智絵里「プロデューサーさん、女装がバレたら社会的に終わりなんですよ!」 (33)

ちひろ「プロデューサーさん、いつまで女装してるんですか?」
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ちひろ「プロデューサーさん、女装がバレないようにしっかりしてくださいね?」
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智絵里「プ、プロデューサーさん、女装がバレないように気をつけてくださいっ」
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ちひろ「プロデューサーさん、迂闊なことして女装がバレないようにしてくださいね」
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紗枝「Pはんからええ匂いがするわぁ……みなはんも嗅げばええのになぁ」
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ちひろ「プロデューサーさん、女装がバレるようなことはやっちゃダメですよ!」
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翠「プロデューサーさんの匂い……ですか」
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智絵里『わ、私、緒方智絵里ですっ! どこにでもいる普通のアイドル……です』

智絵里『ただ普通のアイドルとちょっと違うところは……私のプロデューサーさんは女装している男の人なんです』

智絵里『これは私とPさんとちひろさんの3人だけの秘密で……他のみんなにバレちゃうと、間違いなくPさんは社会的に終わっちゃうんです』

智絵里『だから、私のアイドル生命を守るためにも、一生懸命Pさんが男の人だってバレないように頑張っています!』

智絵里『なのに……』


ガチャッ……

――事務所

紗枝「Pはん、今日はPはんの香水ん香りが強うて、いつもの匂いがせえへんよ?」スンスンッ

文香「あまり……強い香りの香水は控えて頂けますと……私も、嬉しいです」スンスンッ

紗枝「せやなぁ……今日はあんまりほっとせえへん匂いになっとるし……」スンスンスンッ

P「あんたたちの好みに合わせて香水使ってるわけじゃないんだけど……ていうか仕事中なんだからいつまでもくっ付いて臭い嗅がないで」シッシッ

文香「お仕事の邪魔になってしまっているのであれば……仕方がありませんね……」シュン……

紗枝「Pはんの邪魔になるんは、あきまへんね……」シュン……

P(露骨に残念な顔されても困る……)

P「ほら、あっちで美由紀や仁奈が大人しく座ってるんだから、あの子たちの相手でもしてあげて頂戴」

紗枝「はぁい……」


美波「もうタオルだけじゃ物足りないし……そうだ、Pさんは普段インナーにシャツを着ているみたいだから、今度は替えのシャツを……」ブツブツ

翠「タオルでは……美波さんがタオルをお貸しするのと被ってしまう可能性も……確実に渡せる物は……」ブツブツ


美波「あっ、ちひろさん、Pさんの今日の予定、夕方どうなっていますか? 空いているようでしたらまた自主練に誘いたいんですけど……」

ちひろ「あなたたちが呟いている内容が聞こえた身としては素直に空いてますと言い難いんですが……」


智絵里「……」

智絵里(どうしてこうなった……)

P「もう、まったく……あ、智絵里、おはよう。久しぶりね」

智絵里「Pさん……これは一体どういうことですか……?」

P「これ? ……ああ、この髪? ちょっとパーマ掛けてみたんだけど……」

智絵里「そ、そんなことじゃなくて他のみんなの惨状です! ね、年末より酷くなってます!」

P「え? 紗枝は年末からあんな感じだし……元旦に文香が紗枝に変なこと教えられたくらいだけど……」

智絵里(み、美波さんや翠さんの怪しい動きに気付いていないなんて……)

智絵里「わ、私が……1人でゴブリンの群れと戦う撮影や、蜘蛛の糸にぐるぐる巻きにされる撮影とか、たくさん頑張ってたのに……」

P「あ、そうそう智絵里、向こうの監督さんからメール来てたわよ。指輪を捨てるときの智絵里のカットが良い出来だったって褒めてくれたわ」

智絵里「そ、そうだったんですか? えへへ……」

P「他の収録も特に問題なさそうだったし、映像送られてくるのが楽しみね」

智絵里「そ、そうです、私、頑張りましたから……ちゃんと見てくださいね!」

P「ええ、そうさせてもらうわ。しばらく智絵里に仕事は入れないようにしてるから、ゆっくり休んで頂戴ね」

智絵里「は、はい! ……ってそうじゃなくて!」バンッ!

