京太郎「日本一周?いえいえ岩手旅行ですよ!」 (208)


このSSは『咲-Saki-』の須賀京太郎が主役となります。

時系列はNAVERまとめを参考にしております。
舞台は>>1が実際に旅行した場所となります。
営業内容や時間は、当時から変化している場合もあります。
京豚でない方は「ころたんイェイ~」で御願い致します。

以上のことに注意して頂けると助かります。

前作
京太郎「うおおお!日本一周旅行のチケット当たったぞー!!」
京太郎「うおおお!日本一周旅行のチケット当たったぞー!!」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1454318298/)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454713201

19時頃から投下予定
仕事の状況では延びます、ではでは~

ただいまnこ
今回のはちょい長いですので予定時間変更します
すまnこ、18:30前くらいからポツポツ始めます
150レス以下になると思います

始めまふ


花巻駅前


京太郎「水沢から着いたぜ!花巻駅!」

京太郎「花巻といったら宮沢賢治だよな」

京太郎「だが、俺の1番の目的は……温泉!」

京太郎「岩手県No1の有名な温泉郷がここ花巻」

京太郎「思春期な男子、渋さで格好つける年頃」

京太郎「仕方ないね」


京太郎「複数回りたいから朝一で来ましたよ」

京太郎「7:00前に着くのは良いが腹減った」グー

京太郎「えーと、最初の目的地は『大沢温泉』だな」

京太郎「1番早いのが湯口線の平日のバスか」

京太郎「始発が7:10発、朝飯はおにぎりでも買っておこう」


※土日休日の湯口線は8:05始発だから注意してね^^


大沢温泉 日帰り入浴(7:00~20:30)


京太郎「んー着いた、着いた」

京太郎「花巻温泉郷って山を登っていく感じだ」

京太郎「ちょっと手前に『志戸平温泉』があったな」

京太郎「この次に行くからバスの時間記録、と」パシャ

京太郎「それじゃ、行きますか!」


大沢温泉 山水閣


京太郎「すみませーん」

受付「はいのん、もしかして日帰り入浴のん?」

京太郎「はい、大人1人です」

受付「申し訳ないのん、受付場所は違うのん」

京太郎「え?ここはお風呂無いんですか?」

受付「ここは山水の湯と豊沢の湯があるのん」


受付「お客様、観光客のん?」

京太郎「あ、はい!そうですよ」

受付「それなら坂の下の自炊部に行くのん」

京太郎「自炊部?ん?そこが受付なんですか?」

受付「そうなのん、自炊部から山水閣に来るのん」

京太郎「へー、建物が繋がってるんですね」


受付「ちなみに今入れるのは豊沢の湯だけのん」

京太郎「山水の湯は工事中とかですか?」

受付「違うのん、山水の湯の日帰りは11:00~14:00のん」

受付「ちなみに山水の湯は別料金要るのん」

京太郎(へー、日帰り入浴にも色んなルールあるのね)

受付「自炊部は大沢温泉で最高の景観なのん!」


京太郎「たくさん入る場所があるんですね」

京太郎(流石、宮沢賢治や高村光太郎が愛した温泉)

京太郎「それじゃあ、直ぐ入りに行きますから」

受付「お待ちしてますのん!」

京太郎「坂道をくだり~の!っと」テクテクテク

京太郎「それでも1分近くは歩くんだな」


大沢温泉 自炊部


京太郎「すみませーん」

受付「はいのん、日帰り入浴のん?」

京太郎「ええ、先に山水閣に行くつもりです」

受付(……ほぅ、この若造……デキる!)

受付「それなら『こっち』の説明はしなくても大丈夫のん?」

京太郎「……?ええ、山水閣で聞きましたので」

受付「そうですかのん、ごゆっくりのん」


大沢温泉 山水閣(豊沢の湯)


京太郎「ンアッー!キモティイイィイイイ!」ザー

京太郎「ここは半露天風呂って感じだな」

京太郎「直ぐ近くに川が流れてて、ゆったり気分」

京太郎「写真撮ったら隠れ家風な1枚になりそう」

京太郎「これより景観が良い自炊部かー」

京太郎「すっげー楽しみ!」


大沢温泉 自炊部(薬師の湯)


京太郎「ここは……内風呂か」ガラッ

京太郎「なんだろう、普通の銭湯みたいだけど」

京太郎「2つ湯船の場所と、壁と床がなんか独特」

京太郎「いかにも花巻って感じの風呂だな」ザー

京太郎「いや、花巻よく知らんけどな」


京太郎「正面の外見に比べて広い旅館だなぁ」テクテク

京太郎「お、いよいよ自炊部の露天か!」

京太郎「えーと、かわべの湯(女性用露天風呂)」

京太郎「ちぇー!ここは女性専用か、男女差別だぜー」

京太郎「ん、大露天風呂はこちら、か!」テクテクガラッ

京太郎「おっ、おー!」


京太郎「外に出たら、向こう側まで橋が架かってるじゃん!」

京太郎「しかも、あっちには水車もある!」

京太郎「すげー!この先が大露天風呂かー!」

京太郎「お、橋の手前に何か写真がある」

京太郎「これ宮沢賢治と、生徒たち?かな?」

京太郎「へー、この橋の上で撮った写真なのかー!」

京太郎「これは期待大って奴だぜー」ギッシギッシギッシ


「……ん?シロ……?」チャプン


大沢温泉 菊水館(南部の湯)


京太郎「…………」ザー

京太郎「いやさ、勘違いした俺が悪いよな……」

京太郎「確かに露天風呂だよ」

京太郎「木造のオサレな造りのした半露天風呂だよ」

京太郎「でもイメージ的には橋の向こうがメインじゃん」

京太郎「期待が大き過ぎた分の落差がね……」


京太郎「あ、でもここの温泉良いわ」ジーン

京太郎「温度も木造も凄く俺好み」

京太郎「別荘とか買えたらこんな温泉欲しいもん」

京太郎「しかも対岸の景色も見え――」

「……ロー!……シ……ロ……」ブンブン

京太郎「お、人がいる?」


京太郎「ははーん、あっちが大露天風呂だなー」

京太郎「さっきの橋を渡らず進めばあそこに着いたのね」

京太郎「ははっ、子供が元気に手を振ってやがる!」

京太郎「父ちゃんがいたら騒ぐなって怒られるぞ(笑)」

京太郎「それじゃ、行ってみますか!大露天風呂!」ザパン

京太郎「んー、楽しみだー!」フキフキ


大沢温泉 自炊部(大沢の湯)


京太郎「さぁ!やってきました!大露天――」ガラッ

胡桃「ちょっとシロ!そっちは男の着替――」ガタタッ

京太郎・胡桃「…………え?」

胡桃「ええ!?えええぁぁああわぁああああ!!」ツルッ

京太郎「ああっ!危ねぇっ!」ガシッ

どんがらがっしゃーん!!


