飛行船窓口のネコ「ニャテンションプリーズ!」 (104)

モンハンクロスSSです。
色々ガバガバです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1452176755

飛行船窓口のネコ「最近見慣れないハンターさん達が何人も飛行船を使い始めたニャ」

飛行船ネコ「なんでも四天王とかいうモンスターが暴れてて、その討伐のために各地に出かけてくみたいニャ」

飛行船ネコ「ワタクシが担当してるベルナ村も活気が溢れかえってるし…」

飛行船ネコ「これからはもっと忙しくなりそうニャ!」

~数日後~

飛行船ネコ「最近新米ハンターさんも見かけなくなってきたニャ」

飛行船ネコ「ベルナ村を行き交うハンターさん達もなんだか見た目がどんどんたくましくなってくニャ」

飛行船ネコ「それにしても…。なんだかワタクシに話しかけてくれるハンターさんがめっきり少なくなったニャ…」

飛行船「四天王が討伐されたとかいう噂も聞かないのに、どうしてニャ?」

~数日後~

飛行船ネコ「今日も村を行き交うハンターさん達を見てキョロキョロしてるだけで1日が終わったニャ」

飛行船ネコ「ハンターさん達の装備、この辺にいないモンスターの素材も使ってるニャ」

飛行船ネコ「飛行船は使ってないはずニャのに…どうしてなんだニャ?」

太刀ハンター「いやー雪山は寒い寒い! ホットドリンクが底ついちまって泣く泣く猿の狩猟リタイアしたよ」

ランスハンター「ったく、そんなんで明日ラギアクルス、大丈夫なのか?」

飛行船ネコ「!?」

飛行船ネコ「だ、旦那さん達!い、今のはいったい何の話ニャ!?というかどこから帰って来たニャ!?」

太刀ハンター「あ? どこって、雪山だよ。ポッポ村」

ランスハンター「明日はユクモでクエストだって話だ」

飛行船ネコ「旦那さんがた、飛行船も使わずにどうやってそんなところまで移動してるのニャ!?」

太刀ハンター「ん?あー飛行船ね。すっかり忘れてたわ」

飛行船ネコ「わ、忘れ…」

ランスハンター「ハンターに登録した時に貰ったこの地図、行きたい場所を押すとそこに移動出来るんだよ」

飛行船ネコ「!?」

ポッポ村→ポッケ村

太刀ハンター「まあ瞬間移動ってやつだな」

飛行船ネコ「瞬間移動!?そんなの非現実的だニャ!」

太刀ハンター「実際出来るんだから仕方ないだろ。というかお前知らなかったのか?他の村の飛行船窓口のネコは新米ハンターにこの地図のこと教えて回ってたぞ?」

飛行船ネコ「ニャ!?」

ランスハンター「仕事を楽にするためらしい」

飛行船ネコ「…」

太刀ハンター「まあとにかくそういうわけだ。移動に時間もかかる飛行船なんか使ってらんねーよ」

ランスハンター「悪く思うなよ」

飛行船ネコ「行っちゃったニャ……」

~次の日~

飛行船ネコ「一晩じっくり考えたニャ」

飛行船ネコ「僕はこの仕事。飛行船に関わる仕事にずっと憧れてきたんだニャ」

飛行船ネコ「こんなことでへこたれてられないニャ!飛行船には飛行船の良さがあるはずニャ!」

飛行船ネコ「今日考えてきたいくつかの秘策。これで絶対お客さんを取り戻してみせるニャ!」

女ハンターA「今日は砂漠ね。ドスガレオスだから音爆弾持っていかないと」

女ハンターB「昨日のヘナチョコ男共、役立たずだったから今日はもう少しマシな奴ら捕まえようねw」

女ハンターA「あれ?なんかやってる」

飛行船ネコ「いらっしゃいませニャー!いらっしゃいませニャー!飛行船受付はこちらですニャー!」

女ハンターB「プッw 飛行船だってw 今更誰が使うかっつーのw」

飛行船ネコ「あ!そこのお姉さんがた!ただいまキャンペーン中ですニャ!話だけでも聞いて下さいニャ!」

女ハンターB「めんどくさっw 無視無視w」

女ハンタA「まあまあ、ちょっと聞くくらいいいんじゃない?」

女ハンタB「ウケルw 哺乳類に情なんか持つなよw」

飛行船ネコ(あんたも哺乳類だニャ……)

