ憩ちゃん!)



憩「・・・爽さん」

爽「え?」

憩「あんた… 今から3巡以内に振り込むで」ニタアァ・・・



爽「・・・は??」


今度は幻聴ではなかった。

セーラと竜華も顔を上げ、憩を睨み付けている。


セーラ「…おい、なんや今の口三味線は、荒川…」

憩「あれ? あ、ごめんな思わず口に出とったみたいやわーw」ケタケタ

セーラ「フザケんなや! マナー違反にも程があるでっ!」クワッ

憩「堪忍やでーぇ… どーにも手がうまく進まんもんで、悔しまぎれがうっかりもれてまったんやわ。 気をつけるで許してや~ぁ?」ウワメヅカイ


セーラ「…ふん、二度目はないからな、荒川…」

憩「おおきにーぃ♪ やっぱ江口さんは心が広いなーぁ♪」ニコニコ


爽「……」

爽(何今の、どゆこと…? つまり予告ロン…? それともセーラか清水谷が私から和了るってことか…?)

爽(…憩ちゃんはさっき四萬とオタ風をポン… これってまだ役無しだよな… …いや待て、トイトイか…?)

爽(トイトイ狙いなら、このままパコロで憩ちゃんに二・五筒を送り続けたら逆に取り込まれて和了られる…?)


セーラ「…獅子原気にすんな、はよツモれや」

爽「お、おう…」チャッ


しかし十三巡目


憩「……」タンッ

セーラ「・・・それ、ポンや」パシッ


爽(なっ? セーラがドラをポン…? う…こえぇな…)


セーラ「……」ゴゴゴォ・・・

竜華「……」ズモモモォ・・・

憩「……」ヒョオオオォ・・・


爽(な、なんだこれ… もしかして全員張ってる…? う…早く出せよ憩ちゃん!)ハアハア


そして十四巡目…


爽「…」チャッ

爽(!! ここで發…! うーん…?)

爽(發は切った方が待ち自体は広い… でも、当たり牌をつかんでる憩ちゃんは、どうも私の待ちを分かってるっぽい…)

爽(ここは待ちを変えて、三筒か四筒の単騎で待った方がいいか…?)

爽(………)

爽(四筒は場に二枚出てる… こいつで振り込むことはまず無いだろ… 三筒はこの巡目でまだ生牌だ… 出る可能性はあるっ!)

爽(第一、この發を残すか残さないかで、点数は何倍も違ってくるんだ…!)

爽(よしっ、女ならイク時だろこれは! 大三元三筒単騎待ちで勝負っ!!)タァンッ!




 「ロン」



爽「え?!」


 「タンヤオ、ドラ3・・・」パラララ・・・・


苦々しい顔で、爽の上家が牌を開く・・・


セーラ「満貫、8000の一本場は8300や」


爽「はあぁ・・・? うっそ、四筒地獄待ち・・・??」



泉「うおっ…! 荒川の予言通りになっちゃいましたね…」

怜「獅子原の奴、ハトがムーンサルトプレスくらったようなカオしとるな」

フナQ「うまく誘導しましたね、荒川は…」

泉「え?」

怜「この局… 獅子原は他家に字牌が回らず、自分にだけ回るようにようにするオカルトをまず使っとった… 荒川がそれにいつ気がついたんかはよう分からんけど、獅子原が小三元を張って呪いをかけた直後、すぐ全部分かったみたいやな」

泉「当たり牌は二・五筒… でもそればっかり来るんなら、捨てなければ逆に刻子をつくるチャンスになりますもんね」

怜「せや。 それを利用して自分はトイトイを狙いつつ… 鳴くことで自分の下家のセーラの手を進める目的もあったみたいやな」

泉「え…? じゃあ、江口先輩にドラを鳴かせたのも、ワザと…?」

フナQ「アレはまぁ、自分の不要牌だからってのもあるけど、ドラを出せば必ず江口先輩が鳴いてくるとは踏んでたやろな。 江口先輩はあんま鳴かん人やけど、いくらなんでもあそこでドラの見逃しは有り得んからな…」


怜「アレでセーラはタンヤオドラ3をテンパイできた… そして、あえて地獄待ちに組んだ」

泉「江口先輩、生牌よりはあえて河に出てる牌で待つこと多いですもんね」

怜「一見ムチャなとこから強引に豪快に高目を和了るのがセーラの真骨頂やからな… 失敗も多いけど」

フナQ「荒川はそういう江口先輩の打ち方も考慮に入れて誘導したんでしょうね。 獅子原さんは、發は安牌なんだからツモ切りで良かったのに、あの荒川のトラッシュトークに惑わされて、待ちを変えてしまったせいで、結局振り込んでしまったわけですね」


泉「でも… それってつまり、荒川はワザと江口先輩に満貫を和了らせたことになりますよね…?」

フナQ「いや、一番は獅子原の大三元を成立させることと連荘を警戒しとったと思うけど、結果的にはそうなっとるな… 多分8000くらいすぐ追いつけると思っとるんちゃうかな?」

泉「なんですかそれ? 江口先輩、ナメられてますね… 荒川にペロペロされてるじゃないですか」

怜「せやで。 ペロリンチョされとるでww」

泉「っく…! 江口先輩… ナメられっぱなしとかやめて下さいよ…?」



爽「・・・・・」ポカーン…

セーラ「何を唖然としとるんや獅子原。 まだ東一局が終わったとこやで?」

憩「ふふっ、まずは江口さん一歩リードですねぇ」ニコニコ

セーラ「・・・荒川お前… 俺らを掌の上で転がしとるつもりやろうけど…」

セーラ「あんま調子にのらん方がええで? 俺の支援なんかしとったら… 必ず後で後悔することになるでっ!」カッ

憩「あれ、江口さんそれ脅迫ちゃうん? 楽しく仲良くやりましょーよw」ニタニタ


セーラ「なんやとぉ・・・?」

竜華「二人ともやめーや。 こっからうちの親番や。 二人まとめて仲良くトバしたるで、ケンカはそのあとにしぃや」

セーラ「あぁん? 竜華お前… その冗談、全然おもろくないで?」

憩「ま、お手並み拝見やな。楽しみやでーぇ竜華さん♪」


竜華・セーラ・憩「「「………」」」バチバチバチバチバチィ・・・



爽(・・・なんか帰りたくなってきた)



 セーラ:34300点
   憩:26000点
  竜華:22000点
   爽:17700点  

止まります。
また多分明日の夜から続き書いていきます。


東二局:親・竜華


爽(いやいや待て待て落ち着け…! まずは状況を整理しよう…)

爽(要は憩ちゃんは、どうやってんのかは分かんないけど、多分尋常じゃなく他家の手牌を読む能力が高いんだ…)

爽(まぁ何しろ2年連続全国個人戦2位だもんな… それくらいできても不思議じゃない…)

爽(・・・だが!)

爽(この半荘だけは勝ってやる… 雲もカムイもまだまだあるんだ。 よし、まずは… コイツで清水谷の親を、流す!)ブワアッ・・・!


竜華(さーてうちの親番や… セーラと憩ちゃんを同時に相手しとるわけやから、親番で稼がなトップをとるのは到底無理な話や…)

竜華(・・・ふふw 長野で獅子原と打った時は使えんかったけど、今日はキッチリチャージしとるで、アレが使えるで・・・!)ゴゴゴゴオォ・・・


 怜(… お、竜華、ここで出すんか)ニヤ


竜華(イクで…! ここに… “怜を感じる”…!!)ピカアァー・・・!


 フワアァ・・・ッ!


竜華の太モモから、三頭身の妖精のような少女が現れる…!


枕神トキ「ほーい♪まいどおなじみ、チリ紙交換やでー! ・・・って、いつの時代や!!」フヨフヨ

竜華「トキちゃん…! ボケとかそういうんええから、はよ未来を見せてや。 大事な一局なんや…!」

トキ「なーんや連れへんなー… まぁええわ。 どれどれこれは… んっ んん??」


竜華「? どうしたんやトキちゃん?」

トキ「いや、その、えっとなぁ…  …見えないんや」

竜華「は?」

トキ「み、未来が見えんのや… な、なんでや? こ、こんなこと初めてやで…?」

竜華「え、ど、どゆこと?」

トキ「霞がかかったようになって何も見えへんのや… 一体、これは… ん? ふっげええぇぇっ??」


?「……」ヌウウウゥゥ・・・・


ホヤウカムイ「……」ズモモモモモモモモオオォ・・・・


トキ「な、なんやこのバケモンは?! ちょ、ウチ蛇はキライやでっ!!」=3=3

竜華「え…? ト、トキちゃん、何が見えとるんや?」

トキ「大蛇やっ! 翼が生えた大蛇がおんねん!!」=3

竜華「は、はぁ…?」


 “ブッフォアアァァ――――ッッ!!”


トキ「んげえええぇぇっっ?!?!」


トキ「んんんけほっ! げっほぉっ!! くさっ! めっさ臭ァ!! あああもうアカン! こんなん嫌や! ウチ帰るでっ!!」ドヒューン・・・


ホヤウが吐き出した毒霧のようなものを浴びたトキは、たまらずどこかへと飛び去ってしまった…


竜華「ちょ… トキちゃん? ど、どうしたんや…  ん?!」

爽「……」ニヤニヤ

竜華(…! そうか、獅子原… お前の仕業やな…?)ギロッ

爽(むひひ…! ホヤウカムイは、その強烈な異臭で、どんな異形も妖怪も退けることができる最強のオカルトキャンセラーだ…!)

爽(あの宮永咲やネリーの能力すら完封したんだからな… この卓では、私以外は誰もオカルト能力は使えないぜっ!)グヒヒヒ・・・


竜華(……)

竜華(小癪な奴やな獅子原… まあええわ、別に… だけどな…)

竜華(お前ごときがどんだけコソクな手を使うたとこで、うちを止められるなんて思うなよ…?)ゴゴゴォ・・・

竜華(うちとお前では“地力”が違うんや! 覚悟せえや獅子原… “格の違い”ってモン見せたるわっ!)カッ


 九巡目

 チャッ  パシッ  タンッ   チャッ  パシッ  タンッ・・・・

憩(んー・・・ ちょっと手が進まへんなーぁ… 3人ともぼちぼちテンパイしそうやのに…)チャッ

憩(竜華さんの親は早目に蹴りたいんやけど… ここは無理せず、回し打ちして様子見ましょかね♪)タンッ


 十巡目

爽(…! おしっ、張れた…! 役なしテンパイだけど… 自風の北が来れば役牌で和了れる…!)チャッ

爽(北はまだ生牌… 他の奴らにとっちゃオタ風なんだから、これは出るだろ… 打点は低いけど、ここもリーチなしで、まず和了る…!)タンッ


竜華「……」


 十二巡目…

セーラ(……)チャッ

セーラ(うしっ、張ったで… タンヤオピンフイーぺーコードラ1… リーチかけてツモればハネ満や…!)

セーラ(こん局は荒川に動きはなし… 獅子原が張っとるようやけど、どう見ても安手… 一気に攻めるでっ)カッ

セーラ「とおらばリーチや!」ドッ


 「ロン」


セーラ「え…?」


 「三色同順チャンタドラ1・・・」パラララ・・・


竜華「親満12000や、セーラ」ニタリ

セーラ「ぶぉっ はあぁ?!」=3


爽(!? 私の和了り牌の北が対子でアタマ…? こんにゃろ! 取り込まれてたか…)

セーラ「…くっそ、なんやそのキモい捨て牌は… なんで最初に一萬二萬捨てといてチャンタやねん!」

竜華「ごっそーさんやでー♪」


憩(竜華さん… 捨て牌に迷彩をかけつつ、江口さんの余剰牌をカンチャン待ちでピンポイントで釣り上げた… さすがやな…)

憩(ふふ… 他人の殴り合いの観戦ほどおもろいモンはないで…♪w)



  竜華:34000点
   憩:26000点
 セーラ:22300点
   爽:17700点 



泉「オッ、清水谷先輩が和了って… 一気にトップに立ちましたね」

怜「読み切った上でのトリッキーなプレイ・・・ 竜華らしいな」

フナQ「江口先輩は正直守備が甘いとこありますからね… 清水谷先輩や荒川にとってはぶっちゃけ直取りしやすいでしょな」

泉「“取られてもそれ以上稼げばええ”が信条の人ですからね… あれ、清水谷先輩が、また…」

怜「うん、ええ配牌やな。 こらまた和了るかもな…」





東二局一本場:親・竜華

 五巡目

竜華「………」ゴゴゴゴゴゴオォ・・・

憩(…? あかん、まだよう見えんけど… 竜華さん張っとるんかな…?)

憩(張っとるとしたら、これは高い… うーん… ツイてくるとこの人手がつけられんくなるで、止めたいけど…)

憩(ウチはまだ三シャンテン… 追いつくのはちょっと無理があるで… 困ったなーぁ…)チャッ

憩(中かぁ… んー… よし、じゃあこれで…)ツモギリッ!

爽「! ポン!」カシャッ


 七巡目


憩(あっ、良かった間に合ったでーぇ♪ 爽さん、プレゼントやでっ!)ツモギリッ

爽「ロォ――ンッ! えっと、中のみ、1300は1600…!」パラララ・・・

憩「ありゃっ!」

竜華「・・・ぅぐっ」


 泉「あれ、獅子原さん、荒川から出和了りしましたね。 でも、これって…」

 怜「せやな。 あからさまな差し込みや」

 フナQ「清水谷先輩がすでにメンタンピンドラ2満貫を張ってましたからね… 多分それを流すのが目的でしょな」


憩「あらら、やられてもうたわー… 爽さんそこで待っとったんやなー」

爽「いしし…w 憩ちゃん、今は手加減したけど、次はデカいのもらうから覚悟しとけよ…?」ニタニタ

憩「怖いなーぁ、お手柔らかにお願いしますよーぅ」ニコニコ

爽(…なぁーんだ、和了れるじゃん。 こっちの手透けてるんかと思ったけど… さっきのはマグレだったんだな、やっぱりww)

セーラ(シ、獅子原お前… ほんまに分かっとらんのか…? どんだけおめでたい脳ミソしとるんやまったく…)

憩(ふふっ、1600で場が回るんなら安いもんやでーぇ♪)



  竜華:34000点
   憩:24400点
 セーラ:22300点
   爽:19300点 


東三局:親・憩


爽(さて憩ちゃんの親番か…)

爽(連続で和了ってやるぜ…! さっき、赤いのは結局失敗したけど…)

爽(今度こそはキメるっ! 白いのっ!!)ボボッ!


 配牌・・・


セーラ(来てもうたな、荒川の親番…)カチャカチャ

竜華(ソッコーで流したいとこやけど… んー… さすがに3連続ええ配牌はないか…)カチャカチャ

爽(・・・よっし! 13牌中11枚が索子… いい感じに竹生えてるぜ…!)カチャカチャ

爽(かつてアイヌの神は、白い雲を動物や草木へと変えて、大地を豊かな森林で埋め尽くした…)

爽(この白い雲を私自身にかければ、竹・・・つまり索子が集まってくるんだよっ!)

爽(インハイでは白い雲でチンイツ8000オールをツモったからな… ひひ… こっからは私の独壇場だぜっ!)


憩「……」


 三巡目


爽(よし、よし、来る来る…! 早くもチンイツ一シャンテン…!)タンッ

憩「ポン」カシィッ

爽(ん…?)


 四巡目


竜華「……」タンッ

憩「それチーやでー♪」カシャッ


爽(憩ちゃんが加速してんな… でもあからさまな安手… そんなもん怖くねー! 私にはガンガン竹が来てんだ… 先に和了ってやる!)


 六巡目


爽(…)チャッ

爽(はい張りましたぁ! メンチン… 一索切れば、三、五、六、七、八索待ちの五メンチャン…ww)

爽(憩ちゃんが追っかけてきてるし… ここはやっぱ確実に、ダマで…)タンッ


 「ロン」


爽「…はい? マジ?」

憩「マジですよーぅ。 發のみ、1800やで♪」カチャカチャパララ・・・


爽(どちくしょう…! 私のメンチンを、あんな安手で…!)

竜華(…? 憩ちゃんの手牌… 發の暗刻と、三、四、五筒の順子…)

竜華(で、五巡目に六筒を手出しで捨てとる…?)

竜華(つまり… 憩ちゃんは四巡目にチーした時点で三、六筒待ちですでに張っとったんや…)

竜華(それなのに、わざわざ五巡目にツモった一索を残してそれ単騎で待ったわけやな…)

竜華(まるで、獅子原から一索があぶれ出ることを分かっとったみたいな打ち方やな…)


憩「運が良かったでーぇ♪ さぁ、一本場イキますよぅ!」



  竜華:34000点
   憩:26200点
 セーラ:22300点
   爽:17500点


東三局一本場:親・憩


爽(こんちくしょうラスから抜け出せねぇ…)

爽(インハイで数え役満和了ったアッコロを使いたいとこだけど…)

爽(アイツは昨日、戒能プロが召喚した魔神たちにカルパッチョにされて食べられちゃったんだよね…)シュン

爽(でもでも! まだまだ私には手がある…! みくびんなよ北海道最強を…!)カッ





 二巡目


爽(北と南のオタ風二つ… うーん…)チャッ

爽(! 来たっ! 場風でドラの東…! よしここだっ!!)


爽( フ リ カ ム イ ッ !! )バッ


 “ブワアアアァァッッ!!”


爽の背後に、巨大な怪鳥、現る・・・!

止まります。
また週末に書いていきます。


竜華「!?」ピクッ

セーラ「…む」

憩「……」


竜華(… なんやこの威圧感は… 獅子原の奴、またなんか出しよったな…?)


怜「ん・・・ なんやありゃ」

泉「園城寺先輩? また何か見えるんですか?」

怜「見えるで… 獅子原の後ろにバカデカイ鷹みたいなトリがおんで」

泉「さっきは蛇を出してたんですよね… 立て続けに色々やってきますね」

フナQ「オカルトの種類の多さだけなら獅子原さんは間違いなく全国一や。 巨大な鳥ということは・・・恐らくフリカムイでしょうね」

怜「フリカムイ…?」

フナQ「アイヌ民族の間で伝説として言い伝えられてきた、人の何倍もある怪鳥… その羽ばたきで起こされた突風は、木々や家々を吹き飛ばすほどの力があったそうです」

怜「ふぅん… てことは、臨海の傘の人みたいに、自風を呼び込むことができるんか?」

フナQ「いや、配牌時から常に自風や場風を呼び込む雀明華とは違い… 手牌に“自風以外の風牌”が来た時、それをさらに呼び込むことができるみたいです」

泉「なんかややこしい能力ですね…」

フナQ「いやいや、普通自風場風以外の風牌なんか、早々に切ってしまうことが多いやろ? それを呼び込むことができるのは大きいで。 状況次第で染め手やトイトイを簡単につくれる… 速度も火力も兼ね備えた恐ろしい能力や」



 六巡目

爽(……)チャッ

爽(よし、よし、来る来る…! 東南北… 自風の西以外の風牌が全部対子で揃った…!)

セーラ「ほいっ」タンッ

爽「! ポォーン!w」カシィッ!

セーラ(ん…? オタ風鳴いてきよった)

竜華「うっさいわ獅子原、もうちょい静かに発声せえや」チャッ

爽(うししし…w 早くも字牌と筒子で染めたぜ…! 和了ればホンイツドラドラ決定… 一発ドカンとかましてやるぜっ!)


憩「……」


 七巡目

竜華「…」コトッ

憩「チー」カシャッ


セーラ「とりゃっ」タンッ

憩「ポン!」カシャッ!


爽(む… 憩ちゃんがまた2鳴き… テンパイか…?)


 九巡目

憩「…」コトッ 打:一筒

爽「! ポン!」カシィッ


竜華(獅子原、オタ風と一筒の2鳴き…?)

セーラ(チャンタ… いや、ホンイツか?)


 爽手牌:⑦⑨⑨⑨東東南南  鳴き:「北北北」「①①①」

 ※①②③=筒子


爽(うおおおぉ僥倖…! 7筒捨てればホンイツ・ホンロー・トイトイ・ドラドラテンパイ…!w)

爽(東でも南でもあと一枚くれば倍満確定! 次の巡目で和了って一気にトップだっ!!)タンッ



 「・・・ロン」


爽「は、はあ? また?」

憩「タンヤオ、1500の一本付けですよーぅ♪」カチャカチャパラララ・・・

爽(・・・? 2鳴きしてたからもしかしてとは思ってたけど… 七筒単騎待ち…? なんか… なんか変だな…?)ザワワワァ・・・



  竜華:34000点
   憩:28000点
 セーラ:22300点
   爽:15700点


泉「荒川の連荘… 安手とはいえ、能力全開の獅子原さんから連続で和了っちゃいましたね」

怜「いや、これは… 獅子原の異能を逆手に取っとるんや」

泉「逆手…?」

怜「泉も松実宥と対戦した時、萬子や中が集まることを逆手に取って和了ったやろ?」

泉「あ、はい… で、でも、松実姉妹と違って、獅子原さんは局ごとに能力を変えてくるじゃないですか。 事前に能力に備えて打つのは無理ですよね?」

フナQ「そやな、荒川憩以外の人間にはな…」


泉「…」

フナQ「荒川は危険の察知… その感度が常人離れしとるんや。 この局、九巡目に獅子原さんが一筒をポンした時点で、ホンイツやホンロートイトイを警戒するのが常人の感度…」

フナQ「しかし荒川は周囲への読みが抜群に利くために、その危険の予知が普通より2巡から3巡ほど早いんや。 だからその分、早目に対策を打って行動することができる…」

怜「そやな。 あの一筒を鳴かせたのも、たぶん七筒をあぶり出すためのエサやで」

泉「… 異能封じ… “異能殺し”の荒川ですか…」

フナQ「そうやな、全国には様々な異能の力を持つ高校生がおるけど… 天江衣や大星淡といった全体効果系の能力以外は、殆ど荒川には通用せんかもしれんな」

フナQ「人間的な力だけで異能も封殺して卓を支配し、操作する… それがチャンピオン宮永照に次ぐ実力者、荒川憩なわけや」


東三局二本場・親:憩


 五巡目

セーラ「リーチ!」タンッ!

憩「…!」

セーラ(荒川が速くて追いつけへんかったけど… この局はもらったで!)

爽(五巡目リーチ… くそっ、フリの二撃目はちょっと無理があるな…)

爽(とにかく安手でもいい… 先に和了る!)

