【艦これ】グラーフ「もう赤身のスシは食べられないのか……」 (92)




赤城「」パクッパクッ

赤城「」ガツガツガツガツ

赤城「モグモグ……ンーオイシ!」

赤城「……いきなり、どうしたのグラーフさん?」

赤城「お寿司なら、赤身だってトロだって……っ」ヒョイッヒョイッ

赤城「まだこんなにたくさんあるじゃ……」パクッパクッ

赤城「……ないですか……っ」ガツガツガツガツ

グラ「あ、あぁ……」

グラ「それは、そうなのだが……」シュン




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ワイワイ ガヤガヤ


龍驤「……」

龍驤「せっかくのパーティーやのに、浮かへん顔やね」

龍驤「どないしたんやー……グラやん?」

グラ「…………」

グラ「……いや、なんでもない」クスッ

グラ「折角のパーティーだ、楽しもう」




赤城「その意気ですよグラーフさんっ!」ムシャムシャムシャ

龍驤「せやせや!なんたってこのパーティーは……」




龍驤「ウチらの終戦記念なんやから!」




それは今から七日前のこと

……
…………
………………



グラ「なに、アトミラールはヨコスカへ?」

大淀「えぇ……」




大淀「何やら緊急の招集があったそうで」

大淀「今朝、連合艦隊司令長官との御面会に向かわれましたが……」

グラ「なんということだ」

グラ(今日はお互い非番だから……)

グラ(私の自転車選びに付き合ってもらおうと思っていたのに)ガクッ

大淀「?」

グラ「い、いや……なんでもない……」シュン






同時刻 横須賀鎮守府海軍省本部


提督「……では、深海側の抗戦派は停戦に応じ……」

提督「国連側の譲歩案に合意したので御座いますか……司令長官殿」

司令「……そうだ」

司令「当方の極東連合艦隊は国連艦隊の麾下に置かれ……」

司令「五日後のイチサンマルマル、私自身も中部海域で行われる終戦協定及び条約の調印式に参列する」


提督(終戦…………)




提督「では、私の艦隊も……」

司令「いや、式の参列及び護衛は既存の海軍艦艇に限定している」

司令「貴官の艦隊は連合艦隊から外されることになるのだ」

提督「……それは本当ですか」

司令「条約の締結を以て、艦娘達は軍属では無くなる……」

司令「だから貴官の艦娘を中心とした艦隊は参加できない」

司令「これは深海側の提示した条件の一つなのだ」




提督「……しかしこれは、深海側の罠という可能性も……」

司令「いや……おそらくだがそうではない」

司令「艦娘は、艤装を下せば一人のか弱い女性に過ぎない」



司令「深海側は、我々に利用されている彼女たちの立場を守りたいと考えているのだよ」

提督「……!」

司令「彼女達と戦い傷付き合う中で、あちらにも思うところがあったのだろう」

司令「我々の夢見た和平の時が……手の届くところまでやってきている」

司令「その芽を摘むのが我々であってはならないだろう」ニコッ

提督「仰るとおりで……御座います」




司令「貴官の艦隊はこれまで多くの作戦で武勲を挙げ」

司令「我々人類と深海側との歩み寄りに多大な貢献をしてくれた」スッ

司令「これは……貴官へ送る最後の勲章だ……おめでとう」カチャ

提督「……光栄であります」サッ

司令「……そして、五日後のイチサンマルマル」

司令「深海側との条約の締結を以て、君を……」

………………
…………
……




提督「俺はクビだぁぁぁぁ」

グラ「!」ビクッ

グラ「な、何を言っているアトミラールっ」

提督「……そのまんまの意味だよ」

提督「俺、提督じゃなくなる」

グラ「」ガーン

グラ「アトミラール……」

グラ「貴官は……」ゴゴゴゴ……

グラ「一体何をしたッ!!」

提督「」ビクッ




提督「ど、どうしたのさ」

グラ「どうした、ではないッ!」

グラ「栄えあるアトミラールの地位を剥奪されるなど……」ワナワナ

グラ「よほど大きなシッタイを犯さぬ限りはありえまい!」

グラ「言えッ!一体何をしたッ!!」ググググ

提督「グエェ」

提督(首が極まってて喋れないんだよなぁ)




