武内P「皆さんとお近づきになるにはどうすれば……」 (167)



※設定はアニメ基準

※2期には入っていますが、時系列は適当

※矛盾点は目をつぶってください

※キャラ崩壊

※ありがちなネタ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1453294033



本田未央「――みんなと、もっとお近づきになる方法?」

武内P「……はい」

未央「なんか、プロデューサーからそんな言葉が出るなんて、ちょっと意外だねー」

未央「やっぱ男として、可愛いアイドルともっと仲良くなりたい感じかな~?」

武内P「い、いえ! そうではなく……」

未央「あはは、ジョーダンだって。ゴメンね」



未央「それで、じゃあどういう理由?」

武内P「はい」

武内P「――自身を振り返ってみるに、どうも私は、皆さんによく誤解を与えてしまったり、誤解を受けてしまうことが多いように思います」

未央「みくにゃんのデビューとか――あと、らんらんのプロデュースのことでも悩んでたっけ」

未央「あとは、まぁ私も……あはは……」

武内P「今後、このようなことが更にあって、アイドルの皆さんへのプロデュースや活動にも影響が出るようなことは避けなければいけないと考えまして……」

武内P「それで、どうにか改善できないかと思い、千川さんに相談したところ――」

武内P「もっと皆さんとのコミュニケーションをとり、よくお互いを知り、仲良くなること――とのご指摘を受けたのですが……」

武内P「やはり、皆さんも年頃の女性ですし……。恥ずかしながら私自身、どのようにして皆さんとの距離を縮めていけばよいのか、見当がつかない次第でして……」



未央「それで、私に相談を?」

武内P「はい。本田さんは、とてもフレンドリーで、プロダクション内でも様々な方と交流を持っているとお聞きします」

武内P「ですから、ご迷惑でなければ、その手腕を参考にさせていただこうかと……」

未央「なるほどー」

武内P「……このようなことを、プロデューサーとして頼むというのも、情けない話なのですが」

未央「私は、プロデューサーだって十分、みんなと良い仲だと思うけどなー」

未央「でも、分かったよ!」

未央「プロデューサーには、いっぱいお世話になってるしさ。役に立てることならどんどん協力するよ!」

武内P「そう言って頂けると、幸いです」

未央「そっかー。プロデューサーとみんながもっと仲良くなる方法か……」ウーン

武内P「……申し訳ありません」

武内P「本田さんには一度、敬語をやめてみてはとご指摘を頂いておいて、こんなことを頼める立場ではないのは承知しているのですが……」



未央「――実は、私もプロデューサーがなんで敬語やめられないか、ちょっと考えてみたんだよね」

武内P「いえ……、それはひとえに私の努力不足の結果でして……」

未央「いや、責めてるわけじゃないよ!?」

未央「そうじゃなくて――――あれって、やっぱりプロデューサーにとっては、変化が急過ぎたんだと思うんだよねー」

武内P「変化が急……ですか?」

未央「あるは――変化球が過ぎた、とか」

武内P「……?」



未央「つまりは、いつも会社ではみんなに敬語のプロデューサーに、いきなりガラッとみんなへの話し方、接し方を変えろって言うのは、ちょっと無理があったって話だよ」

未央「私たちアイドルだって、いきなり歌やダンス、お芝居を上手くこなせるわけじゃないしさ」

未央「上達のために毎日レッスンするように、プロデューサーも、そういうちょっとずつの変化が必要だったんだよ」

武内P「なるほど……。少しずつ慣らして、変えていくと」

未央「そこで、未央ちゃんが考えたとっておきのプランをお教えしましょー!!」

武内P「よ、よろしくお願いします」



未央「プロデューサー、いつもみんなに会ったらまず挨拶するでしょ?」

武内P「はい。しますが……」

未央「どんな感じでする?」

武内P「その日、初めてなら『おはようございます』、仕事の後などなら『お疲れ様です』……など、一般的なものだと思いますが」

武内P「……もしかして、まずは挨拶から、敬語を無くしていくということでしょうか?」

未央「いやいや、敬語はそのままでいいよ。しゃべり方は今まで通りでいいんだ」

未央「ただ――挨拶の後にさ、一言二言くらいでいいから付け加えるの」

武内P「付け加える……?」



未央「そう」

未央「『おはようございます。今日もいい天気ですね』とか、『お疲れ様です。今日はどうでしたか』とか……」

未央「ホントにちょっと、何でもないことでもいいからさ」

未央「プロデューサーの敬語口調は、確かに真面目でいいと思うけど――捉え方によっては、事務的な感じがしちゃう場合があるからね」

未央「そうやって一言、雑談みたいなことを付け加えれば、この人はもっと自分と話したいんだな、仲良くなりたいんだなって、そういう雰囲気がちょっとでも伝わると思うんだよね



武内P「なるほど……。挨拶だけで終わらせず、もう少し歩み寄る――ということでしょうか」

未央「そうそう。そういうのを意識してやってみてよ」



武内P「ありがとうございます、本田さん。とても参考になるお話でした」

未央「ホント? えへへ」

武内P「……ちなみに、本田さんでしたら、どのような言葉を付け加えるのでしょうか?」

未央「んー、私はねー……、外見を褒めたりとかかなー」

武内P「なるほど」

未央「『今日もかわいいねー』とか、『髪型決まってるねー』とか」

未央「あと、茜ちんは『ボンバー!』とかだね。一緒にやると元気出るよー!」

武内P「なるほど……。ありがとうございます。早速、実践してみようと思います」

未央「うん。頑張ってね!」



――翌日


武内P(では早速、今日から実践していきましょう)

武内P(本日は、最初に誰がいらっしゃるでしょうか)



渋谷凛「おはようございます」ガチャ



武内P(渋谷さん、ですね)

武内P(今日は朝から、トライアドプリムスでのレッスンの予定でしたか)

武内P(では、まずは挨拶を――)



武内P「おはようございます、渋谷さん」

凛「あ、おはよう、プロデューサー」

武内P(続けて、一言を……)

武内P(しかし――何を言えば良いのか、咄嗟に出てきません……)

武内P(それに、渋谷さんはクールでどこか大人びていますから、あまり雑談の類は好まないのかもしれませんね……)

