いーちゃん「京都旅行行こう」 人識「お前の地元じゃねーか」 (141)

純戯言SSです。この間行った京都旅行を元に書いていきます。

時系列的には原作の後日談みたいな感じ。

死んだ人とか生き返ってるけど、気にしないで。

書き溜めなく、かなりの亀更新です。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452416930

京都駅前
http://i.imgur.com/3wXeD0j.jpg

いーちゃん「戯言シリーズをご覧のみなさんこんにちは。ぼく、こといーちゃんです」

いーちゃん「さて、今回は久々の新スレ、ということで。早速ぼく達は京都駅前に集まったところなのですが」

人識「………」

いーちゃん「今回、何をするかはご存じですか、人識さん」

人識「知るわけねぇだろ。あと、人識さんとか言うな、気持ち悪いんだよ」

いーちゃん「えー、今回はですね、この人間失格には4日間というスケジュールを頂いております」

人識「中々ねぇーぞ? 殺し名第三位の位置に賊する俺の日程をこんなに抑えるやつは」

いーちゃん「どうせ暇なんだろ?」

人識「あん?」

いーちゃん「プータローの零崎は、どうせいつも暇なんだろ?」

人識「誰がプータローだ!」

いーちゃん「職にも就かず、転々と全国を放浪してる奴をプータローと言わないのか?」

人識「言うかもしんねーけど、言い方ってもんがあんだろ!」

伊織「プーさん?」

人識「人を赤いTシャツを着たハチミツ好きのクマさんみたいに言うな! あと何でお前もここにいんだよ!」

伊織「細かい事は気にしてはいけませんよ、人識くん」

人識「全然、細かくねーんだよ!」

伊織「別にいいじゃないですかー。ホント人識くんって細かいですよねー。そんなんじゃ小さく見られますよ?」

人識「けっ、器なんか大きかろうが小さかろうが大差ねーよ」

伊織「身長が」ボソッ

人識「今、何か言ったか!?」

伊織「いえいえ、何も言ってませんよう。人識くんが全く伸びない身長を気にしてて、毎日牛乳をのんでたり、トレーニングと称して鉄棒にぶら下がったり、心なし底の厚い靴ばかりをチョイスしている事とか、そんなことわたしは一切知りませんからねー」

人識「てめぇ、その口閉じろぉ! あと全くじゃねぇ! ちっとは伸びてる!」

いーちゃん「えー、それでは今回はですね―――」

人識「勝手に進めんなよ。あとさっきから、今回今回つってるけど、前回がねーんだよ。何をやらせようってんだよ?」

いーちゃん「―――えー、今回はですね。そこにいる伊織ちゃんと、あともう一人特別なゲストを用意して、京の都。京都を周り観光をしていただこうという企画になっております」

人識「京都観光?」

伊織「そうなんですか?」

人識「何で、お前知ってないんだよ」

人識「あと、特別ゲストって誰だよ?」

いーちゃん「はい。それでは人識さんと伊織ちゃんには、特別ゲストが誰なのか予想をしてもらいましょう」

人識「はぁ~?」

伊織「やすちーか、慈恩くんですかね?」

人識「誰だよ!」

伊織「わたしのクラスメイトです」

人識「そんな奴連れて、どうしろってんだよ」

いーちゃん「お前は誰だと思うんだよ?」

人識「あぁ? 分かる訳ねーだろ?」

いーちゃん「いいから、言ってみなよ」

人識「……出夢?」

いーちゃん「ちなみに、何でそう思ったの?」

人識「何だっていいだろうが! いいから、さっさと紹介しろよ!」

いーちゃん「そうだね。では、紹介しましょう。今回のゲストは、こちらです」

出夢「ぎゃははは。人識久しぶりーっ!」ダダダッ

人識「マジであいつかよ……」

いーちゃん「零崎正解。伊織ちゃんは残念ながらハズレとなります」

伊織「うな~。残念です」

出夢「さすが愛しき人識だな。よく僕だって分かったじゃん!」ギュー

人識「抱きつくなっつーの! 以前読んだSSで、俺とお前と欠陥製品で北海道に行ったSSがあったから、何となくそう来ると思ったんだよ」

出夢「はぁん。そうかい」ギュー

いーちゃん「えー、それではですね。この4人で今日から4日間。京都を存分に観光していただこうかと思います」

人識「おい大丈夫かよ、これ……」

いーちゃん「はい?」

人識「このメンバーで京都観光とか不安しかねーんだよ」

出夢「まぁ、大丈夫じゃね?」

人識「お前が一番の不安要素なんだよ! 唯一お前だけだからな、国指定文化遺産をぶっ壊してんのは!」

伊織「まぁ、文化遺産を壊す人が何人もいられたらお国さんもいい迷惑ですけどね」

人識「本当に大丈夫なのか?」

いーちゃん「大丈夫だよ」

人識「軽ぃんだよ、お前の言うことはよ~」

出夢「んで、おにーさん。まず一発目はどこに行くんだ?」

いーちゃん「まず最初に向かうのは、東寺に行こうかと思ってるよ」

人識「東寺?」

伊織「っていうことは、駅の向こう側じゃないですか?」

いーちゃん「そうだね。まずは駅構内の南北自由通路を通って八条通に出るよ」

人識「だったら最初っからそこに集合でよかったじゃねーか」

出夢「確かになー」

いーちゃん「まぁまぁ、ほらじゃあ早速行く前に、目の前にあるのが京都タワーだよ」

人識「さっきから見えてたけどな」

出夢「おー、意外と小さいな」

伊織「一回修学旅行で登ったことがあるんですけど、結構高いんですよ」

いーちゃん「一階は名店街になっていて、色んなお店も物が売ってるから旅行のお土産を買う際は最後にここに寄ると便利だよ」

人識「はぁん。まぁ、お土産なんか買わねーけどな」

いーちゃん「お土産を買う相手がいないもんな」

人識「あぁん!?」

伊織「大丈夫ですよ、例えお土産を買う相手がいなくても、一匹狼(笑)の人識には問題ありませんから」

人識「(笑)とか言ってんじゃねーよ! お土産を買う相手くらいいるわ!」

いーちゃん「例えば?」

人識「………変態兄貴、とか」

ポンッ

いーちゃん・伊織「」ウンウン

人識「優しげな顔して肩叩くんじゃねぇ!」

出夢「大丈夫だぞ、人識。僕がちゃんともらってやるから!」

人識「お前はこれから一緒に京都観光に行くんだろ!」


http://i.imgur.com/dihsq4s.jpg

いーちゃん「それじゃあ、早速行こうか」スタスタ

出夢・伊織「はーい!」スタスタ

人識「歩いていくんかよ。東寺行きのバスとかねーのか?」スタスタ

いーちゃん「あるけど、バスに乗っていくよりも歩いて行ったほうが早いんだよ」

人識「マジかよ」

いーちゃん「南北通路は結構混むからはぐれないように気をつけてね」

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八条通り


伊織「何か工事してますね」

いーちゃん「何か今南口広場の整備を行ってるみたいなんだ」

人識「はぁん」

いーちゃん「本当は烏丸通真っ直ぐ行って九条通に出ようかと思ったんだけど、今回は油小路通りから九条通に出るね」スタスタ

人識「あいよー」スタスタ

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東寺


いーちゃん「着いたよー」

人識「意外と近かったな」

出夢「門くぐると、すぐ目の前に何か建ってるな」

いーちゃん「あれは金堂って言って、あそこには薬師如来を始めとして、右側に日光菩薩。左側には月光菩薩が納められるだよ」

伊織「へー」

いーちゃん「ちなみにぼくが君たちに最初に見せたかった最初の建造物だよ」

出夢「そうなのか?」

人識「もう京都タワーとか色々見せられたけどな」

伊織「何で、わたし達にこれを最初に見せたかったんですか?」

いーちゃん「実はこの東寺は、平安最古の遺構と言われてて、平安遷都とともに建立された建物なんだ」

出夢「へぇ」

いーちゃん「そして、東寺が創建されて初めに工事されたのがこの金堂なんだよ」

いーちゃん「京都観光をするにあたって、平安の始まりとも言える東寺から観光するのは京都に対する礼儀でもあり、君たちに知ってもらいたいことでもあったんだ」

出夢「……うん」

伊織「………」

人識「……意外と真面目に考えてんじゃねーかよ」

いーちゃん「まぁね」

伊織「では折角ですし、この金堂の前で記念撮影でもしますか?」

出夢「お、いいねぇ!」

人識「はぁ? 別にいいって」

出夢「いいから、ほら人識が真ん中な!」グイッ

人識「押すなっつーの」

伊織「すみませーん。写真いいですかー?」

司馬「はい。いいですよ」

いーちゃん「っ!??」

伊織「さぁ、いーちゃんさんも真ん中にどうぞー!」

いーちゃん「いや、あの人……。え? 何で生きて―――」

司馬「では、撮りますよ」

伊織「ほらほら、笑ってくださーい!」

出夢「ぎゃははは。イェーーーーーイッ!」ピース

人識「だから、押すなっつーの!」

いーちゃん「いや、あの人―――」


カシャッ


ちなみに、写真には真ん中に困惑してるいーちゃんとしかめっ面の人識、右側にはいーちゃんの肩に両手を置いて満面の笑顔の伊織、左側には人識に寄りかかりピースする出夢が写っていた。

東寺 南大門
http://i.imgur.com/SB1yMoW.jpg
金堂
http://i.imgur.com/GA34X2y.jpg


いーちゃん「ちなみにこの金堂とその後ろにある講堂と食堂は中に入ることができるよ」

出夢「マジで!? じゃあ、早速入ろうぜ!」

伊織「でも、これどうやって金堂まで行くんですか? 柵で囲われてるんですが?」

出夢「んなもん、乗り越えればいいじゃねーか」

人識「やめろ!」

いーちゃん「金堂は一回境内の奥まで進んで、食堂の横にある受付所で受付をしないと入れないよ」

人識「金取るのかよ~」

いーちゃん「当たり前だろ」

伊織「じゃあ、早速行きましょう!」タタタッ

出夢「おっしゃあ、一番は僕だぜ!」タタタッ

いーちゃん「二人とも境内は走らないで!」


食堂


いーちゃん「実はここには観音様とそれを守護する四天王が飾られてたんだけど、1930年に火事で焼けちゃったんだ」

伊織「そうなんですか!?」

いーちゃん「観音様は修復されて、今食堂の裏の方にある宝物館に置いてあるんだ」

人識「さっき素通りしちったな」

出夢「なー。御影堂ってとこには寄ったけど」

いーちゃん「けど、四天王像はまだ修復されてなくて、食堂の左奥に飾ってあるよ」

伊織「これですかー?」

いーちゃん「そう、それそれ。左から持国天。増長天、広目天、多聞天だよ」

出夢「へー」

人識「随分、酷く焼けてんなぁ……。腕とか取れちまってんじゃん」

伊織「本当ですね。何か可愛そうです……」

出夢「早いとこ修復してもらいてーな」

いーちゃん「だったら、食堂の入口の前で修復金を募集する箱があるから寄付してみる?」

人識・出夢・伊織「いや、いいや(です)」

いーちゃん「じゃあ、受付して講堂・金堂の方にも行っていようか」

受付「一人800円です」

人識「結構取られるな……」

いーちゃん「ここ一月は高いんだよね」

伊織「あ。あぶらとり紙売ってますよ! どうしましょう、買っちゃいますかね~」

出夢「どうすんだ~?」

伊織「うう…。買います! すみません。お一つください!」

人識「おーい、いつまでも購買にいねぇーでさっさと券買えよ」

出夢「あいよー。伊織ちゃん、先行ってるぜー」

伊織「ちょ、ちょっと待ってください! あ、袋いりません」アタフタ

講堂
http://i.imgur.com/S3MaHdD.jpg


いーちゃん「ここが講堂だよ」

出夢・伊織「へー」

いーちゃん「ここは東寺のちょうど真ん中に位置する建物で、国立の東寺を託された空海が人生の全てを注いで伝えようとした密教の中心的な建物なんだ」

伊織「あ、空海は学校の授業で聞いたことがあります!」

いーちゃん「ちなみにここの中心に飾られてる大日如来は宇宙の中心とされてるよ」

人識「宇宙!?」

伊織「急に規模が大きくなりましたね」アハハッ!

