キョン「好きです、付き合ってください!」 鶴屋「えっ?」(82)

よろしくお願いします!

そんなに待てません><

今、お願いします。

――――屋上

鶴屋「やあ! こんな所に呼び出してどしたい? キョンくんっ」

キョン「来てくれたんですね。ありがとうございます。鶴屋さん」

鶴屋「いいよいいよ。かわいい後輩の頼みっさ!」

キョン「…鶴屋さん」

鶴屋「うん? 相談ごとかい?」

キョン「好きです、付き合ってください!」

鶴屋「えっ?」


あとよろしく!

鶴屋「キョ、キョンくんっ!? 突然何を言い出すっさ!」

キョン「何って、告白です。決まってるじゃないですか」

鶴屋「こ、こくは……!」カァーッ

鶴屋「い、いやいやキョンくんっ、冗談はよしてよっ!」

キョン「いえ、冗談じゃありません。俺は本気です」

鶴屋「えっ……え、え?」




こんな感じですか?
分かりません><

キョン「鶴屋さん、俺は至って真面目で、真剣です」

キョン「もう一度言います」

キョン「好きです、付き合ってください!」

鶴屋「ぅ、うぅぅ……(キョンくん……目がマジっさ……)」

鶴屋「ちょ、ちょっと考えさせて貰えないかい?」

キョン「勿論構いませんよ」

鶴屋(……キョンくんって、ハルにゃんが好きだと思ってたっさ……)

鶴屋(ハルにゃんじゃなくても、同じsos団のみくるや有希っこに気があると……思ってたけど……)

鶴屋(まさか私が、その、こ、告白……されるなんて……)

鶴屋(うぅぅ、めがっさ恥ずかしいにょろ! 顔、顔赤くなってないかな?)バッ

キョン「?(手で顔を覆って……どうしたんだ?)」

鶴屋(いや……そんな事はどうでもいいっさ! 問題は……問題、は……)

鶴屋(どう返事すればいいにょろ?)

キョン「あのー、鶴屋さん」

鶴屋(私にとってキョンくんは可愛い後輩くんで)

キョン「鶴屋さん?」

鶴屋(それに……友達、なのかな? 会えば結構話をしたりするっさ)

キョン「もしもし鶴屋さん?」

鶴屋(だから決して嫌いではないにょろ。むしろ好きなくらい)

キョン「…………」

鶴屋(でもでも! その好きは恋愛的な好きじゃなくて、友達として好きって意味だから!)

キョン「……」ソーット

鶴屋(あー、どうすればいいっさ!? 分っかんないにょろ!!)

キョン「……」ピトッ

鶴屋「ひゃっ!」ビクッ

鶴屋「キョンくんっ!? な、何をするっさ!?」

キョン「あはは、すみません。けど、こうでもしないと鶴屋さんが気付いてくれそうになかったもんで」

鶴屋「だからって、首筋に冷えた手を当てるの反則にょろ! めがっさ冷たかったよ!」

支援

鶴屋「キョンくんってば酷い悪党だね! ハルにゃんだったらドロップキックにょろよ!」

キョン「だから、すみませんってば。もうしませんよ」

鶴屋「当然っさ!」プンプン

キョン「それより、鶴屋さん」

鶴屋「……なんだい?」

キョン「告白の返事なんですけど」

鶴屋「!?」ワスレテターッ

キョン「その、すぐじゃなくても全然構わないんで」

鶴屋「えっ?」

キョン「いつまででも待ちますから、ゆっくり考えて下さい」

キョン「どんな答えでも受け入れますから」

キョン「それじゃあ、俺はこれで。突然変な事言って本当にすみません。返事、待ってます」

鶴屋「あっ、キョンく……」

バタンッ

鶴屋「行っちゃった……」

鶴屋「…………」

鶴屋(……私、告白されちゃったにょろね……)

鶴屋「ーー~~ッ!」ジタバタ

鶴屋(顔から火を吹いちゃいそうっさ!)

