男「あ? チョコがなんだって?」(143)

友「だから、お前はバレンタインデーにいくつ貰ったんだよ?」

男「何で今更……つか、何の嫌がらせだよ」

友「あ、家族チョコは無しの方向でな」

男「家族チョコとか……入れても入れなくても0個だよ」

友「ぇ、ウソだろ?」

男「どうせウソ吐くなら2~3個とか現実味のある数言ってるっての」

友「いや、家族チョコも無しってなんつーか、な」

男「……親父に貰ったってキショいだけだろが」

友「うぇ!? あ、わり、オレなんか悪いこと言ったか」

男「まぁ、その点に関しては悪気はなかっただろうから良いよ」

友「あれだけどオレ、女さんに義理チョコ貰ったぜ?」

男「へー、自慢か」

友「いや義理チョコだぜ?」

男「オレ貰ってないけど?」

友「……ぁ、そっか。そう言えばお前、バレンタインの日、hr終わったら速攻帰ってたな」

男「あー。うん、そうだったな」

友「女さんが配ってたの、その後だったな、そう言えば」

男「今年はタイミングが悪かったって事だな」

友「今からでも言えば貰えるんじゃね?」

男「……アホか、そんな物乞いみたいな真似したくねーよ」

友「そっか」

友「そう言えば、あの人は?」

男「?」

友「お前と幼馴染みって言う先輩」

男「あぁ、幼姉ちゃんからは今年は貰えなかったな」

友「そこもダメだったのか……」

男「そりゃな、向こうも高校3年生だし、いい加減彼氏が出来てもおかしくないしな」

男「そうなれば、わざわざオレにくれることもないだろ」

友「冷めてんなー、男」

男「幼姉ちゃんは、オレにとってはホントの姉ちゃんみたいな人だからな」

男(とか言って、ホントは幼姉ちゃん、バレンタインの前の晩から高熱出して寝込んでたらしいけどな)

幼「はぁ……」

幼友「やっと出てきたと思ったら、開口一番ため息かよ」

幼「ぁ、幼友ちゃんおはよー……」

幼友「大丈夫か? まだ体調良くないんじゃない?」

幼「一時は死ぬかと思ったけどね……」

幼友「死ぬって」

幼「1回40℃越えたからね……」

幼友「うぇ!? あんたホントに大丈夫なの?」

幼「身体はもう治ったよ……でも、心が……」

幼友「は?」

幼「今年は男くんにチョコあげられなかった……」

幼友「あー、えーっと、アレか、あんたの弟」

幼「男くんは弟じゃないよぅ……」

幼友「んで、チョコ渡せなくて落ち込んでると?」

幼「……」コクン

幼友「だったら今日にでも渡せばいいじゃん」

幼「だってもう、バレンタインから何日も経ってるよ……?」

幼友「そんなの関係ないでしょ。当日渡せなかったのは風邪引いちゃったからなんだし」

幼「そうだけどさぁ……」

幼「今更あげたら、重いとか思われないかなぁ……?」

幼友「」イラッ

幼友「あんたはどうしたいの!? 渡したいんでしょう!!」

幼「う、うん」

幼友「だったら、んな事気にするな! まず渡しちゃえ!」

幼「……分かった、今夜あげる」

幼友「そうしろそうしろ」

幼「ありがとね、幼友ちゃん」

女(バレンタインから数日……)

女(男君にチョコを渡すチャンスが未だに見いだせない)

女(最近、放課後になるとすぐに帰っちゃうから……)

女(昨日は追いかけたけど、全速力で走る男君に追いつくことは敵わなかった)

女(当日の義理チョコに混ぜて本命チョコを渡す作戦を、お昼休みに実行していたらこんな事には……!!)

女「はぁ……」

女友「やだ、女の幸せがまた飛んでっちゃった~」

女「そう言うことは、せめて本人に聞こえないところで言ってくれないかな~?」

女友「だって最近あんた暗いんだもん」

女「うぅ……」

女友「久々にカラオケとか行って、パーッと騒がない?」

女「そんな気分……」

女友「男君と友君も呼んでさ」

女「です!」

友「お姉ちゃんねぇ……」

男「なんだよ」

友「ホントにそれだけか?」

男「……母さんが死んでからさ、幼姉ちゃんが家の家事とかやってくれたんだ」

友「へえ、それで?」

男「いつまでも頼ってるだけじゃ悪いから、オレも料理とか教えてもらって」

男「オレにとっては、大事な家族なんだよ」

友「はぁん。って、お前料理出来るの!?」

男「まぁ、難しいものじゃなけりゃな」

友「くそっ、モテ要因がまた一つ増えやがった!!」

男「いやいや、簡単なのだけだって。師匠が良かったから、味にはそこそこ自信はあるけど」

友「くやしくなんかないもんねー!」

男「子供か!」

女友「ヘイヘイ、そこのダメンズ~」

友「ダレがダメンズだ!」

女友「しっかり反応してるあんた」

友「」

女友「まあまあ、あんたら今日カラオケ行かない?」

男「カラオケねぇ」

友「オレ! 行く!」

女友「男君は?」

男「……気がノらねーなぁ」

友「何言ってんだよ! お前も行くよな!? な!?」

男「何でそんなに必死なのお前?」

友「カラオケ行ってボッチになりたくないから」キリッ

女友「駄目だコイツ早く何とかしないと」ボソ

女友「男君、付き合ってやってよ」

男「あー、分かったよ」

男(幼姉ちゃんも今日から学校来てるらしいし、もう心配することもないよなぁ)

女友「んじゃ、放課後ね!」

放課後

友「んじゃ、いっきますか!」

女友「あ、今日は女も来るんだけど、あの娘、日直だから校門で待ち合わせね」

男「うぇーい」


校門

女友「あんたら、今のうちに歌うもの決めといてよ。入ったら、どんどん入れてくからね!」

友「まぁレパートリーなんて決まってっけどなー」

女友「アニメとゲーム禁止な」

友「ノゥ!?」

ワーギャー!!

男(さっさと女さん来ないかね。やっぱ早めに帰りたいし……)

男「……ん、あれ?」


幼(やっぱりまだちょっと調子悪いのかな……)フラフラ

幼(めまいが)カクンッ

男「っ!?」ダッ

女友「あ、あれ!? 男君ドコに!?」

男「悪い、やっぱ今日は行けない!!」ダダダ

女友「えぇ!?」

友「どうしたんだよ……って、なるほどね」


男「幼姉ちゃん!!」

幼「あ、おとこ、くん?」

男「大丈夫かよ!?」

幼「えへへ、ちょっと、無理、しちゃったみたい」ブルブル

男(うぇ、すげぇ熱い!? 風邪がぶり返したのか!)

男「と、とにかく一緒に帰ろう、な?」

幼「一緒に、帰ってくれる、の?」

男「ああ、おんぶして帰ってやるよ」

幼「……うん、おねがい」

女「え! 男君居ないの!?」

女友「う、うん、急用が出来たって」

女「そっかぁ、じゃ、あたしも帰ろうかな……」

女友「ちょちょちょっと! あんたを元気づけようってのに、そのあんたが居なくなってどうすんの!!」

女「だって、目的なくなっちゃったもん!!」

友「え、男に用があったの?」

女「あ……うん」

女友「あん? 何それ聞いてないよ?」

女「あ、いや……」

女友「よしじゃあ、カラオケやめて、ソッチの話を聞こうか~」

女「え、えぇ~!?」

女友「そんで、男君に何の用だったの、女?」

女「えっと、その……」モジモジ

女友「ハッキリする!!」バンッ

友「うわわ、女友さん落ち着いて!(コエーよー、男助けてえー!!)」

女「男君に、チョコを渡したくて……」

女友「……あんた、まだ渡してなかったの?」

友「え、それって義理チョコだよね?」

女「ぅ……」

女友「友君はホンットだめんずね」

友「えぇ!?」

女「男君には、その、本命チョコを……」

友「oh……」

女友「んじゃあ、あたしと友君とで、渡すサポートしようじゃない」

女「えぇ!?」

友「オレも!?」

女友「あんた男君の親友でしょ。あんたの協力は不可欠よ!」

友「分かったよ」

女友「と言うわけで、作戦を練ります!」

幼(男くんの背中、大きくて暖かい……)

幼「私、重くない?」

男「大丈夫だよ、むしろ軽すぎるくらい」

幼「そうかな……」

男「幼姉ちゃん、家に着いたよ」

幼「うん、ぁ、ありがと……」

男「おばさん居ますか~?」

幼母「男ちゃん、どうしたの? って、幼!」

男「幼姉ちゃんが辛そうだったんで、おぶって帰ってきました」

幼「ただいま、お母さん」

幼母「あんた、だから無理するなって!」

幼母「あぁ、そんなこと言ってる場合じゃないわね。男ちゃん、ついでで悪いんだけど、その子部屋まで連れて行ってあげて」

男「はい。幼姉ちゃん、大丈夫?」

幼「うん、男くんに背負われてたら、だいぶ楽になった。ありがと///」

男「じゃ、ベッドに下ろすよ」

幼「うん」

男「じゃ、オレは帰るから……」

幼「あ、ちょっと待って!」

男「うぇ!?」

幼「着替えるから、少し部屋の外で待ってて……」

男「うん、わかった」


男(なんだろ……)

