まどか「変なティッシュ貰いました」【まどか☆マギカ×べるぜバブ】 (95)

まどマギとべるぜバブのクロスssです


前スレ
東条「魔女を拾いました」
東条「魔女を拾いました」【まどか☆マギカ×べるぜバブ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410798205/)

の続編のようなものですが、前作を読んでいなくてもあまり問題はありません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1454433095

石矢魔市

古市「いや~平和だねえ」

古市(悪魔との戦いも殺六縁起みたいなバカ共の抗争もない。この高校で初めてといっていいほどスクールライフをエンジョイできるぜ)


タタタ

「ハァ...ハァ...」

古市「でもでも、どうせなら街角でパンを咥えた可愛い転校生とぶつかって甘酸っぱい青春が始まらないかな~なんて、アハハ」

ドンッ

古市「いてっ!」

古市(角を曲がった瞬間にこの衝撃...まさか、俺にもついに春が!?)

東条「むっ、大丈夫か?」

古市「って、あんたかい!」



古市(ああ、わかってたさ。そんなうまい展開があるわけないって。アランドロンのおっさんじゃないだけマシだけども!)

東条「すまねえな、古市。これからバイトがあってな、先を急いでたんだ」

古市「別に大丈夫っすけど...なんすかこの大量のティッシュ」

東条「最近、花粉症とかいうのが流行ってるらしくてな。現場の方に持ってきてくれって頼まれたんだよ」

古市「キツイっすもんね、あれ。...おっと、ティッシュ拾うの手伝いますよ」

東条「すまねえ」



東条「じゃーな古市。男鹿にまた喧嘩しようぜって伝えてといてくれよ!」スタタ

古市(うーん、なんかあの人は卒業してもしなくても変わらないというかなんというか...)

古市「さっ、気をとりなおして学校学校...」

ドンッ

古市「あっ、すみません」

不良「てめえ、どこに目ェつけとんじゃボケコラカスゥ!」

古市(うわー...)


不良「その制服、てめえも石矢魔だな!?俺が誰だか知ってんのか!?あの石矢魔高校3年の『キラーマシン阿部』さんの舎弟だぞ!」

古市(なんつー微妙なキャラを...)

不良「わかったら有り金全部だすんだよ。痛い目にあいたいか?」

古市(仕方ねえ。こうなったら...)

古市「...そいつはこっちの台詞だぜ、道下くん」

不良「誰だそれ!?変な名前つけるんじゃねえ!」

ティッシュ「」ガサガサッ

不良「てぃ...ティッシュを鼻の穴両方に詰めた...?」

古市「5秒やる。それまでに尻尾をまいて逃げ出せば許してやるよ」

不良「舐めやがって!上等だ!」

古市(カモン、ヘカドスさん!)



バキィ

古市「げふぅ!」

不良「どうしたこらぁ。なんかするんじゃねえのか?」

古市「ちょ、ちょっとタンマ!」

古市(おかしい!なんで誰も来ないんだ!?ええい、ならばもう一度!)

ガサッ

古市「......」

シーン

古市「やっぱりこない...なんで...あっ」

古市(このティッシュ、普通のやつだ...ハッ!)



古市『なんすかこの大量のティッシュ』

東条『最近、花粉症とかいうのが流行ってるらしくてな。現場の方に持ってきてくれって頼まれたんだよ』



古市(まさか、さっきので入れ替わっちまったんじゃ...!?)

古市「...ヘルプミー、男鹿ぁぁぁ!」ダッ

不良「待たんかワレェ!」


―――――――――――――――――――

ワルプルギスの夜。

かつて私は、なんどもあの絶望に叩きのめされ、打ちひしがれ、同じ時を繰り返してきた。

もう何度目かわからない無謀な戦いの末。

ついに、私たちは未来を掴むことができた。

ワルプルギスを退け、まどかは契約せず、他の皆も誰も欠けていない。

これが、私たちの勝ち取ったもの。

私たちにとってのHAPPYEND。

そのはず、だったのに...

見滝原市

まどか「ふわぁ...はくしょん!」

さやか「あー、まどかも花粉症かぁ。うちの家族もみんなかかっちゃったんだよね」

まどか「うぅ、家のティッシュも無くなっちゃったよぉ」

ほむら「私のタオルでよければ貸すけど」

まどか「だいじょうぶだよ、ありがとう」

ほむら「...無理はしないでね。絶対よ?」


トンテンカン トンテンカン

「はっ...バックション!」

スポン

「あっ、トンカチが落ちた!お嬢ちゃん避けろ!」

まどか「えっ?」

ほむら「あぶないまどか!」バッ





パシッ

東条「あぶねえあぶねえ...」

「すまねえ東条くん、恩に着る!」

東条「おい、怪我はないか?」

まどか「は、はい...って」

ほむら(げっ)

さやか「東条さん!」

東条「えっと...?」

さやか「ほら、前に見滝原に来たときの...」

東条「...ああ、あんときの」


さやか「東条さんはアルバイトですか?」

東条「まあな。卒業したのはいいが、まだ就職先が決まってなくてよ」

まどか「大変そうですね...はくしょん!」

東条「なんだ、お前も花粉症か?」

まどか「はい。もうずっとくしゃみと鼻水が止まらなくて...」

東条「......」

ゴソゴソ

東条「こいつを使いな」つポケットティッシュ

まどか「えっ、でも...」

東条「先輩方に配ったんだが、だいぶ余っちまってよ。まあ、驚かせた詫び程度に持っていきな」

まどか「あ...ありがとうございます」

「すまん、こっち手伝ってくれ!」

東条「ヘイッ!...じゃあな、学校頑張れよ」


さやか「いやー、偶然ってあるもんなんだねえ...で、あんたはなんでずっとあたしの影に隠れてたのさ」

ほむら「...あいつとの初対面を忘れたの?」

さやか「たしかに理不尽に強いし、とぼけた部分もあるけどさ、いい人じゃん」

ほむら「あのバカと戦ったことのある人にしかわからないわよ」

まどか「...ほむらちゃん、ごめんね」

ほむら「?」

まどか「わたしがのろまだったせいで、東条さんがいなかったらトンカチが当たって...」

ほむら「大丈夫よまどか。私は魔法少女だもの。あの程度の障害、屁でもないわ」

まどか「......」

――――――――――――――――――
石矢魔市


タタタ

不良「待ちやがれィ!」

古市「しつけーよ!肩ぶつかったのどんだけ根に持つんだよ!?」




テクテク

男鹿「あーねみぃ...ここまで寝坊したら学校なんてどうでもよく思えるぜ。なあベル坊」

ベル「ダブ」

古市「おっ、ちょうどいい!男鹿、助けてくれ!」

男鹿「やだ」

古市「即答かよ!?少しは悩んでくれよ!」

男鹿「うるせー。こっちは寝起きでゴキゲン斜めなんだよ」

古市「頼む、後でコロッケとジャンプ奢るから!」

男鹿「しゃあねえな」

古市(ちょろい)

