ジャン「大晦日」コニー「紅白」エレン「イエェェガァァァ!」(45)

ジャン(訓練訓練また訓練で、一年があっという間だった。今日は大晦日、年末年始の長期休暇で訓練所内は人もまばらだ)



トーマス『オレ達は実家に帰るんだけど・・・』ゲンナリ

サムエル『ダズと方向が一緒で毎回同じ馬車に乗り合わせるんだ・・・』ウンザリ

マルコ『二人ともなんでそんなにイヤそうなんだ、ダズに失礼だろ』

ダズ『オレ、馬車の揺れで酔って吐いちゃうんだ・・・考えただけで、もう・・・』ウプ

サムエル『一緒の馬車の中で、こいつずっと吐き続けるんだぞ?』エプ

トーマス『毎回毎回もらいゲロするハメになるんだよ・・・』ゲプ

ジャン『オイ、お前ら、ここで吐くのだけはヤメロ』

ハンナ『私とフランツは北部の温泉へお泊りに行くよ』

フランツ『この日のために二人で給金を貯めてたんだ、貸切風呂で年越しさ』

マルコ『温泉かぁ、しかも貸切なんてうらやましいな』

フランツ『婚前旅行だからね、ハンナと僕だけで甘いひとときを過ごしてくるよ』デレデレ

ハンナ『きゃー!フランツったら!』キャッキャ

ジャン(うぜぇ、とっとと行けよ、そして二度と戻ってくんなリア充め!)

ジャン『お前らは里帰りしねぇの?』

コニー『オレが家に帰るのは憲兵団に入ってからだろ?母ちゃんを喜ばせてやりてぇし、故郷に錦を飾りたいからな』

サシャ『私は帰らないというか帰りづらいといいますか』

クリスタ『帰れる場所や待っている家族がいるのなら、戻ってあげればいいのになぁ』

マルコ『家族とも過ごしたいけど、解散式まであと少しだろ?訓練所のみんなと年を越すのも悪くないかなって』

ミーナ『ある意味ここのみんなも家族みたいなもんだよねー』

ユミル『お、ミーナ、お前いいこと言うじゃねぇか!』ダハハ

エレン『オレたちには帰れる故郷も家も無いからな、今は』

ジャン『・・・いや、聞いてねぇよ』(切なくなるのがわかってるから聞かないでいてやったのに、自分で言うなよ)

ベルトルト『帰れるもんなら帰りたいよね、故郷』

アニ『・・・そうだね』

ライナー『今は帰れないがいつか必ず戻る、そうだろ?』

アルミン『そうだよ、そのために僕たちはがんばってきたんだ』

ミカサ『私たちの手で壁も故郷も取り戻す』

マルコ『帰れる日は来る、きっと来るよ』(あまり軽々しいことは言いたくないけれど、そうなって欲しいと思うよ)

ジャン(こんな感じで人が減っていって、訓練所に残っているのは帰る場所のない連中か、オレを含めた物好きだけだ)

ジャン(クリスタやマルコのいいこちゃん連中の大掃除に付き合わされたり、昨日はベルトルトの誕生会を開いてやったり、休みなのになんだかんだで慌しかった・・・楽しかったけど)

ジャン(女連中全員が朝から出掛けたと思ったら、大荷物で帰ってきた日があったけど、ありゃあなんだったんだろうな)

ジャン「なあ、お前らいつまでそれやんの?」(ベルトルト主導でライナーにエレン、アルミンが朝から延々と薪割りを続けている)

エレン「そうだよ、もうそろそろよくねぇ?」

アルミン「腕が、腕が上がらない・・・」プルプル

ベルトルト「だめだよ!来年はすごく冷え込むって言ってたし、年明けに薪割りなんてしたくないだろう?だから今のうちに、できるだけたくさん作っておくんだ」カコン

マルコ「それは一理あるけど、いくらなんでも・・・」(家が建ちそうなほどの木材を消費して作られた薪がどんどん積み上げられていく)

ライナー「お前たちには悪いとは思うが、普段は自分からなんかしようなんて絶対に言わない消極的男子のベルトルトが自主的にやり始めたことなんだ。これを逃したらこいつは一生俺の腰にぶらさがったままになってしまうかもしれん。すまんが付き合ってやってくれ」パカン