幼「男くん、入って」

男「うん……」ガチャ

幼「……」

男(あぁ、さっきは焦ってて良く見てなかったけど、ちょっと潤んだ目元とか、色っぽいな)ゴクッ

幼「あのね、これ……」スッ

男「……チョコ?」

幼「ごめんね、バレンタインに渡せなくて」

男「ううん、貰えて嬉しいよ」

幼「喜んでもらえて、よかった」

男「開けても、良い?」

幼「……うん///」

男「」ガサガサ

男「あ……」

幼「っ!?」

男(ハートに、ギザギザの縦線が……)

幼「ダメ! それダメ!!」バッ

男「っ!? 幼姉ちゃん!?」

幼「なんで、なんで割れてるの……!!」ポロポロ

幼「こんなの、男くんに渡せないよぅ……せっかく作ったのに……なんで」ポロポロ

男「幼姉ちゃん、それ、ちょうだい?」

幼「ダメ、ダメなのぉ」

男「もらうよ」グイッ

幼「あっ!」

男「これ……本命、ってことで良いのかな」

幼「っ!」

男「いただきますっ」ガブッ

幼「あっ、全部、口の中に……?」

男「」モグモグ

男「これで、割れてても関係ないよね。むしろ、オレの口の中で改めて一つになったわけだ」

幼「!!」

男「幼姉ちゃん、好きだよ」

幼「え!? むぅ……」

男「ん……」

幼(え、あ、なに? 私、男くんと、キスして、る……?)

男「ぷは……オレ、ずっと幼姉ちゃんのこと好きだった」

男「でも、幼姉ちゃんはオレのこと弟と思ってるだろうと思ってた……」

幼「もう……男くんは弟なんかじゃないもん」

幼「ずっとずっと、私の好きな人なんだから……///」

男「ごめん」

幼「良いの。もう良いの。ちゃんと気持ちが伝わったから」

幼「もう一回だけ、キス、して?」

男「うん……ん」

幼「んぅ……」

男「んぶっ、れろ……」

幼(あ、男くんの舌が、入ってきた……)

幼(甘い……チョコの味が、残って)

男「ちゅっ、ちゅるっ……」

幼(あ、やだ、舌と唾液が吸われてる……)トローン

男「んん、んぶっはっ」ハァハァ

幼「あ……///」ハァハァ

男「……思わずやっちゃったけど、幼姉ちゃん体調悪いんだから、ここまでだよ」

幼「……ああぁぁぁぁぁぁ!?」

幼「やだ、男くんに風邪移しちゃったかも!?」

男「ま、今更だね。幼姉ちゃんの風邪なら、いくらでも引き受けるよ」

幼「///」カァッ

男「じゃ、ゆっくり寝て治してね」

幼「うん///」

男「すいません、長々とお邪魔しました」

幼母「あら、もう帰っちゃうの?」

男「ええ、夕飯の支度しないとですし」

幼母「ずいぶんとお楽しみでしたね?」ニヤニヤ

男「」

幼母「孫の顔見るのも、そんなに遠い未来じゃ無さそうね~♪」

男「」

幼母「男ちゃん」

男「ひゃい!」

幼母「娘のこと、よろしくねっ」

男「ははははいっ!」

数日後

男「おーっす!」

友「おはー、って、ずいぶん機嫌が良さそうだな。風邪で寝込んでたくせに」

男「おぅ、幼姉ちゃんの風邪がバッチリうつっちまったからな」

友「……それがご機嫌な理由か?」

男「ああ。そうだ、オレ、幼姉ちゃんと付き合うことになったから」

友「」


女「」

女友「ナンダッテー!?」

女「タタカウ キカイモ アタエラレナカッタ……」ガクッ

女友「お、女!? おんなあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


おわり

一日おいて読み返したら、女がさすがに可哀想なので、続き考えます

やっと書きため出来ました
遅くなって申し訳ないです

一応、エロありと言っておきます

1週間後

女友「恋愛は戦争よ!!」

女「ふぇ!?」

女友「男君が他の女に取られたから諦める? あんたの恋はそんなもんか!!」バンッ

女「ひぃっ!」ビクッ

女友「良い、女? 世の中には『寝取られ』と言う言葉がある。寝取られがあると言うことは寝取りもある」

女(ネトられ? ネトり? ネット用語かな?)

女友「つまり、女が男君を寝取ってしまえば良いの!!」

女「???」

女友「と言うわけで、男君寝取り作戦を決行する!」

女「女友ちゃん……」

女友「なに?」

女「そもそも、ネトりってなに?」

女友「」

女「ねとりねとり……わかった! ゆとりの仲間だ!」

女友「ゆとりはお前じゃ~~~~!!」バンバンッ

女「ひぃっ!?」

女友「寝取りってのはつまりね、恋人や夫婦の相方を、セックスで虜にして奪うの、分かった!?」

女「」

女友「……おーい?」

女「ふえぇ……無理、無理無理ムリムリ!!」

女友「無理じゃない! あんたなにも出来ないうちに男君取られて悔しくないの!?」

女「うぅ……そりゃ悲しいけど……」

女友「だったら出来る出来ないじゃない! やるの!!」

女友「女、あんた春休みの予定は?」

女「えっと、特には無いけど」

女友「んじゃ、みんなで泊まりで旅行ってのはどうかな?」

女「えぇぇぇぇぇぇ!?」

女友「ま、聞くだけ聞いてみるか」

幼友「なにあんた、よーやく付き合い始めたのにまだヤってないの?」

幼「や、ヤるって……///」

幼友「あんたね、清楚系かなんか知らないけどさ」

幼友「そんなのほほ~んとしてたら愛しの男くんが誰かに取られちゃうよ~?」

幼「そんなこと言ったって……///」

幼「そそそ、それに、男くんとは、キスはいっぱいしてるしっ」

幼友「ほっほぅ? どーんな甘いキスしてるのかねぇ?」

幼「それは~その~……」ゴニョゴニョ

幼友「んん~?」

幼「し、舌絡め合ったり、唾液飲ませ合ったり……///」

幼友「oh……思いの外濃厚だった」

幼友「って、そこまでやって最後の一線を越えないとか、ないわ~……」

幼「だって~、男くんがそれ以上は求めてこないし……」

幼友「ふ~ん……」

幼友(主導権は男くんが持ってるのか。まぁ幼は基本的に奥手だからしょうがないか)

幼「幼友ちゃん?」

幼友「やっぱそこは、年上のあんたが背中押してあげないと、ダメなんじゃない?」

幼「そそそそそんなっ」

幼友(っても、この娘じゃそ~簡単には行かないか……)

幼友「……そう言えば春休みが近いね」

幼「え? あ、うん、そうだね~」

幼友「あんたらのご予定は?」

幼「う~ん、特には……」

幼友「そこはデートの予定くらい入れとこうぜ……」

幼「うぅ」

幼友「まぁでも、何もないなら好都合だわ。あんたら、家の別荘にでも遊びにおいでよ」

幼「えぇ!? 良いの?」

幼友「もっちろん!」

女友「はいは~い、お2人さん」

友「おぅ?」

男「ん?」

女友「2人の春休みの予定を述べよ」

友「なんもねーよチクショー!」

男「んー、オレも今のところ決まった予定はないなぁ」

女友「じゃあさ、4人でお泊まり旅行とかしない?」

友「お供します! いや、させてください!!」

男「……あー、悪いけどパス」

友「男!?」

女友「なんでよ!?」

男「イヤ、さすがにな。幼姉ちゃんに変な疑い持たれたくないし」

女友(ぐぬぬ、意外とガードが堅い……)

