上条「第一回童貞妄想選手権?」 (127)



土御門「第一回童貞妄想選手権~!!」パチパチッ

上条「……なにこれ?」

土御門「司会は土御門元春だにゃー」

上条「お前が司会なんだ」

土御門「そして審査委員長のカミやんだにゃー」

上条「え? 審査委員長なんだ、俺。どうも、上条です」

土御門「審査委員長に学園都市で一番モテる童貞こと、上条当麻さんを迎えて始まったわけですけども」

上条「学園都市で一番モテる童貞、って二軍のホームラン王みたいだな」

土御門「審査委員長ことカミやん、意気込みをよろしくお願いします」

上条「意気込み? えっと、優勝目指して頑張って欲しいですね。で、どういう大会なの?」

土御門「世界津々浦々から童貞達が自慢の妄想を引っさげて、学園都市に来ているんだにゃー」

上条「童貞自慢!? 力自慢的な!?」

土御門「今大会で『童貞・キング・チャンピオン』が決まるわけだぜい」

上条「キングかチャンピオン、どっちかにしとけよ!」

土御門「略して、『ドキンちゃん』だぜい」

上条「それが言いたかっただけだろうが!!」




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上条「……で、そもそも童貞妄想選手権ってなに?」

土御門「では、早速いってみましょうか」

上条「俺の質問無視しすぎだろぉぉ。どういう大会なんだよ、これぇぇ!!」

土御門「にゃー。カミやん、童貞妄想選手権をご存じない?」

上条「存じないね」

土御門「童貞妄想の選手権のことだぜい」

上条「ああ、なるほどね。……って舐めてんのか!!」




上条「大会の説明はもういいや。俺はなにをすればいいわけ?」

土御門「カミやんの手もとにボタンがあるだろ?」

上条「これか?」

土御門「それが、童貞幻想殺し(イマジンブレイカー)ボタンだにゃー」

上条「勝手に童貞って文字入れないでくれる?」

土御門「童貞妄想が聞くに堪えない場合、そのボタンを押すんだぜい」

上条「ほう」

土御門「すると、床が開いて強制的に退場させられる仕組みになってるにゃー」

上条「このボタン押せば、出場者が落ちていくんだ。……なんかバラエティ番組で見たことあるなこの仕掛け」

土御門「童貞妄想選手権オリジナルの仕掛けだぜい」




土御門「今日は特別ゲストが来ているんだにゃー」

上条「特別ゲスト?」

土御門「なんと、あの『インディアンポーカー』のSランクデザイナー、BLAUさんに来ていただいているんだぜい」

上条「『インディアンポーカー』? なにそれ? トランプ?」

土御門「Sランクデザイナーといえば、ドリームランカーの最高ランクだにゃー」

上条「凄い人だということはわかった。なんか緊張してきたな」

土御門「では、登場していただきましょう。BLAUさんです」

青ピ「どうも、BLAUです」

上条「お前かよ!!」




土御門「お目にかかれて光栄だにゃー」

青ピ「いやいや」

上条「ほんの30分前に教室で喋ってたじゃん」

青ピ「はじめまして~」

上条「30分前に『パンチラで一番テンションの上がるパンツの色』について語り合っただろうが、3人で!!」

青ピ「学園都市で一番モテる童貞のカミやんと一緒に審査できるなんて、光栄やわ」

上条「その肩書きで俺を呼ぶな! 認めてねぇからな」

上条「あと、お前らの『はじめまして風コント』もやめろ!! どっちかて言うとそっちにキレてるからな!」




土御門「では、第一回童貞妄想選手権を開催することをここに宣言するにゃー」

青ピ「いや~、緊張してきたね、カミやん」

上条「……ああ、これあれだろ? 毎度のごとく3人でワイワイやる感じのやつだろ」

土御門「オープニング童貞妄想をどちらかにして欲しいにゃー」

上条「オープニング童貞妄想ってなんだよ! 選手宣誓的なことか!?」

青ピ「じゃあ、ボクがやろか」




青ピ「あー、でも人前で童貞妄想を語るのは恥ずかしいなぁ」

上条「なにを今さら」

土御門「それなら大丈夫だぜい。アシスタントの食蜂さんが能力を使ってくれるから恥ずかしげもなく童貞妄想ができるぜい」

食蜂「どうも~」

上条「なんで引き受けた!?」

青ピ「それなら安心して童貞妄想を語れますね」

上条「語りたかったのかよ! ただのど変態じゃねーか!!」




【童貞妄想 青ピ編】


青ピ「ボクって、みんなの前ではこんな感じやねんけど、下宿先ではキャラちゃうねん」

青ピ「下宿先では小学生なんか興味ないって風を装ってんねん」

青ピ「そんで、毎日下宿先のパン屋に買い物しに来るランドセルを背負った子がおんねんけど、その子がめっちゃかわいいねん」

青ピ「ここからが妄想やねんけど、そのかわいい子と――」



上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!

青ピ「うおっ! 危なッ! 何すんねん!! カミやん! 危うく落ちるとこやったわ!!」

上条「俺の危機察知能力を信じて押してみた」



青ピ「「まだ、本題に入る前やで。落語なら枕の部分やで」

上条「『下宿先では小学生なんか興味ないって風を装ってんねん』あたりからアウトだよ!!」

青ピ「なんでやねん!!」

上条「このご時勢柄、ロリはダメだ」

青ピ「なんでや! ロリ差別や」

上条「どうせ、あれだろ? 女子小学生とヤバいことする話だろ?」

青ピ「はっはっ、カミやんの想像力は貧困やなぁ。パンツ脱がしてみたらおちんちんが出てきたけど、かわいいからええか、って話やし」

上条「ホント、押してよかったよ」




上条「オープニング童貞なんちゃら、ってのはもういいから次いってくれ、土御門」

土御門「それでは、エントリーナンバー1番の方、どうぞだにゃー」

打ち止め「わぁ~、ってミサカはミサカはカーテンが開いたから飛び出してみたり」

上条「え? この子が出場者?」

土御門「おかしいな、アクセ……」

一方通行「土御門ォ、急用って何だァ?」

土御門「よかった、来てたぜい」




一方通行「このガキまで連れて来いってのはどういう了見だァ?」

土御門「この子は保険だぜい」

一方通行「保険?」

土御門「演算補助の通常モードでも反射されちまうかもしれないしな」

一方通行「あァ?」

土御門「能力が効かないと企画が成り立たなくなっちまうだろ? それを避けるためのせめてもの措置だにゃー」

一方通行「テメェ、さっきから何言ってンだ?」

土御門「それと、オレ達がお前に殺されないための、せめてもの保険だぜぇ」

上条「やらなきゃいいのに!! そんなリスク背負い込むなら、やらなきゃいいのに!!」

上条「あと、『オレ達』って勝手に俺を共犯にしてんじゃねーよ!」

土御門「じゃ、お願いしますにゃー」

食蜂「はーい」ポチッ




【童貞妄想 一方通行編】


一方通行「……何で俺がガキの面倒を見なきゃならねェンだ」

打ち止め「ガキって言う方がガキなんだよって、ミサカはミサカはバカって言う方がバカ理論を応用して反論してみたり」

黄泉川「私が教えてあげたいんだけど、応援要請きちまったじゃん」

一方通行「俺が料理なンてしたことあるように見えンのかよ」

黄泉川「あんたはこの子が火とか包丁を使うときだけ見ててくれるだけでいいじゃんよ」

一方通行「チッ、面倒臭ェ……」

黄泉川「ほら、一方通行の好きな缶コーヒーも買ってきてやったじゃん」

一方通行「子守の対価が缶コーヒー1本かよ」

黄泉川「それじゃあ、頼んだじゃんよ」




打ち止め「もぅ。ヨミカワは心配性すぎるよね、ってミサカはミサカは少し憤慨してみたり」

一方通行「そりゃ、前回あれだけ盛大にやらかしちまったら、そうなるだろうな」

打ち止め「今回は大丈夫だもん、ってミサカはミサカは拗ねた目でアナタを見つめてみる」

一方通行「胃薬切らしてねェか確認しておかねェとなァ」

打ち止め「もぉーー!! 全然信用してないし! ってミサカはミサカは地団駄を踏んでみたり!!
今回のお菓子作りには絶対上手くいくのって、ミサカはミサカは自信満々に宣言してみる」