京太郎「イ……イテテ…………ハッ!」

胡桃(いったぁ……ナニが起こったってのよ……)モガッ

胡桃(ん?……ナニか口に……)モガガッ

京太郎「」

胡桃(……男!?そうだった、なんで男が……)モガッ

胡桃(ていうか口の中の……急に硬いのが…………!!?)

京太郎「」

でかいの(おもち)とちっこいの(おもち)が来た


胡桃「」

胡桃「…………」

胡桃「……」カパッ

京太郎「……あ、あの……」ボロン

胡桃「…………」


胡桃「いっ!!いやああぁあぁあああああああ!!!!」


おばちゃんG「なんや?」ムクリ

おばちゃんH「なんや」ムクリ

おばちゃんI「なんや?」ムクリ

おばちゃんJ「なんやとぉ!」ムクリ

おばちゃんK「なんやとはなんや?」ムクリ

おばちゃんL「なんやなんや?」ムクリ

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

受付(今日も森の妖精さんは元気だのーん)ボケー


――――以上、宿舎の様子であった


京太郎「…………あの」

胡桃「ウルサイ」

京太郎「俺、出ようか……?」

胡桃「ダマレ」

京太郎「……」

京太郎(混浴露天風呂って実在したんだな……)

胡桃「ウゴクナヨ、ウゴイタラコロス」


京太郎「…………」

胡桃「フリムイタラコロス、コロスコロスムッコロス」

京太郎「…………」

胡桃「変態、助平、覗き魔、露出狂、エッチスケッチワンタッチ」

京太郎「……」ムカッ

京太郎「お前さ、言い過ぎじゃね?」


京太郎「確かに俺の配慮は足りなかったよ!」

京太郎「ここが混浴ってのも気づいてなかったし!」

胡桃「馬鹿じゃないの?受付の話も覚えられない鶏頭?」

京太郎(っ……!聞かなかった俺が悪いか!?)ムッカー

京太郎「でも露出狂はそっちだろ!対岸から手降ってよ!」

京太郎「誰が入ってるか分からないのにあんなことするか!?」


胡桃(っ……!金髪と銀髪を見間違えた私も私だけど……)

胡桃(シロに雰囲気似てたんだから仕方ないじゃない!)ムッカー

胡桃「昨日からの宿泊者はおばちゃん以外いないって聞いたの!」

胡桃「ていうか、あっちからしっかり見てたのね!この覗き魔!!」

京太郎「手と頭しか見えてねぇよ!小さくて全然見えねぇっつーの!」

胡桃「うっ……!」グサッ

京太郎「……あっ、わりぃ……」


胡桃「……なっ、なにがよ?」

京太郎「いや、身体の特徴がどうとか言うのはいけないよな」

京太郎「傷つく人もいるし……ゴメン……」

胡桃「ふっ、ふん……!」

胡桃(確かにこの人だって悪気があったわけじゃないし……)

胡桃(ていうか、私の方が怒ってばっかでみっともないかも)

胡桃(頭打ちそうなところを助けてくれた、けど……)


胡桃「確かに事故だったよ!」

胡桃「仕方ないと言えば全部仕方ないよ!」

胡桃「で、でもさ……ファ、ファーストキスが!」

胡桃「みっ、身ず知らずの男の○★○なんて!!」

胡桃「一生もののトラウマだよ……」ズーン

京太郎「それは……本当にゴメン……」


京太郎「…………」

胡桃「…………」

京太郎「やっぱ……俺出るわ」ザパァ

胡桃「ちょっ、ちょっと……!」ビクッ

京太郎「後ろ向いててくれ、絶対に見ないから」タタタガチャバタン

胡桃「……」チラッ


胡桃「……アンタ、岩手県民?」

京太郎「いや、1人で観光旅行だよ」フキフキ

胡桃(一人旅、大学生かな?大人だな……)

胡桃「……名前は?」

京太郎「……え?す、須賀だけど?」フキフキ

胡桃「…………」


胡桃「須賀さん、ゴメン……」

京太郎「…………え?」

胡桃「私も言い過ぎたと思う……」

京太郎「い、いや!そんなことは……」

胡桃「せっ、せっかく岩手に来てくれたんですから!」

胡桃「観光……楽しんでください……」ブクブクブク

京太郎「……ありがとうな」


湯の杜 ホテル志戸平 日帰り入浴(11:00~20:00)


京太郎「気を取り直して、2つ目来たぜ!」

京太郎「立派な外観、冠婚葬祭とかやってそう」

京太郎「湯口線のバスは約1時間に1本だから……」

京太郎「あ、でも風呂は行ったら昼前くらいかー」

京太郎「朝飯早かったら腹減りそうだなぁ……」テクテク


京太郎「すみませーん」

受付「いらっしゃいませのん、日帰り入浴なのん?」

京太郎「はい、大人1人です」

京太郎「ちなみに昼食とか食べるとこってあります?」

受付「それならこれがいいですのん!」

『 食事券付き入浴券 』


受付「入浴料にプラス200円のお得な券ですのん!」

京太郎「おお、これはラッキー!」

受付「でも、温泉は11:00からでお昼は11:30からですのん」

京太郎「1時間くらいありますねー」

受付「良かったらプールもいかがですかのん?」

京太郎「え?ここプールあるんですか?」


受付「外来だから使用料金が3倍になりますのん!」

京太郎(げっ、海パンは一応持ってきたけど……)

京太郎(割高な出費は極力抑えたいんだよね……)

京太郎「あー、プールは止めておきます」

受付「ならソファーに掛けて待っててもいいですのん」

京太郎「ありがとうございます」


受付「――――お客様?」

京太郎「……はっ、はい!?」ビクン

京太郎(いけね!眠っちまってたわ……)

受付「そろそろ入浴可能だけど説明もするのん?」

京太郎「あ、御願いします!ちゃんと聞きます!」

受付「のん?分かりましたのん」


受付「ホテル志戸平はお風呂の総面積が県内一ですのん」

受付「3つの源泉、20種類のお風呂がありますのん」

京太郎「……すっげぇ……!」

受付「偶数日と奇数日で入れ替わりますのん」

京太郎(月末が31日なら変わらないのか、珍しいルール)

受付「どうぞお楽しみくださいのん」


ホテル志戸平 天河の湯


京太郎「なっ、ななっ!ながっ!メチャクチャ長い!!」

京太郎「大浴場というより長浴場!浴場長い!」

クソガキ「モアイだ!モアイー!!」バシャバシャ

京太郎(プールある温泉て子供多いよな……モアイ?)

