P「家庭教師か・・・」藍子「先生、ご指導お願いします」 (40)

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―――とある住宅の前―――


P(ここで間違いなさそうだな)ポチッ

ピンポーン

……

…………

??『はい』

P「・・えと、家庭教師を頼まれて来たのですがー」

??『あ! はいっ』

……

ガチャリッ

藍子「どうぞ、中に入ってください」ニコッ

P(この子が、ぼくの教える……)

数日前…

―――事務所―――


ちひろ「・・・・というわけで、頑張ってくださいね」

P「というわけ、じゃありません」

ちひろ「え? 何かわからないところでもありましたか?」

P「いや! だって!!」



P「家庭教師のアルバイトって・・ぼく、プロデューサーですよ!?」

ちひろ「でも社長直々の依頼ですし、リッパな社員の仕事ですよ?」

ちひろ「社長の親友の娘さんの家庭教師・・・・」

ちひろ「体験談、まってますから♪」

P「家庭教師の仕事なんてしたことありません」

ちひろ「大丈夫です! 思うままに教えるのでいいと、言われたそうですから」

P「いや、でもぼくにはプロデューサーの仕事が」

ちひろ「最近、休日でも仕事しているみたいじゃないですか」ボソッ

P「うっ」

ちひろ「仕事がなくても雑用しているようですね~」

P「うっ」

ちひろ「はい♪ お仕事からいったん離れましょう」

P(・・・・やれやれ)

現在…


P(ちひろさんから貰った資料で、彼女の簡単なことはわかったつもり)

P(・・・・と、思っていたけど)

藍子「家族は誰もいないので、リビングでいいですか?」

P「あっ、はい、かまいません」

P(この子、すごくティンとくる)

P( ス カ ウ ト し た い ! )

P(・・ハッ! いかん、いかん。今日は仕事じゃないんだ)

藍子「こちらです」ガチャリ

―――リビング―――


藍子「・・・・」チャクセキッ

P「・・・・」チャクセキッ

藍子「それでは、はじめましょう」

P「うん、そうだね」

藍子「その前に・・」ススッ

藍子「今日は来ていただき、ありがとうございますっ」ペコリ

藍子「・・先生、藍子にご指導、お願いします」ニコッ

―――その頃、事務所―――


カタカタ…コツコツ…

……

ちひろ「穏やかですねー」

社長「そうだね。彼がいないってのに違和感を持つがね」

ちひろ「今頃、家庭教師がはじまったんじゃないでしょうか?」

…………

ちひろ「・・・・」

ちひろ「どうして社長に頼んだのでしょうか?」

社長「んん?」

ちひろ「いえ。家庭教師だったら、ちゃんと適した人にお願いするはずですから・・」

ちひろ「どうして社長に家庭教師をお願いしたのかなー、と」

社長「・・・・」

社長「ちひろ君、きみは一つだけ勘違いしているよ」

ちひろ「え?」

―――高森家―――


P(今日ははじめて。それじゃあ・・・・)

藍子「先生、本日はどのような授業ですかっ?」

P「あはは、授業だと学校っぽくなるね。・・でも、それを抜きにしても今日は授業じゃないんだ」

藍子「?」

P「今日ははじめてだからね。お互いのことを知ることからはじめよう」

P「多分、お互いを知らないままだと微妙な空気で過ごすことになる気がするから」

藍子「・・・・」

藍子「はいっ! わかりましたっ」

P(・・・・そういえば)

P(担当アイドルとも最初はミーティングだったな)

P「高森さんは、いま何年生?」

藍子「16歳の、高校1年生ですっ」

P(うん、資料に間違いはないな)

P「高校生になったばかりってことは、まだ慣れないことも多いんじゃない?」

藍子「えーと・・うーん・・・・」クビカシゲ

藍子「どうでしょう?」エヘヘ

P「どうでしょうって」

藍子「先生はどうでしたか?」

P「・・ぼくのときは慣れるまでに時間かかったかな。中学までの親しかった友人もいなくなったし」

藍子「そうなんですかっ?」ズイッ

P「あ、うん・・・・それで気の合う友人ができるまでは、どうやって生活しようか悩んだよ」

藍子「なるほど、やっぱりそういう悩みはあるんですね・・・・」ウンウン

P(しまった。ぼくの方が話しちゃってる)

………

P「高森さんは、高校の友人とかとよく遊んでいるの?」

藍子「えと、『よく』ってほど遊んでないんです」

藍子「・・・・」ハッ

藍子「こ、高校でひとりぼっちってわけじゃないですよ」アセアセ

藍子「お散歩が大好きだから、友達といっしょに散歩したりしますし・・」

藍子「そうじゃない時は、一人でもお散歩したりしてますっ」

P「なるほど、散歩・・・・」

藍子「先生はお散歩好きですか?」

P「散歩というか、外をブラブラするのは好きかな」

藍子「そうなんですか? 嬉しいですっ」パアッ

P(アイドルの卵をスカウトするためのブラブラだけど)

P(散歩かー。気ままって意味じゃ、長くやってないかもしれないな)

P「散歩のどこが好きなの?」

藍子「えーと・・たっくさんありますっ」

P「よし、ぜーんぶ教えて!」

藍子「ぜ、ぜんぶですか?」

P「好きなだけ、ってこと」

P(彼女が話す『散歩』・・・・)

