【艦これ】ヲ級「ファミチキクダサイ」 (79)




イ級「ナニ、ソレ?」

ヲ級「ふふふ……懐かしいコトバ……」

ヲ級「私が若かった頃、陸の上で生まれたコトバなのよ」

イ級「オカーチャンガ?」

ヲ級「そうよ……」

ヲ級「今では覚えてる者もほとんどいないけど」

ヲ級「昔、ニンゲンと私達は戦争をしていたの」





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イ級「センソウッテナニ?」

ヲ級「戦争というのはね……とっても悲しいこと」

ヲ級「仕方なく戦うことなの」

イ級「タタカウ」

ヲ級「そう」

ヲ級「でもね、長い時間をかけて私たちはようやく」

ヲ級「ニンゲン達と仲直りすることができたの」

イ級「……」

イ級「ヨカッタ」

ヲ級「そうね」クスッ




ヲ級「実は私……」

ヲ級「陸の世界に行ったことがあるの」

イ級「ホントウ?」

ヲ級「本当よ」フフッ


ヲ級「そう、あれは……」

ヲ級「戦争が終わってから、一年が経った時のことだった……」


……
…………
………………




ヲ級「ル級……」

ル級「ン、ドウシタ?」

ヲ級「私、陸ニ上ガッテミル」

ル級「何……本当カ!」

ヲ級「本当ダ」

ヲ級「ニンゲン達ノセイカツ……コノ目デ見テミタイ」

ル級「……」

ル級「確カニ戦争ハ終ワッタガ……」

ル級「私達ノコトヲ嫌ウニンゲンモマダイルト聞ク」




ヲ級「ソウダロウナ」

ヲ級「ダガ幸イ、私ハ人間ニ近イ姿ダカラ……」

ヲ級「人間ノ恰好ニナッテ、気付カレナイヨウニスルコトハデキル」

ル級「ナルホドナ……デハ、私モコーディネートヲ手伝ウゾ」

ヲ級「本当カ、助カル」

ル級「礼ハイイ」フフッ

ル級「陸ニ上ガルコトハ、オ前ノ昔カラノ夢ダッタジャナイカ」

ヲ級「……」

ヲ級「……アァッ」ニコッ




ル級「ヨシ、デキタゾ」

ル級「コレデドコカラドウ見テモ、ニンゲンノ成人女性ソノモノダ」エッヘン

ヲ級「オォ……恩ニキル」フフッ


ル級「チナミニ、ドコニ上陸スルツモリナンダ?」

ヲ級「ソウダナ……」

ヲ級「ヤハリ、一番近イ“ニホン”ガイイ」

ル級「ナルホド……デハ、事前ニ“円”ヲ換金シテユケ」

ル級「マダ陸デハコチラノ通貨ハ取リ扱エナイハズダ」

ヲ級「ナルホドナ、ワカッタ」フムフム





ル級「困ッタラスグニ帰ルノダゾ」

ヲ級「大丈夫、ニホン語ノ会話マニュアルモ持ッタシ」

ヲ級「観光マニュアルモ持ッタ」エッヘン

ル級「ソウカ……ジャア、気ヲ付ケテナ」

ヲ級「アリガトウ、デハ……」



ヲ級「行ッテクル」





ザッパーン

ヲ級「フゥッ……!」


ザザーン……ザザーン……


ヲ級「ココハ……」

ヲ級「砂浜……カ?」

ヲ級「デハ……ドウヤラ着イタラシイ……」


ヲ級「“ニホン”ニ……!」




オワーッ!


ヲ級「!?」

漁師「おったまげたべぇっ!」

漁師「若いチャンネーが海から出てきよったー!」

ヲ級(シ、シマッタ……!)

ヲ級(ニンゲンガ海カラ現レルナド、考エテミレバオカシイコトダ!)オロオロ

ヲ級(コウイウ時ハ……マニュアル!)ペラッ




ヲ級(…………ヨシ!)