京太郎「……ああ、大浴場の柱のことか」ジー

京太郎「ん?まぁ、見えなくもないか」ザーン


京太郎「うほっ、自然が近くて良い」ザパー

京太郎「露天風呂いいわ!景色が――」

京太郎「あれ?左奥に見えるのホテルの入口か?」

京太郎「遠い!一瞬違う建物かと思ったわ!」

京太郎「浴場まで結構歩いたんだ、広いな……」

京太郎「それにしても、んー!絶景だね!」

京太郎「混浴のせいで景色楽しめなかったからな」


クソオヤジ「ヌフフフフフ」


クソオヤジ「ニーちゃん、ええ体しとるのう」ニマニマ

京太郎「はぁ、どうも……」

クソオヤジ「さっき混浴言うたやろ」

京太郎「ええ、まぁ……」

クソオヤジ「実はこの志戸平温泉もな――」

京太郎(……え、マジか……!)ゴクリ

クソオヤジ「昔は混浴があったんや!ちくしょー!」ウエーン

京太郎「泣くなよ!おっさん!」ガックシ


ホテル志戸平 千人風呂


京太郎「んで、ここが元混浴浴場なのね」

京太郎「混浴が廃れちまったとおっさん嘆いてたけど」

京太郎「『大沢温泉』が特殊だったのかな?」

京太郎「ま、次の温泉も安心して入れそうだからいいか」

京太郎「つーか、千人風呂ってこれ数百人も無理だろ」

京太郎「ん?なんだこの鍾乳洞っぽいのは……水か」ピチョ

京太郎「水風呂はあんま好きじゃないのよ」


京太郎「おー、千人風呂にも露天が……あっつ!?」ジャバ

京太郎「ちょ、あっつ!すっごく熱い!!」

京太郎「そこの内風呂や天河の湯と温度違い過ぎるだろ!」

京太郎「これゆっくり慣らして入らないと……」

虻さん「ブーンやでー!」

京太郎「げぇ!虻来んな!!」ザパン

京太郎「あっちぃいぃーーーー!!」バシャーン


ホテル志戸平 和食処 又三郎


京太郎「いただきまーす、と」

クソオヤジ「どやった?千人風呂」ムシャムシャ

京太郎「数時間は熱がひかないくらい温まりましたよ」パクパク

京太郎「でも目の前の崖の上に社っぽいのがあって」

京太郎「天河の湯と違った景観が楽しめました」ムシャムシャ


クソオヤジ「奇数日の男湯、日高見の湯もええで」パクパク

クソオヤジ「上下階吹き抜けで広くて浴槽が8つもあるしな」

京太郎「まるでリゾートスパみたいですねぇ……」

クソオヤジ「そこの渓谷展望露天風呂というのもええぞ」

クソオヤジ「景観より、風呂自体も神秘的に設置されとる」

クソオヤジ「宿泊客なら両方入浴できるけどな」ムシャムシャ

京太郎(日帰りの宿命、日替わりで入れるだけ良い方だよな)


鉛温泉 藤三旅館 日帰り入浴(7:00~20:00)


京太郎「さーて、日帰りの〆はここ、だよな?」

京太郎「すみませーん」ガラガラ

受付「はいのん?」

京太郎「1人なんですけど、日帰り入浴したくて」

受付「どうぞのん、混浴だから気をつけるのん」

京太郎(げっ!マジか!?)


京太郎「今は13:00で……」トットン

京太郎「白糸の湯は男女入替、12:00~15:00は女性専用」

京太郎「銀の湯も男女入替、12:00~15:00は男――」

>>1「銀の湯は入ってないからよく分っかんねー」

京太郎「えーと、じゃあ男女別々の桂の湯にするか!」

京太郎「…………ん?なんだ今の?」キョロキョロ


藤三旅館 桂の湯


京太郎「脱衣室、ちょいと狭いな」ゴガー

京太郎「あらまぁ、普通の温泉宿の内風呂」

京太郎「ウー!ハーッ!」ザー

京太郎「……うん、普通に良し、だ」

京太郎「午前に入った風呂たちが特殊だったな」


サアアアアアアアアアアアアアアアア

京太郎「露天風呂も内風呂と変わらんな」ザー

京太郎「でも景観が良いな、川がすげー近いし」

京太郎「それにしても川の流れかなり速くね?」

京太郎「おん?ミニ階段があるな」ヒタヒタ

京太郎「……ミニ風呂あったが虫浮いてた」


藤三旅館 白猿の湯


京太郎「……さて、調べたがここが混浴か……」

女性専用時間帯
6:00~7:00 14:00~15:00 19:30~2100

京太郎「今は13:30……大丈夫、だよな?」

京太郎「花巻温泉郷でもトップクラスの知名度らしい」

京太郎「ここ入らないと花巻温泉語れんだろ!」ガララ


「…………んー?」ピクッ


京太郎(あ……誰か入ってる……)ギョッ

「……?…………zzz」

京太郎(目が合ったけど……逃げない!男だな!)

京太郎(つーか、これ入口から全体が丸見えだろ……)

京太郎(真ん中にデカい角丸長方形タイプの浴槽が1つ)

京太郎(それとかけ湯場のみか、桂の湯を後にするべきだった)

京太郎(まぁ、宿泊するとこで洗い直せばいいか)ピシャ


京太郎「……お、入口と脱衣所が2ヶ所あるのな」ヒタヒタ

京太郎(入口は対角にあって、階段を降りたところに脱衣所)

京太郎(しきりが1枚って、これ意味あるのか……?)ヌギヌギ

京太郎「失礼しまぁーあ!あああぶぁああぉおうぇ!?」ドボーン

京太郎「ごべっ!うえっえ!おええ!」ゴボゴボザパン

白望「……大丈夫?」


京太郎「げほっ、ぼっ!だっだだ、大丈夫です!」クルッ

京太郎「普通の温泉と同じノリで入ったら…………!!?」

白望「ここ、立ったまま入るお風呂……深さは約1.25m……」

京太郎「」

白望「自噴天然岩風呂で、日本一深い……」

京太郎「」


白望「……んー……男?」

京太郎(おおおお、おももも、おもち!?)クラッ

白望「警察……呼ぶ?」

京太郎「ノー!ノー!ノー!ノー!」ブンブンブン

白望「……ダル――」


『ギャーハッハッハッハッハッ!!』ガラッ


エロオヤジ「なんや二人だけでごわすか!」

スケベオヤシ「はよ入って出んといかんき!」

ヘンタイオヤジ「なまらええ風呂でんがな!」

ホモオヤジ「おっちんチンして見とぉみやす」

京太郎「げげっ!?」

白望「あー……」


京太郎(縁面にもたれかかってください!)グイッ

白望「えー……」ガバッ

京太郎(胸元見えないようにタオル置きますよ!)

