渋谷凛「年越し」大石泉「と」橘ありす「初詣」佐城雪美「……?」 (40)

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の続きですが、読まなくても話は理解できるんじゃないかなと思います


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12月30日


ありす「………」

ありす「………」ハァ

雪美「………」

ありす「………」ショボン

雪美「………」オロオロ

ありす「………」ハァ

雪美「………」


雪美「………」トテトテ

雪美「……へるぷ……みー」

泉「よしよし。よく頑張ったわ」ナデナデ

凛「どうしたんだろう、ありす。あれだけ雪美ちゃんが近づいても無反応って……」

泉「落ちこんでいるみたいだけど、何かあったのかな。ため息ついてばかりだし」

凛「………」

泉「………」

凛「泉、GO」

泉「え、私?」

凛「ありすは私より泉に懐いてるし。ということは、アンタが行った方が何か話してくれるかもしれないでしょ」

泉「懐いてる……んですか?」

凛「懐いてる懐いてる。頭撫でられたら喜んでるし」

凛「ほら、先輩権限で命令」

泉「む、上下関係を持ち出してきたか……まあ、いいでしょう」

ありす「はあ………」

泉「ありすちゃん。元気ないみたいだけど、どうしたの?」

ありす「……泉さん。別になにも……」

泉「みえみえの嘘は、どちらにとっても損にしかならないわ」

ありす「嘘なんて」

泉「ひざに置いてる本、上下逆だけど」

ありす「………っ!」ワタワタ

泉「私達に話しても、どうしようもないことなのかもしれないけど……誰かに言うだけで楽になることもあると思う」

泉「あなたが少しでもそう思うなら、何があったか教えてほしい。そうでないなら、私達はもう何も聞かないわ」

ありす「………」

ありす「私の両親、仕事が忙しくて……あまり家にいないんです」

泉「うん」

ありす「それでも、毎年お正月、元旦だけはお休みをとっていたんです」

ありす「でも今年は、急な用事が入ってしまったようで……大みそかから、家に帰ってこれないらしいです」

泉「じゃあ……」

ありす「1月2日はお休みらしいんですけど……年越しは、ひとりになります」

ありす「でも、仕方ないです。二人ともお仕事なので……だから、平気……平気……」ギュッ

泉「ありすちゃん……」

泉「………あの」


凛「だったらウチに泊まりなよ」にゅっ

泉「きゃっ!? 凛さんいつの間に!」

ありす「泊まるって……凛さんの家に?」

凛「そう」

ありす「でも、大みそかは明日ですよ。そんな急に……凛さんのご両親にも迷惑が」

凛「平気だよ。いざとなったら『女子高生の娘』という強権発動でお父さんを味方につけるから」

泉「凛さんさっきから権力発動してばかりですね」

凛「使えるものは使っておけ。私がプロデューサーから教わった中で2番目に役立った格言」

雪美「……使っとけ……?」

泉「雪美ちゃんはまだ覚えなくていいから」

ありす「……いいんですか? 私がお邪魔しても」

ありす「年越しは、家族で楽しむものなのに……私がいたら、その」

凛「ウチはその辺結構適当だし。それに」

凛「前から二人目が欲しいとか言ってたから……なんなら、期間限定で娘になればいいんじゃない?」

ありす「あ………」

凛「どう? ウチ来る?」

ありす「………」


ありす「……ま、まずはご両親の許可をもらってからにしてください」

ありす「そうしたら……前向きに、検討させていただきますゆえ」

凛「ふふっ、なにその言葉遣い」

ありす「い、いいじゃないですか別にっ」




泉「……こういう時、凛さんのスパッと決めるところは頼りになるわね」

雪美「………」コクリ

雪美「……そくだん……そくだん……」

泉「即断即決?」

雪美「………うん」

泉「難しい言葉、知ってるんだ。すごいね」ナデナデ

雪美「………」ポッ

12月31日


ありす「ほ、ほほ本日はお日柄もよく、ご家族の皆様には心より感謝を申し上げましゅっ」ガチガチ

渋谷母「あらあら、どうもご丁寧に」

渋谷父「狭い家だけどゆっくりしていってね」

ハナコ「わうっ」

凛「なんで一家総出で出迎えてるの」

渋谷母「だって、凛が自分からお友達連れてお泊りなんて滅多にないから」

ハナコ「わんわん」

凛「もう、ハナコまで……ありす、行くよ。私の部屋こっち」

ありす「は、はいっ」ガチョンガチョン

凛「……固まりすぎ。仕事中に知らない人と話す時はもっと普通にしてるのに」

ありす「そ、それとこれとは別問題です……」トテトテ

ありす「……あっ。お邪魔します」

渋谷父「(かわいい)」

渋谷母「(かわいいわ)」

ハナコ「わうわう」

凛の部屋


凛「とりあえず荷物は片付けたけど……何しようか」

ありす「(ここが凛さんの部屋……なんというか、シンプル?)」キョロキョロ

ありす「(でも片付いてるし、そういうところはしっかりしてる人なのかな……)」

凛「ありす?」

ありす「えっ? あ、はい、なんでしょう」

凛「だから、これから何しようかなって話」

凛「それと、この部屋そんなに見る物ないと思うけど」

ありす「すみません。でも、ごちゃごちゃしてなくていい部屋だと思います」

凛「そうかな……ありすは自分の部屋、清潔にしていそうだよね」

ありす「もちろんです。整理整頓は基本ですから」

凛「やっぱり」

ありす「それで、何をするかという話ですけど……」

ありす「……何、しましょう?」

凛「考えてみたら、プライベートでありすと会うことってほとんどないもんね……共通の趣味とかあったっけ」

ありす「私はゲームとか読書とか好きですけど」

凛「私は特にないかな」

ありす「なかったら趣味の被りようがなくないですか」

凛「………」

凛「あ」

ありす「凛さんって、たまに天然ボケっぽいところ出ますよね」

凛「て、天然ボケじゃないよ。卯月の方が天然だし」

ありす「まあそれはどっちでもいいですけど」

凛「……ありす、だいぶ緊張が解けてきたみたいだね。言葉の切れ味が増してる」ジトー

ありす「おかげさまです」

凛「………」

凛「ふふっ」

ありす「どうして笑うんですか?」

凛「ううん、なんでもない」



ありす「そういえば、趣味ならハナコさんのお散歩があるじゃないですか」

凛「……あ、そうか。もう日頃の生活の一部になってたから忘れてた」

ありす「趣味以上のルーチンワークというわけですか」

凛「そんな感じかな」

ありす「結局、共通の趣味は特にないようですね」

凛「……じゃあ、両方する?」

ありす「両方?」

凛「まず日が暮れる前にハナコの散歩。その後家に帰ってゲームと読書」

凛「これでどう?」

ありす「……なるほど。そうしましょう」

散歩中


ハナコ「わんっ、わんっ!」

ありす「わ、わわっ」

凛「ほらハナコ、そんなにはしゃいじゃダメだよ。ありすが怖がってる」

ハナコ「くぅーん」

ありす「元気ですね、ハナコさん」

凛「……ありす、動物にもさん付けなんだ」

ありす「変ですか?」キョトン

凛「別に、変じゃないけど」

ありす「そういう凛さんは年上の人も呼び捨てですよね」

凛「変かな?」

ありす「別に、変じゃないですけど」

ありす「……なんというか、極端ですね。私達」

凛「極端なくらいが、キャラが立ってちょうどいいんじゃない? アイドルなんだし」

ありす「そういうものでしょうか」

凛「世の中、多少尖っててもなんとかなる。ケセラセラ……って、プロデューサーから教わったし。これ、5番目くらいに役立つ格言」

ありす「Pさんの凛さんへの指導内容が気になります」

凛「知りたいなら、今度話してもいいけど。ほら、ハナコのリード、持ってみる?」

ありす「いいんですか?」

凛「離さないようにだけ気をつけてくれたら」

ありす「で、では……」ドキドキ

ハナコ「わうっ!」

ありす「わ、ちょっ! いきなり引っ張らないで……!」アタフタ

凛「あははっ……ほら、頑張れー」

ありす「み、見てないで助けてくださいよぅ……」

一方その頃


雪美「………」

泉「………」

雪美「………」

泉「(街中でばったり雪美ちゃんと遭遇。その後なぜか無言の膠着状態が続いている……)」

泉「……あの、なにかな?」

雪美「………」

泉「(いったいどういう……ん?)」

雪美「………」ソワソワ

泉「……雪美ちゃん?」

雪美「………う」

泉「う?」


雪美「うち……くる………?」

泉「えっ?」

雪美「うち……くる………?」

泉「……今から?」

雪美「うち……くる………?」コクン

泉「………(もしかして、雪美ちゃんも誰か家に呼びたかったのかな)」

泉「凛さんの真似しちゃって……ふふ」

泉「……うん、いいわ。お泊りは難しいけれど、お呼ばれしちゃうね」

雪美「………!」グッ

泉「ガッツポーズ出てる……」

雪美「こっち………」トコトコ

泉「あ、ちょっと待って」

雪美「?」

泉「人混みではぐれるといけないから。手、つないでいこ?」ギュッ

雪美「………うん」ギュッ

雪美「……出発………」

泉「案内、お願いするわね」


泉「(それにしても、最近お姉さんらしい行動を自然ととってしまうような……)」

泉「(リアルの弟にも、こんな感じで接したらいいのかな?)」




ありす「そうそう、そこで縦斬りですっ」

凛「こ、こうっ?」ガチャガチャ

ザシュッ!

凛「やった、倒した」

ありす「ここのボス戦をコンティニュー2回……初プレイにしては上出来ですね」

凛「それ、褒めてるの?」

ありす「褒めているつもりです」

凛「そう。なら次のステージはノーコンティニューで行こうかな」

ありす「ふふっ、大きく出ましたね。次のボスがゲーム中最難関だというのに」

凛「うそっ!?」

ありす「本当です。撤回するなら今のうちですよ?」

凛「……いや、撤回はしないよ」スッ

ありす「え?」

30分後


凛「………」カチカチガチャガチャ

ありす「(鬼のような表情で戦ってる……)」

バシュ、ザシュ、ドゴーン!

凛「………」

凛「勝った」

ありす「まさか本当にここをノーコンティニューで乗り切るとは……ほとんどの人はここで一度頭を抱えるというのに」

凛「ふーん、そうなんだ」

凛「まあ、悪くないかな」ドヤァ

ありす「今だけは凛さんの決めゼリフが輝いて見えます……」

ありす「ネバーセイネバーは不可能をも可能にするんですね」

凛「いや決めゼリフじゃないから」

凛「それに、ありすのアドバイスが的確だったから一発クリアできたんだし。実質二人の勝利だよ」

ありす「……そうですか。そう言われると、こっちもちょっとだけ誇らしいです」ニコ

とりあえずここで中断します
続きは朝か昼になると思います

ありす「凛さん、結構漫画読むんですね」

凛「あ、そっちは借り物を置いてる棚」

ありす「借り物ですか」

凛「少女漫画は卯月から、少年漫画は未央からだよ」

ありす「すごく想像通りです」

凛「読む? 好きなのとっていいけど」

ありす「そうですね……では、少しだけ」

凛「ありすは普段、どんな本読むの」

ありす「漫画よりは、普通の小説を読むことが多いですね。ミステリーとか好きです」

凛「ミステリーか。私はコナンと金田一くらいしか読んだことないかな」

ありす「面白いですよ? よくできた伏線とかに気づくと爽快です」

凛「なら、今度なにか読んでみようかな。おすすめとか、ある?」

ありす「いくつかありますけど……よかったら、今度貸しましょうか」

凛「いいの?」

ありす「好きな本の感想は、共有できるとうれしいので」

凛「じゃあ、せっかくだしお願いする」

ありす「わかりました。……えっと、まずはあれと。それから」ブツブツ

凛「焦って今考えなくてもいいよ」



凛「………」

凛「(高校生が漫画を薦めて、小学生がミステリー小説を薦める……あれ、なんか逆なような)」

PM11:57  リビング


渋谷母「凛、ありすちゃん。もうすぐ年が明けるわよ~」

凛「年が変わる瞬間だけは、家族一緒にいるっていうのがウチの決まりなんだ」

ありす「そうなんですか。……えっと、先ほどは、おそばごちそうさまでした」

渋谷父「どういたしまして。ありすちゃんは礼儀正しい子だね」

ありす「ど、どうも」

凛「そんなにへこへこしなくていいのに」

ありす「そう言われても、泊めってもらっている身ですし。それに、『あの』凛さんのご両親ですし」

凛「その『あの』の強調はなんなの。ありすが私にどういう印象を持っているのかすごく気になるんだけど」

ありす「怒ったらこわ……なんでもありません」ボソリ


テレビ「ワアアアァ」

ハナコ「わんっ」

凛「って、そんな話してるうちに年明けちゃった」

ありす「締まらないですね……」

渋谷母「みんな、あけましておめでとう」

渋谷父「おめでとう」

凛「……まあ、締まらなくてもいいんじゃない? あけましておめでとう」

ありす「………そう、ですね」

ありす「皆さん、あけましておめでとうございます」

ハナコ「わうわうっ」

再び凛の部屋


ありす「凛さん」

凛「なに?」

ありす「……その」

ありす「あ、ありがとうございました。いろいろと」

凛「……うん、どういたしまして。今年もよろしく」

ありす「はい。よろしくお願いします」



凛「……あれ、ありすの携帯鳴ってるよ」

ありす「え? 本当だ……えっと」

ありす「あ、お母さんから……」


ありす「もしもし、お母さん?」

ありす「……うん、うん。あけましておめでとう」

ありす「……あ、うん。こっちは大丈夫。凛さん達に親切にしてもらえてるから」

ありす「お母さんの方は……そうなんだ。その……がんばって、ね」フフッ

ありす「うん……あ、それと――」

ハナコ「わん」

凛「ハナコ。私達はちょっと、あっちに行っていよう?」

ハナコ「くーん」

凛「よしよし、いい子いい子……あ、プロデューサーからメール来てる」



『あけましておめでとう。こっちは独りで年越し寂しいです……』


凛「知らないよ、そんなこと言われても……」

凛「ほっとくとめんどくさそうだから慰めておこう」

凛「……あ、そうだ。せっかくだし」

凛「寂しいプロデューサーへ。せめてお正月だけでも誰かと過ごしたいと思っているなら――」ポチポチ

元旦の午後


未央「しまむーしまむー! あっちの射的屋面白そうだよ!」

卯月「わあ、本当ですねっ。行きましょう! あ、あっちにはお守りが売ってるみたいだよ」

凛「ちょっと! 未央も卯月も、人多いんだから早足で進まないでよ。はぐれるから」

未央・卯月「はーい!」



さくら「りんごあめ、りんごあめ食べよう!」

亜子「よっしゃ、値切りは任しとき!」

泉「お正月の屋台で値引き交渉なんてしないでよ、恥ずかしいから……」

亜子「えーっ?」

泉「えー、じゃないわよ。雰囲気が台無しになるでしょ」

さくら「それもそうだね。お正月なんだしパーッと使うべきだよね!」

さくら「よし、じゃあ食べ物系の屋台を制覇するのを目標に」

泉「節約しすぎるのも浪費しすぎるのも禁止」

さくら「えーっ?」




P「いやあ、これだけ大勢で初詣に来られるなんて俺は幸せ者だな」ホクホク

ありす「そんなに昨日は寂しかったんですか?」

P「言うな、そのことは」

ありす「あ、はい」

ありす「……それにしても」


未央「あっちいってみよー」

凛「とりあえず、みんなの意見聞いてからのほうがいいんじゃない?」

未央「てへへ、おっしゃる通りで」

さくら「卯月さん、正しいお参りの仕方って知ってますか? わたしちょっと自信がなくて……」

卯月「ええと……改めて言われると、私も絶対正しいとは言い切れないような」

亜子「こういうのはいずみに任せれば大丈夫! ねっ」

泉「ねっ、と言われてもね……いきなり押しつけてくるんだから」

亜子「これは押しつけではなく信頼! うん」

泉「モノは言いようね。そもそもネットで調べればすぐわかると思うけど」スマホクイッ


ありす「……やっぱり、凛さんも泉さんもお姉さんっぽい」

ありす「(私も……)」チラ

雪美「………人、たくさん……」

ありす「雪美さん。どこか行きたい場所、ありますか」

雪美「………」

雪美「Pの行くところ……私の行くところ……」ピト

P「お、どうしたいきなりくっついて。雪美は甘えん坊だなあ」ニコニコ

ありす「………」ムスッ

P「で、ありすはどうして怒っているんだ?」

ありす「……Pさんは女たらしですね」

P「んなっ……女たらしがロンリー大みそかを過ごすわけないだろ!」

ありす「そうでしょうか」

P「まったく……まあ、それは置いといてだ」

P「雪美。自分が行きたい場所、あるだろ? 食べたい物とか、遊びたいゲームとか」

雪美「………」

雪美「いちご……」

ありす「わかりました。今から私がイチゴ料理を作ります」

P「時間も場所もないだろ」

ありす「よくよく考えるとそうでした……」シュン

P「イチゴか……クレープとかなら売ってるかもしれないな。とりあえずそこでおしゃべりしてるみんなと相談だ」

P「その間……ありす。雪美がいなくならないように、ちゃんと手握っててくれ」

ありす「えっ」

P「お姉ちゃんだろう?」

ありす「あ……はい、任せてくださいっ」

ありす「雪美さん。手をつなぎましょう」

雪美「………」ソロソロ

ありす「はぐれないように、しっかり握っておきますから」ギュッ

雪美「あ………」

雪美「あったかい………」

ありす「でしょう? この手袋、温かくてお気に入りなんです」フフッ

ありす「雪美さんの手袋も、いいデザインですね」

雪美「……うん……お気に入り」

ありす「お気に入りですか。同じですね」


P「……雪美もすっかり、事務所のみんなと打ち解けてきたな。いいことだ」

凛「そういえば、泉。昨日雪美ちゃんの家に招待されたって聞いたけど……どうだったの?」

泉「楽しかったですよ? いろいろあの子のお話も聞けましたし、ご両親にも会えました。ただ……」

凛「ただ?」

泉「友達の家でテーブルマナーを意識することになったのは、初めてでした」

凛「……どれだけすごい食事だったの?」

泉「具体的な数値化はできませんけど……こんなラフな格好でいただいていいのかなぁ、と本気で悩むくらいには」

凛「……うん、なんとなくわかった。私にはわからないだろうなってことがわかった」

未央「しかし、これだけ大勢だとお参りする順番も決めなきゃいけませんなー」

さくら「友達がたくさんいるって、それだけでなんだか楽しくなっちゃいますねっ」

P「ここにいるメンバーは、全員正月に休みが取れたからなあ」

泉「そっか……来年は、この中の誰かがお正月に仕事入るかもしれないんだ」

亜子「それはそれでめでたいよ? 人気が増してるってことだし」

卯月「ですね。お仕事が増えたら、もっとたくさんの人に元気を届けられるから……でも、こうしてみんなで集まる時間もやっぱり大切だなあ」

ありす「………」

ありす「だからこそ、今を大事にするべきなのかもしれません」

凛「そうだね。まだアイドルとして駆け出しの今だからこそ、できることがある……だったら、きっちりやっておかないと」

雪美「………」コクン

未央「……おー。しぶりんにありすちゃん、いいこと言う~!」b

亜子「かっこいい!」

卯月「まさに格言って感じですね♪」

凛「や、やめてよ。みんなして……」カアァ

ありす「そ、そうです。私達は普通のことを言っただけで」

泉「普通のことを普通に言えるって、結構すごいことなのよ? だからありすちゃんは偉いわ」ナデナデ

ありす「だ、だから頭を撫でるのは嫌じゃないですけどちゃんと一言入れてからにしてくださいっ」カアァ

さくら「あー、いずみんがありすちゃんナデナデしてる!」

泉「さくらもやりたい?」

さくら「いいの!?」

ありす「よくないです! 本人の意思を無視しないでください」

さくら「えー、ダメなの? いずみんがなでるのはいいのに?」

ありす「え、いや、それはですね……その……」モジモジ

ありす「泉さんから撫でられるのは、もうあきらめたというか慣れたというか、悪くないというか……」ゴニョゴニョ

雪美「………なでなで」

ありす「って、どうして雪美さんまで私の頭を撫でているんですかっ!?」

雪美「………?」

ありす「あー、もう……Pさん、なんとかしてくださいっ」

P「いやー微笑ましいなーほんと」ニコニコ

ありす「笑ってないで助けてください!」

5分後


ありす「………」ジトーー

凛「………」ジロリ

P「な、なんだ。二人とも怖い顔して」

凛「別に? なんでも? ないけど?」ツーン

ありす「アイドルが助けを求めているのに笑っていただけの薄情なプロデューサーに、特に言うべきことはありませんが」ツーン

P「あはは……ごめんごめん、悪かったよ」

凛「ふん」

ありす「知りません」プイ


P「許してくれよ。ほら、お年玉あげるから。今年もよろしく頼む」

ありす「そんなお金ごときでごまかされたり」

凛「いくら?」ズイッ

ありす「凛さん!?」

未央「………」

未央「なんかあれだね。まるで……」

泉「妹をなだめるお兄さん?」

未央「そうそう、それそれ」

亜子「ていうかお年玉ならこっちにもちょうだいな!」

さくら「そーだそーだ!」

雪美「……仲良きことは……美しい……」

卯月「ナイスなまとめです、雪美ちゃん♪」



おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
雪美ちゃんのお家は結構お金持ちなんじゃないかという妄想

ちなみに、このSSでは事務所にはNGとNWとありすと雪美しかいません
千秋お母さんを出してほしいというお言葉をいくつかいただいているのですが、私の力量的にこれ以上メインキャラを増やせないという……なのでもう少し精進してから考えます

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