友「くっそ、彼女持ちの余裕かっ!!」

男「いや余裕とかそんな話じゃないし」

女友「……じゃあ、その幼先輩も一緒だったらどう?」

男「は?」

女友「友君のハーレム状態とか、こっちも気持ち悪いし。頼りないし?」

友「ヒドい! けど否定しきれない!!」

男「んーまぁ、どっちにしてもオレの一存じゃな。後で聞いてみるよ」

夜・男宅

幼「男くん、居る?」

男「ん、居るよ~。入って~」

幼「お邪魔します」

男「いらっしゃ~い」

幼「お、男くんさ」

男「? どうしたの改まって」

幼「幼友ちゃん知ってるよね?」

男「うん、幼姉ちゃんの友達でしょ?」

幼「そうそう。その娘がね、春休みに別荘に遊びに来ないかーって言ってるんだけど、どうかなーって」

男「へぇ、あの人んち、別荘とか持ってるんだ……」

幼「あー見えて、良いとこのお嬢様だからねぇ」

男「あ、そう言えば、オレも友達に泊まりで旅行に行かないかって誘われてんだけどさ」

幼「ぇ、あ、ぅ、そ、そっか。そうだよね、男くんにも予定あるよね」

男「あ、いやいや。一応断ったんだけどさ。そしたら幼姉ちゃんも一緒にどうかって誘われたんだけど」

幼「え、私も!?」

男「無理にとは言わないよ。幼姉ちゃんの知らない連中ばかりだし。っと、友くらいは知ってるかな」

幼「あ~、男くんと良く一緒にいる」

男「そうソレ。あとは女友さんと女さんなんだけど、こっちは知らないよね」

幼「……うん」

男「オレは予定はないとしても、幼姉ちゃんと一緒に居たかったからさ、2人で幼友さんとこに行こうか」

幼「ん~、ちょっと待って……ちょっと電話してくるね」

男「ほい」

prrrr ガチャ

幼「あ、幼友?」

幼友『どったの~?』

幼「春休みの話なんだけど」

幼友『ああうん。男くんは何だって?』

幼「それがね、男くんは男くんで、友達に旅行に誘われてるんだって」

幼友『はぁ? そんなもん、断ればいいでしょーよ』

幼「うん、男くんは断ったらしいんだけどさ」

幼友『ちょっと幼、あんた何考えてんの?』

幼「……わかった?」

幼友『はぁ、あんたねぇ……要するに、その男くんの友達も一緒に~ってことでしょ?』

幼「えへへ」

幼友『ったく。んで、何人なの?』

幼「私と男くん以外に3人だって」

幼友『ふ~ん。それくらいだったら問題ないけど』

幼「ありがと! 男くんに伝えるね」

幼「おまたせ~」

男「うん、なんだったの?」

幼「幼友ちゃんに聞いたら、男くんのお友達も一緒に良いってさ」

男「……え?」

幼「これで男くんの友達とも旅行が出来るし、私たちも幼友ちゃんの別荘に遊びに行けるし、一石二鳥でしょ?」

男「なるほど」

男「んじゃ、それはオレからみんなに話してみるわ」

幼「よろしく~」

男「あれ、そう言えば幼友さんちの別荘ってどんなとこなの?」

幼「山の方だって言ってた」

男「ふぅん。あー、雪とかあるかな?」

幼「スキー場とかあるらしいよ~」

男「おぉ、なるほどなるほど」

翌日

男「おーす」

友「おーぅ」

女友「おっはよー」

男「あ、例の旅行で話があるんだが」

女友「幼先輩の許可が出た?」

男「なんか幼姉ちゃんの友達の別荘に行けるっぽいんだ」

友「へ?」

男「オレらも一緒に行って良いって事になったんだけど、どうする?」

女友「へ、へぇ~。どんなとこなの?」

男「山の方、としか聞いてないんだけど」

女友「山、ねぇ……」

男「スキー出来るかもよ」

友「」ガタッ

女友「きゃっ!? なに?」

友「行く! そこ行く!!」

男「ははっ、やっぱ良い食いつきだなー、友は」

友「あたぼーよ!」

女友「え? え?? 何???」

女「おはよー。って、どしたの?」

友「春スキーとか、さいっこー!!」

男「で、どうする?」

女友「はぁ……しょうがないなぁ。こんなにテンション上がってる奴が居るのに、水なんて差せないじゃない」

女「あたしも話に交ぜてよ!?」

in 春休み

男「幼友先輩、今回はお招き頂き、ありがとうございます」ペコ

友・女・女友「ございまーす」ペコ

幼友「んな堅苦しい挨拶は良いって」

幼「で、どうやって行くの?」

幼友「とりあえず新幹線で移動ね。はいこれチケット」

友「おぉ、新幹線かぁ。初めて乗るなぁ」

女友「あたしも乗ったこと無いなー」

女「家のお母さんの実家が凄い遠いから、帰省の度に乗るよ……滅茶苦茶混んでるけど」

幼友「ま、今日は混むとか無いから。んじゃ、いっくぜぃ、野郎ども~」

友「おー!」

in 新幹線

男「ってこれ、グリーン車じゃないですか」

幼友「そっだよ」

幼「ホントに良いの?」

幼友「いーのいーの」ヒラヒラ

幼友「3時間くらいかかるから、寝たい子は寝ててもいいよー」

友「はいはーい! 幼友先輩に質問!!」

幼友「はい、何かな友君」

友「これから行くところはこの時期でもスキー出来ますか!?」

幼友「あぁうん……出来るよ?」

友「やったー!!」

男「その間は何スか」

幼友「行けば分かるよ」

女「やっと着いたねー」

女友「あんた、なんでずっと寝てんのよ……」

友「スキー場はドコだー!!」

幼友「まだ気が早いよ」クスクス

幼「ここからはどうするの?」

幼友「迎えが来てるはずなんだけど、っと」キョロキョロ

幼友「あ、いたいた。おーい!」

執事「お嬢様、お待ちしておりました」

幼友「わざわざ悪かったわね」

執事「皆様、ようこそおいで下さいました。わたくし、執事と申します。」ペコリ

執事「これよりこの車で別荘へご案内致します。お荷物を積みますので、こちらへお願い致します」

友「……すっげー、執事ってホントに居るんだ」

男「だな……」

幼友「それじゃみんな乗っちゃってー」

男「はぁ……」

女友「すっご……」

女「きれー……」

友「えっと、どこの国の城でしょうかね、これ。あ、もしかしてラブh」ゲシッ

男「バカなこと口走るんじゃねぇ!」

幼友「あっはっは! 面白いねぇ君たち」

幼「これでも幼友ちゃんちよりは小さいのにねぇ」

男「マジスか」

友「雪も多いし、期待出来るなー」ウヘヘ

執事「皆様、こちらへどうぞ」

ガチャッ ギィィィィィ……

メイド「お待ちしておりました、お嬢様」

幼友「やっほー、メイドちゃん。またよろしくねー」

友「うわ! メイドだ! 本物d」ガシッムグムグ

男「恥ずかしいからやめようなー、友」

幼友「部屋割りの方、大丈夫でしょうね」コソコソ

執事「はい、ご指示通り」コソコソ

執事「それでは、わたくしは皆様のお荷物を運び入れますので、リビングでおくつろぎ下さい」

幼友「んじゃ、移動移動でちょっと疲れたろうし、すこーし休憩しようかねー」

女友「このソファ、すっごいふかふか」

女「ね、眠くなっちゃいそう」

女友「あんたまた寝る気か!」

メイド「お茶をお持ち致しました」

幼友「ありがと。お茶飲んだら、ちょっと周り案内するね」

男「お願いします」

幼友「だからそんな堅苦しくしないでよー」

幼「うわ、このスコーン美味しいですねー」

男「どれ……ホントだ、美味い」

メイド「ありがとうございます」

幼「どうやって作るんですか?」

メイド「宜しければご教授致しましょうか?」

幼「良いんですか?」

メイド「はい、ではご滞在の間に」クス

幼「やった! お願いします~」

幼友「好きだねぇ、幼も」

幼「えへへ~」

幼友「さて、あんまりのんびりしてても無駄に時間過ごすだけになっちゃうし、そろそろ行こうかー」

女「はーい」



幼友「と言っても、大した物はないのよね」

女友「アレ、そうなんスか」

幼友「周りに何があるかってーと、寂れた温泉街とスキー場くらいでねー」

友「スキー場! そこ行きましょう! 今すぐ!!」

幼友「あっはは、よっぽど好きなんだねー、スキー」

男「つまり遊ぶようなところは、スキー場だけ、と?」

幼友「ま、そう言うこと」

幼友「じゃあとりあえず行ってみようかー」

友「おぉー!」

スキー場

友「おー、良いスキー場ッスね」

幼友「でしょー」

幼友「どーせだし、滑っていくかぃ?」

友「ぜひ!」

女友「ぇ……」

幼友「他のみんなはどうする?」

女「えっと、あたし滑れないので……」

女友「あたしも……」

幼「私も学校のスキー教室行っただけだしなぁ」

男「オレは一応滑れますけど……」

幼友「じゃあ今日はひとまず初心者講習って事にしよっか」

幼友「あ、道具やウェアはレンタルあるから大丈夫だよ」

幼「じゃ、やってみる?」

女「あ、はい」

幼友「んじゃ、男くん、幼のことよろしくね」

男「決定事項ですか」

幼友「そこが決定事項じゃなくてどうするの」

男「……それもそうですね」

幼「男くんよろしくね~」

女友「おら、あたしに教えろ!」

友「えぇ~~」

女友「何か文句が?」ニコッ

友「ありません」ガクブル

幼友「……と言うことは、あたしが女ちゃんね」

女「よ、よろしくお願いします」

幼友「どーもー、おっちゃん」

レンタル屋「おぅ、お嬢じゃねーか!? 今年はまた来たのかぃ!」

幼友「今回は友達も一緒にね」

レンタル屋「ほぅほぅ」

幼「常連なの?」

幼友「常連というか、うちのスキーとかの道具の管理して貰ってるのよ」

レンタル屋「普通のレンタルの方が専門だけどな!」ニカッ

レンタル屋「んで、どうすんだぃ」

幼友「初心者の子が3人ほど居るんで、見繕ってあげて」

レンタル屋「はいよ」

幼友「友君と男くんはうちのを使ってもらうか。奥行ってるねー」

レンタル屋「おぅ」

友「おぉ……すげぇ……」

男「オレ、そこまで詳しくないから良くわかんねーけど、相当良い道具って事か?」

友「パっと見だけでも、一流メーカーの板がある」

男「うへ……」

幼友「ここはうちの一族専用の倉庫だからね。一通りのサイズは有ると思うから、合うの見繕って」


レンタル屋「どうかね?」

女友「はい、大丈夫そうです」

幼友「終わったかーい」

幼「うん、今丁度」

女(は、はぁぁぁ! 男君格好いい!)