京太郎(その体勢のまま動かないでくださいね!)

白望「……おしりは?丸見え……」

京太郎(俺が影になって隠しますから!!)

『ギャーハッハッハッハッハッ!!』ヌギヌギザブン


京太郎「あ、ど、どうも!あはは!」

エロオヤジ「おう少年!若いでごわすやな!」

スケベオヤシ「混浴を狙って来たんやきー?」

ヘンタイオヤジ「なまらええ根性でんがな!」

ホモオヤジ「おっチンチン見てくれやす」


白望「うー……」

ホモオヤジ「……ぬ?そちらの御仁は……」チラッ

京太郎「……あああ!弟なんですよ!弟!!」

白望「…………は?」ピクッ

京太郎「こいつシャイなんで、愛想悪いんですよ~!」

白望「……」


エロオヤジ「兄弟で混浴、エロ兄弟でごわすやな!」

京太郎「いやーはっはっは!そーなんですよー!」

白望「……ちょっと」

スケベオヤシ「お、そろそろ時間き!」ザパン

ヘンタイオヤジ「全旅館制覇の為にふんばるべや!」ザパン

ホモオヤジ「おチンチン見せてくれやす……」ザパン

エロオヤジ「エロ少年たち!さらばでごわす!」ザパン


『ギャーハッハッハッハッハッ!!』ガラガラピシャ

受付『ありがとうございますのん』ペコリ

受付「間もなく女性の時間帯の~ん」ガラガラ

京太郎「わ、分かりま――」ザッ

白望「私たち二人は女、このままで大丈夫」ザパン

京太郎「」

受付「分かりましたの~ん」ピシャ


京太郎「……え?あっ、あのー?」

白望「名前は?」ザー

京太郎「す、須賀ですけど……」

白望「下の名前」

京太郎「……京太郎……です」


白望「高校生だよね?」

京太郎「あ、はい……」

白望「何年生?」

京太郎「こっ、高一……ですが?」

白望「私は高三、おかしい」

京太郎(何がだ!?それよりもっと隠してくれ!理性が!!)


白望「どう見ても私がお兄ちゃん、違う?」

京太郎「」

京太郎「……も、もしかして、怒っていらっしゃいます?」

白望「怒ってない、ダルいし」

京太郎「でも――」

白望「全然、全く、これっぽっちも怒ってない」ズイッ

京太郎「…………」


受付『あ、いらっしゃいませのーん!』

京太郎(ん?何か声デカくね?)

受付『みなさん、混浴は今、女性だけの時間のーん!』

受付『先にこっち行った方がいいのーん!』

白望「…………」

京太郎「げげげっ!?出ないと――」


おばちゃん『なんやて!』ガララ


おばちゃんG「なんや?」ドタドタヌギヌギ

おばちゃんH「なんや」ドタドタヌギヌギ

おばちゃんI「なんや?」ドタドタヌギヌギ

おばちゃんJ「なんやとぉ!」ドタドタヌギヌギ

おばちゃんK「なんやとはなんや?」ドタドタヌギヌギ

おばちゃんL「なんやなんや?」ドタドタヌギヌギ

京太郎(ヤバい……オワタ……)サァァ


白望(縁面にもたれかかる)グイッ

京太郎「……え!ぐえっ……」ガバッ

白望(胸元でバレないようにタオルで隠す)

白望(その体勢のまま動かない……ダルい)

京太郎(いや!いくらなんでも無理が――)

白望(……おばちゃんに通報されて……いいの?)

京太郎(ノー!ノー!ノー!ノー!)ブンブンブン


おばちゃんG「なんや?先客がいたんかい」ザブン

白望「いた」

おばちゃんH「なんや、がっかりや」ザブン

白望「ごめんなさい……」

おばちゃんI「なんや?謝る必要ないで」ザブン

白望「ありがとう」

京太郎「……」

ハーレムですね(笑)


白望「私たちは姉妹で入浴中」

おばちゃんJ「なんやとぉ!仲ええなー」ザブン

白望「妹の京子ちゃん、コミュ症だから無口」

京太郎「……」ヒクヒク

おばちゃんK「可哀想よ、ショック受けるわよ」ザブン

おばちゃんL「なんやなんや?東京弁話すなやK」ザブン


白望「ごめんね、京子ちゃん」ダキッ

京太郎(ふぁっ……!?背中におもち……)ビクッビクン

白望(んー?充電は苦手……なのかな?)フゥゥ

京太郎「あぃ……いっ……耳っ!」ゾクッ

白望(バレちゃう……静かにして……)ピトッ

京太郎(無理!もう無理!絶対無理!!)ボッキボキン

白望「んー……?」ボー


白望「おばちゃんたち、1時間ずっといるの?」

おばちゃんG「なんや?そら当然や、元取らな」

おばちゃんH「なんや、どないした?」

白望「仮に男が間違って入ってきたら?」

おばちゃんI「なんや?速通報に決まっとるで」

京太郎「」ガクガクブルブル


白望(うーん、困ったなー……)

白望(でも……んー?)

白望(どうすればいいんだろうね?)

白望(……どうしようもないよね)

白望(むー……ダルい……)

白望(あれやってみようかな……)


白望「お題、音信不通」

白望「温泉入りに来た、着替えた」

白望「携帯も一緒にカゴの中」

白望「友達から連絡が来る、当然気づかない」

白望「その友達は大慌てでこう言った……」

白望「温泉に行っておんせん不通になった」

京太郎「」


おばちゃんG「なんや?やるなお嬢ちゃん」

おばちゃんH「なんや、おもろいやないか!」

おばちゃんI「なんや?もっと聞かせてな」

白望「え……ダルい……」

おばちゃんJ「なんやとぉ!」


おばちゃんK「なんやとはなんや?」

おばちゃんL「なんやなんや?駄洒落大会か?」

シロ中心にワイワイガヤガヤ

京太郎(いっ、今のうちにー!)ザパンペタペタフキフキ

京太郎(失礼しましたー!!)ドタドタガララピシャ


白望「……またね、京子ちゃん……ダルい……」


新鉛温泉 愛隣館 日帰り入浴(10:30~19:00)