出夢「早速中入ってみようぜー」

いーちゃん「ちなみに中は撮影禁止だから」

人識「はぁん」

伊織「では早速入りましょう!」ガチャ


オーー!イガイトオオキイナ。
ナンカマワリニモナニカイマスネ
チナミニ、アノニョライゾウノシタニシカレテルシュミダンノシタカラハ2000ネンノシュウリコウジノサイ、ウスイキヲヤイタアトガハッケンサレテ、イロイロショセツハアルケド、クウカイガゴマヲヤイタアトジャナイカッテイワレテルンダ。
ヘー


伊織「いやー、楽しかったですね~」ガチャ


五重塔
http://i.imgur.com/pWJk96d.jpg


いーちゃん「さて、金堂も見たし、最後は東寺で一番の見所の五重塔だよ」

伊織「来ました! 五重塔!」

出夢「でけぇな~」

いーちゃん「高さで言うと55mあって、日本の木造建築物の中では一番の高さと言われてるんだ」

人識「そういや、ここ来るときに乗ってきた新幹線の南窓から見えたな」

いーちゃん「五重塔はよく住まい場所とか、お坊さんの修行場と勘違いされてるよね」

伊織「え? 違うんですか?」

いーちゃん「うん。本来五重塔は仏陀の遺骨を納めるいわゆるお墓みたいなもので、実際、この五重塔には空海が唐より持ち帰った仏舎利が納められてるんだ」

伊織「へぇ」

いーちゃん「実際中に入れるから、行ってみる?」

出夢「お、マジで? 行こうぜ行こうぜ!」

人識「伊織ちゃんも行くか?」

伊織「当たり前です!」


五重塔内部
http://i.imgur.com/Na9AC6P.jpg


いーちゃん「分かってると思うけど、内は撮影禁止だからね」

出夢・伊織「はーい!」

人識「へぇ。本当に建物真ん中に一本の柱が建ってんだな」

いーちゃん「ちなみにこの一本柱は予算と人員削減のために採用された建築方法なんだって」

人識「マジで!?」

伊織「でも、それが結果的に伝統として語り継がれるてるんですから、何がどうなるか分からないもんですよね~」

人識「だな~」

伊織「にしても、本当に太い柱ですね」

いーちゃん「当時、山の中でこの材木を見つけた空海が皇帝に材木を見つけたはいいけど運べないんで手伝ってくださいってお願いしたみたいだよ」

伊織「へぇ」

出夢「さすがにこの柱は僕でもへし折れるか分からないな~」

人識「清水寺ぶっ壊しといてよく言うわ」

いーちゃん「頼むから試さないでね」

ちょっと、飯&風呂休憩してきます。

21時半には再開します。

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駐車場入口


いーちゃん「さて、東寺も充分観光できたと思うし、次に行こうか」

出夢・伊織「おー!」

人識「んで、次はどこ行くんだ?」

いーちゃん「このまま、この大宮通を北に行ってお西さんに行ってみようと思うんだ」

出夢「お西さん?」

人識「どこだよ?」

いーちゃん「西本願寺のことだよ。地元の人は皆そう呼んでんだ」

人識「はぁん。西本願寺ね」

伊織「あ、わたし西本願寺知ってますよ! 親鸞が建てたんですよね?」

いーちゃん「うん。正式名称は『龍谷山 本願寺』って言うんだけどね」

人識「どうすんだ? 今度はバスで行くのか?」

出夢「ちょうど目の前にバス停もあるしな」

いーちゃん「そうだね。お西さんまで意外と距離あるし、バスもあと五分くらいでくるし」

人識「んじゃ、ちとそこベンチ座ってるか」ドスッ

出夢「んじゃ、僕は人識の上に座るかな~」ドスッ

人識「くっつくんじゃねーよ! 重い!」

伊織「じゃあ、わたしはその上に―――」

人識「頼むから、やめてくれ!」

いーちゃん「じゃあ、皆にはこれを渡すね」スッ

出夢「ん? 何だ、これ?」

伊織「一日乗車券カード?」

いーちゃん「さっき、京都駅前の案内所で買って来といたんだ」

いーちゃん「これさえあれば、京都市内の市バス・京都バスが一日乗り放題になるんだよ」

人識「へー、用意いいじゃねーかよ」

バス『東寺東門前ー。東寺東門前ー』

人識「お、来た来た」

伊織「一番乗りですー!」ダッ

出夢「二番乗りーーっ!」ダッ

人識「駆け込み乗車すんな」スッ

いーちゃん「できるだけ前の方に行ってね」スッ

伊織「結構人が乗ってますね」

いーちゃん「まぁ、今がシーズンだからね」

人識「出来るだけ、前の方に行くんだよな」グイグイッ

出夢「おい、人識。人の尻触んなよ」

人識「触ってねーよ!」

伊織「うぅ。キツイですぅ」

バス『発車します。発車します。お立ちの方は近くの手すり吊り革にお掴まりください』

人識「お、出発したな」

いーちゃん「次のバス停の京都水族館前で降りるから」

伊織「次のバス停で降りるですか?」

いーちゃん「うん。そこが一番総門から近いからね」

人識「本願寺前のバス停はないんかよ?」

いーちゃん「あるけど、このバスはそこに停まらないんだよ」

伊織「そうなんですか~」

出夢「おい。だから人識。僕の尻触んなよ。発情するのは僕的にはどんと来いだけど、人の目を気にしろって」

人識「だから触ってねーつってんだろ! 名誉毀損もいいところじゃねーか!」

出夢「あ? じゃあ、一体誰が?」クルッ

薙真「あ……」

出夢「あ?」

薙真「いえ……、あの……。本家がどんなものかと思いまして……」


この後、滅茶苦茶使命を実行した。

バス『京都水族館前ー。京都水族館前ー』

出夢「ったく。何だったんだ? あの変態野郎は」

伊織「そういえば、わたしもあの人に身体触られたことあります」

いーちゃん「お前も気を付けろよ」

人識「何で、俺が気をつけるんだよ!」

いーちゃん「だって、お前女装とかしたら結構それっぽくなりそうだし」

伊織「あー。確かに人識くん。言動とかあれですけど、顔とかよく見ると幼い顔してますし、意外といい線行きそうですね」

出夢「どうだ? いっちょ女装でもしてみるか?」

人識「女装なんか絶対にしねーから!」

伊織「それより、西本願寺はどっちですか?」

いーちゃん「こっちだよ」

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西本願寺 御影堂門前
http://i.imgur.com/udUjkWl.jpg


いーちゃん「はい、到着」

伊織「ふぁ~。立派な門構えですね~」

いーちゃん「ちなみに、その門の道路を挟んで反対側にある総門をくぐって正面通を行くと東本願寺があるよ」

出夢「はぁん。じゃあ、ここ参拝し終わったら次はそっち行くか」

伊織「賛成でーす!」

人識「にしても、随分広い道路だな」

いーちゃん「堀川通って言って、京都の真ん中を通ってる道路だからね。一番広いって言っても過言じゃないよ」

人識「はぁん」

伊織「人識くんー。早く中には入りましょうよう」ブンブン

出夢「おにーさんもだぜ。ガイド役がいなきゃつまんないからなー」ブンブン

人識「ったく。ちっとは静かにできねーのかよ」

いーちゃん「まぁ、元気なのはいいことだと思うよ」

出夢・伊織「「おーい」」

人識「はぁ」

いーちゃん「うん」

いーちゃん・人識「今行く」スタスタ


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御影堂
http://i.imgur.com/1n7tpyS.jpg


出夢「うお~~~。想像してたよりもでっけぇな~」

伊織「ですです~」

いーちゃん「と言っても高さは29mしかないんだけどね。けど東西は48m、南北には62mあるんだよ」

人識「はぁん。高さもあるけど、横も広いから壮観だな。実際の高さとかよりも大きく見えるわ」

出夢「すっげぇな……」

伊織「何か、よく見ると前にすのこが引いてありますけど、もしかして上がれるんですか?」

いーちゃん「うん。建物の中に入ることもできるし、隣の阿弥陀堂に繋がる廊下も渡ることが出来るよ」

出夢「マジで。行こうぜ!」

いーちゃん「その前にちゃんと参拝してからね」

伊織「はーい」

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御影堂内
http://i.imgur.com/LLuJtvh.jpg
http://i.imgur.com/nbh6eYk.jpg


人識「実際入ってみると、結構雰囲気あるなー」

伊織「何か大河ドラマの中に入ったみたいですねー」

出夢「ギャハハハッ! この部屋の中超金ぴかだぜー!」

いーちゃん「この部屋の中心には親鸞聖人の木像が飾ってあって、左右に本願寺歴代門主の御影が置いてあるんだよ」

伊織「ん~。扉が閉まってて、よく見えませんね~」

出夢「柵の向こうに行っちゃダメなのか?」

いーちゃん「うん。絶対にやめてね」


そろそろ眠くなってきたので、今回はここまでにさせていただきます。
何か質問等があればじゃんじゃん聞いてください。答えられる範囲でしたら答えさせてもらいます。
又、この4人以外で出して欲しいキャラクターがいらっしゃいましたら、どうぞご要望ください。可能な限り出していこうかと。

では、次回更新は13日(水)に更新します。
よかったら見てください。

楽しみにしてる

次回の混物語は潤さんらしいから、記念に赤い人を前面に押し出そう

>>32
ありがとうございます!
>>33
すみません。赤の人は締めに使う予定なので今は出せません。
>>
了解しました!
今日中に出せるよう頑張ります!

待ってくれてる人が居るかどうか分かりませんが、お待たせいたしました。
さらっと、戯言を開始します。

人識「にしても、本当に広いな」スタスタ

出夢「うおおおおおおおおおおおっ!?」

人識「」ビクッ

伊織「出夢さん、そんな大きな声出して、どうしたんですかぁ?」

出夢「ちょ、伊織ちゃん。これ見てみろよ!」

伊織「何か、凄い物でも見つけたんですか?」スタスタ

出夢「ああ。見たら驚くぞ! 驚くっつーか、轟くぞ!」

伊織「ちょ、出夢さーん。そんなハードル上げていいんですかぁ~。伊織ちゃんはそんなちょっとやそっとのことでは驚いたりはしな―――どぅえええええええええええええええっ!!」

人識「さっきからうっせぇーーよ! 寺の中では静かにしろよ!」

伊織「ちょっと人識くんも、これ見てみてくださいよー」

人識「あぁん。んだよ、一体?」スタスタ

http://i.imgur.com/aILliK3.jpg


人識「うおっ!? 何だこれ?」

伊織「ハート型の模様が柱にありますよ」

出夢「な? 凄いだろ?」

人識「確かに、これは凄ぇな」

いーちゃん「皆、そんな所に集まってどうしたの?」

人識「お前どこ言ってたんだよ?」

いーちゃん「いや、トイレだけど。それよりも皆何してるの?」

伊織「ちょ、これ見てくださいよ!」チョイチョイ

いーちゃん「ん?―――ああ、ハートの埋め木か」


出夢「ハートの埋め木?」

いーちゃん「うん。西本願寺の御影堂・阿弥陀堂の縁側や廊下には 亀裂や穴を補強するために『埋め木』という方法で修繕がされてるんだ」

伊織「へー」

いーちゃん「そして、その修繕した人のお茶目心でこういう風にハート型や―――ほら、あそこには富士山型の埋め木が隠れてるんだ」

出夢「うおおおっ! 本当だ!」

伊織「じゃあ、廊下や柱なんかを探せば、他にも模様が隠れてるってことですか?」

いーちゃん「うん。結構至るところに隠れてるから探してみても面白いかもよ」

出夢「よっしゃあ! 伊織ちゃん! どっちが多く模様見つけられるか勝負しようぜ!」

伊織「望むところです! 負けたほうがお昼をご馳走するっていうのはどうですか、人識くんっ?」

人識「いや、俺はやらねーぞ」

出夢「じゃあ、3人で一番ビリが上二人にお昼をご馳走でいいな!」

人識「だからやんねーっつてんだろ!」

伊織「よーーい、ドンッ!」ダダダッ

出夢「よっしゃあああっ!」ダダダッ

人識「なっ、ちくしょう!」ダダダッ

いーちゃん「境内は走らないでねー」

西本願寺 境内
http://i.imgur.com/wJbSU2M.jpg
http://i.imgur.com/u74xaAd.jpg


人識「にしても、本当に雰囲気があるよな」ズリズリ

いーちゃん「そうだね。今日は天気もいいから尚更だね」

人識「この渡り廊下を渡ると阿弥陀堂か?」ズリズリ

いーちゃん「そ。中央に本尊阿弥陀如来の木像、左右にインド・中国・日本の念仏の祖師七師と聖徳太子の影像が置かれてるんだよ」

人識「はぁん。こっちもこっちで結構大きいな」ズリズリ

いーちゃん「まぁ、隣の御影堂と比べると小さく感じるけどね」

いーちゃん「高さは25mで、東西に42m、南北には45mってとこだよ」

人識「それでも、かなりの大きさだな」ズリズリ

いーちゃん「……なぁ、人間失格」

人識「何だ? 欠陥製品」ズリズリ

いーちゃん「いい加減四つん這いになって床を這うのやめろよ」

人識「ふざけんな。負けたらどうすんだよ」ズリズリ

阿弥陀堂前
http://i.imgur.com/fXlHzGX.jpg


出夢「イエーーイッ! 5個見つけたぜ!」

伊織「わたしは4個見つけました」

人識「……1個だ」

伊織「では、人識くん。今日のお昼ご飯はお願いしますね」

出夢「人識先輩ゴチになりまぁーーーすっ!」ギャハハハッ!

