遊矢「正月とコタツとみかん」(19)


・遊矢×柚子

・短い

・デュエルなんてない


正月・柊家……

遊矢「あー極楽、極楽。やっぱり冬はコタツだよな」

柚子「もう、ウチに来るなりコタツに潜り混んで。だらけ過ぎよ」

遊矢「良いじゃん、正月なんだし。こんな時くらいダラダラさせてくれよ」

柚子「お正月だからよ。よく言うでしょ? 『1年の計は元旦にあり』って」

遊矢「分かった分かった。来年の元日はちゃんとするからさ」

柚子「今から来年の話しないでよね、まったく」ハァ


遊矢「なあ、柚子」

柚子「何よ?」

遊矢「みかん剥いてー」

柚子「嫌よ。子供じゃないんだから自分で剥きなさい」

遊矢「面倒臭いだよ」

柚子「みかんの皮剥くのが面倒臭いって……じゃあ食べなきゃ良いでしょ?」


遊矢「剥きたくないけど食べたいの。特に柚子の素手で剥いたのを食べたい」

柚子「遊矢、それ若干気持ち悪い」

遊矢「気持ち悪い言うな。食べたいんだよ、みかん。みかんーみかんー」

柚子「あーもう、うるさいわね。剥けばいいんでしょ、剥けば」

遊矢「流石、柚子。何だかんだで俺に甘い」

柚子(この野郎)


遊矢「あ、このちょっと大きいのが良いな」

柚子「はいはい、分かったわよ」

遊矢「…………」ジー

柚子「…………」

遊矢「…………」ジー

柚子「……あのさ、遊矢。あんまりジロジロ見ないでくれる? 地味に剥き難いから」


遊矢「いや、柚子ってみかん剥くの上手いなと思って」

柚子「別にみかんの皮を剥くのに上手い下手も無いと思うけど」

遊矢「やっぱり同じ柑橘類仲間だからかな」

柚子「殴られたいの?」ニコッ

遊矢「ごめん、ちょっとした冗談です。だからその振り上げたハリセン下ろして、お願い」

柚子「まったく、もう……ほら、剥いてあげたわよ」


遊矢「おお、これが柚子が素手で剥いてくれたみかんか」

柚子「だからそれやめなさいってば」

遊矢「はむ。うん、美味しい」モグモグ

柚子「そう。良かったわね」

遊矢「ほら、柚子。あーん」

柚子「……は?」


遊矢「剥いてくれたお礼。一房あげるよ」

柚子「えっと、そもそもそれウチのみかんとか言いたい事は色々あるけど……いきなり何?」

遊矢「だからお礼だってば。ほら、遠慮せずに食べろよ」

柚子「いらないってば」

遊矢「ほらほら~」

柚子「や、やめなさいって!」


遊矢「柚子の反応面白いな♪」クスクスッ

柚子(むぅ……)カチーン

遊矢「まあ冗談はこのくらいにして柚子も自分の分のみかん食えよ。やっぱりコタツにみかんは最高の組み合わせだぞ」

柚子「……そう。じゃあ遠慮なく頂くわよ」

遊矢「え?」

柚子「はむ!」パクッ

遊矢「ちょ、お前何指ごと!?」


柚子「んっ、ちゅ……」

遊矢「あの、その……」

柚子「ぷあぁ……ご、ご馳走様!」

遊矢「…………」

柚子「何よ……食べろって言ったのは遊矢でしょ?」

遊矢「いや、確かに言った、けどさ……」


柚子「…………」プイッ

遊矢「…………」

柚子「…………」

遊矢「…………」

柚子「…………」

遊矢「…………」パクッ

柚子「あぁー!!!」

遊矢「!?」ビクッ


柚子「あぁー! あぁー!!」

遊矢「な、何だよ? いきなり大声出して?」

柚子「い、今みかん食べたでしょ!?」

遊矢「ああ、食べたけどそれが……」

柚子「指! 今私が咥えた指でみかん食べた! 口に入れた!!」

遊矢「えっ……あ!」


柚子「もう、何でその指で食べるのよ! 左手で食べなさいよ!!」

遊矢「そ、そんな事言われても……」

柚子「信じられない! 遊矢の馬鹿!!」

遊矢「ば、馬鹿って言うなよ! そもそも柚子が指ごと食べるから、その、間接キスを……」

柚子「なっ、言うなぁー!!」

ハリセンパチーン!!

遊矢「へぶぅ!?」


柚子「何でお正月からこんな……ちょっと頭冷やして来る!!」バッ

遊矢「いたた……お、おい! 待てよ柚子!!」

ドアバタン!!

遊矢(柚子の奴、思いっきり叩きやがって。別にそこまで慌てなくても……)

遊矢「…………」

遊矢「…………」

遊矢「……柔らかかったな」ボソッ

遊矢「…………」

遊矢「……あーもう!!」バンッ!




この身体の熱さはコタツに長く入り過ぎたせいだ。きっとそうに決まってる。

<おわり>


以上です。あんまりお正月関係なかった。

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