ブライト「ミライ、すべてが終わってもし二人とも生きていられたら」(29)

オリジンベースで地味な二人の話の隙間を無理やり埋めてみたモノです。トボトビでほん
の少しだけです…

〇〇SCENE1〇〇

--アムロ二回目の出撃--

ブライト「アムロ君スタンバイできているか?」

アムロ「搭乗しています」

ブライト「本艦の戦闘能力ではムサイの火力に対抗できない。わかるな?」

アムロ「了解してますよ!それぐらい…」

ブライト「なんだその態度は!遊びじゃないんだぞ!」

セイラ「ブライト中尉、ガンダムとの交信は私がしますから……」

ミライ「……」

・・・戦闘終了後、ブライト中尉個室・・・

ブライト「一般市民は身勝手な要求ばかり。あのアムロという少年は、自分が戦場にいることも理解していない!こんな状況でいったい……」

ミライ コンコン「ちょっとよろしいかしら?」

ブライト「どうぞ、ヤシマさんそちらの椅子に…」

ミライ「ミライで良いわ、中尉」 チャクセキ

ブライト「わかりました。で、用件は?」

ミライ「あの、アムロって子のことなんだけど…。彼の場合はもう少し気を…」

ブライト「彼を特別扱いすることは出来ない!」イラッ

ミライ「だけど、ガンダムに乗せているということがすでに特別扱いしているのじゃなくって?」

ブライト「そういうことじゃない!能力のある人間は任務を果たさなければならないと言うことだ!」

ミライ「任務と言ったって、あの子はあなたと違って軍人じゃないのよ。少しは気を使ってあげたって…」

ブライト「俺にだってそんな余裕があるわけじゃないっ!!地上勤務ばかりで艦の指揮なんて始めての……」

ミライ「……」

ブライト「……。すまない。こんな事言うべきではなかった……」

ミライ「…いいえ、大人も子供も生き残るのに精一杯ですものね……」 

ブライト「い、いや…」

ミライ  "この人も追い込まれているのね、子供達と同じように…だけど今、彼はこの艦を指揮している。
何とかして落ち着きを取り戻してもらわないと……私にしてあげられることって……そう…”  ツカツカ

