母「あなたの男君は、血がつながってないの」妹「よっしゃ!」(64)

母「妹ちゃん、ちょっといいかしら?」

妹「何、母さん?真剣な顔して。」

母「実は大切な話があって・・・。」

父「・・・・」

母「と、突然のことだとは重々承知しているわ。」

母「でも、もうあなたも高校生、知っておいて欲しいことなの。」

妹「・・・・?どういうこと?」

母「・・・・男君とあなたは血が繋がっていないの。まったく。」

妹「えっ・・・・。」

父「男は、なかなか子供を授かれなかった俺たちが施設で引き取ったんだ。」

妹「えっと、それって・・・・義理の兄ってこと?」

母「そうなるわね。ごめんなさい・・・今まで黙ってて。でもいつか言おうとは思っていたの。」

妹「お兄ちゃんはそのこと知ってるの?」

父「いや、話していない・・・。」

妹「(やったわ!こんなちゃんす二度と無いわよ!逃がしてたまるもんですか!!)」

母「(みょ、妙に嬉しそうね・・・)あ、あなたが幼稚園の頃から男君に甘えて」

母「まるで本当の兄妹のように見えたから中々言えなかったの・・・・。」

妹「大丈夫よ、母さん。私、お兄ちゃんが好き(大好き。愛してる。)だって家族だもの!」

父「い、妹よ・・・お、俺はなんて出来た子供を授かったんだ・・・・父さん嬉しい・・・」ぶわっ

妹「ねぇ、起きてお兄ちゃん・・・・夜中の1時だよ?」

兄「んぅ・・・午前1時・・・?なんの用だよ・・・。」

妹「ねぇ、お兄ちゃん。もしも、私がお兄ちゃんのこと好きって言ったらどうする?」

兄「昔から言われなれてるからな、特に何もおもわねーよ。可愛らしいなぁ、程度かな。」

妹「そうじゃなくて!好きってこと。ilkeじゃなくて、loveだよ!」

兄「あぁ、家族愛って奴か?それなら、なんつーか家族の間で結束力が生まれるな。」

妹「違うもん!私はお兄ちゃんが好きなの!どうして分かってくれないの!?」

兄「いや、分かってるって。俺だってお前のこと好きだから。」

妹「えっ!?」きゅん

兄「妹として。」

妹「兄貴のアホぉー!」だだだだだ・・・・

兄「ふむ、可愛らしい妹だな。うぅ、眠い・・・・。」

兄「おはよぉ~。あれ、妹は?」

母「さ、先に学校行っちゃったわ・・・。」

兄「へぇ、珍しいな。『家族は一緒にご飯を食べるのが仲良しの秘訣』とか言ってたのに。」

兄「当の本人が投げ出してちゃ本末転倒だな。」

母「まぁ・・・・高校生になったばっかりで、複雑なのよ・・・。」

兄「そういうもんか。さて、俺もそろそろ大学いくよ。1限から測定工学とか意味わかんねーよ。」

兄「あっ、今日はサークルで飲み会あるから、晩飯はいいよ。悪いな母さん。」

母「はいはい。大学にいる間くらいは、気兼ねしないで羽伸ばしてきなさい。」

兄「ありがとう。じゃあ、いってくるよ」

母「行ってらっしゃい。車には気をつけるのよー」

兄「はーい!」

~大学~

友a「はぁ・・・・・」

男「おはよ~。ん?どうしたんだよ。今日は珍しくテンション低いな。」

友b「い、いや・・・・こいつさ・・・・・。」

友a「・・・・・母親が俺の実母じゃなかった。」

男「(う、うわぁ・・・・朝からヘビーな話題だ。今夜の飲み会で元気付けるか。)」

教授「であるからして、測定誤差が・・・・」

~和民~

ガヤガヤ・・・・

女先輩「じゃあ、今年度から新しくサークルに入った、新入生の紹介をしてもらおうかぁ!」

新入生「はい!一番いっきまーっす!特技は、タバスコ一気飲みです!」

新入生「いっきまーっす!!」ぐびぐびぐびぐび

「ありきたりだが、それがいい!」

友a「ありきたり・・・それっていいよな・・・・普通の家庭って奴がさ・・・・・・。」

男「そ、そんなもん特技じゃねーだろ!特技ってのはな、無理してやるもんじゃねーんだよ!」

新入生「す、すいません・・・・はひーはひー・・・・・」

男「店員さん、山崎12年ダブルストレート、5杯お願い。」

友b「お、お前まさか・・・・あれをやるのか?ほら、ビールジョッキと・・・・コレ。」

ドボドボドボドボ

友b「ほ、ほら・・・空のビールジョッキに全部入れたぞ?」

男「おう!見てろ新入生共!こういうのが特技っていうんだよ!」

ジュルルルルルルルルルル・・・・・・

新入生「ス、ストローで鼻からウイスキー飲んでる!!」

男「ぷはぁっ!うめぇっ!!店員さん、白州10年ストレート!!」

