【安価】ホワイト・ダンガンロンパ (388)


・SS初心者ですが頑張ります。
・ダンガンロンパのネタバレがあります。

才能を16人分募集します。
才能は一人いくつあげても構いません。その中から自分が選びます。

とりあえず15時まで募集します。16人分そろわなかったら再び募集することになると思います。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451884716


パン屋
軍師
和菓子職人
吹奏楽部
バトミントン選手
弓道部
囲碁棋士
司書
時計職人
情報屋
忍者
声優
歌人
投資家
(一部才能の名前が変更になってます)

とりあえず14人分採用しました。

残り2人分募集します。

催眠術師
不運

2人分採用しました。

次に主人公を決めたいと思います。
主人公にしたい才能を一つ選んで下さい。下5までで最も得票数が多い才能を主人公にします。(同票の場合はコンマの合計が高い方)


すいません、遅くなりましたが、再開します。

主人公の才能は【超高校級の司書】に決まりました。

次は主人公の名前と性別、そして性格のキーワードを決めます。

名前と性別、キーワードをそれぞれ一つずつ書いて下さい。

名前と性別は↓5までの中から>>1が決め、キーワードは↓3までの三つを採用します。


昨夜は再開しますといいながら、諸事情で全然進められなくてすいません。

主人公のキーワードについてですが、色々考えましたが安価にはなるべく従っていきたいので下3のままでいきます。

【超高校級の司書】 棚田 結(タナダ ユイ) 女
キーワード
《卑屈》…常にいじけていて、自分のことをダメな人間だと決めつけている。
《成人の余裕》…とある事情から既に成人を迎えているので、一歩引いた目線で物事を見ることが出来る。
《全身の傷跡》…服の下は傷跡だらけだで、ろくに手当をされてこなかったようだ。

以上が主人公の設定になります。
次はパン屋の設定を決めます。
主人公の時と同じように、下5までで名前と性別、下3までのキーワードを採用します。

では、お願いします。

主人公で難しい安価を採用するにはそれなりの技術と経験を要するから、昨日の人たちも言ってたけれど大変だと思うし、人離れやエタる原因だからやめて欲しいけれど、頑張れ
小麦 練都(こむぎ ねると)男
自覚のない天然タラし

御茶ノ水 幽火 女
ゲテモノ好き

天然なのか意識的なのかで矛盾が出た‥


【超高校級のパン屋】 山川 米花(ヤマカワ ベイカ) 男
キーワード
《おっぱいに貴賤無し》…その大小に関わらず、全ての女性の胸部を愛する男。
《無自覚の女タラシ》…自覚はないが、普段の変態的な態度からは予想もつかないような格好いい一面を見せることがある。
《ゲテモノ好き》…普通の人なら食べることを躊躇してしまうような物を好む。

今回は予定通り下3にしましたが、皆さんの意見をもっともだと思いましたので、次の安価からはキーワードについても下5までの中から>>1が三つ選ぶこととします。

次は軍師の設定をお願いします。

水戸 孔明(みと こうめい)
男 ちょっとドジ

沢辺 弘次郎(さわべ こうじろう)
チャラ男(根は真面目だが敵を油断させるためにカムフラージュしてる)

茅ヶ崎 弘大(ちがさき こうだい)

ノリがいい


【超高校級の軍師】 時雨 冬也(シグレ トウヤ) 男
キーワード
《ちょっとドジ》…基本的には有能だが、たまにどうしようもないミスを犯す。
《優れた技術と洞察力》…あらゆる場面で冷静に物事を観察し、様々な技術で適切な対処ができる。
《明るくフレンドリー》…誰とでも仲良くなれるような性格で、多くの人に好まれるタイプ。

以上が軍師の設定になります。

次は和菓子職人の設定をお願いします。

道明寺 櫻子 (どうみょうじ さくらこ)女
クーデレ

安藤 夏(あんどう なつ)

帰国子女

糸尾 菓子(ぃとお かし)

おかん

鰍沢 清姫 (カジカザワ キヨヒメ)

偏執的


【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ) 女
キーワード
《エロいことばかり考える》…清純そうに見えて内心ではHな事に興味津々なお年頃。むっつりスケベ。
《クーデレ》…普段はクールな態度だが好意的な相手にはデレデレする。
《帰国子女》…幼い頃は海外で暮らしていた。そのため洋菓子にも精通している。

次は吹奏楽部の設定をお願いします。

音峰 弓弦(おとみね ゆづる)

努力の天才

峯岸 歌音(みねぎし かのん)

王子様のような容姿と性格

山葉 寅雄 (ヤマハ トラオ)

超論理


【超高校級の吹奏楽部】 音峰 弓弦(オトミネ ユヅル) 男
キーワード
《努力の天才》…才能に驕らず、人並みならぬ努力をし続けている。
《共感覚》…音を別の五感でも感じることの出来る能力がある。
《楽器フェチ》…楽器を愛するあまり異様な執着を見せる。

次はバドミントン選手の設定をお願いします。

首斬 アリス (くびきり ありす)女
ネガティブ

轟 飛鳥(とどろき あすか)
男 野生児

足利 麻由里(あしかが まゆり)女
ヤンデレ


【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ) 女
キーワード
《野生児》…人間社会の常識に囚われない野生動物のような性格。
《危ない性癖》…常人には考えられないような、ある行為に性的興奮を覚える。
《サイコパス》…良心や道徳心といったものが欠如していて、自己の利益のためなら平気で悪事を働く。

バドミントンってこんなに物騒な競技だっけか…

次は弓道部の設定をお願いします。

明日野 瑠奈(あすの るな)

異性が近づくと意識してきつく当たってしまう

文月 いろは
女 卓越した集中力

水無月 神奈(みなづき かんな)女
困ってる人はどんな人でも放っておけない


【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ) 女
キーワード
《文武両道》…弓道の腕前は勿論のこと、勉学においても優秀な成績を残している。
《同姓にモテる》…凜とした佇まいから、女性に好意を抱かれることが多い。
《異性にきつい》…異性を意識してしまうと、素直になれず態度がキツくなってしまう。

次は囲碁棋士の設定をお願いします。

軌道 駆馬(きどう かるま)

クールなリーダー気質

二宮 歩詰 (にのみや ほづみ)男
清廉潔白

千島 直樹(ちしま なおき)

頭はいいが抜けている(サンタを信じたり、食べてすぐ寝たら豚になるって本気で心配したり)


【超高校級の囲碁棋士】 千島 直樹(チシマ ナオキ) 男
キーワード
《清廉潔白》…心が清く、私欲や後ろめたいことがない性格。
《先見の明》…常に先の事を考え、事が起きる前に見抜くことができる。
《頭は良いが抜けている》…どこか抜けているような所があり、非常識な一面をもっている。


次は時計職人の設定をお願いします。

朔・D・黒野(さく・でぃおげねす・くろの)女
オヤジ臭い

時事 正丸(じじ せいまる)

見た目はショタ


【超高校級の時計職人】 時事 正丸(じじ せいまる) 男
キーワード
《見た目はショタ》…高校生にはとても見えない幼い身体。
《超せっかち》…時間にうるさく、思いたったらすぐに行動しないと気が済まないたち。
《笑みがラスボス》…笑った顔は可愛いだけではなく、謎の威圧感がある。

次は情報屋の設定をお願いします。

反町 止(そりまち とまる)
男 面倒くさがり屋

桃園 陽菜(ももぞの はるな)女
ドS

御手洗 純みたらい じゅんや
男 ダークヒーロー


【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ) 女
キーワード
《面倒くさがり屋》…自分から働くことが嫌いで、面倒な事は他人任せにする。
《脅しの種》…情報は相手を脅し動かすための道具。その情報網は底が知れない。
《ドS》…他人が苦しんでいたり、悔しがっているのを見ることが大好き。

次は忍者の設定をお願いします

箕輪 影巻(みのわ かげまき)

正義の中2病


【超高校級の忍者】 ラチェット・ラッドウィプス 男
キーワード
《超長身》…とにかく背が高く目立つ存在に見えるが、動きは素早く音もない。
《変わった日本文化》…日本文化に詳しいと言うが、その内容は何処かおかしい。
《正義の中二病》…自分のことを正義の味方であると言い張り、それにふさわしい言動を目指している。

次は声優の設定をお願いします。

虹色 慶太(にじいろ けいた)

泣き虫ビビり


【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン) 女
キーワード
《泣き虫ビビり》…怖がりな性格で、ちょっとのことですぐに泣いてしまう。
《声帯模写》…あらゆる声を真似することができる。その完成度はとても高い。
《素直で良い子》…捻くれておらず、従順で真っ直ぐな性格。

次は歌人の設定をお願いします。

花読 晋太郎(はなよみ しんたろう)男
常識人


【超高校級の歌人】 秋峰 カラン(アキミネ カラン) 男
キーワード
《双子の弟》…超高校級の声優、秋峰フランを双子の姉に持つ。2人は一卵性双生児で容姿はそっくり。
《脳内お花畑》…頭の中にお花畑でも広がっているのかと疑いたくなる程、思慮が浅く何を考えているのか分からない。
《ギター常備》…弾けもしないギターを何故か常に持ち歩いている。

次は投資家の設定をお願いします。

雲雀 正義(ひばり ジャスティス)
男 ダークヒーロー

村堀 貢子 (ムラホリコウコ)

高圧的

姉崎 万輪 (あねさきまりん)女
男勝り


【超高校級の投資家】 宮之原 摂理(ミヤノハラ セツリ) 男
キーワード
《高圧的》…権力に物を言わせ、相手を見下したような強気な態度をとる。
《筋肉好き》…筋肉愛好家で自身も筋トレを欠かさないが、他人にまで強要する。
《老け顔》…高校生にはとても見えない大人びた顔立ち。しかし実年齢は十七歳。

次は催眠術師の設定をお願いします。

影山 乱舞(かげやま らんま) 女
隠れ巨乳

望月 月夜(もちづき つきや)男
エロいことが好き

夢宮 黒猫 (ゆめみやくろねこ)女
独善的

ksk


【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ) 女
キーワード
《隠れ巨乳》…一見そんなに大きくなさそうに見えるが、脱ぐと色々凄い。
《独善的》…ひとりよがりで自分だけが正しいと信じてしまっている。
《バイセクシャル》…異性だけでなく同姓にも恋愛感情を抱くことがある。

次は最後の不運の設定をお願いします。


【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ) 女
キーワード
《中性的な容姿》…一見美少年のようにも見える整った顔立ちをしている。
《アホの子》…基本的にはまともだが、どこか抜けているところが有り、たまに変なことを言ったりする。
《超低血圧》…血圧が低く、突然めまいや立ちくらみなどを起こすことが多々ある。

以上でキャラ作成は終わりです。

プロローグは明日から始めて行きたいと思います。
それまでに質問などありましたら答えられる範囲で答えます。

採用されたー!ありがとうございます!
舞台はどこですか?

とりあえず乙
軍師と弓道部あたりがまとも枠かな?

とりあえず質問等に答えておきます。

>>142
こちらこそ安価に参加して下さってありがとうございます。舞台はオリジナルで詳細はプロローグ内で明らかになると思いますのでお待ち下さい。

>>143
変態やら変人やらが多いので、確かにその2人は重宝しそうですね。(生き残るとは言っていない)

今日21時頃からプロローグを始めます。
もうしばらくお待ち下さい。

把握、質問ではないけどラチェットくんは原作のソニアと馬が合いそう。

男女で双子はあまり見ないな(同姓の双子はよく見る気がする)
とりあえず期待


>>145
確かにソニアさんとは気が合うかもしれませんね。どっちも日本文化好き外国人ですしね。

>>146
異性の一卵性双生児は現実にはほぼ居ないそうですが、そこは二次元ということでご都合的な物だと思って下さい。秋峰姉弟の活躍をご期待下さい。

お待たせしました。少し遅くなりましたが、プロローグを始めて行きたいと思います。




手記・Ⅰ

『親愛な■私の友■、■■結へ』

『貴■がこ■を■■でいると■■■は、■■既に■■■は居ない■■し■う』

『■■居なく■って■、■方は■人■■あり■せん』

『私■■なくな■■も、貴方■■望して■■けませ■』

『■こに私■■■ている■■■てを書■■して■■ます』

『これ■貴方を■う■■になること■■■て』

『まず■、あ■■■のことから綴っ■■■ましょ■』

『始■に言っ■■きます』

『■■事件はB■DENDで幕を■■■と』




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    ホワイト・ダンガンロンパ

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× × ×


肌を刺すような寒さに、私は目を覚ました。

吐く息が白い。

空気が真冬のように張り詰めているみたいだ。

……私はどうしてこんな所に居るのか。

その疑問を解決するには、まず記憶を呼び起こさないとダメね。

私は目を覚ましたら此処に居た……つまり、私は知らない場所で寝てしまっていたということ。

なら、寝てしまう前のことを思い出さないと。

私は努めて冷静に思考を巡らし、そして辿り着いた。


────ああ、そうだった。

私は〝希望ヶ峰学園〟に行こうとしてたんだっけ。


希望ヶ峰学園。

希望の学園という名が示すように、その規格外の教育機関はまさに人類の希望と呼べるような才能を集めているのだ。

完全スカウト制で、超越的な才能を持つ者…いわるゆ〝超高校級〟の生徒だけが入学できるとされている。

そんな特別な場所に、私は選ばれた───【超高校級の司書】、棚田結として。


これで、ようやくあの学校から離れることができる。

──そう思って希望ヶ峰学園へ向かったのに………


棚田「何故かは分からないけど、いつの間にかここに居る、と……はぁ」

口から零れた溜め息が寒さで白く濁る。

私は改めて自分が居る部屋の中を見渡してみる。

無機質な白い壁、白い床、白い天井。

監視カメラのような物と、何かを映すであろう液晶モニターが壁に設置されている。

部屋の隅に大きめの暖房器具がついているが、それでも冷たい空気が部屋の中を満たしていた。


棚田「あっ…窓がある」

視線の先に小さな窓があるのを見つけた。

窓から外の様子を確認する為、私は小走りで駆け寄る。

希望ヶ峰学園があるのは都内。

今の時期にこんなに寒くなるなんて普通は考えられない。

なら、ここは希望ヶ峰学園ではなく別の場所……もっと北の何処か…

私は自分の仮説を確かめるべく、窓から外をのぞいた。




棚田「えっ……?」

目の前の光景に私は息をのむ。















窓を覗くと────そこは雪国だった。





















────────なんて、古い小説みたいな甘い展開だったら、どれだけ良かっただろうか。



しかし、実際の景色は〝雪国〟なんて表現では物足りないような物だった。


私が目にした光景…それは……
















どこまでも果てしなく続いているような、広大な【氷河】だった。







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    PROLOGUE【絶望アイスエイジ(あるいは自由の上に成り立つもの)】


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???「あ、こんな所にも人が居たんだ!」

突然後ろのドアが開き、声をかけられる。

棚田「………っ!?」

???「ね、あなたも希望ヶ峰学園の新入生だよね?」

部屋に入ってきた男、フードのついたパーカーを着こなした童顔の少年は私にぐいぐいと詰め寄ってくる。

…ダメだ。初対面でこういう馴れ馴れしい態度をとる人に、ろくな奴がいたためしがない。

どうせ、私のことを無口で気持ちの悪い女だと知ったら、手の平を反すように冷たくなるに決まってる。

無視無視。

こういうのは相手にしないのが一番ね。

棚田「…………………」

???「あ、あれ? どうしたの? ボクの声聞こえてる? もしかして具合でも悪いのかな?」

棚田「…………………」

???「…これは、相当まずいみたいだね。まってて今横になれる所に連れてってあげるから」

棚田「…えっ? あっ、ちょっ!? 何処触って…!!?」

男はいきなり私の腰に手を回し、抱きかかえようとする。

???「安心して、向こうにベッドがある部屋があったから」

棚田「な、ななななな、なにして…べ、ベッド!? は、離せぇ! 離せええええええええ!!!」

男の手を振りほどこうと、私は身体をジタバタさせて抵抗する。

???「わわっ!? そんなに暴れたら危ないって……って、きゃあっ!!?」ドンッ

棚田「……あっ!?」

伸ばした腕が見事に男の鼻先を捉える。

可愛らしい悲鳴を上げた男は、そのままバランスを崩し転倒してしまった。

さらに不幸なことに、頭から床に激突してしまったからか目を回して動かなくなってしまう。

棚田「…………………け…」

棚田「…………………………K.O.…しちゃった」

なんて、言ってる場合じゃないな、これ。


× × ×

数分後。

目を覚ました男に謝りつつ、事情を説明した。

???「あははは、こっちこそゴメンね。でも、人と話すのが苦手なだけならそう言ってくれれば良かったのに」

棚田「…………それが言えたら苦労してない」ボソッ

???「まあ、いいや。そう言えば自己紹介がまだだったね」



???「ボクの名前は四葉結。超高校級の…不運っていうおかしな才能で選ばれたんだ!」



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   【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ)   