武内P(いえ、しかしアドバイスを下さった本田さんとは仲が良いわけですし、よくお話もされています――)

武内P(ならば、ここはその本田さんの仰ったことを参考にしましょう)

武内P(そう、本田さんの教えを参考に――)



武内P「渋谷さん、今日もとてもお美しい髪ですね」



凛「――!!」ブフゥ



凛「ゲホッ! ゴホッ……!!」

武内P「し、渋谷さん――!? どうしました!? 大丈夫ですか!?」

凛「……ゴホッ。いや、大丈夫じゃないし、どうしたのか聞きたいのはこっちだよ……」

凛「なに、プロデューサー。ナンパか何かの練習……?」

武内P「い、いえ……。実は――」



凛「ふーん。みんなと仲良くなるための未央のアドバイス、ね」

凛「まぁ、未央の言ってることは正しいと思うよ。未央らしいって思う」

凛「でもそれってさ、参考にしろってことで、丸々真似しろってことじゃないでしょ?」

凛「アドバイスを受けたら、それをプロデューサーのものにした上で実践しなきゃじゃない?」

武内P「はい……仰る通りです……」

凛「それに――特にプロデューサーの場合、外見を褒めるっていうのは、あんまりおすすめしないな」

武内P「……と、仰いますと?」



凛「だって、プロデューサー、髪を褒めるぐらいはまだ良いとしても――例えば、いきなり胸やお尻について言及したら、相手はどう感じると思う?」

武内P「それは、その……。私が言えば、セクハラと思われても仕方ないかと……」

凛「だよね。それに人によっては、他人には魅力的に見える所でも、自分ではコンプレックスでマイナスに感じてる――なんて場合もあるんだよ」

凛「だから、外見を褒めるっていうのは――特にプロデューサーみたいなのは気を付けないと、むしろ相手との距離が開くことにもなりかねないよ?」

武内P「な、なるほど……。申し訳ありません、配慮が足りませんでした……」



武内P「では、これからはもっと、当たり障りのないことを――」

凛「って言っても――厳しいことを言わせてもらえば、このことに関しちゃ、アンタのセンスじゃ信用ならないかもね」

武内P「う……、すみません……」

凛「……だから、一言挨拶の後に付け足すなら、今度からはこう言いなよ」

武内P「……それは?」




凛「――愛しています」




武内P「!?」



武内P「いえ、あの渋谷さん……それは流石に……」

凛「何? 何か問題ある?」

武内P「はい……。そういった言葉を、アイドルの皆さんにかけるのは……」

凛「分かってないね、プロデューサー」

凛「プロデューサーだって、自覚してるでしょ? 自分とみんなの意識、認識がすれ違う、食い違うことが間々あるって」

武内P「はい、それはその通りですが……」

凛「未央も言ってたみたいだけどさ――」

凛「プロデューサーの私たちへの態度って、敬語で真面目だけど――場合によっては、私たちとビジネスライクにしか接してないのかな、って受け取られると思うんだよね」

武内P「いえ、そんなことは……。私は皆さんのことを考えて……」

凛「でも、それが伝わらなきゃ意味が無いんだよ」

凛「みくたちのデビューのことだって、言葉にしなきゃ伝わらなかったでしょ?」

武内P「……それは、確かに」



凛「そう。私たちアイドルは考えちゃうんだよ」

凛「『この人は、自分と仕事上の付き合いしかする気は無いんだ』って」

凛「確かに、両者の繋がりは、アイドル業とプロデュース業――仕事の関係だし、親密になり過ぎて、一線を越えるようなことがあればスキャンダルだよ」

凛「ただ――だからって表面を浅くなぞるだけの付き合いじゃ、相手のことなんて分からない」

凛「それじゃ、プロデューサーの思い描くような『笑顔』にはたどり着けないよっ!」

武内P「た、確かに、それは私も同感ですが……」

凛「そう――だから、毎日毎回、毎度毎度ちゃんと言葉で伝える必要があるんだよ」

凛「『愛している』って」

凛「『私はあなたのことを考えています』」

凛「『私はあなたを愛し、もっと知り、輝かせたいと思っています』って……」



武内P「仰っていることは分かります……」

武内P「しかしですね――やはりそのような言葉は、聞く側の方に誤解を与えることも――」

凛「プロデューサーは、私たちのこと嫌い?」

武内P「いえ、そのようなことは――」

凛「仕事だから仕方なく付き合ってる?」

武内P「いえ、そんなことは――」

凛「年頃の小生意気な女なんて鬱陶しいって思ってる?」

武内P「そんなことはありません。私は皆さんをプロデュースできることを誇りに思っています」

凛「年下の長髪で蒼が似合う花屋の娘なんて、論外だって思ってる?」

武内P「違います! 決してそんなことは――」

凛「だったら言えるよね?」

武内P「そ、それは……」



凛「まぁとりあえず、練習ってことで、まずは私に言ってみなよ」

武内P「いえ、ですが……」



凛「言ってみなよ」



武内P「は、はい……」

凛「大丈夫。少なくともシンデレラプロジェクト内で、変な意味に捉える子はいないよ」



武内P「で、では渋谷さん……」

凛「はい」カチッ

武内P「おはようございます……」

凛「おはよう。プロデューサー」




武内P「あ、愛しています……」




凛「……んっ」ビクン



凛「……ふぅ……」

武内P「……あの、渋谷さん?」

凛「………………はっ!」

凛「いけないいけない……。停止ボタン……」カチッ

武内P「どうだったでしょうか……?」

凛「うん?」

武内P「いえ、私の言葉は……」

凛「……ああ、うん良いんじゃないかな。よく撮れてると思うよ」ガタ

武内P「……?」

凛「た、ただ、まだぎこちないからね。次までにもっと練習しときなよ」スタスタ

凛「じゃあ、私は行くから……」ガチャ

武内P「レッスンまでは、まだ時間がありますが……?」

凛「トイレで……いやトイレに行くの」

凛「……全く、プロデューサー、デリカシーないよ」

武内P「す、すみません!」



武内P(最初から躓いてしまいましたが――しかし、渋谷さんのおかげで、改善もできたように思います……)

武内P(この感じを早く自分のものにしなくては……!)

