【オリジナル】男「未タイトルで」女「ありふれた?」部長「部活もの!」 (45)

地の文は基本的に男目線で少ないです。
書き溜めないのでゆっくり行きます。

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4月、それは新たな生活が始まる季節。
かくいう俺にも新たな生活が訪れるわけである。



男(いい天気だ)テクテク



今日から俺はとある高校に通う高校生となる。
待ち合わせをしている幼馴染の女子が、他の中学校に通っていた子と一緒に来るんだと話していた。



男(…だからどうってこともないんだけどな)






しばらくして


通学待ち合わせ場所





?「遅れてごめん!目覚まし気付いたら自分で止めちゃってて…」



男「いつもちょっと遅れてくるもんな幼馴染は。慣れてるよ、なぁ友」クスッ



友「だな」ニヤッ



幼馴染「う、うるさいわね…」////



幼馴染「まぁいいわ…あ、それでね!この子が私の小学校の頃の友達で、高校でまた同じ学校に通うことになった女ちゃん!」



女「あ、えっと、女です。よろしく…!」




黒髪で肩まで伸ばしたストレート。
クリッとした大きな目に、薄くてどこかエロチックな唇。



男(か、かわいい…てか顔ちっさ!)



幼馴染「私の小学校でできた初めての友達なんだ~!!」



幼馴染「ほらほら、可愛いでしょ!?」ムニュ



女「ちょ、幼馴染ひゃん…」////



…やばい、ドキドキしてきた。



男「…男です。」////



友「友でーす♪」



幼馴染「あれ?男顔赤い?」



男「赤くないわ!!」





学校





男「…こんなことってあるんだな」



友「すごいな、みんな同じクラスだ」



幼馴染(男と同じクラス…!!)



女「知り合いがいて良かったよぉ~」





お昼





男「えっと…女ちゃん?」



女「え?あ、男君」



男「その…アドレスさ、交換しない?」



女「アドレス?うん、いいよ!」ニコッ



女「赤外線使える?私送るからさ!」



男「!」



男「う、うん、使える使える!」////



友「お、なんだー男、抜け駆けはさせんぞー」



男「げっ!?」



友「俺とも交換しよっ♪」



女「え?う、うん!」



男「どっから現れたんだお前は…」



友「俺同じクラスだからね!?」ガ-ン



女「あはは…」





翌日



教室





友「男さ、女ちゃん、タイプだろ」



男(す、鋭い…)



男「ま、まぁ…」



友「もうメールしたのか??」



男「……まだ」



友「はぁ!?なにチキってんだお前ぇ~」



男「ちょ、バカ!他の奴ら見てるからっ…!」





友「珍しくお前の顔が赤らんでたからな!ビビッと来たぜ」



男「2度と俺の顔を見るなお前は」



友「バーカ、この前撮ったプリクラで見放題だわ」ヒラヒラ



男「そのプリ引き千切んぞ…」



ブーーーッ、ゴトッ



男「ん?」チラッ



男「うげえっ、このスマホ買ったばっかなのに!!」ガ-ンッ



友「そんな角っこ置いてるからだろ」ゲラゲラ 



男「うるせぇアホ!って…女ちゃん!?」



友「うそぉ!?」ガタッ



送信元に書かれた「女」の文字に心臓がひどく高鳴って




友「あいだぁぁ!!!何すんだお前ぇ!!」



感情の捌け口を失っていた俺は、なんとなく友を叩いていた。






『昨日はメール出来なくてごめんね。でも連絡先交換できてよかった!』



まいったなぁ、可愛い。なんかもう普通の文章なのに可愛い。



男(期待していいんだよな…?)