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私は彼の名前にピクッと反応する。

棚田「……四葉…〝結〟?」

四葉「うん。えへへへ…女らしくて可愛い名前でしょ?」

まあ、結なんて今時珍しい名前でもないし…被ってたっておかしくない………

棚田「────って、ちょっと待って! え、女らしい…?」

棚田「アンタまさか…女だったの?」

四葉「まさかも何も正真正銘、最初から女の子だよっ!?」

棚田「確かに男にしてはやけに童顔というか…女っぽいとは思ってたけど」

女だと分かっていれば、腰に手を回されてもあそこまで話当てなくて済んだ物を。

………………いや、やっぱり女でも他人に抱きかかえられるのは嫌だな。


四葉「さてと、じゃあ次はあなたのこと教えて貰っても良いかな?」

棚田「……………」

自己紹介か…

私みたいな人間にとって、学校生活を送る上で最初の関門として立ちはだかる恒例のイベントだ。

どうせ私が何を言ったところで、誰も聞いてなんかいないというのは分かっている。

しかし、緊張したり、見栄を張ってしまったりし、空回り、自らを傷つけてしまう事も多い。

かくいう私も小学校、中学校と何度も痛い目を見てきた。

だが今の私は違う。

今の私はもう大人だから。

なるべく自己負担を軽減する為の道具を持っている。

私はポケットから1枚の小さい紙片を取り出し、四葉に手渡した。

棚田「………………」スッ

四葉「えっと…これは名刺?」

四葉「『超高校級の司書、棚田結。留年を繰り返して今は二十歳。主な生息地は図書館。』」

四葉「な、なるほどなるほど…」

四葉「ホントに人と話すの苦手なんだね……あはは…」

彼…いや彼女は呆れた顔をしながらも、しっかり名刺を懐にしまってくれた。


四葉「というか、あなたも結って名前なんだね?」

棚田「……………まあ、そうだけど…」

四葉「あははは、同じ名前だなんて何だか運命感じちゃうね!」

この人は…全国に結という名前の人が何人いると思ってるんだ。

四葉「よーし、せっかくだから結ちゃんって呼ぼうかな。いいよね?」

棚田「ゆ、結ちゃん…っ!? …べ、別に勝手にすれば…」

下の名前で呼ばれるなんてもう何年ぶりになるのだろう。

なんか、こう、ムズムズする感じ。

四葉「じゃあ結ちゃん! 向こうの広間にみんな集まってるから行こうよ」

棚田「みんな…? 他にも人がいるのね」

久しぶりに名前を呼ばれたからだろうか、私は少し浮かれ気分で四葉について行った。


× × ×


四葉が広間と呼んでいた部屋は確かに広く、先程の部屋より幾ばくか暖かい気がした。

そして、そこには私と四葉以外の14人の人間が待っていた。

四葉「みんなー、向こうの部屋にもう1人いたよ」

???「それは良かった。ありがとう、四葉さん」

???「むむむ、女子か! こいつは……中々良い物を持ってるぜ!」

???「つか、起きんの遅すぎ」

???「なんにしても仲間が増えるのは良いことですわ」

???「仲間など儂にはどうでもいいがなぁ」

???「オッサンに同意。俺にはクラリスさえいればいい」

???「(-_-)zzz」スピー

四葉「ほら、結ちゃん、みんなとも自己紹介しないと!」

棚田「……………………………」

初対面で悪いけれど、キャラ濃すぎて吐きそう。

でも、仕方ない。

ここで何もしないと話が進まなそうだ。

まずはあのあたりに自己紹介(名刺をわた)して来よう。


自己紹介の相手

1.可愛らしいエプロンを着けた、暑苦しそうな男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.老け顔なのにムキムキボディーのオッサン系男子

4.猫耳の着いたフードを深く被った、怪しい女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



宮之原「宮之原摂理だ。儂の名ぐらいは貧相な貴様でも知っておろう?」



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   【超高校級の投資家】 宮之原 摂理(ミヤノハラ セツリ)   

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妙に筋肉が盛り上がっていて、スーツの上からでもそのマッチョぶりがよく分かる男は、威圧的な態度で自己紹介をした。

宮之原摂理。

確かにその名前は知っている。

私の場合、聞いたというか新聞で読んだことがあるだけなのだが。

宮之原家といえば世界中のトップ企業に多額の投資を行い株を大量に保有していることで有名な家だ。

その宮之原家を実質的に支配しているのは、弱冠17才の長男、宮之原摂理だ。

宮之原家の莫大な財産はその出所が不明で、世界の大富豪七不思議に数えられているほどだという。

宮之原「それにしても司書。貴様…貧弱すぎやしないかのぉ? 少し力をこめたら折れてしまいそうな身体をして…」

宮之原「儂が一から鍛え直してやろうか! ガッハッハッハッハッハッ!!」ガシッ

棚田「………………痛っ」ギリギリギリ

宮之原の極太の腕は私の肩を掴んで、軋むような音を鳴らしている。

こういう色んな意味で力のある人間は嫌いだ。

私みたいな力のない人間の事なんて何一つ分からないのだから。



自己紹介の相手

1.可愛らしいエプロンを着けた、暑苦しそうな男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.猫耳の着いたフードを深く被った、怪しい女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2




山川「オレはおっぱい! あ、間違えた。オレは山川米花だぜ! よろしくな!」



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   【超高校級のパン屋】 山川 米花(ヤマカワ ベイカ)

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エプロン姿の男は私の胸元を凝視しながら自己紹介をした。

どこ見てんだコイツ。

山川「あ、オレ、超高校級のおっぱい…じゃなくてパン屋やってるんだぜ!」

棚田「…………見れば分かる…」

山川のエプロンには丸っこいフォントで『ヤマカワベーカリー』と大きく書かれていた。

山川「いやー、パンは良いぜ? 丸くて柔らかい所とかまるでおっぱい! あのふくよかさは我を忘れて揉みしだきたくなるぜ…」

山川「あ、でも柔らかいだけがおっぱいじゃねーよな。オレはつるぺたも大好きだぜ!」

一番最初のセリフから分かっていたことではあったが、こいつ変態だな。

こういう軟派な奴は嫌いだ。

体目当てで近づく奴は、どうせ私の本性を知ったら、興味を失ってしまうんだ。

その後も山川の熱弁は続き、もはやパンの話でなくなってきていたので聞き流した。


12時を回ったので今回はここまでにします。

あんまり進まなくてごめんなさい。

次回は1月8日(金)の夜に来ます。

質問等はいつでもどうぞ。

中々粋な滑り出しで引き込まれるようにに感じた。
質問は、ストーリー(被害者やクロなど)は決まっていますか?

乙でした
めちゃくちゃ面白そう!ワクワクする
主人公の心の闇深いな…


>>170
ありがとうごさいます。
クロや被害者については、既に決めていますが、安価によってストーリーに多少変化が出るので、もしかしたら変わることがあるかもしれません。

>>171
そう言っていただけて嬉しいです。
棚田はキーワードが決まった時点で、心に闇があるのが確定してしまったキャラですね。

今日も21時頃から始めます。

今回でプロローグが終わる…はず。

楽しみにしてます
今気づいたけどタイトルのホワイトって雪国のことか


>>173
そうですね。ホワイトは舞台の氷河のことをさしてます。でもそれ以外にも意味があるような無いような…

では、そろそろ始めます。

まずは安価から


自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.猫耳の着いたフードを深く被った、怪しい女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



夢宮「にゃふふふ、私は夢宮黒猫。特技は…心を惑わし操作する黒魔術……催眠術と言えば分かりやすいかにゃ?」



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   【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ)

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黒いフードのついたローブのようなぶかぶかの服を着ている女は、なにやら怪しげな口調で自己紹介をした。

棚田「……催眠術?」

私は聞き慣れないフレーズに首をかしげる。

夢宮「にゃにゃ? もしかしてタナちーは催眠術を知らないのかなにゃ? しょーがにゃいにゃあ、私が教えてあげる」

語りたくて仕方ないという顔で、夢宮は鼻息を荒くしている。

途中、なんだか気にくわない呼び方をされたような気がするけど…一々訂正するのも面倒くさいから良いか。

変なあだ名をつけられるのなんてもう慣れている。

夢宮「催眠術を知るには、やっぱりかかってみるのが一番にゃ! と言う訳で早速……」

棚田「……かかってみるって……は? そんな怪しいことやるわけ無いでしょ」

夢宮「えー、大丈夫だって! タナちーは私を信じてくれないのにゃ?」

夢宮はベルトについている尻尾のようなアクセサリーを、後ろに回した手で揺らす。

こういう独特なキャラクターの人間は嫌いだ。

どんなに愉快で他人に好かれるようなキャラクターだろうと、私を救ってはくれないのは分かりきっている。

棚田「………信じられるわけ無い…そんなヘンテコな語尾の人間なんて…」

夢宮「あ、この話し方はキャラ付けの一環なんです」

……………………………………………………………………

……………………………………………………

訂正。

思ったより愉快なキャラクターではないようだ。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.真っ赤な髪にスポーツウェアを着た、活発そうな女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



飛火「飛んで火に入る夏のなんとやらの飛火に、木が辛いと書いて梓! そう飛火梓! それがアタシさ!」



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   【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ)

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真っ赤に染めたショートヘアーが眩しい活発そうな女は、何故か虫だけ略した自己紹介をした。

やるなら夏からにしろと言いたい。

飛火「あーあ、自己紹介って言っても他に何すりゃあ良いのさ?」

棚田「私に聞かないでよ……」

飛火「うーん、あ、アタシ【超高校級のバドミントン選手】なんだけどさ。実はバドミントン好きじゃねーの」

飛火「ラケットでシャトルを叩くより、人の顔面叩く方が好き」

飛火「さらに言うとラケットより素手でやる方が好きだね!」

棚田「…………は?」

物騒な言葉を連ねるように発する飛火とかいう野蛮人。

本気で言ってるのなら相当頭のおかしい人間だな……精神科医の知り合いがいるから紹介しようかな。

棚田「アンタ何でバドミントンなんかやってんの…?」

飛火「え? う~ん、それは盲点だった。考えたこともなかった!」

コイツ…人間かどうかすら怪しくなってきた気がする。猿かお前は。

飛火「確かにアタシなんでバドミントンをやってるんだろう?」ムムム

頭を抱えて、本格的に悩みはじめた様子の真っ赤な猿。

こういうバカな猿は嫌いだ。

バカは狡猾な人間にのせられて、すぐに暴力を振るうからね。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.後に長い筒のようなケースを背負った、ポニテ女子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



雪平「私は雪平…雪平亜美。これからよろしくね、棚田ちゃん」



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   【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ)

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凜とした出で立ちの女は、長いポニーテールを揺らしながら自己紹介をした。

彼女の背には大きいケースのような物が見える。

雪平「ああ、これ? この中は弓矢があるの」

雪平「私、弓道をやってるから…いつでも持ち歩くようにしてるのよ」

何も言っていないのに、雪平は勝手に説明をはじめた。

雪平「弓道に限らず、やっぱり一流の人って言うのは道具を大事にする物だって言っていたから…私も見習ってみようと思って」

雪平「あ、棚田ちゃんは弓道には興味ある? もし良かったら今度一緒にやってみない? やり方は私が教えてあげるから」

一流をめざしているらしい弓道家さんは爽やかな口調で、ありがた迷惑なことを言い始めた。

この女は…どこをどう見たら私が弓道に興味があるように見えるんだ。

棚田「………興味なんてない…」

雪平「そっか、それは残念。でも、何かあったら私を頼ってね。何でも相談に乗るから」ニコッ

笑顔まで凜々しい雪平は、優しい言葉を私にかける。

こういう格好いい事ばかり言う女は嫌いだ。

最初は味方だという顔をして近づくくせに、最後には私を切り捨ててしまうのだから。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.長い黒髪が淡い色の着物に映える、清楚な雰囲気の女子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



道明寺「わたくしは道明寺櫻子と申します。今は京都で和菓子屋を営んでおりますわ。以後お見知りおきを」



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   【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ)

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淡い色の着物が映える和風美人は、育ちの良さそうな言葉遣いで丁寧な自己紹介をした。

多分名家の生まれとか、そういう選ばれた人種なのだろう。

微かに甘い香りが漂う人だった。

道明寺「棚田さんは…超高校級の司書さんですのね。なるほど…確かに言われてみれば感受性が豊かそうな顔つきをしていらっしゃいますね」

このお嬢様は…わざわざお世辞なんか言わなくたっていいのに。

それとも、遠回しに私を馬鹿にしているのだろうか。

まあ、どうせ私には感受性のかの字もありませんけどね。

こういう清楚な感じの人は嫌いだ。

どうせ大人の前ではいい顔して、裏で人の有ること無いこと言いふらしているに決まっている。

道明寺「わたくしは幼い頃から製菓業一筋でしたので、読書と言える物なんて…精々かんの……………」

一瞬、言葉が途切れる。

だが道明寺は、コホンと咳払いをして何事もなかったかのように話を続ける。

道明寺「せいぜい、恋愛小説の類いしか読んだことがありませんが、これから仲良くしていただけるとうれしいですわ」

…今、何と言いかけたのか。

知らない方が今後のためだと、私の本能が警鐘を鳴らしていた。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.それぞれ異なる色の服を着た、瓜二つの男女二人組

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



カラン「アハハハハハハ、ぼくは秋峰カランだよー! 孤高のギタリストなのだー!」



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   【超高校級の歌人】 秋峰 カラン(アキミネ カラン)

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フラン「ち、ちがうでしょカランちゃん! カランちゃんは歌人で、フランの双子の弟だよっ!」



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   【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン)

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耳をつんざくような笑い声の弟、その弟を今にも泣きそうな顔で嗜める姉。

浮かべる表情と服装以外で見分けるのは難しいほど似ている双子は、騒がしい自己紹介をした。

カラン「そーだったー! ぼくは超高校級の歌人なのでした-! アハハハハハハ!」

フラン「ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ…カランちゃんが適当なこと言っててごめんなさいっ!」

フラン「でも悪い子じゃないんです、怒らないで下さい…ごめんなさいっ!」

うるさい…これだから子供は……いや、こいつらも超高校級ってことは高校生か。

だとしたら、高校生にもなってどうしてこんなに落ち着きがないんだ。

フラン「あぁっ! そういえば、まだフラン自身の自己紹介がまだでした、ごめんなさいっ!」

フラン「フランは秋峰フランですっ。声優をさせて貰っています、ごめんなさいっ!」

さっきからこの子は謝りすぎでしょ…そんなに私、怖い顔してるのだろうか。

カラン「アハハハハハハ! ここで一首詠むのだ」

カラン「我が姉が ごめんなさいと 謝るが 許してくれぬ 人がいるかな」

カラン「なんちゃって-! アハハハハハハ!」

フラン「ご、ごめんなさいっ…ごめんなさいっ! カランちゃんが変な短歌を詠んでごめんなさいっ!」

…………………………………………………………………

この双子は嫌いだ。

弟は馬鹿みたいにうるさいし、姉は姉で何に対しても弱腰で謝ってばかり。

まるで昔の私を見ているみたいでイライラする。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.オールバックの髪にチェック柄の制服を着た、目つきの悪い男子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.ラフな格好で眠っている、やる気のなさそうなツインテ女子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



久住「ふわぁ~、んー? 私の名前? えーと…山田花子だよ」



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   【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ)   

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先程までのんきに眠っていた少女は、着崩したTシャツにジャージのズボンというだらしのない格好のまま自己紹介をした。

久住「と言う訳で、自己紹介も終わったし……私はもう一眠り」

棚田「…は? もう終わりなの?」

久住「だってー、もうねむすぎてかんじにへんかんするのすらめんどくさいよー」

そう言い残すと、近くの椅子に倒れ込み、静かに寝起きをたてはじめた。

この女…私が言える事じゃないかもしれないけど、自己紹介をなんだと思ってるんだ。

これじゃあコイツがどんな才能を持ってるのかすら分からないじゃない。

棚田「仕方ない……嫌だけど、この山田とか言う人の事は他の人に聞いておこう」

全く…こういう自分勝手なだらしない奴は嫌いだ。

どうせ私みたいな人間の事なんて認識すらしてないんだろう。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.オールバックの髪にチェック柄の制服を着た、目つきの悪い男子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.小柄な体格で帽子を被った、落ち着きがない男子

5.眼鏡をかけて、ネクタイをきちっと結んだ真面目そうな男子

安価↓2



千島「小生の名は千島直樹である。座右の銘は清廉潔白。清く正しい人間関係を築こうぞ」



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   【超高校級の囲碁棋士】 千島 直樹(チシマ ナオキ)  

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眼鏡の奥に真っ直ぐな瞳を持った真面目そうな男は、見た目通りの真面目な自己紹介をした。

千島「小生は超高校級の囲碁棋士。この学園に来たのは、これからの囲碁人生に必要なことになると祖父に言われた故である」

千島「ふむ、棚田氏は超高校級の司書さんなのだな。眼光紙背に徹すと言うが、読書が何たるかをご教授いただきたいものであるな」

短く切りそろえられた前髪や、きっちりと結ばれたネクタイのように、真っ直ぐに私の方を向く。

棚田「………暇があったらね……」フイッ

私は素っ気ない返事をして、目線をそらした。

こんなにも真っ直ぐな視線で見つめられるのには慣れてない。

なんだか、私の過去を全て見通しているかのような目が気に入らないし。

千島「うむ…一期一会、小生はこの出会いを大切にしていきたい所存であるが…棚田氏の都合もある。幸い時間はあるのだ、また今度ということにしようぞ」

千島「家に帰るには、恐らく長い時間がかかることになるであろうしな」

遠くを見つめるように呟く千島。

私はこう言う悟ったような態度の人は好きじゃない。

どうせ悟りなんて物は、傲慢な人間の勝手な勘違いに過ぎないのだ。



自己紹介の相手

1.派手なオレンジ色の装束を纏う、背が高い西洋人男子

2.オールバックの髪にチェック柄の制服を着た、目つきの悪い男子

3.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

4.小柄な体格で帽子を被った、落ち着きがない男子

安価↓2



ラチェット「拙者はラチェット・ラッドウィプス! 正義のシノビだってばヨ!」



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   【超高校級の忍者】 ラチェット・ラッドウィプス

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異様に背が高い西洋人の男は、著作権に触れそうな語尾のついた自己紹介をした。

棚田「シノビって…漫画じゃあるまいし…」

ラチェット「何を言うんだヨ! 拙者は正真正銘のシノビだってばヨ!」

ラチェット「ちゃんとニッポンのイガの国で修行したんだってばヨ!」

こんな怪しい外国人を忍者としてスカウトするなんて、希望ヶ峰学園もついに気が狂ったのか。

まあ、私なんかをスカウトしてる時点で見る目がないとは思っていたけど。

ラチェット「ニッポン人は疑い深いのが最大の欠点だヨ。それさえなければ素晴らしい人種だというのに…」

ラチェット「拙者はニッポン人大好きだってばヨ! ニッポン人は誠実だし、勤勉だし、親切だし」

ラチェット「それに何よりドゲザが上手い! もう最高だってばヨ!」

日本人の土下座はエセ忍者のお眼鏡にかかる物だったようだ。舐めてんのか。

こういう勘違い野郎は嫌いだ。

日本人は誠実? 勤勉? 親切?

