柚「待ちくたびれて朝がくる」 (58)


・喜多見柚ちゃんのSSです

・10年後です



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453651754


モバP(※以下表記P)「……」

P(明日は久しぶりのオフ。今日は珍しくいつもより仕事が早く終わって上がらせてもらったけど)

P(メシ食って、風呂入って、それから特になにもすることなく、もうすぐ日付が変わろうとしている)

P(社会人になって随分経つけど……俺ってこんなに仕事人間だったのか!?)

P(趣味がないわけじゃない。まったく手をつけていない漫画に詰まれた未開封のプラモだってある。なのに、なのになぜ)

P(せっかく明日休みなんだから寝ないぞー! って調子こいてコーヒーガブガブ飲んで目は冴え渡っている)

P(……無理矢理にでも寝るか)

ヴヴヴ


P「ん……?」

ヴヴヴヴ

P「柚? どうした?」

柚『あっ、Pサン! 助けてっ!』

P「は? ちょ、ちょっとどういう」

柚『詳しいことは会って話すからさ! なにも言わずに助けて!』

P「わ、わかった。いまどこに」

ブツッ

P「……切れた」


『おかけになった電話は……』

P「……」

P「……ダメだ。出ない」

P「と、とりあえず警察か? いや、でもなんて説明すれば……」

ピンポーン

P「誰だよ……いまそれどころじゃ……」

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

P「……」

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

P「……」

ガチャ


柚「もーっ! 早く開けてくれないと風邪引いちゃうよー!」

P「……」

バタンッ

P「……」

ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン

ガチャ

柚「話くらい聞いてくれたっていいじゃん!」

P「……いま何時だとおもってるんだ」

柚「んーっと、携帯切ってるからわかんないけど、11時くらい?」

P「11時55分」

柚「惜しいね!」


P「こんな時間に外を歩いたらダメだろ」

柚「歩いてないよー。走ってきたから」

P「屁理屈はよろしい」

柚「えへ」

P「でもとりあえず……はぁ……無事でよかった……」

柚「心配した?」

P「そりゃああんな電話があったら……」

柚「へへっ♪」


P「安心したんで、それじゃ」

柚「おじゃましま~す♪」

P「ちょっと!」

柚「この寒空の下、女の子ひとり放り出しておくつもりなの?」

P「……」

柚「あー、Pサンってばヒドいなぁー。こんなかわいい子を東京の夜にひとりで放置しておくなんてなぁー。ご近所さんの目もあるとおもうんだけどなぁー?」

P「くっ……とりあえずどうぞ」

柚「改めて、おじゃまーん♪」


柚「ベッドにダーイブ♪」

P「おとなしくしてなさい」

柚「Pサンのにおいがするー」

P「タクシー呼ぶからな」

柚「あっ、それはダメ!」

P「なんで?」

柚「いまお金ほとんどないから」

P「いや、俺が出すよ」

柚「返さないよ?」

P「まぁタクシー代くらいなら……」


柚「こんな時間にタクシーとか撮られちゃうカモ!」

P「ここに来てる時点で問題だろ……」

柚「昨日007みたから大丈夫だったよ」

P「なんだそりゃ……なら誰かに連絡して……」

柚「もう日付変わっちゃってるけど?」

P「……」

柚「忍チャンとかもう寝ちゃってるだろうなー。明日朝から仕事だって行ってたしなー」

P「じゃあホテル……は空いてないからネカフェに」

柚「ネカフェって結構危ないって聞くけどどうなんだろ?」

P「……うん、やっぱり家に」

柚「やっ!」

P「どうすれば……」


柚「簡単だよー。Pさんが泊めてくれればいいんだよー」

P「それはダメ」

柚「え~なんで~?」

P「俺はプロデューサー、柚はアイドル。そして男と女」

柚「アタシもう25だよ? すっかり結婚できる年齢だよ?」