いーちゃん「ねぇ、今お茶処でおしるこ配ってるみたいだけど、行く?」

出夢・伊織「行く(きます)!」

人識「へー、炊き出しなんてやってんだな」

いーちゃん「うん。ぼくも初めて知ったよ」

出夢・伊織「おっしるこ♪ おっしるこ♪」ルンルン


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


お茶処
http://i.imgur.com/Zx7Sw3R.jpg


人識「おっ。タダなのかよ、ラッキー」

いーちゃん「お前、いちいちケチくさいよな」

伊織「うわ~。凄く美味しそうです!」

出夢「姉さん! 僕のおしるこ団子多めでお願いね!」

子荻「はい、分かりま―――。って、何してるんですか?」

いーちゃん「え? あ、子荻ちゃん? こんなとこで何してるの?」

子荻「質問をそのまま返さないでください。最初に訊いたのはこちらです」

いーちゃん「あ、ごめんごめん。今、こいつらと京都観光してる途中でね。たまたま、ここでおしるこを配ってるって言うから来てみたんだ」

子荻「こいつらって……」チラッ

人識「……あ?」

出夢「イエーーーイッ!」横ピース

伊織「イエーーーイッ!」横ピース

子荻「……随分濃い4人を連れての観光ですね」

いーちゃん「子荻ちゃんこそ、こんな所で何してるの?」

子荻「私は―――」

観光客「すいませーん。おしるこくださーい」

子荻「あ、はい。分かりました。すみません。そろそろ休憩が入りますので、それまで外待っててもらえますか?」

いーちゃん「うん。こっちもごめんね。何か邪魔しちゃって」

子荻「これ、おしるこです。これ持って大銀杏の下で待ってください」スッ

いーちゃん「うん。わかったよ。皆、行こう」スッ

人識「え? 俺らも外に行くのか?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


大銀杏


子荻「お待たせしました」タタタッ

いーちゃん「ううん。別に待ってないよ」

人識「いや、結構待ったぞ? おしるこ、すでに食い終わっちまってるし」

伊織「人識くん。そういうのは嘘でも待ってないって言うところですよ」

出夢「そうだぞー。人識はそういうとこデリカシーが足りないよな」

人識「そういうものか~?」

子荻「これ、温かいお茶です。どうぞ飲んでください」

いーちゃん「あ、ありがとう。人数分。いいの?」

子荻「ええ。皆さんもどうぞお飲みください」

出夢「サンキューーーッ! さっすが巫女さんだな気が利くぜ!」スッ

伊織「ありがとうございます」スッ

人識「お、サンキュ。さっきは悪かったな」スッ

子荻「いえ、お気になさらず」

いーちゃん「それで、子荻ちゃんはこんな所で何してるの?」

子荻「本願寺を前にこんな所って結構失礼ですね。まぁ、それはさておき―――。私は、一姫に頼まれてバイトの手伝いをしてるところです」

いーちゃん「そういえば、姫ちゃん、最近バイトを始めたって言ってんたな……」ゴクゴクッ

子荻「私も、年末年始は仕事休みになってますので。いい機会ですし、ちょっとやってみようかと思いまして」

いーちゃん「そうなんだ」ジーッ

子荻「……何ですか?」ゴクッ

いーちゃん「いや、巫女さん姿似合ってるね」

子荻「ブーーーーーーーーーッ!!」

人識「ぎゃああああああああああああああああああっ!!」

子荻「きゅ、急に何ですかっ!?」

人識「てめぇが急に何なんだよっ!?」

伊織「うわっ、人識くんびしょびしょですね……」

出夢「この冬時期ぜってぇ寒いだろ」

子荻「す、すいません。大丈夫ですか?」

人識「これが大丈夫に見えるのかよ……」ズブヌレ

子荻「本当にすみません。今すぐタオルを持ってきますね」

人識「別にいいって。元はこいつが変なこと言ったせいだしな。けど、タオルは頼むわ……」

子荻「はい。少々お待ちください」タタタッ

伊織「大丈夫ですか、人識くん?」

人識「正直、くっそ寒ぃ……」ガタガタ

出夢「これ、タオルだけじゃ、どうしようもないよな?」

人識「だな。しょうねーから、一回ホテルに戻って着替え持ってくるか……」ガタガタ

いーちゃん「………」

出夢「おにーさん。ボーッとしちゃって、どうしたんだ?」

いーちゃん「んー? いや、今回泊まる宿って河原町通の方だから、取りに行ってる間に風邪ひいちゃうんじゃないかなって思って」

出夢「何だ? 今日泊まる宿って結構遠いのか?」

いーちゃん「凄く遠いって訳でもないんだけど、ここから直通のバスがないから何回か乗り換えなきゃ行けない所にあるんだ」

出夢「マジかよー。大丈夫そうか、人識?」

人識「……微妙なとこだな」ガタガタ

伊織「明らかに大丈夫そうじゃないですね……」

出夢「何とかなんねーのかよ、おにーさん?」

いーちゃん「んー……。あ、そうだ。一つだけいいこと思いついた」

出夢「お、マジでか!」

いーちゃん「うん。この方法ならきっと面白いことになるよ」

出夢「さすが、おにーさんだぜ! 頼りになるぅー!」

伊織(面白いこと?)

子荻「お待たせしました。これタオルです」タタタッ

人識「おー、サンキュ……」ガタガタ

いーちゃん「ねぇ、子荻ちゃん」

子荻「何ですか?」

いーちゃん「ここにさ、何かあったとき用の着替えとかってある?」

子荻「あるにはありますけど……」

出夢「お、マジでっ?」

いーちゃん「もし、よかったら、それを人識に着させてあげてくれないかな?」

子荻「え? でも……」

いーちゃん「子荻ちゃん。事態は一刻を争うんだ。このままでは零崎が風邪ひいちゃうかもしれないんだ」

子荻「そうですね」

いーちゃん「ぼくは大事な仲良しであるこいつが、ぼくの前で風邪を引いて辛い思いをしてるとこを見たくないんだ」

子荻「そ、そうですか……」

人識(何か、嫌な予感がしやがる……)ガタガタ

いーちゃん「だから、どうかこいつに着替えを恵んでくれないかな?」

出夢「頼む!」ペコッ

伊織「お願いします!」ペコッ

すみません。ちと頭がうまく回らないんで風呂入ってきます

子荻「分かりました。元は私の責任でもあるわけですし」

出夢・伊織「あざーーーーーーーーーーっす!」

子荻「では、零崎さん。こちらへどうぞ」スタスタ

人識「おー」スタスタ

出夢「人識の奴、大丈夫かな?」

いーちゃん「まぁ、大丈夫じゃない?」

伊織「にしても、こういう所で用意されてる洋服って大概ダサいやつしかないですからね。一体どんな格好で帰ってくるか楽しみですね」ニシシッ

いーちゃん「いや、こういう所では普通臨時用の洋服は用意されてないんだよ?」

出夢「え? そうなのか?」

いーちゃん「うん。一応勘違いしてるかもしれないけど、ここは寺院であって別にアミューズメントでも何でもないからね。お客様用の着替えなんて用意されてないよ」

伊織「じゃあ、人識くんは一体何を着に行ったんですか?」

いーちゃん「それは、零崎が帰って来てからのお楽しみってことで」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


10分後


子荻「お待たせしました」スタスタ

伊織「お、帰ってきましたよ」

出夢「どうだった?」

人識「どうもこうもねーよ……」

伊織「いや~。それにしても着替えがあって助かりましたね」

人識「うるせぇ黙れ」

出夢「おーい、どうしたんだ? 折角風邪引くのを回避したのにテンション低いじゃねーか」

人識「うるせぇ黙れ」

いーちゃん「おい、人間失格。折角子荻ちゃんが着替えを用意してくれたのに、その態度は失礼だろ?」

人識「うっせぇよ! 欠陥製品が正論いってんじゃねーぞ! 用意してくれたのはありがてぇけどよ、だからって何で着替えが巫女服なんだよ!」

いーちゃん「しょうがないだろ、ここ神社なんだから」

人識「しょうがなくねーよ! 他になんかあんだろ!」

子荻「すみません。替えの服がこれしかないんです……」

出夢「似合ってるぞ?」ニヤニヤ

人識「見てんじゃねーよ! やっぱ着替える! おい、俺の服返してくれよ!」

子荻「すみません。今洗濯機にかけてまして、お返しできません」

人識「何で洗濯機にかけてんだよ!?」

子荻「申し訳なかったので、洗って返そうかと思いまして」

人識「ありがた迷惑にも程がある!」

伊織「似合ってますよ?」ニヤニヤ

人識「だから、見てんじゃねーよ!」


いーちゃん「ありがとうね、子荻ちゃん。洗った服はぼくの家までに送っといてくれる?」

子荻「はい。分かりました」

いーちゃん「そういえば、子荻ちゃんは姫ちゃんのお手伝いでここに働いてるんだよね?」

子荻「ええ。そうですが」

いーちゃん「その割には姫ちゃんが全く見当たらないんだけど……?」

子荻「一姫は、今外本部の掃除に行っています。そろそろ帰ってくるはずなのですが……」

一姫「萩原さーん。本部の掃除終わりましたよ~」タタタッ

玉藻「ゆらぁ~~」タタタッ

子荻「おかえりなさい。ただし境内では走らないように」

一姫「はーい! って、師匠!?」

いーちゃん「やっはろー」フリフリ

一姫「何で師匠がここにいるんですかっ?」

いーちゃん「実は、カクカクシカジカでね」

一姫「師匠。カクカクシカジカじゃ分からないですよー?」

いーちゃん「……実は、後ろの友達と一緒に京都観光をしてるとこなんだ」

一姫「師匠に友達がいたんですかっ!?」

いーちゃん「失礼な! ちゃんといるよ!」


一姫「でも、師匠がマンションの方以外で、友達らしい方と話してるとこなんて滅多に見たことないですよ?」

いーちゃん「そんなことないよ。真心でしょ、理澄ちゃんでしょ、鈴無さんでしょ、それから………」

一姫「それから?」

いーちゃん「ぜ、零崎?」

人識「本当に少ねーな!」

いーちゃん「ちょっと待って、他にもいるから!」

人識「もういいって、無理すんな」

出夢「大丈夫だぜ、おにーさん。例えおにーさんが友達が少なくても、僕達はちゃんとおいーさんの友達だからな!」

伊織「そうですよ。ちゃんと私がそばにいてあげますよ」

いーちゃん「……うん。ありがと」

一姫「いい話ですね~」

いーちゃん「それより、姫ちゃんのバイト先ってここだったんだね」

一姫「はい。一度巫女装束というものを着てみたかったので」

いーちゃん「そうなんだ」

一姫「どうですか? 似合ってますか?」クルッ

いーちゃん「うん。似合ってるよ。可愛い可愛い」ナデナデ

一姫「えへへー、そうですかぁ~。そんなに褒められると照れちゃいますよ~」

子荻「………」

一姫「それにしても、師匠にもお友達がいたんですね」ジーッ

いーちゃん「え? その話掘り返しちゃうの?」

一姫「随分個性豊かな人たちですね」ジーッ

伊織「どうも、初めまして」ペコッ

人識「誰が個性的だよ……」

出夢「いや、その個性的なのはほぼ十割方お前を指してると思うぞ?」

人識「うっせーよ!」

一姫「あれ? あなたは―――」

出夢「よっ。久しぶり」

一姫「理澄さんじゃないですか! お久しぶりです!」

出夢「出夢な! 理澄は俺の妹の方だから!」

いーちゃん「理澄ちゃんは《人喰い(カーニバル)》の方だよ。出夢くんは《人喰い(マンイーター)》の方」

一姫「そうでしたか。それは申し訳ありませんでした」ペコッ

出夢「いや、いいって。瓜二つの双子だからな。間違えたって仕方ねーよ」

一姫「そう言って頂けてありがたいです。カーニバルファンタズムさん」

出夢「誰だよっ!? もはや原型が留まってねーじゃねーか!」

そろそろ眠くなってきたので、今回はここまでにさせていただきます。
今回西本願寺から全く動かなかった……。
コメント頂き、誠にありがとうございます。正直かなり励みになります。

次回更新は、1月18日(月)に更新させていただきます。
よかったら見てください。

おつ


澄百合の3人出してくれて感謝

戯言遣いの日常書いてた人だったりする?

