【艦これ】愛宕「私と」提督「俺と」高雄「私」 (1000)


< しかいない >






提督「そういうことだぜ? ここから、責任から逃げるってことは」

愛宕「問題でもあるの? 」

高雄「私はあなたがいればそれでいいので」

愛宕「ねぇ高雄私は? 」

高雄「いても構いませんよ? 」

愛宕「む……」

高雄「でもあなたもそうでしょう?
私は明日の朝あなたたち二人が消えていても驚かないわ」

愛宕「同意はするけど……さすがにそこまで酷くないわ」

高雄「どうだか」




提督「…………まぁ、一番覚悟が無いのって俺なんだけどな」


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【艦これ】高雄「私と」愛宕「私と」提督「俺」

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こちらでもお願いします

ありがとうございました


< 薄荷はハズレじゃないと思う >






提督「飴ちゃんいらない? 飴ちゃん」

高雄「では私はこれをいただきます」

提督「ん。お前はどれがいい? 」

Littorio「これを。……何故ダンボール箱一杯に飴が」

提督「毎年買い溜めた飴が余るんだよね。
で、消費期限近いのを集めてきてんの」

高雄「この時期は切れたものを捨てて近いものを食べるのが専らの習慣ですね」

Littorio「はぁ」

提督「よければ手伝ってくれ。……飴ちゃーん、飴ちゃんはいらんかねー」

漣「貰った! 」






漣「これお土産ー」

叢雲「なによ。……これサクマドロップスじゃない……しかも薄荷だけのやつ」


< 趣味が仕事と仕事が趣味は別物 >






明石「案だけが溜まっていくこの現状どうしたものか」

愛宕「あの人に見せてみれば? 大概のことは許可出してくれると思うけど」

明石「そうでしょうけどね……私一応理論屋なんで実際の製作に踏み込むまで長いんですよ」

愛宕「ふぅん? 」

明石「理論屋の私と実験屋の夕張、それを補う人間の技術者。
それが本来なら揃ってるべきなんですよね」

愛宕「横須賀にでも行く? 」

明石「まさか。別にそこまでして兵装開発に貢献したいわけでもありません」

愛宕「そ」

明石「…………なので新しい単車でも買おうかなーとか。自費で」

愛宕「……それは経費じゃ落ちないわねぇ」


< 見境なし >






高雄「一月八日の誕生石はグリーントルマリン。
石言葉は“ 落ち着き ”、“ 優美 ”、そして“ 女性的 ”」

愛宕「さっき暇だったから雑誌のおまけ読んでたのよね」

高雄「ええ」

愛宕「それで男性的脳か女性的脳か、ってやつやってたんだけど」

高雄「圧倒的に男性的脳だったのでしょう? 」

愛宕「そ、よく分かったわね」

高雄「まぁ……私も大体そうですし」

愛宕「あぁいうのってなんとなくステレオタイプな感じで分かりやすいわよね」

高雄「ええ」

提督「…………俺それ半々だったんだけど」

高雄「えーっと……それは」

愛宕「つまり……両刀になれる素質? 」

提督「ちげぇよ。…………たぶん」


< ツッコミが味方とは限らないが >






高雄「今日の誕生花は満作。
花言葉は“ 順応性 ”、“ 閃き ”、“ 直感 ”、そして“ 神秘的 ”」

愛宕「でも案外流されやすいから……ね? 」

提督「ね? じゃねぇよ」

愛宕「中性的な男の子から徐々に男性的な方にシフトしていって気付いたら」

高雄「バイですか」

提督「いやいやいや……おかしいだろそれ。
まず中性的な男の子の時点でブレーキかかるから」

愛宕「本当? 」

高雄「非常に疑わしいですね」

提督「お前ら俺のこと色情狂だとでも思ってんのかよ」

愛宕「さぁ……少なくとも欲の量は半端じゃないと思うけど」

高雄「胸に手を当てて……あぁ、これは私の胸ではないですからね? 」

提督「そんなもん分かるっての……高雄が悪ノリするとツッコミがいないな」


< 一度付いたキャラ、みたいな >






提督「今日のカクテルはミドリスプモーニ。
カクテルワードは“ 周りの環境を美しく変える才能の持ち主 ”、だ」

漣「テラフォーマーかな? 」

提督「そいつら美しく変えてたっけ? 」

漣「さぁ……漣読んだことないですし」

提督「えぇ……」

漣「……ぶっちゃけそんなもんでしょ。
ご主人様もいつの間にかネタ元の分からないスラングとか使ってますよたぶん」

提督「そうかな」

漣「そうですよ」

提督「…………まぁ、それにしてもお前のにわか振りは何故だか終わらないな」

漣「これおかしいですよね……割と色んなものに詳しくなってきたはずなんですが」


< どうしてお風呂だと感傷的になるんだろう >





雲龍「最近は暖かいわね」

天城「そうですね。提督の地元も雪が少ないとか」

雲龍「そう……」

天城「はい」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………葛城どうしてるかしら」

天城「…………さぁ。でもあちらには瑞鶴さんもいますし」

雲龍「……迷惑かけてないといいけれど」

天城「……姉様が大丈夫なので大丈夫かと」


< カットが楽しくなってしまって >





瑞穂「……スライスレモンって大皿一杯に敷き詰めるものでしたっけ」

Littorio「……壮観ですね」

加賀「ふっ……」

叢雲「なんで自慢気なのよ……」

加賀「まぁ、いいじゃない。この人数だからこそできることがあるわ」

瑞穂「……加賀さん一人でも食べられるような」

加賀「食べられるのと満足できるのは違うということよ」

Littorio「…………」

叢雲「…………」

瑞穂「……量さえあれば一定の満足が得られるのでは」

加賀「それは味が前提。……ほら、好きなお酒と一緒に食べましょう。砂糖はこれね」


< なんとなく連想で >






提督「ふぅ…………相変わらずお前と風呂入ると溺れかける」

愛宕「そのときは私が引き上げてあげるわ」

提督「体力奪って沈めて引き上げるとか拷問か」

愛宕「気持ちいい拷問で死ねるなら本望でしょ? 」

提督「…………もうなんかいっそ深海の方に亡命したい。快楽堕ちしたい」

愛宕「できるの? 」

提督「地上の情報沢山持ってるしできるんじゃない? 」

愛宕「そもそも国とかそういう概念はあるのかしら」

提督「どうだろうな。……縦セタ見たい」

愛宕「はいはい」


< 身体は癒えても心が摩耗していく >






愛宕「…………まぁ、でも」

提督「うん? 」

愛宕「……大事にしてくれてありがと。傷なんてすぐ治せるのに」

提督「別に。俺が生傷とかに弱いだけだし」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……ごめんなさい。今日はイイ女になり切れないみたい」

提督「……いいさ。俺はイイ男じゃなくて悪い男だからな。気にならないよ」


ありがとうございました


< 寒さがあなたの暖かさをおしえてくれる >






愛宕「んー……」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………結局おんぶに抱っこなのよね、お互い」

提督「……んあ…………Zzz」

愛宕「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「……好き、大好き。この世のなによりも、ね」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………」

提督「…………Zzz」

愛宕「…………リブセーターね。着てこなくちゃ」


< なんだって唐突に >






叢雲「はい、テスト」

江風「ン? 」

海風「? 」

叢雲「今日の訓練は予定を変更して座学よ」

江風「……うっそだろおい」

海風「え……」

叢雲「私の独断じゃないわよ? 昨日あいつがやれって」

江風「あンのクソテートク……」

海風「…………」

叢雲「というか……これつくったのあいつだから私もやんなくちゃいけないのよね」

漣「おおー、頑張ってね叢雲ちゃん」

叢雲「あなたもね」

漣「デ、デスヨネー……ははは」

江風「…………で、そのテートクは? 」

海風「……まだ寝てると思うよ、朝餉もいなかったし」

江風「……いい御身分だぜまったく」


< 授業よりはテストの方が >





Littorio「えーっと……では試験時間は百二十分です。スタート」

叢雲「…………」

漣「…………」

海風「…………」

江風「…………」

Littorio「……これが学校、というものの雰囲気なのでしょうか」

雲龍「……さぁ。私も経験無いから」

Littorio「…………」

雲龍「…………」

Littorio「…………Littorioたちも受けてみればよかったでしょうか」

雲龍「嫌よ二時間も座りっぱなしなんて。
……そもそもあの人のテストなんてどうせ異常に捻くれた問題でしょう? 」

Littorio「……確かにそんな気はしますね」


< 問題つくるのも割と難しいものだが >





Littorio「答案は人数分しかありませんけれど……」

雲龍「問題用紙はあるのね」

Littorio「ええ。ちょっとLittorioも見てみたかったので」

雲龍「そう……む」

Littorio「…………」

雲龍「…………」

Littorio「…………」

雲龍「…………ねぇ、最後のここ、見た? 」

Littorio「いえ。先程印刷したばかりなので」

雲龍「……“ 現在の帝国海軍に必要なものは何か ”。
配点はゼロ。ただし回答が無い場合は答案そのものを受け付けない」

Littorio「うわぁ……」

雲龍「回答は回答用紙Cに。その長さは問わない」

Littorio「…………」

雲龍「…………」

Littorio「…………」

雲龍「……本当にこれ兵学校の入試あたりに出てきそうね」


< この後普通に睨まれた >





提督「…………ふぁ? 」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………思いっきり寝坊してるし。タイミングが良いのか悪いのか」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「……さて。シャワー浴びたら叢雲たちでも冷やかしに行くか」


< 自称天然、並の信用度 >






高雄「一月九日の誕生石はグロシュライトガーネット。
石言葉は“ 微笑み ”、“ 穏やか ”、そして“ おっとりした雰囲気 ”」

雲龍「おっとり……? 」

天城「おっとり……というと中々難しいですね」

高雄「確かに。のんびり、だとか穏やか、な方は何人か心当たりがありますけれど」

雲龍「…………」

天城「…………」

高雄「…………」

雲龍「…………まぁ、ここで強いて言うなら天城か瑞穂かしらね」

天城「……そんな自覚はありませんけれど」

高雄「……そんな自覚のある人はおっとりではありませんよ」


< アウトな会話に聞こえる >





提督「ふんふん…………へぇ」

愛宕「……なに不気味な笑い方してるのよ」

提督「いや……テストやったじゃん? 」

愛宕「やってたわね」

提督「論述問題ってさ、解くのは面倒だけど解かせるのは楽しいなーっと」

愛宕「……あぁ、だから嫌らしい笑い方なの」

提督「嫌らしくはないと思うが」

愛宕「追い詰めた羊を甚振る餓狼みたいな顔してたけど? 」

提督「いやぁ……だって楽しいもん」

愛宕「お人形遊びはちいさな女の子の遊びよ? 」

提督「ちいさな女の子で遊んでるんだから大して変わらないだろ、たぶん」


< それともう一つ >





提督「あー……いたいた、加賀」

加賀「なに? 」

提督「これから陸軍の方で新年の会食があるんだが」

加賀「行くわ」

提督「お、おう……じゃあ二時間後に正装して俺の部屋な」

加賀「了解」

提督「おう、急で悪い。……………………本ッ当飯のことと赤城のことになるとヤベぇなあいつ」


< 割と同じ穴の…… >






高雄「今日の誕生花は菫。
花言葉は“ 愛される心 ”、“ 慎み深さ ”、“ 幻想的 ”、そして“ 誠実 ”」

天城「今更な話ですけれど」

雲龍「ええ」

天城「姉様は一体いつ頃から慎み深さを失ったのでしょうね」

雲龍「……あの人に出会ってからとか」

天城「一目惚れだったんですか? 」

雲龍「いえ、そういうわけでもないわね……最初は特に好きでもなかったわ」

天城「はぁ」

雲龍「……ま、愛される心、なんてものに絡め取られたときかしらね。
それがいつかは分からないけれど」

天城「……」

雲龍「…………惚れた瞬間、と言えばまだ恰好がつく? 」


< 解き放つのは世界か、自分か >





提督「今日のカクテルはマンゴヤン・オレンジ。
カクテルワードは“ 解き放たれた世界で生きる高貴な人 ”、だ」

加賀「……そう」

提督「そうなんですって奥さん」

加賀「妻にしてくれるのかしら? 」

提督「俺以外のやつならありえるかもね」

加賀「……美味しかったわ」

提督「そりゃあいつらも海軍のアホに恥掻きたくないだろ」

加賀「そうね」

提督「あぁ」

加賀「……美味しかったけれど、それだけね」

提督「……満足できてない? 」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………私の部屋に御招待してもよろしいかしら、少将閣下」

提督「……よろこんで」


ありがとうございました


< 楽しければ >






提督「……この部屋も割と常連というかなんというか」

加賀「そうね。……どうぞ」

提督「ありがとう。……湯飲みと箸と着替え常備だもんな」

加賀「まるで通い夫ね」

提督「……まるでっていうかなんていうか」

加賀「そのもの? 」

提督「……うん」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………緑茶のお代わりは」

提督「……貰うよ」


< 言いたいことは色々ある >






雲龍「シャンプー……シャンプーの替えはどこ? 」

天城「ね、姉様っ。ちょ、あの、せめてタオルくらい巻いて出てきてくださいってば」

雲龍「面倒じゃない。どうせすぐ戻るんだし」

天城「あのですね……シャンプーはこれをどうぞ」

雲龍「ありがとう。できた妹ね」

天城「いえ、姉様が一部できなさ過ぎるだけですから」

雲龍「できないのではなくてしてないだけよ」

天城「……………………シャワーの続きをどうぞ」

雲龍「ええ」


< 実力を伴えば傲慢とは言わない >






提督「さて諸君」

叢雲「なによ」

漣「ご主人様ー、なんなんですかあのかったるいテストー」

江風「せめて予定はおしえてくれ」

海風「それなら復習もできたのに」

提督「できたら意味ねぇの。抜き打ちでこそ意味がね」

漣「叢雲ちゃんだけ前日から知ってたみたいですけど? 」

江風「そうだそうだー。卑怯だぞー」

提督「あのさ……君らそう言うけど」

漣「はい」

江風「ン」

提督「たかが一日勉強したくらいで俺の叢雲に勝てるとでも思ってんの? 」

漣「……」

江風「……」

叢雲「俺のってなによ俺のって……まったく」


< 鏡 >






高雄「一月十日の誕生石はゴールド。
石言葉は“ 愛 ”、“ 人気者 ”、そして“ 新劇界の貴公子 ”」

明石「なんですそのピンポイント……」

愛宕「ものすごーくざっくり言うとただのイケメン俳優だものね」

高雄「それはざっくりし過ぎなような」

愛宕「いいのよ。私にとって価値が低ければね」

明石「…………まぁ、恋人に近くで花火が見たいって言われて、
花火と屋台呼んでくる人も貴公子みたいなものですか」

愛宕「私にとってはそっちの方が大事」

高雄「…………」

明石「…………大概愛宕さんも重いですね」


< できることなら否定したい >






高雄「今日の誕生花はフリージア。
花言葉は“ 純情 ”、“ 安らぎ ”、“ 無邪気 ”、“ 期待 ”、“ 憧れ ”、そして“ あどけなさ ”」

漣「ご主人様憧れの人は? 」

提督「フィリップ・マーロウ」

漣「……は? 」

提督「……父親にしとこうか」

愛宕「この人のお父様ってすっごくカッコいいのよ」

漣「へぇ……」

高雄「お母様に一途ですしね」

漣「おお……」

愛宕「……」

高雄「……」

漣「……ご主人様の上位互換ですねー」

提督「それ前も言われたけどさ……言われたけどさ」


< 稀によくある >






提督「今日のカクテルはオレンジ・ブロッサム。
カクテルワードは“ 感謝の気持ちを忘れない未来少女 ”、だ」

明石「コナン? 」

提督「それ未来少年だろ」

明石「でしたっけ。……あーいう世界憧れますよね」

提督「そうだな」

明石「ナディアとかも」

提督「……俺は塩にされそうだが」

明石「男色じゃないでしょ」

提督「いや、ソドムとかゴモラは関係無い」

明石「え? 」

提督「ん? 」

叢雲「……うろ覚えの記憶で話すからそうなるのよ」


ありがとうございました


< いつも通りに >






提督「明日と明後日ここ空けるから」

叢雲「はぁ? 」

提督「さすがに見え見えの仮病で新年の謁見その他ぶっちしたのは不味かったな」

叢雲「…………」

提督「高雄と愛宕、加賀と明石連れてくから」

叢雲「……ここの重要人物上から四人じゃない」

提督「ある意味ではLittorioが一番だけどな。……ま、頼んだ」

叢雲「はいはい。……ヘマすんじゃないわよ」

提督「当然」


< 諦め >






高雄「一月十一日の誕生石はヘマタイト。
石言葉は“ 冒険心 ”と“ どきどき感 ”」

愛宕「また横須賀ねぇ……」

高雄「それと帝都にも」

愛宕「ただの観光なら喜んで行くんだけど」

高雄「……ま、私たちは不測の事態に備えてのことなので」

愛宕「抜け出せる? 」

高雄「何事もなければ」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……本ッ当なんで普通の人間じゃなかったのかしら」

高雄「さぁ……とうに諦めたので」


<成人式とかいう理由付け >






提督「成人式か……」

愛宕「そうね」

提督「もういつのことだか」

愛宕「私はそもそも出てないけど」

提督「じゃあ成人式っぽいことでもしてみるか? 」

愛宕「成人式っぽいこと? 」

提督「そこそこ偉い議員とか教育界のありがたーいお話を聞いてだな」

愛宕「うん」

提督「成人代表の話を聞いて」

愛宕「ええ」

提督「誰が当たったのかもよく分からない抽選やってたな、俺のとこは」

愛宕「そう」

提督「一応札幌も区割りだしなぁ……人が多くて面倒だった」

愛宕「…………それ、楽しいの? 」

提督「まぁ、それなりにね。式自体はつまんねぇけど」


< せめて自分の理解できる永遠の内は >






高雄「今日の誕生花はカーネーションピンク。
花言葉は“ 女性の愛 ”、“ 永遠の愛 ”、“ 愛情 ”、“ 感動 ”、“美徳 ”、そして“ チャンス ”」

明石「また盛り沢山な感じですね」

瑞穂の「女性の……男性の愛と分ける意味は」

雲龍「あったんでしょう、これをつくった人物には」

明石「大して変わんないと思いますけどね」

瑞穂「瑞穂には……まだ分かりませんけれど」

雲龍「有るかもしれないし無いかもしれない。どちらでもいいのよ。
分からなくてもどうということもない」

瑞穂「……」

明石「……ま、永遠の愛よりは有る可能性が高いとは思いますけど」

高雄「…………あまり同意したくはない言葉ですね。私としては」


< 面倒な酔い方するなら飲まないで >






提督「今日のカクテルはファジーネーブル。
カクテルワードは“ 個性ある才能を発揮する優しいマドンナ ”、だ」

明石「かなりメジャーなカクテルですよね」

提督「まぁビルドで簡単につくれるし……その辺の居酒屋でも出てくるからな」

明石「ピーチリキュールなんてゲロ甘かと思いきやそうでもないです」

提督「そりゃつまみにミックスナッツあるしな」

明石「ほ? 」

提督「いや、ほ? じゃねぇよ」

明石「ほ? 」

提督「だからさ」

明石「ほ? 」

提督「…………」


< 笑顔で送り笑顔で迎える >






瑞穂「確かに、任されました」

提督「おう、悪いな」

瑞穂「いえ、明石さんに提督にもお世話になっていますから」

提督「……そうか」

瑞穂「はい。……提督」

提督「ん? 」

瑞穂「いってらっしゃいませ。瑞穂はいつまでもお待ちしております」

提督「明々後日には戻ってくるけどな。……ありがとう。行ってきます」

明石「…………Zzz」


< 111 >






愛宕「ポッキーの日みたいなものよね」

高雄「まぁ……そうね」

愛宕「ってことはー? 」

高雄「……それプリッツじゃない」

愛宕「手元にこれしかなかったのよねー」

高雄「はぁ……まぁ、一応正式にはポッキー&プリッツの日でしたか」

愛宕「なんでもいいのよ、イチャつければ」

高雄「……そうね」

提督「今日早く寝ないとヤベぇんだけど

愛宕「え? 」

高雄「早く寝ればいいのでは? 」

提督「え? なに、そんな寸止め状態で放置されたまま寝ろと? あんまりだろおい……」


ありがとうございました


< 悲しくもなく >






提督「じゃ、明後日には戻ってくる」

叢雲「はいはい。こっちのことは任せなさい」

提督「ん」





叢雲「……二日か」

漣「寂しい? 」

叢雲「まぁ、そりゃ毎日顔合わせてたやつがいなくなればね。それ以上の意味は無いけど」

漣「そう? 」

叢雲「そう」

漣「漣は寂しいけどね」

叢雲「ふーん? 」

漣「バーテンダー役いなくなるし仕事増えるし」

叢雲「……ふーん? 」


< きんだん >






山城「まさか新年早々あなたと……忌々しい」

提督「悪いね。これでも少将なわけですよお姉さん」

山城「そこからして何かの間違いよね。独創性ほぼ皆無のクセに」

提督「まぁ……実力あるしね、仕方ない」

山城「はぁ? 」

提督「作戦立案能力が低くてもだな、成功率が百に近ければ有能だろ? 」

山城「……」

愛宕「そもそも私と高雄がいれば作戦立案なんてなんとかなるわよね」

高雄「そこらの適当な参謀よりは有能なはずね、我ながら」

明石「提督は……まぁ、モチベーター? 」

加賀「一部を除くそれなりの艦娘に貢献してはずよ、モチベーターとして」

提督「なんか複雑なんだけど」

愛宕「褒めてるのよ? 」





山城「…………もういっそ艦娘の研究よりこれのクローンでも開発した方がいいわね」


< 割と予想通り >






高雄「一月十二日の誕生石はゴールドストーン。
石言葉は“ 全力投球 ”と“ 一途 ”」

時雨「そういえば新年は山城たちと羽根突きをしてね」

愛宕「あ、こっちでもしてたんだ」

時雨「ということはそっちでも? 」

愛宕「まぁ、皆飽きていつの間にかやめてたけど」

時雨「はは、こっちも同じだったよ。……山城が全力で弱かったなぁ」

愛宕「そういうの得意そうだけど……へぇ」

時雨「センスは兎も角羽子板を破壊してたからね、全力で」

愛宕「……え? 」

時雨「こう、すぱーんと綺麗にね」

高雄「…………なんとなくそれも目に浮かびますよ、私は」


< まぁ、挨拶みたいなもの >






金剛「Hey! お久し振りデース」

提督「そうでもないような……ま、会えて嬉しいよ」

龍田「……隈」

提督「うん? 」

龍田「寝てないの? 男振りが下がるわよ? 」

提督「まぁ、ちょっとな」

金剛「安心してくだサーイ。今夜は私が癒してあげマース」

提督「マジ? 」

金剛「マジデース」

龍田「ふふ、私もお邪魔しようかしら」

霧島「…………私が同室なのをお忘れなく」


< うぃーっす >






鈴谷「提督うぃーっす」

提督「うぃーっす」

鈴谷「なに? ついに罷免でもされんの? 」

提督「新年開幕からそれかよ」

鈴谷「や、だって提督と鈴谷の仲じゃん? 」

提督「なんかあったっけ俺ら」

鈴谷「え、酷くない? あれだけ去年は遊んだのに」

提督「基本酒飲んでくっちゃべっただけだろうよ」

鈴谷「まーね。あけおめことよろー」


< 割と簡単 >






鈴谷「……ん」

提督「お年玉なんか無いぞ」

鈴谷「えぇー……うっそぉ」

提督「だってお前に渡すと熊野に目付けられそうだもん」

鈴谷「いーじゃん別に。それなら熊野にもあげようよ」

提督「……それやって一昨年だか一昨々年だかに酷いことになったんだぞ。思い出せ」

鈴谷「高級取りのくせに」

提督「それお前もだろうが」

鈴谷「や、誰かに貰うお金はまた別ものだよね」

提督「…………」

鈴谷「…………」

提督「…………」

鈴谷「…………なにしてんの? 」

提督「まぁ、待て……………………あぁ、こうか」

鈴谷「……? 」

提督「……ほらよ」

鈴谷「さんきゅ……なんで諭吉魚にしてんのさ」


< ninja >






高雄「今日の誕生花は黄金盞花。
花言葉は“ 悲歌 ”、“ 繊細な美 ”、“ 幼き想い ”、“ 悲しみ ”、そして“ 用心深い ”」

扶桑「いくら用心深くしたところで悲しみは訪れるのよ」

加賀「……なにか言葉が重いわね」

扶桑「事実が重いもの。肩が凝るわ」

加賀「……」

高雄「……それは物理的な」

山城「扶桑姉さまが重いですって? 」

高雄「……どこから湧いてきたのです」

山城「ふん、姉さまあるところに山城あり、よ」

加賀「…………高雄も大概提督の近くに沸くわよね」

扶桑「…………むしろ山城より凄い気もするのだけれど」


< 甲斐 >






叢雲「ふ…………なかなか疲れるものね」

漣「実際有能だもん、ご主人様」

叢雲「……あれでもう少し品行方正で」

漣「野心があればね」

叢雲「……」

漣「……」

叢雲「……」

漣「……」

叢雲「悪くはないと思うけど…………つまらなさそうね」

漣「…………弄り甲斐の無いご主人様なんていらないかも」


< ピュア >






提督「今日のカクテルはフローズンバナナダイキリ。
カクテルワードは“ 人のハートを虜にする妖精のような人 ”、だ」

GZ「まさに貴方のような人のことだな、Admiral」

提督「その割に一部には相当嫌われてるけどな」

GZ「無論誰からも好かれることなどあり得まい」

提督「そうだな」

GZ「私は……それなりに買っているが」

提督「ふーん? 」

GZ「別に外交や祖国が関わるわけじゃない。純粋な気持ちだ」

提督「……そ、ありがとう」


< 別に悪いとも思ってない >






GZ「…………」

提督「…………」

GZ「……貴方は私をどう思っているかな? 参考までに、聞いておこう」

提督「さぁ? 俺お前のこと殆ど知らないし」

GZ「知らずとも好悪の情くらいは沸くものだろう? 」

提督「食い下がるね。……俺さ、女の子のことは身体のどこに黒子があるかくらいまで知らないと、
好きにも嫌いにもならない主義なんだよ」

GZ「ほう…………随分とまた、挑戦的な、というか貴方らしいというか」

提督「……悪いね」


ありがとうございました


< いざ、花の帝都へ >





提督「じゃ」

高雄「お気を付けて」

提督「気を付けるもなにもただ座ってるだけだけどな。運転できないとかつまんねぇ」

愛宕「明日の午後には戻ってくるんでしょう? 」

提督「そ、明日には基地に戻る」

高雄「……お任せしますね」

加賀「鎧袖一触よ」

提督「俺を倒したりはするなよ?

加賀「さぁ……」

提督「いやいや……」

愛宕「ま、倒したくなるようなことする方が悪いわよねぇ」


< それでも、それでも >






高雄「一月十三日の誕生石はロードナイト。
石言葉は“ 信念 ”、“ 将来像 ”、そして“ 想像力 ”」

愛宕「……信念、ね」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………あれで割とある方だと最近思い始めたかもしれないわ」

愛宕「…………まぁ、思想より義理だけど」


< 本人の前では絶対に >






高雄「今日の誕生花は喇叭水仙。
花言葉は“ 気品 ”、“ 報われぬ恋 ”、“ 美しい内面 ”、そして“ 愛に応える ”」

愛宕「もし私たちがいなければ、もしくはただの他人なら」

高雄「ええ」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……報われないあの人の方がカッコいい気もするわ」

高雄「……影のある男、ね」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………もしかして雲龍とか加賀さんにはそう見えてるのかしら」

高雄「…………それはさすがに贔屓目が過ぎるような」


< 嫌、とかではなくて >






提督「今日のカクテルはアプリコット・コラーダ。
カクテルワードは“ 人間関係を大切にする人格者 ”、だ」

加賀「へぇ? 」

提督「……なんだよ」

加賀「別に。外面の良さは流石のものね、と」

提督「それで生きてきたからな」

加賀「少しは私にも見せてほしいものね」

提督「……見せてるだろ」

加賀「…………」

提督「…………つーかなんで俺とお前の部屋が同じなんだと思う? 」

加賀「…………私がそういう道具だと思われてるのか、
それとも仲睦まじく見えたのか」

提督「…………どちらも穏やかではいられねぇな」


ありがとうございました


< このあと滅茶苦茶朝食食べた >






提督「あぁぁぁぁぁぁ……テンション下がる」

加賀「私と目覚めた朝にそんなことあるわけないわ」

提督「自信家ですね。…………もうどうでもいいやつに挨拶するの面倒くせぇ」

加賀「仕事くらい人並にこなしなさい」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………ねぇ…………ん」

提督「ん……ん」

加賀「ぅん…………多いわ」

提督「回数なんて決まってない」

加賀「そう…………やる気は、出たかしら」

提督「……やる気を出す仕事をするやる気は出たかな」

加賀「……ばか」


< 牽制 >






高雄「一月十四日の誕生石はライスパール。
石言葉は“ 芸術的 ”、“ 清らかな心 ”、そして“ 表現が豊か ”」

龍田「清らかね……清らか」

高雄「はぁ」

龍田「自称清らかと他称品が無いはどちらが酷いかしらぁ? 」

高雄「……自称の方では? 」

龍田「ふぅん? 」

高雄「……」

龍田「……」

高雄「……」

龍田「……あれを見ても? 」






雲龍「あなた、同じ匂いがするわ」

扶桑「? 」

山城「ちょっとあなた……扶桑姉さまに変なこと吹き込むんじゃないわよ」


< それでもなお >






高雄「今日の誕生花はシクラメン。
花言葉は“ ハニカミ ”、“内気 ”、“ 内面 ”、“ 嫉妬 ”、“ 切ない ”、そして“ 愛を受け入れる ”」

雲龍「まぁ、そういう冗談は置いといて」

扶桑「冗談……? 」

雲龍「山城を受け入れる気はあるの? 」

扶桑「…………」

雲龍「…………」

扶桑「…………」

雲龍「…………」

扶桑「…………沈黙は答え、なんて後ろめたい証拠よね」


< あなたと夜を、あなたと朝へ >






提督「今日のカクテルはコスモポリタン。
カクテルワードは“ 好きなものに没頭できる熱血タイプ ”、だ」

加賀「横須賀には戻らなくてもいいのかしら」

提督「飲んでかねぇとやってらんねぇよ」

加賀「……」

提督「……連絡はしたし別にいいだろ」

加賀「私は、構わないけれど」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………ま、明日の午後まで時間あるし。好きなことしてこうぜ」


ありがとうございました


< まるで学生のように >





加賀「映画館、というものも悪くないわね」

提督「部屋で観るのとはまた違っていいよな」

加賀「……普通なら子供の頃にするようなこういう経験すらできていないなんてね」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「…………時々来られればいいんだけどな」

加賀「…………そう? こんなに楽しいと逆に怖くなってしまうわ」

提督「怖い? 」

加賀「幸せ過ぎてね。……だから私は本当にたまに、でいいと思います」

提督「…………そっか」

加賀「ええ」


< 帰ってこない >





龍田「いちごの日らしいわぁ」

鈴谷「あー、一月十五日ね」

愛宕「…………」

高雄「…………」

龍田「……ロンドンの軍縮会議から脱退した日なのね。
天龍ちゃんが言ってた」

鈴谷「それあきつ丸が言ってたんじゃない。鈴谷も聞いたよ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

龍田「…………ブラック・ダリア事件も今日なのよ~ 」

鈴谷「殺人事件なんてなんか実感湧かないけどね。
鈴谷たちもっとあれなことしてるし」

愛宕「…………」

高雄「…………」

龍田「…………機嫌悪すぎよね」

鈴谷「…………頑張ったと思うよ、うん」


< したいこと、行きたいとこ、それからそれから >





高雄「一月十五日の誕生石はインドスタールビー。
石言葉は“ モテる ”、“ 愛される ”、そして“ 線香花火のような人 ”」

愛宕「モテる人は違うわねぇ……」

高雄「愛され過ぎるというのも考えものね」

愛宕「……でも」

高雄「ええ」

愛宕「時々こういうことがあると自分がどれだけ依存してるか分かるわ」

高雄「そうね」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………はぁ、今頃何してるかしら」

高雄「…………きっと私たちがしたいようなことを」

愛宕「…………そうよね」


< 執着と >





高雄「今日の誕生花は針金雀枝。
花言葉は“ マメ ”、“ 綺麗好き ”、そして“ 永遠の愛 ”」

あきつ丸「永遠の愛があるのだと信じさせてくれるものでありますね」

愛宕「私たちが? 」

あきつ丸「そう。……自分にはとてもできない」

高雄「なりたくてこうなったわけでもないのですけれど」

あきつ丸「……それを言えば自分もなりたくてこの身に生まれたわけでは」

愛宕「今の状態は嫌? 」

あきつ丸「…………逆に嫌では、ないと? 」

愛宕「だってこの身体でこの状況だからあの人と会えたし」

あきつ丸「……共に死ぬことも子を為すこともできないのに? 」

愛宕「あぁら、別に死ねないわけじゃないんだし大丈夫でしょ、ね? 」

高雄「…………ええ」

あきつ丸「…………は? 」


< 憎めるものなら憎みたい >





提督「今日のカクテルはジャック・ローズ。
カクテルワードは“ 恐れを知らぬ元気な冒険者 ”、だ」

明石「恐れ知らな過ぎでしょ……」

提督「うん? 」

明石「……滅茶苦茶機嫌悪かったんですからね、あの二人」

提督「あぁ、そういう」

明石「他に何があると」

提督「……ま、大丈夫だろ。許してくれるはずだ」

明石「……そういう問題じゃ」

提督「やってしまったものはもうどうしようもないし」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………楽しかったですか? 久々の外デートは」

提督「最高に」


ありがとうございました


< 人には越えられる壁しか用意されていないとかなんとか >






雲龍「結構今更だけれど」

天城「はい」

雲龍「アイドルグループの解散ってこんなに騒ぐものなのね」

天城「天城も詳しくはありませんけれど……天城でも知っている規模のグループですし」

雲龍「……世の中は相変わらず面倒なことだらけね」

天城「ある意味そういった世界とは離れた生き方ですものね」

雲龍「ええ」

天城「……苦労が無い人間なんて、いないのです」

雲龍「ん」

天城「…………ただ、その程度が違うだけで」

雲龍「まったくね」


< 素敵な提督 >






高雄「一月十六日の誕生石はブルームーンストーン。
石言葉は“ 優雅 ”、“ 洗練”、“ シンプル ”、そして“ 豊かな表情 ”」

明石「やっぱり表情がころころ変わる女性の方が好きですか? 」

提督「まぁ、楽しいと思うよ。これは一般論としてだけど」

明石「や、提督の好みですよ」

提督「んー……たとえばだけどさ、高雄のことはそう思うか? 」

高雄「……」

明石「……どうでしょう。無表情なんてことはありませんけど」

提督「微妙なとこだろ? 俺はそういう子の表情を引き出すことに生命を賭けたいね」

高雄「……はぁ」

明石「……引き出される方は複雑な感じみたいですけど? 」

提督「いや、悪いとは思…………でもこれ謝るのもおかしくねぇかな、なぁ? 」

高雄「私に言われても困ります」


< せめて欲望に忠実、と言って欲しい >






提督「どうも……疲れたな」

高雄「はぁ」

提督「やっぱ自分の城にいるのが一番楽だ」

高雄「……そう言う割に満喫していたようですけれど」

提督「ん? 嫉妬? 」

高雄「そうです」

提督「あ、あぁそう……そうか」

高雄「こういう顔の私はお嫌いですか? 」

提督「いや……好きだよ、うん。毎日見たいくらいには」

高雄「……それなら簡単にできるのですけれどね。あなた次第で」

提督「そうかもだけどさ、なんていうか……」

高雄「はい」

提督「カレーが一番好きだけどたまに他のも食べて良さを思い出す、みたいな」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………割と本当に救えないですね」


< 純粋な心 >





高雄「今日の誕生花は金魚草。
花言葉は“ 純粋な心 ”、“ 騒々しい ”、“ 予知 ”、“ 推理 ”、そして“ 欲望 ”」

漣「あぁ、そういえば金魚で思い出しましたけど」

高雄「ええ」

漣「ご主人様ってなんで金魚見たら変な顔するんですか? 金魚にトラウマでも? 」

高雄「……以前酔ったご友人に食べられたそうですよ。大切にしていた金魚を」

漣「え? うわぁ……」

高雄「それ以来変な顔をしているのではないでしょうか」

漣「なるほど。それは確かに悲しい想い出かもしれないですねー」





提督「…………あれ以来金魚って美味いのかなとかつまみになるのかなとか考えてるなんて言えねぇな」


< いつの間にか応援する側に >





提督「センターも段々よくわからなくなってきたな」

明石「やおい……やおいって」

愛宕「まぁ、そもそも今までのも大概でしょう? 」

提督「そうだな。……塾講とか楽しそうだ。
学生と戯れて金貰えるとかヤバいだろ」

明石「あれトップ講師じゃないと辛いって聞きますけど」

提督「元海軍少将の経営する塾なんだから金の入りはいいんじゃない? 」

愛宕「美人講師もつくわよぉ~ 。頑張って大きくしましょうね」

明石「…………実績と引き換えに学生とか母親の人生変えそうですね、こんなのがいると」


< でもそんな人柄だからこそ >





提督「今日のカクテルはブラッディ・ブル。
カクテルワードは“ 無邪気な人柄と優雅さが融合した人 ”、だ」

雲龍「地震は大丈夫だった? あの子」

提督「あの子? 」

雲龍「Graf Zeppelin」

提督「あぁ、あれならドイツの仲間がなにやら守ってたぞ。
こっちではこれくらいで驚いていられないとかなんとか」

雲龍「そう……こっちは特に揺れなかったからそういうこともなかったのよね」

提督「ってもイタリアは地震ある方だろ。ユーロでは」

雲龍「確かに。……Bismarckでもお姉さんできたのね、安心だわ」

提督「ん、まぁ……なんかやたら馴染んでるよな」

雲龍「あの適応力は武器よ。馬鹿にしたものでもないわ」

提督「…………馴染み過ぎて揺れても起きなかったけどな。
あいつが寝てる間この国の地震解説してたのはZ1だったぞ」

雲龍「…………」


< あなたの幸せを踏み台にしたいわけじゃないから >






叢雲「あんた帰ってくるの遅いわよ」

提督「一日くらい許してくれ」

叢雲「その一日で私は代理の面倒な仕事。そっちは女と遊び」

提督「はっはっは」

叢雲「笑い事じゃないんだけど? 」

提督「お前が有能過ぎるのが悪い。少しは俺を深刻にさせてみろって」

叢雲「……まったく。私は都合のいい女じゃないのに」

提督「そんなものにした覚えもない」

叢雲「ふぅん? 」

提督「なんだ」

叢雲「じゃああんたから見て私はなに? まさか妹、だなんて言わないわよね」

提督「えーっと……母親? 」

叢雲「こんな母親は嫌がられるでしょ。子供ができたとしての話だけど」

提督「そうか? 俺はいい母親になると思うけどな、叢雲」

叢雲「…………そ。でも残念ね。私は子供つくる気もないし。
こんな面倒なガキは一人で十分よ」

提督「…………そうか」

叢雲「…………ばーか。子供つくるだけが女の幸せじゃないっての。
そんな辛気臭い顔やめなさいよね、酒が不味くなるわ」


ありがとうございました


< 結局夜に気付かれた >





提督「おーい、タオルその辺に無い? 」

愛宕「え?タオルそこに置いてなかった? 」

提督「や、それは身体拭く用だろ。別のことに使うんだが」

愛宕「別の? 」

提督「あぁ」

愛宕「いいけど……はい」

提督「さんきゅ」

愛宕「……なにに使うの? 」

提督「ちょっとね……うん」

愛宕「? 」





提督「どうするかなこれ。痛いし血が止まらないんだけど。
…………つーか寝惚けて竿の少し上抉ったとか滅茶苦茶笑われるじゃん」


< 世界はよく分からない言葉に溢れている >





Littorio「素敵のテキは何故敵なのでしょうか」

加賀「……は? 」

Littorio「いえ、下らない疑問ではあるのですけれど気になって」

加賀「……素敵、というと私は赤城さんか提督を思い浮かべるのだけれど」

Littorio「ええ」

加賀「…………何故かしらね」

Littorio「…………」

提督「お前さ……また申請しないで変なこと始めただろ」

明石「あ、いや、あのですね……これはたぶんきっと提督の為にもなるかと」

提督「そういう問題じゃないの。帝都への誤魔化しで疲れるのは俺」

明石「……はい」

提督「…………耳貸せ」

明石「……! …………っ……はい。分かりました」





加賀「……あぁいうことじゃないかしら」

Littorio「……違うのでしょうけど無駄な説得力がありますね」


< 別に無くても割となんとかなるけど >






加賀「それで? 」

明石「はい? 」

加賀「提督が出した条件はなにかしら」

明石「…………あー」

加賀「? 」

Littorio「? 」

明石「…………こ、そふ……よう……」

加賀「なんと言ったの? 」

Littorio「なにかを用意する、と聞こえましたけれど」

明石「…………今度工廠にソファかそれっぽいスペース用意しとけって」

加賀「……あぁ。ちょっと予想外だったわ。納得だけれど」

Littorio「……Littorioはむしろ今まで無かったことに驚きました」


< エンカウント >






明石「いや、ちょっと待ってください。予想? 」

加賀「私は恥ずかしい衣装でするのを約束させられたのかと」

Littorio「Littorioは露出の約束かと」

雲龍「なんの話ですか? 」

Littorio「提督のお仕置きの話です」

雲龍「なにその羨ましいの」

明石「えぇ……」

加賀「……正直私も」

Littorio「それくらいならアクセントとして悪くないかもしれないですね」

雲龍「ねぇ、なにをしてお仕置きされるの? 」

明石「言いませんよ……そんな目輝かせた変態忍者に」


< どうもハン・ソロを持て余す >






高雄「一月十七日の誕生石はカテドラルクォーツ。
石言葉は“ 歓喜 ”、“ 興奮 ”、そして“ 愉快 ”」

江風「なンか暇だな」

海風「そう? 海風はこういう時間好きだけど」

江風「嫌いってわけじゃなくて……ンー」

海風「……じゃああれ一緒にやる? 」



漣「っしゃ。漣にはやっぱり勝てないんですよー」

加賀「……たぶんまだスコアでは負けてるはずだけれど」

漣「まだあと五分もありますし? カッコ可愛い漣様を見せて差し上げますよ」

明石「……あ、味方がベイダー卿になりました」

叢雲「……食堂のテレビだと見やすくていいわね」



江風「……いいけど。江風スターウォーズ分かンないンだよね」

海風「おしえてくれると思うけど」

江風「あと江風たちの部屋のテレビ付近PS4なンて置けない」

海風「それ江風の所為じゃん」

江風「へへ」

海風「まったく…………お姉さんは心配ですよ、部屋も片付けられないなんて」


< 結局龍驤に訊いた >





GZ「やおい……? 」

あきつ丸「……度し難い」

GZ「……やおいとはなんだろうか、あきつ丸」

あきつ丸「……あまり説明したくはないであります。
特に食堂のように人が多いところでは」

GZ「……む。では赤城や蒼龍はおしえてくれるだろうか」

あきつ丸「……さぁて。自分には分からないであります」

GZ「…………私が言うのもおかしな話だが」

あきつ丸「おかしな話ならばやめてもらえるとありがたい」

GZ「何故そこまで壁をつくる? 所属や出自など人かそうでないかに比べれば些細なことではないか」

あきつ丸「…………」

GZ「…………」

あきつ丸「…………そのような簡単なことであれば、と言っておきましょう」


< 自己のみにて全き幸福を >






高雄「今日の誕生花は胡蝶蘭。
花言葉は“ 変わらぬ愛 ”、“ 惚れやすい人 ”、“ 清純 ”、そして“ 幸福 ”」

天城「最近その……クズさが増してきたと思うのです」

高雄「はぁ」

天城「単に天城がこの澱みに慣れ過ぎただけかもしれませんが」

高雄「行動が目に余る? 」

天城「はい。高雄さんならばなおさら感じるかと」

高雄「分からない話ではないですが……ま、結局行動や現象なんかよりも気持ちが大切なんです。
愛とかそういうことにとっては」

天城「……」

高雄「私のそのままの、ではないですよ?
あの人がどんな気持ちなのかを考える私の気持ち、です」

天城「……」

高雄「たとえば……あの人は私や愛宕を置いて逃げたりはしないと思います。絶望的な戦場でもね」

天城「……」

高雄「でもそれは私たちを置き去りにしたくないだとか、
自分にもできることがあるから、だとかではありません」

天城「……」

高雄「勝ち目があるのならあの人は逃げます。それくらい断言しましょう」

天城「……」

高雄「…………一人で残りたくないから。
道連れや一緒に堕ちる存在が欲しいから、そういう人です」

天城「……それは天城にもなんとなく分かりますけれど。でも」

高雄「待って。…………そして私はそれが嬉しいんです。
何故なら私も同じことを選ぶだろうから」

天城「…………」

高雄「…………私にとっての愛ですけどね。
別に一般論だとか人の心、なんてものを賢しらに語りたいわけではありませんから」


< あなたにはあなたの >





提督「今日のカクテルはキール・ロワイヤル。
カクテルワードは“ 好きなものに夢中になれる一直線な人 ”、だ」

明石「夢中になれないんならそれは大して好きなものじゃないってことだと思いますけど」

提督「大好きって程じゃないんだろ、たぶん」

明石「自分の本当に好きなものを見つけられた自分は幸せなんでしょうか」

提督「そりゃね。大分果報者だと思うよ」

明石「……一直線にここまできたわけでもありませんが」

提督「一直線なんてつまらないだろ? 」

明石「そうですか? 簡単な方が楽なような」

提督「や、一直線だから簡単なんてこともない。色んな幸せがあるものだって」

明石「……」

提督「……」

明石「……カルヴァドス、ロックで」

提督「ん……酒が楽しみってのもまぁ諸刃の剣だしな」

明石「そういう幸せもある、ですか」

提督「あぁ。…………ん」


ありがとうございました


< 雪なんてものは気にせずに >






金剛「…………」

GZ「…………」





龍田「なにやってるの? あれ」

霧島「お互いに今出せる最高の紅茶とコーヒーを相手に飲ませる会、だそうです」

龍田「ふぅん? 」

霧島「ちなみにこれで八回目」

龍田「楽しそうね」

霧島「ええ。私たち姉妹やドイツ組も楽しめるので言うこと無いです。……ただ」

龍田「ただ? 」

金剛「ふっ……今回も私の勝ちデース」

GZ「なんだと? 今回も私の勝ちだろう。
そもそも今回そちらの勝ちだとしても前回は私の勝ちなのだから“ も ”ではない」

金剛「ほう……? 」

GZ「なんだやるのか? 」





霧島「第一回からこうなって結局カードか麻雀で勝負を付けた挙句無効試合になります」

龍田「…………ドイツとか英国の人って馬鹿なのかしら」


< 風だって気にせずに >





霧島「馬鹿なのかどうかは知りませんが」

龍田「ええ」

霧島「司令たちがいなくてよかったな、とは思いますよ」

龍田「どうして? 」

霧島「あの人とあの人の周りはコーヒー派ばかりですから」

龍田「あぁ……」

霧島「まぁ、だから喧嘩になるってわけでもないですけど」

龍田「別に紅茶が嫌いなわけでもないものねぇ~ 」

霧島「ただあの人がいると緑茶派だの焙じ茶派だのよく分からないのが群がってきますからね」

龍田「人気者だわぁ」

霧島「はい。……あなたもそこにいそうですけれど」

龍田「そうかな? ……んー、私は二人きりでお酒飲む方が好きかなぁ」

金剛「まったくデース」

龍田「んー? 」

金剛「提督ももう少しこっちにいればよかったのに、そんな顔デース? 」

GZ「それは金剛もだろう。……どうだ。そこの二人も一緒にブリッジでもしないか。
二人で競うのもつまらないのでな」

龍田「……あら~? 」

霧島「……逃げ遅れましたね。こうなったら長いですよ」


< 辞書って結構面白い >






高雄「一月十八日の誕生石はローゼライトガーネット。
石言葉は“ 熱心 ”、“ 純粋 ”、そして“ 真面目 ”」

提督「…………」

愛宕「……あぁ、今日はこれの日なんだ。どうも私はドイツ語好きじゃないけど」

高雄「コーヒーを飲んでたら思い付いたとかなんとか」

愛宕「毎朝どころじゃないくらい飲んでると思うんだけど……GZかな」

高雄「まぁ、なにかあったのよ、きっと」

愛宕「うーん……真面目な顔もカッコいいけど、暇ね」

高雄「お勉強中くらいはそっとしておいてあげましょう」

愛宕「そうね」

提督「…………いや、別に喋ってもいいぞ。
辞書くらい読み物感覚で読めんだからさ」

瑞穂「読み物…………? 」


< イヤという程でもないが、ふと >






雲龍『加賀さん』

天城『加賀さん』





加賀「もしかして私に“ さん ”を付けないのって空母組だとあの五航戦だけなの……? 」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………龍驤は軽空母だしGZとはそもそも殆ど話した記憶が」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………」

加賀「…………そんな馬鹿な」


< ある意味最も有力な証拠 >






雲龍「吊り橋効果は馬鹿にできないと思うわよ」

海風「はぁ」

雲龍「たとえばだけど何人かのグループで遊びに行ったとするじゃない」

海風「はい」

雲龍「で、たまたま二人で夕陽を眺めている。
この程度でも普段より好感度は上がると思うの」

海風「まぁ……そうかもです」

雲龍「吊り橋効果は告白のときだけに効くわけじゃないわ。
日々の積み重ねなのよ」

海風「なるほど……確かにですね」

雲龍「ええ」

海風「……で、雲龍さん」

雲龍「なにかしら」

海風「吊り橋効果、効果的だったことありますか? 」

雲龍「…………」

海風「…………」

雲龍「…………私には効果的だったわ」


< 怒ること、拗ねること、悲しむこと >






高雄「今日の誕生花はプリムラ。
花言葉は“ 純粋 ”、“ 幼い恋 ”、そして“ 女性の心 ”」

愛宕「なんだか成長してるみたいな順番ね」

高雄「他意は無かったのだけれど、そうね」

愛宕「……傷付いて一人前の女、みたいな」

高雄「それなら私たちはまだ然程、ね」

愛宕「艦齢なら完全にお婆ちゃんだけどね」

高雄「……そう言われるとただの間抜けか世間知らずのような」

愛宕「お婆ちゃんになるまで世間知らずでいられるくらい幸せでいたいものねぇ~ ……」


< 一歩、また一歩 >





雲龍「…………この煮付け美味しいわ。信じられないことに」

明石「や、信じてくださいよそれくらい」

雲龍「あ、あぁ……そうね」

明石「はい」

雲龍「……本当は誰がつくったの? 」

明石「わ・た・し、です。ちゃんと自分でつくりましたよ? 」

雲龍「…………そう。本当に美味しいわ、明石」

明石「ありがとうございます」

天城「おしえた甲斐があったというものです」

雲龍「食べさせてもらったのは私なのだけれど……そうね。今度は私とつくりましょうか」

明石「はい! 」


< なんとなく響きが >






雲龍「あのね……カマトト振るのもいい加減に」

Littorio「カマトト……? 」

明石「いや、雲龍さんなんてカマトトより酷いでしょ。閨狂いみたいな」

Littorio「カマトト……ふむ」

雲龍「ちょっと。私相手は今までもこれからも一人のつもりなんだけど」

明石「どうだか。そーいうのもカマトトって言うんじゃありません? 」

Littorio「カマトト……カマトト」

雲龍「……ねぇ、あなたはそこでなにを呟いているの? 」

明石「……カマトト連呼ってのも随分変ですね」

Littorio「…………カマトトとはカマボコの種類がなにかですね? 」

雲龍「…………」

明石「…………」


< 答えの出ない問いは夜の良き友になる >





提督「今日のカクテルはカンパリ・トニック。
カクテルワードは“ 人との関係を大切にする誠実な人 ”、だ」

愛宕「で? 帝都では上手くいったの? 」

提督「たぶんな。とりあえず何個か恩も売ってきたし。なんとかなるだろ」

愛宕「そ」

提督「まぁ、いざとなれば逃げるしね。責任感なんて無いから」

愛宕「ふふ、嘘ばっかり」

提督「嘘じゃないさ。自分より大切なものなんて俺には無いぜ? 」

愛宕「……いつかそれが子供になったりするのかしら」

提督「…………さぁ? 」


ありがとうございました


< まぁ、嬉しいと思うけど >






雲龍「葛城……」

天城「進す……誕生日ですね」

雲龍「……豊胸パッドでもあげた方がよかったかしら」

天城「…………姉様」

雲龍「……普通にバスソルトとマフラーにしたわよ」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………天城は獺祭とおつまみセットにしました」