男鹿「せーの」

不良「んだコラ!?そいつのダチか...って、その裸の赤ん坊は、まさか...」

男鹿「超久々の...必殺・減り込みパーンチ!」



ドガァ

不良「」ピクピク

男鹿「ったく、こんなのくらいてめえで処理しやがれ」

古市「それが...いつものテイッシュ、東条が持ってっちまったみたいでさ。探すの手伝ってくれねえ?」

男鹿「あぁ?」

――――――――――――

見滝原中学校

キーンコーンカーンコーン

まどか「うぅ...」グズッ

仁美「ホントに鼻水が止まりませんでしたわね」

ほむら「大丈夫よ。くしゃみが止まらないまどかも可愛いわ」

まどか「そういう問題じゃないよぉ...」

仁美「それでは私は護身術の稽古があるのでこれで...」

さやか「がんばってね~」

まどか「じゃあね、仁美ちゃん」

仁美「またあした」

ほむら「...さて。今日も魔女退治ね。巴さんと合流しましょう」

さやか「...なんかさ、卒業式の時は泣いちゃったけど、ほとんど毎日会ってるとあれだよね」

まどか「あんまり今までと変わってない気がするよね」








マミ「おまたせ。ちょっと帰り支度に時間がかかっちゃって」

ほむら「今日は杏子はいないのね」

マミ「ええ。流石に毎日風見野から通うのはしんどいらしいから」

さやか「よーし。それじゃあ今日も張り切っていってみよー!」

まどか「おー...ハクシュン!」

マミ「あらあら」

まどか「う~、まだ止まらない...」

ほむら「鼻にティッシュを詰めるのはどうかしら」

まどか「なんだか鼻血出したみたいでみっともない気がするよ」

さやか「じゃあこうすればいいんじゃない?」

―――――――――――――

男鹿家

ヒルダ「大魔王様からの贈り物を失くしただと?このクズ男が」

古市(わー、やっぱり怒ってらっしゃる)

ラミア「東条は持ってなかったの?」

古市「名も知らぬ女の子にあげちゃったらしくてさ。手がかりも無いからどうしようもないんだよ」

アランドロン「嗚呼、可哀想な貴之...こうなれば、登下校は勿論、校内でも常に私がお供しますぞ!」ワキワキ

古市「マジで止めて」

男鹿「いや、いけるんじゃねえか?こいつ背負ってれば誰も近寄れねえよ」

古市「それドン引かれてるだけだけどな!」



古市「どうにかティッシュの場所わかりませんか?」

ヒルダ「無茶をいうな。仮契約に使わなければただのティッシュ同然。魔力の欠片もおびてはいない」

古市「それって結構マズイんじゃないですか?ほら、仮契約を悪用するような奴はいるだろうし」

男鹿「悪用って...悪魔の力だからな」

ベル「ダブ」

ラミア「その点は心配ないわ。あんな鼻の両穴に丸めて詰めるなんてアホみたいな使い方するやつなんていないもの。特に女の子なんて恥ずかしくて無理よ」

古市「それもそうだな」

「「「「あっはっはっはっ」」」」

古市(...あれ?遠回しにディスられてる?)

――――――――――――――――――

見滝原市

さやか(片方だけが恥ずかしいなら両方詰めればいいんじゃと思ったんだけど...)

まどか「へ、変じゃないかな」

さやか「あぁー、うん。大丈夫だよ...くくっ」

まどか「さやかちゃん笑ってない?」

ほむら「き、気にするほどでもないわ」ヒクッ

マミ「そ、そうね。気のせいかクシャミもお、治まった気がするものね」プルプル

まどか「なんで二人とも笑いを堪えてるのかな?かな?」

まどか「...あっ、でもなんだかスッキリしてきた気がする」

さやか「さすがさやかちゃん。こういう時の機転は素晴らしいですなぁ」ウンウン

まどか「ありがとうさやかちゃん」

さやか「お、おう...なんかボケを普通にお礼で返されると辛いなぁ」







魔女結界

マミ「見つけたわ」

ほむら「手筈通り、今回はあなたがまどかを守ってちょうだい」

さやか「おうよ!どーんと任せなさい」

まどか「...ごめんね。いつも我儘言ってついてきちゃって」

ほむら「大丈夫よ。三人も居れば万が一ってこともないし、まどかも一緒にいた方が不安も減るでしょう」

まどか「...うん」

マミ「それじゃあいきましょう」

ほむら「ええ」


ドドドドド

さやか「よっしゃあ、その調子ィ!」

まどか「ひゃあっ!」

さやか「おっと」ズバッ

使い魔「ギッ」

さやか「ふふん、あたしの目が黒いうちはまどかには手を出させないよ」

まどか「...やっぱりみんなすごいなぁ」ボソッ

さやか「どうしたの?」

まどか「う、ううん、なんでもない。...あっ」

まどか「ちょっと動かないで。いま蚊がいた気がするの」

さやか「へ?ここ魔女の結界だよ?」

まどか「でも...あっ、さやかちゃんのほっぺに...えいっ」ペチッ



ほむら「そろそろいいんじゃないかしら」

マミ「OK、これで決めるわよ。ティロ・フィナー」

ドカァ

マミ「レブッ!」

さやか「ったたた...あれ、マミさん?なんであたしがマミさんと?」

ほむら「私が聞きたいわよ...って、それよりまどかは!?」

まどか「きゃあああ!」

ほむら(まずい!使い魔が...)