ガチャ

島村卯月「おはようございますっ!」

武内P(次の方は島村さんですね)

武内P(では、渋谷さんのアドバイスも参考に、挨拶をしてみましょう……)

武内P「島村さん、おはようございます」

卯月「あ、プロデューサーさんっ! おはようございますっ!」

卯月「今日も頑張り――」



武内P「愛しています」



卯月「!!??」



卯月「あっ、あ……」パクパク

武内P「……? 島村さん?」

卯月「ひゃ、ひゃいっ!?」

武内P「……大丈夫ですか?」

卯月「ひゃい!! 頑張りますっ!!」

卯月「わ、私もプロデューサーさんのこと、あ、愛して……あの……!!//////」カァァ

武内P「し、島村さん!?」

卯月「……ます……」

武内P「はい?」

卯月「ガンバリマスーーー!!!」ダッ

武内P「!?」

シ、シマムラサン!!?

ガンバリマスーーー!!!!



武内P(島村さんは、少し顔が赤かったようですが……)

武内P(もしかしたらお疲れで、無理をしているのかもしれません)

武内P(後でトレーナーさんに、様子を伺っておきましょう)

未央「お。おーはよっ! プロデューサー!」

武内P「おはようございます、本田さん」

武内P「あいし――」

未央「ねぇねぇ、どう? その後、私のアドバイスは役に立った?」



武内P「はい。本田さんのアドバイスは(渋谷さんのアドバイスと合わせて)とても役に立ちました」

未央「そっかそっか。良かったよー!」

未央「あ、それでさっ! お節介かもしれないけど、私なりにもっとプロデューサーがみんなと仲良くなれるアイデアを考えてきたんだっ! 聞いてくれる?」

武内P「そ、それは……。ありがとうございます。ぜひ、聞かせて下さい」

未央「えへへ、そこまで言われると照れちゃうけどね……」



未央「プロデューサー、今度はさ、ちょっとスキンシップいってみようよっ!」

武内P「スキンシップ、ですか……」

武内P「いえ、しかしそれはどうなのでしょうか……。あまり安易には……皆さんも年頃の女性ですし……」

未央「もー、プロデューサー? 私たちのことガラス細工か何かと思ってない?」

未央「そんな、ちょっと触ったくらいで壊れたりしないってば」

武内P「いえ、しかし場合によっては――」

未央「セクハラだーって? そんなこと、プロジェクトのみんなは思わないって」

未央「それに、何もベタベタ撫でまわせって言うわけじゃなくてね」

武内P「……と、仰いますと?」



未央「ほら、私たち最近はお仕事増えてきたけどさ――やっぱりライブの前とか、まだまだ緊張することも多いんだよ」

未央「そんな時に、プロデューサーから軽く背中を押してもらったり、肩を叩いてもらったら、すっごい安心できると思うんだよねー」

武内P「私が、ですか……?」

未央「そうそう。プロデューサー、みんなから信頼されてるんだからっ!」

武内P「それは……その、プロデューサー冥利に尽きると言いますか……。とてもありがたいお話です」

未央「ふふ……。男冥利に尽きてもいいのよ~?」

未央「まぁ、とにかく――そんな風に、プロデューサーがみんなに発破をかけてあげたら、いいんじゃないかなって思って」

未央「言葉だけじゃなく、行動でも示していったらいいんじゃないかな」

武内P「なるほど……。それで皆さんの仕事への志気が高まるというのなら……」

武内P「ありがとうございます、本田さん。こちらも参考にさせていただきます」

未央「えへへっ! こっちこそ聞いてくれてありがとねっ!」



――翌日


武内P(では、昨日に引き続き、今日も実践していきましょう)

ガチャ

凛「おはようございます」

武内P(昨日に引き続き、渋谷さんは朝からレッスンでしたね)

武内P(では、早速――)

武内P「おはようございます、渋谷さん」

凛「おはよう、あな――ゴホッ」

武内P「……?」

凛「……おはよう、プロデューサー」



武内P(では、スキンシップを……)スッ

武内P(いえ、本田さんが仰ったのは、仕事の前に行うと良い、という話でしたか……)

武内P(ならばここは、一言付け加えて――)