女友「スキーウェア効果で友君が0.2割り増しで格好良く見えるなんて……目が腐ったかな」ゴシゴシ

友「腐ってないよ! 酷いな!!」

男「0.2割って、2%じゃね……?」ボソ

幼友「じゃ、それぞれ夕方までマンツーマンで特訓って事で!」

幼「はーい!」

女友「じゃ、行くぞ、友君!」

友「初心者が先行かないで! 危ないから!!」

女友「あ、アレ、進まない~~!!」ズリズリ

幼友「みんな楽しそうで良いねー」クスクス

女「あ、あの……」ビクビク

幼友「こっちも始めよっか?」

女「あ、あたし、運動神経悪いから、覚え悪いと思いますけど、お願いします!」

幼友「まぁまぁ、ほら、そんなに緊張してたら余計危ないから……」

夕方

幼友「じゃ、今日はこれくらいにしておこうかー」

女「は、はひぃ~」

幼友「一応リフトも乗れるようになったし、ボーゲンも出来るようになったし、十分滑れるようになったね」

男「幼姉ちゃんは一応経験有ったから、思い出したら結構楽でしたよ」

幼「男くんと一緒に2人乗りリフトに乗れたー」

友「」ボロッ

女友「い、一応滑れるようになったかなー?」

幼「友君、大丈夫?」

友「最後に調子に乗った女友さんの直滑降突撃を食らい……」ガクッ

男「あらら」

幼友「道具かたして帰るよー」

別荘

執事「お帰りなさいませ。お食事の用意が出来ております」

幼友「ありがとう。まずは御飯にしちゃおっか」

友「ぃやっふ~!!」

男「復活はえぇ」


友「うまっwwwwwメシウマwwwwwwwww」ハグハグ

女友「はしたない奴め……」ジトー

女「でもこれ、美味しいよー」パクパク

男「こんな飯、この先食えるかな……」モグモグ

幼(このお料理も教えてもらおうかなー)

幼友(とか思ってるんだろうなー)

幼友「さて、すっかり遅くなっちゃったけど、これからみんなの部屋に案内するよー」

幼友「一応、各部屋は個別に鍵が付いてるから、部屋の鍵渡すね」

執事「まず男様……こちら幼様……」

幼友「幼……」コソッ

幼「なーに?」

幼友「あんたの部屋なんだけどね……」コソコソ

男「ふー、なんだかんだ疲れたなー」ボスッ

男「うあー、なんだこのベッド……すげぇ沈む……」トローン

カチャッ

幼「おーとーこーくんっ」ガバッ

男「うわっ!?」

幼「えへへ~、今寝ちゃいそうだったでしょ~? ダメだよー、ちゃんとお風呂入らないと」

男「え? あれ?? いつの間に!? どこから?」

幼「うふふ~、この部屋、私の部屋と繋がってるんだって~」

男「oh……」

幼「ね……」

男「ん?」

幼「ここの大浴場、温泉引いてるんだって。行こ?」

男「……うん、行こう」

男「おぉ、露天風呂かぁ」ブルッ

男「さ、さみぃ! 早く入ろう」

幼「そうだね、凍えちゃうよ」

男「」

幼「? どうしたの? 早く入らないと風邪引いちゃうよ?」

男「え、なんで?」

幼「まぁまぁほら、細かいことは良いから!」グイグイ

男「わ、分かったから押さないで! 危ない!」

ザブン

男「ふー」

幼「あったかーい」

男「んで、なんで幼姉ちゃんがここに居るの?」

幼「大浴場は一つなんだって」

男「……要するに混浴、と」

幼「まぁあくまで幼友ちゃんちの別荘だしねぇ。家族で別にする理由もそんなにないんじゃない?」

男「じゃあ、何のために入り口が男女に別れてたんだ……」

幼友「うちのじいちゃんの趣味じゃないかなー?」ザブサブ

男「」

幼友「よっ」シュタッ

男「なっ、んなぁ!?」ザバシャッ

幼友「んな狼狽えなくても良いじゃん」ケラケラ

幼「ちょっ、幼友ちゃん!」

幼友「なぁにー?」

幼「男くんは渡さないからね!」ギュッ

男「うわあぁぁ! 幼姉ちゃん、胸、胸がっ!!」

幼友「あっはっはっ、取りゃしないって!」

幼友「あたしはこの温泉好きだから、ただ入りに来ただけだもん。好きなだけラブラブちゅっちゅしてなさいな」

幼「もう……」

幼友「……それにしても、男くんのは立派だねぇ」ジー

幼「え……?」

男「……///」ビンビン

幼「きゃっ/// な、なんで///」

男「そりゃ、オレだって男ですから。こんな綺麗な裸の人たちに囲まれたらこうもなるよ///」

男「その上、幼姉ちゃんの胸を押しつけられてるし///」

幼友「たぎるのは良いけど、そう言うのは部屋でヤってねー」クスクス

幼「うぅ……///」

男「……拷問だ///」

男「くぅっ……さらに疲れた……」ゴロン

幼「だよねぇ……」コロン

男「……なんで普通にこっちのベッドに寝ころんでるの?」

幼「だって……」

男「オレ、さっきの収まってないんだよ? このままじゃ……」

幼「……このままじゃ、何?」

男「幼姉ちゃんを、襲っちゃうよ?」

幼「……良い、よ/// んっ」

男「ちゅ、れろ……」

幼「んんっ、ちゅっ……」

男「んぷっ、はぁ」

幼「男くん……私、初めてだから、優しく、ね?///」

男「がんばる……」

男「幼姉ちゃん、胸、見せて……」

幼「うん……」

男「あぁ、綺麗だな……」

幼「やだ、恥ずかしい///」

男「ちゅっ」

幼「はぁんっ」ビクッ

幼「や、そんな、乳首、吸わない、でぇっ」

男「ちゅぅっ」サワサワ

幼「あぁんっ(片方吸われて、もう片方は手で……)はっぁっ」

幼「んもぅ、男くん、赤ちゃん、みたいっ」

男「ぷは。じゃあ、ミルク飲ませてよ……」

幼「まだ出ないよぅ」

男「なら、出るまで吸ってやる」チュッ

幼「やぁんっ、あぁっ」

サワッ

幼「ひゃっ(手が、下に……)」

クチュ

男「濡れてる、ね」

幼「ぁっ、もう、バカ……///」

男「入れる、よ」

幼「うん……」ドキドキ

男「えっと……」ドキドキ

幼「もうちょっと下……そう、そこ」ドキドキ

男「行くよ」クチュッ

幼「ん、来て」

男「ん……」ズブ

幼「ひぃっ!?」ビクンッ

男「大丈夫?」

幼「うん、ちょっと驚いた、だけ……もっと奥まで、ひと思いに、ね?」ウルウル

男「う、うん」ブチッズブブッ

幼「ひあっ、つっ……!!」

男「はぁ、はぁ、入った、よ」

幼「はっ、ひっ……」ウルウル

男「少し、このままで、いるよ」

幼「ふっ、あっ、ぁっ」ウルウル

幼「やっと……男くんと、繋がれたね」

男「うん」

幼「嬉しい」

男「オレも……」

幼「はぁっ、男くん、もう大丈夫だから、動い、て」

男「うん」ズッ

幼「はぁんっ」

男「」ズッズッ

幼「あっ、ひぁっ」

男「幼姉ちゃん、大丈夫?」

幼「うん、うんっ、いいの! まだ、痛いけど、痛い、のに、でも、気持ちいいのぉ!」

男「ふっ、はぁっ、幼姉、ちゃんっ、んっ」ズンッズンッ

幼「はむっ、むちゅっ、んんっ」

男「んっぷは、くっ、で、出る、幼姉ちゃんっ、出ちゃうよ!」

幼「出してっ、中にっ、出してっ、良いからっ!」ガシッ

男「ちょっ、姉ちゃっ! くっ……出るっ!!」ビュルッドクッドクッ

幼「っ~~~~~~~~!!!」ビクッビクンッ

男「うぁっ、搾ら、れるっ!」ドクッ

男「はっ、はぁっ」

幼「っ、っ……」ピクンッピクンッ

男「幼姉ちゃん、大丈夫?」

幼「……うん」グスッ

男「っ!? 泣いてるの?」

幼「違うの、嬉しくて……」

男「そっか……」チュッ

幼「んっ」

男「その……愛してるよ、幼姉ちゃん」

幼「はぁ、ん。ずるいよ、今の……」トロン

男「そうかな?」

幼「んふふ、私も、愛してる」チュッ

翌朝

男「ふあぁ……ん」

幼「むにゃ……」

男(そっか、あのまま寝ちゃったんだっけ)