男「『全然気にしてないよ!俺もそう思ってた(。-_-。)』っと…おし、送信!」ポチッ



男「ふーーーっ……」



友「…なぁ、男」


男「あ?」



友「お前のメール…気持ち悪いな」



男「……うるせぇよ」





友「それよりよ、お前部活はどうするか決めたのか?」



男「部活ぅ?全然?」



友「んなことだろうと思ってたわ…」



男(そーいや部活なんか何も考えてなかったな…まぁ別に…)



男「…これと言ってやりたいことねーしなぁ」



友「…ふっふっふ、それは好都合!」



男「はぁ?」



友「ここでこそこの俺の出番ですよ!」ザッ



男「はぁあ??」



友「実はなー男、俺さ、女ちゃんが入ろうとしてる部活のこと聞いちゃったんだよね~」



男「な!?ほんとか!?」ガタッ



友「ほんともほんと、大マジよー」



男「どっ、どこの部活だよそれ…?」



友「え?」



男「だからどこの部活なんだって…」



友「…男君、敬語って分かるかな??」ニヤッ



男「…ちっ」





男(いつの間に仲良くなってたんだよこいつ…)



男「…わかった。あとで購買でパン奢ってやるから教えろ」ハァ



友「おっ、分かってんじゃーん男きゅーん♪」



男「はよ言え!」



友「仕方ねぇなぁ、場所だけ教えてやるよ」



男「なぜ場所だけ…」



友「まぁまぁ!で、その場所はな…」ボソッ







ーーーーーーーーーーーー
ーーーーー




放課後



とある教室の前





男「…なんだ、ここは」



日の当たらない教室の位置、埃まみれの廊下、ヒビの入った窓ガラス。しかも教室そのものも校舎の隅の隅。



男(てゆーかそもそもここメインの校舎じゃねーし!!)



男「なんなんだここは…友に騙されたのか?」



男「うーん…」



?「…くくっ」コソッ



?「お前のことを…食ってやろうかぁ……?」ボソッ



男「!!!?」ビクゥッ









おわあああああぁぁぁぁぁ………!!!











?「あはははは!!!」ゲラゲラ



男「はぁっ、はぁっ、だっ、誰だあんた!!?」ドキドキ



?「ふっふっふ、誰だあんたと聞かれればぁぁ~~!?」



男「!?」



?「…」



男「…え?」



?「ちっ…」



男(舌打ち!?)



?「ぁ答えてあげるが世の情けぇぇ!!(低音)」



男「えーっと…」



?「んーーーー……」



?「…だーめだやっぱ1人じゃやる気が起こらないなぁ」ハァ



男「あ、あのー…」



?「ふぇ?」キョトン



男「ふぇ?じゃねーだろ!!人のこと驚かせといて!!」クワッ



?「あぁ、ごめんね~なんとなくやりたくなっちゃって!」



男「なんとなくっておま…」



?「まぁ特に用は無いので!そんじゃ私部活なんでこれで~」ガラララ…



男「え、えぇ…」



男「くっそ…まだ心臓バクバクしてるし…」



男「あれ?てゆーかあいつ…この部屋入ったよな??」




男「あのーぅすみませーん…」コンコン



シーーーン…



男「くっそ、無視かよ…」



…強行突破だ。



男「おい!!中にいるのは分かっ…」ガララッ 



?「ひぇっ!!?」////ヌギッ



男「てぇぇえええええ!!!?」////



?「ぃ…いやぁぁぁあああああああ!!!」スパアァァァン…






またしばらくして





?「は…はいお茶。えっとその…大丈夫??」チラッ



男「ま、まぁ…」ヒリヒリ



華奢で少し背が低く、ウェーブのかかった暗めの茶髪を腰骨よりも少し上くらいまで伸ばしたその女の子は、拗ねたような顔をして頬を赤らめていた。
…服装はなぜか上下真っ赤なジャージ姿。