雲龍「あなたね……」


< 大概酷い >






高雄「一月十九日の誕生石はビックスバイト。
石言葉は“ 親切 ”、“ 愛 ”、“ 優しさ ”、そして“ 温かい心 ”」

愛宕「愛」

提督「愛」

高雄「……」

愛宕「……愛って難しいわ」

提督「簡単と思えば簡単だが」

高雄「それはクズか馬鹿の思考かと」

提督「…………馬鹿の方がいいや」


< 神か、人か、それとも >






高雄「今日の誕生花は崑崙花。
花言葉は“ 神話 ”、“ 神秘的 ”、そして“ 純粋な幼き心 ”」

明石「崑崙山ですもんね……」

瑞穂「随分と安易な」

明石「……中国の神様はチートばっかですよね」

瑞穂「……人間らしさありませんよね」

明石「…………」

瑞穂「…………」

明石「…………まぁ、人外の私たちが言うのも笑い話ですけど」


< (毒)花の帝都 >






提督「今日のカクテルはルジェカシスソーダ。
カクテルワードは“ 社会の役に立ちたい情熱家 ”、だ」

愛宕「ふぅん? 」





あきつ丸『……提督殿が軍令部に? 』

提督『それである程度目的を達成したら高雄と愛宕のまともな戸籍つくってくれるんだってよ」

あきつ丸『…………』

提督『ま、正直それなりの成果なんて余裕な気もするが』

あきつ丸『…………それは自分と同じ身になれ、ということでありますな』

提督『あぁ。殿下の、横須賀のある一派が軍令部で使える駒になれってことだ』

あきつ丸『…………』

提督『…………』

あきつ丸『…………』

提督『…………なに? 心配してくれんの? 』

あきつ丸『…………茶化すのはやめてもらいたい。
ものには限度というものがある』

提督『…………そうだな。まったくその通りだよ畜生』


ありがとうございました


< 楽しい妄想 >





提督「ラピュタやってたのか……」

高雄「私は観ましたが」

提督「マジ? 」

高雄「マジです」

提督「……まぁ、俺もののけ姫の方が好きだけど」

明石「私はトルメキア軍のマシンが」

漣「ハウルでしょ」

提督「…………ガリヴァーならあるんだが」


< 女にモテる女とは >






高雄「今日の誕生花はルナリア。花言葉は“ 儚い美しさ ”」

愛宕「扶桑とか? 」

高雄「まぁ」

愛宕「……男の好きそうな感じよね」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………儚さって男の価値観かもしれないわね」

愛宕「…………エロいとか可愛いもそうだけど」


< しないに越したことは >






提督「今日のカクテルはチェリーロワイヤル。
カクテルワードは“ 我慢と根気のバランスの取れた人 ”、だ」

瑞穂「どちらも同じような」

提督「そうかな」

瑞穂「はぁ」

提督「我慢は辛いけどさ、根気は自分で進む才能」

瑞穂「なるほど」

提督「…………ま、どっちも辛いけどな」


ありがとうございました


< 今日も朝がやってきた >






提督「最近無駄に忙しいんだがなんだこれ」

高雄「あなたには無駄でも誰かには無駄ではないんですよ」

提督「ってもね……」

高雄「一応陛下と臣民のためにいるでしょう? 提督さん」

提督「…………」

高雄「…………本当に辛くなったら私がいますから」

提督「…………さすがに捌け口にする程落ちてないというか。
そういうタイプのクズではない」

高雄「……私はそれでも構いません」

提督「俺が構うんだよ……っと、始めるか」

高雄「ええ」


< 誰が為の優しさ >





高雄「一月二十一日の誕生石はピーコックカラーオパール。
石言葉は“ 明るい ”、“ 優しい ”、そして“ 前向き ”」

愛宕「……ここまでクズなら突き抜けちゃえばよかったのに」

高雄「……それでは誰も幸せには」

愛宕「あの人自身は幸せだったかも」

高雄「…………」

愛宕「あれで結構優しい方だもの」

高雄「…………どちらも極められない半端者、なんて本人も笑っていたわ」

愛宕「うん」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………私たちが兵士でなければ、と考えるところだけれど」

愛宕「…………結局いつもそこで堂々巡りになっちゃうのよねぇ」


< 尽きぬ語り >






高雄「今日の誕生花はローズマリー。花言葉は“ 想い出 ”」

漣「ご主人様が漣と叢雲ちゃんのとこに初めて来たときにですね」

高雄「ええ」

漣「それまで派遣されてきた人にはガチ難度、
っていうか答えの無い質問を出すのが習慣だったんですよ」

高雄「答えの無い? 」

漣「はい。十年後のシーレーンだとか会敵時に圧倒的不利だった場合の陣形だとか」

高雄「なるほど……それで? 」

漣「大抵はそこそこ無難な答えが返ってくるんですよね、皆さん優秀な軍人ですから」

高雄「はぁ」

漣「でもご主人様はですねーー」


< 今は遠き >






提督『酒飲むか』

叢雲『ふーん……あなたは逃げるのね、そう』

提督『あ? 違ぇよ。酒飲みながら俺とお前らで最適解議論するんだよ』

叢雲『は? 』

提督『俺の考え見るなら自分で引き出してみろ。
出会い頭の質問みたいな雑な方法で女の子に試されんのは苦手なんだ』

叢雲『…………』

提督『俺もお前らのこと知っておきたいし。……酒あるよな? 』

漣『ありますよー』

提督『よし。……三十分後にここで意見出し合おう。
それまで練っとけよ。すぐに論破されないように』

叢雲『ふん……あんたこそ無い知恵絞りなさい。
そんな大言壮語してつまんない答えだったら張っ倒すわよ? 』





高雄「結論は? 」

漣「結局答えがまとまらなくて一ヶ月くらい考えてから、
ご主人様の名前で帝都に上申してましたね。却下されましたけど」

高雄「…………」

漣「本気で悔しがってましたねー、あの二人」

高雄「…………」

漣「…………」

高雄「…………まったく妬けますね、叢雲さんには」


< 光と闇の攻防 >






明石「PS3と4、箱ですか」

漣「まぁ、去年まではPS3しか持つ余裕無かったんで。反動ですかねー」

明石「あぁ」

漣「お金は唸る程溜まってもスペースと時間が」

明石「苦労されているんですね……」

漣「そうですよー。外地でも一概に一括りにはできないというか」

明石「シーレーン側よりきついところってあんまり想像できませんもんね」

漣「分かってくれますか……! 」

明石「もちろんです」





叢雲「…………自分の所為で相部屋の私も大した持ち物置けなかったのはどうなのよ」

提督「…………食堂のテレビ占有するのやめてくれねぇかな。一応俺のなんだけど」


< 思い出したようなおねだり >





雲龍「ドイツの艦載機……」

提督「先に言っておくが、無理だぞ」

雲龍「…………」

提督「……なんだその無言の抗議」

雲龍「…………ね」

提督「……お前腕に巻き付くの上手いよな」

雲龍「…………なにしても、いいんですよ? 」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………つまり俺がGZあたりと相当仲良くなるか横須賀所属にならないと駄目なんだが」

雲龍「…………? 」

提督「…………なにが問題なの? みたいな顔やめろ。問題しか無いぞ」


< サラッと >





愛宕「こう見えて私も大概受けなわけだけど」

高雄「……は? 」

愛宕「受けなわけだけど」

高雄「…………ええ」

愛宕「あの人に最初から最後まで優位でかつ自分から誘える女なんているのかしら」

高雄「まぁ、世の中にはいると思うわ。それが私やあなたじゃないだけで」

愛宕「それは分かるんだけど……高雄の知ってる範囲で」

高雄「…………龍田さん? 」

愛宕「あれ絶対誘い受けよ。もしくは襲い受け」

高雄「…………金剛さんならそれなりに」

愛宕「……あんまり受けとか攻めとか気にしないんじゃない? なんとなくだけど」

高雄「……えーっとそれなら鈴谷、さんは無いとして」

愛宕「ないわね」

高雄「…………なかなか難しい話ね」

愛宕「うん。でしょ? 」


< 高過ぎる理想は自分にも他人にも >





提督「今日のカクテルはエル・ディアブロ。
カクテルワードは“ 新しいものに敏感な心の持ち主 ”、だ」

加賀「全く逆な存在ね、私は」

提督「そうか」

加賀「どうも新しいものは苦手よ。特に不自由はしないけれど」

提督「大概なんでもできるもんな」

加賀「あなたこそ」

提督「俺はまぁ器用貧乏だし」

加賀「……は? 」

提督「あ? さすがにお前に否定はされたくないんだが」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「……それでは二人とも器用貧乏ということで」

提督「そうだな」

江風「…………器用貧乏じゃなくてさ。
あンたたちのことはオールマイティとか万能って言うンだよ。嫌味かよ」


< 生命の水 >





雲龍「……これは駄目ね。合わないわ」

天城「そうですね。……少し甘過ぎます」

瑞穂「……と言いつつ一本空けるんですね」

雲龍「? 」

天城「? 」

瑞穂「……何でもないです」

Littorio「まぁ、天城の陰に隠れていますけれど雲龍も大概ですからね」

海風「海風はこれ好きですけど……」

江風「江風も。……あの人たちと好み同じだといつの間にか無くなるからありがたいな」


ありがとうございました


< →↘︎……↗︎↗︎↗︎ >






提督「へーい、空母の皆さんと水母のレディ」

加賀「なにかしら」

提督「えー、江風さんたっての希望なのですが皆さんにお知らせがあります」

雲龍「江風? 」

天城「お知らせ? 」

提督「新参とはいえ自分たちばかりテストや演習がきついのは納得いかない、ということで」

瑞穂「はぁ……嫌な予感が」

提督「明日のマルキューマルマルより私制作、叢雲監修の特別テストを実施します。
皆さん奮ってご参加ください」

加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

瑞穂「…………」

提督「…………一位だったらどっか連れてってやるから。そんな嫌そうな顔するなよ」


< 思いっきり釣られてやりにいく >






高雄「一月二十二日の誕生石はスターベリル。
石言葉は“ 思い遣り ”、“ 素直さ ”、そして“ 正直者 ”」

愛宕「皆正直ねぇ……」

高雄「まぁ、捻くれ者よりはいいでしょう」

愛宕「そうだけど」

高雄「……私は江風さんの身が心配でした」

愛宕「それはまぁ……一応皆責任感はあるし、嫌々でも筆記だってできるでしょ」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……私もやってみてもいいでしょうか」

愛宕「……さぁ? 今回は艦種をなんとなく揃えた感じだから私たちのは今度やるんじゃない? 」

高雄「私たち、ね…………いいやる気の出させ方」

愛宕「人参作戦と競争心を煽る作戦ね。
どの時代どの国でも効果的な人間の作戦よぉ」


< 欲、の一言でいい気もする >





高雄「今日の誕生花は大紅団扇。
花言葉は“ 煩悩 ”、“ 情熱 ”、“ 熱心 ”、そして“ 炎のような輝き ”」

漣「煩悩なんて百八も無いよね」

叢雲「一応貪、慢、疑、とか根本的なものとその派生で百八個考えられてるのよ」

漣「えぇ……そんなこと考えるのからして煩悩の塊じゃーん」

叢雲「真理ね。問題があるから悩む。悩みがあるから考えるんだもの」

漣「ふえぇ……」

叢雲「……私的には四苦八苦を計算すると百八になる、ってのは気に入ってるけど」

漣「あぁ……確かに。そういうの考える人の方がよっぽど自由だよ」


< 寒空の下にいる理由は暖かい >





提督「今日は鍋するぞー」

雲龍「……そう」

提督「おう」

雲龍「……スープは? 」

提督「できてからのお楽しみ。知りたかったら愛宕に訊け」

雲龍「……後でいいわ」

提督「そ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………ここ、寒くないの? 」

提督「寒い、寒いが……お前がここで空見てるから来たんだぞ」

雲龍「…………私が暖房になってあげる。こっち」


< 団欒パーティ >





加賀「……………………」

瑞穂「……お鍋のときは異様に静かですね」

明石「奉行ってわけでもないですし」

愛宕「まぁ、美味しく味わってもらってると思えば嬉しいことだけど」

雲龍「ちょっと……そのつみれは私の」

天城「お鍋の中身に所有権なんてありません」

Littorio「しかし……焼肉程の戦争ではないので楽ですね」

高雄「まだ具材は沢山ありますから」

江風「〆はやっぱ雑炊だよな? 」

海風「え? 海風はうどんがいいんだけど」

叢雲「……餅かすいとんが」

漣「食べ物のことになると叢雲ちゃんも意見出すよね」

提督「なんでもいいからお前ら俺の器に具材盛るなよ……ありがたいけど食えもしねぇよ」


< 好きだから、好きなんだ。ただそれだけのこと >





提督「今日のカクテルはキッス・イン・ザ・ダーク。
カクテルワードは“ 自分の世界観を作り上げる素敵な冒険者 ”、だ」

明石「ただの偏屈じゃないんですかそれ」

提督「そうか? 」

明石「ソースは私」

提督「別に明石が偏屈だとも思わないが……偏屈なのか」

明石「自分ではそう思いますよ」

提督「へぇ? ……それならさ」

明石「ええ」

提督「俺は偏屈な人、好きだな。自分の世界持ってるのってカッコいいじゃん」

明石「ッ…………」

提督「…………」

明石「…………それは、提督が偏屈だからじゃないですか? 親近感、みたいな」

提督「かもな」


ありがとうございました


< 僕の私の初めて >






明石「こんな姿に生まれて最初に購入したものはなんです? 」

漣「PSP」

叢雲「缶コーヒーかボトルのお茶かしらね」

愛宕「化粧品」

高雄「私もそうですね」

雲龍「なにかの雑誌だったかしら。……あなたはどうなの? 」

明石「私はスパナですねー。楽しくなってナットぐるぐるしてたら壊しちゃいまして」

雲龍「…………」





提督「まぁ、初めてのバイト代で、だとすると……弁当とか飲み物とかありきたりなやつだろうな、大抵は」


< ちょっと今じゃ考えられない >






提督「今日は八甲田山の日だぞ」

叢雲「八甲田山の日?」

提督「や、そんな日は無いけどさ。分かるだろ」

叢雲「……寒いのは嫌ね」

提督「あぁ」

叢雲「……あんたの実家は? 」

提督「マイナスだと十度になるのも減ったよ、最近は」

叢雲「ふーん……」

提督「…………いつか来いよ。そこそこ持て成してやる」

叢雲「…………そうね。あんたの馬鹿した話でも聞くわ。ご両親でも、友達でも」


< 最近テンションの下がったこと >






雲龍「まさにこの後のテストね」

Littorio「今年に入って高雄にチェスで負け越していること、です」

明石「提督に見せるはずの理論を加賀さんに論破されたこと。……死にたい」

愛宕「ベッドで抱き合ってたらあの人が谷間に思いっきりくしゃみしたことかしら。
……結局お風呂行く理由にできたからチャラだけど」

高雄「…………最近愛宕より少ない」

愛宕「そう? 」

高雄「明らかに」

愛宕「……そう? 」

高雄「そうなのよ」

提督「…………そうか? いや、言い訳はしないけどさ」


< 全力で >





瑞穂「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

愛宕「……これ、どう? 」

高雄「……まぁ、かなり高難度なのは確かだと思うわ」

愛宕「やっぱり? ……私これ分かんない」

高雄「関数列ですか…………これ全く戦闘にも戦術にも役立たないような」

愛宕「うん」

高雄「…………まったく面倒なことを」

愛宕「…………やっぱり性格悪いわよね、あの二人」





提督「ふぁ…………ねむ」

叢雲「久々に本気で問題考えて満足よ、私。…………ちょっと寝てくるわ」

提督「はいよ」


< たゆんたゆん >






高雄「一月二十三日の誕生石はアレキサンドライトガーネット。
石言葉は“ 才能 ”、“ チャレンジ ”、そして“ ポジティブ ”」

Littorio「才能……なにか一つくらいは持ちたいものですね。特に身体を動かす」

高雄「ピザでも回してみるとか」

Littorio「……あのようなこと祖国では誰でもできるもの。才能じゃないです」

高雄「えっ」

Littorio「と、いうのは冗談ですけれど」

高雄「……」

Littorio「……艤装の効果や身体的励起を除くと実は運動音痴なんです」

高雄「あぁ……それで」

Littorio「…………アレ、で雲龍の運動能力が高いのは納得いきません」

高雄「…………結構引き締まってて身長もありますから。多少邪魔なものがあっても」


< 私の記憶? あなたの想い? >






高雄「今日の誕生花はスノーフレーク。花言葉は“ 記憶 ”」

Littorio「……時々、靄がかかったようななにかを想うことがあります」

高雄「靄? 」

Littorio「夢を見た、という記憶からどんな夢かを辿っていくような、なにかを」

高雄「……フリッツX? 」

Littorio「ではないのかもしれません。分からない、なにも」

高雄「…………」

Littorio「……実際は嫌な記憶なのかも、不愉快な記憶なのかも曖昧なの」

高雄「…………」

Littorio「……もしかするとこれは艦艇の方ではなくて、
Littorioがサルベージされてこの身体になるまでの感情なのかもしれません」

高雄「……胎内記憶のような? 」

Littorio「ええ。…………ま、あまり覚えている意味もないとは思うのですけれどね。
それでも時々思い起こしてはいますよ」

高雄「…………」


< 誰しも自分の世界の王であって >






提督「今日のカクテルはキング・ピーター。
カクテルワードは“ 恋をすると美しく輝くお姫様 ”、だ」

愛宕「キング? 」

提督「ナルニアにいたなぁ、そんなの。
……これに使われてるチェリーリキュールの製造者がピーターだったんだよ」

愛宕「へぇ……」

提督「このカクテルはさ、どのチェリーでも代用できるんだ。テイスト的には」

愛宕「うん」

提督「でもそのピーター氏に敬意を表してこのカクテルは彼のリキュールでしかつくられない」

愛宕「……素敵な話」

提督「彼や他の人にとっては、だけどな」

愛宕「…………」

提督「…………俺は、正直どうでもいいよ。お前と飲んでいれば、さ」


< まったく不本意な誤解 >






漣「ほら、燃料が漏れてるぞー。なんでかなー? 」

提督「…………」

漣「くく、なに、俺の所為? 嘘を吐くのはいけないな」

提督「…………」

漣「……俺の主砲が欲しいんだろう? 壊れた弁を塞いで欲しいんだろう? 」

提督「…………」

漣「みたいなことしてるんですか? 」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………いや、プレイってそういうことじゃないから、うん」


< 夜が始まる >





提督「ふぅ……なるほどなるほど」

愛宕「ん、終わった? 」

提督「大体な。……ま、全員及第点ってとこ」

愛宕「優秀な部下だこと」

提督「そりゃ優秀な上官がいるからな。……ん」

愛宕「っふ……なぁに、もう? 」

提督「その為に待ってたんだろ? 」

愛宕「ん……っ…………でも、早過ぎ」

提督「明日も早いからな…………べつにコト自体は早く終わらせないが」

愛宕「んふぅ……ふっ…………ぁ」

提督「……ん」

愛宕「…………さ、むいから。ベッド」

提督「……ん、首」

愛宕「はい…………ふふ、この景色、好き」

提督「俺もだよ。…………離すなよな」

愛宕「もちろん。……………………いつまでも、ね」


< テスト後お決まりの愚痴と、そして >






雲龍「……コリオリ力の計算ってなんであんなに面倒なのかしら」

天城「さぁ……それよりも天城は何故問題の例がパリ砲なのかが分からなかったのですが」

雲龍「そんなのどうせあの人のドイツ贔屓でしょう」

天城「それにしたってWW1時代の列車砲というのは」

雲龍「私たちも旧時代の遺物みたいなものが基なのだし」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………難しかったですね」

雲龍「…………最後の方は割と泣きそうだったわ」


< チェス盤likeな人生はどう? >






Littorio「最近構っていただいていないように思いますね。……はい」

高雄「そこにクイーンを……? 」

Littorio「少しだけ、戦術を変えたのです。前回を反省して」

高雄「…………大体はこちらから近寄らないと構ってはくれませんよ。
側にいるだけで気付いてはくれますけれど」

Littorio「ええ。……そういう駆け引き自体は面白いのですが」

高雄「…………」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「…………現実世界も常に自分が主導権を握って駆け引きできればいいのに」

高雄「…………それでは面白くないでしょう。それに」

Littorio「? 」

高雄「せめて私に勝ち越してから言いなさい。……そのクイーン、取らないわ」


< 身に付けた武器の数だけ弱さがある >






明石「実際問題提督って私たちのことどう思ってるんでしょうね」

加賀「……都合のいい女、気軽に遊べる相手、面倒な女、それとも多少乱暴にしてもしなない化け物」

明石「…………」

加賀「……最後のは無いとしても、どれでも好きなものを選びなさい」

明石「……ネガティヴ過ぎじゃあ」

加賀「そうかしら。私が彼ならそれくらいしか思えないわ。
今でも変わらず接してくれるのが不思議ね」

明石「……これでも好かれている自信はあるんですが」

加賀「嫌われてはいないでしょうけれど……どうかしら」

明石「…………」

加賀「…………」

明石「…………加賀さんにも怖いことって、あるんですね」

加賀「…………怖いことだらけよ。世界は、私たちに優しくないから」


< 失って初めて、なんて恐ろしい >






加賀「ま、提督が……私たちの提督が規格外の人間なのは確かなこと」

明石「ええ」

加賀「……龍驤が言っていた笑い話、聞きたい? 」

明石「聞きましょう」

加賀「……“ 自分たちがどれだけ屈辱的な言葉を投げ掛けられても、
心の最も柔らかい場所を土足で踏み付けられても殆ど実力行使に及ばないのは ”」

明石「はい」

加賀「“ 自分たちこそが最も自らの非人間性を理解しているからだ ”。……本当に楽しそうだったわ」

明石「まったくあの人は……笑えないですね」

加賀「笑えない笑い話。まるで人型の化け物、みたいな矛盾ね」

明石「…………」

加賀「…………だから」

明石「…………」

加賀「……あの人を好きになってしまうのよ。
人として扱わなければならない、みたいな偽善でもなく、
ただの化け物としても扱わないその、天然の意志を」

明石「……そしてそんなものは他にはきっと無いから」

加賀「…………喪われるのが酷く、恐ろしい」


< くだらないことを楽しむ楽しみを >






提督「…………っ、っはぁ、はぁ」

愛宕「ふ、っ……んん…………」

提督「……っ……はぁ、はっ」

愛宕「……はっ…………ーーーー」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「……たまに、さ」

愛宕「んー……? 」

提督「ベッドじゃ、なくて。布団でもいいか、な、なんて思う」

愛宕「私は、いいけど。なんで? 」

提督「…………んっんっ……水いる? 」

愛宕「いるー」

提督「……和服とか、似合うかなって」

愛宕「ん…………そうね。……それだけ? 」

提督「あとはお代官様プレイができるな」

愛宕「なにそれ。和服とあんまり変わらないんじゃない? 」

提督「いやいや……分かってないね」

愛宕「分からなくても……分からせてくれる人がいるから」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………ん、寝る? 」

愛宕「…………寝たいの? 」

提督「お前次第」

愛宕「……そ、じゃあーー」


ありがとうございました


< ブラック以外でもコーヒーはコーヒーだから >






提督「砂糖三つ」

高雄「? 珍しいですね」

提督「疲れたんだよ、色々と」

愛宕「……ふふ」

高雄「はぁ」

提督「……言っておくがテストの採点だぞ。部分点とかもちゃんと付けたしな」

高雄「……何も言ってませんが」

提督「……兎に角砂糖三つだ」

高雄「…………どうぞ」

愛宕「私も砂糖おねがーい」

高雄「…………塩でも流し込みたいくらいの笑顔ですね」


< 箱庭だからこその >






提督「えー、ではテストの結果を発表したいと思いまーす」

加賀「……」

雲龍「……死体蹴りじゃない」

天城「……これを反省して以降に役立てましょう」

瑞穂「…………はぁ」

提督「……加賀くん」

加賀「なにかしら」

提督「トップは加賀くんでした。面白くねぇ」

加賀「……そう」

提督「まぁ、それはいいんだけどさ……これ不味くない? 」

加賀「どうせあなたしか見ないでしょう」

提督「…………」

加賀「……それとも、デートの代わりに帝都にでも連行しますか? 提督」

提督「……………………他のやつも及第点は取ってたぞ。次回は頑張れ」





愛宕「加賀さん何書いてたの? 」

提督「……反乱教唆。最後の論述で」

愛宕「…………」

提督「…………ま、同意はできるし論拠もまぁまぁだったけどさ。これは完全に破棄しないとヤベぇやつだな」


< 負の瘴気 >






雲龍「……これで結局疲れ損ね」

天城「まぁ……はい」

瑞穂「…………点数をおしえてもらいに行くのも嫌ですね」

雲龍「……江風はどこ? 」

天城「……知っていてもおしえませんよ。今の姉様には」

雲龍「…………」

瑞穂「……戦闘の練度ではないので言い訳もできませんし」

天城「…………及第点、ってどこまでなんでしょうね」

雲龍「…………」

瑞穂「…………」

天城「…………別に知りたくもありませんけど」


< そのうちね、そのうち >





明石「あと残ってるのは高雄姉妹、Littorioさん、私。……バラバラですね」

Littorio「Littorioはまだ読み書きに不安があるのですけれど」

明石「提督もイタリア語はできませんしねぇ。どうするんでしょう」

愛宕「この四人だとどういうのが出るのかしら」

高雄「さぁ? ……明石さんの専門分野に近いと全く分からないですね」

Littorio「一般常識とか? 」

明石「……それは厳しいかも」

愛宕「格付けチェックみたいな? 」

高雄「……そんなものが一般常識では困りますけれど」

明石「……大概皆さん舌は肥えてますしねぇ」

Littorio「…………それ以前に提督に冷たくされたら心が折れるかもしれません」


< 大学生くらいだと思っていたり >






高雄「一月二十四日の誕生石はミルキークォーツ。
石言葉は“ 上品 ”、“ 洗練 ”、そして“ 穏やかな心 ”」

加賀「穏やかというか、悟りかしらね」

漣「この歳で枯れ過ぎじゃあ」

加賀「この歳? 」

漣「二十代前半くらいでしょう? 外見的には」

高雄「ですね」

加賀「……そうかしら」

漣「えっ」

高雄「…………」


< 尋問 >






高雄「今日の誕生花はサフラン。花言葉は“ 歓楽 ”と“ 陽気 ”」

愛宕「歓楽街、好きそうよね」

提督「……別に嫌いでもないけどさ」

愛宕「テンション高い所好きなんじゃないの? すすきのみたいな」

提督「……だから嫌いではないけどさ」

高雄「……歌舞伎町だとか中州だとか」

提督「…………お前らといる方が楽しいから。絡むなよ」


< 業を背負う、ということ >






扶桑「……眠いわ」

山城「少し休まれてはどうですか? 最近演習や座学続きでしたから」

扶桑「それは山城もだけれど……そうね、少し休ませてもらうわ」

山城「ええ。私はここで見ていますから」

扶桑「なにを? 」

山城「え、えーっと……姉さまの寝顔を盗み見ようとする輩がいないか警戒している、という意味です」

扶桑「……そう、ありがとう」

山城「いえ」





山城「ふふ……姉さまの寝顔…………あぁ! 」

扶桑「……………………何か寒気が」


< 時々無性に食べたくなる >






提督「ふははははっ! 白玉団子パーティだぜ! 」

江風「まーた馬鹿みたいなことを……なンだこの白玉粉や量」

Littorio「なんと。……これまた愉快な催しですね」

提督「順次握って茹でてくからな。各自持ち場を死守しろよー」

海風「……鍋とお皿の数がおかしいんですけど」

明石「……相変わらずあの人のスイッチは意味不明なときに」

雲龍「……握り担当、か」

天城「……これ割と気を使わないと芯が硬いままになるんですよね」

瑞穂「時間との戦い、ですね」

提督「よっしゃ、配置についたな? じゃあ始めるぞー」


< 指針 >






天城「今日は横井庄一さんが発見された日だとか」

雲龍「グアムでしょう? ……暑いのは嫌ね」

天城「寒いよりは楽だと思いますけど」

雲龍「そうだけど……肌が焼けるのはもっと嫌」

天城「はぁ」

雲龍「あなたもでしょう天……いえ、あの人褐色とか小麦肌ってどうだと思う? 」

天城「……知りませんけど。武蔵さんとは特に仲が良くも悪くもないみたいでしたね」

雲龍「……難しいところだわ」

天城「…………なんでも提督基準なのはさすがに」

雲龍「…………悪い? 」

天城「…………いえ」


< 邪魔であれば、はっきり言う >






若葉「……? 」

GZ「ん? あぁ、すまない。先客がいたのか」

若葉「別に構わない。一人で海を見るのも飽きてきたところだ」

GZ「そう言ってもらえるとありがたい。……名前は? 」

若葉「若葉だ」

GZ「若葉、か。そうか、覚えたぞ」

若葉「あぁ」

GZ「…………」

若葉「…………」

GZ「……いつも屋上で見ているのか? 海を」

若葉「屋上でも見るし、岸壁でも見る。部屋からも見えるな」

GZ「そうか」

若葉「あぁ」

GZ「…………」

若葉「…………」

GZ「…………やはり消えようか? 」

若葉「何故? 」

GZ「む、いや…………なんでもない」

若葉「……? 」


< 台風が過ぎ去った後のような >






鹿島「な、なんなんですこの……物凄く破廉恥な写真は」

龍田「それは何年か前の忘年会のときねぇ。
蒼龍が麻雀で素寒貧にされてスク水着せられたの」

鹿島「はぁ? ……じゃあこれは」

龍田「これはその前の年ね。夏だったかしら?




鹿島「はぁ……あれ、でも一定より後になると写真そのものがないんですね」

龍田「……ええ」

鹿島「写真、撮らなくたってしまったんですか? 」

龍田「…………撮ってもいいんだけどね。撮る意味とか、撮る機会が無くなっちゃったの」

鹿島「……? 」


< 誰と通じるかは分からないもの >






GZ「それで……こう、その上に糖蜜をかけたりフルーツを載せる者もいる」

若葉「おお……」

GZ「しかし私は好かんな。Eierscheckeはそもそもチーズケーキだ。味が損なわれてしまう」

若葉「甘いのは苦手なのか」

GZ「いや、そうでもないが……若葉も糖蜜は辛いと思うぞ」

若葉「……む」

GZ「……イメージが湧かないか? 」

若葉「あぁ」

GZ「そうだな……では今度つくってみようか、あまり得意な方ではないのだが」

若葉「アイアーシュッケを? 」

GZ「あぁ」

若葉「嬉しいが……いいのか? 」

GZ「なに、屋上同盟の誼だ。私が若葉ともう少し話してみたいだけだが」

若葉「屋上同盟か……あぁ、悪くない」

GZ「そうか。…………では近いうちに呼びに行こう。部屋の場所はーー」


< Port >






提督「今日のカクテルはポート・ミスト。
カクテルワードは“ 人との結び付きを大切にする心優しき人 ”、だ」

高雄「……そんなもの、大切にしなくてもいいですから」

提督「……」

高雄「……私を、大切にしてください」

提督「……してるつもりだけど」

高雄「……足りません。抱き締めて、締め付けて、殺してください」

提督「…………」

高雄「…………あなたがいないと、生きていけないんです」

提督「…………不幸だな、お前」

高雄「…………いえ、幸せですよ。あなたを見ていられるだけで」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………女は海、ね。よく言ったものだよ」

高雄「違いますよ……船は、港にしか帰るところがありません」


< この掌であなたを包み込めれば >






高雄「……今日は一段と寒いですね」

提督「そうか? 」

高雄「そうです。……ほら」

提督「ん……冷たいな」

高雄「暫くあなたに触れていなかったから」

提督「…………悪い」

高雄「いえ、私が駄目なんです。あなたに踏め込めないから」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………目、瞑れよ」

高雄「はい。…………っん」


ありがとうございました


< 無駄に美味しい時間帯 >






漣「あうー……ねむねむ」

江風「ンっ? 漣じゃン」

漣「? 江風」

江風「……まだマルヨンマルマルだぜ」

漣「そっちこそ」

江風「…………TKGでいいよな」

漣「もち。……いや、ラーメンも捨てがたいしご主人様叩き起こしてつまみか炒飯でもーー」


< 煌びやかに、華やかに >






高雄「一月二十五日の誕生石はサードオニキス。
石言葉は“ 美的センス ”、“ 純粋 ”、そして“ 煌びやか ”」

提督「……これでいいか」

江風「おおー……」

海風「……カッコいいです」

提督「さんきゅ。……くっそ重いんだけど脱いでいいか? 」

江風「えー? 勿体無いじゃン」

海風「あの……一緒にお写真いいですか? 」

提督「いいけど。…………大礼服とか考えたやつ頭悪過ぎだろ」

高雄「……似合ってますよ? 」

提督「…………そ」


< それでもなお >






高雄「今日の誕生花は椿。花言葉は“ 明るさ”と“ 理想的な愛 ”」

愛宕「……私に魅力的な姉妹がいなければ、とか? 」

高雄「そうだとして得られるかどうかは分からないわ」

愛宕「まぁね」

高雄「…………私だけを愛してくれるあの人、なんて想像できませんね」

愛宕「……まぁ、もうそれあの人じゃないし」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………空想だから素晴らしいのね」

愛宕「…………ええ」


< 非常に悩ましい >






提督「黒じゃん? カラーリング」

明石「シボレーのことですよね? 」

提督「そう。……青にしたい」

明石「いいと思いますよ。個人の好みですし」

提督「…………勇気が」

明石「まぁ、分かりますけど」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………塗ってくんない?」

明石「嫌ですよ…………普段弄らせないくせにこういうときだけ」


< 好みとか言われたら何も言えない >






江風「真田丸始まったじゃン? 」

明石「ええ」

江風「前のより面白い? 」

明石「……世間的にはそうなんじゃないですかね、世間的には」

江風「世間的には? 」

明石「…………いや、本当ノーコメントで」

江風「えぇ……」

明石「……一番好きな大河でも話し合った方がまだ生産的ですよ」

江風「江風は中井貴一の信玄だけど」

明石「え、えぇ……訊いた私が言うのも変ですけどあなた幾つなんです」

江風「や、もちろンDVDだよ? 」

明石「そりゃあ。…………まぁ、少なくともそれ観直した方が楽しめると思いますよ」

江風「ふぅン? 」


< 女将 >






提督「つーかさ、琴奨菊優勝したじゃん」

江風「ン? まぁそうだね」

提督「……相撲は興味無いんだっけ? 」

江風「無くはないよ? たださ、一瞬で決まるのってどうもね」

提督「はーん? まぁ、なんとなく分かるよ。柔道は微妙なとこか」

江風「でもテートクもじゃン? 相撲観てないし」

提督「俺はほら……彼の奥さんの方が気になる程度の興味しか持ってないから」

江風「いや、それテートクの性格なだけでしょ。
……確かに大きさの違い気になったけどさぁ」


< 分かるまで続けてみればいい >






提督「今日のカクテルはビッグ・アップル・クーラー。
カクテルワードは“ 趣味に没頭できる想像力豊かな人 ”、だ」

雲龍「趣味という趣味が無いんだけれど」

提督「料理とか」

雲龍「嫌いじゃないけれど大した拘りもないわ」

提督「あー、ほら。お前歌上手いんだろ? 俺がカラオケいなかったとき」

雲龍「クリスマスね。……初めて歌ったしよく分からなかったの」

提督「へぇ……? 」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………大して上手くもないからな。期待すんなよ」

雲龍「ありがと。……………………♪ 」


ありがとうございました


< カメラの無い歌い場も珍しいので >






提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………臭い取れたか? 」

雲龍「…………たぶん。天城でも連れてくる? 」

提督「…………いや、駄目だろ。取れてなかったら死ぬ」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………あなたがDIAMOND SKINなんて洒落にならないわね」

提督「…………仕方ないだろ、GLAY好きなんだよ」


< 普段の言動からして >






提督「まぁ、臭いはなんとかなるだろ。……痕跡もたぶん完璧」

雲龍「……私は暴露ても構わないけれど」

提督「滅茶苦茶構うんだよね、俺が」

雲龍「…………大丈夫でしょう」

提督「そうか」

雲龍「ええ。……でも」

提督「うん? 」

雲龍「二人でカラオケしてたって言ったらどう思われるかしらね」

提督「…………」


< ~~♪ >






江風「…………ん……Zzz」

海風「…………江風」

江風「…………Zzz」

海風「…………江風」

江風「…………Zzz」

海風「……ねぇ、江風。朝だって」

江風「……んー…………Zzz」

海風「…………」

江風「…………Zzz」

海風「…………」






江風「なぁ、海風の姉貴。どうして毎朝起こしてくれないんだよ」

海風「……起きれてるしいいじゃん」

江風「今はそうだけどさぁ……ンー」

海風「……………………起きたいんなら起きてよ。海風はちゃんと起こしてるのに」


< 豊かなのは心か、それとも >






高雄「一月二十六日の誕生石はパイロープガーネット。
石言葉は“ 気配り ”、“ 心遣い ”、そして“ 心の豊かな人 ”」

提督「お、おう……どうしたものかな」

海風「海風が起こしても全く起きないのに一分後には自分で起きたりするんです」

提督「……高雄」

高雄「私にもどうにもできませんね」

提督「…………まぁ、別にいいんじゃないの。海風が起こさなくても」

海風「…………」

提督「…………俺も朝は強い方じゃないしな。なんとも言えない」

海風「……でも提督はちゃんと毎朝起きてます」

高雄「確かにそうですね。出会ったときからです」

提督「それは慣れだよ慣れ。……そこそこ生きていればね、自然と身に着くんだ」

高雄「……それはつまり毎朝一番最初に起きなくては、という」

提督「いやいやいや……別に毎朝隣に誰かいるわけじゃねぇよ? よ? ん? 」


< なにに殉ずるかよりも、なんの為に生きるのかを >






高雄「今日の誕生花はアマリリス。花言葉は“ 虚栄 ”」

加賀「虚栄心の塊よね」

提督「ん? 軍が? 」

加賀「……この国全体が、よ」

提督「そりゃあお前国なんてのは虚栄心あって当たり前だろ」

加賀「……そのために酷使されるのは」

提督「…………」

高雄「……加賀さんも別に国だとか他人の為に戦わなくてもいいんですよ」

加賀「私、も? 」

高雄「…………」

提督「…………」

加賀「…………染み付いた習慣や意識は変え辛いのよ。たとえそれが意志とは違った内容でもね」


< リキュール・クイーン >






提督「今日のカクテルはシャルトリューズ・オレンジ。
カクテルワードは“ 悪しきものを許せない正義感ある勇者様 ”、だ」

Littorio「ん……オレンジと合わせると幾分飲みやすいですね」

提督「フランスのクイーンはお嫌い? 」

Littorio「西ヨーロッパにフランスを好く国があるとでも? 」

提督「……ねぇな」

Littorio「ええ。……尤も、ドイツも英国も、それに我が祖国も特に好かれてはいませんけれど」

提督「そう考えるとあれだよな、EUって画期的な」

Littorio「画期的? 」

提督「……そういうことにしとけよ」

Littorio「ふふ……」

提督「…………ドイツも大概好かれてるとは言い難いのは確かだけどさ」

Littorio「Littorioは好きですよ? フランスよりは、ですが」

提督「…………」



ありがとうございました


< ちょっとしたことに虚を突かれる >






提督「うーん……やっぱ朝はパンだな」

愛宕「まぁ、コーヒー派だものね」

提督「美味いなぁ、ただのバタートーストなのに」

高雄「誰がつくっても同じ味、というのはつくる側としては複雑ですけれど」

提督「ものは同じでもお前と食べてれば味も変わるさ」

愛宕「家族団欒ってやつね」

提督「あぁ。幸せだね」

高雄「……」

提督「もちろんご飯の朝も嫌いじゃないぜ? 」

愛宕「朝から納豆のトッピングで悩むのはやめてほしいけどねー。おじさんみたいだし」

提督「うっせ」

高雄「…………コーヒー、淹れてきますね」


< 生涯現役 >






江風「テートク見てるとさ」

海風「うん」

江風「中年から性欲が減退し始めるなンて信じられないよな」

海風「……でも悪いことではないんじゃない? 」

江風「ンー……」

海風「……」

江風「……高雄さンたちって何歳でも綺麗だろうなぁ」

海風「……サッカーチームくらい、つくれそうだよね」


< そんな願い >






鈴谷「恋しちゃったんだー たぶん 気づいてないでしょう? 」

金剛「What’s? 」

鈴谷「似合わない? 鈴谷に」

金剛「……自分で言うものじゃないような気がしマース」

鈴谷「まぁね。……約束してくれたんだけどなぁ、いつか連れてってくれるって」

金剛「カラオケ? 」

鈴谷「そ、鈴谷歌好きなんだよねー、って話してたの」

金剛「……行けるといいデスネー」

鈴谷「別に。…………ううん、本当は行きたいけど、さ……ね」


< そういう嫉妬 >






高雄「一月二十七日の誕生石はアルマンダインガーネット。
石言葉は“ 人間愛 ”、“ 優しさ ”、そして“ 清らかな心 ”」

提督「ふぅ……疲れた」

愛宕「はい、コーヒー」

提督「さんきゅ」

愛宕「んーん」

高雄「……そういえばちゃんとカラオケルームは綺麗にできてましたよ」

提督「えっ」

愛宕「ん? 」

高雄「はぁ」

提督「…………いや、別に気にしてないし。
そういう優しさはいらないかなーって」


< いっそ思い切り罵倒された方が >






高雄「今日の誕生花はホルトソウ。花言葉は“ 見せかけ ”」

愛宕「見せかけだけなんとかしても普段がねー」

提督「……」

高雄「別に怒ってもいませんが……いませんが」

愛宕「こういう嫌味くらいは聞いてね? 」

提督「……あぁ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

提督「……………………あぁ」


< 楽しいお風呂 >






愛宕「はうぅん……」

高雄「……どんな声を」

愛宕「……お風呂入って最初に座ったときって声出ちゃったりしない? 」

高雄「分からなくもないけれど……歳かしら」

愛宕「む……どうせ愛宕は八十六歳のお婆ちゃんですから? 」

高雄「その理論だと私もお婆ちゃんに」

愛宕「違うの?」

高雄「違うわよ」

愛宕「そっかぁ」

高雄「ええ」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……はうぅん」

高雄「…………暖かいわね」


< 空元気のような >






提督「なになになんの話? 」

愛宕「やはー」

提督「おう」

高雄「……別に構いませんけどなんの遠慮もなく入ってきますね」

提督「ちゃんと前は隠してるじゃん? 」

高雄「それは当たり前でしょう」

提督「そうか? ……それに男の恥じらいとか悍ましくてちょっと」

愛宕「でも男の人の可愛らしいところは好きよ? 」

提督「あん?」

愛宕「止めてっていっても止めないで腰押し付けたまま足絡めたりそのままキスしながらーー」

提督「ここでヤッてやってもいいんだぞ、ド淫乱」

愛宕「うぇるかーむ」

高雄「……せめてやるなら大浴場ではなく自室でやった方が。皆さん来ますよ、そのうち」


< いつか見た空の下で、また >






提督「今日のカクテルはココモ・サン・ビーチ。
カクテルワードは“ 自分の力で失敗から脱却する貴公子 ”…………だった」

愛宕「……んー、まだ今日は今日じゃない? 」

提督「……そっか」

愛宕「うん」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………あなたの手、好きよ」

提督「…………」

愛宕「…………優しさが伝わるから」

提督「……それも嫌味? 」

愛宕「……分からないの? 」

提督「いや……」

愛宕「…………別に後悔なんてしてないわ。
予想していた、とは言わないけど」

提督「…………あぁ。俺だってそうだ。予想してたら、こんなに好きにぬらなかったさ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………今日を忘れたい? 」

提督「お前たちを忘れたいよ。…………もう一度真っさらな恋がしたい」


ありがとうございました


< 独り寝の夜に濡らすものは >






高雄「…………虚しい」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………なんで嫌いになれないのよ。嫌いに、ならせてよ」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「…………」

高雄「嫌われる苦しみとどちらが辛いかしらね…………ふふ」


< 焦ったらいっそ開き直れ! >






漣「まぁ、でも漣のシュミレ……シメ…………シミュエ」

叢雲「…………」

漣「…………落ち着く、落ち着くから」

叢雲「別に急がせてもないわよ」

漣「…………シミュレーション、シミュレーションね」

叢雲「ええ」

漣「気を取り直して。……つまりここは漣のシュミ……」

叢雲「…………」

漣「…………つまりここは漣のシュミレーションによるとね? 」

叢雲「諦めんじゃないわよ馬鹿」


< 最初の傷はあなたの? それとも私自身の所為? >






高雄「一月二十八日の誕生石はピンクトパーズ。
石言葉は“ 取り持ち ”、“ 世話好き ”、“ 無邪気 ”、そして“リーダーシップ ”」

愛宕「……大丈夫? 」

高雄「……なにが、かしら」

愛宕「……隈酷いけど」

高雄「……そう、見苦しくて悪いわね」

愛宕「そうじゃなくて……別にいいならいいけど」

高雄「いいのよ」

愛宕「…………」

高雄「…………お願いだから余計なことは、しないでね。
私もプライドをこれ以上傷付けたくないの」


< 耐える、なんて美徳でもなんでもない >






高雄「今日の誕生花は片栗。
花言葉は“ 情熱 ”、“ 初恋 ”、“ 嫉妬 ”、そして“ 寂しさに耐える ”」

愛宕「耐えられてないじゃない」

高雄「……別に私が耐える、という意味では」

愛宕「……ねぇ、どうして昨日部屋に戻っちゃったの? 」

高雄「……あなたに譲る日かな、と」

愛宕「……本当は? 」

高雄「…………取られたくないのに私が誰かから奪うような真似をしてジレンマを感じたくなかったから」

愛宕「…………ヤってるときそんなこと考える? 」

高雄「…………彼と二人きりなら忘れさせてもくれますが」

愛宕「…………私がいたから? 」

高雄「…………ええ」

愛宕「……………………で、考えないようにできた? 」

高雄「…………いえ、むしろ逆、だったわね」


< 会議ってやつはきっと無駄 >






山城「二元論でしか語れないクセにダブスタ振りかざすクズが」

時雨「……山城。そんなこと言うものじゃないよ」

山城「チッ…………私たちが兵器だとして」

時雨「あぁ」

山城「運用上喪失した場合は明らかに上の過失じゃない」

時雨「そうだね。……普通なら、そうさ」

山城「“ 精神的な揺らぎによる本人のミスが認められ、その結果轟沈致しました ”、ですって? 」

時雨「…………」

山城「人格や精神性を認めないなら……それは轟沈の理由にならないでしょうがッ。
最後まで兵器として扱いなさいよ! 」

時雨「…………そうだね」

山城「あの男ならこういう場あ……? ……ああッ、どうしてッ、あの男がッ、出てくるのよッ」

時雨「…………」

山城「まったく忌々しい…………時雨」

時雨「……なんだい」

山城「…………姉さまに今の私のこと、絶対言うんじゃないわよ」

時雨「それは軍令部に対して汚い言葉で批判したことかい?
それとも提督のことを思わず思い出してしまったこと? 」

山城「どっちもに決まってるじゃない……ッ。
…………あなたあの男に似てきてるんじゃないの? 」

時雨「それは」

山城「あなたにとっては褒め言葉。…………まったく嫌になるわね」


< 理解するのと実践するのは >






提督「今日のカクテルはソコ・クランベリー・ソーダ。
カクテルワードは“ 他人と違う自分でいたい自由奔放な人 ”、だ」

叢雲「馬鹿の考えそうなことね」

提督「縛られてレールに乗せられるのが嫌だ、みたいな? 」

叢雲「ええ。……私だってこんなレールだと知っていれば乗らなかったのは確かだけど」

提督「お前のそれはレールどころか一本道だしな」

叢雲「…………」

提督「…………自由な人間と自由奔放な人間の違い、か」

叢雲「…………あんたもそこのところ、間違えるんじゃないわよ」

提督「…………あぁ、分かってるさ」


< ノックの前には深呼吸を >






提督「…………高雄」

高雄「? …………お待ちください」

提督「…………」

高雄「…………お待たせしました。何かありましたか? 」

提督「…………今、いいかな」

高雄「…………愛宕が」

提督「愛宕は明日の朝まで戻ってこない」

高雄「……余計なことを」

提督「俺が頼んだんだよ。……俺にぶつけろ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………コーヒーでも淹れましょう」

提督「……え? 」

高雄「どうぞお入りに。…………ピロートークばかりでは、つまらないでしょう? 」


ありがとうございました


< シーツとあなたの愛につつまれて >






高雄「__さん」

提督「ん? 」

高雄「……おはよう、です。シャワー先に浴びました」

提督「あぁ……おはよう」

高雄「ええ」

提督「…………」

高雄「…………だから」

提督「分かってるさ。……ん」

高雄「ん。…………それでは朝餉の準備をしなければなりませんので」

提督「……頼むよ」


< そういう思考はいつだって襲ってくるんだ >






提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………ぽっかり穴の空いた場所に赴いて、か。まるで道路工事だな」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………」