幻想を見るのもいい加減にしろと言いたいね。

上辺だけで物事を判断する人間が一番厄介だって、私は知ってるんだ。



自己紹介の相手

1.オールバックの髪にチェック柄の制服を着た、目つきの悪い男子

2.黒いコートに身を包んだ、理知的で穏やかそうな男子

3.小柄な体格で帽子を被った、落ち着きがない男子

安価↓2



時雨「僕は時雨冬也。『UNISO』二等陸佐、超高校級の軍師だよ」



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   【超高校級の軍師】 時雨 冬也(シグレ トウヤ)   

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私を含めた他のメンツがガキに見えるほど、大人びた表情を浮かべる男は、現代の日本人とは思えない肩書きの自己紹介をした。

棚田「……UNISOって…」

『UNISO(ユニソー)』…正式名称はUnited Nations International Suppression Organization、国際連合国際鎮圧機関。

少し前に国際法で設立された、世界各地で起こる紛争の鎮圧を目的とされた、いわるゆ多国籍軍のことだ。

そのUNISOでこの男は二等陸佐…つまり陸軍の中佐と言う役職に就いてると言うことだ。

前に図書館にあった新聞で読んだことがある。

日本人高校生が国連の軍に召集されたと大きく報道してあったっけ。

時雨「いやぁ、久しぶりに日本に戻ってきたと思ったのに、この氷河…どう見ても日本じゃないよね? 参ったなぁ、あはは」

全く参ってない様子で、楽しそうに笑う時雨中佐。何がそんなに可笑しいのか。

おそらくこの軍人さんは異常事態に慣れてしまっているのだろう。

私は軍人なんていう人種は嫌いだ。

どうせ武力で事を納めようとするに決まっている。

本当に力だけで解決できることなど、この世にはないと言うことに早く気付くべきだな。



自己紹介の相手

1.オールバックの髪にチェック柄の制服を着た、目つきの悪い男子

2.小柄な体格で帽子を被った、落ち着きがない男子

安価↓2



音峰「俺は音峰弓弦。そしてこっちが俺のハニーのクラリスだ」



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   【超高校級の吹奏楽部】 音峰 弓弦(オトミネ ユヅル)

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チェック柄のブレザーを着たオールバックの男は、大事そうに抱えた〝クラリネット〟を見せながら自己紹介をした。

今、この男は何て言ったんだ……?

クラリスという名の女性を紹介するようなことを言った気がしたんだけど……

何度まばたきをしても、私の前には音峰という男一人しか見えない。

音峰「どうした根暗女。ふふん、俺のクラリスがあまりに可愛いから嫉妬してるのか?」

音峰「ふっ、クラリスの美しさは世界最高峰だ。根暗女ごときが比べるのはおこがましいぞ」

そう言うと、音峰は手元の〝クラリネット〟を優しい手つきで撫でた。

嘘でしょ……まさかコイツ、あのクラリネットをクラリスと呼んでいる…!?

しかも、ただ楽器をを自分の恋人だと言っているのか…!?

私は根暗女と悪口を言われたことにも気付かないほど動揺していた。

棚田「………変態だ…」

狂気的なまでの楽器愛に、気持ち悪い汗が背中を流れた。

どうやら私は、とんでもない人間と出会ってしまったようだ。

あんまり関わらないようにしよう。



時事「僕、時事正丸。超高校級の時計職人。以上終了さようなら」



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   【超高校級の時計職人】 時事 正丸(ジジ セイマル)

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背が低く、まるで子供のような男は、早口で自己紹介をしたと思ったら、そのまま私の前を離れていってしまった。

棚田「……え? え? 今の何だったの…」

あまりにも早すぎる自己紹介に私は戸惑いを隠せない。

名刺を渡すことすらできなかった。

名刺作戦にはこんな弱点があったなんて…不覚。なんて言ってる場合じゃないな。

正直、今の奴みたいな極端にせっかちな奴は嫌いだ。

とにかく前に進むことしか考えてない人は、いつだって足下を見ずに、私のような人間を踏みにじっていくのだ。

それに……こんな自己紹介じゃ、他の人との尺が違いすぎて手抜きしたと思われるじゃないか。


すいません、プロローグは終わってないですが自己紹介は終わったので、今回はここまでにさせてもらいます。

次回は1月10日(日)になると思います。

次こそはプロローグを終えたいですね。

あと、現時点でのキャラの印象や好きなキャラなんかを教えていただけると、今後のストーリー作りに役立つので嬉しいです。



音嶺の変態キャラ好き。棚田さんも中中良いキャラしてる


飛火の可能性に期待する


主人公の卑屈さ面白いな


ラチェット好きだわww
ところで「いわゆる」を「いわるゆ」と間違えてますよ


主人公ほぼ全員のこと嫌いじゃないか。主人公らしくねえなあ(笑)

この主人公らしくなさがなんか良い


>>208
音峰はわかりやすい変態キャラなので、自分も書きやすくて好きです。音峰とクラリスの活躍にご期待下さい。

>>209
飛火はキーワードが凄いことになってるキャラなので、そのうち嫌でも目立ってくるはずですよ。

>>211
ホントだすいません。誤字についてはなるべく気をつけていますが、もしかしたらこれからもあるかもしれません。ご了承お願いしますってばヨ。

>>210
>>212
>>213
あれ…もしかして棚田が一番人気なんだろうか…
棚田は主人公らしからぬ主人公を目指したキャラになってます。


本日の更新についてなのですが、時間がとれそうなので15時ぐらいからゆっくり始めてもいいでしょうか?

どなたか来てくれるようなら15時ぐらいから始めようと思います。


ありがとうございます。

では、15時になったので始めて行きます。


全員と自己紹介を終える頃には、吹き付ける雪が強くなったのか、一層寒さが増してきていた。

空気が冷たく、なんだか居心地が悪い。

時雨「さてと、棚田さんの自己紹介タイムも終わったことだし、状況の整理でもはじめようか」

ここにいる人間の中でも特に落ち着いている時雨が切り出して、話し合いが始まった。

時雨「まず確認するけど、ここにいる皆は希望ヶ峰学園の新入生で、超高校級の才能を持つ人って事で良いんだよね?」

道明寺「そうですわ。わたくし、ちゃんと希望ヶ峰学園からの入学通知を持ってきています」

雪平「でも、不思議なのよね…私は希望ヶ峰学園に行こうとしてたはずなのに、いつの間にかここで寝てたんだもの」

カラン「ぼくとフランもなのだー! ここは寒くて困るねー! アハハハハ!」

千島「一網打尽、つまり何者かが小生らをまとめて誘拐したと言うことであるか?」

宮之原「仮にそうだとしたら、犯人は途轍もない規模の犯罪集団になるのぉ…貧弱な貴様らだけならまだしも、儂まで連れてこれたのだからの! ガッハッハッ!」

夢宮「みゃーくんの自慢はウルサいにゃー」

時事「つか、ここどこなん? 僕、早く帰りたいし」

飛火「こんだけ寒いってことは…分かった! ここは北だ!」

音峰「もう黙ってろ、このアホ猿。次、俺のクラリスに唾を飛ばそうとしたら殺すぞ」

フラン「うぅ~、一体どこなんでしょうか? 分からなくて、ごめんなさいっ!」

四葉「窓から外を見た限りどこかの氷河みたいだよね」

時雨「これだけ広いところとなると、それこそ南極とかになるのかな? あはは、困ったね…僕、南極は初めてなんだよ」

道明寺「な、南極なんて言ったことある人の方が少ないですわよ…」

山川「そんな事よりおっぱい揉みたい!」

雪平「急に何よ!? 山川…あんたやっぱアタマおかしいよ!」

道明寺「お、おっぱ……はしたない! はしたないですわ!」

山川「なーなー、飛火! その豊満なおっぱいを俺に揉ませてはくれないか?」

飛火「テメーの顔面が血に染まるまで殴って良いなら良いよ!」

ラチェット「おお…なんてデンジャラス! これが日本文化の真骨頂だってばヨ!」

久住「(-_-)zzz」スピー

……………………………………………………………

参加していない私が言うのも何だけど…こんなにも纏まりのない話し合いを見るのは初めてだ。

私は頭が痛くなる。

今の状況すらまともに把握できてないのに…このままでちゃんと帰れるのだろうか。


棚田「……〝帰る〟か……」

ふと、言葉に出してみた言葉に自分で違和感を覚えた。


帰る。

……帰る?

一体どこに帰ると言うんだ。



帰る場所なんて無いのに。

私の帰りを待つ人なんていないのに。

希望ヶ峰学園に逃げようとしてたくせに。


私は本当に〝帰りたい〟なんて思ってるのかな。


思考が段々と暗くなると共に、周囲の喧噪が遠くなっていく。



─────多分、私は皆と違って、帰りたいなんて思ってないんだ。


だってそうでしょ?

私は他の人とは違う。

超高校級の司書なんて言われてても、所詮はただの引きこもり。ただの社会不適合者だ。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思うはずがない。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思えるはずがない。

ならば─────



ならば、どうして私は〝帰る〟なんて言葉を使ったんだろう。


棚田「……〝帰る〟か……」

ふと、口に出してみた言葉に自分で違和感を覚えた。


帰る。

……帰る?

一体どこに帰ると言うんだ。



帰る場所なんて無いのに。

私の帰りを待つ人なんていないのに。

希望ヶ峰学園に逃げようとしてたくせに。


私は本当に〝帰りたい〟なんて思ってるのかな。


思考が段々と暗くなると共に、周囲の喧噪が遠くなっていく。



─────多分、私は皆と違って、帰りたいなんて思ってないんだ。


だってそうでしょ?

私は他の人とは違う。

超高校級の司書なんて言われてても、所詮はただの引きこもり。ただの社会不適合者だ。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思うはずがない。

そんな人間が〝帰りたい〟なんて思えるはずがない。

ならば─────



ならば、どうして私は〝帰る〟なんて言葉を使ったんだろう。





そこまで考えた時、私は気づいた。







────自分の足が、恐怖でカタカタと震えていることに。







棚田「……!」

棚田「……………………………」

棚田「…………まったく…寒くて嫌になるね…」


心の弱さを温度計の数値に押しつけ、私は前を向いた。


そうとも。

確かに私は帰りたいなんて思ってない。

でも、だからと言ってここに居たいとも思わないね。

棚田「そうと決めたら……一応、話し合いに参加しないと…嫌だけど…」

私は何とか決意を固めて、話し合いに戻ろうとする。











まさにその時───






???『あれれ、皆だいぶ混乱してるみたいだね』

???『でも安心してね。今からぜーんぶ説明してあげるから!』




それは声だった。

優しく語りかけるその声は、何処かちぐはぐで、聞いている人を不安にさせる。

暖かさの裏に冷たさがある──そんな矛盾をはらむ声が、私達のいる広間に響く。



四葉「な、何が起きてるの…?」



四葉の不安混じりの声が合図になったように、『奴ら』は現れた。















???「ぷはーっ! よーやく喋れるぜ!!」

???「何だ何だ? どいつもこいつもシケた顔しやがって! まさかモノクロの奴が出てくるのかと思ってたのか? あぁん?」






クロクマ「残念! 今回の司会進行はオレ様! ラッパー界のレジェンドことクロクマ様だ! ギャ-ッハハハハ!」






???「もうダメだよクロクマ。ボクもいるんだから、ちゃんと紹介してくれなきゃ」






シロクマ「えっと…ボクはシロクマ。よろしくね、みんな~!」






広間の真ん中に現れたのは二体のクマ。

クマと言っても本物ではなく、全長1メートルぐらいの人形のクマだ。

片方は全身真っ黒で、黄金色に輝くアクセサリーをつけている趣味の悪いクマ。

もう片方は全身真っ白で、所々包帯が巻いてある、ぼろぼろのクマだ。



雪平「に、人形が喋ってる…?」

ラチェット「KARAKURI…! これぞニッポン文化だってばヨ!」

時雨「あはは、確かに日本のロボット工学は最先端だし…あながち間違いでも無いね」

夢宮「そういう問題じゃにゃいと思うにゃーよ、しぐしぐ」

山川「それで、人形さんがオレたちに何のようだ?」

クロクマ「かーっ、オレ様を人形と勘違いなんて…青春の勘違い王と呼ばれる童貞男子高校生でもしねーぜ!」

クロクマ「たとえるなら近海の主ごときに片腕食われちまう赤髪の海賊なみのあり得なさだな!」

シロクマ「ボクたちはキミたちに全部を教えてあげるためにここに来たんだよ」

千島「全部を教える? 小生らをここに連れて来た理由をであるか?

シロクマ「もちろん! でも、その前にキミたちに言わなきゃいけないことがあるんだ」

シロクマ「えっと…キミたち希望ヶ峰学園の75期生のみんなには…」




シロクマ「この氷上基地『フリーダム・ハロ』の中だけで、こらからの一生を過ごして貰うんだ!」




──────は?

氷上基地? 一生過ごす?

この白いのは…今そう言ったのか?

笑えない……外の氷河よりも寒い冗談だ。


道明寺「ま、待って下さい! 一生って…冗談ですわよね?」

音峰「ふざけるな。なぜ俺がそんな事をしなければならん」

クロクマ「ああん? 理由がいるって? 何馬鹿なこと言ってるんだ?」

クロクマ「勇者が魔王を倒しに行くのに理由がいるのか? ライトノベルの主人公がヒロインにモテモテになるのに理由がいるのかよ?」

クロクマ「ソイツと同じさ! テメーらがここで過ごす理由なんていらねーんだよ! ギャーッハハハハ!」

クロクマ「ふっ、あえて言うなら…愛と正義のためかな………なんつってな! どうよ! 今のオレ様最高にクールだったろう?」

クロクマ「こいつはハリウッド映画のスターになるのも時間の問題だな! って、オレ様はもうスターだったぜ! ギャハハハハ!」

宮之原「よく喋るクマだのぉ…理由が有ろうと無かろうと儂は帰らせて貰うぞ」

時事「そうだそうだ! さっさと僕をここから出せ! あと3秒以内ね。はい、3…2…1…!」

シロクマ「わーっ、待って、待って!」

シロクマ「そうだよね。やっぱりみんな帰りたいって思うよね。そんなみんなの為に特別ルールを設けたんだ」

シロクマ「そのルールに従えばちゃーんとお家に帰れるんだよ~!」

カラン「ルール? ルールって何ー? ルールルル♪ アハハハハ!」

雪平「ねえ、シロクマ…だっけ? 早く教えてよ。そのルールで家に帰れるんでしょ?」

嫌な予感がする。

私は言葉にできない気持ち悪さを感じた。

そのルールが何かを聞いてしまったら、もう戻れないよな。

何かを失ってしまうような。

そんな気がする。

決して暑くなんかないはずなのに、むしろ寒くて震えるほどなのに、さっきから嫌な汗が止まらない。


シロクマ「えっとね、そのルールって言うのは───────」







クロクマ「【コロシアイ】だぜ! 【コロシアイ】! ギャーッハッハッハッハ!」







初めは意味が分からなかった。

頭が理解するのを拒んでいるみたいだった。

ころしあい…?

こ…ろ…し…あ…い…?

コロシアイ…ころしあい…頃し愛…小ロシア医…コロ試合…

まさか…「殺し合い」?

