比企谷「……俺が結婚すべきはめぐり先輩かもしれない」 (67)

比企谷「……俺が結婚すべきはめぐり先輩かもしれない」

結衣「!?」ガタッ

雪乃「!?」

比企谷「ん?どうしたお前ら」

八幡×めぐり先輩の俺ガイルSSです。

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雪乃「比企谷くん?」

結衣「ヒッキー今のどういうこと!?」

八幡「………声に出てたか」

結衣「思いっきり出てたし!」

雪乃「場合によっては通報も辞さないわよ」

八幡「なんでだよ」

雪乃「あなたの先程の発言は極めて危険な物と判断するわ。城廻先輩にそこまでの劣情を抱いていたとは……」

八幡「誇張解釈が過ぎるだろ。大体、平塚先生も言ってたろ。俺のリスクリターンの計算能力は………」

結衣「いいから答えて!ヒッキー今のどういうこと!」

八幡「……ただの独り言だ。気にしないでくれ」

結衣「気になる!」

雪乃「比企谷君?もう言い逃れはできないわよ。あなたには先程の発言に付いて証言する義務が。そして我々には尋問する権利があるわ」

八幡「そんなこと言われてもな……」

結衣「……」ジーッ

雪乃「……」ギロッ

八幡「はぁ……他の奴には言うなよ?」

雪乃「それでは、何故、城廻先輩とけ、結婚すべきなどと……」

八幡「すべき、なんて言葉を使ったのはただの言い間違いだ。(独り言に言い間違いもなにもないと思うがな)他意はない。ただ、めぐり先輩が理想だな。と思っただけだ」

雪乃「それはある意味、他意しかないと思うのだけれど……」

結衣「そ、それで!なんでめぐり先輩なの!?ヒッキーそんなにめぐり先輩と話したことないよね!?」

八幡「あえて理由を付けるなら……お前ら、俺の好きな人を言ってみろ」

雪乃「……あなたの、好きな人?」

結衣「……さいちゃん?」

雪乃「……小町さんかしら」

八幡「そう、俺はあの二人が大好きだ。……大好きだ」

結衣「二回言った!?なんで!?」

八幡「それでだな、その二人に共通することと言えば、二人共癒し系だってことだ」

雪乃「……癒し、系」

八幡「小町はあまり癒し系って感じはしないが、まぁ、俺にとっての癒しであることには変わりない」

結衣「それで?」

八幡「そして、この学校で戸塚に匹敵するほどの癒し系と言えば?」

結衣「んー、めぐり先輩、かな」

八幡「そう。さらに、めぐり先輩は戸塚と小町に匹敵する癒し力を持ち合わせる上に、その二人とは決定的な差がある」

雪乃「決定的な、差………」

結衣「んー、んー?」

雪乃「………!もしかして……!」

結衣「どうしたのゆきのん」

八幡「……どうやら気づいたようだな。雪ノ下」

結衣「な、なに?なんなの!?」

八幡「教えてやろう。めぐり先輩はな……俺にとって血縁関係でもなければ、同性でもない」

結衣「あ、あぁあっ!」

八幡「俺が挙げた三人の中で、唯一めぐり先輩だけが、合法なんだよ」

雪乃「……頭が痛くなってきたわ」

八幡「なーんてな。以上。俺の気持ち悪い独り言だよ。俺は人を選り好みできるほどモテたりなんぞせんからな」

結衣「え、あ、そうだよっ!ヒッキーマジキモい!」

八幡「……だから気にしないでくれっつったろ」

雪乃「……ねぇ、比企谷君?」

八幡「あん?なんだよ」

八幡「なーんてな。以上。俺の気持ち悪い独り言だよ。俺は人を選り好みできるほどモテたりなんぞせんからな」

結衣「え、あ、そうだよっ!ヒッキーマジキモい!」

八幡「……だから気にしないでくれっつったろ」

雪乃「……ねぇ、比企谷君?」

八幡「あん?なんだよ」

雪乃「あの、けして先程の話を聞いたから、という訳ではないのだけれど、一つ質問があるの」

八幡「なに」

雪乃「その、私達は、あなたにとって『癒し系』にカテゴライズされているのかしら?」

八幡「んなこと知ってどうすんだよ」

結衣「あー、それ、私も知りたいかも…」

八幡「……お前らのことは、嫌いじゃ、ない。むしろその、なんだ。お前らと居る時は、いつもより少しだけ、笑えてる気がする」

結衣「ヒッキー……」

雪乃「比企谷くん……」

八幡「でも癒しではねぇな」

結衣「」

雪乃「」

八幡「仕事でクタクタになって帰る時、笑顔で迎えて欲しいのは、やっぱりめぐり先輩だな」

結衣「ぐぬぅ……」

雪乃「……ちょっと待ちなさい比企谷君。あなた、専業主婦志望じゃなかったかしら?」

結衣「あ!本当だ!なんでヒッキーが働いてる前提で喋ってるの?」

八幡「……月並みな言葉になるが、愛する人のためならなんでもできるってことじゃねーの?」

結衣「あ、愛する……!?」

雪乃「働くことは当たり前だと思うのだけれど……」

結衣「そ、それにしたってヒッキーがここまで言うなんて……」

八幡「だからただの妄想空想独り言だっつの。もう俺は帰る」ガラッ

めぐり「あ」

八幡「え」

結衣「え」

雪乃「え」

八幡「………」

めぐり「えっと、その……」

八幡「……いつから、聞いてました?」

めぐり「………あの」

八幡「いつから聞いてました?」

めぐり「…ごめんなさい、最初から…」

八幡「………………」

めぐり「………………えっと」

八幡「はちまんおうちかえる」スタスタスタスタ

めぐり「やっ、ちょっ、ちょっと待って!」

八幡「……なんですか?」クルッ

めぐり「比企谷くんは、わ、私のことが、す、好きなの?」

八幡「……不快にさせてしまったなら……」

めぐり「そ、そんなんじゃないよ!別に嫌だった訳じゃないの!」

八幡「………?」

めぐり「本当に、嫌じゃないの……」

八幡「どういう、ことですか」

めぐり「えっと、その……どういうことだろうね?」

八幡「………」

めぐり「その、比企谷くんは、どうしたい?」

八幡「え、……それは」

めぐり「私と、付き合いたい?」

八幡「……先輩は、どうですか」

めぐり「えっと、じゃあ……付き合おっか?」

八幡「えっ」

めぐり「嫌?」

八幡「………嫌じゃ、ないです」

めぐり「じゃあ、そういうことで」

八幡「…………はい」

めぐり「………………」

八幡「えっと、じゃあ俺、今日はもう帰ります」

めぐり「あっ、じゃあ、一緒に帰ろっか」

八幡「………いいんですか?」

めぐり「いいに決まってるでしょ。その、恋人。なんだから」

八幡「………はい」



結衣「……私達も帰ろっか」

雪乃「……えぇ」

そして『一ヶ月』後。



めぐり「来ちゃった♪」

いろは「あ、はい、どうぞー」

めぐり「お邪魔しまーす。いやー生徒会室もずいぶん変わったねー」

いろは「そうですかねー?」

めぐり「こたつに入りながら白々しいなぁ」

いろは「めぐり先輩もどうぞー♪」ヌクヌク

めぐり「まったくもー♪」ヌクヌク

いろは(満更でもなさそう)

