世界『ああ、憐れむべき愚かしき若者よ』(217)

宇宙『愚かしくいたましい境遇よ』

大樹『お前が自分勝手に罪を作り、永劫に投げ入れられようとしている焦熱地獄を思え』

--その地獄へお前は…

『『『大急ぎで行きつつあるぞ…』』』

スレ立てんの初めてだし今から即興で書くからオカシな文になるかもだけど、俺が自分の中に持ってる物語の一部を書いてくよ。あと携帯からだから遅いかも。

影「…………」

薄い暗闇に、彼はいました。

復活の時を待っています。

彼の胸の中にある宝石が、鈍く光っていました。

ついにヨミガエル時です。

彼の復活を妨げていた存在が希薄になり、ついには完全に消滅します。

影はケタケタと、音をたてずに嗤っていました。

「巫女さま、巫女さまやぁ」

誰かを呼ぶ声が小さな村に響きました。

「はぁい」

返事を上げたのは村の端で薪を運んでいた少女でした。

「なんですか?」

少女は手の汚れを払うと、自分を呼んだものの所へ歩いていきます。

「今日は神さまの森にお供えをする日だよ、分かってるね?」

「はい、薪を片付け終わったら、すぐ向かいます」

「分かってるならいいんだよ」

今まで喋っていた老婆は、話を終えるとすぐに家の中に戻っていきました。

「はぁ……」

少女の口から思わずため息が漏れました。

少女は仕事に戻ります。



「…………」

神さまの森の最奥で、少女は四人の騎士を奉る祠に祈っていました。

「……よしっ」

お祈りを終えると、少女は持ってきた果物を供え、立ち上がりました。

「…?」

役目を終えた少女が村に戻ろうとした時でした。祠の中から何か物音がします。

かたかたと、何かが震えるような音は次第に強くなっていき、

「きゃっ!?」

果てには祠の扉を破り、中から何かが飛びだしました。

少女の半分程もない祠から出てきたのは、目も眩む程の閃光でした。

あまりの眩しさに、少女は目を閉じます。

やがて閃光が収まった後、少女が目を開けると目の前に見た事もない男がいました。

(誰……?)

光が閃いてから、誰かが少女の近くに寄ってきた気配はありませんでした。

(もしかして…、この人が祠の中から出てきた…?)