提督「…………高雄に対して一番失礼な話だ、今の。…………最低だ」


< 流儀 >






明石「連装砲、装備してみたくありませんか? 」

加賀「それで少しでも強くなれるのなら」

雲龍「……私はいいわ」

天城「……天城も」

明石「えっ……」

加賀「何故? 」

瑞穂「…………驚く理由がこうも違うというのも面白いですね」


< 堂々と >






高雄「一月二十九日の誕生石はクリスタルクォーツ。
石言葉は“ 安定感 ”、“ 落ち着き ”、そして“ 健康 ”」

江風「テートクには長く健康でいてもらいたいな」

高雄「でも本人の行動が伴わないと」

江風「や、でも今更酒やめたらストレスで死にそうじゃン? 」

高雄「それが困ったところですね」

江風「……って言う割には楽しそうだね」

高雄「彼が不幸せになることの方が嫌ですから」

江風「そ、そっか」

高雄「ええ」


< 水色とか赤とか黒とか紫が好きな色だよ >






高雄「今日の誕生花はラナンキュラス。花言葉は“ 溢れんばかりの魅力 ”」

提督「今日の色は? 」

高雄「一言では言えませんね」

提督「ふぅん? 俺知ってるやつ? 」

高雄「新しいのです」

提督「そ。……あのファイル取ってきて」

高雄「少々お待ちを」





明石「……さらっとセクハラしてさらっと答えていきましたね」

提督「そういうところかもしれないね、好きなところは」


< 両極端な >






提督「今日のカクテルはストロベリー・ロワイヤル。
カクテルワードは“ 目標に向かって頑張るムードメーカー ”、だ」

Littorio「飲みやすいですね」

提督「ベースはシャンパンだし、そうだな」

Littorio「……甘いのも悪くない」

提督「大概ここだと皆辛い方が好きだからいっつもそっちつくっちゃうんだが」

Littorio「あなたが好きだから」

提督「どちらの意味にもとれる」

Littorio「どちらの意味でもありますから」

提督「……そうか」

Littorio「……嫌っていればあなたを視界に入れるのも嫌ですよ」


< なると思います >






漣「それにしても多少は可愛い子ぶってっていいと思いますけどねー」

叢雲「たとえばなによ」

漣「カルピスサワーとかカシス系とか」

叢雲「……カルピスなんてここにあるの? 」

加賀「確か陸軍側の自販には売っていたわ」

叢雲「……だそうよ。私は面倒だからパス」

漣「や、漣も別に可愛い子ぶらなくても可愛いし」

叢雲「そうね……アーリータイムズ」

加賀「ええ……赤霧島」

天城「容姿は免罪符にならないのですが……黒霧島」


記憶が無い……

ありがとうございました


< 無人島へ持っていくもの、でも同じ>






高雄「一月三十日の誕生石はパーティカラードフローライト。
石言葉は“ 親友 ”、“ 安らぎ ”、そして“ 直感的 ”」

Littorio「安らぎ、という意味ではここ以上のものは外に無いでしょうね」

高雄「……外に出るということはそれだけ他の人間と関わる、ということですからね」

Littorio「ええ。そうなるよりは鳥籠の小鳥でいた方が楽なのかもしれません。……高雄は? 」

高雄「……私は別にどちらでも構いません。一つさえ条件が満たされるなら」

Littorio「……愚問でしたね、これは」


< 待たせるの割と辛いけれど >






高雄「今日の誕生花は金立花。花言葉は“ 捩れた関係 ”」

愛宕「結局帝都との関係はなんとかなったの? 」

提督「うん? ……うん、たぶんね」

愛宕「たぶん? 」

提督「年月かけて捩れた関係を反対に捩り直してもどうしたって歪みは残るさ」

愛宕「ふぅん?」

提督「実績のある不良品なんて扱いにくいことこの上ないだろ? 」

高雄「確かに」

愛宕「そうねぇ」

提督「……ま、そろそろその結果も出るはずなんだけど、さ。待つのって結構辛いなぁ」


< 計画 >






提督「今日のカクテルはサザン・クランベリー・ソーダ。
カクテルワードは“ 心や身体が敏感な霊感の持ち主 ”、だ」

雲龍「記憶を失う程飲ませたらどうなるかしら」

天城「……天城たちもそれまで着いて行く、ということですけれど」

提督「それ目の前で言うのやめてくれねぇかな」

雲龍「…………理性が消えて素の性格になったこの人、見てみたくない? 」

天城「…………まぁ、見てみたくは」

提督「いや、だからさ」


< 答えない >






高雄「……不穏な空気が」

愛宕「え? 」

高雄「……いえ。なんでもないわ」

愛宕「そう? …………チェスなら私よりLittorio呼びなさいよ」

高雄「同じ相手ばかりだと手数が減るのよ。
強くなってるんじゃなくてその相手に対応できるようになるだけ」

愛宕「同じ相手とばかり寝るのを避ける、みたいな? 」

高雄「…………チェック」

愛宕「…………はぁ」


ありがとうございました


< 割とできることも増えるし >






提督「じゃ、シャワーさんきゅ」

雲龍「……ええ」

天城「……また朝食でお会いしましょう」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………天城があんなに可愛らしかったなんて」

天城「…………姉様こそ、あんなにも」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………3Pって割と楽しいのね」

天城「…………ノーコメント」


< 昨夜の出来事 >






提督『あれ? なんで俺お前らの部屋にいるんだ? 』

雲龍『……あなたが来たいって言ったから』

提督『そうだっけ? ……悪いちょっとトイレ借りるわ』

天城『どうぞ』

雲龍『…………』

天城『…………』

雲龍『…………ねぇ、あなた覚悟あるの? 』

天城『…………生娘というわけでもありませんし』

雲龍『…………いえ、私がいる、ということは私に見られるということだから』

天城『…………大浴場では普通に見られていますから。
それよりも天城はお酒の強さを甘く見ていましたよ、彼の』

雲龍『…………』

天城『…………姉様? 』

雲龍『……大丈夫。下着の確認してただけだから』

天城『……はぁ。なんだかんだと言っても乗り気ですね、姉様』


< まだかなまだかな >






鈴谷「チィーッス」

GZ「ちぃーっす……? 」

鈴谷「なんかいい匂いしてるじゃん? なにやってんのかなーって」

若葉「彼女がアイアーシュッケを焼いてくれたんだ。今冷えるのを待っている」

鈴谷「アイアーシュッケ? 」

GZ「EierscheckeはSachsenの……ザクセンは分かるか? 」

鈴谷「大体の場所なら分かるよ。……ザクセンの? 」

GZ「特にDresden辺りの名物でな、まぁ簡単に言うとベイクドチーズケーキだ」

鈴谷「なるー」

若葉「……まだなのか? 」

GZ「もうそろそろだろう。……鈴谷も食べるか? 」

鈴谷「お、いいのいいの? ゴチになりまーす」

GZ「ゴチ……? …………食べながらでいいから、意味をおしえてほしいな。
鈴谷の言葉は少し、私には難しいようだ」

鈴谷「や、おしえる程の……むしろ申し訳ないんだけど」

若葉「タイマーが鳴った! 」

GZ「あぁ。……若葉、フォークと皿を三人分頼む」


< あの初心だった頃には、もう >






明石「はい、見積もりの計算と報告書終わりましたよ」

提督「お、さんきゅー。持つべきは優秀な計算機だな」

高雄「随分と豪華な計算機ですね」

明石「私にはそれくらいしか取り柄ありませんからねー」

提督「別にそういう理由では頼んでないが」

高雄「……まぁ、世の中にはおまけの方が高需要なものも沢山ありますもの」

提督「あぁ。……計算終わったらしいからいいよ、仕事再開しないと。ありがと」

高雄「いえ。私も好きですから」

明石「ではー」

提督「おう」





明石「…………もう膝枕でもなんでもさして驚かない自分に驚きますねぇ」


< 自分で言ったギャグを説明するのは少しだけ悲しい >






高雄「一月三十一日の誕生石はクリソベリル。
石言葉は“ 熱血 ”、“ 人気者 ”、そして“ 引っ張りだこ ”」

漣「修造じゃねぇーか! 」

高雄「は、はい? 」

叢雲「そういうのはあいつか私か……せめて江風にしときなさい」

漣「はーい」

高雄「……修造? 」


< なんてったってマジだから >






高雄「今日の誕生花はチューリップ・レッド。花言葉は“ 恋の告白 ”」

加賀「……恋、ね」

高雄「……恋、です」

加賀「語ろうと思えばいつまでも語っていられるけれど」

高雄「結局一言で済ませてしまえるのですよね」

加賀「…………好きになってしまえば、お仕舞い。勝ち負けで言えば、負け」

高雄「…………告白した方、された方、なんて関係ないですもの」





江風「…………マジな顔であれ言ってサマになるってヤベぇ」

海風「…………江風じゃあ中二にもならないもんね」


< 全く無いとも言えないが >






漣「ご主人様って北海道北海道五月蝿い割に」

提督「五月蝿いとか言うなよ」

漣「五月蝿い割にあんまり方言っぽいの無いですよね、単語もアクセントも」

提督「や、だってそんなの無いし」

漣「無い? 」

提督「俺大体札幌民だからさ。それに北海道で生きてた時間と外にいた時間なんて殆ど変わらないし? 」

漣「はーん? つまり」

提督「おう」

漣「…………エセ道産子? 」

提督「あん? 喧嘩なら買うぞ? ん? 」


< 信じていないとは言わないけれど >






提督「今日のカクテルはティツィアーノ。
カクテルワードは“ 人に喜びや楽しみを与える心優しき人 ”、だ」

Littorio「ティツィアーノ、といえば」

提督「ルネサンス期のイタリア人画家が有名だな」

Littorio「よく知っておられますね」

提督「ルーヴルで見たんだよね、名前は忘れたけどさ」

Littorio「なるほど。……そのときは誰と? 」

提督「フランスの軍人。愉快とは言えなかった」

Littorio「てっきりいつも通り女性かと」

提督「そんなわけ。……俺にだって男の友達いるぜ? 」


ありがとうございました


< 静かな時間に読むと落ち着く >






提督「……………………」





瑞穂「…………」

海風「……おはようございます」

瑞穂「あら……おはようございます」

海風「……なに、してるんですか? 」

瑞穂「……提督を、見ていました」

海風「はぁ」

瑞穂「…………夜に誰とも何も無かった日の朝はあの窓の下で読書をしているのです」

海風「……知りませんでした」

瑞穂「瑞穂も最近やっと把握した行動パターンなのですけれどね、なんとなくですし」

海風「…………」

瑞穂「…………」

海風「…………本人に反比例して物凄く神聖で、静謐って感じです」

瑞穂「…………海風さんも言いますね」


< ノック、オープン、サプライズド >






加賀「ちょっといいかしら」

愛宕「はーい」

加賀「…………」

愛宕「何か用ですか? 加賀さん」

加賀「提督に用が……あなた何をしているの? 」

江風「提督代理こと江風ですけど? なンでもどーぞ? 」

加賀「…………それは提督の軍帽ね」

江風「ン」

愛宕「たまたま出しっ放しで工廠行っちゃったんですよねー」

加賀「…………」

江風「…………? 」

加賀「…………私も被ってみたいわ」

愛宕「! 」

江風「! 」


< 心と財布は強くありたいもの >






高雄「二月一日の誕生石はユーレックサイト。
石言葉は“ 倹約家 ”、“ 機転 ”、そして“ 強き人 ”」

瑞穂「皆さん倹約には程遠いですよね、浪費というわけでもありませんけれど」

高雄「まぁ、お金だけは沢山貰えますからね」

瑞穂「鳥籠に縛り付けるせめてもの代償、でしょうか」

高雄「一つの大きな理由ではあるでしょうね」

瑞穂「…………」

高雄「…………」

瑞穂「…………ではあれは? 」





提督「面倒くせぇ……もう一台シボレー買おうかな」

明石「それなら他のにしましょうよー、ZとかGT-Rとか」

提督「…………日産信者だったなそーいや」

明石「…………この外車かぶれめ」


< 忘れるべきか、抑え込むべきか、それとも >






鹿島「…………うぁ……ごっほ、っ」

龍田「この先図太くないとやってられないわよ? 」

鹿島「……うっ…………あゔっ」

龍田「自分が生きていることに罪悪感だとか後ろめたさを感じる子もいるけどぉ」

鹿島「ん…………えう」

龍田「みーんな沈むか問題起こして消えちゃった」

鹿島「っ…………嫌、死にたく、ないです」

龍田「ふぅん? 随伴の内蔵浴びた程度で戻してるのに? 」

鹿島「…………もう、慣れます」

龍田「慣れちゃ駄目よぉ~ 。そんなサイコパス生きてる価値無いわぁ」

鹿島「…………ではどうしろと」

龍田「さぁ? でもそのフラバくらいなら収める方法あるけど? 」

鹿島「…………」

龍田「…………」

鹿島「…………結構です。あなたは危ないことしかおしえてくれそうもないので」

龍田「あらあら失礼ねぇ…………賢明な判断だけど」


< 上官だから、だけだろうか >






高雄「今日の誕生花は梅。花言葉は“ 高潔”と“ 忠義 ”」

提督「つーかお前いい加減返せよ。大事なものなんだぞ」

江風「えぇ……もうちょっと頼むよ。なンか楽しくなってきた」

提督「俺はいいけどさそんなもん」

江風「ン? 」

提督「…………失くしたり汚したりするとヤバいぞ」

江風「は? 」

提督「……ほら」

高雄「……上官が礼を欠いた状態で万が一陸の方と会ったりするのは避けなければいけませんから」

提督「な?」

江風「ン…………返すわ、軍帽」


< 与えて初めて与えられる >






提督「今日のカクテルはチボリ・スペシャル。
カクテルワードは“ 頼られると生き甲斐を感じる人 ”、だ」

明石「そうなりたいものですけど」

提督「うん? 」

明石「だってそうでしょう?
もし植物が二酸化炭素取り込まないなら今程環境問題なんて取り上げられませんよ」

提督「確かに。あくまで有益であるからこそ人間も自然を守ってる面はあるな」

明石「ええ」

提督「…………有益っていうか楽しいぜ? お前といるの」

明石「…………あなただから、なんですよそれって」


< 耳先まで赤い >






提督「今日はやたら面倒な書類が多かったなぁ……頭を使うと疲れる」

明石「何を当然な。それが仕事でしょう? 」

提督「…………こういうとき千歳とか千代田と記憶無くなるまで飲めればいいんだが」

明石「へぇ? 私じゃ駄目なんですか? へぇ? 」

提督「……お前といると遊びたくなるからな。遊ぶのにも頭を使う」

明石「……」

提督「…………だからそんな顔すんなよ。俺が悪かったから」

明石「べ、別に私はなにもっ」

提督「失くしたくない記憶を積み重ねてきたから、さ。
それでも生きていれば飲むのセーブしたくないときもあるんだよ」

明石「……………………」


ありがとうございました

提督「今日はバスガールの日らしい」

天城「バスガール?語呂合わせでもないですけど何故バスガールの日なんです?」

提督「1920年にバス初の女性車掌さんが運転した日だとか、後語呂合わせなら夫婦の日があるな」

天城「車掌………?あぁバスガイドさんと勘違いしてました」

提督「気持ちはわからんでもないなあ、車掌さんといえば男性だからな。車内放送も男性がほとんどだし」

天城「偏見というわけではないですけど車掌さんは殿方のイメージが強くて………」

提督「偏見ってか先入観って言ったほうがいいのか、別にそうと決まってるわけではないんだけどな」

すいません誤爆です
申し訳ありません


< 意趣返し >






提督「あ? なんだって? 」

雲龍「だからテスト」

提督「そうかそうか、またしたいか」

天城「提督が、受けるのです」

提督「ごめん、なんだって? 」

雲龍「鈍感難聴系じゃないのがあなたの取り柄でしょう」

提督「…………仕事が」

天城「明日の執務は重要なものを除いて高雄さんと愛宕さんに代わってもらいます」

雲龍「叢雲にも頼んだからむしろ時間的には余裕があるわ」

提督「…………」

天城「製作は加賀、雲龍、天城です」

提督「あいつもかよ……馬鹿だろお前ら。演習しろ演習。時間は有限なんだぞ」

雲龍「はぁ……? そっくりそのままあなたにお返ししますよ、提督さん」


< アバタもエクボ、とは違うか >






高雄「あの……大丈夫ですか? 」

提督「よゆーよゆー。なんてったって俺優秀だもんね」

高雄「はぁ」

提督「むしろ俺の執務代行しなきゃならない高雄たちの方が心配だよ」

高雄「そこはまぁ三人でやりますしテストもそこまで時間はかからないようですから」

提督「そ」

愛宕「というか自信でもあるの? 随分な大言壮語に聞こえるけど」

提督「ん? そんなもんない」

愛宕「えぇ……」

提督「でもほら、カッコいいだろ? でかいこと言って辛いこと乗り越えるの」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………今のがカッコよく見えたんだけど私病気? 」

高雄「…………大丈夫。その場合は私も同じ症状みたいだから」


< わいわい昼餉タイム >






海風「今日は海風が担当したんです」

提督「え、マジ? お前本当に江風の姉なの? 」

江風「ひ、ひでぇ……」

海風「白露姉さんや時雨姉さんたちは皆何がしかできるでしょう? きっとそれに似たんです」

江風「さらっと姉妹外しされてるし」

提督「なぁ……強く、生きろよ? 」

海風「……おしえてあげるから、ね? 」

江風「けっこーだよ畜生。憐れむンじゃねぇ」


< 結局好みに落ち着くもの >






高雄「二月二日の誕生石はドロップパール。
石言葉は“ 明るい ”、“ 健康美 ”、そして“ 魅力ある人 ”」

愛宕「こういうの着ないの? 」

提督「えぇ……だってこれダセぇじゃん。靴が致命的」

愛宕「外しくらいでダサいってどういうことなの? 」

提督「や、俺ファッション関係は適当だから。
シンプルにしとけば似合うしそれなりに金かけとけば誰でも様になるっての」

愛宕「まぁ、私も今のが一番カッコいいとは思うけど」

漣「……でもそれ身長ある人の意見ですよね」

提督「確かにそのなりだと制限されるかもな、コーデ」

漣「まったくですよ。貧相でちんちくりんで……」

愛宕「……私なら逆に制服着て外歩いてみたいのに」

漣「長く着てると飽きますけどねぇ」

提督「…………ま、まぁ似合ってはいるって」

愛宕「…………うん」

漣「あっ……」


< 意趣返しの意趣返し >






叢雲「今更遅いと思うけど」

雲龍「なに? 」

叢雲「馬鹿なことしたわね。あいつ絶対やり返してくるわよ」

雲龍「……そうかしら」

叢雲「そうね……たぶん前回より数段難度上げた問題でも出してくるんじゃない? 」

雲龍「えっ」

叢雲「頑張ってね。相当負けず嫌いだし捻くれ者なのよ、あれ」

雲龍「…………」

叢雲「何度も寝てるんだからそれくらい知ってるかと思ってたのに」

雲龍「……それは寝ても分からないことなのよ。多少意地悪なのは知ってるけれど」

叢雲「ふぅん? ……でも虐げられるのが好きならよかったじゃない」

雲龍「別よ。…………それはガリ勉に首絞めながらヤるの好き? って訊くようなもの」

叢雲「うわぁ……」


< 女神と出会って >






高雄「今日の誕生花はスノードロップ。花言葉は“ 希望 ”」

Littorio「希望、ね」

高雄「……勝手に期待して無茶をさせられて、落胆されて」

Littorio「……腹の立つものですね」

高雄「結局どこまでいっても彼らが創造主で私たちは被造物なのよ」

Littorio「…………人間は常に神に成り代りたがっている」

高雄「…………」

Littorio「…………」

提督「…………それで俺の方見られてもね」


< まさしく駄弁り >






提督「物凄くどうでもいいんだけどさ」

愛宕「うん」

提督「あの意味不明な編み方したやつとか前が紐々になってる水着とか下着」

愛宕「あぁ」

提督「あれストラッピーって言うんだな。
てっきりエロ水着って名前かと思ってた」

愛宕「いくら用途が限られてても商品名がそれじゃあ売りにくいんじゃない? 」

提督「あぁ、そうかも」

愛宕「…………エアコンガンガン入れないと寒いのよね」

提督「や、別に今着ろってわけじゃ……あれ着るってより付ける、だよな」

愛宕「うん。…………本当にどうでもいいわね」


< 気品とかは知らない >






提督「今日のカクテルはルビーモスカート。
カクテルワードは……天城か」

天城「ふぅ……いいお風呂でした」

提督「それはなにより。……この後来るだろ? 」

天城「……ありがとう」

提督「いーえ。……“ 他人への配慮を忘れない気品ある人 ”、だからね」





江風「……さらっとカウンター片付けて」

海風「……さらっとグラス置いて」

明石「……さらっと注文訊かずにボトル用意しましたね」

叢雲「…………本当に腹立つくらいそういう配慮はできるわよね、あいつ」


< 立って歩け、前へ進め。あんたには立派な足がーー >






あきつ丸「自らの意志で泣き、己の赴くままに笑う。
それだけで上等であります」

龍田「んー? 見てたの? 」

あきつ丸「隣の個室であれだけやられては五月蝿くてかなわない」

龍田「それはそれは」

あきつ丸「…………もし仮に無理矢理精神を押さえつける方法を請われたらどうするつもりだったのか」

龍田「私結構ここじゃあ顔広いじゃない? 外面取り繕うのは得意だから」

あきつ丸「それで? 」

龍田「男でも女でも貸しなんていくらでもあるってこと。
あと生き物は十人十色に千変万化、ってところかな」

あきつ丸「……悍ましい女」

龍田「ねぇ、今えっちなこと想像した? それともグロいの? 」

あきつ丸「チッ…………その両方は前提のような気がしたであります」

龍田「うふふ……………………試してみる? 」

あきつ丸「絶対に御免被る。それならばいっそ殺される方がマシだ」


< コスってプレイってやっぱ楽しい >






提督「なんていうのかな……強い女の子が弱っているのが好きなのであってね」

愛宕「うん」

提督「お前くらい手強い子が最高に好きなんだよ」

愛宕「ありがと。それで? 」

提督「最初から控え目な子はちょっと苦手なんだ」

愛宕「天城は? 」

提督「……お前あれが控え目に見えるか? 控え目と欲が少ないは別だぜ? 」

愛宕「でも最初はそう思ったんじゃない? 私はそう思ったけど」

提督「まぁ、そうかな。…………知っていくうちに好きになるなんて普通のことだろ」

愛宕「そう……そうね」

提督「あぁ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……で、その好みがどうコスプレに行き着くの? 」

提督「……え、えーっと」


ありがとうございました


< 格子園とかいうセンス >






提督「お前この世代の野球選手とか知らないだろ」

江風「や、ふつーに知ってはいるよ」

提督「ほーん? 」

江風「つーかテートクこそあンま知らないンじゃ」

提督「まぁな」

江風「……この話続かないじゃン」

提督「じゃあ、本名柴田英之と宮崎重明の友情話でも」

江風「おいやめろ」


< 何かを決めた後だれるの勘弁してほしい >






雲龍「眠い……」

天城「朝食後にテストですよ」

雲龍「……どうせ私たちにできることなんてもう無いじゃない」

天城「監督とか」

雲龍「三人も? ……それにもうどうでもよくなってきたわ」

天城「そんな……」

雲龍「…………よく考えたらこの時間とテストつくってる時間あの人に甘えた方がよかったわ」


< いざとなればクソ度胸 >






高雄「二月三日の誕生石はガーネット。
石言葉は“ 度胸 ”、“ 行動力 ”、そして“ 物好き ”」

愛宕「お疲れー」

提督「ん」

高雄「どうでしたか? 」

提督「部分的にはまぁあれだけど……総合的には海大の方がきついな」

高雄「自信があるようで」

提督「言ったろ?俺優秀だから」

愛宕「その天狗が折れないといいわねぇ~ 」

提督「祈っといて。……今日出てくるのは鬼だけどなぁ」

愛宕「あなたがやるんでしょ? 」

提督「えっ」

高雄「? 」


< 笑顔で言われても困る >






高雄「今日の誕生花は節分草。花言葉は“ 拒絶 ”」

提督「つまりこの花渡されたやつはお断りと同時に鬼扱いか」

高雄「鬼のような、というのもよくわかりませんね」

提督「えー、ほら鬼嫁とか言うじゃん? 」

高雄「それも想像できません」

提督「んー……こればっかりは本人がそうじゃないと分からないんじゃないか」

高雄「で、その本人に自覚は無い、と」

提督「あぁ。……ま、結婚して変わる人もいるっていうし、さ」

高雄「あなたにこそ言いたいわ。子供ができたときとかには特に」

提督「…………」


< さすがにトマトは投げないが >





提督「豆撒きじゃおらぁ! 」

愛宕「そーれっ」

高雄「……はっ」

提督「おまっ、おい、軽く投げろてめぇら」

明石「鬼さんこーちら、手の鳴る方へー」

提督「袋まるまる持ってる奴に近付くか馬鹿」

Littorio「なんと……食べ物を粗末に扱えないのがこの国の人間では? 」

瑞穂「…………餅まきなどもありますし楽しければ割となんでもいいのはこの国も同じなんですよね」


< 入ってきてたまるかそんなもの >






漣「おにはぁそとぉー……ふくはぁうちぃ……」

江風「やる気ひっく。自分の半径1メートルくらいに豆積らせるっていくらなんでも」

漣「まぁまぁ。とりあえず嫌なもの祓っとけばなんとかなるんだよ」

江風「はン? 」

漣「ほら、嫌いな教師の名前とか気に入らない有名人の名前とか」

江風「そンなのいるか? ……ふつーにツ級は外ーとかでいいじゃン」

漣「テリトリーに入ってこないじゃんそれ」

江風「確かにこっちが攻めてると言えなくもないけどさぁ……」


< 危うく飲まれるところで >






江風「つーか南南東ってどっち? 」

漣「えっ」

叢雲「…………」

江風「ン? 」

叢雲「……あなた方角もまともに分からないのによく生きてるわね」

漣「……ほらあれだよ。旗艦経験無しで追跡されることもまだだから」

叢雲「……」

江風「そンなに必要かな、海上で」

漣「言われてみればまぁ」

叢雲「確かに艦隊全員が理解していなくても……いや、割と常識でしょう方角なんて」


< どちらにせよ >






江風「い、いや、江風だってまともに思い出せば方角くらい分かるし」

漣「本当ですかね」

江風「本当。絶対他にもとっさに出ない人いるって」

提督「おーい、飯できたぞー。豆回収したか?」

漣「あ、ご主人様」

叢雲「大体はできたわ。そのうち黴びたのが出てくるかもしれないけど」

提督「ご苦労ご苦労」

江風「なぁ、テートク。南南東ってどっちだ? 」

提督「は? お前そりゃ南と南東の間だろ。馬鹿にしてんの? 」

江風「いや、そうじゃなくてここを基準にしてさ、どの向き? 」

提督「…………」

江風「…………」

提督「…………あの、いくら変態かつ無能だと思っていてもさすがに小官のことを馬鹿にし過ぎではないでしょうか? 」

江風「ち、ちがっ」


< 日常ってのも中々クレイジィ >






雲龍「あの人の恵方巻」

加賀「意味深? 」

雲龍「意味深ですらないですけどね」

加賀「……そういえば豆撒きというより種蒔きの方が得意でしょうね」

雲龍「豆撒き中そんなこと考えていたんですか? 」

加賀「今思っただけよ、忘れて」

雲龍「…………最近私逆にゴム付けてヤッてみたいんですよね、どんなものなのか」

加賀「割と新鮮かもしれないわね」





天城「……真顔で意味不明なこと宣いったり話題転換も雑なことこの上無いですね」


< むしろ消去法で逆を探した方が早い >






提督「よう、アル中」

加賀「なにかしらアル中」

雲龍「あなたも混ざりなさいよアル中」

天城「……ですって、アル中さん」

Littorio「そんなことをアル中が言っても」

叢雲「どのアル中のことを言っているのかしら、アル中さん? 」

明石「ほえぇ…………うぁ」

高雄「…………とりあえず明石さん潰して放置はやめましょうよ、アル中の皆さん」


< 五月蝿いときには >






提督「今日のカクテルはカンパリオレンジ。
カクテルワードは“ 人を喜ばせる運命の家庭教師 ”、だ」

高雄「教師、だけでは駄目だったのかしら」

提督「確かにこう、卑猥に聞こえるな」

高雄「それはあなただけ、ではありませんね」

提督「高雄もだろ? 」

高雄「もしそうだとしてそれをおしえ……刻み込んだのは誰? 」

提督「言い直すなよ」

高雄「言葉は厳密に。……別に後悔はしていないけど」

提督「そりゃぁあんだけ乱れてて後悔もなにんっ……」

高雄「ぁ……ぅん…………ゅる…………っ」


< Skypeとかボイチャも少し違う >






漣「えぇ……SWBF滅茶苦茶安くなってる」

明石「セールですかぁ」

漣「……まぁ、四千円くらいですけど」

明石「早いといえば早いですがこんなに待てませんでしたよね」

漣「はい。…………ホスかぁ」

明石「私エンドアみたいに狭い方が好きなんですけど」

漣「漣は……まぁ、どっちでも」

瑞穂「…………食堂にテレビ持ち込んでやらなくてもオンラインがあるのでは」

明石「や、テレビとPS4並べてやるのがいいんですよ、ね? 」

漣「はいー。……さてさて、消し炭にしてやりますかーっと」


< いつだってクライマックス>






高雄「ん……あなたの手、温かい」

提督「心が冷たいからね」

高雄「…………私には十分です」

提督「そ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………高雄の手は気持ちいい。変な意味じゃなくね」

高雄「…………心が醜いですから」

提督「…………俺は好きだよ、高雄のこと」

高雄「……本当に? 」

提督「……心から」


ありがとうございました


< プイッ >






提督「ふぁーぁ。あ、起きたのか」

高雄「……煙い、というか臭いが」

提督「悪いな」

高雄「構いませんけれど……いえ、やはり無い方が私は好きですね」

提督「そうか」

高雄「あなたの匂いが分からなくなるのは、嫌です」

提督「抱く前に吸ったことないだろ? 」

高雄「でも折角誰もいないのに抱き着いたりできないじゃないですか」

提督「へぇ? 」

高雄「…………なんでも、ないです」


< こうして私の世界は色付いていく >






提督「まぁいいや。おはよう、高雄」

高雄「ん……おはようございます」

提督「寝てていいよ、今コーヒー淹れる」

高雄「そう。早いのね、今日は」

提督「普段の高雄が早いだけさ」

高雄「……あの、コーヒーができるまでは」

提督「うん? ……もう着替えたし、臭くないか? 」

高雄「上着に少し付いただけです。
……それにいいじゃないですか。洗濯ならしますから」

提督「…………二度寝しても怒るなよ。もう少しそっち寄ってくれ」

高雄「ん……………………ふふ」



< わ、若奥様もいるしね >






加賀「お味噌を変えてみたの」

愛宕「いいですねー、私はこっちの方が好きです」

加賀「ここは消費が早いから種類試せていいわ」

愛宕「ですね。それで新しい発見があったり」

加賀「最近は切り干し大根にーー」





江風「所帯染みてるっていうか……まンま近所の奥様の井戸端ヒィッ」


< 何故か夜より楽しかったりする >







提督「コーヒーまで布団でぬくぬくするだけじゃなかったのか? 」

高雄「ん…………はぅ」

提督「浅ましいね、朝から男の隣で腰揺らして太腿擦り合わせるなんて」

高雄「だ、ってぇ……」

提督「…………」

高雄「っ……、…………! 」

提督「…………自分で触るだけでいいの? 」

高雄「……………………お願い、触って、ください」


< 一番近くで見ているから >






高雄「二月四日の誕生石はバイカラーアメジスト。
石言葉は“ 陽気 ”、“ 明るさ ”、“ 賑やか ”、そして“ エネルギー ”」

愛宕「元気有り余ってるわねぇ」

高雄「あなた程では」

愛宕「私も普通に好きだもん、ヤるの」

高雄「そ」

愛宕「……知ってる? この澄まし顔もベッドだとそれはもう凄いのよ? 」

明石「へ、へぇ……」

高雄「あなたはそのままね」

愛宕「そんなこーー」

提督「そんなことはない」

明石「……何故そこで提督が」


< 名前の由来は知らない >







高雄「今日の誕生花は木瓜。
花言葉は“ 熱情 ”、“ 平凡 ”、“ 妖精の輝き ”、そして“ 魅惑的な恋 ”」

提督「ぼ、呆けてねぇし」

高雄「いや、別に悪口では」

提督「ま、お前には色呆けって言われても仕方ねぇけどな! 」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………色情狂め」

提督「そこまで言うんじゃねぇよ」


< 安心と危惧と不安と >







提督「今日のカクテルはホットカンパリ。
カクテルワードは“ 安心できる心の友を求める人 ”、だ」

Littorio「……高雄には感謝しているのですよ」

提督「うん? 」

Littorio「Littorioに友人になってくれるなんて」

提督「……お前自体は魅力的だよ」

Littorio「人間なら? 」

提督「……俺以外の誰かにとってはね」


ありがとうございました


< インフルではないことを祈るばかり >






提督「今日から雪祭へっくしゅ」

高雄「風邪ですか? 」

提督「寒気がする気はするな」

高雄「……執務はお休みしましょうか? 」

提督「いや、なんとかなるだろ。……それより今日から札幌で雪へっふ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………休みましょう?」

提督「…………宣伝終わらせるまでは絶対嫌だ」


< 最中は夢中 >






天城「テストの結果、聞きたいですか? 」

提督「うん? 大体八から九割ってとこだろ? 」

天城「……そうですね」

提督「ちょっとテスト形式は久し振りで時間配分焦ってな」

天城「完璧に答えられてもこちらがダメージを受けるのですけれど」

提督「ふーん? ……あいつらは? 」

天城「加賀さんは問題をつくって満足。姉様は既にやる気を失っていますね」

提督「なるほどな。お前は? 」

天城「……正直何故始めたのかもよくわからないです」

提督「俺完璧にとばっちりだったじゃん……」


< 素直に休むことも大切なはず >






高雄「二月五日の誕生石はアズライト。
石言葉は“ 素直 ”、“ 前向き ”、そして“ 幼き心 ”」

愛宕「で、結局半分くらい進めたところでダウン、と」

高雄「今はベッドで寝ているわ」

愛宕「もうそういう時期なのね」

高雄「無駄に元気ぐ有り余っている割に打たれ弱いのはどうなのかしら」

愛宕「だから私たちがいるんじゃない」

高雄「まぁ……そうね」

愛宕「とりあえず汗拭くタオルとか用意しておきましょうか」

高雄「ええ。あと二時間程度で一度起きると言っていたわ」


< 自分は他人になれないから >






高雄「今日の誕生花は翁草。花言葉は“ 清純な心 ”、“ 背信の恋 ”、そして“ 何も求めない ”」

愛宕「コーヒーよりココアとかの方がいいと思う? 」

高雄「確かに甘い方がいいかもしれないわね」

愛宕「じゃあココアっと。……本気でヤバい感じ? 」

高雄「泥酔したとき並に蒼白かったわ」

愛宕「よくそんな強力な菌引き寄せたものね」

高雄「陸軍の誰かでしょうか」

愛宕「…………迷惑な」

高雄「…………あちらの思いはそれどころではないと思うけれど」


< 割とショックな映像だった >






金剛「oh……霧島が激おこデース」

霧島「なんでもかんでも鹿児島ネタをぶっこまないでください」

金剛「? 」

龍田「ストレスは溜めちゃだめよ? 」

霧島「だから」

鈴谷「欲求不満? 街でも抜け出す? 」

霧島「…………もうそれでいいです。抜け出しませんけど」


< 賑やかなのに慣れてしまうと >






天城「今日のカクテルはアコーダンス。
カクテルワードは“ ユニークな雰囲気を持つ個性派 ”、です」

雲龍「……そう」

天城「……露骨な差を見せられると天城も少し悲しいのですけれど」

雲龍「……仕方ないじゃない」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………提督がいないと一気に活気が無くなりますね」

雲龍「ええ、私たちしかカウンターにいないのって物凄く珍しいわよ」


ありがとうございました


< 鬼が去って邪を残し >






愛宕「えー、本格的にあの人が死に体なのでお知らせしておきます」

雲龍「医者は? 」

愛宕「今陸軍の方から来てるの。高雄が付き添ってる」

雲龍「……そう」

天城「……度胸のある風邪ですね」

明石「風邪にも雄とか雌とかあるなら納得ですけど」

天城「あぁ。…………雄に妬まれたのか雌に好かれたのか」


< 病と葛藤と >






Littorio「大変ですね、普通の人間は」

加賀「そうね。私たちは罹っても一応修復機能でなんとかなるけれど」

Littorio「特に嬉しくはありませんが」

加賀「使えるものは使っておくべきよ」

Littorio「そうですね。……でも」

加賀「? 」

Littorio「臥せっている自分を提督が心から看病してくれるなら? 」

加賀「…………」

Littorio「……どうです、魅力的でしょう? 」

加賀「…………」


< ふーふー >






提督「ん…………悪いな」

高雄「いえ、好きでやっているので」

提督「……これ梅粥か? 」

高雄「はい」

提督「今度またつくってくれよ」

高雄「構いませんけれど」

提督「…………正直今味が全く分からないんだ」

高雄「それは残念です…………どうぞ」

提督「……さんきゅ」


< 踏み絵 >






高雄「二月六日の誕生石はスターグレーサファイヤ。
石言葉は“ 気品 ”、“ 女性的 ”、そして“ 洗練された心 ”」

雲龍「今回は特にヤらないの? 」

高雄「はい? 」

雲龍「私がここに来たばかりのときは風邪で引き篭もってヤってたじゃない」

高雄「あぁ。今回は洒落になりそうもないので。本人も熟睡中ですし」

雲龍「ふぅん」

愛宕「今なら部屋に誰もいないわよ? 」

雲龍「…………自分の欲の為に相手壊す程我儘じゃないわよ」

愛宕「そ、ざーんねん」

高雄「……もう少し品のある会話をしたいものですが」


< あったかぬくぬく >






海風「今日は風呂の日」

叢雲「ええ」

海風「ではないんですよね」

叢雲「そうなの? 」

海風「毎月二十六日が風呂の日で、良い風呂の日四月なんです」

叢雲「へぇ」

海風「…………はふ」

叢雲「…………あなた江風以外とも普通に話せるのね」

海風「…………叢雲ちゃんや提督だからですよ。あんまり他人は得意じゃありません」


< 鎹 >






高雄「今日の誕生花は浜弁慶草。花言葉は“ 不変 ”」

愛宕「でありたくはないわねぇ」

高雄「死のうと思えば死ねますが」

愛宕「それって変わらないまま終わらせるってことでしょう? 嫌よそんなの」

高雄「……少しだけ真面目な話だけれど」

愛宕「うん」

高雄「子供、欲しい? 」

愛宕「そうねぇ……欲しいかな」

高雄「……」

愛宕「こんなの親として間違ってるかもしれないけど……子供は親と親を繋ぐものだと思うの」

高雄「……」

愛宕「……私は、あの人とできることならなんでもしたいわ」


< 似合えばいいんだ、似合えば >






明石「今日のカクテルはベッロポモドーロ。
カクテルワードは“ 全身全霊で助けに入るドラマのヒロイン ”、だそうですよー」

瑞穂「尽くす女、ですか」

漣「いつになっても人気なタイプですねー」

明石「……まぁ、全く尽くさない方が難しいと思いますけど」

瑞穂「瑞穂聞いたことがありますよ」

明石「え? 」

瑞穂「提督も仲のいいあの」

漣「Bismarck? 」

明石「あぁ」

漣「ま、まぁあの人あれで面倒見は悪くないですし」

明石「優しいですよね、うん」

漣「あ、それに滅茶苦茶綺麗でエロいですよね」

明石「ええ、それからそれから、えーっと」

瑞穂「もういいです。どういう方なのかよく分かりましたから。
つまり提督がお好きなタイプ、ということでしょう? 」


< 漠然とした不満足感が >






高雄「なにか、一日違和感が」

愛宕「あの人でしょう? 普段は結構お喋りだもの」

高雄「あぁ」

愛宕「こういうときにしか実感できないけど、割と凄いわね」

高雄「ええ」

愛宕「それに隣にいるだけで安心できるし」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………あなたでは代わりにならないわ」

愛宕「なったら困るわよ」


ありがとうございました


< 油断大敵なやーつ >






提督「ん、んんー……鼻と舌は治ってきたかな」

愛宕「まだ寝てても」

提督「そういうわけにもね。一応税金で食ってるから」

愛宕「無理はしないこと」

提督「たぶんね」

愛宕「あなたも強制的に抱きかかえられてベッド行きたくないでしょう? しかも女に」

提督「まぁな。……つーか男の方が嫌だけどそれ」


< 一隻、なんて表現愉快じゃない >






漣「今度は地震ですか」

瑞穂「この国のことではないのであまり情報がありませんね」

漣「ま、そのうち出てくるでしょう
。……台湾ですかー」

瑞穂「行ったことが? 」

漣「立ち寄っただけですけどね」

瑞穂「寄港、でいいのでしょうか」

漣「いいんじゃないです? 漣たちも護衛艦に乗ってましたし」

瑞穂「…………」

漣「…………」

瑞穂「…………そうですね」

漣「はい」


< まぁ、復帰挨拶みたいなもの >






雲龍「あら……おはよう」

提督「おう、おはよう」

雲龍「……もういいの? 」

提督「あぁ。……それにあれじゃん? 俺がいないと皆寂しいだろ? 」

雲龍「そうね」

提督「う、うん……そうだろ」

雲龍「隣にいて目を向けてくれるだけで違うのよ」

提督「…………その、照れるわ」

雲龍「照れときなさい。いつ蔑まれてもおかしくないんだから」

提督「でもお前はそうしないだろ? 」

雲龍「そうね。……………………死ねクズ」

提督「……悪いね」


< 八方美人って普通に難しいことなんだ >






高雄「二月七日の誕生石はカンゴーム。
石言葉は“ 楽天的 ”と“ のんびり屋 ”」

雲龍「コンドーム? 」

高雄「……もうそれでいいんじゃないですか」

雲龍「…………」

高雄「…………」

雲龍「…………」

高雄「…………」

雲龍「…………反応してよ」

高雄「…………あの人が完全復活してからお願いします」


< 信じるかどうかは…… >






高雄「今日の誕生花はヒアシンスブルー。花言葉は“ 悲哀 ”」

雲龍「薬物、問題になったわね」

天城「あら、少し古いお話」

雲龍「私はさっき知ったのよ、テレビなんてそんなに観ないから」

天城「ネットもニュースサイトなどは見ませんしね」

雲龍「ええ。……ねぇ、知ってる? 」

天城「なにをですか? 」

雲龍「こんなにも凄惨な戦場に立って鳥籠に閉じ込められた私たちが殆ど悲痛な顔をしていない理由」

天城「はぁ」

雲龍「……私たちの口にするものには向精神薬の類が入っていたり毎晩洗脳が繰り返されている」

天城「……は? 」

雲龍「勿論これは冗談やオカルトだけれど……ここに来るまでは多少信じていたわ」

天城「…………」

雲龍「…………」

高雄「……………雲龍さんの真顔でそういうお話は洒落になりませんね」


< 論文にいい想い出ある人なんているのかな >






明石「読んで頂いても? 」

提督「あぁ? ……あれか」

明石「ええ。別に今日じゃなくても構いませんけどね」

提督「いや、今読むさ。そこで待っててくれ」

明石「はい」

提督「……なぁ」

明石「なんです」

提督「…………俺との連名にしろって言ったよな」

明石「それは下書きみたいなものなので」

提督「俺自分の女に嘘は吐きたくないし吐かれるのは嫌なんだ」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………私の薄汚い手だから汚せるんです。あなたの手は、汚したくないから」


< シンデレラに選ぶ権利はあったのだろうか >






愛宕「まぁ、あの人の場合王子様ではないわね」

高雄「そうかもしれないわ」

愛宕「王子様ってよりは降りてきた魔法使いでそのまま城に誘拐されたような」

高雄「的確な比喩ね」

愛宕「だから」

高雄「ええ」

愛宕「告白されたときにOK出さなければその先にもっと素敵な王子様がいたかもしれないわ」

高雄「可能性が無い、とは言えないわね」

愛宕「でも戻れないのよ。申し訳なさとか惜しさとかじゃなくて」

高雄「それが好きになる、ということですから」

明石「…………私が言うのもおかしいですけど確かに魔法使い並の術持ってますね、あの人」


< それはもちろん >






GZ「…………」

龍田「ぼんやりしてどうしたの? ホームシック? 」

GZ「む……龍田か」

龍田「近付いたことにも気付かないなんてその手、落ちてもしりませんよ」

GZ「いやなに、先程久方振りに、Uに、呂500に会ってな」

龍田「あぁ……もう全部分かったわ」

GZ「私もあのようになってしまうのかと」

龍田「なりたいの? 」

GZ「さてな。私は祖国やこの国の人々の為になるならなんだって構わないが」

龍田「そ」

GZ「お前は違うのか、龍田」

龍田「違うけど? 」

GZ「…………」

龍田「…………」

GZ「…………お前とは分かり合えまい。根本的には同族だろうが」

龍田「…………褒めてる? 貶してる? 」


< Bismarckは観てないのかな? >






瑞穂「今のがガンダム、というものですか」

漣「ですねー」

瑞穂「……なんというか、あのキャラクターの中に」

漣「老けた叢雲ちゃんがいる? 」

瑞穂「……はい」

漣「似てますよね? 明石さんも叢雲ちゃんも否定してましたけどー」


< 血塗れmariage >






提督「今日のカクテルはブラッディメアリ。
カクテルワードは“ 一人一人の出会いの瞬間を大切にする人 ”、だ」

愛宕「飲み過ぎないでね? 」

提督「……ん」

愛宕「あなたが血反吐吐くところなんで見たくないんだから」

提督「……今ならトマト色のやつだな」

愛宕「馬鹿」

提督「…………俺はさ、お前らと酒とピロートークとその後の煙草が燃料なんだ」

愛宕「…………」

提督「愛宕」

愛宕「なに? 」

提督「お前みたいなやつってさ、たぶん不幸なんだよ。不幸を幸福だと思っちゃう女の子」

愛宕「ばかね…………本当ばか」


< (のお世話)歴 >






江風「眠てぇ」

叢雲「寝なさい。で、明日はいつもより真面目に訓練しなさい」

江風「でも寝たくはないンだ。あと今ので限界だ」

叢雲「はぁ」

江風「叢雲パイセンもそういうこと無い? 」

叢雲「無いとは言わないけど……パイセン? 」

江風「マスターとか師匠とかの方がいい? 」

叢雲「……名前で呼びなさいよ」

江風「や、なンかそれは恐れ多いっていうか」

叢雲「別に取って食ったりはしないし」

江風「なンつーか提督歴長い人は無条件で尊敬することにしてるンだ」

叢雲「…………」


< the mistres >






提督「……………………」





明石「あれ不味くないですか? 」

Littorio「あんなに目の据わった提督初めて見ました」

天城「まだ黙々と飲んでますけれど」

漣「うわぁ……久々ですねあれ」

瑞穂「飲まないと禁断症状でも出るんでしょうか……今日くらいは」

海風「高雄さんか愛宕さん呼んだ方が。……あ、高雄さんあれ」

高雄「? ……あれならまだ大丈夫ですよ」

明石「じゃあ大丈夫か」

Littorio「高雄が言うなら」

天城「心配するだけ損というか」

海風「大丈夫ですね。……海風はもう寝てきます」


< べすとしょっと >






江風「んあー……? 」

叢雲「……席外した隙になに飲まされてんのよ」

江風「おかえり叢ちゃーん」

叢雲「……はぁ」

天城「いつの間にか飲んでいたものでして」

叢雲「江風があなたに着いていけるわけないじゃない、やめてよね」

天城「叢雲さんがいけるので大丈夫かと」

叢雲「私は別よ、年季が違うもの。……あれの所為で」

江風「江風様を構えよー……食べちゃうぞぉ」

叢雲「江風、ショットグラスは食べ物じゃないわ」

天城「うわぁ……実は何故か提督のスマホを持っているのです」

叢雲「なんてタイミング……ナイスね」

江風「おほーおほーおほー……叢ちゃんのお耳おいしそー」

叢雲「? ひゃうっ! 」

天城「あ…………ふふふ」


< 最近しゃぶしゃぶ食べてない >






提督「いっ…………っ」

愛宕「……おめんははい」

提督「…………ど淫乱め」

愛宕「ん……躾けられたから」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………最後まで、やってよ」

愛宕「ん…………寝てもいいのよ? 」

提督「死んでも寝ねぇよ」


そろそろ別のスレッドもやりたいな、とか思う時期

ありがとうございました


< 噛み合わない >






海風「江風」

江風「五月蝿いな」

海風「えっ……」

江風「……」

海風「……ごめんなさい」

江風「えっ……? 」

海風「? 」

江風「……二日酔いだよ、姉貴。声は頭に響く」

海風「そう。…………よかった」

江風「あぁン? 」

海風「……えっ? 」



< 快気 >






提督「Guten Morgen.Sehr gut.」

高雄「は? 」

提督「お陰様で絶好調でございます、おはよう」

愛宕「やはー」

提督「おーいぇー」

高雄「……おはようございます」

提督「ん。……迷惑かけたな」

高雄「いえ、迷惑ではありませんが……とりあえず肩でも揉んでもらいましょうか」

提督「お安い御用で」


< それこそテレパスじゃないと人の心なんて >







時雨「提督の風邪も治ったようだね」

春雨「……テレパス? 」

時雨「いや、夕張がゲームの中であちらと繋がっているんだ」

春雨「ふぅん? 」

時雨「心配はいらないさ。固有名詞や情報は出していない。
僕らの中では彼、で通じる人物だし」

春雨「……ていうか風邪引いてたんだ」

時雨「ん? うん」

春雨「…………私も司令官のこと知りたかったのに」

時雨「別に僕だっていつも夕張と話すわけじゃないし。
夕張だって常にあちらと繋がっているわけでもないよ」

春雨「…………」

時雨「…………僕が言うのもおかしいけどこんなことでむくれないでくれないかな、ね? 」


< 正直三人超えれば大して変わらない >







雲龍「実際竿姉妹何人なのかしらね」

天城「……さぁ」

雲龍「海兵時代の初彼女、初ってわざわざ言うんだから少なくとも恐らく後一人」

天城「……」

雲龍「高雄、愛宕、加賀さん、明石、Littorio、私たち……他に知ってる? 」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………ライバルというか恋敵が増えるの楽しいですか? 」

雲龍「寝取られ趣味ができたら楽しいかなって」

天城「うわぁ……」


< 今年はオリンピックが >






提督「カーニヴァルとかやってんのか」

愛宕「で、それをジカ熱のニュースで知るっていう」

提督「んー……実際そこまで興味無いしね」

愛宕「ふぅん? 」

提督「褐色とかケツは好きだけどさ……なーんか違うと思う」

愛宕「よく分からないわ」

提督「お前から見たボクサーとトランクスの違いみたいな? 」

愛宕「ん、んん? 」

提督「……まぁ、俺ボクサーしか履いてないから分からないかもだけど」

愛宕「分からないとは言わないけど……うーん、結構違うと思うの」


< 何を指針とするのか >






高雄「二月八日の誕生石はルチルレイテッドクォーツ。
石言葉は“ 名誉 ”、“ 納得させる力 ”、そして“ 信じさせる力 ”」

雲龍「つまり……詐欺師の力? 」

高雄「それでは身も蓋もないような」

雲龍「自分の正しいと思うことを相手に認めさせるのはいいのよ」

高雄「……」

雲龍「でも正しいと思ってもいないものを納得させたり信じさせるのは」

高雄「……言わんとすることは理解できますけれど」

雲龍「つまり自分の名誉と面子、どっちを大事にするかよね」

高雄「難しい……特に私のようにどちらも希薄な存在にとっては」


< 切実に、哀切に >






高雄「今日の誕生花は雪ノ下。花言葉は“ 恋心 ”と“ 切実な愛情 ”」

天城「雲龍姉様とお話していたのですけれど」

高雄「ええ」

天城「提督に恋心を抱いている方はどれだけいると思いますか? 」

高雄「考えたくもありませんね」

天城「ですよね」

高雄「……今でも何故私で満足していただけているのか分かりませんから」

天城「それは」

高雄「いえ、材料はあるのです。
容姿も、スタイルも、性格も。並の女性よりはあるでしょう」

天城「……」

高雄「だとしても、自信にはなりえないくらい、彼は素晴らしい人間ですから」

天城「……よく、分かりますよ。マイナスを補って余りある、そういう方です」



< 自分の幸せだってきっと誰かの理不尽 >







浜風「ようやく正月辺りのを戻したわ」

時雨「食べ過ぎなんだよ、浜風は」

浜風「……全くその通り」

春雨「……私はむしろもう少し付けたいんだけど」

若葉「……世の中は実に理不尽だ」

時雨「ま、そんなものだよね、実際」

浜風「…………」

春雨「…………」

若葉「…………」

時雨「うん? 」

浜風「…………実に説得力がありますが」

春雨「…………本当に理不尽だよね」

若葉「…………やれやれ、としか言えないな」


< A to Z なんでもござれ >






提督「まーたよく分からない作戦か」

高雄「作戦意義を理解できないでよく少将まできましたね」

提督「まぁ、歴史上幾らでもいるだろう? 無能もアホも間抜けも」

愛宕「Mなんとかさんみたいな? 」

提督「それどのMだよ……Mだけでも結構いるだろ」

高雄「……ここも作戦には? 」

提督「いや、今回は参加しない」

高雄「はぁ」

提督「…………ま、楽をできるわけでもないが」

愛宕「ふーん……? 」


< まぁ、大体自業自得 >






提督「今日のカクテルはソルティドッグ。
カクテルワードは“ 社交的に振舞い争いを嫌う自然派 ”、だ」

高雄「外で飲んだことがありますね」

愛宕「へぇ? ふぅん? 」

提督「…………なんかツインテールの日とかあったらしいじゃん」

愛宕「三日ね」

提督「ミスったわ……そんな好機に寝込むとか無いわぁ」

高雄「寝込む前に終わっていたはずですけれど」

提督「やだやだやだぁ、小生ツインテ見たいぃ」

愛宕「私も外でそれ……塩のやつ飲みたいんだけど? 」

高雄「私ツインテールなんてできないのですが」

提督「…………たかおーん、あたごーん」


滅茶苦茶嬉しいんですけど一年近く続いちゃいましたしね……

ありがとうございました


< kiss me ,I love you >






提督「……ん」

愛宕「ん……いってらっしゃい」

提督「どうせこの後執務室で会うだろ? 」

愛宕「そういうことじゃないでしょう? 」

提督「……ん」

愛宕「っ、ん……ゅる」

提督「ん…………これだと執務室ではできないな」

愛宕「……したいときはするくせに」

提督「お前もだろ? 」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………手、繋いで行きたい」

提督「ん」


< さぁ、どうしてだろうね >







GZ「……あれはどうにかならないのか」

龍田「んー? 」

GZ「カツは美味い、美味いが」

龍田「あぁ。……あなたが貰った分だけ食べるからよ」

GZ「どうもあの笑顔で勧められると、な」

龍田「結構お人好しなのね」

GZ「だから最近はもっぱら赤城といることにしているんだ」

龍田「なるほど」

GZ「……これで加賀もいればいいのだが」

龍田「ついでに提督も? 」

GZ「いや、そんなことは…………ま、いてもいいかな」

龍田「ふぅん? 」

GZ「カツの消費には役立たないだろうが、足柄を抑えることはできそうだ」

龍田「そうねぇ…………本当どうしてここにいないのかしら」


< 結局バカラにした >







愛宕「殴り合いでもする? 」

高雄「は? 」

愛宕「暇だし最近大掛かりな訓練してないし」

高雄「……ふむ」

愛宕「地上、武器は肉体のみ、あらゆる禁じ手解禁」

高雄「…………」

愛宕「両方が明らかに勝者と敗者に分かれるか、
夕餉の前にシャワー浴びる時間が確保できるくらいまでが制限時間」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………やりますか」