P「そういう問題じゃあない」

柚「じゃあどういう問題?」

P「いろいろダメなんだよ、とにかくさ……」

柚「んー、よくわかんないなって」


P「とにかく、ここにいちゃダメなんだから。自分の立場っていうのをもうちょっとだな……」

柚「せっかく来たのにお説教はないかな」

P「説教じゃなくて注意だ」

柚「同じだよー!」


P「……」

柚「おっ、漫画がいっぱいある。足伸ばして寝られるネカフェだね、ココ」

P「柚」

柚「あっ、これまだ開けてないけど読んでいい?」

P「帰るんだ」

柚「言ったじゃん。やだーって」

P「はぁ……もう25だろ。いい加減わがままを通すのはやめなさい」

柚「ワガママ言うのはPサンだけだよ」

P「……どう反応すりゃいいんだ」

柚「喜べ喜べ♪」


P「柚」

柚「今日ばっかりはPサンの言うこと聞けないよ」

P「どうして?」

柚「どうしても!」

P「理由をちゃんと言いなさい」

柚「帰りたくないんだもーん」

P「それは理由になってないから」

柚「えー、じゃあPさんちに泊まりたいから!」

P「その理由はダメです」

柚「ダメ?」

P「うっ……そ、そんな顔で見られてもダメに決まってるだろ」


柚「どうしてもダメ?」

P「ダメ! 絶対ダメ!」

柚「一生のお願いっ!」

P「……この前、昼飯でパフェ食うときも一生のお願い使ってたよな」

柚「そうだっけ?」

P「食べ過ぎっていうのはわかってるんだけど、メニューのデザート欄みたのが運の尽き。後生だからって言ってた」

柚「忘れてるからノーカンってことで」

P「都合のいい……」


P「……こうしよう。柚はここに泊まっていい。漫画を読んでもいいしベッドを自由に使えばいい」

柚「ホント!? やった♪」

P「俺はネカフェで寝る」

柚「えー! それはダメっ!」

P「ダメじゃない。それが一番で安全だ。うん、じゃあ行ってくる」

柚「ダーメーPサンが一緒じゃないと意味ないのー!」

P「意味ないってなんだよ。俺は石橋を叩いて渡る派なんだから。こら、服が伸びる」

柚「家主がいないでどーするの」

P「そういう日だってあるし、今日がたまたまその日だっただけだ」


柚「じゃあこうしよう!」

P「提案する立場かよ」

柚「柚のこと、好きにしていいよ」

P「……は?」

柚「ここには2人しかいないし」

P「いや待て待て」

柚「なにをやっても、誰にも言わなかったらバレないんだから」

P「はい、ストップ! ちょっとタイム!」


柚「Pサンはそこまで意気地なしなの?」

P「いや、それとこれとは……」

柚「女の子にここまでさせておいて?」

P「そっちが勝手にやってるんだろ!」

柚「この際、細かいことはなしだよ」

P「その細かいことっていうのが一番大事なんだから!」

柚「むぅ……強情」


柚「ね、Pサン」

P「なんだよ……」

柚「アタシはPサンのこと、好きだよ。ううん、愛してる」

P「それは俺だって」

柚「きっとPサンの好きとアタシの好きは違う」

P「違うもなにもお互いの立場が」

柚「立場ってなに? その一言でアタシの気持ちを片付けちゃうの?」

P「いや、別にそれで済ましてるわけじゃ」

柚「だからこうしたの。もう片手じゃ足りないくらいの時間が経とうとしてるんだよ?」

P「う……」


柚「自分たちはアイドルとプロデューサー」

P「……」

柚「もうその言葉は聞き飽きちゃった」

P「……」

柚「誰が決めたの? 神様だって禁止してないよ?」

P「……そういえば飲み物がなかったんだった。ちょっとコンビニ行ってくる」

柚「逃げるんだ」

P「……とりあえず合鍵渡しておくから。じゃあ」

柚「Pサン!」

バタンッ

柚「……バカ」





~2年前


柚「ねぇねぇ、Pサン」

P「おー?」

柚「アタシねぇ、Pサンのこと好きだよー?」

P「はは、そうか」

柚「なにさー、ははってさー笑っちゃってー」

P「すっかり酔ってるな」

柚「酔ってないですぅ」

P「楽しかった?」

柚「久しぶりにみんなと会えたしねー。そりゃ楽しかったよぉー」


