【ワールドトリガー】とある隊員の活動録 (44)

ワールドトリガーのssです
主人公はオリキャラ
物語は基本漫画に沿って進めていきます

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454670080


「このまま街に墜ちるつもり!?」

「止まれ!止まりなさい!」

このままでは街が!人が大勢死んでしまう!
それだけは…!!

少女は叫ぶ

「やることは決まったな」

少年は頼まれたことを実行しようとする

「おいおい、なにやってんだエリートさんよ」

そして
青年はやれやれとポケットに手を入れる


「止まって!!」ドンッ!ドンッ!

「トリガーオン…」キィィィン

「頼むぞ、レプリカ」
『りょうか…待て、遊真!』
「?」

街に自爆するために墜ちようとしていたイルガーは

突然顔の先から尾まで一本の線に貫かれた
そして

(何!?こいつ、突然…!?)

爆発することすら出来ずに河に墜落した


「ふぅ、任務完了。木虎にばれなかっただろうな…。念のためさっさ退散しよ」
「あ、そういやまだこのトリガーをボーダーのトリガーとして認証してなかったな。…ま、いっか」

「うお、イルガー貫いた。なんだ今の」
『自爆モードのイルガーを貫くとは』
「キトラ…じゃないよな?」
『キトラが出来たのなら最初からやっていただろう』
「ふむ。ボーダーにもすごいやつがいるってことか」
『何にせよ、これでトリガーも使わずに済んだ。結果として良かったと言えよう』
「そうだな」

――――――
「うっす」ガチャ
「遅い!」パァン
「いってぇぇ!?何しやがる小南!!」
「普通に遅刻っすよ、長江先輩」
「あー…それは悪かった。ちょっと途中で野暮用が出来てな」
「ふっふーん?」
「あ?なんだよ宇佐美?」
「大方、さっきの爆撃型だろう?」
「…なんで分かるんすかレイジさん。エスパーっすか」
「お前のやりそうなことだからな」
「???」
「小南先輩、通知見てないんすか?」
「通知?なにそれ?」
「よせよ、京介。この斧女がそんなこといちいち確認するわけないだろ」
「誰が斧女よ!!」ウガー
「いてぇ!噛み付くな!!」
「仲がいいねぇ二人共」ニヤニヤ
「「はぁ!?誰がコイツなんかと!」」
「はぁ、まったく…いいからさっさとミーティング始めるぞ」
「「「了解」」」「いてぇ…」

すいません
会話は一行空けますね

俺は長江龍二(ながえ りゅうじ)
高校2年生のしがないボーダー隊員だ
スタイルとしては近距離寄りのオールラウンダー
一応強化視覚のサイドエフェクトも持っている
スナイパー見つけるのに役立ったりする
若干の引きこもり体質で休日は必ず家にいる
何故ボーダー隊員をしているのかというと、中学の頃に高校を推薦で決めていた俺は親に何かしらクラブ活動でもしろと言われ、ボーダーに入ってすぐやめてやろうと思ってたらいつの間にか3年も在籍していたのだ
どうした俺

ちなみに俺の通っている高校にはボーダー隊員が何人もいる
提携校とかいうらしい
仲の良いやつも何人かいる
というか一方的に向こうから絡んでくることが多い
やれ「勝負しようぜ龍二」だの、やれ「勉強おしえてくれ龍二」だの
教室では友達いないんだからやめろよ
注意引いちゃうだろうが
そうそう、俺がボーダー隊員ということは学校では同じ隊員のやつらしか知らない
知られると話を聞かせてくれだの何だの鬱陶しいからな

この人達は俺のチームメイト
隊長であり落ち着いた筋肉でもあるレイジさん、もさもさしたイケメンの京介
オペレーターで眼鏡大好きな宇佐美、あと斧女の小南
俺含めてこの玉狛支部というところに所属している
4人ともかなりの腕利きで正直言ってボーダーで最強の部隊だと思っている

さらにもう一人欠かせないのが

「迅はどうした?」

「さぁ…迅さんいつも飄々としてますからね」

「てかあいつがミーティングに顔出すわけないでしょ。今まで一度だって顔出したことないじゃない」

「迅さんなら多分今本部にいますよ。確か今日は会議とかなんとか」

「はぁ…まぁいい」

今話題に出た男
迅悠一

黒トリガーの「風刃」を所有するS級隊員だ
未来視のサイドエフェクトを持っていてそれがまた風刃と相性がかなりいい
なかなかにチートな人だ
趣味は暗躍
ちなみに俺もよく巻き込まれている
その度に厄介なことになるから勘弁してほしい
…まぁ俺から首を突っ込むこともあるけど
正直結構頼りになる人だ
ボーダーの防衛はこの人が要と言ってもいい