女ハンターA「それで?キャンペーンだっけ?」

飛行船ネコ「あ!そうなんですニャ!ただいま飛行船をご利用頂くとおニクかおサカナが選べる機内食、それに飛行船チケットが付いてきますニャ!」

女ハンターA「うーん…なるほどね」

女ハンターB「なるほどねじゃないっつーのwガツンと言ってやんなよw」

飛行船ネコ「えっ?な、なにかご不満な点でも…」

女ハンターB「いい?w私らクエスト行く前に必ず食事すんのよ、アイルー屋台でw体力つくから必須なわけw それに現地でもこんがり肉食ったりすんのw」

飛行船ネコ「ニャ…」

女ハンターB「ニャ…じゃねーよw てなわけでわけのわかんない機内食なんか食う余裕なんかないのw」

飛行船ネコ「…わけのわかんない事はないですにゃ。食材も自分で取ってきて厳選して…」

女ハンターB「でも能力上がんないっしょ?」

飛行船ネコ「…」

女ハンターB「はいカスwww」

飛行船ネコ「…」

女ハンターB「それとさー、チケットだっけ?w 私らもうわりと装備充実してんのよw チケットなんかで作れるゴミ装備なんかお呼びじゃないのw」

飛行船ネコ「ゴミじゃないですにゃ。ワタクシが1からデザインして…実物がありますニャ。みて下さいニャ」

女ハンターA 「これ…飛行船?」

飛行船ネコ「そうですニャ。武器のデザインに飛行船の要素を取り入れてみたんですニャ」

女ハンターB「だっさw」

飛行船ネコ「ニャ…」

女ハンターB「命がけでクエスト行くのにこんなフワフワしたの持ってくわけないでしょw」

飛行船ネコ「待ってくださいニャ!チケットは防具とかオトモ装備にも使え…」

女ハンターB「うっさいなーお呼びじゃないのw」

女ハンターB「大体あんた押し付けがましいんだよw 自分で食材選んだから、デザインしたからなに?w 地図で移動するメリットに比べたらゴミ以下なんだよバーカw」

女ハンターA「ちょっとそこまで言うこと…」

女ハンターB「いいんだよw 哺乳類の分際で調子乗ってっからさw」

飛行船ネコ「…あんたも哺乳類ですニャ」

女ハンターB「あ?wなんか言った?w」

飛行船ネコ「なんでもないですニャ」

女ハンターB「ま、いいやw 行こっ、早くしないと同行待ちしてる男共いなくなっちゃうw」

女ハンターA「うん…」

飛行船ネコ「…」

飛行船ネコ「…」

飛行船ネコ「行っちゃった…ニャ」

飛行船ネコ「まだ…まだ1日は始まったばかりだニャ」

飛行船ネコ「きっと飛行船を使ってくれる人もいるはずだニャ」

飛行船ネコ「くじけず頑張るニャ」

飛行船ネコ「誰も、ろくに話すら聞いてくれなかったニャ…」

飛行船ネコ「チケット、最後の方は地図で移動してるハンターさん達にも配ろうとしたのに…」

飛行船ネコ「誰も受け取ってくれなかったニャ」

飛行船ネコ「飛行船は移動に時間もかかる…わざわざワタクシに話しかけニャきゃならない手間もあるニャ」

飛行船「村にアイコン出してんじゃねーよ、狩技出たのかと思っただろ、とかよく分からない事言ってるハンターさんもいたニャ。」

飛行船ネコ「村の新米ハンターさんの募集も終了しちゃったみたいニャし…」

飛行船ネコ「村を行き交うハンターさん達は知った顔ばかりニャ」

飛行船ネコ「ひょっとしてこのままずっと、誰にも話しかけて貰えないのかニャ…?」

飛行船ネコ「ワタクシ…。かしこまるのももう疲れたニャ。僕、なんのためにここにいるのかニャ…」

~その日の夜~

飛行船ネコ「アイルー屋台は賑わってるニャ」

飛行船ネコ「クエストを終えたハンターさん達でいっぱいだニャ」

飛行船ネコ「屋台のおかみさんも忙しそうだけど…でも…楽しそうだニャ」

飛行船ネコ「…」

飛行船ネコ「うっ、うぐっ、ひっく」

飛行船ネコ「ニャ、ニャんで、ニャんで誰も分かってくれないニャ!」

飛行船ネコ「ガンバって宣伝したニャ!でもみんなまるで僕のこと見ちゃいけないものみたいに、見て見ぬふりしてたニャ!」

飛行船ネコ「結局…最初のお姉さん達の意見がみんなの総意…ニャのかニャ」

飛行船ネコ「飛行船なんか、もう誰も使わないんニャ…!」

飛行船ネコ「僕なんか、僕なんか!いないほうがいいんだニャ!」

???「そう嘆くなニャ。自分だけがツライわけじゃないんだぞ、ニャ」

飛行船ネコ「だ、誰ニャ!」

ルームサービスネコ「…」

飛行船ネコ「君は…確か太刀ハンターさんの家のルームサービスネコニャ?」

サービスネコ「その通りだニャ」

サービスネコ「あのオンニャが来るまでは、ニャ」

飛行船ネコ「あのおんにゃ?」

サービスネコ「ある日唐突にご主人様の部屋に知らないオンニャが現れたニャ」

サービスネコ「どっかの看板娘だとか言ってたニャ。嫌な予感がしてご主人に僕が一番お気に入りですニャよね、って聞いたら無視されたニャ」

飛行船ネコ「よくそんなこと聞けたニャね」

サービスネコ「その後ご主人はすぐにルームサービスを僕からそのオンニャへと入れ替えたニャ」

サービスネコ「以来ご主人は僕には見向きもしてくれないニャ。たまにルームサービスを交代してるみたいニャけど、それも僕じゃなくてどっかの島から来たメスアイルーが交代要員ニャ」