P「フリスクが活動休止してもこうやって集まれるってなかなか貴重だぞ?」

柚「前々から約束してたからねー、4人で飲みに行こうって。ひっさしぶりだったなー」

P「いい4人だよ。本当に」

柚「ねー。また一緒に活動したいなー」

P「もうみんな売れっ子だもんなぁ」

柚「難しい?」

P「すぐには無理だけど、いつかはきっと」

柚「楽しみー♪」


柚「今度はPサンと飲みたいなー♪」

P「いつかな」

柚「Pサンのいつかっていつなのさー。毎回そう言って結局流れちゃうじゃん」

P「下心はないとはいえ、アイドルとサシ飲みっていうのはな」

柚「別に酔わせてホテル連れ込むわけじゃないんだからいいじゃーん」

P「コラ。冗談でもそんなこと言わない」

柚「じょーだんじゃないよー。柚はいつだって本気なんだから」

P「……やっぱり酔ってるな」

柚「結構意識ハッキリしてるよ?」

P「はいはい。自分の状態は自分が一番よくわからないもんだ」


柚「じゃあ本気の証にちゅーでもしよっか?」

P「……酒くさ」

柚「あー! ひっどーい! Pサン、デリカシーなさすぎー!」

P「何杯飲んだのよ」

柚「んーっと……4杯くらい?」

P「……指は5本なんですが」

柚「いちいち数えながら飲んでないよー!」

P「度数の高いやつは飲んでないみたいだけど」

柚「あずきチャンみたいに強くないからねー」


P「まぁ、何事もほどほどにな」

柚「Pサンがいてくれるから安心してはしゃげるんだー」

P「フォローできる限界はあるからな」

柚「まーまー、そこは柚のこと信用してよ」

P「信用はしてるけど、心配ではあるんだよ……大切なアイドルだし、柚になにかあったらっておもうと」

柚「夜も眠れない?」

P「……そんなところかな」

柚「うへへ、大事にされてるなぁ、アタシって」


柚「ね、ね、柚のこと好き?」

P「好きか嫌いかで言ったら、好きだよ」

柚「ライク? それともラブ?」

P「直球だな」

柚「柚はラブの方だよ」

P「やっぱり飲み過ぎだな」

柚「Pサンは?」

P「……」

柚「柚は答えたんだから不公平だよー」

P「どうしても?」

柚「どうしても!」


P「……」

柚「家に着くまでに答えてくれなきゃ降りないよ」

P「……」

柚「どっち選んだって柚はどうもしないからさ」

P「……ライク」


柚「んー、やっぱそっちかー」

P「……ゴメン」

柚「なんであやまるのさ。別にPサン悪くないのに」

P「……そっか」

柚「あーあ、フラれちゃったなー。ダメだね、勢いで言っちゃうのは」

P「……立場」

柚「ん?」


P「過ごしてきた時間や自分たちの立場からそういう風に見ることができない」

柚「もう結婚できる歳だけど?」

P「……それでも俺にとって妹とか、恋愛感情を向けられない存在にいるんだよ」

柚「それはそれでうれしいけど」

P「だから、ゴメン」

柚「じゃあそれをひっくり返せるような魅力を持てばいいんだね」

P「……どうかな」

柚「あー、はやくオトナになりたいなー」





~現在


P(まさかネカフェが潰れてるなんて……普段通らないからまったく知らなかった……)

P(やっぱタクシーで無理やり帰らせるか……最悪野宿まである)

P(ただこの真冬の綺麗な星空の下で一夜を過ごせるとはおもえない)

P(どうしたもんか……柚がそう簡単に納得するとは……)

ガチャ

P「あれ? 電気が……」

カチッ

P(靴がない)

P「柚?」

P(帰った……のか?)


P(……寝るか)

P(いまならぐっすり眠れそう……)

柚「おかえりー」

P「え?」

柚「捕獲!」

ガバッ

P「うわっ!?」

柚「マウントポジション、ゲット~♪」


P「ふ、布団の中に……」

柚「気づかないなんてPサンもウカツだねー」

P「く、靴は」

柚「靴箱の中だよ」

P「それ俺の服……」

柚「彼シャツならぬ彼パーカーってね。どう、似合う?」

P「似合う……じゃなくて!」

柚「あっ、お風呂借りたよー。Pサンと同じにおいするの、なんかすっごいドキドキするね」

P(この体勢はいろいろ……ヤバい)