男「てゆうか着替え中ならそう言ってくださいよ、なんで無視なんか…」ズズッ



男「てゆうか!結局あなた誰なんですか!!」ガタンッ



?「てゆうかてゆうかうるさいわね…」



部長「私はこの自由研究部の部長よ!」バァン



男「は?自由研究部?なんですかそれ、年中自由研究してるんですか?」



部長「名前の通りだよん♪」



男「帰りますお茶ご馳走様でした」スクッ



部長「コラコラコラコラ待て待て待て待て!!」ガシィ



男「なんですかもう離してくださいよ!!」ギチギチ



部長「違うんだ話せばわかる遊びじゃないんだよこの部活は!!」グイグイ



男「はぁ!?」



部長「自由とは一体なんだ?誰が定義したんだ?そもそも人間として生きるこの世界で本当の意味の自由なんて定義できるのか!?」クワッ



男「て、哲学!?」



部長「それを考えるために日々の放課後を…その…な、仲間たちと自由にわいわいとだな…」



男「かんっぜんに遊びじゃねーかっ!!帰るっ!!!」



部長「あぁん待ってくだせぇよ~」ズルズル





男「もうちょっとで…ドアまでぇぇ…!!」ギチギチ



部長「に…がさんぞぉ…新入部員…!!」



男「誰が新入部員だっ!!!」






ガララッ…






男「え」



部長「お?」



女「失礼しまーす、自由研究部の部室ってここですかー……って、男君に部長さん?」



男「お、女ちゃん?てか部長さんって…知り合い!?」



部長「おぉ女!丁度いいところに!」



女「へ!?」



部長「こいつ抑えてくれ。」



女「どどどどーゆーこと…???」アセアセ



男「ちょ、おま…か、帰らないから女ちゃんまで巻き込むな!」////



部長「あれ?女が来た途端大人しくなった?」



男「……気のせいだ」



女「???」





男「で?2人はどういう関係なんだ?」



女「どういう関係ってほどでもないんだけど…昨日たまたま新しく入った委員会の仕事中に出くわしてね」



女「いきなり耳元で『お前を食ってやろうか』って…」



男「それ流行ってんのか…?」



部長「私は部設立のために努力していたというわけさー♪」



男「さっき俺のこと放っぽり出して部室に消えたじゃねーか!!」



部長「今回は寸劇の相方がいなかったからねぇ~、気分が乗らなくて!てへっ♪」キャピッ



男「あれは寸劇じゃなくて茶番だ…」



女「男君もあれやられたのね…」





部長「まぁ何はともあれ!新入部員共、歓迎するぞ!!」



男「だ!か!ら!誰が新入部員だっつーの!」



部長「君ね、一応私あなたの先輩ですからね?」



男「うっ、す…すみません」



部長「まぁ他に部活見つけるまででもいいからさ!その間だけでもせめて部員として勧誘の手伝いとかをだな!」キラキラ



男「下心丸出しだなおい…」



女「あはは…」



男(でもまぁ…やりたいことも別にないし。というか本来の目的の女ちゃんがいるし)



男(少しくらいなら…)