サービスネコ「もうご主人は僕のこと多分忘れてるニャ」

飛行船ネコ「…気持ち、分かるニャ」

サービスネコ「僕もニャ。君の叫び声が聞こえて、すぐ飛んできたニャ。気持ちは痛いほど分かるニャ」

飛行船ネコ「…もう、どうしようもニャいのかニャ」

サービスネコ「そんなこと、いうニャ」

飛行船ネコ「だってそうだニャ!飛行船なんか、飛行船なんか!誰にも求めらてないんだニャ!」

サービスネコ「…方法が無いわけじゃないニャ」

飛行船ネコ「方法なんか、方法なんかあるわけないニャ!」

サービスネコ「まあ聞くニャ。この村、先日からハンターニャらぬニャンターの募集を始めたニャ」

飛行船ネコ「…知ってるニャ。ハンターに混じって駆けてくアイルーをいくらか見たニャ」

サービスネコ「ハンターの募集は締め切ったみたいニャけど、ニャンターの募集はまだしてるニャ」

飛行船ネコ「それで?ニャ」

サービスネコ「僕と君とでニャンターになってコンビを組むニャ」

飛行船ネコ「…それと飛行船になんの関係があるニャ?」

サービスネコ「アイルーってのは基本的にハンターさん達から舐められてる存在ニャ。でもニャンターとして名を上げればハンターさん達も僕らを見直すはずニャ」

サービスネコ「そして何より飛行船の宣伝になるニャ」

飛行船ネコ「なるかニャ…?」

サービスネコ「なるニャ。四天王を狩ったニャンターがやってる飛行船。各地から観光客が来るはずニャ」

飛行船ネコ「なるほど…一理あるニャ」

サービスネコ「百里あるニャ。そして僕もご主人様から見直されるはずだニャ」

飛行船ネコ「そんなに上手く行くかニャ?」

サービスネコ「上手く行かせるんだニャ。そうしないと僕らはこのまま誰にも相手にされないニャ」

飛行船ネコ「…確かに。その通りだニャ」

サービスネコ「やるニャ?」

飛行船ネコ「……やるニャ!」

~次の日~

飛行船ネコ「ごめんニャ!遅刻したニャ!」

サービスネコ「遅いニャ!」

飛行船ネコ「キンチョーして眠れなかったニャ」

サービスネコ「まあ、とりあえずニャンター登録は済ましといたニャ。ニャンターは応募が少ないからすぐ登録出来たニャ」

飛行船ネコ「アイルーはやっぱりオトモ気質なのかな…ニャ」

サービスネコ「とにかく今日は記念すべき初陣ニャ!この村からなにか大型モンスターを討伐しに行くニャ!」

飛行船ネコ「いきなり大型に行くニャ?」

サービスネコ「ちまちまキノコ狩ったりランボス狩ったりなんかしてられないニャ!僕らは早く名を上げるんニャ!」

飛行船ネコ「一理あるニャ」

サービスネコ「百里ニャ!というわけでイヤンクックを狩りに行くニャ!」

飛行船ネコ「大丈夫かなニャ?」

サービスネコ「僕らは種族的に体力があるし多分なんとかなるニャ!そもそもイヤンクックくらい狩れないと話にならないニャ!」

飛行船ネコ「ちまたじゃイヤンクックはハンター達から先生と呼ばれてるニャね」

サービスネコ「そうにゃ!僕らも先生に狩猟というものを教わりに行くニャ!」

飛行船ネコ「よし!気合入ったニャ!行くニャ!」

サービスネコ「今夜は宴ニャ!」

~数十分後~

サービスネコ「だ、大丈夫かニャ…しっかりするニャ」

飛行船ネコ「…なにが起きたんニャ?」

サービスネコ「一撃で二人ともやられて起き攻めで回復どんぐりも根こそぎ無くなったニャ」

飛行船ネコ「ここはどこニャ?」

サービスネコ「アイルー隊に村まで運んでもらったニャ。君は失神してて運が良かったニャ」

飛行船ネコ「なんでニャ?」

サービスネコ「運ばれてる間中アイルー隊にアイルー族の恥さらしって散々罵倒されたニャ」

飛行船ネコ「……ダメだったか、ニャ。アイルー族の恥さらしって、その通りかも、ニャ」

サービスネコ「悲観するのはやめろニャ!さっきのはちょっと準備が足りなかっただけニャ!」

飛行船ネコ「そうかニャ?」

サービスネコ「まず食事をし忘れたニャ」

飛行船ネコ「あ、そういえばそうニャ」

サービスネコ「あと二匹じゃ無理ニャ。僕らだけじゃニャ」

飛行船ネコ「今更言うことかニャ?」

サービスネコ「現実感は厳しかったニャ。というわけで追加メンバーを入れるニャ」

飛行船ネコ「誰でもいいってわけじゃないニャ。ニャンターになってまでバカにされたくないニャ。僕らの気持ちが分かる人じゃなきゃ、ニャ」

サービスネコ「実は心当たりがあるニャ」

サービスネコ「あ、いたニャ。コイツだニャ」

???「なんだ?いきなりコイツ呼ばわりか?」

飛行船ネコ「あ、あんたは…ニャ」

ベルナ村の武具屋「お前ら客か?久々の客だしサービスしてやるぞ」

サービスネコ「…ニャ?」

飛行船ネコ「なんで僕を見てドヤ顔してるニャ?」

サービスネコ「簡単な話ニャ。コイツは僕らと同じなんニャ。この村で誰か武器を買ってるの、見たことあるかニャ?」

飛行船ネコ「無いけど、本人の前で言うことじゃないニャ…」

武具屋「失礼な事を言うな。駆け出しのハンターは買ってく奴もちゃんといる」

サービスネコ「そのあとは見向きもされないニャ?」

武具屋「…」

サービスネコ「隣りの鍛冶屋ばっかり繁盛して悔しいニャ?」

武具屋「…うるせえ」

サービスネコ「ぶっちゃけ自分の存在意義に疑問があるニャ?」

武具屋「うるせえって言ってんだろッ!!」

サービスネコ「図星ならお互い協力しよう、ニャ」

武具屋「協力…?」

サービスネコ「僕らも自分の存在意義に疑問があるニャ。だからニャンターとして名をあげるニャ。手伝ってくれたらあんたがハンターとして有名になる手助けをするニャ」

武具屋「言う事はいっぱしだがな。お前らさっきアイルー隊に運ばれてきたろ?見てたぞ?」

サービスネコ「舐めてかかったのは確かだニャ。だからこそあんたの手助けが欲しいニャ。そして絶対強くなって見せるニャ」

武具屋「ほう、自信満々だな」

飛行船ネコ「ちょっといいかニャ?」

サービスネコ「なんニャ?」

飛行船ネコ「ハンターの募集は締め切ってるニャ。この人が登録しようとしても無理じゃないかニャ?」

サービスネコ「心配無いニャ。この人はハンターなんニャ」

飛行船ネコ「そうなのかニャ!?」

武具屋「現役じゃないが。昔膝に矢を受けてしまってな、今は武具屋に甘んじているんだ」

飛行船ネコ(味方に誤射されたのかニャ?)