一方通行「ンで、なに作るンだ?」

打ち止め「ホットケーキ♪ ってミサカはミサカは可愛く言ってみる」

一方通行「……焼くだけじゃねェか」

打ち止め「前回のマカロンは“成功の母”に終わってしまったから、今回は難易度を下げてみたの、ってミサカはミサカはさらっとハードルを下げてみたことを告白してみたり」

一方通行「ンだよ、“成功の母”って」

打ち止め「『退却』のことを『転進』って言い換えるみたいに、ミサカはミサカは前回の失敗をポジティブに捉えてみる」

一方通行「失敗って認めてんじゃねェか」




打ち止め「卵に牛乳……あと、この白いのを混ぜて……」

※白いの=ホットケーキミックスのことらしい

一方通行「チッ…………」

一方通行(毎回、胸元ガバガバの服着やがって……)

打ち止め「『ふんわりするまでかき混ぜる』、ってミサカはミサカはレシピを確認しながら慎重に調理してみる」胸元チラチラ

一方通行(これ以外に服もってねェのか?)

一方通行(ここからだと胸元が…………ギリギリ乳首は見えねェか……)

打ち止め「~~♪ ~~♪♪」

一方通行(もうちょいで、さきっぽが……って何考えてンだ俺は)

一方通行(…………)

一方通行(不自然じゃないように立ち上がって見るか……)

一方通行「(じーーーーーー)」

一方通行(見えそう……いや、見えそうで見えねェか……)




上条「…………………」

上条「はい。一方通行、アウトォ~」

青ピ「押させへんでぇ!!」

上条「離せ! 青ピ!!」

青ピ「ボクはこの話、最後まで聞きたいねん!」

上条「ロリはご時勢柄アウトなんだよ!」

青ピ「童貞妄想中にボクらがしゃべるとややこしなるから!!」

上条「知るか!!」




打ち止め「あっ!!」

一方通行「うおッ!! な、なンだッ」

打ち止め「電動ミキサーがない、ってミサカはミサカは重要なこと気づいて愕然としてみる」

一方通行「ンなもン、この家でみたことねェぞ」

打ち止め「ぅぅ……人力でやるしかないのかな、ってミサカはミサカは作業効率の悪さにうんざりしてみたり」


打ち止め「んんっ……くっ、ん……かたい……ってミサカはミサカは感想を述べながら混ぜてみたり」

ねちゃ、ねちゃ……くちゅっ、ねちゃ……

※ホットケーキの生地を混ぜている音です

打ち止め「くっ……んんっ……ぁ、んんっ……」

くちゅっ、……ぐちゅ、ぐちゃ……ねちゃ……

※ホットケーキを混ぜている音

打ち止め「ぁんっ、くっ……んんっ……」

ぐちゅ、ぐちゅ……めちゃ……くちゅ……

※ホットケ(略)




一方通行「手伝ってやろうか?」

打ち止め「ミサカっ……一人で、大、丈夫っ……、ってミサカはミサカは――あっ!!」

ガシャーン!!

打ち止め「うぅ……力を入れすぎてボールをひっくり返っちゃった、ってミサカはミサカはげんなりしてみる」

打ち止め「うわ~、ベトベト……、ってミサカはミサカは惨状にうんざりしてみたり。あ、ほっぺにも白いのがかかってる、ってミサカはミサカは現状を確認してみる」




一方通行「ホラ、これで拭けよ」

打ち止め「かぴかぴになっちゃわないかな、ってミサカはミサカは洋服の心配をしてみる」

一方通行「すぐ洗えば落ちるだろ、これくらい」

打ち止め「白くてドロッとしたものが胸まで飛んでる、ってミサカはミサカは胸元をぱたぱたしながらつぶやいてみたり」

一方通行「オイ、なにしてンだッ」

打ち止め「あ、見たいんじゃなかったんだ? ってミサカはミサカはにやりと口角を上げながら質問してみたり」

一方通行「なッ……」




打ち止め「ぷぷぷっ、赤面してる、ってミサカはミサカはアナタのレアな表情を見られてことで優越感に浸ってみたり」

ブチッッッ!!!

一方通行「あァ? 誰が赤面してるって? テメェの身体に赤面するほどの価値があンのかよ」

打ち止め「今の発言はレディとしてのプライドをひどく傷つけたかも、ってミサカはミサカはアナタのデリカシーのなさを指摘してみる。じゃあ、ミサカの身体を拭いてもなにも感じないの? ってミサカはミサカは――」

一方通行「拭いてやるよ」

打ち止め「ええっ!? 喰い気味に了承!? ってミサカはミサカは動揺を隠しきれなかったり。えっと、ほんき?」

一方通行「机を拭くのも、オマエの身体を拭くのも俺にとっちゃ同じことなンだよ」

打ち止め「むむ、またまた女として見てない発言、ってミサカはミサカは激昂してみたり」

一方通行「とっとと服まくれ。拭いてやるからよォ」

打ち止め「うぐっ……、ってミサカはミサカはアナタの些か大胆すぎる要求に戸惑ってみたり」




一方通行「このへンかァ?」

打ち止め「や、やっぱり、自分で拭けるかも、ってミサカはミサカは」

一方通行「確か、胸に飛んだとか言ってたよなァ」

打ち止め「うひゃ、変なところ触った、ってミサカはミサカはアナタに抗議してみる」

一方通行「変なトコって、ここのことかァ?」

打ち止め「ふにゃぁ……さっき、電撃が走ったみたいな……、ってミサカはミサカは未知の感覚に戸惑いをあらわにしてみたり」

打ち止め「だめっ、そこ……んんっ、ってミサ、ミサカはミサ――」

一方通行「このへンかァ?」コリコリ

打ち止め「そこ、乳首っ、んっ、ぁっ……」

一方通行「変な声出してンじゃねェよ」

打ち止め「そんなこと、ミサカのせいじゃっ、んっ、うくっ……」




一方通行「ま、こンなもンか」

打ち止め「えっ? ってミサカはミサカは……」

一方通行「全部拭ききっただろ」

打ち止め「まだ、かも……」

一方通行「あァ?」

打ち止め「まだ、拭ききれてないかも……ってミサカはミサカはしどろもどろになってみたり」

一方通行「どこだよ?」

打ち止め「そ、そういえば、股の方にも白いのが飛んじゃったかも……ってミサカはミサカは潤んだ瞳でアナタを見つめてみたり」

一方通行「このエロガキが」ニヤリ




上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!




