異世界に行くとモテモテになる風潮 (199)

たかし「一理ない」

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俺勇者。怪しげな連中を追いかけて、怪しげな取引を目撃したんだ。見るのに夢中になっていた俺は、背後から迫り来る敵の存在に気づけなかった。そして気づいたらゴブリン(たかし)になっていた。

見た目はゴブリン。中身は勇者

その名はたかし!!!(エコー)


J( 'ー`)し「たけしうるさい!!」

たかし「ごめんかーちゃん」


女「たかし、今日も学校来ないの?」

たかし「学校? この世界の人は17になっても勉強するのか……」

向こうの世界では12歳で全ての教育を終える。魔法学は習いたいヤツが習う特別なものだ。魔法学校には色んな年代の人間がいたものだ。というかたかしよ。学校に行ってなかったのか……

たかし「行くよ」

女「たかし!?」

たかし「どうしたの……?」

女「あれだけ頑なに拒んでたのに、急に行くって言い出すなんて……」

たかし「学校に行くのは当然のことだろう?」

そう言うと女はポカンと口を開けていた。

女「まあ、行くならいいんだけど」

たかし「確か、制服という物があるんだったな」

クローゼットを探ってそれらしい物を探すと、まだ数回しか着ていないのか綺麗な制服がそこにあった。俺はそれをバッチリと着こなす。

J( 'ー`)し「たかし!?」

たかし「俺学校に行ってくるわ」

J( 'ー`)し「行ってらっしゃい。たかし」

たかし「行ってきます。かーちゃん」

玄関の前で待っている女の元へ向かう。

たかし「お待たせ」

女「じゃ、行こうか」

たかし「おう」

女「どうしたの? そんなにキョロキョロして」

たかし「いや、敵がいないか見ててな」

女「またそういう設定なの?」

たかし「設定だと!?」

どうもこの世界には敵が存続しないらしい。そういえば、魔翌力もほとんど感じない。この世界は案外平和なのかもしれない。


女「たかし?」

たかし「いや、何でもない」

そうこうしている間に学校に辿りついた。

たかし「俺のクラスってドコだっけ?」

女「確か2-3だよ」

たかし「ありがとう」

下駄箱を開けて上履きを取り出そうとしたが、上履きはそこになかった。

女「たかし、上履きは?」

たかし「忘れたみたい」

女「もー。しっかりしてよね」

たかし「あはは、ごめんごめん」

女「それじゃぁ。またね」

たかし「またな」


確か2-3だったよな。教室のドアに手をかけて中に入ると、教室がざわついた。

クラスメイト1「たかし!?」

クラスメイト2「何で来たんだ!?」

どうも、たかしはかなりの有名人らしい。

たかし「皆、おはよう。僕の席はどこかな?」

DQN「はぁ? お前の席なんてねーよwwwwwwww」

たかし「もしかして、クラス間違えた?」

クラスメイト1「たかし、何してんだ!?」

クラスメイト2「あいつ死ぬ気か?」

DQN「てめぇ、死にてぇのか?」

たかし「は? お前何言ってんの?」

どうやらこいつの知能指数はかなり低いらしい。

DQN「糞が!」

DQNの拳が鳩尾に入る。

たかし「え? 殴ったの?」

痛みは感じたが、最初の街の餅みたいな敵よりも弱いパンチに俺は、色んな意味で困惑していた。この世界の人間は恐ろしく弱いらしい。

DQN「は?」

たかし「お前の攻撃。ザコ敵以下だなって言ったの」

DQN「 ぶっ殺してやる」

たかし「いいよ。相手になってやるぜ」

クラスメイト1「たかし頭でも打ったのか?」

クラスメイト2「どっちみちボコされて終わりだろ?」

クラスメイト1「賭ける?」

クラスメイト2「DQNにジュース一本な」

クラスメイト1「ずるwwwwwwww いいし、俺大穴のたかしに賭けるしwwwwwwww」

たかし「かかってきなよ」

DQN「オラァ!」

たかし「遅すぎ。子供の方がまだ早いよ」

確かにたかしの体重は重い。だが、この体躯を利用して最小限の力で動く事で楽にかわせる。

たかし「じゃあ、俺の番!!」

全体重を乗せた一撃を浴びせる。DQNは吹っ飛ばされて地面に倒れ込んだ。

DQN「ウワッ」

たかし「見たか! 伊達に太ってんじゃねーんだぜ」

DQNは起き上がって、攻撃をしようとする。しかし、そんな事はさせない。

たかし「大人しくしてろ」

DQN「ぐぁぁぁぁ。重てぇ……」

肺の上にのしかかってマウントポジションをとる。こうなったらもうDQNに勝ち目はない。

たかし「降参するか?」

DQN「する! 降参する!」

俺はDQNから降りる。

たかし「俺の席はどこかな?」

DQN「一番右の一番後ろだ」

たかし「ありがとな」

DQNの言った席に座に座るため、席へと向かう。

DQN「馬鹿が! 背を向けるなんてよぉ!」

たかし「馬鹿はどっちかな」

完全に読んでいた俺は、DQNの拳を掴むとそのまま投げた。

DQN「ぐほあっ」

たかし「お前弱いね。餅みたいな敵以下だよ。力も知能も」

席に座ると同時に、教師が中に入ってきた。

DQN「クソっ!」

DQNは余程悔しかったのか、ドアを蹴って外に出ていった。

教師「おう、たかし。学校来てたのか。久しぶりだな」

たかし「お久しぶりです」

教師「お前雰囲気変わったな」

たかし「そうですか?」

教師「ああ、まるで別人みたいだ」

たかし「!?」

教師「なんてな。よーし点呼とるぞ。秋田」

もしかして、見抜いているのだろうか?
いや、単なる比喩表現なのだろう。中身が別人だなんて発想にいたるはずがない。

教師「たかし、ここ解いてみろ」

たかし「は、はい!」

どれどれこの世界の教育はどんなもんか見てやろう。

たかし「な、何だこれ!?」

簡単すぎる……。こんなの10歳くらいで習ったぞ……。懐かしい気持ちになった。

たかし「13ですね」

教師「正解だ。ちゃんと勉強してたみたいで、嬉しいよ」

軽く教室がざわつく。たかしはどうも典型的なダメ人間だったらしい。いつもちやほやされてきた俺からすれば、それはとても新鮮だった。むしろここから這い上がることを想像すると、とてもいい気分になった。

たかし「ふふっ、ふふふふふ」

クラスメイト1「たかしのやつどうしたんだ? 急に笑い出したぞ? 怖ぇ……」

まずは、この世界の歴史と科学力について勉強しなければ……。鞄に仕舞われている、物理の教科書と世界史と教科書を取り出す。

たかし「科学力は、こっちの方が上なのか」

俺の知らない言語や技術がそこにあった。だが、理解できないほどではない。それに、今まで疑問に思っていた現象がこちらでは解明されているのだ。それだけで興奮した。

たかし「俺のいた世界は、こっちでは中世と呼ばれたころに終わっているのか……」

少し寂しい気持ちになったが、今の世界も悪くない気がする。特にこのスマートフォンというものは便利だ。この小さな箱に色んな情報が詰まっている。インターネットというところにアクセスすると、全ての情報を手に入れられる。だが、便利過ぎるものがつねに幸福を生むとは限らない。注意して使おう。

教師「以上で、本日の授業は終りだ」

あっという間の放課後。

たかし「綺麗な夕焼けだな」

この世界の夕焼けも、あっちの世界と同じくらい綺麗だった。きっと、どの世界でも同じなのかもしれない。

たかし「さて、女の所に行くか」

そういえば、女のクラスを俺は知らない。仕方ない。校門で待つことにしよう。

女「たかし……? 待っててくれたの?」

たかし「まあね」

この空の下、二時間も待つことになるとは思わなかった。だが、この肉の防壁のおかげでほとんど寒さを感じなかった。

女「私部活あるから待たなくても良かったのに」

たかし「部活?」

女「うん、私陸上部だし」

たかし「う、忘れてたよ……」

女「もしかして、ボケが始まったんじゃないの?」

クスクスと笑いながら、女は俺の隣を歩く。

たかし「そうかも」

女「そこは、突っ込むところでしょー」

たかし「あはは」

星空の下を女と歩く。向こうの世界でもこうやって歩いていたことを思い出す。

女「何か、今日のたかし変だよ? まるで別人みたいなんだもん」

たかし「俺は変わったからな」

長年居たからだろう。俺の変化に疑問を感じたのは……。俺は言うべきなのだろうか。俺はお前の知っているたかしではないと。

女「嬉しいよ。たかしが変わってくれて」

たかし「……!」

恐らくだが、女はたかしに好意を抱いている。だが、女が好意を抱いているのは俺じゃなくたかし。

たかし「何だこの胸の変な感じは……?」

初めての感覚だ。まさか敵か? だが、攻撃を受けた感じはしない。そもそもこの世界に敵はいない……はずだ。

女「たかし? どうしたの?」

たかし「いや、胸がざわつくんだ」

女「それって、もしかして……?」

女は頬を赤く染める。

たかし「何なんだこの感覚は……!」

分からない。初めて、街の外に出たあの時よりもドキドキする。

たかし「まさか、精神攻撃を使える敵が、この世界には存在するのか!?」

女「またそれ!?」

女は少しがっかりした顔を、浮かべて呆れた笑顔になった。

女「だいたい、そんな敵がいたら今頃、どっかの研究所に捕まって色々研究されてるって」

たかし「この世界の人間は、そんな恐ろしいことをするのか!?」

魔物の研究は、生命への冒涜だとされ向こうの世界では、禁止されている。隠れてやっているものもいるだろうが、ばれれば確定で処刑される。

女「別に珍しいことじゃないと思うよ。この世界では、今日も沢山の動物の命が失われているから」

たかし「むごいな」

女「でも、そのおかげで私たちの技術は進歩してきたの。だから私たちは感謝して生きていかないとね」

この世界と向こうの世界とで技術に差がついた理由が分かった。生命への意識だ。この世界では生命と言う概念への意識がないのだ。死というものを身近に感じない世界なのだ。故に世界史の教科書にも書かれていたように、人が人を簡単に殺せるのだ。

たかし「犠牲の上に立つことが、この平和な世界を生み出しているという事か」

女「そうだね。聞こえは悪いけど、そういう事だと私は思うよ」

たかし「だからこそ、失われたものに感謝をか……」

俺のいた世界も、そうなってしまうのだろうか? いや、俺が作ろうとしていた世界はそうなろうとしていたではないか。人々の平和のためと言いながら、俺は結局魔物から平和を奪っていただけじゃないか。自分たちが正しいのだと、自らを正当化し奪っていたにすぎないのでないのだろうか?