少女は座り込んでいる男を観察します。

男と言うよりかは、青年か、少年といった様相の彼は、珍しい服を着ていました。

年は少女と同じくらいでしょうか。

男はゆっくりと首を上げます。

「…………」

数秒男と少女の視線が交錯します。その間少女は目の前の男について、考えていました。

「……もしかして、騎士、様?」

少女が恐る恐る、といった様子で尋ねました。

「あ?」

「 」

男は少女に一瞥をくれると、側に転がっていたリンゴを手にとりました。

「あ……」

「 」ガブッ

男はお供え物を遠慮なく口にしました。

少女が唖然としている間に男は祠が壊れた際、衝撃で転がったお供え物らを、次々と平らげてしまいました。

「あ、あ、あなた……」ワナワナ

「ん? …もしかして食っちゃいけなかったか? そうじゃないなら、その足元に転がってるやつ、くれよ」

少女は再び開口します、ここまで厚かましい人間を見るのは、生まれてから初めてだったからです。

「お、おおおおお!! 巫女さま、それでは、本当に…!」

「ええ…、その方が祠から現われたのは間違いありません」

祠から現われた謎の男は、少女に連れられ村に訪れるやいなや、村の住人に囲まれていました。

「言いつたえ通りじゃ…! 祠より騎士様が、わしらを守りに来てくださった……!」

「言いつたえぇ?」

「はい、古くよりこの村に伝わっております、村が危険に瀕した際、祠より神様が四騎士の一人を遣わしてくださるという……」

「……」

「王都の連中がこの土地を明け渡せと言ってきておりましてな…」



「それでは、この家を使って下さい」

少女に案内され、男は村の端にある小さな家にいました。

「……留まるつもりもないけどな」

「…。お食事は後でお持ちします」

なんか面白そうなので期待して待ってる

ちなみに>>1みたいに注意書きしたり必要以上にss外でレスすると嫌がる人も多いから
こだわりが無ければ次にスレ立てる時はやめといたほうがいいと思うよ

>>10
なるほど、次からはそうする、親切にありがとうな。

「…と、四騎士は世界を滅ぼす災厄を封じていると言われています」

男が村を訪れた翌日、巫女の少女は男に村の伝説を話しました。

「……。で、封印を破って逃げた災厄を捕まえる為に騎士達が遣わされたと?」

「ええ、…この村の祠以外にも騎士様達に通ずる社は在ります。そのいずれから災厄が現れたのかもしれません」

「へぇ」

険しい表情の少女に対して、興味も無さそうに男は相づちをうちました。

「あなたが四騎士の内の一人、白騎士だという事は間違いありません」

少女は男の頬に走る紋様に視線を向けました。

「その顔のしるしこそ、白騎士の証なんですから」

「ああ、だから村の奴等も俺を疑わなかったのか」

「はい。……あの、白騎士様?」

「なんだ」

「席を外していいでしょうか、そろそろ村の仕事をする時間なんです」

男は、少女の後に着いていってみることにしました。

畑の世話、家畜の世話、水汲みをしたりと、少女の仕事とはおおよそ巫女の仕事とは言い難い物でした。

「村には、他に働き手はいないのか?」

「…皆さん、ご老人ばかりですから。それに若い人は村を出てしまいましたから」

検討はつきつつも、男は少女に尋ねます。

「なんでお前はここにいるんだ?」

「巫女としての務めがありますから」

「白騎士さま!」
「騎士様!」
「白騎士殿!!」

村に戻ると、男は老人達に引っ張りだこでした。その間に少女は、別の場所に行ってしまいます。

「彼女は…、随分忙しい見たいだな?」

男の言葉に一人の老人が答えます。

「ん…? ああ、あの娘ですか。あれはいいのです、それが務めですから」

男は眉をしかめましたが、老人達は気付きませんでした。

「あれは騎士の巫女ですからな、働いている時以外は騎士様の好きにして下さって構いませんぞ」

それから数日、男は村にいました。暇な時は少女の務めを手伝ったりしながら。

そしてある晩の事でした。

「ぎぃやぁぁぁぁぁああああああ!!」

叫び声に男は目を覚まします。

「……」

男は護身具代わりの果物ナイフを手に取ると、足を忍ばせて家の外に出ました。

村が焼けていました。各家々が見渡せる小さな村ですから、状況はすぐ掴めます。

青銅の鎧を着た人間の群れが、木と藁でできた燃えやすそうな村を自由にしていました。

男は兵士達に見つからないよう、傍の茂みに身をひるがえします。

彼らは目についた物から破壊しているので、統率は皆無です、これでは兵士達の力量をはかる事はできません。

男は村で一番大きい屋敷に向かいます。



「お、お前らぁっ! わしを…騎士様の加護のあるわしを殺して、ただですむと――」

村長の言葉は、兵士の剣でザックリと途切れました。

「隊長殿ぉ、見てくだせぇ!」

兵士の一人が声を上げます。

「あん? なんだ? 俺はコロシの時間を邪魔されんのが一番……おっ」

「へへ……ジジババばかりの村かと思ったらちゃんといましたぜ、しかもかなりの上玉でさぁ」

部屋の奥から巫女の少女を連れた兵士が姿を見せました。

「よーし、俺が一番な、お前は見つけた手柄で次にしてやる」

「へぇ! じゃあ、早速……」