爽「チー!」カシャッ


セーラの捨て牌を鳴き、爽、打:南…

ところが、


 「・・・ホンイツをあきらめてタンヤオ狙いですかぁ? 確かに安手やね…」


爽「えっ?!」ガバッ


憩「……」ニコニコ


爽(…? まただ… またあの、頭の中に聞こえてくるような声…)

爽(なんなんだ…? なんなんだホントに…??)


憩(…ふふっ、爽さんええ反応するなぁ… 見とってあきないわこの人はほんまにw)

憩(別に魔法を使っとるわけとちゃうで。 これは… ウチが看護の実習の中で身につけた力なんや)

憩(看護の現場は嵐みたいな所や… その中で求められるのは、五感を研ぎ澄まして、複数の患者さんたちの症状や気持ち…声やわずかな動きなどの信号を感じ取ること…)

憩(特に、重症の患者さんの信号は重要や… 見落としは即大事に至りかねんからね)

憩(看護の現場にしばらくおれば、騒がしい場所でも、そういった重症の患者さんの声だけはどんなにかすかな声でもハッキリと聞き取れるようになる…)

憩(そのくらいのことは看護婦はできて当然。 母親が自分の赤ちゃんの声はどんな状況でも聞き逃さないのと一緒やからね)

憩(でも、ウチはいつの間にかさらにその上… 「特定の人の声を聞き取る」のの逆、「特定の人にだけ自分の声を聞かせる」こともできるようになったんや)

憩(ふふ、爽さんアンタは今… ウチの水槽の中で泳いどる金魚みたいなもんやで…)

憩(ウチがささやけば、敏感に反応して水面まで上がってくるかわいい金魚…)

憩(そこでエサをあげると見せかけて、縁日の金魚すくいみたいに、すくい取られるとも知らずにね…w)


 七巡目

憩「追っかけリーチやでっ!」タンッ

竜華(! 憩ちゃんのリーチ…)

セーラ(仕掛けてきよったか… めくり合いで俺と張り合う気か…?)

憩「気長に待っとるでーぇ♪」


爽「……」チャッ

爽(くそっ、まだタンヤオ2シャンテン… こんなので二人のリーチに向かってくのは得策じゃない…)

爽(もう振り込むのはゴメンだぜ… 和了り目は残しつつ、軽くオリたい… んー…)チラッ

爽(セーラの現物… そして憩ちゃんがさっき捨てた牌のスジ… これなら、通る!)タンッ


 「ロン」


爽「・・・は??」

憩「リーチ・一発・ピンフ5800・・・」カチャカチャパラララ・・・

憩「二本付けは6400やでっ!」



   憩:35400点
  竜華:34000点
 セーラ:21300点
   爽:9300点


セーラ(チッ、荒川… 俺のリーチをおとりに使いよったな…?)

爽(え…? なんで? どうして?? どうして私だけ振り込んじゃうの…?)

爽(また単騎待ち… しかも三色を捨てて、わざわざ私の捨て牌で待ってる…?)

爽(手牌どころか… 考えまで読まれてるとしか、思えない…!)カタカタ


爽はようやく… 自分の対面に座っているのは、可憐な女子高生の皮をかぶった妖怪であるということに気づき始めていた…


爽(思えば… 東二局で和了れたのも、憩ちゃんの差し込みだったんだ…)

爽(オイオイなんだよこれマジか…? 私はずっと掌の上で踊らされてたってのか…?)

爽(ドチクショウ…! まるで底無し沼に足を突っ込んでるみたいじゃねーか… こんなの…どうやって闘えばいいんだよっ!)



怜「“いやあぁん! どうしてアタシだけ振り込んじゃうの?!”ってカオしとるな獅子原w」

泉「三連続獅子原さんからの出和了りで、ついに荒川がトップ… でも、なんだか、獅子原さんまるで魅入られたように… 荒川の和了り牌切っていきますね」

怜「せやな。まるで荒川が掘った穴に自分から飛び込んでっとるみたいや」

フナQ「獅子原さんはテンパイが近くなると目をキョロキョロ動かして残り牌数を確認したり、不要牌と若干必要な牌とで、捨てる時にタイムラグがあったりっていう癖があるんですよ…」

フナQ「それに表情にも気持ちがでやすいし、恐らく理牌にもなんらかの癖があって、荒川にとっては一番与しやすいんやと思います。 絶好のカモっちゅうわけですね」


憩(…ふふっ、ウチにはハッキリ聞こえるで… 爽さんのバイオリズム… そして心の動きが…)

憩(爽さんあなたは… 牌をさわる時の瞳孔の動きだけで、その牌の必要度が筒抜けで分かるんや…)

憩(それに、龍門渕病院での対局の時、じっくり後ろから打つところを見させてもらいましたからね。 理牌の癖や打ち筋も完璧に把握しとる… やろうとしてることは手に取るように分かるんですよ…!w)


爽「…」ハアハアハア


フナQ(あかんな… 獅子原さんはもう一種の錯乱状態や… こりゃ早期に決着が着いてまうかもしれへんな…)


東三局三本場・親:憩


セーラ(ったく、このままじゃ獅子原がトバされて勝負が決まってまう・・・ つーのに…)カチャカチャ

セーラ(配牌五シャンテン… あぁもう、安手でも時間かかりそやな…)

竜華(四… いや五シャンテンか。 あかんな、間に合うか…?)カチャカチャ

爽(くっそ… 天にも見離されてるぜ… なんだこれ六シャンテン…? こんなの久し振りに見たな…)カチャカチャ

爽(配牌やツモを呪うのは弱者の思考だけどさ… これはもう呪わずにはいられねーよ…)


憩「…♪」


 三巡目…


爽(来ない… ええいくそっ! もう、これは、やるしかねぇ…! これを使うしか勝てる方法が無いよマジで…)スッ

爽(相手の肉体に直接働きかけるから、インハイでは結局最後まで使わなかったけどさ…)

爽(ここは公式戦じゃないんだし、一回くらいヤッてもいいだろ…? 憩ちゃん…悪く思うなよ!)ズズズズゥ・・・

爽( パ ウ チ カ ム イ !!)ズオオオオオォォッ!!


憩「…?!」ビビクンッ


怜(ん…? アレは…)


真っ黒な・・・ 若い女のような姿のカムイが、触手のように憩にまとわりつく・・・


憩「ん…?」ビクッ

爽(うしゃしゃしゃっ!ww パウチカムイは淫欲の神… 本物の淫魔・サキュバスだぜっ!)

爽(こいつに取り憑かれると、どんなおカタイ清楚なお嬢様でもたちどころにメロメロのヘロヘロになっちまう最強のエロ邪神だ…!ww)

爽(クククク… 憩ちゃんのカラダは本当は私のこの手で直接気持ちよくさせてあげたかったけど、ここはイタシカタなし…)

爽(もう麻雀どころじゃなくしてやんぜっ! 快楽の渦に呑み込まれろ!荒川憩!! ・・・って、アレ??)


パウチカムイ「」ビクンビクンビクン


爽(は…? パウチカムイが痙攣してる… えっ、ナニコレなんで??)

憩「…爽さん、ウチはねぇ、ナースなんやで?」

爽「え?」

憩「産婦人科の知識も… アッチの方の知識も技術もウチはプロですよぅ? 女の子のカラダのことなら、誰よりもよく知っとるんやで…」クイックイッ

爽(・・・・マママママママジか?! パウチカムイを… 逆にイカせた? な、なんつーテクニックなんだよ! こいつホントに高校生か??)

爽(くっそ… ナニをやっても通じない…! 人間と麻雀をしてる気がしねえ…!!)ガクガク


 七巡目


竜華「チー」

セーラ「ポンや」


 泉「清水谷先輩と江口先輩が加速… でも、これ…」

 怜「せやな、二人ともまだ三シャンテンや…」

 泉「荒川は… 今回はじっくり手作りしてますね」

 フナQ「多分… 横の二人がまだ和了りまで遠いことを察知しとるんやろな。 これは… もしかするとこの局で決まってまうかもな…」


 十二巡目


爽(っく… 鳴いてやっと二シャンテン… でも、チャッチャと和了られちゃうかと思ったけど、意外と他家に動きはない…)

爽(もしかしたら私もワンチャンあるか…? まあ用心しつつ回し打ちで…)チャッ

爽(五萬・・・ んー…ド真ん中だけど… 一巡前にセーラが捨ててるし、憩ちゃんは二巡前から手変わりしてないんだから…)

爽(これで振り込むことはない!)タンッ



 「ロン」



爽「…は? なんで??」

憩「なんでって… だって和了りですもん♪ タンヤオメンゼン三色ドラ1…」カチャカチャパラララ・・・

憩「12000の三本付け、12900ですよぅ!」カッ


爽「…んっげぇ!?」


体中の血が逆流するのを感じる爽…


爽(セーラから和了らずに私を狙い撃ち…? そ、そうか、私をトバすために…)

カタカタカタ



















爽「…は? なんで??」

憩「なんでって… だって和了りですもん♪ タンヤオメンゼン三色ドラ1…」カチャカチャパラララ・・・

憩「12000の三本付け、12900ですよぅ!」カッ


爽「…んっげぇ!?」


体中の血が逆流するのを感じる爽…


爽(セーラから和了らずに私を狙い撃ち…? そ、そうか、私をトバすために…!)カタカタカタ

憩「ふふっ、ウチのトップで終了ですね♪」


怜「うわ… ほんまに終わってまったな」

泉「これで荒川がトップの、獅子原さんのダンラス・・・ でも、獅子原さんの脱糞なんか誰も見たくないですね…」

怜「全く価値がないな」

フナQ「いや、待ってください、これは、まだ…」

怜「ん?」

 
 パララララァ・・・・


爽「!?」


爽の下家の手牌が、ゆっくりと開かれていく…


竜華「憩ちゃん… うちと同じ卓で、そう簡単に終わらせられるわけないやろ…?」ゴゴゴオォ・・・

竜華「頭ハネロンや。 白のみ1300は2200・・・ 手が透けて見えるんはお前だけやないんやで、憩ちゃん!」カッ


目を紫色に光らせ、ザワザワと髪の毛が浮き上がり始めた竜華・・・


憩(!? 無極点モード・・・! ウチが気づかんうちに追いつかれた…?)

憩(この人… 瞬間的になら、ウチよりも高い集中力で場を読んでくるんやよね…)

憩(く… 油断したで… 無極点モードは南場の親番で使うてくると思っとったのに…)



  竜華:36200点
   憩:35400点
 セーラ:21300点
   爽:7100点



南四局・親:セーラ


セーラ「よっしゃやっと親番や! サイコロ振るでぇ!」カラカラッ

セーラ「こっからはいよいよ俺の一大スペクタクルやでっ! …って、なんやこの配牌! ナメとるんか!!」=3

爽(うっせーなセーラ… んーむ… せっかく助かったのに、私もまたバラバラだよ… …いや、待てよ、これは…?)カチャカチャ


 六巡目

爽(うおおぉキタキタうまくいった! 六巡目で七対子テンパイ…!)

爽(普通にロン和了りじゃ1600だけど… リーチかけてツモって裏ドラが乗れば12000に化ける…!)

爽(七対子は他家から読まれにくい… しかもこの巡目だ、さすがの憩ちゃんも私が何で張ってるかは分からねーだろ…)

爽(待ちは・・・セオリー通りでいいよな? まだまだヘコタレねーぞっ! ヤオチュー牌の一萬待ちで、勝負だっ!)


爽「リーチ!」タンッ!


竜華(…獅子原のリーチ… 大物手を張ったんか…?)

憩(・・・七対子やな、多分… でも、待ちが何かは分からへんな…)

セーラ(…ふん、関係あらへんわ)チャッ


 九巡目

憩「…」チャッ

憩(おりょっ、タンヤオイーペードラ1テンパイ… 待ちも悪くない… んー、ここは…)チラッ

憩(獅子原さんは多分、ヤオチュー牌で待っとる… でも、それはこの手牌にはすべからく不要牌や)

憩(テンパイを維持するにはヤオチュー牌は切るしかない。 でも、振り込むリスクはせいぜい1/10程度や)

憩(竜華さんと江口さんはまだ和了りまで遠そうや。 ここは、牽制も兼ねて…)

憩「リーチやで!♪」タンッ


竜華(! 憩ちゃんもリーチか… こちとらまだクズ手の二シャンテン…)

竜華(二人のリーチをかわしてテンパイにもってくにはちょい無理があるな… ここは… オリや)タンッ


 十一巡目

憩(……)チャッ

憩(…白。 ふぅーん、これは…)

憩(どやろか、江口さん?)タンッ


セーラ「・・・p」

憩「…ん?」

セーラ「…いや、なんでもあらへん」

憩(・・・江口さん、やっぱり白の対子を持っとるな… でも、鳴かんかった… どないするつもりやろ?)


セーラ「……」


 セーラ手牌:一三四六六七八九②②②白白

 ※一二三=萬子 ①②③=筒子


フナQ「? あれ、あそこで鳴かず…?」

怜「ポンって言いかけとったけどな」

泉「あくまで自分でツモる気ですかね」

フナQ「よう見い。 二巡目に清水谷先輩が白捨てとるからもう無いで」

泉「あ… そ、そうですね。 白を鳴いて一萬を切れば二・五萬の両面待ちでテンパイできるのに…」

怜「でもその一萬は獅子原の当たり牌やで」

泉「いや、そうですけど… 親ですからここは連荘したいじゃないですか。 普通出しちゃいますよね…? あの白の対子抱えて、どうするつもりなんやろ」


セーラ「…」チャッ  タンッ!


泉「えっ、四萬をツモって、白を切った…?」

フナQ「? まさか…」


セーラ「……」


 十二巡目

憩(…七萬。 ん)タンッ

セーラ「! チー!」カシャッ →鳴き「七八九」 打:白


 泉「えっ?!」


さらに直後

爽「…」タンッ

セーラ「ポン!」カシャッ →鳴き「六六六」 打:②


 怜「?! 二筒の暗刻落とし…?」


 十三巡目

憩(二萬… あかんこれも鳴かれる…?)タンッ

セーラ「チー!」カシィッ! →鳴き「一二三」 打:②

爽(え…?)タンッ

セーラ「ポン!」カシャッ →鳴き「四四四」 打:②


 フナQ「これは…!」


そして十四巡目…

電光石火の怒涛の四鳴きでアッという間に裸単騎となったセーラが、山へ手を伸ばす・・・


セーラ「…」チャッ

セーラ「うん、そやろなぁ・・・ きてまうよな!」タァンッ!!


セーラ「ツモォ! チンイツドラ1、オヤッパネ6000オールや!!」カッ


 セーラ手牌:七七  鳴き:「七八九」「六六六」「一二三」「四四四」


 
 シィーン・・・・


あまりの早業に、一瞬静まり返る会場…


爽(な、なんだこれ…? 何が起きたんだ今…?)

セーラ「ん? どうしたんや獅子原、何かおかしいとこでもあったか?」


憩「……」

セーラ「…荒川、そんなチマチマした麻雀でな、俺に勝てると思うたら大きな間違いやで?」

セーラ「遊んどらんと本気出したらどうや。 そんなんじゃせいぜい俺の引き立て役になるのが関の山やなっ!ww」

憩「…!」ギリッ


セーラ「さぁ一本場やでっ!」



 セーラ:41300点

  竜華:30200点
   憩:28400点
     爽:100点



泉「な・・・なんですか今の和了りは・・・??」

怜「ムチャクチャやなまったく…」

フナQ「いや、でもまあ… ある意味理にかなっていたかなとは思いますけど…」

怜「? どういうことや?」

フナQ「まず、二人リーチがかかってましたからね。 なるべく危険牌は切りたくない… その点、白は安牌だと分かったわけですし、二筒も、通ってしまえば3回分の安全を買うことができる…」

泉「いやでも、10巡目を過ぎてからいきなりチンイツを狙うなんて…」

フナQ「いや、逆やで泉。 河にほとんど萬子が出とらんやろ? それでいて、誰かが萬子で染めとったわけでもなかった。 つまり、“もう10巡目を過ぎとるから”山に圧縮が効いて、萬子が出やすい状況になっとったんや」

フナQ「それに横の二人はリーチをかけとったから、あからさまなチンイツ狙いでも、黙ってつかんだ萬子を出すしかなかったしな…」

フナQ「もちろんイチかバチかやったろうけど、何か、直感的に、チャンスの匂いを嗅ぎつけたんやろな… そういう野性的なカンの良さはあの人は一級品やでほんまに」

泉「しかも最後… 七萬単騎待ちを一発で引き当てましたよね…?」

フナQ「うん、ここぞという時の引きの強さは、江口先輩はもしかしたら全国一かもしれんで…」

怜「周りが何をしてこようと、強引に場をねじふせる豪快さがセーラの麻雀やからな…」

フナQ「そうですね。 荒川の麻雀が、周りをよく観察してその状況に合わせて柔軟に対応する柔の麻雀なら、江口先輩はまさに、剛の麻雀ですね…」

止まります。
また来週書いていきます。


憩(あちゃちゃ… 江口さん… この人はたまに何をやってくるか読めなくなるんよね…)

憩(勝ちを急ぎすぎたかなーぁ? でも、これだから麻雀はおもろいで… こういう理不尽さこそが、麻雀の本質やからね…)


爽(…突然、吸い寄せられるようにセーラに萬子が集まった…)

竜華(セーラ… やっぱチャンスを嗅ぎ付ける嗅覚は並じゃあらへんな。 これは荒川にもチャンピオンにも無い力や…)

爽(一発でダントツトップかよ… コレが、全国2位の千里山女子のエースを2年生から務めてた江口セーラ…ってわけか…)


セーラ「おう荒川、運が良かったな? 牌が一つ手前にズレとったら、お前が振り込んどったで?」

憩「・・・ 南2局… やな」

セーラ「あん?」

憩「…ウチが江口さんを逆転する局」ニタアァ・・・


セーラ「荒川… 獅子原と一緒にすんなや! 俺には口三味線は通用せんぞ!」

憩「いや、別に? 独り言言うただけですよぅ?」

竜華「だから二人ともムダ口やめぇーや。 結局最後はうちが勝つんやから」

セーラ・憩・竜華「「「………」」」ゴゴゴゴゴオォ・・・・


爽(またかよ… また私だけ蚊帳の外…)

爽(私だけダンラスの残り100点…)

爽(ハハッ、100点って…テストの点数じゃねーんだからさ…)

爽(………)

爽(いやいや、まてまて、落ち着け私… 冷静になれ… クールになるんだ…!)

爽(そう、真冬の洋式便座のように、クールに、COOLに・・・!)

爽(北海道の冬場の便座のCOOLさは、ハンパじゃねーんだからな…!!)ゴゴゴォ・・・


爽(残り100点… つまり、私以外の誰かがツモ和了りするか、ノーテン罰符でも即トンで地獄行き…)

爽(でも、私が瀕死寸前ってことは、裏を返せば、清水谷と憩ちゃんにとってもピンチなワケだよ…)

爽(全員がガチでトップを取りに行ってるワケだから、現トップのセーラ以外の二人は、ここで私にトバれたら困るはず…)

爽(つまり私からのロン和了りはもちろんできないし、ツモ和了りも、安手じゃ同じこと…)

爽(一発でトップになれるなら話は違うけど、500オールのゴミツモで十分なセーラの早和了りを阻止しつつ、満貫手以上をつくるのはいくらこの二人でも難しいはず…)

爽(それに比べ、私はリーチ以外は何でもできるんだ! とにかくここはしのいで、南一局の親番にかけるしかない…!)


東四局一本場・親:セーラ


前向きな考えが牌を引き寄せたか… この局、爽は久々の好配牌となる。


爽(うっし…! 發と中が対子…! ドラをからめた順子もある…!)

爽(ここは鳴けたら鳴いて、今度こそ速攻で和了ろう。 とにかくこのリーチもできねぇ状況から抜け出さないと…)


 四巡目

憩「…」チャッ

憩「… んー…?」ピタッ

竜華(・・・む? 憩ちゃんが長考…? 珍しいな…)

憩「…ふぅーん…」フンフム

セーラ「…なんや、荒川、はよ牌を捨てろや、ツモれんがな」

憩「あー… すみません。 でも、なぁ・・・」

憩「江口さんが待つ必要は、多分ないで」タンッ 打:發

セーラ「は? なんやそりゃどういう…」

爽「ポ、ポン!」カシャッ

セーラ(あん? ツモ番飛ばしよって…)


爽(と、特急券ゲット・・・! 速攻で役牌ドラ1テンパイ、二、五索の両面待ち…! …けど、これって、やっぱ…)チラッ

憩「…」ニコニコ

爽(……)

竜華(憩ちゃん… 多分、自分の手が良くないんやな。 ここはセーラを和了らせんために、獅子原の支援か…?)



東四局・親:セーラ


セーラ「よっしゃやっと親番や! サイコロ振るでぇ!」カラカラッ

セーラ「こっからはいよいよ俺の一大スペクタクルやでっ! …って、なんやこの配牌! ナメとるんか!!」=3

爽(うっせーなセーラ… んーむ… せっかく助かったのに、私もまたバラバラだよ… …いや、待てよ、これは…?)カチャカチャ


東四局一本場・親:セーラ


前向きな考えが牌を引き寄せたか… この局、爽は久々の好配牌となる。


爽(うっし…! 發と中が対子…! ドラをからめた順子もある…!)

爽(ここは鳴けたら鳴いて、今度こそ速攻で和了ろう。 とにかくこのリーチもできねぇ状況から抜け出さないと…)


 四巡目

憩「…」チャッ

憩「… んー…?」ピタッ

竜華(・・・む? 憩ちゃんが長考…? 珍しいな…)

憩「…ふぅーん…」フンフム

セーラ「…なんや、荒川、はよ牌を捨てろや、ツモれんがな」

憩「あー… すみません。 でも、なぁ・・・」

憩「江口さんが待つ必要は、多分ないで」タンッ 打:發

セーラ「は? なんやそりゃどういう…」

爽「ポ、ポン!」カシャッ

セーラ(あん? ツモ番飛ばしよって…)


爽(と、特急券ゲット・・・! 速攻で役牌ドラ1テンパイ、二、五索の両面待ち…! …けど、これって、やっぱ…)チラッ

憩「…」ニコニコ

爽(……)

竜華(憩ちゃん… 多分、自分の手が良くないんやな。 ここはセーラを和了らせんために、獅子原の支援か…?)


