奈緒「とりあえずまずはー……」ｶﾞｻｺﾞｿ

奈緒「これだ。ブタメン」

ほたる「カップラーメンですか」

奈緒「プロデューサーさ、ヤッターめんと記憶がごっちゃになってたらしい。画像検索して困惑してた」

奈緒「あとプロデューサーの同僚がブタメン投げ合う遊びを子供の頃してたらしいんだけど、どこの地域の遊びなんだろうな？」

ほたる「た、食べ物を投げたらダメですよ……？」

奈緒「確かにな。というか、その同僚の記憶違いかもしれないし。とりあえずお湯は入れたから、しばらく待とう。そのうちに別のを……」ｺﾞｿｺﾞｿ

奈緒「こいつとかいいな。カタヌキ」

ほたる「あ、縁日でたまに見ます。……でも私の場合、最初の一撃で割れることが多くて……」

奈緒「マジか………でも今回は大丈夫だって、注意して持ってきたからさ」

ほたる「……ほ、本当に、大丈夫かな……？」ｸﾞｻｯｸﾞｻｯ

奈緒「ちなみにプロデューサーは『あれ食えるの？』ってびっくりしてた」

ほたる「昔は食用じゃあなかったんでしょうか？」

奈緒「さぁ？ プロデューサーの記憶はガバガバだって、もっぱらの噂だし」

ほたる「ガバガバって………」ﾊﾞｷｯ

ほたる「あっ」

奈緒「あっ」

ほたる「…………」

奈緒「も、もう一個、もう一個やってみよう、な？ ほら泣かない泣かない、ハイライト消さない」

ほたる「……はい、もう一回……」

数十分後

ほたる「……………」

奈緒「こ、これ集中すると面白いなー……なー……」ｸﾞｻｯｸﾞｻｯ

ほたる「……一個も成功しません……」※背後に山と積まれたカタヌキの残骸

奈緒「あっ、だ、大丈夫大丈夫、あたしだってほら、一個も完成してないし。みんなそんなもんだって、元気だそう、な？」

ほたる「……そう、ですね……めげてたらダメですよね。次こそは、次こそは……」ｻﾞｸｯｻﾞｸｯ

奈緒「……ブタメン食って待ってよう」

ほたる「全部失敗しました……」

奈緒「………あー……き、気を取り直して次！ 次行ってみようか！」ｶﾞｻｶﾞｻ

奈緒「こいつだ、カレーあられ！」

ほたる「小学校の頃、遠足か何かでそれ食べ過ぎてしまって、バスで吐いてしまった人がいました……」

奈緒「これはなし！！ じゃあこれなんてどうだ、サクマドロップス！」

ほたる「ほたるの墓、この前見ました……」

奈緒「こいつもダメかっ！ なら酢昆布！ こいつなら不幸な思い出はないハズ……！」

光「酢昆布メモリか！ ライアー回好きだぞ！！」

奈緒「お前は呼んでねぇよ！！」

ほたる「………これを、食べてもいいですか？」

奈緒「んぁ？ ……たまごボーロ？」

ほたる「はい……甘いものの方が、好きなので……」

奈緒「な、なるほど……いいぞいいぞ、遠慮せずどんどん食ってくれ。そのために持ってきたんだし」

ほたる「ありがとうございます、では……いただきます」

奈緒「……」じー

ほたる「……あむっ」ﾊﾟｸｯ

ほたる「……」ｻｸｻｸｻｸ

ほたる「……」ｺﾞｯｸﾝ

ほたる「……おいしいです……」ﾊﾟｧｧｧ

奈緒（かわいい）

ほたる「……はむっ」ﾊﾟｸｯ

ほたる「……」ｻｸｻｸｻｸ

奈緒（ざーっとかっ込まないで一粒一粒大事そうに食べていく様が小動物みたいだかわいい）

ほたる「……」ｺﾞｯｸﾝ

ほたる「……あ、食レポの練習でしたね、すっかり忘れてました……すみません……えっと、口の中でさーっと……」

奈緒「いや、むしろ今のでいいぞ。美味しそうだしかわいい」

ほたる「えっ……あっ、その……ありがとうございます……？」

奈緒「さあ、どんどん食べるんだ。あ、ちょっとやってみたいことあるんだけど」