ベルトルト「そ、そうだよライナー、僕の自主性を尊重してくれてありがとう」(ライナーてめぇこのやろう、僕はお前が目を離した隙にいらんことをしでかさないか心配なだけだ、監視下に置いておきたいだけだ。ちなみに今までにライナーが何をしてきたかというと、僕とアルミンのパンツを盗んだり、盗んだアルミンのパンツを履いてみたり、ノーパン生活に目覚めたり、アルミンを襲おうとしたりしたけど、これらはまた別のお話だ)

ジャン「ふーん、ご苦労なこった、いこーぜマルコ」

エレン「あ、くそ、ジャン!逃げるんじゃねぇ!」

アルミン「待ってよエレンー」

ベルトルト「あ、エレンは残ってくれる?アルミンと一緒に居てよ」(アルミンとライナーを二人きりにさせるわけにはいかないんだ、エレンにも監視を手伝ってもらう!)

エレン「え、ええ~・・・」

マルコ「薪割り、手伝わなくてよかったのかな」

ジャン「あの量見ただろ、手伝いなんていらねぇよ。他にやることもあるし」(他にすることなんて思い浮かばないが、ゆっくりさせてほしい)

サシャ「二人とも丁度いいところに!教官から差し入れを頂きましたよ!」

コニー「残っているみんなで食べていいってさ!運ぶの手伝ってくれよ!」

ジャン「へぇ、毛が無いクセに気が利くんだな・・・って、オイそれ」(サシャとコニーがカゴや箱に入った食材を持ってきた・・・が、なんか騒がしい)

コケーコッコッコッ コケーッ

マルコ「・・・ニワトリ?新鮮すぎるどころかまだ生きてるよ!?」

ジャン「食うの?コイツらも?」

コニー「当然だろ?自分で獲ってきた肉もうまいけど、チキンもいいよな!」ニコニコ

サシャ「家畜のお肉もおいしいですよねぇ!」ニコニコ

ジャン「食うってことは・・・」

サシャ「そうですね、捌かないといけませんね」

マルコ「二人ともその手のプロだよね?残りの食材は僕とジャンで運ぶから、そっちは任せてもいいかな?」

コニー「おう!まかせとけって!」

マルコ「教官も無茶振りするなぁ、あの二人がいなかったらどうなってたんだろ・・・」(サシャとコニーは甲高い鳴き声をあげるニワトリを手に立ち去った)

ジャン「結局荷物運びとか・・・余計なこと言わなきゃよかった」

マルコ「まあまあそう言わずに・・・見てよ、この食料の山!今夜はご馳走だよ!」

ジャン「ご馳走つっても誰が作るんだ?生の食材だけじゃご馳走になんねぇぞ?」

マルコ「とりあえず、女の子たちにも相談しようよ」(年末に女の子だけで外出していた、帰ってきてから彼女たちは読書に夢中だ、声をかけるのは気が引けるけどしょうがない)

マルコ「教官のご好意で食料品をたくさん頂いたんだ、みんなでご馳走を作れないかと思って」

クリスタ「うわぁ!新鮮なお野菜がこんなにたくさん!あ、ミーナ、後でリヴァエレの新刊読ませて」

ミーナ「野菜だけ?肉は無いの?いいけど代わりにエルリヴァ貸してよ」

ジャン「肉はサシャとコニーがニワトリを捌いてる、他にも乳製品に卵もあるな」(料理の話となにか暗号めいた会話を同時進行させている、なんの話だ?)

アニ「チキンか、丸鶏ならスタッフドチキンが作れるね。ミーナ、借りるのは良いけどあんたお菓子食べながら本を読むのは止めなよ」

ミカサ「チーズがあるならカルラおばさんに教わったレシピを是非試してみたい。アニの言う通り、今度私の本にポテチを挟ませたら対人格闘の練習台では済ませない、削ぐ」

ユミル「食い物だけかー、命の水は無いのか・・・借りてくればいいか。だれか女体化百合もの持ってたら貸してくれ」

ジャン(女連中とマルコとオレで晩飯を作ることになった・・・結局ゆっくりできない。その後、絞めたばかりの鳥を持ってバカ二人が戻ってきたが・・・)

サシャ「味見係はまかせてください!」ニコニコ

コニー「オレもオレも!」ニコニコ

ジャン(絶対に味見だけで終わらないだろ)