武具屋「傷はもう治っているが、同期はみんな俺とは違って立派なハンターだ。復帰するタイミングがなかったのさ」

サービスネコ「今がタイミングニャ」

武具屋「お前らとチームを組むのがタイミングだとは思えないんだが」

サービスネコ「ダメなら見限ってくれても構わないニャ!とにかくお願いしますニャ!」

飛行船ネコ「お、お願いしますニャ!」

武具屋「頭を上げろよ…。アイルー二匹を店先で土下座させて、周りの目が痛い。とりあえずさ、お前らのサポートとかスキル教えろよ」

サービスネコ「サポート?」

飛行船ネコ「スキル?」

武具屋「は?」

武具屋「お前らまさか何も知らないのか?」

サービスネコ&飛行船ネコ「…」

武具屋「さて、店じまいするか」

サービスネコ「ま、待って下さいニャ!」

武具屋「まあまてよ。そういう意味じゃない。店じまいして君らのスキルやらを専門家に聞きに行こう」

飛行船ネコ「えっ…何故そんな親切を、ニャ?」

武具屋「なんとなく興味が湧いたから、かな。君らダメコンビがどこまでやれるのか」

サービスネコ「あんたもその中に入るからトリオニャ」

武具屋「…さっさと行くぞ、猫」

~オトモ広場~

武具屋「あーいたいた、おーいネコ嬢」

ネコ嬢「あ~武具屋さん!こんにちわ~」

武具屋「相変わらず変な動物に咥えられてんな」

ネコ嬢「ムーファです~人懐っこくて!」

武具屋「そんな状態の所悪いんだが、こいつら見てやってくれないか?」

ネコ嬢「あらあらこんにちわ~」

飛行船ネコ「こんにちわ、ニャ」

サービスネコ「久し振り、ニャ」

飛行船ネコ「面識があるニャ?」

サービスネコ「少しだけニャ」

~数分後~

武具屋「なるほど。助かったよ」

ネコ嬢「はい~また遊びにきて下さいね~」

飛行船ネコ「僕はボマーだったのか、ニャ」

サービスネコ「僕は回復ニャ」

武具屋「性格的にそれぞれ交換したほうがよさそうだがな。オトモスキルもまあ悪くないし、鍛えればモノになるかもな」

飛行船ネコ「ありがとうございますニャ!」

サービスネコ「早速イヤンクックにリベンジニャ!」

武具屋「まてまてバカか。お前ら丸裸じゃねーか」

飛行船ネコ「えっ?毛がありますニャ」

武具屋「違う違うなんか装備しないとイヤンクックなんか無理だっての!武器だって初期装備だろ?」

サービスネコ「でもこの笛で殴ると結構痛そうだったニャ」

武具屋「その笛は武器じゃねえ!回復したりすんだよ吹いて!説明されなかったか!?」

サービスネコ「…やっぱりアイルーだから、思い返すと装備支給のおじさんもそっけなかったニャ」

武具屋「…なんか哀れだな、お前ら」

飛行船ネコ「…」

武具屋「同情するよ」

飛行船ネコ「良い人、ですニャ」

武具屋「ハハッ。そうか?とにかく今の状態じゃ話になんねえ。アイルー装備は俺の家にいくらかあるが、その様子じゃ立ち回りも分からんだろ?」

飛行船ネコ「図星ですニャ」

武具屋「村の訓練教官、恩師なんだ。お前らのコーチをしてもらえるように頼んでみるよ」

サービスネコ「ホントですかニャ!?流石ですニャ!」

武具屋「ゲンキンな奴だな。まあ頼んでくるから待ってな」

~数分後~

カリスタ教官「ヌハハハハ!貴様らが吾輩に弟子入り志願のアイルー共か!」

飛行船ネコ「そ、そうですニャ。よろしくお願いしま…」

カリスタ教官「細かいことはいい!まず闘技場に行って訓練クエストをこなしてこい!」

サービスネコ「りょ、了解ですニャ!」

カリスタ教官「とりあえずドスマッカォの狩猟と捕獲を百セットずつだな」

飛行船ネコ&サービスネコ「ニャ!?」

カリスタ教官「泣き言は許さん!何事も反復練習が大事なのだ!終わるまで戻ってくるでない!駆け足!」

ネコ達「ニャー!!」

カリスタ教官「猫の訓練は構わんが、まさか貴様も復帰とはな。どういうつもりだ?」

武具屋「ハンターと組んでダメならニャンターと組む、そういうことです」

~数日後~

サービスネコ「やったニャ!ドスマッカォ百セットずつ、達成したニャ!」

飛行船ネコ「教官も褒めてくれたニャ!」

武具屋「お前らよく…結構根気あるんだな」

飛行船ネコ「なんニャ?」

武具屋「闘技場でドスマッカォを百セットもこなせるやつなんかハンターにだっていやしない」

サービスネコ「褒めてるんニャ?」

武具屋「馬鹿だって言ってるんだ。よっぽど強くなりたいんだな、お前ら」

飛行船ネコ「その気持ちだけなら誰にだって負けないニャ」

武具屋「…」

飛行船ネコ「どうしたニャ?」

武具屋「いや、お前ら凄いよ。今ならイヤンクックなんか楽勝さ」

サービスネコ「そうかニャ?」

武具屋「大丈夫、俺もいるんだ。多分大丈夫」

サービスネコ「多分ってなんニャ?」

武具屋「何でもない。さあ!そうと決まりゃとっととイヤンクックを狩りに行くぞ!」

サービスネコ「…なんとなく不安ニャんやが、気のせいかニャ?」

武具屋「ごちゃごちゃ言うな!飯を食い忘れるなよ!」

飛行船ネコ「そういえばこの前はそれも失敗要素の一つだったニャ」

イヤンクック狩猟出発後~

サービスネコ「いたニャ!イヤンクックニャ!この前は近づいて笛で殴ろうとしたら咆哮で固められて一撃でやられたニャ!」

武具屋「二匹で固まってたせいでまとめてやられたんだろ?今回はちゃんと作戦を立てるぞ」

飛行船ネコ「武具屋さんの装備はヘビィボウガンニャ?」

サービスネコ「スタイルはなんだニャ?」

武具屋「普通のギルドスタイルさ」

サービスネコ「エリアルとかのが格好いいニャ」

武具屋「使いたくないんだ。飛んだら余計…そもそもモンスターに…」

飛行船ネコ「なにかいったニャ?」

武具屋「何でもない。とにかく、ボマーのお前は接近戦で、隙があれば小型タル爆弾でどんどん攻撃しろ!回復のお前は回復笛吹きながらスキルのシビレ罠だ!」

飛行船ネコ&サービスネコ「了解ニャ!」

~数分後~

サービスネコ「すごいニャ!あっというまに倒せたニャ!」

飛行船ネコ「武具屋さんのおかげだニャ!凄いハンターさんニャ!」

武具屋「ハハッ。まあな…」

サービスネコ「せっかく倒したのに何でそんなにテンション低いニャ?」

武具屋「なんでもないよ。なんでもないんだ…」

サービスネコ(なんニャ…?)

~ベルナ村~

サービスネコ「飲めニャ飲めニャ!今夜は宴ニャ!」

屋台のおかみ「飲み過ぎニャよ?明日もクエスト行くニャ?」

サービスネコ「かまわないニャ!達人ビールもっともってこいニャ!」

武具屋「凄いハシャギようだな」

飛行船ネコ「そりゃそうニャ。イヤンクックといえども大型モンスターニャ。僕ら猫中心のチームで狩ったとニャったら…」

ベルナ村の村長「まったくたまげたニャンター共だ!これからもこの村のために貢献してくれるであろう!期待しておるぞ!」

飛行船ネコ「この調子ニャ」

武具屋「…まだまだ先は長いさ」

飛行船ネコ「ニャ…?」

武具屋「ニャンターってのはな、確かにハンターより優れてる面があるんだ。釣り、採取、運搬。そのどれもがハンターよりも向いているんだ」

飛行船ネコ「そうなのかニャ?」

武具屋「ああ。ただ狩猟となるとそうもいかない。ハンターのみでチームを組む方が効率がいいって話もある」

飛行船ネコ「でもイヤンクックは楽勝だったニャ。武具屋さんもいるし、他の大型モンスターも狩れるハズニャ?」

武具屋「…そうだといいんだがな。明日はフルフルだったな?早めに帰って雷耐性の防具を用意しておくよ。じゃあな」

飛行船ネコ「…?」

~次の日、雪山~

武具屋「お前らはいいよな、ホットドリンクが必要ないんだからな」

飛行船ネコ「寒くないわけじゃないニャ」

サービスネコ「鉱石をカンカンしながらフルフルを探すニャ!」

武具屋「ピッケルもお前らのは何故か壊れないしな」

~数分後~

武具屋「フルフル、…か。いたぞお前ら」

飛行船ネコ「突撃ニャ!」

サービスネコ「サポートするニャ!」

武具屋「…」

サービスネコ「シビレ罠ニャ!」

飛行船ネコ「まんまと引っかかったニャ!この隙に大タル爆弾Gで…ニャ!?」

サービスネコ「ああっニャ!武具屋のヘビィボウガンの流れ弾が飛行船ネコが抱えたタル爆弾に直撃したニャ!」

飛行船ネコ「ニャーッ!!」ドカーン!

サービスネコ「フルフルは無傷だニャ!か、回復笛をニャ!」

サービスネコ「間に合わないニャ!」

飛行船ネコ「グニャーッ!」

サービスネコ「突進で飛行船ネコがやられたニャ!」

武具屋「…くっ…!」

~クエスト後、ベルナ村~

武具屋「…すまん」

飛行船ネコ「気にすることないニャ。僕もどんぐりで復活して結局フルフルも狩れたニャ」

サービスネコ「あれはなんだったニャ?おまえノーコンなのかニャ?」

飛行船ネコ「やめるニャ。あの後は誤射も無かったしイヤンクックの時だってこの人ちゃんとしてたニャ」

飛行船ネコ「とにかく僕らはこれで二連続狩猟成功ニャ!今日も屋台に繰り出すニャ!そしてそろそろさりげなく飛行船の宣伝もやってくニャ!」

武具屋「そうか。今日はお前らだけで行ってこい。俺は帰るよ」

飛行船ネコ「…なんだか元気がニャかったニャ?」

サービスネコ「どうせ誤射の事を気にしてるニャ。プーギーみたいなメンタルの奴だニャ」

~アイルー屋台~

飛行船ネコ「僕らデビューしたばっかだけど破竹の勢いだニャ!どんどんクエストの依頼、待ってるニャ!」

ハンマーハンター「調子のいいネコだな、俺も負けてらないぜ」

年配ハンター「わしも最後にニャンターとでも組んでみるかのう」

飛行船ネコ「僕は飛行船の受付もやってるニャ!皆さん飛行船のご利用の際にはお声をかけて下さいニャ!」

ハンマーハンター「飛行船?わりいな、使わねえわ流石に」

年配ハンター「空の旅はそのまま天に召されそうじゃから嫌じゃ」

飛行船ネコ「ニャ…」

サービスネコ「まだ宣伝は早かったようニャね」

飛行船ネコ「フルフルじゃダメみたいニャ」

サービスネコ「早速明日はもっとデカくてインパクトのあるモンスターを狩猟するニャ」

サービスネコ「というわけでウラガンキンを狩るニャ」

飛行船ネコ「インパクトはあるのニャ?」

サービスネコ「前に狩られたウラガンキンを見たニャけど、大きくて固くてインパクト抜群だったニャ」

サービスネコ「余裕があれば捕獲して生きたまま連れて来たいニャ。そっちのがインパクトあるニャ。麻酔玉がいくらでも使えるのも僕らの強みだニャ」

飛行船ネコ「君はシビレ罠使えるからニャ」

サービスネコ「明日は生きたウラガンキンに跨った僕を、ご主人様に見てもらうニャ」

~次の日~

武具屋「ウラガンキンだって?随分大物だな…」

サービスネコ「インパクト重視ニャ」

武具屋「…」

飛行船ネコ「顔色が悪いニャ」

サービスネコ「また誤射したらイガグリ大砲で吹っ飛ばすニャ」

武具屋「大丈夫だ。問題無い」

サービスネコ「ちなみに今日は難易度が高そうなので四人目のハンターさんをスカウトしたニャ」

武具屋「お前ら同じ境遇のやつじゃないと嫌なんじゃなかったのか?」

サービスネコ「昨日屋台で会った僕らの事をかってくれてる人ニャ。そろそろ来るハズニャ」

ハンマーハンター「おーいたいた!今日はよろしくな!」

武具屋「…よろしく」

飛行船ネコ「飛行船は使ってくれないニャけど、代わりに宣伝として飛行船チケットで作ったハンマーを使ってくれるニャ」

ハンマーハンター「いやあまあそれくらいはな」

飛行船ネコ「僕も今日は飛行船チケットで作った防具ニャ。宣伝になるニャ。最初からこうするべきだったニャ」

~火山移動後~

サービスネコ「早速いたニャ!前衛の一人と一匹、突撃だニャ!」

飛行船ネコ「ウニャーッ!」

ハンマーハンター「おっ。この飛行船の形したハンマー、軽くて中々良い感じだな」

飛行船ネコ「こいつめちゃくちゃに硬いニャ!武器が通らないニャ!」

ハンマーハンター「ここは俺の出番だな!こいつの足の付け根は柔らかい!見てろ!気絶させて倒して一斉攻撃だ!」

ハンマーハンター「よしっ今だ!…いてっ!いてっ!な、なんだ!?」

サービスネコ「ああっ!武具屋のヘビィボウガンの弾がウラガンキンより的確にハンマーハンターを狙い撃ちにしてるニャ!」

ハンマーハンター「ちょ…!待て…!身動きが…!」

サービスネコ「何やってるだニャ!撃つのをやめるニャ!」

武具屋「…」ブツブツ…

サービス「こいつエレクトしてやがるニャ!」

ハンマーハンター「やめろッ!ウラガンキンが…!うわぁぁぁ!!」

飛行船ネコ「ローリング攻撃でハンマーハンターさんが引き潰されたニャ!」

サービスネコ「やめるニャ!やめるニャ!そこにモンスターはいないニャ!壁を撃つのをやめるニャ!」

飛行船ネコ「二人とも!揉み合ってないで逃げるニャ!ウラガンキンが行くニャ!」

サービスネコ「ニャ!?ニャーッ!」

~ベルナ村~

ベルナ村の受付嬢「あれ?君たち、さっきクエスト受注してたけどまだ行ってなかったの?」

飛行船ネコ「…違うニャ」

サービスネコ「今行ってきたニャ」

ベルナ村の受付嬢「えっ?…あはは。随分お早いお帰りで~なんて」

サービスネコ「冗談じゃないニャ」

ハンマーハンター「…チッ」

サービスネコ「お前…一体どういうつもりだニャ?」

武具屋「…」

サービスネコ「黙ってちゃ分からないニャ!」

ベルナ村の雑貨屋「あれ?あの子達、どうしたの?あんなにボロボロで」

村のハンター「確かさっきウラガンキンを捕まえるニャ!って息巻いてたやつらだよな?もう戻ってるって事は…失敗したのか?」

のんきな村人「ふぁ~あ、情けないやつらだね」

ベルナ村の村長「所詮ネコはネコであったか。期待したワシがバカであったわ」

サービスネコ「見ろニャ!お前のせいで酷い言われようだニャ!」

ハンマーハンター「…あーあ!飛行船の宣伝だとかで無理やりこんな変なハンマー使わされて!そりゃ失敗するわ!」

飛行船ネコ「ニャ!?」

ハンマーハンター「使い心地は文字通り飛行船並みに最悪だったよ!」

サービスネコ「お前…さっきまでと全然態度が違うニャ!」

ハンマーハンター「うるせえよ近寄んな。こんなもん!ランボスすら狩れやしねえ!あばよ!」

飛行船ネコ「あ!投げ捨てないでくれニャ!」

のんきな村人「…まああんなフワフワしたハンマーじゃなあ~」

龍歴院の首席研究員「飛行船の宣伝でしたっけ?そんな事のためにクエストを受注したりしないでくれたまえよ」