ほたる「や、やってみたいこと、ですか…？」

奈緒「うん」※たまごボーロを一粒つまむ

奈緒「あーん」

ほたる「へっ……」

奈緒「いっつも加蓮と凛がやってるから、あたしもやってみたくなった。はい、口開けて」

ほたる「あ、あーん……？」

奈緒（なんか小鳥(not事務員)に餌やってるみたいだ）

ほたる「あ、あむっ」ﾊﾟｸｯ

奈緒（あっ、今軽く唇が指に……柔らかいなあ……って、なんだこのイケナイ感じ。凛も加蓮もこんなことやってたのか）

ほたる「……」ｻｸｻｸｻｸ

ほたる「……んっ」ｺﾞｸｯ

奈緒「………あーん」

ほたる「あ、あーん……」

奈緒（なんだこれ、なんなんだこれ。流石はCuだな）ﾋｮｲｯ

光「おっ仮面ライダーチョコウェハースだ。これ貰っていいー？」

奈緒「いいぞー、ついでにグミも持って行けー……あっ、そうだ光」ﾋｮｲｯ

ほたる「………」ﾊﾟｸｯｻｸｻｸｻｸ

光「んー？」

奈緒「お前もやってみるか、これ」ﾋｮｲｯ

ほたる「………」ﾊﾟｸｯｻｸｻｸｻｸ

光「……楽しいの、それ？」

奈緒「スッゴく楽しい」ﾋｮｲｯ

ほたる「………」ﾊﾟｸｯｻｸｻｸｻｸ

光「よしっ、じゃあこの仮面ライダーグミで」

光「いくぞほたるちゃん！」140cm

ほたる「あっ、は、はい。お、お願い、しま、す……？」156cm

奈緒（……身長差ってのも……オツなもんだな……）154cm

光「えいっ」ﾎﾟｰｲ

ほたる「あっ……む」ﾊﾟｸｯﾓｯｷｭﾓｯｷｭﾓｯｷｭ

奈緒「投げるのかよ、食べ物だぞ」

光「どう、美味しい？」

ほたる「……ごっくん。うん、美味しい……」

光「そうか、じゃあもうひとつ！」ﾎﾟｰｲ

ほたる「っとっと…………ぱくっ」

奈緒「犬じゃねーんだぞ……」

光「楽しいなこれ！」

奈緒「な？」

ほたる「……」ﾓｯｷｭﾓｯｷｭｺﾞｯｸﾝ

ほたる「………すみません、これくらいで……ご飯が食べられなくなっちゃうので……ご馳走さまでした」

奈緒（少食かわいい）

光（規則正しい食事を心掛けてるのかわいい）

幸子「そしてボクは今日もカワイイですね！」

奈緒「幸子！？」

幸子「何をしてるんですか？」

光「ほたるちゃんに餌付けしてた」

ほたる「え、餌付け……？」

幸子「なるほど。ボクもよく友紀さんに餌付けされてます。カワイイから仕方ないですよね！」

幸子「さきいかとかほたての貝ひもとかばっかり貰っても困るんですけどね！！ カワイイって罪ですね！！」

奈緒「そうだな」

幸子「無関心！？」

奈緒「とりあえず……ヤングドーナツ食うか？」

幸子「さっき法子さんに山ほど貰いました……」

奈緒「おぉう……」

光「じゃあアタシが食べる！」

ほたる「……光ちゃん？」※ドーナツを手に持つ

光「ん？」

ほたる「あ、あーん……」

奈緒（ちょっと無理してお茶目してるのかわいい）

光「おっと、ご馳走さま！ いただきまーす！」ばくっ

ほたる「っ」びくっ

奈緒（Pa特有の勢いで手ごと食べられるんじゃあないかと少しビビってるかわいい）

光「もぐもぐもぐ……ごっくん。うん、美味しい！」

ほたる「あ……、……ふふ」

幸子「ふむ……ほたるさん！ カワイイボクに餌付けしてもいいんですよ！！」ｱｰﾝ

ほたる「えっ、と……は、はい、あーん……」

幸子「あっ、ヤングドーナツは勘弁ですっ！ そっちののし牛をください！」

ほたる「あっ、ご、ごめんなさい……あ、あーん」

幸子「フフーン、ほたるさんは幸せ者ですよ！ カワイイボクに餌付け出来るんですからね！ ぱくっ」

ほたる「……えっ？ 幸せ者……？」ﾎﾟｶｰﾝ