ほむら「まどか!」


ビュンッ

ドゴォ

使い魔「」ピクピク

ほむら「...へっ?」

ほむら(いま、高速で飛んできたのは...使い魔?なぜ?)

まどか「あ、あれ?」

まどか(たまたま腕が当たっただけなのに、なんであんなにとんでくの?)

マミ「え、えっと、気をとりなおして。ティロ・フィナーレ!」ドッ

魔女「ギャアアアア」シュウウ


マミ「ふう、これで終わりっと...美樹さん、急にどうしたの?」

さやか「いやー、それがあたしも、まどかに蚊が止まってるって言われてからがよくわからなくて」

まどか「ご、ごめんさやかちゃん。たぶんわたしのせいだよ」

さやか「いやいや、ペチッといっただけであんなに吹き飛ぶわけないでしょ」

ほむら「...たぶん、あなたのことだから使い魔にやられたんでしょう」

さやか「あなたのことだからってなにさー!」

まどか「......」



まどか宅

まどか(うーん...あの力はなんだったんだろう。やっぱり、ほむらちゃんの言う通り、たまたま使い魔が攻撃してきただけなのかな。でも、使い魔が吹き飛んだのは説明がつかないし...)

QB「やあ、まどか」

まどか「キュゥべえ。うちにくるの久しぶりだね。どうしたの?」

QB「妙な力の気配を感じたからね。きみになにかあってはマズイと思って来たんだけど、問題はなかったみたいだね」

まどか「妙な力?」

『誰が妙だミミネコ野郎』

QB「気を悪くしたなら訂正するよ。まさか、きみのようなものがこの街に来るとは思っていなかったからね」

まどか「もう、なに言ってるのよキュゥべえ。まるでわたし以外にここにいるみたいな...」

グラフェル『おっ、やっと見えるようになったか。ったく、おせーんだよ小娘』

まどか「」


まどか「きゃあああああああああああ!!」

鼻ティッシュ「」ポロッ

ドタドタ

詢子「どうしたまどか!?」

まどか「え、エラ...えらのついた変な人が」

詢子「変な人?...なんにもいないけど」

まどか「あ、あれ?おかしいな、さっきまでいたのに」

詢子「はっは~、さては寝ぼけてたなぁ?」

まどか「そうなのかな...騒がしくしちゃってごめんねママ」

詢子「気にすんな。人生長いんだ、そんなこともあるさ。あたしなんかしょっちゅうだしね~」

まどか「あはは」


パタン

まどか「...キュゥべえ」

QB「もちろん夢なんかじゃないよ。きみが鼻に詰めてたティッシュが落ちると同時に彼の姿も消えたんだ」

まどか「ってことは...」

ティッシュ「」カサッ

ギュギュッ

『む?古市じゃない...誰だお前は?』

まどか(こんどは違う人が出てきた...)


まどか「あの、初めまして。わたし、鹿目まどかっていいます」

ヘカドス『鹿目...?古市の知り合いにいたかな...まあいい。私の名はヘカドス。ベヘモット柱師団の一人だ』

まどか「ベヘモット?」

ヘカドス『...悪魔野学園の元学生だ』

まどか「悪魔野学園?」

ヘカドス(ふむ。悪魔野学園の名にすら反応しないとは、どうやら古市とは関係のない者らしい。しかし、なぜそんな子供があのティッシュを...?)

QB「まどか。とりあえずティッシュのことを聞いてみたらどうだい?」

まどか「そうだね。えっと、ヘカドスさん。わたし、なんでこんなことになってるのかよくわかってなくて。よければ教えてくれませんか?」

ヘカドス『...わかった。順に追って説明するからそのティッシュをとらないでくれ』








ヘカドス『―――といったところだ』

まどか「あくま...ですか」

ヘカドス『意外に反応が薄いな』

まどか「変わったことには慣れてますから。それより、わたしが一瞬だけだしたあの力は...」

ヘカドス『うむ。その時はグラフェルの力が作用したようだ』

まどか「なるほど...」

ヘカドス(しかし参ったな。これでは古市にティッシュを返すことができん。
この娘にティッシュを着けさせたまま古市のもとまで案内するのが一番手っ取り早いが、私は地理に詳しくないし、他の者が捜索を手伝うとは思えん。
それに、一般人に長時間着けさせるのは危険すぎる。どうしたものか...)

まどか「...あ、あの、ヘカドスさん」

ヘカドス『?』

まどか「その、お願いがあるんですけど...」

今回はここまでです。

べるぜ側は東条ら3年生卒業後
まどマギ側はまどポの全員生還ルート
のイメージです。


翌日

風見野

魔女「ギャアアア...」

杏子「おーし。今日も好調好調♪」

パチパチパチ

杏子「あん?」

まどか「相変わらずすごいね、杏子ちゃん」

杏子「なんだ、まどかか...ブフォッ!!」

まどか「...そんなにおかしいかな」

杏子「い、いや、すまねえ。不意打ちで両鼻ティッシュは卑怯すぎるって...学校はどうした?」

まどか「今日は土曜日だよ」

杏子「おっといけないや。どうにも曜日感覚が悪くなってやがる」

杏子「んで?わざわざ一人でどうしたよ」

まどか「...杏子ちゃん、お願いがあるの」

杏子「?」

まどか「わたしと、戦って」


杏子「...あー、なんかの冗談か?いま、あんたと戦えって聞こえたけど」

まどか「わたしは本気だよ」

杏子「そうはいってもおまえな...」

まどか「わかってる。わたしは魔法少女じゃない。でも、みんなに守られてるだけじゃ嫌なの」

杏子「ふーん」

杏子(それで自分の実力を見直したいってことか。確かに他の奴ら、特にほむらは相手にしてくれないだろうしな)

杏子「いいさ。相手してやるよ」

まどか「ありがとう杏子ちゃん」


ヒュウウウ

まどか「いつでもいいよ」

杏子「へえ、いつになく強気じゃん」

杏子(...とはいえ、どうしたもんかね。軽く小突いてさっさと終わりにしようか、それとも一発くらい受けてやろうか...)