上条「子供のいたずらにガチイタズラで返してんじゃねーよ!!」

青ピ「ああん。もっと聞いときたかったのに」

上条「『このエロガキが』、じゃねーんだよ! なにやってんだよ、なにしてんだよ!!」

上条「最初は一緒にお菓子作りをする、ほのぼの純愛話かと思えばこれだよ!!」

青ピ「カミやん、童妄やで。ほのぼの話になるわけないやん」

上条「童妄って略すな! 童貞妄想は略せるほど一般化してないからな!」


ちょっと休憩。



上条「ロリの胸チラ見ようと努力したらアウトだよ!!」

青ピ「ロリッ娘と同棲してるくせに」

上条「インデックスは同棲というより、同居だよ」

青ピ「一緒や! ロリと同居してる時点でカミやんはこっち側の人やからな」

上条「ち、ちげぇよ」

青ピ「そうやて」

上条「とある偉人の名言に『中学生ってのはなァ……ババァなンだよ』、というのがある」

上条「つまり、中学生はセーフだ!!」

青ピ「ジャイアンルールやんけ!!」

上条「うるせぇ! 俺がルールブックだ!!」

青ピ「カミやん、権力握ったらアカンタイプ人やん」




青ピ「胸チラからのいたずらはロリの王道やね。ロリッ娘の最大の魅力と言えば、無防備さ、無垢さや」

青ピ「お菓子作りに夢中になるあまり胸元がガバガバになる。そしたら、ついつい立ち上がってしまうわなぁ」

青ピ「そういった胸チラを見るための努力を相手に指摘されたときの恥ずかしさ、これはもうボッキもんやね」

上条「なに真面目に批評してんだよっ! ゲスト審査員としての仕事をまっとうしてんじゃねぇよ!!」

上条「ボッキもん、なんて単語が出てくる批評があってたまるか!」




土御門「ちなみに、カミやんの感想は?」

上条「ちょっと胸触ったぐらいで相手がトロトロになるって流れが童貞っぽい」

土御門「童貞が童貞ぽいかどうかを語ってる姿は滑稽だにゃー」

上条「お前も童貞だろうが!」

土御門「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」

青ピ「おお、本朝式童貞言葉(キングス・ドウテイ ワード)や……」

上条「やるな……」

上条「まあ、土御門の場合童貞じゃなかったら“誰と”って怖くて訊けないしな」




青ピ「文句ばっかり言ってるけど、カミやんはどんな童貞妄想やねん」

上条「俺? ……ん~、相手によっていろいろあるなぁ」

土御門「たとえば、ねーちんなんかどうかにゃー」

上条「神裂かぁ……。神裂は巨乳だからな……モーターボートとかしてみたいな」

青ピ「……なにそれ?」

上条「え? 知らね? 胸の谷間に顔をうずめるだろ? それで、唇をぶるぶる振るわせながら顔を左右に高速で振るんだよ」

青ピ「それ、モーターボートって言うんや」

上条「モーターボートの動作音みたいな音が出て、胸がたぷたぷって波打つから……」

青ピ「初耳や」

上条「嘘だろ!?」




青ピ「さすがカミやん。ボクが認めた童貞なだけあるわ」

上条「俺、童貞の部分でお前に認められてたの!?」

上条「でも、有名だろ? この行為をモーターボートって言うよな? 土御門」

土御門「では、次行くぜい。エントリーナンバー2番の方~」

上条「無視すんなよ。なんか感想言えよ」

??「なら、僕が言ってあげよう」

上条「え?」

ステイル「品性下劣だな……君は」

上条「oh……」




上条「お前、次がステイルだと知ってて『ねーちんなんかどうかにゃー』って振っただろ?」

土御門「何のことだかわっかんないぜよ」

ステイル「で? 僕はなんのために呼ばれたんだい? まさか、この下品な男の下劣な妄想を聞かせに来さした訳ではないだろ?」

土御門「にゃー。ステイルはねーちんでどんな妄想してるんだ?」

ステイル「……なるほど。消し炭になりたい、そういう解釈でいいかな?」

土御門「相変わらずお堅いにゃー」

青ピ「カミやん、次の童貞妄想入る前に腕を拘束しとくな」

上条「なんでだよ!」

青ピ「だって、ええとこでボタン押すねんもん」

上条「俺って審査委員長だろ? どんだけ立場弱い審査委員長なんだよ!」

青ピ「よし、準備OKや」

土御門「それじゃあ、よろしくだにゃー」

食蜂「はーい」ポチッ




【童貞妄想 ステイル編】



望遠鏡から見えるその情景を現実のものと認識できないでいる。

レンズ越しに見える薄暗い部屋には二つの人影。

あの子ことを僕はよく知っている。

大きめワイシャツの下は下着のみ。

その扇情的な恰好とは対照的な幼い見た目がなんともアンバランスだった。

男はインデックスの背後から腋の下に手を通し、控えめな乳房を揉んでいる。

手のひらですっぽり覆い隠されてしまうような小さな乳房を、男は鷲づかみにしていた。

男の名前を知っている。



上条当麻――インデックスの現パートナーだ。




上条「う~ん。やっぱ揉むって感じじゃねーな」

インデックス「今の一言、すごく傷ついたかも」

上条「オルソラの胸を揉んだ後だからかな?」ボソッ

インデックス「とうま! 今、なにか聞こえた気がするんだけど」

上条「なんでもない、なんでもない」

インデックス「オルソラって聞こえたような気がするんだよ」

上条「もう少し大きい方が上条さん的に好みですよ?」

インデックス「とうま!! 一度ならともかく二度までも――ひぃん」

上条「こんなに乳首おっ立てて怒ってもなぁ」

インデックス「んくぅ。……ぁん」

上条「乳首弄られるとなんでも言うこと聞いちゃうエロシスターだもんな、インデックスは」

インデックス「んッ……くぅっ……先っぽはダメだよ」




彼女は上条当麻に胸を揉まれ、くすぐったそうに笑っていた。

その笑顔に――自分に向けられることのないその笑顔に――胸が締めつけられる思いがした。


インデックスは既に救われている。

――僕じゃなく上条当麻の手によって


インデックスが笑っている。

――僕じゃなく上条当麻の手によって


僕があれほど願った、彼女の幸せは実現された。

――僕じゃなく上条当麻の手によって





今すぐ望遠鏡から目を離せ――理性が警告を鳴らす。

その通りだ。これ以上は見てはいけない。

ここから先はあの子警護という名目はなくなり、のぞきになってしまう。

そしてなにより、

『あの部屋でもうすぐ行われるであろうこと』など、見てはいけないし、見たくない。

わかっている。わかっているが……、

身体はぴくりとも動かなかった。




上条「なあ、インデックス」モミモミ

インデックス「なに?」

上条「お願いがあるんだ」モミモミ

インデックス「?」

