沙希「量と質ならどっちがいい?」八幡「はい?」 (59)

沙希「だから、食べ物なら量と質はどっちがいいの?」


八幡「好き嫌い多いから分からん、嫌いならそもそもいらんし、好きなら質も量も欲しい」


沙希「そうきたか…」


八幡「あ、でも日持ちしない物なら質だな、日持ちするなら量がいいとおもう」


沙希「わかった」スタスタ


八幡(人が寂しく飯食ってる時に何なんだ?)

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放課後 奉仕部


雪乃「比企谷君」


八幡「ん?」


雪乃「あなたは本物の味を知っているかしら?」

八幡「え?」


雪乃「あなたが今まで口にしていたものの最上級の味は知っているかしら?」


八幡「は?」


雪乃「そう、知らないようね」


八幡「いきなり何言ってんだお前?」


雪乃「気にしないで頂戴」


八幡(ワケが分からん…)

比企谷家

八幡(メール来てたのか)

結衣メール『クッキーの時言ってた事ってヒッキーもなの?』


八幡メール『お前の料理がマズいって事は万国共通だと思うぞ』


結衣メール『そっちじゃないし!』


八幡『ああ、マズいはヒドいよな言い過ぎたすまん』


結衣メール『ヒッキー…(;´д⊂)』


八幡メール『お前の料理はマズいと言うよりメチャクチャ苦い』


結衣『ヒッキーのバカ!』

八幡(なんだこの理不尽)

次の日

静「なあ比企谷」

八幡「はい」

静「君は健康かね?」

八幡「目以外はバッチリです」

静「そうかそうか、それならいいんだ」


八幡「アッハイ」


静「多少なら大丈夫そうだな…」

八幡「え"、また何か面倒事ですか?」


静「いやいや、今回は私が頑張らないといけない事でな」


八幡「そうですか」


静「呼び止めてすまなかった、教室に向かうといい」

八幡「はあ、どうも」(生徒の体調管理も仕事の内なのか?)

図書室

八幡(ブラックジャックつまらんとか言うやつ見たことねえな、漫画の神様ってすげえ)

「だーれだ?」ソッ


八幡「私だ」


いろは「お前だったのか」

八幡「ヒマを」

いろは「持て余した可哀想な先輩」


八幡「いきなり現実を突き付けてくるなよ」

いろは「だって事実ですし」


八幡「何か用か?」

いろは「ああそうでした、先輩って好きな飲み物はマッ缶でしたよね?」

八幡「そうだけど」


いろは「甘いのが好きなんですよね?」


八幡「好きだな」


いろは「好きとか言われてもごめんなさい先輩とは付き合えないです」


八幡「甘い物が好きだ、お前が好きとか言ってない」


いろは「先輩にフられるのは腹が立つんで付き合ってあげてもいいですよ」

八幡「お前のその物言いに腹立つわ」


いろは「こないだ面白い飲み物見つけたんで持って来ますね」


八幡「面白い飲み物?」

いろは「楽しみにしてて下さいね」トテトテ


八幡(正直面白い飲み物は気になるな)

放課後 奉仕部

八幡(誰も来てないのか、あの雪ノ下が珍しいな)

陽乃「ひゃっはろー比企谷君」


八幡「…なんすか?」


陽乃「雪乃ちゃんが家に呼び出されてるから、ガハマちゃんと比企谷君の様子が気になってさ」


八幡「由比ヶ浜ならバイトでいませんよ」


陽乃「へえ…そうなんだ」

八幡(またなんか企んでるなこの人)