京太郎「花巻南温泉峡の最奥部」

京太郎「わー、こんな山奥にとても立派なホテル」

京太郎「今日回ったとこでも群を抜くデカさ」

京太郎「こんなところに泊まれるなんて幸せだー」

京太郎「…………なんか疲れた」ウィーン


京太郎「すみませーん……」

受付「いらっしゃいませのん、ご宿泊のお客様なのん?」

京太郎「ツアーで申し込みました須賀京太郎です」カキカキ

受付「お待ちしておりましたのん、ご案内致しますのん」

京太郎「は、はい」テクテク


「やっと帰って来た……ダルい……」ウィーン

「もー、ちゃんと待ち合わせの時間決めてたでしょ?」


受付「――――のん」

京太郎「……あ、はい」

受付「お客様?以上でご説明終わりましたのん」

京太郎「あっ、あ!ありがとうございます……」

受付「分からないことがあったら連絡してほしいのん」パタン

京太郎「……あー、全然聞いてなかったわ……」

京太郎「色々ありすぎて疲れた、寝る……zzzz」バタッ


寝てしまったシリーズの主人公、須賀京太郎に変わり
>>1が実際に観光した『花巻温泉郷』の説明をするよ

花巻温泉郷は、花巻市西部に位置する全ての温泉の総称だ
ちなみに今回の4つ温泉は『花巻南温泉峡』に分類されるよ
峡谷にあるから郷じゃなく峡と呼ばれるそうなんだ

終着←花巻駅のバスのルート(矢印の数は距離の長さ)
愛隣館←藤三旅館←←←←←大沢温泉←←←志戸平
※冬の藤三旅館~大沢温泉は、遊歩道少なく特に注意が必要

愛隣館は山奥で携帯会社によっては電波が悪い、Wi-Fiは有る


京太郎「…………ふぁ~あ!」ムクリ

京太郎「結構寝た……な」

京太郎「温泉はー……なんだこのルールは……」

京太郎「結構複雑だな、HP見てくれた方が分かり易いだろ」

京太郎「翌朝でいいかな、入り過ぎで疲れた感じするし……」

京太郎「夕飯食ってブラブラすっかね~」ガチャ


料亭 花の都(個人客向け)


京太郎「ゲームコーナーにカラオケBOX、それにクラブ……」

京太郎「デカい旅館にあると聞くけど、クラブは驚いたぞ」

京太郎「山奥だぞここ、びっくりぽんだわ」

スタッフ「お客様、お料理始めますかのん?」

京太郎「あ、御願いします!」


京太郎「あ~食ったわ~」

京太郎「季節の旬の食材を活かしたコース」

京太郎「大満足だったね」

京太郎「プラチナポークもメチャクチャ美味かったわ」

京太郎「……お?地下に人だかりが出来てる」テクテク


京太郎「これから、何か始まるんですか?」

スタッフ「毎日20時半からイベントやっておりますのん!」

スタッフ「今日は伝統舞踊の鹿踊りやりますのん」

京太郎「毎日ですか、凄いな……」

スタッフ「良かったら見てってくださいのん」

京太郎「はい、お!後ろの席空いてる、座って見るか!」


クソガキ共『しかー!6人の鹿だー!』パチパチパチ

鹿男「始まるのん!」

ドドンドドン チャカチャッカ ドドンドドン チャカチャッカ

京太郎「うぉっ、本格的だな!」

京太郎「太鼓たたきながらあらぶるってる!」

鹿男「のんのんの~~~~ん♪」

京太郎「動きが洗練されてるし、ツノ長くて衣装も面白い!」


ワアアアアアアアアアアアアアアアア

胡桃「もー、始まっちゃってるじゃんかー」テクテク

胡桃「シロったら『昨日見たから、ダルい』って」

胡桃「私はみんなに見せる為に録画しないとね」

胡桃「でも混んでる、立ち見かなぁ…………あれ?」

胡桃「あの後ろ姿、シロじゃん」

胡桃「いつの間に見に来たんだろ?それなら――」


ドドンドドン チャカチャッカ ドドンドドン チャカチャッカ

鹿男「のんのんの~~~~ん♪」

京太郎(響き渡る歌と太鼓、いいですなぁ……)

京太郎(慌しい1日だったけど、なんだかんだで楽しかったわ~)

胡桃「じゅーでん!充電!」ギュッ

京太郎「!?」


京太郎(なななっ、いきなり何だ!?)

京太郎(幼女が膝の上、いや!股間の上に乗ってきたぞ!?)

胡桃「もー!シロったら、イクなら一緒に行こうよ!」

京太郎(なっ、何が起こってるんだ!?)

胡桃「あ、私は録画してるからシロは動かないでね」

京太郎(ん?この声どっかで…………ふぉお!?)ビクッ


胡桃「うはー!昨日も見たけど凄いなー!」グリグリ

胡桃「トヨネやエイちゃんに見せたら大喜びしそうだー」グリグリ

京太郎(あああ!そこグリグリしちゃらめ!らめぇ!!)ムクムク

胡桃「るんるん~……んっ……!」ピクッ

胡桃「ちょっ、ちょっとシロ……悪戯は止め……んぅっ///」

京太郎「」


胡桃「ちょ、んくっ……お、怒るよ……!」ハァ

京太郎「」

胡桃「そ、そこは好きな男の人しか……んんっ……」

胡桃「結婚する人だけしか……さ、触っちゃ……」ハァハァ

京太郎「っ!!」ガタッシュタタタタ

胡桃「痛っ!いきなり立たないでよ…………シロ?」クルリ

胡桃「あれ?いない、戻っちゃった?」キョロキョロ


京太郎「しっ、仕方ないだろ!」シコシコ

京太郎「1日散々刺激されて!限界だったんだ!」シコシコ

京太郎「初めてのtoloveるの連続なんて!くそっ!」シコシコ

京太郎「幼女のくせに色っぽい声出しやがって!!」シコシコ

京太郎「チクショーーッ!クソッ!クソッ!!」シコシコ

京太郎「うぅっ……うっ!あぁぁ……ふっぅ……」ビュッビュッビュー


京太郎「……幼女をオカズに……最低だ、俺って……」ズーン


胡桃「あ、いた、やっぱり部屋にいた!」ガチャ

白望「……おかえり」グデーン

胡桃「もう!いつも充電してるからって駄目だよ!」

白望「……んー?ナニが?」

胡桃「とぼけないでよ、悪戯は駄目!オーケイ?」

白望「オーケイ……ダルい……」グデーン


翌朝 愛隣館 森の湯


京太郎「今、俺は風呂に入っている」

京太郎「濁った心を浄化する為にこのシルクバス」

京太郎「白く濁った『美白の湯』に入浴している」

京太郎「癒される、癒されるよ……」

京太郎「内湯も大きいし屋内の景色も良いな」


京太郎「屋外にはオサレな陶器の風呂が2つと」

京太郎「ん?奥の風呂はなんだ?」チャポーン

京太郎「おお、立ち湯か!それも露天の!」

京太郎「水深は藤三旅館の立ち湯より深いかも……」

京太郎(藤三旅館の立ち湯……)