上条「修道服でエッチしたいんだ」

インデックス「なっ……」

上条「背徳的じゃね? 修道服にぶっかけるとか」

インデックス「……とうま。それは出来ないんだよ」

上条「なんで?」

インデックス「修道服っていうのは神聖なものなんだよ。それをそういうことには使っちゃいけないんだよ」

上条「そうか? そのわりにはエロい感じにアレンジされた修道服着ているやつ多くないか。アニェーゼとか」

インデックス「……あ、あれはあれで意味があるんだよ」




上条「普段着てる修道服着てヤろうぜ」

インデックス「『歩く教会』が一番ダメだよ!」

上条「頼む! 一生のお願い」

インデックス「一生のお願いはこの前、とうまのおちん……、とうまのを咥えるときに使ったじゃない」

上条「そうだっけ?」

インデックス「そうだよ」

上条「頼む!! 修道服着せてバックから犯すのが夢だったんだ。お願い」

インデックス「そんな理由で了承するわけないんだよ!!」




インデックス「ダメだよ……。修道服以外ならなんでも着るから」

上条「修道服じゃないとイヤだ」

インデックス「とうまにはわからないかもだけど、修道服って私達シスターにとっては大切な服なんだよ」

上条「今、こうしている時間も俺にとっては大切な時間だぜ。大切な時に大切な服を着るなんて当然だろ?」

インデックス「うっ……それとこれとは関係がないんだよ」

上条「インデックスにとっては大切な時間じゃないのか?」

インデックス「ううっ……、大切な時間だけど……」

上条「なら、いいだろ?」

インデックス「ダメ! とにかく修道服でエッチするのは絶対ダメなんだよ!!」




インデックス「そもそも……」

上条「ん?」

インデックス「そもそも、私シスターなんだよ! 本来ならこんな行為自体ダメなんだよ!!」

上条「…………」

インデックス「とうま?」

上条「チッ。わかったよ」

インデックス「わかってくれたんだね」

上条「ああ、わかったよ。お前のにとって俺がその程度だってことが」

インデックス「とうま……」




上条「あーあ。興ざめだな。ちょっと出かけるわ」

インデックス「どこ行くの?」

上条「外で抜いてくる」

インデックス「抜くってなに?」

上条「修道服着てエッチしてくれる女なんて、俺には山ほどいるしな」

インデックス「なっ……!」

上条「インデックスが着てくれないなら、別の誰かに着てもらえば済む話だし」

インデックス「そんなのダメなんだよ!!」

上条「でも、しょうがねぇじゃん」

インデックス「……わかったよ。私、着るよ」

上条「マジで!?」

インデックス「うん……」




インデックス「そのかわり、他の女の子とはそういうことしないって約束して」

上条「当たり前だろ。俺にはインデックスしかいねぇよ」

インデックス「なんか、嘘くさいんだよ」

上条「そんなことどうでもいいから、早く着替えて」




上条「やっぱ、インデックスには修道服が一番よく似合うな」

インデックス「ありがと……」

上条「好きだから、一番よく似合う服でエッチしたいだけなんだ」

インデックス「……ほんとに?」

上条「ああ、すげぇ似合ってる」

インデックス「そうじゃなくて、その……好きっていうの」

上条「好きじゃなきゃ、こんなことしねーよ」

インデックス「そうだよね。とうまは私のことが好きなんだよね」

上条「……ああ」




インデックスが修道服に身を包み、上条当麻の前に跪いていた。

上条当麻はにやにやと下卑たる笑みを隠そうともしない。

チャックを下ろし、自分のブツをインデックスの目の前に出した。

見たくない--。

見たくないはずなのに……なのに僕はその光景から目を離せずにいた。

まったくの矛盾した行為。

まるで、精神と肉体が分離してしまったかのように、制御が効かない。

股間も主の意志に反し、ズボンを押し上げ、存在を主張していた。




インデックスは目の前の隆起したそれを見て、逡巡したような表情をみせていた。

その姿にはまだ――あの頃のインデックスの面影がある。

それでも意を決したのか、小さな口を目一杯開き、上条当麻の股間に顔をうずめた。

その姿を見て、思わず口腔内に溜まった唾液を嚥下する。

エロスと一番遠い存在に思えたあの子が男のブツを咥えている。

絵画の裸婦像でさえ、顔を赤らめていた、あの子が……。

胸の奥が、カッと熱くなった。

悔しさとも怒りともつかない、弾けるような感情に煽られる。

見たくない--。

見たくないはずなのに……。

望遠鏡越しに、インデックスの媚態をを見つめ、一心にしごいた。




上条当麻はインデックスの頭を両手で抱え、ぐへへ、と笑う。

「インデックス、もっと奥まで咥え込んでくれ」

興奮しているのか、うわずった声で上条当麻が命令する。

透明な雫がインデックスの口許からこぼれ落ちていく。

「もふ、へんはいはよ」

「なに言ってるかわかんねぇよ」

そう言って、上条当麻は腰を突き出し、口内の奥へ差し込んだ。

「んぐっ、ぐぐんんん」

苦しそうに喘ぐインデックスを無視するように、上条当麻は腰の動きをさらに速めていく。

「やべ、出る」

呟いた後、上条当麻は身体を小刻みに震わせた。

インデックスの口の端から、白い液体が垂れていた。




上条「四つん這いになれよ」

インデックス「う……うん」

上条「しゃぶっただけなのに、糸引いてんじゃねーか」

インデックス「そ、そんなこといちいち言葉にしなくてもいいんだよ」

上条「このまま挿れても大丈夫そうだな」

インデックス「ふぁっ、……んくっ……」

上条「お? 入れただけで、軽くイッたか?」

インデックス「あっ……くっ……」

上条「あぁ……相変わらずキツキツだなぁ」

インデックス「あっ……くっ……んんっ」




上条「これまでエッチした相手全員短小だったんじゃねぇの?」

インデックス「そんな人……いないんだよ。とうまが初めてだもん」

上条「そんなわけねぇだろ。どうせ記憶がなくなるのをいいことにヤられまくってるよ」

インデックス「そんなこと――」

上条「ない、とは言い切れないだろ?」

インデックス「うぐっ…………」

上条「ステイルや三沢塾をジャックした錬金術師にパコられてるに決まってるだろ」

インデックス「…………」

上条「このビッチが」

インデックス「ち、ちがう! 私はそんな……んくッ」




上条「この前まで処女だったヤツがここまで濡れるわけないだろ!」

インデックス「あっ……やっ……ほんと、だよ」

上条「淫乱シスターのくせに清純ぶってんじゃねーよ」