愛宕「そ、じゃあ開始は十分後で場し」

提督「そんなもん認めるかばか女」



< 言語を学ぶと英語の凄さが分かる >






高雄「二月九日の誕生石はレッドジャスパー。
石言葉は“ 愛情 ”、“ 女性らしさ ”、そして“ 思い遣り”」

Littorio「おもてなし? 」

高雄「おもいやり」

Littorio「……この国の言葉は難しいですね」

高雄「私からすればイタリア語やドイツ語の方が」

Littorio「ドイツ語のはまぁ、中性とかいうよくわからないものがありますし」

提督「あんなもん外来語とか分類が面倒なの突っ込んでるだけだっての」

高雄「……」

Littorio「……」

提督「……」

高雄「……言語、いつか初めてみたいですね」

Littorio「……Littorioはまずこの国の言葉を」


< 結局雰囲気な気もする >






高雄「今日の誕生花は金盞花。
花言葉は“ 失望 ”、“ 悲しみ ”、そして“ 乙女の美しい姿 ”」

雲龍「破瓜? 」

高雄「……」

加賀「あの人は面倒だ、と言っていたはずだけれど」

雲龍「それでも好きなことに変わりはないんじゃあ」

加賀「……でも自分が終始リードしなければいけないのは単純に面倒だと思うわ」

雲龍「……確かに」

高雄「…………ヤられたいのと求めたいのは別だと思いますが」



< えんゔぃー >






加賀「龍飛、ね」

雲龍「龍飛定点? 」

加賀「鉄道のことはよくわからないけれど……龍飛といえば彼女ね」

雲龍「? 」

加賀「鳳翔」

雲龍「あぁ」

加賀「……久方振りに彼女の煮物を食べたいわ」

雲龍「私なら今でもつくれますが」

加賀「違うの、違うのよ。あなたのもとても美味しいけれど」

雲龍「……む」


< まぁ、普通に地元民も納得はできない >






提督「唐突だが地名テストだ」

江風「ン? 」

提督「じゃじゃーん」

『倶知安』

江風「く、くちやす」

提督「ほーん? 」

『留辺蘂』

江風「るへん……最後の読めもしねぇよ」

提督「ほうほう……」

『庵原』

江風「あんばら? 」

提督「…………」

『椴法華』

江風「…………」

提督「…………ハンッ」

江風「理不尽過ぎンだろ……おい」


< やっぱノーマルが一番 >






雲龍「……まぁまぁね」

海風「何飲んでるんですか? 」

雲龍「サケティーニ」

海風「サケティーニ? 」

雲龍「マティーニのベルモットを日本酒に変えてるの。……はい」

海風「どうも。……あんまり飲みやすくはないですね」

雲龍「マティーニがそもそも……ドライじゃなくてイタリアンのベルモットならいいけれど」

海風「イタリアン? 」

雲龍「イタリアンっていうのはーー」





江風「あぁ、これが例の」

叢雲「例の? 」

江風「信じて送り出した姉貴が淫乱空母に調教されて帰ってこないなンて、だ」

叢雲「……まぁ、間違ってもいないような気がするわ、それ」


< 女はうみー >






提督「今日のカクテルはグリーンスパイダー。
カクテルワードは“ 愛に包まれて幸せな気分になる人 ”、だ」

雲龍「ならないなんて不感症かなにか? 」

提督「……プラトニックとかあるだろ」

雲龍「それにしたって繋がりたくないわけでもないでしょう」

提督「……」

雲龍「あなただってそうでしょう? 心でも、身体でも繋がりたい。それが心だから」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………でもさ、愛が重いことだって、あるんだぜ? 」

雲龍「だから私を使えば。玩具で、いあのよ」

提督「…………それ、俺の愛じゃねぇんだよ。クズにだって倫理はあるんだ」

雲龍「…………残念ね」



< マジで今ヤバいらしい >






提督「あ? 雷ぃ? 」

加賀「……」

提督「札幌でか? ……いや、なんで今小樽いるんだよ」

加賀「……」

提督「余市のニッカって……俺も行きてぇよ」

加賀「……」

提督「ウィスキーボンボン? さんきゅー」

加賀「……」

提督「あぁ、分かった。じゃあ、こっちはいつも通りの地酒な、おう」

加賀「……」

提督「連絡ありがと。じゃ」

加賀「……」

提督「……悪いな。俺の母親の電話って脈絡無い上に唐突なんだ」

加賀「……」

提督「……」

加賀「…………本当にアル中親子なのね」

提督「」


< 二人で楽しめるのがベストだよね >






提督「つーか俺にはご褒美とか無いの? 」

加賀「? 」

提督「今度お前をどっか連れていくのはいいんだけどさ」

加賀「覚えていたのね」

提督「当然だろ。……俺には無いの? そういうの」

加賀「……何が欲しいのよ。私があなたに与えられるものなんて、身体くらいしか」

提督「そうだなぁ……お前の本気でつくった一食が食べたい」

加賀「……」

提督「朝から晩まで仕込んでさ、夜にお前と食べて、話をして、一緒に寝るんだ」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………私のご褒美? 」

提督「まさか」


ありがとうございました


< こあくじょ >






高雄「セクハラソープなるものが世の中にはあるそうですね」

提督「うん……うん? 」

高雄「スーツなど堅いコスプレでのプレイが多いとか」

提督「……え、なに。なんか俺悪いことした? え? 」

高雄「私も……今日はそんなコーデですね」

提督「……謝る、謝るから。でもソープなんて行ってないし、なぁ、本当謝るから。なに? 」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………ふふ、冗談です」

提督「! 」


< お婿さんが夢、みたいな人はさすがにいないか >






浜風「愛する人の唯一のお嫁さんになりたい、そんな時期もありました」

春雨「……」

浜風「それが今では」

春雨「……教師、っていうか憧れが憧れにならないもんね」

浜風「……あれはあれで、私も」

春雨「浜風ちゃんは可能性あるからいいよね」

浜風「はぁ」

春雨「もう少しこう……身長とか色々あれば私も」

浜風「……パートナーがいないと本当に邪魔なのよ。
外にも出れないからファッションの楽しみもよく分からないし」

春雨「…………はぁ」

浜風「…………このなりでお嫁さん、なんてあざといって言われそうですけどね」


< ある程度目立ちつつステルスも身に付け >






高雄「二月十日の誕生石はレッドタイガーアイクォーツ。
石言葉は“ 組織力 ”、“ 惹きつける力 ”、そして“ 目立ちたがり屋 ”」

加賀「横須賀の組織力も所詮はあの程度なのね」

高雄「……横須賀の君をどう見るかによって変わるかと」

加賀「他者を蹴落とそうとする人間か媚びる人間ばかりじゃない。魔窟みたいなものよ」

高雄「逃げてきた身にとってはそちらの方がまともに思えますが」

加賀「……本気で? 」

高雄「帝国海軍所属の高雄にとっては」

加賀「…………そう」

高雄「ええ」


< 予測ですら人の身には余る >







高雄「今日の誕生花は金魚草。花言葉は“ 予言 ”」

提督「今日はあれだろ、黒だろ」

高雄「いえ」

提督「マジかー……くっそ」

高雄「この資料を使えば横須賀への上申はなんとか誤魔化せますよ」

提督「お?……おお」

高雄「その代わりこの……あなたのつくったグラフは使えなくなりますが」

提督「仕方ないさ。……コーヒー」

高雄「少々お待ちを」

提督「ん。…………白? 」

高雄「いいえ」



< 半分くらいは冗談 >






雲龍「あの人の子供が男の子だとして」

明石「その子をモノにしたいとか? 」

雲龍「! 」

明石「……」

雲龍「……その子のパートナーの身が心配よね」

明石「そんな考えてなかったけど素晴らしい、みたいな顔されても」

雲龍「……心配よね? 」

明石「いや、あの人結構家族のことは大切にする人でしょ」

雲龍「…………」

明石「…………」

雲龍「…………仮に娘でもそれはそれでその子を」

明石「…………もう雲龍さんのあの顔忘れませんからね。誤魔化せませんってば」


< ちょっと苦手な相手 >






愛宕「陸奥。だって私淫乱女扱いだし」

高雄「GZさんでしょうか。何を考えているのか」

雲龍「鹿島。理由は高雄の間逆、のようで同じ」

天城「……提督? 」

明石「同じく」

加賀「赤城さんね。……どうも気後れしてしまって。親しみやすさもあるのだけれど、私の所為で」





提督「俺が苦手とかどういう…………あと加賀は赤城のこと崇拝でもしてるの? 神なの? 」


< 別に他意は無い。姉妹愛だよ姉妹愛 >






GZ「姉妹か……いいものかもしれないな」

山城「当然よ。世界の真理と言ってもいいわ」



金剛「比叡、一緒にチョコレートをつくるデース」

浜風「磯風、浦風たちが待っていますよ」



GZ「……」

山城「……扶桑姉さまはあぁじゃないから。和洋中なんでもできるのよ」

GZ「……いや、まだ何も言っていないが」


< 脳内(ピンク)変換 >







提督「今日のカクテルはワインクーラー。
カクテルワードは“ 脳内変換して楽しめる名人 ”、だ」

明石「愛宕さんたち、今年で八十六歳ですね」

愛宕「美人お婆ちゃん姉妹ね」

明石「面と向かって言われるのもなにか……後期高齢者になって十年、ってとこですか」

愛宕「仕方ないじゃない。私お婆ちゃんでもなんでもいいわよ。見た目がこうなら」

叢雲「……その場合私の方が二年近くお婆ちゃんなんだけど」

愛宕「んー、敬老の日は楽しみにしててね? 」

叢雲「ふぅん? 全身マッサージでもしてもらおうかしら」

愛宕「え、いいの? 」

提督「俺にとっても恩のあるお婆ちゃんだよな? 」

雲龍「興味あるわ」

明石「うわぁ……」

叢雲「…………馬鹿ばっかだったの忘れてたわ」


ありがとうございました


< まぁ、仕事増えるようなものだしね >






提督「今日は紀元節にして皇紀二千六百七十六年なわけだが」

愛宕「つまりは神武天皇即位の日ってことよね」

提督「おう」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……いくらなんでも高雄と加賀さん名代にするのは可哀想だと思うんだけど」

提督「だって提督くんは帝都行きたくねぇし」


< 面倒事は押し付けるもの >






高雄「うんざりしますね」

加賀「確かにいいように使われている気もするわ」

高雄「そもそも……私が言うのもなんですがさすがに紀元節祝賀を欠席は」

加賀「……横須賀の君との密談はどんなものだったのかしらね。
なにを代償に今の彼や私たちがあるのか」

高雄「…………」

加賀「…………」

高雄「…………訊いてみますか? 」

加賀「…………その時がくれば、ね」

Littorio「…………大使がいるので賓客扱いとも言えず欠席とも言えないLittorioは行くしかないのですけれど」


< 心に決めたもの以外は >






高雄「二月十一日の誕生石はウォーターウォーン。
石言葉は“ 激励 ”と“ 行動力 ”」

加賀「帝都ではさぞ素晴らしい演説や激励を賜わることになるのでしょうね」

高雄「ええ、それはもう」

Littorio「Littorio、和服で出席すればよかったでしょうか」

加賀「私や高雄もドレスなのだし。どうでもいいと思うけれど」

Littorio「はぁ」

高雄「むしろそのままの方がいいわ。悪目立ちするのもあまり」

Littorio「悪くはないと思いますけれどね。興味の無い人間に注目されるのくらい」

高雄「私は嫌ですから」

加賀「潔癖ね」

Littorio「それでもいい気もしない、というのはなかなかの」

高雄「…………ガキなんですよ、私も。
理想に近付こうとして目的が意志に成り代わっているというか」


< 誇り >






高雄「今日の誕生花はガーベラ。花言葉は“ 神秘 ”」

Littorio「神秘? 」

高雄「ガーベラにも種類がありますから。Littorioの知っている花言葉は? 」

Littorio「“ 燃える神秘の愛 ”、“ 常に前へ進め ”、“ 戦いに挑め ”」

高雄「それは赤いガーベラですね。それでプロポーズなどに使われるのよ」

Littorio「なるほど」

高雄「黄色のガーベラだと“ 究極美 ”や“ 究極愛 ”といったものらしいけれど」

Littorio「……まさに神秘ね。そんなもの曖昧で分からないものだというのに」

高雄「だから皆求めるのでしょう? 」

Littorio「高雄も? 」

高雄「私はもう得ていますから」

Littorio「…………」


< 数日越しの言い訳 >






江風「なぁ、テートク」

提督「うん? 」

江風「まつざかぎゅうでもまつさかうしでもいいらしい」

提督「ふーん? 」

江南風「生産者の人が言ってたみたいだぞ」

提督「まぁ、俺もテレビで観たことあるよ。
親しんで食べてもらうのが大事だってやつ」

江風「ン、考えてみたけど読み方なンて伝わればいいと思うンだ。大事なのは意味で」

提督「いや、でも知ってた方がいいのは確かだろ」

江風「そりゃそうだけど」

提督「松阪牛は人口に膾炙しつつ誤読だからいいんだよ。
でも我が北海道の地名なんて誰も知らない上に初見で読めないのが問題であってさ」

江風「……」

提督「……」

江風「……江風の読み方は」

提督「そんなもん自明だろうよ」


< 仕事だと割り切るのもなかなか >






加賀「なかなかの味だったわね」

高雄「ええ。……立食会まで出るつもりは無かったのですけれど」

加賀「こんなに損な役を持たされたのよ?
これくらいの役得が無いとやっていられないわ」

高雄「……私は部屋に帰りたいです」

加賀「そこらの男の視線なんて放っておきなさい」

高雄「……」

加賀「ま、あなたがそれに舞い上がっているのなら帰った後は愛宕が独り占めね」

高雄「不愉快だ、という意味ですが」

加賀「…………」

高雄「…………」

加賀「…………Littorioは? 」

高雄「妹さんや……祝いの外交官と一緒に知人が来ていたとか」


< 願いという不条理 >






提督「今日のカクテルはアプリコットロワイヤル。
カクテルワードは“ 人の幸せや喜びを願う愛の天使 ”、だ」

愛宕「今頃ご馳走食べているのかしらねぇ」

提督「俺の文句でも言ってるかな」

愛宕「かもね」

提督「……あと少しのはずなんだ」

愛宕「うん? 」

提督「明石と進めている研究が完成すれば、強い札になるはず」

愛宕「……」

提督「それがあれば、面倒なことはなにも無くなる。実家にだって楽に帰れる」

愛宕「……」

提督「お前たちの戸籍や解放だって、要求できる」

愛宕「……そんなに危ないものを研究しているわけ? 私たちにも内容を知らせず? 」

提督「……仮説なんだよ。それに兵装なんかの実験でもない」

愛宕「そ」

提督「…………」

愛宕「…………もう一度思い出させてあげるけど」

提督「…………あぁ」

愛宕「私も高雄も、それに明石や雲龍も。
皆あなたさえいてくれればいいのよ。外になんて行けなくても」

提督「…………」

愛宕「あなたがいて、私がいて。少しのお酒とお休みがあれば。
戦場にだって立つし好奇や侮蔑にも耐えられるんだから」

提督「…………俺がそれに耐えられなくなってきた、と言えば? 」

愛宕「さぁ? ……私は着いていくだけよ。それも覚えておいて」


ありがとうございました


< まだ暗い世界のどこかの岬で >






あきつ丸「また、呼びつけられたであります」

提督「それが仕事だろ? 」

あきつ丸「特務の仕事は一介の少将の小間使いではない」

提督「一介? 」

あきつ丸「大義と平和からすれば人など皆歯車か芥に過ぎない」

提督「……お前も? 」

あきつ丸「当然」

提督「…………」

あきつ丸「…………愉快な質問をするために呼んだのでありますか? 」

提督「いいや? ……ま、そっちの方がいいならそっちにするが」


< 胸焼けどころの話ではない >






龍田「あきつ丸は? 」

鈴谷「さぁ? 何日か前から見てないね」

龍田「新しい作戦が始まったのにねぇ~ 」

鈴谷「あれにはあれのがあるんでしょ、作戦というか任務が」

龍田「ふぅん? 」

鈴谷「……詳しくは知らないけどさ」

龍田「…………」

鈴谷「…………」

龍田「…………こんな早朝からカレーってどうなの」

鈴谷「朝カレーだよ朝カレー。美味しいよぉ。元気が出るよぉ」

龍田「…………」


< 興味が無いとは言わないけれど >







あきつ丸「そもそも、紀元節の祝賀を仮病で欠席するとは」

提督「お前も出てないだろ? 」

あきつ丸「…………華やかな会場に黒いゴミがいていいはずがない」

提督「むしろ真っ白だと思うが」

あきつ丸「……服や任務のことだ。人外という意味でもある」

提督「や、服似合ってるけどさ。お前は、白いだろ」

あきつ丸「ふん、見たこともないくせに」

提督「見せてくれんの? 」

あきつ丸「……自分にメリットがあるのなら」

提督「気持ちいいよ? 」

あきつ丸「…………本題を」

提督「…………しゃーねぇな」


< 過去を振り返らねばならないときは大体苦しい >







提督『この戦争、終わらせる気はあるのですか』

『さて、その疑問は今の君にすれば尤もだが、私がそれに返す答えはもう分かっているのではないかね』

提督『……艦娘と深海棲艦はどちらが最初なのでしょうか』

『さぁな』

提督『世間的には鹵獲した深海棲艦の研究成果が艦娘ということになってはいますね』

『そうだな』

提督『……殿下は』

『やめてくれ。せめて閣下、と呼んでくれないか』

提督『失礼。……閣下はその答えを知っていますか? それだけ、お答えください』

『…………沈黙は答え、ということにしておこうか』

提督『…………』

『…………君が本当に望むものはなんだ。それを得る為にこの質問は必要なのか』

提督『…………』

『それをよく考えてみたかな。……私に情報では勝てぬことくらい君も理解しているだろう』

提督『…………』


< 世界は広く狭く広く >






『ただ、そうだな。君の仮説でも聞いてみようじゃないか。
それで私が沈黙するかどうかは分からないが』

提督『……私に先に札を切れと? 』

『弱き者、挑む者がそうせねばならないのは世の習い。
それに、先手を譲るのも上に立つ者の作法であろう」

提督『…………』

『…………』

提督『…………艦娘も深海棲艦も同時でありましょう。
この両者の関係は鶏と卵のそれではありえないというのは先程閣下が答えてくださった』

『答えてはおらんよ。それは君の答えに過ぎない』

提督『…………そしてどちらも、そのスペックや対応は把握されている』

『ほう』

提督『あなたは、いや今現在利益を得ている国家は』

『……』

提督『…………』

『なにかね』

提督『…………』

『…………世界に混乱を生じさせ旧列強が圧倒的優位に立てる艦船に関連した戦闘で再度世界の覇権を目指している、と? 』

提督『…………ええ。加えてそれには然程の資源も労力も必要としない』

『ま、確かにそう思うのも致し方あるまい。
この戦争によってこの国は世界中に人員を派遣し甚だ有利な条件で資源を得ているのだからな』

提督『加えて発言力も元のものより増大しております』

『…………』

提督『…………』

『…………私は君に期待しておるよ。この国のことを考えてくれている、と』

提督『…………勿体無きお言葉ですよ。あらゆる意味で、ね』


< 気を買われた分だけ背伸びをしたくなるもの >






提督「…………」

あきつ丸「…………」

提督「…………これ、殿下に」

あきつ丸「…………自分が陸軍にリークしないという確証は? 」

提督「そのときはそのときさ。俺、お前のこと信頼してるしな」

あきつ丸「…………」

提督「…………」

あきつ丸「…………もう、これで引き返せないはず」

提督「あぁ」

あきつ丸「自分は提督殿、あなたのことが好きだ。気に入っている」

提督「あぁ」

あきつ丸「ただの人間には惜しい。……幸せであってほしい」

提督「あぁ」

あきつ丸「これを、今あなたに返してもいい」

提督「……」

あきつ丸「あなたが受け取ってくれなくても。自分が紛失したことにしてもいいのであります」

提督「…………」

あきつ丸「…………」

提督「…………俺もさ、お前には幸せになってほしいんだ。幸せにするやつが俺じゃなくても、ね」

あきつ丸「……………………後悔、無きように」

提督「あぁ」


< 内容は、訊かない >






愛宕「ん……なに? 」

提督「客人、かな」

愛宕「誰? 」

提督「あきつ丸」

愛宕「……そう」

提督「……俺ももう少し寝るよ」

愛宕「まだあと二時間は寝られるわね」

提督「悪いな、起こしちゃって」

愛宕「別に。お客様をもてなすのはホストの礼儀でしょう? 」

提督「もてなし? 」

愛宕「もてなし」

提督「もてなしたと思う? 」

愛宕「皮肉も嘘も冗談もおもてなしみたいなものだと思うの」

提督「あぁ。…………また後でな」

愛宕「……うん」


< 自惚れでは決してなくて >






高雄「二月十二日の誕生石はイエロースピネル。
石言葉は“ 保守的 ”と“ ナルシスト ”」

加賀「あと数分ね」

高雄「ええ」

Littorio「……酔いました」

高雄「……横になっていなさい。あと少しで着くんだから」

Littorio「…………」

高雄「…………」

加賀「…………」

Littorio「…………」

加賀「…………乗り物酔いする人外というのもなんだか笑える話ね」


< 割と球技は苦手そうだが >






高雄「今日の誕生花は連翹。花言葉は“ 戸惑い ”」

Littorio「……Littorioも戸惑っていますよ」

高雄「……まぁ、力を解放しない限りはただの人間ですし」

加賀「運動音痴なんですって? 」

Littorio「む」

高雄「でも私加賀さんがスポーツしてるところは見たことが」

加賀「無いもの」

Littorio「え? 」

高雄「はぁ」

加賀「まともにやったことがあるのは弓と水泳だけね。弓は兎も角水泳は然程できないけれど」

Littorio「…………」

高雄「…………」

Littorio「…………物凄い敗北感なのですけれど」


< 男と女と約束の行く末にあるものは >






提督「今日のカクテルはルジェカルテットオレンジ。
カクテルワードは“ 多くの人と共に成長する活動家 ”、だ」

高雄「成長、してますか? 」

提督「どうかな。……退化してるだけかも」

加賀「私としては変な活動家になられるよりは今のあなたでいいのだけれど」

高雄「今が悪いとはいいませんが」

提督「……悪かったよ。埋め合わせはするから」

高雄「……別に強請っているわけでは」

加賀「……私、邪魔かしら? 」

提督「まさか。……今度ちゃんと遊びに行こうな。二人とも」


< スコッチならニッカをよろしく! >






提督「バレンタインよりバランタイン」

愛宕「じゃあチョコはいらないわね」

提督「えっ」

愛宕「うん? 」

提督「……酒飲むよりお前と話してる方が好きだよ」

愛宕「じゃあ明後日は一日お話しましょう? 」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………不貞寝して部屋出て来ねぇわ」

愛宕「嘘嘘、冗談よ」


明日から暫く書き込めないかもしれません
ただしれっと書き込んでくる可能性も割とあります

ありがとうございました


< ゆーじょーぱわーなんて便利なものは無いので >







明石「なんだかこれはこれで落ち着きませんね」

瑞穂「? 」

明石「作戦中に酷使されるのも嫌ですけど待機っていうのも」

瑞穂「あぁ。よく分かりますよ」

明石「……アニメとか映画だと無断出撃しても大体許されるんですが」

瑞穂「してみますか? 」

明石「や、そもそも私戦力にはなりませんし」

瑞穂「…………」

明石「…………お茶でも飲みますか」

瑞穂「そうですね」


< 優しさってなんだろう >







高雄「二月十三日の誕生石はバイカラーフローライト。
石言葉は“ 直観力 ”、“ 優しさ ”、そして“ アイディア ”」

雲龍「ウンリュー、って響き実は結構気に入っているの」

高雄「意味も中々趣きがありますものね」

雲龍「ええ」

愛宕「Littorioのは少し異色よね、この国の艦名からすれば」

Littorio「まぁ、名前負けですけれど」

雲龍「雲龍って蛟龍の候補もあったのよ。大して変わらない気もするけど」

愛宕「蛟ねぇ」

雲龍「……ある意味化け物の今の方が相応しい名前」

高雄「……」

漣「叢雲ちゃんもカッコいい系の一人だよねー」

叢雲「え? ええ、そうね」

漣「? 」

叢雲「…………まともな会話もそれなりにできるはずなのに酷い印象ばかりね、なんて思ったわ」

漣「…………言わない優しさ持つなら隠す優しさも持とうよ」


< ちょっと前の会話なんて気にしない >







高雄「今日の誕生花はアンスリウムオオベニウチワ。
花言葉は“ 恋の悶え ”と“ 愛の芽生え ”」

雲龍「気になっていたんだけれど」

愛宕「うん? 」

雲龍「あなたたちってどちらが先だったの?

愛宕「先? 」

雲龍「ヤったかどうかは兎も角として……高雄と愛宕、どっちが先に告白されたの? したの? 」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………気付いたら二人とも同じ相手だったわね」

愛宕「…………なーんかいつの間にかこれでいいやって雰囲気だったかしら」

雲龍「…………ねぇそれでいいの? 私が言うのもおかしいけれど」


< 言い訳よりも誠意を >







提督「今日のカクテルはルジェカシスオレンジ。
カクテルワードは“ 甘い幸せな家庭を思い描くハートの持ち主 ”、だ」

漣「描いてるんです? 」

提督「描いていたいね」

漣「描かないんです? 」

提督「俺に似合うと思うか? 」

漣「似合う似合わないじゃないでしょう? 」

提督「描いていいと思うか? 」

漣「描いちゃいけない人がいるとでと? 」

提督「…………」

漣「…………クズでも好きでいてくれる人を幸せにできないならクズ未満ですよ、提督」

提督「口調変だぞ。…………そうか」


ありがとうございました


< 割とイベントには乗っかる人たち >







高雄「……何故あなたがチョコを」

提督「や、だって俺もつくりたいし逆チョコってやつだよ」

愛宕「いつものことよねぇ」

高雄「確かにバレンタインもホワイトデーもこんな感じですが」

提督「一緒につくった方が楽しいだろ」

高雄「……まぁ」

雲龍「…………」

天城「…………」

加賀「…………」

Littorio「…………」

明石「…………」

瑞穂「…………」

叢雲「…………」

漣「…………」

海風「…………」

江風「…………」

高雄「…………この厨房に全員立ってるのなんて初めて見ましたよ」


< チョコが無いならレーションを食べればいいじゃない >






鈴谷「知ってる? 世間はバレンタインなんだよ? 」

龍田「そうね」

鈴谷「そうだよ! 」

龍田「うん? 」

鈴谷「……鈴谷もチョコ食べたーい」

龍田「食べればいいじゃない。帰ってから」

鈴谷「や、それなんか違うって。
バレンタインってさこう……甘かったりほろ苦かったりするものじゃん? 風情じゃん? 」

龍田「仮に横須賀にいたとしてあなた甘さとか苦さ、あるの? 」

鈴谷「えっ」

龍田「……」

鈴谷「……」

龍田「……まぁ、女だけでパーティはすると思うし。適当に楽しみましょう? 」

鈴谷「……そうだね」



< ゲロ甘です >






明石「まーたこのドイツ被れは……なんですこれ」

提督「ん? ネーガークス」

明石「はぁ」

提督「マシュマロのチョココーティングだぞ。オイゲン公がおしえてくれたやつ」

明石「相変わらず女の影どころじゃないですね」

提督「まぁね」

明石「開き直んないでください」

提督「まぁまぁ。……ちなみに元はデンマークの菓子らしいぞ」


< 本当助かる >






高雄「二月十四日の誕生石はピンクオパール。
石言葉は“ 素直 ”、“ 優しさ ”、そして“ 笑顔 ”」

愛宕「厨房付近暫く近付きたくないわねぇ」

高雄「近付いただけで胸焼けするというか」

提督「そうか? 」

愛宕「……甘いものは好きだけど」

高雄「……あなた程甘党ではないんですよ」

提督「ふぅん? ……今年は日曜日でよかったな」

愛宕「私たちには曜日なんて関係ないけどね」

高雄「世間的にはまぁ」


< 今そこにある幸せを >






高雄「今日の誕生花はアカシアイエロー。花言葉は“ 秘密の愛 ”」

加賀「横須賀の君、どう考えているのかしら」

高雄「はい? 」

加賀「こんな中途半端な基地にこんな人員を置いて権力を持たせて」

高雄「さぁ……」

加賀「……楽しみを前借りしてるように思えるわ」

高雄「…………」

加賀「彼と横須賀でどんな交渉があったのかは分からないけど」

高雄「…………私はあの人に着いて行くだけですから」

加賀「…………そう」


< たぶんあくまで冗談 >






加賀「私がここで洋菓子をつくっている間にも赤城さんは」

天城「葛城もですね」

明石「夕張……」

愛宕「私たちなんて下二人に任せっきりよね」

高雄「……情けない話ですけれど」

江風「…………姉たちが大体怖いンだけど」

海風「…………血飛沫被っても笑ってそうだよね。叢雲ちゃんみたいに」

叢雲「失礼ね。ぽいぽい言ってるのは兎も角私は無いわよそんなの」


< 楊貴妃はぽっちゃりらしい >






提督「今日のカクテルはルジェカシスグレープフルーツ。
カクテルワードは“ 自分の価値を知っているクレオパトラ ”、だ」

高雄「クレオパトラ? 」

提督「まぁ……美人ってことだろ、たぶん」

愛宕「世界三大美女なんて言葉、この国だけのものなのにね」

提督「でも美人だったろ、きっと」

愛宕「単に平凡な容姿の話術に長けた女だったかも」

提督「男の夢をだな……」

高雄「夢なんですか? 」

提督「男のっていうか小説媒体だとキャラクターは大体イケメンか美女で思い浮かべるだろ? 」

愛宕「……そうね。考えてみれば」

高雄「まぁ確かに」


< 絡み溶け合い溺れ藻掻き >







愛宕「どうして帝都行かなかったの? 」

提督「あ?」

愛宕「くだらないお話くらい聞いてくればよかったじゃない」

提督「…………あのまま今次展開中の作戦指揮官にされるだろうからな」

愛宕「え? 」

提督「もう嫌なんだよ、うんざりだ」

愛宕「……」

提督「お前達が傷付くのが嫌だ、俺の命令に反対しないのが嫌だ、死を物の終わりみたいに思うのが嫌だ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………死んだ方がマシだ。殺してくれ」

愛宕「…………できないこと、言わないでよ。あなたに死なれたら、私も生きていけないわ」

提督「…………それが嫌なんだ。耐え切れない」

高雄「…………ピロートークにしてはくだらない話ですね」

提督「ピロートークなんてくだらない話するもんだけどな……ん」


ありがとうございました


< 嵐の去った後で >






提督「…………」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………なーんでイベントごとだと頑張っちゃうのか。腰も背中も腕も手首も痛ぇ。ついでに頭も痛ぇ」

高雄「…………Zzz」

愛宕「…………Zzz」

提督「……………………生卵でも飲み込みに行くかなぁ」


< 女子力の高い渡され方というのも曖昧だが >







漣「蒼龍さんとか羽黒さんのチョコが貰いたかったよもおぉーん」

叢雲「はぁ? 」

漣「女子力の塊みたいな人に唸る女の子力が溢れる渡され方したかったーん」

叢雲「……だそうだけど? 」

提督「蒼龍ね……ふっつーにくれたぞ、ふっつーに」

叢雲「訊いた私が言うのもなんだけど貰ったことはあるのね」

提督「おう」

漣「羽黒さんは? 」

提督「や、俺羽黒には貰ったことないし知らない」

漣「うーん……他には那智さんとかイケメンな人にも渡されてみたいんですけど」

提督「那智は酒飲んでるときにくれたようなくれなかったような……記憶が」





愛宕「……漣から見たら私たちの女子力低いのかしら」

高雄「さ、さぁ……悪気は無いと思うけれど」


< 割と日持ちする >





愛宕「ハッピーバレンタイン? 」

高雄「……私には市販品ですか」

愛宕「厳選したのよ? 」

高雄「……ありがとう。私はこれよ」

愛宕「ありがと」

高雄「……でも昨日はもう暫く食べたくないと」

愛宕「それはそれ、これはこれ。ビターだし」

高雄「そう。……私のかなり甘いものだけれど大丈夫? 」


< 大体一日では食べきれないもの >






雲龍「……あっま」

天城「ぎ? 」

雲龍「……は? 」

天城「……冗談くらい受け取ってください」

雲龍「……どうせあの三人で寝て、まったく」

天城「……諦めればいいのに」

雲龍「は? 」

天城「……」

雲龍「…………別に本妻になろうなんて元々思ってないわよ」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………にっが」

雲龍「…………その乳もぐわよ」

天城「乳って姉様……」


< 今日の茶番 >






提督『うん……ミカちゃん指名で、うん、お願ーい』





雲龍「みたいな? 」

明石「うわぁ……三日月ちゃんですかねぇ。ロリコンですかぁ」

提督「お前ら俺のことなんだと思ってんだよ」

雲龍「色情魔? 」

明石「穴があるならゴミ箱でも挿す? 」

提督「…………お前らとはもう寝ねぇわ。おこだよおこぉ」

雲龍「ごめんなさい、なんでもするから許してください」

明石「申し訳ありません。許してくれないと死んでしまいます」

提督「…………」

高雄「…………これがお望みで? 」


< 規則不規則取り混ぜて >






高雄「二月十五日の誕生石はピンクジルコン。
石言葉は“ 明るい ”、“ 規則的 ”、そして“ 律動的 ”」

愛宕「あの人って」

高雄「ええ」

愛宕「どこで覚えてくるのかしらね、夜の手練手管なんて」

高雄「さぁ? ネットや本も見てはいないようだけれど」

愛宕「……私とヤったときの経験を高雄で生かし高雄とヤったときのを雲龍で生かし雲龍とヤったときのを、みたいな? 」

高雄「……リアルなのかリアルではないのかよく分からない非現実感ね」


< ボーダー >






提督「……あのアホママ上」

愛宕「板チョコにサインって……アイドルかなにか? 」

提督「知るかそんなもん」

高雄「……でもあなたのお母様って綺麗な方だと思います」

愛宕「アイドルじゃなくても舞台映えしそうよね」

提督「あ? んなもん当たり前だろうが。母さんは美人だぞ。母親じゃなかったら口説いてた」

愛宕「そ、そう」

高雄「……母親でも口説きそうですが」


< 義理の家族、とは言わないか >






高雄「今日の誕生花は三又。花言葉は“ 肉親の絆 ”」

明石「……肉体関係で言えば七股ですか」

雲龍「七人姉妹なんて滅多に見れないわね」

明石「どっちの意味でもそうですね。
……これで仲拗れないってどういうことでしょう」

雲龍「そこはほら、もう絶対的なのがいるから」

明石「諦めとかってことですか」

雲龍「そこだけ考えると七股ではないのかもしれないわ」

高雄「……だとしても常時二股ですけれどね」


< 誰にもどうしようもないこと >






提督「今日のカクテルはレッドバード。
カクテルワードは“ 義理人情に厚く正義感あるニューヒーロー ”、だ」

雲龍「よくよく考えると」

天城「ええ」

雲龍「クリスマスもバレンタインもたぶんホワイトデーも添え物扱いって」

天城「はい」

雲龍「……どうしてそれでもいいの? ねぇ」

天城「……姉様の心理分析なんて真っ平ですが」

提督「ピンクどころの話じゃないもんな、ははっ」

雲龍「…………」

天城「…………」

提督「…………いや、俺が謝るのもなんか違うだろこれ、理不尽な」


ありがとうございました


< 失敗談や自慢は程々に >






高雄「二月十六日の誕生石はオレンジトルマリン。
石言葉は“ 友情 ”、“ 平和 ”、“ 安心感 ”、そして“ 心配性 ”」

提督「心配性といえばさ」

高雄「ええ」

提督「俺の親はもう少し子を心配してもいいと思う」

高雄「心配されたいんですか? 」

提督「いや、されるとそれはそれで申し訳ないんだけど」

高雄「はぁ」

提督「でも海兵目指すって告白したときでさえね」

高雄「やるならやれ、の一言だったんですよね」

提督「おう」

高雄「…………もう何度この話を聞いたことか」

提督「鉄板トークって誰しもあるものなんすよ高雄さーん」


< さて、なにか問題はあるだろうか >






海風「……ねむ」

雲龍「ナニ、してたの? 」

海風「昨日はしてませんよ」

雲龍「……そう」





江風「……眠いなぁ」

天城「昨夜はなにを? またゲームですか? 」

江風「いや、昨日はしてないよ」

天城「はぁ」


< 例え方は時に千金の価値を持つ >






高雄「今日の誕生花はセントポーリア。花言葉は“ 同情 ”」

漣「……PS3が起動しないんですけど」

叢雲「暫く放っておいてたんだし別にいいじゃない」

漣「や、時々無性にやりたくなるゲームってあるじゃん? 」

叢雲「知らないわよそんなの」

漣「シーレーンでも無性にご主人様と会いたくなること、なかった? 」

叢雲「…………」

漣「…………」

叢雲「……………………明石のところにでも持っていけば? 」


< 合わないなんてものは無いけれど >






提督「今日のカクテルはルジェカルテットソーダ。
カクテルワードは“ 人や動物や植物から愛されるシスター ”、だ」

Littorio「はふ……ロックばかりだときついですね」

提督「お前が言っても説得力皆無だけどな……なに飲む? 」

Littorio「あなたのおすすめを」

提督「お前それウィスキーロックしか出ないぞ」

Littorio「では今の私に合うと思うものを」

提督「はいよ」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………わくわく」

提督「…………そんなに期待されても困るんだが」


ありがとうございました


< タオルがひらひら >







Littorio「あっ」

提督「ん……悪いな。ちょっと小指と薬指の感覚無くて」

Littorio「え? 」

提督「うん? 」

Littorio「…………え? 」

提督「時々あるんだよ、一晩腕枕したりしてると、さ」

Littorio「あ、あぁそういう」

提督「橈骨、は親指か……まぁよく覚えてないけどその辺の圧迫が原因らしい」

Littorio「はぁ」

提督「さすがにまだ身体の痺れとかは無いさ、心配すんな」

Littorio「……だと、いいですけれど。ただでさえ身体酷使せているんですから」

提督「善処はするよ」


< 割とうるさい >






高雄「二月十七日の誕生石はカテドラルクォーツ。
石言葉は“ 歓喜 ”、“ 興奮 ”、そして“ 愉快 ”」

雲龍「相変わらず外には面白いサービスがあるのね」

漣「あー、コンビニのコラボ商品」

高雄「物凄い早さで無くなるのですね」

漣「そりゃあその為の端末とかネットですから」

雲龍「……私はどん兵衛そのものの方がいいわね。ICカードなんて持ってないし

高雄「……相変らず好きですね、レトルトとかカップ麺」

漣「便利ですもんねー。なんてったって片付けが楽ですし」

雲龍「それだけじゃないのよ。あの安さと素材であの味と品質をーー」


< サラ柳 >






高雄「今日の誕生花はソラマメ。花言葉は“ 憧れ ”」

江風「部下の言う 『課長やばい』 は褒め言葉」

提督「俺は中間管理職ではないぞ」

高雄「むしろ階級や立場で言えば私や愛宕ですね」

漣「はははー、ご主人様やばーい」

明石「やばーい」

愛宕「やばーい」

提督「やばくない海軍軍人がいるとでも? 」





海風「憧れてますけどね、普通に」

瑞穂「……憧れって二つありますよね、尊敬と思慕と」

海風「…………憧れは、憧れですから」


< 馴染む、ということ >







龍田「はーい、カシマール」

鹿島「は、はい? 」

龍田「私のことは龍田、でいいわよ? 」

鹿島「以前と同じですね」

龍田「そうねぇ、カシマール」

鹿島「……その呼び名はちょっと」

龍田「カトリーヌは笑ってOK出してくれたわよ?」

鹿島「か、香取姉はなにやってるの……」



< 一応去勢はしているのだが >






愛宕「発情期ですってー」

提督「お前が? 」

愛宕「んーん、あなたの実家の猫ちゃん」

提督「へぇ。まぁ、毎年のことだしなぁ」

愛宕「そうね」

提督「ってよりも俺はあいつらがあとどれだけ生きるかの方が気になるよ。
俺が帰れるまで生きていてくれるのか」

愛宕「まだそんなに老猫じゃあないでしょう? 」

提督「まぁな」


< 不携帯携帯 >






明石「ちょ、ちょっと待ってください」

愛宕「うん? 」

明石「愛宕さんって提督のお母様と連絡取ってるんですか? 」

愛宕「いいえ? 」

提督「まだ会わせるわけにもね」

明石「じゃあ、どうして猫のは、発情期のことを? 」

提督「俺のスマホのロック画面だろ? 」

愛宕「うん。ちゃんと携帯しなさいよね」

提督「うぃーっす。……パスコードもおしえてるし中身も見れるぜ? 」

明石「えっ」

提督「別に見られて困るものなんてねぇしな」

愛宕「でも中見たことなんて無いわよ? 」

提督「だからおしえられるんだろ? 」

愛宕「それもそうね」






明石「…………唐突に惚気エピソードって、まったくやぶ蛇もいいとこ」


< 恋は盲目とはよく言ったもの >







提督「今日のカクテルはロイヤルカルテット。
カクテルワードは“ 心安らぐ場所を求める文学少女 ”、だ」

愛宕「私文学少女ではないけど」

提督「うん? 」

愛宕「いつでも発情期といえば発情期よ? 安らぐ場所もいつでも欲しいし」

提督「人間はまぁそうだな」

愛宕「これでもオスがいないと発情しないの。普通の猫ちゃんと違って」

提督「……メス猫の発情臭は高層マンションの最上階からでもオス猫に届くらしいが」

愛宕「私は……どう? 」

提督「発情臭は知らないけどとりあえず男は寄ってくるだろうね」

愛宕「そ…………ん」

提督「ん…………猫耳でも付ける? 」

愛宕「付けて欲しいなら付けるにゃん? 」

提督「うわき…………なんかお前がしてもきつくねぇな、なんでだろう」


ありがとうございました


< まぁ、そのうちね、うん >






高雄「おはようございます」

提督「ん、おはようにゃん」

高雄「……は? 」

提督「や、冗談冗談」

高雄「……そういうの、好きなんですか? 」

提督「嫌い、なんて断言できる男はそんなにいないと思うよ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………た、たかおもやった方が、いいにゃん? 」


< 熱心かつ純粋でそして真面目 >






高雄「二月十八日の誕生石はローゼライトガーネット。
石言葉は“ 熱心 ”、“ 純粋 ”、そして“ 真面目 ”」

雲龍「ローズヒップのヒップがなにか分かる? 」

高雄「ローズヒップは薔薇の果実という意味でしょう? 」

雲龍「ええ。でもそもそもヒップ、という単語だけで薔薇の果実って意味なのよ」

高雄「なるほど」

雲龍「形も細長くてヒップには見えないしね」

高雄「はい」

雲龍「これ、ヒップについて調べていて知ったの」

高雄「……よ、世の中分からないものですね」


< どっちも悪い、なんて結論には滅多にならない >







高雄「今日の誕生花はタンポポ。花言葉は“ 思わせ振り ”」

明石「そういう意味で言えば提督はいいですね」

高雄「? 」

明石「思わせ振りどころか好き嫌いはっきりしてますし線引きははっきりしてますから」

高雄「してますか? 線引き」

明石「少なくとも軽巡未満と寝た話は聞いてませんよ? 」

高雄「……それは割と別の線引きでは」

明石「でも見境いなくても仕方ないような人ですから」

高雄「確かに目立つような気もしますね」

明石「はい」





提督「…………思わせ振りな女の子が悪い、とか言おうと思ったのに」


< こんなCMもあった >







提督「結婚したのか、俺以外のヤツと……」

明石「うわぁ……似合い過ぎ。本当に言いそう」

愛宕「サイッテー」

高雄「擁護できませんね」

漣「きんも」

叢雲「しね」

提督「…………言えって言われたから言っただけなんだけどなにこの仕打ち」





雲龍「というか漣と叢雲以外はこの場合何も言えないような」


< 嫌いなものなど何一つとしてないけれど >






提督「まぁ、80とか120かな。濃い方が好きだよ」

雲龍「ふーん? 」

提督「生足は生足でいいけどね」

雲龍「……そう」

提督「というか薄いと割とこう……な」

雲龍「破ける? 」

提督「そ、気を付けてはいるし120とかでも破けることあるんだけど」

雲龍「それはまぁ私たちでもあることだから」

提督「そう言ってくれると少し楽ですよ、お姉さん」

叢雲「…………デニールについて語るのがコーデとかファッションのことじゃなくてある一定のシチュエーションのことっておかしいでしょ」




< オーロラの様に掴めないものは沢山ある >







提督「今日のカクテルはチョコレートサワー。
カクテルワードは“ オーロラのように心が静かで美しい森の精霊 ”、だ」

叢雲「オーロラっていいものなのかしらね」

提督「まぁ、他に類を見ない情景ではあるだろ」

叢雲「そうね」

提督「…………」

叢雲「…………」

提督「…………見てみたいか? 」

叢雲「別に。興味無いわ」

提督「そ。…………今は何に興味あるんだよ」

叢雲「あんた」

提督「へ? 」

叢雲「がまともな軍人として、人として幸せになれるか、よ」

提督「……俺のママか何かですか、叢雲さん」

叢雲「あんた程関わった存在なんて他にいないのよ、私には。
だからこれくらい考えたりはするわ」

提督「…………」

叢雲「…………おかしい? 」

提督「…………いや、ありがたいと思うよ、本気で」



ありがとうございました


< 弱いという強さを持つ弱さを >






高雄「ん……」

提督「…………Zzz」

高雄「…………」

提督「…………Zzz」

高雄「…………少しでも楽になれたでしょうか」

提督「…………Zzz」

高雄「…………」

提督「…………Zzz」

高雄「…………これで満たされてしまうのも悔しいような気もしますけれど、ね」


< いつの間にか現れて消えるのが煙草 >






雲龍「っ……フ-」

天城「…………珍しいですね、姉様」

雲龍「……戯れよ。勝手に借りてきちゃった」

天城「借りる? 」

雲龍「どうせ対価なんて受け取ってくれないもの」

天城「はぁ。……LONGTIME? 」

雲龍「セッタよ、セッタ」

天城「雪駄? 土の味でもするんですか? 」

雲龍「え? 」

天城「? 」

雲龍「…………なんでこれ北海道限定なのかしら」

天城「誤魔化さないでくださいよ」


< 想像だけで止まればどれだけ >






高雄「二月二十日の誕生石はスノーフレークオブシディアン。
石言葉は“ 妄想 ”、“ 想像 ”、そして“ 脳内変換 ”」

天城「煙草のことはよく分かりません」

高雄「私もよく分かりませんよ。あの人の吸っている銘柄しか知りません」

天城「でも時々別のもの吸っていたりはしますよね」

高雄「戯れでしょう。あれで好みのものばかり選ぶ人ですから」

天城「…………」

高雄「…………」

天城「…………煙管でも試してみましょうか」

高雄「止めはしませんよ、ここでは誰も、ね」


< 罵倒でもないが >






高雄「今日の誕生花はカルミア。花言葉は“ 賞賛 ”」

漣「ねむねむ」

提督「そっすねー」

漣「そっすよー」

提督「そっすかー」

漣「っす」

提督「…………」

漣「…………」

高雄「…………唐突に始めて唐突に終わるのはなんなのです」

提督「いやぁ」

高雄「褒めてません」


< 有ってもあまり、でも無いと寂しいそれが歴史 >






江風「叢雲とか雲龍さンは自然とか神話系じゃン? 」

瑞穂「名前、ですか」

江風「ン、逆に加賀さンとか高雄さンたちは地名が由来じゃン」

瑞穂「ですね」

江風「それはそれでカッコいいよな。地元の大名とかいたりしてさ」

高雄「京都、ですか」

愛宕「松永とか斎藤とか細川? 全部山城だけど」

加賀「本願寺、畠山、佐久間……ま、加賀といえば前田氏ですか」





提督「なんなの? コシャマインなの? シャクシャインなの? まさか蠣崎ってことにしろと? 」

海風「……海風も由来的には雑な部類に思えますけどね」

Littorio「……ファシズム関係なのはどうすれば」


< まぁ、今があればいいんだけど >






明石「私なんてそのまま地名ですけどね。正確には明石の浦」

提督「……兵庫はいいだろ、色々いて」

明石「山名とか荒木ですね」

提督「羽柴も国主だったりしたし」

明石「そういえば明石藩もありましたしね」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………もうロマノフ朝でいいや」