少女に手をかけようとした兵士の前で、隊長の男が前のめりに倒れます。

「へ? 隊長ぉ、そりゃ何のジョウダンで――へげっ!?」

飛んできた剣で首が飛んだ男は、目の前の男に覆いかぶさるように倒れました。

「騎士様…」

白騎士の男は、指を口に当てて少女に見せます。

「生き残りはいないだろう、さっさと逃げるぞ」



村を囲っていた森を抜けると、見渡す限りの草原に出ました。

途中で気を失った少女を背負いながら、男は呟きます。

「ざまぁねぇな」

「騎士様……もう歩けますから降ろして下さい」

「ああ」

村を出てから何日も、男と少女は歩いていました。少女が疲れた時や、寝ている間は男が少女を背負って歩いているので、男は言葉通り歩き詰めです。

食べ物については、少し道を外れれば果物の生った木が見つかるので、困りませんでした。

「本当に、この先に町はあるんでしょうか…」

「街道があるんだから、あるだろ」

男のこの発言だけを根拠に、二人は同じ景色を進んでいます。

「肉が喰いたい」

少女がこの発言を聞くのは八度目でした。

「…食べる事ばかりですね? 騎士様は」

「それしか大欲が残ってないからな」

運よく町が見つかるのは、それから四日後でした。

村を出る間際に、少女は自分の少ない所持金を、男はどこからか持って(くすねて)きた貨幣を持ってきていたので、二人は一宿を借りる事ができました。

少女が宿で休んでいる間に、男は町にでます。

「へぇ、その年で城の騎士に成るのかい」

町の酒場に、男はいました。酒を注文して、男は店主に尋ねます。

「ああ、ところで今は何年だったかな? 歴書に書かなきゃいけないんだけど、度忘れしてね」

「うん? 今はレジス様が即位なさって、百八十四年目だ。ははは、それじゃあ城の騎士は勤まらねぇぞ?」

「いいんだよ、俺は肉体労働専門だから」

男が言うと、何がおかしいのか酒場の店主はゲラゲラと大笑いをしています。

(少なくとも、俺が眠ってから二百年が経っている…)

「ありがとう、またくるよ」

「オウッ、採用試験、頑張れよ!」



「…………ん…?」

少女は目を覚ますと辺りを見渡して、少ししてから今いる場所が村では無い事を思い出しました。

「騎士様……?」

宿についてから部屋に入った後の記憶がありません。ベッドにうつぶせで寝ていた事から、少女は部屋に着くとすぐ寝てしまったようでした。

少女は眠気が晴れると、今度は食欲を強く感じました。

ベッドから近い位置にある小さなテーブルに、麻袋が乗っています。少女が中を確認すると、銀貨が入っていました。

(使って…いいんでしょうか…)

誰かが返事をくれるわけでもないので、少女はとりあえず部屋を出る事にしました。

宿の主人に聞くと、食事は夜にならないと出さないそうで、少女は外で料理店か、売店でも探す事にしました。

場所は離れて、少女のいる町を見下ろす者がいました。

辺境に住む、恋愛の神でした、彼は自分の行いから神達の世界を追放され、寂しい生活を送っています。

彼は自らが司る象徴と同じく、恋愛に盛んな男でした。人間界にいるのは、女の復讐が怖いからでした。

「うむ……まったく、人間の女にはろくなのがおらんな。ホレ、あの女など、馬の様な面をしておる」

自分の発言に、恋愛の神は大笑いします。

「ぬぉ!?」

しかし今日は、彼の眼鏡に適う者がいました。

「なんだ…? あの可憐な少女は……。あのような者、この町にいたか?」

恋愛の神は暇さえあれば女を見ていたので、町の女は全て見たつもりでいました。

「嬉しい誤算というやつだな」

恋愛の神は今まで遠視していた町へ飛んでいきます。



「店主さん、それ下さい、あとそれも、…それも!」

「…嬢ちゃん、よく食べるねぇ」

その頃少女は売店で食べ物をあさっていました。

小さな村の出である少女にとって、町の食べ物はどれも豪華に見えました。

そんな少女を呆れ半分、驚き半分で見ていた売店の店主の前から、突然少女が消えました。

「!?」

少女がいた後には食べかけのパンだけが残っていました。

突然宙に上がった衝撃で気絶した少女を抱え、恋愛の神はニタリと笑いました。

「伴侶とするにはまだ早いが、神界の女共には無い魅力があるな」

恋愛の神は少女を連れて、瞬く間に住居へ飛び去っていきました。

超抜風呂休憩します、すいません。

「艶やかな茶髪、洗練された体のライン……ううむ、やはり実物は違うな……」

「……」

少女は不快感から目を覚まします。

「っ……! ぎゃああ!!」

その正体は少女を間近から覗きこみ、吹き掛けられていた恋愛の神の荒い息でした。

驚いた少女は飛び上がって恋愛の神から離れます。

「おや、起きたかい」ニカッ

「~~~~っ!」ゾワゾワ

嫌らしい笑みを浮かべる謎の男に少女は鳥肌を立てます、恋愛の神としては、彼最高の甘い笑い顔だったのですが。

「そんなに怯えなくてもいいんだよ、さ、こっちにおいで、僕等は今日から夫婦なんだから」

「ふ、夫婦?!」

「そうだよ、君なら僕にふさわしい」

少女には意味が分かりません。それもそのはずです、女神達から見れば、恋愛の神は最高の見た目をした男ですが、少女から見れば恋愛の神はただの顔髭の濃い中年オヤジでしたから。