男「…分かりましたよ。他の部活が決まるまでなら…」



部長「おおぉ……!!」チラッ



女「わ、私は元からそのつもりでしたし…」



部長「おおおおぉサイコーだ貴様らぁぁあああ!!!」



男「さっきから口調がぶれっぶれですよ」ハァ



女「ですね」ニコッ





部長「よし、では親睦を深めるために質問会をしよう!」



男「質問会?」



部長「私についての質問をバチコーイだ!」



女「そのまんまの会だね」クスッ



男「だな」ハァ



男「んーじゃあ…そういえばさっき部長さん、部設立のためって言ってましたよね?」



部長「あぁ、たしかに言ったね」



男「…本気で設立できるんですかこれ」



部長「……男君よ」



男「はい?」



部長「できるかどうかじゃない!やるんだ!」バァン



男「ざ、雑な受け売りだなぁ…」



女「あはは…」







部長「さて、他に質問はないかな?」



男「俺のやつ終わりかい!」



女「あ、はい!」



部長「はい女さん!」



女「えっと、部長さんは今まではどの部活に入ってたんですか?」



部長「はい?」



女「え?」



部長「入ってるわけ無いじゃない」



女「うーんと…帰宅部ってことですか?」



部長「ん?何言ってるの?私1年よ?」



女「え」



男「は?」



女&男「「うええええええええええええ!!?」」





男「タメじゃねーかお前えええ!!」スパアァァン



部長「いったあああ!!?ちょ、なんなのよ!?」



男「お前さっき先輩とかぬかしてただろーが!!」



女「そうですよ!てっきり2年生か3年生なのかと…」



部長「それはこの部ではって意味よ」



男「あの時はまだ部員じゃねえぇぇ!!」グリグリ



部長「いだいいだいいだい」



女「なーんだ同い年かぁ…ふふっ、同い年の友達ができて良かったぁ」ニコッ



部長「おう、私も良かったぞーー!!!」ガバァ



男「あ、ちょ…」ウズッ



部長「あんたはだーめ、離れて」ジトッ



男「分かってるよ!!!」





男「てゆーか!この部ではってまだ部活として認められてないんだろ!?」



部長「気をつけて女!こいつ細かいわ!」



女「え?」



男「当然のツッコミだっ!!」



部長「ほらほら、他にないの?質問!私の美しいスタイルについても聞かれたなら答えてあげないでもないですわよ~♪」



女「う、気になる…」



男「もうツッコむ気力が残ってねぇ…」



男「あっ、あったぞ質問!」



部長「どんとこいでーす♪」



男「さっきの茶ばn」



部長「寸劇」ジトッ



男「…寸劇の相方ってのは誰なんだ?」



部長「あぁ、そのことね」



部長「もちいないよん♪」



男「お前えええええ!!!」グリグリ



部長「あだだだだグリグリやめてええええ!!」



男「さっきいかにも普段は相方いるみたいな言い方してただろうがああああ!!」



部長「せっ、先入観に囚われていては真の自由は手に入れられないぞ!」



男「ああああうるせえええええ!!!!」グシャグシャ



女「ぶぶ部長さん!!男君がキャパオーバーです!!」アセアセ



部長「賑やかで楽しいよ~♪」クスクス




男「もういい…もういいから活動内容を教えてくれ…」



部長「何しようか?」キョトン



男「」チ-ン



女「おおおお男君!?」ユサユサ



部長「だってそりゃそうだよ…こんな風にみんなで集まれたの初めてなんだもん…」ウルッ



女「ぶ、部長…」



男「もう騙されねぇぞこのやろう…」



部長「あら?ばれた?」ケロッ



女「部長ぉ…」ハァ



部長「まぁ本当は部員勧誘でもと思ってたけどまさか女が自分から入部したいって来るとは思ってなかったからね~、なにかやりたいことでもあったのん?」



女「へ!?や、やってみたいことというか…その…」モジモジ



男(可愛い)



女「実は、研究とは違うかもなんですけど、ちょっとだけ気になることがあって…」



男「気になること?」



女「うん…えっとね、その…」








女「私、好きな人がいるの…」////








男「…………え?」



男「うええええええええええええ!!!?」



書き溜めはここまでです。第1話といったところです。
近いうちに更新するつもりです。
それではここまでお付き合いありがとうございました。

1です。
見てくれてる人いて良かったです。
少し更新します。




『好きな人』





女「うん…」////



男「なん…だと…」ガクッ



部長「これは始まりもせずに終わったパターンだね?男君?」ポムッ



男「うるせぇよ…」ショボン



部長「して、それが気になることとどう関係があるのかね?」



女「うん…えっと、私今までこんな気持ちになったことってなくてですね」



女「この気持ちを確かめたいというか、なんというか…向こうもそういう気があるのかというか…」



男「そんなもの確かめなくていいよ女ちゃん!!」グワッ



部長「あーんたは黙ってなさい」ゴスッ



男「ううぅ…くそぅ…どこの馬の骨だ…」グスッ



女「それでですね!その…私の好きな人がですね、この学校の2年の先輩で…」モジモジ



部長「この学校?まだ入学2日目なのに…女ちゃん、もしかして面食いかぁ?」ニヤニヤ



男「人間は中身なんだぞちくしょー!!」



女「ちちち違いますよ!!前の学校が同じだったんです!!」////



男「な……」



男「この学校まで追っかけてきたってのか…?親が泣くぞ…」チラッ



女「それも少しはあるけど…」////モジモジ



男(あるんかい)