いろは「それで、今日はどんなご用件ですか?」

めぐり「あぁ、こう言っちゃなんだけど、奉仕部の活動が終わるまで比企谷くんを待たせてもらおうかなー。と」

いろは「……めぐり先輩のろけますねー」

めぐり「あ、迷惑ならいつでも言ってね。そっちもそっちの仕事があるだろうし」

いろは「いえ、この時期は生徒会は正直、暇ですし。というか、それは前会長のめぐり先輩が一番知ってるはずじゃないですか?」

めぐり「あはは、まぁ、暇って知らなきゃいきなり押し掛けないよねー。まぁ、一応聞いて置かなきゃね」

いろは「そういえば、先輩とは、どうして付き合うことに?話じゃ、成り行きでって聞いてますけど」

めぐり「えっとね……………」

説明終了。

いろは「はぁ、つまり。その場の勢いで付き合ってしまって後悔していると」

めぐり「そんなこと一言も言ってないけど!?」

いろは「………いえ、でもめぐり先輩って先輩とは、あんまり接点ないですよね?」

めぐり「ん、んん?先輩……って」

いろは「あぁ、私、比企谷八幡さんのことは『先輩』とだけ呼ぶようにしてるんです」

めぐり「……なんで?ややこしくない?」

いろは「まぁ、ちょっとした意地ですよ。それより、話の続きです。先輩とは、あんまり接点なかったですよね?なのになんで付き合ったんですか?」

めぐり「それは……」

いろは「やっぱり、勢いだけで、ですか」

めぐり「いろはちゃんは私が嫌いなの!?」

いろは「さて、話の続きです。どうして付き合うことに?」

めぐり「まさかのスルー!?………確かに、接点は文化祭と体育祭だけだけど、なんというか、それだけで十分だったんだよね」

いろは「…………まぁ、顔は悪くないですからね」

めぐり「どういう意味!?……文化祭の出来事は、知ってるよね?」

いろは「一連くらいは。えっと、最後に先輩が屋上でなんやかんやって奴ですよね」

めぐり「あの出来事をなんやかんやで終わらせるとは……。比企谷くんね、真面目に働いてくれてたの」

いろは「あの先輩が」

めぐり「もちろん、奉仕部の依頼だったからっていうのもあったんだろうけど、皆がサボりがちだったなか、比企谷くんは真面目に働いてくれてたの。なんだか、それが嬉しかったんだ。いつもはあまり皆に注目されてない比企谷くんのいい所を、私はちゃんと知れてる。みたいな」

いろは「ふむふむ」

めぐり「それだけに、ショックだったなぁ……」

いろは「えっと、スローガンのこととか」

めぐり「あと、屋上での一件ね……。比企谷はひねくれてるけど、根は優しくて誠実って思ってたから……まぁ、実際にそうなんだけど。その時は私勘違いしちゃって、比企谷くん、本当はずっとそんな風に思ってたのかな………とか。今思えば、本当に失礼な勘違いだなぁ……」

いろは「そんな!めぐり先輩は悪くないですよ!」

めぐり「なんでここで温かい言葉を挟むのいろはちゃん…………。それで、文化祭は結果的に大成功だったんだけど、比企谷くんのことが引っ掛かっちゃってたんだよね。そしたらはるさんが『もっと、考えみて?あんたなら、自分で解るよ』って」

いろは「………」

めぐり「それから比企谷くんのこと、考えて考えて考えて考えて。で、やっと解ったの。比企谷くんの本当の歪みとか、本当の誠実さとか」

めぐり「嬉しかったなぁ。比企谷は私の思った通りの、いや、思った以上の人だったんだって。それを私は、知ることができたんだって」

めぐり「それで答えが出ても、まだ考えてるの。比企谷くんのこと。多分そこから、もう……」

いろは「……それで、どんな所を好きになったんですか?」

めぐり「んー、その、比企谷くんって自分を大切にしないじゃない?だから代わりに私が大切にしてあげたいなーって。思ったり」

いろは「それでそれで」

めぐり「それこそ、スローガンみたいに、比企谷くんともたれかかり合いたいなー。とか。その、こう、比企谷くんのひねくれた不器用な優しさとか見ちゃうと、なんか独り占めしたいなーって」

いろは「……思ったより惚れてますね……ぞっこんじゃないですか」

めぐり「あ、改めて人に話すのは恥ずかしいなー」

いろは「それで、どこまで行きました?」

めぐり「…………?何が?」

いろは「もう!とぼけないでくださいよ。ABCですよ。どこまで行きましたか?」

めぐり「………………アルファベット?」

いろは(マジかこの人……)