そして五巡目


憩「…」タンッ 打:二索

爽「う? るぉっ! …」

セーラ「ん?」

竜華「……」


爽「……」

セーラ「なんや獅子原、ええのかツモって?」

爽「ん・・・ ごめん、いいよ、なんでもない…」


竜華(…ふぅん)

憩(…爽さん、見逃したんか… 8割方和了ってくれると思うたんやけどなぁ…)

爽(・・・やっぱ今のは、間違いなく差し込み… 素直に和了った方が良かったのかもしんないけど…)

爽(これじゃ私はまるで憩ちゃんのあやつり人形だ…! ここで、点棒だけ仕入れても…)

爽(あやつり人形のままで、勝てるわけなんかねー! もう掌の上で転がされるのはゴメンなんだよ…! ここは…意地を張ってでも、一旦、“支配”から逃れねーと…)


憩(ふふっ、反抗期に入ってまったか…w まぁええで、それならコッチを…)ニヤ


八巡目

セーラ(よしっ! ピンフテンパイ…! うまい具合に安い手張れたで…)

セーラ(荒川も竜華も手が遅いようやし… 次の巡目でツモって終了や!)タンッ

爽(待ち牌バレたから、自分でツモるしかねーけど… くっそ、こねーな!)タンッ


憩「 カン 」カシャッ →「⑤⑤⑤⑤」


爽「ん?!」

竜華(? 獅子原の出した五筒を大明カン…?)


憩「リンシャン・・・ リーチ!」タァンッ!


セーラ(…リーチやと? なんや、獅子原の支援なんかしとるで手が遅いんかと思ったが… 違うんか?)チャッ

セーラ(八筒… 荒川のカンツのスジか。 なら通るな)タンッ


 「ロン」


セーラ「なんや、と・・・?」

憩「リーチ・一発・ドラのって5200の一本付けですよぅ♪」カチャカチャパラララ・・・

セーラ「!? おまっ! 五-八筒の両面待ちって・・・ 獅子原の出した五筒で和了っとるやんけ!」

憩「は? だって、獅子原さんから和了ったら終わっちゃうやないですかー」

セーラ「… この…!」


爽(…なんだ今の? 私の捨て牌をわざわざカンして、ワナに使ったのか…?)

竜華(憩ちゃん、手が遅いわけやなかったんやな… どんだけ余裕ブッこいとるんやまったく…)


 セーラ:35800点

   憩:33900点
  竜華:30200点
   爽:100点



泉「獅子原さん、100点のまま南入ですね…」

怜「荒川の差し込みを拒否しよったな。 意外と根性あるんやな」

泉「でも、首の皮一枚つながってるだけ… もう棺桶に片足つっこんでますよ」

怜「せやな… 獅子原が盛り返すには、この親番でなんとかせなあかんな」

フナQ「はい、でも… いくら獅子原さんでも、使える“異能”はもうほとんど無いでしょうね。 仮に残ってたとしても、あのメンツに通用するかどうか…」

泉「獅子原脱糞まったなし! ですか…」



南一局・親:爽


爽(ふん… もしこれがインハイみたいにTV中継されてたら、『獅子原選手、これはもう脱糞決定的だァァ!!』とか実況されるんだろうけどさ…)

爽(そうそう簡単に私の芸術的うんこが拝めると思ったら、大きな間違いだぜ…?)

爽(ナイスなタイミングで黒い雲・・・“クンネニシ”が戻ってきてくれた…! ここは、青い雲と合わせた雲ダブルで連荘を狙うぜ…!!)

爽(見てろよこんにゃろ… 3人とも、その余裕ブッこいた顔を凍りつかせてやるからな!!)


 二巡目

爽「ポンッ!」カシャッ →「九九九」

竜華(? 二巡目に九萬ポン…? チャンタ系… いや、無理な仕掛けか…?)


 四巡目

爽「チー!」カシャッ →「④⑤⑥」

セーラ(ん? なんや立て続けに… トイトイやタンヤオではない… 役牌か、鳴き三色、鳴きイッツー狙いか…?)

セーラ(どちらにしろ安手や。 とりあえず和了って、連荘狙いってわけやな… そんなん怖くないわ)

爽「無聊を託つ」ゴゴゴォ・・・

セーラ「は?」

爽「乏しいな… 闕乏したよ…!」ズモモモモモオォ・・・

竜華「な、なんや、獅子原、ついにおかしくなったか?」

爽「大阪四天王は厄介だと聞いてうきうきしてたけど… 所詮は有象無象…!」

セーラ「お、お前・・・ 自分の点数把握しとる?」

爽「じゃかましゃあっ! さあそろそろ御戸開きといこうかぁ!!」クワッ

止まります。
また明日の夜に書いていきます。



泉「獅子原さん、鳴きでソッコーテンパイしましたけど… これって…」

怜「うん、役無しやな。 何考えとるんやろな、リーチもできんのに」

フナQ「…?」





 九巡目

竜華(…? 三巡目に一シャンテンまで行ったのに、そこから手が進まへん…)チャッ タンッ

セーラ(配牌からずっと一シャンテン…? 鳴くに鳴けんし、なんか変やぞこれ…?)チャッ タンッ

憩「…?」チャッ タンッ


 十五巡目

竜華(…おかしい! このツモどうかしとるで… 一シャンテンから全然抜け出せへん!)チャッ タンッ

セーラ(ああぁイライラすんなぁ! なんでテンパイできひんのや!)チャッ タンッ

憩「……」チャッ タンッ



 怜「?? なんやこれ…? 3人とも五巡目には一シャンテンまで行っとったのに、獅子原以外一人もテンパイできんぞ…?」

 フナQ「… このままやと、最後の海底牌をツモるのは、獅子原さん… これは、もしかして…!」

 泉「? どうしたんですか?」

 フナQ「“イーシャンテン地獄”と全く同じなんや…」

 怜「イーシャンテン地獄?」

 フナQ「龍門渕の天江衣が県予選で見せた能力です。 異能の力で卓を支配し、他家をイーシャンテンのまま身動きできなくする…」

 フナQ「そして最後に海底牌を天江がツモると、そこで100%海底撈月で和了ってしまうという・・・ 理不尽極まりない強力な“異能”です」

 怜「…? 獅子原がなんで天江と同じ能力を使えるんや」

 フナQ「いや、そこまでは、分かりませんけど…」


 十七巡目

  チャッ  タンッ  チャッ  タンッ  チャッ  タンッ・・・

竜華「…くっ」
セーラ「…この!」
憩「……」


残すところ一巡となったが、爽以外は変わらず誰もテンパイすることができない…


爽(いししし…!! どうだよ私の雲ダブルは… ハマれば誰も抜け出せなくなるイーシャンテン地獄の味は…!)

爽(この能力は、自分が先にテンパイさえすれば、いつでも発動できる… インハイではネリーの奴に先にテンパられて結局発動できなかったけど、今回はうまくイッたぜ…!)

爽(かつてアイヌの神は青い雲を水へと変え、広大な海を創生した・・・ そして、クンネニシ、黒い雲だけは天地創造後も残り、天空の月を乗せて運ぶ役割を担った・・・ つまり!)

爽(この二色の雲をダブルで使えば、海に映る月を撈いとる・・・ 海底撈月で和了ることができるんだよ!)

爽(一局しか使えない能力だけど、一度発動させてしまえば和了り続ける限り雲は消えない… つまり私が親でいる限り永遠に和了り続けられる…)

爽(ふふ… 青ざめていく奴らの顔が目に浮かぶぜ…w ここで一気に取り返してやるからな!)タンッ

憩「ポン」

爽「は?!」


憩「…」タンッ

セーラ「ん、それチーや!」カシャッ!

セーラ(うしっ、張ったで…!)

爽(げぇっ、ここに来てズラされた…! くっそ、このままじゃ海底牌がセーラに…!)


 十八巡目

竜華(…くっ、テンパイならず…)チャッ タンッ

憩「……」チャッ タンッ

セーラ(海底牌…)チャッ

セーラ(…さすがにそう都合良くは和了れんわな。 こいつは捨て・・・ ん?)ビクッ

爽(捨てろ捨てろ捨てろこんにゃろ…! 捨てれば河底ロンで和了れる…! おらカモンカモンカモン!!)ゴゴゴォ・・・

セーラ(・・・なんや嫌な予感がするで… これは手牌に入れて… テンパイは維持しつつ、こっちで…)タンッ

爽(っはあぁ?!)

竜華「りゅうきょ…」


 「ロン」


セーラ「い?!」

憩「河底ロン、三色同刻、ドラ1・・・」カチャカチャパラララ・・・

憩「満貫、8000ですよぅ!」ニタア・・・


竜華「さ、三色同刻やと!?」ガタッ

セーラ「・・・!」

爽(…く、喰い取られた上に、また、ダシに使われた…?)

憩「ふふっ、一局早くトップになっちゃいましたね♪ やっぱり麻雀は思うようにいかへんなぁ…」ニコニコ



   憩:41900点
  竜華:30200点
 セーラ:27800点

   爽:100点
 



泉「三色同刻・・・ 久しぶりに見ました」

フナQ「かなりレアな役やからな。 成立する確率は役満とほとんど同じやで」

怜「あのポンでギリギリテンパイし、シャンポン待ちに受けた… また多分セーラの手牌から出そうやと読んどったんやろな」







爽(さ、最後の、親が、流された・・・)ガクガクガク…


 “やれやれ… かわいそうな人やねぇ…”


爽「え!?」


 “なまじっかおかしな力があるばかりに、いつもそれ頼みで自立することもできんのやねぇ”


爽「…」

憩「……」ジーッ…


まっすぐにこちらを見ている憩の双眸と目が合った瞬間、爽は射すくめられたように動けなくなった。


爽(憩ちゃん… また、私の頭の中に…?)


 “爽さんは… いつもオカルトに頼っとるから、自分の力だけで闘うことができない…”

 “だから… 本当に、全力で、一生懸命闘うということを、あなたは知らないんや…”


爽「… う、 ぐぅ…?」


 “「本当に勝つ」ことも、「本当に負ける」ことも、あなたは、知らない…”

 “つまり勝負の醍醐味を知らないんや、あんたは… ほんまに、かわいそうな人やねぇ・・・”


爽「・・・う、うっ、うぅぅ! うっるせえええええぇぇっっ!!」ガタッ


卓に手をついて立ち上がった爽… 


竜華「な? し、獅子原? どないしたんやいきなり?」

爽「え? あ、う・・・ ちょ、ちょ、ちょっと・・・ ごめん! 私トイレ行ってくるっ!!」ダダダッ

セーラ「は?! おい獅子原! うんこはしたらあかんでっ!」

爽「だ、大丈夫! 小さい方だから!!」バタァンッ・・・


憩「………」






 パシャッ  パシャッ  ジャバジャバジャバ・・・・


雀荘のトイレの洗面所・・・

爽は、ジャブジャブと自分の顔を洗っていた。 悔しさで涙がこぼれそうだったのである…


爽(・・・け、憩ちゃんの奴・・・ 言いたいこと言いやがって・・・!)ジャブジャブ・・・

爽(わ、私が、自立してない…? 勝負の醍醐味を、知らない、だと…?)ジャバジャバジャバ・・・

爽(うるせーんだよ! インハイの時、私が、どんだけ、仲間のために真剣に闘ってきたか… し、知らねーくせによぉ!)ジャバジャバ・・・

爽(…… でも…)

爽(・・・・つえぇ・・・)

爽(本当に、つえぇ…! この私が、カムイと雲を全開で使って臨んでも、まるで、歯が立たない… 憩ちゃん… あんなに強い奴だったんだ…)キュッ

爽(セーラと清水谷も、あのバケモノみたいな憩ちゃんを相手にして、平気でわたり合ってる… あの二人にも、私は、まったく、及ばない…)ゴシゴシゴシ・・・


爽「・・・ふぅ―――っ・・・」スッ


顔を、備え付けのタオルで拭き終えた爽は、上体を上げて鏡を見た。 そこには、目の落ちくぼんだ… とても十代の少女とは思えない老婆のような女が映っていた。


爽「うっ?! げぇ・・・?? こ、これ、私・・・??」


イキがってはいたものの、真綿で首を絞められていくような局状況・・・

自分のプライドを押し潰すかの如き凄まじい圧力・・・

そしてもう何の武器も持たない素寒貧となった絶望感は、いくら爽といえど、相当なストレスとなっていたのだ。


爽「・・ぐ・・・」


勝てない・・・

まったくもって、勝つビジョンが思い浮かばない。

仮にも私は、インハイベストエイトの有珠山高校のエースなんだぞ…?

それが、それが… こんなにも、手も足も出ずボロカスにやられるものなのか…?


悔しい・・・

負けたくない。

負けたら… 私は公衆の面前で脱糞をし、トップの奴の奴隷犬としてこき使われることになるんだろうな…

もしかしたら、三箇牧か千里山に転入させられて、雑用係でもやらされることになるのかもしれない…

でも…

でも、そんなことは、どうでもいい…

いや、どうでもよくはないけどさ、でも、それ以上に、このまま何もできずに終わるのが、怖い。

何かこう、胸をかきむしられるような… 何か大切なモノを失うような気がする。

・・・大切なモノって、なんだ?

メンツ・・・? いや、自分自身・・・ 私という人間そのものを、否定されるような気がする・・・


勝ちたい。

なんとしても、勝ちたい・・・

でも、カムイも雲も、もう完全に使い切った。

そして、その全てが、通用しなかった・・・

かくなる、上は・・・  イカサマ?

…清水谷が言ってたように、確かにここは卓の周りにカメラがあるけど、インハイみたいに厳重じゃない…

あんなもん、手元を体で隠せば、いくらでもバレずにサマができるはずだ…

……… ……

爽「うっおおおおおおおおおぉぉっっ!!!」ドッゴォッ 爽「ぶぉっへぇ!」


爽は・・・ 自分の顔面に思いっきりグーパンチをブチ込んでいた。


爽(・・・くっそ、いってぇ…! …で、でも、ちょっとだけ、目が、覚めたぜ…)

爽(…あいつらはみんなヒラで打ってるのに、私だけ、いろいろオカルトに頼って、さらに、イカサマだと…?)

爽(冗談じゃねーよ! 獅子原爽は・・・ そこまで腐ったこざかしい人間じゃねー!!)

爽(考えろ…! 私の… 私自身の力で! あいつらに勝てる方法を!!)

爽(…… …… ………)

爽(…そんなの思いつくくらいなら、とっくにやってるよな…)ハァ


思えば… 私は、麻雀を本格的に始めたのは、ユキと出会ってから… つまり去年の10月から、まだ一年ちょっとしか経ってない。

そこから、カムイや雲を麻雀に応用する方法を覚えて、あれよあれよという間に、みんなで全国大会に参加するとこまで行ってしまった…

私は、その有珠山高校のエースとして… 全国でも指折りの魔物とか、北海道最強とか言われて、天狗になってたけど・・・ そんなの、幻想だったんだ。

憩ちゃんが言う通り… 神がかり的な力をもつカムイに頼ってばかりで、その上でアグラをかいていただけ… 素の私は… 非力だ。

あいつらと闘ってると、それを痛感する…


爽「・・・ふ―――っっ!!」ジャバッ ジャバジャバジャバァ・・・!


爽は、再び蛇口をひねってジャブジャブと顔を洗い始めた。


 “「爽・・・」”


爽(ん?)


“揺杏「・・・おいおい、そんなしかめっ面で闘うなんて… お前らしくねーぞっ! 爽」”

“成香「爽さん… 私、爽さんがショゲてるところなんか、見たくありません!」”

“ユキ「どんな苦境でも、笑顔で前を向いている爽さんがいたから… 私たち、ついてこられたんですよ」”

“誓子「そうよ? 爽、あなたにはノー天気なことくらいしか取り柄がないんだから、シャキッとしなさい!」”


爽(………)ジャバジャバジャバ・・・


一番大切な仲間たちの顔が、頭に思い浮かんでは、消えていく…


爽(…だよな。 こうなったら… もう、開き直るしかない。 この状況を、楽しむしかない…!)

爽(獅子原爽の辞書には… “絶望”という言葉はねーんだっ! 最後まで、あきらめずに、精一杯、闘ってやる…!)キュッ

爽「よっしゃっ!!」バッ


ハラを決め、顔を上げた、その時・・・


爽「ん?!」ギョッ

?「…」サッ


洗面所の鏡の端・・・ トイレの出口のところから、何者かがこちらをのぞき見ている姿が映っていたのである。


爽「えっ、誰?」クルッ


シィ――ン・・・・・


爽「……?」


爽(…なんだ今の…? 確かに、誰かがいたような気がしたんだけどな…?)

爽(…ま、いっか。 そろそろ戻らないとやべーし…)テテテテ・・・




????「「「「…………」」」」






 バタァン・・・

爽「おーうお待たせっ! オシッコがどうしても止まらなくってさ!ww」

セーラ「おっそいわ! 何しとったんや! 逃げたんかと思うたで!」

爽「んなワケねーだろ。 こっからは私のワンサイド・ゲームになるんだからさ…」グフフ・・・

竜華「…なんや、トイレで作戦でも練ってきたんか?」

爽「おう、そりゃもう… 007もびっくりの史上最大の作戦を思いついたかんな、覚悟してな」ゴゴゴォ・・・

竜華(…こいつ、これだけヤラれても、まだ憎まれ口叩けるんか。 大したもんやな…)

セーラ(…ふん、ツラ構えが変わりよったな。 …そうやで、獅子原… 荒川とヤリ合うには、それしかない… ハラをくくるしかないんや)ニタッ

憩(爽さん… トイレで、余計な憑き物を払い落としてきたみたいやな… でも、今さら遅いで。 東一局から、その気持ちで臨めばまだ勝ち目はあったんやけどねぇ…)


爽(・・・ふぅ・・ 麻雀の、鬼と、悪魔と、龍が相手か… しかも私は真っ裸で崖っぷち。 ハハッ、やっぱり、こりゃ無理がありそうだけどさ…)

爽(それでも・・・ 勝つ! 私の・・・ この、私自身の、力で!!)カッ



南二局:親・竜華


 カチャカチャ、カチャカチャカチャ・・・


爽(さて… あと3局。 しかも親番はもうなし。 トップとの点差は41800点…)

爽(高い手を狙いつつ… ツイてない時は直撃を避けながら、なるべくトップの奴が和了らないように仕向ける…)

爽(あと、やっぱり対面の憩ちゃん… 少しでも、こいつの予想を裏切る… 裏をかくことができないと、勝ち目はない…!)

爽(つーわけで、まずは・・・)スッ

爽「……」ジッ

竜華「・・・ん? 獅子原、理牌せぇへんのか?」カチャカチャ

爽「ん? ああ、大丈夫。 もう全部ココに入っちゃったからさw」トントン


人差し指で自分のこめかみを叩いてみせる爽…


竜華(…ふん、獅子原… 憩ちゃんの真似か。 少しでもうちらに手を読ませなくする作戦か…?)

竜華(でもな、そんな付け焼き刃が通用するほど・・・ この場は甘くないで!)

セーラ(…獅子原… 慣れんことすると、墓穴を掘るで…?)

憩「……」


爽(……)

爽(雀卓の上に、13枚の牌…)

爽(何度も… それこそ何千回と見てきた風景なのに…)

爽(なんだか違って見えるな… まるで牌の一つ一つが生きているような気がする)

爽(牌の声が聞こえるような気がする…)

爽(まぁ、またバラバラで決していい配牌じゃねーけどさ… でも、勝ちにいくぜ。 …頼むぞっ、私!)チャッ パシィッ タァンッ!

止まります。
また明日の夜書いていきます。


心を入れ替え、新たな気持ちで牌を切った爽・・・

しかし、わずか2巡目


爽「…」チャッ  パシッ  …タンッ

爽「・・・あれ?」

竜華「ん、なんや?」

爽「あ、いや、えっと… な、なんでも…ない」

竜華「?」チャッ タンッ

爽(・・・・・)

爽(だああああぁヤッちまったぁ! 切る牌間違えたっ!!)=3

爽(東を切るつもりが、隣りの三索切っちゃったよぉ…)ヨヨヨ…

爽(唯一の順子のタネを切っちった… あぁもうこれ完全に崩壊してんじゃん…!)

爽(やっぱ理牌無しなんて、不慣れなことはやめた方がい・・・ ん? いや、まてよ? これって・・・)


 八巡目

竜華(うしっ、張ったで…! メンタンピンドラ1テンパイ… リーチかければ、ツモでもロンでも一発トップで即終了や…!)

竜華(他家にテンパイ気配はなし… 先制リーチで勝負決めたんでっ!)チャッ


リーチをかけようと牌を握った竜華… しかし、その目の端にあるモノが映り、ピタリと手の動きが止まった。


竜華(…ん? 獅子原の捨て牌… これって…)


 爽捨て牌:⑧32⑤⑤7   123=索子
      4


竜華(・・・萬子が全然出とらんな… もしかして… メンチン狙い…?)

セーラ(…獅子原の奴、なんや、チンイツ…? いや、ヤオチュー牌も出とらんっちゅうことは…)

竜華(これって、もしかして…)


セーラ・竜華((『国士無双』・・・??))


竜華(国士はもちろん、メンチンもドラや他の役がからめば数え役満になることもある…)

竜華(そんなんにもし万が一振り込んだら、逆にうちがトんでまう…!)

竜華(ここは… ちょっと、ダマで様子見よか…)タンッ


竜華、リーチを保留…

その直後


爽「……」チャッ …タンッ 打:六萬


竜華(! 萬子が出よった… いや、でも、これ…)

セーラ(ノータイムのドラ切り…? もしかすると、ほんまに国士か…?)

憩「…?」

爽「……」ゴゴゴォ…


 九巡目

セーラ「…チー!」カシャッ

竜華(…セーラが加速… 張ったんか?)

セーラ(…チッ、メンゼンで手を進めたかったんやが… どうも獅子原が不気味や。 ここはチャチャッと和了って竜華の親を流すか…)タンッ

爽「……」


実は・・・

この時の爽の手牌は、完全なるゴミ手…! テンパイなどほど遠いただのバラバラのクズ手だった…

つまり、捨て牌はブラフ・・・

国士の影をチラつかせることで、他家の足止めをすることがその目的だった。


憩「…」


一方、憩はこの時、実は三巡前に静かにタンヤオをテンパイしていた。 しかし待ちは和了りにくいカンチャン待ち… なかなか和了牌をつかめずにいた。


そして、十一巡目…

憩「…」チャッ

憩(…! 一筒… うーん…?)