――――文芸部室




キョン「すまん、遅れた」

ハルヒ「あっ、こらキョン! 私に無断で何処ほっつき歩いてたのよ!」

キョン「岡部に呼ばれて、職員室に行ってんだ」

みくる「はいキョンくん」コトッ

キョン「ありがとうございます朝比奈さん」

ハルヒ「そんなところ、行く必要なんか無いわよ! 時間の無駄、そう、無駄よ!」

キョン「この活動の方が無駄だろ……」ボソッ

ハルヒ「なんか言った?」ギロッ

キョン「いーや、なんにも」

ハルヒ「まったく! キョンはまったく!」

キョン「やれやれ……」

古泉「お疲れ様です」

キョン「まったくだ」

古泉「一体何処で何をしていたのです?」

キョン「お前には関係ない」

古泉「ごもっとも。しかし、涼宮さんに無断で遅刻するのは、もうこれっきりにして欲しいですね」

キョン「ああ……善処しておくさ」

古泉「おや、やけにあっさり引き下がりますね」

キョン「疲れてるんだ、察しろ」

古泉「これは失礼。では、今日の将棋は明日に持ち越しですね。残念です」

キョン「あー、そうしてくれ」

長門「…………」パタンッ

ハルヒ「ん、じゃあ今日は解散ね! キョン、明日は遅れずに来るのよ、いいわね!」

キョン「へいへい」

ハルヒ「それじゃ、戸締まりはよろしく!」バイバーイ

みくる「私着替えるんで、戸締まりしておきますね」

キョン「すみません、朝比奈さん。お願いします」

古泉「では長門さん、帰りましょう」

長門「…………」コクッ

みくる「二人共……仲良いですね」

キョン「そうっスね」

みくる「もしかして付き合ってたりするんでしょうか?」

キョン「いやー、長門に限ってそれは無いでしょう」

みくる「そうかなー? うーん、案外お似合いだと思うけど……」

みくる「あっ、私そろそろ着替えますね。それじゃキョンくん」

キョン「ええ、また明日」

キョン「…………」

キョン(去っていく長門と古泉、二人の背中が頭から離れない。朝比奈さんの言うように、二人は一見すると付き合っている風に見えた)

キョン(俺も鶴屋さんと……あんな風に、隣り合って下校する事が出来るだろうか)

キョン(恋人に、なれるだろうか)

キョン「……帰るか」

キョン「……鶴屋さん……」

キョン(帰路に着き、俺は鶴屋さんの姿ばかりを頭に描きながら、いつもより時間を掛けて家を目指した)

キョン「はぁ……」





――――鶴屋ルーム




鶴屋「はぁ……」

鶴屋「あー!! もー!!」

鶴屋(どうしようどうしようどうしたいいんだろう全然落ち着けない冷静になれないぃぃぃぃぃいっ!!!!)

