男「ふられた……」 ツンデレ「…………」(91)

ツンデレ「えっと、その……」

男「ん……?いいんだよ、気にしないで」

男「なんで俺も教室なんかに来たんだろうな……」

男「放課後とはいえ、誰か来てもおかしくないのにさ……」

ツンデレ「…………」

男「だから全然気にすんな」

男「ツンデレはただ、なんか用があって教室に来ただけなんだからさ」

ツンデレ「…………」

男「う……ぐす……」ポロポロ

ツンデレ「っ……」

ツンデレ「なんか……あったかい飲み物買ってくるから」

男「ん……ごめん」ポロポロ

ツンデレ「っ」タタタ

ツンデレ(誰か……好きな人いたんだ、アイツ……)

ツンデレ(女さんかな……やっぱり……)

ツンデレ(…………)

ピッガコン

ツンデレ(泣いてたな……)

ツンデレ(本当に好きだったんだ)

ツンデレ(…………)

ツンデレ「はい」コト

男「ん……ありがとう」

ツンデレ「…………」

男「…………」

ツンデレ「あ、あのさ……」

男「ん……?」

ツンデレ「元気……出しなさいよ」

ツンデレ(……すごい無責任な事言っちゃった……)

男「……ん」

ツンデレ「…………」

男「あのさ……」

ツンデレ「な、なに?」

男「少し話、聞いてくれる?」

ツンデレ「え?い、いいけど……」

男「ツンデレにはなんの関係もない話だけど……」

男「なんか……話してたいんだ……」

ツンデレ「……いいわよ」

男「女さんに、告白したんだけどね……」

ツンデレ「やっぱり……」

男「え……?」

ツンデレ「バレバレってほどじゃないけど……何人かは気づいてるわよ」

男「ん……まあ、からかわれたりしてたからそれはわかるけど……」

男「本当に好きだったんだ」

ツンデレ「…………」

男「同じ部活で会って、俺とは特に仲良くしてくれてると思ったけど……」

ツンデレ「…………」

男「他に好きな人がいる、って言われた」

ツンデレ「そう……」

男「ん……」

男「……誰も悪いわけじゃないんだよね」

ツンデレ「……そうね」

男「でも……でもさ」

ツンデレ「…………」

男「悲しいよ……」ポロポロ

ツンデレ「っ……」

男「いたくてつらくて……悲しいよ……」ポロポロ

ツンデレ「ほ、ほら、飲みなさいよ」スッ

男「う……」ポロポロ

ツンデレ「せっかく買ってきてあげたんだから……」

男「ん……ごめん……」ゴク

ツンデレ「…………」

男「ん……」

ツンデレ「す、少しは落ち着いた?」

男「うん……ありがと」

ツンデレ「…………」

ツンデレ「ねえ……」

男「なに……?」

ツンデレ「え、えっと……誰かに相談してみれば?」

男「誰か……って」

ツンデレ「れ、恋愛経験豊富な人とかよ」

ツンデレ「どうせこれからどうしたらいいかとか、迷ってるんでしょ?」

男「う、うん……」

ツンデレ「だ、だったらとりあえずそういう人に相談してみなさいよ」

男「そう……だね」

ツンデレ「う、うん」

男「それが、いいのかも……」

男「帰って、姉ちゃんに相談してみるよ」

ツンデレ「そ、そう……」

男「ありがと……あと、ごめんね」

ツンデレ「い、いいわよ別に……ただの気まぐれだし」

男「それでもありがとう」

ツンデレ「……うん」

>>25おいw


ツンデレはスペックどのくらいかしら

ツンデレ「はー……」

ツンデレ(なんかその場その場の思いつきしか言えなかったな……)

ツンデレ(でもアイツ、本当に女さんの事好きだったんだ……)

ツンデレ(アタシも……これからどうしたらいいんだろ……)

>>29スペックって外見とか?