インデックス「あぁっぁ、……んんっ…ちがっ……う」

上条「そのわりには、俺が淫乱って言うたびにキュウキュウに締まってんぞ」

インデックス「いっ……ふっ……ん、あぁ」

上条「マンコは正直に淫乱って認めてんぜ」

インデックス「認めて……んっ、ない……よ、……あんっ」




インデックス「血……出たんだよ」

上条「あ?」

インデックス「とうまと初めてしたとき、血が出たんだよ」

上条「ああ、そういえばそうだったな。処女とヤリすぎて血が出るなんて当たり前になってたぜ」

インデックス「私はとうまが初めてなんだよ」

上条「だったら、感謝しないとな。歴代のパートナーが大事にお前の処女を守ってくれていたおかげで、俺がおいしくいただける訳なんだし」

インデックス「あっ……はっ……んくっ」

上条「お前はごめんなさいしないとな」

インデックス「え?」

上条「修道服着てバックから犯されて喜んでるビッチに成り下がったことをごめんなさいしないといけないだろ?」

インデックス「それはとうまが……」




上条「おら、謝れよ、インデックス」

パンパン

インデックス「っん!! くっ……あっ……はぁっ」

上条「まずは、ステイルと神裂に謝るんだッ」

インデックス「あっ、……んっ。ご、ごめんなさい」

上条「もっと具体的に謝るんだよ!!」

インデックス「ご、ごめん……なさいっ! とうまのオチンチンにハマっちゃって、ごめんなさいっ」

上条「うおぉぉ、締めつけてきた」

インデックス「あくっ、……んんっ、あんっ……」

上条「今のお前の姿をみたら、ショック死するんじゃないか? あいつら」

インデックス「んっ……あっ、……いい、そこ、いいっ!」




上条「インデックス、お前は誰のモノなんだ?」

インデックス「とうまのっ、私、とうまのモノだからっ」

上条「ステイルも、まさかお前が今、生チンハメられてるなんて、夢にも思ってないだろうな!」

インデックス「ぁ、あっっ……ん、あ……っ」

上条「そう考えると、すげぇ興奮してくるな」

上条「あぁぁぁぁ……、インデックスの具合は最高だぞ、ステイル!」




インデックス「んっ、んんぁっ、んっ……はげし、っ……」

上条「どこに出して欲しいんだ? インデックス」

インデックス「……っ、なか……膣がいいんだよ」

上条「膣出しをせがむシスターなんてこの世にいんのかよ!」

インデックス「だって、とうまの……気持ちいいんだもん……んくっ、あっ……あぁ」

上条「やっぱり、お前は淫乱シスターだな!」

インデックス「もう、淫乱でもっ……なんでも、いいんだよ! あんっ、くぅ」

上条「うっ……く! た、ただでさえキツキツのマンコがさらに締めつけてきやがるっ」

インデックス「や、あぁっ……だ、めっ、もぉ、イクっ」

上条「膣に出すぞ、インデックスっ!!」

インデックス「ん、っぁっ、ふああぁっっっ!!!」




ステイル「うっ!! ……ふぅ」

粘ついた液体が手を汚した。

先程まで昂ぶっていた気分は消え、鈍い痛みだけが残っていた。

最低だ……。

ステイル「なにをやってるんだ、僕は……」

ステイル「……最悪の気分だ」





上条「こっちの台詞だよ!!!!!!!」

上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!




上条「そ ん な こ と す る か あ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!!!!!」

上条「するわけねぇだろっ!! 言うわけねぇだろっ!!! ドクズじゃねーか、俺!!」

青ピ「ってか、なんでカミやん動けんの? 拘束は?」

上条「ちぎったんだよぉ!!」

土御門「ええっ……カミやん、最近人間離れしすぎだぜい?」


ここで一旦セーブ。
もう、寝る。



青ピ「なんかボク、カミやんのことちょっと嫌いになったわ」

上条「現実の人間関係に影響か及んじゃってるじゃん」

土御門「どん引きだにゃー」

上条「リアルの俺は関係ねーよ。全部ステイルの童貞妄想だろ!?」

青ピ「でも、火のないところに煙は立たへん、って言うしなぁ」

上条「立ったよ! 今まさに火のないところに煙が! もくもくと!!」

上条「とんだ風評被害だよっ!!」




土御門「ステイルは自分に厳しいところがあるからにゃー」

上条「こんなところで自分に厳しくして、どうすんだよ!」

上条「ストイックってこういうことじゃねぇだろ?」

上条「妄想ぐらい1から10まで自分にとって都合のいい展開でいこうぜ。つらいだろ」

土御門「それにしても、カミやんゲスかったにゃー」

青ピ「あれやと、『カミやん』やなくて、『ゲスやん』やな」

上条「上条要素が一滴も入ってねぇじゃねえか! ただの悪口だぞ、それ」




上条「っつか、興奮の材料に使われて、ゲスだってイジられて、可哀想じゃね?」

上条「どっちかって言うと、俺被害者だろ?」

土御門「『歴代のパートナーが大事にお前の処女を守ってくれていたおかげで、俺がおいしくいただける』とか言うヤツが被害者ぶってもなー」

上条「現実の俺が言ったわけじゃねーし!」

土御門「カミやんがドメスティックにバイオレンスな男だったとは意外だぜい」

青ピ「カミやんの裏の顔を垣間見た気ぃするわ」

上条「俺じゃない、って言ってんだろうが! どんなにテンションが上がってても『ぐへへ』とは笑わねぇよ?」

青ピ「カミやんの心の闇は深刻やな」

上条「心の闇なんて持ってねーから」

上条「俺の裏の顔なんて真剣な顔しながら谷間チラ見ぐらいだ!」




青ピ「気持ちはわかる気ぃすんねん」

青ピ「今みたいな情報化社会やとアイドルはうんちせえへん、とか心から信じられへんやん?」

上条「まあな」

青ピ「男とのキスプリとか、過去の彼氏とか、知りたないねんっていう情報まで勝手に入ってくる始末や」

青ピ「アイドルだけやなくて、一般人の女の子でさえ元カレの情報がネットに残ってたりするわけやん? SNSとか、ブログとかに」

青ピ「好きになった子はもう、昔の彼氏にエロいこと散々されてるっていう前提のもと、寝取られに目覚めてみるのもアリかもね」

上条「ねぇよ」

青ピ「逆転の発想や。過去も全部含めて興奮したれってこと」

青ピ「彼女になった子が処女でも興奮できるし、過去にめっちゃエロいことされていても興奮できる。これなら負けなしや」

青ピ「今回の童貞妄想は情報化社会が産んだ新しい童貞の姿を垣間見たね」

青ピ「つまり、現代型の『新しい童貞像の提示』に成功したわけや」

上条「だから、なに真面目に批評してだよ!!