少女は思わず自分の身体を擦りました。

「ん? ああ、安心して。僕は初夜はお互い同意の上でやる主義だからね」

「……」

白騎士の男が宿の部屋に戻るとそこはもぬけの殻でした。

「……飯でも食いに行ったのか?」

しかし、暗くなっても少女は帰ってきませんでした。

男が宿の主人に少女の事を聞くと、昼に出ていったと言われました。

「どこに行った……?」



「また女ですか、カリサ様」

そう恋愛の神に声をかけたのは橙色の髪をした、腰に大きな剣を吊した男でした。

「黒騎士殿…、私の事は恋愛の神と呼ぶようにと、言ったはずですが?」

恋愛の神の言葉に黒騎士と呼ばれた男は頭を下げます。

「…失礼しました、恋愛の神」

「うむ…、それで女と言ったか」

「はい」

「彼女は私の妻だ、そこらの売女と一緒にするではない」

恋愛の神は注意すると、黒騎士の横を通り、長い廊下を歩いていきました。

恋愛の神を見送って、黒騎士は下唇を噛みました。

(私が仕える主君は……あのようなものではない、神界に渡る術さえ判れば…っ)

「ですから、いくら言っても無駄です。私をあの町に帰してください」

恋愛の神の何人もの女神を落とした口説き文句も少女には通用しませんでした。

今もその失敗回数が増した所です。

「なんと強情な女だ……、それだけなら神界の悪女にも勝るかもしれん」

思った事をそのまま口に出してしまう恋愛の神を、少女はますます嫌いになりました。

「あれから三日も経つのだ、飲まず食わずでは堪えるだろう?」

「……」

「…まぁ、気が変わったら言うがよい」

恋愛の神は気に入った物は手に入れなければ済まない性格でした。



夜。恋愛の神が寝静まったころ、少女の所に黒騎士が来ました。

「…黒騎士さん」

「水だ。飲め」

少女は手渡された水を呷りました。

「すまない、食糧庫には鍵がかかっている。やはり破るのは出来そうもない」

「大丈夫です、お水だけでもありがたいですから」

「……」

黒騎士は少女の横に座りました。

ここ数日、彼らは夜の短い間、少し話をしていました。

「お前からは、何か懐かしい匂いがする」

「…臭います?」

「いや…、気配と言った方が正しいか、昔の盟友と同じ感じがするんだ」

「それ、きっと白騎士様のですね! 私達、少しの間一緒にいましたから」

「……。そうかもな」



「気は、変わったか?」

「……」ツーン

恋愛の神の質問に少女は沈黙を返します。

「……仕方ない」

恋愛の神は懐から小さな鎖に繋がれた青いクリスタルを取り出しました。

「…?」

「一人目の妃だ…、これは使いたく無かったが」

クリスタルが淡い光を放ちます。

「私の妻になれ」

「………いやです」

少女は恋愛の神を半眼で睨み付けます。

「な、何!?」

恋愛の神は手にしたクリスタルに視線を移しました。その洗脳具が壊れた様子はありません。

「なんだ…その石は…?!」

恋愛の神は少女の胸元で小さく光るネックレスを凝視します。

「!」

少女も言われて初めて気が付き、驚いてネックレスに視線を落としました。

「よう、クソ野郎」

恋愛の神が真横にもの凄い速さで飛んでいきます。神の住まいらしい豪華な装飾品などを破壊しながら壁に大穴をあけました。

「騎士様!」

「いい加減同じ風景の中を走るのは飽きたぜ」

「貴様、どうやって……」

恋愛の神を無視して、白騎士の男は少女に話し掛けました。

「さ、帰る――よな?」

「はい!」

振り返った男の前に、黒騎士が立ちふさがりました。

「黒騎士さん…」

黒騎士は少女へ一瞬視線を向けると、腰の剣を引き抜きました。

「く、黒騎士、殺せ。逃がすな、あの結界を破ってきたのだ、無事な筈が無い…」

「結界? ああ、シャボン玉みてーなのがあったな? そういえば」

「お前も出ていたのか」

「あん? 誰だ退けっ」

黒騎士は白騎士に剣を振り下ろします。

『ローズマリー』

突然白騎士の前に剣が現れ、白騎士はそれを掴んで黒騎士の剣を受けました。

「黒騎士さん! その人が白騎士様です! 仲間ですよ!?」

少女が叫びました。

「いや、こいつは――がっ!」

言葉の途中で、白騎士が黒騎士を剣ごと横になぎとばしました。

「黒騎士…。腕が鈍ったんじゃあないか?」

「く……はあぁっ!」

黒騎士が気合いと共に放った斬撃を白騎士は簡単にかわし、黒騎士を蹴りとばします。

黒騎士が体制を立て直そうしますが、剣を持った腕は白騎士に踏まれ、首筋に剣を当てられて動けませんでした。

「やめてください白騎士様!」

少女が白騎士の男の腕を引っ張り、黒騎士から剣を引かせます。

「はっ!」

黒騎士は好機を逃さず、白騎士の男から逃れました。

「ちゃんと戦え黒騎士! さもないと、神界に行く術など教えんぞ!」

「…分かっています。次で決着だ」

「……」

睨み合う黒騎士と白騎士の男から、少女は数歩引きました。

「分かってくれ……」

黒騎士は少女と目を合わせると、瞼を下げて集中します。

けたたましい金属と金属が擦れあう音が響きました。

白騎士の男は黒騎士を突破し、恋愛の神に到達しました。

「ひっ、ひぃい!」

「愛しい胴体とお別れしたくなかったら、神界へ行く方法とやらを言え」

恋愛の神は自分のすぐ横にある剣に歯を鳴らしながら、質問に答えました。

「にに、虹の島に行くんだ! そこから、らば、番人が神界に送ってくれる!」

「そうか、ありがとよ。もし同じ目に遭いたくなかったら、二度とこんなことするんじゃねぇぞ」

「は、はぃぃ…!」

「……虹の島」

白騎士の男と恋愛の神の話を聞いていた黒騎士が呟きました。

「黒騎士さん! 大丈夫ですか!?」

介抱しようと走ってきた少女に気付かず、黒騎士は立ち上がります。

「虹の島に行かなくては……」

「神界に行ってどうするつもりだ?」

白騎士の男が黒騎士に尋ねます。

「我が王レジスの間違いを正さなくてはならない。…お前も騎士のつもりなら、現、神の王が王たる器でわ無いくらい分かるだろう」

「さぁ? 少し前に世界に出たばかりだからな」

黒騎士の言葉に白騎士の男は両の手の平を持ち上げ、興味がなさそうに言いました。

「彼は……、前王を倒してから王に成り代わり、今まで民に暴虐の限りを尽くしている。お前は封印され、知らなかっただろうが…」

「そんな事だろうと思ったぜ」

「私は今から神界に戻り、彼を倒す。邪魔するならお前から斬るまでた」

黒騎士はそう言うと、窓を破って外に出ていきました。

>>46
最後のセリフ

器では無い事くらい分かるだろう、でした。

ぶんの法則が みだれる !