凛「……プロデューサー? 何、腕挙げて固まってるの?」

武内P「いえ、あの……」

凛「……私に触りたいの?」

武内P「いえ、実は――」



凛「なるほど。未央から更にアドバイスをもらったんだね」

武内P「はい」

凛「まぁ、未央の言うことには私も同意するよ」

凛「私も含め、みんなプロデューサーを信頼してるからね。一歩踏み出す手助けをしてくれたら、自信を持って駆けていけると思う」

凛「……ただそれでも、一つ言っておきたいこともあるかな」

武内P「それは……?」

凛「確かに、プロジェクトのみんなはアンタを信頼してるし、その真面目な性格も分かってる」

凛「だから、セクハラなんて言う子はいないと思うよ」

凛「でも、当事者間では良くても――第三者から見たらどうかな?」

武内P「それは、どういう……?」



凛「第三者――それも悪意を持った第三者だよ」

凛「シンデレラプロジェクトも人気が出てきて、みんな今はそれぞれの仕事で忙しい。そして、いろんな人が注目してる訳だけれど――」

凛「それは逆に、そんな新進気鋭の、期待の集まるアイドルたちのスキャンダルを掴んでやろう……なんて、考える連中だって出てくるってことでもある」

凛「彼らにとって、プロデューサーとアイドルのスキンシップなんて格好の餌――」

凛「そこに当人同士の感情なんて関係無い、勘定なんてしない――」

凛「ちょっとでも取っ掛かりがあれば、こじつけ、曲解、拡大解釈で以って、あること無いこと記事にしてくるよ?」

凛「例えそれが、馬鹿馬鹿しい、根も葉も無いものだったとしても――私たちの活動に、絶対に影響を及ぼさないとは言えないでしょ?」

武内P「確かに、否定はできません……。そういった側面が芸能界にあるのも事実です……」



武内P「渋谷さんの仰る通りですね……。では、本田さんのアドバイスは、彼女には申し訳無いですが、控えた方がいいでしょうか……」

凛「いや、そうでもないよ」

凛「未央が一生懸命考えたアイデアだもの――仲間として、それを安易に却下なんてできない」

凛「だからやっぱり、今回もプロデューサーが工夫しなくちゃ」

武内P「工夫……ですか」



凛「――プロデューサー、こういう時はね、逆に考えるの」

武内P「逆……ですか?」

凛「そう、プロデューサー、逆に考えて――」




凛「触っちゃってもいいさ、って考えるの」




武内P「……どういうことでしょうか?」



凛「プロデューサーのスキンシップは、悪意ある人が見れば、アイドルへのセクハラに見えてしまう――」

凛「だったら、セクハラなんて誤解、曲解ができないくらい、はっきりとした行動で以って、アイドルを勇気づけてあげるんだよ!!」

武内P「!!」

凛「具体的には、そうだね……両肩をがっしり掴んであげるのなんて良いんじゃないかな」

武内P「両肩を……」

凛「そう。それでしっかり目を見て、向き合うの」

凛「そうすれば、例えそれが写真に撮られて、どっかのゴシップ誌なんかで取り上げられたとしても――」

凛「誰がどう見てもそれは、不安がるアイドルと、それを元気付けるプロデューサーっていう、美しい構図になるはずだよっ!!」

凛「むしろ、そんな感動的な場面を下種な邪推で汚すなんて、出版社にクレームの嵐だねっ!!」

武内P「な、なるほど……」



凛「じゃあ、練習がてらちょっとやってみようか」

武内P「さ、早速ですか?」

凛「うん。昨日教えた、挨拶も交えてね」

武内P「……挨拶まで交える必要は、無いのでは――」



凛「疑問を交える必要こそないよ」



武内P「は、はい、すみません!」



武内P「そ、それでは……、渋谷さん」ポン

凛「もう少し、強くてもいいよ」

武内P「で、では……」ギュウウ

凛「……んっ」

武内P「渋谷さん、おはようございます」

凛「うん」




武内P「今日も、愛しています」ギュウ




凛「あっ――!!!」ビクンビクン!!!!



凛「――!! ――――!!!」ビクッビクッ!!!

武内P「……あの、渋谷さん」

武内P「だ、大丈夫ですか? すみません、強く掴み過ぎたでしょうか……?」

凛「……うん。問題ないよ」ビクッ

武内P「で、ですが、顔が赤いようですし……膝も震えて……」

凛「何も問題は無い」ビクン

武内P「いえ、しかし、そんな状態でこの後のレッスンは――」



凛「何も、問題は、無い」ビクンビクン!!!!



武内P「は、はい……」

凛「ホントに大丈夫だよ。ちゃんと下着の替えはあるから」

凛「じゃあ私、イって……、行ってくるね、レッスン」ガクガク

武内P「はい……。あの、お気をつけて……」



前川みく「それじゃ、まずはみくがステージに出て、バッチリお客さんのハートを掴んでくるにゃ!!」

木村夏樹「ああ。期待してるぜ」

多田李衣菜「ロックに決めてきてよね!!」

安部菜々「あ、あの、みくちゃん!!」

みく「うん? どうしたの?」

菜々「ナナからの元気の出るエール、受け取ってくださいっ!」

みく「ホント? ありがとね!」

菜々「みくちゃん……」

ガシッ

李衣菜「おお、菜々ちゃんがみくちゃんの両肩を掴んで――」



菜々「――Good Luck」



武内P(渋谷さん……彼女も疲れが溜まっているのかもしれませんね……)

武内P(今日のレッスンの結果次第では、メニューの変更も提案してみましょう……)

武内P(ただ、あそこまで明確なアドバイスはとてもありがたいですね)

武内P(本田さんと渋谷さんのためにも、私ももっと精進しなくては……)

ガチャ

卯月「お、おはようございます……」ソロ~

武内P(島村さんがいらっしゃいましたね)

武内P(……少し、元気が無いように見えます。何か、悩みがあるのかもしれません)

武内P(彼女のためになるのかは分かりませんが――先ほどのアドバイスを早速、活用しましょう……!)

武内P「おはようございます、島村さん」

卯月「ひゃ、ひゃい!! おはようございますっ!!///」カアァ

武内P(私などでも、島村さんに元気を与えられるのならば――それに越したことはありません……!!)



武内P「島村さんっ!」ガシッ

卯月「ひゃんっ!?//////」

武内P(――いけない! 少し驚かせてしまいました)

武内P(ここはなるべく、優しく……)



武内P「――今日も愛しています」ギュウ



卯月「」プシュー



卯月「こ、こく……は……//////」

武内P「し、島村さん……?」

卯月「が、ががガガガガッッ!!!」

武内P「!?」

卯月「ガンバリマスゥゥゥウウウウウウ!!!!」ヒュバッッ!!!


シ、シマムラサン―――!!!

ピニャァァァァァアアアーーーー!!!



武内P(島村さん……レッスンは問題無くこなしたようですが、大丈夫でしょうか……)

武内P(後で何か、お見舞いの品をお家へ届けた方がいいかもしれませんね……)