上条「こんなところで、お前の意外と真面目な一面を出さなくていいんだよ!! 童貞妄想選手権だぞ、これ」



上条「言っとくけど、上条さんはインデックスにベッドを譲って、自分はバスタブで寝るくらい紳士なんですよ?」

青ピ「カミやん、毎日バスタブで寝てんの?」

上条「そうだよ」

青ピ「でも、一回くらい覗きとかしたことあるやろ?」

上条「ない」

青ピ「えー、ボクやったら毎日覗くけどなぁ」

上条「バファリンの半分は優しさで出来ていて、ホワイティの半分は男、そして上条さんの半分は紳士で出来ているんですよ?」

土御門「もう半分は変態?」

青ピ「変態紳士や」

上条「変態紳士ってどんなだよっ!」

青ピ「一つのアクションごとに『気持ちいい? 気持ちいい?』って訊くとか?」

土御門「それは紳士的だぜい」

上条「それ、AVですげぇ視聴者の顰蹙買うやつじゃん」




土御門「あーー!!」

上条「なんだよ?」

土御門「思い出したぜい!!」

土御門「えーと、確か、あの日は夏休み最後の日の深夜だったぜい」

土御門「隣の部屋、つまりカミやんの部屋が騒がしかったんだにゃー」

青ピ「騒がしいってどんな風に?」

土御門「じゃれ合ってるような、そんな感じだったぜい」

土御門「後日、カミやんの部屋にいったら……ベッドのシーツに赤い点々のシミが……」

青ピ「ぎゃぁぁぁぁ! アウトや、カミやん非童貞やん!!」

青ピ「なんか、夏休み挟んでカミやんの性格がちょっと変わったな~、って思ってたらそういうことか!!」

上条「シーツの血は俺の鼻血だから!!」




上条「8月31日だろ? あの日は柿の種のピーナッツを食べ過ぎて鼻血が出たんだよ」

上条「で、ティッシュを取りにベッドがある部屋まで行ったら、インデックスが暴れたってだけの話」

上条「たぶん、シーツの血はそのとき付いたんだろうな」

土御門「ふーん」

上条「ふーん、って」

土御門「どう思う?」

青ピ「即興で作った話にしてはまあまあ筋が通ってんのとちゃう?」

上条「嘘の要素一切無し。事実100%!」

青ピ「なんでシスターの子は暴れたん?」

上条「それは……夜這いだと勘違いしたとか?」

青ピ「柿ピー食べてたらムラムラしてきて、寝室で寝てるちびっ子シスターに夜這いしたら抵抗されたとかやろ?」

上条「そんなわけあるかー!!」




青ピ「ティッシュ取りにいったら、夜這いと間違われた? 嘘くさいわ~」

上条「ホントだって。インデックスに噛まれるわ、真っ白の数学計算問題集が発掘されるわ大惨事で」

青ピ「ん? 噛まれる?」

上条「あ、インデックスって噛み癖があるんだよ。機嫌がいいときは二の腕に甘噛みしてくるし、機嫌が悪くなると本気で頭にかじりついてくるの」

青ピ「……嘘ついてる人間ほどようしゃべるってホンマやな」

上条「ほら、証拠! ここに歯形が、ここにも!」

青ピ「語るに落ちたな! カミやん!!」

上条「なにがだよ」

青ピ「完全にそういうプレイやんけ!!」

上条「ホントだって! 馬乗りにされて噛みつかれたんだよ!」

青ピ「そんで、その後めちゃくちゃセックスした、と。やかましいわ!!」




青ピ「そりゃ、カミやんと一緒に住んでる訳やから、山ほどエロいことされてるに違いないわなぁ」

上条「してないからね」

青ピ「男子高校生が一人暮らしのワンルームに女の子と同棲してんねやろ?」

上条「同居な。あるいはルームシェア。シェアする部屋なんてねえけど」

土御門「それに、その女の子は確実にカミやんに好感を持ってるぜい」

青ピ「……カミやん、もうアウトや」

土御門「ああ、カミやんはもうアウトだ」

上条「なにがだよ! 主語を言えよ!!」




青ピ「これは学園都市で一番モテる童貞、っていう称号も返上やね」

上条「そんな称号、喜んで返上するわ!!」

青ピ「聞きました奥さん」

土御門「聞きました、聞きました。童貞の称号なんか返上するわ! ですって」

上条「今のは、学園都市で一番モテる童貞、っていう二つ名なんていらねーって意味で」

青ピ「今までは童貞のフリやったんやね」

土御門「人気取りのために童貞のフリしてたんだにゃー」

上条「童貞のフリしても人気はでねーよ。どの層へのアピールだ」

青ピ「仮性童貞や! この仮性童貞野郎!!」

上条「仮性包茎みたいに言うな! 意味わかんねーよ」




青ピ「ん~。でも、カミやんのこと、ちっとも可哀想と思われへんのはなんでやろ?」

土御門「やろうと思えば出来ちゃうからだと思うぜい」

青ピ「よし、今からカミやんのこと殴るな?」

上条「なんでだよ」

青ピ「このままやったら、カミやんが全世界を敵にまわしかねへんし」

上条「どんな状況だよ! ありえねぇだろ、全世界を敵にまわすとか!」

土御門「カミやんの『処女とヤリすぎて血が出るなんて当たり前になってたぜ』発言はオレも擁護出来ないぜい」

上条「ステイルの童貞妄想内の言動まで責任とれるか!!」

青ピ「思いやりだけが友情やないしな」

上条「俺への思いやりが決定的に欠けてるでしょうが!!」

土御門「友達が道を踏み外しそうとしてたら、殴ってでもやめさす。そういう友情もあるんだにゃー」

上条「無罪の友人を殴る友情なんてあってたまるかー!!」

青ピ「カミやん、殴られる前になにか言いたいことある?」

上条「……それでも俺はやってない!!」

青ピ「せいっ」

バキッ

上条「そげぶっ」




上条「納得いかねー。殴られたこと、マジで納得いかねー」


上条「ツッコミどころも山ほどあるし」

上条「なんで望遠鏡を使わないと見えない距離なのに会話がはっきり聞こえてんだ、とか」

青ピ「カミやん、これ童貞妄想やから。妄想と現実ごっちゃにしたらアカンで」

ブチッ!!