明石「ちょ、帝国軍人としても歴史としてもどうなんですそれ」


< 老成か老化か >







提督「今日のカクテルはティップントップ。
カクテルワードは“ 妄想力と想像力を育むロマンティスト ”、だ」

愛宕「夢見がちな少女、みたいな」

提督「ってよりはただの男子学生みたいな感じじゃないの」

愛宕「ロマンティストだったの? 」

提督「そりゃね。今とは比較にならないくらいロマンも理想もあったよ」

愛宕「ふーん? 」

提督「…………つまんない大人になったよ」

愛宕「そうは思わないけど」

提督「さんきゅ。……他人の面白さ吸い取って依存しないと生きられないんだ、この歳になると」

愛宕「歳? 」

提督「いや、性格かな。……うん、性格かも」


< The Winner Takes It All ♪ >






提督「明日の夜はブリッジ大会だぞ、張り切れ」

明石「また面倒なことを。……賞品は? 」

提督「全員何か用意しとけ。勝者総獲りな」

漣「そういうことはもっと早くですね……」

雲龍「私身体の柔さには割と自信あるわ」

提督「そうじゃねぇよ」

高雄「……これでも賭けます? 」

愛宕「そうね、ブリッジならどうせチーム戦だし」

提督「俺を賞品にすんなよ。つーかこれとかやめろ」


ありがとうございました


< やはり、姉妹 >






山城「姉さま、あぁ姉さま」

時雨「……突然なんだい山城」

山城「あなたは無いの? 急に姉妹のことが胸を締め付けること」

時雨「無い、かな。普通無いと思うよ」

山城「そんな馬鹿な」

時雨「……まぁ、時々海風や江風に会いたいとは思うけど」

山城「そう、そういうことよ時雨」





時雨「たまにでいいんだけど」

扶桑「ええ」

時雨「不意に山城のことを考えてしまうのとなんてあるかい? 」

扶桑「? いつも考えているけれど」

時雨「…………」


< キョトン >






雲龍「対象の幼児化、なんてできないのかしら」

明石「できるわけ無い、とはまぁ私の存在自体が否定しきれない材料ですね」

雲龍「ええ」

明石「仮にできたとして何に使うんです。提督でも攫いますか? 」

雲龍「悪くないけどショタ趣味は無いの。……私が使うわ」

明石「はぁ」

雲龍「幼児化した私なんて絶対美少女だと思うのよね」

明石「あぁそっちの」

雲龍「問題はあの人がペドもロリもあんまり好きじゃなさそうなところね」

明石「まぁ…………今の雲龍さんは相当好かれてると思いますけど」

雲龍「え、本当に? 」

明石「…………」


< プライドが低いというプライド >






高雄「二月二十一日の誕生石はピーコックカラーオパール。
石言葉は“ 快活 ”、“ 明るい ”、“ 優しい ”、そして“ 前向き ”」

天城「姉様もあれでかなり自分に自信の無い方ですし」

高雄「はい」

天城「ここに集まった人は共依存すべくしてしているのかもしれませんね」

高雄「そう、ですね。なにも否定できません」

天城「はい」

高雄「…………」

天城「…………」

高雄「…………もしかするとその雰囲気を嫌う方がいるのかもしれませんね」

天城「あぁ」


< 決め角度は大事に >






海風「ん…………む」

提督「うん? 」

海風「スマートフォンというのは少しだけ、扱いにくいですね」

提督「そうか? 」

海風「提督は手が大きいですから」

提督「あぁ、機能とかそういうのじゃなくて」

海風「そちらはなんとなく分かりますよ」

提督「まぁ、俺は男だし身体でかいからな。……スマホ買おうか? 」

海風「あれば便利ですが……今はいいです」

提督「ふぅん? 」

海風「時々こうして、提督のフォルダに海風の写真が入れば、それだけでいいんです」

提督「そうか。…………皆そういうことするから俺のフォルダ猫とお前らばっかだよ」


< 歩く機密 >







海風「でもそのおかげで眺めているの、楽しいです」

提督「そのスマホを外で紛失したらヤバいけどな。軍機の固まりだよそれ」

海風「……Bismarckさん」

提督「Bismarckだね」

海風「……こんなに着崩して」

提督「その辺はまぁこの国の民族性から見ると異質かもな」

海風「こんなにお酒飲んで」

提督「それも彼らの、うん」

海風「…………明らかにBismarckさんの私室でツーショット? 」

提督「…………まぁ、ほら。そういうこともあるよね、時々は」


< 花にも、そして人にも歴史がある >







高雄「今日の誕生花はネモフィラ。花言葉は“ 私はあなたを許す ”」

愛宕「こんなの渡されても正直皮肉としか受け取れないわよね」

高雄「そういうものでしょう、花言葉って」

愛宕「そうなの? 」

高雄「相手が理解できるかも分からず自己満足で渡す。
完璧に皮肉や嫌味と同じじゃない」

愛宕「あぁ……確かに」

高雄「……花言葉は十七世紀のトルコ、まぁオスマン帝国が発祥だと言われているのだけれど」

愛宕「うん」

高雄「当時のイスタンブール大使夫人が自国に持ち帰って広めたのが現在の原型なのよ」

愛宕「自国? 」

高雄「紳士と淑女の国英国に」

愛宕「……あぁ」


< 運転って結局個人で楽しむものだから >






江風「……酔った」

加賀「私や提督でも日中からは滅多に酔わないわよ」

江風「いや、酒じゃなくて車酔い」

加賀「……」

江風「明石さンの魔改造単車の後ろに乗せてもらったンだ」

加賀「……」

江風「……」

加賀「……あなたLittorio側だったかしら」

江風「や、あそこまで運動音痴ではないと思うけど」






Littorio「……何も言えない立場ですけれど人外としては乗り物酔いくらいは避けたいものですね」


< さぁ、戦争だ >






明石「提督って歴史好きですよね」

提督「まぁ、ちいさい頃から本好きだったから」

明石「その割に歴史の話しませんね」

提督「だって歴史なんて結局好みだもん。
議論が前提なら兎も角喧嘩にしかならないよ、大体は」

明石「はぁ」

提督「明石もさ、RXの7か8かで結構意見あるだろ? 」

明石「なるほど、よく分かりました。……マツダですか」

提督「マツダでもいいじゃん……」

明石「例にするなら普通S30かZ32か、とかでしょう? 」

提督「は? 」

明石「ふん」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………ほら、こうなるだろ? 」

明石「…………本当に心から同意できましたよ」


< こちらでも戦争を >






GZ「彼に祖国のコーヒーを味わっていただきたかったのだが」

鹿島「サンドウィッチを差し上げる約束があったのに」

GZ「それくらい高雄や愛宕がだな」

鹿島「それならコーヒーなんて提督さん本人が」

GZ「……英国生まれの所詮簡易食ではないか」

鹿島「……提督さんはドイツ駐在経験がある武官ですよ? 」

GZ「…………」

鹿島「…………」

GZ「…………とびきりのコーヒーを、淹れようか」

鹿島「私もサンドウィッチ、用意してきますね」


< 何に縛られ、何から解き放たれるのか >







提督「今日のカクテルはエルプレジデンテ。
カクテルワードは“ 束縛されず解放感を求める自由人 ”、だ」

Littorio「ワードの割にカクテルネームは大統領、なんてものなのですね」

提督「求めるようになるんじゃない、たぶん」

Littorio「……分かりませんね。縛られるものがあった方が幸せなのに」

提督「それは俺たちの考え方だろう? 割と、特殊だと思うよ」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………女は皆自分だけの特別を普遍なものだと思い、求めるもの。違いますか? 」

提督「…………違わないね。男とか女とか関係なく人間ってそういうものだ」


< とりあえず遊べればいいや >







提督「くっそ眠い」

漣「ブリッジとはなんだったのか」

提督「……かったる」

漣「で、なんで麻雀」

提督「眠いときは麻雀の方がいい」

漣「普通逆じゃないですかね」

提督「…………」

漣「…………」

提督「…………誰勝つかな」

漣「…………さぁ、勝ってもよく分からない賞品なんで皆さんgdgdですけど」


ありがとうございました


< 朝はダメなんだ、朝は >







江風「短パンTシャツって」

雲龍「……歯磨いてシャワー浴びてこの後着替えるわよ」

江風「いや、自堕落でもサマになるって言いたいンだよ」

雲龍「…………」

江風「…………? 」

雲龍「……なんの話だったかしら」

江風「えぇ……」


< わいるど >






提督「えーっと、今日は」

加賀「ええ」

提督「……猫の日だな」

加賀「そうね」

提督「猫の日っていっても母親から写メくるだけだが」

加賀「今ここであなたの猫になりましょうか? 」

提督「ライオンとかの間違いじゃねぇのそれ」

加賀「猫は猫でしょう」

提督「……猫化、どうぞ」

加賀「了解しました」

提督「そんなすぐ慣れるものなの……いやいやいや、なんで猫化の手始めが脱衣なんだよ、おい! ……おい! 」



< 似た者先/後輩 >






Littorio「今日は忍者の日なのですよね? 」

雲龍「そうなの? ……ニンニンニンだから、かしら」

Littorio「……」

雲龍「そんなワクワクされても困るわ」

Littorio「え……」

雲龍「私ができる忍者は捕縛されたくノ一くらいよ」

Littorio「はぁ」

雲龍「やってみましょうか? 」

Littorio「すぐにできるのなら」

雲龍「そう。あまり露出趣味は無いのだけれど…………提督ー」


< 共感は求めないけれど >






高雄「二月二十二日の誕生石はスターベリル。
石言葉は“ 思い遣り ”、“ 素直 ”、そして“ 正直者 ”」

提督「ふぅ……疲れた」

高雄「何故いつの間にか服を脱ぎかけた女性二人に囲まれていたんです」

提督「あいつらの頭の中のことなんて知らないよ俺」

高雄「はぁ」

提督「俺正直くノ一コスはどうかと思うんだよね、プレイも。拷問っぽいのはちょっと」

高雄「……いつだったかの正月頭から和服で」

提督「いや、悪代官と忍者は違うだろ全然」

高雄「…………」


< 寂し気な女を最も見ているのは >






高雄「今日の誕生花はローダンセ。花言葉は“ 終わりの無い友情 ”」

明石「思ったんですけど」

高雄「ええ」

明石「Littorioさんってあんまりあちらのお友達とかっていないんでしょうかね」

高雄「横須賀や帝都では何人か親しそうな方にお会いしましたよ」

明石「LibeccioとかZaraとかって人たちでしたっけ」

高雄「そのはずです」

明石「…………私なら今更ここを離れたりはできませんからね。
想像より凄いですよ、Littorioさん」

高雄「彼女もああ見えて寂しかったりするでしょう。
……あの人に聞いたほうがよく分かるかはず」

明石「あぁ」


< 忙しいのもそれはそれで嫌 >






提督「あぁぁぁ……」

愛宕「睡眠でも取ったら? 」

提督「だるい、だる過ぎる。寝るのも面倒い。麻雀なんてやらなきゃよかった」

愛宕「結局天城の総獲りだったし。……ま、お仕事終わらせてるから誰も何も言わないわよ」

提督「あぁ。……泳ぎに行かね? 」

愛宕「プール? 」

提督「そう、今の時間は誰も使ってないはずだし」

愛宕「うーん……私はいいかな。ちょっとそんな気分じゃないし」

提督「そうか。雲龍でも誘……待てよ? 」

愛宕「うん? 」

提督「戦闘中も大概だけどあの髪水泳中にどうやって邪魔にならないようにするんだ? 」

愛宕「確かに謎ね……そのまま下ろすんじゃないの? 」


< 言い出せないとき >






加賀「一人部屋なのはここでは私とLittorioだけね」

Littorio「そうですね」

加賀「……」

Littorio「……」

加賀「……この前のことだけれどーー」






Littorio「ということが……あれはもしや相部屋にしようというお話だったのでは」

提督「いや……そんな気もするけどさ。なに? 中学生男子か何かなの? あいつ」


< あのデザイン創った人は結構凄いと思う >






提督「今日のカクテルはゴールデンマルガリータ。
カクテルワードは“ 理想像をはっきり持つ創造者 ”、だ」

愛宕「さすがにコンビニの制服は難しいわねぇ」

雲龍「そもそもあれのどこがいいのかしら」

愛宕「必ずしもミニスカと合わせるわけじゃないみたいだし」

雲龍「身体のラインもそこまでは出ないわよね」

愛宕「うーん……コンビニ店員の立場があまり強くない、って考える男性が多いとか? 」

雲龍「あぁ。だからこう、強くものを言えるみたいな? 」

愛宕「その延長線上でえっちな目線を向けてるのかも」

雲龍「なるほど。……そうなの? 」

提督「知るかよそんなの。真面目に議論する話でもないだろそれ」



< まぁ、割とそんなものだよね >






雲龍「……ねむ」

提督「五月まではまだ大分あるぞ」

雲龍「五月病は年中無休なのよ、きっと」

提督「ついに五月病も概念を脱却か」

雲龍「一応病の一種じゃないの? 」

提督「詳しくは俺も知らないけど」

雲龍「…………疲れることしましょう? 」

提督「この話の流れで? 」

雲龍「どう誘えばいいの? 」

提督「…………外でも行く? 」

雲龍「飲酒運転」

提督「む」

雲龍「……早くヤりたいだけだから。雰囲気なんて、いいわ」

提督「女の子がそれでいいのかよ」


< カーテンフォール。あるいは幕開け >






肩に、確かな重みと幼い頃から長く親しんだような暖かさを感じる。

その自分よりは硬く、それでいてなんであれ受けて入れて、優しく迎えてくれるような手の平が私の肩を撫で、鎖骨を滑る。

チリチリと焦げたような感覚を覚える首筋を優しく、そして確かに愛撫しながら身体を這い登り顎先を指先が掴む。

その間左手は私の腰やや上を抱き寄せ身体を密着させ二人の体温を確かに感じさせていた。

ゼロ距離の近さで残り触れていないのは、きっと唇と心だけ。

心は、彼の愛だけは絶対に私には与えられない至高のものだけれど。

絡み合わせた粘付く視線とまだ足りないとばかりに強く互いに抱き寄せたその腕と。

それからキスが待ち遠しくて微かに震えるこの唇だけは。

今の私にだって許されたものなんだ。

それがある限り、それだけで、私は明日も生きていけるのだ、きっと。




「……キスしても、いいかな」




答えは分かっているはずなのに。

それでもわざわざ訊ねてくる意地の悪さすら私たちには遊びのアクセント。

手に入らないものをそれでも求める哀れな女。

手に入れる気の無いものをそれでも手元に置く男。

そんな私たちの夜がこれから何度あるかは分からないけれど。

その価値はこれまでも、そしてこれからも私たちにだけ尊くて、私にとっては最高のものなのだろう。




「…………答えなんて、決まっているでしょう? 」




私たちの夜は、短い。

彼の生は、短い。

だけれど

だからこそ、それはきっと価値を持つ。

キスを待つ間だけ、益体もないつまらないことを考えた。

その時間が、実は嫌いではない。

これはそんな自らも認める、つまらない女のそんな一幕。


< 舞台袖にて >






叢雲「なにあの茶番」

漣「うわぁ……」

江風「ヒュー……江風でもカッコいいと思うぜ、今のテートク」

海風「…………」

叢雲「やってもいいけどやるなら寝室とかでやりなさいよね」

漣「なーんでこんな談話スペースであんなこと」

江風「まぁ、バーがある場所だとありがちなンじゃない? 知らないけど」

海風「…………」

叢雲「…………こっちでも一人毒気に当てられてるし」

漣「漣と叢雲ちゃんが慰めてあげようか? 」

海風「……え? 」

漣「漣と叢雲ちゃんのコンビの手にかかれば墜とせない女の子はいないんですよー? ね? 」

叢雲「私あなたと寝るのなんて嫌よ、漣」

漣「えぇ、そんなぁ。……ま、冗談だけど」

江風「…………もし姉貴が望むなら江風はいいけどね」

海風「そう。……………………え? 」


ありがとうございました


< 朝の一幕 >






雲龍「……空き部屋で起きるなんてほんとにそれっぽいわね」

提督「ん……まぁ、お前以外の気配許せない気分だったし」

雲龍「…………」

提督「…………なんでこういうので照れんの? もっと他にさぁ」

雲龍「照れてな、くはないけれど。……悪い? 」

提督「んーん、可愛いって言ってんの」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………緑茶でいい? 」

提督「頼む」


< 普通に店の方が早い >






愛宕「朝からラーメンってのもどうなのかしらね」

高雄「好きな人なら。……私は遠慮したいけれど」

愛宕「私もちょっと嫌ね」

高雄「……そもそもあなたまともなラーメンつくれる? 」

愛宕「んー……上に載せるものとか餃子みたいなサイドで誤魔化しちゃうかも」

高雄「…………やはりここは麺とスープから」

愛宕「えっ? 」

高雄「冗談、冗談よ」


< チャレンジした結果が今と言えないこともない >






高雄「二月二十三日の誕生石はアレキサンドライトガーネット。
石言葉は“ 才能 ”、“ チャレンジ ”、そして“ ポジティブシンキング ”」

提督「あぁ……たゆんたゆんの夢が詰まったおっぱいを支える仕事がしたかった」

高雄「突然呟く内容はではありませんね」

愛宕「ブラになりたいとかそういう? 」

提督「いや、仕事だよ仕事。時給764円でいいから」

高雄「詳しくはないですけど低くありませんか、それ」

提督「北海道の最低賃金なんすよ、これ。
最低賃金でもいいからおっぱいサポーターやりたかった」

愛宕「それ夢ってより詰まってるのは現実と脂肪ね」

提督「リアルだからいいんだよ、リアルなおっぱいにはリアルな楽しさがあるんだ」






雲龍「私も金」

明石「あのですね……いい加減もういいですってその流れ」

雲龍「む……」


< いつからが老後なのか >






高雄「今日の誕生花は辛夷。花言葉は“ 友情 ”と“ 乙女のはにかみ ”」

愛宕「辛夷ってどんな花だったかしら」

高雄「モクレン科の花でこう……少し長めの花弁の」

愛宕「あー……分かったかも北国の春の歌詞にも出てくるわよね」

高雄「えーっと……」

愛宕「それはまぁいいわよ。……あとお酒も飲んだことあるはず」

高雄「綺麗な色の甘い果実酒だったわね」

愛宕「…………いつかあの人が楽しめる梅酒をつくれたらいいと思わない? 」

高雄「…………やりたいことばかりが増えていくわね、生きていると」

愛宕「いいのよ、きっとそれで」


< カランカランと紙袋 >






天城「今日は満月でしたか」

加賀「……久方振りにあなたの部屋にお邪魔してもいいかしら」

天城「構いませんよ、姉様もどなたかの部屋にいますし」

加賀「そう。十四代でも持っていくわ」

天城「はい。では日本酒に合う肴でも用意しておきましょう」

加賀「ええ」






瑞穂「あの」

加賀「なにかしら。あなたも天城の部屋に? 」

瑞穂「はい。…………一升瓶って抱えられない程持ち運ぶものでしたっけ? 」

加賀「? 」


< ビタミンとか使い過ぎたからね、変なこと言うのかも >






提督「外歩いててレンガ降ってくるとか御免だよな」

愛宕「服が汚れるものね」

提督「は? 」

愛宕「だってたぶん死なないもの」

提督「いや、そうだろうけどさ」

愛宕「さっきのニュースの女性だって軽傷だったんでしょう?
むしろその程度の怪我で煩わしい聴取だとかは面倒だと思うわ」

提督「言いたいことは分かるが」

愛宕「……だから、もっと酷いことしても、いいのよ? 」

提督「……この手首紐で縛ったのも割と怖いくらいには小心者なんだよね、俺」


< 暗い所だと本気で怖かったりする >






江風「ハイライトってあるじゃン? 」

海風「提督ってハイライトだっけ? 」

江風「え? 」

叢雲「あいつのは違う銘柄よ。……それで? 」

江風「? ……江風が言ってるのはアニメとかのあの目のやつなンだけどさ」

海風「あぁ」

江風「あれってリアルにはできないよな? 」

叢雲「……………………どう? 」

江風「ひぃっ」

海風「あー……上手いね、叢雲ちゃん」

叢雲「あそこまで露骨にはできないけどこんなの雰囲気よね、実際。
目付き悪くして伏し目がちにすれば雰囲気はなんとかなるわよ」

江風「へぇ……マジで怖ぇ」

叢雲「あなたも覚えた方がいいんじゃない? 男捕まえる為に」

江風「いやぁ……そんなことしないと手に入らない男なら縁が無いンだよ、諦めるって」

海風「…………」

叢雲「…………」

江風「……? 」

海風「…………本当にそう思えればいいね」

叢雲「…………達観するよりは苦しむ方がマシかもしれないわよ」


< 自分すら認められない自分をだれが認めてくれるだろうか >






提督「今日のカクテルはレモンハートオレンジ。
カクテルワードは“ 人に認めてもらいたい自信家 ”、だ。……だった」

愛宕「最近緩んできたんじゃない? 」

提督「歳もあるから多少はあるだろうね」

愛宕「別に私は多少太っててもいいけど? 」

提督「……分かってる。自分が一番嫌なものだよな、こういうのって」

愛宕「ええ」

提督「……腹筋くらい死ぬまで維持したいものだが」

愛宕「くらい、とか言ってるから」

提督「あぁ」

愛宕「……増えてない? 」

提督「それこそ気にしないけどな。……ま、増えてないと思うよ、少なくとも、あー」

愛宕「ヤった感じは? 」

提督「まぁ……うん」


ありがとうございました


< 毒気を抜かれる、というかなんというか >






加賀「ん……天城たちの部屋」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………何故いつの間にかこの子と寝ているのかしら」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………瑞穂は明石が連れて帰ったのだったわね」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………入れ違いで帰ってきひゃうっ」

雲龍「んー……可愛い声…………Zzz」

加賀「…………起きたのなら離れなさい、雲龍」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………案外と幼い寝顔というか。無防備な寝方をするのね」


< 切り替え◯ >






天城「シャワーを浴びている間に一体何が」

雲龍「ん…………Zzz」

加賀「……あなたの姉が抱き着いて離れないのだけれど」

天城「……天城にはどうしようも。突き落として構いませんよ」

加賀「…………別に今日は急用があるわけでもないし」

天城「はぁ」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………」

雲龍「…………Zzz」

加賀「…………」

天城「…………いや、だからといって今から2人で寝ないでくださいよ」


< 複雑な >






高雄「二月二十四日の誕生石はホワイトオパール。
石言葉は“ 高貴 ”、“ 品位 ”、“ 安定感 ”、そして“ 落ち着き ”」

Littorio「高貴、といえば」

高雄「ええ」

Littorio「帝都でお見かけしたあの方、そのような方なのでしょう? 」

高雄「この国の歴史の中では一応常に敬されてきた血筋の方ですね」

Littorio「まさにnoblesse obligeを地で行く方でした」

高雄「でしょうね」

Littorio「……」

高雄「……」

Littorio「……? 」

高雄「…………あの方のお蔭で私はあの人に出会ってあの方の所為でこんな目に遭っているのよ」

Littorio「…………なるほど」


< 桜舞い散った後には会えるだろうか >






高雄「今日の誕生花は桜草。花言葉は“ 青春の悲しみ ”」

明石「Iowaって発音もよく分かりませんね」

叢雲「北米インディアンの言葉を英語に無理矢理合わせてるからでしょ」

明石「はぁ」

叢雲「“ 眠い人 ”、って意味もよくわからないけど」

雲龍「つまりあの金髪女は睡姦が好き? 」

愛宕「んー? 」

高雄「あなたじゃないわ」

天城「睡眠が好きなのはむしろ姉様のような」

瑞穂「桜並木は……ワシントンD.Cでしたっけ」


< 人と人とを繋ぐ人を繋ぐ人を繋ぐ…… >






漣「というかIowaって人と会ったことが? 」

雲龍「海上ではね」

漣「なるほど」

雲龍「そのときこっちの艦隊代表の一人だったのがあの人よ」

漣「ふーん? 」

雲龍「ああいう人種と初対面で話せるのって凄いわよね」

漣「どういう人かは分かりませんけど……まぁ、それが取り柄みたいなものですし」

雲龍「だからこそ私にも気さくに話しかけてくれたわけだけれど」

漣「はぁ。……雲龍さんとかってご主人様のこと大事にし過ぎて自分のこと疎かにしてません? 」

雲龍「それが価値ってものよ、世の中にとっても、私にとっても」

漣「……」

雲龍「……あなただって彼以上の人間には出会ったこと、無いでしょう? 」

漣「……ノーコメントで」


< どうしようもないこと >






漣「ここで一番真っ平らなのって」

江風「漣じゃン? 」

海風「うん」

叢雲「少なくともこの四人の誰かよね」

漣「叢雲ちゃんは明らかに違うでしょ……畜生ォォォ! 」

叢雲「そもそもあなた欲しいの? これ」

漣「これって言えるものがある人には分からないでしょうねぇ、オンナジオンナジヤオモデェー! ンァッ! ハッハッハッハー! この」

叢雲「うっさいわね。別に同じだとも思ってないわよ」

江風「同じじゃない発言いただきましたー」

漣「ひ、ひでぇ……せめてネタは最後までさせてよおねーさーん」


< 少しだけ気にしていること >






Littorio「声がやや幼いような」

天城「一人だけ和服で浮いているような」

愛宕「お尻の大きさが、うん」

高雄「ロングにしても似合うでしょうか」

雲龍「私は逆にショートにしてみたいけれど……うーん」






提督「幸せ者ばっかだな、まったく」

明石「それ提督が一番言っちゃいけないやつでしょう……」


< 長い女と初めての酒と >






提督「今日のカクテルはカルーアオレンジ。
カクテルワードは“ 発想力豊かな文学少女 ”、だ」

高雄「いいカクテルでした、飲みやすくて美味しい」

提督「ん……俺と飲んでるからな」

高雄「そうですね」

提督「…………注ぐよ」

高雄「ありがとう、ございます」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………初めて空けたウィスキーだけど当たりかな、これは」

高雄「初めてならトゥワイスアップから始めては? 」

提督「そんな高尚な作法守る気は端から無いっていうか」

高雄「ええ」

提督「普段飲む飲み方じゃないと合う合わないって分からないと思うんだよね」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………ふふ」

提督「ん…………なんか楽しい? 」

高雄「あなたと飲んでいますから」

提督「…………注ぐよ」

高雄「ええ」


< 結局この後開き直って潰した >






鹿島「えへへ……へへー」

龍田「失敗したわねぇ」

時雨「……龍田のペースで飲ませたら誰でもこうなるよ」

龍田「天龍ちゃんはいつも付き合ってくれるから……」

時雨「夫婦並に相性いい人たちと比べられてもね」

鹿島「うふっ……龍田さぁん」

龍田「はいはいなぁに? 」

鹿島「だっこぉ」

龍田「……天龍ちゃーん」

時雨「……今日は僕の姉妹たちが借りてるよ、彼女」


< 女二人、バーカウンターにて頬杖ついて >






天城「甘いですね……なんという? 」

愛宕「ズブロッカ。飲んだこと無かった? 」

天城「舌は覚えている気もしますけれど……うーん」

愛宕「ここだといつの間にか飲んでることなんてザラだものねぇ」

天城「ええ」

愛宕「ポーランドのウォッカで世界遺産の森が関係してるのよ」

天城「はぁ」

愛宕「安くて甘くて好きなのよね。……どう? 」

天城「悪くは、ありませんが」

愛宕「ふーん? 」

天城「天城、あまり甘いものは」

愛宕「そ。……私も普段はそんなに飲まないんだけどね。あの人もあんまり甘いお酒好きじゃないから」


< 人は行為の先にあるものを毎夜探しているのかもしれない >






高雄「……手、握ってください」

提督「……うん」

高雄「…………注ぎますよ」

提督「ありがと。……手繋ぐ前にしなよ」

高雄「繋ぎたかったから」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………惚れるのは状態であり」

高雄「愛するのは行為である。……ドニ・ド・ルージュモン」

提督「過去の偉人が言いたいこととは違うが…………そろそろ何かするときではございませんか? 」

高雄「ふぅ、今でも十分その行為だと思うけれど…………連れてってください、どこまでも」

提督「あぁ。…………手を」


ありがとうございました


< 貧乏性というか庶民的というか >






高雄「二月二十五日の誕生石はファントムアメジスト。
石言葉は“ 美貌 ”、“ 根性 ”、“ しなやかさ ”、そして“ 思い遣り ”」

漣「優しさ成分オモイヤリンを含んだ漣ちゃんですよー、お安いですよー」

高雄「はぁ」

提督「嫁で足りてるんだが」

高雄「よ、嫁……嫁」

漣「まぁまぁそう言わず。ご主人様ならお安くしときますよ? 」

提督「あぁん? オモイヤリン漣の効果はなんなんだよ」

漣「漣ちゃんを撫で倒して湯水の如くお金を使いたくなっちゃいまーす」

提督「へぇ……」

漣「はいっ」

提督「まぁ、お前には結構世話になってるからな。
……で? 何が欲しいんだ? 資産がマイナスにならない限りはいいぞ」

漣「えっ」

提督「うん? 」

漣「…………ちょっと考えときます、じゃっ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………ふっ、勝ったな」


< 嘘吐く者と嘘吐かせる者と >






明石「やーっとできましたよ報告書ー」

提督「おうお疲れ」

明石「……なんで一々ネジ一本単位でくだらない報告書書かなきゃいけないんですかね」

提督「書いたのはプリンタだろ」

明石「あんまりキーボード得意じゃないんですよ、実は」

提督「あれで得意じゃないとか嫌味かよ。……こういう風にきっちり書いとくとな」

明石「はい」

提督「いざ誤魔化す時に楽なんだよ」

明石「は? 」

提督「自分でやったことだから覚えやすいし相手の印象もいいからな。なんとかなりやすい」

明石「あぁ。…………処世術ですねぇ」

提督「誰がお前の研究の為の改竄してると思ってんだ」

明石「いや、そんなこと堂々と言われても……感謝はもちろんしてますけどね」


< 私、とあなたとあなたの私 >







提督「じゃ、ちょっと明石と出てくるわ」

高雄「はい。……今日の誕生花はカランコエ。
花言葉は“ 沢山のちいさな想い出 ”、“ 幸せをつくる ”、そして“ あなたを守る ”」

天城「……雲龍姉様は」

高雄「ええ」

天城「天城よりも辛い思いをしたはずなのです」

高雄「……」

天城「天城がまだ天城として存在しなかった頃。
燃費以外に然程長所が無いと看做されていた雲龍型の地位を姉様が実力で上げるまでは」

高雄「……」

天城「直接非直接問わず罵倒されたことも、人間では無い者としての差別も。
それを合わせて無価値である、という自己嫌悪とも」

高雄「……」

天城「……天城は、いい姉を持ちました。あんなにも他人のことを想える人がいてくれて」

高雄「……」

天城「そんな人だからいつか、葛城たちと暮らしてみたいのです。姉様のしたいことをして」

高雄「…………素敵な夢、ですね」

天城「…………はい」





提督「……だってさ」

雲龍「……あなたがタイミング悪く出てこなければ」

提督「話しかけてきたお前が悪い」

雲龍「……居心地悪くて入れないじゃない」

提督「俺は関係無い。……ま、明石に聞かれなくてよかったな。あいつすぐ顔に出るし」


< こんな世界が一番の幸せ >







提督「今日のカクテルはイェーガーオレンジ。
カクテルワードは“ 自らの世界をつくる発想力豊かな人 ”、だ」

愛宕「明日のお昼何食べたい? 」

提督「んー……麺類」

愛宕「パスタね」

提督「まぁ、無理にとは言わないよ。なんでもいい」

愛宕「じゃあフォーでも食べる? 」

提督「なんでフォーなんだよ……確かに麺類だけどさ」

愛宕「じゃあとんぺい焼」

提督「もう麺類ですらねぇよ」


ありがとうございました


< 引き摺り下ろす楽しみが増えるから >






愛宕「一週間後会食」

提督「あ? 」

愛宕「県知事からね」

提督「知るかそんなもん、断っとけ」

愛宕「はいはーい」

高雄「いい加減また会わないと面倒なことになると思いますが」

提督「もう十分なってるし行けるところまで行こうかな、と」

高雄「はぁ」

愛宕「しつこい男は嫌われるのにねぇ~ 」

提督「ねー? 」

高雄「……お高くとまった女が嫌われないとでも? 」


< 面子は大事だからね、仕方ないね >







漣「たかが新幹線のチケットが二十五秒で完売って」

明石「よく並びますよね。私も乗り物好きですけどさすがにあれは」

漣「というか今更ですけど」

明石「ええ」

漣「あの不思議に長い駅名ってなんとかならなかったんですかね」

明石「あぁ、あれ」

漣「はい」

明石「……提督」

提督「なんで俺なんだよ」

明石「北海道トークのチャンスを譲って差し上げてるんですよ」

提督「…………言おうと思えば結構言えるけど地元の悪口になるから言わない」

漣「はーん……なんとなく方向性は分かったような」

提督「やっぱさ、帝国軍人としてあるまじきことはできないから」

明石「いやいやいや……」

提督「面子は大事だよ、面子は。せめて表向きは、ね」


< 正直理由がよく分からない >






明石「セイコーマートがセコマに」

提督「いいんじゃない、どっちでも」

明石「中身が変わるわけでもないですしね」

提督「略称だってセコマでもセイコマでもなんでもいいしな、俺は」

明石「ちなみに? 」

提督「セコマ派。特に意味も無いけど」

明石「ハンバーガーのお店なら? 」

提督「マック」


< まぁ、嫌がってないし >






高雄「二月二十六日の誕生石はクリアクォーツ。
石言葉は“ 繊細 ”、“ 敏感 ”、“ 表現豊か ”、そして“ ナイーヴ ”」

雲龍「一番敏感なところは? 」

海風「……内腿です」

雲龍「撫でられたい? それとも唇でスウィープ? 」

海風「……ど、どっちも」

雲龍「そう……じゃあ」

江風「いい加減やめてくれよ……姉貴困って、はいないけどさ」

高雄「これで見た目が中年男性なら確実にセクハラなのですが」

雲龍「いいのよ、女同士だし」

叢雲「…………同性でもセクハラは成立するけど」


< どちらもあって困るものでは無いはずだけれど >






高雄「今日の誕生花は福寿草。
花言葉は“ 幸福 ”、“ 幸せを招く ”、“ 回想 ”、そして“ 想い出 ”」

Littorio「招く、といえば招き猫にも意味があったのですね」

高雄「右手が金運で左手が千客万来、でしたか」

Littorio「さらに右手の方が雄猫で左手の方が雌猫だとか」

高雄「両手を上げていると欲張り過ぎでお手上げ状態、みたいにも言いますね」

Littorio「まぁ、どちらかだけでも十分ですし。……高雄はどちらが? 」

高雄「断然右手ね」

Littorio「へぇ……少し以外」

高雄「これ以上あの人の周りに女が集まるのはさすがに……」

Littorio「……あぁ」


< どうやってアンケしたのかとかは考えないように >






提督「自分より変態な人がここにいると思うかどうか」




Yes…………9
No…………3





提督「いや、まーじ? これ、えぇ……」

雲龍「割と私が一番驚いています」

提督「思わずお前が敬語に戻るくらいにはやべぇな」

雲龍「……誰だと思う? 」

提督「……加賀と海風? 」

雲龍「もう一人は? 」

提督「え? 」

雲龍「? 」

提督「……えっ? 」


< 地上のパライソはそれなりに身近に >






提督「今日のカクテルはパライソオレンジ。
カクテルワードは“ 発想力豊かで元気な文学少女 ”、だ」

愛宕「どうしてライチリキュールが楽園なの? 」

提督「さぁ、俺も知らない」

愛宕「ま、なんでもいいけど。ライチっていえば楊貴妃よね」

提督「シミを無くすとかなんとか。楊貴妃は豊満トルコ系だったって言われてるな」

愛宕「好きでしょ、そういうタイプ」

提督「まぁね」

愛宕「むしろ嫌いなタイプの女の子がいるのかどうか分からないけど」

提督「いるよ? 苦手な子は」

愛宕「ふーん……? 」

提督「……お前が好き、それじゃあダメか? 」

愛宕「今はだーめ。女の子は移り気なんですー」


< 夜の煙もまたいいもの >






あきつ丸「ふぅ……」

龍田「喫煙する女は嫌われるらしいわよ? 」

あきつ丸「面倒な女が。……別に男に好かれたいわけではないでありますから」

龍田「あの人はむしろ煙草吸う女の子好きだしねぇ~ 」

あきつ丸「…………ス-……はぁ」

龍田「私にも頂戴? 」

あきつ丸「……普段吸っているところは見ないが」

龍田「あの人以外に貰うの初めてだもの。…………けほ」

あきつ丸「なんとも可愛らしい」

龍田「こんな感じだったかしらね……美味しくない」

あきつ丸「自分も特段美味いとは」

龍田「ふぅん? 」

あきつ丸「……ある将校殿との付き合いで買ったものが必要無くなったから消費しているだけだ」

龍田「手向け? 」

あきつ丸「…………ス-……………………けほっ」


ありがとうございました


< ぐっもーにん! >






提督「おはよう」

天城「おはようございます」

提督「この後なんかある? 」

天城「いえ、特に予定は」

提督「そっか。……風呂入るぞ」

天城「ふぇ? 」





天城「…………」

雲龍「似合ってるわよ? 三つ編み」

天城「……ありがとうございます」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……今、ニヤけたわ」

天城「! 」


< 何が生まれるかはお楽しみ >






高雄「二月二十七日の誕生石はアメトリン。
石言葉は“ 第六感 ”、“ 波長が合う ”、そして……」

愛宕「うん? 」

高雄「“ 二人の間のケミストリー ”」

愛宕「……うん? 」

高雄「分かるような分からないような」

愛宕「まぁ、言いたいことはね。単語センスはよく分からないけど」

高雄「ある意味羨ましいですけどね。私には思いつけないものですから」

愛宕「本当に羨ましい? 」

高雄「私が私でしかない、と思えばなんでも羨ましいものよ」

愛宕「ふーん? 」

高雄「こう見えて欲深い、ってことでもあるけれど」


< 生命の水と御一緒でも >






高雄「今日の誕生花はマドンナリリー。花言葉は“ 汚れの無い心 ”」

瑞穂「それでお茶請けがマドンナだんごなんですか? 」

高雄「いえ、これは愛宕がいつの間にか買っていたんです。偶然ですね」

瑞穂「はぁ。……美味しいですね」

高雄「ええ」

瑞穂「……」

高雄「……」

瑞穂「……これが浄化される、という気持ちでしょうか」

高雄「違うと思いますけど……」


< 興味が無いというわけでもないけれど >






提督「今日のカクテルはセントアンドリューズ。
カクテルワードは“ 色々なことに興味を持ち工夫する創作者 ”、だ」

加賀「スコットランド? 」

提督「そうだな。ベースもスコッチだしドランブイも使ってるし」

加賀「……その割に飲みやすいわね、オレンジの甘さで」

提督「あぁ」

加賀「ゴルフ、なんてやるのかしら? 」

提督「うん? なんで? 」

加賀「セントアンドリューズといえばゴルフだと思っていたけれど」

提督「へぇ? ……いや、しないなぁ。付き合いで行くことあるから一式はあるけど」

加賀「接待プレーなんて得意そうね、あなた」

提督「まぁ、否定はしない。……単純に経験不足なだけだけどな、ゴルフは」


ありがとうございました


< ごほーびday >






提督「じゃ」

高雄「今日中にお戻りに? 」

提督「さぁ? 加賀次第だね、それは」

高雄「はぁ……では明日ということにしておきます」

提督「はいよ」

愛宕「お土産よろしくね」

提督「別に観光地行くわけでもないんだけどな。了解」

高雄「……では、お気を付けて」

愛宕「楽しんできてー」

明石「はーやーくー! エンジンも私も待ちきれませーん」

提督「ん。……事故ったらガチで張っ倒すからな」


< 鳥籠の鳥たちはきっと幸せだと思うけれど >






江風「いいなー、江風も外で遊ンできたい」

海風「明石さんみたいに着いていけばよかったのに」

江風「あの人車乗りたいだけじゃン。テートクと加賀さン降ろして一人でとばしてくる方がメインだし」

海風「そうだけど外で自由行動じゃん。江風はどこか行けたとしてどこ行くの? 」

江風「野球かサッカー観に行きたいな」

海風「なるほど。……頼めば許可出してくれると思うよ、提督なら」

江風「や、なンかそこまでの気力も無いンだよね。かったるい」

瑞穂「提督と出るかもしくは二人以上、が条件らしいですよ。外出」

海風「それでも破格ですよね、条件」

江風「横須賀だと外出許可なンてまず下りないしなぁ……」

海風「そうだね」

瑞穂「正規の兵員とすら殆ど接点なんてありませんしね」

江風「…………やっぱ今度は着いて行こっかなー」


< 割と否定できない >






江風「お好み焼きィ! 」

漣「いぇーい! 」

高雄「……単にやる気がないだけよね」

愛宕「……高雄がつくればいいじゃない、オムライスでもパスタでも」

高雄「イヤ。……気が乗らないわ」

愛宕「……」

高雄「……」

叢雲「……関西風でしょ」

漣「でましたー、藤永田女」

叢雲「……キャベツの千切り盛りとか薄焼き玉子とか、ハン」

漣「ktkr。ご主人様風女」

叢雲「…………」


< 適材適所、とも違うか >






高雄「二月二十八日の誕生石はコーラル。
石言葉は“ 熱意 ”、“ 活発力 ”、そして“ やる気 ”」

天城「あれで何故かサド、とも言えないですよね」

雲龍「まぁ、ヤってるときにわざと他の女の話をするくらいには意地が悪いけれど」

天城「え? 」

明石「えっ……そんな経験ないです」

雲龍「……うそ」

高雄「……雲龍さんだから、なのかもしれませんね」


< 世界に私とあなただけならば >






高雄「今日の誕生花はヘリクリサム。花言葉は“ 永遠の愛 ”」

雲龍「はっ」

高雄「……あると信じますけれどね」

雲龍「馬鹿馬鹿しい。男が女に飽きないわけが無いじゃない」

高雄「自信が無いんですね」

雲龍「」

高雄「……」

雲龍「……」

高雄「……」

雲龍「……悪い? 自己評価が低くて。__さんと釣り合うわけ無いじゃない、私なんて」

高雄「雲龍さんレベルで自己評価が低いのは嫌味でしょう、と言いたいんですよ」


< 最近はAmazonかドンキでしか見ない >






漣「雲龍さんって煙草似合いますよね」

雲龍「そう? 」

漣「目細めるとことか無造作な立ち振る舞いとか」

雲龍「……特に意識はしていないけれど」

漣「意識してないからこそ、じゃないです? 」

雲龍「…………」

漣「…………」

雲龍「…………ココアシガレットって美味しいのね。気に入ったわ」

漣「ですねー」



< カルパスとかも好き >






漣「まぁ、ココアシガレットは置いといて」

雲龍「ええ」

漣「ここの人って結構煙草似合いますよね」

雲龍「……あなたは似合わないこと甚だしいわ」

漣「このなりですから。……あんまり好きじゃないですし」

雲龍「そう……」

漣「愛宕さんとか滅茶苦茶似合いそうですもん。
ラフな格好で半眼とかの目付き悪い感じで」

雲龍「あれのテンション低いときね。大体そうなる前にあの人か高雄に甘えてるけれど」

漣「あくまでイメージですから。雲龍さんが吸ってるのも一度しか見たことないですし」

雲龍「…………」

漣「…………」

雲龍「…………シガレットチョコって美味しいのね、気に入ったわ」

漣「ですねー」


< 嘘っぽい嘘の嘘みたいな嘘的嘘の…… >






提督「んー……たまにはいいね、他人のカクテル飲むの」

加賀「ええ。さすがプロ、という味わいね」

提督「…………」

加賀「…………」

提督「本当うんざりするね。左後ろとあっちの男、お前見てる」

加賀「………あなたを見ているのかも」

提督「女の子でも嫌だね、そんなの。今はお前しか見てないから」

加賀「それなら他人は気にならないのじゃなくて? 」

提督「……」

加賀「……ま、女としてはあなたを見られた方が満足ではあるけれど」

提督「……俺はそう思わないぜ? 見せびらかす趣味は無いから」


< 何故世界には男と女がいるのだろうか >






鈴谷「カレシは女のステータス、みたいな」

金剛「? 」

鈴谷「横須賀の君とか提督がカレシなら自慢できるよね、って」

金剛「自慢するためのボーイブレンド? 」

鈴谷「だって仕方ないじゃん。提督は高雄さんと愛宕と他にも。横須賀の君は三笠一筋だし」

金剛「それなら鈴谷が一途であればいいじゃないデスカ」

鈴谷「……鈴谷そんな強くない」

金剛「強くなければイイ男は選んでくれませんヨ? 」

鈴谷「一人の男しか眼中に無いクセに」

金剛「…………」


< 天程高く >






天城「今日のカクテルはスカイソルティドック。
カクテルワードは“ 多くの人の後ろ盾となる女神様 ”、です」

雲龍「ふーん? ……下手ね」

天城「……スノースタイルなんて提督がいないと天城も飲みませんから」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……これからテスト、またあると思う? 」

天城「さぁ……天城はあれ以来勉強してますけれどね」

雲龍「ふぅん? 」

天城「……天城もあの人、好きですから、大好きと言っても」

雲龍「言うわね」

天城「天城でもイカれてしまう方ということです。姉様だって理想は高い方でしょう? 」

雲龍「……彼と横須賀の君にしか惹かれないくらいの理想だけれど、ね」


< エンドレスルーティン >






雲龍「それはそうと……ムラつくわ」

天城「……天城は今日そういう気分ではありません」

雲龍「……なんだかもう誰でもいい気がしてきたわ」

天城「……漣さん」

漣「はいはーい。女性用風俗でも探せばいいんです? 」

雲龍「は? 」

天城「は? 」

漣「え? 」

雲龍「……男はあの人しかいないのだけれど」

天城「……天城は漣さんが姉様と同衾すれば、と」

漣「えぇ……雲龍姉妹謎ぉ」

雲龍「あなたでしょう。意味がわからないのは」

天城「雲龍姉様は兎も角葛城への侮辱は許しませんよ」

雲龍「えっ」

漣「え? 」

天城「え? 」


< 今夜は帰さない、そう言ってほしい >






加賀「帰らなくてもいいの? 」

提督「もう酒飲んだし」

加賀「最初から車じゃないじゃない」

提督「まぁね。……帰りたいなら帰るけど」

加賀「…………」

提督「…………」

加賀「…………あなたと二人になるとそのまま逃げたくなるわ」

提督「理由がそれなりなら喜んで着いていくけど」

加賀「つまらない嘘を」

提督「嘘でもねぇんだけど……」

加賀「違うわ」

提督「うん? 」

加賀「……私が頼めばあなたなら必ず着いてきてくれる。理由を全く語らなくても」

提督「……随分な自信だ」

加賀「……そうかしら」

提督「…………ま、ここの上の部屋もう取ってるんだけどね」

加賀「……そう」


ありがとうございました


< そういう顔に弱い >






加賀「朝ね」

提督「…………」

加賀「……朝よ」

提督「…………」

加賀「……起きているでしょう。さっき唾液を飲み下していたわ」

提督「…………よく見てるな」

加賀「ええ」

提督「…………」

加賀「…………起きなさい、クズ」

提督「…………クズなら寝過ごすしてもいいだろ、チェックアウトまでまだ大分ある」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……行きたいところがあるのよ、あなたと」

提督「……」

加賀「……駄目、かしら。普段あなたと外出なんて滅多にできないから」

提督「……」

加賀「……」

提督「…………バスローブ取って」


< 落ち着いて激情的に >






高雄「二月二十九日の誕生石はペリドット。花言葉は“ 協調 ”と“ 落ち着き ”」

提督「……おう」

高雄「眠いなら」

提督「いや、駄目だ」

高雄「はぁ」

提督「昨日と今日の午前まで遊んでたからな……仕事しねぇと」

高雄「……コーヒーのお代わり淹れてきますね」

提督「はいよ。……砂糖とミルク頼む」

高雄「はい」






提督「…………これ砂糖五個くらい入ってんだろ」

高雄「何個、とは指定されませんでしたから」

提督「…………」


< 忘れた方がいいこと程 >






高雄「今日の誕生花は勿忘草。花言葉は“ 私を忘れないで ”」

愛宕「あの子どうなったのかしらね」

高雄「あの子? 」

愛宕「私の腕吹き飛ばして高雄に腕吹き飛ばされた軽巡の子」

高雄「……話を全く聞かなくなりましたね」

愛宕「そう、全く。普通噂なりとも聞こえてくるわよね、近況とか」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……あんまり考えてて楽しい答えは出てこなさそうね」

高雄「……そうね」


< 独り寝もまぁ悪くない >






提督「今日のカクテルはスクリュードライバー。
カクテルワードは“ 人生の質を上げる技量を持った敏腕家”、だ」

漣「よく分かんないですね」

提督「ファイナンシャルプランナーとかその辺だろ、うん」

漣「そんな適当な」

提督「……眠い」

漣「普段の夜戦ではどうともないのに……あっ」

提督「なに察したんだよ……」

漣「いーえー? 」

提督「…………くっそ眠い。寝るわ」

漣「誰と? 」

提督「お前指名できんの? 」

漣「漣に人生を捧げられる方しか漣は指名できませんね」

提督「そうかい。……賢明だよ、それ」

漣「最高の反面教師だらけですからねー」


ありがとうございました


< 風速35mとか意味分かんない >







江風「わーお、風つっよ」

海風「提督のお友達とかご両親のお家は大丈夫なんですか? 」

愛宕「札幌だから余裕とか言ってたし大丈夫でしょ、たぶん」

江風「これはあれだな」

海風「? 」

江風「テートクは絶対やったことあるぜ、WHITE BREATHごっこ」

海風「あぁ……」

愛宕「……それは外で馬鹿やるってこと? 冬のせいにして暖め合ったってこと? 」

江風「そりゃどっちもだよ、当然」


< shiso >






提督「驚く程全くやる気が起きない」

高雄「特に驚く程でも」

提督「もう立ち上がるのも嫌だね」

高雄「そうですか」

提督「…………もう座ってるから仕事する方が楽とかいう嫌な考え方に支配されてるんですよ、高雄さん」

高雄「素晴らしいじゃないですか。早く終わらせましょう」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………今日は? 」