部長「まぁそれは分かったよ。で、私たちはどーすればいいんだ?」



女「…私、告白したいんです」



部長「ほうほう」



女「なので…その…お手伝いをお願いしてもいいですか?」



部長「なるほどなるほど」



部長「うーむ…これはもはや研究ではなくただの恋愛相談だが…」



男「そうだそうだ!こんなん研究じゃないぞ部長!」



女「うぅ…」



部長「まぁいい、引き受けよう!!」ド-ン




男「うそぉ!!?」



女「ほんとですか!!?」ガタッ



部長「おうとも!」



女「やったぁ!!」キラキラ



部長「…そしてあわよくば部に引き入れよう」ニヤッ



男「おい...本心がダダ漏れだぞ…」





部長「よしっ、じゃあまずは告白の練習からか!?いいねいいね早くやろう!ぜひ!」ハァハァ



男「何をハァハァ言ってるんだお前は...」



女「いえ!シミュレーションはばっちりですので!」



男「準備万端っすねぇこっちも…はは…」



男(登校2日目からハードだなぁ...)



部長「さすがだな女!なら特攻か!?」



女「特攻です!!」



部長「おっしゃぁああ行くぞおおお」ドタドタ



女「お、おおーー!!」テテテテ



男「まじかよぉ~……」トボトボ





しばらくして



2年 教室 ドア前





女「こ、このクラスです…」コソッ



男「まだ中にけっこう人がいるな」



部長「2年は1年より授業が多いのさ」



男「なるほど…で、女ちゃんの…えー…き、気になってるって奴はどいつだ?」



部長「頑なに『好き』の単語を拒絶してるね」



女「あ…あの方です…」////ユビサシ



女が指差した方向には華奢だがなかなかのルックスの男と太った眼鏡の男、そしていかにもな格好をしたケバい女が談笑していた。



男(えーっと…あの男女で話してるやつらか)



男「どれだ!女ちゃん!?」



女「め、眼鏡の…」////



男「眼鏡の!?あんな太ってるのがいいのか!?」



部長「ふむ、デブ専かい?」



女「誰がデブなのよ!!!」ギラッ



男「ひっ!!?」ビクゥッ



部長「!?」





女「あんなに美しい体型なのに…次言ったら息の根止めるから…!!」



男(ひえぇぇぇえええええ)ガクブル



部長「い、意外な一面を見てしまった気がする…」



男「同感だ……ちびるかと思った」



女「ふんっ」ムスッ



部長「えっと、女はあの眼鏡の子が好きなんだよね?」



女「……っ」////コクコク



男「あ…あんなデブに負けたのか俺は…」



部長「きっと勝負の土俵にも上がれていなかっただろうね…」



男「言うな…」





女「…よし、男君!」クルッ



男「へ!?は、はい!!」



女「体育館裏に呼び出そう」



男「お、おう?いいんじゃねぇか?」



女「いいんじゃねぇか?じゃなくて呼び出して!!」クワッ



男「えええ!?俺がぁ!?」



女「当たり前でしょ!?恥ずかしいじゃない!!」バァン



男「一気に俺の扱い荒くなったなぁ…」グスン



部長「まぁ行ってきてあげなせぇ」ポムッ



男「…はーい」トボトボ





2年 教室内




男(なんで俺が...)ハァ



男「…おい、ちょっといいか?」



眼鏡「ん?」



男「あそこのドアのところにいる女の子があんたに用があるんですと」クイッ



ケバ女「はぁ?誰あの女」



華奢「眼鏡の知り合いか?」



眼鏡「いや...?知らないと思うけど」



男「は?」



眼鏡「どなたですかね?心当たりないんですが…」



男「なっ、そんなはずは…」チラッ



女「……っ!!っ!!」ブンブン



男(…なにかを必死で伝えようとしてるのだけは分かる)