友a「・・・・・お前どんなけ飲むんだよ。ははは。」

男「お前も飲めよ。ほら、俺のストロー使えよ?」

友a「それだけは死んでも遠慮しとくわ。」

男「うぅ・・・新入生に良い顔しようとしてやりすぎた・・・・。うげぇ・・・吐きそう。」

友b「あ、あのなぁ・・・飲み会じゃいつも突っ込まないけど、やっぱそれって特技じゃなくね?」

男「うっせー、特技ったら特技なんだよぉ・・・・。」

友a「しかし、お前の酔い方は半端無いな。度数40~50はあるだろ、ストレートなら。」

男「そうだな・・・う、うっぷぅっ!!」

友b「も、最寄駅だ!降りろ男!!」

男「トイレトイレ!!」うげぇぇぇ・・・・

友a「はぁ・・・お前なぁ・・・・。」背中すりすり

男「お前を元気付けようとしたんだよ、感謝しろこの野郎!」うげぇ・・・

友b「まぁ、そういうこった。」

男「悪いな、途中下車させちまって。次の電車が来るまで一緒に待つよ。」

友a「いい。むしろここにいるな。」

友b「は、早く帰らないと家族が心配するぞ?な?帰ったらどうだ?」

男「で、でも・・・」

友a「もう吐かないならいいけどな。」

男「そ、それは確約できんな・・・・・。わかった、帰る。」

友a「おい、男。」

男「どうしたんだ?」

友a「俺、前向きに考えるわ・・・・そっか、血が繋がってないなら、やりたい放題だよな・・・・・・。」

友b「(うおっ、こいつ元気になりすぎた!)」

男「ま、まぁ・・・元気になったんなら別にいいよ・・・じゃあな・・・・。」

男「げっ、雨かよ!!」

男「コンビニで傘でも・・・・ん?」

妹「おーにーいーっ!」ぱしゃっぱしゃっぱしゃっ・・・

男「・・・はぁ?!妹ぉっ!?」

妹「迎えに着てあげたよ。はい、傘!」ずいっ

男「えっ、お前いつから待ってたの?」

妹「雨が降り始めてからだから、10分くらい?(本当は2時間待ったんだけどね!!)」

男「そりゃよかった。しかしゲリラ豪雨だな、これは・・・。」

妹「ほんとだよぉ・・・制服びちょびちょになっちゃった。」くるくる・・・

男「おい、ブラのホック丸見えだ。」

妹「いやん。おにぃのえっちぃ・・・・」

男「純粋に気持ち悪いんだけど・・・」

妹「(ぐはぁっ・・・・)」

妹「・・・・・・」トボトボ

男「今日は焼けに静かだな。」

妹「そ、そう・・・・?」

男「晩飯は食ったのか?」

妹「それが・・・まだ食べてないんだぁ」

男「どうして?もう9時半だぞ?」

妹「部活帰りにパフェ食べちゃって・・・・。」

妹「それでおなかいっぱいになった気がして。」

妹「お母さんに晩御飯いらないって言っちゃって・・・・えへへ・・・・はぁ・・・」

男「しゃーねーな。ファミレス寄って行くか?親には俺から連絡入れとくからさ。」

妹「いいの!?」

男「あぁ、俺も脂っこいものばっかり食べ過ぎたからサラダでも食いたいし。」

妹「い~やったぁ~!」


妹「お兄ちゃん!」

男「なんだ?」

妹「大好きぃ!」

男「はぁ・・・・俺もだよ、妹。」

~ファミレス~

店員「喫煙席ですか?禁煙席ですか?」

男「喫煙せk・・・」

妹「禁煙席で!!」

男「お前・・・・俺の奢りってこと忘れてないか?」

妹「あっ、そっか・・・・じゃあ別々の席で・・・・」

男「アホか。」

妹「うぅ・・・・じゃあ喫煙席でいいです・・・・・。」

店員「はい、かしこまりました。」

男「あぁ、あと。タオルあります?こいつ濡れちゃって。」

店員「後でお持ちしますね。お席はこちらです。」

ぺらぺら

妹「おいしそー!」ぐぅ~

男「はぁ・・・お前見てると俺も腹減ってきた。」

ぺらぺら

妹「・・・・太るよ?」

男「お前に言われたくねーよ。胸ばっかり太りやがって。」

妹「そ、それは欠点じゃないじゃない!」

ポチッ ピンポーン

妹「げっ!まだ決めてないのになんで押してんのよぉおおお!!」

男「ふっ、兄への忠誠心が成ってないからだ。ほらほら急げ急げ、あと6秒程だ・・・・」

妹「ふぁわわわわわわあぁ・・・・(こ、こうなったらお兄ちゃんと同じものを・・・・)」

店員「はい、お客様。ご注文の方お決まりでしょうか?」

男「えっと、俺は・・・・」ちらっ

妹「・・・・ごくり」

男「・・・・ドリンクバーで。」にやり

妹「・・・・ほ、他には頼まないの?」

男「あぁ、タバコと飲み物があれば俺は生きていける。」スパスパ