憩(テンパイを維持するには、これは切らなアカンけど…)チラッ

爽「……」ズモモモモォ・・・

憩(・・・爽さんは… アレは、国士を装ってるだけやな… 九割方ブラフや…)


憩(… でも…)

憩(完全には見えへん… 万が一がないとは言い切れへん… もし、国士を振り込んだら、一気にウチがダンラス…)

憩(そうなったら、残り2局で2万点以上ある差をひっくり返さないけなくなる… 竜華さんや江口さんを相手に、さすがにそれは無理があるで…)

憩(竜華さんは多面待ちで高いの張っとるようやし、合理的に考えるなら… ここは、こうやな)タンッ

セーラ「…ふん、ロンや」

セーラ「鳴き三色ドラ1、2000やで」パラララ・・・

竜華(… チッ…)


爽(・・・ ぐひひひ…!w ヒヨりやがった…!ww その場しのぎができただけだけど… なんだか、まだ闘える気がしてきたぞっ!)


   憩:39900点
  竜華:30200点
 セーラ:29800点
   爽:100点



怜「…ほーぉ、やるやんけ獅子原、国士のブラフであの3人をヒヨらせよったで」

泉「流局したらノーテン罰符で即トぶのに… すごい度胸ですね」

フナQ「・・・とても褒められたような闘い方やないけど・・ 結果的に荒川に和了りをあきらめさせ、江口先輩の手を安くし、清水谷先輩の親を蹴った… ファインプレーと言ってもええかもな」

怜「荒川の麻雀は基本合理主義的な考えにもとづいたモノやからな。 その裏をついたわけやな…」


南三局:親・憩


爽(残り2局… 点数は相変わらず崖っぷちの100点…)

爽(親の憩ちゃんがまだトップ… とにかくツモられた時点でジ・エンドだ…)

爽(でもでも! そろそろ来んだろ! すばらな配牌がよっ!)

爽(さあダブリーか? チンイツか? 四暗刻か大三元か? 次こそ大物手を和了ってやるぜっ! カモォーン!!)バッ

爽「ひでぶぅっ!!」=3=3


13牌を立てた爽は、思わず奇声を発した・・・


爽(な、なんじゃこりゃ…? 本日最悪の配牌じゃねーか…! 順子、刻子どころか対子も一つもねえ…!)

爽(字牌が多いけど全部バラッバラ… かといって国士を狙えるほどじゃないし、箸にも棒にもつかねぇ…)

爽(はぁ・・・ いっすよいっすよ… オーラスで地和でも出ることを信じて… ここは速攻の喰いタン狙ってくしかねーな…)タンッ 打:北


しかしこの局は、4人全員の配牌が悪く、場全体が重かった…


 十巡目

憩「ポン」カシャッ

憩(鳴いてやっと一シャンテン… 他家も手が重いようやし、ここは流局もあるかもしれへんなぁ… なるべく早くテンパイしとかな…)

憩(爽さんはあからさまなタンヤオ狙い… でも、江口さんと竜華さんはメンゼンで満貫以上を仕上げようとしとるな… 怖い怖い)


爽「…」チャッ …タンッ

爽(あぁもうどっちきしょおおぉっ! なんだよこれ、ツモも最悪だ… 裏目ってばかりだぜ…)

爽(タンヤオ狙ってんのに余計な一・九・字牌ばっか来るし… これは嫌がらせか? お前ら(牌)私のことが嫌いなのか?)

爽(鳴く機会もないし、ホント手が進まねぇ・・・ ん?)チラッ


その時… 河に目をやった爽は、あることに気がつく…


爽(・・・えーっと… これって、もしかして…!)


 十三巡目

セーラ「リーチ!」タンッ!

セーラ(やっと張れたで、メンホン…! 荒川か竜華から直撃取ったるわ…!)ギラッ

竜華(…セーラ、捨て牌ゴマかしとるようやけど、索子のホンイツやな…? そんなもんまず振り込まんで…!)

憩(…江口さん、メンホンか… 振り込むことはないけど、あかんな… ツモられても逆転される…!)

憩(・・・でも、それにしても、爽さん・・)チラッ


爽「……」チャッ …タンッ


憩(…? なんやろな、さっきからなんか違和感あるで…?)


 十五巡目

セーラ「…チッ、来ぉへんな!」タンッ

爽「…」チャッ パシッ …タンッ

竜華「……」チャッ

竜華(…うし、張れた、追いついたで… セーラより先に和了ったる!)パシッ タンッ

憩「……」チャッ

憩(テンパイ… でも、うーん…?)


改めて河全体を眺めてみた憩は・・・ やっとあることに気がつき、驚きで顔を引きつらせた。


憩「!?」ギョッ

憩(…爽さん! あんた、まさか…!)

爽「……」

憩(っく…! なんで今まで気づかんかったんや…? あぁもう、間に合え!)タンッ


 十七巡目

  チャッ パシッ タンッ チャッ パシッ タンッ・・・

セーラ、竜華、憩の3人はテンパイしつつも、あと1牌が来ず残り1巡・・・


憩(…あかん、鳴くこともできひん… このままやと…!)

爽「………」


そして・・・

結局、海底牌も河に捨てられ、場は流局となった・・・


憩「………」

竜華「…テンパイ」パララ・・・

セーラ「くっそ、テンパイや」パララ・・・

爽「……」

セーラ「ん? なんや、獅子原お前まさか、ノーテンか?」

爽「…そうだね」ニタリ

セーラ「なんや!つまらんな! ノーテン罰符で結局お前がトンで終了… 荒川の勝ち逃げか…」

憩「… いや、江口さん、まだウチの勝ちやないですよ…」

セーラ「あん? どういうこっちゃ。 獅子原は100点しかないんやで?」

憩「・・・河を、もう一度見て下さい」

セーラ「あん?」

竜華「? ・・・・あっ!?」


竜華が先に気がつき、息を呑む…


セーラ「なんや竜華、どないしたんや」

竜華「…セーラ、獅子原の捨て牌や…」

セーラ「へ? 獅子原のって… 随分字牌が多くてあとは数牌が1と9・・・ うぇ?! …おい、これ…」

爽「フッフッフッフッ・・・・ww」ゴゴゴォ・・・

爽「よかったぜお前らの目がフシ穴でさ。 まさかできると思わなかったよ・・・」


爽「“流し満貫”! 2000・4000だッ!!」カッ



   憩:35900点
  竜華:28200点
 セーラ:26800点

   爽:9100点



泉「うっわ… 獅子原さん息吹き返しましたね」

怜「いや、流し満貫って… ありえんやろ。 セーラも竜華も何やっとるんやまったく…」

フナQ「…成立することはあまりにも稀ですから… 多分念頭になかったんでしょうね…」

泉「捨て牌が1と9、字牌のみで、誰にも鳴かれずに流局すると満貫になる… 麻雀の究極の変わりダネの役…」

フナQ「獅子原さんも、最初は普通にタンヤオを狙っとったけど、途中から狙いを切り替えたみたいやな…」

怜「荒川だけは途中でその狙いに気づいたみたいやったけどな。 結局、和了も鳴きもできず、止めることができんかった…」

フナQ「そうですね。 獅子原さん、もう死に体だと思ってましたけど、凄まじい勝利への執着心ですね… これはまだどうなるか分からんかもしれませんね」


怜「ん? いや、どうなるかって… でももうオーラスやで? 獅子原がトップになれる確率は限りなく0に近いやろ…」

泉「そうですね… 獅子原さんがトップになるには… えーっと…? 倍満ツモってもトップにはなれませんよ…?」

怜「せやな。荒川に三倍満の直撃かませば、文句なくトップとラスト入れ替わるけどな」

フナQ「それはさすがに有り得ないでしょう… 荒川は、記録にある限りでは、ここ1年間公式試合でハネ満以上を振り込んだことは一度もないんですから。 荒川の守備の堅さは、多分チャンピオンをも凌ぐと思いますよ…」





しかし…

この時、爽は、「荒川憩をラストに引きずり下ろし、自分がトップに立つ」つまり、「荒川憩から三倍満以上を出和了る」ことしか眼中になかった…


爽(リー棒ももらって9100点… ククク… 高まってきたぜ…!)ゴゴゴォ・・・

爽(憩ちゃん… 私はな、ガードのカタい女の子ほど、燃え上がる性分なんだよ…!)グヒヒヒ・・・

爽(このオーラス… 絶対に憩ちゃんから直撃を取ってやる…! ここでうんこをするのは、憩ちゃん! お前の方だぞ!!)ギラギラギラ・・・


憩(…? な、なんや… なんやこの爽さんの得体の知れんオーラは…?)

憩(うぅ…目がメッチャキモいで… あかん、悪寒がする…!)ゾゾッ



南四局:親・セーラ


セーラ(さてラス親や… 和了り続ければ負けることはないわけやけど、まだるっこしいのは嫌いや… 親満サクッとツモって、俺のダントツトップで終了や!)カッ

竜華(トップの憩ちゃんとの差は7700・・・ 満貫の多面張が理想的やな。 ツモでもロンでも一発でまくってうちがトップに立ったるでっ!)クワッ


爽(さあ来ましたよオーラス…)

爽(とにかく最初の配牌が肝心…)

爽(いい加減麻雀の女神様も、この私に微笑んでくれるだろっ! さあ、来いよっ!!)バッ

爽「ばゔあ゙っ!?」=3=3


またもや奇声を発した爽…


竜華「うるさいで獅子原! ええ加減にせえや!!」


しかし爽が思わず悲鳴をあげたのも無理はなかった…


 爽手牌:3⑧西1②五東二8北④西七


爽(ナンデスカコレ・・・! 感動的な悪配牌・・・ いや、もはや芸術的なクズ手だ・・・!)

爽(ほぼ完全にバラバラ… 唯一ある対子がオタ風の西… 超いらねぇ…!)

爽(こんなクズ手で、三倍満をつくり、しかも憩ちゃんから直撃を取る…)

爽(多分宝くじで三億円当てる方が簡単だぞ…! くっそここは…親のセーラを安手で和了らせて、次の局にかけるか…?)チラッ

セーラ「……」メラメラメラ

爽(・・・いや、ダメだ。多分こいつこの局でキメる気だ…  チクショウ! こうなったら・・・)

爽(私も覚悟を決めてやるっ! あきらめねーぞ… 絶対に、憩ちゃんを引きずり下ろしてやるからな…!!)ゴゴゴゴオォ・・・


しかし、不幸中の幸いか・・・ この局、対面の憩も、決して良い配牌ではなかった。


憩(・・・ドラが2つ重なっとる… ここは早くて安い手がベストやから、ドラなんかいらへんのやけどな…)

憩(役牌はなし… うーむ、ここはやっぱり、素直にピンフかタンヤオをできる限り早くつくっていくしかあらへんな)

憩(江口さんも竜華さんも、状況しだいで満貫くらい簡単につくってくるからな… 最後まで油断できひんで)

憩(爽さんも、トップを取ることをあきらめてないようやし、なんか、トイレから戻ってからおかしなテンションで正直不気味や…)

憩(手なりに進めて、鳴けたら鳴いて… 他家の和了りをおさえつつ、またスキをついての出和了り狙いでイクで…!)

止まります。
また明日の夜書いていきます。

書いていきます。
8時頃から、コンマを3回出していきますので、良かったら対応の方よろしくお願いします。


 五巡目

爽「…」チャッ

爽(よし、よし、なんとかちょっとまとまってきたじゃん… 西いらねーと思ったけど、重なって暗刻ったから一応とっとこ… 対子も二つできたな)

爽(チンイツはまず無理だから… もう、思い切って四暗刻狙うか…?)

爽(メチャクチャだけど… それくらいしか追いつく方法ねーよなこれ…)

爽(・・・いや、まてまて、仮に奇跡が起きて四暗刻テンパイできたとしても… あの憩ちゃんがそんなのに振り込むってのは、まず有り得ねーだろ…)

爽(なんとか… なんとか、憩ちゃんの裏をかく方法、ねーかな・・・?)モンモンモン…


 その時、


竜華「…」タンッ  打:②

爽「…ん、あ、ポ、ポンッ!」カシャッ →「②②②」


爽、まるで何かに衝き動かされたかのように、二筒を鳴いてしまう・・・


竜華(…獅子原が鳴いた?)

セーラ(…なんや、まさか勝ちをあきらめたんか?)

憩「…?」



泉「? 獅子原さんがあの手から鳴きましたよ…?」

怜「? ミスしたんちゃうか?」

フナQ「…? 確かに、ここで鳴いたら安手がほぼ確定… 何考えとるんでしょうね…?」





 六巡目

セーラ(…チッ、まだ二シャンテン… それにしても、獅子原…)

セーラ(勝つ気なら、裏ドラも期待してリーチをかけてくる筈やのに、鳴いたっちゅうことは… チンイツ狙いか?)

竜華(…チンイツなら、ドラやイッツー、トイトイなどの他の役を複合させれば、鳴きを入れても倍満以上をつくることが可能や… でも、そんなモン誰も振り込まへんぞ?)タンッ


爽「……」


しかし、八巡目

セーラ「ほいっ」タンッ 打:四

爽「! チー!」カシャッ →「四五六」

セーラ「なぬ?」

竜華(チンイツじゃない… それどころか、トイトイもホンイツもありえん。 獅子原… 何をやっとるんや? なんでオーラスでそんなミエミエのクソ手をつくっとるんや…?)

憩(… 爽さん… ウチの見える限りでは、完全に役無し… ドラの五筒もウチの手牌にもう三つあって、河に一つ出とるから、爽さんの手牌にはない…)

憩(表情を見る限りあきらめたわけじゃないみたいやけど… なんや… 何を狙っとるんや…?)


爽「………」


 十一巡目

セーラ(うっしゃ張ったで! ジュンチャン三色…! リーチかけんでも和了ればトップや!)タンッ

竜華(…よしテンパイ! 發三暗刻…! ここは…トップをとるために…)

竜華「リーチや!」タァンッ!


 十二巡目

憩(… ふぅ、追いついたで、タンヤオドラ3… 三面張の絶好の待ちや♪)

憩(江口さんと竜華さん… あんた方の待ち牌はウチがほとんど握り潰しとるから、和了るのはほぼ不可能ですよぅ…!w)

憩(爽さんは、一シャンテンまで来たかな…? でも、やっぱり完全に役無しや。 振り込むことはない… ウチのトップは揺るがんで!)


勝利をほぼ確信した憩・・・

しかし、それは、十四巡目に起こった。


憩「…」チャッ

憩(生牌の西・・・ ふぅん…)

憩(もしかすると爽さんの必要牌やけど… 爽さんの手牌は今、仮にテンパイしてても間違いなく役無し… これでロンはできん筈や)

憩(西はウチにとっては完全な不要牌なんやから、これは… 切るしかあらへん)タンッ


西を切った憩・・・ しかし、その瞬間、憩の背中を、初めて怖気が走った。


憩(ん? いや、これ、まさか!?)



爽「カン!!」


憩「えっ?!」


西を大明カンした爽が、リンシャン牌に手を伸ばす・・・


爽(来い!)チャッ!


 泉「あ? リンシャン牌が、二筒… あれ、これ!」


爽「 いいいいぃぃぃカァンッ!! 」カシィンッ! →「②②②②」


すかさず、すでにポンしていた二筒の刻子にリンシャン牌を叩きつけ、さらに手を伸ばす爽・・・


 フナQ「えっ、これは・・・!?」


爽(おおおおおぉぉ来いィ!!)チャッ!


 怜「なっ? ち、七萬・・・!」


爽「 うぃやあああああぁぁぁカァァンッ!! 」カシャァッ!! →「七七七七」


竜華「さ、三カンツ・・・??!」

セーラ「んなっ、アホなっ!!」

憩「…!!」


爽「んんならおおおおおぉぉぉっっ!!」


七萬をカンして裸単騎となった爽が、最後のリンシャン牌へと手を伸ばした、その時・・・!



 「 爽 さ ん ! 」


爽「!?」


 「爽!」

 「爽さん!」

 「サワヤァ!」


爽(・・・・すげぇ・・・ ユキたちの声が聞こえるよ… 幻聴なのに… まるでそこにいるみたいだ…!)

爽(みんな・・・ 頼む! 私に、力を、くれ・・・!!)チャッ!!


爽「!」スッ


最後のリンシャン牌の表に親指を滑らせた爽は、ガクッと一瞬崩れ落ちるかのように下を向いた。


爽「………」フーッ、フーッ、フーッ……


竜華「し、獅子原…?」

セーラ「…!」

憩「……」


爽「・・・ 野の、百合を見よ・・・」ググ・・・

爽「労せず紡がざるなり・・・」

爽「かつて栄華を極めたるソロモンだに―――――・・・・・」

爽「その花のひとひらにしかざりきぃ!!  ツモォ!!!」タァンッ!


雀卓にリンシャン牌の一索が叩きつけられると同時に、ただ一つ残っていた爽の手牌がゆっくりと倒れ、そこから二羽の不死鳥が舞った。


爽「 サ ン カ ン ツ !  リ ン シ ャ ン カ イ ホ ー だぁっ !! 」カッ



 爽手牌:11  鳴き:「四五六」「西西西西」「②②②②」「七七七七」



怜「な、なんやと!?」ガタッ

泉「ク、クズ手の役無しから・・・ 一瞬にしてサンカンツ・・・??」

フナQ「・・・な、なるほど、これが、狙い・・ 考えられんことする人やなまったく・・・!」

泉「船久保先輩?」

フナQ「獅子原さんは… 荒川への直撃をあきらめてはいなかったんや…」

フナQ「しかし、荒川から高い手のロン和了りをとることはほぼ不可能と考え… 大明カンの責任払いに賭けたんや」

怜「いや、それも、十分無に等しいような可能性やけどな…」

フナQ「ええ、でも、その針でつついたような小さな可能性を、獅子原さんはこじ開けました…」

怜「…そやな、もし、これで、新ドラがカンツにのれば・・・!」

泉「…ハネ満から、数え役満までありえますね… まさか、獅子原さんの、大逆転…?」



 シィ―――――――ン・・・・・


水を打ったように静まり返る会場・・・

自然界では、汚物・・・つまりクソから、極彩色の花が生まれる・・・

爽の、最悪のクソ手からのリンシャンカイホーでの劇的な和了りは・・・

まさに、その自然界における輪廻転生の摂理を体現したかのようだった・・・


爽「………」ハア、ハア、ハア・・・・

爽「お、終わり、だ・・・」ハア、ハア・・・


 「おい爽! すげーな今の!」

 「すてきですぅ!」

 「カッコよかったですよ…!」

 「牌を叩きつけるんじゃないわよ、まったく…」


爽(…あれ? まだ幻聴が聞こえる…?)スッ

爽「!?!?」


顔を上げて客席の方を見た爽は、自らの目を疑った。


揺杏「よー、久しぶりだな!」

成香「二ヶ月ぶりですね、爽さん♪」

ユキ「爽さん、さっきトイレで顔殴ってましたけど… 大丈夫ですか?」

誓子「爽、ちょっと見ないうちに少したくましくなったわね」


爽「・・・お、お前ら・・・ な、なんで、ここに・・・??」


揺杏「大阪の観光しがてら、お前の様子を見に来たんだよ」

誓子「メールしたけど返信なかったから。 千里山の麻雀部員の人にここにいるって聞いて、直接来たのよ」

爽「は? えっ、でも、学校は…?」

成香「今、みんな期末の試験休みに入ってるんです」

ユキ「サプライズになっちゃいましたね。 爽さん、旅のお話、聞かせて下さいよ♪」

誓子「…どうせロクでもない話ばっかりでしょうけどね…」


爽「・・・・・」

爽「う・・・ う、うぅ・・・・!」

竜華「? 獅子原? どないしたんや?」

爽「ゔゔゔゔゔゔゔゔぅ゙ぅ゙ぅ゙~~~~~・・・・・・!!」ポロポロポロポロ・・・・・

セーラ「な? 何泣いとるんやお前??」


爽「………うぅぅ…」グスグスグス…


成香「えっ、さ、爽さん?」

ユキ「…ど、どうしたんですか?」

揺杏「? なんだ、ハラでもいてーのか?」

誓子「………」


憩「・・・ふふっ、大丈夫やで、有珠山の皆さん… 爽さんはな、久しぶりに故郷のみんなの顔を見て、ホッとして、嬉しくて泣いとるだけですよぅ♪」ニコニコ


憩「でもな、爽さん。 泣く前にやらなあかんことがあるやろ?」

爽「・・・え?」

セーラ「アホみたいにカンカン言いよって… 新ドラをまだ1枚もめくってないやろが、お前」

竜華「サンカンツリンシャンカイホーだけじゃ、7700でまだお前はラストやで… でも、もしドラがのったら、トップになれる可能性も無くはないで…?」

憩「爽さんがめくらないと、みんなの順位が決まりませんよーぅ?」

爽「あ… う、うん、そうだった…」スッ


・・・カシッ!


めくられた、1枚目の新ドラ・・・!


セーラ「う…?」
竜華「… これは…」
憩「……」



>>178コンマ以下、

・50未満だった場合、「ドラのらず」

・50以上だった場合、「カンツにドラがのる」

よろしくお願いします。

※コンマ以下26、のらず


・・・カシッ!


めくられた、1枚目の新ドラ表示牌は・・・ 「北」


セーラ「“北”・・・ ちゅうことは、新ドラは東になるから、のらずやな」

爽「くっそ・・・!」

竜華「ふふん、南やったらのっとったのにな」

憩「さ、チャチャッとイキましょ♪ 爽さん、二枚目お願いしますよぅ!」

爽「おう、今度こそ・・・!」スッ

・・・カシッ!


>>180コンマ以下、

・50未満だった場合、「ドラのらず」

・50以上だった場合、「カンツの二筒にドラがのる」

a

※コンマ以下42


めくられた、2枚目の新ドラ表示牌は・・・!  「八筒」


竜華「今度は“八筒”・・・ じゃ、新ドラは九筒。 のらずやな」

爽「ノオオオオオオォォォ―――――ッッ!!」=3=3

セーラ「うっさいわ! そんな簡単にのるか! ほれはよ次めくらんかい!」

憩「あらま、爽さんの神がかり的な引きもここまでですかねぇ?」

爽「ぬおおおぉぉトイレにましますうんこの神よ・・・ 今一度私に力をくれええぇぇっ!!」バッ

カシィッ!!