P「あ、やっぱりダメ?」

P(この子、年末年始跨いで何となくノリが良くなったわね)

紗枝「智絵里はん、何や元気どすなぁ?」

智絵里「はっ……う、ううん、何でもないよ……」

ちひろ「智絵里ちゃん、そんな大きい声で話してたらみなさんに気付かれちゃいます。少し落ちついて……」スススッ

智絵里「そ、そうですね……わ、私がしっかりしなきゃいけないのに……」

P「私もちひろさんも年末年始で色々学んでね……下手な反応をするより何となくあの子たちに付き合ってあげたほうがバレないかなって」

ちひろ「ほら、無理に色々隠したり拒否したりすると不信感を持たれたりするじゃないですか? それならいっそ……と思って」

智絵里「そ、そうかな……た、確かにそうかも……」ウーン……

P「ね? だから智絵里も少し落ち着いて、せっかく仕事終わらせて戻ってきたんだから、少しは休まないと……」

智絵里「じ、じゃあ、次のお休みの日、Pさんと一緒にお買い物いきたいです……!」

P「紗枝とかと行けばいいのに……まあ、長期ロケも頑張ってくれたし、それくらならいいわよ」

智絵里「やった……えへへ、それじゃあ今日はゆっくり事務所で……」チラッ

仁奈「わー! Pのショールからパパやママみてーな匂いがするでごぜーますよ!」スンスンッ

美由紀「えー、お日さまの匂いだよー。でもホントにすっごくいい匂いがする!」スンスンッ

紗枝「せやろ? Pはんの匂いは、お父ちゃんやお母ちゃんの匂いなんやよ?」ニコニコ

文香「私は……書の匂いだと感じているのですが……やはり、とても良いものですね……」スン……スン……


智絵里(って、布教されてる……!!)ハッ!

智絵里「あ、あっちには……!」


美嘉「あっ、Pさん財布こんなトコに置きっぱなしじゃん! もう、無くしたら大変なんだから……」

美嘉「……財布の中、何か取るわけじゃないけど、ホントにPさんの財布か確認しなきゃダメだよね? こっそり中を……」スッ……


智絵里(Pさんの財布……保険証は見られたら大変!!)タタタタッ!

美嘉「ん、どうしたの智絵里ちゃん? そんな走ってきて――」

智絵里「こうなったら……み、美嘉ちゃん……チョップです!」ヒュカッ!

美嘉「うっ……」ドサッ……

智絵里「……」ハァ、ハァ……

仁奈「P! 抱っこしてほしーですよ! 仁奈もパパやママみてーな匂いかぎてーですよ!」ボフッ!

P「仕事中はやーめーてー……全然終わらないんだからー……」

文香「いけません……仁奈ちゃん、Pさんのお仕事の邪魔になっては……」

紗枝「せや、お仕事が終わった後にせえへんと、Pはんも困ってまうよ?」

P「数分前のあなたたちに同じこと言ってあげたいんだけど……」

智絵里「……」

智絵里(いつの間にか事務所にまともなアイドルが私しかいなくなってる……)

智絵里(や、やっぱり私がしっかりしないと……!)


……
…………

――午後、事務所

P「……」カタカタカタッ……

ちひろ「いつもお世話になっております、私……」ポパピプペ

智絵里「……」ジーッ……

P「……もう、智絵里、今日は外出する用事も無いし、今朝いた子たちはみんなレッスンに行ってるし大丈夫よ」

智絵里「いえ、私がしっかり見張っていないとダメなんです」ジーッ……

P「そんな大げさな……」


ガチャッ……


智絵里「!?」ビクッ!

凛「おはよう」

P「あら凛、おはよう」

智絵里「おはようございます、凛ちゃん……」ジーッ

凛「智絵里、久しぶりだね……な、何?」

智絵里「う、ううん……なんでもないよ」

紗枝「お疲れさんどす~」

文香「ただいま戻りました……」

仁奈「ただいまですよー!」

ちひろ「あら、レッスンにいった子たちも戻ってきましたね」

美由紀「Pさんただいま!」

P「お帰りなさい。みんな疲れたでしょう? 少し休憩したら――」

仁奈「えへへ」モゾモゾ

P「ってちょっと仁奈、膝の上に乗り込んでこないで頂戴……」

仁奈「わぁー! Pの匂い、本当にパパやママの匂いがするですよ!」スンスンッ!