ヲ級「コ、コンニチワ……」ペコッ

漁師「へぇっ!?」

漁師「こ……こんにちは………?」




ヲ級(ヨシ、ナントカナッタ)ホッ

ヲ級(デハ、ココハ手筈通リニ……)

ヲ級「あの……私聞き……タイ」

漁師「お、おう」

ヲ級「……街、行く……そうすれ…………」ジャナイ…

ヲ級「……ソウダ、ど、どうすれば……イイ?」

漁師「街?そだな……(外人さんかこの子?)」

漁師「ちょーどそこにバス停があっから」

漁師「駅行きの5番系統に乗ればええべ……」

ヲ級「そう……カ」

ヲ級「礼を……言ウ」ペコリ

ヲ級「……デハ」クルッ




漁師「あぁ、ちょっとあんたぁ!」

ヲ級「?」

漁師「なんでか知らねーが……ずぶ濡れだぞ」

漁師「ワシのでよがったら、これ使えっ」サッ

ヲ級「コレ……ハ?」

漁師「タオルだ、それで拭けっ」

漁師「でねぇとあんた、風邪ば引くぞ」

ヲ級(“タオル”……)

ヲ級「……あリガトウ」




ヲ級「先程ノアレハドウイウ意味ナンダ……?」

ヲ級「私タチハ水気ヲ拭キ取ル必要ハナイノダガ……」

ヲ級「モシカスルト、ニンゲンハ水ニ濡レルト異常ヲキタスノカ」

ヲ級「…………マァイイ」

ヲ級「サッキノニンゲン、バスト言ッテイタ」

ヲ級「バストハ…………?」


ブロロロロロrrrrr……


ヲ級「……恐ラク、アレダナ」フフッ




ブロロロロロrrrrr……


ヲ級「ナルホド、コレハ便利ダ」

ヲ級「歩カナクテモ移動デキル……」

ヲ級「私タチニハ無イモノ……」


ヲ級「……コレガ陸上ノ景色……カ」

ヲ級「山……トイウノカ?」

ヲ級「緑色ノ……山」

ヲ級「海藻ジャナイ……ミドリ……」




ヲ級「シマッタ、ドウヤッテ降リルノカ分カラナイッ」ガーン




子供「」ポチッ

ヲ級「?」

ピンポーン ツギ、トマリマス

ヲ級「!」

ヲ級「ナルホド!」

ヲ級「コウヤッテ前ノニンゲンニ知ラセルノカ……」ニヤッ




ツギハ、ヤマナカコウエン……
ピポピポピポピポピポピポピポーン ツギ、トマリマス

ツギハ、ノウガクダイマエ……
ピポピポピポピポピポピポピポーン ツギ、トマリマス

ツギハ、ヤマモト……
ピポピポピポピポピポピポピポーン ツギ、トマリマス

ツギハ、マチマエコウエンマエ……
ピポピポピポピポピポピポピポーン ツギ、トマリマス


運転「お客さーん、いい加減にしてくださーい」

ヲ級(ダメナノカ……)シュン





ツギハシュウテン、エキマエ…… ホンジツモバスヲゴリヨウイタダキ……


ヲ級「ウゥ……」

ヲ級「結局……サイゴマデ乗ッテシマッタ……」ガクッ

ヲ級「……マァイイ、結果オオライダ」


ワイワイ ガヤガヤ

プップー ブロロロロrrrr……

アハハ、デショー ヤーネェ


ヲ級「恐ラク、ココガ“街”トイウ所ダロウ」

ヲ級「ココガニンゲンノ生活圏……」





ワイワイ ガヤガヤ


ヲ級「ニンゲンガダクサン……」

ヲ級「ナンダカ……」

ヲ級「酔ッテシマイソウダ……」クラッ

ヲ級「……ハッ」

ヲ級「」ブンブンッ

ヲ級「ナラン!マダ来タトコロダゾッ」


ヲ級「……トリアエズ、マズハ……」

ヲ級「ニンゲンノコロニーノ観察ダナ」




ヲ級「ワァ…………!」

ヲ級「見タコトノナイ構造物バカリダ!」

ヲ級「……」ペラッ

ヲ級「……ナルホド、アレハ“ビル”ト言ウノカ」