未央「おはよーう!! プロデューサー」ダキッ

武内P「おはようございます、本田さん」

武内P「今日もあいし――」

未央「んでんで? その後の進捗はどんなカンジ?」



武内P「はい。本田さんからのアドバイスは(渋谷さんのアドバイスと交えて)活用させて頂いています」

未央「そっかそっか!! これでプロデューサーもみんなと結構仲良くなれたかな……?」

武内P「正直――まだ、はっきりと実感は出来ません」

武内P「しかし、着実に前に進んでいる手ごたえは感じています」

未央「おぉー。いい感じじゃん!」

武内P「本当にありがとうございます、本田さん。本田さんに相談して良かったと、思っています」

未央「え、えぇ……///。もー! やめてよー! 照れるじゃんっ!!///」



未央「……じゃあ、そんな嬉しいこと言ってくれたプロデューサーに――最後のアドバイス」

武内P「最後の……。はい、聞かせて下さい」

未央「プロデューサー、アイドルのみんなと接する時、一番大切なものってなんだか分かる?」

武内P「一番大切なもの……」

武内P「――そうですね、相手への配慮、気遣い、でしょうか……」

未央「プロデューサーらしいね。それも間違いじゃないよ」

未央「――でも、私がこの場合言いたいのはね……」

武内P「……はい」




未央「笑顔です」キリッ




武内P「!!」



武内P「なるほど……。確かに言われてみれば、アイドルに限らず、対人関係を円滑に進めるには、それが一番ですね……」

武内P「私としたことが、基本を失念していました……」

未央「あははー。なんかプロデューサー、反省ばかりしてるねー」

武内P「……しかし、その……言い訳と取って頂いても構わないのですが……」

武内P「お恥ずかしい話――私自身、笑顔というものが上手く作れないのです」

武内P「以前に、促されて笑顔を作ってみたこともありましたが――」

武内P「自分で言うのもなんですが、それはとても見れたものではない、笑顔とは程遠いものでした……」



未央「うーんとね、プロデューサー」

未央「無理に笑顔を作らなきゃって、考えなくていいと思うよ?」

武内P「そう……なのですか……?」

未央「うん。確かにプロデューサー、笑顔は作れないかもしれないけど――」

未央「でも、笑えないわけじゃないもん」

武内P「――!!]



未央「プロデューサー自身が気付いてないだけでさ、プロデューサーはとっても温かい笑顔を持ってるよ」

未央「それが出る時って、多分――プロデューサーがみんなのことを心から考えて、想ってくれてる時だって私は思うんだよね」

未央「プロデューサーは、きっと嘘がつけないんだよ」

未央「だから、取り繕った作り笑いって苦手なんじゃないかな」

未央「でも、そんなプロデューサーが笑った時は、それは心からの笑顔ってことだよっ!」

未央「だから、自信を持ってっ!!」

武内P「本田さん……」



武内P「ありがとう、ございます……」

武内P「あなたをプロデュースできることを、私は誇りに思います」

未央「えへへ……」

未央「私も、プロデューサーのプロデュースで良かったって思うよっ!」

武内P「頂いたアドバイスで、私ももっと皆さんを輝かせられるように頑張ります」

未央「頑張れっ! プロデューサー! 私もそれに負けないくらい、頑張るからっ!!」

武内P「はい!」



――翌日


武内P(昨日のことがあったからでしょうか)

武内P(心なしか、体が軽い気がしますね)

武内P(より強く、今日も頑張ろうという気になります)

ガチャ

凛「おはようございます」

武内P「おはようございます、渋谷さん」

凛「おはよう、あなた」

武内P「……?」



凛「コホン――プロデューサー、おさらいのためにも、昨日教えたことをやってみてよ」

武内P「はい。分かりました」スッ

武内P「……渋谷さん」ポンッ

凛「……うん」




武内P「――愛しています」ニコッ




凛「――――!!???」プシャアァ



凛「あ、あぁぁ…………」ヘナヘナ

武内P「し、渋谷さん……!?」

武内P「大丈夫ですか……? あの、座り込んでしまって……」

凛「あ……あぁ……」ガクガク

凛「……は……はんそく、だよ……それは……」ペタン

凛「きょ……きょうは、あぶないのに……」

凛「もらっちゃった……」サスサス

武内P「渋谷さん……腹痛ですか? その、辛ければどなたか呼んで――」

凛「…………大丈夫」

凛「大丈夫だよ、プロデューサー」



凛「私、ちゃんと産むから」



武内P「!?」



武内P「……あの、それはどういう――」

凛「名前、一緒に考えてくれるよね?」スッ

武内P「新曲か何かの話でしょうか? ――そのような連絡は受けていませんが」

凛「ふふ、無限大の未来のあるこの子のためにも、私頑張ってくるよ」ガクガク

武内P「いえ、そんな千鳥足でレッスンへ行かせるわけには……」

凛「たくさんの笑顔――この子にも、あなたにもあげるから!!」ダッ

武内P「し、渋谷さんっ!?」



武内P(渋谷さんは行ってしまいました……)

武内P(やはり心身に疲労が残っているのかもしれません……。一度、スケジュールについて相談するべきですね)


ガチャ

卯月「…………オハヨウゴザイマス」


武内P(島村さん、今日も元気が無いように見えますが……やはり何か思い悩んでいるのでしょうか……)

武内P(言葉にしなければ伝わらないこともある……)

武内P(私の心配も、彼女の悩みも――やはり話し合ってみなければ、通じ合えませんね)



武内P「島村さん、おはようございます」

卯月「は、はいっ! プロデューサーさんっ! おはようございますっ!!」ビクッ!!

武内P「……島村さん。単刀直入にお聞きしますが――」

武内P「何か――悩んでいるのではありませんか?」

卯月「えっ、あの……」

武内P「私で相談に乗れることなら、遠慮せず仰って下さい」

卯月「そ、そんな……、大丈夫です……。これは私の問題で――」

卯月「私が頑張って、結論を出さなくちゃいけなくて……」

武内P「……そう、なのですか」



卯月「早くしなきゃ、プロデューサーさんにも迷惑だって思うんですけど……」

卯月「……でも、私こんなこと初めてで……」

武内P「……島村さんがそう仰るなら、無理には聞きません」

武内P「しかし――どうしても辛くなったら、どなたかに相談してみて下さい」

武内P「あなたは、一人ではありません」

武内P「皆さん、島村さんのことを大切に想っています」



卯月「プロデューサーさんも……」

卯月「プロデューサーさんも、そう思ってくれていますかっ!?」

卯月「私のこと――私なんかのことでも――!!」

武内P「もちろんです」

武内P「私は、あなたのプロデューサーですし、それに――」ポン



武内P「あなたを愛していますから」ニコッ



卯月「――――!!」



武内P「――!? あ、あの島村さん……!?」

卯月「えっ……?」

武内P「いえ、涙が……」

卯月「あっ……」ツー……

卯月「ご、ごめんなさいっ! 私っ!!!」ゴシゴシ

武内P「……良ければ、使って下さい」つハンケチ

卯月「は、はい……」



卯月「ごめんなさい……。こんなとこ見せちゃって……」

武内P「落ち着きましたか?」

卯月「は、はい……」

卯月「あっ、ハンカチ、洗って返しますね!」

武内P「いえ、お気になさらないで下さい」

卯月「だ、ダメですよっ! プロデューサーさんに悪いですし!」

卯月「……は、恥ずかしいですし」ゴニョゴニョ

武内P「……?」



卯月「とにかく! 今度、洗って返しますからっ!」

武内P「そこまで仰るのなら……お願いしますが……」

卯月「だから――返す時に……」

卯月「一緒に、私の答えも――プロデューサーさんへのお返事も、伝えますから……」

武内P(お返事――悩みを打ち明けて下さる、ということですね)