鶴屋「くぅぅーっ!! キョンくん、罪な男だねキョンくんっ! 私をこれほど苦しませるなんて!」

鶴屋「やってくれるにょろね、まったく!」

鶴屋「…………」

鶴屋「はぁぁ……」

鶴屋「キョンくん……かぁ」

鶴屋「私にとって、キョンくんは」

鶴屋「キョンくん、は……」

鶴屋「…………」

鶴屋「……何だか顔が熱いにょろ」

鶴屋「……喉渇いたっさ」


フラフラ…


――――台所


鶴屋母「あら、アンタどうしたの」

鶴屋「あ、お母さん」

鶴屋母「顔、真っ赤よ」

鶴屋「あぁ、いやー」

鶴屋母「なんかあったの?」

鶴屋「……にょろ」

鶴屋母「んー?」キュピーンッ

鶴屋母「はっはぁ、さてはアンタ……」

鶴屋「にょろ?」

鶴屋母「コクられたなッ!! どう!? 違うかい!?」

鶴屋「~~ッ」ボッ

鶴屋母「あらま、図星のようさね」

鶴屋「ち、違うっさ! 違うっさよ!」

鶴屋母「えー? 違ってないでしょー? ……どれどれ」レロッ

鶴屋「ぅひゃっ!?」ビックゥ

鶴屋母「この味は……嘘をついてる味だわ、我が娘よ!」

鶴屋「お母さんっ、それ止めてっていつもめがっさ言ってるにょろよ!」

鶴屋母「だが断る」

鶴屋「にょろ!?」

鶴屋母「まぁまぁ、いいからいいから。取り敢えず告白の全てをお母さんに話してみなさい」

鶴屋「い、嫌っさ」

鶴屋母「嫌とかそういうのじゃないの。話しなさい。私はお母さんとして、娘の色恋沙汰は知っておかなくちゃならないの」

鶴屋「うっ(これはいくら言っても退かないにょろね……今までの経験からして)」

鶴屋母「観念なさい」

鶴屋「……分かったっさ」




――――少女説明中


鶴屋母「うっはぁ! 後輩の子に! いいねぇそそるねぇ青春だねぇ」ニマニマ

鶴屋「あぅぅ……」

鶴屋母「んで、その告白してきた子って、どんな子なのよ?」

鶴屋「え? えーっと……」

鶴屋「キョンくんは……」

鶴屋母「え? は? なに? 今ナニくんって言った?」

鶴屋「キョンくんっさ」

鶴屋母「キョン! キョンくん! へぇぇー! なになになに、外国の子?」

鶴屋「いやアダ名で」

鶴屋母「アダ名かぁ! 面白いアダ名だねぇ! いや実に面白い! 実に!」

鶴屋(お母さんはしゃぎすぎっさ……)

鶴屋母「はぁー……あーあ、呼び名だけで私をこんなに楽しませるなんてね……その子タダ者じゃあないね」

鶴屋「お母さんがおかしいだけだと思ゅ!?」

鶴屋母「私は正常」ツネリツネリ

鶴屋「ぉはぁさんはしぇーじょー!!(お母さんは正常!!)」イタタタタ

鶴屋母「よろしい。で、そのキョンくんってどんな子なんだい?」パッ

鶴屋「いはい……うぅ……えっと、キョンくんは……」

鶴屋(……キョンくんって、どんな子?)

鶴屋(えーと、普通? 平均的? うーん、合ってるようで合ってない気がするにょろ)

鶴屋(なら……なんだろう)

鶴屋母「なんだい、言い難いのかい?」

鶴屋「いや、えっと、ちょっと変わってる、ような?」

鶴屋母「ほう」

鶴屋「うー、言葉では言い表せられないっさ」

鶴屋母「そうかい。じゃあさ、その子、見た目はどうなの? イケメン?」

鶴屋(イケメン……じゃないっさね。それは古泉くんの担当にょろ。ただ……)

鶴屋「よく見るとカッコいい……っさ」カァーッ

鶴屋(母親に何言ってるっさ私ッ)ハズカシーッ

鶴屋母「ふーん? あっそう。成る程ねー」

鶴屋(一体何が成る程なのか……)

鶴屋母「アンタはその子への返事を保留してるんだっけ?」

鶴屋「そうにょろ」

鶴屋母「そっかぁ……」ニマニマ

鶴屋「? 何にやついてるっさ?」

鶴屋母「あ? ああ、気にしなくていいんだよ。うっふっふ」ニマニマ

鶴屋「にょろ?」

鶴屋母「……あら、もうこんな時間。そういえば、アンタ此処に何しに来たの?」

鶴屋「あっ、水を飲みに来たんだったにょろ」

鶴屋「お母さん、コップ取ってほしいっさ」

鶴屋母「はいはい。飲んだら早く寝なさいよ」

鶴屋「はーい」グビグビ




――――
―――
――





鶴屋母「……いやぁー、若いっていいもんねー。青春時代に戻りたいわ」マジデ

鶴屋母「しっかしあの子ったら……キョンくんの事話す時――ずっとニヤニヤしてたわねぇ」

鶴屋母「うふふふふふ」ニマニマ

鶴屋母「孫の誕生は、割りとすぐかもしれないわねぇ」ニマニマ

――――通学路




鶴屋「うー、寝不足にょろ……」

鶴屋「まさか告白がこんなに高威力とは思わなかったね、お姉さんのhpがガリガリ削れていくよ」

みくる「あ、鶴屋さーん」タッタッタ

鶴屋「ん? おお、みっくるー!」

みくる「おはようございます」ハァハァ

鶴屋「おっはよー! 今日もみくるは可愛いねー!」

みくる「あは、ありがとう。……鶴屋さん?」

鶴屋「んー? 何かなーみくる」

みくる「夜眠れなかったんですか?」

鶴屋「えっ?」

鶴屋(隈は無かったと思うんだけど……)

みくる「何だかいつもより疲れてるように見えたんだけど……」

鶴屋(流石みくるっさ。抜けてるようで洞察力が凄いね)

鶴屋(……たまにしか発動しないのが難点だけど)