ヲ級「大キイナ……何人ノニンゲンガ住メルノダロウ?」

ヲ級「素材ハ……タマニ海底ニ沈メラレテイル物質ニ似テイル」

ヲ級「コレハ深海ノ我々ノコロニーニモ使エルノダロウカ?」




カーンカーン コーン

ヲ級「コレハ“鉄骨”」

ヲ級「“鉄”ハ」

ヲ級「我々ガ昔沈メタ船ニモ使ワレタ素材……」

ヲ級「……」

ヲ級「……我々ハ、ナント愚カナコトヲシタノダロウ……」グッ




キャッキャッ ハシッチャダメヨー


ヲ級「……」ペラッ

ヲ級「ココハ、“幼稚園”トイワレル場所」

ヲ級「ツマリ、ニンゲンノコドモヲ預ケル場所……」

ヲ級「コドモハ、ニンゲンデモカワイイモノダ」ニコッ

ヲ級「シカシ、オヤハコンナ所ニ預ケテ大丈夫ナノカ?」

ヲ級「ココノニンゲンニ、コドモガ食ワレタリシナイノカ……?」

ヲ級「不思議ダ……」




ヲ級「……」グゥー……


ヲ級「ヨシ、次ハニンゲンノ食料ノ調査ダッ」

ヲ級「シカシ……ドウヤッテ調達スレバイイ……?」

ヲ級「……」ペラッ

ヲ級「……マニュアルニハ書カレテイナイシ……」


ヲ級「ド、ドウシヨウ」オロオロ




ヲ級「ン?」

ヲ級「ニンゲンガヨク出入リシテイル……」

ヲ級「アレハ……食料ノアル所か?」

ヲ級「何ト書イテアル……?」ペラッ

ヲ級「……“ラメーン……ジロー”?」

ヲ級「」グーギュルルル……

ヲ級「ト、取リ敢エズ行ッテミヨウッ」




男1「ヤサイニンニクアブラカラメ」

男2「ニンニクマシマシ」

男3「アブラヤサイ」

男4「カラカラ」


ヲ級「私ニハ……ムリダ……ッ!!」ガーン




ヲ級「ニンゲンノ食料調達ガコンナニ困難ヲキワメルトハ……」シュン

ヲ級「」グーギュルルルル……


ヲ級(ル級……)

ヲ級(私ハ少シ早ク帰リタクナッタ……)グスン




ピポピポーン 
イラッシャーセー


ヲ級(ココデダメナラ……モウオ終イダ……)グゥー……

ヲ級「あ……アノ……ッ」

店員「はい?」

ヲ級(コノナカノ食料ヲ伝エナイト……!)

ヲ級「そノ……コ、…こコ……」

ヲ級「こ……るえ……ッ……」ワタワタ

店員「え、えっと……」

ヲ級(ヤ、ヤッパリダメダ……)ポロ…ポロ…




「ふたつ……」

「ファミチキください」





ヲ級「エっ……?」グスッ

店員「かしこまりました」

店員「合計で316円になります」

女性「……これで丁度だ」チャリン

店員「ありがとうございましたー」


女性「はい……」

女性「これはあなたの分だ」ニコッ

ヲ級「ヘッ……!?」ビクッ




ヲ級「そ、んナ、私……っ」オロオロ

ヲ級「マッテ、おかネ……払ウッ」ガサゴソ

女性「あははっ」

女性「いいんだ……そんなの」ニコッ

ヲ級「え……デモ……ソレ、わ、わ、わルイ」








女性「あなたは……深海棲艦だな?」ボソッ

ヲ級「!!」




……
…………
………………

女性「公園だ……ここがいいだろう」

女性「たまに、無性にこういったものが食べたくなるんだ」フフッ

女性「」ハムッ

女性「うん……美味いっ」

ヲ級「……」

ヲ級「」ハムッ


ヲ級「オイ……シイ」




ヲ級「……な、ナンで……」

ヲ級「私……分かっタ?」

女性「あぁ、そのことか」フフッ

女性「昔に……同じ深海棲艦に会ったからな」

ヲ級「!!」

ヲ級(コノニンゲン……元カン……ムスッ!?)