まだか

来ないね(´・ω・`)

大変お待たせしました。>>1です。
旅行画像をアップロードしていた先のIDを忘れては入れなかったのと、決算間近でピリピリしていたので正直ほったらかそうと思っていたのですが、急遽やる気が出てきたので、今日から再度更新を始めようかと思います。
待っていていただいた方たちには本当に申し訳ございませんでした。

>>58 >>59 >>63
ありです!
>>61 >>62
待たせてしまって申し訳ございません。
>>60
そうですそうです! まさか、それを知ってる人が居るとは思いませんでした!
凄く嬉しいです!!

それでは、戯言を開始します!

玉藻「ゆらぁ~~。ひしときくんだ~」ユラユラ

人識「お? お前は―――」

玉藻「ひしときくん、刺してもいい?」

人識「いいわけねぇだろ!」

玉藻「そっかぁ~。残念だなぁ~」

人識「残念がるな」

出夢「よっ。僕もいるぜぇ」

玉藻「………? 誰だっけ?」

出夢「匂宮出夢だよ! 何で二人して、僕だけ名前を忘れてんだよ! いい加減泣くぜっ!?」

玉藻「悲しいときは泣けばいいと思う……よ?」

出夢「使うタイミングが明らかに間違ってるっ!」

玉藻「それより、ひしときくんは、何でここにいるの?」

出夢「無視かよっ!」

人識「『ひとしき』な。俺はただの観光だよ」

玉藻「ふ~ん。観光って、なにを見るの?」

人識「そりゃ~。寺とか神社とかそんなもんだよ」

玉藻「………たのしいの、それ?」

人識「……まぁ、それなりにな」

玉藻「ふ~ん」

玉藻「あたしもきょうと観光に行きたいな~」

出夢「あ~? お前バイトはいいのかよ?」

玉藻「今日はもう終わったからだいじょうぶだよ」

人識「俺は別に構わねぇけど」

出夢「けど、これ以上人が増えっとさすがに、おにーさんが大変じゃねーか?」

いーちゃん「何の話ししてんの?」

出夢「この女が今日観光に着いて行きてぇんだと」

いーちゃん「そうなの?」

玉藻「いきたい」

出夢「さすがにこれ以上人数が増えるとキツいよな?」

いーちゃん「んー? まぁ、別に大丈夫だよ」

玉藻「やったぁ~」バンザーイ

一姫「あー、だったら姫ちゃんも行きたいです!」ノシッ

いーちゃん「ちょ、重たいって姫ちゃん」

一姫「姫ちゃんも一緒に連れてってください!」

いーちゃん「分かった。分かったから降りてよ」

一姫「わーい。師匠と京都観光ですー!」バタバタ

いーちゃん「暴れないでって……」


一姫「萩原さんも一緒に行きましょう!」

子荻「いえ、私はまだ仕事が残っているので」

一姫「いつも頑張ってるんですから、今日くらいは早めに上がらせてもらえばいいじゃないですか!」

子荻「いや、そういうわけには……。それに、あまり大人数になっては、この人にも迷惑になってしまいますから」

いーちゃん「別に迷惑なんかじゃないよ?」

子荻「しかし……」

いーちゃん「それに、ぼく一人でこのメンバー全員の面倒を見るなんて無理だからね。できれば、もう一人世話役を欲しいんだ」

子荻「……いいんですか?」

いーちゃん「うん。むしろ、こちらから、お願いしたいんだけど」

子荻「……分かりました。それでは、よろしくお願いしますね、ガイドさん」ニコッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


西本願寺前


一姫「お待たせしました~」タタタッ

出夢「お、私服一姫登場だな~」

伊織「巫女さん姿もよかったですけど、私服姿も可愛いですね」

一姫「ありがとうございます!」エヘヘ

玉藻「ひしときくん、似合ってる?」ボロッ

人識「すんげぇー、パンクファッションだな」

子荻「それは自分で引き裂いただけで、元はただのTシャツにジーパン姿ですよ」

人識「マジかよ……。まぁ、似合ってるし、いいんじゃねーの?」

玉藻「やったぁ~」

出夢「………けっ」

玉藻「ゆらぁ~」ユラユラァ

出夢「……んだよ?」

玉藻「似合ってる、って」ニコッ

出夢「~~~っ!」カチーンッ!

出夢「おい、人識! 僕の服見てどうよ! 似合ってるかっ?」ガーッ!

人識「拘束衣姿見て、どうもこうもねーだろっ!」

子荻「それで、これからどこに行くのですか?」

いーちゃん「そうだね、次はお東さんにでも行ってみようかな?」

伊織「お東さん?」

子荻「東本願寺のことですよ」

出夢「それって遠いのか?」

いーちゃん「いや、歩いて行ける距離だよ」

人識「じゃあ、今回はバスを使わなくていいんだな」

伊織「よかったですね~。さすがに痴漢にあったすぐに、またバスに乗るのには抵抗がありますからね」

一姫「痴漢、ですか?」

子荻「伊織さん、痴漢にあったのですか?」

伊織「いえ、私じゃなくって。出夢さんの方が痴漢にあったんですよ」

一姫「こんな拘束衣姿に興奮する人っているんですね」

出夢「お前、さっきからいちいち失礼だなっ!」

子荻「確かに。そういうことがあったというなら本日の移動は出来るだけバスを使わないであげたほうがいいかもしれませんね」

出夢「別に僕は大丈夫だけどな」

いーちゃん「まぁ、ここはみんなの気遣いに乗ってあげなって」

出夢「分かったよ……。ありがとうな」

人識「けっ。別にお前を心配してじゃねーよ」

伊織「ツンデレ乙です。気にしなくて結構ですよ~」ヒラヒラ

一姫「ええ、仲間を心配するのは当たり前のことですからね」

出夢「お前は何一つ心配してなかったけどな」

子荻「そういうわけですので、ガイドさん? ちゃんとプランの組立しっかりお願いしますよ?」

いーちゃん「分かってるよ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


東本願寺
http://i.imgur.com/j7yzHRn.jpg
http://i.imgur.com/MUE4GrW.jpg


人識「やっと着いたな~」

伊織「何で、西本願寺も東本願寺も同じ東の方向を向いてるんですかね? わざわざ迂回しないと入れないとか、凄く不便じゃないですか」

いーちゃん「こればっかりはぼくも分からないな。ただの偶然だと思うけど」

出夢「にしても、東本願寺も中々大きいなぁ」

一姫「うっきゃあああああああああああああっ!!」

人識・出夢「っ!!?」

伊織「一姫さん、どうしたんですか? 急に大きい声出して」

一姫「伊織さん、あ、あれ。あれ見てください! 凄いですよ!」

伊織「えー? 凄いって、伊織ちゃんはそんなちょっとやそっとのことでは驚いたりはしな―――どぅえええええええええええええええっ!!」

人識「またこの流れかよ……」

出夢「ちくしょう。乗り遅れた……」

人識「乗らなくていいっつーの」

玉藻「どうしたの~」ユラァ

一姫「西条さん、見てください! ほらあそこに鶴がいますよ!」

伊織「いえいえ、あれはトキですよ! よく見てください!」

子荻「いえ、あれはアオサギですよ」

玉藻「………? どれ?」



人識「へー。こんな都心部にアオサギがいるとか珍しいな」

出夢「めっちゃ可愛いな」

伊織「一姫さん、何か食べ物とか持ってないですかっ?」

一姫「バイト前に買ったフレンチクルーラーならありますよっ!」

??「っ!」ピクッ

伊織「なら、それをあげましょうっ!」

人識「やめろっ!」

出夢「なぁ、おにーさん。あのアオサギって結構見れるものなのか?」

いーちゃん「うん。結構よく見るよ。むしろ観光の際本堂よりも、そっちもメインに観に来る人とかいるくらいだし」

出夢「マジかよ。東本願寺立場ねーじゃん」

伊織「可愛いですねー」

一姫「ねー」

玉藻「あれ、殺してもいい……?」

子荻「やめなさい」


いーちゃん「そろそろ、入ろうか」

伊織「いやー。充分、もう満喫したって感じですけどね~」

一姫「ですです~」

人識「本堂入る前から何言ってんだよっ!」

出夢「そういや、さっき行った西本願寺と東本願寺って何が違うんだ?」

いーちゃん「結構難しい質問だね……。うーん。まず根本的に西本願寺、東本願寺っていうのは通称で正式名称は違うんだよね」

人識「ああ、さっきもそんなこと言ってたな、西本願寺の正式名称が確か………なんだっけか?」

伊織「ちょっと、しっかりしてくださいよ~。人識くん」

人識「うっせーよ、じゃあ、お前は覚えてるんかよ?」

伊織「いえ、さっぱり」

人識「こいつっ……」

出夢「おいおい、しっかりしろよ二人とも。ちゃんとおにーさんの言うとこと聞いてたのか?」

人識「……じゃあ、お前は聞いてたっていうのかよ?」

出夢「あったりまえだろ!」

人識「じゃあ、何て名称だよ?」

出夢「聞いてたけど忘れたっ!」

人識「結局誰も覚えてねーんじゃねーかよっ!」

伊織「しょうがないじゃないですか~。そもそも>>1が二ヶ月近く、スレを放ったらかしにしてるのが悪いんですよ」

出夢「そうだそうだ。二ヶ月近く西本願寺で放ったらかしにされてる、僕らのことも考えろよ」

人識「急にメタ発言入れてんじゃねーよ! 誤魔化されねーからなっ!」

いーちゃん「まぁ、メタはどうでもいいけど、せめてガイドで案内したことは覚えてもらいえると嬉しいかな」

人識「メタはいいかんよ……」

一姫「それで正式名称はなんて言うんですか?」

いーちゃん「ああ、うん。西本願寺は正しくは『龍谷山 本願寺』。そして、ここ東本願寺は『真宗本廟』って言うんだ」

子荻「ちなみに、『龍谷山 本願寺』は浄土真宗本願寺派の本山。『真宗本廟』は真宗大谷派の本山なんですよ」

人識・出夢・伊織・一姫「へー」(何言ってるかさっぱり分かんね……)

いーちゃん「詳しくはぼくもよく知らないけど、違いって言うと、お西さんは豊臣秀吉が創って、お東さんを創ったのは徳川家康ってくらいかな」

出夢「……え? それだけ?」

伊織「何か、あっけないですね」

いーちゃん「だから、ぼくも詳しくは知らないんだって……」

一姫「萩原さんは知ってますか」

子荻「そうですね、もう少し補足するなら、本願寺は元々は一つでそれが徳川家康の政略で分裂したことが始まりなんですよ。昔、戦国時代の頃、石山合戦で一向宗(本願寺派)の本山である石山本願寺が武装解除に応じたことで、一向宗は石山本願寺から追われます。ちなみにその石山本願寺があった場所は今では大阪城が建ってます。そして秀吉の治世になり、本願寺派は京都の烏丸で本願寺の再興を許されます。その後、家康の宗教政策によって、当時、本願寺内で分裂状態が起きていたことを利用して、 教如を門主とし本願寺のすぐ東の土地を与え、本願寺を分立したのが真宗大谷派の始まりです。この本願寺の立地関係から、西と東という通称が付いたと言われてます。そのため、本願寺派と大谷派の違いは、政治的問題によって分裂が起きたのですから、教義上においてはほとんどありません。それゆえ東西の交流が戻るのも、さほど時間はかからなかったそうです。せいぜい、本願寺派中興の祖、蓮如上人の五帖御文の呼び方が、本願寺派が「御文章(ごぶんしょう)」と言って、大谷派が「御文(おふみ)」と言うことと、日常の勤行で読まれる「正信念仏偈」の節回しが微妙に違うことと、「南無阿弥陀仏」が本願寺派では「なもあみだぶつ」に対して大谷派では「なむあみだぶつ」と唱えることくらいです。あ。あと、焼香の回数が本願寺派は1回、大谷派は2回。お仏壇の様式が微妙に違いますね。まぁ、その程度の違いしかないんですよ」

人識・出夢・伊織・一姫「お、おう………」


子荻「ちなみに、浄土真宗西本願寺派という呼び方は誤りですし、そのような宗教団体はありません。また真宗東本願寺派というのはありませんが、浄土真宗東本願寺派という宗教団体はあります。これは、昭和56年に宗派の維持・運営をめぐる見解の相違により真宗大谷派から離脱・独立した宗派で、東京にある「東本願寺」が本山です」

いーちゃん(ぼく、いらないんじゃないかな……?)

玉藻「すぅ~。すぅ~……」

子荻「何か、先程までのことで分からないこととかありますか?」

人識(何がわからないのか分かんねぇよ……)

伊織(さっきの話のほとんどが理解できませんでしたからね……)

出夢(要するに、西が秀吉で東が家康ってことだろ?)

一姫(要するに一緒ってことですか?)