白望『ごめんね、京子ちゃん』ダキッ


京太郎「……最低だ、俺って……」ムクムク


愛隣館 川の湯


京太郎「ヒューッ!絶景!」

京太郎「川の湯は自然の景色が特に素晴しいな」

京太郎「内風呂でも半露天風呂みたいなもんだし、広い!」

京太郎「屋外は小さい露天風呂が1つと……お!」ペタペタ

京太郎「階段を降りたら、森の湯にもあった陶器風呂が2つ」

京太郎「それに岩の露天風呂もか!あ、橋が架かってる!


京太郎「朝食は~30種類のバイキング~♪」テクテク

白望「朝、ダルい……」テクテク

胡桃「駄目!朝しっかり食べないと大きくならないの!」テクテク

京太郎「ん?聞き覚えのある声が――!?」クルッ

胡桃「……ん?んんんんんんん!!!?」

白望「んあー?」ボー


京太郎「ああああ!温泉で会った!!」

胡桃「すっ、すすす!須賀さん!?なんで!!?」

白望「あ、京子ちゃん……オヒサ……」

胡桃「ここに泊まっていたとは…………京子ちゃん?」

京太郎「まだ引っ張りますか、それ」

白望「貴方は私の妹分だから」ナデナデ


胡桃「え?シロとも知り合いなの!?」

京太郎「ま、そうゆーこったな」

白望「可愛い妹、須賀京子ちゃん、ダルい」

胡桃「男でしょ、それに妹って、年上の大学生なんだよ」

京太郎・白望「……え?」

胡桃「…………え?」


白望「京子ちゃん、おかしい」

京太郎「そ、そうですね」

白望「そういえば胡桃にタメ口、めっ!だよ」

京太郎「いやだって、この子何年生でしたっけ?」

胡桃「……三年だけど」

京太郎「ほら、中三だって、俺は高一、おかしくない」

胡桃「」


白望「あー……ダルい……」

白望「私、小瀬川白望、高校三年生」

白望「彼女、鹿倉胡桃、高校三年生」

京太郎「ぶっ!?」

京太郎「……………………」

京太郎「……」チラッ


胡桃「ふふふふふふ……」ゴゴゴゴゴゴ


白望と胡桃の宿泊部屋


京太郎「いや本当にすいませんごめんなさい」

京太郎「許してくださいもうふざけたこと言いません」

京太郎「勘弁してください本当にすみませんでした」

胡桃「あぁん?」ギロッ

京太郎「数々の無礼、なんとお詫びすれば……」

白望「こんな綺麗な土下座見たことない」


白望「もう許してあげたら?なんかダルいし」

胡桃「絶対に、 い や だ !」

白望「勘違いは誰にでもある、ねぇ、京子ちゃん?」

京太郎「いや……そう言いましても……」

白望「1回くらいなら…………あ、2回か」

胡桃(……2回?混浴のことはシロに話してないけど)


白望「昨日の夜、胡桃に悪戯したの京子ちゃんでしょ?」

胡桃「!?」

白望「私のせいにされた、ダルかった」

京太郎「え?俺なんかしまし――」

胡桃「あっ、あれも貴様だったのかぁ!!」ドドドドドド

京太郎「ひぃぃいいいぃいいい!!」


花巻駅前


京太郎「小瀬川先輩、鹿倉大先輩様」

京太郎「色々と……すみませんでした……」ペコー

白望「私は全然気にしてない、お姉ちゃんだから」

胡桃「けっ!」プイッ

京太郎「…………」


京太郎「じゃ、じゃあこれで失礼――」

白望「待った」ガシッ

京太郎「ぐえっ!……な、何ですか?」

白望「京子ちゃん、何処行くの?」

京太郎「も、盛岡に行く予定ですが……」


胡桃「ならとっとと行けよ」

白望「私たちの観光に付き合って」

胡桃「そうそう…………うん!?」

白望「私たち今日は花巻の観光する予定、ダルいけど」

胡桃「シ、シロっ……!」

京太郎(俺も賢治関係の見てから行きたかったけど……)

これってエイスリンとは別の世界線?


京太郎「いや、俺いると迷惑だと思うし――」

白望「私と混浴したのに?恩返しするべき」

胡桃「はっ、はぁ!?アンタ、シロとも入ってたの!?」

京太郎「ぐ、偶然、ですよ?偶然」

白望「……『も』?なるほど、胡桃も中々やる」

胡桃「じっ、事故よ!不幸な事故だったのー!!」ムキー

>>136
同じでーす


マルカン百貨店


白望「――――で、着いた」

京太郎「……小瀬川先輩?」

白望「余所余所しく苗字で呼ばなくていい」

白望「シロお姉ちゃん、シロねぇ、シロみんのどれでも」

京太郎「白望先輩で」

白望「あー、ダルい」


京太郎「観光って……ここ、デパートじゃないですか!!」

胡桃「うるさいそこ!ったく、はいシロペディア」ツン

白望「マルカン百貨店、通称『マルカンデパート』」

白望「花巻老舗の小型百貨店で、60周年を迎えるらしい」

白望「洋服や化粧品に、雑貨、日用品も扱っている」

白望「…………もういい?ダルい」

京太郎(観光じゃなく買い物に来たんじゃねぇのか?)


京太郎(……客、そんなに多くないな)キョロキョロ

京太郎(皆無ってわけでもないけど……)

胡桃「まぁ、地方のデパートってそんなもんだよ」

京太郎「そんなもんスかねぇ…………か、鹿倉先輩!?」

胡桃「顔に出てた、いちいちうるさい」

白望「ジャスコやヨーカドーのが集まる、田舎の常識」


京太郎(でも、こういう雰囲気のデパートも良いよな)

京太郎「あれ?エスカレーター5階で終わりましたよね?」

京太郎「6階に食堂があるって書いてませんでした?」

胡桃「ああ、6階には階段かエレベーターでないと駄目みたいね」

京太郎(なんでだ?意味分からん)

白望「階段ダルい、エレベーター」テクテク


マルカン百貨店 6F 大食堂


ざわっ・・・! ざわっ・・・! ざわっ・・・!