高雄「し……オムレツにしようかと」

提督「? そうか、ふーん? 」

高雄「はい。……………………我ながら今のは無いわね」


< 水着で勝てれば世話ないね、うん >







高雄「三月一日の誕生石はフローライト。
石言葉は“ 気さく ”、“ 親しみやすさ ”、そして“ 世話好き ”」

雲龍「今日はビキニ・デーなのよ」

高雄「ビキニ環礁のビキニ、ですけれどね」

雲龍「……つまらないわね、あなた」

高雄「雲龍さんの面白いは少し特殊でしょう」

雲龍「そんなこと言われても」

高雄「そもそも水着の方のビキニ・デーは確か七月でしたよ」

雲龍「そうなの」

高雄「……去年雲龍さんに言われた気がしますが」

雲龍「そうだったかしら。覚えてない」

高雄「ま、覚えている意味もないですか」

雲龍「ええ。……今年は海に行けるかしら」

高雄「行けはするでしょうね。うんざりする程」

雲龍「…………いっそ水着で出撃しようかしら」

高雄「止めはしませんよ、止めは」



< ハニカミ王子とかいましたね >






高雄「今日の誕生花は杏。花言葉は“ 乙女のはにかみ ”」

愛宕「ん……ーー」

高雄「? 」

愛宕「……こんな感じじゃない? はにかみって」

高雄「いえ…………ーー、ん」

愛宕「……」

高雄「……こうでは? 個人差はあるにしても」

愛宕「えー、目はつぶらない方がいいと思うの。目線って大事よ? 」

高雄「私は首を動かし過ぎる方がどうかと思うけれど」





叢雲「……嫌ね、女って」

Littorio「捨てるよりはよっぽどマシかと」







< なんとなく突っ掛かりたい気分のとき >






提督「今日のカクテルはサザンスパークル。
カクテルワードは“ 心に響く言葉で感動させる歌姫 ”、だ」

漣「アヤ・エイジアみたいな」

提督「うん? 」

漣「なんでもないです。……歌姫といえば? 」

提督「んー、中島みゆきの曲とか中森明菜のアルバムとか」

漣「や、個人でですよ、個人。いないならいないでいいですけど」

提督「セリーヌ・ディオンとかマライア・キャリーとかじゃねぇの。
あと最近ならアリアナ・グランデとか」

漣「ふーん? 」

提督「俺そんなに沢山聴くわけじゃないし。それっぽい一般論しか言えないよ」

漣「いやー、てっきり高雄さんとか愛宕さんの名前が出るかと」

提督「あいつらは歌姫ってより楽器だしな」

漣「えぇ……」

提督「あ? 」

漣「……そんな真顔で即答って」

提督「誘導してきたのはお前だろうが。満足だろ? ん? 」


< どんなときでも変わらぬ日々を >






明石「もう三月ですかー……」

瑞穂「時の流れは早いものですね」

明石「一週間前くらいな気がしますよ、ここに来たの」

瑞穂「楽しいことは早く過ぎていきますから」

明石「ですねー」

瑞穂「……」

明石「……」

瑞穂「……何食べます? 」

明石「牛丼、じゃなくて蜜柑とか苺とか、フルーツがいいです」


< どいつくーる >







GZ「私は怖くないらしい」

金剛「What? 」

GZ「怖い必要も無いのだが。……Bismarckのことを恐ろしい、と言っている者がいてな」

金剛「怖い? 彼女が? 」

GZ「あぁ。私としては無愛想な私とどこでも溶け込める彼女、比べようも無いように思うのだが」

金剛「Hmmm……私があなたと出撃して思ったのは」

GZ「あぁ」

金剛「あまり変わらないな、くらいデスネー」

GZ「つまり? 」

金剛「逆にBismarckは普段笑っているか笑っているか笑っているか酔っているくらいデス」

GZ「お、おう……」

金剛「でも戦場では、あー……修羅、みたいナ? 」

GZ「? 」

金剛「たぶんその人はギャップが凄い、と言いたいんだと思いマース」

GZ「ギャップ……」

金剛「あれだけ怠惰な割に戦場では氷の女神、とかなんとか言われてましたしネ」

GZ「なるほど、分かった気がする。……ありがとう、金剛」

金剛「ノンノン。私たち友達、ですからネー」

GZ「そうか。……なぁ、金剛」

金剛「ンー? 」

GZ「non、はフランス語だろう? いいのか? 」

金剛「…………」


< 可愛い顔ってどんな顔? >






提督「んー……」

高雄「っ…………ん」

提督「……いいね」

高雄「……あ、く趣味な」

提督「昼からノーパンだったの、どうだった? 」

高雄「……後悔してますよ、あなたの前で隙を見せたこと」

提督「白も肌色も変わらないじゃん? ……ほら」

高雄「! …………ゃんっ」

提督「…………叢雲とかに気付かれてたかも」

高雄「そ、んなことは」

提督「クク……そういう顔好きだよ。不安そうな切なそうな顔」

高雄「…………ん」


ありがとうございました


< くんれん >






雲龍「……日の出前」

天城「そうですね」

雲龍「……頭おかしいんじゃないの」

天城「提督本人に言ってきたらどうです」

雲龍「言えるわけないじゃない。頭おかしいんじゃないの」

天城「……兎に角油断していました。昨夜も普段通りでしたし」

雲龍「そうね。……これなら寝ない方がよかったわ」

天城「……」

雲龍「……」

天城「……早朝訓練どころか深夜ですよね」

雲龍「本当。……頭おかしいわよこれ」


< 寒空の下で >






提督「……真面目過ぎ」

叢雲「突発的に出撃させられるのは私みたいな駆逐なのよ?
それなら後援がしっかりしてる保証が欲しいじゃない」

提督「それでもね。……及第点か? 」

叢雲「全員まともに起きて海に浮かんでるの見て満足よ。……また寝れば? 」

提督「示しがつかねぇよそれ。……俺が言うんじゃ駄目なのか? あいつら信じてやれよ」

叢雲「あんたは海に出ないじゃない」

提督「…………」

叢雲「あんたが海に出てまともに私に着いてこられるなら考えてもいいけど? 」

提督「…………そうしたいのはやまやまなんですがねぇ」



< 寒空と波の間で >






愛宕「……メイク」

高雄「……私よりいいじゃない。突然隣で寝ていたはずの人間に叩き起こされたのよ」

愛宕「……テンション下がるぅ」

高雄「その割に楽しそうだけれど」

愛宕「んー、遠足とか部活の朝練みたいな? 遠足も朝練も行ったことないけど」

高雄「はぁ」

愛宕「…………」

高雄「…………」

愛宕「…………あの二人、ある意味私たちよりよっぽど深いわよね、関係」

高雄「…………ええ、妬く気も湧かないほどには」


< 良心と誘惑と >







明石「これよく考えなくても私だけ無駄な感じなんじゃ」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「今日は徹夜してましたし……工具とか設備の点検を早朝から一人でするってのも、うーん」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………」

明石「…………誰も見てないし勝手に部屋で寝てきても暴露ませんよね、しませんけど」



< 皮肉くらい受け止められる程ののんびりさを >






高雄「三月二日の誕生石はモルガナイト。
石言葉は“ 陽気 ”、“ のんびり ”、そして“ 外向的 ”」

瑞穂「……のんびりありたいものですね」

高雄「ええ」

瑞穂「まさか早朝からいきなり警報が鳴るとは……心臓が止まるかと」

高雄「それでも総員集まったのは凄いことです。ただのんびりしていたわけではなかった」

瑞穂「はい」

高雄「……そもそも瑞穂さんはいいんです。だらけるのとのんびりは違いますから」

瑞穂「……ま、瑞穂には同衾してくださる殿方がいませんから」

高雄「…………」


< 愛の種類を数えてみよう >






高雄「今日の誕生花はストック。花言葉は“ 永遠の美しさ ”、“ 愛の絆”、そして“ 豊かな愛 ”」

叢雲「悪かったわね、今日は」

高雄「いえ、必要なことでしたから」

叢雲「……せめて知らせておくべきだったわ、二人には」

高雄「まぁ、さすがに隣に寝ていたはずの相手に、というのは少し驚きましたけれど」

叢雲「……」

高雄「……恨むなら適任が他にいますから、やつあたりも甘えも受け入れてくれる人が」

叢雲「……そ」


< 心があるからこその問題 >






江風「そろそろだと思うンだよね」

海風「何が? 」

江風「江風たちがここから異動になるの」

海風「あぁ……」

江風「横須賀なのか呉なのか佐世保なのかどこなのかは分かンないけど」

海風「……シーレーンの方じゃない? その為に叢雲ちゃんと漣ちゃんだったんでしょ、教師役」

江風「なるほどな。……それまでにさ」

海風「うん」

江風「テートクに、抱いてもらいなよ」

海風「……海風の問題じゃないから」

江風「力付くでやっちゃえばなンとかなるじゃン? それにたぶンテートクも抵抗しないよ」

海風「…………海風ここの人皆好きだから。嫌われたくないもん」

江風「…………そっか」



< 墓場まで持って行きたいモノが多過ぎる >






提督「今日のカクテルはソコスパークル。
カクテルワードは“ 物事をテキパキとこなす多芸多才な人 ”、だ」

叢雲「……問題なのは」

提督「あぁ」

叢雲「私が憎まれ役をしても憎まれないことね」

提督「そりゃまぁ……あの程度で恨むレベルの女なら俺もそこまで好きにはならないし」

叢雲「女は兎も角部下なんて好みで選べないでしょう、特に軍組織では」

提督「結構選べるものだろ。正規の方法かどうかは別にして」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………あんたまさか私や漣の異動にも」

提督「さぁ? 関わってたとして、どうなんだ? 」


案外と続いたものだな、と思います
いつ終わるのかはまだ分かりません

ありがとうございました


< 飾りをつけましょー >






雲龍「桃の節句」

天城「雛祭りですね」

雲龍「……女の子の日」

天城「……女の子の日ですね」

雲龍「……今月どう? 」

天城「…………」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「? 」

天城「…………あの、ドン引きしてるんですけれど」


< 大体そこそこ恐らく冗談 >






漣「雛人形とか無いんですか? 」

提督「無いね」

愛宕「白酒とあられなら用意したわよ? あとちらし寿司」

漣「わーい」

提督「わーい」

愛宕「ちらし寿司は高雄と雲龍担当だからどうなるかは知らないけど」

漣「楽しみですねー。……ご主人様は白酒が本命でしょうねぇ」

提督「ばーか。コスプレした女の子に決まってんだろ」

愛宕「え? 」

提督「え? 」

愛宕「……天城? それとも瑞穂? 」

提督「…………してくれないの? 」

愛宕「…………馬鹿なの? どれだけ用意が面倒だと思ってるのよ。そもそも脱衣自体ーー」


< 人は皆できないことを望むもの >






明石「あれ片付けが遅れると結婚できないとか遅れるとか誰が考えたんでしょう」

漣「さぁ……叢雲ちゃんとか天城さんなら知ってるかもですけど」

明石「まぁ、別に興味もないんですが。……最初から結婚できないですし」

漣「ですねぇ」

明石「……フランスとかだと事実婚とかの方が多いらしいですよ。
それでも必要な福祉は受けられるとか」

漣「はぁ。……でも漣たちかなり高給取りですしお金は」

明石「…………」

漣「…………」

明石「…………好きなものを嫌いになる方法知りません? 」

漣「嫌という程近くに感じるとか? 」

明石「……それができればねぇ……溺れる方が早そうです」


< 禍福と人は糾える縄の如し >






高雄「三月三日の誕生石はルチルクォーツ。石言葉は“ 幸せ ”と“ 明るい ”」

愛宕「幸せ、ってなんなのかしらね」

高雄「は? 」

愛宕「どんなものが、じゃなくて。どうして人によって幸せって違うのかなって」

高雄「それが違うからこそ人間なのでは」

愛宕「人間じゃなくても同じだけど? 」

高雄「出来損ないが本物を夢見るのは当然でしょう? 」

愛宕「あぁ。……本当そうね」


< 桃のように甘い一夜を毎晩 >






高雄「今日の誕生花は桃。花言葉は“ あなたに夢中 ”、“ 気立ての良さ ”、そして“ 愛の幸福 ”」

提督「ピーチリキュールならあるんだけどな」

高雄「早いです」

提督「陽が落ちかけてればもう夜みたいなものだろう? 」

高雄「早く酔ってしまうとあなたとお喋りしても記憶が」

提督「記憶なんて何度も繰り返して刻み付けるものだろ」

高雄「だとしても……一つとして忘れたくありませんから」

提督「…………」

高雄「…………夢中、ということは。夢と現実の区別がつかない、ということなんですよ、女にとってはね」


< 迷える程深く興味深い女 >






提督「今日のカクテルはスプリングオペラ。
カクテルワードは“ 期待に夢を膨らませる夢見る乙女 ”、だ」

高雄「その乙女の期待をどれだけ裏切ってきたことか」

提督「……」

高雄「そしてそれ以上にどれだけ堕落させてきたことか」

提督「……お前らが外の世界にいればその比じゃないくらいの男迷わせると思うが」

高雄「それで? 私はそんなことしてませんけれど」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………俺はお前に迷わされたと思うぜ? ガチで」

高雄「だとして。何か問題が? 」

提督「あるに決まっ…………うーん」


< けー年齢っか >






愛宕「頑張るから、捨てないで……お願い」

提督「いや、そういう問題じゃない」

愛宕「やっぱり若い子がいいの? 」

提督「普通そうだと思うよ」

愛宕「少し傷があるからって……新品には負けてないつもりよ? 」

提督「愛着と現実はまた違うものだろ」

愛宕「そんなぁ……くすん」

提督「……」

愛宕「……」

提督「……あのさ、耳の日だからって高雄がシャワー浴びてる間に耳掻きして俺の耳掻き折ったのお前だよな」

愛宕「てへっ」

提督「……あれ結構長く使ってたんだけど。愛着あったんだけど」

愛宕「……ごめんなさい」



< 勝つのではなく負けないことこそ >






加賀「この国にとっての勝利、とは」

明石「ええ」

加賀「……何なのかしらね」

明石「さぁ? 私はただの一歯車ですから」

加賀「……戦争を始めることがそもそもの勝利であり終点であり意義だとしたら」

明石「はい」

加賀「…………」

明石「…………」

加賀「…………ま、そんなことを考える必要もなくすることは変わらないのだけれど」

明石「変わらないことが問題なのでは? 」

加賀「……解決方が無いもの。考えない方がいいわ」


< 林檎を勧めた蛇の瞳は何色だったろうか >






提督「高雄の目、好きだよ」

高雄「はい? 」

提督「気にしてるみたいだから」

高雄「……赤目、なんてアルビノみたいで気持ち悪いでしょう」

提督「気持ち悪い女好きになる男に見えるのか? 」

高雄「正直に言えば。趣味が良いとは言えませんね」

提督「そ。……ま、俺はお前の目が気持ち悪いなんて思ったことはないよ。
ましてやアルビノがどうとかも思わないさ」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………私はあなたみたいな深い黒の目が好きですけれどね」

提督「さんきゅ。……さんきゅ? 」

高雄「褒めてますよ。……最高に」


いつまで続くのかとか内容とか
全く分からないんですよね……

ありがとうございました


< ペアルックって気分でもない >







提督「雛祭りは女の子を愛でる日、うん、間違ってないはず」

高雄「……タートルネックを着るつもりではなかったのですけれど」

提督「……似合うしいいじゃん? 」

高雄「まだあなたにも見せていない服だったのに」

提督「……」

高雄「……」

提督「……じゃあ俺の首筋にも跡付けてく? 」

高雄「……ばか」


< 暇を無駄にはしない、ということ >






雲龍「今日も今日とて暇ね」

天城「はぁ」

雲龍「もちろん暇に越したことは無いけれど」

天城「……いつまでこの平穏が続くのか」

雲龍「さぁ」

天城「……葛城といつか肩を並べて戦うことになるのでしょうか」

雲龍「あるかもしれないわね。……だとしても」

天城「はい」

雲龍「それを望むのは間違ってると思うわ」

天城「……そうですね」


< 言わなくてもいいことって最初は名案に思えるものなんだ >






海風「好きな人、できそう? 」

江風「さぁ、できてほしい? 」

海風「別に。でもなんとなくいてほしいかなって」

江風「っても相手がね。……あぁ」

海風「うん? 」

江風「テートクの子供が男の子だったらいいかもな」

海風「あっ」

江風「……うン? 」

海風「似てるといいね、提督とお子さん。…………ふふ」



< シェイクの手捌きを眺めるところから >






高雄「三月四日の誕生石はブルーサファイヤ。
石言葉は“ 文化的 ”、“ 表現豊か ”、そして“ 微笑み ”」

加賀「同じ名前のカクテルがあったわね」

高雄「それってどんなカクテルですか? 」

加賀「覚えてないわ。甘かった気もするし、酸味が効いていた気もするし」

高雄「……加賀さんでも味を覚えていないことなんてあるんですね」

加賀「それよりも夢中になれることが目の前にあるときには」


< 自慢できるもの、こと >






提督「まぁ、単純に嫁」

高雄「料理、でしょうか」

愛宕「料理は被るとして編み物とか」

天城「和琴ですね」

雲龍「……歌」

加賀「利き酒」

明石「大特とか牽引とか持ってます」

Littorio「……明石」

明石「いや、分かってますけどね、大特とか大して難しいわけでもないことなんて」

Littorio「あの、そうではなくてですね……」


< どう考えても届かないのにやってしまうことがある >






高雄「今日の誕生花はラズベリー。花言葉は“ 深い後悔 ”と“ 愛情 ”」

提督「ん、後悔といえばさ、なんかあれだな」

Littorio「ええ」

提督「……不味いとは言わないけど色々足りなかったよな」

Littorio「そうですね」

提督「今思えばなんであんな安ワイン買ったんだろう」

Littorio「さぁ? あのときはLittorioもあなたも酔っていましたし」

提督「確か唐突に安ワイン飲みたいって思って通販したんだよな」

Littorio「サイトを見ているときがピークでしたね」

提督「あぁ」

高雄「…………愛すべき馬鹿、にも限度があるんですよ」


< 二人で選んだのなら二人で楽しむべきで >






提督「今日のカクテルはテキーラサンライズ。
カクテルワードは“ 新しいものを思い付く想像力豊かな人 ”、だ」

Littorio「高雄はもう? 」

提督「部屋に戻ったんじゃないか、たぶん」

Littorio「……そう」

提督「お前は? 戻るか? 」

Littorio「いえ……失せろと言われれば失せますけれど」

提督「そ。……安ワインも飽きたし。ネモでも飲むか。この前一緒に買ったんだよね」

Littorio「あらあら……」


< 行き詰まったときは >






漣「ふぁっきゅークソプレイヤー」

明石「やっぱり最大の敵は味方なんですねぇ」

漣「明石さんもやってくれません? これさすがに漣ひとりだけだとしんどいんですけど」

明石「や、これからお風呂行かなきゃですし。
今バトルフロント始めるとそれ行けなくなっちゃいますから」

漣「……ルーム変えよ」

明石「それがいいですよー。ゲームでも現実でも」


< 酔ってるから。きっと、そう >







提督「……? 」

Littorio「……? 」

提督「…………お前こんな童顔だったっけ」

Littorio「特に変わりは無い筈ですけれど」

提督「……」

Littorio「……合法ですよ? たぶん」

提督「そういうことじゃないんだが。…………なんでお前を嫌うやつがいたのかなって」

Littorio「……その話、したくありません」

提督「……綺麗なものを綺麗と言えない心を」

Littorio「__さん」

提督「……ん」

Littorio「そういう顔をあなたがしてくれる、それだけで満足できる浅い女がまともなはず、ないでしょう? 」


< 似合うのもそれはそれで >







明石「ひえー」

漣「おかえりなさい明石さ……なんで泥酔してんのこの人」

瑞穂「お風呂に加賀さんと天城さんがいまして」

漣「あぁ……お風呂で回り早かったんですね」

明石「えへへー……漣ちゃーん」

漣「はいはい、なんですかー? 」

明石「イ・イ・コ・ト、しましょ? 」

瑞穂「……お部屋に戻りますよ、明石さん」

明石「ふえー? 」

漣「……………………似っ合わな」


< なまなま >






愛宕「二人でいるのってもしかして久し振り? 」

高雄「そう、かもしれないわね」

愛宕「んー……シスターズトークでもしちゃう? 」

高雄「いいけれどそれはどういう」

愛宕「彼氏の好きなところ? 」

高雄「顔ね」

愛宕「へぇ? 」

高雄「性格なんて合うのが前提だし……そういうものじゃないかしら」

愛宕「否定はしないけど」


ありがとうございました


< アシュラマンかグリーヴァスか >






Littorio「手」

提督「うん? 」

Littorio「手、何本あるんですか? 凄過ぎません? 」

提督「二本じゃない? 見た感じ」

Littorio「はぁ……握ってください」

提督「ん……」

Littorio「……」

提督「……」

Littorio「……何人の女の情念が染み付いているのでしょうね」

提督「いやいやいや……うーん」


< どうするのがいいのか >






高雄「三月五日の誕生石はアンバー……なのですけれど」

提督「うん? 」

高雄「よくよく思い出してみると昨日で一周してるんですよね」

提督「はーん……」

高雄「全て覚えているわけでもないですけれど……また続けます? 」

提督「どっちでも。ティータイムの適当な話題作りの為に始めたんだしな」

高雄「はぁ」

提督「……世の中には誕生鳥とか誕生星とかあるらしいぞ。あと果物とかも」

高雄「……考えておきますね」


< 無限のパワー >






雲龍「馬力はパワー、パワーは性力。つまり性欲の強さは実艦の馬力に左右されていたのよ」

明石「なんですそのトンデモ論」

雲龍「私は15.2万、Littorioは14万、高雄たちは13万、加賀さんは12.5万。ね? 」

明石「ね? じゃないです。……さすがに私が1万と少しってことはないでしょう」

天城「しかもその理論で言えば天城も姉様と同じ、ということに」

雲龍「? 違うの? 」

天城「違います、絶対に」






叢雲「……5万馬力」

漣「漣も叢雲ちゃんと同じってのは不服ですねー」

叢雲「あぁん? 」

海風「海風たちは4.2万馬力だね。……微妙? 」

瑞穂「…………1.5万ってやや枯れているんでしょうか。
明石さんと同じってのもよく分かりませんし」


< 実に説得力のある >






GZ「20万馬力だ。今の私にはそれ程の力は無いが」

龍田「あらぁ~ ……」

GZ「……む」

龍田「……腕相撲でもする? 」

GZ「腕相撲? 」

時雨「arm wrestling……Armdrückenのことだよ」

GZ「なるほどな。……したいのか? 」

龍田「全く」

GZ「……」

時雨「……面倒な性格なのは大体提督の所為だよ」

GZ「……あぁ」


< バイト巫女も侮れない >






GZ「今日はこの国では巫女の日らしい」

霧島「なるほど」

GZ「あぁ」

霧島「……巫女? 」

金剛「巫女じゃないデース」

GZ「そうか……違うのか」

霧島「落ち込む意味が……巫女って海外でも人気なんでしょうか。さすがにNINJAよりは弱いような」

金剛「この国でもシスター……修道女とか人気じゃないデスカ。マイシスター」

霧島「……なるほど」


< 一周したし……本当どうしようか >






提督「とりあえず俺の好きな銘柄でも紹介していくか」

明石「そんなの一緒に飲んでるんだから普通に分かりますけど」

提督「まぁまぁ。どうせ飲むのは変わらないんだからトークの肴だと思って」

明石「はぁ」

提督「ま、初回だし……シングルモルト余市15年で」

明石「45度ってそれ……あぁ」

提督「香るだろ? 酸味と甘みが半々に」

明石「……香りだけで酔えますね」

提督「トリップ、と言ってもらおうか。……ピート香とか最高だね」






雲龍「…………値段が」

愛宕「そういえば貧乏設定だったわねぇ~ 」

雲龍「は? 設定とか言うんじゃないわよ、まったく」


< ウイスキーNINJA >







提督「高雄」

高雄「ここに」

提督「……宮城峡SHERRY&SWEET」

高雄「分かりました」

提督「頼む。……吸いたくなってきた」

愛宕「吸えばいいじゃない」

提督「我慢するのが習慣っていうか。……我慢して我慢して極限まで我慢していいセックスした後まで残しておくんだ」

愛宕「……それは欲望に忠実なのか違うのか」

提督「欲望を満足させることに忠実なんだよ」



< まぁ、それが翌日の命取りなんですけどね >






雲龍「ウイスキーはラッパ飲みするものじゃないわよ」

提督「最後の一杯分だし許してくれ」

雲龍「……今日はもうやめた方が」

提督「んー……やばそう? 」

雲龍「いえ、まだいけそうには見えるけれど」

提督「……あと少し、少しだけ」


< パーソナルスペース >







江風「テートクって本当に人間なのかよ」

海風「今日はいつになく飛ばしてるよね」

江風「結構一緒に飲んでるはずなのに江風、テートクが酔い潰れてるの見たこと無いし」

叢雲「無い方が幸せよ、そんなの」

江風「ン? 」

叢雲「意味不明なジョーク飛ばしてぶっ倒れたときなんて最悪だったわ」

海風「そんなことが……」

江風「江風は見てみたいけどな。どうせ介抱するのは江風じゃないし」

漣「高雄さんか愛宕さんか、それか叢雲ちゃんだもんねー。ご主人様の寝室入るの許されるのって」

叢雲「私は入ったことないわよ? ……これからも入る予定なんて無いし」


ありがとうございました


< あと少し、とかもうちょっと、とかいう曖昧さ >







雲龍「ん……この歯ブラシ寿命かも」

天城「ですね」

雲龍「……」

天城「……」

雲龍「……」

天城「……替えないんですか? 」

雲龍「何故? 」

天城「…………いえ」


< 花を見ながらあなたとでも、団子を食べながらあなたとでも >






高雄「誕生花って」

提督「うん」

高雄「何種類かあるので被らせなければ数年できそうですよ」

提督「へぇ……」

高雄「ま、今日は調べてもいないのですけれど」

提督「別に、お前とお喋りできればいいし……好きな花は? 」

高雄「……アザレア、でしょうか。白と赤のコントラストが強い種のが特に」

提督「そっか」

高雄「はい」

提督「……俺は花より団子だけどな」

高雄「団子」

提督「団子。……高雄はどっちも兼ねててお得だね」

高雄「……なんと答えればいいのか」


< さて、何の色だろうか >






提督「じゃあ、好きな色は? そういや聞いてない」

高雄「黒ですね」

提督「即答か」

高雄「あなたの瞳の色が好きですから」

提督「……」

高雄「もちろん、私自身の髪色も気に入ってますけれど」

提督「……俺は」

高雄「水色と赤と白と紫と黒、でしたっけ? 」

提督「…………その理論なら大概の色好きだけどな」


< つまりそういうこと >






漣「高雄、雲龍、明石、瑞穂、Littorio……あと場合によっては海風」

瑞穂「? 」

漣「愛宕、天城、ときどき江風」

瑞穂「……? 」

漣「結論。長女はエロい、次女もエロい」

瑞穂「……」

叢雲「馬ッ鹿じゃないの。…………ちなみに私は五女だけど? 」

漣「そんなに盛った両親の子がエロくないわけないね。つまり叢雲ちゃんはむっつり」


< 結局どちらも褒めてない >






雲龍「今日は弟の日らしいわ」

天城「姉様に弟がいなくてよかったです」

雲龍「え? 」

天城「教育に悪いですからね」

雲龍「そう? 」

天城「……天城は嫌ですよ。近親で何かあるのなんて」

雲龍「何を今更。……じゃああの人に姉妹がいるのとどちらが心配? 」

天城「そんなの姉様に決まっているでしょう。
いくら彼が考えられない程のクズだとしても考えるまでもありませんね」

雲龍「…………」


< アイラのクイーンとかなんとか >






提督「今日の銘柄」

江風「ン」

提督「ボウモア12年」

江風「まーたウィスキー」

提督「ジャンル指定してくれれはそこから探すけど? 」

江風「や、別に江風もウィスキー嫌いじゃない」

提督「嫌いだとここでは生きていけないからな」

江風「たかが酒で、……なンて言えないのが困るね、ここ」

提督「困るか? とりあえずそこそこリーズナブルだから買いやすいぞこれは。
ピート香も弱めだから飲み始めには割と飲みやすい」

江風「ふーン? 」

提督「ニッカじゃなくてサントリー傘下。スコッチだぞ」

江風「江風はそンなこと興味ないよ。美味いか不味いか、それしか意味なンて無い」

提督「正論だな。……乾杯」

江風「……ン」


< 割と反応が面倒なとき >






漣「明石さんに言いたいネタがあるんだよね」

叢雲「はい? 」

漣「ピンクは淫乱ってやつ」

叢雲「またネット? 」

漣「そう。でもさー」

叢雲「あなた自分もそうだものね」

漣「現在進行形実体験で否定できちゃってるんだよー」

叢雲「……そう? 」

漣「叢雲ちゃんが淫乱だって認めるなら認めてもいいよ? 」

叢雲「はいはい、清楚清楚。むっつりの私より可愛らしい子ですねー」

漣「む……」


< 好みだからね、仕方ないね >






提督「これでも俺さ」

海風「はい」

提督「酒飲み始めは焼酎とかの匂いきつ過ぎて苦手だったんだぜ」

海風「それは……意外ですね」

提督「あの頃はハイボールとかビールばっかだったなぁ」

海風「今では全くそんなことありませんけど」

提督「……ハイボールからのウィスキーにハマってさ。
ウィスキーの匂いに比べれば焼酎なんて香り高いジュースみたいなものだし」

海風「ジュース? 」

提督「焼酎好きには悪いけどさ。俺根っからのウィスキー好きだし」

海風「んー……」

提督「海風もさ、本当に好きなもののことって他人事を慮る余裕無いだろ? 」

海風「……お酒は提督の好きなものが好きですけど? 」

提督「…………そっか」


ありがとうございました


< ニットミニワンピとかエロいからね、仕方ないね >






愛宕「ん……まだ昼前よ? 」

提督「それで? 」

愛宕「……夜になって揶揄われるじゃない」

提督「嫌? 」

愛宕「嫌じゃないけど。……いやらしいわねぇ~ 」

提督「卑しくはないし、うん」

愛宕「んー……」






海風「…………」

江風「…………」

海風「…………セクハラってなんなんだろうね」

江風「…………そのまま次のステップ行けばセクハラじゃないンじゃないか?」


< なんともいえない >






高雄「三月七日の誕生色はサーモンピンクです」

雲龍「誕生なんとかって色々あるのね」

高雄「人は何でも当てはめたい生き物なのでしょう」

雲龍「……それは構わないけれどレッテル貼りはやめてほしいものね」

高雄「……色言葉は“ 優しさ ”、“ 気遣い ”、そして“ 感性”」

雲龍「……サーモンピンク」

高雄「はい」

雲龍「…………そういえば心なしか黒ずんだ気もするわ」

高雄「…………」


< いっきにカゴ埋めた方がいいから仕方ない >






提督「本日のカクテルでございますお嬢さん」

Littorio「ネタが尽きてしまったのでは? 」

提督「あぁ。だから適当に飲んだこと無いカクテルとか好きなカクテルをネタにしてみる」

Littorio「はぁ」

提督「ってことで今日はオリンピックだ」

Littorio「オリンピック……へぇ」

提督「別に含みはないぜ? ただ最近よく聞くしね、単純に」

Littorio「何も言ってませんよ。……ブランデーベースですか」

提督「スクリュードライバーのウォッカをブランデーにした、と言えないこともない」

Littorio「そんな大雑把な。ブランデーは? 」

提督「ドンピエールV.S.O。ちなみに」

Littorio「ニッカ? 」

提督「おう。よく分かってるじゃないか」



< 今日も他愛無き会話が世界を彩る >






提督「俺らって」

愛宕「ええ」

提督「なんか話が合って盛り上がるようなことあったっけ? 」

愛宕「……無いわね。お酒くらい? 」

提督「だよな。……なんでまともに付き合い続くんだ? 」

愛宕「さぁ? 好きだから、じゃ駄目なの?
私あなたといてつまんなかったことなんて殆ど無いわよ」

提督「ありがと。……殆ど? 」

愛宕「私が北海道住めばそれも楽しく思うかもしれないけどね」

提督「……あぁ」


< 理由や切掛はなんだっていいんだ >






愛宕「でもあなたがあなたでよかったわ」

提督「うん? 」

愛宕「隣歩くにしてもヤるにしても抱き枕にするにしても身長が合うもの」

提督「そうか。……抱き枕? 」

愛宕「私女だとかなり身長高い方だし。ヒール履いても余裕で私より高いのはなかなか」

提督「他の男の隣歩いたこと無いだろうが」

愛宕「無いと思う? 本当に」

提督「……無いだろ? 」

愛宕「さてさて……不安なら訊いてみる? 」

提督「あん? 」

愛宕「カ・ラ・ダに」


ありがとうございました


< 代表も通販も凄いと思う >






叢雲「卓球? 」

江風「しようぜ! 」

叢雲「構わないけど殆ど経験なんて無いわよ」

江風「いいっていいって。江風もやったこと無いし」

叢雲「まぁ、いいわよ」

江風「いやー、世の中凄いもンだな。テレビで卓球観て注文したらすぐ届いたよ」

叢雲「そ、確かに凄…………は? 」


< さもなくば昼間からつまみばかり並ぶ >






提督「炒飯? いいけど唐揚げかなんか頼む」

愛宕「えー、揚げ物めんどーい。つくるなら自分で揚げてよ」

提督「あのさ……いや、普段全部任せてるから大きなこと言えないけど」

愛宕「というか炒飯とのコンボで重いのは兎も角餃子とかじゃない? 炒飯には」

提督「そうか? 」

愛宕「別にどっちでもいいけど」

提督「うん。……つーかさ」

愛宕「ええ」

提督「俺が副菜まで自由につくっていいのか? いいならつくるが」

愛宕「……唐揚げね、唐揚げ。あとサラダでも」


< 達観と諦念の違いとは >






高雄「今日の誕生色は紅梅色。色言葉は“ 愛情 ”、“ 安定 ”、そして“ 女性らしさ ”」

天城「雲龍姉様にはもう少し女性らしさというものをですね」

雲龍「え? 」

天城「はい」

雲龍「スタイル良し、料理もまぁ並以上、ベッドでも楽しめる。……どこが女らしくないの? 」

高雄「自己評価が……間違ってはいませんけれど」

天城「女性らしさ、の理想形を目指してほしい、と言いたいのですよ、天城は」

雲龍「理想形じゃないの? 」

提督「……都合の良い女止まりでいいなら理想の女かもな」

雲龍「そ、私はそれでいいわよ。弁えないと」

高雄「……」

天城「……」

提督「……そっか」

雲龍「ええ」


< まぁ、事実だし >






雲龍「イカ臭いわね」

天城「肴が烏賊ですからね」

雲龍「そんなに似てると思う? 」

天城「天城の話を……まぁ、似ていないこともないのでは」

雲龍「そう……」

加賀「イカ刺しには生姜でしょう。生姜になさい」

海風「別に山葵でいいと思いますけど」

加賀「分かってないわね、実によろしくない」

瑞穂「……瑞穂はお刺身より炒めてマヨネーズを絡めた方が」

明石「それ絶対邪道ですよぉ、イタリアではどうだか知りませんけど」

江風「…………なンにせよ議論とか趣味がおっさンくさいな」

愛宕「ん? だってそれは」

江風「それは? 」

愛宕「ボスがおじさんだもの」

江風「あぁ。……本人が聞いたら割とヘコみそうだなぁ」


< おーしゃーんぜりーぜー >






提督「今日のカクテルはシャンゼリゼだ」

Littorio「……フランスの」

提督「そうだな。……ブランデーベースにシャルトリューズ・ヴェール、レモンジュースとビターズ。
結構面倒と言えば面倒なカクテルかな」

Littorio「シェークのカクテルは大体面倒に見えますね」

提督「実際慣れるとそうでもないけどな。俺なんてプロじゃないから見様見真似だし」

Littorio「……辛いのね」

提督「まぁ、ブランデーベースな上にヴェールはミント系のハーブリキュールだからな」

Littorio「……こういうとき、甘いものが欲しくなりますね」

提督「ふーん? 冷やしたチョコとかアイスならあるけど」

Littorio「もっと甘いもの、あるでしょう? ここに」

提督「……ん」

Littorio「ん…………では、今夜はこれで。美味しいカクテルととても甘いものをありがとう」

提督「…………いーえ。またどうぞ、signorina」


ありがとうございました


< 3月9日なので >






漣「瞳をとーじれーば」

雲龍「見える灯り? 」

天城「あなたがまぶたのうらに? 」

明石「きこえてくるあなたの声? 」

雲龍「……明石のそれ瞳じゃなくて目じゃなかった? 」

明石「あれ、そうでしたっけ」

天城「JUJUのただいま、でしょう? 目、ですよ」

明石「なるほど。……雲龍さんのやつ分からないんですけど」

雲龍「カサリンチュ、知らない? 」

明石「いやあ、ちょっと知らないです」

漣「ひーとみーをとーじてー……はちょっと違うか」


< リメイク版も割と観てみたい >






海風「そういえば日蝕見た? 」

江風「あっ」

海風「残念、というか見えたのかな。帝都は雨だったみたいだし」

江風「さぁね。……よく考えたらどうせ夜のニュースとかで見れるじゃン」

海風「うん。……時代が時代なら海風たちなんて恐れられたり不吉な存在として生贄になってた日かも」

江風「あぁ、ギガゾンビみたいな祭司とかが」

海風「ギガゾンビ? 」

江風「そうギガゾンビ。ギガゾンビ知らない? 」

海風「知らないけど。FPSかなんかの敵? 」

江風「oh……これがジェネレーションギャップ」

海風「海風も大して変わらないじゃん……」


< 難しいようで実は簡単な話 >






高雄「三月九日の誕生色は珊瑚色。色言葉は“ 意欲 ”、“ 勇猛 ”、そして“ 外交的 ”」

Littorio「珊瑚、なんて見ない方がいいですよね」

高雄「まぁ、遊びにでも行かない限り沈むということですから」

Littorio「ええ。……珊瑚色? 」

高雄「一応ピンクっぽい感じの色ね。珊瑚には紫とかオレンジもあるけれど」

Littorio「wheatなのかfleshなのかpale orangeなのか、みたいな」

高雄「肌色の話ですか。……しかし私の感覚としてはあなたの肌も肌色と形容してしまいますけれどね。面倒ですし」

Littorio「それはそうでしょう。whitishなんて言われてもそちらの方が不愉快ですから、Littorioは」


< こそこそ話 >






加賀「軽巡と潜水艦が足りないわ」

明石「や、軽巡は兎も角潜水艦とかいてもね」

雲龍「でも潜水艦が着任すればそれを働かせてここのポイントにできるんじゃ」

明石「わーお、ブラックぅ」

瑞穂「しかし何故帝都は戦力をわざわざ分散しせるのでしょうね。
これでは勝てる戦闘も勝てません」

加賀「勝つ気なんてないのよ、そもそもね」

瑞穂「え? 」

加賀「なんでもないわ」






雲龍「…………私はそれでいいですけど。死にたくなんてないですから」

加賀「まったくね」


< !owa >






提督「今日のカクテルはアメリカン・ビューティーだ」

愛宕「ふーん? 」

提督「や、特にchoiceに意味は無いわ! 」

愛宕「そう」

提督「brandyをbaseにvermouthなどを混ぜる難しいcocktailよ! 」

愛宕「納得できるまで五杯も駄目にしたものね」

提督「自分で飲んだしいいだろ。……lastのport wineが難しいの! 」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……それ男がやっても鬱陶しいだけだからやめたら? 」


< 面倒でも反応はしてくれる >






提督「たかおーん、愛宕がいじめるー」

高雄「あなたが悪いのでは」

提督「冷たい……愛、愛ってなんだ」

愛宕「好きな人が馬鹿なことしてたら止める勇気でしょ」

高雄「ですね」

提督「えぇ……」

高雄「それより寝ましょう。今日は少し、疲れました」

愛宕「そうね」

提督「あたごーん、たかおーん」


< 3/10 >






瑞穂「東京大空襲から七十一年」

加賀「そうね」

瑞穂「瑞穂たちが言うのはおかしいかもしれませんけれど」

加賀「ええ」

瑞穂「敵が人間で、民間人を標的にする作戦が無いのは不幸中の幸いに思います」

加賀「……」

瑞穂「……」

加賀「……もしそれが任務になれば、あなたは従えるかしら」

瑞穂「……さぁ、でもできればできない方が嬉しいですよ、今の瑞穂には」


< あり過ぎるのも困りもの >






高雄「三月十日の誕生色はシグナルレッド。
色言葉は“ 持続力 ”と“ 指導者 ”」

雲龍「欲を言えば持続力をもう少しどうにかしてほしいね」

提督「いや、割と長い方だと思うよ、俺は」

雲龍「一度挿れたら三時間くらいは」

提督「ばっかじゃねぇの」

雲龍「……そう思わない? 」

高雄「何故私に。……私は嫌ですね」

提督「ふーん? まぁ無理だけど女の子はやっぱ長い方がいいんじゃないの? 」

高雄「短いのはさすがにあれですけれど……あなたが一度に三時間もかけていては私が死にます」

提督「あー……」

雲龍「それがいいと思うの」

高雄「一年に一度くらいなら構いませんけれどね。毎回では執務もままなりませんよ、本当に」


< ある意味救世主 >






提督「今日のカクテルはホワイト・レディ、だ」

天城「やはり強めのカクテルが好きなのですね」

提督「まぁ、ジュースっぽいの飲むならジュース飲んだ方がいいと思うたちではあるよ」

天城「……長生きできそうもありませんね」

提督「したいとも思わないからな。……仮にお前らの年齢がそれ以上変わらないとすればさ」

天城「ええ」

提督「一番悲惨なのは俺だぜ? 俺だけが年老いて身体が不自由になっていくなんてのは」

天城「高雄さんたちは嫌がらないでしょう。仮に介護が必要になったとしても」

提督「だから、俺の問題なんだよ」

天城「……お気持ちは分かりますけれど」

雲龍「介護プレイができるんじゃない? 」

提督「……」

天城「……」

雲龍「……」

提督「……ビーフィーターベースにホワイトキュラソーとレモンジュースだぞ、これ」

天城「……もう一杯、いただきます」


久々に酷い二日酔いになるまで飲みましたね……

ありがとうございました


< 3/11 >






江風「あれ、テートクは? 」

愛宕「知事とお話」

江風「ンー? 」

愛宕「会食のお誘いは何度もきてたのよねぇ~ 」

江風「はぁ」

愛宕「今日が今日だし。あんまり断る理由もこれ以上思い付かなかったの」

江風「今日が今日? 」

愛宕「311だからそっち関係の話にどんどん誘導してって他の面倒な話させないようにしようってこと」

江風「うわぁ……」

愛宕「でもそっちの方がいいでしょう?
少なくとも誰かの為にはなるかもしれないじゃない」

江風「そうだけどさ。……うーン」


< 誰かに会うのっていつになっても緊張するもの >






提督「なに、なんなのなの。俺が何したっていうの? 」

高雄「色々と理由を付けて会談も何もかも断っていたでしょう」

提督「……」

高雄「……」

提督「……軍装かったるい」

高雄「お似合いですよ? 」

提督「そりゃ俺だしな。……気合い入れよ」

高雄「……」

提督「……少し上向いて」

高雄「……ん」


< なにもかも自分次第だけれど >






提督「今日の酒はサンテミリオン、だ」

高雄「部屋に戻ってすぐルームサービスというのはどうなのです」

提督「今更取り繕う関係でもないだろ。……くっそ疲れた」

高雄「そうですけれど。……お疲れ様でした」

提督「もう本当お疲れ、滅茶苦茶眠い」

高雄「はい」

提督「……寝るの? 」

高雄「寝たいのでは? 」

提督「外の、しかもホテルに宿泊して何もシないのとかありえるの? 」

高雄「あり得ても良いことかと」

提督「マジ? 」

高雄「マジ、ですよ」

提督「あっそ。……シャワー浴びてくるわ。それ飲んどいていいぞ」

高雄「ええ。…………ワインという気分でもないのですが」



< 今の性格を知っているからこそ、ではある >






雲龍「好きな男が他の女の子と楽しんでそうなときにカルパスをつまむ女」

明石「悲しいですねぇ」

雲龍「これが中々馬鹿にできない味で」

明石「別にカルパスが美味しくないとは言いませんけど」

雲龍「……テンション下がる」

明石「あなたいつもそうでしょう、ダウナー系っていうか」

雲龍「アッパー系よりマシだと思うけれど」

明石「アッパー系の雲龍さんですか……」

雲龍「我ながら気持ち悪いと思うわ」

明石「そんなことは。…………ただの危ない人ですね」

雲龍「でしょう? 」


< 羊の居ぬ間に >






漣「魔王ってより女王様じゃ……」

叢雲「あん? 」

漣「目付き目付きー」

叢雲「……ふっつーに悪酔いしそう」

漣「もうしてると思う」

叢雲「……」

漣「……」

叢雲「……無い? 」

漣「漣は喫煙者じゃないんでー」

叢雲「……ま、私も違うと思ってるけど。あいつがいないとなんだか吸いたくなるわね」

漣「……………………変に飲んで悪酔いするしね」


< 現で舞い、夢で踊ろう >






「もっと近付きたいのにこれ以上近付けないときはどうすればいいんだろうな」

「皮でも剥いでみる、とか」

「それで近付けんならいいけどさ……たぶん遠去かってるよ、それ」

「…………この腕の温かみも、胸板の熱さも分からなくなりますものね」

「ん……」

「…………」

「…………」

「…………何時です」

「さぁ? ……ま、どうでもいいだろ、時間なんて」

「…………」

「…………」

「…………」

「……じゃ、また朝に」

「……いえ」

「うん? 」

「夢で、また会えるかもしれないでしょう? 」

「そう、だな、うん。……またあとで」

「はい。……また」


ありがとうございました


< 忘れ物はせぬように >






提督「朝はシャワー浴びてぼんやりして飯食わないとやる気出ない」

高雄「どれもしましたね」

提督「で、最後に……ん」

高雄「ンッ……っ…………っはぁ」

提督「……これで、よし」

高雄「なにも、よく……垂れてきたじゃないですか」

提督「股座から? 」

高雄「ハンッ、シャワー浴びたでしょうが、しかも一緒に」

提督「そうだっけ? 」

高雄「アルコールの摂り過ぎで健忘症でも患いましたか? 」

提督「アルコールってよりヤリ過ぎ出し過ぎかな」

高雄「まったく……」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………もう一回、そしたら、帰ろうか」

高雄「…………ん」


< 全て本音だけれどその割合というものは >






高雄「三月十二日の誕生色はオレンジヴァーミリオン。
色言葉は“ 無邪気 ”、“ 感性 ”、そして“ 純粋 ”」

提督「たまには街の食堂で昼ってのもいいな」

高雄「……その所為で運転役の方は」

提督「適当に金握らせたし暇潰しくらい見つけられるだろうよ、大人なんだし」

高雄「……」

提督「そもそもこれくらい許されるだろ、ある意味高級軍人としては我儘の少ない優等生だからな」

高雄「はぁ、しかしこういうことから立場というものは」

提督「悪くなるかもね」

高雄「……」

提督「……」

高雄「……次は」

提督「ん? 」

高雄「あなたの運転で来ましょうね」

提督「……ん」


< 強いて言えば自分を見失ってしまったときの指標 >






山城「他人の為に生命を擦り減らして一体何の意味があるのかしら」

時雨「そうしないと扶桑と一緒に生きられないじゃないか」

山城「そういうことをしないと生きられない姉さまが不憫だとは思わないの? 」

時雨「……自分を憐れむ趣味は無いものでね」

山城「……」

時雨「……山城は本当に扶桑が好きだね」

山城「ええ。……好き? 」

時雨「うん? 」

山城「……好き、なのかしら。もちろん嫌いなわけはないのだけれど」

時雨「…………」

山城「…………」

時雨「…………別に姉妹愛だとか恋愛に結び付けなくても在る所には在るものだよ、そういうのって」


< つまりそんな程度 >






提督「今日の酒はモーツァルト、だ」

Littorio「チョコレートそのものの味ですね、このリキュール」

提督「それはチョコ。ほかにホワイトとビターもある」

Littorio「へぇ。……外は楽しかった? 」

提督「今日はな。……俺はこれソーダで割ったりミルクで割るのが好き」

Littorio「それはよかった。……オーストリア、ですか」

提督「イタリアから見れば複雑かい? 」

Littorio「あなたと高雄の関係を眺めるLittorio、程度の複雑さなんて別に」

提督「……そ」


< 優しさが罪になる世界なんて無くなってしまえばいいのに >







雲龍「口汚く罵ってほしいし打擲してほしいし首絞めしてほしいの」

提督「口汚く罵りたくないし打擲したくないし首絞めしたくないの」

雲龍「誰彼構わず優しさを向けても存在承認は得られないし罪そのものは消えないわよ? 」

提督「…………なに、怒らせたいの? 」

雲龍「衝動に身を任せてもいい、ってこと」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………誰彼構わずじゃないから。身内と可愛い女の子だけだから」


< 一人でシャンパン空けるのも虚しいといえば虚しい >






漣「ホストねぇ」

加賀「あんなにも人が多いと、酔うかもしれないわね」

漣「でも大体イケメンですよ? 」

加賀「それで? 」

漣「……まぁ、ここの人には無意味なことですけど」

加賀「むしろ身の危険が」

漣「身の危険? そのホストたちにですか? 」

加賀「不快感、という意味よ」

漣「はぁ。……あ、じゃあいっそ逆に漣たちでキャバでもすれば」

加賀「風営法……以前の問題が山積みね、それは」


ありがとうございました


< エロい目で見ないとまぁ大したことないのかもしれない >







天城「朝から大浴場で入浴というのも」

雲龍「今からでも出て行けばいいじゃない」

天城「そんな無体な」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………浮くわね」

天城「…………脂肪ですもの」


< いつでも寄って来るわけでもない >






提督「…………♪ 」





愛宕「まーた……」

高雄「今回は人数も格段に増えていますし」

愛宕「そうだけど。私は白ければあっちでもいいのに」

高雄「はぁ」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……おかしいわね。どうして雲龍来ないのかしら」

高雄「そんな理不尽な」


< でも結局 >






雲龍「呼んだかしら」

愛宕「ほらー、やっぱり来たじゃない」

高雄「……」

雲龍「あれ何やってるの? 」

愛宕「明日ホワイトデーだから」

雲龍「あぁ」

愛宕「でもお返しくれるのはいいけどニヤつきながらボウル混ぜるのはやめてほしいわねぇ」

雲龍「身体に塗るところでも想像してるのかしら」

愛宕「こっちに? 本人に? 」

雲龍「どっちでも。……チョコのディルド、は菌が怖いわね」

高雄「…………さらっと参加して場を掻き回すのはやめていただけませんか」


< 何と返せば >






高雄「三月十三日の誕生色は柿色。色言葉は“ 健やか ”、“ 組織力 ”、そして“ 大望 ”」

江風「ここの組織系統ってぐだぐだそうに見えてそうでもないよな」

高雄「まぁ、一番上もそんな感じですからね」

江風「あれで有能っぽいもンなぁ」

高雄「自称有能な怠け者だそうです」

江風「ゼークト……相変わらずゲルマン狂いか」

高雄「Bismarckさんと何かあったのか邪推してしまいますね」

江風「はは……」

高雄「邪推というより最早何をしていたか、の推測の域ですけれど」

江風「…………」


< だからなんと返せば >






加賀「よく考えてみると」

明石「ええ」

加賀「駆逐艦、重巡、工作艦、空母と乗艦していると思えば真っ当な出世なのかもしれないわね」

明石「それ乗艦するの意味……」

加賀「スピード出世には違いないけれど」

明石「…………」


< こう……その日の旬みたいな >






提督「あぁ……おっぱいには勝てなかったよ……」

愛宕「んー? 」

提督「おっぱいカウンセラーになりたかったのにおっぱいにカウンセリングされてるぅ」

愛宕「何の話? 」

提督「ちいさいのに悩んでる子とか大きいのに悩んでる子を導きたかった」

愛宕「悩んでない女は駄目なの? 」

提督「駄目じゃないけどさ」


< もちろん冗談 >






提督「今日のカクテルは……あー、カルーアでいいや」

高雄「投げ遣りな」

提督「ちょっと今日はおっぱいについて考えてて余裕がね」

高雄「はぁ」

提督「もしおっぱい出たらおしえてね」

高雄「そりゃあ伝えますけれど……出ませんよ確実に」

提督「まぁまぁ。そのときはカルーアでもつくろうかと」

高雄「…………ドン引きですよ」

提督「あぁ、母乳は殆ど血液だ、みたいな話? 」

高雄「違います。もっと根本的な部分でおかしいでしょうが」




ありがとうございました


< 一月越しのお返しを >






提督「ホワイトデーだいぇーい」

江風「いぇーい」

提督「おう」

江風「ン」

提督「……」

江風「……」

提督「……お前普段からこんな早く起きてるのか?」

江風「や、なンかいい匂いするからつい」

提督「つい、ね。……スポンジでも食べる? 」

江風「ン」


< ヘェ……シッテルンダァ…… >






高雄「ん……物凄い匂いですね」

提督「うん? ……朝餉までには片付けるよ」

高雄「別に構いませんけれど」

提督「……」

高雄「……」

提督「……クリームパイのスラング知ってる? 」

高雄「普段からしてるでしょう。今更ですね」

提督「知ってるのか、へぇ」

高雄「なんです」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………」

高雄「…………なんです」


< 割とよくある >






高雄「三月十四日の誕生色はスカーレッド。
色言葉は“ エネルギー ”、“ 明朗 ”、そして“ 情熱 ”」

漣「ご主人様もよくあれだけつくるエネルギーありますね」

高雄「お料理は好きなタイプですから」

漣「それにしても……ケーキにアイアーシュッケにパイに……はぁ」

高雄「漣さんもやろうと思えばできるでしょう? 」

漣「いやいやいや……高雄さん基準で言われても」

高雄「? ……愛宕」

愛宕「……我ながら私たちってハイスペックだと思うわよ」

高雄「はぁ」

漣「……なんなの、本当なんなのこれ」



< イメージなんて >






雲龍「む…………ん」






漣「」

叢雲「こんなところで突っ立って何し……はぁ」

漣「…………まぁ、漣も小銭落としたら拾うけどさ」

叢雲「…………あのなりで這いつくばって自販機の前にいるのは」

江風「ン? 二人揃って何し、て……」

海風「江風? ……あぁ」

雲龍「……取れた。…………なに? 」


< 好きな人が私の好きな >






提督「今日のカクテルはジェントルマンズショコラ、だ」

愛宕「あっま」

提督「一応ウィスキーベースなんだけどな、まぁ甘いっちゃ甘い」

愛宕「ありがと? 」

提督「どういたしまして。ありがとう? 」

愛宕「こちらこそ」

提督「……私はジェントルマンでいられてますか」

愛宕「私にとっては」

提督「……そ」

愛宕「紳士の定義からは外れるかもしれないけど……あなたが、あなたでいいの」

提督「……ありがとう? 」

愛宕「こちらこそ」


< 割とへこむ >






提督「ん……」

愛宕「……」

提督「……む」

愛宕「……」

提督「……うーん」

愛宕「……」

提督「……」

愛宕「……」

提督「…………はぁ」

愛宕「なに? いい加減寝たいんだけど」

提督「いや、なんかどの姿勢になってもしっくりこないっていうか」

愛宕「はぁ」

提督「…………」

愛宕「…………」

提督「…………んー」

愛宕「……いや、もう寝たいのよ。明日相手してあげるから」

提督「…………」


ありがとうございました


< まだ、あなたという揺籠の中で >






愛宕「んー……」

提督「……なんだよ」

愛宕「……今日寒くない? 」

提督「そうかもな」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「……………………Zzz」

提督「…………あ? 」

愛宕「…………Zzz」

提督「…………仕方の無いやつ」


< 確認 >






高雄「三月十五日の誕生色はルージュ。色言葉は“ 活発 ”、“ 健康 ”、そして“ 外向性 ”」

提督「ルージュ、変えた? 」

高雄「ええ。意図したわけでもありませんけれど」

提督「そうか。……ん」

高雄「ん……」

提督「…………うん、いいルージュだね」

高雄「……もっと他に」

提督「ん? 」

高雄「……いえ、似合っているなら、よかった」


< 待ち遠しい、あなたとの夏 >






提督「今年は遊びに行けるかな、海」

高雄「さぁ……行きたいんですか? 」

提督「そりゃね。どんなお前もいいけどどんなお前も知りたいからさ」

高雄「もうあなたに見せるものなんて殆どありません」

提督「そんなこと」

高雄「他に残っているのはあなたには見せられない醜い部分だけ」

提督「女の子のそういうところ嫌いじゃないけどね。俺が関わる限りでは」

高雄「……悪い答えですね」

提督「……悪い男だからな。仕方ない」


< あなたとなら限界を超えたいけれど >






提督「今日のカクテルはレッド・バード、だ」

高雄「……真っ赤」

提督「レッド・アイにさらにウォッカだからな。ま、レッド・アイより飲みやすいはずだ」

高雄「それはあなただからでしょう……私もそう思いますが」

提督「何事も程度だよな。アルコールだって低過ぎても高過ぎてもよくない」

高雄「量も」

提督「あぁ。……紫のルージュも悪くないと思う、高雄には」

高雄「……そのうちに」

提督「楽しみにしとく」


< 娯楽の線引きとは >






漣「漣たちは賭博も恋愛も自由にできていいですねー」

瑞穂「刑法185条が」

漣「賭けるものが軽度の価値しか持たないからダイジョーブ」

瑞穂「お酒は明らかに財物なような……瑞穂もお菓子持ち寄ってますし今更なのですけれど」

漣「大体漣たちを刑法で裁けるのかどうか分からないですし」

叢雲「それよりあなた恋愛なんて自由にできてるの? 」

漣「漣の自由でしてないんだよ? 」

叢雲「ふーん? 」

提督「小学生の初恋も恋愛は恋愛だろうよ」

叢雲「あぁ、そういうこと」

漣「ふえぇ……」

瑞穂「……今日も皆さん楽しそうですね」


< たまには趣向を変えて >







高雄「あの」

提督「ん? 」

高雄「……こんなに優しくしなくても、いいんですよ」

提督「……どっかの誰かに影響されたのか? 」

高雄「……いえ」

提督「優しくされるのは嫌い? 」

高雄「……苦手、なのかも。今更ですけれど」

提督「本ッ当今更だな」

高雄「ええ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………はぁ」

高雄「ふふ…………ん、んぅ……っ! 」


ありがとうございました


< いいわけないけれどそれはそれ、これはこれ >






江風「もうなンなのこれぇ」

雲龍「愉快なことになってるのね」

江風「全ッ然楽しくないンだけど……もうセンバツに切り替えよ」

雲龍「優勝校でも賭ける? 」

江風「ふえぇ……まぁ、やればテートクは勝手に負けてくれるだろうけど」

雲龍「今年の北海道代表は駄目なの? 」

江風「少なくとも優勝候補ではないね」

雲龍「……ふむ」






提督「ベスト4以上じゃなかったら外デートォ? やーってやろうじゃねぇか、へーい」

雲龍「そう。待ってるわね」

高雄「……デートが罰ゲーム扱いでいいんですか雲龍さんは」


< さてさて、地上戦の訓練は受けていないのだが >






雲龍「よく考えると」

加賀「なにかしら」

雲龍「私たちのこの状況も週刊誌になんてリークされたら大変なことになりますよね」

加賀「そうね」

雲龍「そもそもが最重要機密扱いで通常将兵が特殊な訓練を受けた、ということになってはいますけど」

加賀「ええ。……でももし週刊誌に載ったとして」

雲龍「はい」

加賀「その出版社、どうなるかしらね」

雲龍「…………」


< あなたという世界にて >






提督「なぁ」

雲龍「? 」

提督「屋上行かないか」

雲龍「いいけれど……なに? 」

提督「いや、特に理由は無いよ。なんとなく空見たくなっただけ」

雲龍「随分唐突ね。……っと」

提督「……ん」

雲龍「……あったかい」

提督「お前の手が冷た過ぎるんだよ。……離すなよ」

雲龍「もちろん。外は……外の世界は寒いから」


< 好みな子を好きになるわけでもなく、その逆も >






高雄「三月十六日の誕生色は薄紅藤。色言葉は“ 想像力 ”、“ センス ”、そして“ 魅惑的 ”」

海風「あの」

高雄「なんでしょう」

海風「高雄さんみたいに魅惑的になるにはどうすればいいですか? 」

高雄「……私が魅惑的、というのを肯定したとして」

海風「はい」

高雄「特にどうしようもありませんね。海風さんは今でも人並にファッションだとかメイクには注意しているでしょう? 」

海風「……」

高雄「…………あの人の好みで言えば髪はロング、肌に気を付ける、くらいでしょうけれど」

海風「でも高雄さんはロングじゃないです…………はぁ」


< 脱がしやすいジーンズとか開発してください >






提督「ジーンズいいよな。最近人生で七回目くらいのハマり中」

雲龍「私もスキニーとか好きなんだけれど……」

提督「うん? 」

雲龍「脱がしにくいでしょう? 」

提督「そうだけどそんなこと女の子が気にすんなよ」

雲龍「セックスって二人のものでしょう? レイプじゃないのよ? 」

提督「お前がそれ言うのか……」

雲龍「乱暴願望とレイプ願望は全く違うわよ」

提督「お、おう……」


< あー、憧れのーブラジャーマスターにー >






提督「つーか脱がしにくいといえばさ」

雲龍「ええ」

提督「どう考えてもスキニーよりホック多いブラだろ」

雲龍「そうなの? 」

提督「まぁ、俺の女の子の好みがあれだからか結構遭遇するんだけどさ」

愛宕「ふーん? 」

高雄「なるほど」

Littorio「へぇ」

天城「……」

提督「……」

明石「……なんか微妙にハブられてる気がしないでもないですね」


< 徹底討論! >






愛宕「こうなったら上と下どっちが弱いかガールズトークしましょ? 」

高雄「なにがどうこうなったらなのかしら」

雲龍「下でしょ? 」

明石「や、上も悪くないというか、ね」

Littorio「そもそもどこまでが上なの? 下は分かるとして」

天城「臍よりも上、とかでしょうか」





愛宕「ふふ……ちなみにわたしが言ってたのは上唇と下唇どっちをはみはみされるのが弱いかでしたー。みーんなえっちぃわねー」

海風「それがそもそもえっちぃんじゃ……」


< 年に二、三回あるかないかの >






叢雲「あんたも飽きないわよね」

提督「うん? 」

叢雲「いい加減女も酒も飽きないの? 同じタイプばっかだし」

提督「死んでも飽きねぇよ。……俺の守備範囲ってかなり狭い代わりに深くまで堕ちてるからな」

叢雲「それ守備範囲じゃなくて許容範囲の間違いでしょ」

提督「守備範囲ってそういうことだろ? 」

叢雲「……私があと少し年嵩だったとして、抱ける? 」

提督「結婚しようか」

叢雲「そ。……………言ってから思ったけど酷い自意識過剰だったわね。嫌んなるわ」


< ちなみに大体いつも付き合ってる >






雲龍「雌豚と雌牛と雌犬はどれが一番卑猥かしら」

天城「そういうのは天城以外にお願いしたいです」

雲龍「今はあなたしかいないじゃない」

天城「はぁ……さっきまであんなにいたのに」

雲龍「お酒の誘惑には勝てないのね、猥談も」

天城「……天城も飲みに行きたいのですけれど」

雲龍「たまには付き合いなさいよね。私ともお酒くらい飲めるのだし」


< 死が我らを別つとも >






提督「今日の酒は北の錦。まぁ、リーズナブルだし道内だとそれなりのだな」

叢雲「本ッ当にアルコールか女に殺されそうね」

提督「本望だし。……俺お前には殺されてもいいよ、本気で」

叢雲「あん? 」

提督「理由なんて訊かない。俺が道を踏み外したか叢雲にそこまでさせる理由があるんだろうからな」

叢雲「そ。……人の道ならもう外れてると思うけど? 」

提督「殺してみるかい? 」

叢雲「私としては世界からクズを一人消せて嬉しいけど……今更しないわよ。私もクズの仲間だし」

提督「はーん? 」

叢雲「どうせやろうとした途端四方八方から攻撃されるでしょうしね」


ありがとうございました


< トンネルを抜けるとそこは >






提督「ス-……ふぅ」

高雄「何かありましたか? 」

提督「ん? ……まぁ、ちょっとテンション上がっちゃったからさ、クールダウン中」

高雄「妬けますね、あなたにらしくないことをさせるなんて」

提督「……叢雲は許してくれよ」

高雄「やはり叢雲さんでしたか」

提督「…………ス-…………はぁ」

高雄「引っ掛けたわけではありませんよ? たとえその相手が物だとしても妬いてしまいますから、あなたのことならね」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………地元帰りたいなぁ」

高雄「そのときは、是非私も」


< 最短距離を >






雲龍「む……櫛が」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………取れないし髪抜けるのは嫌だし、よし」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………」

雲龍「…………ん、ちゃんと折れたわね」



< 納得してはいけない気もする >






天城「と、いうことが先程」

Littorio「まざまざと浮かぶ光景ですね」

天城「でしょう? 」

瑞穂「でも身体は復元するのだし髪を切った方がエコな気も」

天城「あぁそれはきっと」

雲龍「あの人が褒めてくれたものを傷付けろというの? 」

天城「……そういうことです」

瑞穂「……なるほど。確かに、それはそうですね」


< 何か恨まれる心当たりでも? >






明石「この人数だともし旅行とか行ったら凄いことになりそうですね」

愛宕「って言ってもグループ行動で部屋も分けるでしょ、修学旅行みたいな」

雲龍「他人から見ると金持ちの三代目が遊んでるように見えるかもしれないわね」

明石「遊ばれちゃってますか」

雲龍「遊ばれてるわね」

明石「やりきれないです」

雲龍「そうね」

提督「お前ら旅行の話はどこいったんだよただの恨み辛みじゃねぇか」


< ちなみにモーブは薄めの紫色 >







高雄「三月十七日の誕生色はモーブ。色言葉は“ 直観力 ”、“ 精神高揚 ”、そして“ 気高さ ”」

漣「愉快な駄洒落外人タレント? 」

江風「それはデーブ」

漣「じゃあシュートの逆? 」

江風「それはカーブ」

漣「それなら何故か最近見ない心霊写真のあれ? 」

江風「それはオーブ」

漣「えーっと無限のパワーとか言っちゃう銀河皇帝のファーストネーム? 」

江風「それはシーヴ」

漣「うーん……」

江風「もうやめない? いい加減江風も分からなくなってきそうなンだけど」


< 逃げるが勝ち >






提督「今日のカクテルはジャングル。
ビーフィーターにチンザノ、シェリーを等分でできる」

明石「これはどういうチョイスなんですか? 」

提督「珍しめでかつスーパーでギリギリ揃えられそうなライン」

明石「なるほど……学生時代とかこんなお洒落なの飲んでました? 」

提督「海大時代はまぁ店では。学生とはまた違うかもしれないが」

明石「ふーん? 」

提督「つーか兵学校時代なんて未成年だぞ、未成年」

明石「でも飲んでたんでしょう? 」

提督「飲んでまーせーん。俺はこれでも優等生だからな」

明石「またまたー」

提督「そもそもこの嗜好はシーレーンでの任官時代にだな」

叢雲「あんたあっちで会ったときはもう酒と女と車が趣味だったじゃない」

明石「だそうですが? 」

提督「…………次何飲みたい? 」


< だからそういうのが >






高雄「何を読んでるんですか? 」

提督「『陰摩羅鬼の瑕』」

高雄「好きですね、そういうの」

提督「そういうのって? 」

高雄「そういうのはそういうの、ですよ」

提督「ふーん? …………もしここや他の基地から生涯出れなかったとして」

高雄「はい」

提督「お前はいつか外を持ち込んだ俺を恨むかもな」

高雄「恨むことなく後を追いますよ」

提督「…………」

高雄「……恨むことがあったとして、それは黄泉で再会したときにでも語らえばよいのです」

提督「…………そう、そうだな」


サントリーも普通に飲むんですけどね
一応北海道民なのと親の影響ってことで

ありがとうございました


< 力こそパワー、パワーは高貴なり >






高雄「三月十八日の誕生色はカンパヌラパープル。
色言葉は“ 鋭敏 ”、“ 高貴 ”、そして“ 神秘的 ”」

提督「陸奥がさ」

高雄「ええ」

提督「暫く呉に異動らしい」

高雄「はぁ」

提督「どうせならここ来てもよかったんだけどなー」

高雄「過剰戦力なのは置いておくとしても彼女自身が全力で避けるでしょうね」

提督「うん。……なーんであんなに嫌われてるんだろ。俺は好きなのに」

高雄「そういうところだと思いますよ。逆に何故長門さんとは良好なんです」

提督「お互い気兼ねなく罵倒できるし戦闘については本気で会話できるし、あとは」

高雄「あとは? 」

提督「筋力にブーストかけられなければ柔道で俺の方が強いからかな」

高雄「はぁ……? 」


< 授かりもの、っていうからね >






愛宕「子供は何人欲しいの? 」

提督「その話何度目? 」

愛宕「さぁ? まぁ、いいでしょ何回でも」

提督「まぁな。……お前の子供で? 高雄のと合わせて? 」

愛宕「酷い話」

提督「今更」

愛宕「そうね。……合わせてじゃない? 一緒に住むことになるだろうし」

提督「ママが二人みたいだ」

愛宕「実際そうでしょ。さすがに叔母さんとか伯母さん呼びはまだ嫌ね」

提督「……男の子と女の子一人ずつかな」

愛宕「ふーん? 」

提督「あんまり沢山いても愛情注げる自信が無い。五人家族くらいがバランスいいと思うし」

愛宕「そ」

提督「あぁ」

愛宕「…………」

提督「…………」

愛宕「…………無いものねだりよねぇ」

提督「…………明石に期待、だな」


< 徐々に誤魔化していくという手が >






明石「雲龍さんはこう、虐げてほしいんですよね? 」

雲龍「虐げる……まぁ、間違いではないわね」

明石「でも提督はどちらかというと少しだけ嫌がるようなことのボーダーを越えさせるのが好き、と」

雲龍「ええ。本当に嫌がることはしたくないとかなんとか」

明石「その演技、というかシチュが限界みたいな? 」

雲龍「たぶん。……何が言いたいの? 」

明石「いえ、それなら永遠に雲龍さんの望みは叶えられそうも無いなーって」

雲龍「…………」

明石「…………たぶんヤってるときにそういう絶望の顔見たくないんだと思いますよ、あの人」


< 愛好者を否定まではしないが >






提督「今日のカクテルはパナシェ。ビアカクテルだな」

漣「これゲロ甘ですねー。嫌いじゃないですけど」

提督「ビールにC.C.レモンだし。そんなもんだろ」

漣「なるほど? いつも思うんですけどしーしーで黄色の液体ってヤバいですよね」

提督「はぁ? ……そういやそうかもな」

漣「そういうのしないんですか? 」

提督「しないね。したいとも思わない」

漣「なんで? 」

提督「なんでって……お前は適当に生えてる草が美味いってその辺のやつに言われたからって食うのか? 」

漣「……なるほど。確かにそう言われると」


< 藪に龍でもいたのか >






加賀「軍の記録を見返してみたのだけれど」

叢雲「? 唐突ね」

加賀「あなた意外なことに上官や出撃随伴の不慮の事故、少ないのね」

叢雲「失礼な。無能を消すなら大本営なり海軍省になり上申した方が早いわよ」

加賀「そう言うってことはその経験はあるのね」

叢雲「私自信が何かしたことは無いけど……あくまで見てきた感想ね」

加賀「そう」

叢雲「そっちこそ何人か消してそうだけど? 」

加賀「…………」

叢雲「…………」

加賀「…………失礼なこと言ってごめんなさい。私は行くわ」

叢雲「そう。……………………元横須賀鎮守府トップの直隷だったかしらね」


< 期待の目 >






雲龍「っ……いたっ」

提督「……こうされたいんじゃなかったのか」

雲龍「…………」

提督「ふーん? 目、逸らすんだ。……おい」

雲龍「……無理矢理覗いた瞳、嬉しい? 」

提督「嬉しいよ? その反抗的な……反抗的な」

雲龍「…………どうしたの? 」

提督「…………喜色に塗れた瞳過ぎて雰囲気保てないんだけど」


< 満足のMだとかなんとか >






雲龍「でも今のはよかったわ。無理矢理壁に押し付けられて顎掴まれるの。濡れそう」

提督「俺は今のだけで精神的に疲弊したぞ」

雲龍「…………なるほど」

提督「ひっ」

雲龍「可愛らしい声ね? 」

提督「いきなり股間弄られたらこんな声も出るだろ」

雲龍「……本当に変化無し、か」

提督「今ので興奮はしないなぁ、さすがに」

雲龍「…………なんでもしていいのに」

提督「そんなのされる方がマシに決まってるだろばーか」


正露丸っていうとやっぱりラフロイグとかですかね
正直あれが楽しめるようになってしまったってことはむしろ感覚が麻痺してるだけのような気も

ありがとうございました


< 別れと出会いの季節だからこそ >






高雄「福岡で桜が咲いたそうで」

提督「マジ? 」

高雄「ええ」

提督「もうそんな時期か」

高雄「早いものですね」

提督「ん。桜の違いとかもよくわからないんだけど……とりあえず地元はまだまだだなぁ」

高雄「GW頃でしたっけ、あちらでは」

提督「最近はその前に散ったりするけどな」

高雄「今年はしますか? この基地を少し下ったところに咲きますけれど」

提督「したい? 」

高雄「したいですね。この面子で次にいつ大騒ぎできるかも分かりませんし」

提督「高雄が言うんならなぁ、しないわけにもいかない」

高雄「ありがとうございます」

提督「俺なんて別になんも。……絶対いなり寿司は詰めてくれよな、頼んだぞ」

高雄「もちろん腕によりをかけて」


< 頬を赤らめた女の子という芸術 >






提督「お前がショーパン履いてるとさ」

雲龍「? 」

提督「なんつーかエロいってより綺麗だなって。それだけだけど」

雲龍「……」

提督「身長高いだけじゃなくてスタイルもモデル体型だよな」

雲龍「……やけに、褒めるわね」

提督「そうだな。特に意味もないが」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………今酷い顔してるでしょう、絶対」

提督「や、可愛いけどね」


< 違うそうじゃない >






提督「こう、目の前を歩いててさ、できれば階段で」

雲龍「ええ」

提督「脹脛とかが絶妙に揺れてるようで揺れてないようで揺れてる感じがいいのよ」

雲龍「……よくわからないわね」

提督「俺も正直よくわからない」

雲龍「それは……なに? 」

提督「お前の足が好きってこと」

雲龍「……ごめんなさい」

提督「うん? さすがにキモかっ」

雲龍「踏まれるのは兎も角踏む趣味は無いの」

提督「…………」


< 健康美とか機能美って好き嫌いがね >






高雄「三月十九日の誕生色はビオレ。色言葉は“ 落ち着き ”、“ 健康 ”、そして“ 安定感 ”」

Littorio「ずい、うん? 」

明石「はいっ」

愛宕「データを取りたいんですって、協力してあげてくれる? 」

Littorio「もちろん構いませんけれど……」

愛宕「どしたの? 」

Littorio「……Ro.44では駄目なの? 」

明石「それのデータはもう戴いてますし」

Littorio「むぅ……」

愛宕「まぁまぁ。…………水偵なんて戦えればなんでもいいと思うんだけど」

高雄「まったくですね」


< 情熱を注ぐものを見つけたものこそ果報の最たる >






提督「今日のカクテルはベッリーニ、だ」

Littorio「あらあら……また面倒なものを」

提督「お前に飲んでもらう為なら手間なんて手間じゃなくなるさ」

Littorio「お上手ですね、相変わらず」

提督「これで生きてきたもので」

Littorio「本当にそれだけ? 」

提督「他にも少々嘘と建前を」

Littorio「ふふ……白桃、ですか」

提督「かったるい時はネクターにワイン突っ込んでシロップ垂らして桃缶でも食べれば大体合ってる、が」

Littorio「ちゃんとピューレを使っているんですね」

提督「別にプロなんて目指してないけどさ、結構ハマるものなんだよ、カクテルって」

Littorio「夢中になったらそればかりですものね、あなたは」

提督「そうだな。……あぁ、本当にその通り」


< ナイトキャップの代わりにあなたを >






提督「ってことで今日のワインはプロセッコだな。ベッリーニより俺は単体の方が好きだ」

Littorio「ぁ」

提督「そういうこと。プロセッコはヴェネト州特産の白ワインなんだろ? 」

Littorio「ええ。……WW1末期、イタリア戦線の結果を決定付けたのがそこ周辺で行われたヴィットリオ・ヴェネトの戦いで」

提督「それを記念して付けられた数々の名前のうちの一つがヴィットリオ・ヴェネト級、だな」

Littorio「……よく調べましたね」

提督「酒ってのは会話と雰囲気を楽しむツールだろ? 」

Littorio「……」

提督「……」

Littorio「……Littorioのお部屋にお招きしても?Signore」

提督「……喜んで、 Signorina」


ありがとうございました


< 何事も無き朝をいつまでも >






提督「んあ……? 」

Littorio「……おはようございます? 」

提督「んー…………Buon giorno」

Littorio「Buon giorno。……ふふ、変な跳ね方してますよ」

提督「みっともなくて悪いな。……シャワー借りる」

Littorio「タオルは用意しておきましたから」

提督「さんきゅ」


< 開け放った窓から燦々と、みたいな感じだろうか >






Littorio「ある意味で地中海的、というか」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「まぁ、地中海の男を本当の意味で知っているわけでもありませんけれど」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「…………」

Littorio「…………櫛とドライヤーでも用意しておきますか」


< どこにいたって人はあまり変わらないと思う >






提督「ありがとな」

Littorio「いえ、お構いなく」

提督「……エスプレッソか」

Littorio「たまにはミルクと砂糖をたっぷり楽しんではいかがかと」

提督「そうだな、んー、美味いね」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………」

提督「…………ん? 」

Littorio「いえ、あなたがもし祖国の人間であったのならば」

提督「あぁ」

Littorio「Littorioは高雄たちに会うことも、ましてやあなた以外の誰かに心を開くこともなかったのでしょうね」

提督「…………そのときは俺がなんとかしてやってたよ。どこにだって気のいいやつはいるものだし」


< 本当にするとは言わない >






海風「ぁ」

提督「ん? 海風か、おはよう」

海風「おはよう、ございます」

提督「悪いな、醜いところ見せちゃって」

海風「……いえ」

提督「女の子の部屋から朝帰りするのを見られるってのはまぁ……クズらしいっちゃらしいな」

海風「……なら」

提督「あぁ」

海風「海風の部屋に、来ませんか? 」

提督「いいけど……江風まだ寝てるんじゃないの? 」

海風「そのときは叩き起こすので」

提督「ひっでぇ。……ま、そのうちな。俺この後少しやりたいことあるから」

海風「絶対ですよ? 絶対、絶対に」

提督「ん、嘘にはしないさ。……嘘にはね」



< 望みって尽きないもの、男も女もね >







愛宕「そういえば聞いたことなかったけど」

高雄「ええ」

愛宕「高雄の好みの男ってどんなタイプ? 」

高雄「……それはあの人以外で、という? 」

愛宕「好みと好きになる相手は違うって言うじゃない? 」

高雄「……ふむ」

愛宕「私も今じゃあの人が好みになりつつあるけど会う前とかこんな関係になる前は少し違った気がするのよね、好み」

高雄「…………身長が同じくらい、というのは面白いかもしれないわね」

愛宕「ふーん? 」

高雄「あの人は圧倒的に高いし……同じくらいなら一緒に歩いているときもすぐ顔が見れるし」

愛宕「なるほどね。……でも同じくらいだと夜は少し関節とか筋肉が痛くなりそう」

高雄「それなら逆に自分よりも低い人ならーー」






提督「いっそ身長可変式の男でも探せば? って思ったけどバスト可変式の女の子ってのも普通に面白そうだな」


< 人には誰しも >






高雄「三月二十日の誕生色は古代紫。色言葉は“ 落ち着き ”、“ 品位 ”、そして“ 高貴 ”」

瑞穂「紫の着物だとやはりクリーム系や金でしょうか」

天城「帯ですか? そうですね……紫の濃さにもよりますけれど」

瑞穂「緑や黒も悪くはないのですけれど生地や柄の関係で浴衣に見えたりもしてしまいますし」

天城「ええ。それは少し嫌ですものね。季節感が無いように見えたり」

瑞穂「品位が無いと思われるのはいくら一期一会と言われても、はい」

天城「一応草履などの小物で落ち着かせることもできますよ? 」

瑞穂「それは分かっているのですが……中々難しくて」

天城「天城も未だに帯の選び方を間違えたな、なんてことありますよ」

江風「…………ここまで疎外感あるといっそ清々しいな」


< 好きなものは好きなんだから仕方ない >






提督「今日のカクテルはワード・エイト。アメリカのカクテルだな」

加賀「……ワイルドターキー? 」

提督「そ、なんとなくバーボンって言ったら俺はそれ思い浮かべる」

加賀「……そう」

提督「バーボンベースにレモンとオレンジ。ま、飲みやすいバランスだな」

加賀「確かに。……でもあなたウィスキー以外のカクテルは無いの? 」

提督「や、他も勧めてると思うんだけど」

加賀「そうかしら」

提督「そうだよ。……じゃあ加賀は何のカクテル飲みたいんだよ」

加賀「それくらい考えてみたら? 得意でしょう、そういうの」

提督「へいへい。……次回までには考えとくよ、我儘お姉さんの為にね」


ありがとうございました


< ま、祝日だしね >






江風「テートクー」

提督「ん? 」

江風「こっからちょっと行ったところにラーメン屋できたみたいなンだけどさ」

提督「いいぞ」

江風「え、あー、マジ? 」

提督「その代わり誰か連れてけよ。一人ではさすがに行かせられない」

江風「や、江風そンなガキじゃないけど」

提督「違う。お互いに監視し合うって名目を守る振りとこっちからの連絡を確実にする為だ」

江風「あ、そういう」

提督「まぁ、お前が外で問題起こしても困るのは大体俺だけだ、楽しんでこいよ」

江風「いや、そンなこと言われたら楽しむもンも楽しめないじゃン……」


< 行かねばならぬ戦いがここにはある >






愛宕「一応確認ね、外出初めてでしょ? 」

江風「うン」

愛宕「住所とか連絡先を書かないと駄目なところではこの連絡先を書くこと」

江風「ほーい。……北海道? 」

愛宕「私設私書箱。そこからあの人の実家に纏めて転送されてここに送ってもらうことになってるから」

江風「ひえー……滅茶苦茶回りくどいンだな」

愛宕「それくらいしか軍を誤魔化しつつ普通の戸籍が無いのをどうにかする方法が、ね」

江風「なンという……しかも偽名か」

愛宕「身分証無くさないでよ? これは一応軍がつくったもので本物なんだから。
名前は限りなく偽名に近い本名みたいなものね」

江風「へぇ……」

愛宕「あと間違ってもローカル局の取材だとかカメラの見切りだとかーー」






漣「ここまでして食べに行かなきゃいけないラーメンなんてあるんですかね……」


< 役得 >






明石「あれ、でも江風さん野球はいいんですか、野球」

江風「や、別に観ないと死ぬわけでもないし……ちょっと外出たくなっちゃったンだよ」

明石「はぁ」

江風「ま、姉貴とかと四人で行ってくるし、そっちの方が単純に楽しみなンだよ」

明石「あれ、叢雲さんとかも? 」

江風「そ、なンだかンだ付き合いいいよな」

明石「ですね。……ん? 」






叢雲「まぁ、ここ小高い丘だし坂降りるの面倒だからありがたいといえばありがたいけど」

海風「……単に明石さんが車乗りたいだけなんじゃ」


< 負荷にもならない >






提督「ふぅ……お前相変わらず軽いな」

愛宕「適度に運動してるもの」

提督「はーん? 」

愛宕「訓練のことだけどね」

提督「……俺も同じメニューこなせればいいんだが」

愛宕「私は毎回ランニングして筋トレするのなんて嫌ねぇ」

提督「俺だってそこまでトレーニング自体は好きでもないが」

愛宕「……ね」

提督「ん? ……汗臭いぞ、今」


< 才能が無いのは諦めた方がいい >






高雄「三月二十一日の誕生色はペールオーキッド。
色言葉は“ 天賦の才 ”、“ 神秘的 ”、そして“ 無関係 ”」

Littorio「Romaは」

高雄「ええ」

Littorio「あのままの子なのです」

高雄「あのまま? 」

Littorio「他人に厳しく、自分にはさらに厳しい」

高雄「あぁ」

Littorio「でもそれは自分に自信が無いから。Littorioとは別の方向に逃げているの」

高雄「……」

Littorio「……と、いうのは前置きで」

高雄「……はい」

Littorio「…………お部屋の片付けはどうすれば上手くなるのかしら。
Romaがいたときはなんとかなっていたのだけれど」

高雄「は? 」


< 臭いは兎も角感覚はね…… >






愛宕「高雄ー、歯ブラシのストック切れたー」

高雄「そう。確か倉庫にまだあったはず」

愛宕「あ、じゃあまだ大丈夫ね」

高雄「丁度用が……箒を取ってくるから私が一緒に取っておくわ」

愛宕「ん、ありがと」

高雄「お構いなく」

明石「というかなんでこの時間? もう昼食後の歯磨きでもないですし三時のおやつには早いような」

愛宕「えー、それは、ほら」

明石「? 」

愛宕「……喉に絡まっちゃったのよねー。そのままだと気分が悪いでしょう? 」

明石「は、はぁ……? 」


< ばったり >






加賀「……あら」

あきつ丸「……久方振りでありますな」

加賀「そうね」

あきつ丸「……」

加賀「……」

あきつ丸「……ココアとはまた可愛らしいチョイス」

加賀「麻雀で負けたのよ。飲むのは漣」

あきつ丸「あの加賀をパシリ扱いでありますか」

加賀「次は勝ちます」

あきつ丸「はぁ」

加賀「……あなたもしていく? 」

あきつ丸「まさか。……いつかできるといいでありますなぁ」


< カルーアのように甘い判断が、いつか >






提督「今日のカクテルは……何がいい? 」

あきつ丸「勝手に好きなものを飲んでいればよろしい。……随分と勝手なことを」

提督「悪いな。……つーか偶然にしてもこっちに来てたってのが凄い」

あきつ丸「連れ立って街に繰り出す海軍最高機密を見たときは本当に驚いたであります」

提督「告げ口するかい? 報告面倒だろ」

あきつ丸「…………任務外でありましたし、今回は許しましょう。今回だけ」

提督「さんきゅ」


< 積むのならいっそ買わない方が >






漣「ふふふふふふふふ……」

明石「何気持ち悪い笑い声出してるんですかね……」

漣「あと三日、あと三日ですよぉ」

明石「あぁダクソ……よかったですね」

漣「え? 」

明石「はい? 」

漣「……買わないんですか? 」

明石「あまりにもゲームばっかしてると研究が進まないんで今回は見送りです」

漣「えぇ……心折れたクソニートになりましょうよー」

明石「それじゃあゲームも無理じゃないですかね……私も遊びたいですけど」


< そこまでいけるなら苦労はしない >






提督「で、どうする? 寄ってく? 」

あきつ丸「……これを」

提督「真顔スルー。……んー? 」

あきつ丸「呉の大将閣下からの書状であります。確かに渡しましたからな」

提督「おう。……呉? 」

あきつ丸「呉ですが」

提督「むっちゃん元気だった? 」

あきつ丸「陸奥のことでありますか? 相変わらずでありましたよ」

提督「ふーん。なるほどね」

あきつ丸「……何か? 」

提督「いや、単純に興味。好きな子の健康が知りたかっただけ」

あきつ丸「……如何に提督殿でもあの女は」

提督「いや、別にヤろうってわけじゃないし。いつかはまぁ酒くらい楽しんで飲みたいなって」

あきつ丸「はぁ。……………………そんな飲み方ができるならベッドまで持ち込めているでしょうな」

提督「ん? 」

あきつ丸「いえ。……では自分は横須賀に戻らねばなりませんので」

提督「ばーい。気を付けてね」


ありがとうございました


< 各自で楽しむ人たち >






高雄「三月二十二日の誕生色はディープモーべット。
色言葉は“ 品格 ”、“ 控えめ ”、そして“ デリケート ”」

愛宕「……控えめってなんだっけ? 」

高雄「……」





提督「ほーら、四球だぞ四球」

雲龍「別に一勝くらい構わないし……アウト」

江風「一緒に楽しンでくれる人がいるのはいいンだけどさぁ」

海風「どうして反時計回りなの? 時計回りの方が分かりやすくない? 」

加賀「テレビを観ていると茶請けの減りが早いわね」

瑞穂「カステラ切ってきました」

明石「三時のおやつはー、にはまだ早いですね」

叢雲「馬鹿ばっか」

漣「駄洒落? 駄洒落かな叢雲ちゃーん」

Littorio「…………Zzz」

高雄「Littorio、顔に跡が……ま、時々ならいいでしょう、こういうのも」

愛宕「食堂にわざわざ集まって騒ぐのが? これ絶対そのまま宴会パターンで片付け面倒なやつじゃない」

高雄「…………」


< 本当に興味が無い人たち >






愛宕「まぁ、いいけど……あら」

高雄「? あぁ」

愛宕「相手に鳥海くんいるじゃない」

高雄「そうね」

愛宕「……聴いてた? 私真面目に観てなかったから」

高雄「“ ちょうかい ”なのか“ とりみ ”なのか? 」

愛宕「そ」

高雄「……次いつ回ってきそうかしら」

愛宕「さぁ? ……読みかけの本でも取ってくるわ」

高雄「あ、では私も……」






提督「あれ、俺が持ってきたえび煎……」

加賀「なにか? 」

提督「……この回終わったらなんか持ってこよ」


< 後ろめたさならエッセンスにもなろうが >






提督「今日のカクテルは白い恋人」

Littorio「ふーん? Littorio、知っていますよ、その名前」

提督「そう? その菓子つくってるメーカーとか札幌のバーが関係してるカクテルだよ」

Littorio「……名前の通り、甘いですね」

提督「記念カクテルできついってのもな。一応ベースはウォッカだけど」

Littorio「……白い、というのは何かLittorioに」

提督「無い。本当に偶然だから。なんとなく野球観てて北海道っぽいもの、って思っただけ」

Littorio「…………」

提督「…………」

Littorio「…………やはりコンプレックスはあるものなんでしょうか」

提督「さぁね。完全に否定はできないけど……それだけだよ。
俺コンプレックスがある相手と寝たりは絶対にできないから」」

Littorio「そう。……後ろめたさとは似て非なるものですものね」


< 北海道代表負けたしね、自棄酒的な >






天城「……つらいです」

雲龍「何時間飲んでいたのよ」

天城「……」

雲龍「……あなたはまともなのに」

明石「いやぁ、最初からセーブしてましたし。いい加減ゲロ女の汚名は」

雲龍「返上できるわけないでしょう」

明石「デスヨネー」

天城「……雲龍姉様、お願いします」

雲龍「仕方ないわね。……腕は外さないこと」

天城「はい」

雲龍「ん」

明石「お姫様抱っこって……」

雲龍「あなたもしてほしい? 」

明石「や、結構です。…………雲龍さんあの人いなかったらお姉さまとか言われてましたよね、絶対」


< バトフロ >






漣「なんだ、なんだこのアプデ」

明石「ナイン・ナンて」

漣「……ナイン・ナンはあれでしょ、ミレニアムファルコン乗ってた」

明石「や、それは分かりますけどね、それならランドさんでしょ」

漣「まぁ」

明石「……」

漣「……」

明石「……で、ルーク」

漣「やっぱ辻斬りですよねー」


(バトフロユーザーこの辺にいるんですかね……? )