ユミル「お前らは私と一緒に来い」

サシャ「え、ええ!?なんでですか!?」

コニー「せっかくのつまみぐいチャンスなのに!?」

ユミル「料理の品数を増やすんだよ、つまみ食いなんかよりそっちの方が確実にたくさん食べることができる、わかるな?ジャン、お前も手伝え、こいつらだけじゃ不安だ」

ジャン「え、オレも?」(めんどくせぇが料理よりはマシか)

マルコ「残った僕たちで料理を作るよ」(どんなご馳走が出来上がるか、今から楽しみだ)

ミーナ「エプロン男子!エプロン男子はあたしの班に!」

クリスタ「えー!ミーナが一人占めなんてずるいよ」

ミカサ「マルコはみんなのもの、それではいけない?」

アニ「ミカサに賛成。誰かの専属じゃなくって、それぞれ手伝ってもらえばいいじゃないか」

マルコ「う、うん、僕なんかでよければ喜んでみんなのお手伝いをさせてもらうよ・・・」(女の子たちから揃ってお声が掛かる、でもモテ期が到来したって訳じゃなさそうだ、奴隷生活の始まりの予感しかない・・・)

サシャ「あれ?ユミル、ここは訓練兵団の食料庫じゃありませんよ?」

コニー「食い物をかっぱらいにきたんだろ?じゃあどこの食料庫なんだよ」

ジャン「なあ、ここって・・・」(ユミルに連れて来られたのは芋女がしょっちゅう忍び込んでいる場所とは違って厳重に鍵がかけられている、やばくねぇか?)

ユミル「ああ、他兵団の管轄だ」カチャカチャピンッ

ジャン「おまっ、そんなん見つかったら・・・!」(ユミルはヘアピンを使って重そうな錠前を開ける、こいつピッキング技能持ちとかどんなアウトローだ)

ユミル「サシャは外でだれかこねぇか見張ってろ、ジャンとコニーは付いてこい」

サシャ「ええ!私も入ってみたかったのに・・・!」ガックリ

ジャン「なあおい、本当に大丈夫なのか?オレはつまんねぇ盗食いで憲兵団をふいにしたくはねぇんだぞ?」

ユミル「いろんなものを少しずつ、気付かれない程度に貰っていく、どうせ在庫管理なんていい加減だから少しくらいならバレない、それに時期が時期だからだれも来やしないよ」

ジャン(ユミルが樽から空き瓶に赤い液体を移している)

コニー「なぁ、それってワイ・・・」

ユミル「葡萄ジュースだ」

ジャン(コニーの言葉はユミルに言い切る前にさえぎられた)

コニー「いや、ジュースじゃなくて匂いからしてワイ・・・」

ユミル「葡萄ジュースだ」キッパリ

ジャン(また言い切る前にさえぎられた・・・)

コニー「じゃあもう葡萄ジュースでかまわねぇや・・・」

ジャン「ワイ・・・じゃなくて葡萄ジュースなんて何に使うんだ?」

ユミル「サングリアを作るんだ」

コニー「サングリア?」

ユミル「赤ワイ・・・じゃなくて、葡萄ジュースにカットしたフルーツと蜂蜜、スパイスを入れて作る飲み物だ、ご馳走にはおいしい飲み物も必要不可欠だろ。必要な材料は揃ったしそろそろ行くか」

サシャ「みなさん遅いですよう、待ちくたびれました」

ミカサ「マルコ、鳥の足を縛るので押さえていて欲しい」

マルコ「これでいいかな?」

アニ「マルコ、鳥の中に詰め物をするから手伝って」

マルコ「すぐ行くよ」

クリスタ「マルコ、玉ねぎのみじん切りお願いしてもいい?」

マルコ「いいよ」

ミーナ「マルコ、あたしの玉ねぎもお願い」ピコーン

マルコ「?わかった」

ミカサ「私のもついでに頼もう」ピコーン

アニ 「私も」ピコーン

マルコ「いいけど・・・」

ザクザクザクザクザクザクザクザク

マルコ「う・・・ぐすっ・・・な、涙が止まんない・・・」ポロポロ

クリスタ(泣きマルコ!泣きマルコかわいい!)

ミーナ(滾る!男の涙マジヤバイ!)