みくる「鶴屋さん?」

鶴屋「もー、みくるー、私は普段通りにょろよー?」

みくる「……そうですか?」

鶴屋「ただ、ちょっとみくるの可愛さに目が眩んだだけっさー」

みくる「え? もー鶴屋さんってばーえへへ」

鶴屋(ちょろいっさー)

――――昼休み




キョン「あー……」

谷口「おいおい、大丈夫かよキョン」

キョン「おー……」

国木田「朝からずっとこの調子だね」

谷口「どうしちまったんだ、こいつは」

国木田「キョンらしくないね」

谷口「まったくだ」

キョン(くっそ、一晩経ったら、とんでもない事をしちまった気がして仕方ねぇぜ)

キョン(妄動……だっただろうか。早まってしまっただろうか)

谷口「おいキョン、弁当食わねぇのか?」

キョン「おー……」

谷口「そうかい。なら、この卵焼きは頂くぜ!」

国木田「止しなよ谷口」

ハルヒ「キョン! あんた何腑抜けてんのよ!」

キョン「腑抜けてねぇーよ」

ハルヒ「ダラッダラじゃない! 普段に輪をかけてダラッダラじゃない!」

キョン「んな事は無い。というか、輪をかけてってなんだよおい」

ハルヒ「言葉通りよ。もう! しゃきっとしなさい!」


国木田「何だか『出来の悪い息子を叱る母親の図』みたいだね」

谷口「俺にはいつも通りにしか見えないね」

――――放課後




キョン「ハルヒ」

ハルヒ「? 何よ?」

キョン「すまんが、今日の団活は休む」

ハルヒ「はァ!? 何言ってんのよダメに決まってるでしょ!!」

キョン「体調が思わしくないんだ。今日は家でのんびりしたい」

ハルヒ「ダメに決まって……(でも、今日のキョンはなんか変だったし……)」

ハルヒ「…………」

ハルヒ「……分かったわよ。じゃあ、今日は帰りなさい」

キョン「! いいのか?」

ハルヒ「今日のアンタは腑抜けの極み、そんな奴に部室にいられると全体の士気が下がるわ」

ハルヒ「でも、今日だけよ! 本来sos団の活動を休もうだなんて、許されない事なんだから」

キョン「ああ、分かってるさ。恩に着るぜ団長様」

ハルヒ「ふふふ、しっかり敬いなさい!」

――――昇降口




キョン(……必要以上にそわそわしている)

キョン(こんな状態で部室に行っても、解散までひたすら貧乏揺すりをするだけになりそうだった)

キョン(そんな姿を見られるよりかは、自室で悶々としている方がマシではないか)

キョン(と、思っていたのだが……)



鶴屋「……あ」ピタッ

キョン「……い」ピタッ



鶴屋・キョン(鉢合わせたーッ!)

鶴屋「い、いやー! 奇遇だねーキョンくんっ!」

キョン「え、ええ、奇遇ですね鶴屋さん」

鶴屋「…………」

キョン「…………」

鶴屋「……あ、あれ? キョンくん、どうしてこんなところにいるっさ? いつもの集まりはどうしたにょろ?」

キョン「えっ、あー……ちょっと体調が優れなくて……」

キョン(件の告白の影響で団活に身が入らないから休んだ、とは……言えないな)

キョン「だから今帰るところ……」

鶴屋「キョンくん具合が悪いのかいっ!?」

キョン「えっ?」

鶴屋「じゃあこんなところで話してちゃダメじゃないかっ! 早く帰りなよっ!」

キョン「いや、鶴屋さん……大丈夫です、そんな深刻じゃないんで」

キョン「あ、でも、心配してくれてありがとうございます」ニコッ

鶴屋「!」ドキッ

鶴屋(うあっ、ニコッて。キョンくん、ニコッて! うぅぅ、直視出来ないっさ)ドキドキ

鶴屋(私どうしたんだろう、キョンくんの事……好き、なのかな。それとも、告白されて意識してるだけ?)