ありがとうございました


< 対価には何を? >







高雄「三月二十三日の誕生色は江戸紫。色言葉は“ 安定 ”、“ 洗練 ”、そして“ 芸術的才能 ”」

Littorio「提督は何か得意なものが? 」

高雄「……本人は自分の唯一の欠点が芸術的才能だと言っていましたよ」

Littorio「歌は下手というわけでもありませんでしたが」

高雄「絵は壊滅的らしいわね。落書き一つ見せてくれたことも無いわ」

Littorio「徹底しているのね」

高雄「ま、見たければそのうち麻雀かカードで賭けでもすれば」

Littorio「……あの人がそこまでして隠したいものを暴くというのは中々」

高雄「そうよね。……それだけに物凄く気になるけれど」


< 外は暖かくなっても心は >







提督「今日のカクテルはビッグ・アップル。
スクリュードライバーのオレンジをアップルにしたやつだな」

明石「……ねぇ、提督」

提督「うん? 」

明石「最近私と遊んでないです、はい」

提督「……」

明石「……」

提督「……こういうとき何て言えば女の子は嬉しいの? 」

明石「何も。……私は黙って抱き締めてくれれば」


< お風呂での出来事 >







高雄「ひっ」

愛宕「あらあら……お姉さんここ弱い? 」

高雄「…………」

愛宕「なぁに? ひゃっ」

高雄「……あなたでもここは同じね」

愛宕「そりゃあ……」

高雄「…………」

愛宕「…………」

高雄「…………二人で指を這わせ合うなんて」

愛宕「アブノーマル? おかしい? 」

高雄「寂しいことね」

愛宕「…………」


< あなたに愛を、私に温もりを >






明石「好きです」

提督「……うん」

明石「……」

提督「……」

明石「……あなたをクズだとも思いませんし嫌いになれたらいい、なんて考えられません」

提督「……」

明石「……」

提督「……それは俺にとってあまりにも」

明石「都合のいい女でいいんです、あなただから」

提督「……」

明石「……強いて言うなら、こういうことを言ってあなたを困らせるのが、復讐です。
私の心に棲み着いたことに対しての」

提督「…………そっか」

明石「はい。…………ん」


ありがとうございました


< いつもとは違うあなたをつくりたい >






天城「おはようございます、明石さん」

明石「あ、おはようです」

天城「……今日はポニーテイルですか」

明石「はは……なんか少し違和感あるんですけどね」

天城「お似合いですよ。……それにしても」

明石「はい? 」

天城「まとめ方、上手いですね」

明石「まぁ……私の前に沢山経験あるんでしょうし」

天城「高雄さんや愛宕さん以外に、ですね」

明石「ええ。別にどうでもいいですけどね。……何か手伝いましょうか? 」

天城「ではお味噌汁をよそってお魚のお皿をーー」


< まぁ、それも主観に過ぎないのだが >






高雄「三月二十四日の誕生色はマロー。色言葉は“ 直感的 ”、“ 主観的 ”、そして“ 高尚 ”」

愛宕「高尚? 」

高雄「最近だとむしろ皮肉でしか使われていないような感じかもしれないわね」

愛宕「高尚な趣味、とかそういうの? 」

高雄「ええ。そもそも趣味なんて全て高尚ではないと思うけれど」

愛宕「でも低俗な趣味はあるじゃない? 」

高雄「何かがあってそれの反対が常に無ければならない、なんてナンセンスだと思うわ」

愛宕「ふーん……? 」


< 自分は嫌な思いしてないから >






提督「今日の酒は貴妃ライチだ」

加賀「なんのことはないただの茘枝酒ね」

提督「ま、一応楊貴妃の愛した茘枝を、ってウリにしてるってことで」

加賀「……確かに他の茘枝酒よりも少しとろみがある気もするけれど」

提督「あぁ。ミルク割でそれも分かりにくいかもしれないな」

加賀「楊貴妃は茘枝が若さと美肌を保つと考えていたみたいね」

提督「想像だけどな。……まぁ、彼女じゃなくてもお前らを知ったら死ぬ気で解剖くらいはするかもしれない」

加賀「自分がなろうとはしないくせに」

提督「そりゃあそうだろうよ。……次ロックにする? 」

加賀「ええ」


< 那珂が……仲がいいからこその >






雲龍「那珂の進水日ね」

瑞穂「そうでしたっけ」

雲龍「あれは面白い子だったわ」

瑞穂「はぁ」

雲龍「あの姉妹の中で一番重要と言っても過言じゃないわね」

瑞穂「そうなんですか? 」

雲龍「ええ、最重要人物よ」

瑞穂「……次に会うときまでよく覚えておきますね」





天城「……単に神通さんにはくだらないことを頼みにくくて川内さんはつかまえにくかっただけでは」


< 最後の一つ >






加賀「なに? 」

提督「なんだろうね」

加賀「……欲しいの? 」

提督「分かるだろう? 」

加賀「……」

提督「……」

加賀「……」

提督「……そのオレンジ寄越せよ」

加賀「イヤ」



< 目的とかおまけとか些末なこと >






提督「オレンジ一つ程度でだな」

加賀「それはあなたも同じね」

提督「……寄越せよ」

加賀「奪ってみなさんっ、……よ」

提督「ん……オレンジってより荔枝の味だな」

加賀「酒の味の方が強いもの。……私の部屋にオレンジがあったわね」

提督「ふーん? 」

加賀「今ならわたしがカットしてあげるわ、お詫びに」

提督「詫びなんていらねぇけどな。オレンジは欲しいし……十四代でいい? 」

加賀「構わないけれど、オレンジと日本酒? 」

提督「それが目的じゃないからな、なんでもいいんだよ」

加賀「オレンジが? 日本酒が? 」

提督「さぁ……? 」


ありがとうございました


< あなたを朝見送ることが >






加賀「どうぞ」

提督「んー? オレンジか、さんきゅ」

加賀「結局昨日は食べなかったから」

提督「……」

加賀「……」

提督「……日本酒にオレンジは合わないみたいな話したけどさ」

加賀「ええ」

提督「あったかい緑茶にも合わなくない? 蜜柑じゃねぇんだぞ」

加賀「そうかしら」

提督「違わない? 」

加賀「……それが、主目的ではないから、いいのよ」

提督「ふーん? 」


< もういっそ生足で >






愛宕「あら……ここ伝線してる」

高雄「薄いデニールだから仕方ないわね」

愛宕「納得いかなーい。別に変な動きしてないし引っ掛けたりしてないのに」

高雄「ということはつまりあなたがそう、大きくなったという」

愛宕「……」

高雄「……」

愛宕「……トレンカにすればいいの? 」

高雄「……それはあなたの足が太くなっていた場合根本的には変わらないのでは」


< いつか翔び立つ日まで >






加賀「提督」

提督「ん? 」

加賀「無理にここに置いて下さらなくて構わないんですよ、私は」

提督「……真面目な話? 」

加賀「それなりには」

提督「……」

加賀「……ここに過剰戦力を置くメリットが帝都には全く」

提督「まぁ、待て。……帝都が積極的にはこの戦争に勝とうとしていないように見えるのはお前も同じだよな? 」

加賀「はい」

提督「……そういうことだよ。他の泊地や基地からは要請がいったりしてるみたいだけどな。横須賀とか呉は黙りさ」

加賀「……」

提督「……もちろん俺が許可を出せばお前も前線に立てるよ?
そこには赤城もいないしそれどころか神経を磨り減らすだけだが」

加賀「…………」

提督「…………もう少し休んでようぜ。お前は十分働いたよ」


< 朝から酔える幸せを >






高雄「三月二十五日の誕生色はワインレッド。
色言葉は“ 個性 ”、“ 自信 ”、そして“ 主役の風格 ”」

明石「やっぱ赤ってことなんでしょうか」

高雄「でしょうかね」

叢雲「アカっていったら社会主義か共産主義じゃないの? 」

明石「いやいやいや……」

高雄「確かにそちらの方が一般的な気も」

叢雲「そうよね」

明石「そんなわけありますか。どう考えても戦隊モノの赤の方がメジャーでしょう」

叢雲「でもそれ男の子だけじゃない? 女はそういうのは」

明石「それなら女の子が何故アカに精通していると言えるかですねーー」






提督「これだろ」

高雄「赤玉スイートワインのカクテルですか」

叢雲「あんたならそう……っていうかどさくさ紛れに午前中から酒飲むんじゃないわよ馬鹿」


< 寒空が妙に暖かい夜に >






あきつ丸「醜い嫉妬をいくら積み重ねても、か」

龍田「どうしたの? 」

あきつ丸「……忍者か何かなのでありますか」

龍田「私も屋上好きなだけよぉ。というか気配感じたから独りごちたんでしょ。……で? 」

あきつ丸「……死ぬ間際の人間はどうも鋭い言葉を放つ」

龍田「……? 」

あきつ丸「まぁ、人間に限った話でもないが」

龍田「…………つまり慰めてほしいってこと? 」

あきつ丸「……一本付き合ってくれればそれで」

龍田「ん、いいわよ。……火、頂戴? 」



< 面子を争う面子 >






提督「今日の酒はジャポネの〈桜〉。そのうち咲くだろうからこれで」

叢雲「そんなことより意味わかんないんだけど」

提督「ん? だから十日くらい呉に行くんだよ、海風と江風が」

叢雲「……だからそれなんで私と漣じゃないわけ? 」

提督「なんでって言われてもね」

叢雲「あれに呉なんて行かせても」

提督「嬲られて終わるって? 」

叢雲「は? そんなわけないじゃない。仮にも私が基礎から叩き込んで戦場も経験してるのに」

提督「……はぁ? 」

叢雲「あぁん? 仮にもあんたの面子背負って行くんだからあの子たちじゃなくて」

提督「背負って行くのはお前の名前だろうが。だからこれはお前の戦闘以外のだなーー」






愛宕「あれ何やってるの? 」

高雄「さぁ? 遊んでるんじゃないですか、知りませんけど」


< 風が吹く空を見上げて >






あきつ丸「……一度でも」

龍田「んー? 」

あきつ丸「一度でも自分たちが人間に嫉妬しているが故に人間に従っている、と考えたことはあるか」

龍田「……初めて聞いたわ、そんな考え方」

あきつ丸「自分もそうだった、が」

龍田「一理あると思っちゃったのね」

あきつ丸「あぁ。他人の言葉に引き摺られては生きていけない道を選んだはずなのに」

龍田「……憧れるものの近くにいたい、近くにいることによって同化意識を持つ、みたいな? 」

あきつ丸「…………」

龍田「…………」

あきつ丸「…………こういうときあの男なら」

龍田「黙って抱き締めてくれそうね。……いないけれど」


< 救われぬ者にこそ救いを >






龍田「なーんでなのかしらねぇ。私やあなたの方が強い筈なのに」

あきつ丸「あの男は確かに自分の女も守れない程、弱い」

龍田「ええ」

あきつ丸「しかし、救える。それが、それこそが重要だ」

龍田「……」

あきつ丸「守れないが、救える。自分たちにとっては他の人間よりもさらに重要でありますよ、救いとは」

龍田「…………救われないわねぇ」

あきつ丸「まったくもって。…………ス-……ふぅ」

龍田「あらあら……私ももう一本頂戴? 」


ありがとうございました


< 訊ねる間なんて与えない >






Littorio「んー……提督? 」

提督「うん? 」

Littorio「今晩は如何? 」

提督「いいけど……わざわざ言わなくても」

Littorio「言わないと誰かに取られてしまいますからね」

提督「ははは……」

Littorio「ま、今更ですけれど。……白がいいですか? それとも赤? 」

提督「白かな、なんとなく」

Littorio「白ですね……分かりました。それでは」

提督「ん。……………………待てよ? ワインの話だよな、これ。あれ? 」


< 藪から蛇に睨まれた気がしたので >






雲龍「なんだか最近気付けば入浴している気が」

天城「そうですか? 」

雲龍「別に構わないけど。……このお湯もあの人が他の女とヤった垢が溶け出したものなのよね」

天城「……」

雲龍「別にだからどうだというわけでもないけれど……天城? 」

天城「い、いえ、なんでもありませんよ」

雲龍「そう? ……さすがに自分でも気持ち悪い話だと思ったわ、ごめんなさいね」

天城「はぁ。……………………気付かれていて嫌味を言われたのかと」


< なんだかそれはそれで似合っている気もしてしまったり >






高雄「三月二十六日の誕生色はシルバーグリーン。
色言葉は“ 可能性 ”、“ 行動力 ”、そして“ 明哲 ”」

愛宕「可能性といえば」

高雄「ええ」

愛宕「私たちに会う前に叢雲と懇ろになっていた可能性もあるのよね」

高雄「無いとは言えないというか……今でも十分懇ろなような」

愛宕「彼女、所謂改二で劇的に変わったっていうじゃない? 大人っぽくなったみたいな」

高雄「らしいですね」

愛宕「あの人が誰にも頼れないときにあの叢雲がいたら? どうかしら」

高雄「…………あー」

愛宕「ね? 」


< 可愛い嫉妬くらいならば受け止めるから、せめて >






提督「っと、ほい」

高雄「……よろしい」

提督「面倒くせぇなぁ。物資の確認とか猿にもできるだろ」

高雄「本営はあなたを猿並だと思っているのでは? 」

提督「せめて馬並と言ってほしいね。……まぁ、任せてくれるお陰で誤魔化せるんだけどな、色々と」

高雄「暴露ないようにしてくださいよ、特にあきつ丸さんには」

提督「分かってるさ。なんせ横須賀の黄身直属だもんな」

高雄「……それもありますけれど」

提督「うん? 」

高雄「それをネタに何かを要求してくるかもしれませんでしょう? 」

提督「……陸軍として? 」

高雄「女としてかも」

提督「…………俺はむしろあいつに女としての要求くらいしてほしいけどな。さすがにあれは自分を殺し過ぎてるだろう」


< 赤い頬はアルコールの所為だろうか >






提督「今日の酒は? 」

Littorio「最初はモスカート・ローザですね。入りには無難かと」

提督「ふーん? ……香りも舌触りも甘いね」

Littorio「dolcissimo……数ヶ月の陰干しで甘さが凝縮されるのです。甘さの割にアルコールが高いのもポイントでしょうか」

提督「へぇ、気に入ったよ」

Littorio「それは何より」

提督「…………赤ワインか」

Littorio「え? 」

提督「いーえ。……注いでくれるかな、もう一杯」


< 重ねられた手の温かさに酔いつつ >






提督「……赤、か」

Littorio「? 赤はお嫌いでした? 」

提督「いや、何でもない。白と同じくらい好きだよ」

Littorio「そう」

提督「……ほら、朝にさ」

Littorio「ええ」

提督「白と赤どっちが好き? みたいな話したじゃん」

Littorio「……あぁ」

提督「色々想像できるなーと思って。ワインは白じゃなかった」

Littorio「……ちなみにLittorioはあなたの望みに背くことはありませんよ? 」

提督「だろうね。……まぁ、まだ夜は長いし。飲もっか」

Littorio「はい。…………ふふ」


ありがとうございました


君が黄身になってるよ


< 普通に美味しかった >






Littorio「今日はPasqua……イースターなわけです」

提督「そうだね」

Littorio「なので」

提督「なので? 」

Littorio「コロンバ、です。エッグはありませんけれどね」

提督「コロンバ? 」

Littorio「鳩の形をした焼き菓子です。……朝なので少し重いかもしれません」

提督「そんなの気にしないけど。……アーモンドペーストか。美味しいよ」

Littorio「はい。朝から焼き上げた甲斐がありました」

提督「まーじ? 悪いな」

Littorio「いえ……後ろめたかったのもありますから。差し引きではゼロです」

提督「うん? 」

Littorio「他の皆さんはPasquaに興味なんてありませんから昨晩は簡単にあなたを誘えました。……コロンバを二人で食べたのは秘密ですよ? 」

提督「……なるほど」

Littorio「Littorio自身Pasquaに思い入れもありませんしね……あぁ、コーヒーお注ぎします」


< 誰かの幸せを不条理に感じる不幸せをどうか忘れないで >






GZ「兎が卵を産む日、か」

時雨「ん? 」

GZ「いや……復活祭でもここでは静かなものなのだな」

時雨「そうだね。あちらでは違うのかい? 」

GZ「それはもう。子供たちが遊び、大人たちがそれを穏やかに眺める。
朝から数時間の食事をする国もあれば夜になってから家族団欒を過ごす人々もいる」

時雨「そっか。楽しそうだね」

GZ「まぁ、な」

時雨「……? 」

GZ「……なんでもない。Bismarckでも探してくるよ、私は。どうせ復活祭に託けて朝から飲んでいるだろう」

時雨「ふふ、そうかもね。いくら彼女でも止めないといけ」

GZ「こんな日くらいは……朝から飲まなくてはな」

時雨「……え? 」


< 割と世間は興味が無いらしい >






漣「Bloodborneボードゲーム化……? 」

明石「いいんじゃないですか、TRPGみたいで」

漣「これ絶対ユーザーの求めるものできませんって」

江風「つーかそンなのいいから。無事開幕したプロ野球を今年こそ皆でだな」

提督「それより昨日開業した北海道新幹線のだな」

漣「あ、それはいいです」

江風「うン、いいわ」

明石「……」

提督「……本当なんなの」


< 遠く、遠く >






鹿島「はいっ、どうぞ」

龍田「ありがと。……配膳? 」

鹿島「やることがなかったのでお手伝いです」

龍田「ふぅん? お疲れ様」

鹿島「いーえ、誰かの為になるのは嬉しいことですから」

龍田「……そ」






あきつ丸「……で、また屋上に来た、と」

龍田「あれ本気で言ってるみたいなのよねぇ……」

あきつ丸「……そういう存在がいてもおかしくは」

龍田「そうだけど。……眩しくて眩しくて」

あきつ丸「年寄り染みたことを言うでありますな」


< あなたといるから輝ける >






高雄「三月二十七日の誕生色はオパールグリーン。
色言葉は“ 美貌 ”、“ 陶冶 ”、そして“ 自己表現 ”」

提督「ルックスレベル高い人は結構いるけどさ」

高雄「はい」

提督「美貌、って言葉が似合う人ってなると滅多にいないよな」

高雄「言葉の意味としては美しい顔やかたち、という程度の意味なのですけれどね」

提督「印象っていうかさ、うん」

高雄「言いたいことは分かりますよ」

提督「あぁ。……ま、それは身近で見てるからそれが基準になってるのかもな、なんて」


< 芯をつくらない、という信念 >






龍田「信念が強いとあぁも頼もしく見えるのね~ 」

あきつ丸「皮肉にしか聞こえないが」

龍田「三割くらいよ。あとは全部本音」

あきつ丸「……」

龍田「……」

あきつ丸「…………龍田も」

龍田「あら~? 久し振りじゃない? 名前呼んでくれたの」

あきつ丸「…………信念があるように見えるでありますよ」

龍田「うそぉ、私なんか全然よ。流されてるだけ。何か決めてるようでいてぜーんぶ天龍ちゃん任せ」

あきつ丸「…………」

龍田「…………」

あきつ丸「…………」

龍田「……嘘じゃないのよ? 本当でもないけど」


< 男の場合は……なんだ? >






提督「今日のカクテルはインペリアル・フィズ、だ」

雲龍「マゾのMは実はメスのMなのよ」

提督「いやいやいや……なんなのいきなり」

雲龍「“ 楽しい会話 ”」

提督「あん? 」

雲龍「カクテルワード」

提督「マジかよよく知ってんな、じゃなくてさ」

雲龍「ええ」

提督「Mの話が楽しい会話になると思ってんのか? 」

雲龍「なるじゃない。あなたは絡んでくれるもの」

提督「……」

雲龍「照れてる? 」

提督「ちげーよ。どう反応すればいいのか迷ってんの」


>>879
ありがとうございますごめんなさい
誤字脱字、中々減らないんですよね……

ありがとうございました


< 色気なんか無くたって嬉しいもの >






提督「やっぱ耳掻きは昼間にやるものだな。夜は駄目だ」

愛宕「やらしいわねぇ」

提督「や、違うから。単に耳の中見えなくなるって意味だから」

愛宕「まぁ昼日中でもやらしいのは変わらないものね」

提督「そっすね」

愛宕「……ん、いいわよ」

提督「さんきゅ」


< 成した事柄の正邪を判じよう >






明石「私たちが戦わないと人間が生きていけない、かどうかは分かりませんけど文明レベルは確実に落ちるでしょうし」

加賀「私たちは彼らが齎す化石燃料等の資源が必要、と」

明石「さすがに世界中の艦娘だけで採掘から精製までってのは無理ですからね」

加賀「……」

明石「ま、ガチで共依存の関係なわけです」

加賀「そうね」

明石「……ただですね」

加賀「ええ」

明石「よくよく考えれば奴隷制でも復活させちゃえばいいんですよ、何人か有力者を取り立ててみればいいでしょう」

加賀「いいわね」

明石「まぁ、冗談ですけ……いい? 」

加賀「少なくともくだらない争いの幾つかは減って集約されるでしょう? 」

明石「……間違ってもないですけど絶対正しくもないですよね、それ」


< 教養とは何か >






高雄「三月二十八日の誕生色はペールアクア。色言葉は“ 感謝 ”、“ 教養 ”、そして“ 思い遣り ”」

天城「どこをおねだりするんですか? 」

雲龍「え? 」

天城「提督と約束なさったでしょう? 野球で北海道代表がベスト4まで行かなければ、という」

雲龍「あぁ、賭博」

江風「…………」

天城「……わざわざ言い換えたのですけれど」

雲龍「言葉は正しく使うものよ。……考えてなかったわ」

天城「どうせなら高雄さんたちが行ったことのない場所でも探ってみてはどうでしょう」

雲龍「…………」

天城「…………」

雲龍「…………河川敷の橋の下とか? 」

天城「」

高雄「…………無いですけどね、確かに」



< 可も無く不可も無くな感じ >






提督「今日のカクテルはドクペサワー、だ」

漣「お、雑ゥー! 」

提督「もうなんか色々面倒なんだよ……察っせ」

漣「仕ッ方ないですねー、まったくこれだからご主人様は」

提督「へいへい」

漣「……マジ? 」

提督「マジマジ。なんか泥酔して電柱に頭ぶつけてテンション下がったような気分」

漣「やけに具体的な……いい子いい子してあげましょうか? 」

提督「本気で虚しくなるからやめろ。……別の慰め方されてくるから、じゃ」

漣「はいはーい」


< こんな夜も許してほしい >






金剛「眠いデース」

霧島「眠ればいいのでは」

金剛「寝たくないデース」

霧島「では眠らなければいいのでは」

金剛「でも眠いデース」

霧島「それならばやはり眠ればいいのでは」

金剛「だから寝たくないんデース」

霧島「……ならば」

金剛「ンー? 」

霧島「私が眠らせて差し上げましょうか? 」

金剛「ね、寝るデース」

霧島「よろしい。……起こすならそこのひえーとかいう寝言の人にすればいいのに」


< 女の生命 >






提督「髪、綺麗だよね」

天城「ありがとうございます。……何人の方にそう言ったか覚えていますか? 」

提督「覚えてるぜ? 」

天城「は、はぁ。そう、ですか」

提督「そりゃ片手には収まらないけどね、俺髪と瞳が魅力的な女の子しか好きになれない病気だから」

天城「その代わり髪と瞳が魅力的な方なら誰でも好きになってしまう病気なのですよね」

提督「よく分かってるじゃん」

天城「……分からされましたから」



< 裏が無いということこそ最凶の >






金剛「……あきつ丸? 」

あきつ丸「ん? ……服や髪に臭いが着く。あまり近寄らない方がいい」

金剛「いつもここにいるデース? 」

あきつ丸「……ま、気が向いたときには」

金剛「…………夜更かしデスネ」

あきつ丸「そちらも」

金剛「my sisterに怒られてしまいましタ」

あきつ丸「……寝ていられるうちに寝た方が賢明だと思うが」

金剛「私は馬鹿なのでno problem」

あきつ丸「…………吸うでありますか? 」

金剛「煙草は嫌いデース。お気持ちだけ」

あきつ丸「…………」

金剛「…………」

あきつ丸「…………貴殿も気持ちが本音に聞こえる女だな、まったく忌々しい」

金剛「ふふーん、それは最高の褒め言葉デース」


< まぁ、全部推測 >






漣「ご主人様って修羅場に巻き込まれたこと沢山ありそうですよね」

愛宕「そう? 」

漣「そう思いません? 」

愛宕「あぁいう人ってね、遊び方も上手いものなのよ」

漣「はぁ」

愛宕「そもそもあのレベルのクズで修羅場なんてやってたら今ごろ針山みたいになってると思わない? 」

漣「あー、確かに」

愛宕「それにきっと私たちに会ってからよ? おかしくなったのって」

漣「でもそれは……や、確かに漣が見ていた感じでは常に一人しか口説いてませんでしたね」

愛宕「ね? 」


< 太陽みたいな女の子がいたら振り向くに決まってる >






提督「いや、こう、なんつーかな。最初は自制してるんだけどいつの間にか」

天城「好きになっている、と」

提督「うん。しかもそれで終わればいいんだけどさ」

天城「相手からも好かれてしまう? 」

提督「はい」

天城「……」

提督「無意識にしちゃってるんだよね、好かれよう好かれようって」

天城「…………食虫植物と向日葵の混合種みたいですね」


< 先、とはいつからか >






加賀「あなたこの先どうするつもり? 」

雲龍「この先? 」

加賀「もし明石の研究が進まなければいつかは提督だけが老いて死ぬ。
それどころか遅くとも数年で別々の場所に配置転換されるのよ? 」

雲龍「……私は明石を信じていますし、明石以外の研究者も」

加賀「私たちを人並の寿命と耐久力にする研究を?
少なくともこの国を含めた保有国は完成させても公にはしないでしょうね」

雲龍「……」

加賀「……覚悟はしておきなさい」

雲龍「そんなことはとうにして」

加賀「今までの世界を敵に回す覚悟をね」

雲龍「…………え? 」


< 屋上ぱーりーないと >






あきつ丸「まったくどうでもいいが」

金剛「ンー? 」

龍田「ええ」

あきつ丸「祖師谷をぞうしがやだと思っていた、最近まで」

龍田「痴漢されそうねぇ」

金剛「いいカモデース」

あきつ丸「……」

龍田「でもあなたもよね? 」

金剛「強気な女程そういうのの獲物になるって聞いたことがありマース」

あきつ丸「…………これはさらにどうでもいいが海軍は暇なのでありますか? 今は一体何時だと」


< そんな顔をさせてしまった自分が嫌になる >






天城「……あなたが一途な、普通の恋愛感覚を持っていたとしたら」

提督「あぁ」

天城「辛かったでしょうね。そんなに完璧な殿方に愛してもらえないなんて」

提督「……」

天城「……」

提督「それは悪いと思……あ? スマホ取ってくれ」

天城「どうぞ」

「あぁぁぁぁぁぁ……! 終電ねぇよ馬鹿ぁぁぁぁぁ……! 」

提督「……ビジネスホテルなりカプセルホテルなりに宿泊することをお勧めいたしますけれど」

「あぁ? ……なに、女といんの? 」

提督「あぁん? 」

「お前が適当な返事返すときは大体そうだろうよ」

提督「はぁ」

「頼む、時刻表見るのかったるいしそもそも終電消えたし代替の移動方法をタクシー以外で探し」

提督「はいはいはい……今時期の関東なら死なねぇだろ。ばーい」

天城「ぁ……」

提督「……」

天城「……大丈夫なんですか? 」

提督「知らねぇよそんなの。女の子といるときに巫山戯た電話してくるやつに慈悲は無い」

天城「…………」

提督「…………」

天城「…………」

提督「…………分かったよ、分かった。まともなプラン提案するからさぁ……そんな顔しないでくれよ」


ありがとうございました


< 腹が立つほど似合うなんて >






山城「…………」

扶桑「山城? 」

山城「……なんでしょう、扶桑姉さま」

扶桑「なんでもないけれど……ずっと黙りしてたから」

山城「……その髪飾り」

扶桑「これ? 提督にいただいたのよ。昨日は小包受け取れなかったからさっき見たの」

山城「でしょうね」

扶桑「? 」

山城「お似合いですから、こと女、というか姉さまの見た目のことに関してはセンスが合うんですよ、あの男と」

扶桑「へぇ? 」

山城「…………本当に似合っていて少しだけ腹が立ちますけれど、ね」


< いつまでも一緒に寝ていられるならそれもいいけれど >






提督「へろー」

天城「へ、へろー」

提督「……なーんで女の子の部屋行くと皆早起きなんだろう」

天城「殿方に寝顔を見られ続けるのはあまり……」

提督「もっと恥ずかしいことを、ってのはまた違うか」

天城「違いますね」

提督「……シャワー借りるよ」

天城「どうぞ、お湯も張っておきましたから」

提督「わーお、至れり尽くせり過ぎてもう……ありがとう」


< まぁ、割とそんなものだよね >






提督「今日はマリモの日でーす」

愛宕「ふーん」

高雄「はぁ」

提督「……興味無い? マリモ」

愛宕「正直別に」

高雄「アイスランドの球状マリモは壊滅的な被害を受けたのですよね、水質汚染で」

提督「そ、アイスランドとかエストニアではもうほぼ見られない。阿寒湖だけなんだぞ」

愛宕「へぇ……」

高雄「……」

提督「…………マリモ育成キットでも買うかな、そのうち」


< 長く見てると愛嬌とか感じてきたりする >






高雄「三月二十九日の誕生色はスプレーグリーン。
色言葉は“ 謙虚 ”、“ 生真面目 ”、そして“ 専門的 ”」

提督「ほらこれ、よくない? 」

高雄「わざわざスマホでマリモって……」

愛宕「うーん……インテリアとしてならお魚とかが欲しいところじゃない? 」

提督「や、あいつら藻なんて食べちゃうからさ」

愛宕「なるほどね」

高雄「……そもそもマリモに何か思い入れでもあるんですか? こんなに食い下がるなんて」

提督「んー? 別に特には。所詮ただの珍しい藻だし富士五湖とか琵琶湖にもいるしな」

愛宕「そうよね」

高雄「…………なんだか私はむしろ可愛らしく、というか可哀想に思えてきましたよ、マリモ」


< 記憶の面白いところかもしれない >






提督「今日の酒はサングリアだ、任せた」

Littorio「殆ど飲んでいませんね」

提督「や、こんな甘いと思ってなくてさ。予想外予想外」

Littorio「見通しが甘いというか……そもそもがかなり甘いものですよね」

提督「久々に飲もうと思ってね……無理だったけど」

Littorio「Littorioもあまり得意な方ではないのですけれどね……あぁ」

提督「うん? 」

Littorio「……こんなに、甘いものでしたっけ? 」

提督「だろ? 」


< 型とかステレオなんてつまらないものだけどね >






高雄「三月三十日の誕生色はパステルブルー。
色言葉は“ トレンド ”、“ 情熱 ”、そして“ 安らぎ ”」

提督「安らぎといえば葛城だが」

天城「はい? 」

雲龍「名前だけね」

天城「まったく雑な……そういえば」

提督「うん? 」

天城「葛城が横須賀に、というお話結局提督から聞いてませんよね、天城たち」

雲龍「ええ」

提督「え? ん、あー……そうだっけ」

天城「別にしっかりと会えましたし構いませんけれどね、一言くらいは言っていただきたかったな、と」

提督「悪い、今度から気を付ける」

天城「お願いしますね。……ずっと想っていたのですから、知らずに沈んでいたらと思うと恐ろしいです」






提督「……やっぱあいつの方が姉っぽくね? 」

雲龍「さぁ? ……棒的な意味なら私が正しく姉だけど」


< 酔い潰すよりも遥かに難しい >






提督「今日のカクテルはキール。カクテルワードは“ 陶酔 ”、だ」

叢雲「一応言葉の意味的には気分良く酔う、なんて意味もあるのよね、陶酔って」

提督「ある意味最高のワード? 」

叢雲「ええ……カシスねぇ、嫌いじゃないけど」

提督「カシスと白ワインなんてすっげぇ女子力高そうだよな、なんとなく一般論的に」

叢雲「そうかもね」

提督「……カシオレとかソーダでも飲む? 」

叢雲「なんでも。……気持ち良く酔わせてくれるなら、ね」


ありがとうございました


< 指標 >






江風「この基地でさ」

海風「なに? 」

江風「相手によって態度が変わらない人選手権をやったとして」

海風「う、うん? 」

江風「やったとして」

海風「……やったとして? 」

江風「絶対に江風は上位だよな」

海風「そう? 」

江風「なンてったってテートクに対して態度が変わらないから」

海風「あぁ……物凄く説得力あるかもそれ」

江風「な? 」


< 割といつもあっという間に >






江風「センバツも今日で終わり」

雲龍「奈良と香川……関東は蚊帳の外ね」

江風「去年は逆に北海道と福井だったし? 」

雲龍「福井は……中部北陸? 」

江風「なンか嶺北と嶺南で違ったりするらしいけどね、江風は知らない」

雲龍「へぇ」

江風「ちなみに優勝した奈良代表は一回戦で福井代表に勝ってたりする」

雲龍「そう」

江風「そうなンだよ」

雲龍「……」

江風「……」

雲龍「……デートはどこねだればいいと思う? 」

江風「知らないよそンなの……江風ならスポーツ観に行かせてもらうけどさ」


< 言われたら普通にヘコむかもしれない >






提督「クソ提督ってあるじゃん」

漣「あー、はいはい、聞いたことありますね、なんとなくどこぞで」

提督「俺はあれ言われたことないしそんな仲でもなかったんだけどさ」

漣「はい」

提督「なんとなくセンコーに近いものを感じるんだよね」

漣「や、そこまで侮辱的な意味とか考えてもいないと思いますけど」

提督「荒れた高校生だってその辺は適当だよ。彼女に対しておい、とか呼ぶくらいの感じ」

漣「ふーん? 」

提督「俺は無いけどね? 俺は」

漣「はぁ。……で? 」

提督「いや、それだけだよ。本当のクソ提督はそう呼ばれないんだなって」

漣「なるほど? ……まぁ、クソってよりクズですしね」


< いっそ感動する程の先回り >






高雄「三月三十一日の誕生色はストロー。色言葉は“ 激励 ”、“ 感動 ”、そして“ 歓喜と悲哀 ”」

提督「まーた……」

愛宕「うん? 」

提督「扶桑から。この前の誕生日のお礼の手紙」

愛宕「あぁ」

提督「……筆字上手いなぁ。字下手な身からすると尊敬できる」

愛宕「通信講座でも初めてみる? 」

提督「それなら筆以外のにするよ、漢検とか」

愛宕「そうねぇ」

提督「英検とか独検の言語系は持ってるし歴史検定とかも面白……あ」

愛宕「北海道関連の検定は通信に無いと思うわよ」

提督「…………」


< 暖かさより身軽さを選んでしまう人だから >






天城「お花見、ですか」

提督「そ、夜桜だけどな。陸軍のやつらからトラックでも借りてちょっと行ってこよう」

天城「いいですね」

提督「三月、っていうか年度の変わり目だしなんかやっとこうかなって」

天城「……いつも何がしかしているような」

提督「や、理由は違うし? ね? 」

天城「もちろん天城も嫌なわけではありませんよ? ……雲龍姉様の上着を用意しておかないと」


< 七不思議の一つにでもしておこう >






江風「へーい、テートクー」

提督「うん? ビールケースは適当に乗っけといてくれ」

江風「ン。……こンなに消費するっておかしいよな」

提督「お前ら酒強いやつばっかだもん」

江風「テートクも」

提督「俺はあくまで人間基準だし。加賀とか化物レベルじゃねぇか」

江風「あれなンなンだろうな……消化が異常に早いとかそンなレベルじゃないけど」


< 結局体質としか >






加賀「アルコールの分解は」

江風「! ……びっくりしたぁ」

加賀「胃と小腸からの吸収後、始まるわ。
だから基本的には誰しも空腹であるより満腹時の方がお酒に強いと言われています」

提督「つまり小腸の方が吸収が早いから早く回って悪酔いするってことで……いや」

加賀「? 」

提督「お前の場合食事量もおかしいからな? しかもちょっと腹に溜まってるからってワクにはならねぇよ」


< 愉快な団欒へようこそ >






提督「えー、花見ですね、はい。もう始めているようですが各自適当に楽しんでください、以上」

明石「相変わらず雑ですねぇ」

提督「酒飲んで美味いもの食う前に面倒なことなんてしてられねぇよ」

明石「そうですけど」

加賀「そういえば一昨日は焼肉の日だったのに」

提督「あん? 」

瑞穂「これだけ並んでいてなお、ですか」

加賀「一昨日食べられたかもしれないことと今のことは別よ」

瑞穂「はぁ」

天城「そう言うと思いまして」

雲龍「七輪とお肉、持ってきましたよ」

海風「塩おにぎりも、です」

加賀「……そう」






提督「なんかもう……俺と加賀はなんもしなくてもいいよな? これ」

明石「……察しが良過ぎるというか加賀さん大好きというか」


< そして誰かを見守ることができるのなら >






天城「櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる」

叢雲「梶井基次郎ね」

天城「はい。……天城たちの死体が埋まっていればそれはそれは綺麗なものが咲きそうです、この桜のように」

叢雲「笑えない冗談ね」

天城「冗談というか……叢雲さんは知っていますか? 天城たちが死ぬとどうなるか」

叢雲「……朽ちて土に還って終わりじゃないの? 」

天城「それを見たことがあるとでも? 」

叢雲「……今のところ地上で死ねた艦娘はいないからだれも知らないわね、そんなこと」

天城「でしょう? ……だから、せめて化け物の身体から解放された後は、桜の色付きになれたら、なんて」

叢雲「…………」

天城「…………」

叢雲「…………鉄分の摂り過ぎはよくないと思うわ、植物でも人でも」

天城「そうですね。……ふふ、ビール? それとも日本酒にしますか? 」


< あなたに幸せであって欲しいというエゴすらも >






龍田「そうねぇ、くだらない話といえば」

山城「突然、なによ」

龍田「何もかも上手くいって周りから称賛されつつ海軍の箱庭を出て扶桑と外で生活できるとしたら」

山城「はっ、周りから称賛? 本当にくだらない戯れ言ね」

龍田「そう言ったわ。……何をしたいとかってあるかしら」

山城「……分かってて訊いてる? 」

龍田「さぁ? 」

山城「じゃああなたはどうなのよ、天龍と外で暮らせるなら」

龍田「分かってて訊いてる? 私のこともう少し知ってるでしょう? 」

山城「……所詮似た者同士、同族嫌悪ってことよ。鏡としてしか知らないわ」

龍田「ふーん? 結局あなたも一緒にいられればなんでもいいってこと? …………たとえ相手が不幸のどん底だとしても」


< 眼光って割と大事 >






江風「ビール、ビールを持ってこーい」

愛宕「んー……ビールケースは? 」

雲龍「空になってしまったからあの人と高雄が取りに行ったわ。二十分は前に」

愛宕「あ、そう……」

雲龍「ええ」

愛宕「……」

雲龍「……」

江風「ンっ、ビール、ビーひいっ」

海風「……今のは江風が悪いと思うよ、どう考えても」


< 反応してしまう、サガ >






提督「今日の酒は……ま、考えるまでもなくビールだな。次点で日本酒」

高雄「そうですね」

提督「高雄たちは品が無いとか思わないのか? 結構ビールとか日本酒って女の子避けたりするんだけど」

高雄「私は特には。……そういう女はお嫌い? 」

提督「いーや? 品が無いとも思わないし……それにさ」

高雄「はい」

提督「下品、って言われる酒もファッションも仮に苦手だとしてもね、まぁ、その……少なからずクるんだよ、男としては」

高雄「……なるほど」


< 一方櫻の樹の下では >






雲龍「誰が運転するの? 」

天城「ぁ」

加賀「……誰かが体内の回復機能を励起させてアルコールを消化するとか」

江風「江風は嫌だぜ? 折角いい酔い方してンのに」

明石「というか提督以外で免許持ってるの私だけですし……この際無免ですけど誰か運転できます?」

Littorio「Littorioは彼らを待つべきかと」

江風「でももうよくない? 結構経ったけどテートクたち戻ってこないし江風たちにまともな法律が適用されるとも思わないし」

天城「それは……」

漣「ですねー、正直寒くなってきましたしお風呂入りたいですしテレビはリアタイで観る派ですし」

雲龍「……どう? 」

愛宕「私に決めさせないでよ……馬鹿じゃないんだからそのうち戻ってくるでしょ。
お酒もまだあるし私はまだ飲んでいたい気分です」

明石「……トラックは最悪提督が陸軍の人呼べばいいですしね。落ちる評判も既にありません」

加賀「……そうしましょうか? 」

叢雲「いいと思うわ。……決定権強いのが上から二人いないと辛いわね」


< あなたの胸に縋らせてほしい、優しいキスをもらいたい、それから >






高雄「少し、寒くなってきましたね」

提督「ん? ほら」

高雄「……ありがとう」

提督「いーえ」

高雄「あなたが風邪を引けばそれだけ軍や国に迷惑がかかるのに」

提督「それは高雄の心配することじゃない。高雄が何か言われる筋合いも無い」

高雄「……」

提督「でもお前が風邪を引いたらおれが心配する」

高雄「…………あなたの匂いがします」

提督「嫌? 」

高雄「……整髪料とお酒と煙草と、時々ペンやオイル、髪の匂い、それから女の、他の女の匂い」

提督「……嫌? 」

高雄「…………少しだけ」

提督「…………」

高雄「…………」

提督「…………今なら何言われても受け入れちゃいそうだよ。どうする? 」

高雄「…………それならーー」


ありがとうございました


< 盛り上がりそうでそうでもないイベント >






提督「エイプリルフールっすね」

漣「そっすね」

提督「なんか嘘ある? 」

漣「実は僕明石さんの隠し子なんすよ」

提督「髪色しか無いじゃないっすか」

漣「そんなこと言われても……あなたはどーなんですあなたは」

提督「俺? ……実は俺もう籍入れてるんだよね」

漣「誰と? 」

提督「地元の子」

漣「へぇ……なんかリアルだし瑞穂さんくらいなら騙せそうですね」

提督「リアルとか言うなよ馬鹿」


< 嘘ならばどんなにか >






雲龍「これから辛い時期ね」

Littorio「? 」

明石「梅雨が来て台風が来て蒸し暑さが来て酷暑がきて残暑が来て」

雲龍「油断するとパスタに黴が生えたりするわよ」

Littorio「え……」

明石「あとブラが蒸れて酷かったり」

雲龍「この世のものとは思えない日が続くわね」

Littorio「……あっ、今日はエイプリルフールでしたね、そういえば、ええ」

明石「…………」

雲龍「…………」


< 集中力が云々は負け >






加賀「…………っ」






雲龍「外したわね」

天城「一応一の黒に当ててますけど」

雲龍「加賀さんにとっては違うんでしょ、あれは思ったところに行かなかった反応」

天城「はぁ、的中制でいいと思いますけれどね、敵にだって基本的に当てればいいわけですし」

雲龍「でも戦場だとそのまま矢を当てる、なんてことはまずないじゃない」

天城「む……」

雲龍「……」

天城「……的場の隅っこで覗くのやめません? 今明らかにこっち睨んでましたよ」

雲龍「……そうね」


< 道着とか着てもあんまり…… >






高雄「四月一日の誕生色は薄桜。色言葉は“ 洗練 ”、“ 友人 ”、そして“ 微笑み ”」

明石「提督にコスプレしてもらえるなら? 」

雲龍「ええ、私たちの方はたまに求められることあるけれど逆は無いじゃない」

明石「それファッションジャンルって意味ではないんですよね」

雲龍「そうね」

明石「……コスプレ」

雲龍「コスプレ」

明石「…………高雄さんはあります? 」

高雄「バニーにしろと言われたので戯れに燕尾服を、と言ったら本当に着てきたことなら」

明石「はぁ」

高雄「そもそも軍服からしてコスプレのような気もしますし」

雲龍「確かに。……やはりスキモノの上官が一番現実的かしら」

明石「……現実的? 」


< 蛙の姉は蛙 >






鈴谷「そーいや最近山城不幸不幸言わないね」

扶桑「え……? 」

時雨「え……? 」

鈴谷「え? 」

扶桑「……四月馬鹿、というやつね? 」

鈴谷「や、割と本音っていうか普通にそう思ったんだけど」

扶桑「……言うわよ? 今日の朝マルナナサンマル頃だとか昨日のフタフタマルサン頃だとかそれから」

時雨「僕も昨日の朝頃聞いたはずだよ」

鈴谷「そ、そうなんだ」

扶桑「ええ」

時雨「あぁ」

鈴谷「知らなかったなー。あ、でもさーー」






鈴谷「…………やっぱあの姉妹おかしいよ絶対、おかしいの鈴谷じゃないって」

あきつ丸「……それを自分に言われましても」


< これ、としか >






提督「今日のカクテルはネグローニ。ま、メジャーなカクテルだな」

Littorio「そう、でしょうか」

提督「少なくともこの国ではそこそこ」

Littorio「祖国のカクテルですのにね」

提督「意外なところで意外なものが求められるものだよ」

Littorio「……以外なものといえば」

提督「あぁ」

Littorio「どこぞの国の艦娘は喫煙者が殆どを占めているとかいないとか」

提督「へぇ? 」

Littorio「戦闘よりも哨戒が多いので海上で嗜める数少ない娯楽なんだとか」

提督「なるほどね。……これとかやればいいのに、飽きるかな? 」

Littorio「これ? 」

提督「これ」

Littorio「……両人差し指を突き出して何をするんですか? 」

提督「なんというかゲームなんだけどね……名前何ていうのかなこれ」


< たまには待たせてみたいもの >






提督「今日はあれか、全国で入社式とかやってたのか」

愛宕「そうねぇ……行ったことないけど」

提督「俺も無いぞ」

愛宕「……私これ既卒扱いなのかしら、それとも中卒? 義務教育すら無し? 」

提督「え、いやどうかな……帝都が一番やりそうなのは海軍三校のどれか卒業扱いな気がするけど」

愛宕「あぁ、海経とかありそうね」

提督「つーか就職しなくていいだろ? 」

愛宕「面白そうじゃない? 折角外に出るなら色々行ってみたいわ」

提督「そんなものかな」

愛宕「そんなものなのよ。……少しくらい妬いたり不安になってほしいしね」


< 人の心が読める、なんて勇気のいること >






雲龍「結局エイプリルフールでもなんでもイベントごとなんてカップルがイチャつく道具よね」

天城「さすがにそれは捻くれ過ぎでは」

雲龍「そう思うわ、自分でも」

天城「自覚あるんですね」

雲龍「さすがにね。……それで思ったのだけれど」

明石「はい」

雲龍「結構前にネタで処女かどうか分かる眼鏡、なんてつくっていたじゃない」

明石「あぁ。あれは単に顔を認識するだけで私が知ってる限りのを適当に割り振っただけの玩具ですけどね」

雲龍「あれどうせなら好感度にすればもっと面白いと思わない? 」

明石「……仮にやるなら数値は雲龍さんが決めてくださいね」

雲龍「嫌よそんなの」

明石「私だって嫌ですよ……自分のだけ高めにしちゃいそうですし」


ありがとうございました


< 相手が相手だからこそ言えるけれど >






高雄「四月二日の誕生色はシェルピンク。色言葉は“ 詩的情緒 ”、“ 頭脳明晰 ”、そして“ 純粋 ”」

Littorio「詩的情緒? 」

高雄「私も意味はよく分からないわ」

Littorio「……言わんとするところは分かるような気もしますけれど」

高雄「たとえば? 」

Littorio「心に残るような風景だとかでは? 」

高雄「あぁ」

Littorio「あとは」

高雄「あとは? 」

Littorio「事後、とか」

高雄「……自意識過剰、ではないわね。私も正直絵にはなると思うわ」


< 旅行気分、ってわけにもいかないが >






江風「呉ェ? 」

提督「そ、来週からな」

江風「随分突然な話だな」

提督「まぁね。たぶん十日くらいだから」

海風「……よかった、帰って来れるんですね」

提督「帰るっていうかまぁ、そうかな」

海風「海風の帰るところは提督のいるところですから」

提督「……そうか」

江風「我が姉ながら重いぜ姉貴、ってのは置いとくとしてもいいのか? 配置転換」

提督「お前が心配することじゃないさ」

江風「そうだけど……江風が心配なのはテートクのことだよ」


< それから少しして >






提督「俺もお前ら手放したくないってことだよ」

江風「あン? 」

提督「こんなにさ、俺と気が合う子ばっかなのって割とマジに奇跡だと思うんだよね」

江風「……それ姉貴に言ってやりなよ。喜ぶぜ」

提督「言えると思うか? 」

江風「言えるだろ? テートクなら」

提督「……本当にそれ言えるだけじゃねぇかそれ」


< そもそも娯楽なんて概念あるんだろうか >






漣「深海の方で捕虜にされたらさ」

叢雲「捕虜なんて取らないと思うけど、なに? 」

漣「やっぱりエロいことされるのかな? エロ同人みたいに」

叢雲「……そんなことより艤装外されて嬲られる方が現実的でしょ」

漣「や、だからその嬲るってのが性的拷問かもしれないじゃん? 」

叢雲「じゃあ雲龍でも偵察に行かせればいいのかしら? 」

漣「まぁ、あの人だけダメージ低いかもね……』


< 実際割と童顔だったりするんだけどね >






江風「ルックスと表面的な性格だけ見たら一番家事出来なさそうなのって愛宕さンだよな」

愛宕「そんなこと言われてもね」

江風「納得いかねぇ、なンで江風は、江風は」

海風「正直運だよね、憑子がなんなのかは知らないけど」

明石「憑くモノだって艦の魂、なんていいますけど実際は人々の怨念だとか無念だとか、
もしくは行き過ぎた美化だとか理想の意識ですもんね」

愛宕「そこはせめて八百万的なモノとか付喪神的なモノって言ってほしかったなぁ」

明石「ま、それも間違ってませんよ、たぶん。実際のところはよく分かりませんから」

海風「難しいですよね、その辺の線引きは」

明石「しなくてもいいですしね……私以外は」

愛宕「大変ねぇ」

明石「好きでしてますしね。この意志が艦に引っ張られてるとしたらどうしようもありませんけど」

海風「あ、でも江風? 」

江風「ン? 」

海風「愛宕さんも海風もそれから努力したから今があるのは本当だよ?
運に上乗せされてるから才能があるんだからね? 」

江風「わーってるよ姉貴。……分かってるンだよ、江風が一番、さ」


< これさえあれば幸福なモノ >






愛宕「愛、っていうのはあれだから……無いわね」

高雄「同じく。何か一つの物に執着した覚えがありません」

雲龍「元々物なんて割とどうでも」

天城「一番好きなのは日本酒ですけど選べませんね」

Littorio「さすがにピザやワインだけでは生きていけません」

漣「ネットだけあってもたぶんつまんないですよね」






加賀「……食べ物、では駄目? 」


< 過去を愛で、今を楽しみ、そして >






提督「今日のカクテルはオリンピック。カクテルワードは“ 待ち焦がれた再会 ”」

叢雲「ふーん? 」

提督「あぁ」

叢雲「……今だから言うけど」

提督「うん? 」

叢雲「あんたとまた会えるとは思ってなかったわ。
悪くない関係だと思ってたけどあれから全然会えなかったし」

提督「手紙と誕生日欠かさなかったのなんて叢雲だけなんだけどな」

叢雲「冷たいのね」

提督「知ってるだろ? 」

叢雲「ええ」

提督「……ま、正直俺も期待はしてなかった」

叢雲「本当に? 」

提督「本当に。……たぶんね」

叢雲「そ」

提督「…………まだお前に司令官って呼んでもらえる男でよかったよ、掛け値無しに」

叢雲「…………私もまだそう呼ばせてもらえて嬉しいわよ、司令官」


ありがとうございました


< 素敵なパーティーにも段取りがある >







高雄「四月三日の誕生色はフクシャピンク。
色言葉は“ 思い遣り ”、“ 無邪気 ”、そして“ 想像力 ”」

愛宕「そういえばあの人は夕立が実は色々考えてるって言ってたけど実際どうなの? 」

江風「あぁ、無邪気のワードで……どうかな」

海風「江風よりは考えてるんじゃない? 」

江風「は? 」

海風「うん? 」

江風「……まぁ、正直江風もそンな気がしてきたけどさ」

海風「冗談なんだけど……そう? 」

江風「本能だけであの戦闘力とか逆にヤバいだろ……頭の回転が早いからであってほしい」

海風「……そうだね」


< それは言わない約束 >






提督「今日は神武天皇祭の日なわけだが」

江風「はぁ」

加賀「隼鷹にとってはいいお酒の理由ね」

江風「え、なンで? 」

提督「橿原丸って知らない? 」

江風「橿原丸級貨客船の橿原丸だろ? 飛鷹型二番艦隼鷹の前の名前」

加賀「そう。橿原は神武が橿原の宮で即位したという由緒ある場所なのよ。つまり皇紀始まりの地ね」

江風「あぁ、そういう」

提督「まぁ、今日は崩御なさった日なんだけどな……あいつにはそんなこと関係無いし」

加賀「いつでも飲んでるものね」

江風「ははは……あれ、でもそれなら別にいい理由も何も無いンじゃ」


< 大人になんて何故なってしまったのか >







提督「今日のカクテルは抹茶ミルク。甘いな」

明石「甘いですねー」

提督「……これスーパーとかで大体売ってるんだけどさ」

明石「はい」

提督「何故か居酒屋とかではあんまり置いてないんだよな、なんでだろう」

明石「なんででしょうね。女性とか結構頼みそうですけど」

提督「別に保管とかも面倒そうじゃないしな。カルーアみたいなもんだし」

明石「というかカルーアってそんなに頼むものなんです? ここだとそんなに皆さん飲みませんけど」

提督「女の子はカシスとかピーチフィズとか飲むし……男が飲む方が多いかも」

明石「なるほど? 」

提督「しょっぱいつまみ頼みまくったときとかのクールダウンみたいな? まぁ、俺の周りの印象だけど」

明石「へぇ……周り? 」

提督「……地元とか海兵の同期とか。最近は飲んでないけど」

明石「やっぱり帰りたくなるものですか? そういうの」

提督「当然。お前がこれから佐世保配属になってここから離れたら分かるよ」


ありがとうございました


< 楽しい我が家 >






漣「あーん、おいしーですよー」

提督「じゃねぇよ馬鹿。トーストまるまるとか嫌がらせか。味どころじゃねぇよ」

漣「えー」

提督「えー、じゃねぇよ」

漣「全くご主人様は仕方ないなぁ。こんな美少女があーんしてるのに」

提督「仕方なくないから」

愛宕「あーん」

提督「ほらこういうのが愛のあるあー……ピーナッツクリームだけとか悪ノリやめろ。
味どころじゃないってそういうことじゃねぇよ」


< どちらにせよ情緒なんて >






高雄「四月四日の誕生色はディープオーキッドピンク。
色言葉は“ 情緒 ”、“ 目標 ”、そして“ 社交的 ”」

Littorio「あなたも愛宕も」

高雄「? 」

Littorio「指輪、指には嵌めませんよね」

高雄「いつか本当に彼が選んだものを戴く、そういう約束をしたのよ」

Littorio「それは、素敵ね」

高雄「ええ。……明石さんには悪いけれどこれに特に思い入れは無いの」

Littorio「ふーん? 」

高雄「結局これは想いの増幅装置でしょう? その為に感情を煽りやすい形状をしているだけ」

Littorio「……」

高雄「……そう思うようにしていたら本当にそう思うようになってしまったのよね」

Littorio「え? 」

高雄「私も愛宕も指輪は増産されると思っていたのよ。だから他の人にも与えられる覚悟が必要だった」

Littorio「あぁ」

高雄「でも何故かされなくて。……というか帝都がストップをかけたらしいわ」

Littorio「……」

高雄「……自国の軍事力が強くなり過ぎることを避ける。愉快な話よね」

Littorio「……祖国が知れば恨まれること間違い無し、ですね」


< ツッコミ切れない >






加賀「あんぱんの日なのよ、今日は」

天城「はぁ」

雲龍「あんぱんってあれでしょう? シンナー」

天城「いやいやいや……」

加賀「……あれ美味しいのかしら」

雲龍「え……」

天城「美味しいというか……味覚ではないと思いますけれど」

加賀「試す気は無いわ。……ハーブだとか麻薬も代謝を異常励起させられる私たちなら余裕よね」

雲龍「確かにそうですね……あれ? それならキメセクを」

天城「いやいやいや……」


< 藪から大蛇 >






漣「え、そんなの知らないけど」

江風「やっぱりかぁ」

漣「こういうときは……叢雲たーん」

叢雲「……なによ」

漣「キーマカレーのキーマってなに? 」

叢雲「知らないけど」

漣「えっ」

江風「えっ、マジかよ」

叢雲「ふざけた呼び方した挙句勝手に落胆ね。……司令官? 」

提督「なんだ」

叢雲「最近陣形訓練などしか行っていませんでしたね。そろそろ実弾訓練、具申致します」

提督「いいぞ」

叢雲「ありがとう。……三十分後、ドックに集合ね、海風も。呉行く前に色々確認しといてあげる」

海風「えっ」

漣「」

江風「」

海風「…………なにこの理不尽過ぎるとばっちり」


< 誕生日だとネタにされそうではある >






漣「そんなのあるか知らないけどオカマの日だよね」

叢雲「? ……あぁ、三月三日と五月五日の間だから」

漣「そ、適当な話だけど」

叢雲「……一応世間的には似たような理由でトランスジェンダーの日だったりするみたいだけど」

漣「駄目駄目、そういうのは。笑い話とか冗談にできないもん」

叢雲「まぁ、確かに面倒な話ではあるわね」

漣「うん」

叢雲「……で? 準備は終わった?」

漣「準備より覚悟が……や、終わりましたけれどもー」


< 自嘲か冷笑か、それとも >






龍田「横須賀鎮守府所属人型艦船軽巡洋艦クラス天龍型二番艦龍田改、だって」

あきつ丸「ん? 」

龍田「こーれ」

あきつ丸「…………士官から士官への報告書ではないか」

龍田「廊下でその人にもらったの。いらないから破棄してきてって」

あきつ丸「……それはつまり中身を見ずに破棄せよ、という意味だと思うが」

龍田「そんなこと言われなかったし」

あきつ丸「…………」

龍田「改、ってところが最高に兵器って感じよね~ 」

あきつ丸「…………そう、でありますね」


< 国民性って割と馬鹿にできない >






提督「今日のカクテルはウイスキー・サイドカー、だ」

Littorio「ん……飲みやすいです」

提督「癖のあるやつは使ってないしな」

Littorio「まるでここの面子とは真逆ですね」

提督「そうだな」

Littorio「コアントローと言えば」

提督「うん? 」

Littorio「どうもフランス女とは合いませんでしたね、ドイツ女の方がまだ」

提督「……そう? 」

Littorio「違う? 」

提督「……まぁ、俺はドイツの知り合いの方が多いから贔屓になっちゃうし」

Littorio「合う合わないなんて贔屓と同じでしょう。……コアントローでしたよね? 」

提督「あぁ。ホワイトキュラソーのときは大体これだよ、俺」


< 二人になれるところへ >






明石「あの、お時間いただけますか? 」

提督「んー……」

明石「んー? 」

提督「酒飲んだ? 」

明石「いえ、先程までお風呂だったのでまだですけど」

提督「……」

明石「? 」

提督「……よし、運転は任せた」

明石「へ? 」

提督「十五分後、基地正門な。キーはこれ」

明石「は? 」

提督「俺は煙草でもゆっくり吸ってるから。……問題無いよな? 」

明石「無いですけど」

提督「ん、じゃあ頼むな」

明石「はぁ。…………はぁ? 」


< 絡みウーロン茶 >






龍田「結局信頼とか裏切りなんてつまらないものよねぇ~ 」

あきつ丸「……肯定も否定もできないであります」

龍田「好きな人がやったことを自分の正義に照らして公正に糾弾できる? 」

あきつ丸「……そうせねば」

龍田「そりゃあね? でも好きになるってそういうこと。私を縛って盲目にして足枷を嵌めてしまうもの」

あきつ丸「……」

龍田「そういう意味で、誰かを信頼したり好きになるって負けよね」

あきつ丸「……それが強みになることもあろう」

龍田「そうね、そう。それも信頼や裏切りと同じ。なんだって二元論の世界に落ちちゃう」

あきつ丸「……その中間は」

龍田「無いのよ、そんなもの。あるのはプラスとマイナス、それから全く無関係の何か」

あきつ丸「…………」

龍田「…………」

あきつ丸「…………で、何が言いたいでありますか」

龍田「甘いこと、理想的なことを吐けるような存在でありたかったなって」

あきつ丸「…………意味が分からない。脈絡はしっかりしてほしいものだ」

龍田「いいのよそれで。賢しらに語って愚痴りたいだけだし」


< あなたがいれば行き先なんて >






提督「灰皿の飴はご自由に」

明石「はーい。……どこまで? 」

提督「お前が行きたいとこ。行き先はドライバーに任せる主義なんで」

明石「はぁ……ま、とりあえず出しますか」

提督「ん」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………帰らなくてもいいようにしてきたから」

明石「! 」


< まぁ、結局やりたかっただけだけど >






愛宕「で、どうして麻雀? 」

高雄「一番ギスギスするので」

愛宕「うん? 」

高雄「本音で、語れるでしょう? あの人もいませんしストレス解消にいいかと」

愛宕「……なるほど。溜め込んだものを、ってやつ」

加賀「刺身、盛ってきたわ」

漣「わーお、きっれーい」

叢雲「……なんだか負けた気分ね、というか負けた」

愛宕「鰹のたたき……」

江風「おっさンかよ」

愛宕「うん? 」

江風「ンー? 」

瑞穂「……無理にギスギスさせる必要は無いような」


<Love looks not with the eyes but with the mind >






明石「あなたは私を手放せませんよね」

提督「そうだな」

明石「使い勝手がいいですから」

提督「あん? 」

明石「帝都への鬼札。好きなときにヤれますしね」

提督「……運転中でよかったな、明石」

明石「殴りますか? 殴れませんよね、あなたには」

提督「……」

明石「私の心はその程度じゃ離れませんけど……あなたからすればリスクはリスクですから」

提督「…………離れたいわけ? 俺から」

明石「別に。本当のことです」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………何? 言いたいことって結構ガチなやつ? 寂しかったとかじゃなくて」

明石「…………よく分かりましたね」

提督「恋は目ではなく」

明石「心で見るもの。……『ロミオとジュリエット』にしては薹が立ち過ぎてますが」


< 愛というのは確認作業の多いもの >






明石「…………ねぇ、__さん」

提督「ん? 」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………なに? 」

明石「……………………私たち、やっぱり人間じゃなかったかもしれません」

提督「あん? 」

明石「なんとなく、掴めてきた気がします」

提督「……そっか」

明石「……どう思いますか? 」

提督「明石がそう結論したならそうなんだろう。それ以外は特には」

明石「はぁ」

提督「お前が仮に塩基配列からして違う化物だって今更言われたとしても見る目なんて変わらないよ」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………そう、ですか」

提督「あぁ」


< ある始まりという何かの終わり >






明石「……妊娠とはつまり子を成すことで、子を成すということは殖やす、ということです」

提督「あぁ」

明石「説明は今度基地でするとして。私はそういうアプローチを続けていました」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………」

明石「…………まだ子供をつくる、というのはなんとなくの道筋しかつけられていませんけど」

提督「あぁ」

明石「同じ存在の複製、なら可能になってしまうかもしれません」

提督「……クローン? 」

明石「いえ、クローンはその時点での存在を複製するものです。
今のあなたのクローンはあなたと同じだけの寿命しか持たない」

提督「テロメアとかの話かな。 ……お前らには寿命が無いからそれには当てはまらないって意味? 」

明石「それもありますが……端的に言えば今の私を複製すると私がこの世界に顕れたときの私が生まれるんです」

提督「……は? 」

明石「私とあなたが出会う以前の私がこの世界に無数に顕れるかもしれない、ということですよ」

提督「…………」

明石「…………」

提督「…………頭おかしくなりそう」

明石「私もです」


キャラ表は了解です
画像はちょっと自分には荷が重いのでなんとも言えませんけど

ありがとうございました

今更だけどこの世界線では一つの艦につき艦娘は一人だけなんだっけ?
つまりこの鎮守府以外に高翌雄や愛宕はいない、だったものがコピー出来るようになるかもってことか?


< 信頼しているからこその >







提督「いってらー」

江風「雑だなぁ……滅茶苦茶堅苦しくても嫌だけどさ」

海風「それでは海風、行って参ります」

提督「ん、まぁ気負い過ぎんなよ」

江風「これ渡せばいいンだな? 」

提督「あぁ。大将閣下によろしく」

江風「ン、江風に万事任せときな。呉での印象もばっちりにしとくぜ」

海風「……海風がいるのでご安心を」

江風「どーいう意味ですかー、おねーちゃン? 」

海風「そういう意味だよ。……海風がいなくても体調に気を付けてくださいね? 」

提督「母親かよ……分かってる。海風たちもな」


< ツーカーとかニコイチとか >







高雄「四月五日の誕生色は青藤色。色言葉は“ 情熱 ”、“ 洗練 ”、そして“ 人付き合い ”」

明石「江風ちゃんたち大丈夫ですかねー」

愛宕「大丈夫でしょ。特に不安も無いわ」

高雄「あれでやることはやれる子ですから。海風さんもいますし」

明石「あぁ、やっぱりそういう評価なんですね」

愛宕「評価っていうか……二人でいるからこそ、みたいな? 」

高雄「海風さんだけではそこまで安心していられませんね。
彼女たちが二人でいるからこそ良さが出るのです」

明石「なるほど? …………ここにも母親ですか」



< 堕とした代償、堕とされた罪 >






提督「今日のカクテルはノックアウト。カクテルワードは“ 悩殺 ”」

高雄「ん……」

提督「どうした? 」

高雄「……? 」

提督「スリット、いいね」

高雄「…………あなたが遠くに行ってしまいそうな気がして」

提督「んー……? 」

高雄「……それに、時々着てあげないと」

提督「そうだね」

高雄「…………お酒、まだ欲しいですか? 」

提督「…………」

高雄「んっ……手、冷たいです」

提督「ボトルの所為だな。……高雄が暖めてよ」

高雄「…………喜んで」



< 誕生日、あと何度共に >







高雄「ん……」

提督「鳥海にはどうしたの? 」

高雄「……っ、あの子の、好きそうなものを」

提督「ふーん? そう」

高雄「……、ぁ」

提督「……再来週は期待しても、いいかな」

高雄「ど、うでしょうね。……あなたの、甲斐性次第、でしょうか」

提督「…………今晩で、足りるかな」

高雄「満たして、ください。……私も、期待してますから」


>>986
そんな感じです

次の

【艦これ】提督「高雄と愛宕と、俺」
【艦これ】提督「高雄と愛宕と、俺」 - SSまとめ速報
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次の方でもよろしくお願いします

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