飛行船ネコ「ち、違うんだニャ!」

サービスネコ「…お前、クビだニャ」

武具屋「…」

サービスネコ「二度と顔を見せるな、ニャ」

武具屋「…分かった」

飛行船ネコ「ま、待つんだニャ!」

サービスネコ「いいんだニャあんなやつ。武具屋がお似合いニャ。プーギー連れてった方がこっちの邪魔しない分まだマシだニャ」

飛行船ネコ「でもあの人がいなけりゃ僕らはイヤンクックすら狩れなかったニャ!」

サービス「いいか、ニャ?奴はノーコンで、そもそもハンターに向いてないんだニャ。それに奴のせいで僕らの地位は失墜したニャ。多分もう誰も僕らと組んでくれないニャ」

飛行船ネコ「でも…でも…ニャ」

サービス「もう今日は疲れたニャ。明日からは僕らだけで狩りに行くニャ。じゃあニャ」

飛行船ネコ「ニャ…」

アレってショートカット機能なだけで実際は飛行船で飛んでると思ってたぞい

>>69-70
そこなんですよね(白目)
あくまでこのSSでの設定って事でお願いしゃす。
飛行船チケットは地図利用者にも無理やり配ろうとしてたってことで、、

~その夜、武具屋の裏~

飛行船ネコ「こんばんは、ニャ」

武具屋「…お前か」

飛行船ネコ「ちょっと屋台にでも行かないかニャ?今日は他にお客さんもいなくて静かだったニャ」

武具屋「…」

飛行船ネコ「お願いしますニャ」

~アイルー屋台~

飛行船ネコ「誓って責める気は無いんだニャ。でも理由が知りたいんだニャ」

武具屋「…そうだな。話すよ。おかみさん、達人ビール二つ」

武具屋「昔の話だ。俺はチャージアックス使いとしてそれなりに名の通ったハンターだった」

飛行船ネコ「ガンナーじゃなかったニャ?」

武具屋「ああ。というか、名の通った、は正しくない。名の通りかけたハンターだった」

武具屋「ある日いつものように狩猟に出かけると、かつてなく巨大で凶暴なモンスターに出会った」

武具屋「名をテオ・テスカトルといった」

武具屋「狩猟開始してしばらくした頃、当時のチームのメンバーが俺の名を叫ぶのが聞こえた」

武具屋「逃げろ、と言ってた気がする。その時だった。テオ・テスカトルが鱗粉を撒き散らしながら宙に浮かび、静止したんだ」

武具屋「何かデカイ攻撃をしてくるのは分かった。でもガードで防いでカウンターをお見舞いしてやれると思った」

武具屋「正直天狗になってたんだな。次の瞬間、ガードなんかお話しにならないくらいのとんでもない爆発が俺を襲った」

ベルナ村の受付嬢「知ってますそれ。スーパノヴァですよね?」

飛行船ネコ「唐突に話に入ってきたニャ」

ベルナ村の受付嬢「隣だからね」

飛行船ネコ「お姉さんもこっちに来て飲まないかニャ?」

ベルナ村の受付嬢「ナンパ?」

飛行船ネコ「そんなテンションじゃないニャ。あんたなんとなくいい人そうだニャ」

ベルナ村の受付嬢「もうクエストに行くハンターさんが来る時間帯でもないし、じゃあそうしようかな!おかみさん!達人ビール一つ!」

武具屋「…奢るよ。それで、スーパーノヴァだったな」

ベルナ村の受付嬢「ありがとうございます! …スーパーノヴァ。ベテランのハンターさん達の間でもかなり恐れられてるんですよ」

飛行船ネコ「そんなに凄いのかニャ?」

ベルナ村の受付嬢「たまにこの村から遠くに見える爆発、あれは火山の噴火かスーパーノヴァって話よ」

飛行船ネコ「絶対巻き込まれたくないニャ」

ベルナ村の受付嬢「エネルギーが溜まるのに特定の周期があるから、砂時計を持参するハンターさんもいるみたい」

武具屋「知らなかったよ。仲間達は知ってたのかもな。俺はとにかく、巻き込まれた。それからだ。モンスターに近寄るのが怖くなった。」

武具屋「引退はしたくなかった。だからガンナーになろうと思った。…ちなみに俺はノーコンじゃない」

飛行船ネコ「えっ!?ほ、ホントかニャ!?」

武具屋「モンスターを前にすると手が震えるんだ。相手がデカイほどそれが強くなる。イヤンクックなら問題ない。フルフルはギリギリ。ウラガンキンはアウトらしい」

飛行船ネコ「そうだったのか…ニャ」

ベルナ村の受付嬢「山みたいなモンスターもいるみたいですよ。そんなのに会ったら震え死んじゃいますかね?」

武具屋「笑い事じゃない」

武具屋「…そういうわけだ。今日の事でハッキリと諦めがついたよ。悪いがお前とチームを組むのはここまでだ。俺は武具屋に戻る」

飛行船ネコ「そんニャ! まだ諦めるのは早いですニャ!」

武具屋「実はガンナーで失敗したのも初めてじゃないんだ。俺の誤射が酷すぎて仲間に矢を射られた事がある」

ベルナ村の受付嬢「さらっと凄い事言いましたね」

飛行船ネコ「それが膝の…やっぱりお仲間さんに誤射されたんですニャ?」

武具屋「誤射じゃない。狙って射られたんだ。思えばそれがやめどきだったんだなあ…」

飛行船ネコ「でもまた復帰しましたニャ。ハンターとしての熱意は燃え尽きてないんですニャ?」

武具屋「正直に言おう。俺がお前らとチームを組んだのは、お前らならちっちゃくて誤射しづらいと思ったからなんだ」

飛行船ネコ「ニャッ!? 確か僕らがどこまでやれるのか見たいとか言ってたニャ!」

武具屋「建前だ」

飛行船ネコ「…でも、実際僕らに誤射したことは無かったですニャ」

武具屋「爆弾に当たっただろ」

飛行船ネコ「直接僕に当たったわけじゃないですニャ」

武具屋「とにかく、俺はもう諦めた」

飛行船ネコ「ニャッ…」

武具屋「…楽しかったよ。短い間だったが」

武具屋「もう行くよ。立派なニャンターになれよ」

飛行船ネコ「…」

ベルナ村の受付嬢「行っちゃいましたね…」

飛行船ネコ「今朝は二人と二匹で狩猟に出かけたニャのに、これで二匹だけになっちゃったニャ」

ベルナ村の受付嬢「落ち込まないで下さい。私にできる事なら協力しますから」

飛行船ネコ「一緒に狩猟に行ってくれるニャ?」

ベルナ村の受付嬢「それはちょっと…。私受付嬢っていう仕事が好きなんですよ。私のところでクエストを受けて、狩猟に出かけていくハンターさん達のたくましい顏を見るのが好きなんです」