武内P「分かりました。お待ちしています」

卯月「はっ、はい///」



凛「ふっ……ふっ……ふっ……」キュッキュッキュ

北条加蓮「……凛、なんか気合入ってるね。ダンスのキレがいつもより違うよ」

神谷奈緒「いや、違うっていうか――いろいろおかしいけど……」

トレーナー「あー……、渋谷。ちょっと休んだらどうだ……?」

凛「いえ、まだいけます」

トレーナー「いや……。いけると言うなら、そのダンスをだな……」

奈緒「上半身のキレのある動きに比べて、あの下半身はなんだ……?」

加蓮「腰砕けにでもなったみたいにガクガクしてるけど」

凛「私は、立ち止まるわけにはいかないの」

凛「プロデューサーと、この子のためにもっ!!」



五十嵐響子「おはようございまーす」ガチャ

小日向美穂「あっ、響子ちゃん。おはようございます」

響子「おはよう、美穂ちゃん。それに――」

響子「卯月ちゃんは、どうしたの……?」

卯月「あっ、あの……その……」

美穂「実は……」



響子「ええっ! プロデューサーさんに愛してますって言われたっ!?」

美穂「しかも、両肩を掴まれて微笑みかけるように、だって」

響子「そっ、それって……告白なんじゃ……」

卯月「や、やっぱり、響子ちゃんもそう思いますか?」

響子「う、うん。どう見ても、そうだよ……」

響子「と言うか、もはやそれってプロポーズなんじゃ……」

美穂「ですよねぇ……」

響子「もしかして、最近ちょっと様子が変だったのも、そのせい?」

卯月「はい……」



卯月「私、どうしたらいいんでしょう……」

卯月「もちろん、プロデューサーさんのことは好きです」

卯月「でも――私、まだ学生だし……それにアイドルだし……」

卯月「プロデューサーさんは私のこと、とっても想ってくれているみたいなんです……」

卯月「でも、私自身は、プロデューサーさんのこと、ホントのところは、愛しているのかなって……」

卯月「それに、ホントに私にそんな魅力あるのかなって、思っちゃって……」

卯月「怖いんです……」

卯月「もし、プロデューサーさんの気持ちに応えても、その気持ちに応え切れなかったら……」

卯月「答えを出すのが――怖い……」

卯月「がっかり、されちゃうんじゃないかって……」



響子「……卯月ちゃん」

響子「卯月ちゃんは、プロデューサーさんに告白された時、どう思いました?」

卯月「それは……びっくりして、あたふたして……それで……」

響子「……それで?」



卯月「――嬉しいって、思いました」



美穂「卯月ちゃん……」

卯月「とっても嬉しくって――想像した以上に嬉しくって……」

卯月「温かくって……私も、プロデューサーさんに、その温かさを伝えて、私からも、いっぱいお返ししてあげたいって……」

卯月「そう、思いました……」



響子「だったら、その気持ちに従えばいいと思う」

響子「それが一番だよ」

卯月「で、でも! 私、アイドルだって続けたいんですっ!」

卯月「美穂ちゃんと響子ちゃんとだって、まだまだ、もっともっと一緒に活動していきたいんです!」

卯月「なのに、こんなこと……二人の迷惑になっちゃいます……」

美穂「――卯月ちゃん」

美穂「私も、響子ちゃんと同じ意見だよ」

卯月「美穂ちゃん……」



美穂「私もね――卯月ちゃんと響子ちゃんと、もっと一緒にいろいろやっていきたいって思ってます」

美穂「だからそのためにも、この問題はしっかり答えを出さなきゃいけないって思うの」

美穂「卯月ちゃんが、ちゃんと納得できる答えを」

卯月「でも、私……」

美穂「あのプロデューサーさんは、とても真面目で、実直で優しくて……」

美穂「卯月ちゃんのこと、すごく考えているって私にも分かるんです」

美穂「卯月ちゃんへの言葉だって、きっと心の底からのものですよっ!」

美穂「――大丈夫」

美穂「例え何があっても、あのプロデューサーさんは卯月ちゃんのために動いてくれる」

美穂「だから卯月ちゃんは、プロデューサーさんに自分の本心をちゃんと伝えてあげてください」

美穂「それで卯月ちゃんは、プロデューサーさんに目いっぱい、お返しをしてあげて?」

美穂「それで大丈夫ですから」



卯月「美穂ちゃん……響子ちゃん……」

卯月「私……私は……」

卯月「私は――!」



――翌日


武内P「皆さん、おはようございます」


「「「「おはようございます」」」」


武内P(今日は、久しぶりにシンデレラプロジェクトの全員が集まる日ですね)

