堀「なぁ鹿島、鹿島って艦隊を擬人化したキャラクター知ってるか?」 (30)

鹿島「えっ、そんなキャラいるんですか? 何の作品のキャラですか?」

堀「『艦隊これくしょん』ってゲームのキャラなんだけどよ……」

鹿島「うーん……御子柴から聞いたことあるようなないような……そのキャラがどうしたんですか?」

堀「実はな、そいつをお前に見てもらいたくてな……」

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堀「これがそのキャラなんだけどよ……」

鹿島(堀先輩よりかっこいい人かな)

鹿島「どれどれ……」

鹿島「……!! 女の子なんですか!?」

堀「ああ……」

鹿島「すごい可愛いですね!!」

鹿島「……っは!!」

鹿島(そうか、堀先輩はヒロイン志望……もしかしてこの子に憧れて……)

鹿島「先輩!! 私、今度銀髪のスリーサイドアップのカツラあげます!!」

堀「いらねえよ」

鹿島「それにしても可愛いですねこの子!!」

堀「……いや、けど演劇向けの顔じゃねえな」

鹿島「そういう視点で見てたんですか!?」

堀「やっぱりヒーローは鹿島、お前しかいねぇ」

鹿島「あ、ありがとうございます!!」

堀「それよりも鹿島、大事なのはこいつの顔じゃねえ」

鹿島「えっ……も、もしかして胸ですか?」

堀「いや、違う」

鹿島(なんだろう……あっ!! まさか……)

堀「こいつ……すげぇ綺麗な足してやがる」

鹿島(やっぱり!!)

堀「まあ足もそうなんだけどよ……俺が言いたいのはそこじゃねえ」

鹿島「え?」

堀「いいか鹿島、俺は『鹿島』という単語を聞くと真っ先に思い浮かぶのは『鹿島遊』なんだ」

鹿島「私も『堀』で堀先輩思い出しますよ!!」

堀「俺のことはどうでもいいんだよ……とにかく話を聞け」

鹿島「は、はい……」

堀「俺は『鹿島』で『鹿島遊』を思い浮かべるが……周りはちげーんだ」

鹿島「……?」

堀「実はな……」

回想・学校内

堀「……」スタスタ

「この間の鹿島が……」

「やっぱり鹿島は……」

堀(流石うちの鹿島だ、みんな鹿島の話ばかりしてやがる)

「鹿島さんが……」

堀(『さん』……?)

「可愛いよねー鹿島さん」

堀(『可愛い』……?)

堀「なぁお前ら、何の話してんだよ」

同級生「あ、堀ちゃん。 艦これの話だよ」

堀「『艦これ』……? 何だそりゃ」

同級生「艦娘っていう艦隊を擬人化したキャラが……」ペラペラ

堀「あぁ……なるほどな」

堀「みんなその話ばっかしてるけどよ……そんなに流行ってんのか?」

同級生「勿論!! 堀ちゃんは?」

堀「俺はやってねぇよ……つーか俺はまだ18じゃねえからアカウント作れねえよ」

同級生「真面目だなー堀ちゃん」

堀「そうだ、もう一つ気になることがあるんだけどよ」

同級生「何?」

堀「なんでそのゲームで鹿島の名前が出てくるんだ?」

同級生「ああ、それはね……」

堀「なるほどな……鹿島っつー艦隊があったわけだ」

「鹿島さんが……」

堀「ん?」

「鹿島さんの……」

堀「……」

鹿島さん……鹿島さん……鹿島さん……鹿島さん……

堀「……」

部活中

堀「おい、鹿島のやつはまだ来てねえのか」

同級生「やだなー堀ちゃん。 二次元の人が現実にいるわけがないじゃないか」

堀「は? 何言ってんだお前?」

同級生「……あ!! ごめん、鹿島くんのことか。 てっきり艦これの鹿島さんかと……」

同級生「あー俺もそう思ったわー」

同級生「私もー」

堀「……てめえら」

同級生「??」

堀「なんで『鹿島』でうちの鹿島が真っ先に浮かばねえんだああああああ!!!」

回想終了

堀「つーことがあったんだ」

堀「俺は怒りのあまり学年でアンケートをとった……『鹿島』で誰を思い浮かべるかをな……」

鹿島「アンケートとったんですか!?」

堀「結果は……満場一致で艦これの鹿島だ」

鹿島「ま、満場一致……すごいですね」

堀「……俺はそれが許せねえ」

鹿島「?」

堀「なんでうちの鹿島の方がイケメンなのに真っ先にうちの鹿島が浮かばねぇんだよ!!」

鹿島「ほ、堀先輩!! 気持ちは嬉しいけど落ち着いてください!!」

堀「なんでだよ……確かにこの女は美人だけどよ……」

堀「それを差し置いてもうちの鹿島のイケメンっぷりには参るだろうがよ!!」

御子柴「……何やってんだお前ら?」

鹿島「あ、御子柴! 実は堀先輩が暴れてて……」

御子柴「……」

堀「だいたいどいつもこいつも艦これ艦これってなぁ……美男より美女かよ……三次元より二次元かよ……」ブツブツ

御子柴「ほ、堀先輩!! あそこに美脚の人が!!」

堀「!!」ピタッ

御子柴「す、すいません嘘です……こう言えば大人しくなると思って……」

堀「お、おう……悪いな迷惑かけちまって」

鹿島「なんでこの方法を真っ先に思いつかなかったんだろう……つまり私よりも御子柴の方が堀先輩を理解しているということに……」ガクッ

御子柴「お前は何落ち込んでんだよ」

鹿島「……ってわけなんだ」

御子柴「なるほどな……」

堀「御子柴、お前は『艦これ』知ってんのか?」

御子柴「は、はい……名前ぐらいは」

御子柴(本当は艦娘の名前全員言えるぐらい好きだけどな)

堀「お前はこの現状をどう思う? 『鹿島遊』より『鹿島(艦これ)』の方が人気のあるこの現状を」

御子柴「やっぱり……可愛いからじゃないすかね?」

堀「……つまりアレか? 鹿島の顔は二次元の美人に劣るってことか? 男も女も魅了できねえってことか?」

御子柴「いや、そこまでは言ってないっすよ!!?」

堀「そ、そうか……悪い」

鹿島「あの……堀先輩、私は全然気にしてないですよ?」

堀「お前がどう思ってるかどうかなんて関係ねぇ、俺はお前が一番じゃないのが納得言ってないだけだ」

御子柴(本当鹿島好きだなこの人……悪魔で顔だけなんだとは思うけどよ)

鹿島「だ、だったら私だって納得言ってないです!!」

堀「……何にだよ?」

鹿島「堀先輩が未だにヒロイン役になれないことです!!」

堀「誰がなるかぁ!!」グリグリグリグリ

鹿島「いてててて!!!」

御子柴「あの……俺、用事(という名のギャルゲー)があるんすけど……」

堀「おおそうか……じゃあ御子柴、帰る前にこれだけは聞かせてくれ」

御子柴「……なんすか?」

堀「お前は……どっちの『鹿島』の味方だ?」

御子柴「!!!」

御子柴「お、俺は……」

御子柴(普通に考えたら『鹿島遊』って言いてえところだけどよ……)

御子柴(あっちの『鹿島』……モロ俺の好みなんだよ!!)

御子柴(くそ、両方とも裏切ることなんてできねぇ……)

御子柴(くそ……俺はどっちを選べば……)

御子柴「……」ボーッ

鹿島「御子柴、上の空ですよ」

堀「な、なんか悪いな御子柴……帰っていいぞ」

堀「くそ……どうすればあいつらは鹿島に振り向く?」

鹿島「……へー。 今調べたんですけどこのゲームって女の子の服脱げるんですね」

堀「!!!」

堀(まさか……人気の理由はそこか!? それが武器か!?)

堀「……鹿島」

鹿島「なんですか?」

堀「……こりゃ艦これの魅力について徹底的に調べる必要がある」

鹿島「へ?」

堀「もしかしたら『鹿島』で艦これの方を思い浮かぶのは……作品自体に秘密があるかもしれねえ」

堀「隅から隅まで分析して……お前を勝たせてやる!!」

鹿島「は、はい!!」

鹿島(別に私、勝負する気はまるでないんだけどなぁ……)

堀「サービス開始は2013年か……」

鹿島「ブラウザゲームなんですね」

堀「女は全員艦娘って呼ばれてんのか……」

堀「!!!!」

鹿島「ど、どうしたんですか先輩!?」

堀「こ、こいつを見ろ……このゲームに登場するキャラの一覧だ」

鹿島「えーと……」

鹿島「……!!!!」

鹿島「め、めちゃくちゃ多いじゃないですか!!」

堀「ああ……すげぇ数だ」

堀「なるほど……そういうことか」

鹿島「ど、どういうことですか?」

堀「この豊富なキャラの多さが人気のある理由の一つってことだ」

鹿島「そっか……キャラが多いってことはいろんなタイプの女の子がいるってことだから……」

堀「そうだ、様々なタイプを好んでる層がこのゲームに興味を示すってわけだ」

鹿島「みんな可愛いですねー」

堀「……ん?」

鹿島「どうしたんですか?」

堀「……なぁ鹿島、このキャラ見てくれ……」

鹿島「? どの子ですか?」

堀「このキャラ……あいつに似てねぇか?」

鹿島「……!! こ、これって……」

鹿島「どう見ても千代ちゃん!!」

堀「髪の色、髪型がモロ佐倉だ」

鹿島「もしかして……千代ちゃんは今までこの子のコスプレをしてたのかな?」

堀「いや、それはねぇだろ……単なる偶然じゃねえのか?」

鹿島「……あっ!! サンプルボイスありますよ!! 聴いてみましょう!! 声も似てたりして!!」

堀「流石に声までは似てねぇだろ」ポチッ

『Guten Morgen!!』

鹿島・堀「!!!??」

堀「すげえな……佐倉そのまんまじゃねえか」

鹿島「……」

鹿島(こんなに偶然にも似るはずがない……)

鹿島(ということは……)








鹿島(野崎はプリンツ・オイゲンが好き!!)