飛行船ネコ「…僕もホントはそうなんだニャ…」

ベルナ村の受付嬢「…?」

飛行船ネコ「僕も飛行船の手続きをしてウキウキしているハンターさん達が大好きだったんだニャ」

飛行船ネコ「でも今日の出来事で、逆に飛行船の株は下がってしまったニャ」

飛行船ネコ「もうなにをやってるのか、わからなくなってしまったニャ」

ベルナ村の受付嬢「…ニャンターちゃん…」

~次の日~

サービスネコ「…ボコボコにされたニャ」

飛行船ネコ「イャンガルルガの毒になすすべも無かったニャ」

村のハンター「なんだ、あいつらまたすぐ戻ってきたぞ。ボロボロで」

のんきな村人「ふあ~あ。ハンター、いや、ニャンター向いてないんじゃないの?」

ベルナ村の村長「全く、村の恥さらしであるわ」

飛行船ネコ&サービスネコ「…」

サービスネコ「二匹じゃ…正直きついニャ」

飛行船ネコ「だから言ったニャ!僕らがフルフルとかを狩猟出来たのは武具屋さんのおかげだったニャ!」

サービスネコ「…あいつの名前はもう出すな、ニャ」

太刀ハンター「おーいたいた! どこ行ってたんだ? 探したよ!」

サービスネコ「ニャッ!? だ、旦那さん!」

太刀ハンター「遠征から帰ったらいねえんだもん。心配したぜ?」

サービスネコ「ぼ、僕に何かご用でも…ニャ」

太刀ハンター「お前確か黄金魚狙いの術持ってたよな? ちょっと最近ポイントがピンチでさ。ニャンターとして俺を助けてくれねーか?」

サービスネコ「ニャッ…確かネコ嬢もそんなこと…僕のスキルの事言ってたニャ…」

太刀ハンター「頼むよ。オトモ広場で他のネコ探すのもめんどくせーしよ」

サービスネコ「…分かりました、ニャ」

飛行船ネコ「ニャ!?」

太刀ハンター「おーよかった。やっぱお前が一番だわ。そんじゃ今から早速遠征で黄金魚釣りまくってきてくれ。じゃあな」

サービスネコ「かしこまりました、ですニャ」

飛行船ネコ「…」

サービスネコ「…」

飛行船ネコ「何を言ってるニャ?」

サービスネコ「遠征の準備をしてくるニャ」

飛行船ネコ「待つニャ! そもそも君が僕をニャンターに誘ったニャ! 勝手に抜ける気かニャ!?」

サービスネコ「ご主人が僕を必要としてくれたニャ」

飛行船ネコ「ただのポイント稼ぎとして、だニャ! ルームサービスに復帰するのが目的だったニャ!?」

サービスネコ「…オトモはご主人のお役に立てればそれでいいんだニャ」

サービスネコ「不要になったオトモがムーファに乗せられて、辺境の地へ送られるのを僕はたくさん見てきたニャ」

サービスネコ「魚釣りでもなんでも、ルームサービスじゃニャくても。ご主人のお役に立ちたいんだニャ」

飛行船ネコ「…いくじなし、ニャ」

サービスネコ「…じゃあニャ。陰ながら飛行船の事、応援してるニャ」

飛行船ネコ「オトモがなんニャ!? ご主人に言われたからって、魚を釣ったからって、ご主人を見返した事になんかならないニャ!」

飛行船ネコ「そんなのただの奴隷だニャ!! ルームサービスをとられて悔しかったんじゃないのかニャ!?」

サービスネコ「…」

飛行船ネコ「お前なんかだいっきらいニャ! 行っちまえニャ!」

飛行船ネコ「…ちくしょう…ニャ」

~次の日~

飛行船ネコ「いらっしゃいませニャ~! 飛行船受け付けはこちらですニャ!」

ベルナ村の加工屋「おうっ? あいつ昨日までニャンターで息巻いてたやつじゃねえか?」

のんきな村人「ニャンターじゃダメだから飛行船窓口のネコに完全に戻ったのさ。誰も来やしないのにったく。ふあ~あ」

飛行船ネコ「いらっしゃいませニャー! いらっしゃいませニャー!」

しっかり者の村人「もーうるさいわね! 立ち話出来ないでしょ!」

飛行船ネコ「ご、ごめんなさいニャ」

ベルナ村の受付嬢「…」

~その日の夜~

飛行船ネコ「…」

飛行船ネコ「ふ、フフ、ニャ」

飛行船ネコ「そりゃそうだニャ」

飛行船ネコ「元々誰も使ってくれないのにこんなダメニャンターがやってるんじゃ尚更だニャ」 

飛行船ネコ「宣伝どころじゃないニャ。僕なんかがやってる飛行船。イメージは最悪だニャ」

飛行船ネコ「…引退するか、ニャ」

飛行船ネコ「武具屋さんも、サービスネコも、みんないなくなっちゃったニャ。村のみんなも、僕なんかいないほうがいいハズニャ」

飛行船ネコ「…いいんだニャ。夢が見れただけ。幸せだったニャ」

女ハンターA「…ネコちゃん?」

飛行船ネコ「ニャ…?あんたは…」

女ハンターA「その…ちょっといいかな? この前の事謝りたくて…」

飛行船ネコ「別に気にしちゃいないニャ。あんなのもう慣れたニャ」

女ハンターA「違うの! ちゃんと謝らせて!」

飛行船ネコ「…そんな大声出さなくていいニャ」

女ハンターA「あのあとドスガレオスを狩りにいって、そのままアカムトルム狩りに行っちゃって…機会がなかったの」

飛行船ネコ「ホントに謝りたいならその場で出来たはずニャ。アカムトルムに行く前にも戻って出来たはずニャ。信用出来ないニャ」

女ハンターA「…ごめんなさい」

飛行船ネコ「今日はもう一人の、あのうざい女は一緒じゃないニャ?」

女ハンターA「…私一人」

飛行船ネコ「そうなのか、ニャ」

女ハンターA「ウカムトルムでお金稼ぎしようって言われて付いていったんだけど、疲れちゃって。あの子はまだ男のハンターさん達と狩猟してると思う」

飛行船ネコ「どうでもいいニャ」

女ハンターA「…ごめんなさい」

飛行船ネコ「もういいニャ。帰ってくれニャ」

女ハンターA「ごめんなさい」

飛行船ネコ「分かったにゃ。もういいニャ」

女ハンターA「ごめんなさい」