説明終了。

めぐり「そ、そそっ、そんな!まだ手も繋いでないのに!//////」

いろは「まぁ、お二人とも奥手ですし……、ちょっと待ってください。まだ手も繋いでない?」

めぐり「え、うん」

いろは「もう、一ヶ月。ですよね?」

めぐり「うん」

いろは「おっそ!!」

めぐり「えー?遅いかなぁ?」

いろは「普通一ヶ月も経てばアルファベットコンプリートですよ!?」

めぐり「ひゃぁー。コンプリート///」

いろは「いくらなんでも遅すぎです!めぐり先輩は先輩とあんなことやそんなことをしたくないんですか!」

めぐり「そ、それは、その、し、したいです///」

いろは「じゃあすればいいじゃないですか!もどかしい!」

めぐり「で、でも、その、比企谷くんにも、比企谷くんのペースとかがあるだろうし……。私も、比企谷くんからの方が………」

いろは「………あの先輩が自分から行く訳ないでしょう」

めぐり「……………!?」

いろは「更に言うならあの先輩のことですから、不安がってるんじゃないですか?めぐり先輩からなんのアクションもないなー。もしかして勢いで付き合っただけで、後悔してるんじゃないかなー。なんて感じで」

めぐり「まさかの伏線だった!?……で、でも、確かにそんな風に思われてるかも……」

いろは「更に更に言うなら奉仕部のお二人も魅力的ですからねー。もしかしたら心移りしちゃうかも」

いろは(…自分で言っておきながら、あの先輩に限って浮気とかはなさそうだけど……)

めぐり「あわあわわ」

いろは(面白いぐらいに動揺してる……)

めぐり「あわあわわ」

いろは(もうそろそろいいかな)

いろは「さぁ!こたつでぬくぬくしてる場合じゃないですよ!」

めぐり「う、うん!私もう行くね!ありがと!」ガラッ

八幡「あ」

めぐり「え」

いろは(計画通り)ニヤァ

めぐり「い、い、いつから」

八幡「えっと、『来ちゃった♪』辺りから……」

めぐり「…………」

八幡「…………あの、帰りましょうか」

めぐり「……うん。バイバイ、いろはちゃん」

いろは「バイバイでーす♪」

いろは「………」

いろは(あの、お二人には結構お世話になったからなぁー。まぁ、可愛い後輩からのエールってことで)

めぐり「…………」

八幡「…………」

めぐり(……どうしよう。恥ずかしすぎて目が合わせられない……///)

八幡「………先輩」

めぐり「え!な、なに?」

八幡「手袋、なんでないんですか?」

めぐり「え?あ、本当だ。生徒会室に忘れちゃったかな」

八幡「俺のを片方貸します」スッ

めぐり「いや、でも、それだと比企谷の片手が……」

八幡「えぇ、そうですね。俺の片手が冷たくなりますし、めぐり先輩の手も片手しか暖かくなりません。ので、ですね。その……」スッ

めぐり「…………?」

八幡「お互いの手で、暖め合えばいいんじゃないかと///」

めぐり「え、え、あ、うん///」ギュッ

八幡「…………///」ギュッ

めぐり「…………///」

八幡「………こんなリードの仕方しかできませんけど」

めぐり「う、うん」

八幡「その、俺なりに頑張ります。ので……、えっと、俺達は、俺達のペースで、ってことで」

めぐり「…………うん」

 少しだけ、手に籠る力と温度が上がった。
           ー終わりー

終わりです。
1/21はめぐり先輩の誕生日なので。書きました。
めぐり先輩が一番好きです。
読んでくれてありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月22日 (金) 12:29:07   ID: Rn5HmhXi

期待してなかったけど意外と良かった
続編PLZ

2 :  SS好きの774さん   2016年01月24日 (日) 07:05:42   ID: 1FLcaL1o

感動した。

3 :  SS好きの774さん   2016年01月27日 (水) 01:22:42   ID: 9yz1dj_F

カマクラした

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