まぁそれは置いといて
この俺を含めた戦闘員5人とオペレーター1人が玉狛支部の全戦力だ
スタッフも何人かいるが、それはまぁ割愛させていただく
ボーダー3勢力の1角をこの少人数で担っている
勢力は一番弱いけどな
まぁだがそのことからもこの部隊が最強だと言える要因の一つだろう

ミーティングを終え、自室で本を読んでいると迅さんが帰ってきた

「ただいまー。あー腹減った」

挨拶だけはしとくかな

「お帰りなさい、迅さん」ガチャ

「よう、龍二」

「あら迅じゃない」

「よ、小南。あーそうだお前らに言っとくことがある」

「「??」」

「明日空けとけよ。忙しくなるぞ。イレギュラーゲートの原因が明日判明するから、そうしたら隊員全員でその原因潰しだ」

ほう
流石未来視
こういうことが分かるのは便利である
まぁ引きこもりの俺に予定なんてあるわけないんですけどね

たまに米屋とか出水とかに連れまわされることはあるけどな…

翌日になると隊員全員に指令が届き、C級までもが出動する小型トリオン兵の大掃除が行われた

「あー疲れた。これもう1ヶ月分は働いたわ。もう防衛任務しばらく休みでいいんじゃないかな」

「何言ってんのよ馬鹿龍二」

「おい馬鹿とは失礼だな。俺は成績は良い方だぞ。俺よりもお前の方が…」

「あ、加古さんだ。おーい加古さん!」タッタッタ

「…あいつ今度ぶった切ってやる」ピクピク


そんな小南とのいつも通りのやり取りを終え、ぶらぶらしていると迅さんを見つけた
隣には知らないやつが二人いる

「おーい迅さん」

「おう、龍二」

「この二人は?」

「今回のイレギュラーゲートの要因を見つけてくれたやつらだよ」

「いや、僕は何も…」

「いいから手柄はもらっとけって、修」

「そうだぞー眼鏡君。パワーアップは出来る時にしといた方がいい」

「?」

「あ、僕は三雲修と言います」

「俺は空閑遊真だよ」

「空閑に三雲な。俺は長江龍二だ。よろしく」

「あ、はい!こちらこそよろしくおねがいします!」

「よろしく」

「迅さん、空閑ってネイバーっすか?」

「!?」

「!!」

「お、気付いたか」

「まぁ雰囲気で何となくっすけどね」

「…俺をどうもしないのか?」

「しないよ」

「ほう」


「俺はネイバーの世界に何回か行ったことがあるんだ。だからネイバーに良いやつがいるってことも知ってる。ネイバーだからって邪険にはしないさ」

『なるほど。迅以外にもそのような人物がいるのは助かる』ニュッ

「うおっ!?なんだこいつ?」

『始めまして龍二。わたしはレプリカ。遊真のお目付け役だ』

「これはどうもご丁寧に」

「さて、そろそろ行くぞ遊真、眼鏡君」

「あ、はい」

「ん、りょうかいりょうかい」

「なんだ、どっか行くんすか?」

「あぁちょっとな。じゃあまた後でな龍二」

「失礼します」

「じゃあな、龍二先輩」

「おーう、今度基地にも顔出してくれや。菓子くらいなら出せるぞ」

「ふむ、楽しみしてます」



3人と別れた俺は帰路についていた
時刻は既に夜の7時
腹も空いてきた
ちなみに俺は玉狛支部に住んでいる
実家よりも玉狛支部からの方が学校にかなり近いのだ
そんなわけで俺は今玉狛支部に向かっているのだが…