キョン「鶴屋さん?」

鶴屋「……あははっ、可愛い後輩の心配をするのは当然っさ!」ドキドキ

キョン「……後輩……ですか……そう、ですね」

キョン「あの、俺もう帰りますんで。……さよなら」

鶴屋「ちょっと待ちなよキョンくん!」

キョン「はい?」

鶴屋「途中まで一緒に帰らないかいっ?」

キョン「はい!?」ビックリ

鶴屋「体調が優れないキョンくんを一人で帰らせる訳にはいかないっさ! ……あ、た、他意は無いよ!」アセアセ

鶴屋「ダメ……かい?」

キョン「い、いや……」

キョン(こ、これは……この申し出は……受けるべきなのか? 待て! 待て待て……向こうから言って下さってるとはいえだ、あまりがっつくのは如何なものかと)

鶴屋「ダメなの……?」ウルッ

キョン「是非! 一緒に帰りましょう!」キリッ

――――帰り道




鶴屋「それでさ、キョンくん。体調って、実際どう優れないんだい?」

キョン「えっ」

鶴屋「ほら、風邪だったらいけないからね。気分が悪いとか……何かあるにょろ?」

キョン(仮病とは言えない)

キョン「あーっと、そうですね……なんかこう、胸が締めつけられるような?」

キョン(俺は何を言ってるんだ)

鶴屋「ふむふむ」

鶴屋「胸が締めつけられる……って、不整脈?」

キョン「えぇっ!?」

鶴屋「あっはっは! な訳ないよねっ! 驚かせちゃったかな! ごめんにょろ!」

キョン「もう、止めて下さいよ」

キョン(鶴屋さんが言うとマジなのかと疑っちまう)

鶴屋「あははっ! いやー、それにしても胸が締めつけられる? キョンくん、それはもしかして……」

キョン「もしかして?」

鶴屋「いわゆる、恋の病、ってヤツなのかなっ!?」

キョン「」

鶴屋「あれ? ……あ」カァーッ

鶴屋(恋の病って! 仮にも告白されてたのに、恋の病って! 完全にやらかしたにょろ!)

キョン「……そうですね」

鶴屋「!?」ニョロッ!?

キョン「鶴屋さん、確かにこの胸が締めつけられる感覚は、恋の病とやらの所為かもしれません」

鶴屋「…………」ドキドキ

キョン「俺は、貴女に恋をしてしまいました」

キョン「再三に渡って、しつこいですけど、好きです、鶴屋さん」

鶴屋「えっと、その……」オロオロ

キョン「なんか、すみません。返事は後でって言ってたのに、困らせるような事言って」

キョン「ただ、俺は最後に、もう一度、鶴屋さんに想いを伝えたかった……それだけです」

鶴屋「ん? ……最後? ど、どういう事っさ!」

キョン「鶴屋さん、鶴屋さんは俺を後輩としてしか認識してないんじゃないですか?」

鶴屋「!」

キョン「さっきも俺を後輩って言ってましたよね」

鶴屋「いや、あれは」

キョン「あの時、思ったんですよ。ああ、鶴屋さんにとって俺はずっと後輩ポジションなんだなって」

鶴屋「違っ」

キョン「でも、そんな後輩ポジの俺がした告白の返事、鶴屋さんはきっと真剣に考えてくれたんですよね」

キョン「鶴屋さん、今日何だかお疲れのようですから」

キョン「きっと、俺が傷付かないような断り方とかを、夜まで考えてたんじゃないですか?」

キョン「貴女は優しいから」

鶴屋「ち、違っ……」

キョン「なんか本当、すみませんでした。けど、俺は、想いだけでも聞いてもらえて嬉しかったです」

キョン「じゃあ……さようなら」



鶴屋「違うって、言ってるんだよさっきから!」



キョン「え」ビクッ

鶴屋「さっきから勝手に語ってどうしたっさ! なんかキョンくんらしくないにょろ!」

キョン「はぁ」

鶴屋「キョンくん!」

キョン「……はい」

鶴屋「もっとはっきりしゃっきり元気よく! キョンくん!」

キョン「は、はい!」

鶴屋「ふふん、よろしいっさ!」

キョン(なんだこれ)

鶴屋「いいかい」

鶴屋「キョンくん。キョンくんは私の何を好きになってくれたのかな」

キョン「え? ……あー、それ言わなきゃ」

鶴屋「ダメにょろ」

キョン「……はい、言います」

キョン「……鶴屋さんの八重歯」

鶴屋「えっ?」

キョン「スレンダーな体、笑顔、気さくな人柄、独特な口調、勘や洞察力の高いところ……えー」

キョン「……全部好き、ですね」

鶴屋「っ!」マッカッカ

鶴屋「あ、ありがと……じゃなくて!」ブンブン

キョン(可愛い)

鶴屋「キョンくんがね、私の全部を好きなように、その、私も……」

鶴屋「私もっ、キョンくんの全部が好きっ」

キョン「えっ!?」ドキッ

鶴屋「昨日からずっと考えてきたっさ。ずっと」

鶴屋「『私はキョンくんが好きなのかな』って」

鶴屋「ずっと考えて、お母さんにも話して」

キョン(話したんですか!?)