男「すすすみません、ちょっと待って下さいね」ヘコヘコ



眼鏡男「は、はい?」キョトン





プルルル、ガチャッ



男『おい、どーゆうことだ、お前のこと知らないとか抜かしてるぞこのデブ』



眼鏡(このデブ…)



女『私だって知らないよ!!』



男『おまっ、さっき俺がデブって言ったらキレたくせに!!』



女『私が言ったのはその奥!奥だよ!』



俺『はぁ?奥?』チラッ







?「……」ペラッ



?「…ふむ」パラッ







男『…美人さんが本をお読みになっているだけなんだが』



女『本を読んでる姿も美しいよね!男君分かってるじゃん!』



男『な、なぁぁ…!!』



男『おおお前まさか……』



女『あぁ…姫様…』////



男『』チ-ン



部長「?」







男「悪い、眼鏡…あんたじゃなかった…」



眼鏡「だろうね…」



眼鏡(デブデブ言ってたし)





男「えっとじゃあ…」



姫「……」



男(黙々と本読んでるな…)



男「あのー…ちょっとよろしいですか?」



姫「……?」



姫「なんだい?」



黒く腰のあたりまで伸ばした髪、暗い茶色の眼鏡、小さな顔、そしてなんとなく高級感のする匂い…



男(なるほど…姫だ)



