女「エロ薬とホレ薬、どっちが欲しい?」(28)

男「は?」

女「こっちのエロ薬は飲むと発情します。効果もなかなかの物で……」

男「いやいや、そうじゃなくてだな」

女「なに? 粉末より錠剤の方が良かったかな」

男「ちゃうねん……俺はお前に飲んでほしいんだ」

女「ほう、ならばゲームで負けた方が両方の薬を飲むというのはどうかね?」

男「いいぜ……ゲームは何をする?」

女「ババヌキ」

男「二人しかいねーよ」

女「マインスイーパー」

男「ツールがねーよ!」

女「acv」

男「コアすぎるよ!」

女「文句言うなら案をだせぃ!」

男「バドミントンしようぜ。道具ならあるし」

女「ふっふっふ……。天空の舞姫と呼ばれる私にかなうかな?」

男「薬ってどれくらいあるんだ?」

女「粉末を十袋ずつ」

男「……よし」

女「?」

男「つまり、十人は魅了する事ができる。五人魅了して、時間延長で十袋……いや、女を十回……」

女「それは取らぬ狸の皮算用だね」

男「いざ」

女「勝負!」

――

しばらくお待ちください。

――

男「……そんな、バカな」

女「ははは、私の勝ちだね」

男「なぜだ? そのデカい胸はエネルギータンクなのか?」

女「だって胸ばっか見てるし、簡単に勝てるよ」

男「オ・ノーレ!」

女「さて、実はこのホレ薬。飲んで初めて見た相手を好きになるインプリンティング形式なんだがね……面白い現象があるんだよ」

男「なんだ?」

女「初めから好きな相手には嫌悪感を抱く。憎しみ、怒り、吐き気を催す」

男「……」

女「君は、私の体しか見ていないなら獣のように飛びかかってくるだろうね」



女「本来に、私の事が好きなら……嫌いな相手を手込めにすることになるよ」

男「どちらにしろ、俺は女に襲いかかることになるが……いいのか?」

女「君を社会的に抹殺する事もできるし、精子の採取をしたいと思ってたところさ」

女「それに、君がどうなろうと……私にとってはモルモットに過ぎない」

女「代わりならたくさんいるしね」フフフ……

女「男に二言はないなら、飲んでもらおうか……エロホレ薬を」

男(俺は……女が好きだ)

男「二言はねえ。だが、これだけは言っておく」

男「俺はわざと負けたのさ」

女「はい、水」

男「流すなよ。水だけに流すなよ」

男「いくぜ……」

女「どうぞ」

男「」サラサラ、ゴクゴク……

男「ぷはぁ! 飲んだぞ」

女「薬全部飲めよ」

男「作っただけあって、強気だな……いいぜ!」

男「う…くぅ……ぁ……」

女「そろそろかしら」

男「女、女? あれ、俺……」

女「私の事、どう思う?」

男「……う、うぅ? 頭がイイ。女は頭がイイ」

女「あれ? 失敗かしら……」

男「女は、勉強ばかりしている。一人で、サミシソウ」

女「……」

男「トモダチ、いない。俺、トモダチになる」

男「女、トモダチ」

女「……そ、そう。もう、いいわ」

男「女、俺を使って研究。喜ぶ。俺、嬉しい」

女「私は……そんな好意望んでない。私は私の知識を満たせればいいの」

男「う?」

女「そんなの……いらない」

女「動物実験と人間実験は違ったわね……脳の大きさ、それとも複雑な思考回路が原因かしら」

男「……う」

女「気分はどう?」

男「どきどきする。目がまわる。女からいい匂いがする」

女「もう少し、近くから嗅いでみる?」

男「うん」

男「」スンスン

女「どうかしら」

男「ここから、いい匂いがする」クチュ……

女「んっ。そう……鼻をもっと押し当ててみなさい」

男「んー」

女「どうかしら?」

男「布がじゃま」

男「とっていい?」

男「うー」スルスル

女「どう?」

男「ここから臭いがする」

女「好きにしていいわよ」

男「わかった」



べろっ……。


ペロペロ、ペロペロペロペロ


女「んぅ……」

男「……」

女「どうしたの? 続けなさいよ」



男「グルルルル……」

女「もう我慢できないみたいね」

男「がぅっ!」

女「え?」






男は女の首に噛みついた。

女は声を上げる前に、喉元を潰され音にならない悲鳴が上がる。

男は喉元から溢れ出る血液を飲み込む。

上から押さえつけられ、何もできない女が絶命するまで、

男は顎の力を緩めなかった。

男が自分を取り戻した時、

そこに、

残っていた残骸は、

人の面影は無く、

たた゛ ひどいニオイと、

大量の、白色、液体が、かかったなにかが。






散乱していた。

――end――

薬、ダメ、絶対!

現実と妄想はしっかり区別を付けようね。

嘘吐きとの約束だぞ☆

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