鶴屋「最初は、告白されて意識してるだけかもって、思ってたよ」

鶴屋「けど」

鶴屋「キョンくんの事を考えてると顔は赤くなるし、身悶えちゃうし、本人に笑顔を見せられたらクラッときちゃうし」

鶴屋「それで私、気付いたっさ」

鶴屋「私は、キョンくんの事が好き」

鶴屋「歳の割りに老成した物言いとか、気だるそうな感じとか、優しいところとか」

鶴屋「勿論、見た目も」

鶴屋「全部、好き」

キョン「つ、鶴屋、さ……」

鶴屋「告白の返事は『はい』にょろ」

鶴屋「だから、キョンくん」

キョン「!」



鶴屋「これからは先輩後輩じゃなく、彼氏彼女として……よろしく、ね」

――――鶴屋・キョン近くの茂み






みくる「鶴屋さん……キョンくん……良かったぁ」

古泉「これは中々、良いカップルかもしれませんね。(涼宮さんにバレなければいいのですが)」

長門「ぱちぱちぱち」

古泉「長門さん……無表情でそれは……いえ、何でもありません」

古泉「しかし……昨日、彼の様子がおかしいと思ってましたが……まさか鶴屋さんに告白していたとは」

みくる「今朝の鶴屋さんも様子が変でしたぁ」

古泉「突然の告白に戸惑っていたのでしょう。……けれど、これで万事解決です」

古泉「僕と長門さんが仲睦まじく帰る様子を彼に見せたのが効果的でしたね」

長門「あの演技に効果なんてなかった」

古泉「えっ」

長門「貴方が何を思ってあんな事をしたのかは知りたくもない。ただ結果的に、あの演技は無意味だった」

古泉「」

みくる(長門さんキツイなぁ)

古泉「……そろそろ部室に行かなくてはいけませんね」

みくる「あっ、そうですねっ。急いで着替えなくちゃ」

長門「……涼宮ハルヒは今、部室で静かに肩を震わせている模様」

古泉「朝比奈さん、長門さん、ダッシュで行きますよ! あ、部屋に入るのはバラバラで(プルルルル

古泉「……バイト行ってきます」

みくる「が、頑張って下さい(踏んだり蹴ったりだなぁ古泉くん)」

みくる「じゃあ長門さん、行きま――あれぇ!? いない!? 長門さぁーん!!」

――――
―――
――





キョン「ん?」

鶴屋「どうしたっさキョンくん?」

キョン「いえ……今、朝比奈さんの声が聞こえたような」

鶴屋「…………」

鶴屋「……」ソォーット

鶴屋「……」ピトッ

キョン「うおぁっ!!!!」ビックン

キョン「な、何をするんですか!」

鶴屋「昨日のお返しっさ」

鶴屋「それと、か、彼女と二人っきりなのに、別のみくるの名前を出す不届きな彼氏へのお仕置きだよっ」

キョン「うっ、そう言われると何も言えない……」

キョン「すみませんでした鶴屋さ――」

鶴屋「あっ」

キョン「?」

鶴屋「キョンくん、いつまで私を『鶴屋さん』って呼ぶ気にょろ?」

キョン「ダメですか?」

鶴屋「ダメダメだよっ! それに敬語も頂けないねっ」

鶴屋「いいかいキョンくん、敬語は全撤廃っさ。それから私を下の名前で呼ぶ事っ」

キョン「えーと、鶴屋さん、俺鶴屋さんのフルネーム知らないんですけど」

鶴屋「なんだってー!? くっ、じゃあ教えてあげるっさ!」



私の名前は――

キョン「好きです、付き合ってください!」 鶴屋「えっ?」



終わり

つ、疲れた……即興は疲れるね。
なんか話もやっつけだし……ごめんね。

支援してくれた人、ありがとう! スゴい励みになったよ!

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