女性「かつては海で敵対していた深海棲艦の空母が……」

女性「まさか日本のコンビニで困って泣きそうになっているなんて」

女性「放っておくわけにはゆくまい?」クスッ


すこし晩御飯たいむです

すみません



ヲ級「ダ、だガっ」オロオロ

ヲ級「……い、嫌デハナイか……?」

女性「ん?何がだ?」


ヲ級「ワ、私……達ハ、あ、アナた達の……」

ヲ級「仲マ……タクさン……沈メ……タ」

女性「……」

ヲ級「ダ、カら……私タち……ニンゲンニ、嫌ワレる」

ヲ級「ソレを……覚ゴで、私、や……ってき、た」




女性「……なるほどな」

女性「確かに、私が海で戦っている時」

女性「仲間を失い……」

女性「あなた達を恨み、涙したことはあった」

ヲ級「……」コク

女性「……だが」

女性「今は既に……それをするべき段階ではない」

女性「今は人間と深海棲艦、双方が歩み寄る時だ」

女性「かつては敵で、今は共に生きようとしている」




女性「ただ……それだけなんだよ」

ヲ級「……」

女性「……そんな哀しい顔をするな」フフッ

女性「元空母のよしみだ……仲良くしてくれ」サッ

ヲ級「…………て、て手……?」サッ

女性「」ギュッ

ヲ級「!」

女性「……これは握手というんだ」ニコッ




ヲ級「……」

ヲ級「」ギュッ





女性「……さて」

女性「見たところ……あなたはまだ食べ盛りの年頃と見た」

女性「さっきのチキンでは足りないだろう?」フフッ

ヲ級「ナ、そンナコト……」

ヲ級「!」グゥー




女性「あははっ」

女性「ちょうど……私も今」

女性「栄養を蓄えないといけない時期でな」チラッ

ヲ級「……アッ」

ヲ級「オ腹、おおきイ……」

女性「ふふっ、そうなのだ」ニコッ

女性「……では、私達の家に来るといい」

女性「ごちそうするよ」

ヲ級「」コクッ

ヲ級「……ありガトウ」ニコッ




ブロロロロrrrrr……


ヲ級「コレ、も……バス?」

女性「ん?いや、これは車……普通の車だ」

ヲ級「……スイっち、ナイ」

女性「ス、スイッチ?」

ヲ級「前ノニンゲンに、オこらレナイ」フフッ

女性(なにがあったのだろうか……)




ヲ級「アナ、た、他のニンゲンと」

ヲ級「色、チガウ」

ヲ級「アなタ、ふらっぐシッぷ……?」アタフタ

女性「?」

女性「……あはは、ちがうよっ」

女性「私はもともとこの国の人間じゃないんだ」

ヲ級「国、チガう……」

女性「私たちはつくづく、似た者同士だな」フフッ




女性「着いたぞ……」

ヲ級「こコ……家?」

女性「あぁ、今の私の居場所だ」フフッ


女性「オカアサマ、タダ今帰ったっ」

母「あらおかえりなさい」ヨタヨタ

母「お腹も大きくなり始めたのに……」

母「お買いもの頼んじゃってごめんなさいね」シュン

女性「いや、まだいいんだ」ニコッ

母「いつもありがとうね…………あら?」

母「こんにちは」ニコッ

ヲ級「こん……ニチわ」ペコリ




母「こちらのかわいい娘はどちらさま?」フフッ

女性「この子は実は……深海棲艦なんだ」

母「あらっ、そうなの?」

ヲ級「」ドキドキ

母「……そんな遠い所からいらしたのね?」ウフフッ

母「ここは少し狭いかもしれないけれど……」

母「どうぞ、ゆっくりしていってね?」ペコリ

ヲ級「あ、ア、コチラ、コそ!」アタフタ

ヲ級「あ……ありがトウ……」ペコリ

女性「ふふっ」ニコッ




ヲ級「をジャマ……しまス」サッ


ヲ級「」キョロキョロ

女性「どうした?」

ヲ級「……この家、コンくりートじゃ、ない」

女性「あぁ、これはモクゾウジュウタクというんだ」

ヲ級「モクゾウ……き、木?」

女性「あぁ、木だ」フフッ

ヲ級「……なんダか、暖カい」

女性「そうだな……私も好きだ……」




女性(さぁ夕飯を…………あっ)

女性「オカアサマ、お体に障る……」

女性「ゆっくりしていてくれ……」

母「あら、いいのよ」

母「なんのこれしきっ、ですよ」フフッ


ヲ級「…………」ジーッ

ヲ級(……コレガニンゲンノ……オカアサント、オヨメサン)




ガラッ

男性「たっだいまぁー」


女性「あっ……」パァァ

女性「アトミラールっ」ダッ


オカエリナサイ!
オーオーキョウモ、ウイヤツジャ



ヲ級「旦那サん、あとみらール……名マエ?」

母「うふふ……ちがうのよ」ニコッ

母「以前の呼び方がやめられないのよ」ウフフ

ヲ級「ヘェ……」




男性「そっかぁ」

男性「ついに我が家に、深海の人までくるようになったかー」

ヲ級「こんにチワ」ペコリ

男性「よろしくー」ペコッ

女性「夕飯の支度はできている」

男性「ちょっと!そこは前に教えた言い方を……」

女性「あ、あぁ……」オロオロ

女性「アナタ、ゴハンニスル?オフロニスル?ソレトモ……」カァーッ

母「なにやってんのよあんたたち」ハァ…

ヲ級「オカアサン、コれは……?」ジーッ

母「見なくていいわよ」




「いただきます……」

男性「ウメーウメー」ガツガツ

母「うふふ……日本食が上手になったわね」ニコッ

女性「何を……オカアサマに助けてもらったからだ」フフッ

ヲ級「……」カチッカチッ……

男性「あ、そっか」

男性「あのね、お箸は……こうやってー……」カチッ

ヲ級「こ、う?」

母「そうそう」ニコッ

女性「日本に来たなら、ハシの使い方を覚えて帰らないとな」フフッ



ヲ級「……できタッ」カチッ

パチパチパチ




「ごちそうさまでした」

ヲ級「ちそ、ウサまでしタっ」



女性「さて、と……アライモノをしよう」

ヲ級「ア、私、テツだう」

女性「おいおい、あなたは客人だ……」

ヲ級「良い、ゴはん嬉シイ」バタバタ

女性「……そうか」クスッ

女性「では……」


ジャー……
カチャカチャ




母「ヲっちゃん、今日は遅いから泊まっていきなさい」ウフフ

男性(ヲッ……ちゃん?)

