男「戦争が・・・終わった。」(24)

怪歴132年6月13日付

最近は平和だ。怪物も町村をおそう事が無くなった。今は人も怪物も互いの領域を守り、俺たちが怪物等の喜怒哀楽を感じることはもちろん、やつらも俺たちの感情を多少感じることが出来る様になったようだ。俺たちの言葉も怪物の言葉も話せる新種も発見された様だ。
このまま平和が続けばいいなぁ・・・。

一般兵士による日誌

怪歴132年8月24日付

今日は鉱山資源を集めに火山へとおもむいた。今は夏で今日は近年まれに見る猛暑日だ。近年はそんなに暑くなかったのにどうかしてるぜ。
さらにそんな日に火山へと行くのだから、まさに地獄。氷を持っていかなかったら死んでたぜ。
発掘場所にはすでに数人掘ってたが、皆汗がひどかった。早く涼しくなんねぇかな。

帰り、何か上等の服を着たお偉いさんがたとすれちがった。「資源」だの「水」だのいっていたが、何のことやら。

ある鍛冶師の日誌

怪歴132年9月6日 

朝からひどい音がした。山がうめいていた。
噴火。

それも記録にない大噴火。今この目でみている光景が信じられない。
かなりあの山から離れている。ここからじゃそこいらの犬小屋よりも小さく見える。
なのに、しっかりと火が吹いているのがこの目で見て取れる。

あれが、こないだ資源をとりに行った山なのか?

時間がたっても外は煙ってて外は灰色に染まっていた。

今日は一日中そうだった。

ある鍛冶師の日誌

怪歴132年9月27日付

今日はある村へ向かった。
この大陸で一番火山に近く、今は特一級危険区域に指定されている村だ。
火山活動自体は十日前後で収まったらしいが大陸全体に傷跡を残した。この村のように火山近辺の町村はもちろん、火山からかなり距離が離れている所まで影響を受けた。
3、2日前、各地より噴火の霧により育っていた農作物が全滅という報告が入っている。稲も小麦も野菜もすべて。それに重なり今年の猛暑により水の蒸発、霧も未だに空を覆っている。その霧を吸うと生物は死に絶えるという噂も広がっている。事実、この霧が広まってから人や牛、豚に羊にうさぎなど様々な生物の死亡報告が絶えない。
食うものが段々と減ってきてる俺たちはどう冬を過ごせば良い?

村までまだつかない。

ある帝国軍救助部隊隊員の日誌

ある隊員の最期

「なんだこれは・・・。」

俺は思わず呟いてしまった。意識を持たず、自然と
この目の先に広がっていたのは、もはや村の原型も持たない地獄。
溶岩は冷え固まっていたが、冷えていても熱は帯びているのか、暑い。とてもじゃないが暑い。
それにその固まっている溶岩と同化している人骨、肉と人骨が混ざりし物体、岩に押しつぶされ骨は砕け、肉は潰れている人間だった何かなど今すぐにでも逃げたいほどのえぐい光景がそこにある。

これが人なのか・・・?

そう思った矢先、意識が不安定になった。今噂になっている「殺人霧」。ここは特にその霧が濃い。もう致死量のきりはとっくにすっているだろう。
それのせいかな?まるでからだがいうことをきかなくなってきた。
みんなのこえがきこえる。なんていっているのだろう。
からだがたおれたかんしょくがした。じめんにぬめっとしたなにかにふれ、からだのはんぶんがそのなにかにぬれた。
これはなんだろう?
てつくさいにおいをかいで、それがなにかをりかいして

意識を永遠に手放した

怪歴13?年?月?日

今年の異常とも言える夏の暑さに重なる火山の噴火。そしてそこから生み出された霧による生物、食物の低下。

この数々の問題を解決する案を私は考えた。なぜ皆気がつかないのだろう。
人はもはやどうにもならん。死ぬ奴は死ぬだけだ。だが生き残りし我らが生きていくに必要な肉、野菜。
武器を作る鉄、銀。
それらは近年関わりを持たなかった隣の大陸から、怪物共から奪えばよいのだ。

古来より我ら人と怪物は互いの領域を守り、隣合わせに生きた。稀に怪物がこちらを襲う事があったが、大した被害は出なかった。向こうが食料不足になったら我々は食料を送り、救援したという歴史を持つ。そのような例はいくつもある。
だが奴等は我々人を一度も助けなかった。昔もこれからも、今も。既に一月は経つ。向こうも今回の異変は知っているはずだ。なのに今回も救援は来ない。このままでは絶滅はせずとも確実に多くの者が無駄に死に、その隙をついて怪物は攻めてくるだろう。もしかしたら怪物はこの時を待っていたのかもしれない。

ならば我々は戦おう。そして勝利を得て、新たな土地をこの手に掴もう。そうする事だけが、我々の生き残るただ一つの道だ。

不明

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