男「え、えーとですね、中学校があなたと同じだったっていう女ってやつがですね、あとで体育館の裏まで来て欲しいとですね」



姫「女さん…?あぁ、あの1個下の子だね」



姫「…体育館裏って、私は喧嘩でも売られているんだろうか」



男「あははは、いやぁそんなことないと思いますよ~」グスッ



姫「どうして笑いながら泣いている…」



男「なんでもないです」ナミダメ



姫「…ほら、ハンカチ貸してあげるから」スッ



男「…ありがとう、ございます」フキフキ



姫「君がなんで泣いているのかは分からないが…何かあったら相談に来るといい」



姫「私で良ければ話を聞こう」ニコッ



男「な…」



姫「あと3ページくらいだけ読ませてくれないか?その後すぐに向かうから」



男「へっ!?あ、あぁ、お...お願いします」オドオド




ドア前




男「ただいま…」トボトボ



女「ど、どうだった?」ソワソワ



男「…素敵だった。うん、素敵だった。イケメンだ」



女「だよねだよね!?」



部長「男君が堕とされてる!?」



男「しょうもないやつなら俺が成敗してやろうと思ってたんだが…」



男「オーラがもう違う…」



部長「お、おう…」



女「部長もきっと惚れますよ~」キャッキャッ



男「あれには勝てんよ…いろんな意味で」



部長「男君がこんなにコテンパンにされるとは…」



女「ほら2人とも、早く体育館裏に行きましょう!」



男「はーい…」



部長「ほいほーい」





しばらくして



体育館裏





男「…そろそろだな」



女「うん、ほらあそこ」ユビサシ



部長「どれどれ?」ズイッ



部長「お、来たな来たな…って、さっきの男じゃないんですけど」



部長「え?どゆこと?さっきの男と眼鏡しか共通点ないよ?」



男「あぁ、実はさっきの電話の内容がかくかくしかじかで…」ボソッ



部長「な、なるほど…分からん」



女「性別なんて些細な問題ですよ部長さん」ニコッ



部長「…男君がいろんな意味で勝てないって言った理由が分かったよ」



男「超えられない壁を感じたよ…はは」



男「はぁ…」



部長「あらあら…」



女「それじゃ私は姫様のところに行ってきますね!!」キラキラ



部長「頑張ってね~、私たちはここから覗いてるから~」ヒラヒラ



女「はいっ!」テテテテ





部長「…行っちゃった」



部長「あーあー男君の気も知らないで嬉しそうだねぇ」クスクス



男「…笑うな」グスッ



部長「慰めてあげようか?」



男「余計なお世話だちくしょう…」



部長「……はぁ」



部長「…歯痒いねぇ~」





『告白』




女「ひっ、ひひひ姫様!」////



姫「あ、女さん」



姫「こんなところに呼び出して、どうかしたのかい?」



女「は、はひっ!」



姫「はひ?」



女「…噛みました」////



姫「?」



女「えっと、その、用事なんですけど…」



女「私…中学の頃から姫さ…先輩のことがずっとずっと気になっててですね」////



姫「気になる?」



女「は、はいっ!!えと、あの、なんていうかその…」モジモジ



姫「だ、大丈夫…?」














男「…めっちゃ照れてるじゃねーか……」



部長「そうだねぇ」クスクス



男「俺の時はあんなそぶりしなかったのに…」



部長「それは仕方ないと思うけど…」





姫「よく分からないのだけれど、その、気になるというのはどういうことかな...?」



女「…っ」////



姫「女さん?」



女「……」////モジモジ



姫「……女さん、君もしかして…」ジィ



女「!!!」



女「ちちちちち違いますよ!?違います!!先輩が思い描いていることとは十中八九100%違いますよ!!!」////



女「私が先輩のことを…だなんて、私女だし!めめメスだし!」////



姫「メス…」











男「何を言ってるんだあいつは…」



部長「あーあー台無し」ゲラゲラ





姫「ではなんなんだい?私はてっきり君が…」



女「ぶっ、部活にっ!!!」



姫「え!?」



女「部活に入ってもらおうと思いまして!!その勧誘ですよはいっ!!」////



姫「部活…??勧誘...?」












部長「おぉナイス!ナイスだ女!!なんか分からんがグッジョブだ!!」



男「もう俺帰ろうかな…」ハァ





姫「部活とはどの部活のことを言っているんだい?自由に読書が出来ないならばお断りしたいのだが...」



女「できますできます!むしろ邪魔するやつは私が消してやりますよっ!」フンスッ



姫「別に消さなくてもいいが…」



女「おおお願いします!!せめて一度だけでも来てください!!」



女「自由がモットーの部活のはずなので!!」クワッ



姫「う、うぅん…部活か...誰からも誘われなかったし、高校では入らずにいようかと思っていたのだけれど...」



姫「...まぁせっかくの勧誘だしね。入るかどうかは別にして、今度一度出向いてみるとするよ」



女「は、はいっ!ありがとうございます!」キラキラ



姫「えっと、じゃあ用事はそれだけかい?」



女「うんと...と、とりあえずは……」



姫「そ。なら私は戻って読書でもしようかな」



女「……はい」ショボン



姫「…」



女「…」モジモジ



姫(...うーん…...)




姫「…そうだ」



女「?」



姫「これ、あげるよ。私の好物のキャラメルだ」スッ



女「え…?いいんですか?」



姫「あぁ。私の体温で少し柔らかくなってしまっているが」



女「……」////



姫「…本当は他にも言いたいことがある、そんな顔をしているね」



女「うっ」////



姫「ふふっ、無理に聞き出すつもりはないよ」



姫「言えるようになったらまた呼んでくれ。その時はしっかり聞いてあげるから」ニコッ



女「へっ!?せ、先輩…」



姫「じゃあ私はこの辺で!またね、女さん」ポムッ



姫「部活、楽しみにしておくよ」



女「……は...はひぃ…」////









男「...ね?惚れるでしょ」



部長「...いや、私は気に食わん」



男「なんでだよ...」



部長「なーんか気に食わん!」



男「…お前と違ってなんでもかんでもストレートには言わなさそうだもんな、姫さん」



部長「...ふん!」

今回はここまでです。
また近々更新します。

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