>>182コンマ以下、

・50未満だった場合、「ドラのらず」

・50以上だった場合、「カンツの七萬にドラがのる」

※コンマ以下18


めくられた、3枚目、最後の新ドラ表示牌は・・・!!  「二萬」


爽「ぅわおぉぉ―――――――――っっっ!!!」=3=3=3


それを見た途端、爽はオオカミのように吼え、頭をかかえてうずくまった。


憩「“二萬”・・・ 新ドラは三萬てことやから、のらずやねぇ…」

セーラ「ふん… サンカンツにはたまげたけど、お前のウンもここまでやったな」

竜華「んー…っ ここでドラがカンツに乗っ取れば、獅子原の手がハネ満になって、うちがトップになったんやけどな…」

爽「・・・・・」ポロポロポロポロ・・・

セーラ「なんや獅子原また泣いとるんかお前は…」

爽「け、憩ちゃんのうんこ・・・ 憩ちゃんの、うんこがぁ・・・!!」ポロポロポロ・・・

竜華「・・・獅子原お前・・ それだけが目的でここまで打ってきとったんか?」

爽「“それだけ”とはなんだ!! 憩ちゃんの・・・天使のうんこのためなら私はなんでもするぞ!!」クワッ

憩「ザーンネンでした♪w ふふっ、ウチのうんこちゃんの貞操が守られて良かったで!ww」



<終局>

1位 荒川憩 28200点

2位 清水谷竜華 27200点

3位 江口セーラ 26800点

4位 獅子原爽 17800点

止まります。
コンマ対応あざした!
また明日の夜書いて千里山編は終わらせます。
このあとは劔谷→鹿老渡編と続いていきます。

書いていきます。
トップになる確率は、爽が1/2、竜華が3/8、憩はわずか1/8だったので、正直まさか憩がトップを守り切るとは思ってませんでした…
3回連続でドラがのるのを阻止するとは… いやさすが全国2位です…



泉「やっと終局・・・ うーん結局、お二人の予想通り荒川がトップで終わりましたね…」

怜「うん、でも、ラスト2局の獅子原の追い上げはちょっと予想しとらんかったけどな…」

フナQ「もし最後、間違ってドラがカンツに2つのれば、ドラ8で3倍満・・・ 荒川の責任払いですから、獅子原さんがトップで荒川がラスになる可能性もありましたからね」

怜「まあ、麻雀に“もし”や“たられば”はないけどな。 でも、最後までトップを取ることをあきらめずに自力でなんとかしようともがいた獅子原の追い上げは、結局は実らんかったとはいえ、評価できるかもしれんな」


セーラ「あ――っ! 勝てんかった! 結局荒川の逃げ切りかい!!」=3

竜華(… 最後… もしうちがリーチを保留しとったら、憩ちゃんもうちも28200点の同点… 上家取りでうちがトップになれたんやがな…)フウ・・・

竜華(あの新ドラ3枚も、どれか1枚でもカンツにのっとれば、うち… 2枚以上なら獅子原がトップになっとった…)

竜華(まあウンも実力のうちや… ここは、憩ちゃんを称えるしかあらへんな)


爽「ドチクショウ・・・! 憩ちゃんのうんこが・・・ ハーレムが・・・!」ポロポロポロ・・・

セーラ「いつまで泣いとるんや! さあ、これは脱糞麻雀や。 ラストの人間ははよペナルティを実行せえや!」

爽「ん…? そうか… 結局、私が、この場でうんこしなきゃいけねーわけだな… ぃよおおおっしゃああああぁぁっっ!!」バッ

竜華「うぃ? な、なんや?」

爽「女一匹獅子原爽・・・ 私は逃げも隠れもしねーぞ! お前らっ! 私の華麗なるHAISETSUを見てチビるんじゃねーぞっ!!」ババッ!


ステージのガラス製容器の前に仁王立ちし、スカートをたくし上げてパンツに手をかけた爽・・・

ところが、


ザワザワ・・・ オイオイマジカ?
アイツノウンコナンカオヨビジャネーヨ!
チッ ナースノコノウンコガミタカッタノニナ・・・
モウカエローゼ?
ガヤガヤ・・・  ゾロゾロゾロ・・・


大勢いた観客たちが、失意の声とため息をもらしつつ、ガヤガヤと帰り始めてしまったのである…


爽「お…? おいおいお前らどこ行くんだよっ! これからが本当のクライマックスだろうがぁ!!」


ウルセー!
ブサイクノウンコナンカマジゴミダロww
イッショウウンコツマラセテロオマエハ!
ゾロゾロゾロゾロ・・・


爽「バ、バカヤロォーッ! 帰るんじゃねぇ! お前ら私のうんこ見てけよっ!!」=3=3


 シィ――ン・・・・

アッという間に全ての観客がはけ、誰もいなくなってしまった会場・・・


爽「…わ、私のHAISETSUの美しさが分からねーとは… あいつらどうかしてるぜっ! クソッ、こうなったら、お前らだけでもよく見とけよっ!」ヌギッ!

セーラ「アホォ! 金を出す奴がおらんとオークションが成立せんやろが! もうええからはよその汚いケツしまえやっ!」

爽「・・・な、な、な、なんだとぉ・・・?!」ワナワナ

竜華「セ、セーラ、いくらなんでも言い過ぎやでっ! 一応獅子原も女の子なんやから…」


憩「使えない人やなーぁ爽さん。 これじゃせっかくトップになったのに、ウチにはお小遣いが入らへんやないの…」

爽「…う、め、面目ない…」ガクガク

憩「まぁ別にええですよぅ♪ ・・・ウチな、爽さんって、ぶっちゃけ一人じゃ何もできんヘナチョコさんやと思っとったけど…」

憩「今回卓を囲んでみて、本当は違うんやなぁって、気づいたで。 ちゃんと、プライドも、根性も、熱い気持ちも持っとる人やったんやな♪」

爽「…そ、そりゃ、そんなの、当たりめーだろっ!///」

憩「ふふっ、見直したで爽さん♪ だから… 明日、一緒にデートしてあげてもええで?」ニッコリ

爽「なっ? マ、マジか!!」パァッ!


 「ちょっと待って下さい!」


爽「あ? な、なんだお前たち…?」


憩と爽の間に割って入った、誓子とユキ・・・


誓子「荒川さん、申し訳ないんですけど… 爽は私たちのものなので、ちょっとそういうのはやめてもらえます?」キッ

憩「ふぇ? なんや爽さん… こんなにカワイイ彼女が二人もおるのに、ウチのこと口説いとったの…?」ギロッ

爽「そ、そそそ、それは…」アタフタ

誓子「いえいえ、違いますよ荒川さん。 爽は私たち専属の奴隷犬なものですから、ちょっとレンタルとかはお断りしてるんです」

爽「バ、バター犬? おいチカ! そんなプレイしたことないだろ私は!」

誓子「? 何トチ狂ってるの。 どんなプレイもしたことないわよ!」

揺杏「おいコラ、どこにバター犬の要素があったんだよ?」

ユキ「バター犬ってなんですか?」ハテ

成香「え? その、えーっと… わ、私もよく知りませんよぅ…///」


爽「お、おい、チカ… お前たち、まさか、この私を連れ戻しに来たんじゃねーだろーな…?」

誓子「…ふん、安心しなさい違うわよ。 どうせあなたは言っても聞かないでしょ? でもね、年末までには旅を終えて戻ってきなさいよ?」

爽「ん…? えっと… 今日って、何月何日だっけ」

ユキ「12月9日です。 爽さんが旅に出てから… もう2ヶ月以上経ってるんですよ」

誓子「あと、爽、有珠山を発つ時に、私たちと約束したこと覚えてる?」

爽「ん? えーっと…? 鼻クソは人前ではほじらない・・・だったっけ?」

揺杏「周りに迷惑をかけずに旅をしろ、だよ! …江口さん、どーですかコイツは…? ちゃんと、他人様に迷惑かけずにやってますか?」

セーラ「あん? えーっと、いやそりゃもう、こいつはメイワクはかけまくり、シンパイもかけまくり、フリカケもかけまくりやでっ!」

怜「フリカケのかけまくりは高血圧の原因になるで」

竜華「タコ焼きにのり玉かけて食うと美味いんやでー♪」


セーラ「あぁ… なんか食いモンの話聞いたらハラ減ってきたでっ! 」ゴギュロロルロロロオォ~~~・・・

怜「うちもや… ハラの減りすぎで目がかすんできたで…」

竜華「いちいち病弱アピールすんのやめぇ! でも、もう夜8時過ぎやもんな、そりゃ腹も減るわな…」グウウウゥ~~・・・

爽「私もだよ。 なあ、みんなでラーメンでも食いにいかね?」

セーラ「ラーメンか、ええな! ちょうどこの近くに美味いトンコツラーメンの店が…」


憩「ちょっと待ってや」


セーラ「な、なんや、荒川・・・」

憩「この麻雀のもう一つの条件・・・ 忘れてません?」

セーラ「ジョーケン? なんやそれ、ジョージ・マッケンジーのことか?」

憩「とぼけたらあかんで江口さん、自分で言うとったくせに…」ゴゴゴォ・・・

憩「“トップの人間は2~4位の人たちに一つ命令を出すことができる”・・・ つまり、今ウチは王様なんやで?」ニタア・・・


セーラ「くっ、この・・・ 他の話でウヤムヤにして流そうと思っとったのに… ふんっ、分かったで! なんでも一つ言うこと聞いたるわ!」

憩「ふふ・・・ どんな命令にしよかな~ぁ? 来年、みんな三箇牧の3年に転入してもらって、麻雀部に入ってもらうとかもええかもな~ぁ…?」ニタニタ

憩「あんたら3人が入ってくれれば、三箇牧はきっと全国優勝できるやろなーぁ♪」ニタニタニタ・・・

爽(…クッ、やっぱり…!)

竜華「…女に二言はなしや。 憩ちゃんがそう言うなら… うちはプロも大学も蹴って、三箇牧に入ったるで…」

憩「・・・なーんて、冗談ですよぅ! 麻雀は、自分の好きなところで好きなように打って楽しむもんなんや。 そんな強制的にヤラせたりなんか、ウチはせーへんで♪」ニコッ


爽「…じゃ、じゃあ… どんな命令にすんだよ?」

憩「そやね… ウチもちょっとお腹がすいてきたから… そうや! “焼肉”おごってや!」

セーラ「や、焼肉? そ、それだけでええんか?」

憩「ええで♪ たーだーしぃー・・・」

憩「大阪一の高級焼肉店やでっ! あと、今日来た有珠山の人たち全員にもおごったってな♪ せっかく北海道から来てくれたんやから、うちらでおもてなしせなあかんやろ? あ、あと、あんたらがお金を巻き上げた椿野さん、寺崎さん、南浦さん、小走さんにもおごること!!」

セーラ「えっ、ええ? それ、ちょっと、とんでもない人数になるで…?」

憩「さっきまで脱糞麻雀で小遣い稼ぎしとったんやから、お金はタンマリあるんですよねーぇ?」ニタニタ


怜「賛成や。 おぅ、セーラと竜華… 当然、うちらも仲間外れってことはないやんな?」ゴゴゴォ・・・

フナQ「…すみません、先輩方」

泉「ゴチになりますっ!」wktk

揺杏「焼肉か! おう爽、悪いな!w」

誓子「すみません荒川さん、気を遣ってもらっちゃって… ふふっ、楽しみだわ♪」


セーラ・竜華・爽「「「 うっぐぅ・・・! 」」」






~30分後…~


 ジュウゥ~・・・  ジュジュジュジュウゥ~~・・・・

揺杏「うおおおぉウッメエェェッ!! 霜降り肉が舌の上でトロけるぜっ!!」ハムッ ハムッ

ユキ「近江牛と但馬牛の熟成肉ですか… 北海道のジンギスカンもコレにはかないませんね…!」モグモグモグ…

成香「ほいひいいぃですうぅ~~~~!!!」ムッグムッグムッグ

誓子「こんな美味しいものおごってもらえるなんて… これも、爽が負けてくれたおかげね♪」モギュモギュ…

憩「喜んでもらえて嬉しいでーぇ♪」モグモグニコニコ


千里山、有珠山、そして憩や美幸たち、総勢15名は、高級炭火焼肉店「和牛懐石 但馬屋」で、次々と運ばれてくる極上料理に舌鼓を打っていた。

しかし・・・ 金を出す立場のセーラ、竜華、爽は、モリモリ食べまくるメンバーをハタ目に、特上肉もノドを通らずにいた…


セーラ「・・・こんの、あいつら、全然遠慮なく食いよって・・・!」ギリッ

竜華「あかんなこれ… さっき麻雀で儲けた分じゃきっと足らへんで…? うち、コンビニのATM行ってくるわ…」スッ

爽「…くっ、この! わ、私の、大事な旅行資金が…!」ワナワナ


美幸「………」ムッグムッグマッグマッグムッグマッグモッギュマッギュ・・・


爽は… そんな中、ワキ目もふらずに次々と肉を口に放り込んでいる少女に声をかけた。


爽「お、おいアンタ… 見かけによらず随分よく食うな! ちょっとは遠慮しろよ…」

美幸「ん? あぁ、獅子原さん! もぉー私おいしすぎてほっぺたで空が飛べそうですよぉ!もー! 獅子原さんもガンガン食べましょーよ♪」モグモグムギュムギュムギュムギュ・・・・


爽「…私はもうムネがいっぱいで食えねーよ…」

美幸「? そう? あ、獅子原さんって、日本縦断の旅をしてるらしいですけど、ここの次はどこ行くの?」ムグムグマグマグモッギュモッギュングングング・・・

爽「ん? あぁ、次は女子高生アイドルちゃちゃのんのいる広島鹿老渡に行く予定だよ」

美幸「!? えっ、それなら劔谷にも来てよっ! 素通りとかどーゆーワケですか?もー!」ハグハグムチュムチュマグマグムギュムギュハグハグハグ・・・

爽「ケンタニって、すげーお嬢様学校だろ? いいのか? 私みたいのが行って…」

美幸「全然OKだよみんなで歓迎するよっ! 私、明日芦屋に戻るから、一緒に行こーよ♪」バックバックマングマングモッギュマッギュモグモグムグムグバクバクバク・・・・

爽「た、たのむわ、じゃあ… ってか、ホントにどんだけ入んだよお前!」




次回、~兵庫劔谷高校 梢「美幸ちゃんの顔にオシッコをブッかけたいんですっ!」 友香「ぶぶぶ部長?!」の巻~ に続く・・・


~おまけ~


爽「ふう… やっぱトイレの先進地、大阪はマジでいろいろハンパなかったぜ… さてさて、明日は兵庫の劔谷高校…」ゴソゴソ

憩「爽さん? 何しとるん?」

爽「ん? ああ、明日の荷物の準備だよ…」ゴソゴソ

憩「なんや、もう別んとこ行ってまうんですかーぁ?」

爽「うん、さすがに今年中には永水に着きたいからね…」

憩「ん~… でも爽さん、一つ忘れとらん?」

爽「へ?」

憩「ほら、このスレの冒頭でした約束・・・」

爽「…え、えーっと…? な、なんだっけ…?」ダラダラダラ・・・

憩「麻雀バトルで勝った方が、“このSSの主人公になる”ですよぅ。 ウチ、勝ったんやけど」

爽「………」

憩「フフッ、そういうわけで、爽さんはもう御退場ねが…」

爽「お許しをォッ!!」ズバアァッ!


憩に向かって神速の土下座をキメた爽…


爽「まだ… まだ西日本のトイレたちが、私のことを待ってるんだよぉ…! たのむっ! 見逃してくれぇっ!!」ドゲザー・・・

憩「・・・冗談やで、爽さん♪ ま、自分の未熟さを肝に銘じて、謙虚な気持ちで旅を続けるんやね」フフン♪

爽「あ、ありがたきお言葉…!」ペタァー・・・

憩「ただ、一つ約束してな? ことあと鹿児島まで行って旅を終えたら… 北海道に戻る前にまたウチのとこに寄って、成長した姿を見せて下さーいね♪」

爽「…お、おうっ! じゃ、じゃあ、その時には、今度こそ、デートを…」

憩「うーん… 爽さんが、もっとカッコよくなっとったら、考えてあげてもええかなーぁ♪」

爽「うっしゃぁ! テンション上がってきたぜ・・・!! 待ってろよ! 西日本のトイレたちぃ!!」メラメラメラァ・・・


(おわり)

止まります。
また多分今週末から書いていきます。

応援んこ感謝。
少しでも楽しめてもらえているなら何より。
5位決定戦楽しみですよね!
かなり遅くなりましたが書いていきま   あ 

だ えか  たs    あ

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こんな糞みたいなスレを応援だなんて・・・ ふふっ、御奇特な方もいらっしゃるものですね♪

・・・・あは、あはっ、あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWWW


>>1は死にましたよ。

別に私が殺ったわけじゃありません。

>>1は極度の痔瘻を患ってまして、手術するお金も無かったみたいで、こじらせちゃいましてね・・・

さきほど、体中の穴という穴から体液をブチまけながらのたうち回って死んでいきましたよWW

今頃は地獄で閻魔大王のデカマラをアナルにブチ込まれてヒーヒー言ってることでしょうね。

まあいい気味ですよ。 この汚らしく穢らわしいどうしようもない社会も、>>1が消えたことで少しは浄化されたと思います。


え?

そういうお前は>>1じゃないなら誰なんだって?

ふふっ、申し遅れましたね・・・WW

私、兵庫劔谷高校三年生、麻雀部元部長の 古塚梢 という者です。

「こづか」じゃないですよ、「ふるづかこずえ」です。

>>1が亡き者になった以上、ここ劔谷高校のお話は、代わりに私が書き込んであげようかと思いましてね・・・♪


は?

モブは引っ込んでろですって?

はぁ、まあ確かに、私は原作でもアニメでも、台詞は非常に少ない上に地味な立ち位置でしたから・・・ 印象に残ってる方は少ないでしょうね・・・

でもね、これから書いていく、私の秘密の趣味についてのお話をお読み頂ければ、きっと、忘れられなくなりますよ。


私、古塚梢の名前をね・・・・・



<その21 ~兵庫劔谷高校 梢「美幸ちゃんの顔にオシッコをブッかけたいんですっ!」 友香「ぶぶぶ部長?!」の巻~>



さて皆さん、「フェティシズム」という言葉を御存知ですよね。

性的趣味嗜好・・・、性についての個人的なこだわりという意味で使われていますが、皆さんは、どんなフェティシズムをお持ちですか?

引き締まったふくらはぎに魅力を感じるという方・・・

ウエストから臀部のふくらみにかけてのなだらかな稜線にこだわりを持っている方・・・

おもちの形や触感、TKBの色艶に命をかけている方・・・

はたまたポニーテールの女性のうなじを観賞するのが三度のメシより好きだという方・・・

などなど、個人個人でフェチというのは実に様々ですよね。

全国の百合カップルの皆さんも、パートナーとの愛を育むため、日夜御自分のフェチの探求に勤しんでいることでしょう・・・

例えば・・・


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怜「はあ、はああっ! はあはあはあはあ・・・!」クチュクチュクチュクチュ

竜華「う、あ、と、怜! そ、そこぉ! 気持ちええで・・・!///」ハアハア

怜「竜華… ちょっと、腕が邪魔や… バンザイしてくれや」ハアハア

竜華「え? な、なんで?」

怜「竜華の“ワキ”を舐めたいんや」ギラッ


妖しく目を光らせた怜が、生まれたまんまの姿の竜華に迫る…


竜華「そ、そんな、ワ、ワキはちょっと嫌やで! うち、汗かいとるし…///」サッ

怜「分かっとらんな。 だから舐めたいんやろが! ほら、大人しくせえっ!」バッ ガチャッ!

竜華「あ?!」


怜は竜華の両手首に手錠をかけると、ベッドの上の柵にくくりつけた。


怜「ククク… もう逃がさんで…WW」ジリッ

竜華「あ、やだ、恥ずかしいって怜・・・!///」クネクネ

怜「ふうぅ・・・ んほおおおおおおおおおおおおぉぉっ!! ええ匂いや…! マイルドな芳香の中に、ええ感じに酸っぱい匂いが…」クンクンスーハー・・・

竜華「や、やめ!/// ちょっと、嗅がんといて! また病気になるで怜!!」=3

怜「アホぬかせ! 嗅がん方が病気になるやろが! むほおぉ…/// 最高や…! こりゃ世界腋臭コンテストでグランプリ取れるんちゃうか?」スーハースウウハアアアア…

竜華「ワ、ワキガコンテスト・・・??」

怜「さて、では、いざ、賞味・・・!」ペロペロ

竜華「ひゃんっ?!!///」ビビクンッ

怜「うほああああああああああああああぁぁぁ・・・・!!」ブワアアアアアアアァァ・・・・・!!

竜華「と、怜?!」


怜の髪がザワザワとなびき始め、瞳の奥に緑色の炎が宿る…!


竜華「と、怜、どうしたんや?」

ハイパー怜「・・・見りゃ分かるやろ? 竜華のあまりにもすばらなワキの感触と魔香と深みのある旨味が、うちを覚醒させたんや…! これぞまさに神のワキ…! あああ今なら100巡先まで見通せそうやでっ!!」ペロペロペロペロ

竜華「く、くすぐったいって! 怜ィ!」=3

ハイパー怜「うほああぁウマイ! ウマイでっ!! ほんまタマラン!! 体中の細胞が生まれ変わるようや…! 竜華、お前、ワキでノーベル賞取れるでっ!!」ペロペロペロペロリンチョ♪

竜華「あっ、 う、 いっ! あああああああああああああああああぁぁんんんっっ!!!」プッシャアアアアアアアァァァ・・・・!


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ふふ、ワキはまさに人間のエッセンスが凝縮された禁断の魅惑地帯… さすがは膝枕ソムリエの園城寺さん、女体の神秘について深い造詣をお持ちですね…

そうそう、女体の神秘についての造詣といえば、奈良のあの達人級のフェチスト・おもちマイスターさんは外せませんが… 他に、こんな方もいらっしゃるみたいですねぇ・・・


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松実館・阿知賀強化合宿中


 ガラッ

憧「… あら? ねえ灼、シズはどこ行ったの?」

灼「穏乃なら一人でお風呂に…」

憧「へ? あぁ、そう、ふーん・・・」イソイソ

灼「…どこ行くの?」

憧「あ、う、うん、ちょっと、トイレに、ね…」ススス・・・





 脱衣場

憧(ふふ… 合宿の間、こういうチャンスも巡ってくると思ってたわ…W)コソコソ

憧(…あ、あったわ! これがシズの服のカゴね…)スッ

憧(ウッホ!/// 見つけた見つけた! シズの脱ぎたてパンツ…!///)ホカホカ

憧(うぇひひひ… 少しシットリしてて、シズのぬくもりがまだ残ってる… これがほんとのホットパンツね… どれどれ)クンクンクン

憧(むお@うぅ・・・!/// ああああぁ! 気が遠くなりそう・・・!)トロォーン・・・

憧(なんてまろやかな香りなの…! シズの汗とオシッコと微量に分泌された愛液の匂いが混然一体となって… 究極の香りのハーモニーを奏でてる…! マジで脳みそトロけそう・・・!)スウウウウウウゥゥ・・・ ハアアアアアアアァァァ・・・・

憧(ふぅ、ふーっ! じゃ、じゃあ、早速、シズの大事な所と密着していた、クロッチの部分を…! ん…? あぁ、ヤバい、ヤバ過ぎる! この黄色いシミ・・・!!)クンカクンカクンカクンカ


シズパンツのクロッチから漂う、凄まじい迫力を伴った絶対的・圧倒的・悪魔的な臭気・・・!

それは、ねばっこくも鋭い闘魂に満ちた重みのあるオーラをまといながら、憧の鼻腔を襲撃した。


憧「だっ! ぶぅぉっはあぁっっ!!」=3=3


憧(く、臭い・・・! で、でも、なんて味わい深い臭さ・・・! これが超高校生級の美臭ってヤツなのね・・・!!)クンクンスーハァー…

憧(ふふっ、じゃあ、お味の方は・・・)ペロペロペロ・・・

憧(アッくうぅぅぅ! 美味し過ぎるよぉ・・・!/// …あぁ、ごめんね、シズ… 私って変態だよね…)

憧(で、でも、もう、どうしてもこのリビドー…抑えきれないのっ! 許してシズ! あ、ふぁ!あああああああああぁぁぁんん!!)シュコシュコシュコシュコ・・・


シズパンツのクロッチ部分を自分の股間にこすり付け始めてしまった憧・・・  ところが、


<『おーい! そこに誰かいるの?』

憧「ふぇっ! あっ、は?!」ビクッ


ガラス戸一枚隔てた向こうから声をかけてきた穏乃・・・


<穏乃『なんだ憧か。 あれ、憧はもうお風呂入ったんだよね? 何してるの?』

憧「えっと、あ、いや、ちょっと、忘れ物! ヘアバンド落としちゃったみたいで…」

<穏乃『…ふーん?』


憧(ふぅ、危ない危ない…! こんな所見られたら、いくら寛容なシズでも、訴えられかねないわ…)スッ

憧(こういう事は引き際が肝心… もっとシズのパンツ堪能したかったけど、きっとまたチャンスがあるわ…)ガラッ


パンツを戻し、脱衣場の外に出た憧・・・

その時


?「憧ちゃん」ヌッ

憧「ねばっ?!!」


憧「な、何? クロ!いきなり後ろから現れないでよ!」

玄「・・・むふふ、まさか憧ちゃんが、“パンチング・クエスター(パンツ道探求者)”だったとはね・・・」ムフムフ

憧「…ば、ば、バカなこと言わないでよっ! 何言ってんのクロ?!」

玄「ぐふふ… トボけてもムダですのだ。 ここの脱衣場には、お客さんたちのおもち盗撮用・・・じゃなくて、盗難防止のための防犯カメラが設置されてるんだよ…WW」ムホホホホ

憧「な、なんですって…?」

玄「つまり… 憧ちゃんが穏乃ちゃんのパンツを嗅いだり、股間にこすり付けたりしてた動画が私の手元にはあるってことなんだよ…?」ニタニタ

憧「……」

玄「ふふ… こんな動画をネット上でバラまいたら、憧ちゃんの人生、もうオシマイだねW 赤土先生もおねーちゃんも灼ちゃんも、幻滅して話もしてくれなくなるだろうなぁ…」ゲスススススウゥ・・・

憧「クロ、あんた…!」ギリッ

玄「冗談だよW 憧ちゃんは私の大切な友達… 大丈夫、穏乃ちゃんには内緒にしててあげるし、私の言うことを聞けば動画もすぐ消去してあげるよ…?」ニタニタ

憧「言うこと…?」

玄「そう、まずはぁ…」モニュッ!

憧「あっ?!///」

玄「この、最近急成長著しいおもち界のダークホース・憧っぱいを堪能させてもらおうかな!」グフォフォフォフォフォ・・・・


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おやおや、見つかってしまいましたか…

ふふっ、パンツに固執する人というのは非常に多く、むしろ性器そのものよりパンツに美意識や芸術性を見出しているフェチストの方も多いですね。

パンツはただの下着に非ず・・・ まさに多くのフェチスチェーション(熱きフェチストたちの魂)を引き付けて止まない魔性の聖衣(マジカル・クロス)なのです。

世間ではパンツを愛でることは変態行為の代名詞のように言われてますが、まったく、由々しき事態ですね。

あ、あと、長野にはこんなちょっと変わったカップルもいらっしゃるようですねぇ・・・ こちらもちょっと覗いてみましょうか。


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 竜門渕邸・透華'S ROOM


一「……」ペロペロペロペロ

透華「…は、はじめ! も、もう、そんな私の脚ばっかり、舐めないで下さいまし…!///」ハアハア

一「あ、ちょっと、動かないでよ! 透華の脚、真っ白で、ツルツルでプルップルで引き締まってて… 本当に綺麗だよ…! 一晩中でも舐めてたいくらいだ…」ペロペロ・・・

透華「く、くすぐったいですわ、はじめ… も、もう、やめて…///」ウルウル

一「ふふ… ねえ透華、君が街を颯爽と歩くとき… いつも沢山の人たちが、脚をこっそりチラ見してるの、知ってる? みんな、君の脚に頬づりしたくてたまらないんだよ…?」ペロペロレロレロ・・・

透華「そ、そんなこと…///」

一「ふふ、神の脚を独り占めして堪能できるのはボクだけ・・・ ウハハハッ! ボクはまさに勝ち組! 世界一の幸せ者だよっ!WW」ナメナメナメリ-ヌ


透華「あっ、は、あぁ、あぁんん・・・/// は、はじめ、本当に、もうこれ以上は・・・///」ガクガク

透華「もう3時間も、脚ばっかり… ずっと焦らされてばかりで、切なすぎますわ! 早く、わたくしのココも慰めて下さいまし…!」クイッ

一「・・・ふふっ、ダメだよ透華、まだ終わらないよ。 次はさぁ…」スッ・・・

透華「?!」


一は透華の隣であおむけに横になり、自分の股を開いてみせた。


透華「な、何を…?」

一「あのさ、ボクの、ココ・・・ 透華の足で、“踏みつけて”くれない?」クイッ


透華「は? そ、そんな、はしたないこと、できませんわ!」

一「ね、ねえ、お願いだよ、透華… 一生のお願いだから…!」

透華「… 仕方ありませんわね… ちょ、ちょっとだけですのよ?」スッ・・・

一「あぅ・・・///」


一の股間を、右脚のつま先でチョンチョンとつっつき始めた透華…


一「う…! も、もっと、強くだよっ、透華…!」

透華「だ、大丈夫ですの…? 痛くありませんの?」チョンチョン

一「ちょっと痛いくらいがイイんだよ…! そ、そう、そこ…/// 透華の足の指の付け根で…グリグリやってみてよ…」

グリグリグリ

ガクガクガクガク

ゾクゾク・・・

プッシャアアアアァァッッ!! ビクンッ! ビビクンッ!!


透華「は? そ、そんな、はしたないこと、できませんわ!」

一「ね、ねえ、お願いだよ、透華… 一生のお願いだから…!」

透華「… 仕方ありませんわね… ちょ、ちょっとだけですのよ?」スッ・・・

一「あぅ・・・///」


一の股間を、右脚のつま先でチョンチョンとつっつき始めた透華…


一「う…! も、もっと、強くだよっ、透華…!」

透華「だ、大丈夫ですの…? 痛くありませんの?」チョンチョン

一「ちょっと痛いくらいがイイんだよ…! そ、そう、そこ…/// 透華の足の指の付け根で…グリグリやってみてよ…!」

透華「こ、こうですの?」グリグリグリ

一「あ、あ、あ、いいっ、イイよ透華…! も、もうちょっと上… そ、そう、ソコォ! あ、あっ、やばっ、ヤバイィッ!!///」ガクガクガク


限界まで肥大した一のクリトリスを、透華の絹のように滑らかな脚が踏みつけ、こすりあげてゆく…!


透華「・・・あぁ、はじめ、かわいいですわ…///」ゾクゾク・・・

一「う、う、うぽああああああぁぁっ?!=3 熱い! 熱いよ透華ァ! と う か ァ ァ ――――――ッッ!!!」プッシャアアアアァァ―――ッッ!!  ビクンッ! ビビクンッ!!


一「・・・」チーン

透華「はじめ! だ、大丈夫ですの?! 目を覚ましてくださいまし!」ユサユサ

一「…ハッ! …あ、あぁ、ボク、気を失って…」

透華「よ、良かった… まったく、心配かけさせないで下さいまし…」

一「ふぅ… あやうくテクノブレイクするとこだったよ… 透華の足はやっぱり最高だよっ! ね、ねえ、今度はさ…!」クイッ

透華「?!!」


ベッドの上で今度はうつぶせになり、尻を突き出してきた一・・・


一「ボ、ボ、ボクのお尻の穴に… 透華のその綺麗な足の指をブチ込んでみてよォォ!!」

透華「・・・いい加減にしなさい!!」=3=3


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ふんふむ、これはソフトSMの一種ですね・・・

痛覚というのは一般的には不快な感覚ですが、一定の条件を満たせば、この上ない快感となることがあります。

そして、こういったSM行為の上で大切なのは、お互いに対する信頼感… それがあるからこそ、相手に性器を踏まれるという屈辱的な行為、その屈服感が、最上至福の快楽を生み出すことになるのです。

その他、コスプレ、野外プレイ、NTR、ロリコン、NOZOKI、妹プレイetc.も、フェチから生まれでた概念であり、それぞれがその道の達人たちによって非常に高度に体系化された理論をもち、一つの文化として成立していることは、周知の事実です。


フェティシズムをもたない人間というのは存在しません。

しかもそのあり方は千差万別、人の数だけフェチの種類があると言っても過言ではないでしょう。

なぜならフェチは人のアイデンティティを形成する上で必要不可欠な要素だからです。

そして、私・・・ 古塚梢のアイデンティティにおいて、絶対的に重要な位置を占めるフェティシズム・・・


それこそが、そう、女の子の「体液」なんですよ・・・


“美少女の体液”・・・!

これほど、妖しくて危険な、心をザワつかせる魅力をもったものが、この世に他に存在するでしょうか?

まあ、体液と一言で言っても、これも実にいろんなものがありますけどね。

真っ先に思い浮かぶのは、やはり愛液と呼ばれる膣分泌液でしょうか。これに圧倒的性的魅力があることについては議論を待たないところです。

口づけをする時や体を舐められる時の「唾液」のネットリとした感触、ふとした時に香る恋人の汗の匂いに興奮しないという人もいないでしょう。

さらにさらに、恐怖や悲しみや喜びといった感情から溢れ出る涙や、鼻腔からタラリと滴る鼻血や鼻水、そして何より、我慢の末に決壊し、恥じらいと羞恥の嵐の中で繰り広げられるOMORASHI・・・!

これに悦びや興奮を覚えないという人は、もはやホモ・サピエンスではないですね。


・・・え、いくらなんでもそれはない?

ふーん…  分かってないですね、皆さん…

いいですか? オシッコとは、ただの人体における“不要な排泄物”ではないのです。

古来から「聖水」と呼ばれて人々から尊重されてきたオシッコの正体は、「人の本質、精髄の詰まった魔法の水」なのです。

科学的に見ても、オシッコには揮発性のフェロモン物質が多く含まれており、性的興奮や快感を喚起することはよく知られている事実です。

また、犬や猫などの嗅覚の鋭い動物は、オシッコのフェロモンを感知することで、個体を識別することができます。

まさに、オシッコとは、その放出者の遺伝子が含まれる分身のようなものと言っても過言ではないでしょう。


ふふっ、ですから、これを読んでいる皆さん方も、「想い人のオシッコ」に興味をもったことがきっとある筈ですよ?

オシッコに心引かれるのは、人間として至極当然の生体反応なんですから。

でも、御友人や御家族と「オシッコの魅力」について語り合ったり、「オシッコ大好き!」と公言している人というのは、ごく少数・・・極めてマイノリティな人たちと言って良いでしょう。

かく言う私も、時と場合によっては自分の誇りあるフェティシズムを隠すことがあります。

オシッコへの愛を誰憚ることなく公言したりしたら、取るに足らぬ「変態」として扱われ、社会からつまはじきされるのがオチです。

みんな、本当は心の中でオシッコを愛しているのに、なぜなんでしょうね? どうして、自分の気持ちに嘘をつくんでしょうね?

しかも、汗、涙、膣分泌液など、体液は他にも様々なモノがあるのに、何故、オシッコだけ特別にdisられるのでしょう?


・・・それは、「オシッコは、下劣で穢らわしい汚物」であるという、間違った認識が社会に蔓延しているからです。


洋榎「間違った認識? 何言うとるんや古塚、シッコは実際問題臭くて汚いもんやろが! あんなもん汚物以外のナニもんでもないやろ」


おや、愛宕さんじゃないですか。 ふむ… あなたのような聡明な方が、オシッコをリスペクトできないとは… 残念ですね。


洋榎「なんやと? あんな臭いモンを魔法の水とか言うとるお前のほうがよっぽどどうかしとるでっ!」


…愛宕さん、オシッコは本当に少しも汚くなどない清浄な液体なのです。 何度も体内で濾過されて抽出されるオシッコは、水道水よりも菌の少ない極めてクリーンな水・・・そう、まさに「聖水」なんですよ。


洋榎「はあ? シッコが水道水よりキレイ…? んなワケあるかい! じゃあなんであんなクッサイ臭いがするんや!」


いいえ、放出直後のオシッコはほぼ無菌なのは事実です。 ただ、体内から外に出て空気中の細菌に触れることで、尿素がアンモニアへと分解され、それがあのオシッコ特有の臭気を発する原因となっているのです。 つまり、むしろ不潔なのはオシッコではなく、私たちの周囲の空気の方なんですよ。


洋榎「な、なんや、と…?」


飲尿療法という健康法が一時期日本でもブームになったことがありますが、アレも化学的な根拠に則った正真正銘の医学法です。 インドのアーユルヴェーダにルーツをもち、血栓をとかし体を若々しく保つ飲尿療法は、まさに究極の美容療法と言ってもいいでしょう。


洋榎「…そ、そうか…! なら、うちが、キヌにシッコを飲ませてくれって頼んでも、それは別に、異常なことではないんやな?」ハアハア


異常も何も… 愛しい人のオシッコを飲みたいと思うのは、ごく自然な心理です。 実行すれば、きっと、二人の愛をさらに深めるキッカケとなるでしょう。 勿論、尿道口に口をつけて直飲みするのが一番ですよ… ムフフフ


洋榎「よっしゃああぁっ!! き、キヌ・・・ 待ってろよ! 今からおねーちゃんがお前の一番搾りを&@×Yg#→MKⅱ<*わFt!!=3」ダダダダッ


ふふっ、健闘を祈りますよ… クスクス


行ってしまいましたね、愛宕さん… うふふ、一体どんな姉妹プレイを繰り広げてくれるんでしょうかね?

・・・おっと、いけませんいけません、また妄想モードに入ってしまうところでした・・・

私、性的な妄想を始めると、もう止まらないんですよねww


でもまあ、交渉の仕方にもよりますけど、あの生真面目で融通の利かなさそうな絹恵さんが、実際にオシッコプレイを承諾することはないでしょうね…

いくらオシッコは清浄なるモノだという事実を説いても、一般の方々はそうそう簡単には受け入れられないものです。

今まで生きてきた社会生活の中で、「オシッコ=下品・汚い」という意識が刷り込まれているので、それを拭い去るには尋常ならざる勇気と、覚悟が必要になるからです。


・・・えっ? “覚悟”とはどういうことなのか、ですか・・・?

それは、この社会の帰属者という括りから脱する覚悟・・・ つまり一般的に“変態”とされる人間の仲間入りをする覚悟のことです。

この、現在の文化的で科学的で知的な日本社会においては、「オシッコLOVE」という趣味嗜好は、どうしても相反する・・・忌み嫌われるべき恥ずかしい行為であるという一般認識の迫害から逃れることはできないのです。

まあ、この社会には、他にも、間違った真実ではない“常識”というのはいくらでもまかり通ってますけどね・・・


でもね、実は、そういった「間違った一般認識」があるからこそ、「オシッコプレイ」や「オモラシ」というものは、逆にさらなる魅力、輝きを増すものなのです。

そう、その魅力とは、言わずもがな・・・  「羞恥」と「背徳感」です。


なんの羞恥心も背徳感もなく垂れ流されるオシッコに、どれ程の魅力があるでしょうか…?

ただ漠然と出すだけでは、それはただの動物の尿と変わりありません。

羞恥と背徳感を伴って聖水を迸らせることができるからこそ、私たちは「人間」なのです。


そう、羞恥・・・ 頬を赤らめ、瞳を潤ませ、恥辱と快感のルツボの中で揉まれながら漏らすからこそ、少女のオモラシというものは美しく・・・

背徳感・・・ 何かイケないことをしてしまっているという意識に後ろ髪を引かれながらも、刹那の快楽と愛に没入してしまう熱いジレンマこそが、オシッコプレイの真の魅力なのです。


そうそう、タイトルでは私が美幸ちゃんの顔にオシッコをブッかけたいと叫んでますが、彼女はまだBUKKAKEは了承してくれないんですよね・・・///

でも、私がオシッコプレイを求めると、美幸ちゃんたら、頬を薄紅色に染めてモジモジし始めるんですよ・・・?

もう、そんな姿を見ちゃったら、地味でクールで冷徹な印象をもたれることの多いこんな私でも、脳みそ沸騰ですよWW

ホントに、あんな可愛い美幸ちゃんが見れるのも、彼女にきちんと羞恥や背徳感の気持ちがあるからなんですよね・・・W


ふう・・・ とまあ・・・ 前置きが長くなってしまいましたが、オシッコというものの真理や、私、古塚のオシッコに対する想いといったものは伝わりましたでしょうか?

ではそろそろ、“あの人”のことを書いていきましょうかね・・・

そう、自称“トイレマスター”を名乗るあの北海道の赤毛の女性・・・

ふふ、正直ね、さすがの私も彼女には驚きましたよ。 オシッコに対して、こんな考え方をもっている人もいるのか、とね。

私のオシッコ論を覆す・・・とまではいかないですけど、良い勉強になりました。 彼女との出会いは・・・


では、始めますね。

いらっしゃいませ♪ めくるめく、“聖水ワールド”へ・・・!






私の恋人、椿野美幸ちゃんが、獅子原さんを連れて部室にやってきたのは、庭の桜の木たちがうっすらと雪化粧を始めた12月のある日のことでした。



 ガラッ

美幸「たのもー」










私の恋人、椿野美幸ちゃんが、獅子原さんを連れて部室にやってきたのは、庭の桜の木たちがうっすらと雪化粧を始めた12月のある日のことでした。



 ガラッ

美幸「たのもー! みんな、スペシャルゲストのご到着だよっ! もー!」

爽「失礼しまーっす。 わ? なんだここ… タタミ敷きの部室…?」

美幸「奥に茶室もあるよー♪」

爽「ゆ○ゆりみてーだなオイ…」


澄子「いらっしゃい、始めまして。 劔谷高校麻雀部部長、依藤(よりふじ)澄子です。 獅子原さん、今日はようこそおいで下さいました」ペコリン

友香「よろっ!」

莉子「こんにちはー♪」

爽「あ、いや、どーもどーも・・・って、なんでみんな和服着てんの? ここ茶道部か…?」


 「ふふっ、それは… 私たちは部活動によって麻雀だけでなく修身… つまり女性としての所作や心構えを身につけることも目的としているからですよ、獅子原さん」ヌッ


爽「はえっ? な、なんだあんた、いつの間に後ろに…?」

私「ふふふ…」ゴゴゴォ・・・

美幸「このコは古塚梢ちゃん… ここ劔谷の元部長で、私の幼馴染みだよ♪」

梢「インハイベスト8のエースの方が来てくれるとは… 光栄ですね。 早速お手合わせ願いましょうか…」ニコッ

爽「おうっ! 望むところだぜっ!」






爽「うしっ、とおらば・・・リーチだ!」タンッ

私「… おや、やっと出ましたか。 ロンです。 ジュンチャン三色ドラ1・・・ハネ満12000頂きますね♪」ニッコリ

爽「は? げぇ、ダマテン…? い、いつの間に張ってたんだ…?」

澄子「これで終局… 順位は、トップが古塚先輩、2位が椿野先輩、3位が森垣さんでラスが獅子原さんですね…」

爽「うっぐ・・・」


私「ふふ… テンパイすれば、獅子原さんがドラを切ってリーチしてくることは分かってましたよ」ニコニコ

爽「な、なんだと…? て、適当なこと言うなよ!」

私「適当…? でしたら、今の獅子原さんの待ちを当ててみましょうか? ズバリ、ホンイツの三・六筒待ちじゃないです?」

爽「…!?」

友香「あっ、ホントだ! ピッタリ三・六筒で待ってるんでぇー!」ヒョコッ


爽「くっ・・・! 憩ちゃんやセーラたちはともかく… インハイベスト16のモブ高にまでボコられるなんて…」ワナワナ

美幸「モブ高って… 確かに今年のインハイは有珠山より下だったけど、劔谷は何度も全国優勝したこともある名門だよ? もー!」=3

爽「? マジで?」

澄子「獅子原さん… 私たちは、全国屈指の激戦区兵庫で常に代表の座を勝ち取ってきた、実績なら全国でもトップクラスに入る強豪校ですよ」

莉子「それに、美幸先輩と梢先輩は、近畿地区であの大阪四天王や奈良の小走やえと、中学時代から名勝負を繰り広げてきたすごい人なんですよ?」

友香「フロックでたまたまベスト8に入った有珠山なんかとは、格が違うんでぇー!」

爽「な、フ、フロックだと・・・?」


爽「ナメんじゃねーよ! おう、もう一回勝負だこんにゃろっ!」=3

私「まあまあ… 少し休憩しませんか? 獅子原さん、お抹茶を点てましたので、どうぞ御賞味下さい」スッ

爽「おわっ、こりゃどうも… えーっと、なんか茶道の作法があるんだよね? 3回まわすとか…」

私「お気になさらず、グビッと飲んでもらって構いませんよ」ニコッ

爽「そう? じゃ、頂きま・・・ うわ!にがっ!」=3

澄子「お茶菓子と一緒に飲むと丁度いいんですよ」スッ

爽「ん? なんですかコレ?」

澄子「上級和菓子、“練りきり”です」

爽「ネリキリ・・・?」

美幸「白餡を求肥をつなぎとして練り上げた生菓子だよ♪ 調理実習で私たちが作ったんだよ!」


爽「うはっ、ホントだうまっ! 甘味と苦味が融合して… 得も言われぬ味わいに…!///」=3

莉子「梢先輩の点てるお抹茶は、何しろ茶道師範級ですからね♪」

爽「ふぅん… でも、なんで麻雀部にこんな本格的な茶室があんのさ?」モグモグ

私「先ほども少し話しましたが、劔谷高校は、女性としての立ち居振る舞い、修身に重きを置いている学校です。 情操教育の中に行儀作法や座禅が組み込まれており、着付け、華道、そして茶道が必修で、大抵の文化部の部室には茶室が備えられているんです」

爽「へ、へえ… さっすが超お嬢様学校…」


獅子原さんはグビグビとお抹茶を飲み干すと、おもむろに立ち上がった。


爽「ゴチソウサマ! ふぅ・・・ うむ、ムラムラと催してきたぜ・・・ ちょっと、誰かトイレ、案内してくれる?」

私「…大きい方ですか? それとも小さい方ですか?」

爽「え、オシッコだけど…?」

美幸「お抹茶には利尿作用があるからねぇ」

爽「あ、そなんだ。 フフ… お嬢様御用達のトイレか… どんなトイレなんだろな? やっぱ、超ゴージャスなのかな?」wktk

私「いえ、オシッコでしたら、どうぞここでして下さい」ニタッ

爽「は?!」


私は、着物の袖をはしょりながら、右腕を高く振り上げた。


 スッパ ア ァァ ンッ!!


爽「っげえぇっ!??」=3=3

ふう… 私もちょっと性的に催してまいりましたので、休憩させて頂きます。
また、来週の土曜日に書いていきますので、よろしかったらご覧下さいね♪

乙ありがとうございます。
遅くなってしまいましたが、少しだけ投下いたします。


私がタタミに渾身の平手打ちをかますと同時に、その反動でとなりのタタミがフワリと浮き上がる・・・

そして、その下から、あの空間が現れた。


爽「な、な、なんだぁコレ・・・??」

私「もちろん、トイレですよ」

爽「へ?!」


案の定、目を丸くする獅子原さん… ふふふ、トイレマスターなどと偉そうに言ってはいますが、日本古来の御不浄の知識もないようでは、話になりませんね・・・w


爽「トイレ…? おいおい冗談キツいぜ! なんなのこれ? 漬け物の壺かなんかか…?」


そう… タタミの下から現れたのは、床に埋め込まれたいくつもの「壺」・・・ 普通の水洗トイレしか使ったことのない方は、これがトイレだと言うといつも狐につままれたような顔をしますね。


私「これは東司(とうす)と呼ばれる禅宗のお寺で古来使われていたトイレです。 私たちは部活中はいつもこのトイレを使用しているんですよ」

爽「ト、トウス…? な、なんでわざわざ部屋の真ん中で用を足さなきゃいけないんだよ?!」

私「分かりませんか? これも、女性としての所作や心構えを身につけるための、教育的トイレなんですよ?」

爽「はぁ…??」


私「日常の生活そのものが修行であると考える禅宗のお寺では、トイレも修行の場の一つなのです。 トイレだからといって、一人で気楽にのんびり、などということは許されないんですよ」

爽「…? つまり… トイレ使用のマナーをキチンと身につけるためのトイレ…ってこと?」

私「そうですね。 人間の心というのは弱いもので、誰も見ていない所では、つい、はしたない、ダラけた行動をとってしまうものです。 そういった行いは、その人自身の品位へと反映されます」

私「つまり… いかにして美しく、優雅に、清らかに、そして官能的に排泄できるか・・・は、女性として欠くことのできない重要な素養であると考えているわけです」

美幸「女の子は一日10回くらいトイレを使うからね。 トイレでどう過ごすかは、修身でも重要な課題の一つなんだよ、もー!♪」

爽「な、なるほど… HAISETSUに対するその真摯な態度… す、すばらじゃねーか!」


私「分かってもらえましたか? では、百聞は一見に如かずと言います。 ここは・・・莉子さん、あなたがお手本を示して差し上げなさい」

莉子「わ、私ですか?///」


いつもつけているバラの髪飾りを揺らしながら、キョロッとしたつぶらな瞳を私に向ける莉子・・・ ああ、本当に、このコの小動物的可愛らしさは犯罪級ですよ・・・ww


私「そうですよ。 ここ最近のあなたのHAISETSUの美しさには、目を見張るものがありますからね… 獅子原さんに、劔谷高校の女生徒がいかに美しいオシッコをするか… 見てもらいなさい」

莉子「は、はい…///」スッ

爽「ま、マジか…? な、なんだこの展開…?」=3=3


莉子「ん…///」スッ


着物の裾をはしょった莉子が、まず前かがみになりながら、ゆっくりと白のショーツをおろし、片足がけにする・・・


莉子「は、あ・・・///」クチュッ


そして、空き壺の上にかがみこむと同時に、右手の人差し指と中指でその愛らしいスリットを左右に広げる・・・!


美幸(むほほおお・・・! 莉子ちゃんの尿道口… いつ見てもキレイだよおぉ、もぉー!///)ハアハア

澄子(うう… 安福さん、その切なそうな表情、たまりませんね…!///)ハアハア

友香(や、やっぱり、オシッコ観賞は莉子ちゃんに限るんでぇー!///)ハアハア


莉子「う、うぅ・・・/// そ、そんな、マジマジと見ないで下さい・・・///」カアアアァ・・・


うっすらと涙目になり、頬を紅潮させていく莉子…

そう… この、“見られている”という恥ずかしさに耐えることこそが、奇跡の黄金聖水顕現のための絶対条件…!

私の部員たちは皆、そこのところはよく分かっていますからね… ククク・・・


莉子「ん… ふぅ、は、あ…///」ハアハア


スリットをおさえる莉子の手が、徐々に汗ばみ… しゃがみこんでいる両脚がカタカタとわずかに震え出し、はあはあと荒い吐息が美しい唇をついて出る…


莉子「ふ…/// んっく! は、あぁ、ひゃううぅん・・・!///」ハアハアハア


ああ、莉子、なんといやらしい・・・!/// 小刻みに何度も迫りくるオシッコの波にあえて耐えることで、スリットがまるで生き物のようにプクプクとうごめいている…!

そう… 聖なるオシッコ顕現の前に、“焦らし”はマスト・・・!


美幸(も、もおぉー! は、早く、オシッコ出してよ、もー!!)=3

澄子(ああ、いけません、濡れてきました…/// くっ、これ以上焦らされては、私の○×△の方がもたない…!///)=3

友香(や、やばい… 鼻血が止まらないんでぇー! こ、このままじゃ、貧血で倒れちゃうんでええぇぇっ!!)=3


ふふ…ww さっきまでは、まるでいたいけな少女に襲い掛かるオオカミのようだったあのコたちも、今や好物を前にして「待て」をかけられている子犬たちのようになっていますね…
そう、何人たりとも、オシッコの魅力には抗えない… プライドを捨て、屈服するしかないのです…!


莉子「あっ やっ、 ひぐぅっ! んんん・・・!/// も、もう、だめぇ…!///」グググ・・・


さあ、イキなさい莉子…! この世に、その偉大なる神の聖水を降臨させるのですっ!! クワッ!


・・・プシィッ!

シュッ・・・・

ショッワアアアアアアアアアアアアァァァァッッ・・・・・!!


美・澄・友「「「ぅおおおおおおおおおおおおお・・・!!!/////////」」」


まばたきもせずに見守っていた子犬たちの前で、ついに、莉子の黄金聖水がその御姿を現し、美しい放物線を描いて壺の中へと吸い込まれていく…

私の目には、オシッコがわずかに湯気を出し、外からの日光によってキラキラと光り輝いているのが見えた…

そして…


莉子「あ、あ、あ♪ あん♪ ああああああ・・・♪♪」ショロロロロロロオォ・・・!


爽「ん? こ、これは…?」


 アァ~メェ~~イ ズィングレェ~イス♪  ハウ スウィ~~ト  ザ  サウ~~ンドゥ♪ ~~♪・・・・


吐息まじりの気だるくも、艶やかで美しい歌声が莉子の唇を震わせ、部室内に響き渡る…


爽「こ、これは… 賛美歌『アメイジング・グレイス』…!?」


おや… そういえば有珠山高校はミッション系スクールでしたね。 なるほど、獅子原さんもこの歌は御存知なのですか…


 ザッ トゥセイ~~ヴ♪  ショロロロロロォ・・・♪  ドゥ  ア  レ~~ッチ  ライク ミィ~~…♪  プショアアアアァ…♪


莉子の澄んだ歌声と、オシッコの迸る音が混然一体となり、圧倒的なLIVE空間が私たちを包む…


美幸「も、も、もおおぉ・・・!」ポロポロ
澄子「う、う、うううぅぅ・・・!」ポロポロ
友香「で、で、でえええぇぇ・・・!」ポロポロ


鏡花水月の如きオシッコを前にし、トロけるような表情で涙を流す子犬たち・・・

そう、人は、あまりにも美しく神々しいモノに出逢った時は、ただこのように涙を流すことしかできないのです。


・・・チュンチュン♪  チュンチュンチュン、 ピチピチピチィ…♪


爽「なっ? げええぇ…?!」


 チュンチュンチュン♪   ピチチッ  チィチィ チュンチュン・・・♪


爽「こ、これは…!」


驚愕の表情を浮かべる獅子原さん… 

ふふ、しかしそれも無理はありません…

開け放たれた障子の間を通って、中庭からたくさんの小鳥たちが舞い込み、排尿中の莉子の肩や背中にとまりだしたのですから…


 アァ~メ~イズィン  チュンチュンチュン♪  グレ~イス♪  ショワアアアアァァ~~♪・・・


そう… その様はまさに、この世の全てが、莉子のオシッコを祝福しているかのよう…

小鳥たちを身にまとい、排尿の快感に打ち震えながら歌う莉子は、まさに天使… いえ、ヴィーナスそのもののようでした。


 ウィルビ~♪ フォーエヴァ~  マイィ~~ン…♪  チュンチュン…♪  チョロロロロォ…  ピ、ピチョンッ♪ …


莉子が歌い終わると同時に、オシッコは最後に小さな水音をたてて止まり、小鳥たちもさえずるのをやめ、一瞬だけ、静寂があたりを包む…

そして、


 パチパチパチパチパチパチパチ・・・・!  ワーッワ――ッ!  ピィーッピィ――ッ!!  バサッ バサバサバサバサァ・・・!!


子犬たちから自然と拍手と歓声が沸き起こり、小鳥たちは一斉に飛び立って外へと帰っていった・・・


私「ふふ・・・さすがですね莉子さん! すばらしいオシッコでした・・・!」

莉子「えへへ…///」


爽「……」パシャッ  パシャッ  カシャカシャ・・・

美幸「ちょ、獅子原! 無言で写真を撮るんじゃないよ!もー!」

爽「え、な、なんで? 別にいいじゃねーか…」

美幸「莉子ちゃんのオシッコには著作権があるんだよ!もー!」=3


私「どうでしたか獅子原さん? この、圧倒的排尿パフォーマンスは・・・」

爽「おう… すばらだぜっ! こんなにもファンタスティックなオシッコは、私も初めて見たよ」

私「では、次は獅子原さんの番ですね」

爽「え?」

私「オシッコしたかったのでしょう…? さあ、トイレマスターなどと自称しているからには、当然、莉子さん以上のオシッコを私たちに魅せてくれるんですよね?」フフフ・・・

爽「………」


爽「クックックックック・・・」ニタアアァ・・・

私「なっ?!」ゾクッ

爽「この私をオシッコで挑発とは… いやあ、命知らずの奴もいたもんだねぇ、まったく…」グフォフォフォフォォ・・・

私「……」

美幸「ナニィ…? そこまで言うなら、サッサとオシッコしてみなさいよ、もー!」

爽「言われなくても出してやるさ! 教えてやるよ!! “真のオシッコ”の何たるかをなァ!!」カッ

本日ここまでです。
また、今週中には続きを書いていきたいと思います。
物足りない方は、良かったらこちらをどうぞ…↓

セーラ「うんコマ劇場④やで!」爽「マジで」
セーラ「うんコマ劇場④やで!」爽「マジで」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1461498380/)


乙ありがとうございます。
では、書いていきますね。



私「・・・莉子さんより美しいオシッコを出せる…というのですか?」

爽「あたぼーよ! 私はトイレマスター… HAISETSUのプロだっ! 素人のオシッコなんかに負けるわけねーだろがっ!」バッ

私「!?」


獅子原さんは啖呵を切ると同時に、まず上衣を脱ぎ捨て、素早くスカートのホックをはずした。

そして、


 ズルゥッ!


美幸「えっ?!」
澄子「ひっ?!」
友香「でぇっ!?」
莉子「う・・・っ?!」
私「お、おぉ・・・??」


私たちの目は全て、スカートとパンツを一気にズリおろした獅子原さんの股間に向けられていた・・・

そう、そこにはまるで、熱帯のアマゾンの如き、鬱蒼と茂るジャングルが広がっていたのです。


私「う・・・! な、なんておぞましい…! 獅子原さん! なんですかそのモジャモジャはっ! 私たちをバカにしているんですか?」


その尋常ならざる豪毛っぷりに、さすがの私も平静を失って、思ったことをそのまま口に出してしまった。


美幸「ちょっと獅子原! ムダ毛の処理くらいしなさいよっ! もー!!」=3

爽「うるせーな! オシッコに毛なんか関係ねーだろ? 黙って見てろっ!」


何を言ってるんでしょうかこの人は…? 真の聖水とはパイパンより生まれ出ずるべきもの…!

あのような邪悪なジャングルから迸るオシッコなど、ヘドロにも劣る汚水の極み…!!


爽「よッしゃ! ふうううぅぅ・・・・!」スッ


しかし、顔を引きつらせておののく私たちを意に介することもなく、獅子原さんは腰を落として排尿の体勢に入った…


 ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴゴオオォォ・・・・!!!


私「いっ?!?」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオォォ・・・・・・!!


美幸「ちょ、ちょ、何この音? もー!」

澄子「こ、これは、一体…??」

莉子「じ、地震、ですか…?」

友香「い、いや、く、空気が、震えてるんでぇー!」


友香の言う通り… その時、まるで大地が裂けるかのような轟音とともに、私たちの周囲の空気はビリビリと震えていた。

そして、ふと獅子原さんに目をやると、彼女はしゃがみこんだ体勢のまま、禍々しい真っ赤なオーラを噴出させていたのです。


私(こ、これは・・・ まさか、“尿気”!?)


そう… オシッコを我慢している女の子が、極稀に発すると言われるオーラの一種…

しかし、こんな、大気を震わせるほどの尿気とは、一体・・・?


 ピカァッ! ゴロゴロゴロゴロゴロゴロオォ・・・・!!


澄子「ひぃっ?!」


さらに… さっきまで、小春日和と言っても良いくらい麗らかな天気だった空は、いつの間にか黒い雲に覆われ… 一瞬強烈な稲光が部室内を照らしたかと思ったら、すぐに凄まじい雷鳴が轟き渡った。

そして、さきほど莉子の肩にとまりに来た小鳥たちが、まるで大災害の前ぶれかのように、あわてて遠くへ飛び去っていくのが見えた。


 キャ――ッ!  ヤダァ―ッ!  モオォ―、ナニコレェ――?!  タスケテエェ――ッ!!


私「み、みんな、落ち着いて! だ、大丈夫! 大丈夫だから!!」


取り乱し、突っ伏して泣き出す部員たちを、なんとか落ち着かせようと声をかける…

しかし、そんな私の目の端に、獅子原さんが怪しげな動きをしている姿が映った。


爽「………」シュコシュコシュコシュコ


私(なっ! アレは…?)


そう… 獅子原さんは排尿体勢のまま右手を自らのジャングルの上にかぶせ、小刻みに振動させていたのだ。


私(!! まずいっ!)



私「危なぁいっ!!」バッ

美幸「えっ?!」


私が、なんとか美幸ちゃんだけでも、とタックルにいって、二人の体が、浮いた瞬間・・・

ソレは放たれた。



爽「“スパーク・ナイアガラ・ブラスタァァ―――――――ッッ!!!”」ジョバジャアァッ!!


 ブ ッ シィ ヤ ア ア ア アアア アァァ ァ アァァ アァァ―――――――――――ッッッ!!!!


友香「でえぇっ?!!」ビシャァッ!


獅子原さんのジャングルから、鉄砲水のような勢いで放射された大量のオシッコは、逃げ遅れた友香、澄子、莉子たちにモロにブッかけられていた。



莉子「………」グッショリ…

澄子「… う、うぅ…!」ビッチョリ…


噂には聞いていましたが… コレは“オシッコ・ブラスター”…!

股間に添えた手を前後左右に細かく振動させることで、放射状にオシッコを飛ばす、女性にしかできない尿技の一つ…

しかし、まさか、本当にコレをやる人がいたなんて…!


爽「ふぅ… いやー、久しぶりだからどーかなーと思ってたんだけど、見事にキマッたぜ…!」テカテカ

友香「な、何するんでえぇぇ―――っっ!! 着物がオシッコまみれになったじゃないノオオォッッ!!」ボッゴォッ!

爽「ごっふぅぁっ?!」=3


友香渾身の右ストレートが獅子原さんの顔面にメリ込んだ。

そうです、やってしまいなさい友香。 いえ、むしろ殺してしまって構いません。

私の背中にも少しかかったじゃないですか、このクソ女が…


爽「何すんだよっ! ちゃんとオシッコ出したじゃねーか!」=3

美幸「ここでオシッコしろとは言ったけど、オシッコをブッかけろとは言ってないよ! もー!」=3

爽「分かってねーな… オシッコ・ブラスターは素人にできる技じゃねーんだぞ? 私はこの技を極めて、昔ヤンチャしてた頃は、どんな極悪な不良どももオシッコで撃退してたんだ。
  ふふっ、中学時代は南北海道のオモラシ番長として名を馳せてたんだぜ…?」クックック・・・

私「そんなことどうでもいいですよ。 私の後輩たちに勝手にオシッコをブッかけるなんて… どうオトシマエをつけてくれるんですか?」

爽「オ、オトシマエって… だって、『聖水大好き! 早くオシッコかけて!!』って顔に書いてあったからさぁ… ほら、依藤さんも安福ちゃんも、尿も滴るイイ女になってるじゃん?」


私「いい加減にしなさいっ! あなたは聖水をナメているんですか?」


さすがの私も、この女のあまりの傍若無人っぷりにはキレかけていた。


爽「なん…だとぉ…?」

私「いいですか、オシッコ=聖水ではないのです。 眉目麗しい美少女が、羞恥や背徳感を伴いながら迸らせるモノが聖水です。 あなたのようなおかちめんこが… なんの恥じらいもなくダラしなくもらすオシッコなど、なんの価値もないんですよっ!」

爽「……」

私「そんな汚水のようなオシッコを人にかけるなんて… 嫌がらせ以外の何モノでもないじゃないですか! あなたには常識というものがないんですか?」

爽「ふぅーん… それじゃあさ、あんたは、美少女のオシッコ以外は価値がないって言うんだな?」

私「当然です。考えてもみなさい。 あなたはそこら辺にいるハゲにオシッコをかけられたらどう思いますか?」

爽「いや、それは嫌だけどさぁ… でも、ハゲのオシッコにも価値はあるぜ?」

私「は?!」


私「なんですって…? 今、なんと言ったんですか?」

爽「だから、『ハゲのオシッコにも価値はある』と言ったんだよ」

私「…?? ど、どういうことですか?」

爽「ふーっ・・・ やれやれ…」スッ スッ


獅子原さんは、ゆっくりとパンツとスカートをはくと、急に目がすわり、まるでこの世の成り立ちを語るかのように話し始めた。


爽「古塚さん、あんたのオシッコに対する愛は大したもんだよ。 でもな、あんたは誤解している」

爽「オシッコはな、見た目がどうこうってもんじゃないんだ。 オシッコで一番大切なのは、“パッション”・・・ つまりは“心”だ」


・・・オシッコで、一番大切なのは、心・・・?? な、何を言ってるんですかこの人は… もちろん心も大切ですが、オシッコは美少女のモノでなければ聖水ではない! そんなことは幼稚園児も知っている世の常識です!

まったく… 私はこういうキレイ事を平然とのたまう人が一番嫌いなんですよっ!


私「心って… フザケないで下さいよ! 心の持ち様によっては、どんな人間のオシッコも聖水になり得るというのですか?」

爽「そうだ。 まあ確かに、美少女のオシッコは独自のとてつもない魅力をもっていることは確かだけどな、でもそれがオシッコの全てじゃない」

私「なんですって…? 少女のオシッコでなければ聖水ではありませんよっ! 一体この世界のどこに、ハゲのオシッコで喜ぶ人がいるんですか?」

美幸「こ、梢ちゃん、そんなハゲハゲって、ハゲをdisらなくてもぉー…」

私「美幸ちゃんは黙ってて下さい。 ハゲでもキモオタでもクソデブでもなんでもいいですよ。 要は美しくない者のオシッコ… そんなものに価値があるワケないんです」

爽「そうでもねーぞ? 私は、多くの観衆の前で堂々と排尿し、その自分のオシッコを飲んで拍手喝采を浴びた偉大なハゲを知ってるぜ?」

私「はあぁ・・・??」


私「なんですかそれは… 下品な… どうせビックリ人間ナントカとか、そういうのでしょう?」

爽「違うよ。 千里山の船久保さんから聞いた話だけどね。 昔、うんこやオシッコを食料に変える研究をしてた学者さんがいてさ…」

澄子「う、うんこを、食料に…?」

爽「戦後の食糧難の時代だよ。 言っとくけど真面目な話だぜ? その、中村浩っていううんこ博士が、ロシアで講演してた時にね…」


爽「宇宙空間における糞尿処理問題について話してたらしいんだけど、話の途中で、そのオッサン、演台の後ろでコップに自分のオシッコを出してさ」

爽「それを持参した濾過機に通して水に変えて、その場でゴクゴク飲んでみせたらしいよ」

友香「・・・そ、それ、でぇ・・?」

爽「うん、『プハァーッ! ウマイ!!』って言ったかどうかは定かじゃないけど、『この濾過機を宇宙服に取り付け、出しては飲み、飲んでは出すのです!』って叫んで、次の瞬間、ハラショーの大歓声と場内割れんばかりの拍手だったらしいぜ」(※)


※史実ですが中村博士はハゲではありません。戦時中にうんこ爆弾を発明した人です。


私「…いや、しかし、ちょっと、話がスリ替わってませんか? 『ハゲのオシッコにも価値はある』って、そうゆうことじゃないでしょう? 私たちは聖水の話をしているんですよ?」

爽「分かってるよ。 そういう価値の話じゃないってんだろ? うん、でもな、それでもやっぱり、ハゲのオシッコでもパッション次第で偉大な聖水になり得るんだ。 いやむしろ、ハゲのオシッコは美少女のオシッコでは到底不可能な感動的聖水になることもあるぜ」ニタリ

私「・・・ そこまで言うのなら、一応聞こうじゃないですか… その、ハゲのオシッコとやらを…!」


そこから繰り広げられた、獅子原さんのオシッコ話は… なんとも不可思議な、異様な話でした…

いったん止まります。
また明日書いていきます。
明日で、私、古塚のお話も終わりとなるでしょう…



爽「ふふっ、そんじゃあ話してやるよ。 そうだね、アレは私が小学四年生の時だったかな・・・」ポワポワポワーン…


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~8年前・北海道有珠郡壮瞥町東有珠小学校~


四年生の秋だったと思うんだけど、私たちの担任が事故って入院して、一週間くらい休んでたことがあった。

その時に、まあ色んな先生が入れ替わり立ち代わりで授業しに来てくれたんだけど、ある日、試験監督として、60過ぎのジイさんが教室に来たんよ。


 キーンコーン カーンコォーン・・・  ザワザワザワ・・・・


 ガラァッ


大沼「・・・北家が牌を晒すのは東家と北家の間… 鬼門…」ブツブツブツ



 美幸「?! ちょっと! なんで熊本出身の大沼プロが北海道で教師やってんのよ! もぉー!」=3

 澄子「つ、椿野先輩、もう、とりあえずツッこむのはやめましょうよ…」


そのブツブツワケ分かんねーこと言いながら入ってきたジイさんは、ドサッと教卓の上にテストらしき紙束を置くと、座って「Weekly麻雀TODAY」を開いて読み始めた。

その、頭の荒涼たるや・・・ うん、ハゲのモデルができるんじゃねーかと思うほどだったね。

そんで、チャイム鳴ってんのに、座れも何も言わないで雑誌読んでるもんだから、学級委員の吉田ちゃんが仕方なく声かけたのよ。


吉田「あの、先生… ですか? 一時間目、テスト…ですよね?」

大沼「・・・らしいな」ペラッ

吉田「え、あの… じゃ、テスト、配って…もらえます?」

大沼「知らん。 テストならそこにある。 自分たちで勝手に始めろ」ペラリ


てカンジで、そのジイさん恐ろしく素っ気ないもんだから、仕方なく吉田ちゃんがみんなのテスト配ってくれて、じゃあ、チャイムが鳴るまでに…ってことで、テストが始まった。

あ、ちなみにこの吉田ちゃんって、あの琴似栄の吉田ちゃんね。 小学校の時は実は学校一緒だったんだ。 卒業と同時に吉田ちゃんは札幌に引っ越しちゃったんだけどね。


そして・・・ 一応テスト始まったんだけど、カリカリ鉛筆の音が響く中、何か、異様な匂いが漂ってきた。

ハタと顔を上げると、なんと、そのジイさんが教卓で「ハイカップ」を飲んでたんだよ・・・


爽(な、なんだ? アレ?酒…? な、何やってんだあのジイさん…??)


一番前の席のヤツが恐る恐る手をあげた。


男子A「あ、あの、先生… なんか、酒臭いんすけど…」

大沼「酒? ・・・そんなワケないだろう。 気のせいだ」

男子A「……」


爽(…気のせいなワケあるか! お前ソレ酒だろが! な、なんだコイツ?何考えてんだ…? さすがの私も引くぜ…)


とんでもないジジイがやって来たな、と思ったんだけど、この後、私のその認識は改められることになる。


それからしばらくして…


 カリカリ、 カリカリカリ・・・・


吉田「………」モゾモゾモゾ

爽(…ん?)


気づくと、私のナナメ前の席の吉田ちゃんが、お尻をモジモジ左右に小刻みに動かしているのが見えた。

うん、私だからこそ、すぐに分かったね。

吉田ちゃんが、今、オシッコを我慢してるってことを…


後で聞いた話だけど、その日吉田ちゃんは珍しく朝寝過ごしたらしくて、遅刻しそうになって朝ションをせずに学校に来てたらしい。


吉田(…ん… やばいな… あぁもう、やっぱり、テスト始める前に無理にでもオシッコ行っとくんだった…)

吉田(…まあいいや。 もう少しで全部終わる… サッサと終わらせて提出して、トイレ行ってこよう…)


基本的に試験中のトイレは禁止である…
トイレで答えを見る等のカンニング行為をしても分からないからだ。
小学校ではそれほど厳しくしてない場合も多いが、優等生の吉田はテスト中にトイレに行かせてもらうという考えはなかった。


吉田(簡単簡単、社会のテストなんか… チャイムまでまだ20分もある。 えーっと、島根県の県庁所在地は、松江市…っと…  ん?)


もうほぼ終わりというところまで書き進めていた吉田は、ギョッとして手を止めた。
恐ろしいことに気がついた。
回答欄を一つずつズラして書いてしまっていたのである。


吉田(うえええぇぇマジ? ちょっと…! な、なんでこんな時に限って!)ゴシゴシゴシ


あわててズレていた所を消し、確認しながら書き直し始めた吉田…
消しゴムをこする時のわずかな振動が、オシッコでパンパンに膨らんだ膀胱にジンジンと響く。

夢中で最後の回答欄を埋めた時には、チャイムが鳴ってしまっていた。


吉田「しゅ、終了ですっ! い、一番後ろの人、各列のテストを集めて先生に出して下さいっ!」


吉田は必死で指示を伝えると、トイレへと駆けていった。

しかし、


女子トイレ「……」ズラ~リ・・・

吉田「う・・・!」


女子トイレの回転の遅さは、男子トイレの比ではない… 

結局、吉田まで回ることなく、二時間目開始のチャイムが鳴ってしまったのだ。


二時間目もテストである。
二教科連続テストの日なのだ。
大沼は、相変わらず、素知らぬ顔で麻雀TODAYをめくっている。


吉田「で、では、テストを配ります。 う、裏にしたまま後ろに送って下さい」プルプル


責任感の強い吉田は、また大沼に代わって、尿意で汗ばむ手でテストを配った。


吉田(だ、大丈夫。 次のテストは算数… 私の得意教科だ。 チャチャッと終わらせて、すぐトイレに行けば大丈夫!)ハアハア


しかし、押し寄せる尿意と、さきほどの回答欄ずらしの失敗のこともあってか、なかなか問題が頭に入ってこない。

最後の問題に辿り着いた時には、残り時間は10分を切っていた。


吉田(ま、まずいまずい! ぼ、膀胱が本当に破裂しそう…!!)=3

吉田(やばいって… 次は15分休みだけど、またトイレに行って人がいたら、絶対並んでる時にもらしちゃうよぉ…!)フルフル


小学4年生にもなって、しかも優等生である吉田にとって、頭をかすめた「おもらし」の予測は恐ろしいものだった。


吉田(も、もし、みんなの前で、おもらしなんかしちゃったら、わ、私の人生、ジ・エンド… もう、絶対、明日から学校に来れない…!)ハアハア

吉田(は、早く終わらせて、今度こそ、チャイムが鳴る前にトイレ行かないと・・・!  ん?)


切羽詰まっている吉田だったが… 最終問題を目にして、ハタと首をかしげた。


 【第20問】
   穏乃、もこ、胡桃、マホ、ネリーの5人がいます。
   身長が一番高い人から順番に並べましょう。


吉田(えっ、えっ? な、何? この問題…?)


吉田(ん? あ、まてまて、下にヒントがある…)


<ヒント>
 ・マホは一番高くはない
 ・もこより背の高い人が3人いる
 ・ネリーはもこより高い。
 ・胡桃は1番目でも、3番目でもない。
 ・穏乃は2番目か4番目に高い。


吉田(・・・え? ちょ、ちょっと、これ、どうやって解けばいいの…??)


吉田(えーっと、とりあえず、それぞれの人に、条件を当てはめていって… “もこより背の高い人が3人いる”ってことは… もこさんは4番目決定ってことで、いいんだよね…?)モンモン

吉田(そ、それで、“ネリーはもこより高い”んだから、ネリーさんは1、2、3番目のどれか…)


どんどんこみ上げてくる尿意に耐えながら、一つ一つのヒントをもとに、少しずつ順番を探っていく吉田…

全神経の8割は股間に行っており、吉田は残り2割の神経で必死に問題を解いた。

額からは冷や汗がにじみ、吉田のふっくりとした可愛らしい頬を濡らし、ハアハアと湿った吐息がその小さな唇を震わせた。

そして・・・


吉田(・・・で、できたっ! 「①ネリー、②穏乃、③マホ、④もこ、⑤胡桃」の順番だっ! これで間違いない!)


時計を見ると、チャイムまであと5分・・・ 今トイレに行けば、空いている個室にありつけるはずだ。


吉田「…せっ!  …うっ?!」ガタッ


しかし、大沼に声をかけて立ち上がろうとした吉田は、ピタリと動けなくなった。

腰を上げた途端、尿道口がわずかに開き、ジワッとオシッコが漏れ出す感触があったのだ。


吉田「…! … …!!」プルプルプル

大沼「…ん? ナンダ?」

吉田「…あ、 えっと、 そ、の…!」カタカタカタ


吉田は、中腰姿勢のまま、唇を切れるくらいに強く噛んで尿道口を閉めた。 しかし、一歩でも動けば、絶対にダムが決壊する。


吉田(・・・ あ、 やだっ、 ダメ、 うっ! こ、れ・・・!)


なんとか椅子の上にもう一度尻を下ろしたとき…

目の前が真っ暗になるような感覚と共に全身の力がゆるみ、ついに吉田の股間から大量の聖水が溢れ出してきた。


 ・・・ジョロォッ  ジョロロロロロロロロロロオォ~~・・・・ッッ


吉田(…………)


吉田は放心したように斜め上を見上げてカタまっていた。
しかし、タップリ溜まっていた一晩分のオシッコはそうそう簡単には止まらない…
小さな体から次々とサラサラとした温かいオシッコが湧き出し、パンツとスカートをグッショリと濡らし、椅子の座面からも零れ落ちて床に水たまりをつくっていく…


吉田(あ、あ、あ、あ・・・・・)ポロポロポロ


完全に思考停止状態となってしまった吉田はサメザメと涙を流し始めた。

しかし、この時・・・ 吉田のおもらしの瞬間に気がついていたのは、爽だけだった。
わずかに水音がしたのだが、それはカリカリという鉛筆の音にかき消され、テストで必死になっている他の子どもたちは気がつかなかったのだ。


爽(・・・やべえ、吉田ちゃん… 様子がおかしいと思ったら、やっぱオシッコもれそうだったんだ… さっきトイレ行けなかったんだな…)

爽(うおおぉでもすっげえいっぱい出てる…!///  あああ拭いてあげたい… 舐めてあげたい…! 飲んであげたい…!!)

爽(…って、そんな場合じゃねーよな… これが私がもらしたんなら、『せんせぇー! すんません! オシッコもらしましたぁ!!』って叫んで、みんなゲラゲラ笑ってそれで終わりだけどさ…)

爽(クラス一の美少女で超優等生の吉田ちゃんがもらしたとあっちゃあ・・・ これは全校を揺るがす大事件だよ…)

爽(マジやべえ… 吉田ちゃんナイーブだから、他の連中におもらしがバレたら、多分明日から学校来ねーぞ…?)

爽(ううむ、どうすればいい…? なんとかこのオシッコたちを瞬時に蒸発させる手段ねーかな…?)モンモン

爽(…いや、待て! “木を隠すには森の中”って言うじゃねーか… ここは、そうだ!バケツで水汲んできて、吉田ちゃんにブッかければ… 表向きは私がイタズラしたってことで済ませられる…!)

爽(ナイス私! 吉田ちゃん! もうちょいの辛抱だっ! なんとかバレずに待ってろよ!)バッ


爽は無言で立ち上がり、ダッシュで水を汲みに駆け出そうとした、その時・・・


 「せんせええぇっ! ヨシダがもらしてますっっ!!ww」


爽「!?」


男子B「もらしてる! もらしてます!! ヨシダがオシッコもらしてますっ!!w」


その無神経なクソガキの一声により・・・ 教室の空気は一変。 ザワザワとざわめきたち、クラス全員が吉田に注目した。


爽(て、てめええええぇぇB! コノヤロオォ! 私の作戦が… 台無しじゃねえかああぁ!!)


吉田「… み、みなさん… すみません…」ポロポロポロ


吉田は消え入るような小さな声で一言謝ると、うつむいてしゃくり上げるように泣き始めた。


 エエエエエェェーッ?!  ヨシダサン…!!  オイマジカ?  アリエネエェ…  オイハヤクフケヨ!  スゲーイッパイデテルー  キッタネェー!  ヤメナヨカワイソージャン…


数々の心無い言葉、そして同情の言葉すらも、吉田の心にナイフのようにグサグサと突き刺さる。


吉田(もう… お願いだから… ほっといて…!)ヒックヒック


爽(あああちくしょうオワタ! もう、ダメだ… ごめんよ吉田ちゃん… 私がもう少し、早く動けば…!)ギリッ


男子B「先生! ねえちょっと! 吉田がもらしてるんですよ! ナントカして下さいって!ww」


半ば嬉しそうに大沼に訴えるクソガキB…


大沼「………」ユラリ


やっと麻雀TODAYを閉じて立ち上がった、大沼の、その時の対応は・・・ 爽にとって、一生忘れ得ないものとなった。


男子B「先生! 吉田です! 吉田がもらしてるんです!w」

大沼「…ほう、そうか…」

男子B「そ、そうかって… ナントカして下さいよ! 臭いですって!」

大沼「…ふん、奇遇だな… 私も今、もらしてしまったとこだよ」ジョワアアアアアアアアァァ~~・・・・

男子B「 ファ?! 」

爽(?!?)


立ち上がった大沼のズボンは、股間のところからグッショリと濡れており、足元には立派な水たまりができていた。

 
 … エ、エェ…??  チョ、チョット、ナニ…?  セ、センセイガ、オモラシ…?


とまどいの声とともに、凍りつく教室の空気・・・

しかし、そんな中、ハゲ大沼は超然と言い放った。


大沼「…ところで、お前たちは… なんでもらしてないんだ?」


・・・?  ・・?  ?  ? ・・・?  ?


唖然とする一同…


大沼「クラスの友達がおもらしをしてしまった… そんな時、友人としてできることは一つしかないだろう。 自らもその罪をかぶる… 違うかね?」

B「な、な、何言ってるんですか…?」


このハゲジジイは完全にイカれたボケ老人なのではないか。 クラスの大半はそう思った。

しかし・・・


大沼「じゃあ、お前たち… このクラス目標はなんなんだっ!」カッ


後ろを振り返り、黒板の上に貼ってあったクラス目標を指し示した大沼…

そこには、「“ワン・フォー・オール  オール・フォー・ワン”」の言葉が子どもたち自身による切り文字で掲示されていた。


大沼「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン… つまり、『一人はみんなのために、みんなは一人のために』…だ。 これは、クラスの一人がミスををしたら、それを全員でカバーしようということではないのかね?」

大沼「私は、クラスの子どもが漏らしたのなら、率先して自分も漏らすぞ。このように… それが教師の務めというものだ」

大沼「それなのに、お前たちは… 大切な友人が今まさに漏らしているというのに、自分は漏らさずに済まそうというのかッ!?」クワッ


大沼秋一郎は凄まじい剣幕で怒鳴った。 
普段物静かだが、やたらと貫禄のある大沼の一喝は、クラス全体をシインとさせた。


そして・・・


 ジョッバジャアアアアアアアアアアアアアァァァ~~~~・・・・・!!!!!


豪快な水音が教室の窓際の方で鳴り響いた。 獅子原爽がその股間の封印を解いたのである。


爽「先生!! 私感動しました!! 私だって負けませんっ!! 私だって、吉田ちゃんのためにもらしますっっ!!!」クワッ ジャジャジャジャジャジャジャアアァ・・・・!!

吉田「…! し、獅子原さん…!!」


 「オ・・・オレだって、もらすぞおぉっ!」ジョオオオオオオオオォォ・・・!

 「わ、私だって! 吉田さんを一人にはしません!!」ジャアアアアアアァァァ・・・・!

 「ぼ…僕だって、ヤレるぞっ! おもらしなんか屁でもねえぇっ!」ジュロロロロロロロロオオォォ・・・!

 「あ…あたしだって! 吉田さんのためならOMORASHIするわよおぉーっ!!」プッショアアアアアアアアァァァ・・・・!!


吉田「み、みんな・・・!!」


爽を皮切りに、次々とその場でおもらしを始めた子どもたち…
教室はアッという間にあちこちに水たまりが発生し、芳しいオシッコ臭が立ちこめた。

凄まじく異様な光景だった。
爽がオシッコをしてから、わずか一分後には、クラスの全員がオモラシを達成していた。

そう、4年2組オモラシコンプリート事件・・・ 

その時、クラスでは子どもたち全員の心がまさに一つになっていた。



しかし・・・・

この事件、実は真相は違うのである…

この時、クラスで一番早くオシッコをもらしていたのは、実は大沼だったのだ。

彼は、ほんの一週間前に脳梗塞の手術を受け、大脳の排尿中枢にまだ障害が残っていたのだ。

そう、一生のうちに半数近くの人間が一度は経験することになる、“切迫性尿失禁”・・・

大沼はこの日、ついオムツをはいてくるのを忘れ、ハイカップのアルコールの作用もあって、自分でも殆ど気がつかないうちにもらしてしまっていたのである。

そして、いかにしてこの不祥事を隠蔽するかを考えていたところに、タイミング良く吉田がもらしたため、それをダシにして自分のミスを隠そうとしただけなのであった・・・


大沼(ふふ… 危ない危ない。 まったく、このクラスの子どもたちがみんな頭おかしいおかげで助かったわい…ww)クククク・・・


しかし、大沼のそんな思惑を知らない素直な子どもたちは、一斉放尿をしながら妙な連帯感・一体感に包まれていた。

そして吉田の恥ずかし涙は、クラスのみんなが自分のためにもらしてくれたという事実で、嬉し涙へと変わっていた。


大沼「ヨーッシ! テストなんか中止だ! みんな、全員で校長の銅像にでもオシッコをブッかけてこーいっ!!」


 ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ――――――――――――ッッッッッwwwwwwwwww

 ドッドドドドドドドドドドドドドドドッドドドドドドドドドオオオオオオオオオオォォォォォォォォ――――――――――――――ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!


4年2組児童36名が全員一丸となって、オシッコをまき散らしながら廊下を暴走し、校門へと駆けていって、全員で校長のハゲ頭や二宮金次郎の銅像に笑いながらオシッコをかけまくった。

そう、この時、クラスの子どもたちは皆、オモラシによって、仲間の大切さや思いやりの心のなんたるかを学んだのである…


ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー


爽「・・・ってことがあったんだよね。 このあと、吉田ちゃんも当然学校休んだりしなかったし、クラスの雰囲気もすげえ良くなったんだよ?」

爽「さ、これで分かったっしょ? 『ハゲのオシッコにも価値はある』っていう、私の言葉の意味がさ?」ニタニタ

私「………」


そんなモノは聖水とは言えない・・・と思いましたが、獅子原さんがあまりにも熱っぽくその時の様子を語るので、この人も私と感覚は違うけど、オシッコを心底愛しているんだなぁと思い・・・ あえて黙っておきました。


そのあと、獅子原さんと「最高のおもらシチェーションとは何か」について議論になり、私が官能的で愛にあふれた百合おもらしの素晴らしさについて熱弁を奮ったのに対して、獅子原さんときたら・・・

ファッションショーでのモデル歩きおもらしやら、ストライキや抗議の際に使う集団おもらしテロやら、卒業式で涙を流しながらの合唱一斉おもらしやら、フィギュアスケートで四回転ジャンプをしながらのスプリンクラーおもらしやら、バカバカしいおもらしばっかりで辟易しました・・・

でも、「おもらしは芸術であり愛」であるという事については、お互いに共通した認識をもつことができ、そこは良かったと思います。


・・・では、そろそろここ劔谷高校のお話も閉じさせて頂こうと思います。

私の聖水のお話は楽しんで頂けましたでしょうか?

皆さん一人ひとりが聖水に対して新たな気持ちを抱いてもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

あ、あと、私たち劔谷高校の原作での再登場や、SSでの登場の増加も、願わくば・・・


それでは、御精読ありがとうございました。 私、古塚梢がお送りしました。 皆様、どうかより良いオシッコLIFEを♪





私「…ということで、そろそろブッかけさせて下さい! 美幸ちゃん!!」

美幸「やだってば! もぉー!!」=3=3



(カン)


次回、~広島鹿老渡高校 いちご「トップアイドルになるにはどうすればええんじゃろ…」 爽「私にまかせろ!」の巻~ に続く・・・

ゴー・トゥー・ヘルしてましたが、戻ってきました>>1です。
実は名古屋のもこ編の続き(三尋木さんの授業)を書きたいなと思っているので、こちら本編はしばらく休みます。 1ヶ月ぐらいかな…? どうなるか分かんないけど。
また新スレを立てたらこちらにもリンクを貼ります。
より良いうんこLIFEを

爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(千里山~鹿老渡編)
爽「獅子原爽のトイレ探訪記!」ユキ「行ってらっしゃい」(千里山~鹿老渡編) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454750353/)
2016/07/01(金) 00:21:34.73


爽「テスト」

もこ編の続き、第二ステージも書き終わったので、貼っておきます↓

爽「『風の谷のナウンコ』…ですか?」咏「だねぃ」(第二ステージ)
爽「『風の谷のナウンコ』…ですか?」咏「だねぃ」(第二ステージ) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472717177/)


爽「テスト」

第三ステージも書き終わったので、貼っておきます↓

爽「“風の谷のナウンコ”…ですか?」咏「だねぃ」(第三ステージ)
爽「“風の谷のナウンコ”…ですか?」咏「だねぃ」(第三ステージ) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1474795263/)

番外編完結したので貼っときます

咲「京ちゃん、どうして頭にうんこのっけてるの?」京太郎「おう、これはな…」
咲「京ちゃん、どうして頭にうんこのっけてるの?」京太郎「おう、これはな…」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480847839/)

爽「テスト」

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