鳳翔「機動部隊、出撃いたします!」 (28)

※初スレたて
※オリ設定
※鳳翔さん大好き

が含まれます。



『深海棲艦』。まるで沈んだ軍艦のような姿をした彼女達は、突如出現し人類のシーレーンを瞬く間に破壊した。
もちろん人類も反撃をしたが彼女達には既存の兵器が通用せず、各国の海軍とく壊滅していった。
そんな絶対絶命の人類に、一筋の光明が差し込む。いわゆる『妖精』の出現である。
彼らは先の大戦で沈んだはずの、旧日本海軍の『艦船』と共に現れた。
なぜかこれらのに『艦船』による攻撃は深海棲艦に有効だったのである。
彼らと意志疎通をし、手を組んだ日本海軍は、深海棲艦に対抗すべくそれらの『艦船』を運用しようとする。
普通の艦艇であれば人が艤装を動かすのだが、これらの『艦船』は妖精が動かす。
そのため日本海軍は『艦船』とリンクし『妖精』と意志疎通することができる適正を持つ女性を、『艦娘』として徴用する。
これは、『艦娘』とそれらを指揮し共に戦った『提督』の日常と戦いの物語である。



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提督「ここが呉鎮守府か…」


『提督』、妖精と意志疎通をし
、艦娘を指揮する。対深海棲艦部隊の前線指揮官である。

『提督』になるためには、妖精と意志疎通ができることはもちろん、頭脳、人格、思想、肉体などの検査が行われ、それらすべてを満たした者のみがなることがゆるされる。


(まさか空軍から転籍になって、海軍の提督になるなんて思わなかったなぁ)

提督「にしても綺麗な建物だなぁ…」

?「…この建物、明治40年に建てられたもので、旧海軍の時も鎮守府だったんですよ」

提督「そんな歴史のある建物だったのか~、美しくも重厚でいいな」

?「そうですね、私も大好きな建物です」

提督「ところであなたはこの鎮守府の方ですか?」

?「あっ、まだ名乗っていませんでしたね。」

鳳翔「航空母艦、鳳翔です。不束者ですが、よろしくお願いいたします。提督お待ちしておりました」ぺこり

提督「この度、この呉鎮守府に着任した提督という者です。この呉鎮守府の艦娘の指揮を取ることになります。よろしくお願いします。」ぺこり

提督(小柄な女性だ、それなのになんというか底知れない母性を感じる。何故だろう)

鳳翔「ああっ、そんなかしこまらないでください。その…私は提督の船なのですから」おどおど

提督「あ、ああ、それもそうだな。では鳳翔さん、この鎮守府の案内をしてもらっても構わないだろうか?」

鳳翔「はい、かしこまりました」

鳳翔(この提督、とてもいい人そう。かっこいい方だし、よかったぁ)












鳳翔「提督、まず何からご覧になりたいですか?」

提督「そうだな…」ウーム

提督「うん、決めた。【鳳翔】から見よう。」

鳳翔「えっ、そ、その提督、こ、困ります」もじもじ

提督「駄目なのか?」

鳳翔「え、えーとっ」もじもじ

提督「そーか、駄目か。日本初の航空母艦の姿をまずは、この目で見てみたかったのが」ずーん…

鳳翔「えっ、ああそういうことでしたか、私とんだ勘違いを…」顔真っ赤

提督「うん?なにを勘違いしてたんだ?」

鳳翔「い、いえなんでもありません。忘れてください」パタパタ

提督「あ、ああ…」

鳳翔「では、【鳳翔】を見に桟橋のほうに行きましょうか」

提督「ああ、よろしく頼む。すごく楽しみだ」

鳳翔「うふふ」

鳳翔(なんでこんな勘違いをしてしまったのでしょう。普通に考えればわかるのに…)







~桟橋~

提督「これが航空母艦【鳳翔】か!」わくわく

鳳翔「はい、空母にしては小さいですが、これでもれっきとした航空母艦なんですよ」

提督「いや、大きいさぁ、今まで艦娘の艦船は駆逐艦しか見たことがなかったし…、それにとても美しい船だ」

鳳翔「そんなぁ、ありがとうございます。」

提督「あのー鳳翔…」

鳳翔「はい、なんでしょうか?」

提督「乗ってみてもいいか?」

鳳翔「はい、構いませんよ」にこにこ

提督「本当か!ありがとう、空母に乗るの夢だったんだ!」ダッシュ

鳳翔(提督、結構子供っぽいところがありますね)