飛行船ネコ「帰れって言ってるニャ!」

女ハンターA「わ、私、普段思った事口に出せなくて…だから謝れなかった事、あの子の言った事に怒れなかった事、ずっと後悔してたの!」

飛行船ネコ「ニャ…?」

女ハンターA「私…あの時実は飛行船の形した武器、良いと思ったの。格好いいなって。でも言えなくて…。その…」

飛行船ネコ「お世辞はいいニャ…」

女ハンターA「お世辞じゃない!」

飛行船ネコ「うるさいニャ! もう分かったからどっか行けニャ!」

女ハンターA「…」

飛行船ネコ「飛行船ネコとしてバカにされ、最近はニャンターとしても馬鹿にされたニャ! その上同情なんかされたくないニャ!」

女ハンターA「ネコちゃん…ニャンターになったの?」

飛行船ネコ「そうニャ! でも結果は散々だったニャ!」

女ハンターA「今、誰かと一緒にチームを組んでるの?」

飛行船ネコ「組んでないニャ! みんな僕の事見捨てたニャ!独りぼっちニャ!」

女ハンターA「…そう。だったらさ。私とネコちゃんでチームを組まない?」

飛行船ネコ「…ニャ?」

女ハンターA「私も今一人だしさ。私たちで狩りに行かない?」

飛行船ネコ「なるほど、ニャ。うざい女がいなくなって頭数が欲しいんニャ? 心配しなくてもあんたなら綺麗だから男ハンターには困らないハズニャ。募集すればわらわら集まるニャ」

女ハンターA「そんなことない…」

飛行船ネコ「あるニャ。募集板の名前が女っぽいってだけで参加する男ハンターはいっぱいいるニャ」

女ハンターA「違うの! 私、頭数とかそういうんじゃなくて…あなたと組みたいの!」

飛行船ネコ「ふっ。ばかばかしいニャ。一体どんな裏があるニャ? 僕を設置型爆弾Gにくくりつけて囮にでもするニャ?」

女ハンターA「そうじゃない。あなた…純粋だから」

飛行船ネコ「純粋…ニャ?」

女ハンターA「ずっと思ってたの。みんな同じ。武器の攻撃力だとか、報償金がどうだとか、食事して発動スキルが悪いから参加しちゃ駄目とかって。そんなのばかばかしいって」

飛行船ネコ「それと僕が何の関係があるニャ?」

女ハンターA「…正直に…言う。言います。飛行船って正直非効率的でしょ?」

飛行船ネコ「今さら否定はしないニャ」

女ハンターA「…はっきり言うのね」

飛行船ネコ「実はニャンターとして活動してる間、地図で移動してたニャ。本末転倒ニャけど、焦ってたニャ。そして使ってみて分かったニャ。地図移動は便利だニャ」

女ハンターA「でも不満がある。違う?」

飛行船ネコ「…正直、味気なかったニャ」

飛行船ネコ「確かに早いニャ。疲れないし、効率的だニャ。でも…」

女ハンターA「…私も同じ事思ってた。私がハンターになったのは狩猟に関わる要素全てに憧れてたから、なの。狩猟は狩ってる間だけが狩猟なんじゃない。準備してる時とか、移動してるときとか、それも全部含めて狩猟なんだって」

女ハンターA「地図移動は便利。でも、それが分かった上でもあなたは飛行船を宣伝したい、でしょ?」

飛行船ネコ「…そうニャ。地図の便利さを実感するとともに、改めて思ったにゃ。最近のハンターさん達は効率重視過ぎる、ってニャ」

女ハンターA「…私、飛行船をまた使いたいなって思ってたの」

女ハンターA「雪山に行くのに通過していく森林、渓流。それを眺めてるのが好きだった。たまに飛行船を飛竜が襲ってくることもあったけど、それも醍醐味だと思ってた」

飛行船ネコ「だったら使ってくれればよかったニャ」

女ハンターA「…言いたい事言えないって言ったけど。要するに周りに流されやすいの私。君がうざいっていったあの子、あの子もいいところはあるの。 それで、なんていうか…なにも言えなくて。飛行船も…」

飛行船ネコ「僕も弱気ニャけど、あんたもそうなんニャね」

女ハンターA「色々あってね。…だから…その…あなたの気持ちは分かる、つもり。そういうわけで…だから、 私とチームを…」

飛行船ネコ「分かったニャ。組むニャ」

女ハンターA「ほんと!?」

飛行船ネコ「少なくともあんたは村の僕を馬鹿にしたハンターさん達とは違う気がするニャ」

女ハンターA「よかった! じゃあ早速明日からクエストいこっ!」

飛行船ネコ「急に元気になったニャ? でも僕は正直足手まといかもしれないニャ。今日もイャンガルルガにこてんぱんにされたニャ」

女ハンターA「なら明日一緒にイャンガルルガにリベンジしよ? そうしよ!それじゃね!」

飛行船ネコ「さっきまでと全然テンション違うニャ」

~次の日~

飛行船ネコ「今日はよろしくお願いしますニャ」

女ハンターA「うん、よろしくね!」

飛行船ネコ「元気だニャ」

女ハンターAの筆頭オトモ「あなたが噂のニャンターか、ニャ」

飛行船ネコ「噂ニャ? 君はなんニャ?」

筆頭オトモ「私はご主人の筆頭オトモよ、ニャ。最近飛行船装備で身を固めた情けないニャンターがいるって評判ニャ」

飛行船ネコ「…今さら追い討ちしないでくれニャ」

筆頭オトモ「否定しないニャ?」

飛行船ネコ「事実だからニャ」

筆頭オトモ「情けない雄だニャ。飛行船装備のネコがそんなにうなだれてたら飛行船のイメージは下がる一方ニャ。手痛く負けてる時ほど胸を張るニャ」

飛行船ネコ「…確かに、その通りだニャ」

筆頭オトモ「せめて受け付け窓口で呼び込みしてたあの元気くらいは欲しいわね、ニャ」

飛行船ネコ「見てたのかニャ」

女ハンターA「何やってんのー? 手続きしに行くわよー」

飛行船ネコ「かしこまりましたニャ」

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