西住しほ「戦車道を教えるわ」346P「ちょっと待ってください」 (72)

しほ「どうしたのですか?」

346P(以下P)「西住さんが346プロとタレント契約を結んでくださったのはありがたいことです。」

P「しかしなぜ教わるのが男である自分一人なんでしょうか?」

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しほ「確かに、男である貴方は戦車道に触れることは少ないことでしょう。」

しほ「しかし貴方は私のマネージメントをする身」

しほ「戦車道の知識を持っていても悪いことはありません。」

P「なるほど」

しほ「それに番組で戦車道の体験でアイドルを指導することになったから、それの補助という意味もあります」

P「それもそうですね。しかし、正直言うと出演するアイドルも連れてこようかと思ってたんですが、全員仕事だそうです」

しほ「それはまあ実際にその時教えればいいことです。それで、参加するアイドルは誰なのかしら?」

P「輿水幸子、星輝子、森久保乃々、早坂美玲、白坂小梅の5名です。」

しほ「わかりました、早速調べておきましょう」

P「正直、シンデレラプロジェクトの神崎蘭子とか、プロジェクトクローネの橘ありすとか、川島瑞樹とかを連れてこようと思ったんですが、武内Pと美城専務に拒否されました。」

しほ「それはただ単に泣き顔がみたいとかそういう理由なのでしょう?」

P「くっ…流石は西住流…すべてお見通しですか…ご名答です。」

しほ「ふっ…もし私が貴方だったら同じ選択をしていたでしょう。もちろん、同じ理由で」

P「…先生!」(ちょっと涙目)

しほ「それはともかく、貴方は戦車道についてどれだけ知ってるのかしら」

P「乙女のたしなみとして古くから存在している武道というくらいしか知りません」

しほ「まあだいたいの人間はそれくらいの認識でしょう。」

しほ「戦車道というのは、礼節のある、お淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成することを目指した武芸のことです。」

P「なるほど、しかしなぜ戦車なのでしょうか?」

しほ「戦車は昔から女性に人気があったからです。」

しほ「たとえ非力な女性でも、戦車があれば強大な力を以って正々堂々と戦える。そういった理由もあって、女性兵士に優先的に渡されていくようになった。その影響で女性に人気が出たとされるそうよ。」

P「へぇ〜」

しほ「逆に男性には武士道や騎士道の精神を重んじていたことから、戦車は不人気だったそうです。」

しほ「武士道や騎士道が薄れた現在でも、昔ほどではないけど、やっぱり人気は女性より少ないわ。」

P「まあ今の男はロボットが好きですからね。」

しほ「それもあるわね。ロボットの種類を言えるかしら。」

P「アーマードコア、ブラストランナー、アーマードトルーパー、ヴァンツァー、タクティカルアーマー、モビルスーツ…」

しほ「もういいわ」

P「先生、戦車が女のロマンであるように、ロボットは漢のロマンなんです。」

しほ「落ち着きなさい。」

P「すいません。テンションが上がりすぎました。」

しほ「人は好きなもの、本気になっているもののことになると、熱くなるもの。」

しほ「私も戦車のことになると、娘達もびっくりするぐらいテンションが上がるわ。」


P(何それ超見たい)

P「それで、戦車道の戦車というのはどの戦車が使われているんですか?」

しほ「大戦が終わるまでに戦線で活躍していた、または設計が完了して試作されていた車両と、それらに搭載される予定だった部材を使用した車両に限ります。」

しほ「こっちがティーガーだったとしても、相手がM1エイブラムズだったら困るでしょ?」

P「まあ確かに」

しほ「私なら相手がエイブラムズでも勝てますけど」キリッ

P「マジですか…」

P「でも戦車って本物ですよね?下手したらお陀仏なんじゃ」

しほ「砲弾は戦車道連盟公認の物で。戦車には特殊カーボンを使用している為、よほどのことがない限り死ぬことはありません。」

P「そうですか、それなら…いや、たとえグロいことになってもそれはそれでいいと思ってるアイドルはいますね…俺の勝手な思い込みかもしれないけど」

しほ「それは誰ですか?」

P「白坂小梅」

しほ「346プロっていろいろいるのね…」

P「そうなんです。我が346プロは人材豊富なんです。」

しほ「そうですか、流石に彼女がいるだけのことはあります。」

P「彼女?」

しほ「私にタレント契約を申し込み、私と互角のオーラと殺気を放ち、戦いを挑んできた。」

しほ「気を抜いていたら負けていたわ…美城さん」

P(専務って何者なんだよ…)

〜その頃〜
美城「西住しほ…流石は西住流の家元…気を抜いていたら死んでいた…」

武内P「は…はぁ…」

しほ「気をとりなおして、ルールを説明しましょう」

しほ「戦車には判定装置がついており、有効な命中弾を受けたり、履帯が破壊された場合、行動不能を示す白旗が上がります。これが撃破された状態です。」

しほ「しかし、履帯が破壊されたといっても、エンジンが壊れてなければ撃破となりません。」

しほ「続いて、試合の種類」

しほ「一つは殲滅戦」

しほ「これはシンプルに、相手の車両を全て撃破もしくは行動不能にしたほうが勝ちです。」

P「先生、殲滅戦好きそうですよね。」

しほ「大好物です。」

P「やっぱり…」

しほ「もう一つはフラッグ戦」

しほ「指定された相手のフラッグ車を撃破すれば勝利となります。」

しほ「高校生の大会ではフラッグ戦、大学生の場合は殲滅戦を主に行っております。」

P(相手の陣地に乗り込んで目標を撃破するっていうルールはないんだなぁ…)←ボーダーブレイクやってる人

しほ「さて次は…」

ワイワイガヤガヤ

しほ「外が騒がしいわね…」

P「そうですね」

しほ「休憩がてら、行ってみましょうか。」

〜346プロのカフェ〜

P「なにやってるんですかね、バリケードなんか張って」

しほ「立て篭ってるようね。」

武内P「困りましたね…」

P「どうしたんですか?武内P」←実は同期

武内P「いえ…前川さんと双葉さんがまた仕事の件で立て篭りを…」

P&しほ(二度目…)

みく「みくの仕事をもっと増やすにゃあ〜!」

杏「私は週休8日を要求するぞ〜!アメをよこせ〜!」

P「あれ簡単に降伏しないやつですよ。」

しほ「長期戦の構えのようね…」




しほ「ちょっと待ってなさい」

P「はい」

武内P「?」

〜数分後〜

武内P「前川さん!双葉さん!戻って来てください!」

みく「要求を飲まない限り徹底抗戦す…」

ドォォォォン!!!

武内P「!?」

ゴゴゴゴゴゴ…

しほ「…」

まほ「…」

ティーガー「」

しほ「次は当てなさい」

まほ「はい、お母様」

P(すげぇ…戦車持って来た…)

武内P「なにやってるんですか!!」

しほ「いい?戦車というのはこういうことにも使えるのよ。」

P「勉強になります」

武内P「やめてください!」

P「何言ってるんですか。」

しほ「私達は事態を迅速に解決させるためにやっているのです。」

まほ「止められる筋合いはない」

武内P「前川さん!双葉さん!今すぐ!今すぐ出てきてください!既に最終手段に出ている方がいます!お願いします!」

しほ「…」←武内Pから拡声機を奪う

しほ「さっきの砲撃は警告です。次は粉砕します。」

みく&杏(こ、ころされる…)ガクガクブルブル





P「あっ、白旗あげてますよ。」

武内P「良かった…降伏してくれて…」

ドォォォォォォン!

武内P「!?」

しほ「誤射してしまったわね。」

まほ「ごめんなさい、お母様」

P「まあ猿も木から落ちるといいますから、仕方ないですよ。」

しほ「そうね。気をつけなさい。まほ」

3人「あっはっはっは!!」

武内P「前川さ〜ん!双葉さ〜ん!」

〜だいたい2時間後〜

しほ「さあ、事態も終息したことだし、話の続きをしましょう」

P「ちょっと待ってください。」

武内P「…」

みく「…」

杏「…」

まほ「…」

P「4人増えてます。」

しほ「構わないわ」

武内P「私達は…専務にさっきのことをチャラにするかわりにこの授業を受けろと…」

しほ「そうですか、よかったわね。」

P「そうですよ、二人とも」

みく「ハイ、ワタシタチハドンナシゴトモイッショウケンメイガンバリマス…」←恐怖で固まってる

杏「ヤリタクナイトカイワズ、イッショウケンメイガンバリマス」←上に同じ

まほ(ちょっとやり過ぎたか…まあいいか)←わざと外した


しほ「紹介するわ。こっちは娘のまほ」

まほ「よろしくお願いします。」ペコリ

P「こちらこそよろしくお願いします。」

P「お母様に似て美しいですね。」

まほ「!」←ちょっと顔が赤くなる

P(あっ、赤くなった。)

武内P「お母様の前で大変恐縮なんですが、アイドルに…」

まほ「砲弾ぶちこみますよ?」

武内P「…申し訳ありません…」

P(そこはやっぱり先生の娘か…)

しほ「…私の前で娘に何してるのかしら…」←こうは言うが娘が褒められてちょっと嬉しい

P「こちらのアイドルも紹介しますね」

P「まず、猫キャラを押し出し、犬派の人間にとってはなんかちょっとなあってなるアイドル、前川みくさん。」

P「そしてこちらがいっつも呼吸するような感覚でめんどくさいと呟き、たまにそんなにめんどくさいなら生きることもやめさせてやろうかと思わせるアイドル、双葉杏さん。」

武内P「ちょっとPさん!その紹介は酷すぎるんじゃないですか!」

みく「イエ、ソノショウカイハマチガッテナイデス」

杏「ダイタイアッテマス」

武内P「そこは否定してください!」

まほ「うるさいぞクソ強面野郎」

武内P「クソ強面…」ガーン

しほ「もういいですか?」

P「申し訳ありません。」

しほ「今度は戦車について教えます。」

みく「ガンバリマス」

杏「ガンバリマス」


しほ「みなさん、戦車と言えばなんですか?」

武内P「兵器です。」

杏「大砲とキャタピラ」

みく「めっちゃ強い」

まほ「乙女の嗜み」

P「ガチタン」

しほ「間違ってないわね。」

しほ「いいですか…」

しほ「戦車とは!」

しほ「堅固で重厚な装甲!」

しほ「一撃必殺の大砲!」

しほ「どんな所でも走破する履帯!」

しほ「それらが全て合わさった強靭な!」

しほ「存在!!」

しほ「なのです!!!」←大声

一同「!!!!」←びっくり

P「びっくりした…」

まほ「母は戦車になるとああなるんです…」

武内P「前川さん!双葉さん!しっかりしてください!」

P「どうしたんですか?」

武内P「二人が!口から霊体的なものを!」

P「あれでしょ?前川さんのは毛玉、双葉さんのはいつもの面倒くさいオーラでしょ?

武内P「違いますよ!」

しほ「はい!さあ次行きますよ!」←興奮中

武内P「待ってください!アイドルの二人が!」

まほ「母はああなると止まりません」

P「じゃあもうあきらめよう」

武内P「ちょっとーーーー!」

P(この後、だいたい3時間ぐらい授業をやった。アイドル二人はなんとか生きてたようだった。)

P(戦車のことをたくさん知れたので、すごいいい勉強になった。)

次の日

亜季「P殿!」

P「なんでしょうか?」

亜季「何故自分を戦車道の体験に参加させてくれなかったのでありますか!」

亜季「自分は戦車の知識はもちろんのこと、戦車道やその強豪校のことだって…」

P「やかましい!!」

亜季「!!!」

P「貴様は俺のガチタンAC『ゴッドオブアイアン』をバカにしただろ!」

P「そんなアイドルに戦車道の体験なんかやらせたくないわ!」

亜季「!!」ガーン

しほ(ゴッドオブアイアン…)

武内P(ゴッドオブアイアン…)

蘭子「神より与えられし鉄の巨神…」

そして収録日

しほ「役割も決まりましたし、早速始めましょう」

小梅「が…がんばります…」←車長

美玲「やってやる!」←装填手

乃々「こ、怖いんですけど…」←砲手

輝子「フヒ…」←操縦手

幸子「車長やりたかった…」←通信手

しほ「いいですかみなさん、あなた方が乗っているティーガーで前方の戦車を撃破しなさい。動かし方は黒森峰の生徒から聞いているだろうから大丈夫なはずです。」

幸子(通信)「わ、わかりました…」

幸子(だいたい10分ぐらいしか説明してくれなかったんだけど、やるしかない…なんか怖いし… )

まほ「エリカ」

エリカ「なんでしょうか隊長」

まほ「相手はアイドルだけど気にするな、いつもみたいにミンチとかにしても構わないからな」

エリカ「いや私いつもそんなことしてませんよ!?」

まほ「いやいやお前言われてるじゃないか、『ミンチメーカーエリカ』って」

エリカ「言われてませんから!初耳ですから!」

まほ「ともかくあのアイドル共に地獄をみせてやれ、最悪あの世に送ってもいいからな」

エリカ「隊長はアイドルに恨みでもあるんですか!?」

試合中

ドォォォン!ズドォォォン!