奈緒「しかし、ホントにいいのかな……アタシたちまでここに居ちゃって……」

加蓮「もー、いつまで言ってんの? 奈緒」

凛「そうだよ。変な遠慮とかいらないよ?」

新田美波「うん。みんな、同じプロダクションの仲間なんだから。緊張しないで?」

アナスタシア「ダー。にぎやかなのは、とってもいいことです」

神崎蘭子「幾重にも響き合う音色は、子羊達に新たな祝福を与えんっ!!(こうして一緒にお仕事ができる仲間が増えて、私も嬉しいです!!)」

白坂小梅「ここ、とっても温かくて、あの子も喜んでる、よ……」



緒方智絵里「こうして、またみんなで集まると――最初の頃を思い出して……でも新しい仲間も増えて……なんだか不思議な感じだなぁ」

三村かな子「そうだね。みんなのためにお菓子、たーくさん作ってきた甲斐があったよー♪」

双葉杏「……まぁ、この騒がしさの中でだらけるのも悪くないよねぇ~」

赤城みりあ「うわぁ~! これ全部かな子ちゃんが作ってきたのーー!?」

城ヶ崎莉嘉「おいしそー!! ねぇ、食べていい?」

城ヶ崎美嘉「コラコラ莉嘉ー? がっつかないの」

諸星きらり「久しぶりにみ~んなで集まって、かな子ちゃんのお菓子もあって、ダブルでハピハピだにぃ~☆」

菜々「うぅ……若々しい活力が、まぶしい……」

李衣菜「菜々ちゃんどうしたの? 元気が無いなら私一押しの、このロックな曲を聴くといいよっ!」

みく「それ、この前夏樹チャンに教えてもらったやつじゃん。りーなチャンは、もう少し自分で勉強するべきにゃ」

夏樹「はは。まぁ、あの自信の持ち方もロックには必要だからな」



みく「あれ、でもPチャン、コレまだ全員は来てないよね?」

武内P「はい。本田さんは、高森さん、日野さんとの仕事の打ち合わせで、少し遅れると聞いています」

美波「じゃあ、卯月ちゃんは……?」

武内P「島村さんは――」


ガチャ


卯月「…………」



みりあ「あっ、卯月ちゃんきたー!」

かな子「おはよう、卯月ちゃん。お菓子あるよ」



卯月「あ、あの、プロデューサーさんっ!!」



「「「「???」」」」

武内P「はい、何でしょうか……?」



卯月「私、決めましたっ!」

卯月「答え、出しましたっ!!」



「「「「????」」」」

武内P「答え……? はい、お聞きしますが――」



卯月「私――――!!」




卯月「プロポーズ、お受けします!!!」




「「「「!!!!!?????」」」」

武内P「!!!!???」



未央「♪な~やみごと、尽きない時代だ~」

日野茜「おや、未央ちゃん。なんだかご機嫌ですね!」

未央「えへへ~、そう?」

高森藍子「ふふ、未央ちゃん、今日はちょっと特別な日、なんだよね?」

茜「なんですか!? まさか、近くでごはんの食べ放題があるとか!?」

未央「あははー、茜ちんらしいなぁ」



藍子「今日は、久しぶりにシンデレラプロジェクトのメンバー全員が集まれる日なんだって」

未央「そうそう! いやー、みんな仕事で忙しかったけど、また集まれるなんて感激だよー!」

茜「おおっ! 信頼し合える仲間との再会っ!! いやー燃えますね!!」

藍子「本当にね。シンデレラプロジェクトってみんな仲がすごく良くて、羨ましいなぁ」

未央「なんたって、アイドルになって最初にできた仲間だからねぇ」

未央「楽しみってだけじゃなくて、いろいろ感慨深いよ」



茜「そうなんですか。だったら皆さんのためにも、早く行ってあげないとですね!!」

茜「なんなら不肖――この日野茜が、未央ちゃんを担いで、ダッシュしてもいいですよっ!」

未央「茜ちんなら、マジでできそうだよねー」

藍子「ダメだよっ、二人とも! 未央ちゃんスカートだし、見えちゃうよ!」

茜「安心してくださいっ!! スカートの中身が見えないくらいの超スピードで行きますから!!!」

未央「茜ちんは頼もしいなぁ」

藍子「み、未央ちゃん!」

未央「あはは。流石に友達をタクシー代わりにはできないよ」

茜「なら、不肖、日野茜――飛翔してご覧に入れましょう!! 気合で!!!」

藍子「そういう問題じゃないよ!?」



ヴーヴー!!