ミライ ムギュッ

ブライト「な、なんだ!いきなり抱き…胸が……」

ミライ「じっとして……人って抱きしめられるとそれだけで安らぐんですって」

ブライト「……」

ミライ「どう?」

ブライト「そ、そうかもしれない…」

ミライ「私もたいしたことはできませんけど、愚痴を聞くことぐらいは出来ます。一人で抱え込まないで……」

ブライト「しかし迷惑を掛けるわけには…」

ミライ「気になさらないで。こうしてあげたのは、二人目だから」

ブライト「二人目……」

ミライ「誤解しないでね。キッカよ、チビちゃん三人組の一人。避難してきた当初は泣き止まなくって……」

ブライト「俺が子供と同じって言うのか…」

ミライ「嫌…?」

ブライト「そんなことは……」

ミライ「つらいことに大人も子供も無いわ。私も泣きたくなったら中尉に聞いてもらうわ、よろしいかしら?」ニコッ

ブライト「……ブライトと呼んでくれ」

ミライ「フフッ。わかったわ、ブライト。では帰ります」

--次の出撃準備--
アムロ「戦争させられるんだなあ。人が変わりますよね、ノーマルスーツなんか着ると」

ブライト「アムロ!ノーマルスーツを着たらガンダムの機内で待機しろ!!」

ブライト「いちいち気にしないで ブライト」

ミライ「あの子も気が立っているのよ」

ブライト「別に気にしては」

ミライ「いかが、飲み物でも…」

ブライト「あ?ああ…」

〇〇SCENE2〇〇

--ア・バオア・クー攻略戦前夜・ブリーフィングルーム--

ブライト「君にも出てもらう、セイラ・マス曹長」

セイラ「……」

ブライト「われわれは連邦軍兵士としての君を必要とする。君は母国と白兵戦を戦えるか?」

セイラ「よろこんで、キャプテンブライト」

ブライト「……よし。おい、ブリッジ、すぐに出撃だ!点呼を取れ。俺は左舷デッキに行く」 スゥー

ミライ「ごめんなさい。私が言ったの、セイラなら乗れるって…」

セイラ「いいのよ。いえ、却って良かった、言っていただいて」

ミライ「そう?」

セイラ「彼にああいう風に言われて、なんだか初めてみんなといっしょの仲間になれた気がする」

・・・少しさかのぼって、ソロモン攻略翌日・・・

ブライト コンコン 「ミライ、いいか?」

ミライ「艦長……」

ブライト「少しは落ち着いたか」

ミライ「……」

ブライト「ま、まあ無理だろうな……」

ミライ「い、いえ、大丈夫。ブリッジに行きます」

ブライト「無理するな。しばらく休んだらどうだ。次の作戦まで、ほとんど停船しているようなものだから、バンマス曹長に任せておけばいい」

ミライ「余計な気を使わないで!」

ブライト「え?」

ミライ「軽蔑してるんでしょ、私のこと……」

ブライト「なに?!」

ミライ「カムランがいるのにあなたと…にもかかわらず今はスレッガーに魅かれていたのだから」

ブライト「そ、それは俺が……」

ミライ「いい気味だと思っているんじゃなくて?」

ブライト バチーーーン!!「死んでいい人間なんか一人もいない!」

ミライ「………」

ブライト「すまない…」

ミライ「……」

ブライト「前にも言ったが君を見守ることぐらいできるつもりだ。そして俺には君の助けがこれからも必要だ」

ミライ「私の助け……」

ブライト「俺はいつまでも待っている…」

ミライ「……」

ブライト「ただ…」

ミライ「ただ?」

ブライト「ただ……いずれ我々はア・バオア・クーに投入されるだろう。そのときは…舵を取ってほしい……」

ミライ「ア・バオア・クー……」

ブライト「と、言う噂だ」

ミライ「……またおとりに使われるのね」

ブライト「おとり?」

ミライ「今の連邦に、ア・バオア・クーで消耗した後、グラナダとジオンの本国艦隊を相手にする力は無いわ。一気にサイド3を叩くしかないはず」

ブライト「……」

ミライ「ニュータイプ部隊と噂されているホワイトベースをア・バオア・クーに投入するのなら、それは……」

ブライト「そ、そうだろうな」

ミライ「時間稼ぎをするにもこの戦力では…もっとモビルスーツが」

ブライト「ジムの改良型を一機補充してもらうことになってる。が…」

ミライ「問題はパイロットね」

ブライト「ああ、いきなり素人を載せたところで死にに行かせるような物だ」

ミライ「セイラは?」

ブライト「セイラ……か」

ミライ「彼女、シミュレーターで訓練を受けているし、それに」

ブライト「それに?」

ミライ「おそらくニュータイプの素養が一番高いのはきっとセイラよ」

ブライト「そうだな、もしア・バオア・クーへ本当に向かうのであればその時は……」

ミライ「厳しい戦いになるわね。今度ばかりは……」

ブライト「根拠の無いことはいいたくないが…必ず君を守る」

ミライ「……」

ブライト「ではブリッジに戻る。しっかり休んでくれ」

--少し後、WBブリッジ--

ミライ「曹長、代わるわ」

ブライト「…少尉、大丈夫か?無理をしなくても…」

ミライ「……」

バンマス曹長「ほ、ほとんど停船状態ですから…じぶんでも」

ミライ「もう……いいから……大丈夫…」

ブライト「ミライ、良いのか」

ミライ「心配かけてごめんなさい。少し働いて疲れたいわ」

ブライト「無理はするな。俺でよければ聞き役ぐらいは、させてくれ」

ミライ「ありがとう。そう言ってもらえると助かるわ」

〇〇SCENE3〇〇

--ア・バオア・クー攻略戦、WHブリッジ・総員退艦後--

ミライ「ブライト艦長」

ブライト「まだ離艦していなかったのか」

ミライ「艦長をお待ちしていたのよ。航法担当仕官として」

ミライ「どうなさったの、艦長としての責務?それとも名残惜しさ?」

ブライト「さああ。両方…かな…」

ミライ「艦長」

ブライト「!?」

ミライ「これまでごくろうさま」

ブライト「い、いや。それはきみが……いてくれたから……」

ブライト「……そうだ、すべてが終わって、そのときにもし二人とも生きていられたら……!?ミライ、どうした?」

ミライ「アムロ…」

ブライト「アムロ?!!」

ミライ「アムロを感じるわ」

・・・数日後・救助された艦の一室・・・

ミライ「さすがね」

ブライト「なにが?」

ミライ「たかが中尉なのに救出された艦で個室を与えられるなんて。さすがホワイトベースの艦長さんね」

ブライト「ひやかさないでくれ」

ミライ「冷やかしてるわけじゃないわ。ブライトが指揮してくれたおかげで私たちは生きながらえたのだから」

ブライト「別に僕が何かしたわけじゃない。みんなに助けられた…」

ミライ「フフッ。ブライトも大人になったのね」

ブライト「そうかな…」

ミライ「あ、制服を貸してください。またほつれがひどくなっていたから。あれでは、折角のア・バオア・クー攻略の立役者が敗残兵みたいよ」

ブライト「そんなひどかったか?」

ミライ「着るものにもう少し気を使ってください」

ブライト「ああ」

ミライ「そうだ、ブリッジで最後に言い掛けた事を、もう一度お聞きしたいわ」

ブライト「最後に…」

ミライ「そう」

ブライト「それは……」

ミライ「言えないの?」

ブライト「そういうわけじゃないが…」

ミライ「では、航法担当仕官として復唱します。”すべてが終わって、そのときにもし二人とも…”」

ブライト「わ、わかった。僕が言う」

ミライ「…」

ブライト「すべてが終わって、そのときにもし二人とも生きていられたら……」

ミライ「二人とも生きていたら?」

ブライト「これからも一緒に……」

?「コラッ、そんなに押すなってば。ばれるだろう!あっ!」
ガタガタ、ドッシャーン

ブライト「な、なんだおまえたちは!?」

ミライ「み、みんな…セイラまで!」

セイラ「ミライがウキウキした顔でブライトの部屋に入って行ったってキッカが…」

フラウ「これは何かあるなって。ドアがちゃんと閉まってなかったから、これはチャンスだと…」

ミライ「フラウったら!」

フラウ「で、どうなの、ミライさん」

ミライ「どうって?」

フラウ「もう、返事よ」

カイ「馬鹿じゃねえか」

フラウ「何でよ、カイさん?」

カイ「そんなの決まってるじゃねえか、なあ、ニュータイプ?」

アムロ「そうですね、カイさんの言うとおりだと思います」

フラウ「え、どうして?」

カイ「二人の顔を見てみろ」

フラウ「ジー…」

ミライ「そ、そんな見られたら…」

ハロ「ミライカオマッカ ミャクハク160 タイリョウノハッカン…」

ミライ「ハロッ、黙って!!」

終わりです。
ワガママしてすみません

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