のでクリエイティブパワー吸収してきます。少し休止。

「……さてと」

白騎士の男は巫女の少女に向き直り、尋ねます。

「これから俺は、神の所に行く。お前はどうする、一緒に来るか?」

「勿論です、騎士様」

少女は微笑んで、言いました。

「…くどいようだが、もうこっちには戻ってこれないかもしれないぞ?」

返事の代わりに、少女は白騎士の男の手を引きました。



「あれ? 近くに別の町なんてありましたっけ?」

見慣れない場所に、少女は首を傾げます。

「ああ、あの町からあの神の屋敷までは凡そ町百個分くらい離れてたからな」

白騎士の男は溜め息を吐きながら少女の疑問に答えます。

「町…百個分ですか?」

「多分な。急いで走ったからよく分からん」

「……」

白騎士の男に言われてみれば、確かに攫われた日、少女は高速でどこかを移動していた憶えがありました。

「とりあえず、虹の島ってのの場所誰かに聞くか。それともお前知ってたりする?」

白騎士の男の質問に、少女は首を横に振りました。

虹の島についてはその日の内に分かりました、それは町の人間なら子供でも知っている事ですから、聞いた白騎士の男と少女は白い目で見られましたが。

虹の島というのは俗称で、その場所は人間が神を讃える古い聖域だそうで、その様な俗称が付いたのは、そこが七色に分かれた国々の中心にあるからだそうです。

白騎士の男と少女は、明日からこの一帯を統べる"青の国"の王都に向かう事にしました。

やべー
名前書いてあるssに慣れすぎてたから混乱してきたww

「全く……薔薇にトゲは付き物だが、あんなものが付いていたとはな……」

恋愛の神は負傷した患部を庇いながら、彼以外の誰も知らない隠し部屋の扉を開けました。

部屋には呪術的な装飾がされており、中心には透き通った水晶が浮いていました。

「王に…知らせれば…」

恋愛の神は水晶を覗き込み、そして絶句します。

「ア~ハァン? そのまま動くなよ?」

首に刃物を押しあてられるのは今日で二度目でした。

>>52
分かりにくい? 名前つきにした方がいいかなやっぱ。

「だ、誰だ…?」

恋愛の神の質問に、彼の背後にいる誰かは答えませんでした。

「いいから俺の質問に答えろよ。じゃなきゃ…神の席が一つフリーになっちまうかもな?」



「はぁぁ…これが馬車ですかぁ」

少女が関心して呟きます。

「歩くよりかはいいだろ」

白騎士の男は馬車の操者に行き先を告げ、料金を払います。高価な費用の出所について、馬車に夢中な少女は気付きませんでした。

白騎士の男が指で示した方では、神の王がなんとか身を起こそうとしているところでした。

「あ、悪魔共よ! 俺を守れェッ!」

王が叫びますが、答える者はいません。

「残念だけど、アイツラみんな、今ごろ地獄でスリープしてるゼ」

青騎士が代わりに答えました。

「もう終わりだ……。こんな事ならラグナロクが引き起こされる前にあなたを止めるんだった…」

黒騎士が剣を構えて王に近づいていきます。

「フ、ククククク……」

王から笑い声が漏れます。

「くひゃ、ぶひゃはははっ!」

「……」

黒騎士は足を止め、

「気でも狂ったか…?」

白騎士の男は顔をしかめ、青騎士も同様でした。

「まだだ、まだだマダダァッ!」

魔の釜が光を放ちます。光が晴れると、少女以外の全員がその場に倒れていました。

「ふぅ、ふぅ。アレには、こんな使い方もある。奥の手だったが…」

王がゆっくりと立ち上がります。

「体が…!?」

「…動かねエ!」

倒れた騎士に王は薄笑いを浮かべます。

「血を縛ったのだ……、騎士の、血の盟約が仇になったな…グヒ」

王は小刻みに嗤いを漏らしながら、少しずつ騎士達に近づきます。手には折れた魔剣が握られていました。

「馬鹿な…、あんたも騎士だったろうがヨ!」

青騎士が叫びます。

「…ぐ、…はぁ。騎士、だったな」

王は膝をつき、言葉をきります。

「…そうだ」

王は少女に視線を向けて言います。

「そこの人間、私の代わりにその者共の首を落とせ」

少女は王の言葉に困惑し、首を横に振りました。

「しません! そんな事」

王は薄笑い浮かべて言い続けます。

「お前の前にいるその男が、封じられていた災厄だと言ってもか?」

「さいやく…?」

少女が呟き、王が頷きます。

「それだけではない、その男こそラグナロクを引き起こした筆頭者、その悪名はミズガルズにも伝わっているだろう」

「……」

王は話を続けます。

「その男は白騎士などではない! 私こそが四騎士の一人、白騎士なのだ、この勝利の弓こそその証拠よ…」

「そう、なんですか…?」

少女が黒騎士と青騎士と、災厄に尋ねました。

「……」

「…まずくネ?」

黒騎士は沈黙し、青騎士はぼそりと呟き、

「そうだ、ラグナロクを引き起こしたのは俺だよ」

災厄は言います。

「まずはその大罪人の首をとるのだ! そうすれば災厄と共に私に刃向かった罪は帳消しにしてやろう」

神の王は諸手を上げ、立ち上がります。

「さぁ…、罪人の首をとる剣を取りにくるのだ…」

少女は災厄の傍を離れ、

「この魔剣を使うのだ」

王の前に立ちふさがりました。王の薄笑いが凍り付きます。

「例えそうでも、私がここでするべき事は分かります! 村娘だからって馬鹿にしないでください!」

少女が短剣を握ると、王の目が吊り上がります。

「このッ…、愚か者があァッ!」

王はクラウ・ソラスを少女に投げつけます。

「避けろ!」

黒騎士が叫びますが、少女は反応できません。

「だらっ!」

災厄はリア・ファルを少女に投げあてました。

災厄は同時に魔の釜へ向け、銃を発砲します。

クラウ・ソラスは少女に突き刺さり、そのすぐ後に黒騎士が飛び出しました。

断末魔も無く神の王は首を撥ねられます。

「お前は王の器では無い!」

「ヒュゥ♪」

青騎士は倒れた少女を受け止めます。

黒騎士は急いで少女に駆け寄り、

「……! …はぁ」

安堵の息を漏らしました。

「リア・ファルをこの子に 同化させたのかヨ、思いつかなかったゼ」

青騎士の周囲に浮いていたリア・ファルの欠片が少女に融けていきます。

「騎士様は…」

少女が違和感のつく体を持ち上げ、視線を動かします。

「…私は、お前が前王の首をとった事を忘れない」

災厄には、黒騎士が話をしているところでした。

「次は、俺の首でも、落とすつもりかよ……?」

指一つ動かさず、災厄は言います。

「…そのつもりは無い。今回の件は感謝している、それに私は、騎士の在り方が判らなくなったのだ……」

黒騎士は剣を鞘に収めます。

「ホレ、言いたい事があるなら早く言いな」

青騎士は足下がおぼつかない少女を災厄の前に連れていきます。

「騎士様…」

災厄は顔を上げます。

「最後にあれだけ力を使えたのは、お前のお陰だ……、ありがとよ」

災厄の言葉に少女は目を滲ませました。

「騎士様、死んじゃうんですか……?」

「そうだな……」

「……」

「ここまで連れまわして悪かったな、あのクソに封じられた力を使うには、純粋な心を持った奴が必要だったんだ……」

「騎士様…」

「……そういや、まだ名前も聞いて無かったな」

「今更ですか? ……そういう騎士様のお名前は、なんていうんです…?」

「ライト」

「…ライト様、私の名前は――」



「ありがとうございます、手伝って頂いて」

少女は二人の騎士にお礼を述べ、頭を下げます。

「いいって事ヨ」

「君がしなくても、私達がするつもりだったからな」

青騎士の後に黒騎士が続けていいました。

「さて……、王国と、この世界を建て直さなければな」

黒騎士は顔を上げて言いました。

「でも、もう王様いなくネ?」

青騎士が尋ね、返答した黒騎士の言葉に青騎士と少女は唖然とします。

「女王などどうだろう。戴冠石が認めた者が、一人いる」

「あ……?」

見渡す限り白いだけの空間でした。

世界(目が覚めたようですね)

「…………」

世界(お察しの通り、あなたはまた死にました。今度は魂を囚われる事無く、完全に死にましたが)

「…………」

世界(そろそろ石も役にたたなくなりますよ、転生して役目を逃れる事は出来なくなります)

「うるせぇなぁ、転生が出来なくなる前に、お前らを消せば問題解決だ。何ならいますぐやるか?」

世界(…その器は、あなただけが使うべきでは無いのです)

「俺の魂は俺だけの物だ。正と負のバランスとかでてめぇらが勝手に滅びようが知るかよ」

世界(……あなたが消耗したとき、気をつける事です。私はともかく、宇宙はこれ以上黙っていません)

「…………」

次に気が付いたのは闇の中でした、五感や視覚は無くなっていました。空間の存在だけを認識します。

闇の中で、誰かが語りかけてきます。

(主よ、転生しても、使える力の上限が減っておる。時間が無い。次か、二つ先が最後じゃろう)

話し掛けられますが返事ができません。相手はそれを承知しているのか、話をすぐに続けます。

(わらわの力ももうすぐ尽きる……じきに、主はわらわの記憶も失うじゃろう。だけど、その名は……、自分の名だけは覚えておくのじゃぞ)

(ライト……)