未央「おっと、そんなこと言ってたら電話だ……。プロデューサー……?」

未央「さてはみんな、未央ちゃんを待ちきれなくなっちゃったかな~?」ピッ

未央「もしもし~? プロデューサー?」

武内P『ほ、本田さん――!!』

未央「ん……? ごめん、なんかそっち騒がしくない……?」

未央「よく聞こえないよー」



武内P『本田さん! あの――!!』

『Pチャン!! 卯月チャンにプロポーズってどういうことにゃーー!!』

『現役アイドル電撃結婚からの引退っ! これもロック!』

『だからって、これはそう安々と真似すんなよ、だりー……』

『なんだか思い出しますねぇ。高3の冬――』

『Pくん、卯月ちゃんと結婚するのーー!?』

『花嫁さん、いいなぁー!! みりあもしたいー!!』

『みりあちゃんはまだできないから、こっちにおいで?』

『Pちゃ~ん? こういうことはちゃーんと、みんなに説明しないとダメだと思うよぉ?』

『えっ……、えぇ……!? プロデューサーさんと、卯月ちゃんが……えぇええ!!??』

『お、落ち着いてっ!! みんな!! お菓子でも食べて、ブドウ糖を――!!』

『いやー、これ選択肢間違うと、最悪みんなから袋叩きだよ』

『言の葉に秘められし、真意を開示せよっ!!(プロデューサーさんっ!! 説明してくださいっ!!)』

『……ちゃんと、言って? じゃないと、あの子も怒るよ……』

『プロデューサーさん、どういうことですか!? いつからそういう関係だったんですか!?』

『ブラーク――結婚ですか? ウヅキ、おめでたいこと、ですね』

『みんな、待って。まずは冷静になろう』メキメキメキ

『それはこっちのセリフだって! 凛っ!』

『キマってる!! 技、首にキマってるからっ!!』



未央「えっ、ちょっとプロデューサー!? 後ろで何が起こってるの――!?」

武内P『いえ、あの――それが――』ミキミキ

『返答次第では、このギターによるロックな制裁も辞さないにゃあっ!!』ブオン

『ちょっ! やめてよっ! 私以上にロックなことするなんて!』

『いやそうじゃないだろ。しかもアレ、お前のギターだぞ?』

『Pくんからは卯月ちゃんになんて告白したのーー?』

『花嫁さん、新婚さん……お母さん! みりあもなるーー!!』

『みりあちゃんはまだなれないから、アタシと居ようね――!?』

『大胆な告白――わかいわ』

『ええ。菜々も学生の頃、仲の良かった友達が――』

『なんだ? なんの騒ぎだコレ? おっ、小梅もいるじゃん』

『な、なんだか……いろいろ渦巻いているのが……見える……フヒ』

『いやー、これは笑い話になるとええな……』

『安心しい。十字架の着ぐるみなら、教会のもお墓のもあるばい』

『眼鏡を勧めても、割れてしまいそうですね……』

『修羅場で、らばーになるんですね~』

『ふむ、これは物量作戦ですな……』

『ハーレムラノベ主人公の気持ちになるですよ!』

『シンデレラプロジェクトのプロデューサーさん……そういう方だったんですね』

『うふふ♪ これはまゆも、そろそろ行動を起こせということかしら』



未央「プロデューサー!? プロデューサー!?」

武内P『ほんだ――さん――――お、教えていただきたいことが――!!』ゴキッメキ

『Pちゃん? 卯月ちゃんを泣かせちゃうようなら、きらり怒っちゃうよ?』

『オッケーきらり、若干もうその怒りが杏にきて――イダイイダイ!!』グググ

『説明、してくれないと……ちょっぷです……』

『わ、私はチョコチップクッキーですよ!!』

『プロデューサーさんに女性が群がって……。なんだかこの前、文香さんの読んでいた本の挿絵と似たような――』

『あ、ありすさんっ! あれは――!!』

『やや、天井裏から聞いていれば、これはかなりの極秘情報なのでは!?』

『そんなことより、早く出ましょうあやめ殿! ここは暗いし、狭いし不気味ですっ!』

『プロポーズなんて、熱々ですね~。なんだか私も暑くなってきちゃった……』

『うわー、なにこの人だかり!? ナンカ盛り上がってるカンジー!?』

『写真撮っていいかなー♪』パシャパシャ

『フレちゃん、もう撮ってるやん』パシャパシャ

『うーん……様々に入り乱れる匂いが、この場のカオスを物語っているねぇ』

『ペロ……人混みは……危ない……一緒にいて……』

『ヒョウ君も~』

『そうですわね。ここは、事態が落ち着くのを待ちましょう』

『えーっ! でも、かおる見たいなー』

『告白、結婚――これが大人かぁ……』

『アイドル……結婚……、なんだか戦車に乗らなくちゃいけない気が……』



未央「大丈夫!? なんか軋んでる音が――」

武内P『ほ――ほんだ――さ――』メキメキメキ

『既にその身は、禁断の果実に触れたのか!?(卯月ちゃんとは、どこまでの関係なんですか!?)』

『……待って、もうちょっとだけ猶予をあげよう?』

『卯月――おめでた、ですか?』

『待って三人とも……! 付けてシたのかもしれないし!!』

『あのっ!! 良ければうちの神社で式を――』

『白無垢の花嫁衣装、ええなぁ。憧れます~』

『えー、式と言ったら球場じゃない?』

『フフーン! なんなら、カワイイボクが、司会を務めてあげてもいいですよ! まぁ、ボクが可愛すぎて、主役が――』

『ムムムッ!! サイキック祝電!!』

『は~い。未成年アイドルと結婚しようとしてる不届き者の気配がしたんで、来てみましたー』

『事件ですか!? 事故ですか!? 事後ですか!?』

『ふぇ……ごめんなしゃい! お胸が当たっちゃって……』

『気にしないでください。って、わわ、ごめんなさいー。お胸が当たっちゃいましたー』

『おう、気にすんな……。っと悪い、胸が当たっちまった』

『いえ、お気になさらずに。登山家としてこれ以上の喜びはありません』

『アハハー、たくみんも同じ悩み抱えてるカンジー?』

『うわ、なにこれ!? ドーナツ屋さんの行列でも見たこと無い混み具合!』

『なにやら揉めているようですが……』

『そしてなにやら闘気を感じます……』



『プロデューサー!! 卯月は親友だけど、だからこそ妾になんてできないよっ!!』ゴリゴリゴリ!!

『うわ、すっごい……。凛のあれどうやってるの?』

『あーもー! 凛にエアマスターなんて見せるんじゃなかったーー!!』

『やれやれ。まさか彼が、魔法使いではなく王子様になるとはねぇ』

『あの方もまた、彼女から魔法をかけられたのやもしれませぬー』

『あるいは――女の子に本当に魔法をかけるのは、魔法使いではなく恋――ということなのかもしれないわね』

『共に歩むこと――その幸福も苦難も、全て含めて尊ぶ――ボクが理解するには、まだ早いようだね……』

『いや、何を浸っているんだ! この状況を誰か説明したまえっ!』



『プロデューサーさん? 納得のいく説明をしていただけますね?』ゴゴゴゴゴ





武内P『本田さん――!!』



武内P『皆さんを落ち着かせるにはどうすれば――ゴフッ!!』ブツッ



未央「えっ……?」


ツー……ツー……ツー……


未央「えぇ……?」







よくあるポンコツしぶりんが書きたかっただけ。

誤字脱字、キャラの口調、敬語が変だったらごめんなさい。

読んでくれてありがとう。

依頼出してきます。


荒らしその1「ターキーは鶏肉の丸焼きじゃなくて七面鳥の肉なんだが・・・・」

信者(荒らしその2)「じゃあターキーは鳥じゃ無いのか?
ターキーは鳥なんだから鶏肉でいいんだよ
いちいちターキー肉って言うのか?
鳥なんだから鶏肉だろ?自分が世界共通のルールだとかでも勘違いしてんのかよ」

鶏肉(とりにく、けいにく)とは、キジ科のニワトリの食肉のこと。
Wikipedia「鶏肉」より一部抜粋

信者「 慌ててウィキペディア先生に頼る知的障害者ちゃんマジワンパターンw
んな明確な区別はねえよご苦労様。
とりあえず鏡見てから自分の書き込み声に出して読んでみな、それでも自分の言動の異常性と矛盾が分からないならママに聞いて来いよw」

>>1「 ターキー話についてはただ一言
どーーでもいいよ」
※このスレは料理上手なキャラが料理の解説をしながら作った料理を美味しくみんなで食べるssです
こんなバ可愛い信者と>>1が見れるのはこのスレだけ!
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】
ハート「チェイス、そこのチキンを取ってくれ」  【仮面ライダードライブSS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1450628050/)

>>1大先生の新作です!
荒らし除けにキャラ変えた癖になにも学んでないのが見ただけで判る内容!
貴虎「つゆだく!そういうのもあるのか」 【仮面ライダー鎧武SS】
貴虎「つゆだく!そういうのもあるのか」 【仮面ライダー鎧武SS】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453306136/)

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