胡桃「……凄いね、これ」

京太郎「……凄いですね、本当に」

白望「人がゴミのようだ、ダルい」

京太郎(なにこれ、おかしくない?)

京太郎(11時ちょい過ぎだけど満席近いぞ!?)


京太郎「あはは、これ収益の殆どが食堂だったりして……」

胡桃「まっ、まっさか~!いくら人の割合が違い過ぎるからって」

白望「あながち間違いでもない」

京太郎・胡桃「マジで!?」

白望「全国ネットのテレビ番組で何度か取り上げられてた」

白望「百貨店の売上の殆どが花巻市内を一望できるこの食堂」

白望「大食堂はいつも混雑、ちなみに名物はソフトクリーム」


白望「と、いうことで京子ちゃん」

京太郎「……何でしょう?」

白望「席確保、ゴー」

京太郎「分かりましたよ!分かりましたよ、もう!」ダダダ

胡桃「え、ちょっ!そこまでしなくても……」

白望「どうかした?胡桃」

胡桃「い、いや、なんでも……」


京太郎「うはー!超デケェ!このソフトクリーム!!」

京太郎「いやー、これを作る人も凄いわ!」パクパク

胡桃「うるさいなー」ズソー

白望「ナポリカツ、美味」モグモグ

京太郎「マルカンラーメンは美味しいですか?」

胡桃「まぁ、普通に美味しいけど」ズソー


白望「私もラーメン食べたかった……ダルい」

胡桃「じゃあ、頼めば良かったじゃない」ズソー

白望「だって、男子がいたら普通は気にする……」

京太郎「……男子て、ん?俺ですか?」パクパク

胡桃「どーせ!お子様の私なんて可愛くないからいいの」

京太郎「え?普通に可愛いと思いますけど?」パクパク

胡桃「」


胡桃「……はっ、はぁ!?何言ってんのアンタ!!?」ガタッ

京太郎(やべっ、子供扱いされたと思われたのかな?)ビクッ

京太郎「す、すみません……決して他意があったわけじゃ……」

胡桃「…………」

胡桃「……」シュルシュルモグモグ

白望「んー……?」モグモグ


宮沢賢治童話村


白望「『宮沢賢治童話村』へのアクセス」

白望「『花巻駅』や『新花巻駅』からのバスが便利」

白望「ちなみに、花巻駅近辺には洒落た喫茶店がある」

白望「宮沢賢治の世界観が感じられる『林風舎』というお店」

白望「新花巻駅は、『セロ弾きのゴーシュ』のモニュメント」

白望「近づくとセンサーにより音楽が流れるのが設置されてる」


白望「こーたい、ダルい……」

京太郎「なんかすみません、代わりに仕事してもらって」

白望「お姉ちゃんだから」

胡桃「それより、あれが入口ね」

京太郎「まさに銀河ステーションですね、この入口」

京太郎「入口の手前にはオブジェが二つ」

京太郎「白鳥の停車場と列車が置いてますね」


胡桃「はー、中は広いんだー」

京太郎「陸上競技場みたいですね」

白望「んー?何か一際目立つ建物があるけど」

胡桃「なるほど、あれが『賢治の学校』ね」

京太郎「童話の世界で楽しく遊ぶ、楽習施設だそうです」トットン

胡桃「外見も素敵、建物の中も良さそう」


賢治の学校 ファンタジックホール


白望「あー……」グデーン

胡桃「恐ろしく違和感が無い、ここの椅子に座ったシロ」

京太郎「同感です、部屋の世界観と一体化してますよ……」

胡桃「シロ、そろそろ行くよ」ユサユサ

白望「……もう少しいる、2人で先に行ってて……」グデーン

京太郎「こりゃ仕方ないっスね」


賢治の学校 宇宙の部屋


胡桃「……綺麗」ポツリ

京太郎「ええ、この巨大な万華鏡の中にいる感覚」

京太郎「とても幻想的で、宇宙空間にいるみたいです……」

胡桃「……良い雰囲気なんだから説明口調は止めてよ」

京太郎「あ、すっ、すみません……」ペコリ

胡桃「別に怒ってないし、怯え過ぎ」プイッ

胡桃(……もし、出会いが最悪じゃなかったらきっと……)


賢治の学校 天空の部屋


京太郎「おっ、これは美術館によくありそうな部屋だ」

胡桃「アンタ、美術館に行ったりするんだ……」

京太郎「気が向いたときに少しだけですけど」

胡桃(変態ほど感性が磨かれてるっていうけど……)

胡桃「そういうの、なんかもったいないな……」ボソッ

京太郎(ひでぇっ!「美術館にはもったいない」て意味か?)

胡桃(大人っぽいのに、変態じゃなかったらな……)テクテク


賢治の学校 大地の部屋


胡桃「うげっ、なにこの部屋……」

京太郎「昆虫や動物の巨大ジオラマかー」

胡桃(ちょっと苦手、さっさと次――)スタスタ

京太郎「あっ、先輩!前!」

胡桃「え?前?」ドスッ!


胡桃「やっ、やば!ぶつかちゃっ――」

巨大カマキリ「やぁ!」ドーン

胡桃「」

京太郎「ふぅ、軽くぶつかっただけなんで大丈夫そうですね」

胡桃「」

京太郎「あれ?どうしました…………って、先輩!?」

胡桃「」


白望「……おかえり」

京太郎「あれ?出口で待ってたんですか?」

白望「付いて行くのはやめた、ダルいし」

京太郎「ああ、最初の部屋は直ぐ戻れますもんね」

白望「……それより、そのおんぶしてる物体は?」

京太郎「……鹿倉先輩、ですが……」


白望「…………」

京太郎「…………」

白望「……通報する?」ピッピッ

京太郎「ノー!ノー!ノー!ノー!」ブンブンブン

胡桃「…………んぅ?何?……うるさ……!!?」

胡桃「ななななっ!なんで!?なんでこれ!!」ビクッ

胡桃「おっ、おろせ……!!」ジタバタ


京太郎「はっ、はい!直ぐにでも!!」ストッ

胡桃「……あ、あれ?」コテン

胡桃(なっ、なんで足が震えて…………あ……)

胡桃(そうだ私、カマキリ見て気を失っちゃって……)

京太郎「ああっ、やっぱりまだ――」

胡桃(なら、須賀がそこから運んでくれた……の?)