くすんだ魂は闇の中に沈んでいきました。

ここで一旦終わりです。
ネタが尽きたのでしばらくしてから続きを書きます。

ここまでのお話の元ネタは北欧神話、ケルト神話などを混合して作っていまする。

「一体何の騒ぎです?」

質素なドレスを身に纏い、冠を被った女性が近衛に尋ねます。

「どうやら、灼熱の国ムスペルヘイムで新生児が生まれたようです。その母はかつてアースガルズの神であり、子を連れて下の街に姿を見せています」

「街って、このヴァナヘイムの城下町にですか?」

女性の問いに近衛は頷きます。

「ええ、その為による騒ぎです。…それに、その新生児がムスペルヘイムの火の化身という噂がありまして」

「私も一目、見てみたいです」

女性の提案に、近衛は内心で溜め息をつきました。

「……護衛はつけますよ」

アースガルズの女王の悪い癖でした。気になる物にすぐ気を取りつかれてしまうのです。



街は大変な騒ぎでした。

「どうした?」

女王の近衛は見張りの兵士に尋ねます。

「それが…、炎の国の子が居なくなったそうで…」

「何?!」

近衛の声が裏返りました。

「炎の国の使者からは…、我々が炎の申し子を奪ったという話まででていまして…」

兵士の報告を受けて、近衛は肩を落とします。

「…私が探す、お前は女王様を見ていてくれ」

近衛は言いながら、兵士の態度に疑問を持ちます。敬虔深いこの国の兵士が、女王を目にしても何も言いだしません。

「女王様…? あの、どこにいらっしゃるので…?」

今度こそ近衛は血の引きから倒れそうになりました。

「いいか…、全兵士に徹底させろ。女王と炎の国の子を、全力で探すんだ!」

「……あら?」

ヴァナヘイムの女王は、ある丘の上で珍しい物を見つけます。

それは、丘の上にある墓標の前に立つ、白髪に所々赤い髪が混じった、幻想的な印象を受ける子供でした。

「どこの子でしょうか…」

女王は子供に歩み寄ります。何故だか彼女が訳も無く訪れるこの丘と、同じ雰囲気のする子供でした。

「何をしているの?」

女王の言葉に子供は振り向きます、中性的な顔立ちに付いた二つの輝くような紅い瞳に、女王はしばらく心を囚われていました。

「空が……」

子供が呟き、女王が意識を持ち直します。

「空?」

女王は首を上げました。

「何もないけれど」

「……」

女王が視線を落とすと、そこに子供の姿はありませんでした。

「待ちなさい!」

男の声が聞こえてきました、その後には数人の兵士が続きます。

女王が後ろに振り向くと、走り去っていく子供の背中が見えました。

「ムスペルヘイムの少年……、女王様が見つけたそうですね」

連れ戻された女王に近衛が尋ねます。

「はい。……何だか、あの子は懐かしい感じがしました」

近衛は返答を聞くと、密かに眉をひそめました。

(やはり……。この人はあの男の事を忘れてしまったのか)

毎日一人の男の話をする少女が、突然その話をしなくなったのは、今から十年程前です。

青春のりんごを食べながら玉座についた少女が女王になってから、百と数十年が経っていました。

ムスペルヘイムの申し子、彼はあの男に似ていました。しかし近衛はあの男の顔を、はっきりと思いだせません。

(私も忘れてしまいそうだ……)



ムスペルヘイムの子が生まれてから十年が経ちました。

子の名前を知らない者はムスペルヘイムにいません。

子にはかつての英雄からゼインフレイズと名をつけられ、死んでしまった子の母に代わり、世界が子を育てました。

「最近、あの子供の姿が見えないが……?」

炎の国の王、オニキスが侍従に尋ねます。

「は、最近はどうやら、山にこもり神の手と謳われた戦士に稽古をつけておられるようでして……」

「…稽古ぉ?」

オニキスは方眉を上げます、しかし、それで興味を失ったのか、それ以上追及する事はありませんでした。

「へぇ、世界の申し子ってのは結構丈夫なんだな。思いっきりやったんだが」

たった今、ゼインフレイズを殴り飛ばした短髪の男が言いました。

「……痛いよ」

顔が二倍に膨れた少年が言いました。

「お前が言ったんだろ? 思いっきりやってくれって。…ほら立てよフレイズ、続きだ!」

申し子フレイズは、自分の体で掘った溝から体を持ち上げます。

フレイズの体は痣と内出血で変色していました。この様子を彼の世話係が見たら泡を吹くに違いありません。

フレイズと神の手を持つあらくれが山籠りをしてから数ヶ月。フレイズの師をつとめた男はムスペルヘイムを去りました。

その理由が妖精の国アルフヘイムで女性を探すという物でしたから、フレイズは怒りましたが。

オニキスの城に帰ったフレイズをムスペルの子等は、大袈裟に出迎えました。

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