クロクマの言った【コロシアイ】と言う言葉の意味を理解していくと、次第に恐怖が私を支配していく。


棚田「…こ、殺し合い…って…なんでそんな…」

クロクマ「コロシアイはコロシアイだぜ! テメーらがテメーらの誰かを殺せば、ここから出られるっつー、最高にポップでクールなルールよ!」

シロクマ「人を殺すなんて、簡単なことでここから出してあげるなんて…ボクらって優しいよねぇ、えへへ!」

雪平「優しいって、ふざけてるの!? どうして私達がコロシアイなんてしなくちゃいけないのよ!」

山川「コロシアイなんて…冗談だよなあ? オレまだ死にたくなんかないぜ? 揉み足りない人生でおわれるかよ!」

宮之原「冗談に決まっておるのう。こんな要求、本気でしているとしたらただ馬鹿野郎だぞ」

フラン「そ、そうですよねっ! 冗談ですよね! 一瞬信じてしまいそうでした…ごめんなさいっ!」


シロクマ「じ、冗談なんかじゃないよぉ」

クロクマ「くぎゅう! 信じてもらえなくて泣きそうだぜ! こうなったら……オレ様の本気を示すしかねーなぁ!」




そう言うと、クロクマはどこからかボタンを取り出し、ポチッと押した。






クロクマ「ギャハハハハ! 最初の見せしめはテメーだぜぇ!」






クロクマの叫びと共に、鋭い槍が私達の方に伸びてきた…!


そして─────────


















安価↓2 見せしめに選ばれた人






棚田「─────────────っ!!」






赤い。

ただただ赤い。

つぶれたトマトのように赤くてグチャグチャ。

何これ……

まるで血みたいじゃないか……




棚田「…あ、あ、」



棚田「っああああああああああああああああああああああああああああああ゙あ゙あ゙っ!!!!!!!!!」





痛い!

痛い痛い痛い!

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!



激しい痛みが全身を駆け抜ける。



四葉「ゆ、結ちゃんっ!」



青ざめた顔の四葉が駆け寄ってくるのが、ぼんやりと見える。

でも、彼女が私に辿り着く前に。










──────────私の世界は暗転した。










これが始まりだった。

長い、長い、気が遠くなるほど果てしない、絶望の始まり。



────その始まりは、白くて、赤くて、そして黒かった。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


    PROLOGUE【絶望アイスエイジ(または自由の上に成り立つもの)】

                【END】


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    PROLOGUE【絶望アイスエイジ(あるいは自由の上に成り立つもの)】

                【END】


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【超高校級の司書】棚田 結
【超高校級の和菓子職人】道明寺 櫻子
【超高校級のバドミントン選手】飛火 梓
【超高校級の弓道部】雪平 亜美
【超高校級の情報屋】久住 夏帆
【超高校級の催眠術師】夢宮 黒猫
【超高校級の不運】四葉 結
【超高校級の声優】秋峰 フラン
【超高校級の歌人】秋峰 カラン
【超高校級のパン屋】山川 米花
【超高校級の軍師】時雨 冬也
【超高校級の吹奏楽部】音峰 弓弦
【超高校級の囲碁棋士】千島 直樹
【超高校級の時計職人】時事 正丸
【超高校級の忍者】ラチェット・ラッドウィプス
【超高校級の投資家】宮之原 摂理


残りメンバー…16人


To be continued…


プロローグが終わったので一旦ここまでにします。

21時過ぎぐらいに1章を始めていきたいと思います。

では、しばらくお待ち下さい。

質問等はいつでもどうぞ。


見せしめで主人公以外を選んだら誰か死んでた?


忘れてた。

プロローグが終わったので生徒一覧を乗っけておきます。


生徒番号01
【超高校級の司書】 棚田 結(タナダ ユイ) 女・
身長:162㎝ 体重:49㎏ 胸囲:88㎝ 
血液型:AB 誕生日:6月11日
好きなもの:読書 嫌いなもの:カッターナイフ、自分自身
キーワード・
《卑屈》…常にいじけていて、自分のことをダメな人間だと決めつけている。・
《成人の余裕》…とある事情から既に成人を迎えているので、一歩引いた目線で物事を見ることが出来る。・
《全身の傷跡》…服の下は傷跡だらけだで、ろくに手当をされてこなかったようだ。・

生徒番号02
【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ) 女・
身長:157㎝ 体重:46㎏ 胸囲:81㎏ 
血液型:A 誕生日:6月16日
好きなもの:甘いもの、可愛いもの 嫌いなもの:はしたない事
キーワード・
《エロいことばかり考える》…清純そうに見えて内心ではHな事に興味津々なお年頃。むっつりスケベ。・
《クーデレ》…普段はクールな態度だが好意的な相手にはデレデレする。・
《帰国子女》…幼い頃は海外で暮らしていた。そのため洋菓子にも精通している。・

生徒番号03
【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ) 女
身長:178㎝ 体重:65㎏・ 胸囲:91㎝ 
血液型:B 誕生日:9月30日
好きなもの:暴れること、汁物 嫌いなもの:常識
キーワード・
《野生児》…人間社会の常識に囚われない野生動物のような性格。・
《危ない性癖》…常人には考えられないような、ある行為に性的興奮を覚える。・
《サイコパス》…良心や道徳心といったものが欠如していて、自己の利益のためなら平気で悪事を働く。・

生徒番号04
【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ) 女・
身長:173㎝ 体重:50㎏ 胸囲:72㎝
血液型:A 誕生日:2月25日
好きなもの:スポーツドリンク 嫌いなもの:パソコン
キーワード・
《文武両道》…弓道の腕前は勿論のこと、勉学においても優秀な成績を残している。・
《同姓にモテる》…凜とした佇まいから、女性に好意を抱かれることが多い。・
《異性にきつい》…異性を意識してしまうと、素直になれず態度がキツくなってしまう。・

生徒番号05
【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ) 女・
身長:145㎝ 体重:40㎏ 胸囲:76㎝ 
血液型:O 誕生日:9月20日
好きなもの:役に立つ情報、飴 嫌いなもの:役に立たない情報 
キーワード・
《面倒くさがり屋》…自分から働くことが嫌いで、面倒な事は他人任せにする。・
《脅しの種》…情報は相手を脅し動かすための道具。その情報網は底が知れない。・
《ドS》…他人が苦しんでいたり、悔しがっているのを見ることが大好き。・

生徒番号06
【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ) 女

身長:165㎝ 体重:・57㎏ 胸囲:95㎝ 
血液型:B 誕生日:3月21日 
好きなもの:怪しい通販番組 嫌いなもの:日差し、煮干し

キーワード・
《隠れ巨乳》…一見そんなに大きくなさそうに見えるが、脱ぐと色々凄い。・
《独善的》…ひとりよがりで自分だけが正しいと信じてしまっている。・
《バイセクシャル》…異性だけでなく同姓にも恋愛感情を抱くことがある。・

生徒番号07
【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ) 女・
身長:165㎝ 体重:49㎏ 胸囲:83㎝
血液型:A型 誕生日:7月7日
好きなもの:前向きな人 嫌いなもの:罠
キーワード・
《中性的な容姿》…一見美少年のようにも見える整った顔立ちをしている。・
《アホの子》…基本的にはまともだが、どこか抜けているところが有り、たまに変なことを言ったりする。・
《超低血圧》…血圧が低く、突然めまいや立ちくらみなどを起こすことが多々ある。・

生徒番号08
【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン) 女・
身長:136㎝ 体重:38㎏ 胸囲:69㎝ 
血液型:AB 誕生日:5月8日
好きなもの:アニメ、弟 嫌いなもの:オバケ 
キーワード・
《泣き虫ビビり》…怖がりな性格で、ちょっとのことですぐに泣いてしまう。・
《声帯模写》…あらゆる声を真似することができる。その完成度はとても高い。・
《素直で良い子》…捻くれておらず、従順で真っ直ぐな性格。・

がんばれ
応援してるぞ

乙です。四つ質問があります。
このコロシアイの時系列は物語が進むにつれてわかりますか?
あと、通信簿イベントについて詳しく聞きたい。
次にに「フリーダム・ハロ」の全体図とか見れますか?
最後になんで「フリーダム・ハロ」という名前なんですか?
長文すみません。

生徒番号01
【超高校級の司書】 棚田 結(タナダ ユイ) 女・
身長:162㎝ 体重:49㎏ 胸囲:88㎝
血液型:AB 誕生日:6月11日
好きなもの:読書 嫌いなもの:カッターナイフ、自分自身
キーワード
《卑屈》…常にいじけていて、自分のことをダメな人間だと決めつけている。
《成人の余裕》…とある事情から既に成人を迎えているので、一歩引いた目線で物事を見ることが出来る。
《全身の傷跡》…服の下は傷跡だらけだで、ろくに手当をされてこなかったようだ。

生徒番号02
【超高校級の和菓子職人】 道明寺 櫻子(ドウミョウジ サクラコ) 女
身長:157㎝ 体重:46㎏ 胸囲:81㎏
血液型:A 誕生日:6月16日
好きなもの:甘いもの、可愛いもの 嫌いなもの:はしたない事
キーワード
《エロいことばかり考える》…清純そうに見えて内心ではHな事に興味津々なお年頃。むっつりスケベ。
《クーデレ》…普段はクールな態度だが好意的な相手にはデレデレする。
《帰国子女》…幼い頃は海外で暮らしていた。そのため洋菓子にも精通している。

生徒番号03
【超高校級のバドミントン選手】 飛火 梓(トビヒ アズサ) 女
身長:178㎝ 体重:65㎏ 胸囲:91㎝
血液型:B 誕生日:9月30日
好きなもの:暴れること、汁物 嫌いなもの:常識
キーワード
《野生児》…人間社会の常識に囚われない野生動物のような性格。
《危ない性癖》…常人には考えられないような、ある行為に性的興奮を覚える。
《サイコパス》…良心や道徳心といったものが欠如していて、自己の利益のためなら平気で悪事を働く。

生徒番号04
【超高校級の弓道部】 雪平 亜美(ユキヒラ アミ) 女
身長:173㎝ 体重:50㎏ 胸囲:72㎝
血液型:A 誕生日:2月25日
好きなもの:スポーツドリンク 嫌いなもの:パソコン
キーワード
《文武両道》…弓道の腕前は勿論のこと、勉学においても優秀な成績を残している。
《同姓にモテる》…凜とした佇まいから、女性に好意を抱かれることが多い。
《異性にきつい》…異性を意識してしまうと、素直になれず態度がキツくなってしまう。

生徒番号05
【超高校級の情報屋】 久住 夏帆(クズミ カホ) 女
身長:145㎝ 体重:40㎏ 胸囲:76㎝ 
血液型:O 誕生日:9月20日
好きなもの:役に立つ情報、飴 嫌いなもの:役に立たない情報 
キーワード
《面倒くさがり屋》…自分から働くことが嫌いで、面倒な事は他人任せにする。
《脅しの種》…情報は相手を脅し動かすための道具。その情報網は底が知れない。
《ドS》…他人が苦しんでいたり、悔しがっているのを見ることが大好き。

生徒番号06
【超高校級の催眠術師】 夢宮 黒猫(ユメミヤ クロネコ) 女
身長:165㎝ 体重:・57㎏ 胸囲:95㎝
血液型:B 誕生日:3月21日 
好きなもの:怪しい通販番組 嫌いなもの:日差し
キーワード
《隠れ巨乳》…一見そんなに大きくなさそうに見えるが、脱ぐと色々凄い。
《独善的》…ひとりよがりで自分だけが正しいと信じてしまっている。
《バイセクシャル》…異性だけでなく同姓にも恋愛感情を抱くことがある。

生徒番号07
【超高校級の不運】 四葉 結(ヨツバ ユイ) 女
身長:165㎝ 体重:49㎏ 胸囲:83㎝
血液型:A型 誕生日:7月7日
好きなもの:前向きな人 嫌いなもの:罠
キーワード
《中性的な容姿》…一見美少年のようにも見える整った顔立ちをしている。
《アホの子》…基本的にはまともだが、どこか抜けているところが有り、たまに変なことを言ったりする。
《超低血圧》…血圧が低く、突然めまいや立ちくらみなどを起こすことが多々ある。

生徒番号08
【超高校級の声優】 秋峰 フラン(アキミネ フラン) 女
身長:136㎝ 体重:38㎏ 胸囲:69㎝ 
血液型:AB 誕生日:5月8日
好きなもの:アニメ、弟 嫌いなもの:オバケ
キーワード
《泣き虫ビビり》…怖がりな性格で、ちょっとのことですぐに泣いてしまう。
《声帯模写》…あらゆる声を真似することができる。その完成度はとても高い。
《素直で良い子》…捻くれておらず、従順で真っ直ぐな性格。


生徒番号09
【超高校級の歌人】 秋峰 カラン(アキミネ カラン) 男
身長:136㎝ 体重:38㎏ 胸囲:69㎝
血液型:AB 誕生日:5月8日
好きなもの:ロック、姉 嫌いなもの:注射
キーワード
《双子の弟》…超高校級の声優、秋峰フランを双子の姉に持つ。2人は一卵性双生児で容姿はそっくり。
《脳内お花畑》…頭の中にお花畑でも広がっているのかと疑いたくなる程、思慮が浅く何を考えているのか分からない。
《ギター常備》…弾けもしないギターを何故か常に持ち歩いている。

生徒番号10
【超高校級のパン屋】 山川 米花(ヤマカワ ベイカ) 男
身長:173㎝ 体重:62㎏ 胸囲:84㎝
血液型:O 誕生日:4月12日
好きなもの:おっぱい、蜥蜴の丸焼き 嫌いなもの:女性専用車両
キーワード
《おっぱいに貴賤無し》…その大小に関わらず、全ての女性の胸部を愛する男。
《無自覚の女タラシ》…自覚はないが、普段の変態的な態度からは予想もつかないような格好いい一面を見せることがある。
《ゲテモノ好き》…普通の人なら食べることを躊躇してしまうような物を好む。

生徒番号11
【超高校級の軍師】 時雨 冬也(シグレ トウヤ) 男
身長:180㎝ 体重:67㎏ 胸囲:89㎝
血液型:A 誕生日:9月4日
好きなもの:ブラックコーヒー 嫌いなもの:喧嘩
キーワード
《ちょっとドジ》…基本的には有能だが、たまにどうしようもないミスを犯す。
《優れた技術と洞察力》…あらゆる場面で冷静に物事を観察し、様々な技術で適切な対処ができる。
《明るくフレンドリー》…誰とでも仲良くなれるような性格で、多くの人に好まれるタイプ。

生徒番号12
【超高校級の吹奏楽部】 音峰 弓弦(オトミネ ユヅル) 男
身長:177㎝ 体重:63㎏ 胸囲:86㎝
血液型:B 誕生日:6月6日
好きなもの:クラリス(クラリネット) 嫌いなもの:雑音
キーワード
《努力の天才》…才能に驕らず、人並みならぬ努力をし続けている。
《共感覚》…音を別の五感でも感じることの出来る能力がある。
《楽器フェチ》…楽器を愛するあまり異様な執着を見せる。

生徒番号13
【超高校級の囲碁棋士】 千島 直樹(チシマ ナオキ) 男
身長:168㎝ 体重:57㎏ 胸囲:81㎝
血液型:A 誕生日:1月5日
好きなもの:わらび餅 嫌いなもの:炭酸飲料
キーワード
《清廉潔白》…心が清く、私欲や後ろめたいことがない性格。
《先見の明》…常に先の事を考え、事が起きる前に見抜くことができる。
《頭は良いが抜けている》…どこか抜けているような所があり、非常識な一面をもっている。

生徒番号14
【超高校級の時計職人】 時事 正丸(じじ せいまる) 男
身長:132㎝ 体重33㎏ 胸囲:66㎝
血液型:A 誕生日:6月10日
好きなもの:とにかく速いもの 嫌いなもの:スヌーズ機能
キーワード
《見た目はショタ》…高校生にはとても見えない幼い身体。
《超せっかち》…時間にうるさく、思いたったらすぐに行動しないと気が済まないたち。
《笑みがラスボス》…笑った顔は可愛いだけではなく、謎の威圧感がある。

生徒番号15
【超高校級の忍者】 ラチェット・ラッドウィプス 男
身長:212㎝ 体重:89㎏ 胸囲:91㎝
血液型:B 誕生日:10月10日
好きなもの:ラーメン、おしるこ 嫌いなもの:生野菜 
キーワード
《超長身》…とにかく背が高く目立つ存在に見えるが、動きは素早く音もない。
《変わった日本文化》…日本文化に詳しいと言うが、その内容は何処かおかしい。
《正義の中二病》…自分のことを正義の味方であると言い張り、それにふさわしい言動を目指している。

生徒番号16
【超高校級の投資家】 宮之原 摂理(ミヤノハラ セツリ) 男
身長:192㎝ 体重:110㎏ 胸囲:109㎝
血液型:AB 誕生日:10月4日
好きなもの:筋肉、筋トレ、金 嫌いなもの:弱者
キーワード
《高圧的》…権力に物を言わせ、相手を見下したような強気な態度をとる。
《筋肉好き》…筋肉愛好家で自身も筋トレを欠かさないが、他人にまで強要する。
《老け顔》…高校生にはとても見えない大人びた顔立ち。しかし実年齢は十七歳。

乙でした
時雨が狛枝臭い…
それにしても文章めちゃくちゃ上手いなあ

乙。棚田さんを見せしめに選んだのはある意味で正解かもしれんが……棚田さん……強く生きてくれ


>>236
見せしめでキャラが死ぬということはありません。

>>238
ありがとうございます! 頑張ります!