ツンデレ(もしアイツのお姉さんが『諦めるな』とかアドバイスしたら……)

ツンデレ(アイツは多分……女さんにまた告白するのかな)

ツンデレ(好きになってもらう努力をして、振り向いてもらう努力をして、また告白するのかな)

ツンデレ(多分そうだよね……)

ツンデレ(泣くほど好きなんだもん……諦められないよね……)

ツンデレ(そっちのほうが、アイツは幸せなのかも)

ツンデレ(いつか女さんに振り向いてもらえて……もらえなくても、あきらめなくてすむ、っていうただそれだけで……)

ツンデレ(そっちのほうがアイツにとって幸せなのかも……)

ツンデレ(でも、それなら……)

ツンデレ(アタシは、どうしたらいいんだろ……)

翌日

男「あ……」

ツンデレ「あ……」

男「おはよ」

ツンデレ「お、おはよ……」

教室


男「なあ、男友、次の授業さ……」

男友「え?なんだ?」ニヤニヤ

男「……知ってんだな」

男友「もとから知ってるっつのwwwバレバレだったけどついにコクったかwww」ニヤニヤ

男「ああ……もういいだろ」

ツンデレ(な、なんなのあいつ……!)

ツンデレ(アイツにとって笑い事なんかじゃないのに……)

ツンデレ(あんなに泣くほどつらかったのに……)

ツンデレ(どれだけ……無神経なのよ!)バンッ!

男「待って」

ツンデレ「えっ!?」ビク!

外見です!

ツンデレ「なんでアンタ……」

男「いいから。ちょっと廊下出よ」グイ

ツンデレ「ちょ、ちょっと押さないでよ!」

>>36身長普通、つり目、ポニテ、胸普通、気の強そうな感じのかわいさ、みたいなのイメージして書いてる


男「男友の事さ、怒鳴ったりしないでやってくんないかな」

ツンデレ「な、なんでわかって……」

男「だってすごい目で睨んでたし」

ツンデレ「そ、それはあいつが!」

男「うん……たしかに俺もちょっとキツいけどさ、男友も悪気があるわけじゃないんだ」

ツンデレ「だ、だって……」

男「うん?」

ツンデレ「アンタ本気で女さんの事好きだったんでしょ……?」

男「うん、好きだよ。大好きだった」

ツンデレ「っ!」

男「ん?」

ツンデレ「……だったら、あんなふうに茶化されて……」

男「それはつらいよ。でも……」

男「男友は、俺が本当に女さんを好きな事、知らないからさ」

ツンデレ「ど、どういうこと?」

男「本気度を知らないっていうか……なんだろうな、ふられて泣くほどの本気度じゃないと思ってるんだろうな」

ツンデレ「そ、そんなの……」

男「でもね、多分男友が、この場合一般的なんだと思うよ」

ツンデレ「えっ……?」

男「特に好きじゃなくても付き合ったり、金とか目当てで付き合ったりさ」

男「そういうのがありふれてるからさ」

男「この年で、結婚まで考えて付き合ったりはしないでしょ?」

男「俺もさすがに結婚まで考えたわけじゃないけど……泣くほど本気なほうが、珍しいっていうか、一途すぎるんだろうね」

ツンデレ「でも……それって悪い事じゃないじゃない……」

ツンデレ(アタシだって……ずっとアンタが好きなんだから……)