子荻「正直、私も歴史は分野外ですので、あまり詳しくはないのですが」

人識「いや、充分詳しいと思うぞ……。少なくともそこの欠陥製品よりかは役立ってるし」

いーちゃん「うっせぇよ……」

出夢「まぁ、何でもいいから、さっさと入ろうぜ」

伊織「そうですね~。さっきから門前でずっとお話して未だに中には入れてないですからね」

子荻「では、早速入りましょうか。ほら玉藻起きなさい」

玉藻「ふあっ……」パチンッ

一姫「レッツゴーですぅ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


東本願寺境内
http://i.imgur.com/ZiqUYM4.jpg
http://i.imgur.com/evbFSFa.jpg


人識・出夢・伊織・一姫「………………」

いーちゃん「あー、そういえばお東さんは今工事中だったね」

子荻「ちゃんと調べてくださいよ……」

いーちゃん「ごめん」

伊織「どうするんですか、これ?」

いーちゃん「まぁ、大丈夫だって。そこまで大きいな改装じゃないし、今回見て欲しいのは本堂の中じゃないし」

一姫「そうなんですか?」

いーちゃん「うん。さっきお西さんは豊臣秀吉が建てて、お東さんが徳川家康が建てたって話したでしょ?」

人識「ほとんど話してたのは、子荻の方だけどな……」

いーちゃん「建てた人、時代が違うから結構、東西見比べてみると同じようで微妙に違うんだよ」

出夢「へー」

いーちゃん「例えば、左にあるのが阿弥陀堂で、右側にあるのが御影堂なんだけど。お西さんと比べると何か違うよね?」

伊織「えー? 分かります?」

一姫「いえ、さっぱり分かりません」

人識「東本願寺の御影堂が二重屋根になってるってこととか、か?」

出夢「それだ!」

いーちゃん「うん、それもそうなんだけど。もっと根本的に違うよね?」

子荻「………あ、分かりました」

一姫「え? 本当ですか萩原さんっ!」

伊織「教えてくださいっ!」

子荻「これ、西と東で御影堂と阿弥陀堂の位置が逆ですよね?」


出夢「え?」

人識「は?」

いーちゃん「正解。さすが子荻ちゃんだね」

一姫「えーっと、さっきのお西さんは御影堂が左側にあって―――」

伊織「阿弥陀堂が右側にあったから……って本当です! 建ち位置が逆です!」

一姫「すごいですっ! 世紀の大発見ですっ!」

いーちゃん「いや、割と皆知ってるから」

人識「言われてみると、確かにそうだな……」

出夢「全然気付かなかったわ」

いーちゃん「さっき人間失格が言ったのも、そうだけど、東西で違いを見比べてみると結構面白よ」

人識「はぁん、なるほどなぁ」

伊織「この他にも何か違うこととかあるんですか?」

いーちゃん「うん。例えば、さっきぼくらが入ってきた阿弥陀堂門を見てみると、お東さんは大きく重厚で、荘厳な感じがするけど、お西さんは、何か少し派手だったでしょ?」

出夢「あぁ、言われてみれば……」

いーちゃん「これは、東は江戸時代以降の建物で、お西さんは派手好みの秀吉の色彩が色濃く、曲線的で優雅な安土桃山文化の遺構が多く残されているからなんだ」

人識「はぁん。そういった違いもあんだな」

一姫「勉強になるです~」

出夢「真面目で厳格な東本願寺に、派手ではっちゃけた西本願寺か~」

伊織「何か、東京と大阪みたいな違いですね~」

子荻「ちなみに東本願寺には国宝の建物は皆無で、世界遺産の指定から外れているんですよ」

いーちゃん「あ、それは知らなかった」

人識「おい、しっかりしろよガイド」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


東本願寺前


玉藻「ゆらぁ~~♪」ユラユラァ

一姫「意外と楽しかったですね~」

伊織「そうですね~。工事してるのを見たときはどうしようかと思いましたが」

出夢「始まる前は寺院とか古い建物とか見て何が面白いんだと思ってたけど、こうやって歴史的背景とか知ってみると、結構面白いな」

人識「まぁ、そうだな」

子荻「それで、次はどこに行くんですか?」

いーちゃん「次は宇治の方に行こうかと思ってるんだけど、どうかな?」

一姫「宇治ですか?」

人識「宇治つったら何があんだ?」

出夢「抹茶とかか?」

伊織「何言ってるんですか! 宇治といえば、宇治上神社とか、源氏物語の博物館とか。そして、何よりもあの、平等院鳳凰堂があるじゃないですかっ!」

一姫「おーっ! 十円玉ですねっ!」

伊織「ええ、十円玉ですっ!」

人識「そう言われてみれば、そうだな~。つか、やたらテンション高いな、お前」

伊織「伊織ちゃん、是非源氏物語ミュージアムに行ってみたいです!」


出夢「源氏物語ミュージアム?」

一姫「平等院じゃなくてですか?」

伊織「もちろん、そこも観に行きますが、伊織ちゃん的にはこっちの方が興味あります!」

人識「お前、源氏物語とか好きなのか?」

伊織「ええっ!勿論! 女性の方で源氏物語を好きじゃない人はいませんよっ!」

出夢「いや、そんなことねぇと思うけどな」

一姫「萩原さんはどうですか?」

子荻「まぁ、私も読んだことありますし、嫌いじゃないありませんよ」

一姫「へぇ、そうなんですか」

子荻「ただ、私としても、もう少し一途でいて欲しいと言いますか……、もっと見ていて欲しいといいますか……」ゴニョゴニョ

いーちゃん「? 何か言った、子荻ちゃん?」

子荻「……はぁ、いえ。何でもありません……」


出夢「っていうか、そのゲジゲジ物語ミュージアムって何があんだ?」

伊織「源氏物語です。名前的に貴方が間違えたらダメですよね?」

出夢「その源氏物語ミュージアムって何があんだ?」

伊織「そんなの決まってるじゃないですか、源氏物語の舞台を忠実に再現した展示場がいっぱいあるんですっ!」

出夢「………それ、楽しいのか?」

伊織「楽しいに決まってるじゃないですかっ! 本の中の風景を実際に体験できるんですよっ!」

出夢「いや、その本を読んだことない側としたら、いまいち乗れねーんだよ……」

伊織「じゃあ、今読んでください! ほら、ここに文庫本があるで読んでください!」ドサドサッ

出夢「ちょ、こんな一気の読めるわけねーだろ! つか、どっから出した!」

一姫「源氏物語ってこんなに量があるんですね~」

子荻「これでも、恐らくかなり簡潔にしたものでしょうけどね」

人識「どんだけあんだよ……」

いーちゃん「源氏物語ミュージアムかぁ……」

伊織「お願いします! 是非行ってみたいんです!」

人識「展示見るのに、そんな必死になるか? 何だったら、今度一人でくればいいじゃねーか?」

伊織「それだけじゃないんですよ! ここには源氏物語動画館っていうのがあって、源氏物語の衣装や台本を貸してくれて記念の撮影ができるんですよ!」

一姫「へー、そんなのがあるんですか?」

いーちゃん「……いや、聞いたことないけど……」

伊織「ロ○きゅーぶ! でやってたから間違いありません!」

人識「他のアニメじゃねーか!」

いーちゃん「ごめん。伊織ちゃん。実際に源氏物語ミュージアムにはそんな施設はないよ?」

伊織「大丈夫です! そこは、ご都合主義でなんとでもなりますので」

人識「なるかぁ! 作品のご都合で実在する建物の施設を変えてんじゃねーよ!」

伊織「そこを何とかっ!」

いーちゃん「いや、ぼくに言われても……」

子荻「まぁ、いいんじゃないですか? 実際に動画館があるかないかに問わず、私も源氏物語ミュージアムには興味がありますし」

いーちゃん「んー。そうだね。まぁ、行くだけならいっか」

伊織「やったぁーーっ!」

人識「ったく。ガキかよ……」

伊織「ふひひ……。いーちゃんさんが源氏役で、人識くんが藤壺の……。いや、ここはあえて逆で……」ブツブツ

いーちゃん「なぁ人間失格。何か嫌な予感がするんだけど……?」

人識「奇遇だな。俺も丁度そう思ってたところなんだ……」


人識「んじゃあ、さっさと行こうぜ。宇治にはどうやって行くんだ?」

いーちゃん「一旦京都駅に戻って、電車に乗るよ」

一姫「宇治ですと、JR奈良線に乗る感じですね」

いーちゃん「だね。切符代はぼくが出すよ」

人識「お、マジで? サンキュー!」

出夢「おにーさん、太っ腹~!」

子荻「私たちの分は私たちで出しますよ?」

いーちゃん「いやいいよ。ツアー参加者に移動賃出さすわけにはいかないし」

子荻「でも、私たちは途中から勝手に付いてきただけですし……」

いーちゃん「いいからいいから。遠慮しないでって。その代わり、京都旅行をしっかりと楽しんでくれる方が、ぼく的に嬉しいかな」

子荻「……分かりました。それでは今回はお世話になりますね」

いーちゃん「うん。こちらこそ、よろしくね」

出夢「おーい、おにーさんがご飯もろともご馳走してくれるってよーーっ!」

「「「「「うぇーーーーーーーいっ!」」」」」

いーちゃん「ちょ! そこまでは言ってないよっ!?」

そろそろ眠くなってきたので、今回はここまでにさせていただきます。
長らくお待たせしまって、申し訳ございませんでした。今度からはちゃんと予告した日に投稿するように頑張りますので、どうか応援のほどお願いします。

では、次回更新は8日(火)に更新します。
よかったら見てください。

待っててよかった
おつおつ



正直諦めてた

>>84 >>85 待っててくれてありがとう!