アニ(ベル以外の男を泣かすの超楽しい)

ミカサ(今度はエレンに頼もう)

ジャン(待ちに待った晩飯の時間だ、食堂のテーブルにはところせましとご馳走が並んでいる。香ばしく焼けたチキンの匂いにバターをからめて炒めた根菜の匂い、他にも色々・・・よだれが出てきた)

アルミン「もう・・・もう、一生分の薪割りをした」グッタリ

エレン「いやだ、もう薪割り斧は持ちたくねぇ・・・」グッタリ

ジャン「お前らもしかして・・・」(エレンとアルミンが疲れきった様子でテーブルに頭を載せている)

アルミン「そうだよ・・・ベルトルトにつき合わされて、今の今までぶっ続けで薪割り・・・」

エレン「疲れた・・・休みなのに訓練より疲れた・・・」

ライナー「どうした二人とも、薪割り程度でだらしないぞ?」ハハハ

マルコ「ライナーも同じことしてたのにどうして一人だけ元気なんだ?」

ベルトルト「ライナーは体力を持て余し過ぎだよ!」(ライナーを疲れさせて活動限界を迎えさせるつもりだったのに!作戦失敗だ!)

コニー「おい、全員揃ったなら早く食べようぜ?こいつを抑えるのはもう限界だ!」

サシャ「早く!早く食べましょうよ!早く!早く早く早く!お料理冷めちゃいますよ!」ハッハッハッ

ユミル「食べる前に乾杯しねーと、ほら、お前ら」

ジャン(オレ達でかっぱらってきた、もとい借りてきた材料で作ったサングリアが配られる)

アニ「赤い液体にオレンジやリンゴが沈んできれいだね」

ミーナ「でもこの匂いってワイ・・・」クンクン

ユミル「葡萄ジュースだ」

マルコ「じゃあ、乾杯しようか」

一同「かんぱーい!」

ミカサ「フルーツの香りとほんのりした甘さがとてもおいしい」ゴクゴク

アルミン「僕にはちょっと苦い気がするなぁ」チビチビ

エレン「そうか?甘くてうまいと思うぞ」グビグビ

ユミル「ハチミツが入ってるからな、本当は一晩ぐらい寝かせた方がうまいんだけどな」

サシャ「そんなことより!飲み物よりご飯をいただきましょうよ!チキン!お肉!チキン!お肉!」

クリスタ「サシャ、落ち着いて!切り分けてあげるから・・・!」

アニ「ほら、私が作ったやつでよければ」

サシャ「・・・」モグモグモグモグ

ミーナ「アニのローストチキンは野菜と・・・これは何が詰めてあるの?」

アニ「鶏のレバーだね、私の故郷の味だよ」

ベルトルト「・・・懐かしくて、おいしいね」

ライナー「・・・そうだな」

ミカサ「エレン、私が作った料理を是非食べて欲しい」スッ

エレン「え?おい、それってもしかして・・・チーハンじゃねぇか!?」

ミーナ「うわぁ・・・・・・・・・うわぁ」

ジャン「なんだよエレンの野郎ばっかり・・・うらやましい!」

マルコ「ジャン・・・あれはやめとけ」

クリスタ「マルコに激しく同意」

ジャン「な、なんだよお前ら・・・何があるってんだ?」

エレン「アニ、お前もチーハン好きだったろ!分けてやろうか?」

アニ「いや、私は遠慮しておくよ」

エレン「お?じゃあオレが独り占めしちゃっていいのか!へへっ」

ミカサ「じっくり味わって食べてほしい」

サシャ「あれ?教官にいただいた食材にチーハンの材料なんてありましたっけ?」

アニ「チーズはあったから・・・」

コニー「でもミンチ肉なんて無かったぞ?」

ミーナ「うん、もらった肉は鶏だけ・・・」

アルミン「じゃあ、あれは野菜かな?豆腐ハンバーグなんてものもあるらしいし」

クリスタ「野菜じゃないよ、一応生き物だし・・・」

ジャン「おい、だったら何の肉で出来てんだ?」

マルコ「そ、それは・・・うぐっ」

-一時間前-

クリスタ『ふうっ、おいしそうなお料理、たくさんできたね!』

ミーナ『食べるの楽しみ!そろそろみんなを呼んでくる?』

ミカサ『待ってほしい、もう一品だけ作りたいものがある』

マルコ『こんなにご馳走があるのに、まだ何か作りたいのか?』

アニ『材料もあんたが持ってるチーズぐらいしか残って無いじゃないか』

ミカサ『このチーズを使ってチーハン、もといチーズハンバーグを作りたい』

マルコ『チーズハンバーグを作ろうにも、チーズだけじゃ出来ないだろう』

クリスタ『ミンチ肉が無いと無理だよね』

ミカサ『子供のころお母さんに聞いたことがある、東洋ではハンバーグパテを作るのにミンチ肉の代わりにある生物を使ったと・・・ので、用意した』ゴソ

ミーナ『え・・・ミカサそれって、ミ・・・』

アニ『ミーナ、皆まで言うな!ミカサあんた、そんなもの食べられるわけ無いだろう!?』

ミカサ『大丈夫、ちゃんと泥抜きをして下処理をしてある』

マルコ『おいよせ!馬鹿な真似はやめるんだ!』

アニ『うそ・・・冗談でしょ?』

ミカサ『パン粉と卵とスパイスを振りかけて・・・』パラパラ

クリスタ『お願いミカサ・・・!もうやめて!私たちのライフはゼロよ!』

ミーナ『いやっ・・・いやぁぁぁ・・・』

ミカサ『こうして丁寧に握りつぶしながら混ぜ合わせれば、どうみても立派なミンチ肉』グチャグチャグチャグチャ

アニクリマルミー『』

アニ「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」フルフル

ベルトルト「アニ!?しっかりして!?」

クリスタ「く・・・くる!イセリナが走ってくる! イセリナが音もなく走ってくるー、く・・・来るなあ! ギャアア!!」ガク

ユミル「クリスタあぁぁ!?息をしろぉぉ!」

ミーナ「おかーさーん、おか・おか・おかーさーん・・・おかーさーん・おか・おか・おかーさーん・・・」ビクンビクン

ライナー「料理作りに参加してた連中の様子がおかしいぞ!?何があったんだ!?」

マルコ「もう質問はよしてくれ!みんな思い出したくないこともあるんだよ!」

エレン「うまいなあ、オレのためだけに作られたオレだけのチーハン!」パクパクモグモグ

ジャン「わざとらしく見せつけやがって!オレだってミカサに手料理作ってもらいてぇ・・・!」

ミカサ「私がジャンのために何かを作ることは今までも、そしてこれからも一切無いと思う。でも、マルコ、あなたがジャンのために作ったものがある、違わない?」

マルコ「ああ、そうだった!これなんだけど、よかったら食べてくれないか」

コニー「お!オムレツじゃん!ジャン、お前これ好物なんだろ?あ、オムレツじゃなくてオムオムだっけ?」

ジャン「オムオム・・・ってちげーし!こんなガキみてぇなもん好きじゃねぇし!」

エレン「なんだよ素直に喜べよジャンボ」

ジャン「それは忘れろおぉぉ!!」

マルコ「すまないジャン、迷惑だったか?」

ジャン「いや!そういう事じゃなくて!その・・・作ってくれて、あ、ありがとよ・・・」

サシャ「なんやこれ、ツンデレかや・・・」

コニー「ツンデレってなんだ?オムレツのことツンデレって言うのか?」

アニ「ほら、食べさせてやりなよ、上手く出来たんだろう」

マルコ「え?食べさせるの?なんだか恥ずかしいな・・・はい、あーん」

ジャン「ガキじゃねぇってのに・・・もぐ」

ミーナ「甘い、甘いわー」

コニー「甘い?もうデザート食ってんのか?」

マルコ「どうかな?ジャンのお母さんの味にはかなわないだろうけど」

ジャン「悪くねぇっつうか・・・・・・うまかったぞ」

クリスタ「ごちそうさまー」

コニー「え?食べはじめたばっかなのに、なんでごちそうさましてんだ?」

ライナー「・・・アルミンと・・・・・・無理やりにでも・・・姫初め・・・・・・・・・酔い潰して・・・」ブツブツ

ベルトルト(喧騒に混じってライナーの独り言が聞こえてくる、もれ聞こえる単語がろくでもないものばかりだ!なんとか阻止しないと・・・!)

ベルトルト「ね、ねえ!ご飯を食べ終わった後もさ、みんな一緒に夜が明けるまで食堂で語り明かさない!?」(全員を一箇所に集めておけばライナーも変なことできないだろう)

ユミル「ベルトルさん、いいこと言うじゃねぇか!オールナイトだな!」ダハハ

ライナー「・・・」ポチャ

ベルトルト(ライナーが飲み物に何か混入させているのが見えた。言ってるそばからなんかしでかそうとしてんじゃねぇ!)

ライナー「アルミン、サングリアのおかわりを持ってきてやったぞ」

アルミン「え?僕まだ飲み終わってないんだけど」

ベルトルト「わーライナーってキガキクンダネー!ほら、エレンのグラスが空だよぉ」(異物混入サングリアをライナーの手から奪い取ってエレンに押し付けた)

エレン「おお、ありがとな!ごくごくごくっ・・・げふっ・・・・・・・・・んごー」バタ

ベルトルト「!?」(グラスの中身を呷ったエレンが飲み干すと同時にぶっ倒れた!いったい何を入れたんだ!?)

ライナー「まだだ、まだ終らんよ!」ポチャ

ベルトルト「させるか!ほらほらコニー、ライナーが飲めってさ!」(ライナーが再び薬物を投下する!グラスを奪い取ってそばに居たコニーの口に流し込んだ)

コニー「オレはいらな・・・むぐっぶほぁ!・・・・・・すぅすぅ」ガク

ライナー「くっ、ならば奥の手だ・・・ブフーッ」ブシュッ

アルミン「うああぁぁ・・・・・・あれ?」

ベルトルト「大丈夫かい、アルミン」(ライナーが口に含んだサングリアをアルミンに向け鼻から勢いよく噴出させた!が、なんとかガードすることに成功した)ベシャベシャ

ライナー「アルミン、よごしてしまってすまん!じゃあこれから二人で着替えに行こうか!いや、その前に二人きりで風呂で汚れを落とすか?とりあえず布団を敷こう!な!」

アルミン「いや、僕は平気だけどベルトルトが・・・」

ライナー「ちっ、ならばもう一度・・・!」

ベルトルト「やらせはせん!やらせはせんぞ!」(ライナーが再び口にサングリアを含む、アルミンに顔を向けたところで鼻の穴に指を突っ込みーのして塞いでやった!)

ライナー「んごあ!?・・・かかったな」ニヤ

アルミン「ふ、ふえぇ・・・」ドサ

ベルトルト「!?」(僕がライナーの鼻の穴に気をとられている隙に、ライナーはアルミンの鼻をふさいで謎の薬物を飲み込ませることに成功していた・・・)

ライナー「どうしたアルミン、寝てしまったのか?俺がベッドまで運んでやろう、そのうえさらに俺が肉布団となって暖めてやるぞ」

ベルトルト「いい加減にしろ、このアルミンに対してハラスメントを行うライナー!略してアルハライナー!」チュウ(なりふり構ってらんない、余裕はないんだ!机に突っ伏したコニーの傍に置かれたグラスに残った液体を口移しでライナーに飲ませた)

ライナー「ベルトルト何を!こんなことをすればお前も・・・・・・ぐぅ」パタリ

ベルトルト「死なばもろと・・・も・・・・・・きゅう」(視界がぐにゃりとゆがみ気が遠くなる。口に少量含んだだけでこの効果って、何考えてんだ!耐え切れずライナーの上に倒れこんでそこからは・・・)ガクリ

ミーナ「え?なにこれベルライ?それともライベル?」

ミカサ「痴情のもつれによる心中だろうか、なんにせよエレンを巻き込むのは止してほしい」

エレコニアルライベル「・・・ぐうぐう」ZZZ

ユミル「なんだこいつら、もう潰れちまったのか?情けないね」

アニ「邪魔だからわきに除けとくよ」ポイポイ

クリスタ「もう!せっかくたくさんお料理作ったのに!」

サシャ「彼らが食べられなかった分は私がいただいちゃいますので、安心してください!」

ジャン「新年会」ミーナ「右ジャン啓蒙腐女子会」

ジャン(年が明けてしばらく経つが宴会はまだまだ続いている、耐え切れずに寝てしまった奴等もいるが)

マルコ「喋っているだけなのに時間が経つのがあっという間だよ、女の子がいると話が弾むね」

ベルトルト「そうだね、寮で男だけで話し込んだことはあったけど、女の子がいると違うね」

ライナー「男女が揃ってこんなに遅くまで一緒にいることも普段は無いしな!せっかくだからみんなで恋バナでもしないか?」ソワソワ

ミカサ「!」ガタッ

ユミル「ミカサは反応すんな」

アニ「そうだよ、恋バナなんて・・・普段からミカサの残念な言語力によるエレンへの思いを聞かされてるのに」

ライナー「女子はいつもそんな話をしているのか?」

ベルトルト「男子はエレンの巨人駆逐演説会になることが多いけど同じような物かな?」

ミーナ「恋バナっていうか、誰と誰がお似合いかって話しをしたいなぁ・・・例えばジャンと誰がお似合いかとかさ」ヘラヘラ

ジャン「なんでオレを名指しにするんだ」(も、もしかしてミカサとお似合いって言ってもらえたりすんのか!?)ドキドキ

クリスタ「はい!はいはい!ジャンにお似合いの人!私が一番に言いたい!」ガバッ

マルコ(つい先ほどまでおとなしく寝ていたクリスタが勢いよく起き出してきた)

ユミル「さすが私のクリスタ、寝ていても腐った話題には見境無く飛びついてくるんだな」

ライナー「ユミル、腐った物に飛びつくだなんて、その言い方だとクリスタがまるでハエかなんかみたいだ」

クリスタ「私はジャンにはエレンがお似合いだと思うよ!」

ジャン「・・・は?」

マルコ「・・・エレンもジャンも男じゃないか」

ベルトルト(あぁ、空気が腐ってきた・・・)



エレン「あれ?オレ名前呼ばれた?」マダネムイ

コニー「・・・なあ、あいつらなに話してんだ?」コソコソ

アルミン「シッ!エレン、声をあげちゃだめだ!コニーも寝たフリをしてじっとしているんだ、餌食にされかねない!」ヒソヒソ

クリスタ「ちょっとしたことで口が出たり手が出たりするけど、それも二人の愛情表現の一つなんだよね!」

ミーナ「喧嘩っぷるだね、クリスタはエレジャンか、なるほどなぁー」

ジャン「オレはいったい何を言われているんだ!?理解できないのはオレがバカになっちまったからか?」

マルコ(現状を正しく認識できるはずのジャンが混乱している、いや、防衛本能が働いて理解することを拒絶している?)

ミーナ「あたしはリヴァジャンかな!ハードなSMで痛めつけられるジャンが見たいな!」

ユミル「エルジャンもいいと思うぞ、団長室に夜な夜な呼ばれておっさんの性処理に突き合されればいいんじゃねぇ?」

ジャン「おまっ・・・SMとか性処理とか・・・!しかも誰だよそいつら!?なんでまだ会ったことも無いおっさんにオレがケツをヤられなきゃいけないんだ!?」

ベルトルト(ミーナとユミルの容赦ないメタ発言がジャンを襲っている)

ミーナ「アニは?アニはジャンには誰がいいと思う?」

ジャン「周りにまで話し振ってんじゃねェ!お前はもう豚小屋へ帰れ!」

アニ「私かい?私は・・・そうだねぇ」

マルコ「あの・・・無理に答えなくてもいいと思うよ?」

アニ「山奥ジャン」

ジャン「・・・ナニソレ」

アニ「ジャンはライナーとベルトルトに前から後ろから、サンドイッチの具にされればいいよ」

ジャン「!?」

ライナー「!?」

ベルトルト「!?」

マルコ(アニまで変なこと言い出したー!当事者になったせいで、ほろ酔い気分だったライナーも泥酔状態だったベルトルトも一気に酔いがさめたみたいだ)

ジャン「どいつもこいつもっ・・・!でもでも、ミ、ミカサは違うよなっ、そうだよなっ」

ミカサ「?」

マルコ(ジャンが淡い期待を込めてミカサに尋ねる、止めといた方がいいと思うけど)

ミカサ「・・・・・・モブジャン」

ジャン「!?!?!?」

マルコ(あ、これ、一番あかんやつや)

ミカサ「ジャンは誰とも知れない複数の男たちに蹂躙されてヒィヒィ言わされるべき」ドヤァ

アニ「複数相手って点では私と同意見だね」

ミカサ「こんなところでアニと意見があうとは思っていなかった・・・私たちはこれまで以上に仲良くなれそうだ」スッ

アニ「ふふっ、悪くないね」ガシィッ

ジャン「」

マルコ(ミカサとアニは熱い握手を交わしている、その横でジャンは息してない)

ジャン「い、芋!芋女!お前はどうなんだよ!」(クソ・・・頼むぞお願いだ、頼むからこれ以上・・・オレのケツを脅かさないでくれ・・・)

サシャ「え?私ですか?」モグモグ

マルコ(ジャンが無心に食べ物を頬張り続けていたサシャに話を振る、傷をひろげる結果にならなきゃいいけど)

ジャン「せめてお前ぐらいは違っていてくれ!」

サシャ「私は強いて言えば馬ジャンってとこですねー」ムグムグゴクン

ジャン「」

マルコ(人相手ですらない!?)