たかし「自らの正義のために、他の正義を倒すことは正義なのだろうか?」

それは、悪じゃないのだろうか? 頭がこんがらがってきた。

女「さあ、私には分からないよ。きっと誰も知らないんだよ。何が正しくて、何が間違っているかなんて」

たかし「そうか……。そうだな」

向こうの世界の事を考えても仕方ない。この答えは向こうの世界についてから考えることにしよう。

女「それじゃ、私は帰るね。また明日」

家の前についたらしい。女は自分の家のドアに手をかけて、俺に手を振った。

たかし「また明日」

てめーら、突然たかしになった勇者さんの気持ち考えたことあんのかよぉ!!
というコンセプトでこの作品を作成しています

書き溜めが溜まったらまた浮上します

たかし「ただいまかーちゃん」

J( 'ー`)し「おかえり、たかし」

食卓には豪勢な食事が並んでいた。

たかし「すごいご馳走だね」

J( 'ー`)し「今日は、たかしが学校に行ってくれたから頑張って作っちゃった」

たかし「ありがと、かーちゃん」

J( 'ー`)し「どういたしまして。さあ、食べましょ!」

たかし「いただきまーす!」

J( 'ー`)し「どう?」

たかし「美味しいよ」

美味しい。今まで食べてきた料理の中でトップクラスといっても過言ではない位に。そして、何よりも暖かく感じた。

J( 'ー`)し「それは、良かった」

箸が止まることを知らず、ものの数分で完食してしまった。

たかし「ごちそうさまでした」

J( 'ー`)し「お粗末様でした」

たかし「じゃあ、お風呂に入ってくるよ」

風呂場へと向かい、俺は服を脱いだ。

たかし「うわ、すげぇ……」

たかしの身体は想像以上にすごかった。張り上がったお腹、垂れ下がっているビーチク。まさにゴブリンそのものだ。これに腰にタオルを巻いて、肌色を緑っぽくすれば完全なゴブリンだ。

たかし「明日から、筋トレだな」

この体を鍛え上げる。せめて、このだらしない体を改造せねば。

たかし「ふ~」

浴槽につかると、お湯がほとんど溢れ出ていった。少しもったいないがどうしようもない。

たかし「バスロ○ンを投入!」

かーちゃんに渡された、バスロ○ンを浴槽に投入する。

たかし「ほわああああああああ」

泡だ。ものすごい量の泡が溢れ出てきた。最初は吃驚したが慣れると案外気持ちいい。久しぶりに暖かい風呂に入れてよかった……。もう一か月くらい、川の水で、体を洗うだけだったから、毎日暖かい風呂に入れる普通の人々が羨ましかった。

たかし「あ、無くなった……」

バスロ○ンがなくなってしまった……。仕方なく俺は浴槽から上がって体を洗うことにした。

たかし「すげえ! これめっちゃ泡立つやん!」

シャンプーと呼ばれるものを初めて使った。泡が髪を包み込んで、汚れを洗い流していく。あー。苦行でしかなかった風呂が好きになりそうだ。

たかし「すっきりしたぜ」

大きいからだというだけあって、拭くのにかなりの時間を要してしまった。

たかし「さて、この世界でも魔法が使えるか試すか」

たかし「ファイァ!」

出ない。

たかし「フリーズ! サンダー! ワテール! サイクロン!」

たかし「アーノルドシュワルツエネッガァァァァァ!!」

たかし「駄目だ! 出ねぇ!」

どうやらこの世界には、魔法という概念自体ないのかもしれない。

たかし「それじゃ、帰れないじゃないか……」

魔法がなければ、ゲートを開けない。完全に詰んだ。そういえば、向こうの俺はどうなったのだろう? もしかして、向こうのたかしと入れ替わっているのだろうか? だとすれば、向こうの仲間が何とかしてくれるかもしれない。今はそれを祈るしかない。

たかし「はっ、夢か! 何てな、はあ……。やっぱり現実か……」

目が覚めたら夢だったパターンを、想像していたのだがそう言うわけにはいかなかったらしい。

たかし「さて、走りに行くか……」

ジャージと呼ばれる服を着て、階段を降りていく。

J( 'ー`)し「たかし、こんな朝早くからどこに行くの?」

たかし「ランニングだよ」

J( 'ー`)し「!? 朝ごはんまでには帰ってきなさいよ」

たかし「はーい」

シューズを履いて、俺は走り出した。今のたかしの体力の現状を知らなければ……。

たかし「嘘だろ!? まだ50メートルだぞ!!」

たかしの限界は50メートルらしい。息が上がってもう無理だ。

たかし「正直、たかし舐めてましたわ。一キロくらい走れると思ったんだけどなぁ……」

女「あれ、たかし? どうしたの? こんなに朝早くから」

たかし「体を鍛えようと思ってさ。そっちは朝練かな?」

女「そうだよー。なんなら一緒に走る?」

たかし「いいけど、練習にならないんじゃない?」

女「ううん。別に問題ないよ。気晴らしみたいなものだから」

たかし「それじゃ、ご一緒させてもらおうかな」

女「私のスピードについてこれるかな?」

たかし「お、お手柔らかにお願いします……」

幼馴染はシナリオの進行上どうしても必要な存在なんや……
書き溜め終りです。
バイトに行ってくる

たかし「つ、疲れた……」

女「こんなの走った内に入らないよ!」

たかし「ひえ~。もう限界です。勘弁してください」

女「仕方ないなぁ。その代り、明日も付き合ってよね」

たかし「勿論だよ!」

女「絶対だからね! それじゃ、また会おう!」

たかし「またね!」

たかし「ただいまー」

J( 'ー`)し「たかし、おかえり。汗かいたでしょ? シャワーを浴びてくるといいわ」

たかし「うん」

たかし「ふぅ……」

J( 'ー`)し「たかし、朝ごはんできたわよー」

たかし「はーい」

たかし「いただきます!」

今日の朝食は、トーストとソーセージ、スクランブルエッグとコーヒー。きわめて普通の朝食だ。だが、それがいい。何せ向こうの世界では、よく分からない肉とかばっかりだったし。

たかし「かーちゃん。いつもありがとね」

J( 'ー`)し「もう! 急にどうしたのよ!」

たかし「言っておかないといけない気がしたんだ」

たとえ、戻れないかもしれないとしても、全力で生きよう。そう決めた。

J( 'ー`)し「あんた、それ死亡フラグよ」

たかし「何それ」

J( 'ー`)し「例えば、俺帰ったら結婚するんだ。みたいな」

たかし「あー」

確かに、俺の世界でもそういう事をいうやつは、大抵死んだ気がする。

たかし「俺は、死なないよ。だって、主人公だからね!」

J( 'ー`)し「ふふっ、そうね」

たかし「それじゃ、ごちそうさま!」

J( 'ー`)し「あ、そうそう。上履き新しいの貴方の部屋に置いておいたから」

たかし「ありがと。かーちゃん」

たかし「準備完了! それじゃ、行ってきます!」

扉を開けて、外に出ていく。今日はこちらから女の方を訪問してやろう。

J( 'ー`)し「あの子も立派になったわね。貴方……」

たかし「おはようございます。たかしです」

インターホンを鳴らすと、女のお母さんがインターホン越しに話しかけてきた。

女母「たかし君ね。女~。たかし君もう来てるわよ~」

女「あと少しだけ待って!」

たかし「はいはーい」

それから数分後、女は慌てて出てきた。

女「まさか、たかしの方から私の家のほうに来るなんて思わなかったよ」

たかし「吃驚した?」

女「ちょっとね。学校に行くって言い出した時ほどじゃないけどねー」

たかし「そりゃ、そうだ」

女「ふふふ。でも、嬉しいな。こうやって、たかしと学校に行けるんだからさ」

たかし「俺もだよ」

女「最近のたかしは、やけに素直だね」

たかし「もう、嘘はつかないって決めたからな」

本当は嘘つきだ。

女「何それー」

たかし「俺は変わるよ」

女「精々期待しておくよ」

たかし「サイン貰っとくなら今の内だぜ?」

女「遠慮します」

たかし「将来、オークションにだしたら凄い値がつくかもよ」

女「仮にたかしのサイン貰ったとしても、私は多分売らないと思うなぁ」

たかし「それは、嬉しいな。家宝にしてくれるなんて」

女「そこまで言ってないです」

たかし「は、はい」

学校について、上履きを鞄から取り出して履いた。

たかし「それじゃ、また」

女「別に、待ってなくてもいいからねー」

たかし「検討します」

女「それ、検討しないパターンのやつでしょー」

たかし「ばれたか……」

女「まあ、別にいいけど。でも風邪ひいても知らないからね!」

そう言い残して、女は自分のクラスのほうに走って行った。

たかし「皆おはよう!」

挨拶して、クラスの中に入るが、教室はまたも軽くざわついた。

クラスメイト1「どうなってんだ……」

クラスメイト2「もしかして、戦争でも起きるんじゃね?」

たかし「それは、物騒だな」

クラスメイト1「うわっ! 吃驚したぁ」

たかし「驚かせて、すまない」

クラスメイト2「いや、いいよ」

クラスメイト1「それにしても、どうしたんだ? 急に学校に来たけど」

たかし「学校に来るのに、理由がいるのか?」

クラスメイト2「ぷっ、面白えな。それ」

クラスメイト1「引きこもりがいう事じゃねーだろwwww」

たかし「おいおい、元だぞ」

クラスメイト1「そうだった。そうだった」

クラスメイト2「そういや、昨日の格闘術どこで身に着けたんだ?」

たかし「能ある鷹は爪を隠すってやつさ」

クラスメイト1「勉強になります。たかしさん!」

たかし「おいおい」

クラスメイト2「でも、気を付けろよ。アイツ何してくるか分かんねえからな」

たかし「肝に銘じておくよ」

教師「皆、おはよう」

教師「お、たかし。今日も来てるんだな。いいぞー。先生は嬉しいぞ!」

たかし「ありがとうございます」

教師「DQNは今日も休みか……」

教室が軽くざわつく。DQNが休んだのは恐らく俺とのいざこざのせいだと、思っているからだろう。

教師「それじゃ授業を始めるぞー」

クラスメイト1「起立、礼!」

生徒「よろしくお願いします」

クラスメイト1「着席」

教師「今日は、ベクトルについて――」

教師「はい、帰りのHR終り。それはさよならー」

生徒「さよならー」

クラスメイト1「たかし、今日一緒に帰らね?」

たかし「ごめん先約がいるんだ」

クラスメイト2「女だろ? 色々と噂になってるしな」

たかし「噂?」

クラスメイト1「あー、実は付き合ってるんじゃないかって噂。現に女は今まで告ってきた相手を全振りしてるしな」

クラスメイト2「ちなみに、DQNもその一人だな。DQNがお前に目を付けたのはそれが理由だ」

たかし「そうだったのか……」

クラスメイト1「全くだよ。そんなやつだから振られるのにな」

クラスメイト2「で、実際のとこどうなんだ?」

たかし「交際関係にないよ。それに僕はこんな成りだしね!」

クラスメイト1「威張っていう事じゃないだろww」

たかし「まあ、いずれは痩せるからしっかりと目に焼き付けておいてくれ」

クラスメイト2「おー、ついに神秘のベールを脱ぐときがくるというのか……」

たかし「そうだ。そして真の俺が姿を現すのだ」

クラスメイト1「俺達、厨房かよwwwwww」

たかし「男はいつまでも、少年なのさ」

クラスメイト2「違いねえな」

ラスメイト1「たかし、LINE交換しようぜ」

たかし「ああ、いいけど、どうやってやるんだ?」

クラスメイト2「ああ、携帯貸してくれ」

たかし「おう」

クラスメイト1「友達追加から、よっしゃ今日はふりふりでやろうぜ!」

クラスメイト2「おまwwww」

たかし「ふりふり?」

クラスメイト1「シェイキングしてくれ」

たかし「お、おう」

クラスメイト1に言われたとおり、携帯をシェイキングすると、友達を追加しますか? という画面が表示された。

クラスメイト2「そこで、通報を押すんだ」

クラスメイト1「嘘教えんなよ! 普通に追加だからな!」

たかし「分かった。通報する」

クラスメイト1「やめろwwww」

たかし「冗談だよ。これでいい?」

クラスメイト1「おっけー」

クラスメイト2「じゃ、次は俺だな」

たかし「おう」

今度は、QRコードというもので登録した。便利だなぁ……。

クラスメイト1「じゃ、俺達電車通だからもう帰るわ。またな!」

クラスメイト2「また明日」

たかし「またな」

あの後、一時間近く談笑した。歳の近い男と対等に話すのは久しぶりで中々楽しかった。向こうの世界では、勇者という称号のせいで、いつも気を使われて堅苦しかったから。

たかし「さてと、校門で待つとするか」

たかし「あれ、来ないな? そろそろだと思うんだけど……」

利器上部の人たちを何人か見たから、そろそろだと思うのだが、一向に来る気配がない。

たかし「もしかして……」

嫌な予感がする。俺の足は動き始めていた。俺が校門に立っていたからまだ校内にいるはずだ。

たかし「ん?」

女からLINEが来た。それは単調なメッセージで「話したいことがある。体育館の倉庫に来て?」と書かれていた。俺はそれが敵の罠であることに気が付いた。だが、従う以外に道はなさそうだ。

たかし「来たぞ。いるんだろDQN」

DQN「よく分かったな」

たかし「女は、LINEにハートなんて使わないからな」

少なくとも、俺の記憶している範囲ではそんなものなかった。

DQN「なるほど。なるほど。じゃあ、お前がどうなるか分かってるよな?」

茶髪DQN「ふーん、お前がDQNをねえ」

赤髪DQN「お前、こんなんに負けたのださっ!」

DQN「うっせえ! 油断したんだよ」

茶髪DQN「だっせえww」

たかし「女はどこだ?」

DQN「ああ、女ならここだぜ」

女「んー、んー」

女は口に詰め物をされて縛られていた。

たかし「てめえ……」

DQN「分かってるよな? お前が抵抗したらどうなるかさぁ?」

たかし「くそっ」

DQNたちは、バットや鉄パイプを手に装備してこちらににじり寄ってきた。

DQN「おらぁ! 昨日はよくも! やってくれたな!」

鉄パイプで殴られる。頭から血が垂れ意識が若干遠のいていく。

女「んー!」

たかし「俺は大丈夫だから」

茶髪DQN「人の事心配してる場合かよっ!」

蹴りが入る。抵抗できないという状況はかなり不味い。こいつらの事だ。俺に攻撃を終えたら女に手を出すつもりだろう。そんなことは絶対にさせない。

赤髪DQN「こいつまだ立ち上がるのかよ!」

茶髪DQN「これ以上は不味くねえか?」

DQN「知ったこっちゃねえよ!」

DQNの鉄パイプが頭にクリーンヒットする。駄目だ、意識が……。魔法さえ使えれば……。この戦局を変えられるのに……。魔法が……。

たかし「ファイア!」

必死に叫ぶ。だが魔法は出ない。

茶髪DQN「何だこいつ。急に叫びだしたぞ?」

赤髪DQN「ついに頭おかしくなったんじゃねえか?」

たかし「ボルト!」

しかし、うまく発動しなかった。

たかし「ワテール!」

しかし、うまく発動しなかった。

たかし「サイクロン!」

しかし、うまく発動しなかった。

DQN「うるうせえよ! 黙ってろよ!」

駄目だ。意識が……。

DQN「やっと落ちたか。よし、ここから先はお楽しみタイムだな」

女「んー、んー」

俺は、無力だ。目の前の人間誰一人助けられないんだから。

たかし「ファイア……」

茶髪DQN「熱っ」

赤髪DQN「どうした?」

茶髪DQN「いや、今一瞬熱を感じてさ……」

赤髪DQN「気のせいだろ」

たかし「………!」

そこで、俺は瞬時に理解した。この世界に魔法は存在すると。ないのは魔翌力の方だったんだと。つまり、魔翌力さえあれば魔法は使える。

たかし「ぐっ……」

茶髪DQN「冗談だろ!? あんだけ喰らってもまだ立ち上がるのか」

赤髪DQN[もうやめようぜ。これ以上はこいつが死ぬ]

DQN「どうせもう立ち上がるだけで、そいつは限界だろ。俺達は楽しもうぜ!」

たかし「誰が、立ち上がるだけで限界だって?」

茶髪DQN「嘘だろ! こいつの傷が……」

赤髪DQN「治っていくだと……!?」

DQN[だから、どうした! こっちには人質がいるんだ。いくら直したところでこの状況は覆せねえ!]

たかし「それは、人質がいればだろ?」

俺は、DQNたちの後ろを指差す。

DQN「いねえだと……。いつの間に!?」

たかし「女ならもう外だ」

DQN「はっ、でもこっちは三人だ。まだ有利だぜ」

たかし「今の俺ならな」

身体から蒸気が立ち上る。

茶髪DQN「何だこれ!」

赤髪DQN「あいつ、あんなにスマートだったか……?」

たかし「まず、俺の血を代償に魔翌力を作りだした」

DQN「何言ってんだ? 魔翌力? そんなもんあるわけが――」

たかし「ファイア!」

手から火球が発射される。

たかし「人の話は遮るなと教えられなかったのか?」

茶髪DQN「これ、ヤバくね」

赤髪DQN「俺ももう知らねえぞ!」

DQN「おい、てめえら!」

たかし「ボルト!」

茶髪DQNの走る先に死なない程度の雷を落とす。

たかし「まあ、人の話は最後まで聞け。血から魔翌力を得た俺は、その魔翌力で魔翌力変換魔法を発動させ、脂肪を魔翌力に変換したというわけだ」

DQNたちは、話が全く理解できていないらしい。それもそうだろう。別の世界の技術をこの世界の人間が分かるわけもないか。

たかし「さて、お返しと行こうか」

DQN「悪かったって。この通りだ」

たかし「残念だが、お前は俺を怒らせた。俺だけに攻撃するのはまだ良かった。でもな、女に手を出すのだけは、許さない」

DQN「ヒィィィ」

たかし「大丈夫、殺しはしない。ちょっと痛い目に遭ってもらうけどな」

茶髪DQN「DQNがやれって命令したんだ! だから、俺達だけは見逃してくれよ!」

赤髪「そうなんだ! 悪いのは全部コイツだ!」

たかし「連帯責任、だろ?」

魔翌力を練り上げる。気絶させるくらいならこの程度で十分だろう。

たかし「アクアボール」

人間サイズほどの水がDQNたちにぶつかり、DQNたちを水浸しにする。

DQN「冷てぇ!」

たかし「さて、問題! この状態で電気を流すとどうなるでしょう?」

DQN「待ってくれ!」

たかし「残念♪ 時間切れです。正解は、自分で体感してね」

たかし「ぷちボルト!」

水を通じて、DQNたちを電撃が走って、DQNたちは気絶した。

たかし「このまま風邪をひかれても困るし、服は乾かしておくか。ヒート!」

温風が、濡れた服を乾かす。

たかし「さてと、元の姿に戻らないと」

頭の中で式を構築し、残った魔翌力を全て脂肪に変換した。

たかし「これでよし!」

少し、痩せたけどこれでいい感じのゴブリンボディだ。

女「たかし!!」

倉庫から外に出ると、女が駆け寄ってきた。

たかし「大丈夫だった?」

女「人の心配してる場合じゃないでしょ!」

たかし「俺は頑丈だから大丈夫だよ」

女「いくら頑丈でも限度はあるでしょ。あれだけ血を――」

そこまで言ったところで、女は急に黙り込んだ。

たかし「どうしたの?」

女「ううん、何でもない」

たかし「そっか、それじゃ帰ろ」

女「ねえ、その前に聞かせて、私をずっと守ってあげるっていう約束。覚えてる?」

たかし「覚えてるに決まってるだろ」

本当はそんな約束があったのかなんて俺は知らない。でも、ここは肯定しておくべきなのだろう。

女「そう……。覚えててくれたんだね……」

そう言って、女は泣きだしてしまった。

たかし「はい、これ」

俺はハンカチを女に手渡して、涙拭くように促した。

女「ありがとう」

たかし「君に涙は似合わないからね」

女「それはどこかのゲームで学んだの?」

たかし「ち、違うよ!」

女「ホントかな~」

たかし「ホントだって!!」

女「私知ってるんだからね。ベッドの下にエロ本とかエロゲー隠してるの」

たかし「え!?」

知らなかった。まさかそんなところに淫猥なものが隠されていようとは……。

女「まあ、たかしも男だしね」

たかし「ま、まあね」

女「さあ、とっとと帰ろ! お母さんも心配するしさ」

たかし「そうだね」


たかし「ただいまー」

J( 'ー`)し「おかえり、たかし。今日はずいぶん遅かったわね」

たかし「友達と話してたらこんな時間になっちゃってさ」

かーちゃんに心配をかけるわけにはいかない。だから、俺は嘘をついた。

J( 'ー`)し「ついにたかしにも、女ちゃん以外にも話す人が……」

たかし「まあね。話してみると皆結構いい人でさ」

俺の話を、かーちゃんは相槌を打ちながら聞いてくれた。俺の話を聞くかーちゃんは、どこか嬉しそうだった。

たかし「えっと、女によると、ここに淫猥物が……」

ベッドの下を探ると、大量の淫猥物が姿を現した。

たかし「うわ、こんなに……」

とりあえず、移動しよう。そうだ、引き出しの下にわずかな隙間がる筈だ。そこに入れよう。

たかし「何!? すでにあるだと!!」

引き出しの下には、すでに淫猥物がセットされていた。たかし……。

たかし「ちくしょう……」

本のカバーで偽装や、カーペットの裏など、思いつく限りの隠し場所を探していたが、全てたかしによって隠された淫猥物がそこに鎮座していた。

たかし「もう、全部処分するか……」

たしか、明日は雑誌回収の日だ。俺は淫猥物をこの部屋にはそぐわない建築関係の本で挟んで、紙ひもでそれを縛り付けた。

たかし「これで完璧だ」

決行は深夜。かーちゃんが寝静まった後だ。


たかし「ミッション開始。目的はこの淫猥物をゴミ捨て場に置いてくること」

今日の夜、映画で見た。スパイの気持ちになりながら、俺は家のドアを音が立たないように静かに開けて外に出た。

たかし「目標までおよそ50メートル。人影なし。GO!」

俺は、そこまで速やかに駆け寄ると、例のブツをそこに置いた。

たかし「ミッション完了。ただちに帰投する」


たかし「やったぜ」

俺は部屋に戻って、安堵し任務が成功した喜びを噛みしめていた。後はよく分からないDVDというやつだけだ。これはまた別の日に捨てることにしよう。

次の日、エロ本が何者かに盗み去られているのを見てたかしは驚愕するのは別のお話。

第一章完

この作品は、全4章構成です。
続きは書き溜めが溜まったら投下しようと思います
ここで一旦区切ったほうがいいなら、また別スレで書きます

基本的にたかし(勇者)視点です。勇者(たかし)辺は外伝か別スレで作るかもしれません

俺勇者。怪しげな連中を追いかけて、怪しげな取引を目撃したんだ。見るのに夢中になっていた俺は、背後から迫り来る敵の存在に気づけなかった。そして気づいたらゴブリン(たかし)になっていた。

見た目はゴブリン。中身は勇者

その名はたかし!!!(エコー)

DQN「たかしさん、どうしたんすか!」

たかし「いや、何でもない。それよりもいきなり呼び出してどうしたの?」

DQN「たかしさん! 俺達を舎弟にしてください!」

たかし「舎弟?」

茶髪DQN「はい。たかしさんの強さに俺達は惚れたんです!」

赤髪DQN「そうなんです! お願いします!」

放課後、校舎裏に呼び出されたので、何事かと思ったら俺はDQNに土下座された。

たかし「分かった。それで、俺は具体的に何をすればいいんだ?」

DQN「それは、たかしさんの自由です。俺達はたかしさんに命令されれば何でもしますから!」

たかし「なるほど……。それじゃあ、君たちは今まで何をしてきたの?」

DQN「カツアゲとかですかね」

たかし「なるほど。じゃあ、こうしよう。カツアゲしてる奴からカツアゲしよう。そうすれば、カツアゲしてる奴は、カツアゲの痛みを知ってカツアゲできなくなるからな」

赤髪DQN「つまりは一石二鳥……。さすがたかしさん!」

たかし「でも、それは結局悪いことだ。俺達はそれを忘れてはいけない」

茶髪DQN「どういうことですか?」

たかし「俺達は正義の名のもとに言いながら、結局は力で解決している。社会にとって俺達は所詮悪なんだ」

DQN「難しくてよく分からないんですけど、何となくわかりました」

茶髪DQN「確か、うちの爺ちゃんも言ってました。戦争に悪も正義ものないって。どちらも自分が正義だと思うから起きるんだって」

たかし「そうだね。きっと悪なんてこの世に存在しないんだと思う。誰かがそれを悪と呼んだなら、正義は悪になるんだと思う」

赤髪DQN「深いっすね。まるで爺ちゃんみたいです」

たかし「よく言われるよ」

精神的に大人にならなければいけない。強くないといけないという環境が俺の精神を急速に成熟させたのかもしれない。

たかし「じゃあ、俺は帰るね」

DQN「お疲れ様っした―」

たかし「ん? 女からだ」

スマフォを確認すると、女からLINEが来ていた。今日は部活が長引くから先に帰っておいてほしいだそうだ。俺は、了解と返事をして、家に帰ることにした。

クラスメイト1「それでは文化祭の出し物を決めたいと思います。それでは案がある人」

クラスメイト2「やっぱ、メイド喫茶っすよね」

クラスの女子共「絶対嫌!」

たかし「見事にシンクロしたな……」

そもそも、文化祭というのは何だろう? 俺のいた学校には少なくともそういった感じの催し物はなかった。

たかし「分からないときはゴーグレ先生だよな!」

文化祭と、ゴーグレで検索をかける。ゴーグレ先生によると、作品発表を目的とした学校行事の一つらしい。そういえば、そう言うのは俺の世界にもあったな。魔法研究発表会というやつだ。全く面白くもなんともなかったが、こっちの世界の人間はずいぶんと楽しそうに見える。メイド喫茶も何かの研究テーマなのだろうか? 気になって俺はゴーグレで検索をかけた。

たかし「何だこれは……!?」

そこには、電波的というのだろうか。たかしの部屋にあったゲームと同じような雰囲気のものがそこにいた。これが研究テーマだというのか……。いや、違う。恐らく文化祭とは楽しければ何でもいい。そう言う感じのものなのだろう。この世界の人間は娯楽というものが大好きらしい。文化祭の定番について調べてみると、先ほどの喫茶店やお化け屋敷というものもあるらしい。

たかし「お化け屋敷とかはどうだろうか?」

クラスメイト1「それだと、定番すぎて被るかもしれないんだよ~」

クラスメイト2「使用教室の関係上、被っちゃうとじゃんけんで決めることになるからね」

たかし「なるほど……」

つまり、できるだけ被らず、なおかつ面白そうなものか……。

たかし「全然思いつかない」

クラスメイト1「このままだと、メイド喫茶か、お化け屋敷の多数決になります。何かありませんか?」

このクラスは、女子のほうが多い。だから、多数決に持ち込まれた場合。お化け屋敷が勝つだろう。だが、お化け屋敷は、被ったらじゃんけんで決めると言っていた。そうか……。

クラスメイト2「気づいたようだな」

クラスメイト1は、お化け屋敷のじゃんけんで負けるつもりなのだ。そうなれば第二候補である。メイド喫茶に必然的に決定する。そうなれば、女子共は諦めるはずだ。

たかし「あいつ、中々の策士だな……」

クラスメイト1は俺の方を見て、ようやく気付いたかとアイコンタクトを送ってきた。しかし、現実はそううまくいかないのである。

女子1「劇とかいいんじゃない?」

それは女子の一言だった。

女子2「それいいね~。賛成~」

クラスメイト2「馬鹿な……」

クラスメイト1「ば、場所はどうするの? 劇となると結構場所取るかもだけど……」

女子1「そんなの、あんたが何とかしなさいよ!」

クラスメイト1「は、はい! 何とかします!」

男は所詮、女には勝てない。どんな世界でも、それは変わらないらしい。

クラスメイト1「え~と、それでは、文化祭の出し物は劇に決定です」

女子共「いえーい!」

クラスメイト2「くっ……」

クラスメイト1「まだ、時間があるので劇の内容を決めたいと思います。何か意見がある人はいませんか?」

女子1「もうここはオリジナルでいこう!」

クラスメイト2「脚本はどうすんだよ!」

女子1「ん~。それじゃたかし! 君に決めた!」

たかし「俺が!?」

女子1「だって、書けそうだし」

たかし「無理無理」

女子1「女から聞いたよー。ノベルゲームっていうんだっけ? 一杯やってるんだから書けるでしょ」

たかし「やってるからって、書けるとは限らないだろ。野球観戦が好きだからって野球ができるってこともないだろ?」

それに、俺はノベルゲームなんてしたことない。

DQN「たかしさん!」

放課後、帰ろうとしていた俺はDQNに呼び止められた。

たかし「何だい?」

DQN「俺と一緒にバンドやりましょう!」

たかし「バンド? 巻くやつのことか?」

DQN「違いますよ! 簡単に言えば、楽器を弾いて歌ったりするやつです」

たかし「それ、面白そうだな」

所謂、吟遊詩人みたいなものだろう。俺はそう言う人に憧れていた時期があった。

クラスメイト1「ちょ、待てよ」

クラスメイト2「たかしは俺達と、バンドするんだぜ!」

DQN「ああん?」

たかし「こらこら、喧嘩はやめたまえ。どうせなら、一緒にやろうじゃないか。メンバーは多いに越したことはないでしょ?」

クラスメイト2「でも、バンドって基本3~5人じゃん」

たかし「そんな常識打ち破ってやろうぜ!」

クラスメイト1「たかしさん、まじかっけー」

DQN「お前も分かるみたいだな」

DQNとクラスメイト1が固く握手を交わす。和解してくれてよかった。

たかし「そういえば、俺楽器持ってないかも」

DQN「大丈夫っす。赤髪が確か、楽器結構持ってたんで。それに」

クラスメイト1「たかしはやっぱり」

三人「ボーカルだろ!」

三人は仲良さげに、互いをみて笑い合った。これが青春というやつなのかもしれない。


DQN「とりあえず、練習は明日からにしよう!」

クラスメイト1「そうだな! あ、そうだLINE交換しようぜ!」

クラスメイト2「あ、俺も!」

DQN「いいぜ。来いよ!」

たかし「あ、LINEだ」

どうやら、今日も女は遅くなるらしい。

クラスメイト1「それじゃ、帰ろうぜ!」

DQN「おう!」

たかし「今日は、俺も一緒に帰るよ」

クラスメイト2「女は?」

たかし「最近忙しいらしい」

DQN「へー。そういや、もうすぐ大会ですもんね」

たかし「そうなんだ」

クラスメイト2「そういや、DQNはもう女のこと諦めたの?」

DQN「まあな、潔く去るのも男だぜ」

クラスメイト1「あれだけしつこく粘着しといてよく言うぜ」

DQN「正直、めっちゃ反省してる」

たかし「いいよ、もう過ぎたことだし」

クラスメイト1「そういや、DQNとたかし。急に仲よさそうになったけど、何かあったの?」

DQN「それは――」

DQNは、女をさらった時のことを、少し誇張して話し始めた。当然、魔法の事は記憶から消してあるので、覚えていないと思うが。

DQN――ってわけだ」

クラスメイト2「たかしすげー……」

たかし「頑丈だけが俺の取り柄だから」

クラスメイト1「そんなことないって。なんつーんだろう。カリスマ性? っていうのをたかしから感じるし」

DQN「あー分かる」

クラスメイト2「何かこう、たかしには心惹かれる魅力があるんだよな。こうどこまでもついていきたいって思う感じの」

そういえば、前の世界の仲間もそういう事を言っていた気がする。そういえば、彼らは今何をしているんだろう。向こうの俺。恐らくたかしはちゃんとやっていけているんだろうか。

たかし「………」

DQN「たかしさん?」

たかし「ああ、すまない。ちょっと考え事をな」

クラスメイト1「もしかしてバンド名か何かか?」

たかし「う、うん。そうだよ」

クラスメイト2「たかしはカッコイイの考えてくれるんだろうなぁ」

たかし「プレッシャーをかけるのはやめてくれ……」

クラスメイト2「冗談だっての」

クラスメイト1「バンド名かー。六重奏ってなんて言うんだっけ?」

たかし「セクステットだよ」

DQN「たかしさん、めっちゃ博識ですね!」

たかし「まあ、たまたま昨日、そういう記事見ただけだから」

3年くらい前に吟遊詩人になりたくて勉強したからだなんて、とてもじゃないが言えなかった。

クラスメイト2「セクステットって響きめっちゃカッコイイよな」

クラスメイト1「分かるわ」

DQN「確かに、かっこいいっすよね」

たかし「じゃあ、それにしようか」

クラスメイト1「いや、セクステット・ハイなんてどうかな?」

たかし「ハイはどこから取ったんだ?」

クラスメイト1「たかしを英語にするとHighなんでそこから」

DQN「なるほど」


クラスメイト2「セクステット・ハイいいね!」

クラスメイト1「じゃあ、俺達は電車だから」

DQN[あ、俺もっす]

たかし「それじゃ、また明日」

クラスメイト2「またな~」

三人は電車に乗り込んで、帰っていった。さて、俺は脚本と、この世界の音楽に関する基礎知識を学ばないと……。

たかし「ただいま~」

どうやら、かーちゃんはまだ帰って来ていないみたいだ。俺は、まっすぐ自分の部屋へと向かうとPCを起動した。タイピングになれるのに少し時間がかかった。

たかし「さて、どうしたものか……」

コーヒーを口に含みながら、考える。斬新でいて、なおかつ短い。そんな物語だ。そんな時一つの記事が目に入った。

たかし「これいいかもしれない……」

インスピレーションがどんどん湧き出てきて、ワードに文字を打ち込んでいく。

たかし「完成した……」

ものの一時間で、シナリオは完成した。それを早速、昨日クラスメイト1に入れてもらったクラスLINEに貼ると、思いのほか好評で、これをやることになった。

更新少なくて申し訳ない……。
昼寝したら一日が終わってたんだ……
明日はその分更新したいと思います

たかし「お待たせー」

クラスメイト1「おせーぞ」

たかし「ごめん! ちょっと長引いちゃってさ」

茶髪DQN「まあ、いいじゃん」

赤髪DQN「たかしさん、これたかしさんの分です」

赤髪DQNから、ベースという楽器を手渡された。

たかし「えっと、こんな感じだっけ?」

昨日ネットで予習したのを思い出しながら、適当に弾いてみると、思いのほかうまくいった。

クラスメイト2「すげえ、本当に初めてなんだよな?」

たかし「だと思う。まあ、昨日ネットで予習はしたけど」

赤髪DQN「すげえっすよ。たかしさん。音楽の才能ありますって!」

たかし「そうかなぁ」

そう言われると照れてしまう。俺は手を後ろ頭に当ててかいた。

DQN「こりゃ、俺達もちゃんと練習しないとな」

クラスメイト1「当然!」

茶髪DQN「そういや、曲はどうする?」

クラスメイト2「そういや、考えてなかったな」

クラスメイト1「たかし、作れる?」

機体の眼差しがこちらに向く。当然、吟遊詩人を目指していたのだ。一曲や二曲くらいあるが、ロックテイストな曲はない。だけど、アレンジすれば何とかなる気がする。

たかし「頑張ってみるよ」

DQN「さすがっす!」

たかし「メロディーはもうできてるんだよ」

頭の中にあるメロディーを、具現化していく。アップテンポで聞くだけで燃え上がるようなイメージだ。

たかし「――って感じなんだけど……」

俺が演奏を終えた後、周りは少しの間沈黙していた。

たかし「駄目そうなら考え直すけど」

DQN「いや、それでいいっす」

クラスメイト1「やべえ」

クラスメイト2「これ、なんて表現したいいか分かんないけど、とにかくすごいって事だけ分かった」

茶髪DQN「たかしさんは、天才なのかもしれませんね」

赤髪DQN「こんなの初めてっす!」

思った以上に好評で、俺は嬉しかった。

たかし「曲名はアリアでどうかな?」

DQN「たかしさんが作ったんですし。それでいいですよ」

たかし「それじゃ、皆練習しよう!」

皆で掛け声を合わせる。

生徒会長「今日は文化祭当日です! 皆さん! 精一杯楽しんでください!」

生徒会長の合図で、文化祭が始まった。

女「よし、じゃあ、皆準備して!」

クラスメイト2「いよいよだな」

たかし「うん」

沢山人が来てくれればいいのだが、どうだろうか。舞台袖から、外を覗くと結構な人数の客がそこにいた。

たかし「結構いるっぽいよ」

クラスメイト1「うわあ、緊張してきた……」

女子1「それじゃ、練習どうりに頑張って!」

たかし「はい!」

開演を告げるブザーが鳴り響き、客席はしんと静まり返る。俺は、深呼吸して心を落ち着かせていた。

女子1「これより、2-3による劇、始末屋の男を開演します」

もう一度ブザーが鳴る。いよいよだ。俺は、大きく息を吐いてステージへと向かった。

たかし「この世には、始末屋と呼ばれる仕事がある」

スポットライトが俺を照らし、観客の視線が集まる。

たかし「始末屋とは、他人の不始末を拭うために始末を行う事だ」

因みに、一般的に始末屋とは、倹約家や取り立て業者のことを言うらしい。

たかし「ターゲット発見。これより接近します」

スポットライトがステージ全体を照らす。

クラスメイト2「了解。くれぐれも失敗はするなよ」

たかし「分かってますよ」

俺は一旦、舞台袖へ走ると助走をつけて、舞台上へと一気に走って、そして飛んだ。

たかし「三宅商事のものですぅぅぅ! この度は、当社が大変ご迷惑をおかけいたしましたああああああああ!」

スポットライトが、俺だけを再び照らす。

たかし「そう、これが始末屋の仕事。俺達は、始末屋。世間では、謝罪代行屋という名前で通っている」

客席が軽く笑い声にあふれる。

たかし「今のは、7ツ謝罪奥義の一つ。ジャンピング土下座だ」

スポットライトがステージ全体を照らす。

クラスメイト1「お前が噂の謝罪代行屋か。本当に来るとか」

たかし「え?」

クラスメイト1「今回のあれ、嘘の依頼なんすよ」

たかし「は?」

クラスメイト1「いや、だって見て見たかったんすもん。あんたら都市伝説みたいな存在でしたから」

たかし「はあ」

クラスメイト1「それにしても楽でいいっすね」

たかし「楽じゃないよ」

クラスメイト1「だって、謝るだけで金がもらえるんでしょ? いいなー」

たかし「じゃあ、やるか?」

クラスメイト1「いやっすよ。俺謝るの嫌いですし」

たかし「そうですか、それでは」

ステージは暗転し、俺を照らす。

たかし「任務完了しました」

クラスメイト2「おつかれ、どうだった?」

たかし「悪戯でした」

クラスメイト2「またかー……」

たかし「最近、こういう事が増え始めた。俺達が見たいがために偽の電話を入れる若者だ。こいつらを倒だけ始末したいと考えたことか……」

クラスメイト2「よし、それじゃ今日はもうあがっていいよ」

たかし「ありがとうございます。お疲れ様でした!」

クラスメイト2「はい、お疲れー」

ステージが暗転する。俺の出番は一旦終りだ。

 女子2「ちょっと、どういうことですか? そちらのせいで危うくこちらは大損害を出すところだったんですよ!」

クラスメイト1「すいません!」

女子2「何ですか、その態度。もうそちらの会社とは取引しません」

クラスメイト1「そんな! 待ってください! あっ……」

スポットライトが、クラスメイト1を照らす。

クラスメイト1「どうしよう……。ここままじゃ確実にクビだ」

クラスメイト1「そうだ! 始末屋がいるじゃないか!」

クラスメイト2「はい、もしもし。こちら謝罪代行屋です」

クラスメイト1「今すぐ、A社に俺の代わりに謝ってくれ!」

クラスメイト2「どういう状況で失敗なさったのかお聞かせ願えませんか?」

クラスメイト1「ちょっと、書類を間違えてしまって」

クラスメイト2「それは、無理ですね」

クラスメイト1「は?」

クラスメイト2「そういう案件は、他の人が謝罪に行っても無駄なんですよ」

クラスメイト1「金はいくらでも出す! だから……」

クラスメイト2「いくらですか?」

クラスメイト1「5万」

クラスメイト2「話になりませんね」

クラスメイト1「何だと!?」

クラスメイト2「最低でも20万は貰わないと」

クラスメイト1「何だよそれ……」

クラスメイト2「いいんですか? クビになっても」

クラスメイト1「それはよくないけど……」

クラスメイト2「クビになるのを20万で避けられるなら安いと思いませんか?」

クラスメイト1「分かった! 払う! 払うから!」

クラスメイト2「ありがとうございます。それでは今から指定する口座に振り込んでください」

ステージが暗転する。

DQN「ちょっと君、来てくれるかな」

クラスメイト1「は、はい」

DQN「どういう事? A社から、書類がミスってたって連絡来たけど」

クラスメイト1「え?」

DQN[「しかも、もうこっちとは取引しないってさぁ」

クラスメイト1「いえ、ですがきちんと謝罪いたしましたので……」

DQN「はぁ? だったら、こっちに電話なんて来ないだろうが」

クラスメイト1「え、でも……」

DQN「もういい。明日からもう来なくていいから」

クラスメイト1「そんな……」

DQN「分かったら早く帰ってくれ」

クラスメイト1「待ってください!」

必死に縋りついて、喚く。

DQN「うっせんだよ! とっとと帰れ!」

DQNに蹴飛ばされて、クラスメイト1は転がった。

クラスメイト1「くそ! どうなってんだよ!」

携帯を取り出して、電話をかける。

女子1「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

女子1「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

女子1「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

クラスメイト1「あ……。あぁ……」

ステージが暗転し、俺にスポットライトがあたる。

たかし「始末完了」

幕が下りて、拍手が上がる。

たかし「ほんとにこれでよかったの?」

講演を終えて、俺は一気に不安になった。作っている時は名作の予感がしたのだが、いざ、蓋を開けてみれば、とんでもなくどす黒い話になっていた。コメディー風の劇にしようとしたはずなのに……。

クラスメイト1「なんつーか、黒歴史だな」

文化祭現象だ。文化祭に浮かれまくっていたせいで、気づけなかったのが、観客のあの死んだような表情を見て、はっと気づいてしまった。

女子1「それじゃ、次は一時間後よ! それまで休憩!」

クラスメイト2「何で、アイツあんなにテンション高いんだ」

たかし「さあ?」

クラスメイト1「つか、俺もう嫌なんだけど」

DQN「我慢するしかないっすよ。ライブまでは」

講演予定表を見て、俺達は溜息をついた。

もう正直蛇足感が否めないよね。
この章丸々なかったことにしたい……泣

たかし「皆、準備はいい?」

いよいよ俺達「セクステット・ハイ」の順番が近づいてきた。今は俺達の前のバンドが演奏している。

クラスメイト1「結構ハイレベルだな。今年は」

DQN「そうだな。全体的に完成度が高い」

クラスメイト2「あー緊張する……」

茶髪DQN「別に失敗したっていいさ。その代り全力で行こうぜ!」

赤髪DQN「珍しく燃えてんじゃん」

茶髪DQN「まあな。このメンバーでよかったって俺は思うぜ」

たかし「俺もそう思う」

クラスメイト1「円陣組もう!」

DQN「いいね! 」

俺達は輪になって、肩を組んだ。

クラスメイト2「たかし、掛け声!」

たかし「お、俺!?」

DQN「たかしさん以外に誰がいるんだよ」

たかし「分かった。コホン」

たかし「セクステット・ハイ! ファイト~」

全員「おー!!!」

赤髪DQN「決まったな!」

クラスメイト1「そうだね」

生徒会長「それでは、お次はセクステット・ハイの皆さんです。まさに異色のバンド。今回のダークホースと言っても過言ではないと思います。それでは、セクステット・ハイの皆さんどうぞ!」

たかし「行こう!」

ステージの上に立つと、観客が困惑のあまりどよめいていた。それも当然だ。ステージの真ん中にゴブリン、その隣に不良と、真面目そうな生徒という、異質な空間がそこにあるからだ。

たかし「皆のってるかー!」

マイクが少しハウリングする。

たかし「それでは、聞いてください。アリア」

伴奏を始める。赤髪DQNがドラム。ギターはクラスメイト1と2、DQNはベース。茶髪DQNはキーボード。そして俺が、ボーカル兼ベースだ。

たかし「~♪」

たかし「以上。セクステット・ハイでした」

会場が、一度静まりかえる。まるで、舌の上で食材の味を吟味している時のような感じだ。その後、会場はまるで地震が起きたかのように大きく揺れ、歓声に会場が沸いた。

たかし「いえいっ!」

ステージ上で、俺達はハイタッチをする。お互い汗だくで、青春の汗っていう感じがとても心地よかった。

観客「アンコール! アンコール!」

生徒会長のほうをチラリと見ると、ウィンクをこちらに返してきた。どうやら大丈夫みたいだ。アンコール用の曲も一応練習していて良かった。

たかし「まだいける?」

クラスメイト1「全然いけるよ!」

DQN「俺も、まだまだ物足りないって思ってたっす」

赤髪DQN「俺も!」

クラスメイト2「もう一度歌えるなんて最高だな!」

茶髪DQN「よし、行こうぜ! 俺達の足跡を残しに」

たかし「おうよ!」

観客のほうを振りむくと、歓声が上がった。

たかし「アンコールありがとうございます! それでは、最期の曲です。リライト」

赤髪DQNの合図で、伴奏を始める。

たかし「けしてえええええええええ。リライトしてええええええええええ!」

サビに入ると、会場のボルテージは最高潮に達した。

たかし(これが、一体感ってやつか……)

まさに、観客と俺の心は一つになったそんな気がした。

たかし「はぁ……。はぁ……」

毎日、走っているおかげで体力が多少ついたが、やっぱりたかしの身体には結構キツイみたいだ。

たかし「ありがとう……ございました」

惜しみない拍手を背に受け、俺達はステージを後にした。

夜の魔力って怖いそう思ったんだ
バイトに落ちてなければなぁ……

たかし「つ、疲れた~」

床にへたり込んだ。床がいい感じに冷たくて気持ちいい。

DQN「最高でしたね!」

たかし「うん。最高だった」

クラスメイト1「来年も組もうな!」

赤髪DQN「当たり前だ!」

クラスメイト2「それじゃ、色々回ろうぜ!」

茶髪DQN「俺しばらく動きたくない」

たかし「同感だよ……」

その後の、文化祭閉会式で俺達は今年の音楽フェスの大賞をとった。

第二章 終幕


第三章 

教師「もうすぐ生徒会選挙があるから、立候補したかったら俺の所にくるんだぞ」

クラスメイト.1「たかし、立候補しろよ」

たかし「えー、そういうの柄じゃないんだよなあ」

クラスメイト2「いや、結構お似合いだぜ」

DQN「俺もそう思います」

女子2「音楽フェスの一見でたかしくん結構人気になってるんだよ」

たかし「知らなかった」

そういえば、やたら最近話しかけられると思ったら、そういう事だったのか。

女子1「立候補するなら、投票するわよ」

たかし「そうだね。皆が言うなら立候補しようかな」

皆の期待を裏切るわけにはいかない。

委員長「ちょっと、いいか?」

たかし「俺?」

彼はたしか、生徒会長最有力候補と言われていた俺のクラスの、委員長だ。

委員長「そうだ。ちょっと来てくれ」

たかし「うん」

クラスメイト1「あいつ、結構めんどくさい奴だから気を付けろよ」

こそっと、耳打ちで教えられた。

委員長「早く来いよ」

何だあの人を見下した態度はと思ったが、別にそこまで気にならなかった。

委員長「お前、生徒会長に立候補するんだってな」

空き教室に連れ込まれて、俺はそう問いを受けた。

たかし「そのつもりだけど」

委員長「何故?」

たかし「皆にそう言われたからかな」

委員長「それだけか?」

たかし「うん」

委員長「ふざけるなよ……」

たかし「え?」

委員長「勇者にでもなったつもりなのか、お前は? 」

たかし「何が言いたいんだ」

委員長「ただ人のいう事に、はいはい従って、まるで勇者じゃないか。お前の意思なんてどこにもない。ただの人形だよ。お前はさ」

正しい。正しすぎて、俺は何も言えなかった。

委員長「勇者気取りの人形のお前に、会長は相応しくない」

委員長はそう言い残し、教室を去っていった。思えば、委員長の言うとおりだった。世界を救ってくれと、頼まれて世界を救いに行って、困っている人がいれば助けて。世界にとって俺という存在は便利屋でしかなかったのかもしれない。

たかし「俺の意思か……」

帰り道に寄った河川の水面に映る自分を見ながら、俺はそう呟いた。

女「何か、悩み事?」

後ろには女が立っていた。

たかし「今日は、部活早く終わったんだね」

女「まあね……」

女は、にっこり優しく俺に微笑みかけた。

女「若者よ、悩んでいるなら私が話相手になるぞよ」

たかし「女だって、充分若いだろ」

女「まあまあ、御託はいいから話してよ」

たかし「実は――ってわけでさ。俺はどうしたらいいと思う?」

俺は、さっきまでの出来事を話した。

女「そんなの、悩むまでもないよ」

たかし「え?」

女「自分で決めるしかないんだよ。自分の事は。誰が何といおうが、結局決めるのは自分だよ。たかしはどうしたいの?」

たかし「立候補したくない」

女「じゃあ、それでいいと思うよ」

たかし「でも、それだと僕を信用してくれる皆を裏切ることになるし……」

女「別に、貴方が決めたことだから何も言わないと思うよ」

たかし「そうかな……」

女「そうだよ。立候補するなら応援するし、たとえしなくても別に何も言わないよ。私は」

たかし「そっか、ありがとう」

自分の気持ち……か。俺は石を持って、河原に投げた。投げられた石は7回ほどバウンドして沈んでいった。

女「おー、すごいじゃん」

たかし「まあね。あ、そうだ。今日は一緒に帰らない?」

女「ごめん……。今は自主練の途中なんだ」

たかし「ご、ごめんね。自主練中だったのに引き止めるみたいなことしちゃって」

女「全然問題ないよ。また悩み事とかあったら聞かせろよな!」

たかし「そっちもね」

女「そうするよ……」

女は一瞬だけ、暗い表情を浮かべた。

たかし「どうした?」

女「な、何でもないよ! それじゃあね!」

女はかなりのペースで去っていった。もしかすると、話したくなかったのかもしれない。だったら、聞くのはよした方がいいだろう。時が来ればいつか話してくれると思う。

たかし「俺、選挙に出ないことにした」

クラスメイト1「何で!?」

たかし「ん~、やっぱり向いてないなって思ってさ」

クラスメイト2「もしかして、委員長に何か言われたのか?」

たかし「違う、そうじゃないよ。考えた結果かな」

元に戻った時の事もあるし、元々やりたくなかったというのが理由だ。

クラスメイト1「まあ、たかしが決めたなら俺達は何も言わないよ」

クラスメイト2「そうだな」

生徒会長「それでは、次期生徒会長を発表します。2-3委員長」

委員長が壇上に登っていく。得票数は圧倒的に彼がトップだった。

委員長「はい!」

生徒会長「新生徒会長。意気込みをお願いします」

委員長「皆さん、こんにちは。この度新生徒会長に選ばれました。委員長です。私は、マニフェストの通り、この学校をよりよくするために全力を尽くし、生徒が快適な学園生活を送れるように、卒業する時にこの学校でよかったと思えるような学園にします。ですが、そのためには皆さんの力も必要です。私はあくまで代弁者でしかありません。この学校を変えられるのは皆さんなのです。以上です」

盛大な拍手が会場を包み込む。中々いい演説だったと俺は思う。

委員長「たかし君。ちょっと来てくれないか?」

放課後、クラスメイト達と談笑していると委員長が、俺を呼び出した。選挙が終わった以上もう、特に用はないはずなのだが……。

委員長「すまなかった」

たかし「え?」

空き教室に入ると同時に、委員長は俺に頭を下げた。

委員長「お前にはひどいことを言ってしまった。もしも、俺のせいで立候補を取り消したんだったら俺は、生徒会長をやめるつもりだ」

たかし「何だそんな事か。だったら気にしてないよ」

きっと、焦っていたのだろう。自分が生徒会長になれると思っていたのに、急に障害が現れたのだから。

委員長「でもっ……」

たかし「気にすんな。元々、俺は生徒会長なんてやりたくなかったからさ」

委員長「だが、酷いことを言ったのには変わりはない。何なら殴ってくれても構わない」

たかし「いいんだよ。委員長のいう事は正しかった。おかげで気づけたこともあるからな」

委員長「そうか……」

たかし「もう話は終りかな?」

委員長「待ってくれ! 生徒会に入って俺の支えになってくれないか?」

たかし「いいだろう。だが、俺は安くないぜ」

親指を立てて、俺は微笑む。

委員長「俺にできることなら、何でもやるよ」

たかし「そうか、じゃあまずは……」

委員長「…………」

ポケットに手を突っ込んで、ブツを取り出した。

たかし「俺とLINEを交換してもらおうか」

委員長「分かったよ」


たかし「これでよし、と」

委員長「俺からのの用事はもうない」

たかし「そっか。じゃあ、戻るわ」

委員長「また明日」

たかし「また明日な~」

空き教室を後にする。

たかし「お待たせ」

クラスメイト1「あいつに変なことされなかったか?」

たかし「いや、なかったよ。むしろ謝られたし」

クラスメイト2「何でよ」

たかし「んー。ああみえてアイツ結構義理堅いところあるっぽいからな」

クラスメイト2「ふーん」

クラスメイト1「そろそろ、帰ろうぜ」

クラスメイト2「おう」

携帯が震える。誰かからLINEがきたみたいだ。

たかし「ごめん。今日は帰れないわ」

女が久しぶりに一緒に帰ろうと提案してきた。

クラスメイト1「そっか、じゃあまた明日」

たかし「また」

二人は仲良く、下校していった。

たかし「おまたせ」

女「ううん、そこまで待ってないからいいよ」

たかし「部活の調子はどう?」

女「まあまあってところかな」

たかし「そっか、応援してるよ」

女「ありがと。私、頑張るよ」

何か様子がいつもと違う気がする。こんなに距離があるものだっただろうか。前はもっと近かったような気がするはずなのに……。

女「今日は寄り道してもいいかな?」

たかし「いいよ」

女「ありがとう」

女は黙って、僕の前を歩いて行く。

たかし「ねえ、何かあった?」

女「あったね。いっぱい」

たかし「僕でよければ、相談にのるよ」

女「必要ない」

たかし「どうしてさ」

女「…………」

女「ここだよ。ここが私の来たかった場所」

そこは、大きな空き地だった。そこには大きな桜の木がそこに在った。

女「ここで約束するとね。必ず叶うんだって」

たかし「へえ、いわゆるパワースポットみたいなものか」

女「っ……。そうだよ」

確かにまるで、ここだけ時が止まっているかのような不思議な場所だ。きっと、春には綺麗な桜が咲くんだろうな……。

女「ねえ、ここでした約束。覚えてる?」

そう言えば、体育館倉庫での一件のあと、守るという約束をしていたことをしていたことがあったっけ。

たかし「君を守るってい――

女「そんな約束してない」

俺の声を遮るようにして、そう言い放った。嫌な汗が噴き出す。

女「そんな約束してないよ。本当は、ここで大人になったら結婚するって約束だったの」

たかし「…………」

カマをかけられたというわけだ。疑惑を確信に変えるために。

女「ねえ聞かせて。貴方は誰なの?」


3章 終幕

今日で完結します!

最終章

女「貴方は誰なの?」

たかし「何を言ってるんだ? 俺はたかしだろ」

どうして、ここで嘘をつく。もうばれているだろ。

女「じゃあ、聞かせて。どうして約束を覚えていなかったの?」

たかし「単純に忘れていただけだよ」

女「もう一つ。私が攫われたとき。怪我がなかったよね? あれはどういう事なの?」

しまった。そういえば、あの時怪我を魔法で治療していたんだった。つまり、あれが疑われることになった発端という事か……。思い返せば、あの時から俺を女は避けていたように感じる。

女「ねえ、まだ嘘をつくの? 嘘はつかないって言ったじゃん!」

たかし「っ……」

もう限界だ。本当のことを言おう。

たかし「分かった。本当のことを話す。到底信じられないかもしれないけど、これは真実だ」

女は黙って、コクリと頷いた。

たかし「俺はこことは違う別の世界から来たんだ。意識だけ。そしてたかしの中に入ったんだ。俺の名前は勇者」

女「そっかやっぱり本当だったんだね……。信じたくなかった。信じたくなかったけど。本当なんだよね」

たかし「ごめん……」

女「謝らないでよ!」

女は地面に膝をついて涙を流す。だけど俺にできることは何もない。一人の泣いている女性を助けることもできない。

女「たかしを返してよぉ……。私の大切な人を……」

たかし「っ……」

女「うぅ……」

たかし「ここで約束したら必ず叶うんだよな」

俺は、女に小指を突き出した。

たかし「約束する。必ずたかしを君のもとに戻すって」

女「どうやって!」

たかし「それは……、今から考える」

女「無理だよ……」

たかし「無理じゃない! なんたって俺は勇者だからな。それにこの木の力があれば絶対できる」

女「本当に?」

たかし「そうだ。絶対できる」

こっちの世界に来れたのだ。逆ができない筈がない。

女「それじゃ、約束」

小指を絡めて約束する。

女「破ったら、地獄に落とすから」

たかし「そりゃ物騒だな」

そう言えば一つ気になっていたことがあった。どうして女はたかしに惚れたんだろう。見た目はゴブリンなのに。

たかし「女はたかしのどこが好きなの? ほら、たかしの見た目結構あれだし」

女「確かに見た目は悪いよ。でも、私が困ったときは必ず助けてくれるの。たかしは私の騎士様ってところかな」

たかし「見た目ゴブリンなのに?」

女「ゴブリン?」

しまった、声に出てしまった。

女「ぷふっ。確かに似てるかも」

たかし「他にはないの?」

女「あるよ! 助けてくれるくらいで、そう簡単に好きなったりしないし」

たかし「それもそうだな」

もし、そんな世界だったとしたら、この世は愛と憎しみに塗れた世界になっていることだろう。

女「たかしが私を守るようになったのは、テレビで騎士が姫を守るのに影響されて何だよね。可愛いでしょ?」

たかし「そ、そうだね」

女「でも、たかしってば全然助けになれてないの。それに危なっかしくて目が離せなくって、それで」

たかし「気づいたら好きになっていたと」

女「そういうことだよ」

たかし「恋ってよく分かんねぇわ」

女「私もー。だって、あんなん好きになっちゃうんだもんなー」

たかし「自分で言うなよな」

女「あはは。まあね」

たかし「絶対連れ戻すから」

女「うん」

たかし「そうだ。もしも連れ戻した時は女がたかしを部屋から出してやってくれよな」

女「分かったよ」

たかし「それともう一つ。たかしに謝らないといけないことがある」

女「何?」

たかし「エロいもの全部処分しちゃってごめんって言っといてくれ」

女「お、おう……。たかし絶対怒るだろうなー……」

たかし「それじゃ、任せたぜ!」

女「って、逃げるなよ!」

たかし「あはは。だったら捕まえてみな」

その後、俺はすぐに捕まった。そういえば、女は陸上部だったことを忘れていた。

女「いくら勇者でも、こんな重りつけてちゃ形無しですねぇ」

たかし「くそっ……。毎日走り込みしてるんだけどなあ」

女「現役陸上部を舐めるなよ」

たかし「くっ」

女「きゃあつ!!」

地震だ。それも結構大きい。俺は倒れそうになる女を支えて、万が一瓦礫が落ちてきても大丈夫なように楯になった。

たかし「おさまったみたいだね」

女「そうみたいだね」

たかし「結構大きかったね」

女「そうだねー。結構びっくりしちゃった」

何かがおかしい気がして、俺は辺りを見渡した。


たかし「今のって震度どれくらいなんだ?」

女「うーん。大体震度4くらいかな」

たかし「何で、何も壊れていないんだろう?」

女「そういえばそうだね。花瓶とか全く動いた形跡ないもんね」

携帯の通知音がひっきりなしに鳴り響く。クラスLINEのほうがなにやら騒がしくなっているみたいだ。

女「私の方も皆騒いでる」

たかし「そうか……」

クラスLINEに書かれていたのを見て、俺は全てを理解した。どうも、以前にも似たような小さな地震があったらしい。

たかし「前に地震があったのっていつ?」

女「●月●日だよ」

たかし「やっぱりか……」

女「それがどうかしたの?」

たかし「その日は俺がこっちの世界に来た日だ」

女「それじゃあ、誰かがこっちに来たかもしれないって事?」

たかし「そうなると思う」

だが、味方とは限らない。俺がこっちにくる原因になった時のことを思い出す。それに、俺の時と自身の規模が大きく違うらしい。

女「とりあえず、今日はもう帰ろうよ」

たかし「そうだね」

そうして、俺はいったん家に帰ることにして、捜索は明日からにすることにした。

たかし「よし、行こう」

放課後になると同時に、俺は昨日の現象の原因となる存在を捜索することにした。まずは屋上に行って、魔力を感じないかやってみることにしよう。

たかし「っ……!」

屋上に行くまでもなく、魔力を俺は感じ取った。まるで、俺が探し出すのを待っていたかのように急にその魔力は現れた。

たかし「早くいかないと……」

魔力源へと急いで向かう。ここから少し離れた放置された工事現場跡地あたりから魔力を感じる。

たかし「見つけたぞ!」

魔王「よく来たな。勇者よ。今はたかしと呼んだ方がいいのかな?」

魔王は倒壊した柱に座って、俺の方を見た。対峙しただけで分かった。今まで、勝てないかもしれないと思う敵は、何人もいた。でも、魔王は別格だった。絶対に勝てない。そう感じた。それほどに、魔王の魔力は絶対的だった。多分、元の世界の自分でも勝てないだろう。

たかし「お前の目的は何だ?」

魔王「この世界を手にすることだ。こっちの世界には魔法がない。ゆえに簡単に征服できるからな」

たかし「俺がそんなことさせるとでも?」

魔王「今のお前に俺は止められないさ。何せ女神の加護も聖剣も何もないんだからな」

たかし「………」

そうだ。女神は言っていた。魔王を倒すには聖剣の力が必要であり、魔王の絶望的魔力から身を守るために加護を受けている。故に、今の姿では魔王を倒すことはできない。

たかし「だから、何だ! 不可能を可能にするのが勇者ってやつだろうが!」

魔王「妄言だな。今のお前はただの人間だ」

たかし「それでもやってやる」

魔王「ならばかかってくるといい。貴様に絶望を与えてやろう」

俺は、カッターナイフで指を切って血を出した。そこから、魔力を錬成しその魔力で脂肪を全て魔力に変換した。これで少しは戦える。

たかし「行くぞ! ボイド!」

一時的に空間に虚無を作りだし、強烈な風を起こす最強の風魔法が魔王に襲いかかる。

魔王「全く効かんな」

たかし「馬鹿な……! 俺の全魔力を注ぎ込んだんだぞ……」

魔王「もう終りか?」

もう魔力もない。勝ち目はない。逃げろと頭が警鐘を鳴らす。

魔王「逃げるつもりか?」

たかし「違う! 一時退散するだけだ」

魔王「そんなことはさせるとでも?」

魔王の周りに大量の魔法陣が創成されていく。

たかし「これは……!?」

魔王「天災魔法。シェイクスピア」

魔法陣から膨大なエネルギーを持った槍が、地面に突き刺さると同時に地面が激しく揺れ始めた。足場が崩壊していく。もう魔力もない俺にはなすすべがなく、空から降ってくる瓦礫の山に埋もれていった。

たかし「――っ」

アルコールと薬品の匂いが辺りに漂っている場所で俺の意識はぼんやりと目を覚ます。ここはどこだ?

看護婦「医師! 1124が目を覚ましました!」

医師「聞こえますか?」

医師に体を揺さぶられて、俺の意識は覚醒した。

たかし「ここは?」

医師「ここは、市内の病院です。貴方は瓦礫の中から救出されたんですよ」

たかし「そうだ! 魔王は!?」

医師「魔王? ゲームでもしてたんですか?」

たかし「そうですね。そういえば今日は何日ですか?」

医師「今日は、×月△日。貴方が眠ってから3日後になります」

たかし「そんなに寝てたのか。俺は……」

俺は立ち上がる。皆の事が心配だ。行かなくちゃ。

医師「まだ、貴方は動ける状態じゃ……」

たかし「それでも行かないといけないんです」

医師「「分かりました。正直、医師としては最低な選択です。ですが、人間として正しい選択をしたつもりです。その用事が終わったらすぐに戻ってきなさい。いいね?」

たかし「分かっています」

病院を後にする。体を激しい痛みが襲う。が治療できるだけの魔力は存在しない。血を代償にすれば、血が足りなくなって死んでしまう。それでも、俺は行かなくちゃいけない。

たかし「やっぱり、圏外か……」

奇跡的に充電が残っていたスマホをポケットに仕舞って、俺は学校に向かって走り出した。

たかし「やっと着いた……」

どうやら、学校は避難所になっているらしい。この辺の住人が集まっているみたいだ。

たかし「皆はどこだろう……?」

学校中を探し回る。そう言えば、今の俺の姿はたかしの時と大きく変わっているけど気づいてくれるだろうか?

たかし「見つけた!」

クラスメイト1と2とDQN達は、ちゃんと生きていたみたいだ。

たかし「無事だったんだね」

クラスメイト1「え、誰?」

たかし「たかしだよ。今はこんなんだけど」

クラスメイト2「流石に、その冗談は笑えないぞ」

DQN「そうだよ」

たかし「仕方ない……」

だったら、俺がたかしである所以を示さねばならないみたいだ。

たかし「俺達は、セクステット・ハイというバンドを組んだ。ハイはたかしを英訳したもので、セクステットはクラスメイト1が六重奏の英語が分からなくて俺が教えたものだ」

そこまで知っているのは、俺達くらいしかいないはずだ。

クラスメイト1「本当にたかしなのか?」

たかし「そうだよ」

クラスメイト2「そう言えば、面影があるような気がする」

DQN「でも、なんでこんな急に痩せたんだ?」

たかし「それについては、あとで説明する」

こうなった以上、説明しないといけないだろう。魔王の事も俺が、別世界から来た勇者だという事もこれまでの事全てを。

たかし「そういえば、女は?」

クラスメイト1「無事だよ。お前のお母さんもな。確かあそこらへんだったかな」

クラスメイト1が指差す方向に、かーちゃんと女、女のお母さんはそこにいた。

たかし「皆生きてたんだね!良かった……」

J( 'ー`)し「あら、たかしじゃないの。瓦礫に挟まれて脂肪抜けちゃったのかしら。良かったわね」

たかし「分かるの!?」

J( 'ー`)し「当たり前です。だって、たかしのかーちゃんですからね!」

女「生きてたんだ……」

女は、俺の身体に抱き着いてきた。体が震えている。よほど心配だったのだろう。

たかし「心配かけてごめんね」

女母「あらま、大胆ですこと」

J( 'ー`)し「そうねえ」

後は若い者同士でという事なのだろうか、二人は気を利かせてどこかにいった。

女「そういえば、こっちに誰か来たのか分かったの?」

たかし「うん……。しかも俺が想定していた最悪のパターン」

女「どういうこと?」

たかし「魔王が来たんだ。俺は三日前、魔王に挑んで負けた。そしてその負けた結果がこれだよ……」

俺は服を捲って、傷ついた体を見せた。

女「大丈夫なの!?」

たかし「大丈夫だよ……」

口ではそう言ったが、余裕は全くなかった。体中が今も激しく痛んで辛い。

女「強がらなくてもいいんだよ?」

たかし「強がってなんかいない……」

女「嘘つき」

たかし「……! でも、アイツは俺じゃなきゃ倒せないんだよ……」

俺は今の状況を説明した。魔王を倒せるの選ばれた人間だけであると。

女「でも、今の貴方はただの人間でしょ。それにね」

女「自分しかできないなんて、傲りもいいところだわ。貴方のしていることなんて誰でもできるのよ。きっと」

たかし「そんなことない! 俺は女神に選ばれて……」

女「だったら、女神に選ばれれば誰でもいいって事じゃないの」

たかし「それは……」

女「世界は誰にだって救えるのよ。その気さえあればね」

たかし「うん、そうかもしれない……。俺はいつからか傲慢になっていたのかもしれない。強い力を持ってるから孤独なんだって思ってた。俺には使命がある。だから、唯の人間とは違う。そう思っていた。でも、それは違ったんだ……。俺だってただの人間だったんだ」

女「だから協力させてよ。魔王に見せてやろうじゃないの。非力な人間の強さってやつをさ」

たかし「うん」

女「まずはその怪我を直さないと。どうすればいい?」

たかし「何か代償があればできるけど……」

女「例えば?」

たかし「血とか。髪とかの身体の一部なら何でも」

女「分かった。できるだけ集めてくるよ」

そういって女は走って行った。俺も俺にできることをしないと……。

たかし「委員長!」

委員長「たかしか? クラスメイト1から話は聞いていたが、本当に痩せてるとはな……」

たかし「お前に頼みがある。今すぐ皆を体育館に集めてくれ」

委員長「何でだ?」

たかし「それは後で話す」

委員長「分かったよ。お前が生徒会に入るための条件だったもんな」

委員長は、メガホンをとって全校生徒に体育館に集まるように呼びかけた。

委員長「全員、集めたぞ」

たかし「ありがとう」

俺は、ステージに上る。全校生徒が一気にざわつく。見知らぬ男がいきなり話があるとステージに上ったのだから当然だろう。

たかし「俺は、元ゴブリンのたかしだ」

さらにざわつく。

たかし「俺は、こことは違う別の世界から来たんだ。意識だけ」

誰も信じていないみたいだ。俺はカッターナイフで指先を軽く切った。

たかし「ぷちファイア」

指先に蝋燭の火程度の火が着く。生徒体は一瞬で静かになった。

たかし「これで少しは信じてくれたかな?」

たかし「これから話すことは、何の偽りもない全て真実だ」

俺は、この世界に魔王が来たこと。そのせいで地震が起きたことを話した。

たかし「皆に頼みがあるんだ。俺に力を貸してくれ!」

ステージ上で、俺は頭を下げた。生徒たちは困惑しているのか、どよめいていた。

DQN「俺はやりますよ!」

クラスメイト1「俺も!」

女子1「私も力になってあげるわ」

次々に、声が上がっていく。

たかし「皆……。ありがとう……」

俺の欲しくてたまらなかったものは、そこにあった。

女「とりあえず。集めてきたよ!」

たかし「うわっ!」

そこには、大量の髪と爪がバケツ何杯も溜まっていた。ちょっと怖い……。

たかし「でも、これだけあれば大丈夫かも!」

身体の傷が癒えていく。これでひとまずは戦える。

魔王「愚かだな。まだ希望を捨てていないとはな」

たかし「来ると思っていたよ」

魔力を放出したのだ。この世界で魔法を扱えるのは、俺と魔王だけだ。魔力を感じてここまで来たのだろう。

クラスメイト2「あれが魔王……」

たかし「皆下がってて!」

魔力は治癒に使ったせいでほとんどない。力もない。だけど、俺は一人じゃない。だから、負けない!

魔王「なるほど数で勝負というわけか。だが、その程度ではこの圧倒的戦力差は埋まらん」

魔王は、魔力で作り出した弾を放つ。俺はそれを体でガードする。痺れるような衝撃が体を走る。

たかし「あああああああぁっ!」

鉄パイプを持って、魔王を殴りつける。がびくともしない。

魔王「効かないな」

たかし「だからどうした! だったら、何回でも、何十回でも、何億回でも殴り続けてやる!」

俺達は魔王に向かって、攻撃を与え続ける。

魔王「ちょこまかと鬱陶しい!」

魔王の横薙ぎが、皆を吹っ飛ばす。一人、また一人気絶して倒れていく。

たかし「まだまだぁ……」

とうとう俺一人になってしまった。

魔王「もう立っているだけでもやっとなのだろう?」

その通りだ。でも、諦めない。諦めない限り負けることはないのだから。

魔王「すぐに楽にしてやる」

魔王の一撃が俺の眼前に迫ってくる。駄目だ、避けられない。

女「頑張れー!」

女の応援する声が聞こえた。何勝手に諦めてるんだ。俺は……! 約束したじゃないか。たかしを必ず、女の前に戻すって。だったらここで死ぬわけにはいかない。俺は力を振り絞って、その一撃を何とか躱す。

クラスメイト1「頑張れたかし!」

DQN「たかしさん!」

J( 'ー`)し「たかし!」

クラスメイト2「たかしお前なら勝てる!」

委員長「俺との約束もちゃんと守って下さいよ!」

皆の声が聞こえる。この声がある限り、俺は負けるわけにはいかない!

たかし「いくぜ!」

心臓が熱い。たまらず俺は心臓に手を当てる。そして、それを引き抜いた。

魔王「何だその剣は……」

その剣は、剣と呼ぶにはふさわしくないほどに弱々しくて、脆くて、今にも壊れそうだ。でもその剣には、無限の可能性が秘められていた。

たかし「これは、俺の心の弱さだ」

名前を付けるとするならば、パンドラの剣といったところだろうか。俺の心は希望に満ち溢れているから。

たかし「俺の心には弱さなんてない。故に、もう俺は迷わない。恐怖しない。絶望しない」

俺は剣を握って、魔王に突撃する。魔王が動揺している今しかない。これを逃せば、勝つ可能性は一気に下がっていくだろう。だからその前に決着をつける。

たかし「見せてやるよ! 俺の最強技を」

残った魔力を全てを、俺の全てを剣に込める。

たかし「雷光せつなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

雷光を身に纏い、魔王を刹那の間に切り裂いていく。刹那の速さに耐えきれず、体が裂けて血が流れていく、それも魔力に変えて攻撃を続けていく。瞬きも呼吸もさせない。魔王が倒れるその時まで。

たかし「はぁ……。はぁ……」

倒しただろうか? 確かめようと近づくと、魔王は急に立ち上がって女を捕まえた。

たかし「なっ……!」

魔王「まさか、唯の人間にここまで追いつめられるとはな……。だが、ここまでだ」

魔王は女を人質に取ろうというのだ。

魔王「剣を捨てろ。さもなくば、この女をここで――」

魔王がそう言い切る前に、俺は魔王を切り裂いた。

魔王「馬鹿な人質事斬りやがっただと……」

たかし「最初に言っただろう。この剣は俺の心の弱さだって。だからこの剣は俺の斬りたいものしか斬れない」

魔王「そんな馬鹿な……」

たかし「お前の負けだ。お前も俺も無力な人間を馬鹿にしていた。だけど、そうじゃなかったんだ」

魔王「そうかもな。そうじゃなきゃ俺が負けるわけもない」

空に大きな穴が開く。

たかし「なんだあれは……!?」

魔王「せめてもの贈り物だ。勇者があっちの世界に帰れるようにな」

たかし「魔王……」

魔王「勘違いするな。元々、お前がこっちにいること自体、偶然だったんだからな」

たかし「どういうことだ? 俺を追ってこっちに来たんじゃないのか?」

魔王「そんなわけないだろう。お前がこっちに来る前に目撃したものがあったはずだ」

たかし「怪しい儀式の事か?」

魔王「本来ならその時、俺はこっちに来る予定だった。でも、そこにお前が現れて、そのせいで魔法が狂ったんだよ。そして意識だけ飛ばされた」

たかし「なるほど……」

それにしても、まだ異なる世界を繋げるほどの魔力を保有している魔王は恐ろしい。そう思った。


魔王「次はあっちで戦おうぜ」

たかし「何!?」

魔王「こんなんで俺が倒せるかよ」

たかし「嘘やん……」

魔王「今回は撤退してやるって事さ」

たかし「まじかぁ……」

魔王「当たり前だ。本当は治癒するだけの余裕あるし」

考えてみれば、聖剣なしで倒せるはずもなかった。

たかし「そりゃあ、あんな魔法使えるから薄々思ってたけどさぁ……」

俺達の身体が光に包まれていく。

魔王「そろそろ時間見たいだな」

たかし「皆、たかしのことよろしく頼んだぜ!」

クラスメイト1「戻ったらまた、引きこもりニートのたかしかー」

クラスメイト2「まあ、そうなったら部屋から引きずりだしてやるけどな!」

DQN「そうだな!」

たかし「あはは、それは頼もしいな」

女「それじゃ、またね」

たかし「うん、またね!」

またね……か。またいつか会えるかな……。

たかし「皆ありがとう! 皆と過ごした時間は最高に楽しかった! じゃあな!」

魂が、天上へと昇っていく。

勇者「ここは……」

そこは、全て光に包まれた世界だった。そこには俺ともう一人。ゴブリン……、たかしがいた。

勇者「よう!」

たかし「うわっ! びっくりした」

勇者「吃驚すんなよな~。お前の身体楽しかったぜ」

たかし「俺は楽しくなかった。力も顔も俺の欲しかったもの全てを持っているのに、全然楽しくなかった」

勇者「だろうな」

たかし「俺は恵まれてたんだな」

勇者「そうだな。それなのにお前は世界を拒絶したんだからな」

たかし「でも、おかげで分かったんだ。俺が本当に欲しかったものが」

勇者「そうか……」

たかし「ありがとう……」

勇者「こちらこそ、ありがとな」

たかし「それじゃ、そろそろ帰ります。待っている人がいるので」

勇者「あ~あ、帰りたくねー。けど、帰らなきゃな。俺にはやり残したことがあるからさ」

俺達の前に扉が現れる。きっと元の世界に戻るための扉なんだろう。

たかし「それでは、さようなら」

勇者「さよならじゃねえさ。きっとまた会える」

たかし「そうだね。それじゃまた!」

お互いに扉を潜っていく。

看護師「医師! たかしくんが目を覚ましました」

医師「おはよう、たかし君」

たかし「おはようございます」

目を覚ますと、元の世界に戻ってきたみたいだ。この世界らしい電子機器が沢山そこにああった。

医師「それにしてもすごい回復力で、驚いたよ!」

たかし「どうも……」

どうやら大きな地震があったらしく、病院にはたくさんの怪我人がそこにいるみたいだった。

医師「申し訳ないんだけど、他の患者のためにベッドを使ってもいいかな?」

たかし「構いませんよ」

病院には、ベッドに入りきらないほどの怪我人がいるのだ。全くの健常体である俺が、いていいわけもない。俺は、もう大丈夫だからと医師に告げ病院から外に出た。

たかし「ん~っ」

思い切り背を伸ばす。そういえば、体がすごい軽い気がする。

クラスメイト1「お、たかし起きたんだな」

女子1「折角お見舞いに来てあげたのに、おかげで台無しになっちゃったわ」

たかし「ご、ごめん」

どうやら、俺が知らない間に仲良くなっていたらしい。そう言えば、俺が入れ替わっている間の事を勇者から聞いていなかった。

女「大丈夫?」

トイレでの俺の悲鳴をたまたま近くで聞いたのか、女が俺のもとに駆け寄ってきた。

たかし「いや、痩せてたから吃驚しちゃって」

女「何それ……。自分の体触ったりして気づかなかったの……」

女は呆れながらも、笑っていた。この笑顔が何よりも大切だった。俺の本当に欲しかったものはいつも隣にいたのだ。

たかし「ちょっと、俺は行くところがあるから行ってくる!」

行かなくてはならない場所がある。

女「ちょっと、、どこに行くの!?」

女の声を背に受けて、俺は走り出した。

たかし「ふう……」

前は50メートル走るだけで限界が訪れるのに、今では結構走れるみたいだ。そこだけは感謝してやろう。

たかし「勇者……。俺、変わるよ。絶対にさ。約束する」

桜の木の前に立って、俺は友人と指切りを交わした。

最終章 終幕

プロローグ

女「何たかし、話って?」

たかし「ちょっとこれを付けてもらおうか?」

俺は目隠しを取って、女につけた。

女「な、何!?」

たかし「それじゃ、行きますよ! お姫様」

俺は女を抱えて、あの場所に向かう。

たかし「はい到着!」

俺は女につけた目隠しを取った。

女「もう何……? ここは……」

たかし「約束を叶えに来たんだ」

俺は小さな箱を取り出して、その中にある指輪を女の左手の薬指につけた。

たかし「女、結婚しよう」

女「はい……」

女は、涙を流しながら頷いた。

勇者「いや~、良かったね!」

魔王「流石に待たせすぎじゃないか? あれから七年だぞ?」

桜の木の後ろから、敵対していた筈の勇者と魔王が姿を現した。

たかし「聞いてたのか!?」

恥かしさが一気に込み上げてくる。

勇者「安心しろ。俺達だけじゃねえから」

後ろからぞろぞろと、俺の知り合いたちが姿を現した。

クラスメイト1「ヘタレなたかしもやっと結婚か~」

クラスメイト2「たかしおめでとう!」

DQN「かっこよかったす!」

茶髪DQN「流石たかしさん!」

赤髪DQN「一生ついていきます!」

委員長「流石、俺が見込んだだけはあるぜ」

女子2「女ちゃん良かったね~」

女子1「アンタは、待たせすぎなのよ!」

たかし「いや、それは経済的に安定してからかなってさ~」

女子1「言い訳しない!」

たかし「は、はひい!」

勇者「相変わらず、すげえわ。女子1」

魔王「俺でも怯みそうだわ」

女「皆ありがとう……」

勇者「お前も幸せもんだな。皆にこんなに祝福されてさ」

そういえば、勇者の顔を見て思い出したことがある。

たかし「おい、勇者」

勇者「何? ふげっ!」

勇者の顔に、俺のコークスクリューがヒットする。

たかし「てめえ、よくも俺の秘蔵コレクション全部捨てやがったな!」

勇者「いや、どっちみち地震で全部消えてたって!」

たかし「言い訳すんな! この野郎!」

勇者「誰か、助けてくれー!」

魔王「無様な姿だな!」

勇者「元はといえば、お前のせいだろうが!」

魔王「何の事かな?」

勇者「てめえ、あとで覚えていやがれ!」

J( 'ー`)し「あの子も変わったわね。そう思わない?」

J( 'ー`)し「ふふっ、貴方は相変わらずね」

J( 'ー`)し「さてと、私はお赤飯の準備しなくちゃね!」

~FIN~

これにて、完結です。

中盤から終盤にかけてかなり駆け足になってごめんなさい!!

才能が欲しいです。

一応、次回作はすでに頭の中にあります。

今度は、無能が異世界に飛んだはいいけど、結局無能という物語を書くつもりです。

だって、異世界に急に飛ばされて戦えるわけ無いじゃん? というのがコンセプトです

それでは、ここまで付き合ってくれてありがとうございました!

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