遅れまして、すみません。
戯言を開始します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


宇治駅


人識「やっとこ付いたな」

いーちゃん「というより、お前いつまで巫女服着てんだよ?」

伊織「駅構内で、すんごく注目されてましたよね」

人識「仕方ねーだろっ! これしか着るもんねぇんだから!」

いーちゃん「似合ってるよ」

人識「嬉しくねーんだよ!」

一姫「えー? でも本当に似合ってますよ? 出夢さんも、そう思いますよね?」

出夢「ん? おう、そうだな~」ペラペラッ

人識「何読んでんだよ?」

出夢「源氏物語」

いーちゃん「しっかり読んでたんだ……」

出夢「意外と面白いぞ、これ」

人識「移動中も読んでて、人にぶつかんじゃねーぞ」

出夢「ぶつかんねぇように誘導してくれ~」ペラッ……

人識「ふざけんなっ、何で俺がそんなことしなきゃなんねぇんだよ!」

出夢「頼む~」

いーちゃん「誘導くらいしてやれよ」

人識「ちっ。勝手にしろ」

出夢「サンキュー」ギュッ

人識「……何で、裾掴んでんだよ?」

出夢「これなら、人識がしっかり人がいない方に案内してくれるだろ~」ペラッ…

人識「……木に突っ込んでやるよ」

出夢「愛してるぜ~」ペラッ……

人識「ちっ」


子荻「それでは、まずは平等院の方から行きましょうか」

いーちゃん「そうだね。じゃあ皆こっちだよ」スタスタ

伊織・一姫「はーーーいっ!」スタスタ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


平等院前


出夢「意外と近くにあんだなぁ」

伊織「そうですね。途中にあった表参道も賑わってて楽しかったですし」

一姫「あの、お茶っ葉を回しながら焼くやつも凄くいい匂いがしていましたっ!」

いーちゃん「ほうじ茶のことだね」

子荻「ここが平等院への入口ですか。中々静かで落ち着いた場所ですね」

いーちゃん「だね。立地的には住宅地の真ん中にある所なんだけど、何故か、ここだけは静かなんだよね」

子荻「不思議な場所ですね」

人識「そんなことより、さっさと観に行こうぜ」

伊織「そうですそうです! 平等院はすぐそこ、目の前ですよ!」

一姫「十円玉に乗ってる建物が見れるとか姫ちゃん楽しみですーーっ!」

出夢「ギャハハハハッ! じゃあ、その建物に乗っかってれば僕も硬貨に乗っかるかもしんねーのかっ?」

人識「んなわけねぇだろ! ぜってぇやめろよっ!」

伊織「お? 人識くん、それはフリですか?」

一姫「押すなよ、押すなよっ! ってやつですねっ!」

人識「常識的ツッコミだ!」

子荻「……風情もなにもありませんね」

いーちゃん「みんなー。ちょっと静かにしようか」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


平等院鳳凰堂


人識「おおー。意外と、そこまで大きくないんだな」

出夢「なぁ、十円玉から見る印象だともっと大きいもんだと思ってたんだけどなぁ」

いーちゃん「と言っても、高さ約13.5m、幅は約47m、奥行き約35mもあるんだけどね」

人識「結構でけぇなっ!」

伊織「ここって、元は源氏物語の主人公、光源氏のモデルとなった人物の別荘があった場所なんですよね」

いーちゃん「と、言われてるってだけだけどね」

子荻「この寺院は平安時代の後期に建立されたと伝えられてるんですよ」

一姫「平安時代ですかぁ。随分古い建物なんですねぇ」

人識「さっき見た東寺もそうだけど。平安から建物が建ち続けてるっていうのはかなりすんげぇよな~」

いーちゃん「まぁ、実際は建て直しだったり移転だったりして、そこに有り続けてるってわけじゃないけどね」

人識「本当に、お前には風情っていうものがねぇな!」

子荻「ちなみにここは府内でも数少ない、どこの宗派にも属していない。いわるゆ単立寺院と呼ばれている寺院なんですよ」

出夢「はぁん」

子荻「そして、ここにある文化財のほとんどは重要文化財よりも国宝の方が、多く所蔵されているんですよ」

一姫「重要文化財と国宝の違いってなんですか?」

いーちゃん「国宝→イチロー。重要文化財→松坂大輔」

人識「分かりやすいな」

伊織「じゃあ、ここでも折角ですし、記念撮影を撮りましょうよ!」

人識「またかよ……」

出夢「いいじゃねーか! 西本願寺と東本願寺じゃ色々あって撮り忘れてたしよ」

人識「行く先々で記念撮影取る気かよ」

いーちゃん「まぁ、折角の観光だし、いいんじゃないか?」

一姫「姫ちゃんも記念撮影したいですぅ!」

玉藻「ゆらぁ~~」

人識「ちっ。分かったよ。好きにしろよ」

出夢・伊織・玉藻「わーーーいっ!」

一姫「すみませーん。撮影お願いしてもらっていいですか~?」

安田「うん、ええよ~。これカメラ?」

伊織「っ!!? え? あの人って」

一姫「ほら、伊織さん。こっちこっちです!」

伊織「え? あ、はい。まぁ、いいですか」

出夢「ギャハハハッ! 人識~。一緒に撮ろうぜぇ」ギュー

人識「くっつくんじゃねぇよ」

玉藻「あたしも~」ギューー

人識「だからくっつくんじゃねーっつーの!」

子荻「ここ空いてますよ」スッ

いーちゃん「あ、ありがとう。子荻ちゃん」

一姫「伊織さん。十円玉ありますか?」

伊織「ありますよ~。姫ちゃんも間違えないでくださいねっ!」

一姫「間違えないですよ~」

美紗子「じゃあ、撮るで~」


カシャッ


写真には、両腕を出夢と玉藻に腕組された人識と、その隣で無表情にしてるいーちゃんと少し微笑んだ子荻。その前でしゃがみこみながら笑顔で十円玉を掲げた伊織と一姫が写ってた




人識「次はどこ行くんだ?」

いーちゃん「この奥にある『鳳翔館』に行こうかと思ってる」

人識「鳳翔館?」

いーちゃん「国宝の展示物が沢山飾ってあるところだよ」

人識「……そんな重要なとこに、こいつら連れてって大丈夫なのかよ?」

いーちゃん「大丈夫だろ」

人識「お前の大丈夫ほど不安にさせるもんはねーんだよ」

いーちゃん「そんなことないって」

人識「そんなことあんだよ」

いーちゃん「まぁ、流石に出夢くんたちも、国宝があるとこで騒いだりしたりしないって」

出夢「おおー。登ってみると結構でけぇなー!」

一姫「この金色の鳥さんも遠くで見るより大きいですよーーっ!」

伊織「あたしも乗せてくださいよーっ!」

玉藻「ゆらぁ~~~」ノジノジ

子荻「皆さん、早く降りてくださいっ! 玉藻も登らないっ!」ガシッ

人識「あれを見ても言えるか?」

いーちゃん「ちょっ!!!?」


出夢「追い出されちったな」

伊織「何ででしょうね?」

人識「当たり前だろうがっ!」

子荻「すみません。ちょっと目を離したばっかりに……」

いーちゃん「いや、子荻ちゃんは悪くなから」

人識「次どうすんだ?」

いーちゃん「もう1時過ぎてるし、表参道でお昼にでもしようか?」

伊織「賛成です!」

一姫「姫ちゃん、お寿司が食べたいです!」

人識「無茶言ってんじゃねーよ」

いーちゃん「分かった」

人識「あるんかよ!?」

いーちゃん「流石に専門店ってわけじゃないけど」

人識「マジかよ……」

http://i.imgur.com/esTbugi.jpg


いーちゃん「あー……」グーッ

人識「めっちゃ混んでんじゃねーかっ!」グーッ

伊織「ここに並ぶんですか~?」グーッ

出夢「もう他のところでよくねーか?」グーッ

一姫「姫ちゃんはお寿司が食べたいんですっ!」グーッ

子荻「と、言われましても。ここに並んでいたら、次の観光地を回る時間がなくなってしまいますよ?」グーッ

一姫「うぅ……」グーッ

いーちゃん「他のところでもお寿司が食べれるところがあるし、そっちにしようか?」グーッ

一姫「他にもあるんですかっ?」グーッ

いーちゃん「うん。ちょっと戻ることになるけど」グーッ

出夢「じゃあ、そっちでいいよな」グーッ

一姫「はい! 早くそこに行きましょう!」タタタッ

いーちゃん「姫ちゃん。そっちじゃないよ」グーッ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


カランカランッ


店員「いらっしゃいませー」

いーちゃん「7人ですけど、入れますか?」

店員「おニ階でよろしいですか?」

いーちゃん「いい?」

人識「別にかまわねぇよ」

いーちゃん「大丈夫です」

店員「こちらになります」スタスタ

伊織「結構せまいとこですね~」

出夢「なぁ~。7人座れんのか?」

一姫「姫ちゃん、窓側いただきます!」ピョンッ

出夢「あ、ずりぃ。じゃあ、僕は反対側の窓際いただき!」ピョンッ

伊織「では、あたしはこっちのテーブルの窓側をいただきます!」

人識「あんまはしゃいでんじゃねーよ」スッ

出夢「人識ー。隣座れよー」パンパン

人識「お前の隣に座ったら騒がしくって飯どころじゃねーだろ……」

出夢「じゃあ、僕がそっち行くわ」スクッ

人識「くんじゃねーよっ!」

玉藻「じゃあ、あたしも~~」ユラァ

出夢「てめぇは来んなっ!」

人識「てめぇもこっち来てんじゃねーよ!」

伊織「騒がしいですね~」

人識「てめぇが言うな!」

一姫「師匠ーっ! ここ空いてますよ~」

いーちゃん「ありがとう」スッ

子荻「では、私はここに」スッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

こうなりました

_____窓______

子荻 いー 一姫 伊織 

玉藻 人識 出夢


出夢「うん。これでいいよな」

人識「何で、俺が真ん中になってんだよ……」

子荻「何にしますか?」

出夢「伊織ちゃん、メニュー取ってくれよ」

伊織「今見てるんで、後でお渡しします」

出夢「いや、一緒に見ればいいじゃん! 何独占してんだよ!?」

一姫「伊織さんは、どれにしますか?」

伊織「そうですね~。この天ぷら定食というのがそそられますね~」

出夢「おい!」


子荻「何にしますか?」

いーちゃん「じゃあ、ざるそばで」

玉藻「おぎはら先輩と一緒でいいよー」

子荻「萩原です。では、私はこのかけそばでも頂きましょうか」

いーちゃん「お前は何にすんだよ?」

人識「あー。じゃあ、このまぐろの寿司と抹茶そばのセットの奴で頼むわ」

いーちゃん「あいよ」

子荻「こちらは決まりましたね」

人識「そっちは決まったか?」

伊織・一姫「決まりましたよー」

出夢「ちょっと待ってくれ! 今決めてるから!」

人識「早くしろよ」

出夢「分かってるよ!」

伊織「出夢さんって意外と優柔不断ですよね~」

一姫「ですね~」

出夢「てめぇらのせいだろ!」


出夢「よし! 決まった!」

いーちゃん「すみませーん」

店員「はーい」

いーちゃん「ざるそば一つとかけそば二つ。マグロの寿司と抹茶そばのセット一つと―――」

伊織・一姫「マグロ丼!」

人識「寿司じゃねーのかよ……」

出夢「んで、僕が抹茶そば単品と寿司の盛り合わせな!」

いーちゃん「随分頼むね、出夢くん!」

出夢「食えるときに食うのが僕の主義だからな」

いーちゃん「ぼくのお金だけどね!」

店員「繰り返させてもらいますね。ざるそば一つにかけそば二つ。抹茶そばとマグロのお寿司のセット一つにマグロ丼二つ。抹茶そばとお寿司の盛り合わせお一つでよろしいですか?」

出夢・伊織・一姫「はーーーーいっ!」

いーちゃん「………」

子荻「あの? 何でしたら、私が出しましょうか?」

いーちゃん「ああ、いや大丈夫だよ」

子荻「本当ですか?」

いーちゃん「うん。お金は沢山下ろしてきてるから」

人識「じゃあ、デザートも頼んでいいか?」

いーちゃん「もう好きにしなよ……」

http://i.imgur.com/JqJxyPR.jpg


店員「お待たせしました~」スタスタ

人識「お、来たなっ!」

子荻「私と玉藻のも来ましたね」

玉藻「おなかすいた~」グーッ

いーちゃん「これで全員分きたかな?」

出夢「僕のお寿司の盛り合わせはもう少し後に来るって言ってたぞ」

人識「抹茶そばは来てるんだからいいだろ」

伊織「伊織ちゃんのも来てますよ」

一姫「姫ちゃんのもですぅ」

いーちゃん「全員分来てるね、それじゃあ皆手を合わせて―――」


「「「「「「「いただきます!」」」」」」」



眠たくなってきたので、本日はここまで。
次回は3月15日(火)に更新します。

もし、よければ見てください。



記念写真でも昼食でもしれっといーちゃんの隣を確保する子荻ちゃんかわいい

戯言だ、ひゃっはー!


そろそろ双識お兄ちゃんがやきもきしそう

野球SS凄く好きでした!
今回も楽しみに待ってます

子荻ちゃん可愛すぎるんじゃ

>>100
ありがとうございます。
子荻ちゃんは生きてたら、絶対いーちゃん好きの美味しいキャラになってたと思うんだよね~。
>>101
レスくれた、きゃっほーーっ!
>>102
双識お兄さんはいつ頃出そうかなと結構悩んでるっす
>>103
おおーーっ!
野球SSも知ってる人が居るとは……。やべ、ちと泣きそう………(嘘)
>>104
子荻ちゃんは戯言キャラの中で5本の指に入るくらいに好きです!