「おい、龍二!飯食いに行こうぜ!」

「この前いい中華料理屋見つけたんだよ!」

なんでお前らがいる
米屋と緑川
お前ら本部も家もこっち方面じゃないだろ
そのことを伝えると

「いやーお前を見つけたからさ。さ、一緒に飯いくぞ」

「腹減ったから早く行こうよー」

「おい待てなんで行く前提なんだ」

こいつらは人の話を聞かんのか

「さー行くぞー」ガシ

「あいあいさー」ガシ

「あ!?離せお前ら!?てか力つよっ!!てめぇらトリオン体かよ、ずりぃぞ!!」

「「レッツゴー」」ズルズル

「今月あんま余裕ないんだよ!!ちょ、まっ…アーーーー!」




「うめぇなココ」バクバク

「だろ?」バクバク

「この前いずみん先輩とやねやん先輩と歩いてて見つけたんだー」モグモグ


俺は普通に食べていた
悲しいかな、食欲には勝てん
いい香りがしたと思ったらもう注文していた
恐るべし中華

「そういや出水っていつこっち帰ってくるんだ?」

「さぁ?1週間後くらいだっけ?」

「確かそんなもんだったと思うよ」

「適当だなお前ら」

「お前だって知らなかったじゃねぇか」

「まぁな」

「みんな適当だね」ケラケラ


腹もふくれて今度こそ帰路についていた
俺の貴重な野口が旅立っていったが、まぁうまかったので良しとしよう

「じゃあ俺こっちだから」

「おう。今度本部こいよ。バトろうぜ」

「あ、俺もやる!」

「あいよ、また今度な。じゃあ」

「じゃあな」

「ばいばーい」


ほどよい疲労感と満腹感
風も気持ちいいし、こういう時って何故かテンションあがるよな
一人でひゃっほーって叫んで帰ろうか
やめとこ
黒歴史が増えるだけだ


「ただいまー」

「遅かったじゃない。どこ行ってたのよ」

「米屋と緑川と中華食いに行ってた」

「えー!?なんであたしも誘わないのよ!?」

「てめぇはずいぶん前に加古さんとこ行っただろうが」

「あんなもん世間話程度よ。ちぇー、あたしも食べたかったなー」

「はいはい、今度機会があったら誘ってやるよ」

「絶対よ?」

「へいへい」


なんだかんだ仲が良い二人である


――――――

「三雲はネイバーと接触している可能性があります」

「ほう、どういうことだ」

「学校で倒されていたトリオン兵とは違い、爆撃型からボーダーのものではないトリオン反応が検知されました」

「なるほど。つまりネイバーのトリガーか」

「うちの隊で見張らせてください。すぐにボロが出るはずです」

「よかろう。もし確定した場合は消せ」

「了解しました」


龍二の気持ちとは裏腹に、暗雲は立ち込める

―――――――

「ふんふんふーん」

「よう、龍二」

「ん?迅さん?」

鼻歌を歌いながら支部の居間で一人くつろいでいると迅さんから話しかけられた
こういうパターンは大体

「ちょっと話があるんだが、いいか?」

やっぱりな

「…また暗躍っすか?」

「今回はそんなでもないかな」

「はぁ、いいっすよ。なんすか?」

「悪いな。場所を移そう」

―――――――

「なるほど。三輪隊が遊真をね」

三輪隊が遊真を襲うつもりらしい
まぁあいつは人一倍ネイバーを憎んでるしなぁ

「それで俺は何をすれば?」

「そのことなんだが…」

「?」

「今回は何もしないでくれ」

「は?」

「今回、俺がお前にこのことを伝えなくてもお前はどうやら現場にたまたま居合わせちゃうっぽいんだよ。だから言っとかないとってね」

「…その方が良い未来になるんすか?」

「可能性は高い」


「なるほど。了解しました」

「お、あっさり了解してくれるんだな」

「まぁ迅さんの予知ですからね」

「はは、助かるよ。じゃあそういうわけだから、頼むわ」

「うーい」

何もするなとは初めて言われたな
ま、つうことは特に気にしなくていいってことだな
正直なんか三輪隊が動いてるってのは気付いてた
それが遊真のことだろうってのもな
まぁでも迅さんが何もしなくていいって言ったんだ
気楽になったぜ


…暇だな。たまには散歩でもするか

「警戒区域内なら他に人もいないし、静かに散歩が出来るぜ」

ふらふら歩いていると

ドンッ!!

「!!」
「銃声…!トリオン兵か!」ダッ

現場に到着すると
そこには三輪と米屋と戦う遊真がいた
しまったな
三輪隊が襲うって言ってんだから市内なはずがない
必ず警戒区域内で戦闘が起こるはずだ
そんな単純なことを見逃してたとは
まぁでも手を出さなきゃいいだろ?
見てる分には問題ないはずだ
そばには三雲と…女の子?
なんで警戒区域内に…


そんなことを考えていると遊真が空中へと飛びあがっていた

「あ、そりゃまずい」

チュン!!

「うお」ビシッ

遊真が右腕を狙撃されてしまった
三輪隊は奈良坂がいるしなぁ
しかし何か違和感があるな…
なんかこう…うーん…
あぁ、そっか。反撃してないんだあいつ
遊真のやつ、やっぱり優しいなぁ
多分三雲のことを思ってだろうな


そしてさらには三輪に鉛弾までつけられてしまう

「おもっ、なんだこりゃ」

本格的にまずいな
右手を削られてさらには鉛弾
正直絶体絶命だ


…すまんね、迅さん


「終わりだ、ネイバー!!」

「そこまでだ」

ザンッ!

遊真と今にも飛び掛ろうとする二人の間を旋空弧月が遮る

「!?」

「うお!?」

「お?」

龍二が両者の間に割って立つ


「龍二先輩…」

「よう空閑。結構やられたな」

「助けてもらわなくてもよかったぞ」

「なに、身体が動いちまってな」

「ふむ」



「長江…!!」

「龍二じゃねぇか!」

「よう米屋。昨日ぶりだな」

とりあえず軽い挨拶を交わす


「なんのつもりだ長江…ネイバーをかばうつもりか!」

「落ち着け三輪。そんなんじゃ対話も出来やしない」

「対話など必要ない!ネイバーは全て排除するのがボーダーの責務だ!」

「聞く耳持たず、か。やれやれ」

「龍二、そいつと知り合いなんか?」

「ん?おう、そうだ」

「敵じゃねぇのか?」

「おう」

「…おっけー。龍二がそういうなら信じるぜ」

「陽介!?」

「さすが米屋。話がわかるぜ」

「三輪、大人しく引け。これ以上こいつとやろうってんなら…」


「代わりに俺が相手になるぞ」ギロッ

「!!」

「あーらら。龍二結構怒ってら」

「…」

「秀次、ここは引こうぜ。この二人を相手にすんのはちとキツイだろ」

「…!」ギリッ

「お?」

「ネイバーは…俺が殺す!」ダッ

「あ、おい!秀次!!」

「引かんか…しょうがない」スッ


「錨印(アンカー)+射印(ボルト) 四重(クアドラ)」

キュドッ!!

「ぐっ!?」ドドドッ

突然龍二の後ろから黒い射線がいくつものびた

「お?遊真?そりゃ…」

「コピーした。さっき龍二先輩が介入してこなかったらこれ使うつもりだったよ」

「へぇ、便利なトリガーだな!なるほど、そりゃ俺いらんわ」

たはは、と笑う龍二

(鉛弾をコピー!?いや、これはそれ以上の…!!)

「勝負あり、だな。三輪」

「さて、じゃあ話し合いしようか」

「くっ…!」


「おいおい、龍二。何もするなって言ったろ?」

「迅!?」

「あ、迅さん」

迅が三輪隊のスナイパーの奈良坂と古寺を引き連れて現れた
途中から狙撃がなかったのは迅さんが止めてたからか?

「すいません、迅さん。耐えらんなかったっす」

「まぁ結果として良かったけどさー」

「次は気をつけます」

迅の介入で本格的にこの戦いは一段落したようだ


「しかし遊真、お前のトリガーすげぇな。他者の攻撃を学習して、さらにそれを威力上げて返せるのか?」

「ふむ、だいたいそんなところ」

「その性能でいくと…黒トリガーか?」

「うん」

「!?」

「マジか!?」


三輪と米屋が驚きの表情を見せる
無理もない
黒トリガーとはそういうものなのだ


「はは、そりゃ三輪隊でも勝てんわな」

「だまれ!!」

「おー、こわっ」

「やはり貴様らが一枚噛んでいるのか!裏切り者の玉狛支部が!」

「裏切り者?」

遊真が疑問の声を漏らす

「ま、後で説明してやるよ」

「ふむ」


「秀次」ザッ

「迅…!」

「お前らは帰って城戸さんにこいつを追い回しても得がないってことを伝えてこい。それにこのところゴタゴタしてるのにこいつまで相手にする気か?」

「…っ!!」

「そのネイバーが敵対しないという保証は?」

奈良坂が問う

「俺が保証するよ。クビでも全財産でもかけてやる」

「!」

「ひゅー。迅さんがそこまで言うか」

「茶化すな米屋」

「わりぃわりぃ、龍二」


「…損か得かなど関係ない!ネイバーは全て敵だ!!」

「緊急脱出(ベイルアウト)!!!」

ドンッ!

「うお、飛んだ」

「今のはベイルアウトって言ってな、正隊員がもつトリガーにはああやって自分の意思で発動させるか、もしくは戦闘体が破壊されると自動的に基地に送還されるようになってんだ」

「負けても逃げられる仕組みか。便利だな」


「悪いな、ネイバー。いきなり襲いかかっちまって」

「気にしてないよ。どうせあんたらじゃ俺には勝てないし」

「まじか、それはそれでショックだなー」

「まだまだ特訓が必要ってことだな、米屋」

「うるせー龍二」

「ま、俺らは一旦帰るわ」

「ん、そうか」


その後迅と共に本部へと向かった
三輪隊の報告だけじゃ偏るからだそうだ
まぁそれは否めないな


でも俺行く必要あった?

ここまで
次はいつになるかわかりません
月曜日か火曜日にはこれるようにしたいです
ではまた

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年12月13日 (木) 22:42:07   ID: OhW--2nB

ワートリにオリキャラはいらない
自己投影激しいキャラを二次創作でやられてもねw

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