~格納庫~

提督「ここが格納庫か」

鳳翔「はい、今は96式艦上戦闘機と97式艦上攻撃機を搭載しています」

提督「おっ、妖精さんもいるな」

妖精A「あ、鳳翔さんです!それとと…知らない人です?」

妖精B「怪しい奴です?」

鳳翔「こらこら、こちらの方はこの鎮守府に着任された提督よ、ちゃんとご挨拶しなさい」

妖精A「そうだっですか~、よろしくお願いするです~」ぺこー

妖精B「お願いするです~」ぺこー

提督「こちらこそよろしく頼む。」

提督「それで物は相談なんだが、この96艦戦もっとじっくり見てもいいか?」

妖精A「全然Okです~、提督は物好きです~」

妖精B「変人です~?」

鳳翔「こらっ」

提督「いや、いいんだよ。やっぱり元パイロットってこともあるのかも知れないが、飛行機を見るとワクワクするのは事実なんだ」

鳳翔「提督はパイロットだったのですか!?」

提督「これでも一応は戦闘機乗りだったんだぞ」

鳳翔「そうだったのですか、うちの子達と話が合いそうでなによりです」

妖精A「提督は何乗ってたですか?」

妖精B「零戦ですか?紫電改ですか?」

提督「私が乗っていたのはジェット戦闘機でな、音速はいいぞ」

妖精A「ソニックブームってどんな感じです?」

妖精B「ミサイル射ったことあるです?」

ワイノワイノ

鳳翔(うちの子達ともすぐうちとけて、いい感じですね)



~艦橋~
提督「そしてここが艦橋か」

鳳翔「はい、提督が【鳳翔】に乗艦されて指揮をなされる時は、ここでやっていただくことになると思います」

提督「なかなか広くて安心した、トイレはどちらだろうか?」


~甲板~

提督「そしてここが甲板か」

鳳翔「はい、ここで艦載機の発着艦を行います」

提督「やはり海軍のパイロットは凄いな、こんな短い距離でよく着艦できる」

鳳翔「うちの子たちはまだまだ失敗することも多くて」

提督「とんぼ釣りの駆逐艦は付けてあると聞いたが?」

鳳翔「三日月ちゃんにお願いしてあります。ここへの移動も彼女に護衛してもらいながら一緒に来ました」

提督「そうだったのか、早く会いに行かなければな」

鳳翔「はい、では三日月ちゃんに会いに行きましょうか」







~桟橋~
三日月「あ、鳳翔さん、お疲れ様です。」トテトテトテ

提督(この少女が三日月か、小学生にしか見えん。適正があるからと言ってこんな小さな子を徴用しているのか)

三日月「あなたが司令官ですね。三日月です。どうぞお手柔らかにお願いします」

提督「この度、この呉鎮守府に着任した提督という者だ。君達の指揮を任されている。よろしくお願いする。知りたいことがあればなんでも質問してくれ」

提督(外見は凄く幼そうなのに中身は結構しっかりしているのかな)

三日月「あ、それでは一つ質問しても良いですか?」

提督「おお、なんだ?言ってみろ」

三日月「はい、この呉鎮守府にいる船は見たところ、鳳翔さんと私だけのようなのですが」

提督「ああ、それについては心配ない。この呉鎮守府にもどんどん船が配備されていく予定だ」

提督「まだまだ完成した船は少ないが、睦月型の三日月君、そして艦娘初の航空母艦の鳳翔さん、君達はこれから増えていく艦娘達の、良き先輩になってくれることを期待する」

鳳翔「はいっ!」

三日月「頑張ります!」

提督「俺は空軍から移され
た。そして最初に配備された船は航空母艦。つまり大本営は俺に空母機動部隊の錬成、運用を確率してもらいたいのだと思う」

提督「実をいうと、深海棲艦にも航空母艦型がいるみたいなんだ」

三日月「そうなんですか!」

鳳翔「つまり、敵機動部隊が出てくる可能性があると…」

?「提督、ここにいらっしゃいましたか」

提督「ああ、君は大本営の…」

任務娘「はい、任務娘と申します。以後お見知りおきを」

提督「ああ、こちらこそよろしく頼む、それでどういった用件で?」

任務娘「はい、執務室でお待ちしていたのですが、先程通信が入りまして…」

任務娘「呉鎮守府担当の海域で深海棲艦が出現、民間船に被害を出しているそうです」

提督「さっそくおいでなすったな、敵の編成は?」

任務娘「駆逐艦数隻とのことです。」

提督「初陣にはいい機会だ」

提督「当該海域に急行し航空攻撃をもって深海棲艦を撃滅する。艦隊、抜錨!」

鳳翔「了解しました!直ちに抜錨いたします」

三日月「鳳翔さん、頑張りましょう!」

鳳翔「はい、頑張りましょうね!」

鳳翔「提督は【鳳翔】に乗艦されますか?」

提督「ああ、そうさせて頂こう」

鳳翔「わかりました、鳳翔、出撃いたします」

航空母艦【鳳翔】が桟橋から離れ動きだす。駆逐艦【三日月】も同じように桟橋から離れたようだ。鳳翔と三日月は単縦陣(といっても二隻だが)になり現場海域に急行した。















鳳翔「提督、まもなく当該海域です。報告では敵駆逐艦は一隻とのことです。」

提督「了解した。第一次攻撃隊の発艦準備は?」

鳳翔「整っております」

提督「では、艦隊進路を風上にむける。三日月は鳳翔後方で潜水艦を警戒してくれ」

三日月『了解しました!』

鳳翔「風向き…良し!航空部隊、発艦!」

まずは護衛の96式艦戦が、続いて魚雷を抱いた97式艦攻が飛びたっていく

提督(今回は敵の場所と戦力がわかってたから良いものの、次回からは直掩機と偵察機を出さないといかんな)

鳳翔攻撃隊と戦闘機隊は上空で旋回、編隊を組んで敵艦に向けて飛びたっていった

提督「やっぱり編隊飛行ってのは良いものだな」

鳳翔「あの子達もはじめての戦闘ですから、興奮しているでしょう。ですが訓練はちゃんと積んできました。やってくれるはずです」

提督「ああ、これがこの艦隊の初戦果になるだろう」










~敵偵察艦上空~
97妖精A「敵艦捕捉、イ級のやろうだ!ぶちかましたるぞ!」

97妖精s「おおうよ!」

97式艦攻の編隊が一隻の駆逐艦に群がる。次々に投下され海面を泳いだ魚雷は敵駆逐艦に突き刺さり大爆発あげた。敵駆逐艦は瞬く間に海に没した。明らかにオーバーキルだった。

鳳翔「あの子達から通信が入りました。撃沈とのことです」

提督「おお!やってくれたか。流石だな。」

鳳翔「続いて通信が入りました。敵駆逐艦を2隻捕捉、とのことです」

提督「第二次攻撃隊の準備は」

鳳翔「整っております」

提督「よろしい。第二次攻撃隊発艦後、第一次攻撃隊の収用を。三日月は引き続き警戒をしつつ、戦闘の準備のため、各種艤装の動作確認を」

三日月『戦闘の準備…っ、了解しました!』

鳳翔「第二次攻撃隊、発艦、始め!」

【鳳翔】に残っていた96式艦戦、97式艦攻すべてが飛びたっていく

提督(航空攻撃で2隻とも沈んでくれればいいが…)







~敵はぐれ艦隊上空~

97妖精B「ひゃっはぁ!選り取り緑だぜ!」

97妖精,s「やっほぅ!」

96妖精,s「俺達出番ないな~、早くドッグファイトしてみたいぜ」

雷撃隊の攻撃は二隻に命中、一隻は撃沈するも、もう一隻は中破で踏みとどまっていた

鳳翔「提督、申し訳ございません…一隻討ちもらしてしまったようです。」

提督「まぁ、そうなんどもうまくはいかんさ」

鳳翔「すぐに攻撃隊を編成して…」

提督「いや、それよりこの近さなら砲撃戦に移行したほうがいい」

提督「三日月くん、用意はいいか!?」

三日月『はい、いつでもいけます!』

提督「よろしい、艦隊、第三戦速まで増速!
三日月は鳳翔の前に出て敵駆逐艦との砲撃戦に移れ」

鳳翔「三日月ちゃん一人で大丈夫でしょうか?私にも一応14㎝単装砲がありますが」

提督「大丈夫さ、敵艦も航空攻撃で戦闘力は無しに等しい。三日月にもいい経験になる」

三日月『はい、ここは三日月に任せて。駆逐艦の誇り、お見せします!』

見張り妖精「敵艦見ゆ。敵艦見ゆ。真っ赤に炎を上げてこっちに向かってきます」

三日月『三日月!砲撃戦始めます!』

【三日月】の主砲が火を吐いてすぐ、敵艦の脇に水柱がたった

三日月『初弾、夾叉!次は当てます!妖精さん、装填急いで!』

提督「初弾から夾叉か!いい腕をしているな」

鳳翔「ええ、流石ですね」

三日月『てぇーっ!』

【三日月】の主砲が立て続けに火を吹き、砲弾が敵に直撃した

三日月『当たりました!次も当てます!』

砲弾は吸い込まれるように敵に命中していく。しかし中々に沈んでくれない。

三日月『司令官!意見具申をしてもよろしいでしょうか!?』

提督「どうした?」

三日月『魚雷の使用許可をください!』

提督「そうだな…一気にケリをつけよう。魚雷の使用を許可する」

三日月『了解しました!水雷妖精さんお願いします!』

水雷妖精「あいさー!俺達の出番でぇ、一番二番発射準備急げ!」

砲撃妖精「オラオラ、早くしねーと先に沈めちまうぞ」

水雷妖精「まだだぁ、まだだ。あともう少しで絶好の発射位置なんでぇ。」

【三日月】と敵艦の距離がどんどん近づいていく

水雷妖精「おし、ここだ!」

三日月『魚雷発射!!』

61㎝の魚雷が2本、ドボンと音をたてて海に潜っていった。敵艦に少しずつ近づいていく。慌てて回避行動をとろうとするも間に合わず魚雷が突き刺さった。

三日月『やりました!命中しました!』

敵艦は真っ二つになって暗い海に沈んでいった。

提督「戦闘終了…みんなよく頑張ってくれた。警戒を厳に保ちつつ帰投しよう!」

艦隊は大戦果と共に呉への帰投の途についた










~呉鎮守府~
鳳翔「お疲れ様でした。艦隊が帰ってきましたね」

提督「お疲れ様!みなよく頑張ってくれた。鳳翔の攻撃隊、見事だった。それに三日月の雷撃の威力は最強だな」

鳳翔「そんな、本当ですか!?私もお役にたてたのなら嬉しいです」テレ

三日月「私が強いだなんて、そんな…あり得ないです…」テレ

提督「初めて深海棲艦を艦娘が倒す姿を見させてもらった。これならば人類は未来を切り開けるかもしれない。」

提督「私は直接戦うことはできないが、一緒に頑張っていこうな!」

鳳翔三日月「はい!」

~執務室~

提督「さぁ、やっと執務室に来れたわけだが」

任務娘「お疲れ様です。敵艦隊の撃滅、素晴らしい戦果です」

提督「俺は指示だしてただけだ。直接戦った鳳翔と三日月のおかげだよ」

鳳翔「いえ、素晴らしい指揮でした。とても着任したばかりの方とは思えないほどの落ち着きぶりで、感服いたしました」

提督「ははっ、鳳翔さん!褒めてもお菓子もなにも出ないぞ」

鳳翔「いえ、本当に素晴らしかったです」

任務娘「それでこちらが大本営からの通信です」つ

提督「これは…ふむ…ありがたい!」

三日月「どうされましたか?」

提督「ああ、仲間が増える。明日新たな戦力が来るぞ。駆逐艦だ」

三日月「本当ですか!?何型かなぁ、姉妹艦だといいなぁ」

提督「それは明日までのお楽しみということで」

提督「それじゃあ今日は休んで貰って構わないぞ。しっかり疲れを取るように。明日から演習と
出撃の日々だ」

三日月「はい!失礼します!」タッタッタッ

任務娘「私も失礼させていただきます」ペコリ

提督「さて、俺はこの書類を片付けないとな。着任直後ってこともあると思うが中々に量が多いな…」

鳳翔「…」

提督「ん?どうしたんだ?鳳翔さん。休まなくていいの?」

鳳翔「その…お手伝いいたしましょうか?」

提督「ん、ああ、そうだな…」

提督(そういえば、秘書艦を決めろって言われてたな、三日月には荷が重そうだし、鳳翔さんにお願いするか)

提督「うん、鳳翔さんが良ければお願いしてもいいだろうか?」

鳳翔「はい、喜んで!」














提督「ふむ…」カリカリ

鳳翔「提督、ヒトハチマルマルです。」

提督「もうそんな時間か、書類も結構片付いた。鳳翔さんのおかげだな」

鳳翔「うふ、ありがとうございます」

提督「戦闘のあとすぐ執務に移ったから昼食を取り損ねているうちに夕食の時間になってしまった。鳳翔さんも食べてないよね?」

鳳翔「そうですね、私も食べてないです。」

提督「うーむ、といっても機密のためとかいって適性者以外は入れないせいで食堂もないしな。夕飯はどうしたもんか。自分で作ってくれとか言われたしな」

鳳翔「それでしたら私がお作りしましょうか?」

提督「ホントか!?」

鳳翔「昨日も三日月ちゃんと一緒に作って食べましたし、良かったら提督も一緒に食べませんか?」

提督「是非食べたい!鳳翔さん、料理上手そうだし、期待しちゃってもいいかな?」

鳳翔「うふふ、ご期待に答えられるよう頑張ります」

鳳翔「では、作ってきますので、少々お待ちください」パタン

提督(誰かに料理を作って貰うのって結構久しぶりだな、めちゃくちゃ楽しみだ…)






提督(鳳翔さん、まだかなぁ。腹減ったぁ)ぐぅ~

鳳翔「提督入ってもよろしいですか」こんこん

提督「ああ、入ってくれ。待っていたよ」

鳳翔「お待たせいたしました。ダイニングみたいなところがあるので、そこで一緒に食べましょう。」

提督「ああ、すぐ行こう」


~ダイニング~

提督「おおっ!おおっ!」

ダイニングのテーブルには、お米に味噌汁、魚の煮付けに肉じゃが、それにおひたしといった、日本の夕飯の代名詞とも言えるメニューが並んでいた

三日月「あ、司令官!お疲れ様です」

提督「おお、三日月くん。君も手伝ったのか?」

三日月「はい、微力ですが、お手伝いさせていただきました」

鳳翔「三日月ちゃんが手伝ってくれて本当に助かりました」

提督「そうか、ありがとうな。三日月くん」ナデナデ

三日月「あっ…はふぅ…」

提督(やっぱり小学生みたいだなぁ…)なでなで

鳳翔「…」ジィ

鳳翔(私も作ったんだから撫でてくれても良いのに、って思うのは流石に大人げないですね)

提督「さぁ、では頂いてもいいかな?」

鳳翔「はい。どうぞ、召し上がってください」

提督「それでは、いただきます!」 パン

提督「ぱく…うまいっっ!やべえ、まじでうめぇ」ガツガツ

鳳翔「あらあら…お口にあったようでなによりです」ウフフ

三日月「あむ…やっぱり鳳翔さん、お料理すごい上手です。お店開けるレベル…」

鳳翔「そんなにおだてても、おかわりくらいしかでませんよ」ニコニコ

提督「いやぁ、もうホントにこの上なくおいしい。毎日食べたいくらいだ」ガツガツ モグモグ

































提督「いやぁ、おいしかった。ごちそうさまでした」ホクホク

鳳翔「お粗末様でした。まさか、作ったものを全部食べて頂けるなんて思いませんでした」

提督「箸が止まりませんでした。本当にありがとうな」

鳳翔「いえいえ、では食器片付けちゃいますね」

三日月「あ、私も手伝います」

鳳翔「あら、助かるわ。ありがとうね」

提督「俺も手伝おうか?」

鳳翔「いえいえ、大丈夫ですよ。提督は少し休んでいてください」

三日月「はい、ここは三日月たちにお任せください」

提督「なにからなにまで本当にありがとうな。君たちには助けられてばっかりだ」

提督(本当にいい子たちだなぁ…こんな子達を戦わせないといけない現状かぁ)








~夜もふけて~

三日月「では司令官、お先に失礼します。お休みなさい」

提督「ああ、おやすみ。夜更かししないでしっかり寝ろよ」

三日月「はい!」パタン

提督「…」

鳳翔「では、私もそろそろ失礼させていただきますね」

提督「うん。鳳翔さんには本当にお世話になった。どんなに礼を言っても足りないよ。」

鳳翔「そんな、当たり前のことをしただけです」

提督「本当に助かった。明日からも秘書艦、お願いしてもいいだろうか」

鳳翔「はい、喜んでお役目を勤めさせていただきます」

提督「そうか、ありがとう。明日からも頑張っていこう。」

鳳翔「ええ、ではおやすみなさい」

提督「ああ、おやすみ」

パタン

提督「さて、俺はもうちょいやってから寝るとするかな」

~翌朝~

…とく…てください…ていとく…

提督「…ふぁぁ~」

鳳翔「提督、おはようございます」

提督「あれ、鳳翔さん?どったの?」

鳳翔「提督、執務室のソファーでそのまま寝られるのはお身体に障りますよ」

提督「…え、ああ、うん。ごめん」

鳳翔「朝御飯の準備できてますから、良かったらダイニングに降りてきてください」

提督「朝御飯作ってくれたのか!?」

鳳翔「はい。…もしかしてご迷惑だったでしょうか?」

提督「とんでもない!本当に助かるよ。本当に助けられてばかりで立場がない。今もこうして起こしてにきて貰って。社会人失格だな…」

鳳翔「いえ、私が好きでやってることですから。気にしないでください」

鳳翔(寝顔を見ることも出来ましたし…)

提督「う~ん、なにかやれること…せめて食材費だけでも出させてくれないか?」

鳳翔「いえ、そんな!悪いです」

提督「いや、これは譲れない。是非とも払わせてください」

鳳翔「て、提督がそこまで仰るなら、言う通りにいたします」

提督「いやぁ、本当にありがとう。下で待っていてくれるか?準備ができたらすぐ行くから」

鳳翔「はい、かしこまりました。お待ちしていますね」パタン

提督(鳳翔さん、本当にいい人だなぁ~惚れそう…)





~朝食後~

提督「さぁ、美味しい朝食頂いたところで本日の予定を話そう」

提督「本日、配属される船の到着、投錨後直ちに補給をしてもらい、君たち二人と共に演習をして貰おうとおもう。」

提督「演習と言っても艦隊運動とちょっとした長距離航海だ。夜には戻ってこれると思う。」

鳳翔「じゃあ、お弁当を作らないとですね」

提督「一応、戦闘糧食みたいなのはあるが、鳳翔さんの料理が食べれるなら新入りの子達も嬉しいだろう。お願いしてもいいかな?」

鳳翔「はい、お任せください」

提督「よしきた、じゃあ各員準備ができたら、桟橋にヒトマルマルマルまでに集合。新入りの子達を迎えよう」

提督「それと鳳翔さん、今日の食器洗いは手伝わせてくれ」

鳳翔「あら…はい、お願いします」ウフフ

提督「じゃあ各員行動開始!」










~ヒトマルマルマル、桟橋~

提督「そろそろ来てもいい頃なんだが…」

三日月「そうですねぇ…ん?あれ、そうじゃないですか?」

提督「ん?どれ?」双眼鏡ノゾキ

提督「ああ、あれだな。」

鳳翔「何型でしょうか。特型駆逐艦かしら?」

提督「ご名答。特Ⅱ型、通称綾波型駆逐艦二隻だ。」

三日月「睦月型じゃないですね、ちょっと残念です…」

提督「まぁ、そう言うな。すぐに仲良くなるさ。それになもう2隻、仲間が増えるぞ」

三日月「…あれは軽巡洋艦でしょうか?」

鳳翔「そのようですね。煙突の形からして長良型と…川内型の子かしら。」

提督「よくわかるな、その通りだ。誰かはここに来てからのお楽しみということで。」







提督「私がこの鎮守府を任されている提督というものだ。元は空軍でパイロットをやっていたがだが、今は海軍に異動になりここ、呉鎮守府を任されている。これからよろしく頼む。まずは軽巡の娘から自己紹介して貰おうか」ビシッ

長良「軽巡長良です!よろしくお願いします」ビシッ

提督「ああ、よろしく頼む」(元気だなぁ。全身から体育会系オーラが溢れてるな)

提督「では、次の方」

神通「あの…軽巡洋艦、神通です。どうか、よろしくお願いいたします…」オドオド

提督「あ、ああよろしくお願いする」(なんというか、気の弱そうというか。神通自体は相当の武勲艦だった気がするんだが。)

提督「では、駆逐艦の二人も頼む」

綾波「ごきげんよう、綾波型駆逐艦、綾波と申します」

提督「よろしく頼むな」(すごい育ちが良さそうでやさしそうな娘だな、この子も前世はかなりの武勲艦だったな)

敷波「あたしの名は、敷波。以後よろしく。」

提督「うむ、よろしくな」(さばさばしてる。本来このくらいの年頃だとこういう感じなんだろうな)

提督「では、次はすでに配属されている者の紹介だな。こちらの方が航空母艦、鳳翔だ。秘書艦をやって貰っている。」

鳳翔「鳳翔と申します。わからないことがあったら、なんなりと聞いてください」

提督「で、こちらの娘が睦月型駆逐艦、三日月だ。」

三日月「三日月です。鳳翔さんの護衛をさせてもらっています」

提督「今ここにいるものが呉鎮守府所属全艦だ。」

長良「その…少ないですね」

提督「ああ、まだ新しい海軍のシステムも確立しきれてなくてな」

提督「無いものねだりしても仕方がない。これから演習を行う。各艦の補給が完了しだい抜錨する。総員用意始め!」

艦娘「了解!」ビシッ

長良(元パイロットなだけあって体格良くて筋肉質そうだな。どんな鍛え方してるのかなぁ)

神通(しっかりしてそうな方ですね。ご迷惑をかけないよう頑張らないと)

綾波「司令官、かっこいい方でよかったですね~」コショコショ

敷波「ま、まぁまぁじゃない」

艦隊は補給を終えすぐ抜錨した











~演習海域~

提督「さて、今回の演習だが…」←旗艦鳳翔乗艦中

提督「まずは、俺の考えている現段階での皆の役割を話そうと思う。」

提督「まず、新しく加入した長良くんだが、機動部隊の護衛の旗艦をやって貰おうと思う。まぁ今は鳳翔さん一隻で、護衛の駆逐艦も少ないが…航空戦力は対深海棲艦でも非常に有力だ。心してかかってくれ。」

長良『よしきたー!任せといて~。昔の【長良】もよくやったからね!』

提督「そして、次に神通くんだが…フレキシブルに動ける部隊、水雷戦隊の旗艦をやって貰おうと思う。」

神通『わ、私がですか!?』

提督「ああ、神通くんにやって貰う。これから駆逐艦の娘達はますます増えて来ると思う。びしばし鍛え、導いてくれ」

神通『は、はい!私でよろしければ!』

提督「そして、綾波くんと敷波くん。君たちは神通くん指揮下の水雷戦隊に入ってもらう。駆逐艦はどんな時代でも、戦いのキーだ。一層の努力を期待する」

綾波『が、頑張ります!』

敷波『あたしの出番だ!』

提督「三日月くんには引き続き鳳翔さんの護衛とトンボ釣りを任せようと思う。俺と鳳翔さんを守ってくれ」

三日月「はい!三日月が必ずお守りします」

提督「そして鳳翔さん、あなたの航空部隊の火力、制空力はこれからの艦隊を支える要になると思う。艦隊の旗艦としてみんなを引っ張ってくれ」

鳳翔「はい、頑張らせていただきます!」

提督「よし、これより艦隊運動の練習をする。単縦陣から輪形陣に移行するぞ」






提督「よし、こんなもんだろう。みんな航行したまま、昼食にしようか」

敷波『やった!』

綾波『や~りました~』

長良『鳳翔さんの作った弁当、すごい楽しみ!』

提督「さぁ、中身は何かな」パカッ

提督「おおっ、いなり寿司か!いいな海軍ぽくて!」

鳳翔「冷めても美味しいものをと思いまして。味もいくつかありますよ 」

提督「ホントになんでも作れるんだな。」

敷波『司令官、早く食べようよ』

提督「ああ、悪い悪い。じゃあいただきます!」

~艦隊昼食中~

提督「…ふぅ、ご馳走さまでした。美味しかったぁ」

鳳翔「うふふ、お粗末様でした」

提督「ああ、本当にここに来てからうまいもの食べてばっかでバチが当たりそうだ」

鳳翔「提督、その…」

提督「ん?どうした?」

通信妖精「偵察機から連絡が入りまして『当海域近くに軽巡1、駆逐3の敵水雷戦隊が遊弋している』とのことです」

提督「…マジか…」

提督「よし、倒そう鳳翔さん、全艦に呼び掛けを頼む」

鳳翔「はい、旗艦鳳翔から全艦へ。近くを遊弋している敵艦隊を発見しました。我が艦隊はこの敵艦隊を撃滅します。」

神通『て、敵艦隊…数は?』

提督「軽巡洋艦1隻、他駆逐艦3隻で構成された。水雷戦隊だ。」

三日月『昨日のものより多いですね…』

提督「ああ、鳳翔航空隊の航空攻撃でも少し手に負える数だ。というわけで、航空攻撃で相手の数を減らし残ったものを、神通率いる水雷戦隊で倒す。航空部隊で反復攻撃をしようとすると、恐らく第二次攻撃隊の着艦の時には日が落ちていて着艦が困難だろうからな。頼むぞ、神通くん。綾波くんと敷波くんを率いて先行してくれ!」

神通『はい…神通、行きます!』

綾波『綾波が守ります!』

敷波『しゅっつげぇーき!』

神通達は一気に増速、大きな飛沫をあげ、離れていった

提督「長良くんと三日月くんには悪いが、鳳翔は現状、日本海軍唯一の空母、虎の子だ。ここは我慢して護衛よろしく頼む。」


長良『はいっ!任せてください!』

三日月『鳳翔さんの護衛、大切です!』

鳳翔「では、提督。艦載機発艦のため風上に進路を取らせていただきます。」

提督「ああ、かまわない」

鳳翔「はい、艦隊、東に転舵!」

提督(これでみんなに自信がついてくれれば…実戦の雰囲気を知るのは何よりもいい演習になる)

【鳳翔】の甲板ではエンジンをスタートする音が響き始めた




~敵艦隊上空
97妖精A「軽巡ホ級に駆逐艦ハ級、それに駆逐ロ級が二隻か!」

97妖精B「相手にとって不足なしだ!行くぞ野郎ども!」

97妖精,s「おおよ!」

96妖精「…」

97妖精A「神通ちゃんたちが突撃するために、まずは露払いだ!突貫!」

97式艦攻の編隊が低空から侵入、それをそこそこの対空砲火が迎え撃つ

抵抗むなしく次々と魚雷が投下され海を潜っていき、敵艦の横腹に突き刺さった



鳳翔「攻撃隊より通信です!駆逐ハ級撃沈、軽巡ホ級と駆逐ロ級一隻を中破とのことです!」

提督「よくやってくれた!触接機は引き続き残り敵の動向を見ていてくれ!」

鳳翔「はい!攻撃隊は帰投させますね」

綾波『航空攻撃、やっぱりすごいです…』

神通『次は…私達の番です!』

~神通side~

見張り妖精「敵艦見ゆ!もうもうと黒い煙を立ちこめ逃走している模様。」

神通「提督、敵艦を捕捉しました。これより追撃を始めます。」

提督『たのんだ。ただし、深追いは厳禁だ。』

神通「了解いたしました。皆さん第5戦速に増速!砲雷撃戦の用意を」

綾波『左舷!砲雷撃戦、用意!!』

敷波『砲雷撃戦、はじめるよっ!』

神通「打ち方はじめ!」

【神通】の14cm単装砲が一斉に火を吐く。軽巡ホ級の周りに水柱が立ち上る
こちらからの砲撃でやっと気づいた、ホ級が撃ち返してくるが中破しているせいか、一向にあたらない。
着弾位置から修正を図り、再度斉射する

綾波『てぇー!!』

続いて【綾波】も砲撃を始めた。中破したロ級を狙い容赦なく砲弾を叩き込む

敷波『いたいってばー』

唯一無傷だったロ級からの砲撃を敷波がうける

神通「敷波さん、大丈夫?」

敷波『ちょっと当たっただけ、大丈夫です!』

【敷波】も負けじとロ級に撃ち返す
ロ級の船体に火がついた

綾波『敵艦、撃沈しました!』

【綾波】の執拗な砲撃が壊れかけのロ級を海に叩き落した

神通「そろそろ雷撃位置につける。みなさんいいですね?魚雷発射!」

三隻から発射された魚雷はするすると敵に進んでいく

敷波『敵からの魚雷!回避運動に入ります』

【敷波】の脇を魚雷が抜けていく

敷波『ふうぅ、あぶなかった。こっちの魚雷は!?』

綾波『くうぅ、外れちゃいました・・・』

綾波がロ級に放った魚雷はギリギリでよけられる。

敷波『ふふん、油断したな~』

敷波が綾波と時間差で放った魚雷がロ級に命中、真っ二つに割れて沈んでいった

神通『当たってっ!』

神通の放った魚雷も満身創痍のホ級では避けようがなく命中し、海の藻屑となった

神通「敵艦隊を全艦撃沈。敷波さんが攻撃を受けるも損傷は軽微。これより反転しそちらに合流します。」

提督『よくやった!呉に戻ったら報告を頼む。』

提督『全艦へ、これより呉に帰投する。帰ろう』

・・・

提督「ふむ・・報告ご苦労、敷波は入渠」

敷波「はーい、じゃあ修理しまーす

提督「他は補給と整備。みんなよくがんばってくれた。以上、解散!」

「「「お疲れ様でした!」」」バタン



提督「・・・おし、いつまでも作ってもらってばっかじゃ悪いし今晩は久しぶりに作ってみるか、何がいいかな~」


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提督「・・・うん、できてきた。できてきた。・・・」

敷波「誰が作ってるかと思ったら、司令官がつくってたのかー。おいしそうな匂い。」

提督「うん。もう少しでできるから、みんなを呼んできてくれるか?」

敷波「いいのかよ、あたし達ももらっちゃって。」

提督「いいに決まっているだろ。みんな家族みたいなもんだ。さあみんなをよんでこい」

敷波「うん!じゃあよんでくるね」

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提督「おお、みんな揃ってるな。またせてすまん。」

鳳翔「提督、呼んでいただければお手伝いしましたのに」

提督「いや、いいんだ。こっちにきてからお世話になりっぱなしだったし・・・」

提督「さあみんなもお腹が空いていると思うし食べよう。たぶんうまいと思う。では、いただきます!」

「「「いただきます」」」

長良「おっいしい!提督、お料理得意なんですね!」

提督「カレーぐらいならなんとかな。口にあったみたいでよかった。おかわりもあるからどんどん食べてくれ。」

綾波「や~りました~」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月07日 (木) 03:00:37   ID: E9jAxM7u

とても面白く読ませていただきました。続きを期待していますww
がんばってください!!

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