グラ「終戦……だと?」

提督「」ゴホッゴホッ

提督「これ、今は一応機密事項だから」

提督「あまり言いたくなかったんだけどね」

グラ「うっ……」

グラ「そうだったのか……」

グラ「事情も知らず、大変な無礼を働いてしまった」

グラ「……申し訳無く思う」シュン

提督「よいよい」ホッホッホッ




グラ「そうか、ついに深海棲艦たちが……」

グラ「共栄の道を選んでくれたということだな」フフッ

提督「うん」

提督「この戦争はお互いにとって大きな痛み分けだったけど……」

提督「でも、和平が実現して本当によかったと思うよ」

グラ「そうだな」




グラ「しかし、それだと……」

提督「ん?」

グラ「アトミラールが今の立場を辞任する必要はないのではないか?」

グラ「あなたはこれまでに多くの功績を残しているだろう」

提督「あぁ」

提督「それなんだけど……」

提督「辞任はもともと俺の意向だったんだ」

グラ「えっ……」




提督「もともと好んで士官になったわけじゃないんだ」

グラ「そうなのか……」

提督「もちろん、みんなとこうして生活できたのは楽しかったんだけど」

提督「まず我が家にトーチャンはいない」

グラ「……っ」

提督「そしてウチのカーチャンも……体が弱くてね」

提督「楽をしてもらうにはどうしてもお金が必要だったんだ」

提督「で、時勢が時勢だったから、この仕事が一番手っ取り早かったってこと」

提督「……自分でもびっくりするくらい出世しちゃったけど」

グラ「うむ……」




グラ「しかし……」

グラ「それなら尚更、辞任してしまう意図がわからない」

提督「そうだね」

提督「でも半年前に帰省した時……」

提督「以前にもまして体が弱ってるくせに」

提督「俺の出世を喜んでくれるカーチャンを見て決めたんだ」



提督「戦争が終わったら、カーチャンと暮らすんだって」




………………
…………
……


ワイワイ ガヤガヤ

グラ(それから五日後、終戦協定は無事締結され……)

グラ(その更に二日後……鎮守府ではそれを祝うパーティーを行っている)

グラ(皆、艦娘としてではなく……)

グラ(自由な一人の女性として)




グラ(しかし……)


龍驤「あぁ……身に染みるでぇ……」

龍驤「長かった戦争もよーやく終わったことやし!」

龍驤「そういえば赤城はどないするんや?」

赤城「」バクバクバク

赤城「モグ……へっ?」クルッ

龍驤「」ガクッ

龍驤「ちょっと一旦箸置きーや……」

赤城「うふふ、ごめんなさい」

グラ「アカギは面白いな……」クスッ




龍驤「せやから、これから赤城はどうするんやって!」

赤城「私は……そうですね」

赤城「実は私……お見合いをするの」

龍驤「ホ、ホンマか!?」

グラ「“オミアイ”……?」

赤城「ふふっ、結婚のために男の人と女の人がお話をするのよ」ニコッ

グラ「おぉ……アカギ、結婚するのか?」

赤城「まだ相手の方とお会いしてないから分からないわね」フフッ




龍驤「そっかぁ……でも」

龍驤「それやったら今からでも……食事量減らさな」

龍驤「いざってとき相手の人困惑してまうんちゃうの?」

赤城「どういうことですか……?」

赤城「今どき、たくさん食べるひとが好きって方は多いですよ?」

龍驤「いやっそれもおかしいんやけど……」

龍驤「ひと月のエンゲル係数と支出的な意味でや……」

赤城「…………」

龍驤「…………」

グラ(………シシュツ………?)




赤城「そ、そういう龍驤さんは、どうされるんです?」

グラ「おぉ、私も知りたいぞリュージョウっ」

龍驤「ウチか?ウチはなぁ……」

龍驤「実はパイロットなりたいんや!」

赤城「パイロット……ですか」




龍驤「もちろん、プロやないんやで?」

龍驤「小さいセスナの単発免許を取るくらいのつもりや」

龍驤「でも、ウチらがいつも飛ばしとった艦載機を見とったら……」

龍驤「ウチも、こんな風に飛んでみたいなって……!」バッ

龍驤「変……やろか?」ソワソワ




グラ「とんでもないっ」

赤城「えぇ……とても素敵だわ」

龍驤「ホンマか!?」

グラ「あぁ、私も応援する」

グラ「絶対にパイロットになってくれ」ギュッ

龍驤「おおきに……おおきにな!」ホロッ……




龍驤「グラやんは……ふるさとに帰ってしまうんか?」

グラ「……おそらくそうなるだろうな」

グラ「故郷で両親が心配して待っている」

赤城「そうね、ずっと日本で一人で頑張ってたし……」

龍驤「しかし、寂しなってまうなぁ」ジーン

赤城「そうね……」ホロッ

グラ(……)