陽乃「比企谷君って雪乃ちゃんとくっつかないの?」


八幡「なんであいつとくっつくと思ったんですか?」


陽乃「雪乃ちゃん可愛いし、比企谷君なら雪乃ちゃんを安心して任せられるしさ」


八幡「嫌ですよあんな毒舌大魔王」


陽乃「雪乃ちゃんは強がってるだけだよ?ホントは可愛くて優しい自慢の妹なんだから」


八幡「可愛くて優しくて更に素直な自慢の妹がいるんで間に合ってます」

陽乃「いやぁ…近親相姦はよくないと思うよ?」

八幡「そんなんじゃないですよ、単に雪ノ下よりも小町の方が天使なだけです」


陽乃「…へえ、本当にそう思ってるんだ…」ピリッ

八幡「小町の方が可愛い、それは譲れません」

陽乃「…」ニコニコ

八幡「大体、妹に避けられてる雪ノ下さんが妹が可愛いなんて…」


陽乃「比企谷君」ニコニコ


八幡「はい?」


陽乃「あたしが笑ってる内に黙った方がいいよ?」ニコニコ


比企谷八幡は悟った、これ以上の挑発は死に直結すると。

危険であると言葉に辿り着く左脳よりも、生存本能から始まる、感覚に著しく作用する右脳が比企谷八幡に次の句を告げるのを止めさせた。


八幡「すみませんでした!」ドゲザ!

陽乃「…比企谷君はさ」

八幡「はい…」ブルブル


陽乃「彼女そのものがいらないのかな?」


八幡「うーん、そりゃ全くいらないって事はないですよ」


陽乃「真面目な話、本当に雪乃ちゃんは守備範囲外なの?」


八幡「少なくとも今この段階では何とも言えないです」


陽乃「そっか、分かった」

八幡「?」


陽乃「比企谷君の可愛い可愛い妹ちゃんはケーキ好き?」


八幡「好きですね」

陽乃「比企谷君自身はどう?」

八幡「好きですね」

陽乃「それなら今度美味しいケーキ持って来るね」


八幡「嬉しいですけど何でまたそんな」


陽乃「キャンペーン物だからさ、予約したはいいけど計算したら余るんだよね」

八幡「ほうほう」

陽乃「それじゃまたね」スタスタ


八幡(ホールケーキだとしても家族総動員したらいけるか)

おやすみ



小町「おかえりー」

八幡「ただいま」

小町「ねえねえお兄ちゃん」

八幡「ん?」

小町「お兄ちゃんは今年こそチョコもらえそう?」


八幡「ねえよ、端から小町からのチョコしか期待してない」


小町「ある意味潔いのがなぁ…」


八幡「オレ、モテナイ、チョコ、ゼロ、アタリマエ、コマチ、チョコ、クレル、オレ、ソレデイイ」


小町「何でカタコト…?」

八幡「今まで小町以外にもらってないからな、チョコもらっても正直困る」


小町「結衣さんとか雪乃さんは?」


八幡「何であいつらがチョコをくれるって思った?」


小町「えー…」

八幡「とにかく、チョコ好きだし、安物でいいから楽しみにしとくわ」


小町「まあそれは期待してもいいけど」


八幡「お返しはそこそこのやつ考えてるから期待しとけ」スタスタ


小町(雪乃さんも結衣さんもお兄ちゃんに探りの一つも入れてないのかな?)

翌日

八幡(あーあ、世の中のイケメン絶滅してくれねえかなー)

めぐり「あ、比企谷君だ」

八幡「城廻先輩」


めぐり「比企谷君って昨日陽さんと会ったよね?」

八幡「はい」


めぐり「私も久しぶりに話したかったのに生徒会には来てくれなくてさー」

八幡「ん?それを知ってるって事は連絡はマメにしてるってことじゃないですか」


めぐり「やっぱり直接会って話したいから」


八幡「たしかに同じ建物内なんだからちょっとくらい顔出しても良さそうなもんですよね」


めぐり「でしょー?目的があるとそれが終わり次第帰るんだから…」


八幡「ドライっすね」


めぐり「そうなんだよね」


八幡(あれ?俺が目的って何の用だったんだ?雪ノ下とどうのこうのが知りたいだけでわざわざ来たのか?)

めぐり「…」ジー

八幡「?」

めぐり「比企谷君…」

八幡「何ですか?」

めぐり「比企谷君ってモテる?」ジー


八幡「え?」


めぐり「目はあれだけどカッコいいよね」ジー


八幡「そ、そうなんですかね?」

めぐり「少なくとも私はそう思う」ジー


八幡(何この先輩めちゃくちゃ見つめてくるんですけど、瞳の住人になりそうなんですけど)


めぐり「後輩に抵抗はないし…あと三年もすれば絶対…」ジーブツブツ

八幡「あ、あの…」

めぐり「比企谷君!」


八幡「え、は、はい」


めぐり「比企谷君には色々お世話になったからお礼をしたいんだけど何がいいかな?」

八幡「別にないですけど…」

めぐり「そうなんだ…」

八幡「それに大体、俺モテないですからね?」


めぐり「それは好都合…」ボソリ

八幡「今何て言いました?」


めぐり「何でもないよ」ニコッ

八幡「そうっすか?」

めぐり「お礼は私が考えておくからちょっと待っててね」スタスタ


八幡(あの人あんなキャラだったっけ?)

おやすみ

帰り道

八幡(先輩にカッコいいとか言われたからトイレで鏡を見てみたら諦め顔のよくできた歯車のような顔だった、瞳の住人じゃなくてMARIONETTEだった、汚れちまって優しさをなくしたBamboozleは俺にはピッタリではあるな)

留美「八幡」

八幡「?」

留美「忘れたの?鶴見留美、夏休みに会ったでしょ?」


八幡「ああ、あの時の」
留美「やっと思い出した…」

八幡「あれからどうだ?」

留美「つまらないのはなくなった、雰囲気が変わった」

八幡「本性をさらしあったようなもんだからな」

留美「八幡のおかげ」


八幡「子守り失格だけどな」

留美「やり方は最低だった」

八幡「だろうな」

留美「結果は良かった、不思議」

八幡「案外そんなもんなんだよ」


留美「ありがとう」


八幡「…」


留美「照れてる?」

八幡「久しぶりに礼言われたから意味を思い出せなかった」

留美「…」

また明日

八幡「まああれだ、元気でな」

留美「またね八幡」

八幡(もう会うこともないでしょう)

留美「今度お礼するから」

八幡「はいはい」スタスタ



八幡(小町のお返しは何がいいかなー)


小町(とか能天気に考えてるんだろうなこのごみいちゃんは…)


八幡(戸塚には俺がチョコを渡そっかなー。いいよねトモチョコ)


小町「バレンタインは結衣さんからなら期待できると思うよ!」


八幡「小町は由比ヶ浜が俺にチョコくれると思ってるのか?何で?」

小町「何で?じゃないでしょ!?」


八幡「オレ、モテナイ、イツモ、キモイ、イワレル」


小町「いや結衣さんの場合は愛情表現というかさ…」

八幡「愛情表現でキモイキモイ言う奴のチョコレートは食指が動かん、それにあいつの場合は手作りだったら更に食指が命の危険を感じてもっと動かん」

小町「…」

八幡「モテないから身内からしかチョコレート貰えなくてもいいんだよ、適量だけ食べる方が健康にもな」


小町「プラス思考なのかマイナス思考なのか…」

八幡「プラス思考だぞ?下手に数貰ったらお返しがしんどいからな、小町にしか貰えないからお返しも小町の分を考えるだけで済むしな」


小町「なにそれポイント高い」


八幡「だろ?千葉の兄妹はこうじゃないと」

小町「はあ…」(埒が明かないから小町が結衣さん達に探りを入れよう)


八幡「どれにするかなー」

カマクラ「にゃー」

八幡「珍しく俺に甘えるのか、よしよし」

カマクラ「ゴロゴロ」

結衣『どしたの小町ちゃん、いきなり電話してきて』

小町『少しお聞きしたい事がありましてですね』
結衣『なになに?』

小町『お兄ちゃんにチョコレートあげるのかなーって』

結衣『どわっしゃああいいいい!』ガコーン!

小町『え!?結衣さん!?大丈夫ですか!?』

結衣『大丈夫大丈夫、ちょっとびっくりしちゃってさ』

小町(あげるつもりみたいで小町安心☆)『お兄ちゃんが小町以外からチョコが貰えないとか言い出して、そんなわけないと思って確認したかったんですよ』


結衣『え?』


小町『ん?』


結衣『あたしヒッキーにチョコクッキーの話したのに』

小町『初耳ですよそれ』

結衣『確かに少し遠まわしに話したけどさ、この時期にチョコクッキーって言ったら分かるよね?』

小町『そこはほら、ごみいちゃんだからとしか…』


結衣『ヒッキーだもんねー』

小町『ごみいちゃんですから』

結衣『あ、オーブンの予熱終わったから切るね』
小町『すみませんうちのバカが』

結衣『あはは!ヒッキー驚かせたいからまだ話さないでね』

小町『はい!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月21日 (月) 13:06:11   ID: IXH9eLes

期待!!!

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