白望「こーたい、私がおんぶする」ヨイショ


京太郎「今日の観光はこれで終わった方がいいですね」テクテク

白望「スレ的にもね」テクテク

胡桃「……ごっ、ごめん」

白望「別にいい」

白望「あと周辺の見所は、宮沢賢治の記念館と文学館くらい」

白望「坂上る為に結構歩くらしいからダルいし」


白望「ちなみに記念館の一角にはレストランがあるらしい」

白望「『山猫軒』、注文の多い料理店をモチーフとした店」

白望「イーハトーブの豊な食材を利用した料理を提供している」

白望「……こんな感じでいい?ダルい」

京太郎「あ、はい、ホント助かります」

白望「じゃあ、おんぶして」


京太郎「え?交代ですか?」

胡桃「えっ……///」ドキッ

白望「違う、私をおんぶして……」

京太郎「鹿倉先輩は?」

白望「んー……私がおんぶするから京子ちゃんは私をおんぶ」

京太郎「カタツムリですか!」

京太郎「ほら、冗談言ってないで、もう少しでバス亭ですよ」


白望「むー……胡桃だけズルい……」

胡桃「ずっ、ズルいって……!」

白望「京子ちゃんは、私をおんぶするのは嫌?」

京太郎「いや、嫌ではないですけど……」

白望「おもちが背中に当たるの……嫌い?」

京太郎「大好きです、それ本当に大好きです!」

胡桃「ムカッ!」ゲシッ!

京太郎「痛てぇ!!」


新花巻駅前


京太郎「そうなんですか、2人とも今日帰るんですね」

白望「名残惜しい……」

胡桃「……」

白望「今度、LINEする……ダルいけど」

京太郎「あはは、お待ちしてますよ」


白望「……あと、これあげる」スッ

京太郎「え?何かくれるんで――」

チュッ

胡桃「!!?」

京太郎「……え……今のって……」

白望「今日のお礼、どうぞほっぺに」


胡桃「しっ、シロ!アンタ何やって――」

白望「私は済ませた、駅の中で待ってる」

京太郎「」

白望「バイバイ、『京ちゃん』、ダルー」テクテク

胡桃「ちょっ!待ってよ、もう!」

胡桃(『私は』済ませたって、どういう意味よ!!)


胡桃「……ああ!もう!」

京太郎「」

胡桃「須賀!!」

京太郎「ファッ!ふぁい!?」ビクッ

胡桃「アンタには散々やられたわよね!」

京太郎「うあああぁぁ、お許しを――」


胡桃「ガキ扱いされるわ!セクハラされるわ!」

胡桃「フェ……ファーストキスを奪われるわ!!」

京太郎「すみませんごめんなさい本当に――」ペコペコ

胡桃「だっ、だからアンタがお礼しなさい!!」ギュッ

京太郎「できることがあれば何でも…………むぐっ!?」


ズキュゥゥゥン!!!


胡桃「////」

京太郎「」

胡桃「か、勘違いしないでよねっ!」

胡桃「ただのファーストキスのやり直しなんだから!!」

京太郎「」


白望「胡桃、唇はズルいよ」ヌッ

胡桃「わっー!?いつからいたのー!!?」ビクッ

京太郎「」

白望「私も――」

胡桃「ほっ、ほら!シロ!行くよ!!」ガシッ

白望「うー……ダルい……」ズルズル


胡桃「怪我するんじゃないわよー!」

胡桃「気を付けて旅行しなさいよねー!」

白望「またねー……」ズルズル

京太郎「」




京太郎「……………………え?」


     .  /    ./  イ    !   ヽ `  \   ≧
      人 /   {  / .!    | \   、 \  ヽ  __ >
        {/!  イト、{~    {~-\ ヽ  ヽ  } }、
       . 八   ┬‐┬\_N _____ヽ }  } } ./  ヽ
       ノィ / {! ゝ-'      !  .ノ` /イノY    丶ヽ
      (  イ  l ''   ,    ,,¨    |  }    ト } )
        i {  .人              /   } }/
         V、 { .丶..-...==..ュ.     ィ ~   }ヽ / )
          ...:´:::::::::::::::::::::::::::`::イ ノ ノ / /}./
        . /::::::::::::::/!::::::::::::::::::::::::::::ヽ彡イ
       /:::::/:::/::::, !:::::,:::::::::::::::::::::::::∨

       .'::::::ト:::l!:::::l |:/ l:斗ヤl:::::::::::::., <
      y |:::::从:::ミ:::! !/´ |/ |/l::}::::::::::::::! //>、
     / l::::::/んム`  /んムY/ノ:::::::::::l//   ヽ
      /  l::|:::l 辷:ソ    辷ソ l::::::;':::::::::!イ    ',
  .  /  l::|:::| ,,      ,,   l:::::,::::::::::,イ     ,
    '   i::!::ゝ   ┌ ┐    l::::,':::::::://!      ,
   /     |::|::_>  __  ィ:::/::::'_::;;///イ  /   .',
.  /       |/////,-|   _,,! //´/////}      ハ
 /___     |./>イ 〉 <´ .〉、_ ///////l       ヽ

  \ ヽ三 x>´///! /Y ', /////ヽ、////!       _ヽ
    ┤ /´ |/////!/小 V //////ヽ/!  _ ≦三イ  >
    |./   |////<::::/!:::>///////   | Lイ   |三__イ

         温泉潮流  花巻編  完

 

            次回予告


         夏といったら山登り


       どうせなら日本百名山だろ


          ん?また温泉回!?



豊音「…………」

京太郎「どうかしました?怪我でも――」

豊音「救助隊が来てくれたよー!」ダキッ

京太郎「うぷっ!」

豊音「ちょー嬉しいよー!」ギュウウウ

京太郎(デカっ!この人身長デカい!)


京太郎「ととととと、豊音さん!?」

豊音「////」

京太郎「アイエエエエ!ナンデ!?」

豊音「ここ……混浴だよー……////」

京太郎(何?こんな広い露天風呂が混浴!?)

豊音「……きょっ、京太郎君……」


豊音「私、もしかしたらなんだけど……」

豊音「また、寂しくなっちゃうかもしれないよ」

豊音「京太郎君に頼りたくなっちゃうかもしれないよ」

京太郎「豊音さん……」

豊音「だから、だから……!」

豊音「1つだけ……お願いがあるの……////」スッ

 

    星屑の青春  八幡平編  未定?

くぅ~疲、ご視聴ありが㌧

今回は前半に温泉ばかりでごめんねごめんねー
それにしても短期間で投下できるとは思ってなかった
前回のスレ落とし申請しなくてもよかったね
でも、まとめてくださったとこがあったので
次回もスレタイ変えて投下するよー
あ、来週の土日のどっちかに考えています

それじゃ、おやすみ~^^

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom