夕立lv150「提督さん、どうして帰ってきたの?」 (33)


新人提督「えっと、君が今日の演習相手…だよね?もう一人は?」

夕立「ごめんなさい、時雨はちょっと体調を崩して演習に出るのは無理っぽい」

新人提督「そうなの?困るなーちゃんと事前の申請通りに来てもらわないと」

夕立「でも大丈夫っぽい!時雨の分も夕立が頑張って相手してあげる!」

新人提督「本気で言ってるの?こっちは戦艦6隻だよ、勝負にならないんじゃ…」

夕立「…心配ないっぽい、すぐに終わるから」

夕立「さぁ、素敵なパーティしましょ?」

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前スレ

夕立lv150「提督さん帰って来ないね」時雨lv150「…うん」
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新人提督「嘘、だろ…」

夕立「ふぅ」

夕立「それじゃあお先に失礼しまーす、お疲れ様っぽいー」

新人提督「…練度の差があるから負けるのはありうる…でも、完敗だと?たった一隻に?」

新人提督「何なんだ、あの夕立は…」


今日も演習で勝つことが出来たっぽい
ここ最近はずっと勝ってる気がする
嬉しい…と思う

でも今日時雨が倒れたらしい、後で様子を見にいかないと
いったい何が原因なんだろう?比叡のカレーでも食べたっぽい?

…あれ、でも長い間比叡カレーを見てないような…何でだっけ?
ま、いっか…早く帰らなきゃ


吹雪「夕立ちゃん!」

鎮守府に着いてすぐに、走り回っていた吹雪ちゃんが声をかけてきた
とっても興奮しているみたいで、「さっき」とか「青葉さんが」とか色々話が飛んで訳が分からないっぽい

夕立「とりあえず落ち着くっぽい、誰がどうしたの?」

その言葉にようやく深く息を吐いて落ち着き、嬉しそうに

吹雪「司令官が帰ってきたの!」

そう言った


夕立「ふーん」

吹雪「ふーん…って、えぇ?それだけ?」

夕立「うん、それより吹雪ちゃんはどこに行こうとしてたの?」

吹雪「あぁ!そうだった、曙ちゃんを呼びに行かなくちゃ!司令官は医務室で時雨ちゃんといるらしいからー!」

最後まで言い切る前に走り出した吹雪ちゃんを眺め終え、お風呂へと歩き出した


夕立「~♪」

湯船に浸かりながら、大きく伸びをする

勝った後のお風呂はとっても気分が良くて好きっぽい
いつもなら自主鍛錬を終えた子が何人か同じようにお風呂に入っているのに、今日は誰もいないみたい
というのも、ついさっき脱衣所で一航戦や二航戦の人たちとすれ違ったから何だけど

皆髪もちゃんと乾かさずに飛び出していくなんて、暁が見たらぷんすか怒りそうっぽい
赤城さんなんてちょっと見えてたし、レディ失格ね…なーんて


お風呂からあがった後は、自室のベットでのんびりするのが日課
いつもならこの時間は時雨とおしゃべりしているけど、今日はできそうにないっぽい

遠くの方からまた爆撃音や叫び声が聞こえてくる
喜ぶ声、怒った声、泣き声…どれも提督さんに向けられたものみたい

皆大げさっぽい、10ヵ月と17日ぶりに提督さんが帰ってきただけなのに


<バタンッ

村雨「ああっ!?ここにいたのね夕立!」

夕立「そんなに慌ててどうしたの?」

村雨「どうしたのじゃないわ、提督が一年ぶりくらいに帰って来たのよ?こんなところで何してるの!」

夕立「ん~?することがないから、お昼寝?」

村雨「お昼寝って…、!?」

夕立「はぁ、分かったっぽい。提督さんに会いにいけばいいんでしょ?」

夕立「…そろそろ良い時間だろうし」スタスタ

村雨「…夕立、あなた」


提督さんが今どこにいるのか、誰かに聞くまでもなくすぐに分かったっぽい

提督「ごめんな」

曙「…」

提督「待っててくれて、ありがとう」

広場には涙を流して抱き合う提督さんと曙ちゃんがいて、その周りでは吹雪ちゃん達が目に涙を浮かべていた
何があったか聞かなくても、予想できるっぽい


でもちょうど良かった、今なら話しても良さそう

夕立「てーとくさん♪」

いつも以上に明るく、笑顔で

夕立「おかえりなさい、久しぶりね!」

対応は違っても、きっと皆から帰ってきたことを喜ばれた提督さんに

夕立「うん、元気っぽい!…ところで提督さん、一つ聞きたいっぽい」

こう尋ねた

夕立「今更どの面下げて帰ってきたの?」


「今までどこで何をしていたの?」

「どうして誰にも何も言わず、私達の前からいなくなったの?」

「仕事が嫌になったっぽい?私達が嫌いになったっぽい?」

「だとしたら、何で帰って来たの?」

「ねぇ、どうして?」

「ねぇ!!!どうして!!!」

「…帰ってきたっぽい?」


――――ザザーン


時雨「ここにいたんだ」

夕立「…」

時雨「艤装が無くなってたから、皆周辺の海域を探しにいったけど…」

時雨「まさか、ここにいるなんて」

夕立「…もう体は大丈夫っぽい?」

時雨「うん、提督のおかげで」

夕立「そっか」

時雨「夕立は、まだ大丈夫じゃないみたいだね」


夕立「そう…でもないっぽい?」

時雨「曖昧だね」

夕立「うーん…」

時雨「夕立はどうしたいの?」

夕立「分かんない」

時雨「やっぱり、提督を許せない?」

夕立「…」

夕立「許すとか、許さないとかじゃないと思う」

夕立「もう、どうしようもないっぽい」


時雨「…じゃあ、こうしよう」

時雨「これから僕と勝負をして、僕が勝ったら提督と仲直りしてもらう」

時雨「夕立が勝ったら、夕立の言うことを何でも聞くよ」

夕立「…本当に、何でも?」

時雨「うん」

夕立「例えば、提督さんを殺してって言っても?」

時雨「うん」

夕立「…いいよ、何するっぽい?」


時雨「僕と、夜戦してもらう」


――――ザザーン

夕立「…ねぇ、本当にやるの?」

時雨「もちろん、今更止めるとかはなしだよ?」

夕立「…」

時雨「さぁ」

時雨「始めようか」


正直、負ける気がしなかったっぽい
千を超える演習を2人でやってきて、時雨の実力はよく分かっているつもりだった

一部を除き、基本的な性能は似ている部分が多く
それぞれに優れている点があって、お互いにカバーし合っていた

でも、戦闘が夜戦だけなら話は別
先に動けさえすれば、戦艦にも負けない自信がある

…もし、万が一負ける要素があるとすれば――――


夕立「…あーあ、これってもしかして」

時雨「うん、僕の勝ちだ」

夕立「…そっか、運が無かったっぽい」

夜戦ならどの駆逐艦にも負けない自信があっても、どうしようもないことというのはある

それが、運だ

放った魚雷が当たる確率は、相手の機動力やこちらの精密さに関係するだろう
しかし、どれほど上手く撃ったとしても、当たらない時は当たらない

あぁ、全くついてないっぽい

時雨「それは違うよ」


夕立「…?」

時雨「僕が勝ったのは、運が良かったわけじゃない」

夕立「なら、時雨の方が強くなったから?」

時雨「それも違うよ」

夕立「なら…」

いったい何が勝敗を分けたのか
…本当は、もう分かっているけど

時雨「僕が強くなったわけじゃない、夕立が弱くなったんだ」


思えば、演習で勝つようになってから体に違和感を覚えていた
今まで以上に速く動き、強い攻撃が出来るようになっていく一方で

心の中がぽっかりと空いていくような、そんな気持ちを感じていた

そして、その空いた心が一瞬にして■く埋もれたのが――――

時雨「今の夕立は、大きな改装をする前と同じ目をしているよ」

提督さんが帰ってきたと、聞いた時だ


時雨「…夕立は、戻りたかったんだよ」

時雨「提督と一緒に毎日一生懸命海域を攻略していた、あの頃にさ」

きっと、時雨も同じ気持ちなのだろう

時雨「大丈夫、戻れるよ」

これ以上ない、見る人全てを救いそうな笑顔で

時雨「だから帰ろう?提督のところに」

私(あたし)を救った


心臓が早鐘のようで、めちゃくちゃうるさいっぽい

提督室の前に立つこと10分、まだ中に入れていない

ここまで連れてきた時雨は早々に「じゃ」と一言言って、先ほどと同じ笑顔で去っていった
…今度は誰も救えなさそうな笑顔だったっぽい

夕立「うう」

久しぶりの再会で、あれだけの文句と嫌味を言った後で、いったいどんな顔して会えばいいのか


村雨「ほーら、いつまでそこにいるつもり?」

夕立「え?あっ…」

村雨「時雨に言われて見に来てみれば、あなたらしくもないわよ」

夕立「…ぽい?」

村雨「大丈夫、今度はちゃんと提督の話を聞きましょう?きっとまたやり直せるから」

夕立「…うん」

この先、提督さんと昔のように戻れるかは、分からない
でも、今ならちゃんと、本当の気持ちを伝えられるかもしれない

左手にある提督さんとの繋がりをしっかりと確かめ
扉を開けた


以上です、依頼出してきます

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