柚「んー?」

P(平常心平常心平常心へいじょうしんへいじょうしん)

柚「残念ながらパンツははいてるよー」

P「!?」

柚「おお?」

P「パ、パーカーの下、なにも」

柚「ご名答~♪ 裸パーカーって言えばいいのカナ。セクシー?」

P(このアングルでそれは……)

柚「んふふ」

P「な、なにさ」


柚「カラダはずいぶんと正直だねー。ホラホラ♪」

P「いや、ほんとそれダメだって!」

柚「んー、どうしよっかなぁ?」

P(完全に柚のペースだ……)

P(壁際だから無理にどかそうとしたら頭ぶつけるかもしれない……)

柚「Pサンはなにして欲しい?」

P「ど、どいてほしいかなーって」

柚「それはムリムリ~」


柚「そうだねー」

P(なんとかしてどかせないと……)

柚「とりあえずちゅーしよっか」

P「え?」

柚「ちゅー、しよっか」

P「いや、聞こえなかったんじゃなくて」

柚「スキあり!」

P「んむっ!?」


柚「んんっ……ん……」

P(……柔らかい)

P(頭がぼーっとして……全身の力が……)

柚「っはぁ……どーかな? 柚のお味は」

P(こんなの続けられたらさすがにヤバい……)

柚「なんにも言えないくらい甘露だった?」

P(口ん中にカルピスの原液を流し込まれたみたいだ……)

柚「いやー、Pサン顔真っ赤だよ」

P「……そういう柚こそ」

柚「わは、ホントだ。すっごい熱い」


P(昔、ハロウィンの仕事で吸血鬼の衣装着せたけど……)

P(それよりずっと小悪魔的で蠱惑的で理性が……)

P(いやいやいや、頑張れ俺。ここを乗り切ればきっと光明が差す。多分きっと)

柚「Pサン」

P「な、なんでございますでしょうか」

柚「柚ってそんなに魅力ないかなぁ」

ギュッ

P「!?」


P(待て待て待て待て待てなんだこの胸部の柔らかさは!)

P(布越しでもはっきり伝わってくるぞ、これなんだこれ。まずいまずいまずいまずい)

柚「やっぱアイドルやってるわけだから見た目は悪くないとおもうんだよねー」

スリスリ

P(うおおおおお密着した挙句に体を擦り寄せるなああああ)

柚「Pサンもカワイイとかスタイルいいって言ってくれたしー」

P(そりゃ事実だから言うよ!)

柚「いろいろアタックしかけても気付いてるのか気付いてないのかわかんないしー」

P(耐えろ! 耐えるんだ俺!)


柚「……」

P(安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火も亦た涼し……あっ、これ辞世の句だ)

柚「んー」グリグリ

P(家のシャンプーってこんなにいいにおいだっけな……あぁ、ヤバい。気を抜くと意識が……)

P「……ところで柚さんは頭を振ってなにを?」

柚「柚のニオイをPサンにつけてるの。うりうり」グリグリ

P(大人になっても柚は柚だよなぁ……においをつけるって犬猫かよ)

P(……そうだ、ペットだとおもえばなんとかなるかもしれない)

P(上に乗ってるのは猫。柚は猫。ゆずねこ……)

P(……)

ぽわぽわぽわ

柚『にゃーん♪』

P(あっ、これ逆効果なやつだ)


P(不慮の事故で水着からゆずぱいがこぼれ落ちそうになったときだって、口の中を鉄の味にまみれながら耐えしのいだというのに)

P(担当アイドルで……なにやってんだ俺……)

柚「よーし、それじゃあ……」

P「ちょ、ちょっと待った」

柚「え?」

P「なんで脱がそうと?」

柚「窮屈そうだから?」

P「それは優しさとは別物だとおもうんだよ」

柚「えー、でもすっごい苦しそうだよー」

P「明鏡止水の心でじきにおさまるから……大丈夫……」

柚「まーまー、エンリョせずに」

P「いや、本当に気持ちだけでいいから」

柚「むぅー」


P(素数だ。素数をかぞえて落ち着くんだ)

P(2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37……)

柚「よいしょ」

P(41、47、53、59、61、67ああああああ!)