男「ん……うぁ、結構だるいな……」

幼「んんっ……ふぁ、おとこくん、おあよー」

男「あ、起こしちゃったか」

幼「ん~ん、良いよ?」モソッ

幼「っ~~~!」

男「えっ!?」

幼「……っはぁ。えへへ、ちょっと痛いかも」

男「そっか。女の子って大変だね……」

幼「大変だよぉ。でも、幸せな痛みだもん」クスクス

男「なら、良かった」

幼「おはよー」

男「おはようございまーす」

幼友「お、起きてきたなー」

友「おはよーす」

女「お、おはよっ」

女友「あだだ、おはよ」

男「ん、女友さん、どうかしたの?」

女「昨日のスキーで筋肉痛らしいの。そう言うあたしも、ちょっと筋肉痛なんだけどね」

男「ぉ、おぅ、そっか……(女友さんも何かあったのかと思ってちょっと焦った)」

友「多分、最後の突撃のダメージもあるよ、ありゃ」

男「その突撃受けた奴はピンピンしてるんだな」

友「ヤバいところは避けられたんだと思う」

幼友「まぁ、朝ご飯にしようか」

執事「こちらに朝食の用意は整っております」

幼友「さて、今日もスキーするかぃ?」

幼「ごめん、私無理。身体が痛くって」

幼友「あらあら~?」クスクス

幼「」プイッ

女「すいません、あたしも今日はパスします」

女友「同じく」ピクピク

男「オレも、幼姉ちゃんと一緒にいますよ」

友「年寄りか、お前らっ!」

男「残念ながらお前と同い年だ」

幼友「しょうがない、2人で行くかぃ?」

友「行きましょうとも!!」

幼「2人とも元気ねー」クスクス

幼「さて、2人を送り出したし、どうしよっかな」

メイド「宜しければ、スコーンの作り方、お教え致しますよ?」

幼「ホントですか~、よろしくお願いしま~す」

メイド「では、キッチンへいらしてください」

幼「じゃ、ちょっと行ってくるね~」

男「ほ~い」


女友「うぅ~、ダメだ、身体が痛い……ちょっと部屋で寝てるわ」

女「あ、そ、そう?」

女友「うん、じゃね」フリフリ

男「ふぁ……(やべ、ちょっと眠い)」

女(もしかして、今がチャンス!?)

幼「よろしくお願いします、先生!」

メイド「はい、よろしくお願いします」ニコッ

メイド「美味しいスコーンを作れるようになって、男様の心をよりいっそうつかんでください」クスクス

幼「えぇ!?」

メイド「お嬢様から、幼様と男様の関係は伺っておりますから」

メイド「それに、先ほど、皆様の寝具の交換を致しましたので……」

幼「……///」カァッ


メイド「そうしたら、この型でくりぬいてください」

幼「よっと……こうですか?」

メイド「はい、それで大丈夫です」

メイド「くりぬいた生地を、こちらの鉄板に並べてください。少し離しながら……そうそう」

メイド「あとは190℃で20分ちょっと焼くだけです」

幼「意外と簡単なんですね~」

メイド「スコーンはお手軽ですよ」

メイド「それでは少し休憩にしましょう。焼き上がりも見てみたいですか?」

幼「はい!」

メイド「では20分程したら戻ってきてください。遅れたら遠慮無く取り出しちゃいますからね」

幼「は~い、気を付けます」


幼「さて、男くんはまだリビングにいるかな~?」


女「あ、あの、男君っ!」


幼「あれ……?」

男「ん?」

女「ちょっとお話があるんだけど、いいいかなっ!?」

男「良いけど、大丈夫? ちょっとお茶飲んで落ち着きなよ」

女「う、ううん、ああありがと」ゴクッ

男「……で、なにかな?」

女「うん、あのねっ」

女(おちつけ! あたし、落ち着け!)

女「あのっ……あたし、男君のことが、好きです!!」

男「」


幼「」

男「……そうだったんだ」

女「うん、前から、好きだったの……///」

男「そっか……ごめん、女さんの気持ちには答えられない」

女「っ……」

男「オレは幼姉ちゃんが好きだから」

女「……っはぁ、やっぱりそうだよね」ニコッ

女「ありがと、フってくれて。ごめんね、幼先輩とのこと知ってて、告白なんかして……」

女「幼先輩と付き合い始めたって聞いて、忘れなきゃと思ったんだけ、ど、余計に、想いが、大きく、なっちゃっ、て……」ジワッ

男「女さん……」

女「ごめん、ね、ごめん、なさいっ……」ポロポロ

女「キッパリ、フられて、やっと、きっと、忘れ、られる、と思う」ポロポロ

男「……」グイッ

女「ぇ……?」

男「今だけ……今だけだから、思い切り泣いて。な?」ギュッ

女「う、うぅぅ、うわぁぁぁぁぁ~~~~~~~んっ!!」ポロポロポロポロ

女「……」グスッ

男「……落ち着いた?」

女「うん……」

女「ありがと、男君」ニコッ

男「どういたしまして」

女「はぁ~、真正面から告白して、良かったぁ」

女「女友ちゃんには、寝取れ! とか言われて、どうしようかと思ったけど……」

男「っ!?(あいつめ……)」

女「そんなこと、やっぱ出来ないから……もししちゃってたら、きっと後悔してたと思う」

男「そうだね……そんなことされてたら、オレも女さんのこと、もっと酷く傷つけてたと思う」

女「ちょっと、部屋に居るね……」

男「うん」

男「ふぅ……驚いた」

幼「……この色男」

男「」ドッキーンッ

男「……幼姉ちゃん、いつから」バクバク

幼「最初から、かな」

男「そそそそう……」バクバク

幼「……女ちゃん、強いね」

男「ん?」

幼「私なんて告白すら、自分から出来なかったんだよ?」

幼「その上、相手には彼女だって居るのが解ってるのにさ、相当勇気がないと、出来ないよ」

男「……うん、そうだね」

幼「あ、そろそろスコーンが焼き上がる頃だ」

男「へぇ、もう出来るんだ」

幼「男くん」

男「え?」

幼「」チュッ

男「」

幼「……流されなかった、ご褒美///」パタパタパタ

男「おぉぉぉおぅ?」

スキー場

幼友「それにしても、スキー場のレストランって相変わらず無意味にたっかいねー」

友「そうスねぇ(金持ちの言葉とも思えねー)」

友「でも、オレはスキー場のカレーとか、ミートソーススパゲティとか好きッスよ」

幼友「へぇ」

友「確かに値段に見合ってないとは思いますがね、こう、ゲレンデで遊ぶ目的で来てる奴には早く出てきて時間に無駄がないのがイイッスよ」

幼友「まぁ、確かにね~」

幼友「それにしても、友君、言うだけあってスキー上手いね~」

友「そうッスかね」

幼友「そうッスよ。子供の頃からやってたの?」

友「ええ、オレ雪国出身なんで、ガキの頃の冬の遊びってスキーかスノボくらいしかなかったんスよ」

幼友「へぇ~」

友「んで、家が山のちょっと上の方で、学校がその下にあったんで、スキー出来ると朝が楽だったッスね」

幼友「あっはは! イイねそう言うの、憧れるわ~」

4時間後

幼友「だいぶ滑ったね~」

友「ここ、上から滑ってくると面白いんで、つい時間忘れまるッスね」

幼友「……最後に、別コース滑ってみる?」

友「へぇ、まだコースがあるんスか」

幼友「あたしのとっておきのコースなんだよー」

友「そりゃ楽しみッス!」


男「友たち、ちょっと遅いな……」

幼「まだ滑ってるんじゃないかな~」

男「そうかもなぁ」

幼友「んじゃ、あたしに付いてきてね」

友「ぶらじゃーっ!」

幼友(さて、付いてこれるかな?)クフフ


幼友(うっわ、ホントに付いてきてる)シャー

友(このコースって……やっぱ正規のコースじゃないよなぁ? めっさ森の中だし)シャー

幼友(遅れたら、こっちもスピード弛めようかと思ってたけど、その必要はないっぽいなぁ)チラッチラッ シャー

友(ちょっと危なくないか?)シャー

友「っ!? 幼友先輩! 前!!」シャー

幼友「え? あ……」シャー……

幼友「うっひゃぁぁぁぁ~~~~~~~~っ!!!」ポーーーーーーン

友「せんぱーーーーーーいっ!!!」

幼友「ったたた……」

友「だだだ大丈夫ッスか~!?」シャッ

幼友「なんとか、生きてるよ~」

友「良かった~」ホッ

幼友「っ!? ぅぐっ!」

友「え、どうしました!?」

幼友「あれ、ブーツがない……」

友「えぇ!?」キョロキョロ

友「あ、あった!」ザクザク

友(スキーブーツがすっ飛ぶ勢いか……)

幼友「足ひねったかなぁ、こりゃ」

友(これは……ヤバイな。もう暗くなり始めてる)

友(ひとまず、幼友先輩の脚だな)

友(縛る物……ないよなぁ。しょうがないか)

友「……」ヌギヌギ

幼友「ちょ、ちょちょちょ! 友君、なんで服脱いでるのかな!?」ヒキッ

友「ちょっとジッとしてて下さい」

幼友「いやでも」

友「オレもとっとと済ませないと寒いんスよ」

友「あー、寒かった」

幼友(結局tシャツ脱いで、ウェアは着直したけど……)

友「」ビリビリッ

幼友「……えっと、tシャツ破いて、何するのかな?」

友「下手すると骨にヒビ入ってるかも知れないんで、変に動かないように縛ります」

友「添え木の代わりはストックで、ちょっと支えてて下さい……tシャツで縛って……よし、もう手を離して良いッス」

幼友「えと……ありがと」

友「いえ、それより、これからが問題ッスよ」

幼友「え……?」

友「もう日が落ちます。で、幼友先輩がその状態じゃ、ここから動くこともで来ません」

幼友「ぁ……」

友「ともかく助けを呼ばないと……」

幼友「あ、うちに連絡を入れられれば、あたしの携帯をgpsで追ってこの場所が解るよ!」

友「おぉ!」

幼友「ちょっと待ってね」ゴソゴソ

幼友「……? あれ?」ゴソゴソ

友「どうかしたっスか?」

幼友「……携帯忘れたーっ!?」

友「oh……」

幼友「どどどどうしよ……」

友「ともかくオレの携帯で男に連絡入れますヨ」

男「やっぱ遅すぎる」

幼「そうだね……」

女「どうかしたんですかぁ?」

幼「っ!? お、女ちゃん、目が酷いことになってるよ!?」

女「ぇ、あ、そんなに酷いですか……?」

幼「ちょっと待ってて、湿らせたタオル貰ってくるから!」タタタッ

女「ぁぅ……」

男「……もしかして、泣いてた?」

女「ん……ちょっとね。一人になったらまた泣いちゃって、そのまま眠っちゃった」テヘヘ

男「……ごめん」

女「謝らないで、ね? 男君は何も悪くないんだから」

男「ああ……うん」

幼 タタタッ「貰ってきたよ~」

女「ありがとうございます~」

幼「そこのソファに座って、冷やそうね」

女「はい……」ペタ

女「ぁ……きもちぃ」

prrrr

男「!? 友から電話だ!」ピッ

男「もしもし!?」

友『よぅ、男~』

男「おまえ、今どこに居るんだよ!」

友『わり、ちょっと遭難したかも』

男「おぉぉい! おまえなぁ!?」

友『怒鳴るなよ~ぅ、状況説明するから』

男「おぅ」

友『幼友先輩が脚を怪我しちゃって、うごけねーんだわ』

友『んで、現在地が正確には分からないと来たもんだ』

友『とりあえずた~すけて~?』

男「……ひとまず執事さんかメイドさんに報告してくる」

友『頼んだ』ピッ

男「執事さんかメイドさん、ドコにいるか解る!?」

幼「えっと、メイドさんならキッチンにいるかも……」

男「わかった!」ダッ

女「……男君?」


男「メイドさん!」

メイド「あら、男様、どうかされましたか?」

執事「何か問題でも?」

男「ああ、執事さんも一緒ですか。幼友先輩とうちの友が遭難したみたいなんです」

執事「おやおや」

男「……? ずいぶん落ち着いてますね?」

執事「メイド! 救助の準備をっ!」

メイド「はいっ」タタタッ

執事「ふふ、お嬢様の携帯電話をgpsで追えば、すぐに位置は分かります!」

男「おぉ!?」

執事「警備室で調べられますので、男様もどうぞ」

友(雲行きが怪しい……念のためにも夜過ごせる場所を確保しないとだな)

友「幼友先輩、ちょっとだけここで待ってて下さい」

幼友「え? ちょっと、人を置いてドコ行くの!?」

友「少し周りを見て来るだけッスよ」

幼友「そんなこと言って……」

友「逃げませんって」


友「どこか良いとこ有りませんかねっと」

友「ん?」

友「幼友先輩をすっ飛ばした所……天然のジャンプ台だな、こりゃ」

友「良い具合に切り立ってるな。これなら少しくらい掘れば、何とかなるかな?」

執事「どうかね、メイド」

メイド「お嬢様は携帯電話をお持ちにならなかったようです」

男「えぇ!?」

執事「ならば、発信器の方を調べたまえ」

メイド「すぐに」カタカタッ

男「発信器?」

執事「お嬢様のブローチには発信器が付いておりますので、そちらを調べれば……」

メイド「出ました」

執事「どこかね!?」

メイド「それが、発信器のある場所が……」

執事「はっきり言いたまえ」

メイド「レンタル屋のようです」

執事「……なにぃ!?」

男「……そう言えば、ブローチでしたっけ」

執事「うむ」

男「ウェアに着替える時に外したか、服ごと置いてあるか、って所ですかね」

執事「ぐぬぬ……」

男「んー……っ!」ピーン

prrrr

幼友「うわっ、かかってきた」ピッ

男『友、生きてっか~』

幼友「あ、あたし、幼友」

男『……あれ?』

幼友「今、友君に替わるね」

幼友「友君、男くんから電話だよ」

友「ぉ、ありがとッス……もしもし?」

男『なんで幼友先輩が出るんだよ』

友「ああ、今避難場所作ってたんだ」

男『なるほど、流石だな』

男『友、おまえ、いつもの腕時計してるか?』

友「お、おぅ」

男『そいつ、gpsで座標が出る奴だったよな?』

友「おぉ、そうだった!」

男「うん、うん……」メモメモ

男「おっけ、これで行けるかも知れん」

男「がんばれよ」ピッ


執事「男様?」

男「ここが友たちが今いる場所です」

執事「おぉ……素晴らしい」

メイド「執事さん、大変です」

執事「どうした!?」

メイド「天候が荒れてきました。吹雪になります」

執事「」

男「うわちゃ……」

執事「くっ……何故こんな時期に!?」

男「ただいま……」

幼「男くん、2人は?」

男「遭難した」

女友「えぇ!? どどどどどういうことだってばよ!?」

男「落ち着けよ……」

男「場所は分かったんだけど、天候が荒れ始めた。すぐに救助に出ることは出来ない、らしい」

女「そんな……」

男「あとは、友のサバイバル能力に賭けるしかないな」

女友「友君なんかに賭けちゃって良いの?」

男「賭けるしかないんだよ……それに、こういう場合、友は頼りになるんだ」

女「どういう事?」

男「あいつ、スキーも好きだけど、アウトドア大好きだから、こんな時の対処方法も色々知ってるんだよ」

男「そこいらのチャラけた奴と居るよりは、よっぽど安心出来るよ」

幼「じゃあ、幼友ちゃんも安心だね?」

男「うん」

幼友「こんな時季外れに吹雪なんて、ツいてないねぇ」

友「避難場所が何とか間に合って良かったッスよ。っても、こんな狭くて、すんません」

幼友「ううん、時間もなかったし、しょうがないよ。これだけ掘れただけでも、上出来じゃないかな」

友「あざッス」

幼友「……友君が居てくれて、良かったよ」

友「え?」

幼友「あたし一人だったら、どうなってたか……」ブルッ

友「寒いスか?」

幼友「……うん、ちょっとだけ、ね」

友「ウェア着てるとは言っても、雪の中ッスからね。もうちょっと、寄りましょっか」

幼友「うん……」モゾモゾ ギュッ

友「うえぇ!?」

幼友「ふへへ、暖かいよ、友君」

友「そ、そりゃ良かったッス」

幼友「無事帰ったら、温泉に入りたいねぇ」

友「いいッスね」

幼友「露天の温泉で冷たいビール、って訳には行かないから、冷たいジュースでも飲みながら」

友「幼友先輩冷たい物の話は勘弁してください割とマジで」

幼友「じゃあアレだ、こたつにでも入りながら、アッツアツのおでんでも突くとかどうかな?」

友「やべ、よだれが出てきた」

幼友「ふふ。で、アレだ、あたしがあーんって食べさせてあげよう」

友「わーい! って、絶対火傷するパターンッスよねそれ」

幼友「ばれちゃった」テヘペロ

友「拷問じゃないスかっ」

幼友「日本の誇る伝統芸だよー」

友「そんな伝統無いッスよ!」

友「そう言えば……」

幼友「?」

友「スキー板、多分ダメにしちゃいましたね」

幼友「あぁ、そんなこと」

友「絶対弁償しますから」

幼友「気にしなくて良いよ。命あっての物種って言うでしょ」

友「でも」

幼友「どうしてそのスキー板はダメになったんだっけ?」

友「えっと、この穴を掘るのに使ったからッスけど」

幼友「そして、その穴があるからこそ、今、あたし達は生きてる」

幼友「命より高い物はないんだよ? スキー板の犠牲で、ここに2つの命が繋がってるなら安い物じゃない」

友「なんか似合わない言葉ッスね」

幼友「あはは、だよねー」

幼友「まぁ、家訓みたいな物でね。命を犠牲にしてまで、金稼ぎをするな的な」

友「へぇ」

幼友「もう一つ、家訓じゃないんだけど、じいちゃんに良く言われてた言葉があるんだ」

幼友「人生を楽しめ」

幼友「だからあたしは、楽しいこといっぱいするんだー」

友「それは何か、らしい言葉ッスね」

幼友「……帰ったら、お礼しないとね」

友「それこそ、気にしなくても良いッスよ」

幼友「そうは行かないから、覚悟しておいてねー」クスクス

友「うッス……(覚悟って何!? どゆこと!? お礼だよね? ね??)」

幼友(……あれ、寝ちゃってた、かな)