鹿島(千代ちゃんは野崎に振り向いてもらうためにあんなに再現をしてたんだ!!)

鹿島(野崎が艦これが好きそうなイメージは全くないけど……千代ちゃんがあの姿ならそう思わざるを得ないよね!!)

鹿島(千代ちゃんが軍服着れば野崎は興奮間違いないよ!!)

鹿島(……そうだ!! 先輩、今度演劇に使うやつ、千代ちゃんに貸してあげよう!!)

堀「おい鹿島、急にニヤニヤしてどうした」

鹿島「な、なんでもないです!!」

堀「なるほど……秘書艦っつーシステムもあんのか」

鹿島「時間を教えてくれるんですね!!」

堀「……よし。 鹿島、お前も時報やってみろ」

鹿島「ええっ!? なんでですか!?」

堀「二次元の時報よりもお前の時報の方が魅力があるってことをこの目で確かめるためだ」

鹿島「よ、よく分からないけど……やってみます」

鹿島「……コホン!!」

堀「……」

鹿島「……おはよう提督さん」

鹿島「……眠い?」

鹿島「……分かった、寝てていいよ」

鹿島「だって……君の寝顔がまた見れるんだからね……その寝顔は僕だけのものだよ……僕だけのお姫様」

堀「こりゃもう艦娘じゃなくて王子だな」

その後も二人は艦これについて調べた。キャラだけでなくゲーム自体にも魅力があるということ、アニメ化されたこと、コスプレイヤーも多いこと……

堀「さて……艦これについて色々調べた……」

堀「どうやったら学校のやつらに『鹿島=お前』を定着させるかだが……」

鹿島「わ、分かりました?」

堀「……」

鹿島「……?」

堀「……分からねえ」

鹿島「えっ」

堀「こんなにもイケメンなのにお前が負ける理由が分からねえ!!」

鹿島「……」

鹿島「……というわけで堀先輩にはとりあえず演技力を向上しろって言われたんだー」

御子柴「関係あんのかそれ!?」

鹿島「……あっ、そうだ!! 私今日は千代ちゃんに渡す物があったんだ!!」ダッ

御子柴「お、おい!! 待てよ!!」

鹿島「千代ちゃーん!!」

佐倉「あ! 鹿島くん!!」

鹿島「これあげる!! これ着たら野崎、喜ぶと思うよ!!」

佐倉「ええっ!? の、野崎くんが!?」

御子柴「なんの服だよ?」

鹿島「千代ちゃんにとっても欲しくてたまらなかったもの!!」

佐倉「私が? なんだろう……」ゴソゴソ

佐倉「……ぐ、軍服!?」

鹿島「うん! これでオイゲンの再現度100%!!」

佐倉「お、おいげん???」

御子柴「いや、確かに佐倉は似てるけどよ……」

堀「おい鹿島!! 部活始まるぞ!!」

鹿島「ごめん!! もう行かなきゃ!! じゃあね!!」ダッ

御子柴「忙しいやつだな……」

佐倉「みこりん……これってどういうこと?」

御子柴「俺にも分からねえ……」

野崎の家

野崎「……」スラスラ

佐倉「ね、ねえ野崎くん」

野崎「なんだ?」

佐倉「野崎くんって……軍服好き?」

野崎「軍服……? いや、別に好きじゃいが……」

佐倉「そ、そうだよね……」

佐倉(鹿島くん、やっぱり何か勘違いしてるよね……)

野崎「……ん? そのでかい袋はなんだ?」

佐倉「!! な、なんでもないよ!!」

野崎「そ、そうか……」

野崎「……」

野崎(チラッとだが……軍服と思われるものが見えた……)

野崎(……!!)

野崎(ま、まさか……)

佐倉『セ、セーラー服は恥ずかしくて着れない……だからいろんな服を着て克服するよ!!』

佐倉『だから最初は……軍服からでいいかな?』










野崎(……だとしたら俺は佐倉の思いを踏みにじったことになるのか?)

野崎(……)

野崎「……佐倉!!」

佐倉「!!」

野崎「俺は軍服が好きだ!!」

佐倉「着ます!!」

次の日

佐倉「ありがとう鹿島くん!! 野崎くん凄い喜んでたよ!!」

鹿島「本当!? よかったね千代ちゃん!! じゃあ次は連装砲だね!!」

佐倉「!!!?」










野崎「軍服を着るキャラなんて『恋しよっ』には登場しないんだが……この写真、どうしようか……」

〜終わり〜

あらやだ、艦隊じゃなくて戦艦だわ

×艦隊
×戦艦
○練習巡洋艦

いや戦艦鹿島もあるにはあるけど艦娘化は(ry

なんだ掘先輩が良く分かってないから艦隊って言ってるのかと
乙。面白かった。千代ゲンちゃん可愛い!

>>27指摘ありがとうございます、恥ずかしい……

>>28すいません、そういうことでお願いします……

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