上条「おらぁ!!」

バキッ

青ピ「ぐわっ」

上条「ついでにお前も!」

バキッ

土御門「ぐはっ!」

上条「はぁ……はぁ……」

上条「とっとと、次行け!!」




土御門「それじゃ、エントリーナンバー3番の方~」

海原「土御門さん? これは一体……」

土御門「海原光貴君だにゃー。またの名をエツァリ」

上条「…………」

上条「ってか、お前の知り合いしか来ないんな」

土御門「そりゃ、目的も伝えずに来いっとだけ言って来る人間なんて、知り合い以外いないぜよ」

上条「こんなとこで、変にリアリティ出してんじゃねぇよ! リアリティなんて、お前が『童貞妄想選手権~!!』って叫んだ時点で0になってんだからな」




海原「あの……」

青ピ「なんかめっちゃさみしーわ」

青ピ「ボクの知らん共通の知り合い多すぎひん?」

土御門「ちなみに、出場者全員、カミやんにヤられてるぜい」

青ピ「ええっ! カミやん、男もいけるクチなん!?」

上条「意図的に主語を省くんじゃねぇ!」

上条「ヤった、って言ってもぶん殴ったとか、ケンカとかだから」

青ピ「それはそれで衝撃のエピソードやん」

土御門「時間も押してるし、お願いしますだにゃー」

食蜂「はーい」ポチッ

海原「まず、自分はなんのために呼ばれたのか説明を……」




【童貞妄想 海原編】




美琴「……あれ? なんでアンタが、まだここにいるのよ?」

美琴「私がお風呂に入っている間に行ってきてって言ったわよね?」

海原「……」

美琴「アイツの入院している病院と病室を教えたでしょ?」

美琴「医者にでも看護師にでも化けて、早く『皮膚』取ってきなさいよ」

海原「……それは、できません」

美琴「……たしか、私のためならなんでもする、って言ったわよね?」

海原「それは……、御坂さんのためになることでしたらなんでも、という意味で……」

美琴「なにそれ?」

海原「ですから、御坂さんのためになることなら、自分は労を惜しみませんが……こういうことは……」

美琴「私に説教垂れようっての?」

海原「自分は御坂さんのためを思って言っているんです」




美琴「はぁ……。口だけで適当なこと並べてたってことね」

海原「そんなっ」

美琴「ああ、そうか。アンタは私のカラダ目当てだったけ?」

海原「違います。自分は純粋に御坂さんのことを……」

美琴「純粋? ふーん、純粋……ねぇ」

海原「はい。自分は――」

美琴「ま、どうだっていいわ。そんなこと」

美琴「オ・シ・オ・キ確定ね」




美琴「アンタの言い分はわかったわ」

美琴「私のカラダ目当てじゃない、と」

海原「それはもちろん」

美琴「だったら、それを証明してもらわないとね」

海原「証明……ですか?」

海原「わかりました。証明しましょう」

美琴「証明する方法は私が決めるから」




「そうね……。まず、下全部脱いで」

御坂さんがなにを言ったのか、脳は俊敏にそれを判断することができなかった。

「…………は?」

数秒の間があいて、訊き返すと、御坂さんは髪を掻き上げながら、

「下、全部脱ぐの」

もう一度同じことを言った。




脱いだズボンを軽く畳み、脇に置いておく。

「じゃあ、そこで正座して」

御坂さんは自分の目の前に椅子を持ってきながら言った。

フローリングの硬い感触と冷たさを直に感じた。

差し込む光が室内を白く浮き上がらせている。

残り半分は影になって、暗く沈み込んでいた。





御坂さんは椅子に足を組んで座り、下半身を露出した自分を見下ろす。

御坂さんが刺すように見つめるので、目の置き場に困ってしまう。

視線を御坂さんの顔から少し下ると、タオル生地のバスローブから伸びる白い足が目に入った。

慌てて窓の方向へ急転換した。

「…………」

御坂さんは自分をじっと見つめるだけで言葉を発したりはしない。

自分は盗み見るようにときどき視線を上げ、御坂さんと目が合い、また伏せる。

それを二、三度繰り返した。




陽は沈みかけ、自分と御坂さんの間に光の境界線ができていた。

「あの……一体なにをすれば証明になるのでしょうか?」

沈黙に堪えきれず、質問を投げかけた。

「簡単よ」

御坂さんが小首を傾げながら答えた。

髪が日の光を反射して明るく煌めいている。

まぶしい光の中に浸っている御坂さんの足が伸び、土踏まずが自分の股間を捉えた。

「なっ……!?」

驚くことしかできなかった。

踏みつぶすように徐々に足に力が込められる。

「カラダ目当てじゃないなら、こんなことされてもなんともないわよね?」

御坂さんの目が妖しく光り、

「簡単な証明方法でしょ?」

と、明るい口調で言い放った。




強弱をつけ、ぐいぐいと御坂さんの足の裏が自分のを押しつぶす。

「あっれ~? なんだか硬くなってない? 気のせい?」

普段のにぎやかな声で、楽しいおもちゃで遊ぶようにひたすら自分のものを弄りたおす。

「御坂さん、やめ、て……く、だ……」

言葉を最後まで発することができず、尻切れになってしまった。

「ん? なに?」

御坂さんが笑いながら訊き返してきた。

口許にはサディスティックな愉悦がかすかに混ざっている。

「ああ、もっとってこと?」




御坂さんの足がさらに力を込めてくる。

電流を流されたかのような快感が全身を駆け巡る。

「がっ……はっ……うっ」

言葉として形にならないうめき声が自分の意志とは無関係に出てしまう。

「足で踏まれるのがそんなにいいんだ?」

断続的に与えられるその刺激に自分は歯を食いしばって堪えることしかできなかった。

ひどく屈辱的なはずなのに御坂さんの足だというだけで、言いようもない昂ぶりを感じてしまう。

「ぴくぴくしてるわよ?」

痛みと紙一重の倒錯めいた快感が、全身に狂おしいほどまでにほとばしり、腰骨がどんどん甘く恍惚と痺れてくる。

股間に紡がれる屈辱めいた刺激に煽られ、膨張しだす。




「ねぇ、これ完全に勃起してるわよね?」

御坂さんの口から『勃起』という品のない単語を聞いた瞬間、ゾクッと背筋が痺れた。

体温が数度上がった気がした。

血液が体内を駆け巡り、心臓が勝手に激しく脈を打つ。

「こんな風にされるのがいいんだ?」

嘲るような御坂さんの冷たい視線を感じた。

自分の身体はその視線とは対照的にどんどん熱をもっていった。

「アンタ、本当変態ね」

御坂さんが吐き捨てるように言ったあと、急ブレーキを踏むかのようにぐっと足を押し込んだ。




「ああ、そうだ。さっき遮っちゃったわよね。『自分は純粋に御坂さんのことを……』の続きは?」

御坂さんが突然足を離し、世間話をはじめるかのような声調で尋ねてきた。

「え?」

「だから、アンタは純粋に私のことを……なんて言おうとしてたの? 言ってみなさいよ」

「聞いてあげるわよ。アンタの説教」

御坂さんはクスクスと笑っていた。

「ま、この状態だと説得力皆無だと思うけど」




「私に言うことがあるでしょ?」

言うこと? 自分が御坂さんに言うこと……?

頭がうまく回らない。

出したい……。喉の奥で、熱い吐息が湧く。

「踏んでください……」

声は震えていて、最後はかすれていた。

「へ?」

御坂さんの間の抜けた声。

一拍おいて、弾けたように御坂さんは笑い出した。

「…………くっく、あははははははは! や、そのことを訊いたわけじゃないから! 私に意見したことについて反省したかどうかを訊いただけだから!」

「そっか、そっか。アンタの頭には踏まれることしか、もう頭にないんだ!? あはっはっはっ!」

自分の頬が熱をもっていくのを感じた。

「そんなに気に入った? 私に踏まれるの?」

「……はい」

「じゃあ、もっとすごいことしてあげよっか?」




触れていた足がうごめいて、スライドするような動きに変わった。

足で挟み込んだものを、器用に上下へ扱っていく。

「ねぇ、もっとしてほしい?」

御坂さんは訊かなくてもわかっていることを、あえて口に出させたいようだった。

「ほら、言ってくれないとわからないわよ?」

ぴたりと、刺激をやめてしまう。

「かはっ……はぁ……はぁ………」

頭の芯が痺れてうまく思考ができない。

身体のどこか暗いところに澱んでいた古い血が御坂さんを求め、波立ち騒ぎ出す。




「……して、ください」

「ん~? 誰に?」

「み、御坂さんに」

「どうしてほしいの?」

「足で……」

「足で?」

「射精させてほしいです……」

ふっ、と鼻で笑った音が聞こえた。

御坂さんは勝ち誇ったように自分のいちもつを軽く蹴り、身体を揺らした。




足裏を折り曲げては伸ばすように踵を器用にスライドさせて、裏筋を爪がすすっと撫でる。

それはまるで、内側から舐められたような快感。くすぐったい滑りがあった。

冷静さはとうの昔に消え失せ、神経は統制が効かなくなっていた。

欲望が思考を侵食していく。

「アンタって本当変態よね。変態変態変態」

仕掛けている御坂さんも、雰囲気に酔っているか声がうわずっている。

御坂さんの興奮に満ちた声が、鼓膜を引っ掻く。

変態という言葉の響きが、ぬるぬると自分の脳の溝をめぐっていった。

御坂さんの足の指は、器用に亀頭を握り込み、その状態で脚を上下に動かしてくる。




「あれ? もしかして我慢してるの?」

「我慢して我慢して我慢してイッたほうがの快感は強烈になるものね」

「やっぱり、変態の考えることは私の一段上をいくのね」

年下の子供もを嘲るような冷ややかな笑い方。

「でも、さすがにもう限界でしょ? ほらほら~」

「イっちゃうの? 足でされてるだけなのに? みっともなくイっちゃうんだ?」

声が出ない。口の中も、喉もからからに渇いている。




息を吐いて。

吐いて。

少しだけ吸って。

吐いて。

また吐いて。

脳に酸素が渡っていない。

意識がもうろうとしてきだした。

目は見えているし耳も聞こえている。

だけど、遠くに感じる。

御坂さんが自分のを足でしごく光景が遠い。

御坂さんの声も遠い。

遠い。

遠い。

遠い。

「あは、じゃあ出しちゃえ」

最後に聞いたのは御坂さんの楽しそうな声。

腰が跳ね、喉の奥から呻くような声が漏れた。

目の前の全てが遠い。




………………
…………
……





余波が襲い、動こうにも身体が言うことをきかなかった。

心の乱れが体内に沈殿してしまうまで、待つしかなかった。


美琴「意識が飛んじゃうほど気持ちよかった?」

海原「はぁ……はぁ……」

美琴「でも、これじゃあオシオキにならないわねぇ」

海原「はぁ……はぁ……」

美琴「うーん。なにをやってもゴホウビにしかならないわね」




美琴「あ、そうだ。これは動物実験の話なんだけどね」

海原「は、はい」

美琴「腰椎に電極をぶっ刺して、微弱な電気を流すと射精するんだって」

海原「えっ……」

美琴「ねぇ、私にもできるかな?」

海原「御坂さん、それは……」

美琴「私のこと言うことならなんでも聞くのよね?」




美琴「腰椎って確かこのあたりだったわよね?」

海原「本当にやるんですか……」

美琴「本当もなにもアンタのためにやるのよ」

美琴「アンタも全部吐き出してカラカラになったら、ちょっとはマシな人間になるんじゃない?」

美琴「女子寮の近くを毎日うろうろしたり、デパートの下着売り場まで付いていこうとしたり、そういったことしなくなるわよ。きっと」



美琴「あ、そうだ。失敗したらゴメンね?」





上条「その幻想をぶち壊す!!」ボタンPUSH!!