友「すぅ……すぅ……」ギュッ

幼友「ふふ、こんなにしっかり抱きついちゃって」

幼友「友君は暖かいねぇ……」ナデ

幼友(寝顔、かわいいなぁ)

幼友「……お礼がお礼じゃなくなっちゃうかもね」クスッ


友「んん……幼友先輩?」

幼友「ありゃ、起こしちゃったかな?」

友「すっかり寝込ん……じゃ……ってぁわわあぁぁぁぁ、す、すんません!」

幼友「離れちゃダメだよー、寒いでしょ」

友「いやいやいやいや、だだだ大丈夫ッスから!」

幼友「あたしが、寒いの」

友「おぅふ……わ、分かりました」ギュッ

幼友「ふぅ~ん♪」クスクス

友「な、なんスか?」ビクビク

幼友「あたしは離れちゃダメって言っただけだよ~?」

友「」

幼友「なんて、ウソウソ、暖かくて良いわー」

友「……外、静かッスね」

幼友「ありゃ、ホントだ」

友「あぁ、明るくなってきたな」

幼友「あとは迎えを待つだけ、かな?」

友「そっすね」


オーイ トモー

オジョウサマー


友「良いタイミングだなぁ」

幼友「残念」ボソ

友「え?」

幼友「なんでもないよー」

友「そスか。出られますか?」

幼友「うん。よっ、とっ」モゾモゾ

友「ふぅあ~~……」ノビー

友「よし。お~~~~~~~い!!」


アッチダ!


男「友! 幼友先輩!」

幼友「」ノシ

友「きゃーっ、男君待ってたわよ~~~っ」

男「やめろバカ」

友「うぅん、いけずぅ」

幼友「ぷっ、あっはははははは!」

男「それだけバカ言う余裕があるなら、おまえは大丈夫そうだな」

友「おーよ! ピンピンしてるぜ!!」

執事「お嬢様!? ご無事で!」

幼友「ごめんなさい、心配をかけたね」

執事「いえ、お嬢様がご無事なら何よりです」

幼友「友君のおかげね。彼が居なかったら、一緒に居るのが彼じゃなかったらと思うと、ゾッとするわ」

執事「友様、お嬢様がお世話になりました」ペコリ

友「いえそんな、オレも生き残るのに必死だったんで」

執事「お嬢様、その脚は?」

幼友「ちょっと挫いちゃって。友君が応急処置はしてくれたんだけど、ちょっと立てないかな」

執事「では、ひとまずわたくしが負ぶって参りましょう」

男「おまえは歩けるよな」

友「優しさが足りないと思いませんか……」

男「しょうがねぇなぁ、ほら」

友「お姫様抱っこが良いなー、なんて」

男「ヨシおまえは谷底にうっかり落ちて死亡な。て言うか落とす」

友「イヤ冗談です許してください」

幼友「」クスクス

男・友・幼友「ただいま~」

幼「幼友ちゃん!!」ダキッ

幼友「あっ、ちょっ、幼、待って!」ドターンッ

女「きゃっ!? 大丈夫ですか!?」

幼友「あいたたた……」

男「幼姉ちゃん……」

幼「ご、ごめん、幼友ちゃん」

幼友「あたしこそ、みんなに心配かけちゃったね」

女友「友君もお帰り」

友「疲れたよ~、柔らかいベッドで一眠りしたい~、その前に腹減った~」

女友「なんだか、思ったより元気ね」

友「医者に寄ってきたけど、特に異常なかったよ」

女友「そ、そう、良かったね」

執事「皆様、お留守番ありがとうございました。お客様にこのようなことをお願いしてしまって申し訳ございません」

幼「いえ、良いですよ、これくらい」

メイド「お食事の準備は出来ておりますので、皆様でお摂り下さい」

友「ぃやっほー! 1日ぶりの御飯だ!!」

幼友「流石に空腹で倒れそう」

友「へぇ~すげぇ、ホントに露天風呂だ!」

友「さむっ、早く入ろ」ブルッ

友「おぅふ~、あっちっ」ザブン

幼友「待ってたよー」

友「」

幼友「おーぃ?」

友「ごごごごごごめんなさい間違えましたっ!///」ザバシャッ

幼友「待った待った待った! 間違えてないよ!!」ガシッ

友「え? うぇ? い、いやいやいや、間違えてなかったとしたら、えぇぇ??」

幼友「パニクり過ぎだよ、友君」クスクス

幼友「ここは混浴と言うか、そもそも家風呂みたいな物だから、そう言うの関係ないんだよ?」

友「イヤ、だとしても、一緒に入るのは……流石にヤバイッスよ」

幼友「一晩中抱き合ってた仲なんだから、今更照れなくても良いんだよ~」ニヤニヤ

友「ウェア越しじゃないッスか」

幼友「まぁまぁ、ほら、ジュースも用意してるんだし、ゆっくり暖まって行きなよ」

友「……しょうがないッスね」

幼友「はい……んじゃ、2人の無事を祝って、かんぱーい!」

友「かんぱ~い」

友(う~ん、しかし……)ゴクゴク チラッ

幼友「……」ゴクゴク

友(……)ゴク チラッチラッ

幼友「……」

幼友「友く~ん」

友「ひゃいっ!?」

幼友「そんなチラ見しなくても、堂々と見て良いんだぜ?」

友「」

友(えぇい、ままよ!)バッ

幼友「えいっ!」ダキッ

友「うえぇぇぇぇ!?」

幼友「ねぇ友君」

友「はわわわわわ……」

幼友「……昨日、友君に抱かれてて、すごい安心したんだよ」

幼友「今ここでこうしていられる事は、どれだけ感謝してもしたりないよ」

友「……」

幼友「だから、お風呂から上がったら、あたしの部屋に来てくれないかな?」

友「それは……」

幼友「この言い方だと、来てくれなそうだね……」

友「へ?」

幼友「私の部屋に来なさい、友君!」

友「はひっ」

コンコン …… カチャッ キーーッ

友「幼友先輩、来ましたよー?」コソコソ

友「……部屋が暗い。居ないのかな?」

ガバッ

友「うひぃ!?」

友(なななななんだなんだなんだ何が起きてる!?)

友(後ろから掴まれて、うぉ、バランスがっ)

ボフンッ

幼友「にひひ、友君、つーかまーえたー」

友「幼友先輩!?」

幼友「あまり大きい声は出しちゃダメだよー、んぅ」

友「んぶっ」

友(なんでオレ、幼友先輩にキスされてんだ……!?)

幼友「ん、んん、れろっ」

幼友「んぷっはぁ。さ、たぁ~っぷり、お礼してあげるからねぇ♪」

幼友「ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ」

友(どうしてこうなったんだろ……)

幼友「ちゅっ、ちゅちゅっ」

友(今オレは、パンツ一丁になって、体中を幼友先輩にキスされてる)

幼友「ちゅっ」

友(……正直、こそばゆさが何とも言えません)ムクッ

幼友「ぁ、やっと反応したー」サワサワ

友「ぅぁっ、ちょっ、そこはシャレになりませんって!」ムクムクッ

幼友「シャレじゃないよ……はむっ」

友「」ビンッ

幼友「あら、パンツの上から甘噛みしただけで、一気に元気になっちゃったね」

友「くぅっ、ここまで我慢してたのに……」

幼友「ふふ、我慢なんてしなくて良いのに。じゃ、おっきしたところで、パンツぬぎぬぎしましょうねぇ~」

友「」


友(脱がされた……)