グラ「ははっ……ありがとうリュージョウ、アカギ」

グラ「離れても……私たちはずっと友達だ」ニコッ




千歳「うふふふふ……美しい友情……いいわぁ~」ヒック

龍驤「あ!酔っ払いや!」

グラ「そ……そうなのか!?」

千歳「酔ってまへん!酔って……ないわぁ」トロン

千歳「グラーフちゃん……お注ぎするわぁ」

グラ「おぉ、かたじけない」トクトク

グラ「しかし……これは“クボタ”……というのか?」




千歳「これは日本酒よぉ」ホワァ

グラ「おぉ、これがニホンシュ……」ジッ

龍驤「ちょちょっ、グラやん無理はせんでええんやでっ」アタフタ

グラ「いや、私も一度飲んでみたいと思っていたところだ」

グラ「それにせっかくチトセがツイデくれたのだ」

千歳「うれしいわぁ」ウフフ

グラ「……」ゴクッ

グラ「うん、美味いな」




グラ「これがニホンシュか……」

グラ「私の国のワインよりも甘くて……酸味が控えめだ」

グラ「確かオコメのお酒だったな…いい香りもするぞ」

千歳「うふふ、もう一杯いかが?」

グラ「うむ……いただこう」ニコッ

千歳「どぞどぞ……♪」トクトク

龍驤「あーあぁ、マズイことなったで……」オロオロ

龍驤「赤城、あんたも止めたって!」

赤城「」ガツガツガツガツ

赤城「……ふぇ?」

龍驤「……もうえぇわ……」ハァ




グラ「ハァ……ハァ……」トロン

グラ「いい気分だな……」ホワァ

千歳「グラーフちゃんいい顔よぉ」パシャッ

那智「そして、これは……」トクトク

グラ「なにぃ……ショー……チュー……っ?」ヒック

那智「そうだっ、焼酎の神髄は芋ッ」

那智「良質なコガネセンガンが惜しみなく使われ……」クドクド

加古「この梅酒も美味しいよぉ」ドンッ

グラ「ハァっハァっ……フゥんっ……」トロ-ン

グラ「よし、いただこぉ」




………………
…………
……

那智「」グーガー

加古「」スピー

千歳「」グゴゴ…フゴッ

グラ「」キュウ



龍驤「言わんこっちゃあらへん……」ガクッ




赤城「」パクパク

龍驤(まだ食っとる……)

提督「あぁっ、間に合わなかった」

龍驤「君っ、何してたん!」

提督「いや、賓客がいらしてたもので」

提督「挨拶回りは立食会におけるたしなみだしな」フンッ

龍驤「そ-かいな」ハァ…




龍驤「とにかくグラやん、もう限界やし……」

龍驤「ウチの部屋に……」サッ

グラ「…………フゅ?…………」

グラ「…………アトミラァル?…………」ホワァ

龍驤「…………」

グラ「」ガクッ

龍驤「いや、やっぱ君が連れて行ったって……」ヨッコイショ

提督「俺かぁ」サッ

提督「ん、分かった」

龍驤「かんにんなぁ」クスッ




……
…………
………………






グラ(…………………………消えてしまいたい……………………………)グスッ


提督(あの後したであろう粗相を想像して落ち込んでいるようだ)クスッ




グラ「………………」オエッ

提督「目が覚めたな」

グラ「…………あぁ」

グラ「最悪の目覚めだ」

提督「質問よろし?」

グラ「あぁ…………」フラッ

提督「何を飲んだ?」

グラ「ビールにニホンシュにショーチュー」

グラ「ウメシュにアマザケ……」

提督「カァァァァーーーッ!!」クワッ

グラ「ひっ」ビクッ




提督「グラーフに教えておく」

グラ「……」シュン

提督「君の昨日の飲み方、それを我が国ではチャンポンというんだ」

グラ「チャン……ポン……?」

提督「多くの種類のお酒を目の前にすると」

提督「ついつい目移りしてしまうだろう」

グラ「……」コクッ

提督「そうやっていろんな味のお酒を楽しもうとすると」

提督「いつの間にかアルコールの摂取量が増えてしまうってことだ」

提督「飲み合わせの問題だとも言われているけどな」

グラ「う……うむ……」




提督「これでも結構人死にが出てるんだからな」

提督「せっかく戦争がおわったんだ……」

提督「死んだら……元も子もないだろ?」

グラ「……その通りだ」

グラ「もう……二度としない……」シュン

提督「うん、今度からはもっと楽しくな?」

グラ「あぁ……」

提督「よし」ナデナデ

グラ「……」

グラ「……」…ニコッ

すみません、晩あたりまですこし家を空けます……

許してください!なんでもしますから!