男「たしかに悪い事じゃないし、どっちかというといい事なんだろうけど……」

男「それがわからない人もいるんだよ。わからない人のほうが多いって事なんだと思う。そしてこの年齢ならそれで当然なんだよ、きっと」

ツンデレ「…………」

ツンデレ「それで……アンタはどうするの?」

男「え?」

ツンデレ「昨日相談したんでしょ?なんて言われたの?」

男「ん……あきらめるなって」

ツンデレ「…………」

ツンデレ「……そう」

男「『わたしなんか何回もコクって同じ数だけふられてもあきらめなかったんだから、一回でそんなに落ち込むな!』って励まされたよ」

ツンデレ「……そう」

ツンデレ「……っ」フルフル

ツンデレ「いい……お姉さんね」

男「うん。照れ臭くて本人には言えないけど、自慢の姉だ」

ツンデレ「……そう」

ツンデレ「そろそろ授業だから」フイ

男「あ、ごめんね。連れ出しちゃって」

ツンデレ「いいわよ、別に……」

男「心配してくれてありがとう」

ツンデレ「っ!」

ツンデレ「気にしないでよ……気まぐれなんだから」

ツンデレ「こんなの……ただの気まぐれなんだから」タタタ

昼休み

ツンデレ「あ……」

ツンデレ(アイツと……女さん?)

男「あの、昨日は本当にごめんね。困らせちゃって……」

女「それで?わざわざ呼び出してなに?」

ツンデレ(え……?)

ツンデレ(なんで女さんがアイツに対して不機嫌なの?)

男「その……これからもさ、できたら友達ではいてほしいな、と思って……」

女「別にいいけど」

男「あ、ありがと」

女「じゃあもう行くから」スタスタ

男「あっ……」

ツンデレ(ど、どういうこと?)

男「…………」

ツンデレ「ね、ねえ……」

男「あ……見てた?」

ツンデレ「い、一応言っとくけど、偶然よ」

男「ん、わかってる」

ツンデレ「ねえ……」

男「なに?」

ツンデレ「なんで女さん……あんなにアンタにキツいの?」

男「……わかんない」

ツンデレ「わかんないって……」

男「ふられた側がキツくあたるのは、よくある話だけどね……なんでだろ」

男「昨日までは、笑って話してくれてたんだけど……」

ツンデレ「……つらくないの?」

男「つらいよ……でも……あきらめたくない」

ツンデレ「……そう」ギュ

ツンデレ「あ……教科書忘れちゃった」

ツンデレ(宿題出てるし……明日あてられるかなぁ)

ツンデレ(面倒だけど、もどろ)スタスタ

教室

ツンデレ「あ……」

ツンデレ(アイツ……)

ツンデレ(寝てるのかな?)

ツンデレ「ねえ、ねえ」ユサユサ

男「え……?」ボロボロ

ツンデレ「!?」

ツンデレ「あ、アンタ……」

男「あ……またか……」ボロボロ

男「学習能力ないな、俺……うっ……」ボロボロ

ツンデレ「な、なんでそんなに泣いて……」

ツンデレ(あの時より……泣いてる……)

男「……女さんが」

ツンデレ「え……?」

男「女さんが、俺の悪口吹き込んでるところ、見ちゃったんだ」

男「最近知り合った、俺の後輩に」

ツンデレ「なっ……!」

男「そ、それで……周りに聞いたら、俺の他の友達にもそうしてるって……!」ボロボロ

男「それに……俺の事、最初から嫌いだったって……!」ボロボロ

ツンデレ「!!」

男「ひどい……ひどすぎるよ……」ボロボロ

男「俺が嫌われるのは仕方ないけど、俺の友達は関係ないのに……!」ボロボロ

ツンデレ「っ!」

男「ど、どうしよう、ツンデレ……」ボロボロ



男「俺……女さんの事、嫌いになっちゃった……!」ボロボロ

ツンデレ「っ!!」

男「ふられてからい、今までも、キツい態度だったけど……」

男「でも、俺だけだから、許せてたんだ……」

男「大好きな人だったから、許せてた……けど……!」

男「俺の友達は、関係ないじゃんか……!」ボロボロ

男「そう思ったら、今まで許せてたのも許せなくなって……」

男「もう……もう……俺」ボロボロ

男「女さんが憎くて憎くて……仕方ないよ……!」ボロボロ

ツンデレ「男……」

ツンデレ(そんなにボロボロ泣きながら……こわい顔しないで……)

ツンデレ(そんな顔……してほしくないのに……だから我慢してたのに……)

ツンデレ(なんで……どうして、こんな事になるの?)