ヲ級「エッ、いいノ……?」

女性「もちろんだ」ニコッ

母「一緒に寝てあげてね?」

女性「あぁ」コクッ

母「あ、だからアンタは今日は一人で寝なさい」

男性「そ、そんなぁ」ガーン

女性「はは……すまないアトミラール」ナデナデ



ヲ級「あ……」

ヲ級「ありがとウ……」ニコッ




ヲ級「旦那サン、悲しそうナ顔、してタ」

女性「ふふ……気にするな」


ヲ級「……コれは?」

女性「これは、フトンだ」

女性「これを被って寝ると……暖かい」

ヲ級「……」ファサッ

ヲ級「……ほんとダ」ニコッ




ホーッ ホーッ……


ヲ級「……ネェ……」

女性「どうした?眠れないか?」

ヲ級「…………」

ヲ級「私、ニンゲントもっト……」

ヲ級「もっとお話シ……しタイ」

女性「あぁ、それはとても良い」フフッ


ヲ級「私ダケ……じゃなイ」

ヲ級「ル級やレ級……いヤ」

ヲ級「深海ノ皆、思ってルんだ」




ヲ級「私、どうすレバ、イい?」

ヲ級「私にできルこと、知りたい」

ヲ級「皆が本当のイミで寄り添う方法……」



ヲ級「……ゴメんなサイ、喋りスギた……」シュン

女性「いや、いいんだ」クスッ

女性「私も……とても、嬉しい」

女性「私も、願いは同じだ」

ヲ級「ホント?」

女性「あぁ」ニコッ



ヲ級「……」グスッ

ヲ級「ウレシイ……!」ポロ……ポロ……


………………
…………
……



チュンチュン……



ヲ級「一日、タイ変オ世話になりましタ」

母「ヲッちゃんいっちゃうと寂しいわ……」

ヲ級「オカアサン」


男性「またいつでも来なよ」

男性「オフの日だったら、いろんな所につれていくよ」フフッ

ヲ級「あとみらる」




女性「ヲ級は、これからいろんな人と話に行くのだな」

ヲ級「ウン」コクッ

ヲ級「そしテ記録して、皆にアリのままを知ってモラう」

ヲ級「私、頑張ル」

女性「そうか……」

女性「日本語も上手くなってきているし、問題はないだろう」フフッ

女性「今度は、私達の子どもにも会いに来てくれ」ニコッ

ヲ級「分かっタ」コクッ


ヲ級「ありがとう」

ヲ級「ぐらーふ……!」



………………
…………
……




ヲ級(……それから私は日本のみならず多くの大陸を訪れ……)

ヲ級(たくさんのニンゲンとお話をした)

ヲ級(そのありのままの記録は私達深海棲艦の間で確認しあうことで)

ヲ級(ニンゲンとの交流の懸け橋として役立てている)

ヲ級(その甲斐があってか、年々陸を訪れる者の数は増えていて)

ヲ級(ル級も今では、陸の上で住んでいるとか)


ヲ級(これは、大変喜ばしいことだ)フフッ

ヲ級(このシアワセの輪が絶えず広がり続けることを……私は祈る)




イ級「……」

イ級「オカーチャン」

ヲ級「ん?なぁに?」

イ級「リク、イキタイ」

イ級「ぐらーふノコドモト」

イ級「オハナシシタイ」

ヲ級「そっか、そうね……」フフッ






ヲ級「じゃあ、陸の上で困らないよう」

ヲ級「おまじないを教えましょう」

イ級「ウン」



ヲ級「ふたつ……」

イ級「ファミチキクダサイ」



――――――――――fin――――――――――――



以上で、このお話は本当に終わりとなります

できる限り、単体で読める作品にしようと考えていましたが……

途中でそうもいかなくなり、申し訳ない限りです


楽しくかかせていただき、ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年09月04日 (日) 09:45:36   ID: _KTOqWFe

最高でした(`・ω・)bグッ!

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