>>239
質問ありがとうございます。
一つ目の質問については、物語が進む内に分かると思います。ただダンガンロンパ本編とは矛盾が出るかもなので、パラレルワールド的な物だと思って下さい。
二つ目の質問については、自由時間が始まるときに詳しく説明しようと思いますが、他のスレと同じように自由時間で通信簿を埋めるやり方になってます。
三つ目の質問について、1章ごとに地図を作ろうと思ってます。事件発生までには用意します。
四つ目の質問について、別に大した理由なんてないですが、今はまだ教えられないとだけ言っておきます。

>>242
ありがとうございます。まだまだ未熟な文章ですが、これからも頑張ります!

>>243
見せしめが棚田になったのは吉か凶か…それはこの先のお楽しみです。



すいません、遅くなりましたが、そろそろ再開したいと思います。

またまた、ゆっくりの更新となりますが見ていただけたら幸いです。




手記・Ⅱ

『始ま■は超■校級の■■家が出し■、一つの■■■した』

『その■■は■■■にない■新■な■■■含んでいま■た』

『しかし、■■すぎる■■は■■■平■を揺るが■■■ない』

『そ■考えた■■の■■■達は、そ■■■を■■家■と、この■から消し■■■と考え■のです』

『で■、それこそ■間違■だっ■■かもしれませ■』




× × ×





─────昔の事を思い出した。





私は本を読むのが好きだった。


いつも図書館に引き籠もっては、本ばかり読んでいた。


別に物語が好きだった訳じゃない。


王子様と結ばれるお姫様にも、難事件を解決する名探偵にも興味なんてなかった。


────ただ、文字を目で追うのが好きだったんだ。


真っ白いページに、黒いインクで刷られた文字。


読むと言うよりは……目に、脳に刻むと言った方が良い作業。


そんな、何の意味もないような事が好きだった。


だって──────








──────私の真っ白な心を、埋めてくれるような気がしたから。






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


    CHAPTER01【鮮血のホットミルク(あるいは間違えてしまった選択肢)】    


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





× × ×


────ペチャリ。


額に湿った感触を覚え、私は目を覚ます。

四葉「あ! 良かった…結ちゃん! 起きてくれた!」

濡れたタオルを私の額に乗せていた四葉と目があった。

覚醒しきってない頭で、何とか口を開く。

棚田「ん、ここは……」

四葉「結ちゃんの部屋だよ。今みんなを呼んでくるから少し待っててね?」

そう言い残すと、四葉は部屋を出て行ってしまった。

棚田「…………………っ!」

一人になると、それまで意識していなかった痛みに気付かされる。

そっか……私、槍で刺されて…

てっきり、死んだのかと思ってた。

刺される前に走馬灯を見たような気さえする。


棚田「……以外と私…しぶといのかな」


───なんて、そんな訳はない。


身体に巻かれた包帯、つんとくる消毒液のような臭い、そして……額の濡れたタオル。

こんな状況を見れば、私でも分かる。

きっと私は、誰かに治療されたから助かったのだ。


棚田「感謝…するべきなのかな…」

誰かに身体を気遣われること自体、初めてかもしれない。

こういう時に、どうすれば良いのかが分からない。


棚田「とにかく、このままじゃダメだね…」


私はとりあえず立ち上がろうと、ベッドから降りる。


棚田「あっ…あれっ!?」ガクンッ


だが、どうしたことか何もない床で躓いてしまった。

おかしいな……私はこんな何もない所でコケるような、ドジッ子キャラだったっけ…?

さっきから、上手く距離感が掴めないような気が……


棚田「あ…………」


その時になって、ようやく気付いた。














棚田「…………左目が………見えないんだ………」






────私が片方の光を失ってしまったことに。


× × ×


時雨「ごめんね。僕も医療の専門家じゃないから…治療が完璧じゃなかったのかもしれない」

部屋を訪れた時雨は、いきなり謝罪を始めた。

時雨「あの時…棚田さんが槍に刺される時、僕はもっと早くに動くべきだったんだよ」

時雨「そうすれば棚田さんの左目は………」

四葉「で、でも時雨クンが咄嗟の判断で結ちゃんの手を引いてなきゃ…結ちゃんが死んでたかもしれないんだよ!?」

四葉「だから、時雨クンは悪くない…むしろ結ちゃんの命の恩人だよ!」

二人の会話を聞く限り、どうやら私は時雨に助けられたらしい。

さすがは軍師さんだ。瞬時の判断力だけでなく怪我人を治療する技術まで持ってるなんてね。

しかも私なんかを助けるなんて、性格まで良くできてるよ。



私は、部屋に戻ってきた四葉と、彼女に連れられてきた時雨の二人に、事の顛末を聞いた。

───あの時。

クロクマが放った槍は私めがけて一直線に飛んできていた。

だが、それに気付いた時雨が咄嗟に私の手を引いた。

そのおかげで急所への直撃だけは避けられたのだそうだ。

ただ、完全に避け切れたわけではなく、身体に刺さった数本の槍の中の一つは、私の左目を抉っていった。

私が見た真っ赤な世界は、多分これが原因だろう。

その後、痛みで意識を失った私を部屋まで運び、止血等の治療を行ったという。

以外な事に、治療に必要な薬や包帯はシロクマが用意してくれたらしい。

あのクマ達は私を殺したいのか、殺したくないのか、一体どっちなのだろう。

治療がおわった後、目を覚ますまでの看病は、女子が持ち回りで担当してくれたようだ。

もっとも、それは全員ではないようだが。



時雨「それで、どうだい棚田さん? 動けそうかな? 無理はしなくて良いんだけど」

棚田「……慣れれば、問題ない」

右目だけと言うのは少し違和感があるが、それでも動けないことはなかった。

痛みも我慢できないほどじゃないし……

時雨「良かった。じゃあ早速で悪いけど一緒に来てもらえるかな?」

時雨「これから皆で話し合いをしようと思うんだ」

時雨「これからの事とか……クロクマ達が言っていた『ルール』について…とか、色々話さないといけないしね」

最初の頃とかわらず、落ち着いた笑顔を浮かべる時雨だったが、その瞳には真剣さが垣間見えていた。

四葉「よし、行こっか? 結ちゃん」

棚田「ん…………」

私は四葉に支えられ、ゆっくりと部屋をあとにする。

まったく………

はやく誰にも頼らずに歩けるようにならないとな……

このままじゃ、一人の時間がなくなるじゃないか。

常に誰かと一緒だなんて…考えただけでも吐き気を催しそうだ。


すいません。全然進んでいないのですが、今日はここまでにしても良いでしょうか。

本当にすいません。少し腹痛で続けられそうにないので…

次回は1月13日(水)になると思います。

乙乙
なかなかのハードモードだな……
主人公卑屈だし右目見えないし……

右目じゃない左目だ、眼帯キャラ?(それとも元々左目が見えなかった可能性すらある)

乙。人生ハードモードすぎんだろ棚田さん


棚田さんホント頑張って


キャラ立ちが凄くて引き込まれた。
主人公がどうコミュを取っていくのか期待

プロフィール見てて思った
棚田さん意外とおっぱい大きいな…(山川並みの感想)


>>255>>257
棚田さんのハードモード人生はまだまだ続きますね(予言)

>>256
現在棚田さんの左目は包帯で巻かれている感じです。
視力はありません。

>>258
棚田さんにはこれからも不憫な思いをさせてしまうでしょうから、どうか応援してやって下さい。

>>259
棚田さん…コミュニケーションとれるのかな…

>>260
ホワイト・ロンパの女子のおっぱい格差だと棚田さんは夢宮、飛火につぐ3番手に位置してますね。ちなみに>>1は貧乳派


では、今日も21時過ぎから更新します。

よろしくお願いします。


ありがとうございます。

21時を過ぎたので、そろそろ始めていきます。


× × ×


綺麗に並べられた椅子とテーブル。

仄かに香るのは、皿に盛られた鮮やかな料理だろうか。

皆が集まっていたのは、食堂のような部屋だった。


夢宮「にゃにゃ!? タナちー起きたのかにゃ!?」

棚田「ん…まあ…」

ラチェット「OH! それは、本当に良かったってばヨ!」

時事「てか、起きるの遅すぎだっつの」

宮之原「全くだのう…貧弱な身体をしておるからそうなるのだ」

道明寺「まあまあ、棚田さんが無事だったのですから…あまり怒らないでも良いではないですか」

千島「全員集合…これで話し合いもできるのである」


私が入ると同時に、何人かが話しかけてきた。

こんな状況で他人の…しかも私なんかの心配をするなんて…よほど余裕があるのか、それともただの楽観主義者か、判断に困るね。

問いかけを適当に受け流した私は、八人がけのテーブルの端に腰を下ろす。


時雨「うん。じゃあ、全員そろったから、また話し合いをしよう」

雪平「まずは状況を整理しようよ。今、私達は氷上基地と言うところに閉じ込められているのよね」

四葉「どこからか出ることはできないのかな?」

フラン「窓はついてるけど…全部開かないんです、ごめんなさいっ!」

飛火「アタシや宮之原のじいさんでも開けられなかったから、ありゃあ、相当堅い窓だな!」

千島「しかし仮に外に出られたとしても、待ち受けるのは氷河である。果たして生きて帰れるかどうか」

山川「あーもう、ダメじゃねーか! オレ、おっぱいが凍りつくのなんて見たくねーよ!」

フラン「みんなでおしくらまんじゅうすれば、きっと大丈夫なのだー! アハハハハ!」

道明寺「そもそも、窓を壊してあけるなんて…恐らく例の『フリーダム・ハロ規則』とやらを違反することになりますわよ?」


棚田「…?」


知らない単語に反応する。

字面から察するに、ここでの生活上の規則のことのようだけど……

四葉「ああ! 結ちゃんに渡すの忘れてたよ」

はっ、と思い出したように、四葉は慌ててポケットから四角い小さな板のようなものを取り出した。

それは、よく見ると電子端末のようだった。

四葉「これ、『電子生徒手帳』…って言うんだって。あのあとシロクマが私達に配ってたんだ」

夢宮「『電子生徒手帳』の中には、さっきの『フリーダム・ハロ規則』とか、ここのマップとか色々あるみたいにゃ」

私は手渡された端末の電源を入れてみる。

ピコーンッ

軽快な音を立て、画面が文字列を映し出す。

その中に『フリーダム・ハロ規則』という名前のアイコンを見つけ、タップした。



【フリーダム・ハロ規則】

【第一条、生徒達はこの基地内だけで共同生活を送りましょう。共同生活の期限はありません。】

【第二条、夜10時から朝7時までを夜時間とします。夜時間は立ち入りを禁止されている場所があります。】

【第三条、就寝は寄宿舎エリアに設けられたら個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りと見なし罰します。】

【第四条、氷上基地『フリーダム・ハロ』について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。】

【第五条、コロシアイ生活の進行役への暴力を禁じます。また、むやみに窓や、監視カメラ、鍵のかかっている扉などを破壊することを禁じます。】

【第六条、仲間の誰かを殺したクロは無事帰還となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。】

【第七条、生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。】

【第八条、学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。】

【第九条、学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが帰還となり、残りの生徒は全員処刑です。】

【第十条、以上の規則を守らなかった生徒は罰として処刑とします。】

【第十一条、皆で楽しくコロシアイをしてね!】



─────何だこれは。

読んでいて眩暈をおぼえる。

何度も出てくる処刑という文字に、槍に貫かれた自分の姿を重ね、底知れぬ恐怖を感じた。

………命が惜しければ、この『規則』を守らないといけないって訳ね。

まったく…誰だか知らないが、このコロシアイ生活というシステムを作った奴は悪趣味すぎるな。

私は震える手で、電子生徒手帳の電源を切り、そっと制服の内ポケットにしまった。



時事「てか、マジどーすんの? 窓壊す以外に帰る方法はねーの?」

話し合いは再び、ここから出る方法について進行していた。

夢宮「クロクマちゃん達にお願いしてみるとかどうかにゃ?」

音峰「その程度で出してくれる連中なら、初めからこんな事はしてないだろ」

フラン「うぅ…じゃあもう死ぬまでここで暮らすしか無いんですか…」

千島「万事休す、ここまでであるか」

皆が諦めムードに浸りつつある。

そんな中、一つの豪快な笑い声が部屋の中にとどろいた。



宮之原「ガーッハッハッハッハッ!!!!」

宮之原「ふん、何を言っておる? 帰る方法ならもう一つあったろうが…」




宮之原「コロシアイという『ルール』がのう!」





『ルール』。

宮之原がその言葉を口にすると、皆一様に黙ってしまう。

クロクマ達が言っていた『ルール』とは、私達にコロシアイをさせるというものなのだから、当然と言えば当然だ。



ラチェット「し、しかし…その『ルール』は本当なのかってばヨ!? クロクマ殿の言うことを信じるのかヨ?」

宮之原「ふん、クロクマの発言が本当かどうかなど今は問題ではないのぉ…」

ニヤリと不敵に笑う宮之原。






宮之原「重要なのは、その『ルール』を信じてコロシアイを起こそうとする奴が、この中にいるかどうかだ」





───スッ、と音が鳴った気がした。

交差する目線。

飛び交う猜疑心。

張り詰めた空気は、私達に一つの可能性を想像させる。








この中の誰かが───裏切るのではないかと。


× × ×


静まり返った食堂。

未だ止む気配を見せない吹雪は窓ガラスを叩き付ける。

その音がやけに大きく聞こえた。


沈黙がどれくらい続いただろうか。

永遠にも感じられるほど長い間───

疑心暗鬼という名の檻に、私達は閉じ込められていた。
















久住「ふわぁあ~……うん、よく寝れた」




────約一名を除いて。




久住「おはよ~(*・ω・)ノ」

久住「って、あれ? 何してるの皆おそろいで」

久住「あ、棚田さん起きたんだ? 良かったね」


呑気に話しかけてきた山田の言葉に、空気が溶け出すのを感じた。

雪平「お、おはよう…今は皆で今後についての話し合いをしてるのよ」

久住「ふ~ん、ご苦労な事だね」

音峰「ふん、寝坊助女…お前も参加しろよ。俺のクラリスが参加してやってるのに、寝坊助女ごときが無断欠席などふざけている」

フラン「く、クラリスさんも参加してたんですか…」

音峰「当たり前だ。クラリスはお前らと違って礼儀正しい女だからな」

夢宮「……にゃ、にゃはは……おとみんは時々何を言ってるのかわからないにゃ…」


先程までの沈鬱な雰囲気が弛緩していく。

ふう………

あんなに冷や冷やする展開は、もう御免だね。


宮之原「ところで情報屋。貴様は仮にも超高校級の情報屋なのだろう?」

唐突に、宮之原は山田に問いかける。

……そうか、この女…超高校級の情報屋なのか…

まともに自己紹介もしてくれなかったから山田の才能を知るのは初めてだった。

久住「うーん、そうだよー。ってそれは宮之原くんはよく知ってるでしょ」

宮之原「ならば今の状況に何か心当たりは無いのかの?」

久住「えー? うーん…私だって完璧じゃないから、何でも知ってるわけじゃ無いんだよねー」

宮之原「いいから早く教えんか。報酬ならここを出られたらいくらでもやるわい」

久住「でもでもー、私が知ってる事なんて、せいぜい─────」















久住「今回の件に【超高校級の絶望】って存在が関係してるかもって事ぐらいだよ」














四葉「……!?」

山川「超高校級の絶望…? な、なんだそりゃあ?」

飛火「聞いたことねーなぁ…適当言ってんじゃねーの?」

音峰「おい寝坊助女。クラリスにも分かりやすく説明しろ」



久住「んー、私も噂レベルでしか知らないから…あんまり言いたくないんだけどなー」

久住「まあ、いいか」


山田は心底どうでも良いような表情で語り始める。

彼女にとっては価値の無い情報らしい。


久住「なんでも、ここ数年の内に希望ヶ峰学園にそう言う存在が現れるっていう予測があるんだって」

久住「希望ヶ峰学園の上層部は既に兆候を掴んでるみたいだね」

久住「才能至上主義が横行した結果だとか、抑圧してきた予備学科の爆発によるものだとか…正体はよく分かってないみたいだけど」

久住「絶望と呼ばれる、希望ヶ峰学園を…もしかしたら世界すら陥れかねない存在」

久住「それが、近い将来あらわれる可能性はきわめて大きいらしいよ?」

久住「まあ私も、まさかこんなに早く出てくるとは思ってなかったけどさー」


……………………………………………

え……何なの…それ…?

超高校級の情報屋がもたらした事は、私には理解するのも難しいようなものだった。

まるで漫画とかゲームとか、そんな下らない大衆娯楽にありがちなお伽話のようだ。


道明寺「さ、流石にそれは…冗談ですわよね?」

久住「さあ? あくまで噂レベルだから信じる信じないは自由じゃないかな?」

夢宮「じゃ、じゃあ私たちはそんなヤバい連中が起こしたヤバい事件に巻き込まれてるのかにゃ!?」

雪平「嘘…でしょ…?」


ざわざわ、と誰もが不安を吐き散らすように喋り出す。

不安は恐怖を呼び。

恐怖はさらなる不安を呼ぶ。

ついさっきまで沈黙が続いていた場は、内に秘めた感情が爆発したかのようにざわめき出す。


────ああ、うるさいうるさい!

こういう集団特有の雑音は大嫌いだ。

私だって怖い。

怖いに決まってる。

絶望だか何だか知らないが、よく分からない奴らにコロシアイを強要されるなんて、怖くないわけが無い。

でも、それを口に出したところで意味なんか無いだろ。

不安を叫べば、誰かが助けてくれるのか?

恐怖を謳えば、救いが現れるのか?

そんな訳はないね。

誰も……私なんかを救ってなどくれないのだ。

なら……







なら私は───────────




時雨「────黙れえぇっっっっ!!!!!!!!!!!!」




一際大きな怒声が、私の陰鬱な思考とともに周囲のざわつきを吹き飛ばした。

皆の視線を集める彼は、襟元を正しながら、いつもの穏やかな顔を見せる。

時雨「……ふぅ、いきなり大声を出しちゃったね。失礼」

時雨「皆、今日は色々あって疲れたよね?」

時雨「時間も時間なワケだし、今日はそろそろお開きにしようと思うんだ」

時雨「いいよね、皆?」ニコッ


その笑顔は有無を言わさぬ迫力があり、あの宮之原でさえ文句を言う口を噤んだのだった。


× × ×


結局。

話し合いは終了となり、各自頭を冷やす時間を設けることとなった。

個室に戻ったり、物思いにふけったり、食事をとったり、それぞれ自由に行動を始めていた。

私は、部屋まで送ると言った四葉を断り、一人で自分の個室へと戻ってきた。

もう左目が見えないことでのバランス感覚のズレは大丈夫なようだ。

部屋に付くと、備え付けのベッドに頭から倒れ込む。

少し硬い枕は、私の疲れた脳を癒やすには幾分か中綿が足りなかった。


棚田「…はあ」


今日は本当に疲れた。

いや、私は半日近く気を失ってたらしいから、正確に言うと昨日を含んでるけれど。

ただでさえ他人がいるところに出るのは嫌いなのに……

希望ヶ峰学園。氷河。白い建物。見知らぬ十五人の高校生。氷上基地『フリーダム・ハロ』。左目の喪失。

クロクマ。シロクマ。超高校級の絶望。


───────そしてコロシアイという『ルール』。


この二日間だけで人生を2周しても巡り会えないような事態をいくつも経験させられた。


ああ、もう嫌だ。

………こんな所、さっさと出て行きたいものだ。

再び、私の思考回路が暗い感情に支配されそうになったその時。





─────ぐううぅぅぅぅぅ…





綺麗にお腹の鳴き声が上がった。

棚田「…は、ははは」

こんな状況でも、律儀に空腹を訴えるのか。

私の食い意地が汚いのか、人間の本能的なものなのか。

まあ、どちらでも良いや。何か食べないと考えることすらままならなそうだ。

そう言えば、食堂には料理がおいてあったっけ。

さっきはそれどころじゃ無かったから手をつけなかったけど…結構おいしそうだったような。

少なくとも私ひとりじゃ決して作らないような料理ばかりだったはずだ。


とりあえずの目的が決まり、私は行動を開始した。

目指すは食堂。

待ってろ美味しそうな料理ども。

何日ぶりになるのか分からない、まともな食事に胸を膨らませ部屋を後にした。


下らないことでもそうやって期待を持つことが、不安を打ち消すために、こんな私にもできる唯一のことだと思ったから。


ここから自由時間となります。

自由時間の説明をします。

自由時間は1日に最大3回まであります。

自由時間では、まず会話をする人物を安価で選びます。

そして、安価で選ばれた人物と会話を行います。会話中の選択肢により友好ポイントが増減します。

安価で選ばれた人物以外のキャラも出てくることがありますが、そのキャラの友好ポイントは変化しません。

また、会話後にプレゼントを渡すと、渡したプレゼントによって友好ポイントが増減します。

プレゼントは売店にてGETすることができます。

また、好感度によって友好ポイントの増減率が変化します。

好感度は1日の終わりに、その日の行動を踏まえ>>1が上下させます。

友好ポイントが一定値に達するごとに通信簿イベントが発生します。

通信簿イベントは一人のキャラに付き5回あり、5回全て終えると特別なスキルをGETできます。


現時点の好感度をのせておきます。

【棚田から各キャラへの好感度/各キャラから棚田への好感度】友好ポイント
※-が嫌い、+が好き、0が好きでも嫌いでもない状態

道明寺「感受性が豊かそうな人ですわね」…【-20/10】0P

飛火「まあまあ良い感じだったな」…【-20/20】0P

雪平「怪我がなおってよかったよね」…【-30/20】0P

久住「眠い…(_ _).oO」…【-20/0】0P

夢宮「タナちーは何だか面白そうな人にゃー」…【-10/25】0P

四葉「これから仲良くしようね!」…【-5/30】0P

フラン「ちょっと怖そうな人だったな…」…【-35/-5】0P

カラン「棚田…? 誰だか分からないのだー!」…【-20/0】0P

山川「おっぱいが付いてる生き物は基本好きだ!」…【-20/30】0P

時雨「僕のミスで傷つけてしまったかな…」…【-5/0】0P

音峰「根暗ごときがクラリスに話しかけるな」…【-40/-10】0P

千島「健康第一、無事で何よりである」…【-10/10】0P

時事「遅いやつに興味ないし」…【-20/0】0P

ラチェット「ニッポン人は素晴らしいってばヨ!」…【-15/10】0P

宮之原「貧弱すぎて目に入らんかったわい」…【-30/0】0P


では、最初の自由時間の安価をとります。

なお、売店に行くのは自由時間の回数にカウントしません。

安価↓2 会話するキャラ(売店に行く場合は、売店と書いて下さい)


安価把握しました。

今回はここまでとさせていただきます。

毎度の事ながらスローペースですみません。

次は自由時間を始めていきます。よろしくお願いします。

次回は1月15日(金)にきます。

質問等はいつでもどうぞ。

乙でした!
ご自分のペースで大丈夫だと思いますよ

乙。みんなマイナスからのスタートなのか


>>288
ありがとうございます。頑張ります!

>>289
今はマイナスでも、頑張れば+になるはずですよ。きっと。おそらく。


今日も21時頃より更新します。

今回から自由時間なので安価に参加していただけると嬉しいです。

少し遅くなりました。すいません。

更新の前にCHAPTER01における『フリーダム・ハロ』の地図ができたので乗っけておきます。
http://i.imgur.com/lyDKUV1.png


では、更新を始めていきます。



ピコーンッ

ピッ

ピッ

食堂に向かいながら、電子生徒手帳を起動し地図を確認する。

そこに、とある名前があることに気付き、私は足を止めた。

棚田「……売店、ね」

もしかしたら売店にも食べ物があるかもしれない。

居心地の悪い食堂に戻るよりは、自分の部屋で落ち着いて食事をする方がいいだろうし。

仮に売店に食べ物がなくても、必要物資の調達ができる可能性は高い。

不安点としては私が金銭の類いを持ってないことだけど……どうせ売店を用意したのもクロクマ達だろう。

犯罪者に遠慮する必要など無い。

棚田「……いってみようかな」

そう決めると、私は進路を売店に変え、歩き始めた。


× × ×


棚田「…なにこれ…?」

売店と言うにはあまりに寂しすぎる店内に、私は困惑を隠せずにいた。

様々な食品や雑貨類。

それらが綺麗に並べられた商品棚。

奥には会計するためのレジカウンター。

そういう、店らしい物が一切合切無いのだ。

こぢんまりとした部屋の中に存在するのは、売店とは似ても似つかない二つの大きな機械だけ。

でも、この機械…何処かで見たことあるような…

クロクマ「オレ様のオレ様によるオレ様のための売店、その名も『クロクマート』へようこそ!」

クロクマ「よく来たな、棚田ちゃーん! 海よりも深く、山よりも高く歓迎するぜ! ギャーッハハハ!」

呆然としている私をよそに、突如現れたクロクマは相変わらずの減らず口をたたく。

クロクマ「おう? その左目はどうしちまったんだ? まるで邪悪な力が封印されてるみたいでイケてるじゃねーかよ!」

棚田「……アンタがやったんでしょ…」

クロクマ「あぁん? まさかオレ様の眼帯姿が格好良すぎて真似してんのかよ?」

クロクマ「ダメだぜパクりは! オレ様のクールでサイコな立ち姿は著作権法で手厚く守られてんだぜ? オリンピックのロゴよりも手厚くな!」

クロクマ「ギャーッハハハ! ギャーッハッハッハッ!」

………………………………………………

……………………………………コイツと話しててもキリが無いな。

棚田「はぁ…」

私はムカムカする気持ちを、溜め息とともに身体の外に吐き出した。

ここで、怒っても何にもならないし。


棚田「それで……これはどういうこと? ここ、売店なんじゃないの?」

クロクマ「よくぞ聞いてくれたな! いいぜ、説明してやる…耳の穴かっぽじって、よーく聞けよ」


クロクマ「まず、こっちの白い機械は『シロクマガチャ』」

クロクマ「こいつは一日に10回まで無料で引ける超お得なガチャだぜ! それ以上引きたいときはメダル1枚に付き1回だけどな!」

クロクマ「ただし、中から出てくるのは大して面白くもない普通のアイテムばかりだ!」

クロクマ「シロクマガチャなのに、おも〝白く〟ないなんてウケるだろ? ギャーッハハハ!」


クロクマ「で、もう一つの機械は『プレミアムクロクマガチャ』だ!」

クロクマ「『シロクマガチャ』と違ってスペシャルなアイテムが手に入りやすいぜ!」

クロクマ「こいつを引くにはメダルが必要だ! メダル10枚に付き1回引けるぜ」

クロクマ「しかも、メダル100枚を使った10連ガチャを回せば、確実にSRなアイテムを一個はゲットできちまうんだよ!」

クロクマ「どうだい、オレ様ってスーパー良心的だろう? 天使と、女神と、呼んでくれて構わねーぜい?」

クロクマ「オレ様の気前の良さには、王道スマホRPGですらグラッときてブルッちまうな! ギャーッハハハ!」


クロクマ「おおーっと、そうだった! メダルについて説明してなかったなぁ!」

クロクマ「メダルを手に入れる方法はいくつがあるけど…」

クロクマ「基本的には、テメーらが『裁判』をクリアする度にもらえると思ってくれればいいぜ!」


クロクマ「以上で説明は終了だー! あぁん? オレ様の喋りは分かりやすいって? そうだろうそうだろう!」

クロクマ「でも、気をつけな! オレ様に恋すると危険だぜ! ギャーッハハハ!」


…………耳が疲れた。

なおも話し続けるクロクマを無視し、私は『シロクマガチャ』と『プレミアムクロクマガチャ』という機械の前に立つ。

見覚えがあると思ったら、よくゲームセンターなんかにおいてあるガチャガチャに似ているんだ。

さてと、どうしようかな。

メダルとか言うのは持ってないから、やるなら『シロクマガチャ』になるんだろうけど…

クロクマ達が用意した物だからあんまり期待はできないな…



安価↓2 『シロクマガチャ』無料10連を引くor引かない


棚田「………よし…」

私はシロクマガチャのレバーに手をかけた。

クロクマ「お? 引くのか棚田ちゃーん」

棚田「…何? 私が引いたら何かマズいの?」

クロクマ「いいや…いいぜ、見ててやるよ。伝説をな…!」

よく分からない事を言ってるクロクマは放っておく。

棚田「……っ!」

そして、レバーにかけた右手に力をこめて、引いた。


安価↓1~10のコンマで出るアイテムを判定



N プロジェクトゾンビ GET

N オブラート GET

N もちプリのフィギュア GET

N ジャスティスロボ人形 GET

N 狂いのダイアモンド GET

N 手ブラ GET

N ラジオくん人形 GET

N 携帯ゲーム機 GET

N ボージョボー人形 GET

N 浮き輪ドーナツ GET


棚田「…………」

機械の下部にある取り出し口から出てきたのは、使いどころのよく分からない物ばかりだった。

なんか人形多いし…

クロクマ「ギャーッハハハ! どうだったんだ?」

棚田「…最悪」

クロクマ「そいつはご愁傷さま。またのお越しを待ってるぜ!」

クロクマ「つーわけで今日は閉店ガラガラだぜ! 次回作にご期待下さい!」

棚田「えっ…ちょっ…これ!」

がらくたのような物を押し付けられた私は、クロクマに追い出されるように売店を後にした。

全く…ハズレを掴まされた気分だ。

しょうがない……

売店じゃあろくな食べ物は手に入らなかったし…当初の予定通り食堂に向かうしかないか。

私は疲れ切った身体で食堂へと歩を進めるのだった。



安価↓2 会話するキャラ


前回は途中で寝落ちしてしまって&土日に来ることが出来なくて申し訳ないです。

本日から更新を再開します。

15時頃から始めます。

忙しいかと思いますが、参加していただけると嬉しいです。


ありがとうございます。

15時を過ぎたので始めていきます。


× × ×


カチャカチャと金属がぶつかる音がする。

食堂には数人が残っていて、それぞれバラバラに食事をとっていた。

私はテーブルの端に座り、他の人と同じように皿に手を伸ばす。

すると、向かい側から声をかけられた。

千島「棚田氏も夕食であるか?」

棚田「………そうだけど、何?」

この男…確か超高校級の囲碁棋士…千島直樹だったか。

千島は眼鏡をクイッと持ち上げ、真っ直ぐこちらを見て言った。

千島「医食同源…食事をとることは心身の英気を養うのに大事ある。棚田氏は傷が治りきってはいないのだから、体力をつけるのは良いことであるぞ」

棚田「はあ…」

余計なお世話だ。

なんて、軽口が言えるような関係ではないので適当に相槌を打つ。

全く…相変わらず私なんかを心配するなんて、この男も大概だな。

その後は私と千島の間に会話はなく、二人とも、ただ粛々と目の前の料理を口に運んでいた。


千島「…………」ハフハフ

棚田「…………」モグモグ


…………………………………………………

咀嚼音がやけに大きく聞こえる気がする。

周囲が静かすぎるせいか、一度気になってしまうと、もう止められない。

……これが〝気まずい〟と言う奴か。

久しく他人と食事なんてしたことなかったから、どうしたら良いのか分からない…

私から話しかけるなんて、出来るわけないし……どうするかな。


1.千島に話しかける。

2.このまま食事を続ける。

3.食堂から逃げ出す。


安価↓2



………よし。

もう、これは逃げるしかないな。

三十六計逃げるに如かず、って言うし…戦略的撤退は時に必要なことだよね。

私は手元の料理ののった皿をかかえ、食堂から出る準備をする。

棚田「…………………」ガタッ

千島「…?」

急に私が立ち上がったのを訝しむような千島の視線を無視し、無言でその場を離れようとする。


───────だが、しかし。



ムニュッ

棚田「…ぶっ!!」

夢宮「…!! に、にゃにゃッ!?」

ドンガラガッシャーン!!!!

後を振り向いた途端、たまたま通りかかっていた夢宮の胸に顔ごと突っ込んでしまう。

そして、その勢いのまま足を滑らせ、床に倒れ込んでしまった。

パリーンという、嫌な予感のする音が食堂内に響き渡る。

周りの人々が一斉に私の方に振り向いた。



飛び散った皿の破片。

床にぶちまけられた料理。

棚田「~~~~っ!!!」カァァッ

目の前の惨事が皆の注目を集めてしまっている状況に、私は耳まで赤くする。

や……やってしまった………!

これはもうダメだ。恥ずかしい。死んでしまいたい。


あまりの失態に私が絶望しそうになっていると、後からスッと手が伸び、散らばった皿の欠片を拾い始めた。

千島「…大丈夫であるか? 小生も片付けを手伝うであるぞ」

棚田「……!」

夢宮「そ、そうにゃね! 私、箒とちり取り持ってくるにゃ!」

そういうと、夢宮は食堂を出て行き、千島は手で拾える範囲の片付けを始めたのだ。

私は二人の行動が理解できず、固まっていた。

どうしてコイツらは…私が原因なのに…こんなにも自然に動けるのだろう。

割れた皿を前に何も出来ずにいた私とは違い、二人はテキパキと片付けを行ってくれた。

夢宮「ふう、こんなもんかにゃ?」

千島「注意不足、これからは気をつけるのであるぞ棚田氏」

棚田「………ごめん…なさい」

夢宮「にゃははは! いいにゃいいにゃ、私だって不注意に後を歩いてたんだし…お互い様にゃ」

千島「まあ、これくらいのことは誰にでもある。そこまで気にすることはないのである」

今まで、誰にも赦されたことない私の謝罪の言葉は、二人の超高校級の高校生によって、いとも簡単に赦されたのだった。



千島にプレゼントを渡すor渡さない(渡す時は渡すプレゼントの名前)

安価↓2


棚田「……これ」スッ

私は先刻、売店で手に入れたヘンテコなアイテムの一つを取り出す。

千島「…これは…人形? 小生にくれるのであるか?」

棚田「……べ、別にお礼とかじゃないけど…一応」

千島「ふむ、ボージョボー人形か…まあ、ありがたく貰っておくのである」

千島は人形を受けとると、懐にしまった。

……少しは、喜んでくれたのだろうか。




千島との友好ポイントが+20した。


【通信簿イベント・千島Ⅰ】


千島「…そういえば、棚田氏は囲碁はご存じであるか?」

再び食事に戻った千島は、ふと思いついたように私に問いかけた。

そうだった。

千島は超高校級の囲碁棋士なんだったな…

棚田「囲碁は……前に本で少し読んだことある…」

千島「ほう…では、ルールは知ってるのだな? 打てるのであるな?」

棚田「…え? ま、まあ…多少は…」

千島「それは良かったのである。やはり同好の士というのは必要であるな」

棚田「いや…別に好きって訳じゃないんだけど…」

囲碁仲間を見つけた千島は、上機嫌で、心なしか笑顔に見える。

棚田「……やっぱり、囲碁は好きなんだ?」

千島「至極当然…小生は囲碁をするために生まれていたと言っても過言ではないと思っているのである」

千島「他のどんなことをしていても、先が読めてしまえば、つまらない物である」

千島「しかし、囲碁だけは小生をもってしても先が読み切れない…つまり、面白いと思える物なのである」

千島「だからこそ、小生は【超高校級の囲碁棋士】などとまで呼ばれるようになったのである…」

囲碁について嬉しそうに語る千島。


だけど、その笑顔は……何故か、とても寂しそうに見えた。



通信簿の1ページ目が埋まりました。

【超高校級の囲碁棋士である千島は大の囲碁好き。その理由は囲碁は先の読めない物だかららしいが…】



安価↓2 次に会話する人


× × ×


棚田「……あ」

音峰「ん?」


食事を終え、個室に戻る途中、会いたくない人物に出会ってしまった。

超高校級の吹奏楽部、音峰弓弦……またの名を変態野郎と言う。

音峰「ふん、誰かと思ったら根暗女か…まったく目障りだな」

棚田「私だって…会いたくて会ったわけじゃないし…」ボソッ

音峰「何か言ったか根暗女? 声が小さくて聞こえないぞ、なあクラリス」

普段から常備しているらしいクラリネットを撫でながら声をかけている。

相変わらずの変態振りだ……楽器に優しく接する音峰の姿には生理的嫌悪感を抱かざるをえない。

棚田「……じゃ、私行くから…」

私がそそくさと脇を通り抜けて個室に帰ろうとすると、その腕を掴まれる。

音峰「…待て、根暗女」

音峰「根暗女といえどお前も女の端くれだ。俺の質問に答えてもらおうか」

そんな失礼極まりない理由で引き留めるな、と怒鳴りたくなる気持ちをぐっと抑える。

ここで言い返したら余計に相手の反感を買うだけだ。堪えなくては……



音峰「なあ、根暗女。この赤いケースと黒いケース…どっちがクラリスに似合うと思う?」



棚田「…は?」

二つのクラリネット用の収納ケースを見せつけてくる音峰に、私の脳は反応できずにいた。

音峰は今何の質問をしたんだ?

クラリスに似合う? 似合うってなんだよ……

音峰「やはりクラリスも女なのだから同じ目線で見れる奴の意見が欲しくてな」

クラリネットと同じ目線にならなくちゃいけないなら、私は女じゃなくてもいいな……

でも、どうしようか。

何か答えないと帰してくれそうにないし…


1.赤のケースが良いと言う。

2.黒のケースが良いと言う。

3.腕を振り払ってて逃げる。


安価↓2


棚田「……こ、こっちの方が良いんじゃない?」

恐る恐る声を絞り出す。

私が指差した先には、黒色のシックな感じのケースがあった。

音峰「黒いケースか………ふっ」





音峰「ふははは、やはりな。俺もそちらが良いと思っていたんだ」

突然高らかに笑い始める音峰。

音峰「やはり俺とクラリスは運命で結ばれていたんだな。心が通じ合っているとすら言えるぞ」

音峰「根暗女。お前…意外とセンスがあるな。クラリスと俺の絆を見抜くとは」

………よ、よかった…

どうやら音峰の嗜好に合った答えを出せたようだ。

もし逆の答えを出していたらと思うと……考えたくもないね。

音峰は私の答えに満足したのか、その場で黒いケースを開きクラリネットをそっとしまった。

音峰「おやすみ、クラリス」チュッ

その際にクラリネットのマウスピースの部分に軽く唇を当てていて、マジで気持ち悪かった。

おえ…

安価↓2 音峰にプレゼントを渡すor渡さない(渡す時はプレゼントの名前)


棚田「………これ」スッ

音峰「ん? 何だコレは」

よく分からないアニメのキャラクターのフィギュアを音峰に押し付ける。

音峰「おい根暗女。俺がコレを貰って喜ぶとでも思ってるのか?」

棚田「…………思ってないけど…」

ていうか、私も要らないからアンタに押し付けてるんだよ。

変態にふさわしいプレゼントじゃないか。

音峰「センスが良いと言ったのは取り消したほうが良いようだな」

音峰「やはり、根暗女は根暗女か。少しはクラリスを見習って高貴に振る舞ったらどうだ」

そう言い残すと、少し機嫌が悪そうな顔で、すたすたと歩いて行ってしまった。

まあ当然だが、喜んではくれなかったようだ…




音峰との友好ポイントが+15した。


安価↓2 次に会話する人


安価把握しました。

すいませんが、一旦ここまでにします。

21時過ぎに再開したいと思います。


すいません遅れました。

再開します。


× × ×


ベッドに倒れ込むと、羽毛布団の柔らかさが私を包み込んだ。

棚田「…はぁ、疲れた」

食事に行ってきただけなのに、こんなに疲れるとは……先が思いやられるな。

とりあえず、もう今日はやることも無いし…このまま寝てしまっても良いな……

私は枕に顔を押しつけ、目をつむる。



──────ピンポーンッ



ゆっくりと眠りに入ろうとしていた所を、無粋な機械音が邪魔をする。

今のは…呼び出しのチャイムか。

私なんかに用があるのか…? 一体どこの誰だか。

まあ、こういうのは無視するに限る。

掛け布団を頭まで被り、私は寝る体制を整える。















ラチェット「棚田殿、寝てるのかってばヨ?」


棚田「……ぅわっ!?!」ガバッ


突然、耳元に男の声を聞き、慌てて飛び起きる。

棚田「あ、アンタ……なんでここに…?」

ラチェット「部屋の鍵が開いてたってばヨ! 不用心はよくないヨ、棚田殿!」

全身オレンジ色のエセ忍者は私のベッドの横に立っていた。

ああ…そういえば鍵を閉め忘れたような気が…

棚田「……で、でも勝手に入って来ないでよ…不法侵入でしょ…」

ラチェット「なんと…!? それは申し訳ないってばヨ!」

ラチェット「ワビと言っちゃあなんだが、拙者のヒミツを教えるってばヨ!」

ラチェット「ニッポン人の若いオナゴはヒミツが好きだと聞いたからヨ!」

棚田「……いや、別に…好きではないけど…」

ラチェット「遠慮するこはないってばヨ! さあ! さあさあさあ! 本当は聞きたいんだロ?」

ただでさえ背の高いラチェットは、体勢の違いもあって、より威圧感が増している気がする。

どうしようコイツ…はやく出て行って貰いたいんだけど…


1.秘密を聞く。

2.無理やり追い出す。

3.自分が出て行く。

安価↓2


仕方ない…コイツを出て行かせるには、秘密とやらを聞いた方が早そうだ。

棚田「わかったから…その秘密ってのを教えてよ…」

ラチェット「そう来なくっちゃってばヨ! では、拙者の超ウルトラスーパーレアなヒミツを教えるってばヨ!」

ラチェット「拙者のヒミツ……その名も……」




ラチェット「口寄せの術だってばヨ!」




そう叫ぶやいなや、ラチェットは両手を合わせたり、指をクロスさせたりと、なにやら不思議な行動をとる。

どうやら、印を結んでいるらしい。

一通りの行為を終えると、最後にハッというかけ声と共に両手を広げた。

すると───





─────────バサッ!!!!



薄い灰色の羽が舞う。

私の目には、影としか映らないほどの速さで飛び上がったそれは、くるりと部屋の中を1周し、ラチェットの肩にとまる。

くりっとした眼球。小さく丸い嘴。意外と厳つい足の爪。

図鑑に載っていた標準サイズより、いくぶんか小ぶりのようだが、決して劣らぬ迫力を持っていた。


棚田「……は、鳩…?」

ラチェット「ご名答! 何を隠そう、コレこそが拙者のヒミツにして最高の相棒、伝書鳩のクランクだってばヨ!」

クランク「クルッポー」

クランクと呼ばれた鳩は、鳥にしては賢そうな表情をしている。

時折、小首をかしげる仕草は愛くるしさすら兼ね備えているようだ。

棚田「この鳩……どっから連れて来たの…」

ラチェット「拙者の懐でずっと飼っていたってばヨ…って、違う違う! これは口寄せの術だってばヨ!」

懐で鳩を飼う……そういえば昔、マフラーでハムスターを飼っているとかいうふざけた中学生がいるとかいう記事を見たことがあるような……

それにしても、鳩か……うん、人間よりは愛嬌があるな。

思わぬ生物との遭遇に戸惑う私をよそに、鳩は、そのつぶらな瞳で静かに私を見つめていた。




ラチェットにプレゼントを渡すor渡さない(渡す時はプレゼントの名前)

安価↓2



棚田「………はい、これ」スッ

私は出来損ないのロボットのような人形を差し出した。

ラチェット「これは…! 超合金のロボット!?」

ラチェット「超合金と言えばニッポンの文化の象徴だってばヨ!」

勝手に象徴なんかにしないで欲しいな…

ラチェット「コレを拙者にくれるのかヨ!? 棚田殿は何と心優しい方だってばヨ!」

その人形…超合金じゃなくてただのプラスチック人形なんだけど…

まあ、なんだ……本人が喜んでるから良いとしよう。



ラチェットとの友好が+45した。


【通信簿イベント・ラチェットⅠ】


私の周りを飛び回るクランクを見て、ふと思い出した。

棚田「そう言えば…超高校級の忍者なんだっけ…アンタ」

独り言のような呟きにラチェットが反応する。

ラチェット「…? そうだってばヨ! 拙者、イガの国で修行を重ねた正義の忍者なんだってばヨ!」

ラチェット「拙者…幼き頃にニッポンのアニメを見て…それで忍者になろうと決心したってばヨ!」

ラチェット「あのアニメは確か……ニルト? ヌルト? ネルト? なんてタイトルだったか……」

棚田「それ以上は言うな……」

こんな所で著作権云々という問題に付き合うのはゴメンだ。

ラチェット「しかし、そのアニメがあったからこそ拙者は超高校級の忍者としてここにいる……」

ラチェット「やはり、ニッポンの文化は最高だってばヨ!」

満面の笑みでサムズアップするラチェットに、少しばかり嫉妬する。

その素直さが私にあったら……いや、考えるだけ無駄か。

どうせ私は…コイツの考えるニッポン人ほど、出来た人間じゃないのだから。



通信簿の1ページ目が埋まりました。

【ラチェットが忍者を目指したきっかけは日本のアニメ。幼い頃みたアニメの影響で今の自分があると思っているようだ】


【通信簿イベント・ラチェットⅠ】


私の周りを飛び回るクランクを見て、ふと思い出した。

棚田「そう言えば…超高校級の忍者なんだっけ…アンタ」

独り言のような呟きにラチェットが反応する。

ラチェット「…? そうだってばヨ! 拙者、イガの国で修行を重ねた正義のシノビなんだってばヨ!」

ラチェット「拙者…幼き頃にニッポンのアニメを見て…それでシノビになろうと決心したってばヨ!」

ラチェット「あのアニメは確か……ニルト? ヌルト? ネルト? なんてタイトルだったか……」

棚田「それ以上は言うな……」

こんな所で著作権云々という問題に付き合うのはゴメンだ。

ラチェット「しかし、そのアニメがあったからこそ拙者は超高校級のシノビとしてここにいる……」

ラチェット「やはり、ニッポンの文化は最高だってばヨ!」

満面の笑みでサムズアップするラチェットに、少しばかり嫉妬する。

その素直さが私にあったら……いや、考えるだけ無駄か。

どうせ私は…コイツの考えるニッポン人ほど、出来た人間じゃないのだから。



通信簿の1ページ目が埋まりました。

【ラチェットが忍者を目指したきっかけは日本のアニメ。幼い頃みたアニメの影響で今の自分があると思っているようだ】


× × ×


『キーン コーン カーン コーン』


ラチェットも帰り、一人になった個室に、学校のチャイムのような音が鳴った。

何事かと思って、音の出所……壁につけられたモニターに目を向けると、見たくもない顔が映し出される。


シロクマ『基地内放送、基地内放送~♪』

シロクマ『午後10時になったよ!』

シロクマ『今から夜時間になります!』

シロクマ『間もなく食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す!』

シロクマ『ではでは、良い夢を見てね。おやすみ~♪』


なんとも、呑気な時報だ。

でも、もう10時か…今日は色々あって長かったような、短かったような…

私は再び布団に潜り込む。

しかし、寝ようとすると、どうしても不安が胸中にわき上がり眠れない。


だから────

今日のことは全部夢で…起きたらいつもの図書館に一人。

そうだ。きっと、そうに決まってる。

───そんな風に、私の思考はどうしようもない程情けない方向に進んでいった。



でも、きっとそれはまだマシなのだ。

現実逃避すら許されない状況にならない限り、あの頃よりはだいぶマシだ。



夜は流石に暖房を強くしているのか、寝るのに支障はない。

私はまぶたを閉じる。

ゆっくり、ゆっくりと眠り落ちていく私。

少しずつ、少しずつ溶けていく意識。



─────────私は眠る。



布団の下で。

氷河の上で。

不安の隣で。

現実逃避の後で。


そして、コロシアイの中で。



【シロクマ&クロクマ劇場】


シロクマ「このたびは『ホワイト・ダンガンロンパ』をご愛読頂き誠にありがとうございました!」

クロクマ「おいおい、いきなりどーしたんだよ!? まるで打ち切りになった週刊漫画みたいなこと言って!」

シロクマ「でもでも、最初の挨拶は大事だって言うし、こういうのはきちんとしないと…」

クロクマ「かぁーっ、テメーは見た目シロくて中身真っクロっていうギャップキャラじゃ無かったのかよ!」

クロクマ「そんなんじゃ、中身までシロくなって…まるで黄身の無い卵みたくなっちまうぜ! ギャーッハハハ!」

シロクマ「クロクマが何を言おうと、ボクはボクだからね。それに黄身がなくても、白身はおいしいよ~」

クロクマ「あぁん? 白身?」

クロクマ「ギャーッハハハ! こいつはお笑いだぜ!」

クロクマ「白身なんて味はしねーし、何の意味も無い部分じゃねーか!」

クロクマ「たとえるなら、この『ホワイト・ダンガンロンパ』なみに無味無臭で意味が無いぜ!」

クロクマ「ホワイトだけに白身ってなぁ! ギャーッハハハ!」

シロクマ「うーん、第1回がこんなオチで良いのかなぁ…?」

本日の結果


【棚田から各キャラへの好感度/各キャラから棚田への好感度】友好ポイント
※-が嫌い、+が好き、0が好きでも嫌いでもない状態

道明寺「感受性が豊かそうな人ですわね」…【-20/10】0P

飛火「まあまあ良い感じだったな」…【-20/20】0P

雪平「怪我がなおってよかったよね」…【-30/20】0P

久住「眠い…(_ _).oO」…【-20/0】0P

夢宮「タナちーはああ見えてドジッ子なのかにゃ-?」…【-5/30】0P

四葉「これから仲良くしようね!」…【-5/30】0P

フラン「ちょっと怖そうな人だったな…」…【-35/-5】0P

カラン「棚田…? 誰だか分からないのだー!」…【-20/0】0P

山川「おっぱいが付いてる生き物は基本好きだ!」…【-20/30】0P

時雨「僕のミスで傷つけてしまったかな…」…【-5/0】0P

音峰「センスが良いのか悪いのか分からないな」…【-35/-5】15P

千島「棚田氏が囲碁を知っているとは」…【-5/20】20P

時事「遅いやつに興味ないし」…【-20/0】0P

ラチェット「拙者のヒミツはどうだったってばヨ!」…【-5/20】45P

宮之原「貧弱すぎて目に入らんかったわい」…【-30/0】0P


すいません、今回はここまでにします。

次回は1月20日(水)に来ます。

質問等はいつでもどうぞ。

乙!毎度毎度文章も話も上手くて引き込まれる…
投下はしてないけどオリロンパ書いてる身としてすごく憧れます

質問なんですけど生徒のイメージCVとかこの作品のこのキャラに似てるとかって決めてますか?