サシャ「馬面を馬に好かれて愛されて、仲間と間違われてそのまま種付けされて欲しいですねー」ムシャムシャ

ミーナ「犬ジャンは考えたことあったけど、馬ジャンかぁ!」

クリスタ「うん!馬もいいね!いろんなカプがあるなぁ、みんな違ってみんないいよ!」

ジャン「いいわけないだろ!?お前らオレをなんだと思ってやがるんだ!・・・もうやだ!お前らいやだぁ!」ダッ

マルコ「あっ、おい、ジャン!」(ジャンはやだやだ言いながら半泣きで食堂から出て行った、逃げ出したくなる気持ちも解るよ)

ライナー「ジャンの奴を放っておけないからな、俺は探しに行くぞ」(逃げよ)ソソクサ

ベルトルト「そうだね、寒空の下で凍死しちゃうといけないからね」(ライナーずるいぞ僕を置いて逃げるんじゃない)イソイソ

マルコ「二人とも待って!置いてかないでよ!」(一番遅い僕が注意をひいて二人を逃したつもりはないんだけど、ライとベルはとっとと逃げ去った・・・いや、ベルとライ?)

クリスタ「マルコはまだ行かないで、大事なお知らせがあるから」

マルコ「え・・・僕?」(僕も逃げ出そうと椅子から腰を浮かしたところで呼び止められてしまった)

サシャ「色々言いましたけど、私たち女子の間ではジャンとマルコはいつでもどこでもいっしょふたりはなかよしプリティでキュアッキュア恋とキスの答えは何処にあるのお互い君が居ないとダメYOU達とっとと結婚しちゃいなよ、という共通認識ですので」

ユミル「同年代のお前との青い行為しか知らないジャンを襲うおっさんのねちっこい執拗な愛撫」

ミーナ「マルコとのあまあまプレイしか知らない体に刻み込まれる羞恥と苦痛」

アニ「いずれもあんたとジャンができているっていう前提だ」

ミカサ「ので、安心して欲しい」

マルコ「アッハイ・・・ありがとうございます・・・・・・」(何をどう安心すればいいんだ!?女の子たちの勢いに押されて何故かお礼を言ってしまった・・・)

マルコ「あの、それでは僕はジャンを探しに行きますので・・・」(ジャンを追いかけないと、それよりもここから、彼女たちから逃げ出さないと!可及的速やかに食堂を後にした)

アニ「男連中はみんな行っちまったね、女だけが残って女子会みたいだね」

サシャ「女子会っていうよりは腐女子会ですけどね」パクパク

ミカサ「女の子同士で話すのもいいものだ」

ユミル「訓練兵生活も終わりが近いし、この面子でお喋りするのもあと何回くらいだろうな」

ミーナ「解散式の後、他兵団に所属した後も定期的に集まってやろうよ、腐女子会」ヘラヘラ

クリスタ「ねえねえ、萌語りの続きしようよ!新春腐女子会ってことで」ニコニコ

女子一同「賛成!」キャッキャウフフ


エレン(なんなんだあいつら、年明け早々嬉しそうにホモ話ばっかしやがってなんなんだあいつら!)ガタガタ

コニー(こえーよ!あいつらみんなジャンのケツをどうするかの話で盛り上がりまくってる!女どもが一人残らず怖すぎる!)ブルブル

アルミン(二人とも寝たフリだ!やつらに気付かれちゃならない!)ガクガク

-調査兵団年越しパーティ会場-

リヴァイ「くしゃみが・・・誰かに噂されてるのか?」ヘーチョ

エルヴィン「奇遇だな、お前もか、私もくしゃみが・・・」ヘクション

ハンジ「ねぇねぇモブリット君!巨ジャンっていいと思わないかい!?あ、巨ジャンって言うのは巨人xジャンってことだからね!」

モブリット「分隊長、新年のしょっぱちから訳の解らない事を言うのはやめてください」

おしまい

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