柚「わっ、なんか鉄棒に乗ってたのを思い出すね、これ。ヘンなカンジー!」

P(すごい柔らかい感触が下腹部に……)

P(違う違う違う、暴れ馬の上にまたがるんじゃあないって!)

柚「ただ上に乗ってるだけなのにスッゴイドキドキする」

P(俺はいまにも心臓が止まりそうなほどドキドキしてるよ!)

柚「……やめてほしい?」

P「……もちろん」

柚「イーヤ♪」


P(こ、これはいかんですよ! またがるだけでもいろいろアウトなのに、そこへ摩擦を加えてしまったら)

柚「んっ、これ、柚好きカモ」

P(挿れてないからセーフってわけじゃないぞこれ!)

柚「あは、Pサン、スゴい顔してるよ」

柚「気持ちよくない? それともガマンしてるの?」

P(まずいまずいまずいまずいって)

柚「ジャージ越しでも、ふあっ、伝わってくるね。ドクンドクンって」


P(71、73、79、83、97、101、103……)

P(素数じゃもうどうにもならないわ!)

P(手は出していないのに、他のものが出てしまう……) 

P(って冗談言ってる場合か!)

P「んはっ」


柚「カワイイ声~♪」

P(男の子だろ! なんて声だしてんだ俺!)

柚「ね、もっと聞かせて? Pサンの声」

P(あかんあかんあかんあかんあかん)

柚「ムリにガマンする必要ないんだよ? ね?」グリグリ

P(頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだそこで諦めるな絶対に頑張れ)

柚「ホラっ、どうカナ、んっ」グイッグイッ

P「うぐっ」


P(もうなりふり構ってられない。前後に動いているタイミングで体起こして止めるしか……)

柚「んっ、ふぅっ」グイッグイッ

P(ぐぐぐ、さすがにもう……)

P「んひぅ」

P(我慢できるかああああああああ)


P(……いまだ!)

P「柚、いい加減に……!」

柚「わわわっ」

P(やべ、タイミングが)

P(抱きかかえないと壁に……)

P(ええい、ままよ!)

P「柚!」

ギュウッ


P(やわらか……)

P「あっ」

ビクンッ

柚「あ……」

P(あああ)

P(あああああ……)

P(あああああああああああ……)





P「……」

P「……」

P「……朝か」

P(なんかすごい夢を見たな……)

P(そしてパンツからくる謎の不快感……この年齢になってやってしまうとは……ため込んでたからなぁ)

P(とりあえずパンツ洗おう……)


P「ん……?」

P(起き上がれない)

「んー……んん……」

P「んん?」

柚「さむい……」

P「」


P(夢だけど……)

P(夢じゃなかった!)

柚「さむいー」ギュッ

P(これは……)

P「これはいったいどういうことだ……」


柚「あったかー……」

P「どういうことだ……」

柚「んんんー……あさ?」

P(寝ぼけ眼の柚かわいいな……いや、そうじゃなくて)

柚「おはよー……おやすみ……ぐぅ……」

P「ちょ、柚。起きて、起きて」

柚「んー……あと5時間……」

P「昼になるよ!」


柚「もー、なにー?」

P「昨日、というか深夜のことなんだけど」

柚「んー……」

P「俺、なにした?」

柚「……」

P「……なにした?」

柚「覚えてないの?」

P「気付いたら朝で……」

柚「んむむ……」


柚「知らないっ」プイッ

P「えっ、なんで怒ってるの」

柚「Pサンなんかキライっ」

P「え? いや、はぁ?」

柚「柚はおこなの」

P「お、おこ?」

柚「……ホントに覚えてないの?」

P「はい……」

柚「……ひらめいた」

P「ん?」


柚「あー、覚えてないんだー。あんなにお互い求め合った……えーっと、熱い夜のことを?」

P「……」

柚「んーっと、いまのナシで。もっかい最初から」

P「……つまりなにもしてないと」

柚「さっきのノーカン! リテイク! 忘れて忘れて、はい、忘れたー!」

P「……まぁなにもしてないならいいんだけど」

柚「なにかしたのー!」


おわり


君の冷えた左手を僕の右ポケットにお招きするよりも柚に抱きついて暖をとりたい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom