メイド「あけましておめでとうございます」(10)

食堂

坊っちゃん「!」

主人「アケマシテオメデトウ? なんだそれは」

メイド「はい、東洋のある国では新年を迎えるとき、このような挨拶をするのです。本で知りました」

主人「こちらのハッピーニューイヤーみたいなものか」

メイド「左様でございます」

主人「まあ、いくつになっても勉強するのはいいことだ」

メイド「ありがとうございます」

坊っちゃん「……」

主人「……あけましておめでとうか」

オリジナルです

メイドと坊っちゃんが主人公なので
少し昔のロンドンみたいなところのお話です

メイド
27
がさつ
背が高い

坊っちゃん
12
口が悪い
かわいい

坊っちゃんの部屋

坊っちゃん「……」

メイド「入るぞ!」コンコンガチャッ

坊っちゃん「……勝手に入るならノックなんかするな」イラッ

メイド「おお、悪いな」

坊っちゃん「まあ、いい。で、なんだ」

メイド「風呂の用意ができたからな、さっさと入れ! と、呼びに来たんだ」

坊っちゃん「そりゃどうも。……ところで」

メイド「なんだ?」

坊っちゃん「さっきのアレ、なんだよ」

メイド「さっきの? なんのことだ」

坊っちゃん「新年の挨拶とかいうやつだよ!」

メイド「ああ、アレか。特に意味はないぞ! なんとなくだ!」

坊っちゃん「ほう、じゃあアレはどこで知ったんだ? 本で読んだとか言っていたけど、メイド、本なんか読めないだろ?」

メイド「そうだ! 私は家が貧乏だったから学校に行かなかったんだ! だから字もわからん! なんか本で読んだとか言ったほうが格好いいからな。……で、どこで知ったんだっけ?」

坊っちゃん「ほら、思い出せ。ヒントは昨日のことだ」

メイド「昨日のこと? なんかあったかな」

坊っちゃん「ぼくが教えたんだよ! じまんげに話しやがって! 腹立つわ!」

メイド「そうだそうだ! 思い出したわ」

風呂場

坊っちゃん「……まったくメイドのやつめ。いいかげんなんだから」チャポン

坊っちゃん「ふーっ。やっぱりお風呂はいいな」

坊っちゃん「……それにしても」

坊っちゃん「メイド、今日もかっこよかったなぁ//」

坊っちゃん「メイドはぼくの初恋の人……」ボー

メイド「入るぞ!」ガラガラ

坊っちゃん「きゃあああ!」

メイド「! なんだよ、女みたいな声出して。びっくりさせるな!」

坊っちゃん「おまえはいつもいつも急に現れて! ノックをしろよ!」

メイド「悪いな!」

坊っちゃん「で、今度はなんだ?」

メイド「背中を洗わせてもらおうか!」

坊っちゃん「はああ!?」

メイド「最近、めっきり一緒に入らなくなっただろう? わたしは寂しいんだ! だから、せめて背中くらい洗わせてもらう」

坊っちゃん「いやだよ! 自分一人でできるわ! しかもすでに洗ったし!」

メイド「でもお」

坊っちゃん「いいからでてけよ!」

メイド「……ちっ」ガラガラ

坊っちゃん「……」

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