妹「(自分の優柔不断な性格をこんなに恨んだのは初めてよー!こうなったらー・・・)」

妹「(目を瞑って決めるしか・・・・コレ!)コレ下さい!!」ちらっ

男「ぶふぉっ」

店員「・・・・・・」ぷるぷるぷるぷる

妹「えっ?えー!?お子様ランチ!?」

男「まぁ、自覚があるってことを行動で示したいんだな。分かるよ、うんうん。」

妹「あわ・・・あわわわわ・・・・・(照)」

店員「では、失礼します・・・・」

妹「店員さん、注文確認もしないで行っちゃった・・・・。」

男「そんな余裕無かったんだろうな。一刻も早くここから立ち去りたかったんだろう。」

妹「はぁ・・・ポケモンのおもちゃとかついてるのかなぁ・・・・」

男「それより何の国旗が来るのか予想しようぜ。」

妹「お兄ちゃんはいつも楽天家だよねぇ・・・。」

男「まぁ、酔ってるからな。鼻から飲んだり。」

妹「鼻から飲むって・・・・」

男「それより国旗当てようぜ。恐らく・・・・終戦前の日本。」

妹「さ、さすがにそれは来ないでしょ・・・。じゃあ私はブラジル。」

男「じゃあ俺はスペイン。」

妹「えっ、変更できんの!?」

店員「おまたせしましたー」

妹「・・・・・スペイン。」

男「カンニングって奴だ。」スパスパ

男「で、腹減ってんだろ。早く食えよ。ほれほれ、スペイン産のお子様ランチをさ。」

妹「あ、案外美味しいかも・・・」

男「ほぉ、特にどれが美味しい?」

妹「このミニハンバーグ。これ結構・・・あーん」

男「頂き。」もぐもぐ

男「中々美味いな。」

妹「くそ兄貴めぇ・・・・!」

男「スペインスペインスペイン早く食えよスペインスペインスペインスペイン・・・・」

妹「か、カンニングカンニングぱくぱくぱくふぁんにんぎゅふぁんにんぎゅ・・・・」

男「ドリンクバー行ってくる。」

妹「私のも入れてきて!」

男「お前ドリンクバー頼んでないだろう。じゃあ氷だけを大量に・・・・」

妹「水に決まってるでしょ!」

男「あいあい・・・・」

妹「今のうちに・・・・ぱくぱくぱくぱく」

男「ほら、貰ってきたぞ。」

妹「あいがとお・・・もぐもぐ」

男「お前は立ち食い蕎麦屋にいるサラリーマンか。」

妹「う、うるさい!カンニング魔!ほんとにもう・・・ぐびぐび・・・・えっ?」

グラグラグラグラ・・・・

男「地震か。かなりでかいぞ。」

男「・・・・机の下に隠れろ。」

妹「えっ、どうしt・・・」

男「早くしろ!」

妹「は、はい!」

グラグラグラグラ がちゃちゃがちゃがちゃ・・・

男「これ、震度5強はあるぞ。」

アナウンス「お客様、現在地震が続いております。騒がず慌てず机の下に体を隠してください。」

妹「ね、ねぇ・・・治まってきたんじゃない・・・・?」

ガヤガヤ

「もう大丈夫だな。」
「長かったわねぇ・・・。」

男「・・・・まだ隠れてろ。俺も隠れる・・・・。」

妹「どうして?」

男「ここからが怖いんだよ・・・4人席で良かったぜ」

妹「・・・・(お兄ちゃんとくっつき放題だぁ、へへへ・・・・・)きゃっ!?」

ズドンッ!!

ガシャンガシャンガシャン!!

「キャーッ!!」

男「直下型だ!建物が保たないぞ!」

妹「お兄ちゃん、怖いよぉ!」

男「よしよし、怖く無い怖く無い・・・」ぎゅぅ

妹「おにぃ・・・・」ぎゅぅ

男「ちょっとした、アトラクションだと思って楽しめ。」

グラグラグラグラ!!

ぷつ・・・ぷつん・・・・・

妹「電気が消えた!?」

男「それどころか、携帯の電波が拾えない。マジでヤバイな。」

妹「お父さん、お母さん・・・・・」

男「大丈夫だろ、あの2人なら。」

妹「もう、大丈夫じゃない・・・?」

男「あぁ、次は恐らく数分後だな。今のうちに逃げるぞ!」

妹「あっ、伝票!」

男「律儀だな!今度払うってか?」たったったったった・・・・

男「はぁ・・・はぁ・・・・・・」

妹「・・・・・・・」

男「まるで映画だな。父さんと母さんはどうしてるかな・・・・。」

妹「ここからでも分かるよ・・・・家が全部無いんだもん。」

男「とりあえず家に帰るぞ。」

妹「う、うん・・・・手・・・・・」

男「ん?」

妹「手、繋いで欲しい・・・・」

男「はいはい。」ぎゅっ

妹「えへへ・・・・」ぎゅぅ

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