ホモだらけじゃないか……たまげたなぁ



提督「そういえばこの鎮守府、3か月後には閉鎖されるんだよ」

提督「だから、それまでにここを立ち退く準備はしなきゃな」

グラ「そうなのか」

グラ「私はすぐに立ち退きしなければならないと思っていたが……」

提督「まぁ事前に知らされていたわけじゃないからなぁ」




提督「いくら終戦したといっても……」

提督「だからすぐ出て行けってんじゃ、それはひどい話だ」

グラ「なるほど……」

提督「実際、3か月でも時間が足りないぐらいだよ」

提督「ここには戦災孤児の出身も多いし……」

提督「そういった子たちの居場所を、なんとか確保する必要もある」

グラ「たしかに……そうだ」

グラ「……まだまだ休まらないな」フフッ

提督「まったくだ」




提督「グラーフは……」

グラ「あぁ」

提督「やっぱり、国にかえるんだ?」

グラ「……まぁ……そうだな」

提督「……」

提督「……そか」

グラ「…………」




グラ「私には行き場がないわけではない」

グラ「……だが、急く必要もまだないと思う」

グラ「だからアトミラール……」

グラ「しばらくは元秘書艦として、あなたの手伝いに専念しよう」

提督「あぁ」

提督「助かるよ」ニコッ




それからしばらく経った、ある日


提督「そか、今日で行っちゃうのか……」

グラ「本当に世話になったな、二人とも」

龍驤「いやぁ、なかなか行きとうなかってんけどなぁ」

赤城「えぇ、あんまり長居しては……それこそ出て行けなくなってしまいますから」

グラ「アカギ、フィアンセと幸せにな」フフッ

赤城「ちょっ……グラーフさっ……」カァー……




龍驤「なっ、あんたもうお見合い済んどったんかっ?」

赤城「え、えぇ……」

赤城「とても……素敵な男性で……」

赤城「来月に嫁ぐことに……なりました」カァー……

提督「それはめでたいなぁ」

提督「旦那さんに幸せにしてもらいなよっ」

赤城「えぇ……」

赤城「ありがとう……ございます……」ポロ……ポロ……

グラ(………………)




龍驤「こちらこそ、ぎょーさん世話なったなぁ」

龍驤「ほんまに、おおきに」ペコリ

赤城「ありがとうございました」ペコリ

提督「おぅ」

グラ「あぁ……またな」




提督「行ったか……」

グラ「…………」

グラ「………っ…」ポロ……ポロ……

提督「……」

グラ「……あの二人は……グスッ……」

グラ「……私がっ……グスッ……来たときっ………から……」ズズッ

提督「……うん」

グラ「いつもっ……」グスッ

グラ「助けて……っ……グスッ……」


グラ「あぁぁぁぁぁ…………っ!」ポロ…




ブロロロロrrrr……


グラ「……」

グラ「……お恥ずかしいところをお見せした……」

提督「いーのいーの」

グラ「……」

提督「もうすぐ、次の孤児院だな」

グラ「……」ズズッ

グラ「あぁ……」

グラ「そうだなっ」

提督「今日一日、俺たちは営業マンだ」

提督「一日百件訪問いったれーい」

グラ「なにをいっているのだアトミラール……」クスッ




提督「ふぃーっ」

提督「ようやく戻れたぞ……」

グラ「お疲れだな……アトミラール」

グラ「ゆっくり休んでくれ」

グラ「食事を用意しよう」スッ

提督「あー、助かる」




グラ「出来上がりだ」

提督「ヒューっ、美味そう!」

提督「これ、なんていうの?」

グラ「なんということはない、カレイのムニエルだ」クスッ

グラ「まぁ故郷で慣れ親しんだ作り方だがな」

提督「なるほど……ベーコンを一緒に添えてるんだ」パクッ

提督「うまいっ!」

グラ「それはよかった」フフッ




提督「食った食ったー」ケフッ

グラ「アトミラールに喜んでいただけて、私もうれしい」

提督「よかったら……これからも色々作ってよ」

グラ「…………」

グラ(……これからも、か……)