P「すごく知りたい」ワクワク

藍子「・・・・!」

藍子「わかりました。藍子、語りますっ!」キリッ

……

藍子「え、えっとですね・・・・たとえば、お散歩している時に・・・・」

………

藍子「ワンちゃんが寝てたりしたら、持っているトイカメラで・・・・」

…………

藍子「トイカメラの、その場で確認できないのが好きなんです」

P「わかる! 確認できないからこそ、一期一会って感じだ」

………………

―――その頃、事務所―――


ちひろ「・・・・」

ちひろ「・・もしかして、スカウトさせたいんでしょうか?」

社長「うん? どういうことだね?」

ちひろ「さっき、社長が教えてくれたじゃないですか」

ちひろ「高森藍子さんのお父さんが、プロデューサーさんを直々に指名したって」

社長「ああ。彼のことは、私がよく話のタネにしていたからね」

社長「それで興味を持ったのではないかな」

ちひろ「プロデューサーさんなら、可能性のある子はスカウトする気がするんです」

ちひろ「・・あの、プロデューサーさんですから」

ちひろ「自分の娘をスカウトしてもらいたいのかなーって、想像しちゃいました」

社長「それだったら、直接頼めばいいと思うがね」

ちひろ「ですよねー」

社長「ただ気まぐれに家庭教師を呼びたかっただけかもしれない」




社長「・・ただ、まあ・・・・」

社長「どんな思惑があっても、一人の少女とプロデューサーが出会ったんだ」

社長「それで、どうなっていくのか・・・・私は楽しみだよ」

ちひろ「私も楽しみです。いろんな意味で」

社長「ああ。いろんな意味で、ワクワクだ」

―――高森家―――


……

…………

藍子「・・・・それで、ニャンちゃんたちがゴロゴロ転がってですね」ウキウキ

P「どうなる? どうなる?」ワクワク

藍子「二人のニャンちゃんが、頬をぺたーっとくっつけたんですっ!」

P「そ、それは、か、かわいい・・・・!」

藍子「ですよねっ! もう可愛くって、写真撮ったんです!」ウキウキ

藍子「・・・・見事にピンボケしてました」ズーン

P「あはは」

P「でも、思い出はいまでも鮮明に残ってるじゃない。それで十分だよ」

藍子「ふふっ、そうですねっ」

藍子「それで、次の日もお散歩したんですけど―――」

ピンポーン

P「あれ? ダレか来た?」

藍子「あっ、私が出ます」

藍子「先生は、そこで座っててください」

ハイ…ハイ…

トットットット…

P「・・・・」チラッ

P(聞き入ってたら、もうこんな時間か・・・・)

P(もう今日はお開きかな)

トットットット…

ガチャッ

藍子「家族への宅配便でした。ささっ、話をつづけますね♪」

P「それなんだけど、時計」ピッ

藍子「え? あ・・もうこんな時間だったんですね」

P「こんな時間だ」ハハハ

藍子「・・・・もっと、お話したかったんですけどね」

P「家庭教師は今日だけじゃないから、また次の機会にしよう」

藍子「・・・・! はいっ」

P「た・だ・し、次回からは勉強中心だからね」

藍子「あっ、そうでしたね」アハハッ



藍子「・・・・」







藍子「先生、もしよければですけど・・・・」







藍子「少しだけ、いっしょにお散歩しませんか?」

―――散歩道―――


藍子「私の大好きな公園にしようかなって、思ったんですけど」

藍子「それは次回のお楽しみってことで、ふふっ♪」

藍子「・・あ! 先生、あそこにウグイスがいますよっ」

P「ホントだ」

藍子「ひとりだけかなー? もしかして仲間がいるのかな?」キョロキョロ

P「・・・・」


P(今日、話していて、どうしても離れない気持ちがあった)







P(この子には、アイドルとしての可能性がある)







P(そんな確信がある)


P「・・・・」

藍子「あ! お仲間さんがいましたよ、先生っ」

P「・・・・」

藍子「・・・・先生?」

P「・・・・」

藍子「せんせー?」

P「んっ? ああ、ゴメン」

藍子「・・もしかして、退屈でしたか?」

P「ちがう、少しだけ考え事をしていたんだ」

藍子「考え事?」


P「・・・・」ジッ


藍子「・・・・」キョトン


P「・・・・」

P「高森、藍子さん」

藍子「はいっ?」

P「・・・・」

藍子「・・・・?」

P「・・・・」









P「こんな先生だけど、よろしくお願いします」ペコリ

藍子「ええっ!?」

藍子「い、いきなり、どうしたんですかっ?」アタフタ

P「・・・・」ペコリー

P(これが、いい)

……

…………

………………

―――事務所―――


ガチャリッ

P「ただいま戻りました」

ちひろ「あ! おかえりなさい」

社長「おかえり! 今日はご苦労だったね!」

ちひろ「フフ、どうでした? 家庭教師は」

P「次回から本番なので、まだ何ともいえませんね」

ちひろ「相手の子はどうでした?」

P「どうとは・・?」

ちひろ「スカウトとか、したんじゃないですか?」ニッコリ

P「・・・・」

ちひろ「プロデューサーさん?」

P「・・・・」フッ

P「してませんよ。全く、カケラも」

ちひろ「ええっ? 本当ですか!?」

社長「これは予想が外れてしまったね」ハッハッハ

P「いえ、ジッサイ気持ちはあったんですよ。すごく可能性を感じました」

P「でも・・・・」








P「ぼくは、彼女の前では"先生"なんです」

P「先生は、アイドルのスカウトなんてやりません」

プロローグみたいな形ですが、これで一旦おしまいです

こんな駄文を読んでくださり、誠にありがとうございました(土下座)

これは期待。
(あとE-mailってとこに『saga』って打ち込むとフィルターはずれるやで)

>>30
ありがとうございます! 次回から気をつけたいと思います
HTML化依頼を出してきます

ごめんなさい
一区切りしていて数日続きを書き込めない場合はHTML化依頼を出すべきだと誤解していました

続きは近いうちに出すつもりです

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月19日 (火) 12:05:55   ID: 00C3-BmC

藍子ちゃんかわいい

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