上条「死んでまうわーー!!!」

上条「死なないにしても重大な後遺症引き起こすわ!」

青ピ「テンション高!」

上条「あと、海原の独白がしゃらくせーよ!!」

上条「人生で初めてこの言葉使うけどな、しゃらくせぇ!」



あとちょっとで終わるんだけど、
あとちょっとを書く気力がもうない。

ごめん、寝る。
一旦、セーブ。



上条「腰椎に電流はダメだろ! どんなプレイだよ! なんの願望なんだ!!」

上条「マニアック過ぎて誰もついてこれねーよ!!」

青ピ「ボクはわかるわ~」

上条「わかっちゃったよ。ここに一人わかる人いたよ!」

青ピ「めちゃくちゃ羨ましい」

上条「羨ましいか? 腰椎に電流だぞ?」

青ピ「御坂美琴ちゃんに、やろ? ええなぁ~」

上条「腰椎だぞ? ちょっとシャレにならない場所だぞ」

青ピ「でも、電流の後、蔑んでくれたりすんねやろ? 財布の中にあるお金全部出してええわ」

上条「さらに、金出すのかよ!!」




青ピ「自分の意志とは関係無しに、ずーっと射精しつづけんねやろ? よくない?」

上条「よくねぇよ」

青ピ「限界まで出した後、『バッカじゃない』っていわれて、『そっちが無理矢理出させたんやなんですかぁ~』ってツッコミ入れたいやろ?」

上条「MはソフトMまでに留めとけよ」

上条「そっから先は茨の道だと思うぞ」

青ピ「御坂美琴ちゃんやで? アイドル顔負けのごっつい美少女やで?」

上条「若いうちからそんなアブノーマルで興奮してたら、30才や40才になったら、なにで興奮すんだよ」

上条「うんこ喰うとか、首絞められるとかしかなくなっちゃうぞ?」




青ピ「気ぃ強い年下の美少女に呆れられたい、って願望ない?」

上条「俺、そういうのないんだよなぁ」

青ピ「え~、それやったら足コキは?」

上条「正直、足コキはわかる」

青ピ「ボク、『インディアンポーカー』で踏まれる系、山ほど作ったで」

青ピ「御坂美琴ちゃんが裸ワイシャツ着て、猫耳と尻尾を付けて、身体中踏んでくれんねん」

青ピ「でも、ちんちんだけは絶対に踏んでくれへんで、ずっと焦らされるんや」

上条「マニアックだなぁ」




上条「他には?」

青ピ「他はな、食蜂操祈ちゃんバージョンもあるで。スク水に着替えさせて、中学生離れしたすごい巨乳でパイズリしてもらうねん」

上条「スク水でパイズリ?」

青ピ「言葉ではちょっと説明しにくいねんけどな、スク水って構造的に――」

土御門「二人とも、ちょっといいかにゃー」

土御門「いつもみたいにエロ話に花を咲かせるのもいいが、今日はオレ達3人じゃないだぜい」

青ピ「ん?」

土御門「回れ右してみるといいぜい」

青ピ「回れ右?」クルッ

食蜂「……………」

青ピ「Wow……」




上条「……そういえば、ご本人がおられたな」

青ピ「どうしよ」

上条「笑ってるけど笑ってねぇよな、あの表情」

青ピ「めっちゃ禍々しいオーラ出してるやん」

上条「……ま、いっか。俺関係ないし」

青ピ「ええ!?」

上条「だって、話を聞いてただけだし」

食蜂「そこの青髪の人、ちょっといいかしらぁ」

上条「お呼びだぞ?」




青ピ「カミやん、一緒に来て」

上条「審査委員長だから、ここを離れるわけにはいかないんだ」

青ピ「審査委員長、嫌がってたやん!」

上条「ほら、俺って結構責任感強いところあるからさ」

青ピ「いやいやいや」

上条「心配すんな。俺と土御門でしっかりと進行しとくから」

青ピ「ボク、そんなこと心配してへんから!!」




土御門「にゃー。盛り上がってきたぜよ、童貞妄想選手権」

上条「盛り上がってるか? 俺達2人だけになっちゃったぞ」

土御門「波乱の展開になってきたぜい」

上条「確かに。アシスタントがゲスト審査員をボコるため退場していくってのは、波乱以外のなにものでもないな」

土御門「以上。出場者3名」

上条「3人しかいねぇの!?」

土御門「『童貞妄想選手権』なんて大会に3人も来ただけ凄いことだぜい?」

上条「出場者のリアクションから察するに、全員お前のだまし討ちだろ?」




上条「よく考えたらお前かなりひどいことやってんぞ」

上条「目的も伝えずに呼んで、能力使って童貞妄想を語らしたあげく落下だろ? えげつなすぎね?」

土御門「カミやんも加害者だぜい」

上条「俺は被害者だよ!!」

土御門「実際にボタン押して、落としているのはカミやんだぜ。カミやんばっちり加害者だにゃー」

上条「えええぇぇ……とんでもねぇ」




土御門「審査委員長、第一回童貞妄想選手権優勝者の発表をお願いしますにゃー」

上条「俺が決めんのか!?」

土御門「優勝者、つまり、『童貞・キング・チャンピオン』、略して、『ドキンちゃん』が決定するぜい」

上条「第一回、童貞妄想選手権の優勝者は……」

土御門「ドゥルルルルルル……ジャン」(セルフドラムロール)

上条「土御門元春君」

土御門「……オレ?」

上条「おめでとう」

土御門「カミやん、オレは出場者じゃないぜい」




上条「決め手はやっぱり、『ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!』だな」

上条「あんなに綺麗な、本朝式童貞言葉(キングス・ドウテイ ワード)を決められるとな。お前の優勝とせざるを得ない」

土御門「いやいや、カミやん?」

上条「全員に『コイツ童貞だろ?』ってバレバレでも非童貞だと主張する。そこに童貞の美学があるんだよ」

上条「出場者の3人は、まず本当に童貞なのかが疑わしいしな」

土御門「そりゃあ、童貞妄想選手権なんて大会に来るんだから童貞のはずだぜい」

上条「だから、お前が騙して連れてきたんだろ?」




上条「仮に童貞だとしても、童貞であることに劣等感を抱いていなさそうだろ? そこが大きなマイナスポイントだな」

上条「童貞は童貞であることに複雑な感情を持っていないと。そうじゃないと、純愛妄想選手権になるだろ?」

上条「お前は『童貞だろ?』って振られたら、ギャグで返すことによって自分を守ろうという、その行為、実に童貞ぽかった」

上条「俺と青ピがエロ話してても、女子がいるから入ってこなかったのもよかったぞ」

土御門「それは、司会業に徹してたんだぜい」

上条「今の言い訳も最高!」

土御門「さては、カミやん。散々イジられた仕返しに青ピを葬った次は、オレに標的を代えてきたな?」




上条「『童貞・キング・チャンピオン』、略して、『ドキンちゃん』は土御門ってことで。おめでとー」

土御門「こういう仕返しがあるとは思わなかったぜい」

上条「もう、エンディングだ。締めろ、ドキンちゃん」

土御門「次回は、『童貞・キング・チャンピオン』VS『学園都市で一番モテる童貞』VS『Sランク童貞デザイナー』の夢のドリームマッチが始まるぜい」

上条「俺は参加しねーよ!!」

土御門「また、第二回童貞妄想選手権でお会いしましょう」

上条「二度とやるか! こんな大会!!」







おしまい。




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