グラ「…………」

提督「…………」




グラ「…………」

提督「…………グラーフ」

グラ「ん?」

グラ「……どうしたのだ、アトミラール……」

提督「…………」



ギュッ

グラ「ひゃっ…………?」カァーッ




グラ「ア……」ドキドキ

グラ「アトミラー……ル……?」

提督「…………」ギュッ……

提督「……行くな……グラーフ……」

グラ「!」

提督「…………」

提督「俺と一緒に……なってくれ」

グラ「…………」ドキドキ

グラ「……あ……あっ……」




提督「…………」ギュ…

グラ「…………」ドキドキ

グラ「……わ、私は……」

グラ「……この国の人では……ない」

グラ「……理想の……オヨメサンになれるか……」

グラ「……分からない……」

グラ「……それに………女性らしい言葉使いも……できない……」

グラ「これでは……あなたの顔を……立てられない……」

グラ「……肌だって……白いし……」

グラ「……皆に……馬鹿にされるかもしれない……」

グラ「……アトミラールに……迷惑をかけて……しまう」




グラ「………でも………」

グラ「………………」

グラ「……アトミラール……」

グラ「…………」




ギュッ……




グラ「アトミラール……」

グラ「…………嬉しい……っ」ポロ……

グラ「……もっと、あなたと……」



グラ「……あなたと……一緒にいたいよ……!」ポロ……ポロ……




……
…………
………………



「……開発機構所有の新型有人深海調査船『そうりゅう』が、24年ぶりの海底調査を行いました」

「なお、この調査には深海棲艦が同行し、6300mの深海における海洋資源の共同調査を実施……」


提督「今までじゃ考えられなかったニュースがやってるなぁ」

グラ「そうだな……」

グラ「互いの歩み寄りが確かに感じられる、よいニュースだ」フフッ

グラ「そうだ……アトミラール」

提督「ん?」

グラ「あなたのご実家のことだ」

グラ「私はいつ……」

グラ「オカアサマとお会いすることになるのだ?」




提督「この鎮守府を出たら、すぐに帰るつもりだよ」

提督「……って、もうあと一週間もないのね」

グラ「そうだぞ」クスッ

グラ「フフフ……私ははやく、シアワセになりたいのだっ」ギユッ

提督「……俺は今も幸せだぞ」

グラ「わ、分かってる……」ドキッ

グラ「だが、どういえばいいのか……」

グラ「とにかく、今のそれとは少し……違うのだ」アタフタ

提督「ほぇ?」




グラ「こ、これを見るのだっ」サッ

グラ「これは、先ほどアカギから送られてきた手紙と写真だ」

提督「ほう」

グラ「手紙には、彼女たちが元気にやっていることが書かれている……」

提督「ふむふむ」

グラ「そして、キワメツケはこの写真!!」

グラ「これはケッコンシキの時のものだった……」

グラ「見てみるのだ……このアカギの見るからにシアワセそうな顔をっ」

グラ「私も……早くこうなりたいのだ……」シュン




提督「うん……なんとなくわかったよ」

グラ「ほ、本当か!」パァァ

提督「でも……」

グラ「……なんだ?」

提督「この結婚式のとおりになるとは限らないよ」

グラ「ど、どういうことだ」




提督「ウチのカーチャン、和装の嫁さんが見たいって」

提督「いつも言っていたしなっ」フンゾリ

グラ「ワ、ワソウ……」ポカン



グラ「アトミラール……ワソウ……とは、いったいなんだ?」ジー…

提督「え……和装かぁ」

提督「えっと、それはね……」

グラ(…………フフっ)

グラ(この国にいると、私の興味が尽きることはないな……)クスッ





グラーフ(私はもっともっと知りたいぞ……)

グラーフ(この国の習慣、言葉……)

グラーフ(そして……)




グラーフ(アトミラール……あなたのことも……な)




――――――――――――fin―――――――――――――

以上をもって、このおはなしは終わりとなります

みてくださった方、ここまで楽しく書かせていただき

本当にありがとうございました!

乙乙! グラ子可愛かった!
ちなみに他に書いたSSあれば教えてくんろ

うわなにこれ嬉しくて泣きそう


>>76タイトルだけでも大丈夫?


【艦これ】扶桑「遭難ですか」山城「そうなんです」

【艦これ】グラーフ「ブブヅケ?……なに、これも食べてもいいのかっ」

【艦これ】グラーフ「震度3だと……この国はもうおしまいだ!」


過去に書いたことあるのはこれだけです
見ないで……見ないでぇ(迫真)

>>78
遭難もあんただったのか、面白かったよ!
で、次は誰で書くんだい?

>>79
思いついたら何か書きますが決めていません(白目)

月曜日もやってくるし……

sageわすれたもうアカン

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