まどか「どうしたの?怖くなっちゃった?」

杏子「...あ?」

杏子(決めた。一回泣かす。絶対泣かす)

杏子「後悔すんじゃねえぞ!」ダッ

杏子「おりゃあ!」ブンッ

ヒュッ

杏子(躱された!?)

まどか「......」

杏子(...んなろぉ)

ヒュヒュヒュヒュ

杏子(これだけ打ちこんでもあたらねえ...!?)

まどか『...甘いな。感情をむき出しにしながらも、しっかりと手加減している。この娘が戦闘員ではないからか...だが』

杏子「あ?」

まどか『その甘さが、貴様の敗因だ』

杏子「」ゾクッ

ヒュッ


杏子「...?」

杏子(いま、なにを...?)

パサァ

杏子「なっ!」

杏子(あたしの髪留めが!すれ違いざまにやられたのか!?)

杏子「...っのやろう!」クルッ

杏子(いねえ...逃げたか?いや、見逃された?)

杏子「あたしが...あいつに負けた?」


夕方

マミ「さて、今日も頑張っていきましょう」

さやか「魔法少女に休日は無いんですか!?」

ほむら「嫌なら帰ってもいいのよ。私たちが戦っている間に、あなたはのんびりとお茶を啜ってればいいわ。私たちが苦労していることに背を向けて、あのバイオリンに想いを馳せて...」

さやか「行きますよ!いけばいいんでしょ!?」

テクテク

マミ「魔力の反応はこっち...あら?」

ほむら「どうしたの?」

マミ「おかしいわねぇ。私たちが追ってた反応が消えたのよ。遠くに離れたにしては唐突だし」

さやか「杏子じゃない?」

ほむら「もしかして、ほかの地域の魔法少女が来たんじゃないかしら」

マミ「うーん、でも魔法少女の魔力の反応はなかったし...」

ほむら「...まさか東条じゃないでしょうね」

マミ「有り得るわね。あの人なら放っておいても大丈夫だと思うけど...」

さやか「じゃあついでに挨拶してこよっと。この角を曲がったところだよね」

ヒョコッ

さやか「とうじょうさーん...って、あれ?」



まどか「こんにちわ、さやかちゃん」ニコリ


さやか「まどか?なんでここに」

まどか「使い魔が見えたからつい」

さやか「ついってあんたねえ...魔法少女じゃないのにそんなことしちゃ駄目でしょ」

まどか「......」

さやか「まあいいや。東条さんにお礼言わないと。とうじょうさーん?」キョロキョロ

まどか「東条さんは来てないよ」

さやか「へ?なら、前にマミさんと協力したっていう邦枝って人?」

まどか「ううん」



まどか「わたしが、使い魔を倒したんだよ」


さやか「...へ?」

まどか「わたしが使い魔を倒したの」

ほむら「...どういうこと?」

ツカツカツカ

ほむら「ねえ、どういうこと?あなた約束したじゃない。決して契約しないって。それを破ったっていうの!?」

マミ「あ、暁美さん落ち着いて!」

まどか「約束は破ってないよ。魔法少女にはなってない。そうだよね、キュゥべえ」

QB「その通りさ。まどかは僕と契約なんてしてないよ」

ほむら「だったらなぜ...!」

まどか「...わたしだって、ただ護られてるだけじゃないんだよ」

スッ

まどか「だから、これからよろしくね」



さやか「...すごいじゃんまどか!いったいどうやったのさ!?」

まどか「それはひみつ」

マミ「なにか訓練でもしたの?」

まどか「いやあ、まあ...」

ほむら「......」

クルッ

ほむら「早く魔女を探しましょう。使い魔がいるのなら魔女も近くにいるはずよ」

さやか「う、うん」

まどか「......」

―――――――――――――――――――
結界内

使い魔「」ワラワラワラ

まどか「......」つティッシュ ガサコソ

さやか「いやー...なんでしょうね、この使い魔の多さは。あんまし強そうじゃないけど」

ほむら「よっぽど恨みつらみが溜まっていたのでしょうね」

まどか「」バッ

マミ「なら、私たちで浄化してあげましょう。行くわよ、みんな!」

ドゴォン


使い魔「」シュウウウ

まどか『...ちぇっ、やっぱ脆いなぁこいつら』

使い魔「...!」

まどか『...まあ、こんだけいれば少しは楽しめるでしょっ!』ダッ

ドドドド

まどか『さあ、次次ツギィィィ――――!』


さやか「」ポカーン

マミ「ど、どういうことなの?」

ほむら(まるで別人のよう...)

まどか『さぁてと、ボスは...こっちかな?』ダッ

マミ「お、追うわよ二人とも!」

さやか「は、はい」

結界最深部


魔女「......」

まどか『見ィつけた』

魔女「」ヒュンッ

まどか『おっと。アハッ、問答無用ってやつ?いいね、嫌いじゃないよ』

魔女「」ヒュヒュヒュッ

まどか『けど、遅いよ。私を倒したきゃ、せめて邦枝くらいはやれなきゃね!』

ゴッ

タタタ

マミ「いた...!」

さやか「な、なにまどかのあの動き。あんなの、人間にできることなの?」

ほむら(魔女相手に...素手で...?)

まどか『ホラホラホラァ―――!』

魔女「...!」

ドッ

まどか『ッ!』

さやか「まどかが吹き飛ばされた!」

マミ「な、なんだかよくわからないけど...美樹さん、鹿目さんを診てあげて。私と暁美さんであの魔女を倒すわ」

さやか「了解!」


アギエル『ちぇっ...油断しちゃったなぁ。鹿目まどかだっけ?大丈夫?』

まどか「はい。思ったより痛くなかったです」

アギエル『魔力が通ってるからね』

まどか「これなら...!」

アギエル『まー、いまは止めといた方がいいかもね。手のひら見てごらん』

まどか「あれ...少し切れてる?」

アギエル『まだ魔力が身体に馴染んでないのかも。ちょっとずつ慣らしていった方がいいと思うよ』

まどか「そう...ですか」


さやか「大丈夫、まどか?」

まどか「うん。全然痛くないよ」

さやか「...あんた、ほんとなにしたのさ。キュゥべえにサイボーグ手術でもされた?」

まどか「もー、変な心配しないでよ」

さやか「いやいや、あんなもん見せられたら誰だって心配するって」

まどか「大丈夫だってば」


マミ「ティロ・ボレー!!」カッ

魔女「ギャアアアア」

シュウウ

マミ「ふぅっ...これで終わりね」

さやか「うわっ、はやっ!」

マミ「鹿目さんが弱らせてくれたお蔭ね。...鹿目さん。あなた本当になにをしたの?」

まどか「も~、マミさんまで。ちょっとコツを掴んだだけですよ」

マミ「なら、そのコツがなにか、教えてもらおうかしら」

まどか「みんなには必要ないですよ。みんな、そんなものが無くても強いから...」

マミ「あら。嬉しいこと言ってくれるわね」

ほむら「......」

―――――――――――

夜 マミホーム

マミ「...な~んて。うやむやのまま流されちゃったけれど、どうみても普通じゃないわよね」

杏子「ああ。あたしがあいつにやられるなんて...いや、やられたわけじゃねえ!ちょっと油断して不覚をとっただけだ!」

さやか「負けた奴の台詞だよ、それ。...いくら素質が高いからって、あんなことができるモンなの?」

マミ「いいえ。素質があっても、契約しなければ普通の女の子と同じはずよ」

さやか「う~ん...こういう時に限ってキュゥべえは出てこないし」

ほむら「...なら、あいつが関わっているに決まっているわ」ボソッ

マミ「暁美さん?」

ほむら「あいつは、自分に都合の悪い時には姿を現さない。あいつがなにかをしたに決まってる」

さやか「でも、まどかはキュゥべえになにもされてないって言ってたよ?」

ほむら「手遅れになったら遅いのよ!今すぐにでもまどかに問い詰めてあいつの居場所を」

ゴッ

ほむら「~ッ!」

杏子「落ち着けバカ」

杏子「まあ、要はあれだ。まどかに注意を向けておくのは勿論だけど、キュゥべえにもそれとなく注意しとけばいいだけの話だろ」

さやか「あれっ、あんた負けた割りにはまどかに食ってかからないんだね」

杏子「契約もせず、魔力も使わずに魔女を倒せるようになったんなら、頼もしい話じゃねえか。...まあ、どっちが上かはハッキリとさせておくけど」

さやか(あっ、これかなり根に持ってますわ)

マミ「鹿目さんやキュゥべえがなにかをしているにしても、私たちが無理に聞き出そうとしたら隠されてしまうかもしれない。...そういうわけで、いまは様子見ということでいいかしら」

ほむら「......」

マミ「暁美さん。心配なのはわかるけど、彼女があなたとの約束を簡単に破ると思う?」

ほむら「...いいえ」

マミ「なら、鹿目さんを信頼しましょう。いずれ、彼女の方からきっと話してくれるってね」

ほむら「...わかったわ」


まどか宅

まどか「...ねえ。キュゥべえ。今日ね、マミさんたちの戦い、いつもよりもだいぶ早く終わったんだよ」

QB「ふむふむ」

まどか「それでね、マミさんは私が魔女を弱らせたからだって言ってたの」

まどか「...わたし、みんなの役に立てたのかな」

QB「ああ見えて魔女との戦いは命がけだからね。魔力も温存できるという意味では、役に立ってると言えるんじゃないかな」

まどか「...ありがとう、キュゥべえ」

まどか(でも、やっぱりまだ慣れてないのなら...もっと練習しないと)

今回はここまでです。

>>33>>34の間に追加



タタタ

まどか(すごい...杏子ちゃんにだって一歩もひけをとらなかった)

まどか「これなら、わたしも戦える。みんなの力になれる」

ヘカドス『おい。最初にも説明したが、使いすぎるのは』

まどか「わかってます。ちゃんと使い時は間違えな...ヒックシュン!」

鼻ティッシュ「」ポロッ

まどか「うぅ~、やっぱりこれが取れちゃうと帰っちゃうみたいだね。気をつけないと」

ここから>>49の続き



魔界 牢屋

「なー、知ってるか?。最近、柱将や柱爵の方たちの意識が急にトぶ事件が多発してるらしいぜ」

「知ってる知ってる。それで、やけにすっきりした顔で目を覚ますらしい」

「...それ、事件っていうのか?お前聞いてこいよ」

「やだよ。あの人たちおっかないもん」

???「...なにやら面白そうなことが起きているようだな」

「ケッ、てめえには関係ねえこった」

???「やれやれ、ずいぶんと嫌われたものだ」

「当たり前だ!本来なら大魔王様の敵であるお前は即刻処刑されてもおかしくないんだぞ!生かしてもらえるだけありがたいと思え!」

???「ふっ...」

―――――――――――――――

数日後 見滝原

マミ「あら。今日も鹿目さんはいないの?」

さやか「うん。なんか最近、妙に理由つけて来なくなってさ」

ほむら「...みんな。やっぱり、まどかのこと...」

杏子「偶然...じゃねえだろうな」

マミ「そうねえ。普段ならまだしも、佐倉さんとのことやあの件があったら...どうしても、ね」

ほむら「なら、まどかを探しにいきましょう。さあ、はやく!」

さやか「だから慌てるなっての」

――――――――――――――――――

ドゴォ

魔女「...!」

まどか『終わりだよっ!』

ザンッ

魔女「」シュウウ

アギエル『やっぱり剣があるとだいぶ楽だね』

まどか「本当にこんな玩具の剣でよかったんですか?タツヤに貸して貰ったものですけど...あっ、虫」

アギエル『へーきへーき。それっぽい形の物があればあたしらで魔力を使って強化できるんだ』

まどか(そういえば、マミさんもバットを魔力でコーティングしてくれたっけ...なんか虫が増えてきた)

アギエル『にしても、あんたの身体動かしやすくてめっちゃ気持ちいいわ。このまま石矢魔にでも行って御礼参りしちゃう?』

まどか「だ、ダメですよ!」

アギエル『大丈夫だよ。あそこヤンキーの勢力争いで年柄年中喧嘩してるようなところだし、強い奴なんてほんの一握りだからさ』

まどか「そうじゃなくて...わたし、そういうのがしたいんじゃないんです」

アギエル『?』

まどか「わたし、普段からドジで、のろまで、なんにも取り得がなくて...いっつも守られてばかりなんです」

まどか「みんなの力になりたいのに、なんにもできない。そんな自分が嫌で、変わりたいと思ってました」

まどか「だから、悪魔さん達が貸してくれる力は、みんなを守るために使いたい...そう思うんです」

アギエル『...ふーん。ま、戦う理由なんて人それぞれだし、私は私が楽しめればいいかな』

アギエル『ただ...』




ザッ

ほむら「......」

アギエル『あんたの友達はそうはいかないみたいだけど』



まどか「ほ、ほむらちゃんにさやかちゃん...」

さやか「まどか、誰なのそいつ?」

まどか「さやかちゃん見えるの?」

アギエル『思念体でも素質のある奴には見えるんだよ。この前はたまたまあんたの身体の中にいたからバレなかったけどね』

まどか「そうなんだ...えっとね、この人は」

カチャリ

まどか「え」

ほむら「まどかから離れなさい」

アギエル『あらら。物騒なもの向けられちゃったよ』

ほむら「お前がまどかに妙なことをしたのね」

まどか「ち、違うの!アギエルさんは」

ほむら「あなたは黙ってて。...アギエルと言ったわね。これ以上まどかを唆すつもりなら覚悟しなさい」

さやか「あんたが誰かは知らないけどさ、あたしもほむらと同じ気持ちかな。...とりあえず、あんたがなんなのか聞かせてもらおうか」

アギエル『ん~と、あたしは...』

まどか「あ、あのね。二人に渡したい物があるんだ!」

さやか「?」

まどか「さっきも手に入れたんだけど...グリーフシード」

さやか「!?」

ほむら「......!」

まどか「えへへ。ここ数日で、4つもゲットできたんだ。これでみんなのソウルジェムもだいぶ」

バチン

まどか「ッ!?」


さやか「ほむら!?」

ほむら「...どういうつもりなの」

まどか「えっ...」

ほむら「結界の中に一人で入って、なにかあったらどうするの」

まどか「で、でも、その」

ほむら「あなたがなにをしたのかわかってるの!?遊び気分でこんなことをしないでちょうだい!」

まどか「」ビクッ

アギエル(ひゃ~、おっかない)


さやか「お、落ち着きなよ」

ほむら「落ち着いているわ。...アギエル。もう一度言うわ。殺されたくなければ、まどかから離れなさい」

さやか「ちょっ、殺すって!?」

アギエル『ん~、そう言われてもなぁ。それ決めるのはあたしじゃないし...』

まどか「...アギエルさんっ!」

アギエル『おっ』

ほむら「逃がさない」

スカッ

ほむら(触れない...!?)

まどか「」タンッ

さやか「跳ん...高っ!」

ほむら「追うわよ!」

さやか「がってん!」


タタタ

まどか「はぁっ、はぁっ」

アギエル『おーい、どこまで逃げるのさ』

まどか(嫌だ...このまま捕まったら、またわたしは...)

ブーン ブーン

まどか(さっきから邪魔だよ、虫...!)

まどか(あ、あれ...?)

まどか(なんだか...あたまがぼんやりして...)

アギエル『ッ、まどか!』

シュルルル

まどか「!」

グイッ

まどか「きゃっ!」ズザッ

ズポッ

まどか(あ...転んだ衝撃で、ティッシュが...)

マミ「...暁美さんたちと別れて行動したのは正解だったわね」


さやか「よかった、捕まえれたか」

杏子「ったく、なに逃げられてるんだよ」

マミ「やっぱり、鹿目さんは...」

ほむら「...ええ。アギエルとかいう妙な奴に唆されていたわ」

杏子「アギエル?...んで、そいつはどこだよ」

ほむら「わからない。...ただ、なぜかそいつには触れず、しかもそいつはまどかの身体に入っていったのよ」

マミ「え?」

ほむら「信じられないかもしれないけど、事実よ」

マミ「う~ん...とりあえず、鹿目さんから聞かないとなんとも言えなさそうね」



まどか「......」

まどか(あたまが...ふらふらする...)

まどか(いやだ...もう、役立たずは...)





『遊び気分でこんなことをしないでちょうだい』

まどか「...じゃない」ボソボソ

マミ「?」

まどか「遊びなんかじゃ、ない」

ティッシュ「」ガサッ



『小娘...オレを呼び出すとはいい度胸だ』




マミ「!?」

マミ(いつのまに鹿目さんの背後に!?)


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


杏子「っ...!」

杏子(なんだよ、こいつのプレッシャー...東条...いや、それ以上だ!)


ジャバウォック『こいつの身体を借りなきゃならねえのは不便だが』スゥ


杏子(まどかの身体に入っていった?)

まどか『中々どうして、悪くねえ居心地だ...むんっ』

リボン「」ブチリ

マミ「うそっ、私のリボンをああもあっさり...!?」


さやか(あたしは、この四人の中で一番弱いし、経験も不足してる。けど、これだけはわかる)

さやか(あいつはヤバイ...あたしじゃ、勝てない)

ほむら「それが...なによ」

ほむら「まどかを危険にさらすというなら、なんであろうと叩き潰す」

さやか「...そうだ。明らかにヤバそうな奴だからって、まどかを見捨てるわけにはいかないんだから!」

マミ「やるしかないわね」

杏子「ちょっとばかり怪我しても恨むなよ、まどか」

まどか『小娘四人か...肩慣らしにはちょうどいい』



さやか「...で、どうすれば止まると思う?」

杏子「決まってんじゃん。こういう時は...」

ダッ

杏子「ひとまずボコる!ついでに借りを返す!」

ほむら「杏子!」

まどか『威勢がいいのは嫌いじゃねえぜ』

杏子「うおらぁ!」

ガッ

まどか『...悪くない拳だ。だが、俺を倒すなら男鹿くらいはやれねえとな』

杏子(こ、こいつ、顔面にまともに食らったのに...!)

まどか『避けろよ』

ゴッ

杏子「...!」

杏子(重てえ...踏ん張りがきかな...!)メキメキメキ

ドガァ ガガッ

さやか「杏子!」

さやか(魔法少女の杏子をあれだけ吹き飛ばすなんて...!)


まどか『さて、この身体では...』スッ

マミ(掌を向けた?)

キイィィン

まどか『問題はなさそうだ』

マミ(まさか...)

マミ「二人とも、私の後ろに!」

さやか「えっ?」

マミ「早く!」シュルル

まどか『くらいな』

ドウッ

マミ「ティロ・フィナーレ!」カッ



ド パ ァ


マミ「くっ...」ガクッ

まどか『ほう、俺の技を相殺したか』

マミ「いまよ、二人とも!」

さやか「うおおおっ!」

ほむら(一人では無理でも、二人なら...ごめんなさい、まどか)

ガガガッ

さやか「このまま押し切って」

まどか『...軽いって言ってんだろ』



ド ッ



さやか「がっ」

ドサッ

ほむら「さやか!」

まどか『次はてめえだ』

マミ「暁美さんっ!」バッ

ゴキィ

マミ「ッ!」

ドカカッ

まどか『ちっ、庇われたか』

ほむら「巴さん...!」

ほむら(そんな...あっという間に...)



まどか『後はてめえだけだな』

ドッ

ほむら「ぐっ...!」

ほむら(なんて重い拳...!)

まどか『トドメだ』

ほむら「あなたは...なんなの...?」

まどか『ただの悪魔だ』グオッ

ほむら(やられる...!)


ピタッ



ほむら「え...?」

ほむら(寸止め...?)



まどか『...チッ。邪魔すんじゃねえよ...ったく、どこにそんな根性が据わってやがるんだか』

まどか『まあいい。いまの主導権はほぼ俺だ。せっかくの機会だ。もう少し楽しませてもらうぜ』タッ

ほむら「待ちなさ...くっ」ズキッ

ほむら(悪魔...?あいつは、一体なにを...)



スウッ

QB「やれやれ、好き放題やってくれたものだね」

まどか『ん...よう。グラフェルやヘカドスから聞いてるぜ。相も変わらず魔法少女を作ってやがるってな』

QB「あまりそういうのを広めてほしくないんだけどなぁ」

まどか『そのお蔭で魔界じゃてめえと契約する奴はいねえからな...安心しな。てめえがこっちでなにしようが俺たちには関係ねえからよ』

QB「それは嬉しいことだけど、それよりもその身体だ。まどかは今までに例を見ない素質の持ち主なんだ。ここで壊すようなことはしないでほしいのだけれど」

まどか『そうだな...テメエの働き次第では考えてやるよ』

QB「?...きみが僕の頼みを聞き入れるなんて珍しいね」

まどか『...フンッ』

ジャバウォック(壊すな、か...そいつは無理な相談だ)

ジャバウォック(俺がこうして主導権を握れる時点で、このガキはもう手遅れなんだからよ)

今回はここまでです




マミ「...暁美さん、鹿目さんは」

ほむら「...逃げられたわ。どこに行ったかはわからない」

さやか「いたた...なんなのさ、アギエルって奴といいさっきのおっさんといい」

ほむら「わからない...ただ、あの男は"悪魔"と言っていたわ」

マミ「悪魔...!」

杏子「マミ、悪魔っていえば」

マミ「ええ。行きましょう―――石矢魔に」

――――――――――――――――――――――――

石矢魔高校

「いくぞっ、お前達!」

「「「「おうっ!!」」」」

三鏡「葵ちゃんのところで修業したけど特になんのイベントもなかったぜ!『羅刹』三鏡孝太郎!」

鬼塚「那須の傘下と苗字が微妙に被ってるけど気にしない!『仁王』鬼塚運昇!」

黒木「私の武器は三節根。そんな設定誰もが忘れてる!『阿修羅』黒木光星!」

出崎「オカマキャラが既に美破さんと被ってたのには触れないで!『弁天』出崎巧!」

下川「そして毎度お馴染みあなたの寂しい夜のお供に、グッドナイト下川!」

「「「「「5人揃って、帝毛『影組』+1改め、新生『MK5』、推参ッ!!」」」」」

男鹿「......」

古市「......」


男鹿「...で。なんの用だ、てめえら」

三鏡「オラァ!せっかく名乗りあげて登場したんだ!もう少し気を遣えや!」

鬼塚「...ところで、MK5ってなんじゃろうな」

黒木「ノリでグッドナイトさんに連れてこられましたからね...」

出崎「M(マジで)K(カッコイイ)5(ごにんぐみ)じゃないかしら」

古市「M(マジで)K(くうきよめない)5(ごにんぐみ)な」

下川「ふっ...きみには悪いけど、俺はまだ石矢魔の頂点を諦めたわけじゃないんでね」

下川「今日こそ、俺は頂点に立ってみせるよ。きみを倒してね☆」

古市(うわっ、うざっ)

男鹿「面白れぇ。久々に減り込ませてやろうじゃねえか」ニヤリ

ベル「ダァブ」ニタリ

下川「見せてあげるよ。準レギュラーの底力...いくぞ、フォーメーション」

ザッ

まどか『邪魔だ』

ドゴゴッ

下川「グッナイ!」

影組「こんな役回りばっか!」

古市(名前だけじゃなくて瞬殺芸まで受け継いでいくのか)


まどか『よう。久しぶりだな、男鹿』

男鹿「あ?なんだガキ。なんか用か...って」

古市「あー!あの鼻のティッシュはまさか!」

男鹿「嘘だろ...古市以外にあんなティッシュの使い方するバカがいるなんて」

古市「うるせえ!お前も花粉症にかかればああなるっての!...こほん。あー、お嬢さん。そのティッシュなんだけど」

まどか『スッこんでろ』ギロッ

古市「こわっ!この子、見た目可愛いのに目付きだけこわっ!」

古市(って、悪魔の方に身体貸してる可能性もあるのか。誰が憑りついてんだろ)

まどか『ずっと殺したかったぜ、男鹿』

古市「ジャバウォックかよ!?」

古市(よりにもよって、なんつーメンドくさい奴呼んでんのあのこ!?)

男鹿「...んで?そんなガキの身体借りてまで何の用だよ」

まどか『決まってんだろ。もう一度俺と戦え』

男鹿「ヘッ、またボコられてえようだな」

まどか『...あの時勝ったからって、いい気なってるのか?』

男鹿「あぁ?」

まどか『お前も知っているとは思うが、魔族って奴は面倒でな。人間界で真の力を振るうには人間との契約が必要だ』

まどか『思い出せよ。あの時、俺が契約した人間があそこにいたか?』

男鹿「...へっ。おもしれえじゃねえか」

古市「お、おい!ここ学校だぞ!?せめて別の場所で...」

まどか『あぁ?』ギロッ

男鹿「別にいつものことだろ」

古市「聞く耳もたねえよチクショウ」

まどか『...いくぜ』

男鹿「きな」

古市(...けど、いくらジャバウォックが強いからって、大魔王の息子のベル坊の力を超えることはできるのか?)



ゴ キ ッ


男鹿「ッ!」

空高く吹き飛ばされる男鹿。

まどか『まだくたばるんじゃねえぞ』ギリリ

男鹿「!」

ド ッ

校舎「」ドゴシャァ


古市(ジャバウォック、パネェ!っていうか、また校舎壊されとる!)


シーン

まどか『くくっ、どうした。もう終わりとは言わねえよな』

ボコォ

男鹿「...大丈夫か。ベル坊」

ベル「アイ!」ビシッ

男鹿「よーし。それでこそ俺が認めたガキだ」

まどか『そうだ。それでいい』ニヤリ

まどか『さぁ...もっと俺を楽しませろよ、男鹿ァァァ!!』

ドッ

男鹿「ぐっ!」

男鹿(相変わらず一発が重てぇ!)

ドガガッ

まどか『どうした!反撃してこねえのか!?』

男鹿「...ゼブル」

まどか『』ピクッ

男鹿「ブラストォォォ!」


カッ





まどか『...なるほど。確かにあの時より力は上がってるようだ』

男鹿「ッ!?」

男鹿(こいつ、片手でゼブルブラストを防ぎやがった...)

まどか『だが、俺が見たいのはソイツじゃねえ』

ガシッ

男鹿「!」

まどか『見せてみろ、サタンを倒した力をよ!』ブンッ

ドガガッ

校舎「」ドォン

古市「ああっ、校舎がドンドン無くなっていく!」



まどか『...そうか。この恰好(ナリ)だから思い切って攻撃できねえのか』

まどか『だったら安心しな。いまの主導権は俺にある。この戦いにこいつの意思はねえし、俺の魔力が通っている間はこいつには何の害もねえ』

男鹿「」ピクリ

まどか『本物の俺だと思って戦え。でなけりゃ、お前が先に死ぬぜ』

男鹿「...ベル坊」

ベル「アイッ!」

バチッ

古市(あ、あれは、サタンとの戦いで使った...!)

まどか『そいつだ。そいつと戦ってみたかった』ニヤリ

男鹿「後悔すんじゃねえぞ、ジャバウォック」バチチチチ


ドンッ


―――――――――――――――――

校舎

ガララ

邦枝「だいじょうぶ、みんな?」

千秋「」コクリ

由加「いや~、たまに思うんすけど、よくもまあこんな目に遭っても生きてられるッスね、ウチら」

寧々「それを言うんじゃないよ」

由加「あ~っ、葵姐さん!あの空に浮いてるの男鹿っちじゃないっスか!?」

千秋「女の子と戦ってる...?」

寧々(空に浮いてるのを何とも思わないあたり、随分常識が狂っちゃったわね、アタシら)

邦枝「あれ...あの制服、たしか...」

―――――――――――――――



ドガガッ バキィ

男鹿「うおおっ!」

ドゴッ

まどか『流石に強いな!だがよ、それだけで俺に勝てると思うなよ!』

ドッ

男鹿「んなろぉっ!」

カッ

ドォン

古市「くそっ、デタラメすぎんだろあいつらっ!空中で殴り合って衝撃波がおきるって、どこの戦闘民族だよ!?」

古市(けど、サタンでさえ圧倒してた男鹿のあのモードと互角に戦えるなんて...ジャバウォックってあそこまで強かったのか?)


まどか『どうした、息が上がってきたんじゃねえか?』ハァッ ハァッ

男鹿「ケッ、お互い様だろ」ハァッ ハァッ

まどか『ククッ』ズズズ

男鹿「!...ヤロウ」

ベル「とーたん」

男鹿「ああ。特大のをおみまいしてやろうぜ」

まどか『消し飛べ』

男鹿「ゼブル...フィニッシャ―――ッ!!」


カ ッ


ド パ ァ ッ



古市「うおっ...なんつー衝撃!」

古市「どっちだ?どっちが勝ったんだ!?」

ド サ ッ

男鹿「クソッ...」

まどか『......』

古市(両方とも満身創痍で落ちてきた...引き分けか?)

まどか『...チッ』

鼻ティッシュ「」ポロッ

バタッ

男鹿「......」

バタッ

ベル「にょっ!?」

古市「大丈夫。気絶しただけだ」

古市「ジャバウォックー?...ティッシュがとれて消えちまったのか」

古市(ジャバウォックには色々と聞きたいことがあったけど、また暴れられても困るしな)

古市「...おっと。あの子からティッシュ返して貰わないと」



古市「おーい、大丈夫かー?」

まどか「」

古市「ダメだ、完全にノびてる...」

キョロキョロ

古市(この辺りには落ちてない。やっぱりポケットかな)



タタタ

邦枝「古市くん、いったいなに...が...」

寧々「」

由加「」

千秋「」

古市「えーっと、ティッシュ、ティッシュ...ハッ」ゴソゴソ



      o
まどか→or2/│←古市



寧々「あ、あんた、ラミアちゃんに飽き足らず...」ワナワナ

古市「ち、違うんすよみなさん!これはその、やむをえない事情という奴で」

千秋「...最低」

由加「クサレロリコン」

寧々「往生しな」ジャラリ

古市「誤解だああぁぁぁ!!」

今回はここまでです。
>>90の図は、古市がまどかの身体をまさぐっている図です。ズレて妙なことになっとる...


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