質問ですが事件はいつ頃起きる予定ですか?
今の1日たった3人だけの交流制度のままだと交流する生徒が出ないまま事件が起きる気がするのですが

確かに今のペースのままだと交流しないで事件起きそう
切角安価でキャラ作ったのに自分が名付けたキャラが交流されないまま退場されたら嫌だな。かといって露骨に交流組から退場されたら交流しない人の勝ちみたいになるからもっと1日の交流人数を増やして欲しいです


>>351
ありがとうございます!
残念ながら>>1は声優さんに詳しくないもので…読んでる方が自由に考えて貰って構いません。もし、似合いそうな声優さんなんかが居れば教えて欲しいです。
キャラの見た目については、まだ少し先の話ですが簡単なイメージイラストを描いてみようかと思っています。


>>352
>>353
確かにそうですね。
では、これからは一日に最大5人ずつ自由行動することにしましょう。
そして1章ではあと三日、自由行動を設けようと思います。


本日の更新ですが、>>1の都合で、22時頃からになります。
遅くなってしまいすいません。

参加してもらえれば幸いです。

了解
片寄ったりするようなら乱入なりゲリライベントなりでなるべく多くと交流できれば嬉しい


>>355
ありがとうございます。できるかぎり検討します。

では、22時を過ぎたので始めていきます。


【コロシアイ生活・3日目】



クロクマ『グッモーニンッ!』

クロクマ『オレ様が朝の七時をお知らせするぜ!』

クロクマ『テメーら、今日も一日頑張るぞい! なんっってな! ギャーッハハハ!』


耳障りな声。

布団の上からでも響く大音量が、私の眠りを妨げる。

顔に当たる冷たい空気が、私を現実へと引き戻した。

棚田「……はぁ」

吐く息が白い。

それだけのことが、今の状況を思い出させ、私の心を沈ませる。

こんな寒い日には、布団の外に出たくなくなるな…

私は掛け布団の端を掴み、頭から被り直して二度寝の体勢をとる。

どうせ、起きたってする事は無いし…他の連中と顔を合わせるのも嫌だ。

今日は一日、寝ていよう。

そうやって、事態が落ち着くまで部屋に引き籠もっていれば良いんだ。

そうすればコロシアイなんていう馬鹿げた事に巻き込まれずに済む。


私は、微かな痛みに疼く左目を押さえ、再び眠りについた。


× × ×



どのくらいたった頃だろうか。


──────ピンポーンッ


呼び出し音が耳に届き、私は上体をむくりと起こす。

また…誰か来たのだろうか…いい加減、放っといてくれても良いのに…


──────ピンポーンッ


二度目のチャイムが、訪問者に諦めて帰る意思がないことを告げる。

棚田「……はぁ…仕方ないな」

私はベッドから降り、ドアへと向かった。

ドアノブの下のつまみを回し、ロックを解除する。

すると……三つの影が押し入るようにして私の前に現れた。




夢宮「にゃふふふ…タナちー、おはようにゃー!」

飛火「朝だぞ! 迎えに来たさ-!」

四葉「あ、あはは…ゴメンね結ちゃん。いきなり来ちゃって…」



部屋に入ってくると、三人は私の腕を掴み、そのまま外へと連れ出そうとする。

棚田「……ちょっ、いきなり…何すんの」

夢宮「にゃって、しぐしぐが連れて来いって…」

しぐしぐ……は確か時雨のことだったか…

でも、軍師さんが一体私に何のようだって言うんだ。

四葉「時雨クンから皆に提案…というか、言いたいことがあるんだって。だから皆、朝食会もかねて食堂に集まってるんだ」

私の表情から感じ取ったのか、四葉が疑問に答えてくれた。

棚田「言いたい事、ね……昨日、話し合いが上手くいかなかったのに懲りない奴…」

飛火「まあ、そーゆー訳だから大人しく観念してな!」ガシッ

棚田「うわっ…!?」

後から飛火に抱え上げられた。

腰に回された腕は、細身だが確かな筋肉に覆われているのが分かる。

これは…振りほどいて部屋に戻る、なんてことは出来なさそうだ。

棚田「……はぁ…」

白い溜め息を残し、私は無様に食堂へと連れて行かれるのだった。


× × ×


食堂には、美味しそうな香りが漂っていた。

テーブルの真ん中の大皿に、大量のトーストが盛られている。

私は、試しに一枚手に取ってみる。

こんがりきつね色の焼き目。

とろり、と溶け出してパン生地に染み込むバター。

一口噛むと、サクッと言う軽快な音と共に、香ばしさが口の中に広がる。

棚田「……美味しい…」

山川「当たり前だぜ! オレが作った食おっぱ…じゃなかった、食パンだからな!」

棚田「だから、信用出来なかったんだけど…」

目の前に座る超高校級のパン屋、山川米花が誇らしげに語る。

流石に超高校級と言うだけあって、言動はともかくパン作りの腕前は確かなようだ。


食堂に集まった私達16人は、テーブルを囲み朝食を取っていた。

皆を呼び出した時雨が、話の前に済ませようと提案したらしい。



しばらくして皆が一通り朝食を終えると、時雨が口を開いた。

時雨「みんな終わったみたいだね。じゃあ、そろそろ…始めようか」

時事「ようやくか、さっさとしてくれ」

四葉「まあまあ、そんなに急かさなくても」

時雨「昨日の話し合いでもしたんだけどさ、クロクマ達の言う『ルール』や、『超高校級の絶望』のこと…僕なりに色々考えてみたんだ」

時雨「そして、その結果、辿り着いた結論を皆に言いたいと思う」

時雨「まず、始めにいっておくね」

時雨「当然だけど、コロシアイ…ここから出るためでも殺人はやってはいけない事だ」

道明寺「あ、当たり前ですわ…」

フラン「殺人なんて……こ、怖いし無理ですっ! ごめんなさいっ!」

時雨「そうだね……でも、もしかしたら疑心暗鬼に陥り、誰かがコロシアイをしようと考えてしまうかもしれない」

ラチェット「そ、それはダメだってばヨ!」

時雨「そう。だから僕らはコロシアイを絶対に防がなくちゃならないんだ」

時雨「コロシアイを防ぎ、さらにここを脱出するには全員の協力が必要となるよね」

千島「一致団結…確かに協力は大事であるな」

時雨「じゃあ、全員が協力するのに最も大事な事が何か……わかるかな?」

その場の全員に問いかけるようにして、くるりと私達の顔を見回す。

私達に答えさせよう、と言うことらしい。

治療の件もあるし、時雨には恩を感じては無くは無いのだが…こういう所は好きになれない。

会話を円滑に進めるためなんだろうが、どうも上から目線のように見えてしまう。


四葉「大事な事…なんだろう? 絆…とかかな?」

山川「大事…ハッ! 分かった、おっぱいだな!」

雪平「違う。それだけは、断じて違うから!」

道明寺「は、はしたないっ! はしたないですわ、山川さん!」

宮之原「ふん…支配力に決まっておろう。いつの時代でも人を纏めるのは圧倒的な支配者だからの」

夢宮「えーと…それはつまり、リーダーってことかにゃ?」

時雨「リーダー…うん、確かに集団を纏めるのにリーダーは必要な存在だね」

時雨「でも、僕が考える最も大事な事はリーダーじゃない」

時雨「僕の答えは─────」



時雨が答えを言おうとした時、私は嫌な予感がした。

そして、その予感は見事に的中する。












時雨「───仲間との〝コミュニケーション〟だよ」













─────やっぱり、コイツは好きになれそうもない。




音峰「コミュニケーションだと? ふっ…そんなものが役に立つのか?」

時雨「コミュニケーションは、人と人とをつなぐ大事なことだ」

時雨「より良い信頼関係を気付くためには欠かせないと僕は思うよ」

人と人とを繋ぐ? より良い信頼関係?

きれい事ばかり並べて…私みたいなコミュニケーション能力の無い人間の事なんか考えてないじゃないか。


時雨「そこで、皆に提案なんだけど…」


時雨「まず一つ目に、これから朝食は皆そろって食べることにしよう」

時雨「これは、単にコミュニケーションを取るためだけじゃなく、その日の予定や、これからのことについて話し合う場にもなるからね」

四葉「それは良い考えだね!」

時事「僕は朝早いから。それに合わせてくれるならOK」

夢宮「私も賛成にゃ! 皆と朝ご飯は楽しそうにゃ!」

時雨「よかった。みんな賛成みたいだね」

棚田「……ぁ」

ま、待って! 私は反対なんだけど…

反論を挟もうとするも、自分から話しかけることに慣れてないので、会話に入れない。


時雨「次に二つ目、これは強制ではないんだけど…この建物を調査しようと思うんだ」

時雨「三人ずつぐらいの調査班を作って、班ごと手分けして調査しよう」

時雨「もしかしたら、出口や出るための手がかりが見つかるかもしれないしね」

カラン「調査なんて…まるで探偵みたいなのだ! ぼくはやりたいのだ! アハハハハ!」

フラン「か、カランちゃんがやるならフランも…」

ラチェット「こういう時こそ拙者の出番だってばヨ! 正義のシノビの力見せてやるってばヨ!」

時雨が出した二つの提案は、私の気持ちとは裏腹に、他の人達にはすんなり受け入れられた。

もちろん私は反対だったが、そんなことを言い出せる空気ではない。

私は、がっくりと肩を落とし、明日からの朝食に絶望していた。


宮之原「それで、軍師よ…支配者はどうするのだ? 調査をするなら、やはり指示をする者が必要だろう?」

時雨「それは……そうだね」

宮之原「どうしてもというなら貧弱な貴様らを儂が導いてやっても良いのだがのぉ…ガーッハッハッハッ!」

道明寺「リーダーなら時雨さんが良いのではないですか? 先程から会話の中心になっていますし…」

時雨「え、僕が?」

千島「確かに…適材適所、こういうのは軍師である時雨氏が適任かと」

時雨「うーん、分かったよ。みんながそう言うなら僕がリーダーをやろう」

時雨「みんな、それでいいかな?」

確認の為、時雨が私達に投げかける。

すると、手をスッと上げて申し立てる人が現れた。

雪平「ちょっと待ってよ…やっぱり男子がリーダーってのは良くないと思うの」

超高校級の弓道部、雪平亜美は、まさに矢を射るかのごとき鋭い視線で物申した。

雪平「ほら、男子じゃ女子の事とかよく分からないだろうし、変な所でぎくしゃくしたくないわよね?」

雪平「それに、男子に任せるなんて納得いかないし…」ボソッ

時雨「なるほど…確かにそれもそうだね。じゃあ、雪平さんもリーダーをやろう」

時雨「男女一名ずつがリーダーになれば問題ないよね?」ニコッ

雪平「え? うーん、そうね…それならいいわ」

渋々といった様子だが、一応納得したのか、雪平は頷く。



こうして、時雨と雪平という二人のリーダーが誕生したのだった。



久住「宮之原くん、無視されてやんの( ´艸`)」クスクス

宮之原「……………………………」

宮之原「ふん、貴様ら貧弱な貧乏人どもは儂が支配するに値しないわ! ガーッハッハッハッ!」


× × ×


その後、新リーダーが解散の号を出し、一先ず今日の所はお開きとなった。

調査班とかの詳しいことについては明日の朝に決めるらしい。

棚田「……はぁ、疲れた」

自然と溜め息が零れる。

私はカップに余っていたコーヒーを飲み干すと、食堂を後にした。


安価↓2 会話するキャラ(売店の場合は売店と書いて下さい)


安価把握しました。

今日はここまでにします。

次回は1月22日(金)に来ます。

質問等はいつでもどうぞ。


今日は15時頃から始めます。

参加して頂けると嬉しいです。


少々遅れましたが、始めます。


× × ×


時雨「あ、棚田さん。その後、調子はどうだい?」

廊下を歩いていると、後から声をかけられる。

やあ、と言う風に片手をあげた時雨は、私の隣に並んで歩き始めた。

棚田「……別に、問題ないから」

私はそげない返事をして、歩くスピードを上げて立ち去ろうとする。

しかし、時雨も歩幅を大きくし私についてくるではないか。

な、何なんだ…こいつは…

時雨「あははは、逃げなくても良いじゃないか。僕はもっと棚田さんと話したいんだし」

棚田「………私は嫌」

時雨「つれないなぁ…ほら、たとえば悩みとかないかな? 僕で良ければ相談に乗るしね」

………………………………

棚田「別に無いし…」

棚田「アンタ…リーダーさんなんだから私なんかに構ってないで、色々やることやった方が良いんじゃないの」

見え透いた偽善的行為に辟易した私は、嫌味っぽく突き放す。

すると、時雨は急に真面目な顔をした。



時雨「〝リーダー〟だからだよ」



時雨「リーダーだから、仲間の不安や悩みを取り除こうとするのは当たり前だろう?」


時雨は立ち止まった。


それにつられて、私も足を止める。


時雨「もう一度聞くよ」





時雨「何か、悩んでるかととか……ないかな?」





時雨の問に、私は───────



1.何も無い、と答える。

2.無言を貫き通す。

3.その場から逃げ出す。


安価↓2


私は──────何も答えられなかった。


棚田「………………………………………」


当然だ。

私の事を何も知らないような奴に、あっさりと打ち明けられるほど、私の過去は安くない。

それに、それすらも見透かしているかのような時雨の視線が、悔しくて、恥ずかしくて……私は奥歯をかみしめた。


沈黙が空気を支配する。

居心地の悪さだけが続く時間。


その苦痛にたえかねたのか、ふっ、と顔を綻ばせ、時雨は笑顔を見せる。

時雨「…そう簡単に言えることじゃないか」

時雨「ごめんね。変なこと聞いちゃってさ」

時雨「でも、やっぱり僕は棚田さんが心配なんだよ」

棚田「……………?」

どうして時雨は、ここまで私に突っかかってくるんだ。

私の過去なんて知りもしないくせに………

そんな、私の疑問に答えるかのように、時雨は言葉を続けた。


時雨「だってさ、見てしまったから───」





時雨「────────棚田さんの身体の傷」





棚田「……ッ!!」

棚田「…み、見たって、そんな!?」


時雨「わざとじゃ無いんだ……槍に刺された傷の治療の時にね」

時雨「見たのは多分僕だけだから、他の人は知らないと思うよ」

時雨「その傷…かなり昔からあるようだけど未だ治ってない…むしろ膿んでしまってるみたいだ」

時雨「素人目で見ても、まともな治療を受けてなかったことは明白だよ」

時雨「それが、棚田さん自身の問題か、家庭環境によるものなのかは分からないけど……」

時雨「いつか、棚田さんから話してくれるのを、僕は待つことにしたよ」


時雨は優しく私に言葉をかける。


だが、私の耳には届いていなかった。


私は肩を抱き、必至に心を落ち着かせる。


大丈夫……大丈夫……もう、大丈夫なんだ……!


体中の古傷が悲鳴をあげている────そう思えて仕方がなかった。



安価↓2 時雨にプレゼントを渡すor渡さない(渡す時は渡すプレゼントの名前)


時雨との友好ポイントが+25した。


【通信簿イベント・時雨Ⅰ】


しばらくして。

なんとか落ち着いた私に、時雨は再び声をかけた。

時雨「棚田さんばかりに、あれこれ聞くのは失礼だったね」

時雨「お詫びと言ったら何だけど…僕の事を話しておこうか」

私は返事をしなかったが、時雨は構わず話を続ける。

時雨「僕が【超高校級の軍師】……UNISOの二等陸佐なのは前に言ったよね」

時雨「そこで、僕は軍事行動の作戦を考えたりしてるんだ」

時雨「その作戦が認められて希望ヶ峰学園にスカウトされたんだけど、僕がこういう事をしてるのに対して批判的な態度の人は多いんだ……」

時雨「確かに、人によっては戦争肯定してる様に見えたり、あるいは人を殺すのに荷担してるようにも見えるかもしれない」

時雨「でも、僕は…僕の作戦はそうじゃないんだ」

時雨「僕の作戦は、人を守るための作戦。敵味方関係なく、全ての人間の命を守る作戦なんだ」

時雨「だから…………僕は自分の才能に誇りを持ってるよ」

そこに、強い意思があることを示すかのように、時雨は語気を強くする。

誇りを持つ……か。

プライド。自尊心。

あいにく、私には縁のない言葉だ。

でも───────

今、誇りを熱く語る時雨の姿は、私の目にも眩しく映ったのだった。



通信簿の1ページ目が埋まりました。

【超高校級の軍師、時雨冬也はUNISOで作戦を考えている。その作戦は命を守るための物だそうで、その事に誇りを持っているらしい】


安価↓2 次に会話するキャラ


× × ×


あれ…? なんか、人だかりが出来てる…

個室に戻ろうとする私の前に、数人が集まっていた。

一体何をしてるのか……

四葉「あっ! 結ちゃん…」

雪平「棚田ちゃん、ちょうど良いところに来たわね」

道明寺「少しお時間よろしいでしょうか」

よろしくないんだが……

そんなに広くない廊下に人が集まっていたので、私は逃げる場所を失っていた。

仕方なく、話を聞くことにする。

四葉「それがね…雪平ちゃんの提案で女子の皆で交流を深めようって話になってて…」

棚田「……交流…?」

雪平「ええ。やっぱり男子にばかり任せておけないし、私達は私達で協力していきたいじゃない?」

笑顔で答える雪平を恨めしくにらむ。

まったく…余計なことを考える女め…

夢宮「でー、こうやって女子のみんにゃに声をかけてたのにゃ!」

道明寺「フランちゃんと山田さんには断られてしまったのですが…飛火さんが見つからなくて困っていたのですわ」

四葉「ね、結ちゃん! 良かったらボクと一緒に飛火ちゃん捜しに行こ?」ギュッ

棚田「ん…」

四葉は私の手を握り、ニコッとほほえむ。

……………………………………………仕方ないな。


まあ、ここで他の三人の相手するよりは幾ばくかマシだろうし。


私は渋々…あくまで渋々、四葉の提案をのんで、飛火の捜索を始めるのだった。


四葉「えーと…じゃあどこから探そうか?」

棚田「…………」

飛火が居そうな所って言ったら…



1.飛火の個室

2.食堂

3.広間


安価↓2

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