本日は書き溜めが全く作れてない状況での投下なので少し遅く進行すると思います。すんませんした。
それでは、戯言を開始します。

伊織「醤油醤油~♪」

一姫「あ、伊織さん。次姫ちゃんにもください」

伊織「分かりました~」ヒョイッ

出夢「あ、ついでに七味も取ってくれよ」

伊織「自分で取ってください」

出夢「何でだよっ!」

伊織「姫ちゃん。どうぞ」スッ

一姫「ありがとうございます」

出夢「さっきから、お前ら僕に厳しくねぇか?」ヒョイ

伊織「そうですか?」

一姫「出会った時からこんな流れじゃなかったですか?」

出夢「原作じゃあ、僕こんないじられキャラじゃなかっただろ」サッサッ

人識「原作とか言ってんじゃねーよ」

一姫「でも、原作じゃあ何だかんだ言って姫ちゃんたち絡みありませんでしたよ?」

いーちゃん「姫ちゃん。ご飯の時くらいメタ発言はやめようか」

出夢「いや、描写がないだけで、ちゃんと僕がお前をズタボロにしただろ!」

人識「いいから黙って食えよ!」

いーちゃん「」ズルズル

子荻「七味はいりますか?」

いーちゃん「いや大丈夫だよ」

人識「あ、だったら俺にくれよ」

子荻「どうぞ」スッ

人識「サンキュー」スッ

玉藻「なにそれ?」

人識「七味だよ。知らねーのか?」

玉藻「美味しいの?」

人識「人それぞれだろうな」

玉藻「あたしも欲しい」

人識「別に好きにしろよ」スッ

玉藻「ありがとう」スッ

人識「辛いから、あんま入れ過ぎんなよ」

玉藻「うん」バッサバッサ

人識「聞けよっ!」

かけそば「」モッサリ

人識「どうすんだよ、これ……」

いーちゃん「食べ物で遊ぶなよ」

人識「俺じゃねーよ!」

玉藻「いただきます」

人識「はぁ!?」

玉藻「はふっ、はぐ。んぐ・・・・・・・んぐんぐっ」

人識「」

玉藻「くちゃくちゃ……あんっ。んっ。んぐっ………。ごちそうさまでした」

人識「お粗末さまでした……」

いーちゃん「お前もさっさと食えよ」

人識「ああ……」

玉藻「七味………いる?」

人識「いらねー……」


出夢「次はどこ行くんだ?」モグモグ

いーちゃん「ひふは、ほうひほうかははんへふんは」モグモグ

人識「食うか喋るか、どっちかにしろよ」

いーちゃん「」モグモグ

人識「おい、こいつガイド放棄しやがったぞっ!?」

いーちゃん「んぐっ。口の中のものを処理してただけだって」

人識「水で流し込めばいいだろうが。何で悠長に咀嚼してんだよ」

出夢「んで? どこ行くんだ?」

いーちゃん「んー。どうしようか? 鳳翔館には入れなかった分時間が余っちゃてるんだよね」

出夢「あれはビックリしたな」

伊織「急に出て行ってくれ、ですもんね」

一姫「ですねー」

人識「お前らは一回常識をしっかり学んで来い」

子荻「そういえば、玉藻はどうしました?」

人識「俺の膝を枕にして寝てる」

玉藻「」スピースピー

出夢「あぁ? こら、てめぇ。人識の膝は僕の枕だぞっ! 起きろっ!」ユサユサッ

人識「誰の枕でもねぇよ! つーか、折角寝てんだから寝かしてやれよ」

出夢「人識、そいつに甘くねぇかっ? 僕とそいつどっちが大切なんだよっ?」

人識「何でそんな話になんだよっ!?」

いーちゃん「イチャイチャするのはいいけど、そろそろ話戻していい?」

人識「イチャイチャなんかしてねぇ!」

子荻「話が進まないので静かにしてください」

人識「………」

いーちゃん「とりあえず、ここ表参道でブラリとしてから、伊織ちゃんが言ってた源氏物語ミュージアムでも行ってみようか?」

伊織「賛成です!」

人識「別にいいけどよ、本当に行くのか?」

いーちゃん「宇治上神社とか、JR奈良線に戻って奈良公園に向かうのもありなんだけど」

出夢「奈良公園って鹿が沢山いるところだろ? いいじゃねーか!」

伊織「何言ってるんですか! 源氏物語ミュージアムの方がいいに決まってるじゃないですか!」

子荻「しかし失礼ですけど、奈良公園の方が源氏物語ミュージアムよりかは有名どころですね」

一姫「姫ちゃん、そっちにいきたいです~」

伊織「うぅ……」

人識「俺もそっちの方がいいと思うぞ? 知らない奴からしたら対して興味ない場所だし」

伊織「で、でもっ!」

いーちゃん「大丈夫だよ、伊織ちゃん」

伊織「い、いーちゃんさん……?」

いーちゃん「今回奈良公園には行けないから」

出夢・一姫「えぇ~~~~~~~っ!!」

伊織「本当ですかっ!?」

いーちゃん「うん。本当」

人識「何でだよ? 別に奈良公園でもいいじゃねーか」

子荻「『行かない』のではなく『行けない』ってなると、何かしら事情があるのですか?」

いーちゃん「うん。まぁ、そこまで大した理由でもないんだけど」

人識「もったいぶらないで、さっさと言えよ」

出夢「そうだそうだ。僕たちを納得する理由をしっかりと話してくれないと、僕たちは納得しねーせっ?」

一姫「ですです~」

いーちゃん「いや、本当に大したことじゃないんだ。ただ根本的な理由でもあってね」

人識「根本的?」

いーちゃん「人間失格。今回、このスレのタイトルを覚えてるか?」

人識「スレのタイトルとか言ってんじゃねーよ」

いーちゃん「いいから、言ってみろよ」

人識「あぁ? 確か『いーちゃん「京都旅行行こう」 人識「お前の地元じゃねーか」』だろ?」

伊織「普通にスレタイ言い切りましたね……」

出夢「自分で自分のセリフのとこ言って恥ずかしくねーのかな?」

人識「うっせぇーよっ!」

いーちゃん「分かったか?」

人識「何となくだけどな……」

一姫「え? どういうことですか?」

いーちゃん「今回のテーマは『京都』旅行、なんだ。奈良公園は奈良県に所在してるから、そこに行くとスレタイに嘘付くことになっちゃうんだよ」

出夢「いや、別にそれくらいよくね……?」

いーちゃん「スレタイと安価は絶対っ!」

人識「あ、こいつ。スレタイと内容が一致しないと怒るタイプのやつだわ……」

出夢「めんどくせぇ……」

いーちゃん「というわけで、次の目的地は源氏物語ミュージアムにするね」

伊織「へへっ。やーりぃ♪」

人識「それ違うキャラだろ」

出夢「ちぇー。……まぁいいか」

一姫「でも、そのミュージアムで何するんですか?」

伊織「決まてるじゃないですか! 勿論源氏物語動画館で撮影をするんですよっ!」

人識「まだ言ってるんのかよっ?」

伊織「むしろそれのためだけに行くようなものです!」

人識「だったら奈良公園でいい―――」

いーちゃん「スレタイは絶対っ!」

人識「じゃあ、宇治上神社でいいだろ!」

伊織「いや~。そんな古臭いとこ行くより、動画館で撮影したほうが面白そうじゃないですか~」

人識「おい、誰かこいつを旅行の正規メンバーから外せ」

伊織「酷いっ!?」

いーちゃん「まぁいいんじゃないか?」

人識「いいんかよ……」

伊織「いいんですっ!」

人識「うっせぇよ」

子荻「でも、伊織さん。源氏物語ミュージアムに動画館なんてものなかったと思いますよ?」

伊織「大丈夫です! そこはご都合主義でなんとでもなるんで!」

人識「だからご都合主義とか言ってんじゃねーよ!」

一姫「でも、>>1さんは源氏物語ミュージアムには行ったことないから、細かい描写とかできないと思いますよ?」

伊織「大丈夫です! ここからは100%創作話で行くんで!」

人識「いや、そこは大丈夫じゃないだろ!」

伊織「とりあえず行ってみましょうよ! 無かったら無かったで普通に展示場を楽しめばいいんですし」

人識「まぁ、そうだけどよ……」

伊織「これを機に源氏物語に興味を持ってくれれば私としても嬉しいですしね」

人識「急に真面目なこと言うなよ……」


いーちゃん「それじゃあ、まずは表参道でお店見て回ってから、源氏物語ミュージアムに行こうか」

「「「「「「はーーーーいっ!」」」」」」

いーちゃん「じゃあ行こうか」

人識「ちょっと待て、デザートまだ食ってねーぞ?」

いーちゃん「表参道に美味しい喫茶店があるからそこで食いなよ」

人識「マジかよ。それ先に言えよ」

いーちゃん「じゃあ、今度こそ―――」

出夢「ちょっと待て!」

いーちゃん「……何?」

出夢「まだ寿司を食い切ってない……」

いーちゃん「……食べきれるの?」

出夢「結構キツい……」

いーちゃん「すいませーん。タッパーもらっていいですか?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

表参道
http://i.imgur.com/wZrceRv.jpg


玉藻「♪~♪~」

子荻「随分機嫌が良さそうですね」

人識「そら飯食ってぐっすり眠れば誰だって機嫌良くなるだろ」

いーちゃん「いや、それはお前くらいだろ」

出夢「……うぷっ」

一姫「大丈夫ですか?」サスサス

出夢「ああ。大丈夫だから背中をさするのはやめてくれ……」

伊織「それにしも、行きの時も思いましたが色んなお店が並んでますね~」

子荻「そうですね」

人識「いい匂いがすんな」

一姫「ああーーーっ! 師匠見てください!」

いーちゃん「どうしたの?」

一姫「ぐるぐる回るやつです!」

いーちゃん「ああ。行きの時もすごく気に入ってたね」

一姫「いい匂いですね~」


すいません。ちょっと眠くなってきたので風呂入ってきます

おっさん「よかったら飲んでくかい?」

一姫「いいんですかっ?」

おっさん「来る時もやたら見てったろ? 気に入ったのなら一杯飲んできな」コポコポッ

一姫「ありがとうございます!」

おっさん「はい。熱いから気をつけなよ」スッ

一姫「はい! いただきます!」スッ

おっさん「ほうじ茶は、香ばしくさっぱりしてるから、脂っこい食事の後や寝る前にもおすすめなんだよ」

人識「はぁん。そうなんか」

おっさん「君も。その後ろの子達もどうだい?」

出夢「いいのかっ?」

人識「いただけるならいただくけど」

おっさん「あんさんたち旅行ものだろ? いいから飲んできな」

伊織「では、お言葉に甘えていただきます!」

子荻「すみません。大勢で」ペコッ

おっさん「ああ。おいやしたやきよし」

子荻「美味しいですね」

いーちゃん「そうだね」

出夢「そういえば、よく京都だと番茶とか聞くけどよ、番茶とほうじ茶の違いって何なんだ?」

いーちゃん「さぁ?」

人識「おい、ガイド」

いーちゃん「子荻ちゃんは知ってる?」

子荻「すみません。私もあまりそっちの方面はさっぱりで……」

いーちゃん「そっか」

子荻「確か、ほうじ茶は番茶の茶葉を強火で焼いたものというのは知ってるのですが」

人識「はぁん。じゃあ、どっちも同じ様なもんなのか?」

おっさん「それは違うよ」

人識「あん?」

おっさん「そこのお嬢ちゃんの言うとおり、ほうじ茶は番茶の茶葉を焼いて作られたものだから、同じっていう人がいるんだけど、厳密にいうと似ているようで違うんだよ」

出夢「そうなのか?」

おっさん「ああ。まず番茶というものは、新芽が伸びて硬くなった茶葉や秋から初冬にかけて摘んだお茶のことを言うんだ」

人識「へー」

おっさん「渋味成分のカテキンが豊富で、製法は煎茶と同じで、摘採・送風・蒸熱・冷却・葉打ち・粗揉・揉捻・中揉・精揉・乾燥から作られていて、摘採の際にふるい分けられた大きめの葉も番茶になるんだよ」

人識「お、おう……」

おっさん「さっき君が言ってたのは多分京番茶のことだね」

出夢「京番茶?」

おっさん「京番茶は京都地方に伝わるお茶で、大きな葉をそのまま蒸して揉まずに乾燥させ、炒って作る、焙じタイプの番茶なんだよ」

出夢「へー」

伊織「番茶にも色々あるんですねー」

一姫「姫ちゃん、全然知らなかったです」

おっさん「それに対して、ほうじ茶は煎茶や番茶などを強い火で焙って製造したものを言うんだ。これはそこのお嬢ちゃんが言ったとおりだね」

一姫「萩原さん凄いですねっ!」

いーちゃん「よく知ってるよね」

子荻「い、いえ。そんな……」テレッ

人識「さすがだな」

出夢「こういうの博識って言うんだろ? すげぇよな~」

子荻「ありがとうございます」

おっさん「高温で焙煎するから、煎茶に比べてアミノ酸、カテキンだけでなく、カフェイン、ビタミンCも少ないお茶になるんだ」

人識「いいとこ何もねぇじゃねーか!」

おっさん「でも、香ばしくさっぱりしているから、脂っこい食事の後や寝る前にもおすすめだよ。日本茶として高級茶の位置づけではないけど、料亭などでも食事中に出されることが多いんだ」

出夢「そういや、さっきの飯屋でも出てきてたな」

おっさん「またおいでね~」フリフリ

一姫「絶対また来ます~」フリフリ

子荻「ごちそうさまでした」ペコリッ

いーちゃん「結局買っちゃったね」

子荻「そこまで高価なものでもないでしたし。ご馳走になって何も買わないのは失礼ですからね」

一姫「師匠ありがとうございましたー!」

いーちゃん「どういたしまして」

出夢「次どこ行くよ?」

人識「さっき欠陥製品が言ってた美味しいデザートが出るっていう喫茶店に寄ろうぜ」

伊織「賛成です!」

一姫「姫ちゃんもデザート食べたいです!」

いーちゃん「子荻ちゃんたちもいい?」

子荻「私は構いませんよ」

玉藻「あたしも~」

いーちゃん「じゃあ、決まりだね」

眠たくなってきたので、本日はここまで。
次回は3月22日(火)に更新します。

もし、よければ見てください

乙やで~
楽しみにしとるわ

もし、よければ見てくださいか、ふん
縁が《合ったら》、また会おう

火曜日はどこ・・・ここ・・・?