幼友「……」ペロッ

友「はぅっ」ビクンッ

幼友「男の子はこうされるの好きなんでしょ? あむ……」

友「うぁ、そんな、口でなんて……」

幼友「むぶっ、ちゅっ、じゅぼっ」

友「くっ」

幼友「じゅっぷ、もごっ(まだ出ないの……?)」

友「先、輩……」

幼友「ふぐ?」

友「で、る、出るっ」ビュクッ

幼友「むぐっ!?」

友「くっ、あっ!」ビュルッドクッ

友「……ふぅ、はぁ」

幼友「……む」ゴクン

友「っ!?」

友「何飲んでんスか!」

幼友「変な味だねぇ」クスクス

友「……はぁ」

幼友「さて、と……」ファサ

友「……まだ、するんスか?」

幼友「まだまだこれから、だよ?」

友「マジスカ」

幼友「何言ってるの、ここからが本番じゃない」

友「……覚悟決めるか」

幼友「良い心がけね」

友「で、次は何するんでしょう?」

幼友「……」モジモジ

友「先輩?」

幼友「そ、そのまま、横になっててね……」

友「うぃ」

幼友「またがるよ」

友「ぇ」

幼友「よっ……と」

友「まさか……」

幼友「ふふっ、それじゃ、本番スタート」

ズプ

幼友「っ~~!」

友「ちょっ、本番ってソッチ!?」

ズブブップチッ

幼友「っ~~~~~~~~~~~~!!!」

友「くぁっ!?」

幼友「」グスッ

友「……え!? もしかして初めてなんスか!?」

幼友「そう、だよ……」グスッ

友「じゃあ、なんで、こんな……!」

幼友「……命より、高いものはない、って、言った、よね」グススッ

友「えぇ……」

幼友「命を助けて貰った私が、友君にあげられるものを考えたら、これしかなかった、の……」

友「……すぅー、はぁー」

幼友「友、君?」

友「良いんスね?」

幼友「自分で決めたことだもの、良いに決まってるじゃない」

友「分かりました……」ズッ

幼友「ひぁっ!」ビクンッ

幼友「ま、待って! あたしが動くから!」

友「じゃあ、早速、お願いします」

幼友「う、うん……くっ」ズルッズッ

幼友「ひぅっ……はぁっ」ズッ ズッ

友「……気持ちいいッスよ、先輩」

幼友「いや、名前で、呼んで?」

友「はい……幼友、さん」

幼友「ふぁっ」キュンッ

友「うぁっ、絞ま、るっ」

幼友「んっ、ぁっ、あっ」ズッズッズッ

友「はぁ、はぁ……っ」

幼友「ちょっとっ、きもちっくっ、なってきた、かなっ」ズッズッ

友(腰が動きそうなの、我慢するのが、ツライ……)

幼友「はぁっん、ぃいっ」ズッズッ

友(もう我慢、しなくても良いよね?)ズンッ

幼友「っ!? ひあはぁっ!!」ビクッビクッ

幼友「ぁっ~~~~~!!!」ビクンッビクンッ

友「……イっちゃいましたか?」

幼友「……た、ぶん」ピクピクッ

友「そっスか……でもオレ、まだイってないんスよね」ズッ

幼友「にゃっ!? ちょ、ちょっ」ビクンッ

友「待て、ませんっ」ズンッズンッ

幼友「ひゃぁっ、やっ、きもちっいぃっのがっ!」ビクッビクッ

友「幼友さんが、痙攣するたびに、絞まって、良いですよ」ズンッズンッ

幼友「こわぃ、怖いのぉ!!」ビクビクッ

友「くっ、もうちょっと、もうちょっとだからっ!」ズンズンズンッ

幼友「うぁあぁぁぁぁんっ!!」ビクンッ

友「やべっ、出るっ!」ズルヌポンッ

友「うっくっ」ビュルルッビュッ

幼友「はぁっ……ぁぁっ……」ビクッビクンッ

友「はぁ、はぁ……」

幼友「外に、出しちゃったんだね」

友「そりゃ、まぁ」

幼友「残念、かな?」

友「え?」

幼友「ふふ、なんてね」ナデナデ

幼友「んむ……」チュッ

友「ん……オレで、良かったんスか?」

幼友「友君が良かったんだよ」

友「そっスか」

幼友「そっスよ」

幼友「1年生ににぎやかな子が居るなーって、前から気になってたの」

友「え?」

幼友「それが今回の旅行に一緒に来て……」

友「えぇ?」

幼友「やっぱり面白い子だなーって思ってたんだけど」

友「……」

幼友「頼りがいのある意外な面も見れて、一気にオチちゃった、かな」

友「えぇー……」

幼友「そう言うわけで、友君、あたしたち、付き合っちゃおうか?」

友「……オレには幼友さんと釣り合う自信がないッスよ」

幼友「釣り合うとか気にしちゃダメだよー」

幼友「気持ちが大事なの。友君はあたしとは付き合いたくない?」

友「……付き合いたいッスよ、そりゃ」

幼友「じゃあ、よろしくね!」ギュッ

友「はい、よろしくお願いします」ナデ

幼友「ぁっ、それいい……」トローン

友「じゃあ、もっと撫でます」ナデナデ

幼友「うふふ」トローン

翌朝

女友「どうしてこうなった……」


幼「こっち出来ましたよ、メイドさん」

女「こっちもokで~す」

メイド「ありがとうございます。お二人のおかげでずいぶん捗りました」

幼「いえ、これくらい。ねぇ女ちゃん?」

女「そうですよぉ、あたしも色々勉強になりますし」

女友「ちょっと、女!」

女「あれ、女友ちゃん、どうしたの?」

女友「いいから、ちょっとこっち来て」

女「ん~? ちょっと行ってきますね~」

メイド「はい、大変助かりました」

女「で、なにー?」

女友「なんであんた、幼先輩と仲良くなってんの」

女「え? 別に仲悪かった訳じゃないけど」

女友「幼先輩から男君を寝取るんでしょ!?」

女「あー、そんなことしないよ?」

女友「え!?」

女「そもそもやるなんて言ってないし」

女「男君のことは、もう良いんだ。もう、忘れるの」

女友「そんな簡単に忘れられるの!?」

女「簡単じゃないかな~。でも、ちゃんとケジメは付けたから、大丈夫だよ」

女友「そ、そう、なの……」

女友「なんなのよ、もう……」


幼友「友君、お菓子食べる?」

友「いや、まだ朝ご飯前じゃないッスか」

幼友「そっかぁ」ショボーン

友「お茶のおかわり貰って良いッスか?」

幼友「うんっ!」イソイソ


女友「? ……ちょっと男君、どうなってんのアレ」

男「さぁ、遭難の時に何かあったんじゃね?」

女友「……」ズキン

女友(あれ……なんだろ、これ)

女友「まさか……ね」

男「ん?」

女友「なんでもないっ!」

男「あっそ」

男「あ、そうだ、女友さん」

女友「え、なに?」

男「あんまり女さんに余計なことを吹き込まないように」

女友「……えぇ!?」

男「言いたかったことはそれだけ」

女友「ぁ……そう……」

友「あー、そう言うわけで、な」

男「いきなりどういう訳だよ」

友「幼友先輩と付き合うことになっちゃった!」

幼「えーっ!? そうなの?」

幼友「う、うん///」テレテレ

女「そうなんですね、おめでとうございます~」

女友「っ!」ズキンッ

女友「お、おめでとうっ」ニコッ

友「おぅ、ありがとう~!」

女友「あ、あたし、ちょっと部屋行ってくるねっ」タタタッ

友「おぅ?」

コンコン ガチャッ

女「女友ちゃん、なんか変だよ?」

女友「な、なんでもないよ!?」

女「そう?」

女友「うんうん!」

女「……帰ったら、失恋パーティーでもしよっか?」

女友「ちょっ、あんた何言って!?」

女「友君のこと、好きだったんじゃないの?」

女友「っ!?」

女「あたしも恋して、失恋したから、さっきね、なんか分かったの」

女友「……自分の気付いたの、そのさっきなのよ」

女「……そっかぁ。お互いツライね」

女友「そう、ね」

女「どうするの?」

女友「どうするって、今更……」

女友「もうどうしようもないじゃない」

女「寝取るんじゃないの?」

女友「っ! ……あ、あんなこと言って、ごめん」

女「そっかぁ、それじゃ諦めるんだね」

女友「っ……うん……」

女「泣いても、良いんだよ?」

女友「うん……」ヒック

女友「うぅ、うあぁぁぁぁ~~~~ん!!」

女「……」ナデナデ

帰り

男「お世話になりました!」

幼・友・女・女友「なりました~!」

メイド「私も楽しかったです。宜しければ、またいらしてくださいね?」

幼友「それじゃ、後のことはよろしくね」

執事「畏まりました」

幼友「じゃ、みんな帰るよ~!」

新幹線内

男・幼「」イチャイチャ

友・幼友「」イチャイチャ

女友「何この空気……」

女「いいなぁ~」

女友「女……」

女「なぁに?」

女友「あたしらもイチャイチャするか」

女「えっ!?」

女友「……ぷぷっ、冗談よ、冗談」

女「びっくりしたぁ。ソッチの道に目覚めちゃったのかと」

女友「ま、新しい恋でも探していくさっ」

女「そうだねぇ」

帰宅後

男「まっさか、友が幼友先輩と付き合うことになるとはなぁ」

幼「びっくりだねぇ」

幼「今度、wデートでもしようって言ってたよ」

男「うは、良いかもね」

幼「じゃあ、幼友ちゃんにokって返事しておくね」

男「うん」

幼「……ねぇ、また、する?」

男「……うん」チュッ


今度こそ、おわり

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