美玲「ヒィィィ!」

乃々「超怖いんスけど!やめてほしいんスけど!」

幸子「みみみ皆さんおちおち落ち着いてくだくだくださささ!」

小梅「に…逃げよう…」

輝子「フ…フヒ…」

P「やっぱりみんなテンパってますね。」

しほ「思った通りね。」

まほ「何をしている逸見・H(ハンバーグ)・エリカ、さっさとアイドル共をミンチにしてそれをハンバーグにしろ!」

エリカ「勝手に人の名前にミドルネームとして好きな食べ物を入れないでください!あと発言がいちいちグロいですよ!」

まほ「ようはあのアイドルを涙と鼻水まみれにしてやればいいんだ!」

エリカ(初心者なんだから手加減させなさいよ…)

〜アイドル達のティーガー内〜

小梅「このままじゃ…負ける…」

??(…え…ますか…聞こえ…ますか…)

小梅「!(声が…聞こえる…あなたは…誰?)」

・(私は…丸山紗希)

紗希(小梅さん…あなたが乗っているのは)

紗希(ガチガチの装甲…)

紗希(一撃必殺の大砲)

紗希(それを信じて突き進めば、負けません)

紗希(だから、諦めるな)

紗希(って)

紗希( (´神`) が言ってた」

小梅「…伝言?」

小梅「み…皆さん!」

4人「!?」

小梅「この戦車は硬い装甲と…大砲があります!」

小梅「それを信じて戦えば…大丈夫」

小梅「って…」

小梅「あの子(丸山紗希)が言ってた」

4人「!!!!」



エリカ(動きが急に良くなった!?)

〜アイドル達のティーガー〜

小梅(ありがとうございます。丸山紗希さん)

乃々(涙と鼻水まみれ)「森久保撃っちゃうんですけどぉ!早く装填お願い致しますんですけどぉ!」

美玲(涙と鼻水まみれ)「待ってろ乃々ぉ!オラァ!」

輝子(涙と鼻水まみれ)「ヒャアッハァァァァ!」


幸子(涙と鼻水まみれ+ちょっと失禁)「西住さん!西住さん!大変でず!聞いでぐだざい!みんなおがじぐなっでじまっでるんですけど!」

しほ(面白くなってきたわね)

P「戦車内のカメラ見てますけど。面白いことになってますね。」

しほ「そうね、急に動きもよくなりましたし。もしかしたら…」

ドォォォォォォン!

パヒュ!

P「あっ」

しほ「勝ちましたね…」

小梅「勝った…」

美玲「やったぁぁぁ!」

乃々「勝ったんですけど!嬉しいんですけど!」

輝子「ヒャアァァァ!」

幸子「可愛いボクらの勝利ですよ!」

しほ「お見事よ。」パチパチ

P「みんな輝いてますね。主に涙と鼻水で」

まほ「正直アイドルのする顔じゃないですよね。」

まほ「まあそういう風にしたのはウチの副隊長ですけど」

P「そうですね。」

まほ&P「あっはっはっは!」

エリカ(そういう風にしろって言ってたのは隊長でしょう…)

武内P「…たまたま現場が近くだったから様子を見にきたんですが…アイドル達がえらい顔になっててちょっと引いてます…」








〜その後〜

しほ「戦車道について、わかってくれたかしら?」

P「はい、本当に勉強になりました。あの娘達も楽しかったと言っていました。」

しほ「それはよかった。」

しほ「じゃあ、この調子で戦車道を広めて行きましょう。」

P「はい!喜んで!」


まほ「エリカ」

エリカ「なんですか隊長」

まほ「アイドルをやるんだ」

エリカ「何を言ってるんですか!嫌ですよ!」

まほ「大丈夫大丈夫、あの強面と枕営業的なことをすれば売れるから」

エリカ「なおさら嫌ですよ!」

まほ「天井のシミの数を数えればすぐ終わる」

エリカ「だから嫌ですってば!」

武内P(…私はそんなことしませんよ…)




おわり

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