男「ね、ねえツンデレ……俺……」ボロボロ

男「俺、どうしたらいいのかな……」ボロボロ

ツンデレ「…………っ!」

ツンデレ(な、なんとか言いなさいよ!アタシ!)

ツンデレ(どう考えても、そんな女さんなら止めたほうがいいじゃない!もう希望もないじゃない!)

ツンデレ(それならアタシがこいつに告白するためにも、『もうあきらめたほうがいい』って言えばいいじゃない!)

ツンデレ(でも……でも……)

ツンデレ(こんなふうに傷ついてるこいつに……そんな事……)

男「ツンデレぇ……」ボロボロ

ツンデレ「!!」

ツンデレ「あ……あのっ……!」

男「う、うわぁあ……」ボロボロ

ツンデレ「…………っ」

ギュ

男「え……?」

ツンデレ「もう……いいわよ」

男「い、いいって……」ボロボロ

ツンデレ「もう、何も言わなくてもいいから」

ツンデレ「とりあえず、好きなだけ泣いちゃいなさいよ」

ツンデレ「これからの事も、今までの事も、好きなだけ泣いてから考えなさい」

男「う、うわぁあぁあ……!」ボロボロ

ツンデレ「それからでも、全然間に合うから。遅くなんてないから」

男「うわぁあぁあ!!」ボロボロ

ツンデレ「……よしよし」ポンポン

男「うっ、うう、うわぁあ……!」

ツンデレ「…………」ポンポン

男「うっ……うっ、うっ」

ツンデレ「落ち着いた?」

男「ん……ん……」コク

ツンデレ「ん……」ナデナデ

男「あの……さ」

ツンデレ「なに?」

男「これから……どうすればいいのかな……」

ツンデレ「…………」

ツンデレ「アタシはね……」

男「…………」

ツンデレ「もう、関わらないようにするべきだと思う」

男「……女さんに?」

ツンデレ「うん……」

男「…………」

ツンデレ「多分……もう……無理だから」

男「…………」

ツンデレ「卒業して、女さんの事を忘れるまで、関わらないようにして……」

ツンデレ「それで、その後は……」

ツンデレ「恨みも忘れられるだろうから、また他の人を好きになるのがいいと思う」

男「…………」

男「そう……か……」

ツンデレ「アタシは、そう思う」

男「そう……だね」

ツンデレ「で、でも、アンタがまだあきらめたくないなら……」

男「ううん」フルフル

ツンデレ「え……?」

男「俺自身、もう女さんを好きでいる事はできないだろうから……」

ツンデレ「…………」

男「だから、とりあえず……」

男「ツンデレの言う通りに、してみようかと思う」

ツンデレ「そう……そっか」

男「ありがとう、ツンデレ」

ツンデレ「だ、だから言ってるじゃない、こんなの気まぐれなんだから……」

男「それでもありがとう」

ツンデレ「…………!」

ツンデレ「ん……」コク

数ヵ月後

男「あ」

ツンデレ「あ……」

男「何してたの?」

ツンデレ「……ちょっと考え事よ」

男「そっか」

男「俺も座っていい?」

ツンデレ「う、うん」

男「ありがと」ガタ

ツンデレ「…………」

ツンデレ「あ、あのさ」

男「ん?」

ツンデレ「よかったわね。その……友達ほとんど離れていかなくて」

男「……うん」

男「やっぱり、悪い噂ながされても、あんまりにも酷いものじゃない限りそうそう簡単に人は離れていかないんだろうね」

ツンデレ「そうかも……しれないわね」

男「それに、新しくいい友達もできたし」

ツンデレ「え?」

男「ありがとう、ツンデレ」

ツンデレ「…………」

男「あの時も言ったけど……本当にありがとう」

ツンデレ「…………」

ツンデレ「アタシは……」

男「え?」

ツンデレ「アタシは……友達なんかじゃいや」

男「……え?」

ツンデレ「…………」

男「それって……どういう……」

ツンデレ「…………」




ツンデレ「アタシはね……アンタの事が……」


おわり

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