>>121
ありです。絶対完結はさせますんで最後までお付き合いください
>>122
狐さんは今俺の横で寝てるけど、君は誰だい?
>>123
すいません。ここです。

申し訳ございません。火曜日に大阪に行ってて、書けませんでした。連絡できずすみませんでした。
それでは、火曜でなく金曜日ですが戯言を開始します

http://i.imgur.com/ahyv1YA.jpg


伊織「ふぁ~。美味しかったですね~」

一姫「ですです~。姫ちゃん初めて抹茶を飲みましたよ」

子荻「意外としっかりと点てたお茶でしたね」

人識「けど、ちと食いたんなかったな」

出夢「だな。もうちょいガツンと食いたかったぜ」

一姫「もう。二人は無税が足りないですよ~」

いーちゃん「これ以上何に税を課すつもりなのかな?」

子荻「経済的なこと考えるなら、アニメーションに税を課したら儲かりそうですよね。たばこ税みたいにアニメーション関係の商品には一定の税を負荷させるとか」

いーちゃん「けど、それを課す理由がないと難しくない?」

子荻「最近低年齢に悪影響を及ぼす作品が多いからと問題視してる声があるじゃないですか。そこからいくらでも理由なら当て付ければ―――」

人識「何おっかねぇこと話してんだよ」

伊織「お二人は、もう少し和を感じて。それを楽しむべきです」

人識「二口つけて、俺に回してた奴がなんか言ったか?」

伊織「な、何のことでしょうか~?」

人識「てめぇ……」

いーちゃん「それより、そろそろミュージアムに行こうか」

伊織「待ってました!」

人識「もうそんな時間か?」

出夢「今何時だ?」

いーちゃん「ちょうど3時を回ったとこだよ」

人識「何だかんだで、ここで2時間近く使ってたのかよ」

出夢「気付かなかったな……」

子荻「源氏物語ミュージアムっていうのは、どこにあるんですか」

いーちゃん「表参道に入る際近くに大きな橋があったでしょ。あそこを渡って少し歩いたことにあるよ」

出夢「結構近くにあんだな」

伊織「では早速行きましょう!」タタタッ

人識「人混みの中走んな」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


源氏物語ミュージアム


伊織「………」

人識「やっぱ動画館なんてなかったな」

出夢「そりゃそうだろ」

伊織「おかしいです……話の面白さで言えば、では撮影を始めましょうと言って……戯言の各キャラが源氏物語のキャラになりきって話を展開していく方が面白いし、レスも稼げるはずですのに……」

人識「おーい、さりげにメタ発言してんじゃねーぞ」

出夢「最近メタ発言多くねぇか?」

いーちゃん「ネタがないんでしょ」

子荻「とりあえず、どうしますか?」

人識「来たんだから、一応観てくしかねぇだろ」

出夢「まぁ、僕としても、ここにはちと興味あるしな」

いーちゃん「あれ? さっきはあんま興味ないって言ってなかったけ?」

出夢「さっき伊織から貰ったやつ読んでハマった」

伊織「あげた覚えはないですよぅ……」ユラァ…

出夢「お、復活した」

人識「どうすんだ? 折角だから見てくか?」

伊織「どうしましょうかね~」

人識「おい」

出夢「折角だし見てこうぜ!」

伊織「まぁいいでしょう」

人識「何で上から目線なんだよ」

伊織「まずは平安の間から行きましょう!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


宇治の間


人識「結構色々回ったな~」

一姫「姫ちゃん、あの架け橋の間が凄く好きです!」

子荻「源氏が終焉の地宇治に向かう道中を自分も歩いてるかのように感じましたね」

出夢「んで、ここはどこなんだ?」

いーちゃん「ここは宇治の間だね」

子荻「どうやら、ここでは宇治十帖をテーマにした所みたいですね」

一姫「宇治十帖って何ですか?」

子荻「源氏物語の各巻の名称の内、最終章である第三部の中の後半の橋姫から夢浮橋までの十帖をいうんですよ」

一姫「各巻って、何巻まであるんですか?」

伊織「ふふん。そこは伊織ちゃんがお答えしましょう!」

人識「馬鹿はしゃしゃってねぇで、ここはこの女に任せとけよ」

伊織「酷いっ!?」

子荻「いえ、私もしっかり読んだことはないので、ここは読者である伊織さんにお願いしたほうがよいかと」

人識「マジかよ」

伊織「ふふ~ん。では、ここからは私が説明しますね」

人識「勝手にしろよ」

伊織「まず、姫ちゃんの質問である巻数なんですが。源氏物語は巻ではなく帖といいます」

一姫「帖ですか?」

伊織「はい。そして源氏物語は全部で54帖の話で成り立ってるんです」

一姫「54っですか!?」

人識「結構あんな~」

出夢「NARUTOだと小南とトビがバトるとこら辺か」

いーちゃん「ブリーチだと死神代行消失編完結が終わるところかな」

出夢「どんぴしゃかよ、すげぇな」

いーちゃん「これも全部月島さんのおかげです」

出夢「ギャハハハハハハハハッ!!」

伊織「あの、話戻していいですか?」


伊織「そして、源氏物語は3部に分かれているんですが、実はここを舞台とした第三部では本主役である源氏は亡くなって出てきません」

一姫「えぇぇぇっ!?」

人識「主役いねぇのに、どうやって話進めんだよ?」

出夢「主役交代でもすんのか?」

伊織「近いですけど、どちらかと言うと源氏が亡くなったあとの後日談というか、アナザーストリーに近いですかね」

子荻「あ、そういう解釈もあるんですね」

いーちゃん「違うの?」

子荻「いえ、そういう捉え方をすることもできるっていう意味です。私はどちらかと言うと主人公交代みたいに捉えてました」

いーちゃん「へー」

一姫「第三部は源氏さんが主役でないなら誰が主役をやってるんですか?」

伊織「まぁまぁ待ってください。一からちゃんと説明しますから」

人識「てか、お前の話聞かなくても、そこのシアターで説明が流れてるぞ?」

出夢「マジで? どこどこ?」キョロキョロ

伊織「聞いてください~」ガシッ

人識「分かったから離せっ!」

いーちゃん「というより、第三部って何帖から何帖までを言うの?」

伊織「第三部は42帖の匂宮から、さっき子荻さんが言った宇治十帖の最終帖、夢浮橋までを言うんですよ」

出夢「え? 僕?」

伊織「だから、出夢さんは結構……というより、かなり源氏物語に馴染み深いって言ったじゃないですか」

出夢「え? 僕源氏物語のタイトルになってんの?」

伊織「というよりも、匂宮は第三部では主人公的立ち位置の人ですよ?」

出夢「マジかよっ!?」

伊織「第三部の舞台では、本主役の主人公である源氏が亡くなってしまい、六条院は凄く暗い感じになってしまってたんですね」

一姫「六条院って何ですか?」

伊織「本作品の舞台だと思ってください」

一姫「分かりました」

伊織「そして、人々は源氏の代わりになる人を探すようになるんですが、そこで矢面に立つのが、陽気で軽薄な性格の匂宮と、誠実でクールな性格の薫という方なんですね」

人識「匂宮の性格はまんまだな」ニヤニヤ

出夢「うっせぇーよ!」

いーちゃん「その二人が第三部での主人公というわけなの?」

伊織「はい、ズバリそうです!」

人識「結構ありがちな性格をした主人公たちだな」

伊織「言っときますけど、この作品が書かれたのは1000年以上前ですからね」

出夢「もうこん時から、作品っていうのは出来上がってたんだな~」

人識「そりゃ、何書いてもパクリだって言われるわけだな」

いーちゃん「だな」

伊織「そして色々あって、最終的に薫が浮舟という方を探し追い掛け回して終わりです」

人識・出夢「何があった!?」

いーちゃん「まさか、『俺たちの戦いはこれからだEND』も既に使われてたなんて……」

伊織「源氏物語って本当に中途半端に終わってしまうんですよね~」

子荻「これは結構有名で、作者があらかじめこの終わり方を想定して書き綴っていたのか。それとも実はまだ書くつもりであったが、何か訳あって書くのを中断してしまったのか。議論になってるんですよ」

人識「はぁん」

出夢「うわ~。僕の苦手なタイプの終わり方だな~」

伊織「私は前者を推してますけどね。最後の締めにある『と、本に書いてある』という締めくくりも、中々出てくる考えなしでは出てきませんよ?」

人識「単純に書くのがめんどくさくなって放り投げたんじゃねぇか? どこぞの作者みたいに」

いーちゃん「多くてわかんないな~。どこの作者だろ?」

伊織「そんなはずないじゃないですかっ! この作品はそんじょそこらのトイレに書かれた落書きみたいなラノベではなく、ちゃんと計算された話なんですよ!」

人識「いや、何もラノベに特定してねぇけど……」

いーちゃん「ていうか、さっきのでラノベ読者全員に喧嘩売ったけど大丈夫?」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


京都駅


人識「何だかんだで、こんな時間になっちまったな」

出夢「今何時だ?」

伊織「ちょうと6時になったところですね」

一姫「うへぇ~。姫ちゃん、疲れたです~」

子荻「玉藻も、寝てしまいましたね」

玉藻「Zzz……Zzz……」スピー

人識「こいつ、ミュージアムについてすぐに寝ちまってたな」

いーちゃん「ああいうのに興味なさそうだしね」

子荻「それでは、私たちは、ここらでお暇させていただきますね」

いーちゃん「あ、帰っちゃうの?」

子荻「もういい時間ですからね。いつまでもお邪魔するわけにはいきませんから」

伊織「邪魔なんかじゃありませんよ?」

子荻「ありがとうございます。けど、明日もバイトですので、やはり私たちはここで失礼します」

いーちゃん「そっか、それは寂しくなるね」

子荻「別にこれで今生のお別れってわけではないでしょう? あなたが呼んで頂ければ、いつでも駆けつけますよ」

いーちゃん「そう?」

子荻「ええ。私は嘘が大っ嫌いですので」

いーちゃん「耳が痛いなぁ~」

子荻「それでは、縁が合えば、また逢いましょう。行きますよ、玉藻」

玉藻「ゆらぁ~。またね」ユラユラ

いーちゃん「うん。またね」

伊織「絶対また会いましょうね~」ブンブンッ

子荻「姫ちゃんにとっては、また明日です~」ブンブンッ

一姫「それでは、姫ちゃんもそろそろアパートに帰りますけど、師匠はどうするんですか?」

人識「つーか、俺たちの宿はどうなってんだ?」

いーちゃん「ちゃんと取ってあるよ」

いーちゃん「ぼくは、こいつらと一緒に宿に宿泊するから、アパートには帰らないかな」

一姫「そうですか。では姫ちゃんも、ここでお別れですね」

いーちゃん「アパートの皆には3日は帰らないって言っといて」

一姫「分かりました。必ず伝えときますね」

伊織「姫ちゃんも、ここでお別れなんですね……」

一姫「伊織さん、手を出してください」

伊織「手、ですか?」スッ

一姫「これ、どうぞ」スッ

伊織「これって……」猫耳ニット帽

一姫「表参道回ってる時に買ったものです。伊織さん、ニット帽子をお気に入りみたいでしたので買ってみました」

伊織「姫ぢゃあ゜~~ん゜っ!」ポロポロッ

一姫「姫ちゃん、伊織さんと会えてすごく楽しかったです」

伊織「そんなの私もですよ~……」

一姫「伊織さんと話してると、素の姫ちゃんでいられるというか……演じずいられたというか……なんて言うんでしょうか?」

一姫「とにかく、伊織さんと一緒に京都を観光できた今日という日は姫ちゃんにとってとても、かけがいのない一日でした」

伊織「うぅ~~~……」ボロボロッ

一姫「もし伊織さんがよければ、これからも『私』のかけがいのない一日を作ってくれませんか?」

伊織「ぞれ゜って゜……」ボロボロッ

一姫「私のお友達になってください。伊織さん」ニコッ

伊織「うぅ~~……。勿論でずよ~~~。これからもよろしくお願いしますぅ~~~~」ダキッ!

出夢「イイハナシダナー」

人識「てめぇはちと黙ってろ」

バス「金閣寺道行きー」

いーちゃん「バス来たね」

一姫「それでは、さよならです」ブンブンッ

伊織「また遊びましょうね~」ブンブンッ

いーちゃん「皆にちゃんと言っといてね」

出夢「またな~。今度そっちに遊びに行くから」

人識「元気でな」

一姫「はい。皆さんもお元気で」ピョン

バス「出発しまーす」ブロロロ

出夢「……行っちまったな~」

伊織「………」

人識「大丈夫か?」

伊織「? 大丈夫ですよ。LINEも交換しましたし。この猫耳ニット帽もありますからね」

人識「そっか」

伊織「それに姫ちゃんは友達ですから。絶対また会えますよ」カポッ

伊織「どうですか? 似合ってますか?」

人識「……まぁ。いいんじぇねーの?」

伊織「えへへ。よかったです」

眠くなってきたので、本日はここまでで。

次回は29日(火)に必ず投下しますので、是非見ていってください

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