智絵里「あっ、ちょっと……」

紗枝「今朝の香水ん香りも……薄くなっとるし、Pはんのええ匂いしはるさかい、ふふっ」スンスン……

P「あらそう? 香水付け直そうかしら……」

文香「少し待ってください……私も……」スン……スン……

智絵里「」ピシッ……


凛「え、あれは……」

智絵里(マズイ……きっとこの流れで凛ちゃんも……)ガタガタ……

凛「み、みんな……プロデューサーにくっ付いて何してるの?」

紗枝「Pはんの匂い嗅いどるんやよ?」スンスン

凛「え……何、それ……」

智絵里「……え?」ピタッ

文香「最近、知ったのですが……Pさんからは、とても落ち着く匂いがするのです……」スンスン……

仁奈「パパの匂いでごぜーますよ!」

P「凛ー、助けてー……こっちは仕事にならないのよー……」カタカタカタッ


凛「み、みんな、とりあえずさ……いくら親しい人でも匂いを嗅ぐのってちょっとおかしいよ……」

凛「それに仕事もあるんだし、プロデューサーの邪魔しちゃダメだよ」


智絵里「り、凛ちゃん……!!」

紗枝「せやなぁ……うち、朝に仁奈はんと美由紀はんにも、Pはんのお仕事の邪魔したらあきまへんって言うたのに……」

文香「そうでしたね……申し訳ありません、Pさん……お仕事の邪魔をしてしまって……」

紗枝「お仕事が終わった後に匂い嗅ぐんはええよね?」

P「紗枝あなた、仲間が増えてから強気になってきてるわね……」

凛「結局嗅ぐんだ……」

智絵里「り、凛ちゃん! 私、凛ちゃんのこと信じてたから……!」

凛「え? な、何……」ビクッ!

智絵里「凛ちゃんは見た目通り、クールで、カッコよくて、Pさんをクンクンするような人じゃないって……」グスッ……

凛「普通そんなことしないよ……」

智絵里「そ、そうだよね!」

紗枝「でも凛はん、Pはんの匂い嗅いでみると、ええ匂いしはるんよ?」

仁奈「1度嗅いで見るといいですよ!」

凛「……1人ならまだしも、4人もそんなこと言うなんて……まあ、そこまで言うなら1回くらい」スッ

智絵里「り、凛ちゃん……」

P「ちょっと凛ー、あなたまで変なことしないで頂戴」

凛「プロデューサー、ちょっとゴメンね」スッ

凛「……」クンクン……

凛「……まあ、普通にプロデューサーの体臭と香水の匂いが混ざってるだけだよね」

紗枝「ええ匂いやと思いまへんか?」

凛「いや、別に良い匂いとは思わないけど……良い香水使ってるのかなって思うくらいで……」

智絵里(よかった……凛ちゃんはまともだ……!)

ちひろ(初めて一般的な反応している子をここで見たような気がする……)

凛「まあ、私がとやかく言うことじゃないだろうし……ほどほどにね」

ちひろ「はいはいみなさん、昼前にお客さんからお土産にケーキを頂いてますよ。冷蔵庫に入っているから分けて食べてくださいね」パンパンッ!

仁奈「ケーキでごぜーますか!」

美由紀「やったっ! ケーキ食べたいー!」

凛「それじゃ冷蔵庫からケーキ持ってくるよ。智絵里も食べるよね?」

智絵里「う、うん! わ、私もみんなと一緒にケーキ食べたいな……お皿用意するね」

凛「じゃあ私たちで用意するから、他のみんなはソファに座って待ってて」

仁奈「はーい!」

文香「私も……何かお手伝いすることがあれば……」

凛「私と智絵里で準備できるからいいよ。文香も座ってて」

文香「そうですか……それでは、お願いします……」

智絵里(確かに、事務所の状態が悪化しているように見えるけど……)チラッ

凛「ん、智絵里どうしたの?」

智絵里「う、ううん、何でもないよ! えへへ……」

智絵里(凛ちゃんみたいに、私と同じ普通のアイドルもまだいるんだよね……)

智絵里(みんながPさんに近づきすぎると、男の人だってバレる可能性も高くなっちゃうだろうし……)

凛「変な智絵里……ま、いいや、早く用意してみんなで食べようか」

智絵里「うん!」

智絵里(これからも私がしっかりして……Pさんが男の人だってみんなにバレないように頑張らないと……!)

凛(プロデューサーの匂い、か……いつの間に事務所で変なことが流行ってたんだろう……)

紗枝はんとか文香あたりは草食ンカー、翠や美波あたりは背徳ンカー、肉食ンカーはよく見る美嘉や凛やままゆとか
翠もクンカーさせたしこんなもんいいかな

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